JP4030203B2 - Rear wheel steering device for rear wheel drive vehicles - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左、右後輪を相互に独立して転舵可能な左後輪操舵手段および右後輪操舵手段と、車両の走行状況に応じて前記左および右後輪操舵手段の作動を制御するコントローラとを備える後輪駆動車の後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
左、右後輪を相互に独立して転舵可能な左後輪操舵手段および右後輪操舵手段を備える車両が、たとえば特公平8−25479号公報で開示されており、このものでは、車両の旋回時に左、右後輪の軸荷重差が大きくなるほど旋回外輪の舵角よりも旋回内輪の舵角が大きくなるように左、右輪操舵手段を独立に作動せしめ、旋回内輪の接地荷重減少によるコーナリングフォース減少を舵角増大によるコーナリングフォース増大で補償するようにして、旋回時の左、右後輪のタイヤ性能を最大限に発揮せしめ、操縦安定性の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、後輪駆動車両において、旋回内輪の舵角が大きくなるような後輪操舵を行なうと、旋回内輪の横力が増大するので、旋回内輪から旋回外輪側への荷重移動により縮少した旋回内輪のタイヤ性能(摩擦円)を横力のみで使い切ってしまい、旋回内輪の駆動力を路面に充分に伝えられず、旋回内輪の空転を誘発することがある。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、旋回時に左、右後輪のうち旋回内輪側の後輪で空転が生じることを防止し、左、右後輪の能力を最大限に発揮させ得るようにした後輪駆動車両の後輪操舵装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、左、右後輪を相互に独立して転舵可能な左後輪操舵手段および右後輪操舵手段と、車両の走行状況に応じて前記左および右後輪操舵手段の作動を制御するコントローラとを備える後輪駆動車の後輪操舵装置において、前記コントローラは、運転者の旋回操作に応じた車両の旋回量を代表する旋回量指標を検出する旋回量検出手段と、左、右後輪の駆動・制動力を代表する駆動・制動力指標を推定する駆動・制動力推定手段と、運転者の旋回操作に応じた旋回量での車両旋回時の旋回内輪から旋回外輪への荷重移動量を代表する荷重移動量指標を算出する荷重移動量算出手段と、前記旋回量指標および前記駆動・制動力指標に基づいて左、右後輪の目標舵角をそれぞれ算出する目標舵角算出手段とを含み、該目標舵角算出手段は、前記旋回量検出手段で検出した旋回量指標ならびに前記駆動・制動力推定手段で推定した駆動・制動力指標がともに大きくなるほど左、右後輪のトーイン量が大きくなるように、かつ、前記荷重移動量算出手段で算出した荷重移動量指標が大きいほど旋回外輪の目標舵角のトーイン側への変化量を旋回内輪の目標舵角のトーイン側への変化量よりも小さくなるように目標舵角を決定することを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、旋回時には左、右後輪の目標舵角が、車両の旋回量および両後輪の駆動・制動力がともに大きくなるほどトーイン量が大きくなるように定められることになり、左、右後輪のうち旋回内輪側では車輪スリップ角の減少による横力の減少が生じ、左、右後輪のうち旋回外輪側では車輪スリップ角の増大による横力の増大が生じることになる。したがって、車両の旋回に伴う旋回内輪から旋回外輪側への荷重移動が生じることによる旋回内輪の摩擦円半径の減少が生じても、旋回外輪および旋回内輪でのタイヤの摩擦円に対する横力および駆動・制動力の合力の割合を均等化することができ、旋回内輪で空転が生じることを極力防止して、左、右後輪の能力を最大限に発揮させることができる。しかも車両に対してはヨーモーメントを変化させることはないので、旋回方向と逆のヨーモーメント発生による旋回の妨害が生じることもなく、旋回方向と同じ方向のヨーモーメント発生による車両挙動の悪化が生じることもない。また、前記コントローラは、運転者の旋回操作に応じた旋回量での車両旋回時の旋回内輪から旋回外輪への荷重移動量を代表する荷重移動量指標を算出する荷重移動量算出手段を含み、前記目標舵角算出手段は、前記荷重移動量算出手段で算出した荷重移動量指標が大きいほど旋回外輪の目標舵角のトーイン側への変化量を旋回内輪の目標舵角のトーイン側への変化量よりも小さくして算出するから、左、右後輪トータルでの横力が変化することがなく、車両の旋回挙動に対する影響が少なく、違和感がない。すなわち左、右後輪において旋回内輪から旋回外輪への荷重移動により、旋回内輪側の接地荷重が減少するのに対し、旋回外輪側の接地荷重は増大するのであるが、舵角の変化量を左、右後輪で同一としたときには、旋回内輪側で減少した横力以上の横力が旋回外輪側で増大することになり、左、右後輪トータルでの横力が変化するものであり、荷重移動量が大きいほど旋回外輪の目標舵角のトーイン側への変化量を旋回内輪の目標舵角のトーイン側への変化量よりも小さくすることにより、左、右後輪トータルでの横力の変化が抑えられるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0008】
図1〜図7は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は後輪駆動車両の操舵系の構成を示す図、図2はコントローラの構成を示すブロック図、図3は前輪転舵角および車速と横加速度との関係を示す図、図4は横加速度および横加速度係数の関係を示す図、図5は駆動トルクおよび駆動力係数の関係を示す図、図6は横加速度および荷重差係数の関係を示す図、図7は旋回内輪および旋回外輪での摩擦円内での横力の変化を示す図である。
【0009】
先ず図1において、この後輪駆動車両には、左、右後輪WRL、WRRに個別に対応した左後輪操舵手段1Lおよび右後輪操舵手段1Rが装備されており、左、右後輪操舵手段1L、1Rは、電動モーター2L、2Rと、電動モーター2L、2Rの出力軸に設けられたウォーム3L、3Rと、該ウォーム3L、3Rに噛合するウォームホイール4L、4Rとを備える。
【0010】
前記両ウォームホイール4L、4Rの偏心位置には、図示しないボールジョイントを介してリンク5L、5Rの一端が連結されており、左、右後輪WRL、WRRのナックルアーム6L、6Rに前記リンク5L、5Rの他端が連結される。
