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JP4024729B2 - 光導波路の製造方法 - Google Patents

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本発明は簡便・安価な光伝送路の製造方法並びにその製法に好適な材料の組成に関する。本発明の光導波路の製造方法は、光ファイバー通信分野における安価で低損失な光インターコネクション、光分波器あるいは合波器等の光導波路部品の製造に応用可能である。
光硬化性樹脂液にビーム状の所定波長光を導入し、自己集光現象を利用して、光導波路デバイスを形成する技術が注目されている。例えば、本願共同出願人による下記特許文献1、2に記載された光導波路の製造方法がある。また、本願出願人以外の出願人によるものとしては下記特許文献3、4に記載された技術が知られている。これら各案件は、コアを高屈折率とし、当該コアを覆う外部を全て低屈折率のクラッドとするものである。この際、高屈折率の光硬化性樹脂液を硬化させてコアとしたのち、コア外部の低屈折率の光硬化性樹脂液、又は外部の高屈折率の光硬化性樹脂液と低屈折率の光硬化性樹脂液の混合溶液を硬化させるものである。尚、本願で「光硬化性樹脂液」とは、光重合開始剤と、それにより重合及び硬化可能なモノマー、オリゴマー、及び/又はコポリマーの混合物を言うものとする。
特開2000−347043号公報 特開2002−169038号公報 特開2002− 31733号公報 特開2002−258095号公報 一方、本願共同出願人による特願2002−313421においては、高屈折率の光硬化性樹脂液と低屈折率の光硬化性樹脂液の混合溶液において、高屈折率の光硬化性樹脂液を取り込んだ形で低屈折率の光硬化性樹脂液を選択的に硬化させ、外周部に低屈折率の光硬化性樹脂硬化物を漏光により付着させたのち、全体を硬化させる製造方法を出願した。これは、上記4文献記載の技術とは全く別の光導波路の製造方法であって、当該混合溶液が硬化した高屈折率の光路部分と、その外周に形成されたより低屈折率の樹脂成分の多い低屈折率部分と、更にその外部の当該混合溶液が硬化した高屈折率の部分を有する光導波路の製造方法である。
上記特許文献1乃至4の従来技術である、高屈折率の光硬化性樹脂液を硬化させてコアとしたのち、コア外部の高屈折率の光硬化性樹脂液と低屈折率の光硬化性樹脂液の混合溶液を硬化させるとの技術においては、高屈折率の光硬化性樹脂液を選択的に硬化させる必要がある。ここで、高屈折率の光硬化性樹脂液と低屈折率の光硬化性樹脂液の混合溶液を用いて高屈折率の光硬化性樹脂液を選択的に硬化させてコアとするとき、当該コアにできるだけ低屈折率の光硬化性樹脂液が含まれないように、即ち低屈折率の光硬化性樹脂液を外部へ拡散させるためには、コア形成の速度を所定値以上に大きくすることができない。また、高屈折率の光硬化性樹脂液のみを用いてコアを形成し、洗浄したのちに外部のクラッドを形成する場合は、更に製造時間が長くなる。
本発明者らは鋭意検討の結果、当該特願2002−313421の技術を更に改良し、光導波路の製造をより容易にし且つその生産性を向上させることができた。即ち本発明は、混合溶液が硬化した高屈折率の光路部分と、その外周に形成されるより低屈折率の樹脂成分の多い低屈折率部分と、更にその外部の当該混合溶液が硬化した高屈折率の部分を有する光導波路の製造方法である。
本発明は、硬化機構の異なる低屈折率の第1の光硬化性樹脂液と高屈折率の第2の光硬化性樹脂液の混合溶液を用い、第1の光硬化性樹脂液を硬化させるが第2の光硬化性樹脂液を硬化させない第1の光照射により、第2の光硬化性樹脂液を取り込む形で第1の光硬化性樹脂液を硬化させ、光が透過する光路部分を形成する第1の光硬化工程と、光路部分を形成した後、第1の光照射を止めて所定時間静置することで、前記光路部分の表層へ光路部分の外部の混合溶液から未硬化の第1の光硬化性樹脂液を拡散させる拡散工程と、第1の光硬化性樹脂液と第2の光硬化性樹脂液の両方を硬化させる第2の光照射により、少なくとも前記光路部分の表層へ拡散した未硬化の第1の光硬化性樹脂液及び前記光路部分の第2の光硬化性樹脂液を硬化させる第2の光硬化工程とから成り、屈折率の高い光路部分と、その表層の低屈折率部分とを有する光導波路を製造する方法である。また、関連発明は、第1の光照射は、光ファイバにより供給されることを特徴とする。尚、本発明において、屈折率の高い光路部分とその表層部分の低屈折率部分との構成は、いわゆるステップインデックス型の屈折率分布を形成することに限定されない。即ち、屈折率が連続的に変化するもの、たとえばいわゆるグレーデッドインデックス型の屈折率分布のものであっても本願発明に包含される。
