図12および図13は、本発明の画像形成装置としての一実施形態である複合機Fを示す斜視図である。この複合機Fは、画像形成装置本体としてのプリンタ本体1に、画像読取ユニットとしてのフラットベットタイプのスキャナユニット81が装着されており、プ
リント機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク通信機能などを備えている。
図1は、プリンタ本体1の一実施形態を示す要部側断面図である。まず、図1を参照してプリンタ本体1を説明する。
図1において、プリンタ本体1は、レーザプリンタとして構成されており、樹脂製の本体フレーム2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するための給紙部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6などを備えている。なお、以下の説明において、このプリンタ本体1の給紙ローラ8が設けられる側を前側(正面側)、後述する定着部28が設けられる側を後側(背面側)とする。
なお、本体フレーム2において、駆動機構が取り付けられる左側のフレームは、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)で形成されており、右側フレームは、PS(ポリスチレン)で形成されている。ことに、左側フレームおよび右側フレームは、ガラス繊維などの強化剤が入っていない樹脂で形成されている。
給紙部4は、給紙カセット7と、給紙カセット7の一端側(前側)端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パット9と、給紙ローラ8から給紙された用紙3を反転させて後側に搬送するための給紙パス10と、給紙パス10に臨む紙粉取りローラ11およびレジストローラ12とを備えている。
給紙カセット7は、上方が開口したボックス状に形成されており、本体フレーム2内の底部において、プリンタ本体1の本体フレーム2に対して前側から着脱可能に装着されている。この給紙カセット7内には、用紙押圧板13およびばね14が設けられている。
用紙押圧板13は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部が上下方向に移動可能とされている。また、ばね14は、用紙押圧板13における給紙ローラ8に対して近い方の端部の裏面を、上方向に付勢するように設けられている。そのため、用紙押圧板13は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点として、ばね14の付勢力に抗して下向きに揺動される。
給紙ローラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設され、給紙パット9の裏側に設けられるばね15によって、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
用紙押圧板13上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板13の裏側からばね14によって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、給紙ローラ8が回転されることにより、その用紙3が、給紙ローラ8および給紙パット9とで1枚毎に分離されながら、給紙パス10に向かって給紙される。
そして、給紙された用紙3は、給紙パス10における給紙ローラ8の上方に配置され、1対のローラからなる紙粉取りローラ11によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ12に送られる。
レジストローラ12は、1対のローラからなり、用紙3をレジスト後に、画像形成位置(感光ドラム37と転写ローラ39との接触位置)に搬送するようにしている。
また、給紙部4は、さらに、異なるサイズの用紙3をスタックして給紙できるマルチパーパス給紙部21を備えている。すなわち、このプリンタ本体1には、本体フレーム2の
前面(正面)に、フロントカバー16が設けられており、このフロントカバー16に、マルチパーパス給紙部21が設けられている。
フロントカバー16は、図12にも示すように、側面視略コ字状、正面視略矩形状の底浅とされる一側(本体フレーム2の前面と対向する側)開放の略ボックス状をなし、前壁17、後述する受け面の突出部分としての上側壁18、下側壁19、2つの側壁20が一体的に形成されている。
このフロントカバー16は、本体フレーム2の前面において、下側壁19に設けられる図示しないヒンジを介して、本体フレーム2に回動可能に支持され、図1の仮想線で示すように、その上側壁18が前後方向(用紙3の排紙方向、以下同じ。)に揺動することにより、本体フレーム2に対して開閉できるように設けられている。
なお、このフロントカバー16は、図15および図16に示すように、側面視において、後述するジョイントカバー61のサイドカバー63よりも前後方向前側に突出しており、その上側壁18の上面が、後側から前側に向かう方向において、下方に向かって傾斜するような形状に形成されている。
また、上側壁18の幅方向(用紙3の排紙方向と直交する方向、以下同じ。)両端部における後述するジョイントカバー61のサイドカバー63の前端凹部66と連続する本体側連続部22は、その前端凹部66と段差なく連続する形状として形成されており、前端凹部66と同様に、両外側後方に向かって傾斜する湾曲形状の傾斜面が形成されている。
そして、マルチパーパス給紙部21は、図1に示すように、このフロントカバー16の前壁17に設けられる記録媒体支持手段としてのマルチパーパストレイ23と、フロントカバー16内において、本体フレーム2の前側下端部に回転可能に支持されるマルチパーパス側給紙ローラ24およびマルチパーパス側給紙パット25とを備えている。
マルチパーパストレイ23は、図12にも示すように、正面視略矩形板状をなし、図1の仮想線で示すように、その下端部に設けられる図示しないヒンジを介して、フロントカバー16の前壁17に回動可能に支持され、その上端部が前後方向に揺動することにより、フロントカバー16の前壁17に対して、開閉可能に設けられている。