【0011】
このような左、右後輪操舵手段1L、1Rでは、電動モーター2L、2Rの作動に伴うナックルアーム6L、6Rの回動により左、右後輪WRL、WRRが転舵されることになり、両電動モーター2L、2Rを相互に独立して作動せしめることにより、左、右後輪WRL、WRRが別々に転舵されることになる。
【0012】
一方、ステアリンクハンドル7の転舵力は、ハンドル軸8を介して前輪ステアリング装置9に入力され、さらに該前輪ステアリング装置9からサイドロッド10L、10Rおよびナックルアーム11L、11Rを介して左、右前輪WFL、WFRに伝達され、左、右前輪WFL、WFRはステアリングハンドル7の転舵操作に応じて同相に同角度で転舵されることになる。
【0013】
左、右後輪操舵手段1L、1Rにおける電動モーター2L、2Rの作動はコントローラ121 により制御されるものであり、このコントローラ121 には、サイドロッド10Rに付設される前輪舵角センサー13で検出される前輪転舵角θF、左後輪操舵手段1Lに付設される左後輪舵角センサー14Lで検出される左後輪転舵角θL、右後輪操舵手段1Rに付設される右後輪舵角センサー14Rで検出される右後輪転舵角θR、車速センサー15で検出される車速V、横加速度センサー16で検出される車両の横加速度G、ならびに図示しないエンジンの作動を制御するエンジン制御装置17からのエンジントルクTおよびエンジン回転数Nが入力される。
【0014】
図2において、コントローラ121 は、運転者の旋回操作に応じた車両の旋回量を代表する指標を検出する旋回量検出手段18と、非ブレーキ操作時の左、右後輪WRL、WRRの駆動・制動力すなわち駆動力を代表する指標を推定する駆動・制動力推定手段191 と、左、右後輪における旋回内輪から旋回外輪への荷重移動量を代表する指標を算出する荷重移動量算出手段20と、旋回量検出手段18で検出した指標、駆動・制動力推定手段191 で推定した指標、荷重移動量算出手段20で算出した指標、ならびに旋回量検出手段18および荷重移動量算出手段20の構成要素たる横加速度判断部25で判断した旋回方向に基づいて左、右後輪WRL、WRRのトーイン側への目標舵角をそれぞれ算出する目標舵角算出手段211 と、該目標舵角算出手段211 で算出された左後輪WRLの目標舵角θMLならびに左後輪舵角センサー14Lで検出した左後輪WRLの転舵角θLの舵角差ΔθLを得る左後輪転舵角比較手段22Lと、前記目標舵角算出手段211 で算出された右後輪WRRの目標舵角θMRならびに右後輪舵角センサー14Rで検出した右後輪WRRの転舵角θRの舵角差ΔθRを得る右後輪転舵角比較手段22Rと、左後輪転舵角比較手段22Lで得た舵角差ΔθLに基づいて定まる作動量ILで左後輪操舵手段1Lにおける電動モーター2Lを作動せしめる左後輪出力制御手段23Lと、右後輪転舵角比較手段22Rで得た舵角差ΔθRに基づいて定まる作動量IRで右後輪操舵手段1Rにおける電動モーター2Rを作動せしめる右後輪出力制御手段23Rとを備える。
【0015】
旋回量算出手段18は、車速センサー15で検出した車速Vと、前輪舵角センサー13で検出した前輪転舵角θFと、横加速度センサー16で検出した横加速度Gとに基づいて、運転者の旋回操作に応じた車両の旋回量を代表する旋回量指標である横加速度係数Kgを算出するものであり、横加速度推定部24と、横加速度判断部25と、加え合わせ部26と、横加速度係数算出部27とで構成される。
【0016】
横加速度推定部24には、図3で示すように、車両モデルに基づいて前輪転舵角θFおよび車速Vと横加速度Dgとの関係が予め設定されており、加速度推定部24は、前輪舵角センサー13で検出される前輪舵角θFすなわち運転者の旋回操作量と、車速センサー15で検出される車速Vとに基づいて、運転者の旋回操作に応じて生じるであろう横加速度を推定横加速度Dgとして推定することになる。この推定横加速度Dgの推定にあたって、たとえば左旋回時(右向きの横加速度)には「+」、右旋回時(左向きの横加速度)には「−」が推定横加速度Dgに付されている。
【0017】
横加速度判断部25は、横加速度センサー16で検出される横加速度Gに基づいて、実際に生じた横加速度および旋回方向を判断し、たとえば左旋回時(右向きの横加速度)に「+」、右旋回時(左向きの横加速度)に「−」を付すようにして検出横加速度Sgを出力する。
【0018】
加え合わせ部26では、横加速度推定部24からの推定横加速度Dgに横加速度判断部25からの検出横加速度Sgが加算され、その加算結果として得られた横加速度Ygが加え合わせ部26から出力される。
【0019】
横加速度係数算出部27では、図4で示すように、横加速度Ygの絶対値|Yg|に応じた横加速度係数Kgが予め設定されており、加え合わせ部26から入力される横加速度Ygに基づく横加速度係数Kgが、運転者の旋回操作に応じた車両の旋回量を代表する指標として横加速度係数算出部27で算出される。
【0020】
このようにして旋回量算出手段18からは車両の旋回量を代表する指標としての加速度係数Kgが出力されるが、この横加速度係数Kgは、前輪舵角センサー13で検出される前輪舵角θFならびに車速センサー15で検出される車速Vに基づいて推定した推定横加速度Dgと、横加速度センサー16で検出される横加速度Gの判断による検出横加速度Sgとの合算値Ygに基づいて算出されるものである。而して推定横加速度Dgは、運転者の旋回操作に応じて生じるであろう横加速度として推定されるが、実際の車両の走行時には路面状況の変化等により推定横加速度Dgとは異なる横加速度が生じるものであり、実際に検出した検出横加速度Sgを推定横加速度Dgに加算することにより、運転者の旋回操作に応じて生じるであろう横加速度Ygが実際の路面状況により適合して得られることになる。しかもその横加速度Ygに基づいて横加速度係数Kgを横加速度係数算出部27で算出するので、運転者の旋回操作に応じて生じるであろう車両の旋回量を代表する旋回量指標としての横加速度係数Kgを、実際の路面状況により適合させて得ることができる。
【0021】
駆動・制動力推定手段191 は、車速センサー15で検出した車速Vと、エンジン制御装置17で得られるエンジントルクTおよびエンジン回転数Nとに基づいて、非ブレーキ操作時の左、右後輪WRL、WRRの駆動力を代表する駆動力指標である駆動力係数Kdを推定するものであり、ギア比判断部28と、駆動トルク算出部29と、駆動力係数算出部30とを備える。
【0022】
