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JP4033565B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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JP4033565B2
JP4033565B2 JP31801898A JP31801898A JP4033565B2 JP 4033565 B2 JP4033565 B2 JP 4033565B2 JP 31801898 A JP31801898 A JP 31801898A JP 31801898 A JP31801898 A JP 31801898A JP 4033565 B2 JP4033565 B2 JP 4033565B2
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明彦 望田
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真司 山下
渉 大野
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像信号のダイナミックレンジの拡大をより有効に行えるようにした内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
体腔内の観察には、医療用の内視鏡が用いられているが、体腔内は暗いため、この暗い体腔内に照明光を供給する照明装置が必要である。一方、電子式内視鏡や内視鏡外付けカメラを用いた内視鏡装置では、CCD等の固体撮像素子のダイナミックレンジのため、照明が明る過ぎるとハレーションを起こし、また、逆に暗過ぎると観察が困難である。
【0003】
一般に、テレビカメラ等の撮像装置では、その有効撮像輝度域は、撮像装置である例えば固体撮像素子の光電変換特性により一義的に定まる。つまり、固体撮像素子の出力レベルの下限は、ノズルレベルで限定される。一方、前記出力レベルの上限は、飽和レベルで限定される使用可能な動作レンジが定まる。また、固体撮像素子は、その出力レベル特性の傾きが一定の値を有しているので、結果として固体撮像素子の有効撮像輝度は一義的に定まる。
【0004】
そこで、従来、例えば特開昭57−39673号公報では、2種類の異なる輝度での撮像信号を合成し、固体撮像素子の撮像信号のダイナミックレンジを拡大する撮像装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内視鏡による撮像においては、観察する体腔内には照明が必要であって、この体腔内は濡れた状態であり、しかも凹凸が非常に多い被写体であるため、ダイナミックレンジが狭いと上述したように近点においては照明が明るすぎてハレーションを起こし、また、遠点においては暗すぎて撮像が不能となる。従って、単に前記従来例のように2種類の異なる輝度での撮像信号を合成し、固体撮像素子の撮像信号のダイナミックレンジを拡大するだけの装置を、前記電子式内視鏡や、内視鏡外付けカメラを用いた内視鏡装置に用いても、この従来の装置では被写体を照明する照明装置に関しての考慮がないので、ダイナミックレンジを拡大しても、特に遠点における被写体は光量が不足して像を撮像することができないといった問題がある。
【0006】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、近点においてはハレーションを起こさず、遠点においては光量不足を起こすことなく、近点から遠点に到るまでの体腔内の内視鏡画像を所望の輝度により観察することのできる内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明による内視鏡装置は、体腔内に挿入する一方、この体腔内の被写体を撮像する撮像装置を内蔵し、または外付けで設ける内視鏡と、前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、前記内視鏡の撮像装置からの撮像信号を信号処理するとともに、異なる露光時間で撮像した各々の画像を合成してダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置と、前記信号処理装置がダイナミックレンジを拡大する時において、前記光源装置から撮像装置への入射光量を、通常時と比較して増加する状態とする調光信号を生成する調光信号生成装置と、前記調光信号生成装置からの調光信号によって前記光源装置からの照明光量を制御する光量制御装置を具備して構成される。
【0008】
本発明の内視鏡装置では、前記信号処理装置の前記調光信号生成手段が、前記ダイナミックレンジの拡大時において、前記撮像装置への光量を増大するよう調光信号を生成することで、ハレーションを起こすことなく遠点に渡るまでの体腔内の内視鏡画像を所望の輝度により観察することを可能とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0010】
図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示す構成図、図2は図1のR用Dレンジ拡大回路の構成を示す構成図、図3は図2の第1LUT及び第2LUTのマッピングを示す図、図4は図1の光源装置の構成を示す構成図、図5は図2のR用Dレンジ拡大回路の各信号のタイミングを示すタイミングチャート、図6は図2のR用Dレンジ拡大回路の作用を説明する説明図、図7は図1の内視鏡装置の変形例の構成を示す構成図である。
