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JP4020741B2 - 液処理装置における気液分離回収装置 - Google Patents

液処理装置における気液分離回収装置 Download PDF

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JP4020741B2
JP4020741B2 JP2002288236A JP2002288236A JP4020741B2 JP 4020741 B2 JP4020741 B2 JP 4020741B2 JP 2002288236 A JP2002288236 A JP 2002288236A JP 2002288236 A JP2002288236 A JP 2002288236A JP 4020741 B2 JP4020741 B2 JP 4020741B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、液処理装置における気液分離回収装置に関するもので、更に詳細には、例えば半導体ウエハやLCD用ガラス基板等の被処理体に処理液を供給して処理を施す液処理装置における気液分離回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、被処理体としての半導体ウエハやLCD基板等(以下にウエハ等という)にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いて回路パターンを縮小してフォトレジストに転写し、これを現像処理し、その後、ウエハ等からフォトレジストを除去する一連の処理が施されている。
【0003】
上記レジスト除去の手段として洗浄処理装置が用いられている。また、環境保全の観点から処理に供された処理液と排気とを気液分離し排液(処理液)を安全に回収することが要望されている。そこで、従来では、処理容器例えばカップ内に収容される被処理体例えば半導体ウエハやLCD基板(以下にウエハ等という)に処理液を供給して、ウエハ等に対して所定の処理を施す処理部と、カップからの処理液と排気との気液混合流体を通過させる処理液回収管路とを具備する液処理装置において、処理液回収管路に気液分離回収装置を接続したものが知られている。
【0004】
上記従来の気液分離回収装置は、カップの直下位置に配置され、その上面側に設けられた導入口を介してカップと連結された回収ボックスと、回収ボックス内で導入口と対向配置され、導入口を介してほぼ鉛直方向に沿って回収ボックス内に導入された気液混合流体を気体成分と液体成分に分離し、気体成分を回収ボックスの上方空間側に導く一方、液体成分を回収ボックスの底面空間側に導く仕切板と、を具備している。また、回収ボックスの側面部に、上方空間と接して開口部を設け、仕切板により導かれた気体成分を当該開口部を介して回収ボックスの外に排気するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−64009号公報(段落番号0014、0016、0019、図2及び図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の気液分離回収装置においては、気液混合流体を仕切板に衝突して気体成分と液体成分とに分離し、分離された気体成分を仕切板の上方側に設けられた開口部を介して外部に排気する構造であるため、分離されずに気体成分中にミスト状に混入した液体成分も気体成分と共に外部に排出されてしまうという問題があった。したがって、従来のこの種の気液分離装置においては、気液分離が十分でなく、液体成分すなわち排液(処理液)の回収効率が低いという問題があった。
【0007】
排液(処理液)の回収効率を高める方法として、排気容量を多くして気液混合流体の流速を増大させて気液分離する方法が考えられるが、この方法では、装置が大型化するばかりか、回収される処理液が熱的影響を受けて劣化するという問題がある。
【0008】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、気液混合流体の気液分離効率の向上が図れ、装置の小型化及び回収される処理液の劣化の抑制を図れるようにした液処理装置における気液分離回収装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、処理容器内に収容される被処理体に処理液を供給して、被処理体に対して所定の処理を施す液処理部と、上記処理容器からの処理液と排気との気液混合流体を通過させる処理液回収管路とを具備する液処理装置において、処理液回収管路に接続されて気液混合流体を気体成分と液体成分とに気液分離する気液分離装置を前提とするものである。この発明の特徴は、上記処理容器の外部に配設されると共に、その上端部に設けられた導入口を介して上記処理液回収管路に接続され、その下端部に設けられた排液口を介して排液回収管路に接続され、かつ、その側端部に設けられた排気口を介して排気手段に接続される気液分離体を具備し、 上記気液分離体は、上記導入口から導入される上記気液混合流体を衝突させて気体成分と液体成分に気液分離する傾斜面を有すると共に、気液混合流体を集中させて通過させる第1の絞り通路と、この第1の絞り通路と上記排液口及び排気口との間に形成され、上記第1の絞り通路を通過する上記気液混合流体の流速を緩和させる気液分離室と、気液分離された気体成分を集中させて通過させると共に、気体成分中に混入する液体成分が排気口側に流れるのを阻止する第2の絞り通路と、を具備してなり、 上記第2の絞り通路と上記排気口との間に形成され、気体成分を一時貯留する貯留室を更に具備すると共に、貯留室の底部に、上記排液口側に連通する液抜き孔を形成してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
また、この発明において、上記貯留室における排気口との連通部に、少なくとも排気口の中間より下部側から貯留部内に向かって上り勾配状に突出する液化促進部を形成するか(請求項)、あるいは、排気口の全周から貯留室内に向かって縮径テーパ状に突出する液化促進部を形成する方が好ましい(請求項)。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、導入口から導入される気液混合流体は、第1の絞り通路の傾斜面に衝突すると共に、集中して第1の絞り通路を通過した後、気液分離室により流速が緩和されれることにより、気体成分と液体成分に気液分離され、気液分離された気体成分が第2の絞り通路を通過して排気される際、気体成分中に混入する液体成分を、第2の絞り通路によって排気口側に流れるのを阻止することができる。
