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JP4034289B2 - 脂肪アルコールの製造方法 - Google Patents

脂肪アルコールの製造方法 Download PDF

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JP4034289B2 JP2004109968A JP2004109968A JP4034289B2 JP 4034289 B2 JP4034289 B2 JP 4034289B2 JP 2004109968 A JP2004109968 A JP 2004109968A JP 2004109968 A JP2004109968 A JP 2004109968A JP 4034289 B2 JP4034289 B2 JP 4034289B2
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Description

本発明は、脂肪酸エステルを原料として脂肪アルコールを製造する方法に関する。
脂肪アルコールは、各種化学品・家庭品等の重要な中間体であり、近年需要が大きく伸びており、品質を維持しながら低コストで製造するプロセスの研究が盛んに行われている。脂肪アルコールは一般的に、天然油脂、脂肪酸、脂肪酸エステルを原料とし、この原料を水素添加触媒存在下、水素で接触還元して粗脂肪アルコールとした後、蒸留精製することによって製造される。
上記蒸留工程で生じる蒸留残渣は、これまで一般的に廃棄、もしくは非特許文献1に示されるように、一部を回収して原料脂肪酸と混合して水素添加工程に戻されてきた。
一方、脂肪酸エステルから接触還元により製造された脂肪アルコールには少量の未反応の脂肪酸エステルが残存するが、これらは脂肪アルコールと蒸気圧が近いために蒸留で分離することは困難である。そこで、未反応エステル類を分解除去することを目的として、蒸留時にアルカリ成分を添加することが知られている(特許文献1)。また、アルデヒド類などのカルボニル化合物等の不純物の低減を目的として、蒸留工程に、水素化ホウ素ナトリウムあるいはその水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ成分を添加することが知られている。
このようなアルカリ成分の添加は不純物低減には有効であるが、添加されたアルカリ成分が蒸留残渣中に残る為、蒸留残渣を回収して水素添加工程に戻すと、水素添加触媒が劣化するという問題があった。懸濁床触媒反応器では一部の水素化触媒を新規なものに置き換えながら運転することにより、触媒活性を維持することも可能であるが、成形した触媒を塔内に固定化した固定床反応器で水素添加反応を連続で行う場合には、生産を継続しながら触媒を交換することはできず、触媒寿命を長く維持しつつ蒸留残渣の回収使用を行うことはできなかった。
"Production of Fatty Alcohols from Fatty Acids",by Theodor Voeste, JAOCS, Vol. 61, No.2 (February 1984), Page 350-352 欧州特許第0454720号明細書
本発明の課題は、脂肪酸エステルに水素添加して粗脂肪アルコールとした後、蒸留精製して脂肪アルコールを製造するに際し、触媒の活性低下を起こすことなく蒸留残渣を回収し、高収率で脂肪アルコールを製造する方法を提供することである。
本発明は、脂肪酸エステルに水素添加して粗脂肪アルコールを得る工程(以下水素添加工程という)、得られた粗脂肪アルコールを蒸留精製して脂肪アルコールを得る工程(以下蒸留工程という)を含む脂肪アルコールの製造方法であって、蒸留工程で得られる蒸留残渣の一部又は全部を回収して、蒸留残渣のアルカリ成分を除去した後、水素添加工程又は原料脂肪酸エステルに添加する工程(以下回収工程という)を含む、脂肪アルコールの製造方法である。
本発明の方法により、アルコール製造触媒の活性低下を起こさずにアルコール蒸留残渣を回収使用することが可能になり、高収率で脂肪アルコールを製造することができる。