マルチパーパス側給紙ローラ24およびマルチパーパス側給紙パット25は、互いに対向状に配設され、マルチパーパス側給紙パット25の裏側に配設される図示しないばねによって、マルチパーパス側給紙パット25がマルチパーパス側給紙ローラ24に向かって押圧されている。展開状態にあるマルチパーパストレイ23上にスタックされる用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ24の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ24とマルチパーパス側給紙パット25とで挟まれた後、1枚毎に分離されながら、給紙パス10に向かって給紙される。
画像形成部5は、スキャナ部26、プロセス部27、定着部28などを備えている。
スキャナ部26は、本体フレーム2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー29、レンズ30および31、反射鏡32、33および34などを備えており、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー29、レンズ30、反射鏡32および33、レンズ31、反射鏡34の順に通過あるいは反射させて、プロセス部27の感光ドラム37の表面上に高速走査にて照射させている。
プロセス部27は、スキャナ部26の下方に配設され、本体フレーム2に対して着脱自在に装着されるドラムカートリッジ35内に、現像カートリッジ36、感光ドラム37、スコロトロン型帯電器38および転写ローラ39などを備えている。なお、ドラムカートリッジ35は、本体フレーム2の前面に設けられるフロントカバー16を開閉することによって、本体フレーム2に着脱可能とされている。
現像カートリッジ36は、ドラムカートリッジ35に対して着脱自在に装着されており、現像ローラ40、層厚規制ブレード41、供給ローラ42、トナーホッパ43などを備えている。
トナーホッパ43内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
そして、トナーホッパ43内のトナーは、トナーホッパ43の中心に設けられる回転軸44に支持されるアジテータ45の矢印方向(時計方向)への回転により攪拌されて、トナーホッパ43の側部に開口されたトナー供給口46から放出される。
トナー供給口46の側方位置には、供給ローラ42が回転可能に配設されており、また、この供給ローラ42に対向して、現像ローラ40が回転可能に配設されている。そして、これら供給ローラ42と現像ローラ40とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
供給ローラ42は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
また、現像ローラ40は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。より具体的には、現像ローラ40のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。なお、現像ローラ40には、現像バイアスが印加されるように構成されている。
また、現像ローラ40の近傍には、層厚規制ブレード41が配設されている。この層厚規制ブレード41は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部を備えており、現像ローラ40の近くにおいて現像カートリッジ36に支持されて、押圧部がブレード本体の弾性力によって現像ローラ40上に圧接されるように構成されている。
そして、トナー供給口46から放出されるトナーは、供給ローラ42の回転により、現像ローラ40に供給され、この時、供給ローラ42と現像ローラ40との間で正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ40上に供給されたトナーは、現像ローラ40の回転に伴って、層厚規制ブレード41の押圧部と現像ローラ40との間に進入し、一定厚さの薄層と
して現像ローラ40上に担持される。
感光ドラム37は、現像ローラ40の側方位置において、その現像ローラ40と対向するような状態で、ドラムカートリッジ35において、矢印方向(時計方向)に回転可能に支持されている。この感光ドラム37は、ドラム本体が接地され、その表面がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
スコロトロン型帯電器38は、感光ドラム37の上方に、感光ドラム37に接触しないように、所定間隔を隔てて対向配置されている。このスコロトロン型帯電器38は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム37の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
転写ローラ39は、感光ドラム37の下方において、この感光ドラム37に対向配置され、ドラムカートリッジ35に矢印方向(反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ39は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアスが印加されるように構成されている。
そして、感光ドラム37の表面は、感光ドラム37の回転に伴なって、まず、スコロトロン型帯電器38によって一様に正極性に帯電された後、次いで、スキャナ部26からのレーザビームにより露光されて静電潜像が形成され、その後、現像ローラ40と対向した時に、現像ローラ40に印加される現像バイアスにより、現像ローラ40上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム37に対向して接触する時に、感光ドラム37の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム37の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによってトナー像が形成され、これによって反転現像が達成される。
