JP4003670B2 - Intercom transfer device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、公衆電話回線網を通して宅外の通話端末にインターホン子器との通話音声を転送するインターホン転送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、宅外に設置されたインターホン子器と、宅内に設置されて通話線によりインターホン子器と接続されたインターホン親機とを有するインターホンシステムが提供されている。この種のインターホンシステムの従来例として図13に示すようなものがある(特許文献1参照)。
【0003】
インターホン親機M’は、マイクロホン1、スピーカ2、2線−4線変換部5、マイクロホンアンプG1、回線(2線の伝送路)への送話信号を増幅する回線出力アンプG2、回線からの受話信号を増幅する回線入力アンプG3、スピーカアンプG4、送話音量調整用増幅器G5、受話音量調整用増幅器G6、並びに第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bで構成される。また、インターホン子器Sはマイクロホン1′、スピーカ2′、2線−4線変換部5′、マイクロホンアンプG1′並びにスピーカアンプG4′で構成される。
【0004】
第1のエコーキャンセラ30Aは適応フィルタ31Aと減算器32Aからなる従来周知の構成を有し、スピーカ2−マイクロホン1間の音響結合により形成される帰還経路(音響エコー経路)HACのインパルス応答を適応フィルタ31Aにより適応的に同定し、参照信号(スピーカアンプG4への入力信号)から推定したエコー成分(音響エコー)を減算器32AによりマイクロホンアンプG1の出力信号(図13における点Aの信号)から減算することでエコー成分を相殺して消去するものである。また、第2のエコーキャンセラ30Bも適応フィルタ31Bと減算器32Bからなる従来周知の構成を有し、2線−4線変換部5と伝送路との間のインピーダンスの不整合による反射およびインターホン子器Sにおけるスピーカ2’−マイクロホン1’間の音響結合とにより形成される帰還経路(回線エコー経路)HLINのインパルス応答を適応フィルタ31Bにより適応的に同定し、参照信号(回線出力アンプG2への入力信号、すなわち送話信号)から推定したエコー成分(回線エコー)を減算器32Bにより受話信号(図13における点Cの信号)から減算することでエコー成分を相殺して消去するものである。
【0005】
而して、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bにより帰還経路HACおよびHLINのエコー成分を相殺して閉ループを断ち切るため、不快なエコーおよびハウリングを抑制することができる。また、上記従来例によれば、マイクロホンアンプG1の出力信号に含まれるエコー以外の成分、すなわち、インターホン親機M’に対して通話者が発声した音声信号およびインターホン親機M’の周囲の騒音については全く損失を与えずにインターホン子器S側へ伝送することができ、同様に受話信号に含まれるエコー以外の成分、すなわち、インターホン子器Sに対して通話者が発声した音声信号およびインターホン子器Sの周囲の騒音については全く損失を与えずにインターホン親機M’側へ伝送することができる。したがって、双方向の同時通話を実現することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−359580号公報(段落0004−段落0006、第24図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来ではインターホン親機に留守録機能を持たせて来訪者のメッセージを録音するようにしたものが提供されているが、緊急の要件であった場合にはメッセージを録音してもあまり意味がない。また、来訪者が泥棒のような危険人物であった場合、わざわざ留守であることを知らせることになってしまい、セキュリティの上では不都合である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、留守中であっても外出先の家人がインターホン子器を通じて来訪者に応対することができてインターホンシステムの利便性及びセキュリティが向上するインターホン転送装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、宅外に設置されたインターホン子器と、宅内に設置されて通話線によりインターホン子器と接続されたインターホン親機とを有するインターホンシステムに用いられ、公衆電話回線網を通して宅外の通話端末にインターホン子器との通話音声を転送する転送手段と、インターホン子器と宅外の通話端末との間で双方向に通話するための通話処理を行う通話処理手段と、通話線と通話処理手段の間に設けられる第1の2線−4線変換手段と、転送手段と通話処理手段の間に設けられる第2の2線−4線変換手段とを備え、通話処理手段は、宅外の通話端末における音響結合又は第2の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じるエコーを消去する第1のエコーキャンセラと、インターホン子器における音響結合又は第1の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じたエコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラに挟まれた通話信号の信号経路上に設けられる通話音 