JP4018186B2 - Isotope analyzer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同位体分析装置、特に、特定の質量数の粒子(原子または分子)を選択的に通過させるという多重極フィルタ(マスフィルタともいう)の機能を利用した分析装置に関する。また、本発明は、同様の原理を用いた質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療などの分野において、安定同位体の標識機能を利用した検査が行われている。この種の検査には、放射性同位体を用いる検査と異なり、被曝に関して配慮しなくてもよいという利点がある。
【0003】
近年、安定同位体を用いた検査の一つとして、胃の中のヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori、以下ピロリ菌という)の存在を検知する13C尿素呼気分析が注目されている。ピロリ菌は、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因菌であると考えられている。このピロリ菌は、尿素分解酵素を有し、強い酸性の中で生きるために、胃中の尿素からアンモニアを作り出して胃酸を中和している。ピロリ菌による尿素の分解時に二酸化炭素が発生し、胃の血管内に吸収されて肺に運ばれる。この二酸化炭素は、肺胞細胞におけるガス交換を通じて呼気中に含まれて、呼気とともに吐き出される。そこで、13C尿素呼気分析では、13Cにて標識された尿素を人体に経口投与する。そして、呼気を採集し、呼気中の13CO2、12CO2の存在比を分析する。ピロリ菌が存在しない場合よりも13CO2の比率が高いことをもって、ピロリ菌が存在すると判断される。
【0004】
同位体存在比の測定には、従来、磁場型質量分析計が用いられてきた。しかし、磁場型質量分析計は、操作に熟練を要し、また、装置コストが比較的高いという欠点を有する。これに対し、四重極フィルタを備えた質量分析装置には、操作が簡単で装置コストが低いという利点がある。
【0005】
以下、従来の四重極フィルタを備えた質量分析装置を説明する。この種の従来装置は、例えば、「真空の物理と応用(物理学選書11)」熊谷寛夫、富永五郎、他、裳華房の368頁〜372頁や、「超高真空実験マニュアル」日本真空協会編、日刊工業新聞社の129頁〜132頁に示されている。
【0006】
まず、四重極フィルタの原理を説明する。図1は、四重極フィルタの構成を示している。図示のように、x軸、y軸、z軸を設定して説明する。z軸は四重極フィルタの中心軸であり、x軸およびy軸はz軸に直交している。四重極フィルタは、中心軸を囲んで等間隔に配置された柱状の電極100a〜100dを有する。すなわち、電極100a〜100dはz軸に平行に、かつ、z軸から等距離に配置されている。そして、電極100a、100cはy軸を挟んで対称に配置され、電極100b、100dはx軸を挟んで対称に配置されている。、
また、四重極フィルタには電源ユニット102が設けられ、電源ユニット102は、定常電圧Uと高周波の交流電圧Vcos(ωt)を合成した印加電圧±{U+Vcos(ωt)}を発生する。ここで、V、ωはそれぞれ振幅および角速度である。周波数電源ユニット102の一方の端子には電極100a、100cが接続され、他方の端子には電極100b、100dが接続される。これにより、電極100a、100cと、電極100b、100dには、位相が1/2波長ずれた電圧が印加される。上記のUおよびVの大きさは、図示しない制御部によって制御されている。
【0007】
四重極フィルタ内におけるイオンの運動方程式は、下記のように表される。
【数1】
d2x/dζ2+{a−2qcos(2ζ+π)}x=0
d2y/dζ2−{a−2qcos(2ζ+π)}y=0
d2z/dζ2=0
【数2】
a=±8eU/(Mω2・r0 2)
q=4eV/(Mω2・r0 2)
ζ=ωt/2
r0は電極100a〜100dの内接円の半径、Mはイオンの質量数、そして、e=1.602×10-19(C)である。上記をマシュー(Mathieu)の微分方程式として解くことにより、図2に斜線で示す安定領域が得られる。図2において、横軸および縦軸は、それぞれ上記のqおよびaである。(q,a)が安定領域内にあるという条件が満たされる場合には、z軸方向に入射されたイオンは、フィルタ内に閉じ込められたまま移動してフィルタ内を通過する。この時、イオンの軌道は、z軸まわりに複雑に振れ回るものの、フィルタから飛び出すことはない。この場合に、「イオンの軌道が安定する」、または、「イオンが安定軌道を描く」という。一方、(q,a)が安定領域外にあるような条件下では、イオンの軌道が安定せずに発散し、イオンはフィルタ内から飛び出してしまう。
【0008】
図3には、図2の安定領域の頂点部分が拡大して示されている。図中には、U/Vが一定値λ0であるときの直線m0が示されている。a/q=2U/Vであるので、U/Vを一定にすると直線が描かれる。そして、点p(四角形マーク)は、各質量数Mに対応する直線m0上の点である。図3では、U、Vがある値のときのq、aの値が質量数Mごとに求められ、これらの値に対応する位置に点pがプロットされている。各点pには該当する質量数が付されている。U/Vを一定値λ0に保ったまま、UおよびVを変化させると、直線m0に沿って点pが移動する。なお、詳細には、M/Z(M/e)の大きさが影響するが、ここでは、イオンがすべて1価であるものとし、上記のように質量数をパラメータにして考える。
【0009】
ここで、直線m0は、点pが一つしか安定領域内に入らないように設定されている。図3の状態では、質量数44のイオン(12CO2が該当)のみが安定軌道を描く。U/Vを一定値λ0に保ってU、Vをスイープすることにより、安定領域に入るイオンの質量数が順次変化する。以上のようにして、四重極フィルタは、特定の質量数のイオンのみを選択的に通過させる機能を有し、かつ、通過させるイオンを順次変えていく機能を有する。なお、U/Vを一定に保ちながらU、Vを変化させるための構成として、高周波電圧の一部を整流して直流電圧に供給することが公知である。
【0010】
図4は、上記の四重極フィルタを備えた分析装置の一例を示しており、この従来装置は、二酸化炭素の同位体分析に適して構成されている。同装置では、図示のように、真空容器2の中に、イオン化装置4、イオンレンズ6、四重極フィルタ8およびファラデーカップ10が設けられている。真空容器2には、真空ポンプ12が取り付けられている。
【0011】
イオン化装置4は箱形タイプであり、容器14の内部にフィラメント16を備え、フィラメント16には、電源18から電流が供給される。イオン化装置4は、試料供給管20と連通されている。フィラメント16に通電した状態で試料供給管20から気体試料が供給されると、気体試料中の粒子の電子がフィラメントからの電子衝撃によりはじき飛ばされて陽イオンが生成される。
【0012】
イオンレンズ6では、中心軸22に沿って複数枚のリング状の円盤24が同軸に配置され、円盤24の列の両端には、電源26によって電圧が印加され、これにより電界が発生する。そして、陽イオンに対して中心軸22に沿った方向の力が作用し、陽イオンを四重極フィルタ8へ向けて加速する。
【0013】
四重極フィルタ8は、フィルタ中心軸がイオンレンズの中心軸22と一致するように配置されている。四重極フィルタの構成は上記の通りであり、定常電圧Uと交流電圧Vの比は上記の一定値λ0に設定されている。そして、U、Vをスイープする範囲は、質量数44(12CO2に該当)および質量数45(13CO2に該当)を含む幾つかのイオンが順次安定領域に入るように設定されている。
【0014】
ファラデーカップ10は、四重極フィルタ8を通過した陽イオンが衝突するように設けられたイオンコレクタであり、ファラデーカップ10では、イオンの衝突時に電流が発生する。ファラデーカップ10には電流計28が接続されており、電流計28の測定値によって、衝突したイオンの数の大小が分かる。処理装置30は、電流計28の測定値に基づいて二酸化炭素の同位体存在比を求める。
【0015】
次に、上記構成の分析装置を用いて二酸化炭素の同位体存在比を測定する場合における、分析装置の動作を説明する。試料供給管20から供給される気体試料は、図示しない濃縮手段にて呼気サンプル中の二酸化炭素を濃縮することにより生成されたものである。気体試料は試料供給管20からイオン化装置4へ供給される。イオン化装置4では、二酸化炭素の電子がはじき飛ばされて、1価の陽イオンが生成される。この陽イオンはイオンレンズ6を通過する際に加速され、四重極フィルタ8へ入射される。定常電圧U、交流電圧Vによって特定される質量数の陽イオンのみが安定軌道を描いてフィルタ内を通過し、ファラデーカップ10に衝突する。衝突したイオンの数は、電流計28を用いて測定される。
【0016】
ここで、定常電圧U、交流電圧Vのスイープに伴って、四重極フィルタ8を通過する陽イオンが、12CO2 +、13CO2 +、12C18O16O+と変化する。従って、上記スイープに伴う電流計28の測定値の変化に基づいて、処理装置30では、図5の質量スペクトルが得られる。図5において横軸は陽イオンの質量数であり、縦軸は陽イオンの衝突数の大小を示す。そして、気体試料中の二酸化炭素の同位体存在比が求められ、この同位体存在比からピロリ菌の存在が検出される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
(1)前述のように、四重極フィルタを備えた従来の分析装置は、操作が簡単で装置コストが安いという利点を有する。一方で、従来装置は複数の同位体についての測定を同時に行うことができず、このことが測定精度を悪化させる要因となりうる。この問題を下記に説明する。
【0018】
従来装置では、図2から明らかなように、一度に一つの質量数のイオンが測定対象とされる。質量数が異なるイオンの分析タイミングは、定常電圧Uおよび交流電圧Vのスイープに要する時間に応じてずれる。一方、真空槽内のガス圧力や電子回路中のノイズ等は常に変動している。また、イオン化装置におけるイオンの発生量も変動する。従って、質量数の異なるイオンの分析が、それぞれ異なった条件下で行われ、分析条件の相違が分析精度に影響する可能性がある。
【0019】
特に、同位体分析では精密な測定が要求される。上記の例では、通常の呼気中の12CO2(質量数44)と13CO2(質量数45)の存在比が99:1程度であり、胃中にピロリ菌がいる場合でも13CO2の割合の増加幅はほんのわずかである。このように、同位体の存在比は大きく偏っており、比率の小さい同位体が標識として用いられ、そのために高精度な測定が要求される。ところが、従来装置では、2つの同位体の測定は数分の1秒程度ずれた時期に行われる。分析時期のずれが、同位体分析に要求されるような測定精度に影響を及ぼす可能性がある。(2)従来の分析装置は、図4に示すように、一つの検出手段で2つの同位体の粒子数を検出する。ところが、同位体の存在比は大きく偏っている。そのため、比率の高い粒子に関する測定と、比率の低い粒子に関する測定のどちらにおいても高い測定精度が得られるように検出手段を構成することは困難である。
