JP4030623B2 - 4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた花様の香気を有する香料物質として有用な新規4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、シクロヘキシルアルカノール類は有用な香料化合物として知られている。例えば、特公昭55−23242 号公報には4−イソプロペニルシクロヘキシルメタノールや4−イソプロピルシクロヘキシルメタノールが鈴蘭の花を想起させる花様の匂いを有すること、また特公昭62−7176号公報にはα−ヒドロキシアルキル−4−t−アルキルシクロヘキサンが白檀様の芳香を有することが記載されている。また、特公昭60−7495号公報には、種々のシクロヘキシルアルカノール類が悪臭除去作用を持つことが記載されている。
【0003】
しかしながら、化合物の香気はわずかな構造の違いにより全く異なるのが一般的であり、そのため種々の化合物を合成しその香気を検討することは新しい香料を得るためには極めて重要である。
【0004】
また香料の調合素材に関しては低価格であること、化学的に安定であること、新しい香りであること等の様々な要望が存在する。従来、花様香気を有する香料素材は数多く知られているが、香りの流行は時代とともに絶えず変化しており新しい香料素材を見いだすことは調合上極めて重要である。
【0005】
従って、本発明の課題は、花様の香気を有する香料物質として有用な新規化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは様々な4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類を合成しその香気及び配合系について検討した結果、花様でわずかに木様のニュアンスを持ちミューゲを想起させる残香性のある香気を有する新規化合物を見出し本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、一般式(I)で表される新規4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類及びその製造法を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】
(式中、R は炭素数2〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数4〜10のアルケニル基を示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
本発明の新規物質である前記一般式(I)で表される4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類において、R で示される炭素数2〜10のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、ペンチル基、1, 2−ジメチルプロピル基、1, 1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、炭素数2〜5のアルキル基が好ましい。また炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられ、炭素数5〜6のシクロアルキル基が好ましい。また炭素数4〜10のアルケニル基としては、ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等が挙げられ、炭素数4〜5のアルケニル基が好ましい。これらのR として特に好ましいものは、エチル基、イソプロピル基である。
【0011】
本発明の新規物質である前記一般式(I)で表される4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類は、式(II)
【0012】
【化4】
【0013】
(式中のシクロヘキサン環の2つのメチロール基の立体配置はシス型、トランス型又はシス型とトランス型の混合物のいずれでも良い。)
で表される 1,4−ジメチロールシクロヘキサン(以下 1,4−ジメチロールシクロヘキサン(II)と略記する)の一つの水酸基だけをエーテル化することにより得られる。
【0014】
エーテル化反応は次の3種の方法のいずれかを用いることができる。
<方法1>
下記の反応式1に従って合成する方法である。
【0015】
【化5】
【0016】
(式中、R1は炭素数2〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数3〜10のアルケニル基を示し、X はハロゲン原子を示す。)
この方法は、1,4 −ジメチロールシクロヘキサン(II)と一般式(III) で表されるアルキル、シクロアルキル又はアルケニルハライドとを、実験化学講座(丸善), Vol.20, p.187〜200 に記載の一般的エーテル化反応に準じて反応させる方法である。
【0017】
例えば、テトラヒドロフラン(THF)やトルエン溶媒中、 1,4−ジメチロールシクロヘキサン(II)に対して 0.8〜1.2 モル倍の水素化ナトリウムの存在下、10〜80℃の反応温度で、1,4−ジメチロールシクロヘキサン(II)に対して0.8〜2.4 モル倍の一般式(III) で表されるアルキル、シクロアルキル又はアルケニルハライドを30分〜12時間反応させ、必要によりPd/C等の水素化触媒存在下で水素化して反応混合物を得、更に精密蒸留又はカラムクロマトグラフィーで精製して目的の一般式(I)で表されるモノエーテル体を得ることができる。
【0018】
一般式(III) で表されるアルキル、シクロアルキル又はアルケニルハライドとしては、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化プロピル、臭化プロピル、ヨウ化プロピル、塩化イソプロピル、臭化イソプロピル、ヨウ化イソプロピル、臭化シクロペンチル、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、塩化メタリル、臭化メタリル、ヨウ化メタリル等が挙げられる。
【0019】
<方法2>
下記の反応式2に従って合成する方法である。
【0020】
【化6】
【0021】
(式中、R2,R3,R4及びR5は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基又はシクロアルキル基を示し、R2,R3,R4及びR5のうちの2個が一緒になって環を形成していてもよい。)
この方法は、1,4 −ジメチロールシクロヘキサン(II)と一般式 (IV) で表されるオレフィンとを、新実験化学講座(丸善),Vol.14, p.585 〜587 に記載の酸触媒によるアルコールへのオレフィンの付加反応に準じて反応させる方法である。