[水素添加工程]
本発明の水素添加工程は、脂肪酸エステルに水素添加して粗脂肪アルコールを得る工程である。
本工程で用いられる原料脂肪酸エステルは天然系由来、合成系由来のいずれのものでも良い。脂肪酸エステルの一つとしてトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド及びそれらの混合物を主成分とする天然の植物性油脂及び動物性油脂が挙げられる。植物性油脂としては、菜種油、大豆油、やし油、パーム油、パーム核油、向日葵油、ごま油、コーン油、紅花油、アマニ油等が、また動物性油脂としては、魚油、牛油、豚油等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらの廃油脂、廃食用油も原料として使用できる。
また他の脂肪酸エステルとして、上記油脂を構成する脂肪酸とアルコールのエステルが挙げられる。ここでアルコールは特に限定されない。高級アルコールとのエステルの場合はワックスを形成する。工業用原料としては低級アルコールとのエステルが好ましく、低級アルコールとしては炭素数1〜10の脂肪族アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜5程度の低級アルコールがより好ましい。この内、メタノールが、コスト・回収の容易さの観点で最も好ましい。
脂肪酸エステルの水素添加を行なう反応器としては、接触還元反応が可能であれば特に限定されるものではなく、通常用いられる公知のものでよい。例えば触媒を流体で流動化させて接触還元反応を行う懸濁床反応器、触媒を充填固定化し流体を供給することで接触還元反応を行う固定床反応器等が挙げられる。
本工程に用いられる水素化触媒は通常水素化に用いられる公知のものでよく、特に限定されるものではない。例えば、銅、レニウム、コバルト、貴金属等を主成分とした触媒が挙げられる。
水素添加反応の温度は、十分な反応速度を得るという観点より、100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。また、高温では生成アルコールより副生成物が生じやすくなるため、300℃以下が好ましく、280℃以下がより好ましく、250℃以下が更に好ましい。反応圧力は、反応平衡をアルコール側に移動させるという観点からは高圧ほど好ましいが、設備コストを考慮して、1〜30MPaが好ましく、2〜25MPaがより好ましく、10〜25MPaが更に好ましい。
本工程では上記原料脂肪酸エステルに応じた粗脂肪アルコールが得られる。
[蒸留工程]
本発明の蒸留工程は、水素添加工程で得られる粗脂肪アルコールを蒸留精製して、脂肪アルコールを得る工程である。
また、蒸留に際し、粗脂肪アルコール中の未反応脂肪酸エステルを分解するためにアルカリ成分を添加することが好ましい。アルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。アルカリ成分の添加量は、粗脂肪アルコールに対して、1〜1000重量ppmが好ましく、10〜100重量ppmが更に好ましい。
蒸留操作は、塔内に気液接触のための金属板型、金網型の不規則充填物や、ラシヒリング、ポールリング等の不規則充填物を充填した塔、あるいは多孔板トレイ、泡鐘式トレイ等の棚段を設置した精留塔、塔内の一部を分割した所謂ペトリューク型の塔、塔内に気液接触部を設けないフラッシュ塔のいずれで行ってもよい。また、本蒸留操作は連続操作、回分操作さらには半回分操作のいずれでも実施可能である。本工程において、蒸留塔への粗脂肪アルコールの供給はバッチ式でも連続式でもよいが、生産効率の観点から連続式が望ましい。
蒸留条件は、製造する脂肪アルコールの蒸気圧により適宜選択することができるが、温度は100〜250℃、圧力は0.1〜30kPaが好適に用いられる。
蒸留により、精製脂肪アルコールが得られる一方で、蒸留塔ボトムより蒸留残渣が得られる。残渣は、連続的または回分的に抜き出すことができる。
[回収工程]
