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JP4017335B2 - 映像信号の有効期間検出回路 - Google Patents

映像信号の有効期間検出回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン(personal computer)の表示装置等に使用される映像信号の有効期間検出回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコンの映像信号には、走査線数、画素数、フレーム周波数等の信号フォーマットが種々存在しているが、映像信号の有効期間(映像信号中の表示装置に表示されるべき期間)の位置も様々である。従って、映像を表示する場合には、入力信号の信号フォーマット毎に表示画面の位置を調整する必要がある。そこで、従来より、自動的に映像信号の有効期間を検出し、表示デバイス上の適切な位置に有効期間内の映像信号を表示するような工夫がなされていた。
【0003】
図11は、従来の映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置を示すブロック図である。図11において、1は映像信号をディジタル信号に変換するAD変換部、2は水平同期信号H1から内部処理で用いるドット・クロック及び水平基準信号を生成するPLL部、4は水平基準信号及び垂直同期信号V1を基にして水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2を生成するアドレス発生部、5は映像信号の有効期間を検出する有効期間検出部である。ここで、アドレス発生部4及び有効期間検出部5は、映像信号の有効期間検出回路6を構成している。また、7は表示ユニット部である。表示ユニット部7は、水平アドレス信号H2、垂直アドレス信号V2、及び有効期間検出部5の出力信号を基にして映像信号を表示デバイスに表示する。尚、説明をわかりやすくするため、以下の説明においては、表示ユニット部7の表示デバイスが、水平方向に8行、垂直方向に4列の合計32(=8×4)画素を有する行列型のデバイスである場合を説明する。ここで、表示ユニット部7の表示デバイスとしては、液晶パネル、PDP、DMD(ディジタルマイクロミラーデバイス)等がある。
【0004】
以下、図11の表示装置の動作について図12のタイミングチャートを用いて説明する。ここで、図12(a)及び(g)は入力された映像信号S1、図12(b)は入力された垂直同期信号V1、図12(c)及び(h)は入力された水平同期信号H1を示す。また、図12(d)及び(i)はアドレス発生部4から出力された垂直アドレス信号V2、図12(f)及び(l)は有効期間検出部5の内部処理で用いる有効期間検出フラグ信号F1、図12(j)は水平アドレス信号H2を示す。尚、図12(g)から(l)まではそれぞれ、図12(a)から(f)までの一部を時間的に拡大したものである。また、以下の説明では、入力される水平同期信号H1及び垂直同期信号V1は、図12(b)及び(c)に示すように負極性とし、立ち下がりエッジを前縁、立ち上がりエッジを後縁として説明する。
【0005】
AD変換部1には、図12(a)及び(g)に示される映像信号S1が入力される。AD変換部1は、入力された映像信号S1をディジタル信号に変換し、有効期間検出部5及び表示ユニット部7に出力する。
【0006】
PLL部2は、ドット・クロックを生成する。PLL部2は、このドット・クロックを分周することによって水平基準信号を生成し、この水平基準信号の立ち下がりエッジと図12(c)及び(h)に示す水平同期信号H1の立ち下がりエッジとが一致するように、ドット・クロックの周波数を制御する。一般に、水平同期信号H1と水平基準信号とは、立ち下がり位置がほとんど一致しているが、ドット・クロックに完全に同期している水平基準信号が、内部の処理で用いられる。
【0007】
アドレス発生部4は、図12(d)に示されるように、垂直同期信号V1の立ち下がりエッジでリセットされ、水平基準信号の立ち下がりエッジ(水平同期信号H1の立ち下がりエッジと一致する。)でカウント値が1ずつ増加するカウンタにより、垂直アドレス信号V2を生成する。同時に、アドレス発生部4は、図12(j)に示されるように、水平基準信号の立ち下がりエッジでリセットされ、ドット・クロックによりカウント値が1ずつ増加するカウンタにより、水平アドレス信号H2を生成する。水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2は、画面上の水平方向の位置及び垂直方向の位置を表わすアドレス情報として、有効期間検出部5及び表示ユニット部7で用いられる。