本発明の作用を説明する。まず光学的に透明な光路部分を選択的に形成する。ただし当該光路部分は、未硬化の高屈折率の第2の光硬化性樹脂液が低屈折率の第1の光硬化性樹脂の硬化物中に取り込まれたままであって、のちの全体の硬化で初めて設計された屈折率、即ち当初の混合溶液をそのまま硬化させた場合の屈折率を有する光路となるものである。この際、低屈折率の第1の光硬化性樹脂の硬化物中には未硬化の第1の光硬化性樹脂液が存在しなくても良く、また存在していてもかまわない。
この後光照射を止めた際、低屈折率の第1の光硬化性樹脂の硬化物中に取り込まれた液状成分において、未硬化の第1の光硬化性樹脂液の濃度の、未硬化の第2の光硬化性樹脂液の濃度に対する比は、当該第1の光硬化性樹脂液が硬化して固形分となった分だけ、当初の混合溶液における未硬化の第1の光硬化性樹脂液の濃度の、未硬化の第2の光硬化性樹脂液の濃度に対する比よりも小さくなっている。一方、光路部分の外部は当初の混合溶液であり、未硬化の第1の光硬化性樹脂液の濃度の、未硬化の第2の光硬化性樹脂液の濃度に対する比は変化が無い。すると光照射を止めた際、光路表面を境界として、未硬化の第1の光硬化性樹脂液と未硬化の第2の光硬化性樹脂液について、当初の混合溶液の濃度比を有する光路部分外部と、当該濃度比よりも未硬化の第1の光硬化性樹脂液の濃度が小さい光路部分の表層とが隣接することとなる。
この濃度の差により、光路部分外部の混合溶液から光路部分の表層へ未硬化の第1の光硬化性樹脂液が拡散し、光路部分の表層から光路部分外部の混合溶液へ未硬化の第2の光硬化性樹脂液が拡散することとなる。こうして、光路部分の表層においては、その液状成分において、未硬化の第1の光硬化性樹脂液の濃度と未硬化の第2の光硬化性樹脂液の濃度が、光路部分外部と極めて近いものとなる。この拡散は、光路部分の内部へも伝播していくが、第1の光硬化性樹脂の硬化物が障害となるため、光路部分表層以外の光路部分では極めて拡散速度が遅い。一方、光路部分外部においては、混合溶液の粘度に依存するが比較的拡散速度は速いものと考えられる。
上記拡散は、液状成分での未硬化の第1の光硬化性樹脂液と未硬化の第2の光硬化性樹脂液の濃度比の差が小さくなるように生じるものである。さて、光路部分の表層においては既に硬化した低屈折率の第1の光硬化性樹脂の硬化物が存在する。すると、第2の光照射により残余の未硬化の光硬化性樹脂液を硬化させた場合、光路部分の表層の硬化物における第1の光硬化性樹脂硬化物の濃度は、光路部分外部の硬化物における第1の光硬化性樹脂硬化物の濃度よりも大きくなる。すると光路部分の表層においては、低屈折率の第1の光硬化性樹脂硬化物の濃度が、光路部分外部の硬化物における低屈折率の第1の光硬化性樹脂硬化物の濃度よりも大きい。これは光路部分の表層の屈折率が、光路部分外部の硬化物における屈折率よりも小さくなることを意味する。
光路部分の中心軸付近では、上述の液状成分での未硬化の第1の光硬化性樹脂液の拡散の影響は小さい。すると硬化後の光路部分の第1の光硬化性樹脂硬化物の濃度は、光路部分の外部の第1の光硬化性樹脂硬化物の濃度とほぼ等しい。以上総合すると、光路部分は高屈折率、光路部分の表層は低屈折率、光路部分の外部は高屈折率となる、光導波路が形成される。本発明はいわゆるステップインデックス型とは異なるが、以下の記載で光路部分の表層以外をコア、光路部分の表層をクラッドと呼ぶことがある。尚、第1の光照射により形成される「光路部分」は、のちの工程でコア及びクラッドとなるものであって、光路部分の表層は、光路部分の内側に形成される。
光路部分の形成においては、未硬化の高屈折率の第2の光硬化性樹脂液が低屈折率の第1の光硬化性樹脂の硬化物中に取り込まれるよう、速い光硬化が行われ、且つ、その光硬化後、所定時間光照射を停止して静置するだけで光路部分表層に低屈折率樹脂の濃度が元の混合溶液に比べて大きな部分が形成できる。こののち全体を光硬化させれば良い。このように本発明によれば、本発明者らが開発した以前のいずれの技術よりも、容易且つ生産性良く光導波路を形成することができる。本発明はコアを形成したのちの洗浄工程を必要としないので、比較的粘度の高いモノマー等を光硬化性樹脂液として用いることが可能であって、且つ小型の光モジュール等の大量生産に適している。