その後、感光ドラム37の表面上に担持されたトナー像は、用紙3が感光ドラム37と転写ローラ39との間を通る間に、転写ローラ39に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。
定着部28は、プロセス部27の側方であって、用紙3の搬送方向下流側に配設され、加熱ローラ47、加熱ローラ47を押圧する押圧ローラ48、および、これら加熱ローラ47および押圧ローラ48の下流側に設けられる1対の搬送ローラ49を備えている。
加熱ローラ47は、金属筒状をなし、ハロゲンランプからなるヒータを内装しており、そのヒータによって加熱されるように構成されている。
また、押圧ローラ48は、この加熱ローラ47を押圧した状態で、この加熱ローラ47に従動して回転される。
そして、定着部28では、プロセス部27において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ47と押圧ローラ48との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ49によって、排紙部6の排紙パス50に搬送するようにしている。
排紙部6は、排紙パス50と、排出手段としての排紙ローラ51と、受け面としての排紙トレイ52とを備えている。排紙パス50は、搬送ローラ49から、その搬送ローラ49の上方に配置される排紙ローラ51に至る上下方向に延びる経路として構成されている。
排紙トレイ52は、平面視略矩形板状をなし、後端部が搬送ローラ49と排紙ローラ5
1との間の上下方向途中に配置され、その後端部から前側に向かって上方に傾斜する傾斜板部53と、傾斜板部53の前端部から略水平方向に平坦状に形成され、前端部がフロントカバー16の上側壁18の遊端部と対向する平坦板部54とが連続して一体的に形成されている。
また、排紙トレイ52には、その平坦板部54に、排紙される用紙3を止めるストッパ部材55が設けられている。
すなわち、平坦板部54には、その幅方向略中央部に、平面視略矩形状の凹部が形成されており、その凹部にストッパ部材55が埋設されている。このストッパ部材55は、平面視略矩形板状をなし、その前端部に設けられるヒンジ56を介して、平坦板部54に回動可能に支持されている。そして、ストッパ部材55は、図1の仮想線で示すように、前端部に設けられるヒンジ56を支点として、後端部が前後方向に揺動することにより、平坦板部54に対して、開閉可能に構成されており、展開状態(図1の仮想線で示す状態)において、傾斜板部53よりも前側上方に向かう傾斜角度が大きくなるように配置されることにより、排紙される用紙3が給紙トレイ52の前端部から落ちることを防止している。
そして、搬送ローラ49によって排紙パス50に送られた用紙3は、排紙ローラ51に送られて、その排紙ローラ51によって、排紙トレイ52上に後側(背面側)から前側(正面側)に向かって排紙される。
また、このプリンタ本体1には、用紙3の両面に画像を形成するために、両面印刷手段としての反転搬送部57が設けられている。この反転搬送部57は、排紙ローラ51と、反転搬送パス58と、フラッパ59と、複数の反転搬送ローラ60とを備えている。
排紙ローラ51は、1対のローラからなり、正回転および逆回転の切り換えができるように構成されている。この排紙ローラ51は、上記したように、排紙トレイ52上に用紙3を排紙する場合には、正方向に回転するが、用紙3を反転させる場合には、逆方向に回転する。
反転搬送パス58は、排紙ローラ51から画像形成部5の下方に配設される複数の反転搬送ローラ60まで用紙3を搬送することができるように、上下方向に沿う経路として構成されており、その上流側端部が、排紙ローラ51の近くに配置され、その下流側端部が、反転搬送ローラ60の近くに配置されている。
フラッパ59は、排紙パス50と反転搬送パス58との分岐部分に臨むように、揺動可能に設けられており、図示しないソレノイドの励磁または非励磁により、排紙ローラ50によって反転された用紙3の搬送方向を、排紙パス50に向かう方向から、反転搬送パス58に向かう方向に切り換えることができるように構成されている。
反転搬送ローラ60は、給紙カセット7の上方において、略水平方向に複数設けられており、最も上流側の反転搬送ローラ60が、反転搬送パス58の後端部の近くに配置されるとともに、最も下流側の反転搬送ローラ60が、レジストローラ12の下方に配置されるように設けられている。
そして、用紙3の両面に画像を形成する場合には、この反転搬送部57が、次のように動作される。すなわち、一方の面に画像が形成された用紙3が搬送ローラ49によって排紙パス50から排紙ローラ51に送られてくると、排紙ローラ51は、用紙3を挟んだ状態で正回転して、この用紙3を一旦外側(排紙トレイ52側)に向けて搬送し、用紙3の
大部分が排紙トレイ52上に送られ、用紙3の後端が排紙ローラ51に挟まれた時に、正回転を停止する。
次いで、排紙ローラ51は、逆回転し、フラッパ59が、用紙3が反転搬送パス58に搬送されるように、搬送方向を切り換えて、用紙3を前後逆向きの状態で反転搬送パス58に搬送するようにする。なお、フラッパ59は、用紙3の搬送が終了すると、元の状態、すなわち、搬送ローラ49から送られる用紙3を排紙ローラ51に送る状態に切り換えられる。
次いで、反転搬送パス58に逆向きに搬送された用紙3は、反転搬送ローラ60に搬送され、この反転搬送ローラ60から、上方向に反転されて、給紙パス10に送られ、レジストローラ12に送られる。レジストローラ12に搬送された用紙3は、裏返しの状態で、再び、レジスト後に、画像形成位置に向けて送られ、これによって、用紙3の両面に画像が形成される。
なお、このプリンタ本体1の反転搬送部57では、両面印刷できる用紙3の最大サイズが、A4サイズに設定されている。
また、このプリンタ本体1には、複合機Fの各部を制御するための回路基板としてのメイン基板95が、図2に示すように、本体フレーム2の左右方向左側であって前後方向後側の側面に設けられている。
そして、複合機Fは、このプリンタ本体1に、操作パネルユニット71(図12参照)およびスキャナユニット81(図12参照)が組み付けられている。
次に、このような複合機Fの組み付け方法について、図2ないし図19を参照して説明する。