ギア比判断部28は、車速センサー15で検出した車速Vと、エンジン制御装置17から入力されるエンジン回転数Nとの比に基づいて、エンジンおよび両後輪WRL、WRR間のギア比を算出する。
【0023】
駆動トルク算出部29は、ギア比判断部28で得られたギア比と、エンジン制御装置17から入力されるエンジントルクTとの積に基づいて、両後輪WRL、WRRの駆動トルクTdを算出する。
【0024】
駆動力係数算出部30では、図5で示すように、駆動トルクTdの絶対値|Td|に応じた駆動力係数Kdが予め設定されており、駆動トルク算出部29から入力される駆動トルクTdに基づく駆動力係数Kdが、両後輪WRL、WRRの駆動力を代表する指標として駆動力係数算出部30で算出される。
【0025】
ところで、この実施例の駆動・制動力推定手段191 では、駆動トルクTdの算出にあたって、エンジン制御装置17からのエンジントルクTおよびエンジン回転数Nを用いるようにしているが、エンジン吸気圧およびエンジン回転数Nに基づいて駆動トルクTdを得ることも可能であり、また前後加速度センサーによる車両の前後加速度検出値に基づいて駆動トルクTdを推定することも可能である。
【0026】
荷重移動量算出手段20は、車速センサー15で検出した車速Vと、前輪舵角センサー13で検出した前輪転舵角θFと、横加速度センサー16で検出した横加速度Gとに基づいて、運転者の旋回操作に応じた旋回量での車両旋回時の旋回内輪から旋回外輪への荷重移動量を代表する荷重移動量指標である荷重差係数Ksを算出するものであり、旋回量算出手段18と共通の構成要素である横加速度推定部24、横加速度判断部25および加え合わせ部26と、荷重差係数算出部31とで構成される。
【0027】
荷重差係数算出部31では、図6で示すように、横加速度Ygの絶対値|Yg|に応じた荷重差係数Ksが予め設定されており、加え合わせ部26から入力される横加速度Ygに基づく荷重差係数Ksが、荷重差係数算出部31で算出される。しかも前記旋回量算出手段18と同様に、運転者の旋回操作に応じて生じるであろう横加速度として推定される推定横加速度Dgと、横加速度センサー16で検出される横加速度Gの判断による検出横加速度Sgとの合算値Ygに基づいて荷重差係数Ksが算出されるので、運転者の旋回操作に応じて生じるであろう旋回量での車両の旋回時における旋回内輪から旋回外輪への荷重移動量を代表する指標を、実際の路面状況により適合させて荷重差係数算出部31で算出することができる。
【0028】
目標舵角算出手段211 には、旋回量検出手段18からの横加速度係数Kg、駆動・制動力推定手段191 からの駆動力係数Kd、荷重移動量算出手段20からの荷重差係数Ksおよび横加速度判断部25からの検出横加速度Sgが入力される。
【0029】
而して目標舵角算出手段211 は、先ず横加速度係数Kg、駆動力係数Kdおよび荷重差係数Ksを用いて、旋回内輪のトーイン側への目標舵角θinと、旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutとを、次の演算式に従ってそれぞれ演算する。
【0030】
θin=Kd×Kg………(1)
θout=θin/Ks……(2)
上記第(1)、(2) の演算式の実行後に、目標舵角算出手段211 は、横加速度判断部25からの検出横加速度Sgに付されている「+」、「−」の符号に基づき、Sg>0のときには、左後輪の目標舵角θMLおよび右後輪の目標舵角θMRを、
θML=θin……(3)
θMR=θout…(4)
と定め、またSg<0のときには、左後輪の目標舵角θMLおよび右後輪の目標舵角θMRを、
θML=θout…(5)
θMR=θin……(6)
と定める。すなわちSg>0である車両の左旋回時には、左後輪WFLの目標舵角θMLが旋回内輪の目標舵角θinとして定められるとともに右後輪WFRの目標舵角θMRが旋回外輪の目標舵角θoutとして定められ、またSg<0である車両の右旋回時には、左後輪WFLの目標舵角θMLが旋回外輪の目標舵角θoutとして定められるとともに右後輪WFRの目標舵角θMRが旋回内輪の目標舵角θinとして定められることになる。
【0031】
左後輪転舵角比較手段22Lには、前記目標舵角算出手段211 で算出された左後輪WRLの目標舵角θMLと、左後輪舵角センサー14Lで検出した左後輪WRLの転舵角θLとが入力されており、該左後輪転舵角比較手段22Lでは、目標舵角θMLおよび転舵角θLの舵角差ΔθLが算出される。また右後輪転舵角比較手段22Rには、前記目標舵角算出手段211 で算出された右後輪WRRの目標舵角θMRと、右後輪舵角センサー14Rで検出した右後輪WRLの転舵角θRとが入力されており、該右後輪転舵角比較手段22Rでは、目標舵角θMRおよび転舵角θRの舵角差ΔθRが算出される。
【0032】
左、右後輪出力制御手段23L、23Rは、左、右後輪転舵角比較手段22L、22Rで得た舵角差ΔθL、ΔθRに基づいて左、右後輪操舵手段1L、1Rにおける電動モーター2L、2Rを作動量IL、IRをそれぞれ定め、その作動量IL、IRで電動モータ2L、2Rをそれぞれ作動せしめる。
【0033】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、コントローラ121 では、旋回量検出手段18において運転者の旋回操作に応じた旋回量を代表する横加速度係数Kgが検出されるとともに、駆動・制動力推定手段191 において非ブレーキ操作時の左、右後輪WRL、WRRの駆動・制動力を代表する駆動力係数Kdが推定され、目標舵角算出手段211 では、前記横加速度係数Kgおよび駆動力係数Kdに基づき、上記第(1) 式に従って、旋回内輪のトーイン側への目標舵角θinが(θin=Kd×Kg)として算出され、また旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutが目標舵角θinを用いて上記第(2) 式に従って算出される。すなわち、旋回時に左、右後輪WRL、WRRは、左、右後輪操舵手段1L、1Rによってともにトーイン側に転舵されるものであり、両目標舵角θin、θoutは横加速度係数Kgおよび駆動力係数Kdがともに大きくなるにつれてトーイン側に大きくなり、車両の旋回時には左、右後輪WRL、WRRは、車両の旋回量および両後輪WRL、WRRの駆動・制動力がともに大きくなるほどトーイン量が大きくなるように転舵されることになる。
【0034】