【0017】
また、請求項1記載の発明によれば、第2の絞り通路と排気口との間に、気体成分を一時貯留する貯留室を形成すると共に、貯留室の底部に、排液口側に連通する液抜き孔を形成することにより、第2の絞り通路を通過した気体成分中に残存する液体成分を液抜き孔を介して排液口側に排液することができる。この場合、貯留室における排気口との連通部に、少なくとも排気口の中間より下部側から貯留部内に向かって上り勾配状に突出する液化促進部を形成するか、あるいは、排気口の全周から貯留室内に向かって縮径テーパ状に突出する液化促進部を形成することにより、第2の絞り通路を通過した気体成分の雰囲気を液化促進部に衝突させて、気体成分中に残存する液体成分を気体成分から分離し、分離された液体成分を液抜き孔を介して排液口側に導くことができる(請求項2,3)。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る気液分離回収装置を半導体ウエハの表面に対してレジスト除去処理及び洗浄処理等するように構成された基板処理装置としての基板処理ユニットに適用した場合について説明する。
【0022】
図1は、複数の基板処理ユニットを組込んだ処理システムを示す概略平面図、図2は、処理システムの概略側面図である。
【0023】
上記基板処理システム1は、被処理体例えば半導体ウエハW(以下に、ウエハWという)に処理及び処理後の熱処理を施す処理部2と、この処理部2にウエハWを搬入・搬出する搬入出部3とで主要部が構成されている。
【0024】
上記搬入出部3は、処理前及び処理後の複数枚例えば25枚のウエハWを収納するウエハキャリアCと、このウエハキャリアCを載置するための載置台6が設けられたイン・アウトポート4と、載置台6に載置されたキャリアCと処理部2との間で、ウエハWの受け渡しを行うウエハ搬送装置7が備えられたウエハ搬送部5とで構成されている。
【0025】
ウエハキャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設けられており、この蓋体を開蓋した状態でウエハWがウエハキャリアCの一側面を通して搬入出されるように構成されている。また、ウエハキャリアCには、ウエハWを所定間隔で保持するための棚板が内壁に設けられており、ウエハWを収容する例えば25個のスロットが形成されている。なお、ウエハWは半導体デバイスを形成する面が上面となっている状態で、各スロットに1枚ずつ収容される。
【0026】
上記イン・アウトポート4の載置台6には、例えば3個のウエハキャリアCを水平面のY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。ウエハキャリアCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4とウエハ搬送部5との仕切壁8側に向けて載置される。仕切壁8においてウエハキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており、窓部9のウエハ搬送部5側には、窓部9をシャッタ等により開閉する窓開閉機構10が設けられている。
【0027】
ウエハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7は、水平のY方向と鉛直のZ方向及びX−Y平面内(θ方向)で移動自在に構成されている。また、ウエハ搬送装置7は、ウエハWを把持する取出収納アーム11を有し、この取出収納アーム11はX方向にスライド自在に構成されている。このようにして、ウエハ搬送装置7は、載置台6に載置されたすべてのウエハキャリアCの任意の高さのスロットにアクセスし、また、処理部2に配設された上下2台のウエハ受け渡しユニット16,17にアクセスして、イン・アウトポート4側から処理部2側へ、逆に処理部2側からイン・アウトポート4側へウエハWを搬送することができるように構成されている。
【0028】
上記処理部2は、搬送手段である主ウエハ搬送装置18と、ウエハ搬送部5との間でウエハWの受け渡しを行うためにウエハWを一時的に載置するウエハ受け渡しユニット16,17と、後述するこの発明に係る気液分離回収装置50を有する液処理装置である基板洗浄処理ユニット12,13,14,15と、基板処理ユニット23a〜23hとを具備している。
【0029】
また、処理部2には、基板処理ユニット23a〜23hに供給する処理ガス例えばオゾンガスを発生させるオゾンガス発生装置(図示せず)と、基板洗浄ユニット12〜15に送液する所定の処理液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット19とが配設されている。処理部2の天井部には、各ユニット及び主ウエハ搬送装置18に、清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)22が配設されている。
【0030】
上記ファンフィルターユニット(FFU)22からのダウンフローの一部は、ウエハ受け渡しユニット16,17と、その上部の空間を通ってウエハ搬送部5に向けて流出する構造となっている。これにより、ウエハ搬送部5から処理部2へのパーティクル等の侵入が防止され、処理部2内が清浄に保たれる。
【0031】
上記ウエハ受け渡しユニット16,17は、いずれもウエハ搬送部5との間でウエハWを一時的に載置するものであり、これらウエハ受け渡しユニット16,17は上下2段に積み重ねられて配置されている。この場合、下段のウエハ受け渡しユニット17は、イン・アウトポート4側から処理部2側へ搬送するようにウエハWを載置するために用い、上段のウエハ受け渡しユニット16は、処理部2側からイン・アウトポート4側へ搬送するウエハWを載置するために用いることができる。
【0032】