まず、この方法においては、図2に示すプリンタ本体1の本体フレーム2に、図3および図4に示すように、支持部材(画像読取装置支持部材および操作パネル支持部材)としてのジョイントカバー61を装着する。
ジョイントカバー61は、ガラス繊維などの強化剤が入っていないPS(ポリスチレン)樹脂から成形され、図3および図4に示すように、本体フレーム2の上方を覆い、スキャナユニット81が装着されるスキャナユニット装着部62と、本体フレーム2の幅方向(左右方向、以下同じ。)両側を覆う側壁としてのサイドカバー63と、本体フレーム2の後側を覆うリヤカバー64と、本体フレーム2の上方前側を覆い、操作パネルユニット71が装着される操作パネルユニット装着部65とが一体的に成形されている。
スキャナユニット装着部62には、図14にも示すように、排紙トレイ52と対向する位置に、両側壁62a、上壁62bおよび後壁62cが連続して形成されており、これらで囲まれる部分が、下方および前側が開放される正面視ロ字状をなし、その内側空間が、後述する排紙部99における用紙3が排紙される排紙スペースとされている。
なお、両側壁62aは、次に述べる各サイドカバー63の前側凹部66と連続して形成されている。
サイドカバー63は、ジョイントカバー61の本体フレーム2への装着状態において、排紙トレイ52を挟んで互いに対向配置され、その下端部が、本体フレーム2の幅方向両側を被覆できる幅として形成されている。また、サイドカバー63は、その下端部から上
端部に向かうに従って、本体フレーム2の幅方向両側から外方に向かって突出するように湾曲し(特に上端部近傍において急激に湾曲し)、その上端の突出部63aが、スキャナユニット81を受けることができるような、下端部より幅広の正面視略きのこ状(図14参照)に形成されている。
また、各サイドカバー63の突出部63aの下面には、前後方向に沿って溝状に、複合機Fを持ち上げるための把持部80が設けられている(図15および図16参照)。
サイドカバー63を、このような形状に形成することにより、ジョイントカバー61における左右方向に突出する突出部63aの把持部80を把持して、複合機Fを持ち上げて容易に持ち運ぶことができる。
また、各サイドカバー63の前側(用紙排紙方向における下流側、以下同じ。)の端部は、幅方向内側に屈曲され、その前面における上下方向中央部が最も深くなるように、後側(用紙排紙方向における上流側、以下同じ。)に向かって円弧状に窪む凹部としての前端凹部66が形成されている(図15および図16参照)。
また、各前端凹部66は、各前端凹部66において最も後側に窪む上下方向中央部の最深部(つまり、前端凹部66の用紙排出方向における上流側端部)66aが、後述するスキャナユニット81の原稿台82の前端部82aよりも前側であって(図15および図16参照)、かつ、両面印刷時において、排紙ローラ51によって、一方の面に画像が形成されたA4サイズの用紙3が一旦排紙トレイ52上に送り出されたときに、その送り出された用紙3の後端部(すなわち、プリンタ本体1における前後方向の前端部)Mよりも、前側に配置されるように形成されている(図19参照)。
また、各前端凹部66は、各前端凹部66の最深部66aが、収容状態にあるストッパ部材55の前端部(ヒンジ56が設けられる支持側の端部)よりも前側であって、開状態にあるストッパ部材55の後端部(ヒンジ56が設けられる側と反対側の遊端部)よりも、後側に配置されるように形成されている(図19参照)。
また、各サイドカバー63の各前端凹部66は、その前面の幅方向外側部分が、両外側後方に向かって傾斜する湾曲形状の傾斜面66bとして形成されている(図14参照)。
また、図3および図4に示すように、各サイドカバー63の下端部における前後方向途中には、タップタイト型のねじ67を挿通するための装着部としての樹脂製の取付部68が、下方に向かって略矩形状に膨出形成されている。
リヤカバー64は、背面視略矩形板状に形成されており、下端部における幅方向両側端部には、サイドカバー63と同様に、タップタイト型のねじ67を挿通するための装着部としての樹脂製の取付部68が、下方に向かって略矩形状に膨出形成されている。
操作パネルユニット装着部65は、スキャナユニット装着部62の前側において、各サイドカバー63の前端凹部66よりも、前側に突出するように形成されている(図15および図16参照)。この操作パネルユニット装着部65における各サイドカバー63の前端凹部66と連続する操作パネル側連続部69は、その前端凹部66と段差なくなめらかに連続する形状として形成されている(図15および図16参照)。
また、操作パネルユニット装着部65の上側は、操作パネルユニット71を受けるために、平面視において、操作パネルユニット71と略同一形状に形成されており、操作パネルユニット71をねじ止めするためのねじ台座部70が、操作パネルユニット71の後端
部が対向する位置において、幅方向において、所定間隔を隔てて複数(4つ)設けられている。
また、このジョイントカバー61には、スキャナユニット装着部62におけるリヤカバー64の近傍にも、幅方向に所定の間隔を隔てて、スキャナユニット81の原稿台82をねじ止めするためのねじ台座部70が複数(2つ)設けられている。
なお、このジョイントカバー61には、図3に示すように、左右方向左側であって前後方向後側の側面に、プリンタ本体1のメイン基板95と、後述する走査モータ84aおよび搬送モータ90aとを電気的に接続するためのハーネス96を中継する回路基板としての中継基板95aが設けられている。
そして、このジョイントカバー61は、図3および図4に示すように、本体フレーム2の上部に被せた後、各サイドカバー63およびリヤカバー64の各取付部68に、タップタイト型のねじ67を挿通して、各ねじ67を樹脂製の本体フレーム2に螺着させることにより、図5に示すように、本体フレーム2に装着される。
より具体的には、取付部68を介して螺着されるねじ67が、その取付部68と対向する被装着部としての樹脂製の本体フレーム2の部分を変形させながら螺進して、本体フレーム2において固定される。
このように、樹脂製の取付部68を、ねじ67を介して樹脂製の本体フレーム2に固定する、つまり、プリンタ本体1およびジョイントカバー61の装着部位がともに樹脂製であれば、これら各部の熱膨張および熱収縮を、装着部位が樹脂および金属からなる場合に比べて、より近くすることができる。そのため、装着部位におけるプリンタ本体1およびジョイントカバー61の歪を低減して装置の剛性を向上させることができる。