量調整用増幅手段と、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、各エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、宅外の通話端末からインターホン子器へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第1の損失挿入手段と、インターホン子器から宅外の通話端末へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第2の損失挿入手段と、第1及び第2の損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、第2の損失挿入手段の出力点から宅外の通話端末側の帰還経路を介して第1の損失挿入手段の入力点へ帰還する第1の帰還経路における第1の帰還利得を推定するとともに、第1の損失挿入手段の出力点からインターホン子器側の帰還経路を介して第2の損失挿入手段の入力点へ帰還する第2の帰還経路における第2の帰還利得を推定し、第1及び第2の帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、通話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて第1及び第2の損失挿入手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とを有し、総損失量算出部は、第1及び第2の帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、インターホン子器と宅外の通話端末との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した後の期間には更新モードで動作してなり、音声スイッチが具備する第1及び第2の損失挿入手段の少なくとも何れか一方の後段に設けられて信号経路に損失を挿入する第3の損失挿入手段と、第3の損失挿入手段が設けられた信号経路における音声スイッチへの入力信号の瞬時パワーを推定する瞬時パワー推定手段と、瞬時パワー推定手段による瞬時パワーの推定値が所定時間以上継続してしきい値以下となったときに第3の損失挿入手段から所定量の損失を挿入させる制御手段とを通話処理手段に具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、宅外に設置されたインターホン子器と、宅内に設置されて通話線によりインターホン子器と接続されたインターホン親機とを有するインターホンシステムに用いられ、公衆電話回線網を通して宅外の通話端末にインターホン子器との通話音声を転送する転送手段と、インターホン子器と宅外の通話端末との間で双方向に通話するための通話処理を行う通話処理手段と、通話線と通話処理手段の間に設けられる第1の2線−4線変換手段と、転送手段と通話処理手段の間に設けられる第2の2線−4線変換手段とを備え、通話処理手段は、宅外の通話端末における音響結合又は第2の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じる第1の帰還経路、並びにインターホン子器における音響結合又は第1の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じる第2の帰還経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチを有し、音声スイッチは、宅外の通話端末からインターホン子器へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第1の損失挿入部と、インターホン子器から宅外の通話端末へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第2の損失挿入部と、第1及び第2の帰還経路を介してそれぞれ帰還する第1及び第2の帰還利得を推定するとともに第1及び第2の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出し、通話信号を監視して推定した通話状態と損失量の総和に応じて第1及び第2の挿入損失部の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量制御部と、通話信号に含まれる宅外の通話端末側の背景雑音レベルを推定する第1の背景雑音レベル推定部と、通話信号に含まれるインターホン子器側の背景雑音レベルを推定する第2の背景雑音レベル推定部と、挿入損失量制御部で監視している宅外通話端末からインターホン子器への通話信号を増幅する第1の偏重モード設定用増幅部と、挿入損失量制御部で監視しているインターホン子器から宅外通話端末への通話信号を増幅する第2の偏重モード設定用増幅部と、第1の帰還経路の帰還利得を推定する第1の帰還利得推定部と、第2の帰還経路の帰還利得を推定する第2の帰還利得推定部と、第1及び第2の背景雑音レベルと第1及び第2の帰還利得の推定値とに応じて第1並びに第2の偏重モード設定用増幅部の各利得 