更に、光ファイバで第1の光照射を行えば、当該光ファイバと整合する、細いコアを有する光導波路を容易に製造することができる。
本発明を実施するための個々の構成の具体例は次のようなものが例示される。まず、硬化機構の異なる2つの光硬化性樹脂液を用意する必要がある。ここで、硬化機構の異なるとは、たとえばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合から2種類選択すると良い。低屈折率の光硬化性樹脂液の光重合開始剤は、高屈折率の光硬化性樹脂液の光重合開始剤よりも、低波長の光で活性化されるものを選択すると良い。
光ラジカル重合を行うモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドが好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等の1官能性(メタ)アクリル酸エステル(モノ(メタ)アクリレート)を用いることができる。また、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオールと2等量の(メタ)アクリル酸とのエステル(ジ(メタ)アクリレート)を用いることができる。同様に、アルコール性水酸基を複数有する有機化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル(トリ、テトラ、…(メタ)アクリレート)を用いることができる。尚、これらのモノマーにおいて、(メタ)アクリロイル基及びその他の有機骨格のメチル水素、メチレン水素、メチン水素の一部をハロゲンで置換したものでも良い。又、これらモノマーを適当に組み合わせて用いても良い。
光ラジカル重合を行うオリゴマー(マクロモノマー)としては、末端又は分岐に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマーなどが好ましい。尚、これらのオリゴマーにおいて、(メタ)アクリロイル基及びその他の有機骨格のメチル水素、メチレン水素、メチン水素の一部をハロゲンで置換したものでも良い。又、これらオリゴマーを前記モノマーと適当に組み合わせたものを用いても良い。
光ラジカル重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタール系化合物としては2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシケトン系化合物としては2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−フェニルケトン、α−アミノケトン系化合物としては2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ビスアシルホスフィンオキシド系化合物としてはビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、メタロセン系化合物としてはビス(η−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(N−ピロイル)フェニル)チタンなどを用いることができる。これらを複数種類用いても良い。
光カチオン重合を行うモノマー或いはオリゴマーとしては、エポキシ環、オキセタン環ほか環状エーテルを有する化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、ビニルエーテル化合物等のモノマー或いはオリゴマーを用いることができる。又、これらモノマー或いはオリゴマーを適当に組み合わせたものを用いても良い。
光カチオン重合開始剤としては、4,4’−ビス(ジ(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ)フェニルスルフィド二ヘキサフルオロアンチモン酸、η−シクロペンタジエニル−η−クメン鉄(1+)−ヘキサフルオロリン酸(1−)などを用いることができる。