【0022】
例えば、ジクロロメタン溶媒や無溶媒中、 1,4−ジメチロールシクロヘキサン(II)に対して0.01〜0.5 モル倍の硫酸や三フッ化ホウ素などの酸性触媒の存在下、10〜80℃の反応温度で、 1,4−ジメチロールシクロヘキサン(II)に対して 0.8〜5.0 モル倍の一般式 (IV) で表されるオレフィンを1時間〜3日間反応させて反応混合物を得、更に精密蒸留又はカラムクロマトグラフィーで精製して目的のモノエーテル体の一つである一般式(V)で表される化合物を得ることができる。
【0023】
一般式 (IV) で表されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、イソプレン、2−メチル−2−ブテン等が挙げられ、特にイソブチレン、イソプレン、2−メチル−2−ブテンが好ましい。
【0024】
<方法3>
下記の反応式3に従って合成する方法である。
【0025】
【化7】
【0026】
(式中、R6及びR7は同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を示す。またR6とR7が一緒になって環を形成していてもよい。)
この方法は、1,4 −ジメチロールシクロヘキサン(II)と一般式 (VI) で表されるアルデヒド又はケトンとを、Tetrahedron Letters, Vol.36, No.24, p.4235〜4236, 1995に記載のPd/C触媒によるアルコールへのアルデヒド又はケトンの付加、それに続く水素化分解反応に準じて反応させる方法である。
【0027】
例えば、一般式 (VI) で表されるアルデヒド又はケトンを溶媒と兼用して用い、1,4 −ジメチロールシクロヘキサン(II)と、 1,4−ジメチロールシクロヘキサン(II)に対して 0.001〜0.25重量倍のPd/Cを溶解させ、 0.1〜5MPa の水素圧下、50〜150 ℃の反応温度で30分〜24時間攪拌させて反応混合物を得、更に精密蒸留又はカラムクロマトグラフィーで精製して目的のモノエーテル体の一つである一般式(VII) で表される化合物を得ることができる。
【0028】
一般式 (VI) で表されるアルデヒド又はケトンとしては、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、イソブタナール、メチルエチルケトン、3−メチル−2−ブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0029】
このようにして得られた本発明の一般式(I)で表される新規4−アルコキシメチルシクロヘキシルメタノール類は単独で、または他の成分と組み合わせて石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、化粧品、スプレー製品、芳香剤等の賦香成分として使用できる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。なお、例中の%は特記しない限り重量基準である。また実施例1及び3は参考例である。
【0031】
実施例1
4−エトキシメチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0032】
【化8】
【0033】
ジムロート冷却器、温度計のついた 200mlの4つ口フラスコに、63%水素化ナトリウム 1.7g(6.9×10-2モル)を無水THF50mlに懸濁させ、60℃に昇温した。1,4 −ジメチロールシクロヘキサン10g(6.9×10-2モル)を20mlの無水THFに溶かした溶液を加え、ついで臭化エチル 7.6g(6.9×10-2モル)を加え、60℃で1晩攪拌した。THFを留去後、氷水を25ml加えエーテルで抽出した。有機層が中性になるまで水洗し溶媒を留去後蒸留して反応混合物14gを得た。
反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物3gを得た(収率27%)。
【0034】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz), δ;
0.80〜1.10(3H,m), 1.19(3H,t,J=7.1Hz,Me), 1.30 〜1.95(7H,m), 1.85〜2.00 (1H,m,OH), 3.22(2H,d,J=6.7Hz,CH2), 3.46(2H,q,J=7.1Hz,CH2), 3.35〜3.60 (2H,m,CH2)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3428, 2980, 2920, 2852, 1450, 1380, 1356, 1214, 1110, 1064, 1036
得られた化合物は花様でわずかに木様のニュアンスを持ちミューゲを想起させる香気を有していた。
【0035】
実施例2
4−イソプロポキシメチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0036】
【化9】
【0037】
ジムロート冷却器、温度計のついた 200mlの4つ口フラスコに、63%水素化ナトリウム 1.7g(6.9×10-2モル)を無水THF50mlに懸濁させ、60℃に昇温した。1,4 −ジメチロールシクロヘキサン10g(6.9×10-2モル)を20mlの無水THFに溶かした溶液を加え、ついでヨウ化イソプロピル12g(6.9×10-2モル)を加え、60℃で1晩攪拌した。THFを留去後、氷水を25ml加えエーテルで抽出した。有機層が中性になるまで水洗し溶媒を留去後蒸留して反応混合物14gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製し、標記化合物 3.1gを得た(収率42%)。
【0038】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.10(3H,m), 1.17(6H,d,J=6.2Hz,2Me), 1.30〜1.95(8H,m), 3.21(2H,d, J=6.4Hz,CH2), 3.35〜3.60(3H,m)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3370, 2968, 2920, 2854, 2326, 1452, 1371, 1338, 1197, 1155, 1125, 1080 , 1059, 1035
得られた化合物はわずかにオリス様のニュアンスを持ちミューゲを想起させる香気を有していた。
【0039】
実施例3
4−プロポキシメチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0040】