を調整する偏重モード制御部とを備え、偏重モード制御部は、第2の背景雑音レベルの推定値が第1の背景雑音レベルの推定値よりも充分に大きい値であり且つ第1の帰還利得の推定値が所定値よりも小さい値となる状態が一定時間以上継続すれば第1の偏重モード設定用増幅部の利得を第2の偏重モード設定用増幅部の利得よりも増大させて音声スイッチを第1の偏重モードに設定し、第1の背景雑音レベルの推定値が第2の背景雑音レベルの推定値よりも充分に大きい値であり且つ第2の帰還利得の推定値が所定値よりも小さい値となる状態が一定時間以上継続すれば第2の偏重モード設定用増幅部の利得を第1の偏重モード設定用増幅部の利得よりも増大させて音声スイッチを第2の偏重モードに設定し、第1の背景雑音レベルの推定値と第2の背景雑音レベルの推定値の差が充分に大きい値となる状態が一定時間以上継続しなければ第1及び第2の偏重モード設定用増幅部で通話信号を増幅しないことにより通話処理手段を中立モードに設定することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、マイクロホン及びスピーカと、第2の2線−4線変換手段をマイクロホン及びスピーカと転送手段とに択一的に切換接続する切換接続手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、宅内に設置されたセンサで火災やガス漏れなどの異常が検出された場合に検出された異常の内容に応じた警報メッセージや警報音を生成する音声生成手段と、通話処理手段とが単一のプロセッサで構成された音声通話処理回路を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する前に、本発明の実施形態と基本構成が共通である参考例について説明する。
【0014】
(参考例1)
本参考例のインターホン転送装置Mを用いたインターホンシステムのシステム構成並びにインターホン転送装置Mの構成を図1に示す。
【0015】
宅外の玄関先等に設置されたインターホン子器Bと、宅内に設置されたインターホン親機Aとが2線の通話線Lsで接続される。そして、インターホン親機Aと宅内に設置されたインターホン転送装置Mとが2線の通話線Ls’と制御線Lcにより接続される。また宅内に設置された一般の電話機Dがインターホン転送装置Mに接続され、さらに宅内に配線された電話線Ltを通じてインターホン転送装置Mが公衆電話回線網Nに接続されている。なお、電話機Dでは、インターホン転送装置Mから公衆電話回線網Nを介して、携帯電話機等の宅外通話端末Cに発呼及び着呼が可能である。
【0016】
インターホン転送装置Mは、公衆電話回線網Nを通して宅外通話端末Cにインターホン子器Bとの通話音声を転送する転送手段たる電話インタフェース部3と、インターホン子器Bと宅外通話端末Cとの間で双方向に通話するための通話処理を行う通話処理部4と、通話線Ls’と通話処理部4の間に設けられる第1の2線−4線変換部5と、電話インタフェース部3と通話処理部4の間に設けられる第2の2線−4線変換部6と、CPUを主構成要素とし制御線Lcを介してインターホン親機Aから受け取る制御コマンドに応じてインターホン転送装置Mの全体的な制御を行う制御部7とを備えている。
【0017】
次に、図2を参照して通話処理部4の構成を説明する。但し、従来例のインターホン親機M’における通話処理部と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0018】
第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bに挟まれた通話信号の信号経路上に設けられる音量調整用増幅器G5,G6の間に音声スイッチ10が設けてある。音声スイッチ10は、宅外通話端末Cからインターホン子器Bへ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第1の損失挿入部11と、インターホン子器Bから宅外通話端末Cへ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第2の損失挿入部12と、第1及び第2の損失挿入部11,12から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御部13とを具備する。
【0019】
挿入損失量制御部13は、第2の損失挿入部12の出力点Routから宅外通話端末C側の帰還経路を介して第1の損失挿入部11の入力点Tinへ帰還する第1の帰還経路H1における第1の帰還利得αを推定するとともに、第1の損失挿入部11の出力点Toutからインターホン子器B側の帰還経路を介して第2の損失挿入部12の入力点Rinへ帰還する第2の帰還経路H2における第2の帰還利得βを推定し、第1及び第2の帰還利得α,βの推定値α’,β’に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部14と、通話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部14の算出値に応じて第1及び第2の損失挿入部11,12の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部15とを有している。
【0020】
総損失量算出部14では、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて第1の損失挿入部11の入力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、同じく整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて第2の損失挿入部12の出力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、第1の帰還経路H1にて想定される最大遅延時間において第1の損失挿入部11の出力信号の時間平均パワーの推定値の最小値を求め、この最小値で第2の損失挿入部12の入力信号の時間平均パワーの推定値を除算した値を第1の帰還利得の推定値α’とするとともに、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて第1の損失挿入部11の入力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、同じく整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて第1の損失挿入部11の出力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、第2の帰還経路H2にて想定される最大遅延時間において第2の損失挿入部12の出力信号の時間平均パワーの推定値の最小値を求め、この最小値で第1の損失挿入部11の入力信号の時間平均パワーの推定値を除算した値を第2の帰還利得の推定値β’とする。そして、総損失量算出部14は第1及び第2の帰還利得α,βの各推定値α’,β’から所望の利得余裕を得るために必要な総損失量を算出し、その値を挿入損失量分配処理部15に出力する。