上記述の光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤に、光増感剤を加えても良い。更に、必要に応じて、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤その他の添加剤を配合することができる。以上のような組み合わせにより、本発明に用いる光硬化性液状樹脂組成物とすることができる。また、光アニオン重合性の重合開始剤とモノマー又はオリゴマーの組み合わせを用いても良く、チオール・エン付加による重合を用いても良い。
光が透過する光路部分の表層部分に未硬化の第1の光硬化性樹脂液を拡散させる拡散工程における静置する所定時間については、短ければ急峻な低屈折率部分が形成される。また、静置する所定時間が長ければ、光が透過する光路部分の表層部分から光路部分の中心部に向けて、なだらかに屈折率が上昇するような屈折率分布となる。
第1の光硬化性樹脂液として、ラジカル重合性モノマーであるサートマー社製商品名「SR-454」(屈折率1.471)を60部、ラジカル重合型可視光重合開始剤を0.5部、第2の光硬化性樹脂液として、カチオン重合性モノマーとして、ジャパンエポキシレジン社製商品名「エピコート828」(屈折率1.574)を40部、カチオン重合型紫外光重合開始剤を3.0部混合し、光硬化性樹脂液の混合溶液を調製した。この混合溶液の硬化前の屈折率は1.514、紫外線照射により混合溶液全体を硬化させた場合の硬化物の屈折率は1.543であった。本実施例では、ラジカル重合性モノマーである商品名「SR-454」(屈折率1.471)とラジカル重合型可視光重合開始剤との混合物が第1の光硬化性樹脂液にあたり、カチオン重合性モノマーである商品名「エピコート828」とカチオン重合型紫外光重合開始剤との混合物が第2の光硬化性樹脂液にあたる。尚、各商品名と主要成分の化学名を表1に示す。
Figure 0004024729
図1は、本実施例の工程を示す工程図である。まず、図1の(a)のように、透明容器1に上記混合溶液2を充填し、プラスチック製光ファイバ3の片側を浸漬した。プラスチック製光ファイバ3としては三菱レイヨン社製の商品名「エスカミウ」(コア径0.73mm、開口数0.25)を用いた。
次に、プラスチック製光ファイバ3の他端から波長458nmのレーザー光λ1を入射させ、プラスチック製光ファイバ3の浸漬した先端から混合溶液2に射出させた。レーザー光λ1のパワーは5mWとした。こうして、自己集光現象により、プラスチック製光ファイバ3の浸漬した先端から混合溶液2のうち、ラジカル重合開始剤のみが活性化して、屈折率1.471のラジカル重合性モノマー(第1の光硬化性樹脂液)が、未硬化の屈折率1.574のカチオン重合性モノマー(第2の光硬化性樹脂液)を取り込みながら、軸状に硬化して、一部未硬化の光路部分4が成長した(図1の(b))。こうして、16秒で長さ18mmの一部未硬化の光路部分4が形成された。次に、波長458nmのレーザー光λ1を止めて15分間、静置した。この時、一部未硬化の光路部分4の表層6には、以下に述べるように、未硬化のラジカル重合性モノマーが拡散していたことが明らかとなった。一方、一部未硬化の光路部分4の表層以外の部分5には未硬化のラジカル重合性モノマーが余り拡散していないことが明らかとなった。(図1の(c))。
次に、透明容器1の外部から、高圧水銀ランプにより紫外線を照射し、混合溶液2のラジカル重合開始剤及びチオン重合開始剤のいずれをも活性化して、残余の未硬化のラジカル重合性モノマー及びカチオン重合性モノマーを全て硬化させた。こうして、一部未硬化であった光路部分4の表層以外の部分5及び光路部分4の表層6並びに混合溶液2は、高屈折率のコア部5'と低屈折率のクラッド部6'、それを取り囲む高屈折率部分である混合溶液の硬化物2'の3重構造となった。こうして光導波路10を形成した(図1の(d))。尚、第2の光硬化工程では、透明容器の外部からの照射に限られず、光路部分から入射しても良い。これにより、用途に応じて、混合溶液の硬化物2'を有さない光導波路を形成できる。
