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JP4006198B2 - インクジェット記録方法、記録装置およびデータ処理方法 - Google Patents

インクジェット記録方法、記録装置およびデータ処理方法 Download PDF

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JP4006198B2
JP4006198B2 JP2001191452A JP2001191452A JP4006198B2 JP 4006198 B2 JP4006198 B2 JP 4006198B2 JP 2001191452 A JP2001191452 A JP 2001191452A JP 2001191452 A JP2001191452 A JP 2001191452A JP 4006198 B2 JP4006198 B2 JP 4006198B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体上に高品位のカラー画像を得ることができるインクジェット記録方法、記録装置及びデータ処理方法に関し、詳しくは、記録ヘッドにより、1パス、もしくは複数パスにより記録を行うインクジェット記録方法、記録装置及びデータ処理方法に関するものである。
【0002】
本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属等の記録媒体を用いる機器すべてに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】
記録装置による記録媒体上への記録において、高速で印字したいとするユーザーのニーズは高まってきている。高速化を重視した印字を行う際には、高画質を実現するために用いられているマルチパス印字の際のパス数を減らすといった方法が有効である。ここで印字のパス数とは、1ラインを完成させるのに必要なキャリッジの走査回数のことである。
【0004】
これは、記録ヘッドの吐出口の数がある一定値である関係上、パス数が多いほど一回の紙送り量は小さくなり、逆にパス数を少なくするほど一回の紙送りの量を大きくすることができるからである。例えば、2パスによる印字が行われているところを1パスで印字することが可能であれば、単純には約2倍の高速化が図れることになる。すなわち、パス数が少なくなればなるほど所定領域(例えば、1枚)の記録に要するキャリッジのスキャン回数は減り、かつ、一回の紙送り量は大きくなり、結果的に1枚を印字するのにかかる時間は短くなる。
【0005】
記録液(インク)を吐出する複数の吐出口を持つ記録ヘッドを、吐出口の配列方向とほぼ垂直な方向に走査して印字を行う関係上、1パスで印字を行なう場合には、1度の走査により図21のように帯状の画像領域(バンド)が形成されることになる。
【0006】
このように1パスで印字を行う際には、1バンドの領域を1度の走査で形成するため、1度に被記録媒体上へ打ち込む記録インクのデューティー(比率)が1バンドの領域を複数回の走査で形成するマルチパス印字よりも多くなる。このため記録媒体や、記録液の性質により程度の差は異なるものの、1パス印字では印字デューティーの高い部分においてパス間(バンド間)の黒スジ発生は、顕著なものとなる。
【0007】
この弊害は、複数の異なる記録インク(シアン、マゼンタ、イエローなど)を吐出する記録ヘッドが主走査方向に配置される、所謂横並びと呼ばれている形態のヘッド構成において、さらに大きいものとなる。これは各色のつなぎ位置が同じ場所に発生するためである。横並びの記録ヘッドの模式図を図6に示す。
【0008】
以上のような、バントとバンドの境界部に生じる黒スジは、つなぎスジとかバンディングとも呼ばれており、このつなぎスジが生じると、印字品位は実使用に耐えがたいレベルとなることがある。
【0009】
このため、このようなつなぎスジをなくして、1パスにおいて高画質化を図る方法が提案されている。
【0010】
例えば、特開平11−188898号公報には、シリアルスキャン方式において、記録ヘッドが主走査方向に繰り返し走査して1バンド分ずつ画像を記録するときに、その1バンド分ずつの記録領域のつなぎ目部分にスジを発生させないようにする方法が記載されている。すなわち、記録ヘッドの1回の走査により記録される1バンドの少なくとも第1ラスタ及び最終ラスタの一方を予め定めた個数のドットからなる複数の単位領域に分割し、画像データに基づいて、各単位領域内の着目した色のインク吐出量と、単位領域内の他のインク吐出量との合計に応じて、着目したインクの吐出量を低減させるよう間引いて印字を行うという方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の方法では、例えば、普通紙のようなつなぎスジの発生しやすい記録媒体における印字においては、つなぎスジを低減させる精度が十分とはいえず、印字された画像につなぎスジが目立つ場合があった。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、1パス記録を行った場合でもつなぎスジの少ないカラー画像を得ることができるインクジェット記録装置、記録方法およびデータ処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、前記獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の和を示す量情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定する決定手段と、前記決定手段によって決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記つなぎ部近傍へ打ち込む各インクの量を低減させるための処理を行う低減手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクに対応したデータ数の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、前記獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に打ち込まれる各インクに対応したデータ数に基づいて、当該単位領域内の間引き領域に打ち込むインクに対応したデータを間引くための間引率を各インク毎に決定する決定手段と、前記間引き領域へ打ち込む各インクに対応したデータを、前記決定手段によって決定されたインク毎の間引率に基づいて間引く間引き手段とを有することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる、複数の画素で構成される単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、前記獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定する決定手段と、前記決定手段により決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込む各インクの量を低減させるための処理を行う低減手段とを有することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、つなぎ近傍の記録データの数(描画するドット数)から、単位領域(着目領域)の色域(色相と彩度)を判定し、この色域に応じて、使用インク毎、記録位置毎に間引きランクの設定ができる。このようにして設定された間引きランクを用いて、各インク毎に間引き処理を行うことにより、1パス印字におけるバンド間において発生するつなぎスジの程度を緩和させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、複数の記録ヘッドを有するシリアルプリンタを例に説明する。
【0018】
本発明の一実施形態では、1バンド分のデータのうち、つなぎ部分近傍を、ある単位領域に区分し、各領域毎に各色のドット数をカウントし、各色毎のドットカウント値から着目している領域の色域を判定する。そして、この色域において、各色毎のドットカウント値の和により得られる各単位領域毎のドットカウント値(もしくは印字デューティ)と、あらかじめ与えておく間引きランクグラフから、各色毎に間引き処理領域の間引きランクを決定し、SMS間引き処理を実行する。
【0019】
ここで、上記形態において以下のポイントにつき補足する。
【0020】
(間引き処理位置)
まびき処理を行う領域は図5に示した様に、印字を行う1スキャンのうち、給紙側数ラスタ(例えば、4ラスタ)とする。給紙側を間引くことにしたのは、排紙側のほうが給紙側よりも相対的に記録媒体に対するマージン(余白)が大きいからである。給紙側を間引くことにすることで,一つのパラメータにより排紙側を間引くよりも相対的に多くの記録媒体をサポートすることができる。
【0021】
また、間引きを数ラスタにわたって行なう際、その中でラスタ毎、あるいは数ラスタ単位で間引きの度合い(ここでは、ランクグラフ)を独立に設定することで、例えば、つなぎに近い部分ほど間引きレベルを上げるように設定することで、間引きの精度すなわち間引き処理の精度を上げることができる。
【0022】
(ドットカウント領域)
ドットカウントを行う領域は、図5に示すように、つなぎ部を跨いだ16ドット×16ラスター(ドット)の領域としている。詳細は後述するが、間引き領域よりも大きい領域とし、かつ、つなぎ部を跨いで両バンドの印字データをドットカウントすることで、つなぎ部におけるにじみの状況を適切に把握することが可能となる。