この結果、図7で示すように、左、右後輪WRL、WRRのうち旋回内輪側では車輪スリップ角の減少による横力の減少が生じ、左、右後輪WRL、WRRのうち旋回外輪側では車輪スリップ角の増大による横力の増大が生じることになる。したがって、車両の旋回に伴う旋回内輪から旋回外輪側への荷重移動が生じることによる旋回内輪の摩擦円半径の減少が生じても、旋回外輪および旋回内輪でのタイヤの摩擦円に対する横力および駆動・制動力の合力の割合を均等化することができ、旋回内輪で空転が生じることを極力防止して、左、右後輪の能力を最大限に発揮させることができる。しかも車両に対してはヨーモーメントを変化させることはないので、旋回方向と逆のヨーモーメント発生による旋回の妨害が生じることもなく、旋回方向と同じ方向のヨーモーメント発生による車両挙動の悪化が生じることもない。
【0035】
またコントローラ121 は、運転者の旋回操作に応じた旋回量での車両旋回時の旋回内輪から旋回外輪への荷重移動量を代表する荷重移動量指標である荷重差係数Ksを算出する荷重移動量算出手段20を含むものであり、目標舵角算出手段211 では、旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutが、目標舵角θinおよび荷重差係数Ksを用いて、上記第(2) 式の通り(θout=θin/Ks)に算出される。すなわち目標舵角算出手段211 は、荷重移動量指標である荷重差係数Ksが大きいほど旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutが、旋回内輪のトーイン側への目標舵角θinよりも小さくなるようにして、旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutを算出している。
【0036】
このように旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutおよび旋回内輪のトーイン側への目標舵角θinを定めることにより、左、右後輪WRL、WRRトータルでの横力が変化することがなく、車両の旋回挙動に対する影響が少なく、違和感がないことになる。すなわち左、右後輪WRL、WRRにおいて旋回内輪から旋回外輪への荷重移動により、旋回内輪側の接地荷重が減少するのに対し、旋回外輪側の接地荷重は増大するのであるが、舵角の変化量を左、右後輪WRL、WRRで同一としたときには、旋回内輪側で減少した横力以上の横力が旋回外輪側で増大することになり、左、右後輪WRL、WRRトータルでの横力が変化するものであり、荷重移動量が大きいほど旋回外輪の目標舵角θoutのトーイン側への変化量を旋回内輪の目標舵角θinのトーイン側への変化量よりも小さくすることにより、左、右後輪WRL、WRRトータルでの横力の変化が抑えられるのである。
【0037】
上記第1実施例では、駆動、制動力推定手段191 が、非ブレーキ操作時の左、右後輪WRL、WRRの駆動・制動力すなわち駆動力を代表する指標として駆動力係数Kdを推定するようにしたが、ブレーキ操作状態での左、右後輪WRL、WRRの駆動・制動力を代表する駆動・制動力指標を推定するようにすることも可能であり、その場合、駆動トルクから左、右後輪WRL、WRRの制動力を減算して駆動・制動力を得るようにすればよい。
【0038】
図8および図9は本発明の第2実施例を示すものであり、図8は図2に対応したコントローラの構成を示すブロック図、図9は車速および車速係数の関係を示す図である。
【0039】
先ず図8において、コントローラ122 は、旋回量検出手段18と、左、右後輪WRL、WRRの駆動・制動力すなわち駆動力を代表する指標を推定する駆動・制動力推定手段としての車速係数算出手段192 と、荷重移動量算出手段20と、旋回量検出手段18で検出した指標、車速係数算出手段192 で推定した指標、荷重移動量算出手段20で算出した指標、ならびに旋回量検出手段18および荷重移動量算出手段20の構成要素たる横加速度判断部25で判断した旋回方向に基づいて左、右後輪WRL、WRRのトーイン側への目標舵角をそれぞれ算出する目標舵角算出手段212 と、左後輪転舵角比較手段22Lと、右後輪転舵角比較手段22Rと、左後輪出力制御手段23Lと、右後輪出力制御手段23Rとを備える。
【0040】
車速係数算出手段192 は、車速センサー15で検出した車速Vに基づいて、左、右後輪WRL、WRRの駆動・制動力を代表する駆動・制動力指標である車速係数Kvを推定するものであり、図9で示すように予め設定された車速−車速係数マップに基づいて、車速係数Kvが車速係数算出手段192 で算出される。
【0041】
ところで、駆動力とは、エンジントルクを変速機のギアで増幅して得られるものであり、ギア比とは大きな相関関係を有するものであり、車速Vが低いときにはギア比が小さく駆動力が比較的大きいと考えられ、また車速Vが高いときにはギア比が高く駆動力が比較的小さいと考えられる。一方、両後輪WRL、WRRに作用する制動力が比較的大きいときには車速Vが低く、また両後輪WRL、WRRに作用する制動力が比較的小さいときには車速Vが高いので、車速Vは、両後輪WRL、WRRの駆動・制動力を反映していると考えられる。したがって車速係数算出手段192 で車速Vに応じて算出される車速係数Kvは、駆動・制動力を代表する指標となる。
【0042】
目標舵角算出手段212 には、旋回量検出手段18からの横加速度係数Kg、駆動・制動力推定手段192 からの車速係数Kv、荷重移動量算出手段20からの荷重差係数Ksおよび横加速度判断部25からの検出横加速度Sgが入力される。
【0043】
而して目標舵角算出手段212 は、先ず横加速度係数Kg、車速係数Kvおよび荷重差係数Ksを用いて、旋回内輪のトーイン側への目標舵角θinと、旋回外輪のトーイン側への目標舵角θoutとを、次の演算式に従ってそれぞれ演算する。
【0044】
θin=Kv×Kg………(7)
θout=θin/Ks……(8)
上記第(7)、(8) の演算式の実行後に、目標舵角算出手段212 は、横加速度判断部25からの検出横加速度Sgに付されている「+」、「−」の符号に基づき、Sg>0のときには、左後輪の目標舵角θMLおよび右後輪の目標舵角θMRを、
θML=θin……(9)
θMR=θout…(10)
と定め、またSg<0のときには、左後輪の目標舵角θMLおよび右後輪の目標舵角θMRを、
θML=θout…(11)
θMR=θin……(12)
と定める。
【0045】
この第2実施例によっても、上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0046】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0047】