上記主ウエハ搬送装置18は、X方向とZ方向に移動可能であり、かつ、X−Y平面内(θ方向)で図示しないモータによって回転可能に形成されている。また、主ウエハ搬送装置18は、ウエハWを保持する搬送アーム18aを具備し、この搬送アーム18aはY方向にスライド自在に形成されている。このように構成される主ウエハ搬送装置18は、ウエハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7と、基板洗浄ユニット12〜15、基板処理ユニット23a〜23hの全てのユニットにアクセス可能に配設されている。
【0033】
基板処理ユニット23a〜23hは、ウエハW表面に塗布されているレジストを水溶化する処理を行う。これら基板処理ユニット23a〜23hは、図2に示すように、上下方向に4段で各段に2台ずつ配設されている。左段には基板処理ユニット23a,23b,23c,23dが上から順に配設され、右段には基板処理ユニット23e,23f,23g,23hが上から順に配設されている。図1に示すように、基板処理ユニット23aと基板処理ユニット23e、基板処理ユニット23bと基板処理ユニット23f、基板処理ユニット23cと基板処理ユニット23g、基板処理ユニット23dと基板処理ユニット23hとは、その境界をなしている区画壁20に対して対称な構造を有しているが、対称である以外は、各基板処理ユニット23a〜23hは概ね同様の構造となっている。
【0034】
一方、 各基板洗浄処理ユニット12,13,14,15においては、基板処理ユニット23a〜23hにおいて、レジスト水溶化処理が施されたウエハWに対して洗浄処理及び乾燥処理が施されるようになっている。更に、その後、薬液を使用した洗浄処理及び乾燥処理が可能になっている。
【0035】
なお、図1に示すように、基板洗浄処理ユニット12,13と、基板洗浄処理ユニット14,15とは、その境界をなしている区画壁21に対して対称な構造を有しているが、対称であることを除けば、各基板洗浄処理ユニット12,13,14,15は概ね同様の構造となっている。そこで、基板洗浄処理ユニット12を代表例として、以下に、その構造について詳細に説明する。
【0036】
図3は、基板洗浄処理ユニット12の平面図である。基板洗浄処理ユニット12に備えられる処理容器であるユニットチャンバ24内には、ウエハWを収納して処理液によって処理する基板処理部としてのアウターチャンバ25と、処理液供給ノズル格納部26とを具備している。ユニットチャンバ24における一側壁には、開口27aが形成され、この開口27aは、図示しない開閉駆動機構によって開閉するユニットチャンバ用シャッタ28aによって開閉可能に構成されており、例えば、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aによって基板洗浄処理ユニット12に対して開口27aからウエハWが搬入出される際には、このユニットチャンバ用シャッタ28aが開くようになっている。また、ユニットチャンバ用シャッタ28aは、ユニットチャンバ24の内部から開口27aを開閉するようになっており、液処理部を構成するユニットチャンバ24内が陽圧になったような場合でも、ユニットチャンバ24内部の雰囲気が外部に漏れ出ないようになっている。
【0037】
アウターチャンバ25における上記ユニットチャンバ24の開口27aと対向する側壁には、開口27bが形成され、この開口27bは、図示しない開閉駆動機構によって開閉するアウターチャンバ用シャッタ28bによって開閉可能に構成されており、例えば、搬送アーム18aによってアウターチャンバ25に対して開口27bからウエハWが搬入出される際には、このアウターチャンバ用シャッタ28bが開くようになっている。また、アウターチャンバ用シャッタ28bは、アウターチャンバ25の内部から開口27bを開閉するように構成されており、アウターチャンバ25内が陽圧になったような場合でも、アウターチャンバ25(液処理部)内部の雰囲気が外部に漏れ出ないようになっている。なお、ユニットチャンバ用シャッタ28aと共通の開閉機構によって開閉するようにしてもよい。
【0038】
また、処理液供給ノズル格納部26には、開口27cが形成され、この開口27cは、図示しない開閉駆動機構によって開閉する処理液供給ノズル格納部用シャッタ28cによって開閉可能に構成されている。この処理液供給ノズル格納部用シャッタ28cを閉じることによって、処理液供給ノズル格納部26とアウターチャンバ25との雰囲気を隔離することができる。
【0039】
処理液供給ノズル格納部26内には、窒素(N2),純水等を吐出可能な処理液供給ノズル29が格納されている。処理液供給ノズル29は、不使用時には処理液供給ノズル格納部26内に格納(待機)され、使用時には開口27cを介してアウターチャンバ25内に進入すると共に、後述するスピンチャック30にて保持されたウエハWの少なくとも中心から周縁部までスキャン可能なアーム29aと、このアーム29aの先端部に装着されたノズルヘッド29bとを具備している。なお、処理液供給ノズル格納部26には、ノズル洗浄部31が設けられており、待機中の処理液供給ノズル29を洗浄し得るように構成されている。
【0040】
液処理部を構成するアウターチャンバ25内には、図4に示すように、ウエハWを収納するインナーカップ32と、このインナーカップ32内で、例えばウエハW表面を上面にしてウエハWを回転自在に支持するスピンチャック30と、スピンチャック30により支持されたウエハW上面(ウエハW表面)に対して相対的に移動するトッププレート33が配設されている。また、アウターチャンバ25には、スピンチャック30により支持されたウエハWが位置する高さに傾斜部25a形成されており、この傾斜部25aによってウエハWが包囲されるようになっている。また、アウターチャンバ用シャッタ28bの上部は傾斜部25aの一部を構成している。このように構成することにより、スピンチャック30に対してウエハWを授受させる際には、アウターチャンバ用シャッタ28bを開いて、ウエハWを水平に移動させるだけでよい。
【0041】
スピンチャック30は、ウエハWを保持するチャック本体30aと、このチャック本体30aの底部に連結された回転筒体30bとで主に構成されている。この場合、チャック本体30a内には、スピンチャック30により保持されたウエハW下面(ウエハW裏面)に対して相対的に移動するアンダープレート34が配設されている。
【0042】