【0023】
(間引き処理方法)
本実施形態においては、SMS(シーケンシャル マルチスキャン)間引き処理と呼ばれる間引き方式を用いて、印字データの間引き処理を実行する。間引き処理方法としては他に、パターンマスクによる方法や、誤差拡散(ED)といった方法が考えられる。
【0024】
しかし、パターンマスクによる方法では、図22に示すように例えば、同図(a)に示した千鳥配列の間引きマスクを用いるときに(白抜き部分の画素データを間引く)、同図(b−1)、(b−2)のような打ち込み量の等しい印字データをそれぞれ処理すると、処理後のデータは(c−1)、(c−2)となり、×で示された格子にあった印字データの間引きが行われる。この二つの図からわかるように、パターンマスクによる方法では、同じ記録インクの打ち込み量(デューティー)のデータに対して、印字データの配列によっては間引きマスクと印字データとが干渉を起こしてしまうため、間引き量を均等に制御できない場合が生じる。
【0025】
またEDによる方法であるが、これの1例としては以下のような操作が考えられる。
・量子化された画像データの処理を行う画素に印字すべきデータがあれば、あらかじめ求めたノズル補正値に基づいて多値の値を割り当てる
・周囲の画素からの誤差を加算する
・所定のしきい値と比較して画素の印字データを間引くかどうかを決める
・その判定により発生した誤差を算出する
・その誤差を周囲の所定の画素へ振り分ける
・量子化された画像データの処理を行う画素に印字すべきデータがなければ、周囲の画素からの誤差を取得し、それを周囲の所定の画素に振り分ける。
・誤差を振り分ける画素は、つなぎスジ処理の走査方向の画素と、それ以外に処理中の画素のデータ列からみて、次に処理を行うデータ列の画素のうち、少なくとも1つの画素に誤差を振り分ける。
【0026】
しかしこのような処理は、1パス印字を行おうとした際には、現在のような高密度ノズルヘッドにおいてはノズルの数が多く、印字データの処理が間に合わなくなる場合が発生することが容易に想像できる。データ処理待ちの状態になると、印字データ待ちによるキャリッジ停止という現象を引き起こし、1パス印字を行うことによる印字の高速化という目的に反することになる。
【0027】
このため、本実施形態においては間引き量の均等制御と高速処理を達成するため、SMS間引き処理を採用することとした。ここで、SMS間引き処理とは、印字データがあるたびに、カウンタ(レジスタ)により指定されるカウント値(特定のビット、例えばMSB)を読み、それが1ならば印字データを間引かず(印字が行なわれる)、一方、カウンタ値が0であるなら印字データを間引く(印字が行われない)。そして、カウンタを右へ一つ移動(ビットをシフト)する。また、カウンタは一番右まで移動すると再び一番左へと戻る(サイクリックにシフトする)。この処理を印字データが来る毎に繰り返すことで、間引きドットを確定して(間引き処理して)行く処理方法である。以上のように、印字データのあるドットに対してのみ間引きか非間引きかを決定するので、印字データのパターンに同調することはない。
【0028】
(間引きテーブル)
使用するインクの記録媒体上への印字順番により印字端部における発色が異なる。記録インクの記録媒体への浸透の一例を模式的に図23に示す。ただし、記録インクの浸透の様子は、用いる記録インクや記録媒体、環境、印字を行う記録インク間の印字時間差等により異なる。
【0029】
ここでは、先に打たれる記録インク231の下に、後に印字される記録インク232が潜り込む状態を示してある。このように、通常、記録媒体上の同一位置に記録された異なる記録インクは、完全に交じり合って発色しているわけではなく、図23( a )にあるような状態となって発色している。この際、図23( b )に円で示した印字端部233は印字内部234と発色が異なり、後に打たれた記録インクの発色が強いことわかる。これによってもつなぎスジは悪化している。このため、先に印字を行った記録インクと、後から印字を行う記録インクとで同じ間引き率を用いても、端部における色の違いは解消することができない。そこで、本実施形態においては、インクが記録媒体に付着する順序を考慮して間引率を決定してる。
【0030】
次に、本実施形態における間引率を決定するための間引きランクグラフの一例を図10( a )に示す。この間引きランクグラフは間引きの対象となるインク毎に、ドットカウント領域のドットカウント数に応じた間引きランクを示している。
【0031】
間引きランクグラフは、スタートドット数、ドット間隔、MAXランクの三個の数値による組み合わせにより指定する。また、間引きランクは予め指定しておくことにし、例えば、本発明においては間引き率として、0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、87.5%、100%の9段階を設定する。
【0032】
それぞれのパラメータの説明をすると、まずスタートドット数であるが、これは間引き率12.5%(間引きランク1)を使用し始めるときのトータルドットカウント値を意味する。ドット間隔とは、次の間引き率(12.5%の次ならば25%)に移行するまでのドットカウント数、すなわち、同じ間引き率を使用するドットカウントの範囲を意味する。MAXランクとは最大間引き率のことであり、これを超えた間引き率を選択することなく、間引き率がMAXランクに達したら、その後ドット間隔分のドットカウント値がきても、間引き率を上げることはせずに、MAXランクの間引き率を保持することを意味する。
【0033】
このように3つのパラメータにより設定できるようにすると例えば、スタートドット数3ビット(8段階)、ドット間隔3ビット(8段階)、MAXランク2ビット(4段階)のように一本の間引きランクグラフを1バイト(8ビット)で表現できる。
【0034】
各パラメータの分解能を高めるためには、パラメータのビット数を多くしても良い。あるいは、ビット数はそのままとし、これにさらに、間引きランクグラフ共通のオフセットをスタートドット数、ドット間隔、MAXランクの各々に対し1バイトずつで与えることによっても、パラメータのより精度の高い設定が行える。
【0035】
こうして、間引きランクグラフを設定するのに必要なデータ量を少なくすることができる。以上のようにデータ量を削減することは、本実施形態において非常に重要である。というのも、1パスのように印字スピードが速い印字モードにおいて、本実施形態のような、つなぎ処理を行うためには、ソフトで実施することは難しく、ハードでの実施が望ましいからである。これはソフトでデータ処理を行うと、キャリッジでの印字スピードにデータの生成が間に合わず、印字データ待ちが生じるためである。このため、ハードすなわちゲートアレイでの実施が望ましいが、必要なデータ数がゲート数に直接効いてくるため、データ数は少ないほど回路規模の点で望ましいのである。
【0036】
間引きランクの他の一例を図10( b )に示す。これは先の間引きランクグラフで傾きを途中で変更したいような場合に有効である。
【0037】
先の間引きランクを記述するために必要な3つのパラメータの他に、二つ目の傾きを規定するために、変更の開始点を示す変更ドット数とそれ以降の傾きを規定するドット間隔2とを持たせるものである。このようなパラメータ設定を行えばより精度の高い処理が可能となる。
【0038】
(色域判定)
使用するインクと記録媒体との関係により、印字を行った際に記録媒体上での挙動が異なり、また、色によりつなぎスジの見え方、及び、間引いたときのつなぎスジへの効き方は異なる。
【0039】
例えば、白から、青そしてUC(アンダーカラー、YMCの混色)に向かうようなグラデーションにおいては、青に向かうところではシアンインクとマゼンタインクを用いて印字をしており、青のMAXになった時点でシアン、マゼンタはそれぞれベタ印字のデータ(最大デューティーのデータ)となっている。この状態では、つなぎスジを緩和させるためにシアン、マゼンタに対してある程度高率の間引きを適用する。
【0040】
これと同じ間引きパラメータを用いて白から赤、そしてUCに向かうグラデーションを印字する場合を考える。赤のMAXからUCに向かうポイントにおいてはじめてシアンインクを使用し始めることになる。この点での打ち込み量は、マゼンタ、イエローそれぞれの最大デューティーのデータであり、先の白−青−黒のグラデーションの場合の青から黒に向かうところと等しいため、シアンおよびマゼンタに対して先に使用した高い間引き率を用いて間引きを行うことになる。このため、データが入りはじめで、まばらな状態にしかドットが配置されていないシアンのドットを大量に抜いてしまうため、シアンドットの抜けが目立つといった弊害が発生する。
【0041】
このように、従来用いられていた端部近傍における単位領域に付与されるインクの総量に加えて、単位領域の色相と彩度の情報と、どの記録インクを用いて印字を行うの情報を得て、その情報に応じた間引き率を設定できるようにすることが、カラー画像を形成する場合におけるつなぎ処理を行う上では必要となる。これを実現するため、本実施形態では各色のドットカウント値から、着目領域(単位領域)の色相および彩度の判定を行うこととした。以下では、色相と彩度を合わせて色域と言う。
【0042】
以上の実施形態によれば、つなぎ近傍の記録データの数(描画するドット数)から、着目領域の色域を判定し、この色域に応じて使用インク毎、記録位置毎に間引きランク(間引きの程度)の設定ができ、このように設定された間引きランクを用いて、各インク毎に間引き処理を行うことにより、1パス印字におけるバンド間において発生するつなぎスジの程度を緩和させることができる。