たとえば、上記実施例では、車両の旋回時に左および右後輪操舵手段1L、1Rによって、左、右後輪WRL、WRRをトーイン側に作動せしめるようにした後輪操舵装置について説明したが、本発明は、車両の旋回時に左、右後輪WRL、WRRをいずれか一方がトーアウト側となるように作動せしめるようにした後輪操舵装置についても適用可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、車両の旋回時に旋回内輪で空転が生じることを極力防止して、左、右後輪の能力を最大限に発揮させることができ、旋回方向と逆のヨーモーメント発生による旋回の妨害が生じることもなく、旋回方向と同じ方向のヨーモーメント発生による車両挙動の悪化が生じることもない。しかも、左、右後輪トータルでの横力が変化することがなく、車両の旋回挙動に対する影響が少なく、違和感がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例における後輪駆動車両の操舵系の構成を示す図である。
【図2】 コントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】 前輪転舵角および車速と横加速度との関係を示す図である。
【図4】 横加速度および横加速度係数の関係を示す図である。
【図5】 駆動トルクおよび駆動力係数の関係を示す図である。
【図6】 横加速度および荷重差係数の関係を示す図である。
【図7】 旋回内輪および旋回外輪での摩擦円内での横力の変化を示す図である。
【図8】 第2実施例の図2に対応したコントローラの構成を示すブロック図である。
【図9】 車速および車速係数の関係を示す図である。
【符号の説明】
1L・・・左後輪操舵手段
1R・・・右後輪操舵手段
121 、122 ・・・コントローラ
18・・・旋回量検出手段
191 ・・・駆動・制動力推定手段
192 ・・・駆動・制動力推定手段としての車速係数算出手段
20・・・荷重移動量算出手段
211 、212 ・・・目標舵角算出手段
WRL・・・左後輪
WRR・・・右後輪[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a left rear wheel steering means and a right rear wheel steering means capable of turning the left and right rear wheels independently of each other, and the operation of the left and right rear wheel steering means in accordance with the traveling state of the vehicle. The present invention relates to a rear wheel steering apparatus including a controller for controlling a rear wheel drive vehicle.
[0002]
[Prior art]
A vehicle including a left rear wheel steering means and a right rear wheel steering means capable of turning the left and right rear wheels independently of each other is disclosed in, for example, Japanese Patent Publication No. 8-25479. The left and right wheel steering means are independently operated so that the steering angle of the turning inner wheel becomes larger than the turning angle of the turning outer wheel as the difference in the axial load between the left and right rear wheels increases, and the ground load on the turning inner wheel decreases. The reduction in cornering force due to the steering angle is compensated by the increase in cornering force due to the increase in the steering angle, so that the tire performance of the left and right rear wheels when turning is maximized, and steering stability is improved.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in rear-wheel drive vehicles, when rear wheel steering is performed such that the turning angle of the turning inner wheel is increased, the lateral force of the turning inner wheel increases, so that the turning is reduced due to load movement from the turning inner wheel to the turning outer wheel side. The tire performance (friction circle) of the inner ring may be used up only by the lateral force, and the driving force of the turning inner wheel may not be sufficiently transmitted to the road surface, which may cause the turning inner wheel to idle.