【0008】
有効期間検出部5は、図12(a)及び(g)に実線で示される映像信号S1と破線で示される所定の閾値THとを比較し、映像信号S1が閾値TH以上のときにハイになり、それ以外ではローになる有効期間検出フラグ信号F1(図12(f)及び(l))を生成する。上記所定の閾値THは、映像信号S1の最大振幅の約1/8に設定されている。また、有効期間検出部5は、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の水平アドレス信号H2の値(図12(j)における“5”)を左端座標、最大の値(図12(j)における“12”)を右端座標として表示ユニット部7に出力する。また、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の垂直アドレス信号V2の値(図12(d)における“4”)、及び、最大の垂直アドレス信号V2の値(図12(d)における“7”)をそれぞれ、上端座標及び下端座標として表示ユニット部7へ出力する。
【0009】
表示ユニット部7は、有効期間検出部5から入力される左端、右端、上端、下端座標、並びに、アドレス発生部4から入力される水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2に基づいて、映像信号S1が表示デバイスの適切な位置に表示する。以下の説明では、便宜上、水平アドレス信号H2の値Hと垂直アドレス信号V2の値Vを(H,V)という形式で表記する。ここで、H,Vは正の整数である。
【0010】
例えば、左端座標が“5”、右端座標が“12”、上端座標が“4”、下端座標が“7”のときには、水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2が(5,4)のタイミングで入力された映像信号を左上の画素に表示する。水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2が(6,4)のタイミングで入力された映像信号は、水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2が(5,4)のタイミングで入力された映像信号が表示された画素の右隣の画素に表示される。表示デバイス上の位置と水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2の値との関係を図13に示す。
【0011】
尚、上記の映像信号の有効期間検出回路の動作では、有効期間の左右上下端に必ず閾値以上の映像信号が存在することを想定しているが、最近のパソコンの主流であるグラフィック・ユーザー・インターフェースを持つオペレーティング・システムを使用した場合は、映像信号の、有効期間端まで映像信号が存在している場合が多く、実用上は問題ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の映像信号の有効期間検出回路は、以上のように構成されているので、映像信号を伝送するケーブル上において混入するクロストーク・ノイズの影響により正しく有効期間を検出できない場合があるという問題があった。
【0013】
図14を用いて、水平同期信号H1のクロストーク・ノイズCNが映像信号に混入した場合における従来の映像信号の有効期間検出回路の動作を説明する。
【0014】
図14(a)は、水平同期信号H1のクロストーク・ノイズCNが混入した場合の映像信号S1の様子を示しており、水平同期信号H1が変化した部分にリンギング状のノイズが混入している。このような映像信号S1が、有効期間検出部5に入力された場合、破線で示した閾値TH以上のクロストーク・ノイズCNは、有効期間として検出されてしまい、有効期間検出フラグ信号F1が図14(e)のようになる。従って、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の水平アドレス信号H2が、図14(d)に示されるように、“1”となり、正しい値“5”に対して、4画素ずれた左端座標となる。表示ユニット部7は、左端座標の画素を左端に表示するように制御しているので、図15に示されるように表示してしまう。尚、図15において、点線で示された左側4列の画素は、非有効期間の映像である。
【0015】