【0043】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、各図において、同一符号で示す要素はそれぞれ同一または対応する要素とする。
【0044】
(第1実施例)
本発明の第1実施例は、複数の記録ヘッドにより記録媒体上に記録インクを用いて印字を行い画像を形成する記録方式に関するものである。
【0045】
(記録装置の構成例)
図1は本発明を適用したインクジェット記録装置の実施例の要部構成を示す模式的斜視図である。図1において、複数(3個)のヘッドカートリッジ1A,1B,1Cがキャリッジ2に交換可能に搭載されている。各カートリッジ1A〜1Cのそれぞれには、記録ヘッド部を駆動する信号を受けるためのコネクターが設けられている。なお以下の説明では上記記録手段1A〜1Cの全体または任意の1つを指す場合、単に記録手段(記録ヘッドまたはヘッドカートリッジ)1で示すことにする。
【0046】
上記複数のカートリッジ1は、それぞれ異なる色のインクで記録するものであり、それらのインクタンク部には例えばシアン、マゼンタ、イエローなどの異なるインクが収納されている。各記録手段1はキャリッジ2に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクターを介して各記録手段1に駆動信号等を伝達するためのコネクターホルダー(電気接続部)が設けられている。
【0047】
キャリッジ2は、主走査方向で装置本体に設置されたガイドシャフト3に沿って移動方向に案内指示される。そしてキャリッジ2は、主走査モーター4により、モータプーリー5、従動プーリー6、及びタイミングベルト7を介して駆動され、その位置及び移動を制御される。用紙やプラスチック薄板等の記録材8は、2組の搬送ローラーの回転により記録ヘッド1の吐出口面と対向する位置(記録部)を通して搬送(紙送り)される。なお記録材8は、記録部において平坦な記録面を形成できるように、その裏面をプラテン(不図示)により指示されている。この場合、キャリッジ2に搭載された各カートリッジ1は、それらの吐出口面がキャリッジ2から下方へ突出して上記2組の搬送ローラー対の間で記録材8と平坦になるように保持されている。
【0048】
前記記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また前記記録ヘッド1は前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。本実施例に用いる複数のヘッドのノズル構成を図6に示す。
【0049】
図2は、前記記録ヘッド1のインク吐出部13の主要部構造を部分的に示す模式的斜視図である。図2において記録材8と所定の隙間(約0.5〜2[mm]程度)をおいて対面する吐出口面21には、所定のピッチ(ここでは、360dpi)で複数(ここでは、256)の吐出口22が形成され、共通液室23を各吐出口22とを連通する各流路24の壁面に沿ってインク吐出量のエネルギーを発生するために電気熱変換体(発熱抵抗体など)25が配設されている。本例においては、記録ヘッド1は前記吐出口22がキャリッジ2の走査方向と交差する方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ2に搭載されている。こうして画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体25を駆動(通電)して、流路24内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口22からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
【0050】
図3は、図1に示したインクジェットプリント装置における制御回路の概略構成例を示す。
【0051】
図3において、コントローラ100は主制御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のCPU101、プログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM103、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM105を有する。ホスト装置110は、画像データの供給源(プリントに係る画像等のデータの作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の形態であってもよい)である。画像データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100と送受信される。
【0052】
操作部120は操作者による指示入力を受容するスイッチ群であり、電源スイッチ122、プリント開始を指示するためのスイッチ124、吸引回復の起動を指示するための回復スイッチ126等を有する。
【0053】
ヘッド・ドライバ140は、プリント・データ等に応じてプリント・ヘッド1の吐出ヒータ25を駆動するドライバである。ヘッド・ドライバ140は、プリントデータを吐出ヒータ25の位置に対応させて整列させるシフト・レジスタ、適宜のタイミングでラッチするラッチ回路、駆動タイミング信号に同期して吐出ヒータを作動させる論理回路素子の他、ドット形成位置合わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミング設定部等を有する。
【0054】
プリント・ヘッド1には、サブヒータ142が設けられている。サブヒータ142はインクの吐出特性を安定させるための温度調整を行うものであり、吐出ヒータ25と同時にプリント・ヘッド基板上に形成された形態および/またはプリント・ヘッド本体ないしはヘッド・カートリッジに取り付けられる形態とすることができる。
【0055】
モータ・ドライバ150は主走査モータ152を駆動するドライバであり、副走査モータ162はプリント媒体8を搬送(副走査)するために用いられるモータであり、モータ・ドライバ160はそのドライバである。
【0056】
(印字データ処理)
図4は、1走査分の印字データ受信から印字データ処理終了までを示すフローチャートである。
【0057】
ステップS1では、各色のインクに対応する1走査の印字に必要な量の印字データを受信する。1走査の印字には1バンド分のデータに加え、次のバンドのドットカウント領域分のデータが必要となる。ここで、1バンドとは1回のキャリッジ走査において形成される印字領域のことである。
【0058】
印字データの受信後、単位領域、ここでは、図5に示した16ドット×16ラスターの領域毎に、ステップS2でドットカウント、ステップS3で色域判定、ステップS4で間引きランク決定、ステップS5でSMS間引き処理を行う。ステップS6では、上記の処理を1バンド分終了するまで繰り返す。以下に、各処理の詳細について説明する。
【0059】
(ドットカウント)
本実施例において、ドットカウントを行う領域はバンドのつなぎ部分を含む16ラスター分の幅とする。
【0060】
ドットカウントは、本実施例に用いる記録装置が搭載している記録インク全て、すなわち、シアン、マゼンタ、イエローの各色の2値データにおいて行い、それぞれから得られたドットカウント数の総和を、ドットカウントの結果のドットカウント値(もしくはトータルドットカウント値)とする。
【0061】
ここでドットカウント値について補足すると、「ドットカウント値が1である」とは、1画素にドットが一つ存在する状態であり、2なら1画素にドットが二つ存在する状態であることを示している。
【0062】
ドットカウントは、つなぎ部近傍の分割された領域において実施し、その大きさとしては、排紙方向に16ラスター、キャリッジ走査方向に16ドット分の大きさの領域(以下「ドットカウント単位領域」とも表記する。)とする。このため、トータルドットカウント値の最大値は、16(ラスター)×16(ドット)×3(色数)=768となる。
【0063】
本実施例の処理は、このドットカウントにより得られるトータルドットカウント値から、間引きランクを決定、SMS間引き処理実施という流れで行う。また、各色のドットカウント値から単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得することが可能となり、この相対情報から単位領域の色域(色相と彩度)を判定している。
【0064】
このような処理を、1バンド分全てにおいて繰り返し行い、さらに1ページ分の全てのバンドに対して処理を行うことで、印字データを生成する。
【0065】
このため例えば、1バンドを形成するのに、360dpi、A4フルスキャン(8インチ)の場合には、360(dpi)×8(インチ)÷16=180となり、180回の計算を行うことになる。
【0066】
ここでトータルドットカウント値として、本実施例においては単純にシアン、マゼンタ、イエローのドットカウント値の総和としているが、色によってつなぎスジの発生への影響度が違う場合には各色毎に重みをつけても良い。例えば、イエローインクが入るとつなぎスジの程度は悪化するのようなら、イエローのドットカウント値だけドットカウント値に対して重み付けしてもよいし(例えばイエローのドットカウント値のみ1.2倍する)、また色により吐出量が異なる(例えばある色だけ吐出量が大きい)などの条件があるならば、それも考慮に入れてもよいことはもちろんである。
【0067】
以上のようなドットカウント処理によれば、1バンドのうちつなぎ部近傍(すなわちノズル端部)にある小領域のデータ処理ですむので、処理にかかる負荷は小さく、1パスのようにスピードを重視する関係上、その処理に当てられる時間が短い場合においても十分処理することができる。