【0011】
(構成)
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡装置1は、体腔内に挿入し被写体を観察する内視鏡2と、内視鏡2の接眼部に着脱自在に接続され内視鏡2により得られた被写体像を撮像する単板カラー撮像素子であるCCD3を備えた外付けTVカメラ4と、外付けTVカメラ4のCCD3を駆動制御すると共にCCD3からの撮像信号を信号処理し図示しないモニタに被写体像を表示させるカメラコントロールユニット(以下、CCUと記す)5と、内視鏡2より延出され着脱自在に接続されるユニバーサルケーブル6を介して内視鏡2に照明光を供給する光源装置7とを備えて構成される。
【0012】
CCU5は、基準信号を発生する同期信号発生回路(以下、SSGと記す)13と、SSG13からの基準信号を入力しCCD3の駆動信号等を生成するタイミングジェネレータ14と、タイミングジェネレータ14からの駆動信号によりCCD3を駆動するCCDドライバ15と有している。
【0013】
また、CCU5は、CCD3からの撮像信号を増幅するプリアンプ16と、タイミングジェネレータ14からのサンプリングパルスに基づき相関二重サンプリング(以下CDSと略記)するCDS回路17と、CDS回路17の出力をA/D変換するA/D変換器18とを備え、CCD3からの出力の画像信号がプリアンプ16で増幅された後にCDS回路17によってベースバンド帯域に落とされ、A/D変換器18によりデジタル信号に変換されるようになっている。
【0014】
さらに、CCU5は、A/D変換器18でA/D変換されたデジタル信号をRGBの3つの色信号に分離する色分離回路19と、色分離回路19により色分離されたデジタル信号に対してホワイトバランスの調整を行うホワイトバランス回路20と、ホワイトバランス回路20によりホワイトバランスの調整がなされたデジタル信号のゲイン調整を行う自動利得制御回路(以下、AGC回路と記す)21と、AGC回路21によりゲイン調整されたデジタル信号に対してknee処理及びγ補正を行うknee&γ回路22と、スイッチ23を介してknee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号に対してエンハンス処理を行うエンハンス回路26と、エンハンス処理されたデジタル信号をD/A変換し75Ωドライバ27を介して図示しないモニタに出力するD/A変換器28とを備えて構成される。
【0015】
また、CCU5は、knee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号を加算平均する加算平均回路29と、この加算平均回路29の出力をローパスフィルタ(LPF)30を介して入力しスイッチ31を介して入力される基準電圧Vrefとの差分を増幅して内視鏡2に照明光を供給する光源装置7に調光信号として出力するオペアンプ33と、装置前面に設けられたダイナミックレンジの拡大を指示するダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34からの入力を受けスイッチ23及びスイッチ31の切換とタイミングジェネレータ14が生成する駆動信号等のタイミングを制御するCPU35とを備えている。
【0016】
ここで、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がONされると、スイッチ23の各スイッチがa側からb側に切り換えられ、knee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号は、スイッチ23を介してそれぞれのダイナミックレンジを拡大処理するR用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bに入力されるようになっている。この場合、エンハンス回路26は、R用Dレンジ拡大回路15R、G用Dレンジ拡大回路15G及びB用Dレンジ拡大回路15Bによりダイナミックレンジが拡大されたRGBのデジタル信号に対してエンハンス処理を行うことになる。
【0017】
R用Dレンジ拡大回路25Rは、図2に示すように、knee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたR信号の1フィールド分のデジタル信号を記憶するフィールドメモリ41と、フィールドメモリ41に記憶されたR信号と現在のフィールドのR信号とをタイミングジェネレータ14からのフィールド判別信号により切り換えて出力する第1セレクタ42及び第2セレクタ43とを備えており、第2セレクタ43はインバータ回路44を介することで第1セレクタ42が出力する現在のフィールドのR信号と異なるフィールドのR信号を出力するようになっている。
【0018】
また、R用Dレンジ拡大回路25Rは、第2セレクタ43が出力するR信号に対して画素レートでの出力レベルに対して後述する所定の関数値を出力する第1ルックアップテーブル(以下、第1LUT)45及び第2ルックアップテーブル(以下、第2LUT)46と、前記第1セレクタ42が出力するR信号に対して画素レートでの出力と第1LUT45の出力とを乗算する第1乗算器47と、第2セレクタ43が出力するR信号に対して画素レートでの出力と第2LUT45の出力とを乗算する第2乗算器48と、第1乗算器47の出力及び第2乗算器48の出力を加算して前記エンハンス回路26に出力する加算器49とを備えて構成されている。