【0020】
すなわち、検出手段(例えば電流計)の検出レンジは、比率の高い粒子に合わせて設定する必要がある。これは、比率の低い粒子の測定に適した検出レンジといえない。そのため、比率の低い粒子、すなわち標識された粒子の測定精度の向上が困難である。
【0021】
例えば、二酸化炭素の同位体存在比の分析では、12CO2の比率が13CO2よりも圧倒的に多い。従って、検出手段の検出レンジは、12CO2の測定時に検出すべき粒子数を網羅するように、広範囲に設定される。しかし、この設定の検出手段を用いては、13C尿素呼気分析に求められるような、元々微小量の13CO2の僅かな比率増の判別は容易でない。
【0022】
(3)以上、同位体を対象とする分析を中心に本発明の課題を説明した。しかし、本発明の対象は、同位体分析の場合に限られるものではない。質量数の近い複数種類の粒子を分析するにあたっては、上記と同様の問題が生じうる。
【0023】
また、ここでは、四重極フィルタを備えた分析装置を例に説明した。しかし、その他の多重極フィルタ(六重極、八重極など)を備えた分析装置を構成する場合においても同様の課題が存在する。多重極フィルタでは、特定の質量数の粒子のみが安定軌道を描くようにフィルタ特性を設定することにより、その機能が発揮される。この点では、四重極フィルタも、他の極数のフィルタも共通する。
【0024】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、多重極フィルタの利点を生かし、かつ、質量数が互いに異なる粒子を分析する際の分析精度の向上を図ることができる同位体分析装置および質量分析装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の同位体分析装置は、気体試料中の第1同位体粒子と第2同位体粒子について分析する同位体分析装置であって、それぞれ特定の質量数をもつ第1同位体粒子と第2同位体粒子がともに安定軌道を描いてフィルタ内を通過し、第1同位体粒子と第2同位体粒子よりも大きな質量数を持つ粒子及び小さい質量数をもつ粒子の軌道が発散するようにフィルタ特性が設定された前段多重極フィルタと、前段多重極フィルタを通過した粒子数を検出する前段検出手段と、前段多重極フィルタの後段に直列に設けられ、第1同位体粒子または第2同位体粒子の一方が安定軌道を描いてフィルタ内を通過するようにフィルタ特性が設定された後段多重極フィルタと、後段多重極フィルタを通過した粒子数を検出する後段検出手段と、前段検出手段と後段検出手段の検出結果に基づき、第1同位体粒子および第2同位体粒子についての分析処理を行う処理手段とを含む。
【0026】
上記において、粒子数は、各フィルタを通過した粒子の数そのものでもよいが、この粒子数を示すなんらかの情報、パラメータでもよい。例えば、質量分析の際に用いられるイオン電流値でもよい。また、粒子数が分かる二次電子増倍管等によるイオンのカウント数でもよい。そして、後述するように、フィルタを通過した粒子のうちの一定割合の粒子数でもよい。
【0027】
ここで、第1同位体粒子と第2同位体粒子は、質量数が1だけ異なるもの(例えば12CO2と13CO2)でも、質量数が2以上異なるもの(例えば14N2と15N2)でもよい。
【0028】
前段多重極フィルタおよび後段多重極フィルタは、例えば、それぞれ四重極フィルタである。この場合、両フィルタにおけるそれぞれの上記フィルタ特性を得るためには、前述の印加電力の定常成分と交流成分の比率を両フィルタで異なって設定する。多重極フィルタは、四重極以外のもの、例えば六重極や八重極でもよい。そして、前段と後段では、極数が異なっていてもよい。
【0029】
本発明によれば、気体試料中の第1同位体粒子と第2同位体粒子が前段多重極フィルタを通過して、これらの粒子の粒子数が検出される。前段多重極フィルタを通過した第1同位体粒子および第2同位体粒子は、後段多重極フィルタに送られる。ここでは、一方の同位体粒子が後段フィルタを通過し、その粒子数が検出される。従って、両検出結果を用いれば、第1、第2同位体粒子についての分析処理が可能である。この分析処理とは、例えば、第1同位体粒子と第2同位体粒子の存在比の算出である。
【0030】
ここで、従来の多重極フィルタは、図3に示したように、一度に一つの質量数の粒子のみを通過させるように構成するのが一般的であった。そして、従来装置では、一方の同位体粒子の分析後、ある程度の時間をおいて与えられた気体試料を対象として他方の同位体粒子の分析が行われる。
【0031】
このような従来装置と異なり、本発明では、前段多重フィルタのフィルタ特性が、二つの質量数の粒子を通過させるように設定されている。そして、これに直列に設けられた後段多重フィルタでは、上記二つの質量数の粒子の一方を通過させるように設定されている。二つのフィルタの直列配置により、二つの同位体粒子についての分析を同時に行うことができる。すなわち、本発明の分析装置では、一度に与えられた気体試料を対象として両方の同位体粒子の分析が行われる。そして、前段検出手段と後段検出手段での検出はほぼ同時に行われる。従って、本発明によれば、二つの同位体粒子についての分析タイミングのずれに伴う分析精度への影響が排除され、分析精度の向上を図ることができる。
【0032】
以上、本発明によれば、取扱いやすく低コストであるという多重極フィルタ式分析装置の利点を生かし、かつ、分析精度の向上を図ることができる。
【0033】
(2)本発明の一態様において、前段検出手段と後段検出手段では、各検出手段で検出すべき粒子数の程度に応じ、検出レンジが異なって設定される。前段検出手段の検出レンジは、第1同位体と第2同位体の粒子数に対応して設定される。そして、後段検出手段の検出レンジは、一方の同位体の粒子数に対応して設定される。従って、第1同位体と第2同位体の粒子数が大きく異なる場合でも、それぞれの粒子数が正確に測定される。
【0034】
例えば、二酸化炭素の存在比の分析では、12CO2の比率が13CO2のよりも圧倒的に多い。このときに、前段検出手段の検出レンジは、両同位体の粒子数に対応して設定する。後段検出手段の検出レンジは、13CO2の粒子数に対応して設定する。これにより、微小量しか存在しない13CO2についても正確な測定が可能である。
【0035】
(3)また、本発明の一態様では、前段検出手段は、前段多重極フィルタを通過した粒子を部分的に捉える部分的捕捉手段と、捉えられた粒子の数を電流値に変換する電流計とを有し、後段検出手段は、後段多重極フィルタを通過した粒子を捉える捕捉手段と、捉えられた粒子の数を電流値に変換する電流計を有し、前記処理手段での存在比の算出は、両電流計の測定値と、部分的捕捉手段の捕捉率を示すパラメータとに基づいて行われる。
【0036】
部分的捕捉手段は、前段多重極フィルタを通過した粒子の一部がこの手段に衝突するように構成され、衝突粒子数に応じた電流を発生する。一方、上記の捕捉手段は、後段多重極フィルタを通過した粒子がこの手段に衝突するように構成され、衝突粒子数に応じた電流を発生する。各電流計の測定値からそれぞれのフィルタを通過した粒子数がわかる。
【0037】
捕捉手段は、例えば前述のファラデーカップ、イオンコレクタである。また、部分的捕捉手段は、ファラデーカップやイオンコレクタであって、一部の粒子を透過させるように構成されたものである。
【0038】
捕捉率は、部分的捕捉手段にて捕捉される粒子の割合である。捕捉率を示すパラメータは、例えば捕捉率そのものであり、また例えば、部分的捕捉手段における粒子の透過率でもよい。
【0039】
多重極フィルタを通るイオンのエネルギー量は少ないので、粒子数を正確に検出するためには、上記のような粒子衝突時に電流を発生する捕捉手段を用いることが好ましい。ここで、前段検出手段ですべてのイオンを捕捉すると、後段での測定ができない。しかし、本発明では、前段に部分的捕捉手段を設けることにより、前段および後段での測定が可能である。
【0040】
(4)本発明において、好ましくは、気体試料を各フィルタへ方向づけするとともに加速させるイオンレンズが、前段多重極フィルタの前段と、後段多重極フィルタの前段とにそれぞれ設けられる。これにより、前段多重極フィルタを通過した粒子の方向づけと速度が、後段のイオンレンズで再度調整される。
【0041】
また、好ましくは、イオン化手段が、前段多重極フィルタの前段に設けられる。このイオン化手段でイオン化した気体試料がフィルタに導入されて同時測定され、正確な分析が行われる。また、好ましくは、前段多重極フィルタおよび後段多重極フィルタは、一つの真空容器内に設けられる。
【0042】
また、好ましくは、気体試料中の前記同位体粒子の濃度を増すための濃縮手段が、前段多重極フィルタの前段に設けられる。例えば、前述の13C尿素呼気分析において、呼気中の二酸化炭素を濃縮しておくことにより、測定精度に対する他の物質(酸素、窒素など)の影響が低減する。濃縮手段としては、例えば、ガスクロマトグラフィが挙げられる。
【0043】
(5)一方、本発明の別の態様は気体試料中の質量数の近い複数種類の粒子について分析する質量分析装置であり、この質量分析装置は、直列に設けられた複数の多重極フィルタを有し、後段のフィルタに行くに従って、安定軌道を描いてフィルタ内を通過する粒子の質量数範囲が狭く設定された多重極フィルタ列と、前記複数の多重極フィルタのそれぞれを通過した気体試料の粒子数を検出する検出手段とを含む。
【0044】
上記構成によれば、後段のフィルタに行くに従って、少ない種類の粒子の粒子数が検出される。従って、各段での検出結果に基づいて、複数種類の粒子についての分析が可能である。ここでの分析では、例えば、複数種類の粒子についての質量スペクトルを求めてもよい。また、前述のように粒子の存在比を求めてもよい。
【0045】
本発明は、前述の(1)に示したように、同位体分析用に好適に適用される。後段のフィルタほどフィルタ内を通過する粒子の質量数範囲を狭くするので、質量数が近い粒子の分析に適しているからである。しかし、同位体分析に限られず、他の粒子の質量分析にも適用可能である。特に質量数が近いが異なる種類の粒子の分析には、同位体分析と同様に、好適に適用される。
【0046】
また、上記構成では、多重極フィルタ列に含まれるフィルタ数を3以上としてもよい。これにより、3種類以上の粒子(同位体粒子を含む)の測定が可能である。なお、フィルタ数を2とした場合には、前述の(1)の同位体分析装置と同様のフィルタ列の構成になる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面を参照し説明する。
【0048】
「実施形態1」