【0068】
また、つなぎ部を跨いだ16ドット×16ドットの領域をドットカウント単位領域とした理由について説明する。
【0069】
この場合、トータルドットカウント値の最大値は、16×16×3(色数)=768となる。また、1バンドを形成するのに、360dpiでは上述のとおり180回、600dpi、A4フルスキャン(約8インチ)の場合には、600(dpi)×8(インチ)÷16=300となり、300回の計算を行うことになる。具体的には、図5に示すように、レングス設定の全範囲に対して、ドットカウント単位領域毎にドットカウントを順次行い、全ドットカウント単位領域に対して計算を行うことにより、1バンド分のドットカウントを完成することができる。
【0070】
このようにつなぎ部を跨いだ領域をドットカウント単位領域とすることにより、つなぎ部前後の印字ドットの状態を把握することができる。つまり、つなぎスジが発生しやすいインク打ち込みがなされているかを判断することができ、より高精度なつなぎスジ処理を実施することが可能である。1バンド内のみでドットカウントを行う場合には、その領域内でのつなぎスジの要因となるインクにじみの量を想定することはできるが、次のバンドへの影響度を把握することはできない。次のバンドのつなぎ部近傍のインク量によりつなぎスジの発生具合は異なる。例えば、次のバンドにある程度のインクがある場合は、相互のインクにじみによりつなぎスジは発生しやすくなるが、インクが少ない場合は、先打ちのバンドのインクにじみは発生する可能性はあるものの、つなぎスジになる可能性は少ない。
【0071】
つなぎスジの発生メカニズムに関して、図13を用いて説明する。
【0072】
先打ちのバンドのインクが多少にじんだ状態で定着が促進しているところに、次のバンドの記録が行われる。そこで、次のバンド内のインクが紙内部もしくは表面に浸透していく過程で、先打ちのバンド領域内に次のバンドに新たに打ち込まれたインクが引き寄せられていくと考えられる。このとき、つなぎ部に何ら処理を施していないと、同図(a)に示すように、バンド間のつなぎ部のインク量が多くなってしまい、つなぎ部の濃度が他の部分より上がってしまうのがつなぎスジ発生の原因であると想定される。
【0073】
従って、このようなつなぎスジの発生を抑制するためには、同図(b)に示すようにつなぎスジ処理を施し、先後どちらかのバンドのインク量を低減させる、つまり印字データを間引くことが有効である。また、前後のどちらかのバンドでも良いし、双方のバンドに関して間引き処理を行っても良いのである。
【0074】
以上のように、つなぎスジの発生要因は、つなぎ部の前後のバンドのインク量に起因するものであり、つなぎ部を跨いだ領域をドットカウント単位領域とすることは、つなぎスジ処理の制御効率を向上させ、有効なつなぎ処理を実施することが可能となる。
【0075】
また、つなぎ部の前後において、ドットカウントの際に、先打ちのバンドとの後打ちのバンドとで重み付けをしても良い。例えば、つなぎスジ発生は先打ちのバンドのインク量に起因する傾向が高ければ、先打ちバンドのドットカウント値を1.2倍する等して、先打ちバンドのインク量に敏感な制御を実施するのも有効と考えられる。
【0076】
(色域判定)
色域選択のフローチャートを図7に示す。
【0077】
まず、ステップS2で各色のドットカウントを行う。ある単位領域におけるドットカウント値の一例を図8に、また、本実施例に用いる色域の区分を図9に示す。
【0078】
図8の例では、ドット数の多い順に、マゼンタ、シアン、イエローとなっている。ここで、シアン、マゼンタ、イエローのうち最も少ないイエローの部分は一般にUC(アンダーカラー:Under Color)と呼ばれる部分であり、二番目に多いシアンからUCを引いた部分が2次色(D2とも表記する。本例では青)、一番多いマゼンタから二番目に多いシアンを引いたものが1次色(D1とも表記する。本例ではマゼンタ)である。これらD1,D2,UCをステップS31で計算する。
【0079】
これらD1、D2、UCのうちで最も大きい値を取るものを判定することで、着目しているドットカウント領域(単位領域)が図9の中でどの色域にあるかを決定する(ステップS32)。本例においてはD1が三つのうちで最も大きいため、ドットカウント領域はマゼンタの中にある、という判定を行うことになる。
【0080】
なお、D1、D2、UCで、最も大きいものが2つ、あるいは3つ存在した場合には、色域としては、UC、D2、D1の順番(UCとD2が同じならUC、D1とD2が等しいならD2となり、実際はD1が使用されることはない。)で採用することにする。
【0081】
(間引きランクグラフ)
図10に間引きランクを決定するための間引きランクグラフの一例を示す。
【0082】
ここで、図10は縦軸に間引きランク(間引き率に対応)、横軸にトータルドットカウント値を取る。すなわち、ドットカウントにより得られた単位領域のトータルドットカウント値から、データの間引き率(SMSでいうところのカウント値)の指定を行う。
【0083】
本実施例においては間引き率として0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、87.5%、100%の9段階を設定する。このときのカウンタ値を図11に示す。
【0084】
また本実施例における間引きランクグラフの指定方法は、上述のとおり、スタートドット数、ドット間隔、MAXランクの三個の数値による組み合わせにより指定する。
【0085】
これら3つそれぞれのパラメータが間引きランクグラフのどこに対応するかも図10において合わせて示すことにする。
【0086】
本実施例においては上記のように3つのパラメータ(スタートドット数、間引き間隔、MAXランク)により間引きランクグラフを決定することにしたが、特にこの方法に限定する必要はないことはもちろんである。本実施例のような間引きランクグラフの決定だと、トータルドットカウント数と間引き率との関係が線形にしかできないので、間引きランクグラフそのものの形を規定するようにしてもよい。
【0087】
また間引き率も上に挙げた9段階に限定する必要もなく、必要に応じて間引き率の段階を増減させてよい。
【0088】
実際に、本実施例に用いる間引きランクグラフの一例を図12に示す。上述のとおり、間引きランクグラフは各色域毎に適切なものが設定されており、図12にはある1つの色域(マゼンタ)での例を示している。
【0089】
本実施例においては、異なるインク毎(シアン、マゼンタ、イエロー)に間引きランクをそれぞれ指定するものとし、各間引き領域を排紙方向(副走査方向)に二つ分割し、各領域に独立した間引きランクグラフを設定している。そのため、図12では6つの間引きランクグラフ(シアンupper、シアンlower、マゼンタupper、マゼンタlower、イエローupper、イエローlower)を本実施例においては設定している。
【0090】
また、図12においては、色域判定により判定された色域(本実施例においてはマゼンタ)に対するグラフのみを示したが、実際にはこの組み合わせが、さらにシアン、イエロー、UCに対しても存在する。
【0091】
このように異なるインク毎に間引きランクグラフを設定することで、インクによる記録媒体上での挙動の違いや、異なるインク間での明度や彩度の違いによるスジの見え方の差などに起因して生じる、使用インクの違いによるつなぎスジの程度差に対応することができる。
【0092】
また、間引きランクグラフを色毎に設定できるので、つなぎ部において記録媒体への打ちこみ順により生じる端部での色の変化に対応することができる。ここで、端部での色の変化とは先に図23を用いて説明したように、記録媒体への記録インクの打ちこみの時間差や記録媒体の性質により挙動は異なるが、本実施例のような横並びの記録ヘッドのように時間差がごく短い場合において、例えば普通紙上の同一位置にシアン、マゼンタの順番で記録を行うと、後に打たれるマゼンタの縁取りのようなものができるというものである。このような端部での色の変化がある場合に、記録インク毎に間引きを変えることにより、すなわち先のシアン、マゼンタの打ちこみ順において、マゼンタの間引きをシアンよりも上げることで、つなぎ部のスジの程度をより良好な状態にすることができる。
【0093】
(間引き処理領域)
本実施例においては、図5を用いて説明したように、1バンドのうち給紙側4ラスター分を処理することにし、主走査方向には16ドット分の領域を処理領域として指定する。さらに、処理を行う4ラスターを、さらに排紙側2ラスター(upperとも表記)、給紙側2ラスター(lowerとも表記)という2ヶ所の領域に分割し、その各々について、間引きランクを決定できるように、異なる間引きランクグラフを用意する。
【0094】
図5からもわかるように、本実施例で用いている間引き領域とドットカウント領域は、同一の領域ではなく、ドットカウント領域の一部が間引き領域となっている。このように、間引き領域とドットカウント領域は一致している必要はない。
【0095】
これは、つなぎスジの発生がつなぎ部のみで起きている単純な現象ではなく、相互のバンド間でのインクにじみや、つなぎ部から数ラスタ離れた部分からのインクのにじみ出しがドットのつながり状態に応じて、連鎖的に伝わると考えられる。例えば、つなぎ部の4ラスター分のみインクが打ち込まれる場合と、つなぎ部から8ラスター分にインクが打ち込まれる場合とでは、つなぎスジの状態は異なる。後者の方が重度のつなぎスジとなる。これはつなぎ部から数ラスタ離れた部分からのにじみが徐々に伝わってきて、つなぎ部のインク量は比較的多くなるために、よりつなぎスジが発生しやすくなったためである。従って、ドットカウント領域は間引き領域より大きく取ることが望ましく、前記のインクにじみの連鎖的な伝わりを考慮した領域とするのがより好ましい。本実施例では間引き領域の2倍の領域をドットカウント領域としている。