このように、上記した従来の映像信号の有効期間検出回路では、映像信号S1を伝送するケーブル上等で、映像信号に同期信号の変化が重畳されるようなクロストーク・ノイズCNが存在する場合には、有効期間が正しく検出できず、画面表示の位置がずれるという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は上記したような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、映像信号を伝送するケーブル上等において映像信号に同期信号の変化が重畳されることによって生ずるクロストーク・ノイズが存在する場合であっても、正確に有効期間を検出することができる映像信号の有効期間検出回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る映像信号の有効期間検出回路は、第1の周期で第1の期間だけ第1のレベルであり、それ以外の期間は第2のレベルである垂直同期信号と、第2の周期で第2の期間だけ第3のレベルであり、それ以外の期間は第4のレベルである水平同期信号と、映像信号とに基づいて、上記映像信号中の表示装置に表示されるべき期間を検出する映像信号の有効期間検出回路において、垂直同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第1の検出不許可期間及び水平同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第2の検出不許可期間の少なくともいずれか一方に属する期間においては第5レベルであり、それ以外の期間においては第6のレベルである検出領域窓信号を生成する検出窓信号生成部と、上記映像信号のレベルが所定の閾値以上であり、且つ、上記検出領域窓信号が第6のレベルである期間を有効期間として出力する有効期間検出部とを有することを特徴としている。
【0018】
また、請求項2に係る映像信号の有効期間検出回路は、第1の周期で第1の期間だけ第1のレベルであり、それ以外の期間は第2のレベルである垂直同期信号と、第2の周期で第2の期間だけ第3のレベルであり、それ以外の期間は第4のレベルである水平同期信号と、映像信号とに基づいて、上記映像信号中の表示装置に表示されるべき期間を検出する映像信号の有効期間検出回路において、垂直同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第1の検出不許可期間及び水平同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第2の検出不許可期間の少なくともいずれか一方に属する期間においては第5レベルであり、それ以外の期間においては第6のレベルである検出領域窓信号を生成する検出窓信号生成部と、上記検出領域窓信号が第6のレベルであるときに映像信号を通過させ、上記検出領域窓信号が第5のレベルであるときに映像信号のレベルをゼロレベルにして出力するゲート部と、上記ゲート部の出力信号のレベルが所定の閾値以上である期間を有効期間として出力する有効期間検出部とを有することを特徴としている。
【0019】
また、請求項3に係る映像信号の有効期間検出回路は、上記第1の検出不許可期間は、垂直同期信号が第2のレベルから第1のレベルに変化する時点で始まり、その直後に垂直同期信号が第1のレベルから第2のレベルに戻る時点から所定時間経過した時点で終了する期間であり、上記第2の検出不許可期間は、水平同期信号が第4のレベルから第3のレベルに変化する時点で始まり、その直後に水平同期信号が第3のレベルから第4のレベルに戻る時点から所定時間経過した時点で終了する期間であることを特徴としている。
【0020】
また、請求項4に係る映像信号の有効期間検出回路は、垂直同期信号が第1のレベルになる上記第1の期間と水平同期信号が第3のレベルになる上記第2の期間とを測定する同期信号期間測定部を有し、上記第1の検出不許可期間は、垂直同期信号が第2のレベルから第1のレベルに変化する時点で始まり、その後、上記第1の期間に所定時間を加えた時間が経過した時点で終了する期間であり、上記第2の検出不許可期間は、水平同期信号が第4のレベルから第3のレベルに変化する時点で始まり、その後、上記第2の期間に所定時間を加えた時間が経過した時点で終了する期間であることを特徴としている。
【0021】
また、請求項5に係る映像信号の有効期間検出回路は、上記第1の検出不許可期間は、垂直同期信号が第2のレベルから第1のレベルに変化する第1の時点で始まり、この第1の時点から所定時間経過した時点で終了する期間、及び、垂直同期信号が第1のレベルから第2のレベルに変化する第2の時点で始まり、この第2の時点から所定時間経過した時点で終了する期間からなり、上記第2の検出不許可期間は、水平同期信号が第4のレベルから第3のレベルに変化する第3の時点で始まり、この第3の時点から所定時間経過した時点で終了する期間、及び、水平同期信号が第3のレベルから第4のレベルに変化する第4の時点で始まり、この第4の時点から所定時間経過した時点で終了する期間からなることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置の構成を示すブロック図である。