【0021】
挿入損失量分配処理部15では、第1及び第2の損失挿入部11,12の入出力信号を監視し、これらの信号のパワーレベルの大小関係などから通話状態(例えば宅外通話端末Cからみた受話状態、送話状態等)を判定するとともに、判定された通話状態に応じた割合で総損失量を分配して第1及び第2の損失挿入部11,12から各信号経路に挿入させる。
【0022】
次に本参考例におけるインターホンシステムの動作を説明する。まず、家人が在宅している場合などではインターホン親機Aは通常モードに設定される。この状態で来訪者がインターホン子器Bの呼出釦(図示せず)を操作すると、インターホン親機Aではインターホン子器Bから通話線Lsを通じて送信される呼出信号を検出し、スピーカから呼出音を鳴動させる。そして、この呼出音に応じて家人がインターホン親機Aの応答釦を操作すればインターホン親機Aとインターホン子器Bとの間で通話が行える。なお、インターホン親機Aが通常モードに設定されている場合には、上述のようにインターホン親機Aとインターホン子器Bとの間でのみ通話が行われ、インターホン転送装置Mは何ら機能しない。
【0023】
一方、インターホン親機Aでは転送設定釦(図示せず)が操作されると転送モードに設定される。そして、転送モードに設定されているときにインターホン子器Bからの呼出信号を検出すると、インターホン親機Aは制御線Lcを介してインターホン転送装置Mに転送コマンドを送信する。この転送コマンドを受信したインターホン転送装置Mの制御部7は、予めメモリに格納されている転送先の電話番号(例えば、外出した家人が携帯している携帯電話機や家人の外出先に設置されている電話機の電話番号)に対して電話インタフェース部3により発呼する。そして、転送先の宅外通話端末(上記携帯電話機や電話機など)Cが応答してインターホン転送装置Mと宅外通話端末Cとの間で公衆電話回線網Nを介して回線が閉結された後、制御部7が通話処理部4を起動してインターホン子器Bと宅外通話端末Cとの間でインターホン親機A及びインターホン転送装置Mを介して通話(以下、「転送通話」と呼ぶ)が可能になる。
【0024】
このように既存のインターホンシステムに本発明に係るインターホン転送装置Mを追加するだけでインターホン子器Bとの通話音声を任意の宅外通話端末Cに転送し、留守中であっても外出先の家人がインターホン子器Bを通じて来訪者に直接応対することが可能となり、緊急の要件にも対応できるとともに泥棒などの危険人物に対して在宅していると思わせることができ、インターホンシステムとしての利便性やセキュリティの向上が図れる。
【0025】
ところで従来例においては、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bの適応フィルタ31A,31Bが帰還経路H1,H2のインパルス応答を同定するのに通常数秒の学習時間を要している。言い換えれば、通話開始直後から数秒間は、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bによって帰還経路H1,H2を断ち切ることができず、通話系に閉ループが形成された状態にある。このような状態においては、通話者が発声した音声がエコーとして通話者自身に聴こえてしまい、不快感を与える。また、増幅器の利得が大きければハウリングを生じてしまう。したがって、通話開始直後のエコーキャンセラ30A,30Bが収束していない状態(インパルス応答を同定するための学習状態)においてもハウリングを生じないためには、閉ループの一巡利得が1倍を超えないように各増幅器の利得を設計する必要がある。これは、明らかに通話音量に対して制約を与えることとなる。
【0026】
以上のことは第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bの適応フィルタ31A,31Bの係数が通話開始時に全て0にリセットされていることを前提としている。一方、予め適応フィルタ31A,31Bに係数の初期値を与えておく方式も考えられるが、適応フィルタ31A,31Bにより同定すべき帰還経路H1,H2の特性が設置環境によって異なるものであるため、予め設定した初期値では帰還経路H1,H2の相殺効果が全く得られないこともあり得る。したがって、そのような方式においても通話音量に対して制約が生じてしまうことは避けられない。
【0027】
そこで本参考例のインターホン転送装置Mにおいては、挿入損失量制御部13の総損失量算出部14が、上述のように各帰還利得α,βの推定値α’,β’に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、転送通話の開始から第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束した後の期間には更新モードで動作するようにしている。すなわち、総損失量算出部14では第1の帰還利得α及び第2の帰還利得βの推定値α’,β’がともに転送通話の開始から所定時間(数百ミリ秒)以上継続して所定の閾値ε(例えば、転送通話の開始時における各推定値α’,β’に対して10dB〜15dB小さい値)を下回った時点で第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束したものとみなし、上記時点以前には総損失量を初期値に固定する固定モードで動作し、上記時点以降には各推定値α’,β’に基づいて総損失量を適応更新する更新モードに動作モードを切り換える。なお、固定モードにおける総損失量の初期値は更新モードにおいて随時更新される総損失量よりも充分に大きな値に設定される。