【0096】
また、間引き領域に関しては、つなぎスジ処理を効果的に実施するために、ある程度の大きさの領域を間引き領域にする必要はある。逆に極端に大きすぎると、間引き処理によっては間引いたことによる濃度低下を引き起こしてしまい、画像弊害である白スジを誘発する場合がある。これらの要因と、インクの特性から適切な間引き領域の幅が決定される。本実施例では、4ラスター(600dpiで約0.17mmの幅)を間引き領域としているが、つなぎスジ抑制の効果があり、且つ、白スジ誘発しない範囲の幅である。
【0097】
本実施例においては、間引き処理領域として、4ラスターを用意しそのうちを2分割することとしているが、4ラスターそれぞれに対して、つまり、4分割して間引きランクグラフを指定できるようにしてももちろんよい。
【0098】
このように、間引き領域内をさらに分割し、その各々に対して独立に間引きテーブルを指定できるようにすることにより、つなぎスジの強さに応じてより適切な間引き率および、間引き領域の設定ができるようになる。
【0099】
前記のようにつなぎスジの発生は、単純なつなぎ部のみの現象ではなく、数ラスター離れた部分からのインクのにじみ出しがドットのつながり状態に応じて、連鎖的に伝わることが要因と考えられる。従って、つなぎ部のみを処理するのではなく、その近傍をインクにじみの観点から処理した方が、より効果的であると考えられる。当然のことながら、つなぎ部の1ラスターもしくは2ラスターが最もつなぎスジの誘発原因となっている。更に、そこから1ラスタ離れた領域、2ラスタ離れた領域、3ラスター離れた領域、と距離に応じて、つなぎスジに影響する度合いが変化する。つなぎスジ近傍では、ある領域のラスターがつなぎスジ発生の要因となっているが、ラスター毎に影響度が異なるのである。
【0100】
この点から、間引き領域内を1ラスタもしくは2ラスター毎に、別々に間引きランクを決定し、そのラスターに適した間引き処理を行うことが重要である。更にはつなぎスジ部からの距離に応じて、間引きランクを決定することにより、つなぎスジ処理の精度をより向上させることができ、ラスター毎の間引き量を更に適正化できるために、今まで以上の高精度なつなぎスジ処理を行うことが可能となる。
【0101】
(SMS間引き処理)
SMS間引き処理とは、印字データがあるたびに、カウンタ(レジスタ)により指定されるカウント値(特定のビット、ここではMSB)を読み、1ならば印字データの印字を行いカウンタを右に一つ移動(シフト)する。カウンタ値が0であるなら、印字データの間引きを行いカウンタを右へ一つ移動する。カウンタは一番右まで移動すると再び一番左へと戻る。この処理を印字データがくるたび繰り返すことで、間引きドットを確定して行く処理方法である。
【0102】
SMS間引きについて、より具体的に図14および図15を用いて説明する。図14および図15において、印字データのうち、印字データを○で、また、印字するデータがないところを×で示した。また注目しているデータを太字で示した。カウンタ値については、印字を行うところを1で、印字データを間引くところを0で示し、カウンタにより指定されているカウンタ値を太字で示した。
【0103】
図14(a)において、1つ目の印字データは○であり、カウンタ値が0であるので、1つ目のデータは間引かれる。そのため、処理後の1つ目の印字データは×となり、またカウンタは右へ一つ移動する(同図(b))。次のデータは印字しないので、×そのままであり、カウンタも移動することなくそのままの位置に残る(同図(c))。3つ目の印字データでは、カウンタ値が1であるので、印字データはそのまま残り、カウンタが右へと一つ移動される。このようにして、印字データは4個に1個の割合で間引かれることになる(同図(d))。
【0104】
また図15では、間引き処理領域が4ラスタであることから、主走査方向に8ドット、排紙方向に4ラスターの領域(本実施例での間引き処理領域の主走査方向に半分にした領域)での間引き処理前と間引き処理後のデータを、間引きランクを排紙側2、給紙側4とした場合について示した。
【0105】
説明のため、図15(a)にあるように、排紙側のほうから第1ラスタ、第2ラスタ、第3ラスタ、第4ラスタと呼ぶことにする。
【0106】
ここで、SMS間引き処理は排紙側のラスタから、ラスタ毎に行うものとし、1つのラスタの処理をしたら、次のラスタの処理に移ることにする。このときSMSカウンタは間引きレベルが変わっても初期位置には戻さないものとしてある。また、SMSカウンタは本実施例においては間引き処理領域が1バンド内での隣の領域に移っても初期位置に返すことはせず、カウンタ位置は1バンド内においては保存する。また、異なるバンドの処理に移った場合には、カウンタ位置を初期位置に返すことにする。
【0107】
またカウンタの1バンドのはじめ処理領域での初期位置は、ランダムに指定することにする。その結果、第1ラスタから第4ラスタは同図(b)〜(e)に示すように処理がなされ、全体としては同図(f)に示すようになる。
【0108】
以上のように、本実施例の制御方法によれば、つなぎ近傍の記録データの数(描画するドット数)から、着目領域の色域を判定し、この色域に応じて、使用インク毎に間引きランクを設定できる。このように設定された間引きランクにより各インク毎に間引き処理を行うことにより、1パス印字におけるバンド間でのつなぎスジの発生の程度を緩和させることができる。
【0109】
(第2実施例)
本発明の第2実施例は、第1実施例と同様に、複数の記録ヘッドにより被記録媒体上に記録インクを用いて印字を行い画像を形成する記録方式に関するものである。
【0110】
本実施例に用いる記録装置の構成、間引き処理領域、SMS間引き処理は前述の第1実施例と同じである。
【0111】
(ドットカウント)
本実施例におけるドットカウント単位領域は、上記実施例1と同様とする。
【0112】
本実施例に用いるヘッド構成を図16( a )に示す。
【0113】
この構成では、黒のノズル数を、カラーのノズル数の倍以上とし、黒のみのデータの際には黒ノズルをフルに使って印字スピードをあげている。また、黒カラー混在のデータにおいては黒カラー間のブリードを防止するため、黒の使用ノズル数を減らし、黒とカラーの印字においては少なくとも1スキャンのブランクを与えることを行う。以上のような構成での、黒のみのデータの印字を行う場合の模式図を図16( b )に、黒、カラー混在のデータを印字した状態を図16( c )に示している。
【0114】
つなぎスジが発生しやすいのは、記録媒体上へインク量を多く吐出するカラーの印字時においてである。その際に黒の印字は、本実施例のようなノズル構成では、カラーの印字に先立って行われ、カラー印字時にはすでに黒の印字は完了し、記録媒体へ定着しているので、黒インクのつなぎスジへの寄与は少ない。
【0115】
以上により、本実施例においては、黒インクのドットカウントは行わずに、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)のみのドットカウントにより、つなぎ処理を行うこととした。
【0116】
(色域判定)
本実施例における色域の区分を図17に示す。
【0117】
このときの色域選択方法の一例を説明する。
【0118】
まず、色相方向の選択方法を示す。ここで、色相方向とは、図17の一番外側の円周上においてどこにあるか、すなわち1次色か、2次色か、その中間かの判定である。
【0119】
図18( a )において、横軸に1次色のドットカウント値を、縦軸に2次色のドットカウント値を示す。1次色、2次色、その中間の分割方法は、1次色のドットカウント値を2で割ったものと、2次色のドットカウント値との比較を行い、1次色を2で割ったものの方が大きいならば、色相は1次色にする。
【0120】
また1次色のドットカウント値と、2次色のドットカウント値を2で割ったものとの比較を行い、2次色のドットカウント値を2で割ったものの方が大きいならば、色相は2次色に、またそれ以外のときは中間の色相にあるとする。
【0121】
次に、彩度方向すなわち図17で中心に近いか、円周に近いかその中間かの判定を行う。
【0122】
図18( b )において、横軸に1次色と2次色のドットカウント値の和を、縦軸にUCのドットカウント値を示す。彩度方向の分割方法は、1次色と2次色のドットカウント値の和を2で割ったものと、UCの値との比較を行い、1次色と2次色のドットカウント値の和を2で割ったものの方が大きいならば、彩度は一番円周に近い側となりこの領域をドットカウント領域の色域として決定できる。
【0123】
1次色と2次色のドットカウント値の和を2で割ったものと、UCの値との比較を行い、UCの値のほうが大きく、かつUCの値を2で割ったものと、1次色と2次色のドットカウント値の和との比較を行い、UCの値を2で割ったものの方が大きいならば、彩度は一番中心に近い側となりこの領域をドットカウント領域の色域として決定でき、それ以外はその中間の領域として決定することができる。
【0124】
以上、色相、彩度の決定方法をより簡単に表現すると以下のようになる。
Figure 0004006198
このように、色域を細かく分割することにより、インクによるつなぎスジの程度差により対応しやすくなり、また、使用する色毎のつなぎスジの挙動の違いにも対応しやすくなる。
【0125】
(間引きランクグラフ)
本実施例に用いる間引きランクグラフの組み合わせの一例を図19に示す。
【0126】