チャック本体30aの上部には、ウエハWの裏面の周縁部を支持するための支持ピン(図示せず)と、ウエハWを周縁部から保持するための保持部材30cがそれぞれ複数箇所に設けられている。図示の例では、チャック本体30aの周囲において、中心角が120°となるように、3箇所に保持部材が配置されており、それらの3つの保持部材30cによってウエハWを周りから保持できるようになっている。また、図示しないが、ウエハWの周縁部を同様に中心角120°となる位置で、下面側から支持できるように、3つの支持ピンがチャック本体30aに設けられている。また、回転筒体30bの外周面には、従動プーリ35が装着されており、この従動プーリ35と、モータ36の駆動軸36aに装着された駆動プーリ37とにタイミングベルト38が掛け渡されている。これにより、モータ36の駆動によってスピンチャック30全体が回転する。各保持部材30cは、スピンチャック30が回転したときの遠心力を利用して、図3に示すように、ウエハWの周縁部を外側から保持するように構成されている。したがって、スピンチャック30が静止しているときは、ウエハWの裏面を支持ピンで支持し、スピンチャック30が回転しているときは、ウエハWの周縁部を保持部材30cによって保持する。
【0043】
アンダープレート34は、図4に示すように、チャック本体30a内及び回転筒体30b内を貫通するアンダープレート軸34a上に連結されている。アンダープレート軸34aは、水平保持板39の上面に固着されており、この水平保持板39は、例えばエアーシリンダにて形成される昇降機構40によって鉛直方向に昇降可能になっている。したがって、アンダープレート34は、図4に示すように、チャック本体30a内の下方に下降して、スピンチャック30にて保持されたウエハW下面から離れて待機している状態(退避位置)と、図4に一点鎖線で示すように、チャック本体30a内の上方に上昇して、スピンチャック30にて保持されたウエハW下面に対して洗浄処理を施している状態(処理位置)とに上下に移動可能である。
【0044】
アンダープレート34には、ウエハWの下面とアンダープレート34との間に、例えば、薬液,純水(DIW)等の処理液や、N2等を選択的に供給可能な下面供給路34bが、アンダープレート軸34a内を貫通して設けられている。また、アンダープレート34の内部には、下面供給路34bからのウエハWの下面に供給された薬液等を所定温度に温度調整させるアンダープレート温調器(図示せず)が設けられている。
【0045】
トッププレート33は、トッププレート回転軸33aの下端に連結されており、上部水平保持板41の下面に設置された回転軸モータ42によって回転可能に構成されている。トッププレート回転軸33aは、上部水平保持板41の下面に回転自在に垂下され、上部水平保持板41は、アウターチャンバ25上部に固設された例えばエアーシリンダ等にて形成される回転軸昇降機構43により鉛直方向に昇降可能になっている。したがって、トッププレート33は、回転軸昇降機構43の駆動によって、図4に示すように、スピンチャック30にて保持されたウエハW上面から離れて待機している状態(退避位置)と、図4に一点鎖線で示すように、スピンチャック30にて保持されたウエハW上面に対して洗浄処理を施している状態(処理位置)とに上下移動可能である。
【0046】
トッププレート33には、ウエハWの上面とトッププレート33との間に、例えば、薬液,純水(DIW)等の処理液や、乾燥ガス等を選択的に供給可能な上面供給路33bが、トッププレート回転軸33a内を貫通して設けられている。また、トッププレート33の内部には、上面供給路33bからウエハWの上面に供給された薬液等を所定温度に温度調整するトッププレート温調器(図示せず)が設けられている。アウターチャンバ25の上部には、トッププレート33上面とアウターチャンバ25内部との間にN2ガスを吐出するN2ガス供給手段44が設けられている。
【0047】
インナーカップ32は、図4に示す位置に下降して、スピンチャック30をインナーカップ32の上端よりも上方に突出させてウエハWを搬送アーム18aに授受させる状態と、図4に一点鎖線で示す位置まで上昇して、スピンチャック30及びウエハWを包囲する状態とに上下に移動可能になっている。また、インナーカップ32が下降すると、アウターチャンバ25によって、ウエハW両面に供給した処理液が周囲に飛散することを防止する状態となる。インナーカップ32が上昇すると、インナーカップ32によってウエハW両面に供給した処理液が周囲に飛散することを防止する状態となる。
【0048】
図4に示すように、インナーカップ32の底部には、インナーカップ32内の処理に供された処理液の液滴(気液混合流体)を排液する排液口45が設けられており、この排液口45に、この発明に係る気液分離回収装置50の処理液回収管路51が接続されている。図5に示すように、処理液回収管路51には、後述する気液分離体60が接続されており、この気液分離体60によって、インナーカップ32から排液された液滴、例えば薬液の液滴(気液混合流体)を気体成分と液体成分に気液分離されるようになっている。また、処理液回収管路51における気液分離体60の下流側には、切換弁V2を介して薬液回収管路53と、後述する主排液管路92に接続する排液管路54が接続され、薬液回収管路53にはフィルタ55を介して薬液回収タンク56が接続されている。薬液回収タンク56は、薬液循環管路57を介して薬液供給管路58に接続されている。薬液供給管路58は、開閉弁V1を介して薬液供給源59に接続されている。なお、薬液供給管路58には、温度調整器80が介設されておりヒータあるいはサーもモジュール等の温調手段81によって供給される薬液が所定の温度例えば80℃あるいは室温に温度調整されるようになっている。
【0049】
一方、アウターチャンバ25の底部には、アウターチャンバ25内の液滴、例えば純水の液滴(気液混合流体)を排液する排液口45Aが設けられており、この排液口45Aに、この発明に係る気液分離回収装置50の処理液回収管路51Aが接続されている。処理液回収管路51Aには、気液分離体60Aが接続されており、この気液分離体60Aによって、アウターチャンバ25から排液された液滴(気液混合流体)を気体成分と液体成分に気液分離されるようになっている。また、処理液回収管路51Aにおける気液分離体60Aの下流側には、切換弁V3を介して後述する主排液管路92に接続する排液管路54Aが接続されている。なお、純水供給管路58Aは、供給切換弁V4を介して純水供給源59A(DIW)に接続されている。
【0050】