実施形態1の分析装置は、二酸化炭素の同位体存在比の分析用に構成されている。ここでは、この分析装置が13C尿素呼気分析に用いられる。以下では、まず、図6を参照して、この分析装置の原理を説明する。
【0049】
本実施形態では、前述の図1に示した四重極フィルタが、直列に2つ設けられる。前段側を前段フィルタ、後段側を後段フィルタという。各フィルタの全長は、10cm程度、4つの電極の内接円の半径は約0.3cm、交流電圧の周波数は3.5MHz程度に設定されている。前段フィルタと後段フィルタでは、下記のように、フィルタ特性が異なって設定される。
【0050】
前段フィルタでは、12CO2(質量数44)と13CO2(質量数45)が安定軌道を描くように、U、VがそれぞれU1、V1に固定されている。図6には、この時のU1/V1=λ1に対応する直線m1が示されている。図示のように、直線m1上では、質量数44、45に対応する点p44、p45(四角形マーク)が安定領域内にある。図6から明らかなように、ここでのλ1は、図3の従来装置のλ0よりも小さく設定される。
【0051】
一方、後段フィルタでは、13CO2(質量数45)が安定軌道を描くように、U、VがそれぞれU2、V2に固定されている。図6には、この時のU2/V2=λ2に対応する直線m2が示されている。図示のように、直線m2上では、質量数45に対応する点p45が安定領域内にある。なお、ここでのλ2は、前述の図3のλ0と等しく設定してもよい。
【0052】
気体試料はまず前段フィルタに入射され、12CO2と13CO2のみが前段フィルタを通過する。そして、前段フィルタを通過した12CO2と13CO2が後段フィルタに入射されるが、ここでは、13CO2のみが後段フィルタを通過する。従って、前段を通過して後段を通過しなかった粒子数と、前段および後段を通過した粒子数との比が、同位体存在比である。
【0053】
実際には、前段フィルタの通過した粒子の一部R%(捕捉率という)を半透過型のファラデーカップで捉え、この一部分についての粒子数N1を測定する。そして、残りの(100−R)%の粒子が後段フィルタに送られる。後段フィルタを通過した粒子は、別のファラデーカップに捉えられ、その粒子数N2が測定される。そこで、本実施形態では、下式(1)のように同位体存在比が導き出される。
【0054】
【数3】
{ N1×100/R−N2×100/(100−R)}:{ N2×100/(100−R)} ・・・(1)
ここで、N1×100/R−N2×100/(100−R)は、気体試料中の陽イオン12CO2 +の数に相当し、N2×100/(100−R)は、陽イオン13CO2 +の数に相当する。そして、胃中にピロリ菌がいない場合よりも13CO2 +の比率が高いことをもって、ピロリ菌の存在が検出される。ただし、存在比の算出方法は、適宜変更してもよい。例えば、電流値から直接算出する計算式をたててもよい。
【0055】
なお、本実施形態では、各フィルタにおいて、従来のような定常電圧Uおよび交流電圧のスイープは原則として行われない。この分析装置は、電圧値をスイープして、未知の物体の質量を測定するといった使い方は想定していない。分析対象の同位体が決められており(ここでは、二酸化炭素)、その同位体の存在比を測定する場合に用いられる。
【0056】
図7は、本実施形態の同位体分析装置の構成を示す。図7において、図4同等の部材には同一の符号を与え、これらの部材についての説明は適宜省略する。
【0057】
この分析装置では、真空容器2の中に、イオン化装置4、第1イオンレンズ32、前段フィルタ34、半透過型ファラデーカップ36、第2イオンレンズ38、後段フィルタ40、ファラデーカップ42が順次設けられている。第1イオンレンズ32からファラデーカップ42まで、同軸上に配置されている。第1イオンレンズ32、第2イオンレンズ38の構成は、図4のイオンレンズ6と同様である。また、前段フィルタ33、後段フィルタ40は、それぞれ、図6に示したフィルタ特性を有する四重極フィルタである。
【0058】
半透過型ファラデーカップ36は、前段フィルタ34を通過した陽イオンが衝突するように設けられたイオンコレクタである。ただし半透過型ファラデーカップ36には、一部のイオンが衝突し、残りのイオンは透過する。半透過型ファラデーカップ36は、例えば複数の透過孔を設けた円盤を有し、透過孔を通って粒子が透過する。ここで、前述のように、半透過型ファラデーカップ36に入射される粒子数に対する、透過せずに衝突する粒子数の割合を「捕捉率R%」とする。捕捉率R%は、後述する方法によって実測可能である。半透過型ファラデーカップ36には、電流計50が接続されている。電流計50によって、イオンの衝突時に発生する電流が測定され、測定値から、衝突したイオンの数が分かる。一方、ファラデーカップ42の構成は、図4のファラデーカップ10と同様であり、ファラデーカップ42には電流計52が接続されている。
【0059】
電流計50、電流計52の測定レンジは、それぞれが検出すべき電流値に応じて異なって設定されている。12CO2と13CO2の存在比は99:1程度であるので、電流計50で検出すべき電流値の方が圧倒的に大きく、電流計52で検出すべき電流値は微小である。そこで、電流計50と比べ、電流計52の測定レンジは、小さい電流値に適して設定されている。各電流計50、52は、それぞれの測定レンジでの高い測定精度を得るように構成され、調整されている。
【0060】
処理装置54は、電流計50および電流計52と接続されている。処理装置54は、電流計50および電流計52の測定値を基に、半透過型ファラデーカップ36、ファラデーカップ42に衝突したイオン数N1、N2を求め、前述の式(1)に従って同位体存在比を求める。
【0061】
次に、本実施形態の分析装置の動作を説明する。試料供給管20から供給される気体試料は、図示しない濃縮手段にて呼気サンプル中の二酸化炭素を濃縮することにより生成されたものである。濃縮手段は、例えばガスクロマトフラフィである。また、本出願人による特願平8−331294号または特願平8−333487号に記載された呼気採集装置を使用すれば、採集装置が濃縮手段として機能し、呼気封入容器には二酸化炭素が濃縮されて封入される。
【0062】
濃縮状態の気体試料は試料供給管20からイオン化装置4へ供給される。イオン化装置4では、フィラメントからの電子衝撃により二酸化炭素の電子がはじき飛ばされて、1価の陽イオンが生成される。なお、すべての気体試料をイオン化する必要はない。陽イオンは第1イオンレンズ32を通過する際に加速され、前段フィルタ34へ入射される。
【0063】
前段フィルタ34は、前述の図6の直線m1のフィルタ特性に従って動作することにより、陽イオン12CO2 +、13CO2 +のみを通過させる。この際、両イオンは、中心軸まわりに振れ回る複雑な軌道を描きながらも、フィルタ内に閉じ込められたまま進む。すなわち、両イオンは安定軌道を描いてフィルタ内を進む。そして、通過した陽イオンのR%が、半透過型ファラデーカップ36に衝突する。処理装置54は、電流計50の電流値から、衝突したイオンの数N1を求める。
半透過型ファラデーカップ36を通過した陽イオンは、前段フィルタ34を通過したイオンの(100−R)%である。半透過型ファラデーカップ36の通過前後で、12CO2 +、13CO2 +の比率は変わらない。半透過型ファラデーカップ36を通過した陽イオンは、第2イオンレンズ38に進む。
【0064】
陽イオンは、前段フィルタ34を通過する間、中心軸まわりに振れ回りながら進む。第2イオンレンズ38では、陽イオンの運動方向が、後段フィルタ40の中心軸方向と一致するように調整され、かつ陽イオンが加速される。そして、陽イオンは、後段フィルタ40に入射される。
【0065】
後段フィルタ40は、前述の図6の直線m2のフィルタ特性に従って動作することにより、陽イオン13CO2 +のみを通過させる。すなわち、13CO2 +のみが安定軌道を描いてフィルタ内を進む。通過した13CO2 +は、ファラデーカップ42に衝突する。処理装置54は、電流計52の電流値から、衝突したイオンの数N2を求める。
【0066】
処理装置54は、イオン数N1、N2と、半透過型ファラデーカップ36での捕捉率Rから、前述の式(1)を用いて12CO2 +、13CO2 +の存在比を求める。そして、胃中にピロリ菌がいない場合よりも13CO2 +の比率が高いことをもって、ピロリ菌の存在が検出される。
【0067】
なお、本実施形態では、測定精度の向上のために、同位体存在比が既知の標準試料と、呼気サンプルを濃縮した気体試料とを交互に測定する。すなわち、標準試料を分析し、測定結果の存在比と、既知である真の存在比の相違を求める。この相違を用いて、気体試料の分析時に得られる存在比を補正する。交互測定を行うのは、前後段のフィルタの感度が同一でないことを考慮したものである。
【0068】
また、前述の半透過型ファラデーカップ36の捕捉率R%は、下記のように求められる。捕捉率R%の測定のために、前段フィルタ34、後段フィルタ40のフィルタ特性を同じに設定する。ここでは、12CO2 +(または13CO2 +)のみがフィルタ内を通過するようにフィルタ特性を設定する。そして、両フィルタに同一仕様の電流計を接続する。この状態で、上記と同様に分析装置を動作させる。このときに前段および後段での粒子数の検出値をNa、Nbとすれば、Na/(Na+Nb)×100が捕捉率R%に相当する。
【0069】
以上、本実施形態の分析装置の構成と動作を説明した。本実施形態では、イオン化装置4にて一度に生成されたイオンを対象として、12CO2 +、13CO2 +のイオン数が測定される。そして、半透過型ファラデーカップ36とファラデーカップ42での測定は、ほぼ同時に行われる。従って、12CO2 +、13CO2 +の分析に際し、真空槽内のガス圧力や電子回路中のノイズ、イオン化装置4におけるイオンの発生量などが測定条件が同等である。分析条件を同等とすることにより、測定精度の向上を図ることができる。
【0070】
また、従来は、一つの電流計が12CO2 +、13CO2 +両方についての測定に用いられていた。しかし、両イオンの存在比は大きく偏っているので、測定すべき電流値の程度も大きく異なる。そのため、両イオンについての高精度な測定は容易でなかった。これに対し、本実施形態では、二つの電流計50、52が用いられ、各電流計50、52の測定レンジは、それぞれが検出すべき電流値に適して設定される。すなわち、12CO2 +および13CO2 +を測定対象とする電流計50の測定レンジは、比較的大きな電流値に適して設定される。一方、13CO2 +のみを測定対象とする電流計52の測定レンジは、小さい電流値に適して設定される。この場合、各電流計50、52を、それぞれの測定レンジでの高い測定精度を得るように構成することができる。従って、電流値の測定精度を高め、分析精度の向上を図ることができる。
【0071】
特に、13C尿素呼気分析では、元々微小な13CO2のわずかな増加を検出しなければならない。そのため、分析装置には、高い測定精度が要求される。本実施形態は、この高い分析精度を得るために好適に用いられる。