本実施例では、図17に示した色域のうち7つの領域(シアン、マゼンタ、イエロー、青、緑、赤、UC)について使用するインク毎の間引きランクをそれぞれ指定することにし、それ以外の中間領域の間引きランクグラフについては、この7つの領域のグラフから計算によって算出することにする。このため、ランクグラフのデータ量を低減することが可能となる。
【0127】
グラフの算出方法であるが、その一例としては、色相方向の中間領域には1次色と2次色の平均を、彩度方向の中間領域では高彩度と低彩度の間引きランクの高いものを取ることとしている。
【0128】
本実施例において用意する間引きランクグラフの本数であるが、インク毎(シアン、マゼンタ、イエロー)に間引きランクを指定し、間引き領域を2分割することも考えると、7(色域)×3(インク数)×2(間引き領域の分割数)=42本必要になる。
【0129】
このうち、例えば上記色域判定で着目しているドットカウント領域が青であると判定されたなら、実際に使うのは42本のうち色域が青用の間引きランクグラフとなる。これを取り出して図19に示した。また、同様に色域が赤用のランクグラフを図20に示す。
【0130】
この間引きランクグラフとトータルドットカウント数によりSMS間引き処理に使用する間引きランクを決定する。
【0131】
このように、間引きランクグラフを、分割された色域全てに対して指定するのではなく、基本となる物を指定して、その中間の領域に対しては計算でグラフを算出することにすれば、データ量を減らすことができる。
【0132】
ランク決定後は実施例1と同様に単位領域に対してSMS間引きを行い、以上を1バンド分行った後、1走査分の記録を行う。
【0133】
ここで、先に説明した白から、青そしてUC(アンダーカラー、YMCの混色)に向かうようなグラデーションにおける間引き処理について、図19を参照して説明する。
【0134】
青に向かうところではシアンインクとマゼンタインクを用いて印字をしており、青のMAXになった時点でシアン、マゼンタはそれぞれベタ印字のデータ(最大デューティーのデータ)、つまり本例では512となっている。この状態では、その単位領域の色域は当然青であり、図19を参照すれば、つなぎスジを緩和させるためにシアンlowerに対してはランク5(同図(a))、マゼンタlowerに対してはランク6(同図(c))の高率の間引きを適用する。
【0135】
一方、白から赤、そしてUCに向かうグラデーションを印字する場合を図20を参照して説明する。赤のMAXからUCに向かうポイントにおいてはじめてシアンインクを使用し始めることになる。この点での打ち込み量は、マゼンタ、イエローそれぞれの最大デューティーのデータであり、先の白−青−黒のグラデーションの場合の青から黒に向かうところと等しい512であり、色域は当然赤である。そのため、図20を参照すればシアンlowerに対してはランク3(同図(a))、マゼンタlowerに対してはランク5(同図(c))の間引き率を用いて間引きを行うことになる。このとき、データが入りはじめで、まばらな状態にしかドットが配置されていないシアンのドットはランク3の比較的低い間引きが施されるため、シアンドットの抜けが目立つといった弊害は発生しない。逆に、色域を考慮することなく図19と同じ間引きテーブルを使用すると、シアンlowerに対してランク5の高率の間引きが適用されてしまうため、シアンドットの抜けが目立つこととなる。
【0136】
なお、上記、第1、第2実施例においてドットカウント単位領域として16ドット(主走査方向)×16ラスター(副走査方向)というものを使用しているが、特にこの大きさにこだわる必要はなく、単位領域の大きさは、つなぎスジの程度や、データの処理にかかる負荷、出力解像度等などの諸要因により決定することが望ましい。
【0137】
さらにドットカウントを行う部分であるが、第1,2実施例においては例えば図5に示したように、両方のバンド間でのつなぎ部をまたいだ領域でドットカウントを行ったが、これに限定されるものではない。先の走査の下端部のみを対象としてもよいし、つなぎ部に対し、後の走査の上端部にてドットカウント値を算出しこれにより処理を行うこととしてもよい。
【0138】
SMS間引き処理を行う部位も特に先の走査の下端部に限るというものではなく、後の走査の上端、あるいはその両方すなわち、バンド間のつなぎ部をまたいだ領域で行うとしてももちろんよい。
【0139】
このようなドットカウント領域もしくは、SMS間引き処理領域は、使用する記録媒体と、記録インクの組み合わせ等により随時最適と思われる部分を指定できるほど望ましい。そのため、用いる記録媒体に応じて、ドットカウント領域とSMS間引き処理領域、もしくはそのいずれかを適時変更するのも望ましい処理である。
【0140】
これとともに、区分する色域数であるが、本発明においては、2種類のパターンを示したが、この2つに限定されるものでないことはもちろんである。
【0141】
また、本発明においては基本的に1パスによる印字を想定してあるが、これは1パスにおいて、つなぎスジの発生が最も顕著であるからである。しかし、マルチパス印字時においてもつなぎスジは程度の差こそあるものの発生する。そのため、マルチパス用に、パス数に応じた間引きランクグラフを用意しておき、それを用いてマルチパス印字時においても間引き処理を行うことも有効である。
【0142】
つなぎスジは、記録媒体上での記録インクのにじみによるところがあるので、例えば高温多湿の環境においては記録インクのにじみ具合は大きくなりつなぎは厳しくなる(より目立つ)。そこで、使用する外部環境に応じて、間引きランクグラフや、間引き領域を変更する閾値を複数持っておき、可変できるようにすることは有効である。
【0143】
上記実施例の構成では、使用する記録インクはシアン、マゼンタ、イエロー、黒としているが、通常の所謂レギュラーインクを希釈したフォトインクと呼ばれるものを用いるシステムにおいても本提案は使用することができる。
【0144】
さらに、上述の実施例では各インクの打ち込み量に関するデータとしてY,M,Cの2値データの形態を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。インクの打ち込み量に対応するデータであれば、R,B,Gの多値データであってもよい。この場合、インク量はデータの間引きによって低減するのではなく、多値のデータに低減係数をかけても良い。また、R,G,BからY,M,C,Kへの色変換時にルックアップテーブルを用いてインクの打ち込み量を低減しても良く、この方法を第3実施例として以下に説明する。
【0145】
(第3実施例)
本発明の第3実施例は、第1実施例と同様に複数の記録ヘッドにより被記録媒体上に記録インクにより印字を行い、画像を形成する記録方式に関するものである。
【0146】
本実施例では、インクの打ち込み量に対するデータとしてR、G、Bの多値データに於けるつなぎ処理の一例を説明する。
【0147】
図24に色処理方法の一例のフローチャートを示す。色処理とは、例えばPC等から渡されるデータから、プリンタで印字可能なデータを作成するものであり、本実施例では、4色(CMYK)プリンタにおける、RGB256階調(8ビット)の入力データから、CMYK2値の出力データへ変換している。
【0148】
まずステップS241で入力γ(inputγ)処理がなされる。これはビデオカーブとも呼ばれているもので、例えばディスプレイへの表示などで行われている補正カーブを考慮して行われる処理であり、入力、出力ともにRGB256階調データにより行われる。
【0149】
ステップS242でなされる色変換は、出力したい画像が、グラフィックスか、写真か、などにより色を変換するもので、前段処理とも呼ばれている。このステップも入力、出力ともにRGB256階調データである。ステップS243のUCR_BGR(下色除去・黒生成)、出力γ(outputγ)処理において、RGB256階調データをCMYK256階調データへ変換する。この変換では、ルックアップテーブルと呼ばれる入力−出力に対し1対1対応のテーブルを用いる。
【0150】
そして、ステップS244で、CMYK256階調データをプリンタによる印字が可能な形にするため、CMYK2値(もしくは3ないし4値)データへと量子化処理がなされ、色処理は終了する。
【0151】
本実施例の特徴である多値データによるつなぎ処理は、図24のステップS243における処理の際に同時に行なわれる。図25に、多値データに於けるつなぎ処理を説明するフローチャートを示す。
【0152】
この処理では、RGB256階調データからCMYK256階調データへの変換を行う際に、つなぎ部近傍(本実施例に於いてはつなぎ部より排紙側4ラスター)か否かの判定を行い(ステップS251)、つなぎ部近傍でないならば通常のルックアップテーブルにより変換を行う(ステップS252)。つなぎ部近傍であるなら、さらにその位置が、UPPERかLOWER(図5参照)かを判定し(ステップS253)、その結果に応じたルックアップテーブルによりCMYK256階調データへの変換を行う(ステップS254,255)。
【0153】
ここで、ステップS254,255で行うつなぎ処理について図26を参照して説明する。つなぎ部近傍の所定領域(実施例1で言うところのドットカウント領域、16×16ドット領域)における各色のデータ量(RGB256階調データ)の総和を総和検出回路261〜263によって求め、各色データの総和に基づいてその所定領域の色域を色域判別回路264によって判別する(図17参照)。数ないしは数十段階の3次元ルックアップテーブル265を用意しておき、色域判別回路264によって判別された色域に応じて参照するルックアップテーブル265を選択することにより、RGBからCMYKへのデータ変換と共に、色域に応じてつなぎ部の打ち込み量を低減することが可能となる。