また、図5に示すように、上記処理液回収管路51,51Aにおける気液分離体60,60Aの上流側には、それぞれ切換手段である切換弁V5,V6を介して洗浄液供給管路90が接続されると共に、洗浄液供給管路90に洗浄液供給源91が接続されている。この場合、図5に二点鎖線で示すように、洗浄液供給源91を純水供給源59Aと共通にしてもよい。すなわち、洗浄液供給管路90を供給切換弁V4を介して純水供給源59Aに接続してもよい。
【0051】
また、処理液回収管路51における気液分離体60の下流側すなわち薬液回収管路53には、切換手段である切換弁V7を介して主排液管路92が接続されている。なお、上記開閉弁V1、切換弁V2〜V7は、図示しないコントローラ例えば中央演算処理装置(CPU)に電気的に接続されており、予め記憶されたプログラムに基づくCPUからの制御信号によって開閉、切換動作し得るようになっている。
【0052】
上記気液分離体60,60Aは、同様の構造を有するので、以下に気液分離体60を代表して、図6ないし図10を参照して詳細に説明する。
【0053】
上記気液分離体60は、例えば塩化ビニール(PVC)あるいはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の耐薬品性に富む合成樹脂製部材にて形成されている。この気液分離体60は、その上端部に設けられた導入口61を介して処理液回収管路51の上流側に接続され、その下端部に設けられた排液口62を介して処理液回収管路51の下流側すなわち薬液回収管路53に接続され、かつ、その側端部に設けられた排気口63を介して排気手段(図示せず)に接続されている。
【0054】
また、気液分離体60は、導入口61から導入される処理液の液滴(以下に、気液混合流体Rという)を衝突させて気体成分と液体成分に気液分離する傾斜面64を有すると共に、気液混合流体Rを集中させて通過させる第1の絞り通路65と、この第1の絞り通路65と排液口62及び排気口63との間に形成され、第1の絞り通路65を通過する気液混合流体Rの流速を緩和させる気液分離室66と、気液分離された気体成分を集中させて通過させると共に、気体成分中に混入する液体成分が排気口63側に流れるのを阻止する第2の絞り通路67とを具備している。なお、気液分離体60の導入口61は上部取付フランジ60aに設けられ、排気口63は側部取付フランジ60bに設けられている。また、排液口62は下方に開口するエルボ状に形成されている。
【0055】
上記第1の絞り通路65は、導入口61に連通する略鉛直方向に沿う円筒状の導入路68の内側壁68aと、この導入路68の一側壁から他側壁に向かって下り勾配状に延在する下向き仕切板69の先端部69aとの隙間にて形成されている。この第1の絞り通路65は、図9(a)に示すように、導入路68の凹状の円弧状の内壁部68aと下向き仕切板69の円弧状の先端部69aとで略三日月状に形成されている。なお、第1の絞り通路65を、図9(b)に示すように、導入路68の凹状の円弧状の内壁部68aと下向き仕切板69の直状の先端部69bとで略円弧状に形成してもよい。
【0056】
また、第2の絞り通路67は、下向き仕切板69の下面部と、気液分離室66における排液口62の上方側から下向き仕切板69の下面に向かって上り勾配状に延在する上向き仕切板70の先端部との隙間にて形成されている。このように構成することにより、第1の絞り通路65と第2の絞り通路67とを近接させて設けることができるので、第1の絞り通路65を通過した気液混合流体Rから分離された気体成分を瞬時に排気口63側に導くことができる。また、気液分離室66の上部を下向き仕切板69の下端部と上向き仕切板70とで構成することにより、気液分離室66の容積を大きくすることができるので、第1の絞り通路65を通過した気液混合流体Rの流速を緩和して気液分離を確実にすることができる。
【0057】
また、気液分離室66における底面71は、第1の絞り通路65と対向する部位から排液口62側に向かって下り勾配に形成されている。このように、気液分離室66の底面71を、第1の絞り通路65と対向する部位から排液口62側に向かって下り勾配に形成することにより、第1の絞り通路65を通過した気液混合流体Rが気液分離室66の底面71に再び衝突して気液分離(二次気液分離)され、分離された液体成分を気液分離室66の下り勾配の底面71に沿って速やかに排液口62側に排出することができる。
【0058】
また、第2の絞り通路67と排気口63との間には、気液混合流体Rから分離された気体成分を一時貯留する貯留室72が形成されており、この貯留室72の底部72aに、排液口62側に連通する液抜き孔73が形成されている。このように、第2の絞り通路67と排気口63との間に、貯留室72を設け、この貯留室72の底部72aに、排液口62側に連通する液抜き孔73を形成することにより、第2の絞り通路67を通過した気体成分中に残存する液体成分を液抜き孔73を介して排液口62側に排液することができる。
【0059】
また、貯留室72における排気口63との連通部には、排気口63の全周から貯留室72内に向かって縮径テーパ状に突出する液化促進部74が形成されている。なお、この場合、液化促進部74は、必ずしもこのような構造に限定されるものではなく、図10に示すように、少なくとも排気口63の中間より下部側から貯留室72内に向かって上り勾配状に突出する液化促進部74Aにて形成してもよい。
【0060】
このように、貯留室72における排気口63との連通部に、排気口63の全周から貯留室72内に向かって縮径テーパ状に突出する液化促進部74を形成するか、あるいは、少なくとも排気口63の中間より下部側から貯留室72内に向かって上り勾配状に突出する液化促進部74Aを形成することにより、第2の絞り通路67を通過した気体成分の雰囲気を液化促進部74,74Aに衝突させて、気体成分中に残存する液体成分を気体成分から分離し、分離された液体成分を液抜き孔73を介して排液口62側に導くことができる。
【0061】