【0028】
而して、転送通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部14によって充分に大きな値に設定される初期値の総損失量が閉ループに挿入されるため、不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話を実現することができる。また、転送通話開始から時間が経過して第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束した状態においては、総損失量算出部14の動作モードが固定モードから更新モードに切り換わって閉ループに挿入する総損失量が初期値よりも充分に低い値に減少するため、双方向の同時通話が実現できるものである。しかも、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束していない状態のハウリング防止のために閉ループの一巡利得が1倍を超えないように各増幅器の利得を設計するという制約がなくなる。
【0029】
次に、更新モードにおける総損失量算出部14の具体的な動作を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0030】
総損失量算出部14は、固定モードから更新モードに移行した時点(t=t1)から所定のサンプリング周期で第1及び第2の各帰還利得α,βの推定処理を実行してその推定値α’(n),β’(n)を算出し(ステップ1)、これら2つの推定値α’(n),β’(n)の積と利得余裕MGとから、閉ループの利得余裕をMG[dB]に保つために必要とされる総損失量所望値Lr(n)を下式により算出する(ステップ2)。
【0031】
Lr(n)=20log|α’(n)・β’(n)|+MG[dB]
なお、α’(n),β’(n),Lr(n)はそれぞれ更新モード移行時点からn回目のサンプリングによって算出された帰還利得の推定値並びに総損失量所望値を示す。さらに、総損失量算出部14は上式から算出したn回目の総損失量所望値Lr(n)と、前回(n−1回目)の総損失量Lt(n−1)、すなわち前回の処理で決定されて実際に挿入された総損失量に対して今回算出した総損失量所望値Lr(n)が大きい場合、前回の総損失量Lt(n−1)に微少な増加量Δi[dB]を加算した値を今回の総損失量Lt(n)=Lt(n−1)+Δiとし(ステップ3、ステップ4)、前回の総損失量Lt(n−1)に対して今回算出した総損失量所望値Lr(n)が小さい場合、前回の総損失量Lt(n−1)から微少な減少量Δd[dB]を減算した値を今回の総損失量Lt(n)=Lt(n−1)−Δdとする(ステップ5、ステップ6)。
【0032】
このように総損失量算出部14による総損失量の増減をΔi又はΔdの微少な値に抑えることにより、転送通話開始直後のように第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束に向かって活発に係数を更新しているために第1及び第2の帰還利得α,βの変化が激しい状態においても、聴感上の違和感をなくすことができる。
【0033】
(参考例2)
本参考例のインターホン転送装置を用いたインターホンシステムのシステム構成を図4に示す。本参考例は、インターホン親機Aをインターホン転送装置として構成したものであって、基本的な構成は参考例1と共通である。よって、参考例1と共通の構成要素には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0034】
インターホン親機Aは、マイクロホン1及びスピーカ2と、公衆電話回線網Nを通して宅外通話端末Cにインターホン子器Bとの通話を転送する転送手段たる電話インタフェース部3と、インターホン子器Bと宅外通話端末Cとの間で双方向に通話するための通話処理を行う通話処理部4と、通話線Lsと通話処理部4の間に設けられる第1の2線−4線変換部5と、電話インタフェース部3と通話処理部4の間に設けられる第2の2線−4線変換部6と、通話処理部4をマイクロホン1及びスピーカ2と第2の2線−4線変換部6に択一的に切り換えて接続する切換接続部8と、インターホン親機Aの全体的な制御を行う制御部7とを備えている。
【0035】
制御部7はCPUを主構成要素とし、インターホン子器Bで呼出釦が操作されたときに通話線Lsを通じて送信される呼出信号を検出し、スピーカ2から呼出音を鳴動させ、家人が応答釦(図示せず)を操作すれば通話処理部4を起動してインターホン子器Bとの通話を開始させる機能、切換接続部8を制御して通話処理部4をマイクロホン1及びスピーカ2と第2の2線−4線変換部6に択一的に切換接続する機能、後述するように転送モードに設定されているときにインターホン子器Bからの呼出信号を検出するとメモリに格納されている転送先の電話番号に対して電話インタフェース部3により発呼する機能などを有している。なお、切換接続部8により通話処理部4をマイクロホン1及びスピーカ2に接続する通常モードと、通話処理部4を第2の2線−4線変換部6に接続する転送モードとの切り換えは、図示しない転送設定釦が操作されたときに制御部7で行われる。