[0004]
The present invention has been made in view of such circumstances, and prevents idling of the rear wheel on the inner side of the turning wheel among the left and right rear wheels during turning, and maximizes the ability of the left and right rear wheels. An object of the present invention is to provide a rear wheel steering device for a rear wheel drive vehicle that can be exhibited.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0006]
According to such a configuration, the target rudder angle of the left and right rear wheels during turning is determined so that the toe-in amount increases as the turning amount of the vehicle and the driving / braking force of both rear wheels increase. In the left and right rear wheels, the lateral force decreases due to the decrease of the wheel slip angle on the turning inner wheel side, and in the left and right rear wheels, the lateral force increases due to the increase of the wheel slip angle on the turning outer wheel side. Become. Therefore, even if the friction circle radius of the turning inner wheel decreases due to the load movement from the turning inner wheel to the turning outer wheel side as the vehicle turns, the lateral force and drive against the friction circle of the tire at the turning outer wheel and the turning inner wheel -The ratio of the resultant force of the braking force can be equalized, and the idling of the turning inner wheel can be prevented as much as possible to maximize the capabilities of the left and right rear wheels. Moreover, since the yaw moment is not changed for the vehicle, there is no hindrance to the turn due to the generation of the yaw moment opposite to the turn direction, and the vehicle behavior deteriorates due to the yaw moment generated in the same direction as the turn direction. There is nothing. Ma Before The controller includes a load movement amount calculating means for calculating a load movement amount index representative of a load movement amount from the turning inner wheel to the turning outer wheel at the time of turning of the vehicle at a turning amount according to the turning operation of the driver, The rudder angle calculating means determines the amount of change of the target rudder angle of the turning outer wheel toward the toe-in side from the amount of change of the target rudder angle of the turning inner wheel toward the toe-in side as the load movement amount index calculated by the load movement amount calculating means increases. Calculate with a smaller From left The lateral force of the right rear wheel does not change, there is little influence on the turning behavior of the vehicle, and there is no sense of incongruity. In other words, the load movement from the inner turning wheel to the outer turning wheel on the left and right rear wheels reduces the ground contact load on the inner turning wheel side, while the ground contact load on the outer turning wheel side increases. If the left and right rear wheels are the same, the lateral force that is greater than the lateral force decreased on the turning inner wheel side will increase on the turning outer wheel side, and the total lateral force on the left and right rear wheels will change. By increasing the load movement amount, the amount of change in the target rudder angle of the turning outer wheel toward the toe-in side is made smaller than the amount of change in the target rudder angle of the turning inner wheel toward the toe-in side. The change in force is suppressed.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Embodiments of the present invention will be described below based on one embodiment of the present invention shown in the accompanying drawings.
[0008]
1 to 7 show a first embodiment of the present invention. FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a steering system of a rear wheel drive vehicle, FIG. 2 is a block diagram showing a configuration of a controller, and FIG. FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the wheel turning angle and the vehicle speed and the lateral acceleration, FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the lateral acceleration and the lateral acceleration coefficient, FIG. 5 is a diagram showing the relationship between the driving torque and the driving force coefficient, and FIG. FIG. 7 is a diagram showing a change in lateral force in a friction circle between the turning inner wheel and the turning outer wheel.
[0009]
First, in FIG. 1, the rear wheel drive vehicle includes left and right rear wheels W. RL , W RR The left rear wheel steering means 1L and the right rear wheel steering means 1R are individually provided, and the left and right rear wheel steering means 1L, 1R are output from the
[0010]
One end of a
[0011]
In such left and right rear wheel steering means 1L and 1R, the left and right rear wheels W are rotated by the rotation of the
[0012]
On the other hand, the steering force of the steering handle 7 is input to the front
[0013]
The operation of the
[0014]
In FIG. 2, the controller 12 1 Includes a turning amount detection means 18 for detecting an index representative of the turning amount of the vehicle according to the turning operation of the driver, and the left and right rear wheels W during non-braking operation. RL , W RR Driving / braking force estimating means 19 for estimating the driving / braking force, that is, an index representative of the driving force 1 A load movement amount calculation means 20 for calculating an index representative of the load movement amount from the turning inner wheel to the turning outer wheel in the left and right rear wheels, an index detected by the turning amount detection means 18, and a driving / braking force estimation means 19 1 Left and right rear based on the index estimated in
[0015]
The turning amount calculation means 18 is based on the vehicle speed V detected by the
[0016]
As shown in FIG. 3, the
[0017]
The lateral
[0018]
In the adding
[0019]
In the lateral acceleration
[0020]
Thus, the turning amount calculation means 18 outputs an acceleration coefficient Kg as an index representing the turning amount of the vehicle, and this lateral acceleration coefficient Kg is detected by the front wheel steering angle θF detected by the front wheel
[0021]
Driving / braking force estimating means 19 1 Is based on the vehicle speed V detected by the
[0022]
The gear
[0023]
Based on the product of the gear ratio obtained by the gear
[0024]
In the driving force
[0025]
Incidentally, the driving / braking force estimating means 19 of this embodiment is shown. 1 In the calculation of the drive torque Td, the engine torque T and the engine speed N from the
[0026]
The load movement amount calculation means 20 is based on the vehicle speed V detected by the
[0027]
In the load difference
[0028]
Target rudder angle calculation means 21 1 Includes a lateral acceleration coefficient Kg from the turning amount detection means 18 and a driving / braking force estimation means 19. 1 , The load difference coefficient Ks from the load movement amount calculation means 20 and the detected lateral acceleration Sg from the lateral
[0029]
Thus, the target rudder angle calculation means 21 1 First, by using the lateral acceleration coefficient Kg, the driving force coefficient Kd, and the load difference coefficient Ks, the target rudder angle θin to the toe-in side of the turning inner wheel and the target rudder angle θout to the toe-in side of the turning outer wheel are set as follows: Each operation is performed according to the equation.