【0019】
なお、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bは、R用Dレンジ拡大回路25Rと同じ回路構成であるので、説明は省略する。
【0020】
上述した第1LUT45及び第2LUT46は、図3に示すようなマッピングをしており、R信号の画素レートでの出力レベルをxとしたとき、第1LUT45はcos2(px)を出力し、第2LUT46はsin2(px)を出力するようになっている。なお、pは補正係数であり、例えばp=(2π/4×4)である。
【0021】
光源装置7は、図4に示すように、照明光を発生するランプ51と、ランプ51を駆動するランプ駆動回路52と、ランプ51からの照明光を絞り53を介してユニバーサルケーブル6に内挿され内視鏡2の先端に照明光を伝送するライトガイド54の入射端に集光させるレンズ55と、絞り53を駆動するモータ56と、オペアンプ33からの調光信号を入力しモータ56により絞り53を制御する調光回路57とを備えて構成される。
【0022】
(作用)
次に、このように構成された本実施の形態の内視鏡装置1の作用について説明する。
【0023】
CCU5において、SSG13からの基準信号に基づきタイミングジェネレータ14で生成された駆動信号でCCDドライバ15が外付けTVカメラ4のCCD3を駆動する。そして、CCD3で撮像された被写体の光電変換信号はプリアンプ16で増幅された後にCDS回路17によってベースバンド帯域に落とされ、A/D変換器18によりデジタル信号に変換される。
【0024】
その後、色分離回路19によりA/D変換されたデジタル信号をRGBの3つの色信号に分離され、ホワイトバランス回路20、AGC回路21及びknee&γ回路22によりホワイトバランス調整、ゲイン調整及びknee処理及びγ補正がなされた後、スイッチ23を介してエンハンス回路26でエンハンス処理され、D/A変換器28によりD/A変換され75Ωドライバ27を介して図示しないモニタに出力される。
【0025】
knee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号は加算平均回路29で加算平均され、LPF30を介してオペアンプ33に入力される。そして、オペアンプ33でスイッチ31を介して入力される基準電圧Vrefとの差分が増幅され光源装置7の調光回路57に調光信号として出力される。
【0026】
ここで、装置前面に設けられたダイナミックレンジの拡大を指示するダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がONされ、ダイナミックレンジの拡大指示がCPU35になされると、CPU35は、スイッチ23内の各スイッチをa側からb側に切り換え、knee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号をR用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bに出力させると共に、タイミングジェネレータ14を制御し、スイッチ31をc側からd側に切り換える。
【0027】
スイッチ31のc側からd側への切り換えにより、オペアンプ33の+側入力がグランドレベルとなり、オペアンプ33の出力である調光信号は、光源装置7内の絞り53を開口状態にするようなレベル信号となり、この調光信号を光源装置7内の調光回路57が入力することにより、調光回路57はモータ56を駆動制御し絞り53を開口状態にする。これにより内視鏡2のライトガイド54の入射端には、最大光量のランプ51からの照明光がレンズ55を介して供給されることとなる。
【0028】
また、タイミングジェネレータ14ではCPU35の制御に基づき駆動信号を生成し、タイミングジェネレータ14で生成された駆動信号によりCCDドライバ15は、フィールド単位で異なる時間のシャッタ時間、例えば第1のシャッタ時間を1/60secとして被写体を撮像すると共に、第2のシャッタ時間を例えば第1のシャッタ時間の1/4(1/240sec)として高速シャッタで被写体を撮像するようにCCD3を駆動する。すなわち、Aフィールドの被写体像は上記の第1のシャッタ時間で撮像され、Bフィールドの被写体像は上記の第2のシャッタ時間で撮像される。そして、後述するように、R用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bで、この異なるシャッタ時間での被写体の撮像信号によりダイナミックレンジを拡大する。
【0029】
次に、R用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bにおけるダイナミックレンジの拡大処理の詳細について、図5のタイミングチャートを参照し、R用Dレンジ拡大回路25Rを例に説明する。
【0030】
ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がONされ、絞り53が開口状態となって内視鏡2のライトガイド54の入射端に最大光量の照明光が供給された状態でknee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号がスイッチ23を介してR用Dレンジ拡大回路25Rに出力される。