次いで、この組み付け方法では、図6および図7に示すように、ジョイントカバー61の操作パネルユニット装着部65に、操作パネルとしての操作パネルユニット71を装着する。
操作パネルユニット71は、スキャナユニット81とは別体として、平面視略細長矩形板状に形成されており、ジョイントカバー61に装着された状態で、後述する原稿台82と略面一で隣り合う平坦状の上端パネル面72と、その上端パネル面72における原稿台82と隣り合う側と反対側の前端部から、斜め下方に向かって屈曲形成される傾斜状の操作パネル面73とが一体的に形成されている。操作パネル面73には、プリンタ本体1およびスキャナユニット81を使用者が操作するための各種の操作キー群74が設けられている。
また、この操作パネルユニット71には、図18に示すように、後述するスキャナユニット81の原稿台82に、原稿として本77を開けて載置した場合に、その本77の一部が操作キー群74を誤って押下することを防止するために、誤押下規制部としての上規制突部75、下規制突部75bおよびカバープレート76が設けられている。
上規制突部75は、操作パネル面73を前後方向において緩やかな突状に形成することによって、上端パネル面72と操作パネル面73との境界の屈曲部分において、上端パネル面72から連続する操作パネル面73の左右方向全幅にわたる上端部が上方に突出するように湾曲させることによって形成されている。これによって、原稿台82に本77を開けて載置した場合に、その本77の一部が操作パネル面73の操作キー群74の上方にかかることがあっても、この上規制突部75によって、その本77の一部が、上端パネル面
72と操作パネル面73との境界の屈曲部分に追従して屈曲することを防止でき、本77による操作キー群74の押下を防止することができる。
下規制突部75bは、操作パネル面73の操作キー群74が配置された位置よりも前側において、操作パネル面73に対して、操作パネル73の左右方向全幅にわたる下端部が上方に突出するように湾曲させることによって形成されている。これによって、原稿台82に本77を開けて載置した場合に、この本77が上規制突部75と下規制突部75bとに当接することによって、本77の一部が操作キー群74を押下することを、より防止することができる。
カバープレート76は、図12および図18に示すように、操作パネルユニット71の幅方向中央部に設けられた表示部を覆い、操作パネル面73の前後方向を、操作パネル面73と所定間隔を隔てて覆うように設けられている。このカバープレート76は、透明な樹脂板から形成されており、操作パネル面73を覆う状態において、操作パネル面73からわずかに盛り上がるように形成されている。これによって、原稿台82に本77を開けて載置した場合に、その本77の一部が操作パネル面73の操作キー群74の上方にかかることがあっても、その本77の一部がこのカバープレート76上に載置されるので、本77による操作キー群74の押下を防止することができる。
したがって、このような上規制突部75、下規制突部75bおよびカバープレート76によって、スキャナユニット81において読み取る本77などの原稿が、誤って操作キー群74を押下することを防止できるので、装置の誤動作を防止することができる。
そして、この操作パネルユニット71には、図6に示すように、その後端部が、ジョイントカバー61のねじ台座部70と接触可能な高さに形成されており、その後端部の幅方向において、所定間隔を隔てて複数(4つ)の取付孔78が形成されている。この操作パネルユニット71を操作パネルユニット装着部65上に載置した状態で、各取付孔78にねじ79を挿通し、各ねじ79を、ジョイントカバー61に設けられる各ねじ台座部70に螺着させることによって、図7に示すように、操作パネルユニット71がジョイントカバー61に装着される。
このようにして装着された操作パネルユニット71は、図19に示すように、プリンタ本体1よりも前側に突出するように配置され、また、操作パネルユニット71の前端部が、不使用時においてフロントカバー16内に収容状態にあるマルチパーパストレイ23の遊端部(図示しないヒンジで支持されている側の端部と反対側の端部)よりも前側に位置され、仮想線で示すように、使用時においてフロントカバー16から開状態にあるマルチパーパストレイ23の遊端部よりも後側に位置されるように配置されている。
次いで、この組み付け方法では、図8ないし図17に示すように、ジョイントカバー61に、スキャナユニット81を装着する。
スキャナユニット81は、図12に示すように、原稿台82と、原稿台82に対して開閉可能に装着される原稿押さえ部材としての原稿押さえカバー83とを備えている。
原稿台82は、略矩形厚板状に形成されており、その上面には、原稿が載置される略矩形状の透明板としてのガラス板85が設けられており、原稿を読み取るための原稿読取手段としてのCCDセンサ84と、そのCCDセンサ84をガラス板85と対向状に走査させるための走査駆動源としての走査モータ84a(図17参照)とが内装されている。
CCDセンサ84は、常にはガラス板85よりも左端に待機され、走査モータ84a(
図17参照)も、CCDセンサ84の近傍、より具体的には、この原稿台82の左右方向左側であって前後方向後側に内装されている。CCDセンサ84は、この走査モータ84aの駆動によりガラス板85と対向するように左右方向に走査される。
また、この原稿台82には、図8に示すように、その後端部に固定ねじ86を挿通するための挿通孔87が、幅方向において所定間隔を隔てて複数(2つ)形成されている。また、この原稿台82には、その後端部に、原稿押さえカバー83を開閉自在に装着するための後述するメインヒンジ91およびサブヒンジ92が嵌合されるヒンジ装着溝88aおよび88bが、幅方向において所定間隔を隔てて複数(2つ)設けられている。なお、後述するメインヒンジ91が挿入されるヒンジ装着溝88aは、原稿押さえカバー83の左右方向左側であって前後方向後側の挿通孔87の左側側方近傍に設けられている。