【0072】
なお、本実施形態では、二酸化炭素を分析対象とする同位体分析装置を説明した。しかし、この分析装置は、他の同位体の分析用にも構成できる。例えば、14N2、15N2の存在比を測定する装置が考えられる。この場合、前段フィルタのフィルタ特性は、質量数28(14N2に対応)、質量数30(15N2に対応)のイオンが安定軌道を描くように設定する。後段フィルタのフィルタ特性は、質量数30のイオンが安定軌道を描くように設定する。これにより、上記と同様の構成にて14N2、15N2の存在比を分析できる。
【0073】
また、各フィルタの定常電圧U、交流電圧Vの設定値を変更可能とし、任意の同位体を分析できる装置としてもよい。ここでの設定値の変更は、図6に示したようなU1、V1およびU2、V2の値の変更である。
【0074】
その他、本実施形態では、四重極フィルタを備えた分析装置について説明したが、前述のように、他の極数のフィルタを備えた構成としてもよい。この場合も、前段フィルタには、12CO2 +、13CO2 +がフィルタ内を通過するようなフィルタ特性を与え、後段フィルタには、13CO2 +がフィルタ内を通過するようなフィルタ特性を与えればよい。
【0075】
また、本実施形態では、半透過ファラデーカップ36に一部の粒子を衝突させるように構成し、捕捉率R%を用いて存在比を算出した。エネルギーレベルの低いイオンの粒子数の正確な検出を図るためである。これに対し、粒子を衝突させることなく、粒子数を検出する装置を設けてもよい。このときは、捕捉率R%を用いずに存在比を算出可能である。
【0076】
「実施形態2」
上記の実施形態1は、本発明が同位体分析装置に適用された。これに対し、実施形態2は、同位体分析以外にも使用可能な質量分析装置として構成される。
【0077】
ここでは、質量数n1〜n5の粒子(各粒子の質量数は、1ずつ異なる)を考える。この分析装置は、与えられた気体試料を分析して図8に示すような粒子数分布を求める。すなわち、質量数n1、n2と、質量数n3と、質量数n4、5との3ランクのそれぞれの粒子数である。
【0078】
図9は、本実施形態の同位体分析装置の構成を示す。図9において、図4または図7同等の部材には同一の符号を与え、これらの部材についての説明は適宜省略する。
【0079】
この分析装置では、真空容器2の中に、イオン化装置4、第1イオンレンズ60、第1フィルタ62、第1半透過型ファラデーカップ64、第2イオンレンズ66、第2フィルタ68、第2半透過型ファラデーカップ70、第3イオンレンズ72、第3フィルタ74、ファラデーカップ76が順次設けられている。第1イオンレンズ60からファラデーカップ76まで、同軸上に配置されている。各イオンレンズ、半透過型ファラデーカップ、ファラデーカップの構成は、実施形態1と同様である。
【0080】
第1フィルタ62、第2フィルタ68、第3フィルタ74は、それぞれ図1に示すような四重極フィルタである。図10は、各フィルタのフィルタ特性を示している。
【0081】
第1フィルタ62では、質量数n1〜n5の粒子が安定軌道を描くように、U、VがそれぞれU11、V11に固定されている。図10には、この時のU11/V11=λ11に対応する直線m11が示されている。図示のように、直線m11上では、質量数n1〜n5に対応する点(四角形マーク)が安定領域内にある。
【0082】
また、第2フィルタ68では、質量数n1〜n3の粒子が安定軌道を描くように、U、VがそれぞれU12、V12に固定されている。図10において、U12/V12=λ12に対応する直線m12上では、質量数n1〜n3に対応する点が安定領域内にある。図示のように、λ12>λ11の関係にある。
【0083】
また、第3フィルタでは、質量数n3の粒子が安定軌道を描くように、U、VがそれぞれU13、V13に固定されている。図10において、U13/V13=λ13に対応する直線m13上では、質量数n3に対応する点が安定領域内にある。図示のように、λ13>λ12の関係にある。
【0084】
第1半透過型ファラデーカップ64(捕捉率R1%)、第2半透過型ファラデーカップ70(捕捉率R2%)、ファラデーカップ76には、それぞれ、電流計78、80、82が接続されている。実施形態1と同様に、各電流計での測定値から、各カップに衝突したイオンの数N11、N12、N13が分かる。ここでも、各電流計の測定レンジは、それぞれが検出すべき電流値に適するように異なって設定されている。
【0085】
また、処理装置84が各電流計78、80、82に接続されている。処理装置84は、電流測定値から上記の衝突イオン数N11、N12、N13を求め、これらから、図8に示した粒子数分布を求める。
【0086】
実施形態2の分析装置の動作を説明する。なお、実施形態1と同様の内容の説明は、適宜省略する。
【0087】
気体試料は、試料供給管20からイオン化装置4へ供給される。イオン化装置4では陽イオンが生成され、この陽イオンは第1イオンレンズ60を通過する際に加速され、第1フィルタ62へ入射される。第1フィルタ62は、図10の直線m11のフィルタ特性に従って動作することにより、質量数n1〜n5のイオンを通過させる。通過したイオンのR1%が第1半透過型ファラデーカップ64に衝突する。処理装置84は、電流計78の電流値から、衝突したイオンの数N11を求める。半透過型ファラデーカップ36を通過した陽イオン(質量数n1〜n5)は、第2イオンレンズ66に達する。第2イオンレンズ66では、陽イオンの運動方向が、第2フィルタ68の中心軸方向と一致するように調整され、かつ陽イオンが加速される。そして、陽イオンは、第2フィルタ68に入射される。
【0088】
第2フィルタ68は、図10の直線m12のフィルタ特性に従って動作することにより、質量数n1〜n3のイオンを通過させる。通過したイオンのR2%が第2半透過型ファラデーカップ70に衝突する。処理装置84は、電流計80の電流値から、衝突したイオンの数N12を求める。第2半透過型ファラデーカップ70を通過した陽イオン(質量数n1〜n3)は、第3イオンレンズ72に達する。第3イオンレンズ72では、陽イオンの運動方向が、第3フィルタ74の中心軸方向と一致するように調整され、かつ陽イオンが加速される。そして、陽イオンは、第3フィルタ74に入射される。
【0089】
第3フィルタ74は、図10の直線m13のフィルタ特性に従って動作することにより、質量数n3のイオンを通過させる。通過したイオンは、ファラデーカップ76に衝突する。処理装置84は、電流計82の電流値から、衝突したイオンの数N13を求める。
【0090】
処理装置84は、求めたイオンの数N11、N12、N13から図8の粒子数分布を作成する。ここでは、イオン化装置4にて生成され、分析対象となったイオンのうち、質量数n4またはn5のイオンの数は、下式(2)により与えられる。同様に、質量数n1、n2のイオンの数は下式(3)より与えられ、質量数n3のイオンの数は下式(4)より与えられる。
【0091】
【数4】
N11×100/R1 − N12×100/(100−R1)×100/R2 ・・・(2)
【数5】
N12×100/(100−R1)×100/R2 − N13×100/(100−R1)×100/(100-R2) ・・・(3)
【数6】
N13×100/(100−R1)×100/(100-R2) ・・・(4)
処理装置84は、各式から得られたイオン数を用いて粒子数分布を求める。なお、試料中に質量数n2、n4の粒子が含まれていないとすれば、図8は、そのまま質量数n1、n3、n5の粒子についての粒子数分布となる。
【0092】
以上、本実施形態の質量分析装置の構成と動作を説明した。このように、本発明は、同位体以外の粒子の質量分析にも適用可能である。また、直列に設けるフィルタの数を増やすことにより、2種類以上の粒子についての同時分析を行うことができる。
【0093】
なお、本実施形態では、3つのフィルタが設けられているが、4つ以上のフィルタを設けてもよいことはもちろんである。各段のフィルタのフィルタ特性は、適宜、自由に設定できる。例えば、4つのフィルタを設ける場合において、各段のフィルタ特性として設定される質量数の範囲は、(4、3、2、1)の他、(8、6、4、2)や(3、2、2、1)など、任意の組み合わせに定められる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、多重極フィルタを備えた分析装置にて、質量数が異なる粒子を同時に分析することが可能になる。従って、測定条件の時間的変動という誤差要因の測定結果への影響が低減される。また、本発明によれば、質量数が異なる粒子の分析において、粒子間の存在量が大きく偏る場合でも、粒子数が正確に検出される。これは、各検出手段の検出レンジを、検出すべき粒子数に適して設定することにより実現される。
【0095】
このようにして、本発明によれば、取扱いが容易で低コストであるという多重極フィルタの利点を生かしつつ、分析精度の向上を図ることができる。本発明が13C尿素呼気分析に利用された場合、本発明は、ピロリ菌の容易かつ正確な検出に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 四重極フィルタの構成を示す説明図である。
【図2】 四重極フィルタにおいて粒子が安定した軌道を描く安定領域を示す説明図である。
【図3】 図2の安定領域の頂点部分であり、従来の分析装置のフィルタ特性を示す拡大図である。
【図4】 従来の四重極フィルタを備えた質量分析装置の構成図である。
【図5】 図4の装置によって求められる質量スペクトルを示す説明図である。
【図6】 本発明の実施形態1の同位体分析装置の原理として、フィルタ特性を示す説明図である。
【図7】 実施形態1の同位体分析装置の構成図である。
【図8】 実施形態2の質量分析装置によって求められる粒子数分布を示す説明図である。
【図9】 実施形態2の質量分析装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 実施形態2の各フィルタのフィルタ特性を示す説明図である。
【符号の説明】