図1において、1は映像信号S1をディジタル信号に変換するAD変換部、2は水平同期信号H1から内部処理で用いるドット・クロック及び水平基準信号を生成するPLL部、3は映像信号S1の有効期間を検出するにあたって、所定のタイミングでは検出を禁止する制御信号である検出領域窓信号D1を生成する検出領域窓信号生成部、4は水平基準信号及び垂直同期信号V1を基にして水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2を生成するアドレス発生部、5は映像信号S1の有効期間を検出する有効期間検出部である。ここで、検出領域窓信号生成部3、アドレス発生部4、及び有効期間検出部5は、映像信号の有効期間検出回路6を構成している。また、7は液晶パネルやPDP等の表示デバイスを具備した表示ユニット部である。表示ユニット部7は、水平アドレス信号H2、垂直アドレス信号V2、及び有効期間検出部の出力信号を基にして映像信号S1を表示デバイスに表示する。尚、説明をわかりやすくするため、以下の説明においては、表示ユニット部7の表示デバイスが、水平方向に8行、垂直方向に4列の合計32(=8×4)画素の行列型のデバイスである場合について説明する。
【0023】
以下、図1の表示装置の動作について図2のタイミングチャートを用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置の各部のタイミングを示すものである。図2(a)及び(g)は、入力される映像信号S1、図2(b)は、入力される垂直同期信号V1、図2(c)及び(h)は、入力される水平同期信号H1である。また、図2(d)及び(i)は、アドレス発生部4が出力する垂直アドレス信号V2、図2(e)及び(k)は、検出領域窓信号D1、図2(f)及び(l)は、有効期間検出部5の内部処理で用いる有効期間検出フラグ信号F1、図2(j)は、水平アドレス信号H2である。尚、図2(g)から(l)まではそれぞれ、図2(a)から(f)までの一部を時間的に拡大したものである。尚、以下の説明では、入力される水平同期信号H1及び垂直同期信号V1は、負極性とし、立ち下がりエッジが前縁、立ち上がりエッジが後縁を意味する。
【0024】
AD変換部1には、図2(a)及び(g)に示される映像信号S1が入力される。AD変換部1は、映像信号S1をディジタル信号に変換し、有効期間検出部5及び表示ユニット部7へ出力する。
【0025】
PLL部2は、ドット・クロックを生成しており、このドット・クロックを分周して水平基準信号を生成し、この水平基準信号の立ち下がりエッジと、入力された水平同期信号H1の立ち下がりエッジが一致するようにドット・クロックの周波数を制御する。
【0026】
アドレス発生部4は、図2(d)に示されるように、垂直同期信号V1の立ち下がりエッジでリセットされ、水平基準信号の立ち下がりエッジ(水平同期信号H1の立ち下がりエッジと一致する)でカウント値が1ずつ増加するカウンタにより、垂直アドレス信号V2を生成している。同時に、図2(j)に示すように水平基準信号の立ち下がりエッジでリセットされ、ドット・クロックによりカウント値が1ずつ増加するカウンタにより、水平アドレス信号H2を生成している。水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2は、画面上の水平方向の位置及び垂直方向の位置を表わすアドレス情報として、有効期間検出部5及び表示ユニット部7にて用いられる。
【0027】
検出領域窓信号生成部3は、図3(a)から(c)までに示されるように、水平基準信号の立ち下がりエッジでローになり、立ち上がりエッジから所定時間tpだけ遅延した位置でハイになる信号Aを生成する。この所定時間tpは、水平同期信号H1の立ち上がりエッジのクロストークにより、映像信号にノイズが重畳された場合に、重畳されたノイズが減衰し、無視できるくらい小さくなる時間に設定されている。この所定時間tpは、クロストーク・ノイズCNの程度によるので、表示装置の回路構成等を考慮に入れた上で、予め最悪状態を想定して決められる。また、実験に基づいて所定時間tpを決定することもできる。
【0028】
また、図4に示されるように、検出領域窓信号生成部3は、垂直同期信号V1の立ち下がりエッジでローになり、立ち上がりエッジから所定時間tpだけ遅延した位置でハイになる信号Bを生成し、信号AとBとの論理積により、検出領域窓信号D1を生成する。
【0029】