また、この原稿台82には、左右方向左側であって前後方向後側の後述するメインヒンジ91が挿入されるヒンジ装着溝88aの左側側方近傍に、後述するADF装置90の搬送モータ90aとメイン基板95とを電気的に接続するための接続線としてのハーネス96(図11参照)を挿通するための挿通孔としての接続開口部97が、この原稿台82の上下方向を貫通するように形成されている。
そして、原稿台82は、図8に示すように、その前端部を操作パネルユニット71の後端部に重なるように載置し、その後端部を各挿通孔87がジョイントカバー61の各ねじ台座部70と対向するように載置した後、各挿通孔87に固定ねじ86を挿通し、各固定ねじ86を各ねじ台座部70に螺着させることによって、図9および図10に示すように、ジョイントカバー61に装着される。
なお、原稿台82をジョイントカバー61に装着した後には、図9および図10に示すように、本体フレーム2の両側にサイドカバー部材93、および、本体フレーム2の後側にリヤカバー部材94を装着する。
原稿押さえカバー83には、図12および図13に示すように、その上面に、原稿をスタック状にセットできる原稿セット部材としての原稿セット板89、および、原稿搬送手段としてのADF(オート・ドキュメント・フィーダ)装置90が設けられている。
ADF(オート・ドキュメント・フィーダ)装置90は、原稿押さえカバー83における左右方向左側に設けられ、右側から原稿セット板89が接続されている。このADF装置90には、原稿押さえカバー83の左右方向左側であって前後方向後側に設けられるモータカバー98内に設けられる原稿搬送駆動源としての搬送モータ90a(図17参照)や、図示しない原稿検知センサが設けられており、次に述べるように、スキャンキーの押下をトリガとして、原稿検知センサが、原稿セット板89にセットされる原稿を検知すると、CCDセンサ84は、走査モータ84aの駆動により、ガラス板85の左側位置であるADF原稿読取位置84bに移動され、そして、搬送モータ90aの駆動により、原稿セット板89上にセットされる原稿を自動的にADF原稿読取位置84bに搬送して、CCDセンサ84により原稿を読み取る。
また、原稿押さえカバー83には、図11に示すように、その後端部に、原稿台82に開閉可能に装着するためのヒンジ部材としてのメインヒンジ91およびサブヒンジ92が、幅方向において所定間隔を隔てて設けられている。
メインヒンジ91およびサブヒンジ92は、その下端部が、原稿台82のヒンジ装着溝88に嵌合可能な略矩形厚板状に形成されている。
この原稿押さえカバー83の重心は、ADF装置90の重量により、原稿押さえカバー83の左右方向左側にあり、メインヒンジ91は、その左右方向左側において、この原稿押さえカバー83の重心位置を通る前後方向の線L上に設けられている。このメインヒンジ91には、図示しないばね、カムおよびスライダにより構成されるトルク発生機構91aが内装されている。トルク発生機構91aは、原稿押さえカバー83が原稿台82に対して所定角度以上に開放されたときに、原稿押さえカバー83を原稿台82に対して開放する方向に付勢(またはその状態で保持する)トルクを発生させる。
このようなトルク発生機構91aを設けることによって、原稿台82に対して原稿押さえカバー83が所定角度以上に開放されたときに、トルク発生機構91aにより発生するトルクによって、原稿押さえカバー83を原稿台82に対して開放する方向に付勢する(かまたはその状態を保持する)ので、たとえ、搬送モータ90aなどが内装されている重量のあるADF装置90が原稿押さえカバー83に設けられていても、原稿押さえカバー83が自重によって閉鎖方向に倒れて、原稿台82に対して激しく当接することを防止することができる。
また、このようなトルク発生機構91aを内装するメインヒンジ91を、この原稿押さえカバー83の重心位置を通る前後方向の線L上に設けることによって、このメインヒンジ91によって、原稿押さえカバー83を、重心位置を通る線上を回動支点として開閉させることができるので、他方のサブヒンジ92を、トルク発生機構91aなどのない安価な構成とすることができながら、原稿押さえカバー83の確実な開閉動作を確保することができる。
そして、図11に示すように、原稿押さえカバー83のメインヒンジ91およびサブヒンジ92を、原稿台82の各ヒンジ装着溝88aおよび88bにそれぞれ挿入することにより、図12および図13に示すように、原稿押さえカバー83が原稿台82に対して開閉可能に装着される。
なお、ADF装置90の搬送モータ90aは、図11に示すように、原稿台82の接続開口部97に挿通されるハーネス96によって、中継基板95aを介してメイン基板95と電気的に接続される。また、原稿台82に内装されるCCDセンサ84を走査させるための走査モータ84aも、図示しないが、接続開口部97の上下方向途中から接続開口部97を通るハーネスによって中継基板95aを介してメイン基板95と電気的に接続されている。
また、ハーネス96、およびハーネス(図示せず)による接続が終了した後には、図15に示すように、本体フレーム2におけるメイン基板95の対向位置に、基板カバー部材93aを装着する。
そして、このようにして組み付けられる複合機Fでは、プリンタ本体1の上方において、そのプリンタ本体1に装着されるジョイントカバー61に、操作パネルユニット71およびスキャナユニット81が支持され、プリンタ本体1の排紙トレイ52およびフロントカバー16の上側壁18を含む、プリンタ本体1とスキャナユニット81との間のジョイントカバー61からなる連結部分が、用紙3を排紙するための排出部としての排紙部99とされている。
このような排紙部99では、ジョイントカバー61における両側壁62a、上壁62bおよび後壁62cで囲まれる内側空間が、用紙3が排紙される排紙スペースとされ、プリンタ本体1の排紙トレイ52およびフロントカバー16の上側壁18が、排紙された用紙3を受ける受け面とされている。
また、このような排紙部99においては、ジョイントカバー61のサイドカバー63およびリヤカバー64が、この排紙部99の外壁を兼ねるようにして設けられている。
そして、このスキャナユニット81では、たとえば、図12に示すように、原稿押さえカバー83を開けて、原稿台82のガラス板85上に原稿を載置した後、原稿押さえカバー83を閉じ、操作パネルユニット71の操作キー群74のうち、スキャンキーを押下すれば、CCDセンサ84が、走査モータ84aの駆動により原稿台82のガラス板85と対向状に左右方向に走査され、これによって原稿に記載される画像がCCDセンサ84によって読み取られる。