2 真空容器、4 イオン化装置、6 イオンレンズ、8 四重極フィルタ、10,42 ファラデーカップ、20 試料供給管、28,50,52 電流計、30,54 処理装置、32 第1イオンレンズ、34 前段フィルタ、36半透過型ファラデーカップ、38 第2イオンレンズ、40 後段フィルタ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an isotope analyzer, and more particularly, to an analyzer using a function of a multipole filter (also referred to as a mass filter) that selectively allows particles (atoms or molecules) having a specific mass number to pass therethrough. The present invention also relates to a mass spectrometer using the same principle.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in the field of medicine and the like, examinations using a stable isotope labeling function have been performed. This type of inspection has the advantage that, unlike the inspection using radioisotopes, there is no need to consider exposure.
[0003]
In recent years, as one of the tests using stable isotopes, the presence of Helicobacter pylori (hereinafter referred to as Helicobacter pylori) in the stomach is detected.13C urea breath analysis is drawing attention. Helicobacter pylori is considered to be a causative bacterium such as gastritis, gastric ulcer, and duodenal ulcer. Since H. pylori has a ureolytic enzyme and lives in a strong acidity, it produces ammonia from urea in the stomach to neutralize gastric acid. Carbon dioxide is generated during the decomposition of urea by Helicobacter pylori and is absorbed into the blood vessels of the stomach and carried to the lungs. This carbon dioxide is contained in exhaled air through gas exchange in the alveolar cells, and is exhaled together with the exhaled air. Therefore,13In C urea breath analysis,13The urea labeled with C is orally administered to the human body. And collect the exhalation, during exhalation13CO2,12CO2Analyze the abundance ratio. Than when H. pylori is not present13CO2It is determined that Helicobacter pylori exists.
[0004]
Conventionally, a magnetic field type mass spectrometer has been used for measurement of the isotope abundance ratio. However, the magnetic mass spectrometer requires a skill in operation and has a disadvantage that the apparatus cost is relatively high. On the other hand, a mass spectrometer equipped with a quadrupole filter has the advantage that it is easy to operate and the cost of the apparatus is low.
[0005]
Hereinafter, a mass spectrometer equipped with a conventional quadrupole filter will be described. This type of conventional apparatus includes, for example, “vacuum physics and applications (physics selection book 11)” by Hiroo Kumagai, Goro Tominaga, et al. It is shown on pages 129 to 132 of the Nikkan Kogyo Shimbun, edited by the Association.
[0006]
First, the principle of the quadrupole filter will be described. FIG. 1 shows the configuration of a quadrupole filter. As shown in the figure, the description will be made by setting the x axis, the y axis, and the z axis. The z axis is the center axis of the quadrupole filter, and the x axis and the y axis are orthogonal to the z axis. The quadrupole filter includes
Further, the quadrupole filter is provided with a power supply unit 102, and the power supply unit 102 generates an applied voltage ± {U + Vcos (ωt)} obtained by synthesizing the steady voltage U and the high-frequency AC voltage Vcos (ωt). Here, V and ω are amplitude and angular velocity, respectively. The
[0007]
The equation of motion of ions in the quadrupole filter is expressed as follows.
[Expression 1]
d2x / dζ2+ {A-2qcos (2ζ + π)} x = 0
d2y / dζ2-{A-2qcos (2ζ + π)} y = 0
d2z / dζ2= 0
[Expression 2]
a = ± 8 eU / (Mω2・ R0 2)
q = 4 eV / (Mω2・ R0 2)
ζ = ωt / 2
r0Is the radius of the inscribed circle of the
[0008]
FIG. 3 shows an enlarged top portion of the stable region of FIG. In the figure, a straight line m0 when U / V is a constant value λ0 is shown. Since a / q = 2 U / V, a straight line is drawn when U / V is constant. A point p (rectangular mark) is a point on the straight line m0 corresponding to each mass number M. In FIG. 3, the values of q and a when U and V are certain values are obtained for each mass number M, and the point p is plotted at a position corresponding to these values. Each point p is given a corresponding mass number. If U and V are changed while U / V is kept at a constant value λ0, the point p moves along the straight line m0. In detail, although the magnitude of M / Z (M / e) affects, here, all ions are assumed to be monovalent, and the mass number is considered as a parameter as described above.
[0009]
Here, the straight line m0 is set so that only one point p falls within the stable region. In the state of FIG. 3, ions with mass number 44 (12CO2Only applies a stable orbit. By sweeping U and V while keeping U / V at a constant value λ0, the mass number of ions entering the stable region changes sequentially. As described above, the quadrupole filter has a function of selectively passing only ions having a specific mass number, and a function of sequentially changing the ions to be passed. As a configuration for changing U and V while keeping U / V constant, it is known to rectify a part of the high-frequency voltage and supply it to a DC voltage.