【0036】
図5に示すように、通話処理部4は参考例1と共通であり、アンプG1,G4と第2の2線−4線変換部6との間に切換接続部8を介してマイクロホン1及びスピーカ2が接続されている点だけが異なる。
【0037】
次に本参考例におけるインターホン親機Aの基本的な動作を説明する。まず、家人が在宅している場合などでは通常モードに設定され、制御部7が切換接続部8を制御して通話処理部4をマイクロホン1及びスピーカ2に接続している。この状態で来訪者がインターホン子器Bの呼出釦を操作すると、制御部7はインターホン子器Bから通話線Lsを通じて送信される呼出信号を検出し、スピーカ2から呼出音を鳴動させる。そして、この呼出音に応じて家人がインターホン親機Aの応答釦を操作すれば、制御部7が通話処理部4を起動してインターホン子器Bとの通話を開始させる。
【0038】
一方、インターホン親機Aの転送設定釦(図示せず)が操作されると、制御部7は切換接続部8を制御して通話処理部4を第2の2線−4線変換部6に接続して転送モードに設定される。そして、転送モードに設定されているときにインターホン子器Bからの呼出信号を検出すると、制御部7は予めメモリに格納されている転送先の電話番号(例えば、外出した家人が携帯している携帯電話機や家人の外出先に設置されている電話機の電話番号)に対して電話インタフェース部3により発呼する。そして、転送先の宅外通話端末(上記携帯電話機や電話機など)Cが応答してインターホン親機Aと宅外通話端末Cとの間で公衆電話回線網Nを介して回線が閉結された後、制御部7が通話処理部4を起動してインターホン子器Bと宅外通話端末Cとの間でインターホン親機Aを介して転送通話が可能になる。
【0039】
このように本参考例では、インターホン転送装置をインターホン親機Aに組み込んで一体としているから、参考例1のようにインターホン転送装置Mをインターホン親機Aと別体に構成するよりもシステム構成が簡素化され、省スペースが図れるとともに設置場所の自由度が増すという利点がある。
【0040】
(実施形態1)
図6は本実施形態のインターホン転送装置における通話処理部4の構成を示すブロック図である。但し、本実施形態における通話処理部4の構成は参考例1と基本的に共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
参考例1においては、総損失量算出部14の動作モードが更新モードへ移行し、音声スイッチ10における総損失量が低い状態にあるときの無音状態において、第1又は第2の帰還経路H1,H2の特性が変動した場合、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bに対する参照信号のレベルが低いために適応フィルタ31A,31Bの学習が進まず、結果としてエコーキャンセラ30A,30Bによるエコー抑圧特性が劣化するため、通話系の閉ループの一巡利得が1倍を超えてハウリングが生じてしまう虞がある。
【0042】
そこで本実施形態では、図6に示すように音声スイッチ10が具備する第1の損失挿入部11の後段に設けられて信号経路に損失を挿入する第3の損失挿入部20と、第3の損失挿入部20が設けられた信号経路における音声スイッチ10への入力信号の瞬時パワーを推定する瞬時パワー推定部21と、瞬時パワー推定部21による瞬時パワーの推定値が所定時間以上継続してしきい値以下となったときに第3の損失挿入部20から所定量の損失を挿入させる損失制御部22とを通話処理部4に設けている。
【0043】
第3の損失挿入部20は損失量を可変としたアッテネータ(減衰器)であって、損失制御部22により挿入損失量が0〔dB〕とL〔dB〕(L>0)とに択一的に切り換えられる。
【0044】
損失制御部22は、瞬時パワー推定部21から逐次入力する送話信号の瞬時パワー推定値Ptiをしきい値Pcと比較し、図7に示すように瞬時パワー推定値Ptiがしきい値Pc以下(Pti≦Pc)となる状況が所定時間Te(数百ms)以上継続するか否かを常時監視しており、上記状況が所定時間Te以上継続した場合に第3の損失挿入部20の挿入損失量を0〔dB〕からL〔dB〕に切り換え、切換後に瞬時パワー推定値Ptiがしきい値Pcを超えた場合には第3の損失挿入部20の挿入損失量をL〔dB〕から0〔dB〕に切り換える。なお、図7では第3の損失挿入部20の利得を縦軸としている。
【0045】
すなわち、損失制御部22において宅外通話端末Cからインターホン子器Bへの通話信号の瞬時パワー推定値Ptiがしきい値Pc以下の場合を無音状態と判断し、総損失量算出部14の動作モードが更新モードに切り換わった後、無音状態がしばらく(所定時間Te以上)継続したときに送話側の信号経路に損失(L〔dB〕)を挿入することによって、第1の帰還利得αあるいは第2の帰還利得βが変動した場合でも通話系の閉ループの一巡利得が1倍を超えることがなく、ハウリングの発生を防止することができる。ここで、音声スイッチ10の総損失量算出部14で算出する損失量の総和が所定値よりも小さい場合にのみ、損失制御部22が第3の損失挿入部20を制御して信号経路に損失を挿入させるようにすれば、信号経路に過剰な損失が挿入されることによる語頭、話中、語尾の切断感を抑止することができる。また、瞬時パワー推定値Ptiに対するしきい値Pc、所定時間Te、並びに挿入損失量の所定量L〔dB〕を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROMなど)を設け、損失制御部22が上記メモリ(図示せず)からしきい値Pc等のパラメータを読み出して上述の制御動作を行うようにすることが望ましい。このようにすれば、瞬時パワー推定値Ptiに対するしきい値Pcなどのパラメータを外部から簡単に変更することが可能であり、通話系の様々な状況に柔軟に対応することができる。