有効期間検出部5は、図2(a)又は(g)に実線で示される映像信号S1と破線で示される所定の閾値THとを比較する。有効期間検出部5は、映像信号S1が閾値TH以上であり、かつ、検出領域窓信号D1がハイのときにハイになり、それ以外ではローになる有効期間検出フラグ信号F1(図2(f)及び(l))を生成する。上記の所定の閾値THは、映像信号S1の最大振幅の約1/8に設定されている。このように、有効期間の検出に映像領域窓信号を用いることにより、水平同期信号H1又は垂直同期信号V1から映像信号S1に混入するクロストーク・ノイズCNの影響を除外することができる。また、有効期間検出部5は、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の水平アドレス信号H2の値を左端座標における値とし、最大の値を右端座標における値とする信号を表示ユニット部7へ出力する。また、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の垂直アドレス信号V2の値を上端座標における値とし、最大の垂直アドレス信号V2の値を下端座標における値とする信号を表示ユニット部7へ出力する。
【0030】
表示ユニット部7は、有効期間検出部5から入力される左端、右端、上端、下端座標、及び、アドレス発生部4から入力される水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2に基づいて、映像信号を表示デバイスの適切な位置に表示する。例えば、左端座標が“5”、右端座標が“12”、上端座標が“4”、下端座標が“7”の場合には、水平、垂直アドレスが(5,4)のタイミングで入力された映像信号は左上の画素に表示され、水平、垂直アドレスが(6,4)のタイミングで入力された映像信号はその右隣の画素に表示される。表示デバイス上の位置と水平、垂直アドレスの関係を図5に示す。
【0031】
以上説明したように、実施の形態1に係る映像信号の有効期間検出回路を用いれば、水平同期信号H1や垂直同期信号V1から映像信号S1にクロストークにより混入したノイズ成分の影響を受けることなく、映像信号の有効期間を正確に検出することができる。
【0032】
尚、実施の形態1に係る映像信号の有効期間検出回路においては、水平、垂直同期信号V1の前縁(立ち下がり)と後縁(立ち上がり)の両方を基準に検出領域窓信号D1を生成しているが、本発明はこれに限定されることはなく、同期信号のアクティブな期間(前縁から後縁まで)の時間幅を測定しておき、同期信号の前縁から、測定した時間幅+tpまでローになるように検出領域窓信号D1を生成してもよい。
【0033】
実施の形態2
図6は、本発明の実施の形態2に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置を示すブロック図である。図6において、1はAD変換部、2はPLL部、3は検出領域窓信号生成部、8は水平同期信号H1及び垂直同期信号V1のアクティブな期間を測定する同期信号期間測定部、4はアドレス発生部、5は有効期間検出部である。ここで、検出領域窓信号生成部3、同期信号期間測定部8、アドレス発生部4、及び有効期間検出部5は、映像信号の有効期間検出回路6を構成している。また、7は液晶パネルやPDP等の表示デバイスを具備した表示ユニット部である。
【0034】
以下、図6の表示装置の動作について図7のタイミングチャートを用いて説明する。図7は、実施の形態2に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置の各部のタイミングを示すものである。図7(a)は、入力される映像信号S1、図7(b)は、入力される水平同期信号H1、図7(c)は、アドレス発生部4が出力する垂直アドレス信号V2、図7(d)は、水平アドレス信号H2、図7(e)は、検出領域窓信号D1、図7(f)は、有効期間検出部5の内部処理で用いる有効期間検出フラグ信号F1である。
【0035】
同期信号期間測定部8は、水平同期期間測定回路と垂直同期期間測定回路により構成されており、それぞれ、水平同期信号H1の前縁から後縁までの時間、垂直同期信号V1の前縁から後縁までの時間を測定し、水平同期信号H1がローである期間の幅及び垂直同期信号V1がローである期間の幅の情報として検出領域窓信号生成部3に出力する。
【0036】
検出領域窓信号生成部3は、水平基準信号の立ち下がりエッジ(水平同期信号H1の立ち下がりエッジに一致する)でローになり、水平同期信号H1がローである期間の幅に時間tpだけ加算した時間の経過後にハイになる信号と、垂直同期信号V1の立ち下がりでローになり、垂直同期信号V1がローである期間の幅に時間tpだけ加算した時間の経過後にハイになる信号との論理積により検出領域窓信号D1(図7(e))を生成する。
【0037】