【化10】
【0041】
ジムロート冷却器、温度計のついた 200mlの4つ口フラスコに、63%水素化ナトリウム 1.7g(6.9×10-2モル)を無水THF50mlに懸濁させ、60℃に昇温した。1,4 −ジメチロールシクロヘキサン10g(6.9×10-2モル)を20mlの無水THFに溶かした溶液を加え、ついでヨウ化アリル11.7g(6.9×10-2モル)を加え、60℃で1晩攪拌した。THFを留去後、氷水を25ml加えエーテルで抽出した。有機層が中性になるまで水洗し溶媒を留去後蒸留して反応混合物 9.0gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより4−アリロキシメチルシクロヘキシルメタノール 3.8gを得た(収率45%)。
【0042】
100ml の耐圧反応器に上記4−アリロキシメチルシクロヘキシルメタノール3g(1.63×10-2モル)と含水Pd/C 0.2gをイソプロピルアルコール(IPA)100mlに溶解させ、0.5MPaの水素圧下室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後、反応混合物 2.6gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 2.0gを得た(収率86%)。
【0043】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.10(6H,m), 1.30〜2.00(10H,m), 3.22(2H,d,J=6.6Hz,CH2), 3.35(2H,t ,J=6.9Hz,CH2), 3.44(2H,d,J=6.2Hz,CH2)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3396, 2924, 1714, 1638, 1452, 1380, 1282, 1250, 1216, 1120, 1070, 1038得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0044】
実施例4
4−(2−メチル−2−プロペノキシ)メチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0045】
【化11】
【0046】
ジムロート冷却器、温度計のついた 200mlの4つ口フラスコに、63%水素化ナトリウム 1.7g(6.9×10-2モル)を無水THF50mlに懸濁させ、60℃に昇温した。1,4 −ジメチロールシクロヘキサン10g(6.9×10-2モル)を20mlの無水THFに溶かした溶液を加え、ついで塩化メタリル 6.3g(6.9×10-2モル)とヨウ化カリウム 1.5g(6.9 ×10-3モル)を加え、60℃で1晩攪拌した。THFを留去後、氷水を25ml加えエーテルで抽出した。有機層が中性になるまで水洗し溶媒を留去後蒸留して反応混合物 9.5gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 3.1gを得た(収率44%)。
【0047】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.20(3H,m), 1.30〜2.00(8H,m), 1.73(3H,s,Me), 3.21(2H,d,J=6.4Hz, CH2), 3.44(2H,d,J=6.4Hz,CH2), 3.86(2H,s,CH2), 4.88(1H,s,CH2), 4.94(1H, s,CH2)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3426, 3084, 2920, 2856, 2020, 1660, 1450, 1374, 1354, 1254, 1206, 1092 , 1034
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0048】
実施例5
4−(2−メチルプロポキシ)メチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0049】
【化12】
【0050】
100ml の耐圧反応器に実施例4で合成した4−(2−メチル−2−プロペノキシ)メチルシクロヘキシルメタノール 2.7g(1.38×10-2モル)と含水Pd/C 0.1gをIPA 100mlに溶解させ、0.5MPaの水素圧下室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後反応混合物 2.5gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 1.8gを得た(収率84%)。
【0051】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.10(3H,m), 0.89(6H,d,J=6.7Hz,Me), 1.30 〜2.00(9H,m), 3.15(2H,d, J=6.9Hz,CH2), 3.21(2H,d,J=6.4Hz,CH2), 3.44(2H,d,J=6.2Hz,CH2)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3476, 2924, 1452, 1384, 1214, 1098, 1034
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0052】
実施例6
4−t−ブトキシメチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0053】
【化13】
【0054】
200mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチロールシクロヘキサン10g(6.9×10-2モル)を塩化メチレン100mlに溶かした溶液を加え、ついで硫酸0.7g(6.9×10-3モル)と三フッ化ホウ素エーテル錯体 0.7gを加えた。このフラスコにイソブチレンガスを充填したゴム風船を取り付け、イソブチレンの微加圧状態下、室温で3日攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム 100mlを加え酸を中和し、有機層をエーテルで抽出した。有機層が中性になるまで水洗し溶媒を留去後蒸留して反応混合物15gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 4.0gを得た(収率28%)。