光導波路10の伝送損失と接続損失をカットバック法により測定したところ、各々2.1dB/cm、0.42dBであった。また、二光束干渉顕微鏡により屈折率分布を測定したところ、光導波路10の長さ方向(コア部5'の中心軸方向)と垂直方向に屈折率分布が見られた。図2は、光導波路10のコア部5'の中心軸(断面半径0μm)から垂直方向(断面半径方向)の屈折率分布を示すグラフ図である。コア部5'の中心軸付近は、上記混合溶液2をそのまま硬化させた場合の屈折率1.543と等しい屈折率であり、中心軸から離れるに従って若干の単調減少ののち、クラッド部6'において1.535まで急激に屈折率が低下する。次に混合溶液2をそのまま硬化させた場合の屈折率1.543よりも若干高い屈折率1.544の部分7を経て、混合溶液2をそのまま硬化させた場合の屈折率1.543の部分2'が透明容器1に達するまで続く。尚、屈折率変化は、極めて連続的に変化するものであって、いわゆるステップインデックス型とは異なるが、一方、いわゆるグレーデッドインデックス型にも当てはめがたいものであった。ただし、この分布は一例であって、使用する材料(特に粘度、モノマー等の分子量その他)と静置条件(温度、時間)に大きく依存するため、本願発明が図2の分布を生じさせるものに限定されるわけではない。
さらに、FT-IRにより、コア部5'中心軸付近から半径方向にかけての樹脂組成について分析した。これによると、コア部5'中心軸付近においては、ラジカル重合性硬化物とカチオン重合性硬化物との組成比が0.6:0.4であったが、最も屈折率の低い部分においては、組成比が0.69:0.31であった。
この組成分析から次のようなことが考察される。λ1の光照射を止めると、一部未硬化の光路部分4の表層6には、低屈折率のラジカル重合性硬化物(第1の光硬化性樹脂の硬化物)とその中に取り込まれた高屈折率のカチオン重合性モノマー(未硬化の第2の光硬化性樹脂液)が存在する。ここに低屈折率のラジカル重合性モノマー(未硬化の第1の光硬化性樹脂液)が存在したとしても、低屈折率のラジカル重合性モノマー(未硬化の第1の光硬化性樹脂液)と高屈折率のカチオン重合性モノマー(未硬化の第2の光硬化性樹脂液)の組成比は、低屈折率のラジカル重合性モノマー(未硬化の第1の光硬化性樹脂液)の一部が硬化により消費されたことにより6:4よりも小さくなっている。場合によっては0:4、即ち低屈折率のラジカル重合性モノマー(未硬化の第1の光硬化性樹脂液)が存在しない可能性もある。
しかし光路部分4の外部には、組成比6:4で、低屈折率のラジカル重合性モノマー(及びその重合開始剤、未硬化の第1の光硬化性樹脂液)と高屈折率のカチオン重合性モノマー(及びその重合開始剤、未硬化の第2の光硬化性樹脂液)が存在する。この光路部分4の表面を境界とした低屈折率のラジカル重合性モノマー(未硬化の第1の光硬化性樹脂液)と高屈折率のカチオン重合性モノマー(未硬化の第2の光硬化性樹脂液)の濃度の差が拡散を生じさせる。即ち、光路部分4の外部から光路部分4の表層6へ未硬化の第1の光硬化性樹脂液が拡散し、光路部分4の表層6から光路部分4の外部へ未硬化の第2の光硬化性樹脂液が拡散する。これにより、光路部分4の表面を境界として低屈折率のラジカル重合性モノマー(未硬化の第1の光硬化性樹脂液)と高屈折率のカチオン重合性モノマー(未硬化の第2の光硬化性樹脂液)の濃度の差が小さくなる。
上記は光路部分4の表層6の液状部分と光路部分4の外部の濃度(組成)の話であるが、光路部分4の表層6には低屈折率のラジカル重合性硬化物(第1の光硬化性樹脂の硬化物)が存在する。すると残余の未硬化の光硬化性樹脂を紫外線照射により全体を硬化させた後は、光路部分4の表層6の低屈折率のラジカル重合性硬化物(第1の光硬化性樹脂の硬化物)の組成比は、光路部分4の外部の低屈折率のラジカル重合性硬化物(第1の光硬化性樹脂の硬化物)の組成比よりも多い。即ち、光路部分4の表層6は、低屈折率部分となる。一方光路部分4の内部、少なくとも中心軸近傍は、上記拡散の影響が少ないために、当初の混合溶液を硬化させた場合の第1及び第2の光硬化性樹脂硬化物の組成比と同じとなる。拡散による濃度変化が極めて連続的であることを考えると、このような作用により図2のような屈折率分布を生じるような、第1及び第2の光硬化性樹脂硬化物の組成変化が生じたものと考察される。
〔比較例〕
実施例1において、15分間の静置をせずに、波長458nmのレーザー光λ1の照射を止めて一部未硬化の光路部分4の形成を終了させると同時に、透明容器1の外部から高圧水銀ランプにより紫外線を照射して光導波路を作製した。この光導波路は光導波路としては充分に機能しない、光閉じ込めができないものであった。二光束干渉顕微鏡により屈折率分布を測定したが、この光導波路の内部での屈折率差は0.001以下であった。ここから、上記考察で述べた「拡散」は、所定時間の静置を行わなければ生じないことがわかった。