次に、上記のように構成された処理システム1におけるウエハWの処理工程を説明する。まず、イン・アウトポート4の載置台6に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって一枚ずつウエハWが取り出され、取出収納アーム11によって取り出したウエハWをウエハ受け渡しユニット17に搬送する。すると、主ウエハ搬送装置18がウエハ受け渡しユニット17からウエハWを受け取り、主ウエハ搬送装置18によって各基板処理ユニット23a〜23hに適宜搬入する。そして、各基板処理ユニット23a〜23hにおいて、ウエハWの表面に塗布されているレジストが水溶化される。所定のレジスト水溶化処理が終了したウエハWは、搬送アーム18aによって各基板処理ユニット23a〜23hから適宜搬出される。その後、ウエハWは、搬送アーム18aによって再び各基板洗浄ユニット12,13,14,15に適宜搬入され、ウエハWに付着している水溶化されたレジストの除去及び洗浄処理が薬液及び純水等により施される。これにより、ウエハWに塗布されていたレジストが剥離及びウエハWの洗浄が行われる。その後、乾燥処理を行い、その後、ウエハWは再び搬送アーム18aによって受け渡しユニット17に搬送される。そして、受け渡しユニット17から取出収納アーム11にウエハWが受け取られ、取出収納アーム11によって洗浄されたウエハWがキャリアC内に収納される。
【0062】
以下に、ウエハWの洗浄処理について、基板洗浄処理ユニット12を代表して説明する。図4に示すように、まず、基板洗浄処理ユニット12のユニットチャンバ用シャッタ28aとアウターチャンバ用シャッタ28bが開く。この状態で、ウエハWを保持した搬送アーム18aをユニットチャンバ24及びアウターチャンバ25内に進入させる。一方、インナーカップ32は下降してチャック本体30aを上方へ相対的に突出させる。この際、図4に示すように、アンダープレート34は予め下降してチャック本体30a内の退避位置に位置し、トッププレート33は予め上昇して退避位置に位置している。
【0063】
主ウエハ搬送装置18は、搬送アーム18aを水平移動させてスピンチャック30にウエハWを渡し、スピンチャック30は、図示しない支持ピンによって半導体デバイスが形成されるウエハW表面を上面にしてウエハWを支持する。ウエハWをスピンチャック30に受け渡した後、搬送アーム18aはアウターチャンバ25及びユニットチャンバ24の内部から退出し、退出後、基板洗浄処理ユニット12のユニットチャンバ用シャッタ28aとアウターチャンバ用シャッタ28bが閉じられる。
【0064】
次に、処理液供給ノズル29は、回転しているウエハWの少なくとも中心から周縁までをスキャンしながらウエハWの上面に純水を供給する。ウエハWの回転を、例えば500〜1000rpm程度にして純水を供給することにより、供給した純水をウエハW上面全体に均一に拡散させることができる。また、下面供給路34bから高速回転しているウエハW下面に純水を供給することにより、供給した純水をウエハW下面全体に均一にさせることができる。更に、アンダープレート34自体も洗浄することができる。このようにして、ウエハW両面をリンス処理し、ウエハWから水溶化されたレジストを除去する。処理に供された純水はアウターチャンバ25の排液口45Aから処理液回収管路51Aに流れ、気液分離体60Aによって気液分離された後、排液管路54Aを介して排液される。
【0065】
次に、インナーカップ32が上昇して、チャック本体30aとウエハWを包囲した状態となる。このとき、トッププレート33は、図4に一点鎖線で示すように、チャック本体30a内の処理位置に下降する。処理位置に下降したトッププレート33とスピンチャック30によって保持されたウエハW上面(ウエハW表面)との間には、例えば0.5〜3mm程度の隙間が形成される。アンダープレート34は、チャック本体30a内の処理位置に上昇する。処理位置に移動したアンダープレート34とスピンチャック30によって保持されたウエハW下面(ウエハW裏面)との間は、例えば0.5〜3mm程度の隙間が形成される。
【0066】
次いで、トッププレート温調器がトッププレート33を所定の温度に加熱する一方、アンダープレート温調器がアンダープレート34を所定の温度に加熱する。トップレート33とアンダープレート34が所定の温度に達すると、スピンチャック30が回転し、保持部材30cが遠心力を利用してウエハWの周縁を外側から保持し、ウエハWを回転させる。そして、上面供給路33bと下面供給路34bから薬液がウエハWに供給される。
【0067】
薬液はウエハWの中心部近傍に供給され、ウエハWの回転による遠心力でウエハWの外周方向に流れる。ウエハWの洗浄中は、トッププレート33とウエハW上面(ウエハW表面)の間、及びアンダープレート34とウエハW下面(ウエハW裏面)の間が狭い隙間であるので、これらの間に薬液のみを供給させて介在させることができる。したがって、少量の薬液でより正確かつ迅速にウエハWを昇温させることができる。また、トッププレート33とウエハW上面(ウエハW表面)、及びアンダープレート34とウエハW下面(ウエハW裏面)は非接触であると共に、隙間の大きさが同じであるので、ウエハWに部分的に温度差が生じることはなく、また、薬液の温度もウエハWの表面側と裏面側とで同じになるので、ウエハW全体が均一に昇温される。
【0068】
ウエハWの外周方向に流れた薬液は、インナーカップ32の中へ排液され、インナーカップ32の底部に設けられた排液口45から処理液回収管路51に流れて、気液分離体60の導入口61から気液分離体60内に流れる。気液分離体60内に流れた薬液(気液混合流体R)は、下向き仕切板69の傾斜面64に衝突して気液分離された後、集中して第1の絞り通路65を通過した後、気液分離室66の底面71に再び衝突して気液分離(二次気液分離)されると共に、流速が緩和されれる。これにより、薬液(気液混合流体R)は気体成分と液体成分に気液分離され、気液分離された気体成分が第2の絞り通路67を通過して排気される。この際、第2の絞り通路67によって、気体成分中に混入する液体成分が排気口63側に流れるのを阻止することができる。また、気液分離室66において気液分離された液体成分は、気液分離室66の下り勾配の底面71に沿って速やかに排液口62側に排出される。
【0069】
第2の絞り通路67を通過した気体成分中に残存する液体成分は、液抜き孔73を介して排液口62側に排液される。また、貯留室72における排気口63との連通部に液化促進部74,74Aが形成されているので、第2の絞り通路67を通過した気体成分の雰囲気が液化促進部74,74Aに衝突して、気体成分中に残存する液体成分は気体成分から分離され、液抜き孔73を介して排液口62側に導かれる。したがって、排気手段の排気量を変動、例えば10Pa〜200Paの範囲で変動しても、分離された気体成分へのミスト(液体成分)の巻き込みを可及的に少なくすることができると共に、気液分離体60を小型にすることができる。また、分離された気体成分へのミスト(液体成分)の巻き込みを可及的に少なくすることができるので、薬液の劣化を抑制することができる。このようにして気液分離された液体成分(薬液)は、薬液回収タンク56に回収される。この薬液回収タンク56内に回収された薬液は、薬液循環管路57を介して薬液供給管路58に導かれて再利用に供される。