[0030]
θin = Kd × Kg (1)
θout = θin / Ks (2)
After execution of the arithmetic expressions (1) and (2), the target rudder angle calculation means 21 1 Is based on the signs of “+” and “−” attached to the detected lateral acceleration Sg from the lateral
θML = θin …… (3)
θMR = θout (4)
When Sg <0, the target rudder angle θML of the left rear wheel and the target rudder angle θMR of the right rear wheel are
θML = θout (5)
θMR = θin …… (6)
It is determined. In other words, the left rear wheel W when the vehicle with Sg> 0 turns left FL Is determined as the target rudder angle θin of the turning inner wheel and the right rear wheel W FR Is set as the target rudder angle θout of the turning outer wheel, and when the vehicle turns to the right where Sg <0, the left rear wheel W FL The target rudder angle θML is determined as the target rudder angle θout of the outer turning wheel and the right rear wheel W FR Is determined as the target steering angle θin of the turning inner wheel.
[0031]
The left rear wheel turning angle comparison means 22L includes the target steering angle calculation means 21. 1 Left rear wheel W calculated in RL Target steering angle θML and the left rear wheel W detected by the left rear wheel
[0032]
The left and right rear wheel output control means 23L and 23R are electric motors in the left and right rear wheel steering means 1L and 1R based on the steering angle differences ΔθL and ΔθR obtained by the left and right rear wheel turning angle comparison means 22L and 22R. The operating amounts IL and IR are determined for 2L and 2R, respectively, and the
[0033]
Next, the operation of the first embodiment will be described. 1 Then, the lateral acceleration coefficient Kg representing the turning amount according to the turning operation of the driver is detected by the turning amount detection means 18 and the driving / braking force estimation means 19 is detected. 1 Left and right rear wheels W during non-braking operation RL , W RR A driving force coefficient Kd representative of the driving / braking force of the vehicle is estimated, and the target rudder angle calculating means 21 1 Then, based on the lateral acceleration coefficient Kg and the driving force coefficient Kd, the target rudder angle θin toward the toe-in side of the turning inner wheel is calculated as (θin = Kd × Kg) according to the above equation (1). The target rudder angle θout toward the toe-in side is calculated according to the above equation (2) using the target rudder angle θin. That is, when turning, the left and right rear wheels W RL , W RR Is steered to the toe-in side by the left and right rear wheel steering means 1L, 1R, and both target rudder angles θin, θout are moved to the toe-in side as the lateral acceleration coefficient Kg and the driving force coefficient Kd both increase. When the vehicle turns, the left and right rear wheels W RL , W RR Is the vehicle turning amount and both rear wheels W RL , W RR As the driving / braking force increases, the toe-in amount increases.
[0034]
As a result, as shown in FIG. 7, the left and right rear wheels W RL , W RR The lateral force decreases due to the decrease in the wheel slip angle on the turning inner wheel side, and the left and right rear wheels W RL , W RR Of these, the lateral force increases due to the increase of the wheel slip angle on the turning outer wheel side. Therefore, even if the friction circle radius of the turning inner wheel decreases due to the load movement from the turning inner wheel to the turning outer wheel side as the vehicle turns, the lateral force and drive against the friction circle of the tire at the turning outer wheel and the turning inner wheel -The ratio of the resultant force of the braking force can be equalized, and the idling of the turning inner wheel can be prevented as much as possible to maximize the capabilities of the left and right rear wheels. Moreover, since the yaw moment is not changed for the vehicle, there is no hindrance to the turn due to the generation of the yaw moment opposite to the turn direction, and the vehicle behavior deteriorates due to the yaw moment generated in the same direction as the turn direction. There is nothing.
[0035]
Controller 12 1 Is a load movement amount calculation means 20 for calculating a load difference coefficient Ks that is a load movement amount index representative of the load movement amount from the inner turning wheel to the outer turning wheel when the vehicle turns with a turning amount according to the turning operation of the driver. And the target rudder angle calculation means 21 1 Then, the target rudder angle θout toward the toe-in side of the turning outer wheel is calculated using the target rudder angle θin and the load difference coefficient Ks according to the above equation (2) (θout = θin / Ks). That is, the target rudder angle calculating means 21 1 Is the load that is the load movement index Difference coefficient The target rudder angle θout to the toe-in side of the outer turning wheel is calculated so that the target rudder angle θout to the toe-in side of the turning inner wheel becomes smaller than the target rudder angle θin to the toe-in side of the inner turning wheel as Ks increases. ing.
[0036]
By determining the target rudder angle θout to the toe-in side of the outer turning wheel and the target rudder angle θin to the toe-in side of the inner turning wheel in this way, the left and right rear wheels W RL , W RR The total lateral force does not change, the influence on the turning behavior of the vehicle is small, and there is no sense of incongruity. That is, the left and right rear wheels W RL , W RR While the ground load on the turning inner wheel side decreases due to the movement of the load from the turning inner wheel to the turning outer wheel, the grounding load on the turning outer wheel side increases, but the amount of change in the rudder angle changes to the left and right rear wheels RL , W RR , The lateral force greater than the lateral force decreased on the turning inner wheel side increases on the turning outer wheel side, and the left and right rear wheels W RL , W RR The total lateral force changes. The larger the load movement amount, the smaller the amount of change in the target rudder angle θout of the turning outer wheel toward the toe-in side is smaller than the amount of change of the target rudder angle θin of the turning inner wheel toward the toe-in side. Left and right rear wheels W RL , W RR The change in total lateral force can be suppressed.