本発明の回収工程は、蒸留工程で得られる蒸留残渣の一部又は全部を回収して、蒸留残渣のアルカリ成分を除去した後、水素添加工程又は原料脂肪酸エステルに添加する工程である。
蒸留残渣中のアルカリ成分を除去する方法としては、蒸留残渣に水を混合した後、油水分離する方法(温水洗浄)、蒸留残渣に水及び酸を混合した後、油水分離する方法(酸分解処理)、及び蒸留残渣をイオン交換樹脂と接触させた後、油水分離する方法(イオン交換樹脂処理)等が挙げられるが、温水洗浄及び酸分解処理が好ましい。
温水洗浄においては、残渣に水又は加温した水を加え、攪拌することでアルカリ成分を除去する。残渣に対する水の添加量は、アルカリ成分除去効率の観点から、3重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。また、排水量を低減する観点から、100重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、10重量%以下が特に好ましい。
温水洗浄の操作温度は残渣の融点以上の温度で行なうことが、ハンドリング性及び効果の観点で好ましい。具体的には残渣の組成にもよるが、60〜130℃程度が好ましく、水の沸点である100℃以下がより好ましく、水の蒸発による水分量の減少を抑えるという観点より95℃以下とすることが特に好ましいが、残渣に含まれている石鹸による泡立ちや乳化を抑制し、油水分離性を向上させる観点からは、70℃以上が好ましく、90℃以上が更に好ましい。残渣、温水又は水は各々昇温した後に混合しても良く、混合した後に昇温して操作温度としても良い。温水洗浄を行なう場合、撹拌機構を有した洗浄用のタンクを用いるのが最も簡便である。残渣と温水又は水の添加順序や方法、及び混合方法には特に限定は無く周知の手段を用いることができる。
酸分解処理は、残渣に酸を添加するか、又は残渣と酸水溶液を混合することによって行なう。温水洗浄と同様に、撹拌機構を有した洗浄用のタンクを用いるのが最も簡便であり、温水洗浄と同時に行なっても良い。好ましい操作温度や酸水溶液を使用する際の温水又は水の量も温水洗浄時と同じであり、撹拌下に行なうことが好ましい。
使用する酸は、効果の観点から無機酸が好ましく、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸など一般的に使用されているものを用いればよく、特に限定されるものではない。腐食の観点からは塩酸以外が好ましい。
酸分解処理は、油水混合液のpH値を目安に行なう。pH値は、アルカリ成分の除去効率という観点より7以下が好ましく、pHを低くする程効果的であるが、設備の腐食を抑制する観点から3〜7が好ましく、4〜6となるように調整することがより好ましい。ここでpH値は、25℃における水相のpHを、複合電極、pHメーターを用いて測定した値である。酸分解処理は、イオン交換樹脂処理に比較して樹脂の準備や再生の必要が無く、簡便で効果的である。
イオン交換樹脂処理は、残渣を酸型の陽イオン交換樹脂を充填したカラムに連続的に通液する方法、又は回分法により行なうことができ、温水洗浄と併用しても良い。樹脂はスチレン系、メタクリル系、アクリル系など、いずれの樹脂でも使用でき、操作温度はこれら樹脂の使用温度によるが、一般的に120℃以下、好ましくは100℃以下である。
イオン交換樹脂処理や酸分解処理によって、残渣中の石鹸やワックスは脂肪酸及びアルコールに転化するため、油水分離性が向上する。また、石鹸やワックスが系内に蓄積されずアルコールに転化するため、アルコールの収率が改善される。
温水洗浄、酸分解処理、イオン交換樹脂処理等の処理は、各々又は組合せて、段階的に行なったり、繰り返し行なったりすることで更に効果的に遂行することができる。
油水分離によるアルカリ成分の除去は、比重差を利用した自然浮上法、遠心分離法、又は膜分離法などに例示される周知の方法で行ない、アルカリ成分を除去した残渣を得ることができる。