また、たとえば、図13に示すように、原稿押さえカバー83を閉じて、原稿セット板89上に原稿をセットして、操作パネルユニット71の操作キー群74のうち、スキャンキーを押下すれば、図示しない原稿検知センサが、原稿の原稿セット板89へのセットを検知して、ADF装置90が搬送モータ90aの駆動により、原稿を自動的にCCDセンサ84に向けて搬送し、原稿が、左端において待機されているCCDセンサ84と順次対向し、これによって原稿に記載される画像がCCDセンサ84によって読み取られる。なお、CCDセンサ84によって読み取られた原稿は、原稿押さえカバー83の上面に排出される。
このように、CCDセンサ84およびADF装置90を、走査モータ84aおよび搬送モータ90aによって、それぞれ独立して駆動すれば、原稿のセット位置に応じた正確な動作を確保することができる。
とりわけ、原稿押さえカバー83には、原稿セット板89およびADF装置90が設けられているので、原稿セット板89に複数枚の原稿をスタック状にセットすれば、ADF装置90が搬送モータ90aの駆動により、原稿を順次自動的にCCDセンサ84に向けて搬送するので、1枚毎に原稿台82のガラス板84上に原稿を載置する必要がなく、原稿を効率よくCCDセンサ84に読み取らせることができる。
そして、この複合機Fでは、CCDセンサ84によって読み取られた画像のデータがプリンタ本体1に送信され、プリンタ本体1では、そのデータに基づいて、用紙3に画像形成することによって、コピー機能が達成される。
そして、この複合機Fでは、プリンタ本体1には、ジョイントカバー61が装着されており、操作パネルユニット71およびスキャナユニット81が、そのジョイントカバー61に装着されているので、ジョイントカバー61を介して操作パネルユニット71およびスキャナユニット81をプリンタ本体1に確実に組み付けることができる。そのため、プリンタ本体1、操作パネルユニット71およびスキャナユニット81をそれぞれ別体として構成し、これら各部をそれぞれ単独で交換したり、あるいは、組み合わせを変更することができながら、確実な組み付けによって、ジョイントカバー61の把持部80を把持して持ち運ぶことができる。
また、この複合機Fでは、メインヒンジ91およびサブヒンジ92を原稿台82の各ヒンジ装着溝88aおよび88bに挿入するのみで、原稿押さえカバー83を、原稿台82に、原稿押さえカバー83の重心位置83aを通る線L上を回動支点として開閉可能に装着することができるので、簡易な組み付けにより、原稿押さえカバー83の確実な開閉動作を確保することができる。
なお、線Lは、重心位置83aを通り、原稿押さえカバー83の開閉の中心軸に直交す
る線である。
また、この複合機Fでは、プリンタ本体1のメイン基板95、ジョイントカバー61の中継基板95a、原稿台82の走査モータ84aおよび原稿押さえカバー83の駆動モータ90aが、すべて同じ側、すなわち、この複合機Fにおける左右方向左側であって前後方向後側に配置されているので、これらを電気的に接続するためのハーネス96の長さおよび引き回しを短くすることができ、装置構成の簡略化を図りつつ、これら走査モータ84aおよび駆動モータ90aと、中継基板95aおよびメイン基板95との確実な接続を確保することができる。
とりわけ、ADF装置90の駆動モータ90aは、中継基板95aおよびメイン基板95と同じ側、すなわち、この複合機Fにおける左右方向左側であって前後方向後側に形成されている原稿台82の接続開口部97に挿通されるハーネス96を介して、中継基板95aおよびメイン基板95と電気的に接続されているので、ハーネス96の長さおよび引き回しを、さらに短くすることができ、電気的ノイズの発生を低減することができ、より一層、駆動モータ90aと中継基板95aおよびメイン基板95との確実な接続を確保することができる。
また、この複合機Fでは、原稿台82において、メインヒンジ91が挿入されるヒンジ装着溝88aが、接続開口部97の右側側方近傍に設けられている、つまり、接続開口部97が、原稿台82に対して原稿押さえカバー83を開閉するためのメインヒンジ91と、この複合機Fにおける左右方向左側であって前後方向後側の同じ側に配置されているので、ハーネス96が、開閉動作される原稿押さえカバー83と接触して、絡んでしまうこと防止することができる。そのため、装置の確実な動作を確保することができる。
そして、このような組み付け方法では、プリンタ本体1に、ジョイントカバー61を装着した後、そのジョイントカバー61に、操作パネルユニット71およびスキャナユニット81を装着するので、プリンタ本体1、スキャナユニット81および操作パネルユニット71を、それぞれ別体として構成し、これら各部をそれぞれ単独で交換したり、あるいは、組み合わせを変更することができながら、確実な組み付けを達成することができる。
また、この組み付け方法では、スキャナユニット81の組み付けにおいては、ジョイントカバー61に原稿台82を装着した後、その原稿台83に原稿押さえカバー83を装着するので、スキャナユニット81の確実な組み付けを達成することができる。
また、この複合機Fでは、各サイドカバー63の前端凹部66が、後側に向かって円弧状に窪むように形成されているので、スキャナユニット81をジョイントカバー61で支持しつつ、その前端凹部66の窪んだ部分から、排紙された用紙3を側方からでも容易に取り出すことができる。そのため、装置の剛性を確保しつつ、操作性の向上を図ることができる。
また、この複合機Fでは、複合機Fの重心が、図19の点Pで示すように、プリンタ本体1のスキャナ部26の後方近傍にあるが、この重心Pに対して、排紙ローラ51が前後方向後側、各サイドカバー63の前端凹部66が前後方向前側に配置されている。そのため、各サイドカバー63の把持部80を持って複合機Fを運ぶことができるほどの剛性を有する。そのため、スキャナユニット81とプリンタ本体1との間に排紙部99を設けつつ、十分な剛性を確保することができる。
また、排紙部99においては、ジョイントカバー61が外壁を兼ねるので、装置の剛性を確保しつつ、部品点数を低減することができる。