【0031】
R用Dレンジ拡大回路25Rでは、タイミングジェネレータ14から映像信号VD(図5(a))に同期したフィールド判別信号(図5(b))がR用Dレンジ拡大回路25Rの第1セレクタ42及びインバータ回路44を介して第2セレクタ43に出力される。
【0032】
また、knee&γ回路42のR出力は、R用Dレンジ拡大回路25Rのフィードメモリ41(図5(c))と第1セレクタ42及び第2セレクタ43の一方の入力端に入力され、フィードメモリ41の出力(図5(d))が第1セレクタ42及び第2セレクタ43の他方の入力端に入力される。
【0033】
これにより、フィールド判別信号に基づき、第1セレクタ42からは第1のシャッタ時間(1/60sec)で撮像されたAフィールドの画像のデジタル信号が出力され、第2セレクタ43からは第2のシャッタ時間(1/240sec)で撮像されたBフィールドの画像のデジタル信号が出力されることになる。
【0034】
そして、第1セレクタ42からのAフィールドの画像のデジタル信号が第1乗算器47を経て加算器49に出力される。一方、第2セレクタ43からのBフィールドの画像のデジタル信号が第1LUT(図5(e))、第2LUT46(図5(f))及び第2乗算器48に出力される。
【0035】
このとき、第1LUT45からは、Bフィールドの画像のデジタル信号の画素レートでの出力値xに対してcos2(px)が第1乗算器47に出力され、第1乗算器47で画素レートでAフィールドの画像のデジタル信号と前記cos2(px)が乗算される(図5(g))。また、前記第2LUT46からは、Bフィールドの画像のデジタル信号の画素レートでの出力値xに対してsin2(px)が第2乗算器48に出力される。この第2乗算器48では、Bフィールドの画像のデジタル信号と前記sin2(px)が乗算される(図5(h))。そして、前記加算器49にて、第1乗算器47の出力と第2乗算器48の出力が加算される(図5(i))。
【0036】
図5においては、簡単なためにAnフィールドの各画素の出力をAnで、また、Bnフィールドの各画素の出力をBnで代表させて図示しているが、本実施の形態でのダイナミックレンジの拡大処理では、上述したように、画素レートで処理を行っているため、正確には、Aフィールドの画像のデジタル信号の画素レートでの各出力値をx、Bフィールドの画像のデジタル信号の画素レートでの各出力値をuとすると、加算器49により
M=xcos2(px)+usin2(px)
が得られることになる。
【0037】
なお、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bは、R用Dレンジ拡大回路25Rと同様に作用するので、説明は省略する。
【0038】
(効果)
従って、本実施の形態によれば、体腔内の観察部位の通常観察から詳細観察に移行において、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34をONすると、絞り53が開口状態となって内視鏡2のライトガイド54の入射端に最大光量の照明光が供給された状態でknee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号がスイッチ23を介してR用Dレンジ拡大回路25Rに出力され、図6に示すように、第1のシャッタ時間(1/60sec)で撮像されたAフィールドの画像のデジタル信号y1及び第2のシャッタ時間(1/240sec)で撮像されたBフィールドの画像のデジタル信号y2に対して、R用Dレンジ拡大回路15Rより出力される上記出力Mは、低輝度域では、cos2(px)による重み付けによって主に第1のシャッタ時間(1/60sec)で撮像されたAフィールドの画像のデジタル信号となり、高輝度域では逆にsin2(px)による重み付けによって主に第2のシャッタ時間(1/240sec)で撮像されたBフィールドの画像のデジタル信号となるため、S/Nを低輝度域で劣化させることなくダイナミックレンジを拡大することができ、かつ、最大光量の照明光の供給及び上記ダイナミックレンジの拡大により、ハレーションを起こすことなく遠点に渡るまでの体腔内の内視鏡画像を所望の輝度により観察することができる。
【0039】
また、出力Mはxに対してpを適切に設定することにより、第2のシャッタ時間で撮像した信号が飽和するまでの明るさの範囲で、連続した単調増加関数にしているので、得られる画像は一様となり、違和感のない画像を得ることができる。
【0040】
ここで、補正係数pをp=(2π/4×4)としたが、これに限らず、補正係数pはCCDの特性に応じて少なくとも上記出力Mがxに対して単調増加関数となるように選択することが可能である。また、出力Mは上記関数、すなわち、
xcos2(px)+usin2(px)
に限らず、少なくとも、低輝度領域では低速シャッタ時間で撮像した信号を主とし、高輝度領域では高速シャッタ時間で撮像した信号を主とする関数であればよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、色分離回路9によりRGBに色分離してそれぞれのR信号、G信号、B信号に対してR用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bによりダイナミックレンジを拡大するとしたが、これに限らず、色分離回路で輝度信号と色差信号に分離し、輝度信号と色差信号の両方あるいは輝度信号のみに対してダイナミックレンジを拡大するように構成してもよい。