【0046】
なお、音声スイッチ10が具備する第2の損失挿入部12の後段(出力側)に設けられて信号経路に損失を挿入する第3の損失挿入部と、第2の損失挿入部12の入力点Rinの信号(インターホン子器Bから宅外通話端末Cへの通話信号)の瞬時パワーを推定する瞬時パワー推定部と、瞬時パワー推定部による瞬時パワーの推定値が所定時間以上継続してしきい値以下となったときに第3の損失挿入部に所定量の損失を挿入させる損失制御部とを、第3の損失挿入部20、瞬時パワー推定部21並びに損失制御部22の代わりに、あるいは一緒に備える構成としても構わない。すなわち、これらを備えた場合にも上述のように無音状態がしばらく継続したときのハウリングの発生が防止でき、両方を備えた場合には、ハウリングの発生をさらに確実に防止することができるという利点がある。
【0047】
また参考例2と同様に、図8に示すようにアンプG1,G4と第2の2線−4線変換部6との間に切換接続部8を介してマイクロホン1及びスピーカ2を接続し、インターホン転送装置をインターホン親機Aとして構成するようにしても構わない。
【0048】
(実施形態2)
図9は本実施形態のインターホン転送装置における通話処理部4の構成を示すブロック図である。但し、本実施形態における通話処理部4の構成は参考例1と基本的に共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態では、通話信号に含まれる宅外通話端末C側の背景雑音レベルを推定する第1の背景雑音レベル推定部23と、通話信号に含まれるインターホン子器B側の背景雑音レベルを推定する第2の背景雑音レベル推定部24と、挿入損失量制御部13で監視している宅外通話端末Cからインターホン子器Bへの通話信号を増幅する第1の偏重モード設定用増幅部25と、挿入損失量制御部13で監視しているインターホン子器Bから宅外通話端末Cへの通話信号を増幅する第2の偏重モード設定用増幅部26と、第1の帰還経路H1の帰還利得αを推定する第1の帰還利得推定部27と、第2の帰還経路H2の帰還利得βを推定する第2の帰還利得推定部28と、第1及び第2の背景雑音レベルと第1及び第2の帰還利得α,βの推定値|α’|,|β’|とに応じて第1並びに第2の偏重モード設定用増幅部25,26の各利得を調整する偏重モード制御部29とを通話処理部4に備えている。
【0050】
第1及び第2の背景雑音レベル推定部23,24は何れも、立ち上がりが緩やかであり且つ立ち下がりが急峻な特性をもつ積分回路又はデジタルフィルタ等によって実現され、第1の背景雑音レベル推定部23では音量調整用増幅器G5から出力される通話信号(宅外通話端末Cからみた送話信号)中に定常的に存在する背景雑音レベルを推定し、第2の背景雑音レベル推定部24では音量調整用増幅器G6から出力される通話信号(宅外通話端末Cからみた受話信号)中に定常的に存在する暗騒音(背景雑音)レベルを推定する。なお、第1並びに第2の帰還利得推定部27,28における各帰還利得α,βの推定処理は総損失量算出部14による推定処理と共通である。
【0051】
偏重モード制御部29は、第2の背景雑音レベルの推定値PFnが第1の背景雑音レベルの推定値PNnよりも充分に大きい値(PFn≫PNn)であり且つ第1の帰還利得αの推定値|α’|が所定値α0よりも小さい値(|α’|<α0)となる状態が一定時間T1[秒]以上継続すれば、第1の偏重モード設定用増幅部25の利得をG1[dB](G1>0)、第2の偏重モード設定用増幅部26の利得を0[dB]とすることで音声スイッチ10を第1の偏重モードに設定し、第1の背景雑音レベルの推定値PNnが第2の背景雑音レベルの推定値PFnよりも充分に大きい値(PNn≫PFn)であり且つ第2の帰還利得H2の推定値|β’|が所定値β0よりも小さい値(|β’|<β0)となる状態が一定時間T2[秒]以上継続すれば、第2の偏重モード設定用増幅部26の利得をG2[dB](G2>0)、第1の偏重モード設定用増幅器25の利得を0[dB]とすることで音声スイッチ10を第2の偏重モードに設定し、第1の背景雑音レベルの推定値PNnと第2の背景雑音レベルの推定値PFnの差が充分に大きい値となる状態が一定時間T1又はT2以上継続しなければ、第1及び第2の偏重モード設定用増幅部25,26で通話信号を増幅しない、つまり各々の利得を略ゼロとすることにより音声スイッチ10を中立モードに設定する。
【0052】
参考例1においては、インターホン子器B側の周囲騒音レベルと宅内通話端末C側の周囲騒音レベルとの差が大きい場合、通話信号を監視して通話状態を推定する挿入損失量制御部13では、例えばインターホン子器B側の周囲騒音レベルが大きい状況においては宅外通話端末Cからみて常に受話状態と判定し、宅内通話端末C側の周囲騒音レベルが大きい状況においては宅外通話端末Cからみて常に送話状態と判定してしまい、実際の通話状態に関係なく、受話状態又は送話状態の何れか一方に通話状態を固定してしまう現象(所謂音声スイッチ10の片倒れ)が生じることがある。
【0053】
これに対して本実施形態では、偏重モード制御部29が宅内通話端末C側の第1の背景雑音レベルの推定値PNnとインターホン子器B側の第2の背景雑音レベルの推定値PFnとを比較し、第2の背景雑音レベルの推定値PFnの方が充分に大きい場合は挿入損失量制御部13で監視する通話信号(宅外通話端末Cからみた送話信号)を第1の偏重モード設定用増幅器25で利得G1[dB]だけ増幅することによって挿入損失量制御部13が宅外通話端末Cからみた送話状態と判定し易い状態(第1の偏重モード)に設定し、反対に第1の背景雑音レベルの推定値PNnの方が充分に大きい場合は挿入損失量制御部13で監視する通話信号(宅外通話端末Cからみた受話信号)を第2の偏重モード設定用増幅部26で利得G2[dB]だけ増幅することによって挿入損失量制御部13が宅外通話端末Cからみた受話状態と判定し易い状態(第2の偏重モード)に設定するようにして音声スイッチ10の片倒れを防止している。