以後、実施の形態1と同様に、検出領域窓信号D1を用いて、有効期間検出部5が、クロストーク・ノイズCNを除外して映像信号S1の有効期間を検出し、また、表示ユニット部7は、有効期間検出部5の検出結果により、有効期間の映像を表示デバイスの適切な位置に表示する。
【0038】
以上説明したように、実施の形態2の映像信号の有効期間検出回路を用いれば、水平同期信号H1及び垂直同期信号V1から映像信号S1にクロストークにより混入したノイズ成分の影響を受けることなく、映像信号の有効期間を正確に検出することができる。
【0039】
尚、上記実施の形態1及び2においては、同期信号の立ち下がり位置から立ち上がり位置付近まで有効期間の検出を禁止したが、本発明はこれには限定されず、変化した近辺だけを検出禁止にするようにしてもよい。
【0040】
実施の形態3
実施の形態3に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置のブロック図は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態3の説明においては、図1をも参照する。また、実施の形態3に係る映像信号の有効期間検出回路は、検出領域窓信号生成部3の動作のみが、上記実施の形態1のものと相違する。
【0041】
図8に、実施の形態3に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置の各部のタイミングチャートを示す。図8(a)は、入力される映像信号S1、図8(b)は、入力される水平同期信号H1である。また、図8(c)は、アドレス発生部4が出力する垂直アドレス信号V2、図8(d)は、水平アドレス信号H2、図8(e)は、検出領域窓信号D1、図8(f)は、有効期間検出部5の内部処理で用いる有効期間検出フラグ信号F1である。尚、図8(e)に示される検出領域窓信号D1以外は、図2に示される実施の形態1の各信号と同様である。
【0042】
検出領域窓信号生成部3は、水平同期信号H1又は垂直同期信号V1の立ち下がりでローになり、立ち下がりから時間tpだけ遅延した時点でハイになる。また、水平同期信号H1又は垂直同期信号V1の立ち上がりで再度ローになり、立ち上がりから時間tpだけ遅延した時点でハイになる検出領域窓信号D1(図8(e))を生成している。
【0043】
この検出領域窓信号D1は、実施の形態1と同様に、有効期間検出部5において、有効期間の検出に用いられる。以後、表示ユニット部7において映像信号S1が表示されるまで、上記実施の形態1と同様である。
【0044】
以上説明したように、実施の形態3に係る映像信号の有効期間検出回路を用いれば、同期信号が変化した位置だけ、有効期間の検出を禁止するようにしてもクロストーク・ノイズCNの影響を除外することができ、映像信号の有効期間を正確に検出することができる。
【0045】
尚、上記実施の形態1,2,3では、映像信号S1と閾値THの比較結果に対して、検出領域窓信号D1で検出領域を指定したが、本発明はこの方法に限定されることはなく、検出領域窓信号D1で映像信号S1に対してゲートをかけてから、閾値THと比較するように構成してもよい。
【0046】
実施の形態4
図9は、本発明の実施の形態4に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置を示すブロック図である。図9において、1はAD変換部、2はPLL部、3は検出領域窓信号生成部、4はアドレス発生部、9は検出領域窓信号D1を制御信号として映像信号を通過、非通過するゲート部、5は有効期間検出部である。ここで、検出領域窓信号生成部3、アドレス発生部4、ゲート部9、及び有効期間検出部5は、映像信号の有効期間検出回路6を構成している。また、7は、表示ユニット部である。
【0047】
以下、図9の表示装置の動作について、図10のタイミングチャートを用いて説明する。図10は、ゲート部9の入出力信号を示している。図10(a)はAD変換部1からの入力信号である映像信号S1、図10(b)は、検出領域窓信号生成部3からの入力信号である検出領域窓信号D1である。また、図10(c)は、ゲート部9の出力信号である。
【0048】
実施の形態1と同様に、検出領域窓信号生成部3は、検出領域窓信号D1を生成する。ゲート部9は、図10に示されるように、この検出領域窓信号D1がハイのときに、入力された映像信号S1をそのまま出力し、ローのときに、ゼロを出力する。尚、ここで言う「ゼロ」とは、映像信号の黒を意味する。これにより、水平同期信号H1及び垂直同期信号V1のクロストークにより重畳されたノイズが除去される。
【0049】