【0070】
洗浄処理中は、アウターチャンバ25の上部に備えられたN2ガス供給手段44からトッププレート33の上部にN2ガスを供給し、ダウンフローを形成する。これにより、トッププレート33の上面とアウターチャンバ25の間の空間はN2ガスによって満たされるので、薬液の液膜から蒸発してトッププレート33の周囲から上昇する薬液雰囲気が、トッププレート33の上部の空間に回り込む虞がない。したがって、薬液処理後、アウターチャンバ25内の上部に薬液が残留することを防ぐことができる。また、ウエハW表面のウォターマークの発生を抑制する効果がある。
【0071】
ウエハW両面の薬液処理が終了すると、トッププレート33が退避位置に上昇する。その後、処理液供給ノズル用シャッタ28cが開き、処理液供給ノズル29がウエハWの上方にて回動する。処理液供給ノズル29は、回転しているウエハWの少なくとも中心から周縁までをスキャンしながら、例えば10秒間、N2ガスを供給する。このようにすることによって、薬液の液滴をウエハWの外周に排出することができる。また一方で、下面供給路34bからアンダープレート33とウエハW下面との間に、例えば10秒間、N2ガスを供給して、ウエハW下部の薬液の液滴を排出する。このように、N2ガスによって、ウエハWの表裏面から薬液の液滴を除去することができる。薬液の液滴は、インナーカップ32の中へ排液され、インナーカップ32の排液口45から処理液回収管路51に流れて、上述したように気液分離体60によって気液分離される。
【0072】
上記薬液処理を行った後、インナーカップ32が下降して純水でリンス処理を行い、リンス処理後、ウエハWをリンス処理するときよりも高速(例えば、1500rpm)に回転させてウエハWをスピン乾燥させる。この際、処理液供給ノズル29からウエハW上面にN2ガスを供給する。また、下面供給路34bからウエハW下面にN2ガスを供給する。このとき、アンダープレート34の乾燥も同時に行うことができる。
【0073】
乾燥処理後、処理液供給ノズル29は、処理液供給ノズル格納部26内に移動し、アンダープレート34が退避位置に下降する。その後、基板洗浄処理ユニット12内からウエハWを搬出する。ユニットチャンバ用シャッタ28aとアウターチャンバ用シャッタ28bが開き、主ウエハ搬送装置18が搬送アーム18aをユニットチャンバ24及びアウターチャンバ25内に進入させて、スピンチャック30下面を支持する。次いで、搬送アーム18aがスピンチャック30の支持ピンからウエハWを離して受け取り、装置内から退出して、ウエハWの洗浄処理が終了する。
【0074】
その後、搬送アーム18aによって、次に洗浄処理されるウエハWが基板洗浄処理ユニット12に搬入され、上述したように薬液処理、レジスト除去等が施された後、搬送アーム18aによって基板洗浄処理ユニット12から適宜搬出される。以上のウエハ洗浄処理工程が基板洗浄処理ユニット12において数回行われる。ウエハWの洗浄処理枚数に応じて処理液回収装置50の気液分離体60,60Aに薬液が付着する量が増える。そこで、ウエハWの洗浄処理を所定枚数行った後、気液分離体60,60Aの洗浄を行う。
【0075】
気液分離体60,60Aの洗浄を行う場合は、切換弁V5,V6を切り換えて、気液分離体60,60Aの上流側の処理液回収管路51,51Aを洗浄液供給管路90に接続すると共に、洗浄液供給源91又は純水供給源59Aに接続する。また一方、切換弁V7,V3を切り換えて、気液分離体60,60Aの下流側すなわち薬液回収管路53及び排液管路54Aを主排液管路92に接続する。この状態で、洗浄液供給源91から洗浄液(純水)を気液分離体60,60A内に供給することにより、気液分離体60,60A内に付着している薬液を除去することができる。このようにして、気液分離体60,60Aを定期的に洗浄することにより、気液分離体60,60Aを、常時クリーンな状態で使用することができる。したがって、気液分離性能の維持が図れると共に、気液分離回収装置50の信頼性の向上が図れる。
【0076】
なお、上記実施形態では、気液分離体60,60Aの第1の絞り通路65が、導入路68の内側壁68aと、下り勾配状に延在する下向き仕切板69の先端部69aとの隙間にて形成され、また、第2の絞り通路67が、下向き仕切板69の下面部と、上向き仕切板70の先端部との隙間にて形成される場合について説明したが、以下に説明するような構造の気液分離体60Bを使用してもよい。
【0077】
上記気液分離体60Bは、図11〜図13に示すように、導入口61に連通する略鉛直方向に沿う導入路68に延在され、下方に向かって縮径テーパ状をなす漏斗状筒体75にて形成される第1の絞り通路65Bと、漏斗状筒体75の下端部における第1の絞り通路65Bに連通する上部開口部76を有し、この上部開口部76に連なって下方に向かって拡径テーパ状をなす截頭円錐状筒体77にて形成される気液分離室66Bと、截頭円錐状筒体77の下端部と、気液分離室66Bの底部例えば底面71Bとの隙間にて形成される第2の絞り通路67Bとを具備している。この場合、第2の絞り通路67Bは、截頭円錐状筒体77の下端部と、気液分離室66Bの底面71Bとの隙間にて形成されているが、第2の絞り通路67Bを、截頭円錐状筒体77の下端部と、気液分離室66Bの底面71Bから起立する起立壁(図示せず)との隙間にて形成してもよい。
【0078】
また、第2の絞り通路67Bと排気口63との間には、分離された気体成分を貯留する貯留室72Bが形成されている。また、気液分離室66Bの底面71Bは、第2の絞り通路67B側から排液口62側に向かって下り勾配に形成されている。
【0079】
なお、気液分離体60Bのその他の構造は上記実施形態の気液分離体60,60Aと同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0080】