[0037]
In the first embodiment, the driving and braking force estimating means 19 1 Is the left and right rear wheels W during non-brake operation RL , W RR The driving force coefficient Kd is estimated as an index representative of the driving / braking force, that is, the driving force of the left and right rear wheels W in the brake operation state. RL , W RR It is also possible to estimate a driving / braking force index representative of the driving / braking force of the left and right rear wheels W from the driving torque. RL , W RR The driving force and braking force may be obtained by subtracting the braking force.
[0038]
8 and 9 show a second embodiment of the present invention. FIG. 8 is a block diagram showing the configuration of the controller corresponding to FIG. 2, and FIG. 9 is a diagram showing the relationship between the vehicle speed and the vehicle speed coefficient.
[0039]
First, in FIG. 2 Is the turning amount detection means 18 and the left and right rear wheels W. RL , W RR Vehicle speed coefficient calculating means 19 serving as driving / braking force estimating means for estimating the driving / braking force of the vehicle, that is, an index representative of the driving force. 2 The load movement amount calculation means 20 and the index detected by the turning amount detection means 18 and the vehicle speed coefficient calculation means 19 2 Left and right rear based on the index estimated in
[0040]
Vehicle speed coefficient calculation means 19 2 Indicates the left and right rear wheels W based on the vehicle speed V detected by the
[0041]
By the way, the driving force is obtained by amplifying the engine torque with the gear of the transmission, and has a large correlation with the gear ratio. When the vehicle speed V is low, the gear ratio is small and the driving force is compared. It is also considered that the gear ratio is high and the driving force is relatively small when the vehicle speed V is high. On the other hand, both rear wheels W RL , W RR When the braking force acting on the vehicle is relatively large, the vehicle speed V is low, and both the rear wheels W RL , W RR The vehicle speed V is high when the braking force acting on the vehicle is relatively small. RL , W RR This is considered to reflect the driving / braking force of Accordingly, the vehicle speed coefficient calculating means 19 2 Thus, the vehicle speed coefficient Kv calculated according to the vehicle speed V is an index representing the driving / braking force.
[0042]
Target rudder angle calculation means 21 2 Includes a lateral acceleration coefficient Kg from the turning amount detection means 18 and a driving / braking force estimation means 19. 2 The vehicle speed coefficient Kv from, the load difference coefficient Ks from the load movement amount calculation means 20, and the detected lateral acceleration Sg from the lateral
[0043]
Thus, the target rudder angle calculation means 21 2 First, using the lateral acceleration coefficient Kg, the vehicle speed coefficient Kv, and the load difference coefficient Ks, the target rudder angle θin to the toe-in side of the inner turning wheel and the target rudder angle θout to the toe-in side of the outer turning wheel are calculated as follows: Calculate each according to the formula.
[0044]
θin = Kv × Kg (7)
θout = θin / Ks (8)
After execution of the above arithmetic expressions (7) and (8), the target rudder angle calculating means 21 2 Is based on the signs of “+” and “−” attached to the detected lateral acceleration Sg from the lateral
θML = θin …… (9)
θMR = θout (10)
When Sg <0, the target rudder angle θML of the left rear wheel and the target rudder angle θMR of the right rear wheel are
θML = θout (11)
θMR = θin …… (12)
It is determined.
[0045]
According to the second embodiment, the same effect as that of the first embodiment can be obtained.
[0046]
Although the embodiments of the present invention have been described in detail above, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various design changes can be made without departing from the present invention described in the claims. Is possible.
[0047]
For example, in the above embodiment, the left and right rear wheels W are controlled by the left and right rear wheel steering means 1L and 1R when the vehicle turns. RL , W RR The rear wheel steering device has been described so that the left and right rear wheels W are operated when the vehicle is turning. RL , W RR The present invention can also be applied to a rear wheel steering device in which any one of them is operated so as to be on the toe-out side.
[0048]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, it is possible to prevent the idling of the turning inner wheel during the turning of the vehicle as much as possible, and to maximize the capabilities of the left and right rear wheels. Inversely, there will be no hindrance to turning due to the generation of the yaw moment, and there will be no deterioration in vehicle behavior due to the yaw moment in the same direction as the turning direction. . Moreover, The lateral force of the left and right rear wheels as a whole does not change, has little influence on the turning behavior of the vehicle, and does not feel uncomfortable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a steering system of a rear wheel drive vehicle in a first embodiment.
FIG. 2 is a block diagram showing a configuration of a controller.
FIG. 3 is a diagram showing a relationship between a front wheel turning angle, a vehicle speed, and a lateral acceleration.
FIG. 4 is a diagram showing a relationship between a lateral acceleration and a lateral acceleration coefficient.
FIG. 5 is a diagram showing a relationship between a driving torque and a driving force coefficient.
FIG. 6 is a diagram showing a relationship between lateral acceleration and a load difference coefficient.
FIG. 7 is a diagram showing a change in lateral force in a friction circle between a turning inner wheel and a turning outer wheel.
FIG. 8 is a block diagram showing a configuration of a controller corresponding to FIG. 2 of the second embodiment.
FIG. 9 is a diagram showing a relationship between a vehicle speed and a vehicle speed coefficient.
[Explanation of symbols]
1L ... Left rear wheel steering means
1R: Right rear wheel steering means
12 1 , 12 2 ···controller
18: Turning amount detection means
19 1 ... Driving / braking force estimation means
19 2 ... Vehicle speed coefficient calculation means as drive / braking force estimation means
20: Load movement amount calculation means
21 1 , 21 2 ... Target rudder angle calculation means
W RL ... Left rear wheel
W RR ... Right rear wheel
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