ゲート部9の出力信号は、有効期間検出部5に入力される。有効期間検出部5は、ゲート部9で処理された映像信号と所定の閾値THを比較しており、映像信号が閾値TH以上でハイ、それ以外でローになる有効期間検出フラグ信号F1を生成する。さらに、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の水平アドレス信号H2の値を左端座標における値とし、最大の値を右端座標における値とする信号を表示ユニット部7へ出力する。また、有効期間検出フラグ信号F1がハイの状態の最小の垂直アドレス信号V2の値を上端座標における値とし、最大の垂直アドレス信号V2の値を下端座標における値とする信号を表示ユニット部7へ出力している。
【0050】
以後、上記実施の形態1と同様に、表示ユニット部7では、アドレス発生部4から入力される左端、右端、上端、下端座標、及び水平アドレス信号H2及び垂直アドレス信号V2から、映像信号が表示デバイスの適切な位置に表示するように制御される。
【0051】
以上説明したように、実施の形態4に係る映像信号の有効期間検出回路を用いれば、クロストーク・ノイズCNの影響を除外することができ、映像信号の有効期間を正確に検出することができる。
【0052】
尚、上記の実施の形態1から4までにおいては、有効期間検出回路の検出結果を画面の位置を制御することに用いたが、本発明はこれに限定されることはなく、1ラインのサンプリング数を求めるデータとして用いてもよい。例えば、水平1024画素、垂直768ラインの有効期間をもつXGA信号が入力された場合は、検出した有効期間の幅が、1024になるように1ラインのサンプリング数を決めるように、PLL部の分周数を決定してもよい。
【0053】
また、本発明による有効期間検出回路は、液晶パネル、PDP、DLP(Digital Light Processing)、FED、EL等の行列型表示デバイスに限らず、画面の位置調整が必要ないかなる表示デバイスにも適応できる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1から5までの映像信号の有効期間検出回路によれば、水平同期信号及び垂直同期信号が変化した付近では有効期間の検出をしないようにしたので、伝送路で同期信号が映像信号に混入することによって生ずるクロストーク・ノイズの影響を除去することができ、その結果、有効期間を正確に検出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1に係る映像信号の有効期間検出回路の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】 図1の検出領域窓信号生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 図1の検出領域窓信号生成部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】 図1の表示装置の画面表示の状態を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る有効期間検出回路を用いた表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 実施の形態2に係る映像信号の有効期間検出回路の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 本発明の実施の形態3に係る有効期間検出回路を用いた表示装置の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態4に係る有効期間検出回路を用いた表示装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 図9のゲート部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】 従来の映像信号の有効期間検出回路を用いた表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 従来の映像信号の有効期間検出回路の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】 図11の表示装置の画面表示の状態を示す図である。
【図14】 従来の映像信号の有効期間検出回路の各部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】 図11の表示装置の画面表示の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 AD変換部、 2 PLL部、 3 検出領域窓信号生成部、 4 アドレス発生部、 5 有効期間検出部、 6 有効期間検出回路、 7 表示ユニット部、 8 同期信号期間測定部、 9 ゲート部。