【0154】
こうすれば、各画素からの情報だけでなく、ある広がりを持った範囲、つまりドットカウント領域のデータ量に応じてデータ変換が可能となるため、より効果的、より適切なつなぎ処理となる。なお、3次元LUT265の選択を、色域のみならず総和検出回路261〜263で加算された各色のデータ量の総和に応じて行うことは、より好ましい。色域は各色の相対情報であるため、絶対情報である各色のデータ量の総和を用いることはつなぎ部のにじみ、スジ発生の程度を知る上で望ましいからである。
【0155】
多値データをルックアップテーブルにより変換する際、同時につなぎ処理を行うと、全ての入力データに対してより最適な値を一意的に指定することができるため、つなぎ処理の効果は高くなる。また、量子化前に行う処理であるため2値化後の処理のようにドットを間引く訳ではなく、多値データ生成段階においてRGB多値データを変更しているのでドット抜けは起こらず、より自然な印字結果を得ることができる。
【0156】
さらに、RGBからYMCKへの色変換時につなぎ処理も併せて行っているので、変換テーブルの削減や、処理の効率化を図ることが出来る。色変換時ではなく色変換後、つまりYMCKの多値データに変換された後に、つなぎ処理を行ってもよい。
【0157】
以上のように、本実施例の処理方法によれば、多値データの状態でもつなぎ処理を行うことができる。なお本実施例に於いては多値データとして、256階調のデータを用いたが、階調数は特に限定されるものではない。
【0158】
また、上記例ではインクジェット記録装置においてつなぎ処理を行う場合を説明したが、ホストコンピュータ(PC)側にて、つまり、プリンタドライバ側にて同様のつなぎ処理を行ってもよい。この場合は、つなぎ処理のなされたデータがホストコンピュータからインクジェット記録装置に送られることとなる。
【0159】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0160】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
【0161】
この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて、書く沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印可することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが出来る。
【0162】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に記載されているような吐出口、液路電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことが出来るようになるからである。
【0163】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0164】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定出来るので、好ましいものである。これらを具体的にあげれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段をあげることができる。
【0165】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個設けられるものであっても良い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個によるかのいずれでも良いが、異なる色の複数カラー、または、混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明はきわめて有効である。
【0166】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以上で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によってはじめて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対してもっとも有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0167】
さらに加えて、本発明インクジェット方式の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0168】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、走査(バンド)間の境界部近傍における分割された小領域での記録液の打ち込み量に応じて、着目している領域の色域を判定し、その色域に対応した、使用するインク毎の間引き量を決定できる。これにより、バンド間でのつなぎスジの発生を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるインクジェット記録装置の概略構成を一部破断で示す斜視図である。
【図2】図1に示した記録ヘッドの主要部の構造を模式的に示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るインク・ジェット・プリント装置における制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施例における処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例における印字データのドットカウントを行う領域と間引きを行う領域を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施例における記録ヘッドの構成を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施例における色域判定の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施例におけるある単位領域におけるドットカウント値の一例を示す模式図である。
【図9】本発明の第1実施例における色域の区分の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1実施例における間引きランクグラフの一例である。
【図11】本発明の第1実施例におけるSMS処理のカウンタ値の一例である。
【図12】本発明の第1実施例における間引きランクグラフの一例である。
【図13】バンドのつなぎ部ににじみが生じる原理を説明する図である。
【図14】本発明の第1実施例におけるSMS処理による印字データの処理を説明するため図である。
【図15】本発明の第1実施例におけるSMS処理による印字データの処理を説明するため図である。
【図16】本発明の第2実施例における記録ヘッドの構成を示す模式図である。
【図17】本発明の第2実施例における色域の区分の一例を示す図である。
【図18】本発明の第2実施例における色域内での分割方法の一例を説明するための図である。
【図19】本発明の第2実施例における間引きランクグラフの一例である。
【図20】本発明の第2実施例における間引きランクグラフの一例である。
【図21】本発明の実施の形態におけるバンドおよび境界部を説明するための概念図である。
【図22】本発明の実施の形態におけるマスクによる間引き処理を説明するための概念図である。
【図23】本発明の実施の形態における被記録媒体上での記録インクを説明するための概念図である。
【図24】本発明の第3実施例における色処理方法の一例を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第3実施例における処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第3実施例におけるつなぎ処理を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C ヘッドカートリッジ
2 キャリッジ
4 主走査モータ
8 記録媒体
13 記録ヘッド部
22 吐出口
100 コントローラ
101 CPU
103 ROM
105 RAM
110 ホスト装置

Claims (25)

  1. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、
    前記獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の和を示す量情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記つなぎ部近傍へ打ち込む各インクの量を低減させるための処理を行う低減手段と
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記獲得手段は、前記単位領域に打ち込まれる各インクの量を、各インクに対応した2値データの数をカウントすることで取得し、
    前記決定手段は、前記低減率として2値データの間引率を決定し、
    前記低減手段は、前記間引率に基づいて2値データを間引くことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得し、
    獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の和を示す量情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定し、