アルカリ成分を除去した蒸留残渣は、水素添加工程又は原料脂肪酸エステルに添加される。原料脂肪酸エステルに対する蒸留残渣の添加量は、混合後の総アルカリ成分含有量及び使用する水素化触媒の耐アルカリ性能に関係する。すなわち、原料脂肪酸エステルのアルカリ成分含有量が低い程、また水素化触媒の耐アルカリ性能が高い程、多くの残渣を添加することが出来る。逆の場合には、蒸留残渣から十分アルカリ成分を除去することが重要となる。
使用する触媒により異なるが、一般的には総アルカリ成分含有量を60ppm(重量百万分率、以下同じ)以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下となる様に蒸留残渣を添加する。ここでアルカリ成分含有量は、原子吸光光度計で測定した値である。
実施例1
<水素添加及び蒸留>
パーム核油由来の脂肪酸メチルエステル(けん化価240mg−KOH/g、日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」)を原料として、この原料エステル200gに、Cu−Cr水素添加触媒(日揮化学(株)製:KSC−1)3g存在下、水素を5L/minで流通し285℃、24.5MPaの条件で3時間水素添加反応を行って粗脂肪アルコールを得た。この粗脂肪アルコールに水酸化カリウムを50ppm(カリウム基準)添加し、連続式蒸留装置に仕込み、真空度1.6kPa、塔頂温度232℃まで加熱し、蒸留操作を行った。この時、蒸留残渣中のアルカリ成分を原子吸光光度計(島津製作所製Z−6100)で定量したところ、1020ppmであった。
<アルカリ成分除去>
得られた蒸留残渣を撹拌混合器に仕込み、80℃の温水を残渣に対して90重量%添加し、90℃に温度調整した後、30分攪拌した。次に、20%の硫酸水溶液をpH=2.4になるように添加した後、90℃にて30分間攪拌した。温度を90℃に保った状態で1時間、分液ロート中で静置して油水を分離して、アルカリ成分を除去した蒸留残渣を得た。アルカリ成分除去操作を行った蒸留残渣中のアルカリ成分は2.5ppmであり、99.8%のアルカリ成分が除去されていた。
<回収残渣添加反応>
アルカリ成分を除去した蒸留残渣20gをパーム核油由来の脂肪酸メチルエステル(けん化価240mg−KOH/g、日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」)200gに添加し、500mLのオートクレーブに仕込んだ。この時の脂肪酸エステル原料の総アルカリ成分含有量は3.9ppmであった。Cu−Cr水素添加触媒(日揮化学(株)製:KSC−1)3g存在下、水素を5L/minで流通し285℃、24.5MPaの条件で3時間水素添加反応を行った。
反応開始1.5時間後のけん化価(SV)は7.5mg−KOH/gであった。反応が進み、SV=5mg−KOH/gとなったときのハイドロカーボン(HC)量は0.34%(ガスクロマトグラフ法)であった。
参考例1
実施例1の回収残渣添加反応において、アルカリ成分を除去した蒸留残渣を加えずに、実施例1で使用した脂肪酸メチルエステルを500mLのオートクレーブに仕込み、実施例1と同じ条件で水素添加反応を行った。
反応開始1.5時間後のけん化価(SV)は5.7mg−KOH/gであった。また、反応が進み、SV=5mg−KOH/gとなったときのハイドロカーボン(HC)量は0.35%であった。
比較例1
実施例1において、アルカリ成分除去を行わずに得られた蒸留残渣20gを、実施例1で使用した脂肪酸メチルエステル200gに添加し、500mLのオートクレーブに仕込んだ。脂肪酸エステル原料の総アルカリ成分含有量は96ppmであった。その後、実施例1と同一条件で水素添加反応を行った。
反応開始1.5時間後のけん化価(SV)は111mg−KOH/gであった。また、反応が進み、SV=5mg−KOH/gとなったときのハイドロカーボン(HC)量は0.48%であった。
実施例1、参考例1及び比較例1の結果を表1に示す。蒸留残渣にアルカリ除去処理を施さずに原料メチルエステルに添加したもの(比較例1)は、反応においてけん化価の低下が少なく、触媒活性の低下が認められた。一方、温水及び酸を用いてアルカリ除去処理を行った蒸留残渣を添加したもの(実施例1)は、蒸留残渣を添加せずに反応したもの(参考例1)と同等のけん化価の低下が見られ、触媒活性の低下を防止できることが示される。