[0010]
FIG. 4 shows an example of an analyzer equipped with the above-described quadrupole filter, and this conventional device is suitable for carbon dioxide isotope analysis. In the apparatus, as shown in the figure, an
[0011]
The
[0012]
In the ion lens 6, a plurality of ring-shaped
[0013]
The quadrupole filter 8 is arranged so that the filter center axis coincides with the
[0014]
The
[0015]
Next, the operation of the analyzer when measuring the isotope abundance ratio of carbon dioxide using the analyzer configured as described above will be described. The gas sample supplied from the
[0016]
Here, as the steady voltage U and the alternating voltage V sweep, positive ions passing through the quadrupole filter 8 are12CO2 +,13CO2 +,12C18O16O+And change. Therefore, based on the change in the measured value of the
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
(1) As described above, the conventional analyzer equipped with the quadrupole filter has the advantage that the operation is simple and the device cost is low. On the other hand, the conventional apparatus cannot simultaneously measure a plurality of isotopes, which can be a factor of deteriorating measurement accuracy. This problem is explained below.
[0018]
In the conventional apparatus, as is apparent from FIG. 2, ions having one mass number are measured at a time. The analysis timing of ions having different mass numbers is shifted according to the time required for sweeping the steady voltage U and the AC voltage V. On the other hand, the gas pressure in the vacuum chamber, the noise in the electronic circuit, etc. are constantly changing. In addition, the amount of ions generated in the ionizer varies. Therefore, ions having different mass numbers are analyzed under different conditions, and the difference in analysis conditions may affect the analysis accuracy.
[0019]
In particular, precise measurement is required for isotope analysis. In the above example, during normal exhalation12CO2(Mass number 44) and13CO2Even if the abundance ratio of (mass number 45) is about 99: 1 and there are Helicobacter pylori in the stomach13CO2The rate of increase in the ratio is only slight. In this way, the abundance ratio of isotopes is greatly biased, and isotopes with a small ratio are used as labels, which requires high-accuracy measurement. However, in the conventional apparatus, measurement of two isotopes is performed at a time shifted by about a fraction of a second. Differences in analysis time may affect measurement accuracy as required for isotope analysis. (2) As shown in FIG. 4, the conventional analyzer detects the number of particles of two isotopes with one detection means. However, the abundance ratio of isotopes is greatly biased. For this reason, it is difficult to configure the detection means so that high measurement accuracy can be obtained both in the measurement related to particles with a high ratio and the measurement related to particles with a low ratio.
[0020]
That is, the detection range of the detection means (for example, an ammeter) needs to be set according to particles with a high ratio. This is not a detection range suitable for measuring particles with a low ratio. Therefore, it is difficult to improve the measurement accuracy of particles with a low ratio, that is, labeled particles.
[0021]
For example, in the analysis of carbon dioxide isotope ratio,12CO2The ratio of13CO2Overwhelmingly more than. Therefore, the detection range of the detection means is12CO2A wide range is set so as to cover the number of particles to be detected during the measurement. However, with this setting detection means,13As originally required for C urea breath analysis,13CO2It is not easy to determine a slight increase in the ratio.
[0022]
(3) The problems of the present invention have been described above with a focus on isotope analysis. However, the subject of the present invention is not limited to isotope analysis. When analyzing a plurality of types of particles having a close mass number, the same problem as described above may occur.
[0023]
Also, here, an example of an analyzer provided with a quadrupole filter has been described. However, the same problem exists in the case of configuring an analyzer equipped with other multipole filters (such as hexapoles and octupoles). In the multipole filter, its function is exhibited by setting the filter characteristics so that only particles having a specific mass number form a stable orbit. In this respect, both the quadrupole filter and the filter having the other number of poles are common.
[0024]
The present invention has been made in view of the above problems. An object of the present invention is to provide an isotope analyzer and a mass spectrometer capable of taking advantage of a multipole filter and improving analysis accuracy when analyzing particles having different mass numbers. .
[0025]
[Means for Solving the Problems]
(1) An isotope analyzer of the present invention is an isotope analyzer that analyzes first and second isotope particles in a gas sample,Each has a specific mass numberBoth the first and second isotope particles pass through the filter in a stable orbitThe orbits of particles with a larger mass number and smaller mass numbers than the first and second isotope particles diverge.A first-stage multipole filter having filter characteristics set so as to detect the number of particles that have passed through the first-stage multipole filter, a first-stage isotope particle, A post-stage multipole filter whose filter characteristics are set so that one of the second isotope particles passes through the filter in a stable orbit, post-stage detection means for detecting the number of particles that have passed through the post-stage multipole filter, And processing means for performing analysis processing on the first isotope particles and the second isotope particles based on the detection results of the detection means and the subsequent detection means.
[0026]
In the above description, the number of particles may be the number of particles that have passed through each filter, but may be some information or parameter indicating the number of particles. For example, the ion current value used in mass spectrometry may be used. Alternatively, the number of ions counted by a secondary electron multiplier or the like in which the number of particles is known may be used. And, as will be described later, it may be a certain number of particles among the particles that have passed through the filter.
[0027]
Here, the first isotope particle and the second isotope particle differ in mass number by 1 (for example,12CO2When13CO2) But the mass number is different by 2 or more (for example,14N2When15N2)
[0028]
The front multipole filter and the rear multipole filter are each a quadrupole filter, for example. In this case, in order to obtain the respective filter characteristics in both filters, the ratio of the steady component and the AC component of the applied power is set differently in both filters. The multipole filter may be other than a quadrupole, for example, a hexapole or an octupole. The number of poles may be different between the front stage and the rear stage.
[0029]
According to the present invention, the first isotope particles and the second isotope particles in the gas sample pass through the previous multipole filter, and the number of these particles is detected. The first isotope particles and the second isotope particles that have passed through the front multipole filter are sent to the rear multipole filter. Here, one of the isotope particles passes through the post filter, and the number of particles is detected. Therefore, if both detection results are used, the analysis process for the first and second isotope particles can be performed. This analysis process is, for example, calculation of the abundance ratio of the first isotope particles and the second isotope particles.
[0030]
Here, as shown in FIG. 3, the conventional multipole filter is generally configured to pass only one particle having a mass number at a time. In the conventional apparatus, after analysis of one isotope particle, analysis of the other isotope particle is performed on a given gas sample after a certain amount of time.
[0031]
Unlike such a conventional apparatus, in the present invention, the filter characteristic of the front-stage multiple filter is set so as to pass particles having two mass numbers. And in the back | latter stage multiple filter provided in series with this, it sets so that one of the particle | grains of the said two mass numbers may be allowed to pass through. Two filters are connected in series, so that two isotope particles can be analyzed simultaneously. That is, in the analyzer of the present invention, both isotope particles are analyzed for a gas sample given at a time. Then, the detection by the upstream detection means and the downstream detection means is performed almost simultaneously. Therefore, according to the present invention, the influence on the analysis accuracy due to the shift in the analysis timing of the two isotope particles is eliminated, and the analysis accuracy can be improved.
[0032]
As described above, according to the present invention, it is possible to take advantage of the multipole filter type analyzer that is easy to handle and low in cost, and to improve the analysis accuracy.
[0033]
(2) In one aspect of the present invention, the detection range is set differently between the upstream detection unit and the downstream detection unit depending on the number of particles to be detected by each detection unit. The detection range of the upstream detection means is set corresponding to the number of particles of the first isotope and the second isotope. The detection range of the latter detection means is set corresponding to the number of particles of one isotope. Therefore, even when the number of particles of the first isotope and the second isotope are greatly different, the number of each particle is accurately measured.
[0034]
For example, in the analysis of carbon dioxide abundance,12CO2The ratio of13CO2Overwhelmingly more than no. At this time, the detection range of the upstream detection means is set corresponding to the number of particles of both isotopes. The detection range of the latter detection means is13CO2Set according to the number of particles. Due to this, there is only a minute amount13CO2It is possible to measure accurately.
[0035]
(3) Moreover, in one aspect of the present invention, the pre-stage detection unit includes a partial capture unit that partially captures particles that have passed through the pre-stage multipole filter, and an ammeter that converts the number of captured particles into a current value. The post-stage detection means includes a capture means for capturing particles that have passed through the post-stage multipole filter, and an ammeter that converts the number of captured particles into a current value. The calculation is performed based on the measured values of both ammeters and a parameter indicating the capture rate of the partial capture means.
[0036]
The partial trapping means is configured such that a part of the particles that have passed through the preceding multipole filter collide with this means, and generates a current corresponding to the number of colliding particles. On the other hand, the capturing means is configured such that particles that have passed through the subsequent multipole filter collide with the means, and generate a current corresponding to the number of colliding particles. The number of particles that have passed through each filter can be determined from the measured value of each ammeter.
[0037]
The capturing means is, for example, the aforementioned Faraday cup or ion collector. Further, the partial trapping means is a Faraday cup or an ion collector, and is configured to transmit some particles.
[0038]
The capture rate is the proportion of particles captured by the partial capture means. The parameter indicating the capture rate is, for example, the capture rate itself, or may be, for example, the particle transmittance in the partial capture means.