上記のように構成される気液分離体60Bによれば、導入口61から流入される気液混合流体Rは、漏斗状筒体75の傾斜面64Bに衝突して気液分離された後、集中して第1の絞り通路65Bを通過した後、気液分離室66Bの底面71Bに再び衝突して気液分離(二次気液分離)されると共に、流速が緩和されれる。これにより、気液混合流体Rは気体成分と液体成分に気液分離され、気液分離された気体成分が第2の絞り通路67Bを通過して排気される。この際、第2の絞り通路67Bによって、気体成分中に混入する液体成分が排気口63側に流れるのを阻止することができる。また、気液分離室66Bにおいて気液分離された液体成分は、気液分離室66Bの下り勾配の底面71Bに沿って速やかに排液口62側に排出される。
【0081】
このようにして気液分離された液体成分(薬液等)は、薬液回収タンク56に回収されて再利用に供される。
【0082】
なお、上記実施形態では、この発明に係る基板処理装置を半導体ウエハの表面に対してレジスト除去処理及び洗浄処理等するように構成された基板処理ユニットに適用した場合について説明したが、勿論、この発明は、エッチング処理や、また、半導体ウエハ以外の例えばLCD基板等の処理等にも適用できる。
【0083】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0084】
(1)請求項1記載の発明によれば、導入口から導入される気液混合流体は、第1の絞り通路の傾斜面に衝突すると共に、集中して第1の絞り通路を通過した後、気液分離室により流速が緩和されれることにより、気体成分と液体成分に気液分離され、気液分離された気体成分が第2の絞り通路を通過して排気される際、気体成分中に混入する液体成分を、第2の絞り通路によって排気口側に流れるのを阻止することができる。したがって、気液混合流体の気液分離を確実にすることができ、分離された処理液の回収効率の向上を図ることができる。
【0086】
(2)また、請求項1記載の発明によれば、第2の絞り通路を通過した気体成分中に残存する液体成分を液抜き孔を介して排液口側に排液することができるので、上記(1)に加えて更に気液分離を確実にすることができると共に、分離された処理液の回収効率の向上を図ることができる。この場合、第2の絞り通路を通過した気体成分の雰囲気を液化促進部に衝突させて、気体成分中に残存する液体成分を気体成分から分離し、分離された液体成分を液抜き孔を介して排液口側に導くことにより、更に気液分離を確実にすることができると共に、分離された処理液の回収効率の向上を図ることができる(請求項2,3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る気液分離回収装置を有する液処理装置を適用した半導体ウエハの処理システムを示す概略平面図である。
【図2】上記処理システムの一部を断面で示す概略側面図である。
【図3】この発明の実施形態に係る基板洗浄処理ユニットの平面図である。
【図4】上記基板洗浄処理ユニットの断面図である。
【図5】この発明に係る気液分離回収装置の配管系統を示す配管図である。
【図6】この発明における気液分離体の一例を示す断面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】上記気液分離体の断面斜視図である。
【図9】上記気液分離体の異なる形態を示す平面図である。
【図10】上記気液分離体の別の形態を示す断面図である。
【図11】この発明における気液分離体の別の実施形態を示す断面図である。
【図12】上記気液分離体の平面図である。
【図13】上記気液分離体の側面図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(被処理体)
12〜15 基板洗浄処理ユニット(液処理装置)
25 アウターチャンバ(液処理部)
50 気液分離回収装置
51,51A 処理液回収管路
53 薬液回収管路(処理液回収管路)
60,60A,60B 気液分離体
61 導入口
62 排液口
63 排気口
64,64B 傾斜面
65,65B 第1の絞り通路
66,66B 気液分離室
67,67B 第2の絞り通路
68 導入路
69 下向き仕切板
69a,69b 下向き仕切板の先端部
70 上向き仕切板
71,71B 気液分離室の底面
72,72B 貯留室
72a 貯留室の底部
73 液抜き孔
74,74A 液化促進部
75 漏斗状筒体
76 上部開口部
77 截頭円錐状筒体
90 洗浄液供給管路
91 洗浄液供給源
92 主排液管路
R 気液混合流体
V5,V6 切換弁(切換手段)

Claims (3)

  1. 処理容器内に収容される被処理体に処理液を供給して、被処理体に対して所定の処理を施す液処理部と、上記処理容器からの処理液と排気との気液混合流体を通過させる処理液回収管路とを具備する液処理装置において、
    上記処理容器の外部に配設されると共に、その上端部に設けられた導入口を介して上記処理液回収管路に接続され、その下端部に設けられた排液口を介して排液回収管路に接続され、かつ、その側端部に設けられた排気口を介して排気手段に接続される気液分離体を具備し、
    上記気液分離体は、上記導入口から導入される上記気液混合流体を衝突させて気体成分と液体成分に気液分離する傾斜面を有すると共に、気液混合流体を集中させて通過させる第1の絞り通路と、この第1の絞り通路と上記排液口及び排気口との間に形成され、上記第1の絞り通路を通過する上記気液混合流体の流速を緩和させる気液分離室と、気液分離された気体成分を集中させて通過させると共に、気体成分中に混入する液体成分が排気口側に流れるのを阻止する第2の絞り通路と、を具備してなり、
    上記第2の絞り通路と上記排気口との間に形成され、気体成分を一時貯留する貯留室を更に具備すると共に、貯留室の底部に、上記排液口側に連通する液抜き孔を形成してなる、
    ことを特徴とする液処理装置における気液分離回収装置。
  2. 請求項記載の液処理装置における気液分離回収装置において、
    上記貯留室における排気口との連通部に、少なくとも排気口の中間より下部側から貯留部内に向かって上り勾配状に突出する液化促進部を形成してなる、ことを特徴とする液処理装置における気液分離回収装置。
  3. 請求項記載の液処理装置における気液分離回収装置において、
    上記貯留室における排気口との連通部に、排気口の全周から貯留室内に向かって縮径テーパ状に突出する液化促進部を形成してなる、ことを特徴とする液処理装置における気液分離回収装置。
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