【0042】
なお、図7に示すように、CCD3の撮像面の前段に入射光量を制御するアイリス装置61が設けられた外付けTVカメラ4aにおいては、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がONされた際に、CPU35がアイリス装置61を開口状態に制御することで、本実施の形態と同等の作用・効果を得ることができる。
【0043】
また、本実施の形態では、内視鏡2の接眼部に着脱自在に接続される外付けTVカメラ4により被写体を撮像するとしたが、これに限らず、例えば挿入部の先端部内にCCDを備えた電子内視鏡により被写体を撮像する場合にも本実施例を適用することができることは言うまでもない。
【0044】
図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態に係わり、図8は内視鏡装置の構成を示す構成図、図9は図8の検波回路の構成を示す構成図、図10は図9の検波回路の作用を説明する説明図である。
【0045】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0046】
(構成)
図8に示すように、本実施の形態では、加算平均回路29の出力が検波回路80に出力される。検波回路80は、図9に示すように、加算平均回路29の出力をD/A変換器81でD/A変換し、CPU35により制御されるスイッチ82を介して平均化回路83で平均化されオペアンプ84により基準電圧Vrefとの差分が増幅されて、光源装置7の調光回路57に調光信号として出力される。
【0047】
その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0048】
(作用)
本実施の形態においては、スイッチ82は、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がOFFの場合はCPU35の制御により常にON状態となっており、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がONされると、CPU35はタイミングジェネレータ14から映像信号VD(図10(a))に同期したフィールド判別信号(図10(b))に基づき、第2のシャッタ時間(1/240sec)で撮像されたBフィールド(図10(c))の画像信号(図10(d))のみを平均化回路83で平均化して調光信号を生成する(図10(e))ため、フィールド判別信号に同期させてスイッチ82をON/OFFする。
【0049】
その他の作用は第1の実施の形態と同じである。
【0050】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の効果に加え、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34がONされた場合、高速の例えば第2のシャッタ時間(1/240sec)で撮像されたBフィールドの画像信号を平均化し、この平均化信号により光源装置7の調光回路57に対する調光信号を生成しているので、飽和する可能性のある低速の例えば第1のシャッタ時間(1/60sec)で撮像された画像信号により調光することがなく、ハレーションを起こすことなく遠点に渡るまでの体腔内の内視鏡画像を精度の高い調光により得ることができる。
【0051】
図11は本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図である。
【0052】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0053】
(構成)
第1の実施の形態では、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34のON信号によるダイナミックレンジの拡大と加算平均回路29の出力による調光信号の生成を行うとしたが、図11に示すように、本実施の形態では、加算平均回路29の出力状態に基づきダイナミックレンジの拡大を行うように構成されている。そこで、ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ34及びCPU35は省略されている。
【0054】
詳細には、加算平均回路29の出力をサンプルホールド回路(S/H回路)101によりサンプルホールドし、サンプルホールドした信号を比較器102、103で所定の閾値と比較する。すなわち、比較器102では所定の第1の閾値より大きいかどうか比較し、比較器102では所定の第2の閾値より小さいかどうか比較し、比較器102の比較結果が高輝度画素数カウンタ104に、また比較器103の比較結果が低輝度画素数カウンタ105にそれぞれ比較され、差分回路106により高輝度画素数カウンタ104と低輝度画素数カウンタ105とカウント値の差分がとられる。そして、差分回路106の結果に基づきDレンジ切換判定回路107が、第1の実施の形態のCPU35と同様に、スイッチ23を切り換えると共に、タイミングジェネレータ14を制御するようになっている。
【0055】
その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0056】
(作用)