【0055】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.20(3H,m), 1.17(9H,s,3Me), 1.30〜2.00(8H,m), 3.13(2H,d,J=6.4Hz, CH2), 3.44(2H,m,CH2)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3364, 2974, 2920, 2860, 2740, 2260, 1644, 1476, 1455, 1395, 1365, 1257 , 1233, 1197, 1140, 1110, 1080, 1035
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0056】
実施例7
4−(1−メチルプロポキシ)メチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0057】
【化14】
【0058】
100ml の耐圧反応器に 1,4−ジメチロールシクロヘキサン10g(6.93×10-2モル)と含水Pd/C 0.1gをメチルエチルケトン 100mlに溶解させ、0.5MPaの水素圧下、90℃で5時間攪拌した。溶媒を留去後、反応混合物13gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 5.8gを得た(収率53%)。
【0059】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.20(3H,m), 0.90(3H,t,J=6.9Hz,Me), 1.10(3H,d,J=6.7Hz,Me), 1.30〜 2.10(10H,m), 3.00 〜3.60(5H,m)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3400, 2920, 2308, 1992, 1632, 1452, 1377, 1341, 1209, 1173, 1113, 1083 , 1035
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0060】
実施例8
4−(1,2 −ジメチルプロポキシ)メチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0061】
【化15】
【0062】
100ml の耐圧反応器に 1,4−ジメチロールシクロヘキサン10g(6.93×10-2モル)と含水Pd/C 0.1gを3−メチル−2−ブタノン 100mlに溶解させ、0.5MPaの水素圧下90℃で7時間攪拌した。溶媒を留去後反応混合物18gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 4.5gを得た(収率59%)。
【0063】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.20(3H,m), 0.85(3H,d,J=6.7Hz,Me), 0.90(3H,d,J=6.7Hz,Me), 1.10(3 H,d,J=6.7Hz,Me), 1.30 〜2.10(9H,m), 2.90〜3.60(5H,m)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3364, 2920, 1455, 1386, 1344, 1191, 1113, 1038.
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0064】
実施例9
4−(1,1 −ジメチルプロポキシ)メチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0065】
【化16】
【0066】
200mlの4つ口フラスコに、1,4−ジメチロールシクロヘキサン10g(6.9×10-2モル)と2−メチル−2−ブテン15g(0.2 モル)を塩化メチレン 100mlに溶かした溶液を加え、ついで硫酸 0.7g(6.9×10-3モル)と三フッ化ホウ素エーテル錯体0.7gを加え室温で3日攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水100mlを加え酸を中和し、有機層をエーテルで抽出した。有機層が中性になるまで水洗し溶媒を留去後蒸留して反応混合物7gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 4.9gを得た(収率38%)。
【0067】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.10(3H,m), 0.85(3H,t,J=6.9Hz,Me), 1.10(6H,s,2Me), 1.30〜2.00(10 H,m), 3.10(2H,d,J=6.7Hz,CH2), 3.45(2H,d,J= 6.2Hz,CH2)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3370, 2926, 1455, 1383, 1365, 1293, 1239, 1182, 1086
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
【0068】
実施例10
4−シクロペンチルオキシメチルシクロヘキシルメタノールの製造
【0069】
【化17】
【0070】
100ml の耐圧反応器に 1,4−ジメチロールシクロヘキサン10g(6.93×10-2モル)と含水Pd/C 0.5gをシクロペンタノン 100mlに溶解させ、0.5MPaの水素圧下90℃で1時間攪拌した。溶媒を留去後反応混合物14gを得た。
反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/8(容量比))で精製することにより標記化合物 1.0gを得た(収率93%)。
【0071】
1H−NMR(CDCl3, 200MHz),δ;
0.80〜1.10(3H,m), 1.20〜2.10(16H,m), 3.20(2H,d,J=6.7Hz,CH2), 3.45(2H,d ,J=6.2Hz,CH2), 3.70 〜4.00(1H,m,CH)
IR(KBr,neat, cm-1) ;
3406, 2920, 2332, 1452, 1353, 1182, 1092, 1062, 1038
得られた化合物は花様、かつ木様香気を有していた。
Claims (2)
- 一般式(II)
で表される 1,4−ジメチロールシクロヘキサンの一つの水酸基だけを、一般式(IV)で表されるオレフィン、あるいは一般式(VI)で表されるアルデヒド又はケトンを用いてエーテル化することを特徴とする請求項1記載の香料物質の製造法。
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