[0039]
Since the amount of energy of ions passing through the multipole filter is small, in order to accurately detect the number of particles, it is preferable to use the trapping means that generates current at the time of particle collision as described above. Here, if all the ions are captured by the upstream detection means, the subsequent measurement cannot be performed. However, in the present invention, it is possible to perform measurement at the front stage and the rear stage by providing the partial capturing means at the front stage.
[0040]
(4) In the present invention, preferably, an ion lens for directing and accelerating a gas sample to each filter is provided in each of a front stage of the front stage multipole filter and a front stage of the rear stage multipole filter. Thereby, the orientation and speed of the particles that have passed through the front multipole filter are adjusted again by the ion lens in the rear stage.
[0041]
Preferably, the ionization means is provided in the front stage of the front stage multipole filter. The gas sample ionized by the ionization means is introduced into the filter and simultaneously measured, and accurate analysis is performed. Preferably, the front multipole filter and the rear multipole filter are provided in one vacuum vessel.
[0042]
Preferably, a concentrating means for increasing the concentration of the isotope particles in the gas sample is provided in the front stage of the front stage multipole filter. For example,13In C-urea breath analysis, by concentrating carbon dioxide in the breath, the influence of other substances (oxygen, nitrogen, etc.) on the measurement accuracy is reduced. Examples of the concentration means include gas chromatography.
[0043]
(5) On the other hand, another aspect of the present invention isAnalyzing multiple types of particles with similar mass numbers in gas samplesThis mass spectrometer has a plurality of multipole filters provided in series, and as it goes to the subsequent filter, the mass number range of particles passing through the filter in a stable orbit is narrowed. A set multipole filter array; and a detecting means for detecting the number of particles of the gas sample that has passed through each of the plurality of multipole filters.
[0044]
According to the said structure, the particle number of a small kind of particle | grains is detected as it goes to a latter filter. Therefore, it is possible to analyze a plurality of types of particles based on the detection results at each stage. In this analysis, for example, mass spectra for a plurality of types of particles may be obtained. Further, as described above, the abundance ratio of the particles may be obtained.
[0045]
The present invention is suitably applied for isotope analysis as shown in (1) above. This is because the latter filter narrows the mass number range of particles passing through the filter and is therefore suitable for analysis of particles having a similar mass number. However, the present invention is not limited to isotope analysis but can be applied to mass analysis of other particles. In particular, it is preferably applied to the analysis of different types of particles having a similar mass number as in the isotope analysis.
[0046]
In the above configuration, the number of filters included in the multipole filter array may be three or more. Thereby, three or more kinds of particles (including isotope particles) can be measured. When the number of filters is 2, the configuration of the filter row is the same as that of the aforementioned isotope analyzer (1).
[0047]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of the invention (hereinafter referred to as embodiments) will be described with reference to the drawings.
[0048]
“
The analyzer according to the first embodiment is configured to analyze the carbon dioxide isotope abundance ratio. Here, this analyzer is13Used for C urea breath analysis. In the following, first, the principle of this analyzer will be described with reference to FIG.
[0049]
In the present embodiment, two quadrupole filters shown in FIG. 1 are provided in series. The front side is called the front stage filter, and the rear side is called the rear stage filter. The total length of each filter is about 10 cm, the radius of the inscribed circle of the four electrodes is about 0.3 cm, and the frequency of the AC voltage is set to about 3.5 MHz. The pre-filter and the post-filter have different filter characteristics as described below.
[0050]
In the pre-filter,12CO2(Mass number 44) and13CO2U and V are fixed to U1 and V1, respectively, so that (mass number 45) describes a stable orbit. FIG. 6 shows a straight line m1 corresponding to U1 / V1 = λ1 at this time. As illustrated, on the straight line m1, points p44 and p45 (square marks) corresponding to the
[0051]
On the other hand, in the latter stage filter,13CO2U and V are fixed to U2 and V2, respectively, so that (mass number 45) describes a stable orbit. FIG. 6 shows a straight line m2 corresponding to U2 / V2 = λ2 at this time. As illustrated, on the straight line m2, a point p45 corresponding to the
[0052]
The gas sample is first incident on the pre-filter,12CO2When13CO2Only passes through the pre-filter. And passed through the previous stage filter12CO2When13CO2Is incident on the latter filter,13CO2Only passes through the post filter. Therefore, the ratio of the number of particles that have passed through the former stage and have not passed through the latter stage to the number of particles that have passed through the former stage and the latter stage is the isotope abundance ratio.
[0053]
Actually, a part R% (referred to as a capture rate) of the particles that have passed through the previous stage filter is captured by a semi-transmissive Faraday cup, and the number N1 of particles for this part is measured. Then, the remaining (100-R)% of the particles are sent to the subsequent filter. The particles that have passed through the latter filter are captured by another Faraday cup, and the number N2 of the particles is measured. Therefore, in this embodiment, the isotope abundance ratio is derived as in the following formula (1).
[0054]
[Equation 3]
{N1 × 100 / R−N2 × 100 / (100−R)}: {N2 × 100 / (100−R)} (1)
Where N1x100 / R-N2x100 / (100-R) is the cation in the gas sample12CO2 +N2 × 100 / (100−R) is a cation13CO2 +It is equivalent to the number of And than when there is no H. pylori in the stomach13CO2 +The presence of Helicobacter pylori is detected with a high ratio. However, the calculation method of the abundance ratio may be changed as appropriate. For example, a calculation formula that directly calculates from the current value may be established.
[0055]
In this embodiment, the steady voltage U and the AC voltage are not swept as in principle in each filter. This analyzer is not supposed to be used to sweep the voltage value and measure the mass of an unknown object. The isotope to be analyzed is determined (in this case, carbon dioxide), and is used when measuring the abundance ratio of the isotope.
[0056]
FIG. 7 shows the configuration of the isotope analyzer of this embodiment. 7, members equivalent to those in FIG. 4 are given the same reference numerals, and description of these members will be omitted as appropriate.
[0057]
In this analyzer, an
[0058]
The
[0059]
The measurement ranges of the
[0060]
The
[0061]
Next, the operation of the analyzer according to this embodiment will be described. The gas sample supplied from the
[0062]
The concentrated gas sample is supplied from the
[0063]
The
The cations that have passed through the
[0064]
The positive ions travel while swinging around the central axis while passing through the front-
[0065]
The
[0066]
The
[0067]
In this embodiment, in order to improve measurement accuracy, a standard sample with a known isotope abundance ratio and a gas sample obtained by concentrating a breath sample are alternately measured. That is, the standard sample is analyzed, and the difference between the abundance ratio of the measurement results and the known true abundance ratio is obtained. This difference is used to correct the abundance obtained when analyzing a gas sample. The alternate measurement is performed in consideration of the fact that the sensitivities of the front and rear filters are not the same.
[0068]
Further, the capture rate R% of the above-described
[0069]
The configuration and operation of the analyzer according to this embodiment have been described above. In the present embodiment, for ions generated at a time by the
[0070]
Conventionally, one ammeter is12CO2 +,13CO2 +It was used for measurements on both. However, since the abundance ratio of both ions is greatly biased, the degree of the current value to be measured varies greatly. Therefore, it is not easy to measure with high accuracy for both ions. On the other hand, in this embodiment, two
[0071]
In particular,13In C urea breath analysis,13CO2A slight increase in must be detected. Therefore, high measurement accuracy is required for the analyzer. This embodiment is suitably used to obtain this high analysis accuracy.
[0072]
In the present embodiment, the isotope analyzer that analyzes carbon dioxide has been described. However, this analyzer can also be configured for the analysis of other isotopes. For example,14N2,15N2An apparatus for measuring the abundance ratio of can be considered. In this case, the filter characteristic of the pre-stage filter has a mass number of 28 (14N2), Mass number 30 (15N2Is set so that a stable orbit can be drawn. The filter characteristics of the latter stage filter are set so that ions with a mass number of 30 draw a stable orbit. As a result, with the same configuration as above14N2,15N2Can be analyzed.
[0073]
Moreover, it is good also as an apparatus which can change the setting value of the steady voltage U of each filter, and the alternating voltage V, and can analyze arbitrary isotopes. The change of the set value here is a change of the values of U1, V1 and U2, V2 as shown in FIG.
[0074]
In addition, in this embodiment, although the analysis apparatus provided with the quadrupole filter was demonstrated, as mentioned above, it is good also as a structure provided with the filter of the other pole number. Also in this case, the pre-filter12CO2 +,13CO2 +Is given a filter characteristic that passes through the filter,13CO2 +It is only necessary to give a filter characteristic that passes through the filter.
[0075]
Moreover, in this embodiment, it comprised so that a one part particle | grain collided with the
[0076]
“
In the first embodiment, the present invention is applied to an isotope analyzer. On the other hand,
[0077]
Here, consider particles having mass numbers n1 to n5 (the mass number of each particle is different by one). This analyzer analyzes a given gas sample to obtain a particle number distribution as shown in FIG. That is, it is the number of particles in each of the three ranks of mass numbers n1 and n2, mass number n3, and mass numbers n4 and 5.
[0078]
FIG. 9 shows the configuration of the isotope analyzer of this embodiment. 9, members equivalent to those in FIG. 4 or FIG. 7 are given the same reference numerals, and description of these members is omitted as appropriate.