Dレンジ切換判定回路107では、高輝度画素数カウンタ104と低輝度画素数カウンタ105とカウント値の差分が0に近い所定の値と比較しこの所定の値より差分の絶対値が小さいかどうかによりスイッチ23を切り換える。すなわち、高輝度画素数カウンタ104と低輝度画素数カウンタ105とカウント値の差分の絶対値が所定の値より小さい0に近い値の場合は、明暗のある画像となっているので、ダイナミックレンジを拡大する必要があるため、スイッチ23をa側からb側に切り換え、knee&γ回路22によりknee処理及びγ補正されたRGBのデジタル信号をR用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bに出力させると共に、タイミングジェネレータ14を制御する。
【0057】
その他の作用は第1の実施の形態と同じである。
【0058】
(効果)
このように本実施の形態では、Dレンジ切換判定回路107により明暗のある画像の場合、自動的にRGBのデジタル信号をR用Dレンジ拡大回路25R、G用Dレンジ拡大回路25G及びB用Dレンジ拡大回路25Bに出力させダイナミックレンジ拡大処理を行うので、ハレーションを起こすことなく遠点に渡るまでの体腔内の内視鏡画像を精度の高い調光により得ることができる。
【0059】
[付記]
(付記項1) 体腔内に挿入する一方、この体腔内の被写体を撮像する撮像装置を内蔵しまたは外付けで設ける内視鏡と、
前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、
前記内視鏡の撮像装置からの撮像信号を信号処理するとともに、異なる露光時間で撮像した各々の画像を合成してダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置と、
前記信号処理装置がダイナミックレンジを拡大する時において、前記光源装置から撮像装置への入射光量と、通常時と比較して増加する状態とする調光信号を生成する調光信号生成装置と、
前記調光信号生成装置からの調光信号によって前記光源装置からの照明光量を制御する光量制御装置と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【0060】
(付記項2) 体腔内に挿入する一方、この体腔内の被写体を撮像する撮像装置を内蔵しまたは外付けで設ける内視鏡と、
前記内視鏡に照明光を供給するとともに調光信号によって前記内視鏡に供給する照明光量が制御される光源装置と、
前記内視鏡の撮像装置からの撮像信号を信号処理するとともに、異なる露光時間で撮像した各々の画像を合成してダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置と、
前記信号処理装置がダイナミックレンジを拡大する時において、前記光源装置の撮像装置への入射光量を、通常時と比較して増加する状態とする調光信号を生成する調光信号生成装置と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【0061】
(付記項3) 体腔内に挿入する一方、この体腔内の被写体を撮像する撮像装置を内蔵しまたは外付けで設ける内視鏡と、
前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、
前記内視鏡の撮像装置からの撮像信号を信号処理するとともに、前記被写体を第1の露光時間で撮像した第1の撮像信号と、前記被写体を前記第1の露光時間より短い第2の露光時間で、前記第1の撮像信号が飽和する光量レベルより高い値で飽和する第2の撮像信号とを得て、前記第1及び第2の撮像信号に対して夫々飽和するまでの光量レベルの増加に関して単調減少の第1の重み付けと単調増加の第2の重み付けを、前記第1及び第2の重み付けの和が1となる条件の下で行う第1及び第2の重み付け処理回路と、前記第1及び第2の重み付け処理回路により前記第1及び第2の撮像信号に対して夫々前記第1及び第2の重み付けがされた第1及び第2の画像信号とを加算する加算回路とを有して、前記第1及び第2の画像信号を加算してダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置と、
前記信号処理装置がダイナミックレンジを拡大する時において、前記光源装置から撮像装置への入射光量を、通常時と比較して増加する状態とする調光信号を生成する調光信号生成装置と、
前記調光信号生成装置からの調光信号によって前記光源装置からの照明光量を制御する光量制御装置と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【0062】
(付記項4) 請求項1または3の内視鏡装置であって、
前記光量制御装置は、絞りである。
【0063】
(付記項5) 請求項2の内視鏡装置であって、
前記光源装置から撮像装置へに入射光量を制御する装置は絞りであり、前記調光信号生成装置からの調光信号によって制御される。
【0064】
(付記項6) 請求項1または2の内視鏡装置であって、
前記信号処理装置における異なる露光時間で撮像した各々の画像のうち一方は、高速の露光時間により撮像されて画像であり、他方は低速の露光時間により撮像された画像である。
【0065】
(付記項7) 請求項1または2の内視鏡装置であって、
前記調光信号生成装置は、ダイナミックレンジの拡大時において、前記異なる露光時間のうち高速の露光時間により撮像された画像に基づき、前記調光信号を生成する。
【0066】