    決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記つなぎ部近傍へ打ち込む各インクの量を低減させるための処理を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置へ送信するデータを処理するデータ処理方法において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得し、
    獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の和を示す量情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定し、
    決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記つなぎ部近傍へ打ち込む各インクの量が低減するようにデータ処理を行うことを特徴とするデータ処理方法。
  5. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクに対応したデータ数の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、
    前記獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に打ち込まれる各インクに対応したデータ数に基づいて、当該単位領域内の間引き領域に打ち込むインクに対応したデータを間引くための間引率を各インク毎に決定する決定手段と、
    前記間引き領域へ打ち込む各インクに対応したデータを、前記決定手段によって決定されたインク毎の間引率に基づいて間引く間引き手段と
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記決定手段は、前記獲得手段により獲得された各単位領域の相対情報から、当該単位領域の色相と彩度とを判定する判定手段を有し、
    前記判定手段により判定された当該単位領域の色相と彩度と、当該単位領域に打ち込まれる各インクに対応したデータ数に基づいて、前記間引率を決定することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記決定手段は、前記判定手段により判定された当該単位領域の色相と彩度と、当該単位領域に打ち込まれる各インクに対応したデータ数の和に基づいて、前記間引率を決定することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記データ数の和と前記間引き率とが対応付けられた間引きテーブルが、前記色相と彩度の組み合わせ毎に設けられており、
    前記決定手段は、前記判定手段により判定された色相と彩度の組み合わせに応じて使用する間引きテーブルを選択し、前記選択した間引きテーブルと前記データ数の和に応じて前記間引き率を決定することを特徴とする請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記獲得手段により獲得される各インクに対応したデータ数に対して各インク毎に重み付けできることを特徴とする請求項5ないし8の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記決定手段は、前記間引き領域が複数に分割された分割領域夫々ついて前記間引き率を決定ることを特徴とする請求項5ないし9の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記分割領域は、前記間引き領域前記走査の方向とは異なる方向に分割された領域であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記間引き領域は前記単位領域より小さいことを特徴とする請求項5ないし11の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記異なる色の複数のインクはシアン、マゼンタ、イエローのインクを含むことを特徴とする請求項5ないし12の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記決定手段における間引率は、所定の離散値毎に区別される間引きランクとして決定されることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記間引き手段における間引き処理は、前記間引き領域毎に設定される間引率に基づいて行われることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記単位領域は隣接するバンドに跨る領域であることを特徴とする請求項5ないし15の何れかに記載のインクジェット記録装置。
  17. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる、複数の画素で構成される単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、
    前記獲得手段により獲得された単位領域毎の相対情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定する決定手段と、
    前記決定手段により決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込む各インクの量を低減させるための処理を行う低減手段と
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  18. 前記決定手段は、前記相対情報と前記単位領域に打ち込まれる各インクの量を示す量情報に基づいて、前記低減率を各インク毎に決定することを特徴とする請求項17記載のインクジェット記録装置。
  19. 前記獲得手段は、前記単位領域に打ち込まれる各インクの量を、各インクに対応した2値のデータの数をカウントすることで取得し、
    前記決定手段は、前記低減率として2値データの間引率を決定し、
    前記低減手段は、前記間引率に基づいて2値データを間引くことを特徴とする請求項18記載のインクジェット記録装置。
  20. 前記獲得手段は、前記相対情報を各インクに対応した多値データを加算することで獲得し、
    前記低減手段は、前記低減率に基づいて多値データレベルを下げることを特徴とする請求項17記載のインクジェット記録装置。
  21. 前記獲得手段は、前記単位領域に打ち込まれる各インクの量をR,G,Bに対応した多値データを加算することで獲得し、
    前記低減手段は、R,G,Bに対応した多値データを少なくともY,M,Cに対応した多値データであって、異なる低減率でレベルが低減された多値データに変換するテーブルを複数有し、前記相対情報に基づいて前記複数のテーブルを選択することを特徴とする請求項17記載のインクジェット記録装置。
  22. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる、複数の画素で構成される単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得し、
    獲得された単位領域毎の相対情報に基づいて、前記単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量を低減するための低減率を各インク毎に決定し、
    決定されたインク毎の低減率に基づいて、前記単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込む各インクの量を低減させるための処理を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  23. 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走査しつつ異なる色の複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置へ送信するデータを処理するデータ処理方法において、
    前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる、複数の画素で構成される単位領域毎に、当該単位領域に打ち込まれる各インクの量に対応したデータの相対関係を示す相対情報を獲得し、
    獲得された単位領域毎の相対情報に基づいて、前記単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの量に対応したデータを低減するための低減率を各インク毎に決定し、
    決定されたインク毎の低減率に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込む各インクの量を低減させるように前記データを処理することを特徴とするデータ処理方法。
  24. 前記単位領域は複数の画素で構成されることを特徴とする請求項1、2、5乃至16のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  25. 前記決定手段は、前記単位領域に打ち込まれる量が相対的に少ないインクと相対的に多いインクとで異なる低減率を決定可能であることを特徴とする請求項1、2、17乃至21のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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