[0079]
In this analyzer, the
[0080]
The
[0081]
In the
[0082]
In the
[0083]
Further, in the third filter, U and V are fixed to U13 and V13, respectively, so that particles having a mass number n3 have a stable orbit. In FIG. 10, on the straight line m13 corresponding to U13 / V13 = λ13, the point corresponding to the mass number n3 is in the stable region. As shown in the figure, there is a relationship of λ13> λ12.
[0084]
[0085]
A processing device 84 is connected to each
[0086]
The operation of the analyzer according to the second embodiment will be described. Note that the description of the same content as that of the first embodiment is omitted as appropriate.
[0087]
The gas sample is supplied from the
[0088]
The
[0089]
The
[0090]
The processing device 84 creates the particle number distribution of FIG. 8 from the obtained numbers of ions N11, N12, and N13. Here, the number of ions of mass number n4 or n5 among the ions generated by the
[0091]
[Expression 4]
N11 × 100 / R1 − N12 × 100 / (100−R1) × 100 / R2 (2)
[Equation 5]
N12 × 100 / (100−R1) × 100 / R2 − N13 × 100 / (100−R1) × 100 / (100-R2) (3)
[Formula 6]
N13 × 100 / (100−R1) × 100 / (100-R2) (4)
The processing device 84 obtains the particle number distribution using the number of ions obtained from each equation. If the sample does not contain particles having mass numbers n2 and n4, FIG. 8 shows the particle number distribution of the particles having mass numbers n1, n3, and n5 as they are.
[0092]
The configuration and operation of the mass spectrometer of the present embodiment have been described above. Thus, the present invention can also be applied to mass spectrometry of particles other than isotopes. Further, simultaneous analysis of two or more kinds of particles can be performed by increasing the number of filters provided in series.
[0093]
In the present embodiment, three filters are provided. Needless to say, four or more filters may be provided. The filter characteristics of the filters at each stage can be set freely as appropriate. For example, when four filters are provided, the mass number range set as the filter characteristics of each stage is (4, 3, 2, 1), (8, 6, 4, 2) and (3, 2, 2, 1), etc.
[0094]
【The invention's effect】
According to the present invention, particles having different mass numbers can be analyzed simultaneously in an analyzer equipped with a multipole filter. Therefore, the influence on the measurement result of the error factor such as the temporal variation of the measurement condition is reduced. Further, according to the present invention, in the analysis of particles having different mass numbers, the number of particles can be accurately detected even when the abundance between particles is greatly biased. This is realized by setting the detection range of each detection means in accordance with the number of particles to be detected.
[0095]
Thus, according to the present invention, it is possible to improve the analysis accuracy while taking advantage of the multipole filter that is easy to handle and low in cost. The present invention13When used in C-urea breath analysis, the present invention can contribute to easy and accurate detection of H. pylori.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a configuration of a quadrupole filter.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing a stable region in which a particle has a stable trajectory in a quadrupole filter.
FIG. 3 is an enlarged view showing the filter characteristic of a conventional analyzer, which is the apex portion of the stable region of FIG. 2;
FIG. 4 is a configuration diagram of a mass spectrometer equipped with a conventional quadrupole filter.
FIG. 5 is an explanatory diagram showing a mass spectrum obtained by the apparatus of FIG.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing filter characteristics as the principle of the isotope analyzer according to the first embodiment of the present invention.
7 is a configuration diagram of the isotope analyzer of
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a particle number distribution obtained by the mass spectrometer of the second embodiment.
FIG. 9 is a block diagram illustrating a configuration of a mass spectrometer according to a second embodiment.
FIG. 10 is an explanatory diagram illustrating filter characteristics of each filter according to the second embodiment.
[Explanation of symbols]
2 vacuum container, 4 ionizer, 6 ion lens, 8 quadrupole filter, 10, 42 Faraday cup, 20 sample supply tube, 28, 50, 52 ammeter, 30, 54 processing device, 32 first ion lens, 34 Front filter, 36 transflective Faraday cup, 38 second ion lens, 40 rear filter.
Claims (9)
それぞれ特定の質量数をもつ第1同位体粒子と第2同位体粒子がともに安定軌道を描いてフィルタ内を通過し、気体試料中の第1同位体粒子と第2同位体粒子よりも大きな質量数を持つ粒子及び小さい質量数をもつ粒子の軌道が発散するようにフィルタ特性が設定された前段多重極フィルタと、
前段多重極フィルタを通過した粒子数を検出する前段検出手段と、
前段多重極フィルタの後段に直列に設けられ、第1同位体粒子または第2同位体粒子の一方が安定軌道を描いてフィルタ内を通過するようにフィルタ特性が設定された後段多重極フィルタと、
後段多重極フィルタを通過した粒子数を検出する後段検出手段と、
前段検出手段と後段検出手段の検出結果に基づき、第1同位体粒子および第2同位体粒子についての分析処理を行う処理手段と、
を含む同位体分析装置。An isotope analyzer for analyzing a first isotope particle and a second isotope particle in a gas sample,
The first isotope particles and the second isotope particles each having a specific mass number draw a stable orbit and pass through the filter, and have a larger mass than the first isotope particles and the second isotope particles in the gas sample. A pre-multipole filter whose filter characteristics are set so that the trajectories of particles having a number and particles having a small mass number diverge ,
Pre-stage detection means for detecting the number of particles that have passed through the pre-stage multipole filter;
A post-stage multipole filter provided in series after the pre-stage multipole filter, the filter characteristic of which is set so that one of the first isotope particles or the second isotope particles passes through the filter in a stable orbit,
A post-stage detection means for detecting the number of particles passing through the post-stage multipole filter;
Processing means for performing analysis processing on the first isotope particles and the second isotope particles based on the detection results of the former detection means and the latter detection means;
Isotope analyzer.
前段多重極フィルタおよび後段多重極フィルタはそれぞれ四重極フィルタであり、それぞれの上記フィルタ特性が得られるように、印加電力の定常成分と交流成分の比率が両フィルタで異なって設定されていることを特徴とする同位体分析装置。The apparatus of claim 1.
The pre-stage multipole filter and the post-stage multipole filter are each a quadrupole filter, and the ratio of the steady component and the alternating current component of the applied power is set differently in both filters so that the respective filter characteristics can be obtained. An isotope analyzer characterized by this.
前段検出手段と後段検出手段では、各検出手段で検出すべき粒子数の程度に応じ、検出レンジが異なって設定されていることを特徴とする同位体分析装置。The apparatus according to claim 1,
The isotope analyzer is characterized in that the detection range is set differently between the upstream detection means and the downstream detection means depending on the number of particles to be detected by each detection means.
前記処理手段では、前記分析処理として、第1同位体粒子と第2同位体粒子の存在比が算出されることを特徴とする同位体分析装置。In the apparatus in any one of Claims 1-3,
In the processing means, the abundance ratio of the first isotope particles and the second isotope particles is calculated as the analysis processing.
前段検出手段は、前段多重極フィルタを通過した粒子を部分的に捉える部分的捕捉手段と、捉えられた粒子の数を電流値に変換する電流計とを有し、
後段検出手段は、後段多重極フィルタを通過した粒子を捉える捕捉手段と、捉えられた粒子の数を電流値に変換する電流計を有し、
前記処理手段での存在比の算出は、両電流計の測定値と、部分的捕捉手段の捕捉率を示すパラメータとに基づいて行われることを特徴とする同位体分析装置。The apparatus according to claim 4.
The pre-stage detection means includes a partial capture means for partially capturing particles that have passed through the pre-stage multipole filter, and an ammeter that converts the number of captured particles into a current value,
The post-stage detection means has a capture means for capturing particles that have passed through the post-stage multipole filter, and an ammeter that converts the number of captured particles into a current value.
The isotope analyzer is characterized in that the calculation of the abundance ratio in the processing means is performed based on the measured values of both ammeters and a parameter indicating the capture rate of the partial capture means.
前段多重極フィルタの前段と、後段多重極フィルタの前段とにそれぞれ設けられ、気体試料を各フィルタへ方向づけするとともに加速させるイオンレンズを有することを特徴とする同位体分析装置。In the apparatus in any one of Claims 1-5,
An isotope analyzer, comprising an ion lens that is provided in each of a front stage of a front stage multipole filter and a front stage of a rear stage multipole filter, and directs and accelerates a gas sample to each filter.
前段多重極フィルタの前段に設けられ、フィルタに導入される気体試料をイオン化するイオン化手段を備えたことを特徴とする同位体分析装置。In the apparatus in any one of Claims 1-6,
An isotope analyzer provided with an ionization means provided in a preceding stage of a preceding multipole filter and ionizing a gas sample introduced into the filter.
前段多重極フィルタおよび後段多重極フィルタは、一つの真空容器内に設けられていることを特徴とする同位体分析装置。In the apparatus in any one of Claims 1-7,
The isotope analyzer is characterized in that the front multipole filter and the rear multipole filter are provided in one vacuum vessel.
前段多重極フィルタの前段に設けられ、気体試料中の前記同位体粒子の濃度を増すための濃縮手段を有することを特徴とする同位体分析装置。The device according to any one of claims 1 to 8,
An isotope analyzer, comprising a concentrating means for increasing the concentration of the isotope particles in the gas sample, which is provided in the front stage of the front stage multipole filter.
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