(付記項8) 体腔内に挿入し被写体を撮像する撮像素子を有する内視鏡と、前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、前記内視鏡からの撮像信号を信号処理すると共に2つの異なる露光時間で撮像した各々の画像を合成しダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置とを備えた内視鏡装置において、
前記信号処理装置は、前記ダイナミックレンジの拡大時において、前記撮像素子への光量を制御する絞りを開口状態とする調光信号を生成する調光信号生成手段
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【0067】
(付記項9) 前記絞りは前記光源装置内に設けられている
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡装置。
【0068】
(付記項10) 前記内視鏡は接眼部に着脱自在に接続される前記撮像素子を有する外付けTVカメラを備えた内視鏡であって、
前記絞りは外付けTVカメラ内に設けられている
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡装置。
【0069】
(付記項11) 前記ダイナミックレンジの拡大時において、前記調光信号生成手段は、前記2つの異なる露光時間のうち高速の露光時間により撮像された画像に基づき、前記調光信号を生成する
ことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡装置。
【0070】
(付記項12) 体腔内に挿入し被写体を撮像する撮像素子を有する内視鏡と、前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、前記内視鏡からの撮像信号を信号処理すると共に2つの異なる露光時間で撮像した各々の画像を合成しダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置とを備えた内視鏡装置において、
前記内視鏡からの撮像信号より高輝度部と低輝度部の画素数を差分を算出する高輝度部/低輝度部差分算出手段と、
前記高輝度部/低輝度部差分算出手段の算出結果に基づき、前記ダイナミックレンジの拡大処理を制御するダイナミックレンジ拡大制御手段と
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の内視鏡装置によれば、近点においてはハレーションを起こさず、遠点においては光量不足を起こすことなく、近点から遠点に到るまでの体腔内の内視鏡画像を所望の輝度により観察することのできるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図2】図1のR用Dレンジ拡大回路の構成を示す構成図
【図3】図2の第1LUT及び第2LUTのマッピングを示す図
【図4】図1の光源装置の構成を示す構成図
【図5】図2のR用Dレンジ拡大回路の各信号のタイミングを示すタイミングチャート
【図6】図2のR用Dレンジ拡大回路の作用を説明する説明図
【図7】図1の内視鏡装置の変形例の構成を示す構成図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図9】図8の検波回路の構成を示す構成図
【図10】図9の検波回路の作用を説明する説明図
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【符号の説明】
1…内視鏡装置
2…内視鏡
3…CCD
4…外付けTVカメラ
5…CCU
6…ユニバーサルケーブル
7…光源装置
13…SSG
14…タイミングジェネレータ
15…CCDドライバ
16…プリアンプ
17…CDS回路
18…A/D変換器
19…色分離回路
20…ホワイトバランス回路
21…AGC回路
22…knee&γ回路
23、31…スイッチ
25R…R用Dレンジ拡大回路
25G…G用Dレンジ拡大回路
25B…B用Dレンジ拡大回路
26…エンハンス回路
27…75Ωドライバ
28…D/A変換器
29…加算平均回路
30…LPF
33…オペアンプ
34…ダイナミックレンジ拡大ON/OFFスイッチ
35…CPU
41…フィールドメモリ
42…第1セレクタ
43…第2セレクタ
44…インバータ回路
45…第1LUT
46…第2LUT
47…第1乗算器
48…第2乗算器
49…加算器
51…ランプ
52…ランプ駆動回路
53…絞り
54…ライトガイド
55…レンズ
56…モータ
57…調光回路

Claims (1)

  1. 体腔内に挿入する一方、この体腔内の被写体を撮像する撮像装置を内蔵しまたは外付けで設ける内視鏡と、
    前記内視鏡に照明光を供給する光源装置と、
    前記内視鏡の撮像装置からの撮像信号を信号処理するとともに、異なる露光時間で撮像した各々の画像を合成してダイナミックレンジの拡大を行う信号処理装置と、
    前記信号処理装置がダイナミックレンジを拡大する時において、前記光源装置から撮像装置への入射光量を、通常時と比較して増加する状態とする調光信号を生成する調光信号生成装置と、
    前記調光信号生成装置からの調光信号によって前記光源装置からの照明光量を制御する光量制御装置と、
    を備えることを特徴とする内視鏡装置。
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