Claims (5)

  1. 第1の周期で第1の期間だけ第1のレベルであり、それ以外の期間は第2のレベルである垂直同期信号と、第2の周期で第2の期間だけ第3のレベルであり、それ以外の期間は第4のレベルである水平同期信号と、映像信号とに基づいて、上記映像信号中の表示装置に表示されるべき期間を検出する映像信号の有効期間検出回路において、
    垂直同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第1の検出不許可期間及び水平同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第2の検出不許可期間の少なくともいずれか一方に属する期間においては第5レベルであり、それ以外の期間においては第6のレベルである検出領域窓信号を生成する検出窓信号生成部と、
    上記映像信号のレベルが所定の閾値以上であり、且つ、上記検出領域窓信号が第6のレベルである期間を有効期間として出力する有効期間検出部と
    を有することを特徴とする映像信号の有効期間検出回路。
  2. 第1の周期で第1の期間だけ第1のレベルであり、それ以外の期間は第2のレベルである垂直同期信号と、第2の周期で第2の期間だけ第3のレベルであり、それ以外の期間は第4のレベルである水平同期信号と、映像信号とに基づいて、上記映像信号中の表示装置に表示されるべき期間を検出する映像信号の有効期間検出回路において、
    垂直同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第1の検出不許可期間及び水平同期信号がそのレベルを変化させる時点を含むように設定された所定の長さの第2の検出不許可期間の少なくともいずれか一方に属する期間においては第5レベルであり、それ以外の期間においては第6のレベルである検出領域窓信号を生成する検出窓信号生成部と、
    上記検出領域窓信号が第6のレベルであるときに映像信号を通過させ、上記検出領域窓信号が第5のレベルであるときに映像信号のレベルをゼロレベルにして出力するゲート部と、
    上記ゲート部の出力信号のレベルが所定の閾値以上である期間を有効期間として出力する有効期間検出部と
    を有することを特徴とする映像信号の有効期間検出回路。
  3. 上記第1の検出不許可期間は、垂直同期信号が第2のレベルから第1のレベルに変化する時点で始まり、その直後に垂直同期信号が第1のレベルから第2のレベルに戻る時点から所定時間経過した時点で終了する期間であり、
    上記第2の検出不許可期間は、水平同期信号が第4のレベルから第3のレベルに変化する時点で始まり、その直後に水平同期信号が第3のレベルから第4のレベルに戻る時点から所定時間経過した時点で終了する期間である
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の映像信号の有効期間検出回路。
  4. 垂直同期信号が第1のレベルになる上記第1の期間と水平同期信号が第3のレベルになる上記第2の期間とを測定する同期信号期間測定部を有し、
    上記第1の検出不許可期間は、垂直同期信号が第2のレベルから第1のレベルに変化する時点で始まり、その後、上記第1の期間に所定時間を加えた時間が経過した時点で終了する期間であり、
    上記第2の検出不許可期間は、水平同期信号が第4のレベルから第3のレベルに変化する時点で始まり、その後、上記第2の期間に所定時間を加えた時間が経過した時点で終了する期間である
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の映像信号の有効期間検出回路。
  5. 上記第1の検出不許可期間は、垂直同期信号が第2のレベルから第1のレベルに変化する第1の時点で始まり、この第1の時点から所定時間経過した時点で終了する期間、及び、垂直同期信号が第1のレベルから第2のレベルに変化する第2の時点で始まり、この第2の時点から所定時間経過した時点で終了する期間からなり、
    上記第2の検出不許可期間は、水平同期信号が第4のレベルから第3のレベルに変化する第3の時点で始まり、この第3の時点から所定時間経過した時点で終了する期間、及び、水平同期信号が第3のレベルから第4のレベルに変化する第4の時点で始まり、この第4の時点から所定時間経過した時点で終了する期間からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の映像信号の有効期間検出回路。
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