Figure 0004034289
実施例2
<水素添加及び蒸留>
実施例1で使用したパーム核油由来のメチルエステルを、Cu−Cr水素添加成形触媒(日揮化学(株)製:N202D)500ccが充填された内径25mmφ、触媒層長さ2mの反応塔に、LHSV=0.75(1/H)で流通して水素添加反応を行い粗脂肪アルコールを得た。この時の反応条件は、温度220℃、圧力20MPa、水素/メチルエステル(モル比)=100であった。この粗脂肪アルコールに水酸化カリウムを50ppm(カリウム基準)添加し、連続式蒸留装置に仕込み、真空度1.6kPa、塔頂温度232℃まで加熱し、蒸留操作を行った。この時、蒸留残渣中のアルカリ成分は1138ppmであった。
<アルカリ成分除去>
得られた蒸留残渣を撹拌混合器に仕込み、80℃の温水を残渣に対して5重量%添加し、90℃に温度調整した後、30分攪拌した。次に、20%の硫酸水溶液をpH=5.0になるように添加した後、90℃にて30分間攪拌した。温度を90℃に保った状態で1時間、分液ロート中で静置して油水を分離して、アルカリ成分を除去した蒸留残渣を得た。アルカリ成分除去操作を行った蒸留残渣中のアルカリ成分は148ppmであり、87%のアルカリ成分が除去されていた。
<回収残渣添加反応>
アルカリ成分を除去した蒸留残渣を、実施例1と同様の原料脂肪酸メチルエステルに対して1.3%添加し、蒸留残渣回収原料メチルエステルとした。該蒸留残渣回収原料メチルエステルの総アルカリ成分含有量は1ppmであった。該蒸留残渣回収原料メチルエステルを、Cu−Cr水素添加成形触媒(日揮化学(株)製、N202D)500ccが充填された内径25mmφ、触媒層長さ2mの反応塔にLHSV=0.75(1/H)で流通して水素添加反応を行った。この時の水素添加反応条件は、温度220℃、圧力20MPa、水素/メチルエステル(モル比)=100であった。
反応終了後のけん化価(SV)は11.7mg−KOH/gであり、ハイドロカーボン(HC)量は0.01%(ガスクロマトグラフ法)であった。
参考例2
実施例2の回収残渣添加反応において、アルカリ成分を除去した蒸留残渣を加えないこと以外は実施例2と同一の条件で、脂肪酸メチルエステルの水素添加反応を行った。
反応終了後のけん化価(SV)は11.2mg−KOH/gであり、ハイドロカーボン(HC)量は0.02%であった。
実施例2、参考例2の結果を表2に示す。温水及び酸を用いてアルカリ成分除去処理を行った蒸留残渣を添加したもの(実施例2)は、蒸留残渣を添加せずに反応したもの(参考例2)と同等のけん化価の低下が見られ、触媒活性の低下を防止できることが示される。
Figure 0004034289
実施例3〜8
表3に示すアルカリ濃度を有する各種蒸留残渣に対し、表3に示す各種温水添加及び酸添加処理を施した場合のアルカリ成分除去結果を表3に示す。温水処理のみでも69.0%のアルカリ成分が除去され(実施例3)、酸処理との併用により更に効率的にアルカリ成分を除去することが示される。
Figure 0004034289

Claims (3)

  1. 脂肪酸エステルに水素添加して粗脂肪アルコールを得る工程(以下水素添加工程という)、得られた粗脂肪アルコールにアルカリ成分を添加して蒸留精製を行い脂肪アルコールを得る工程(以下蒸留工程という)を含む脂肪アルコールの製造方法であって、蒸留工程で得られる蒸留残渣の一部又は全部を回収して、蒸留残渣のアルカリ成分を除去した後、水素添加工程又は原料脂肪酸エステルに添加する工程を含む、脂肪アルコールの製造方法。
  2. アルカリ成分の除去を、蒸留残渣と水とを混合した後、油水分離することにより行う、請求項1記載の脂肪アルコールの製造方法。
  3. アルカリ成分の除去を、蒸留残渣と酸及び水とを混合した後、油水分離することにより行う、請求項1又は2記載の脂肪アルコールの製造方法。
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