〔検証実験〕
次のような方法によって、一部硬化させたコアを形成し、当該コア中の未硬化モノマーと、その外部の混合溶液中の未硬化モノマーとが相互に拡散を生じることを確認した。まず、表2のように、混合溶液A、B、C及びDを調製した。尚、重合開始剤は実施例1と同じものを用いた。
Figure 0004024729
各混合溶液をガラス板2枚で挟んで厚さ150μm、面積1cm2の円盤状に保持した。次に波長458nmのレーザー光を照射パワー3mWで、石英ファイバ(コア径600μm、開口数0.37)を介して中央部に15秒間照射した。この時の、光照射部とその周辺部分の屈折率分布の経時的な変化の様子を二光束干渉顕微鏡により観測した。この結果を概念図として図3に示す。光が照射された部分ではラジカル重合性モノマーが硬化するが、カチオン重合性モノマーは硬化せずに当該光照射部分(一部未硬化のコア)に取り込まれたままである。光照射を停止した場合、その直後の屈折率分布はステップ状の屈折率分布であった。これは光照射を停止した直後において、光照射の無いコア外部においては混合溶液はラジカル重合性モノマーとカチオン重合性モノマーとが当初の混合比率で存在し、光照射されたコアにおいてはラジカル重合性硬化物とカチオン重合性モノマーとが当初の混合比率で存在することを意味する。尚、当該硬化した樹脂(固体)は硬化前(液体)よりも屈折率が上昇することはごく一般的なことである。よって混合物の一部硬化であっても、硬化前の混合物(液体)よりも一部硬化後の混合物(固液混合物)の屈折率の方が高い。これを図3の(a)に示す。
この後、静置時間の経過とともに光照射部分の外周付近で屈折率が変化する様子が確認できた。即ち、表2で※欄をWと示した混合溶液A、B、Dを用いたものについては、図3の(a)のようなステップ状の屈折率分布から、図3の(b)のように変化した。この現象は実施例1でも同様であるものと考えられる。一方、表2で※欄をMと示した混合溶液Cを用いたものについては、図3の(a)のようなステップ状の屈折率分布から、図3の(c)のように変化した。
本発明の具体的な一実施例に係る光導波路の製造方法を示す工程図(断面図)。 実施例1の光導波路のコア部の中心軸から垂直方向の屈折率分布を示すグラフ図。 検証実験における、屈折率分布の概略を示すグラフ図であって、(a)は光照射を停止した直後、(b)は混合溶液A、B、Dの場合の所定時間経過後、(c)は混合溶液Cの場合の所定時間経過後。
符号の説明
1:透明容器
2:硬化機構の異なる低屈折率の第1の光硬化性樹脂液と高屈折率の第2の光硬化性樹脂液の混合溶液
2':混合溶液の硬化物
3:光ファイバ
4:一部未硬化の光路部分
5:一部未硬化の光路部分の表層以外の部分
6:一部未硬化の光路部分の表層
5':コア(完全に硬化した光路部分の表層以外の部分)
6':クラッド(完全に硬化した光路部分の表層)
7:光路部分の表層部分の外部の高屈折率部分

Claims (2)

  1. 硬化機構の異なる低屈折率の第1の光硬化性樹脂液と高屈折率の第2の光硬化性樹脂液の混合溶液を用い、
    前記第1の光硬化性樹脂液を硬化させるが前記第2の光硬化性樹脂液を硬化させない第1の光照射により、前記第2の光硬化性樹脂液を取り込む形で前記第1の光硬化性樹脂液を硬化させ、光が透過する光路部分を形成する第1の光硬化工程と、
    前記光路部分を形成した後、第1の光照射を止めて所定時間静置することで、前記光路部分の表層へ光路部分の外部の混合溶液から未硬化の前記第1の光硬化性樹脂液を拡散させる拡散工程と、
    前記第1の光硬化性樹脂液と前記第2の光硬化性樹脂液の両方を硬化させる第2の光照射により、少なくとも前記光路部分の表層へ拡散した未硬化の前記第1の光硬化性樹脂液及び前記光路部分の前記第2の光硬化性樹脂液を硬化させる第2の光硬化工程とから成り、
    屈折率の高い光路部分と、その表層の低屈折率部分とを有する光導波路を製造する方法。
  2. 前記第1の光照射は、光ファイバにより供給されることを特徴とする請求項1に記載の光導波路を製造する方法。
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