また、この複合機Fでは、図15および図16に示すように、各サイドカバー63の前端凹部66の最深部66aが、スキャナユニット81の原稿台82の前端部82aよりも前側に配置されているので、サイドカバー63において、原稿台82を支持するための十分な剛性を確保することができる。そのため、たとえ原稿台82を手で強く押さえても、装置の損傷を防止することができる。
また、この複合機Fでは、両面印刷時には、反転搬送部57の排紙ローラ51によって、一方の面に画像が形成された用紙3を排紙部99に一旦送り出し、再度引き戻すことにより、用紙3の表裏を反転させるようにしているが、このような両面印刷の途中において、排紙ローラ51によって、一方の面に画像が形成されたA4サイズの用紙3が一旦排紙トレイ52上に送り出されたときには、その送り出された用紙3の後端部Mよりも、各サイドカバー63の前端凹部66の最深部66aが、前側に配置されている(図19参照)。そのため、他方の面に画像が形成されないまま、その用紙3を使用者が誤って取り出してしまうことを防止することができる。そのため、確実な両面印刷を確保して操作性の向上を図ることができる。
また、この複合機Fでは、図15および図16に示すように、操作パネルユニット71が、プリンタ本体1よりも前側(正面側)に突出するように配置されるので、使用者が操作する正面側において最も手前に操作パネルユニット71を配置することができる。そのため、操作性の向上を図ることができる。
また、この複合機Fでは、図19に示すように、操作パネルユニット71の前端部が、不使用時においてフロントカバー16内に収容状態にあるマルチパーパストレイ23の遊端部(図示しないヒンジで支持されている側の端部と反対側の端部)よりも前側に位置され、仮想線で示すように、使用時においてフロントカバー16から開状態にあるマルチパーパストレイ23の遊端部よりも後側に位置されるように配置されている。
そのため、マルチパーパストレイ23が閉状態にあるとき、つまり、マルチパーパストレイ23の不使用時には、操作パネルユニット71の前端部が、マルチパーパストレイ23の遊端部よりも前側、つまり、正面側においてマルチパーパストレイ23よりも手前に配置される。また、マルチパーパストレイ23が開状態にあるとき、つまり、マルチパーパストレイ23の使用時には、操作パネルユニット71の前端部が、マルチパーパストレイ23の遊端部よりも後側、つまり、正面側において操作パネルユニット71よりもマルチパーパストレイ23が手前に配置される。そのため、マルチパーパストレイ23の不使用時における操作パネルユニット71の操作性を確保しつつ、マルチパーパストレイ23の使用時におけるマルチパーパストレイ23の操作性の向上を図ることができる。
また、この複合機Fでは、図19に示すように、各サイドカバー63の前端凹部66は、各前端凹部66の最深部66aが、収容状態にあるストッパ部材55の前端部(ヒンジ56が設けられる支持側の端部)よりも前側であって、開状態にあるストッパ部材55の後端部(ヒンジ56が設けられる側と反対側の遊端部)よりも、後側に配置されるように形成されている。
そのため、ストッパ部材55が閉状態にあるとき、つまり、ストッパ部材55の不使用時には、各前端凹部66の最深部66aが、ストッパ部材55よりも前側、つまり、正面側においてストッパ部材55よりも各前端凹部66の最深部66aが手前に配置される。また、ストッパ部材55が開状態にあるとき、つまり、ストッパ部材55の使用時には、各前端凹部66の最深部66aが、ストッパ部材55よりも後側、つまり、正面側において各前端凹部66の最深部66aよりもストッパ部材55が手前に配置される。そのため
、装置の剛性を確保しつつ、ストッパ部材55の使用時においては、そのストッパ部材55にスタックされる用紙3を、側方から容易に取り出すことができ、操作性の向上を図ることができる。
また、この複合機Fでは、排紙部99において、フロントカバー16の上側壁18の上面が、後側から前側に向かう方向において、下方に向かって傾斜するような形状に形成されているので、排紙トレイ52上に排紙された用紙3の後端部Sと、その上側壁18の上面との間に隙間を形成することができる。そのため、用紙3の後端部Sの下側から手を入れて、用紙3を容易に取り出すことができる。
また、この複合機Fでは、各サイドカバー63の前端凹部66が、後側に向かって円弧状に窪むように形成されており、また、ジョイントカバー61の操作パネルユニット装着部65における各サイドカバー63の前端凹部66と連続する操作パネル側連続部69が、その前端凹部66と段差なく連続する形状として形成されており、さらに、フロントカバー16の上側壁18の幅方向両端部における各サイドカバー63の前端凹部66と連続する本体側連続部22が、その前端凹部66と段差なく連続する形状として形成されている。そのため、用紙3を取り出すときに、サイドカバー63や、操作パネルユニット71側およびプリンタ本体1側と各サイドカバー63との境界における用紙3の引っ掛かりを防止することができる。そのため、用紙3の良好な取り出しを確保することができる。
さらに、この複合機Fでは、図12に示すように、各サイドカバー63の前端凹部66の前面の幅方向外側部分が、両外側後方に向かって下方に傾斜する湾曲形状の傾斜面66bとして形成されているので、用紙3を取り出すときに、サイドカバー63における用紙3の引っ掛かりを防止することができる。また、このような傾斜面により、剛性の向上を図ることができる。
なお、以上の説明では、プリンタ本体1のフロントカバー16の前面に、異なるサイズの用紙3をスタックして給紙できるマルチパーパス給紙部21を備えたが、たとえば、図20に示すように、マルチパーパス給紙部21に代えて、用紙3を手差しするための手差し部101を設けてもよい。すなわち、図20には、手差し部101として、フロントカバー16の前面に開閉可能な記録媒体支持手段としての手差しトレイ102が回動可能に設けられている。
また、マルチパーパス給紙部21および手差し部101を、開閉可能に設けていたが、スライド式に出し入れ可能に設けてもよい。
また、上記の説明では、原稿押さえカバー83に原稿セット部材89やADF装置90を設けたが、その目的や用途によっては、原稿セット部材89やADF装置90が設けられていない原稿押さえカバー83が装備される場合がある。