【0054】
ここで、偏重モード制御部29が第1及び第2の背景雑音レベルの推定値PNn,PFnの比較結果のみに基づいて第1の偏重モード、第2の偏重モード並びに中立モードの切り換えを行うと、例えば第1の帰還利得αがある程度大きな値である場合に、本来ならば宅外通話端末Cからみて受話状態となるべき状況であるのに受話状態とならない現象(受話ブロッキング)や、第2の帰還利得βがある程度大きな値である場合に、本来ならば宅外通話端末Cからみて送話状態となるべき状況であるのに送話状態とならない現象(送話ブロッキング)が生じる虞がある。
【0055】
そこで本実施形態においては、偏重モード制御部29が第1及び第2の背景雑音レベルの推定値PNn,PFnのレベル差だけでなく、第1及び第2の帰還利得α,βの各推定値|α’|,|β’|も考慮して偏重モード制御部29が第1の偏重モード、第2の偏重モード、中立モードに設定している。すなわち、第2の背景雑音レベルの推定値PFnが第1の背景雑音レベルの推定値PNnよりも充分に大きい状況が一定時間T1以上継続した場合でも、第1の帰還利得αの推定値|α’|が所定値α0を上回るときには第1の偏重モードに移行しないため、受話ブロッキングを生じることなく、音声スイッチ10の片倒れを防止することができる。また、第1の背景雑音レベルの推定値PNnが第2の背景雑音レベルの推定値PFnよりも充分に大きい状況が一定時間T2以上継続した場合でも、回線側帰還利得βの推定値|β’|が所定値β0を上回るときには受話偏重モードに移行しないため、送話ブロッキングを生じることなく、音声スイッチ10の片倒れを防止することができる。
【0056】
ここで、受話ブロッキング及び送話ブロッキングを防止するためには、|α’|+G1<M1,|β’|+G2<M2(これを書き換えると、|α’|<M1−G1=α0,|β’|<M2−G2=β0)の関係が成立していなければならない。すなわち、上記所定値α0,β0は受話ブロッキング並びに送話ブロッキングに対するマージンM1,M2と第1の偏重モード設定用増幅器25の利得G1及び第2の偏重モード設定用増幅部26の利得G2に応じて決定される。なお、第1の偏重モード設定用増幅器25の利得G1並びに第2の偏重モード設定用増幅部26の利得G2は、それぞれ使用環境において想定される宅内通話端末C側及びインターホン子器B側の背景雑音レベルに対して、宅内通話端末C側及びインターホン子器B側からどの程度の音圧レベルで発声したときに音声スイッチ10を送話状態あるいは受話状態に切り換えるかというインターホン転送装置Mとしての要求仕様に基づいて決定される。
【0057】
なお参考例2と同様に、図10に示すようにアンプG1,G4と第2の2線−4線変換部6との間に切換接続部8を介してマイクロホン1及びスピーカ2を接続し、インターホン転送装置をインターホン親機Aとして構成するようにしても構わない。
【0058】
(実施形態3)
従来、煙あるいは熱で火災を検知する火災感知器やガス漏れを検知するガス漏れ感知器、浴室やトイレに設置される緊急呼出スイッチなどと接続されて各感知器で火災やガス漏れなどの異常が検出された場合、若しくは緊急呼出スイッチが操作された場合に異常の内容に応じた警報メッセージや警報音をスピーカから鳴動させるようにしたインターホン親機(いわゆる住宅情報盤)が提供されている。そして、このような住宅情報盤を親機とするインターホンシステム(住宅情報盤システム)においても、本発明に係るインターホン転送装置Mを付加することでセキュリティの向上が図れるものである。
【0059】
図11は上述のようなインターホンシステム(住宅情報盤システム)に対応した本実施形態のインターホン転送装置Mを示すブロック図である。但し、参考例1,2及び実施形態1,2と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
本実施形態のインターホン転送装置Mは、参考例1,2及び実施形態1,2の何れかで説明した通話処理部4と、上述のような警報メッセージや警報音を生成する音声生成部41とを有する音声通話処理回路40を備えている。ここで、第2の2線−4線変換部6から音声通話処理回路40に入力される通話信号(宅外通話端末Cからみた送話信号)はアンプ42で増幅された後にA/D変換部43でアナログからデジタルに変換されて通話処理部4に入力され、通話処理部4で種々の通話処理(参考例1,2及び実施形態1,2で説明した音声スイッチ10やエコーキャンセラ30A,30Bによる処理)が行われ、D/A変換部44でデジタルからアナログに変換された後にアンプ45で増幅される。また、第1の2線−4線変換部5から音声通話処理回路40に入力される通話信号(宅外通話端末Cからみた受話信号)はアンプ46で増幅された後にA/D変換部47でアナログからデジタルに変換されて通話処理部4に入力され、通話処理部4で上記通話処理が行われ、D/A変換部48でデジタルからアナログに変換された後にアンプ49で増幅される。
【0061】
音声生成部41は、予め用意された複数の警報音の中から適宜選択してデジタルの警報音を生成する警報音生成部(図示せず)と、内蔵又は外部のメモリに圧縮して格納された複数の音声メッセージデータを適宜選択して読み出し且つ伸長することでデジタルの音声メッセージを生成する音声メッセージ伸長部(図示せず)とを有する。なお、警報音は火災やガス漏れ等の異常の発生を住人に報知するためのものであり、音声メッセージは上記異常を報知するためのメッセージ(警報メッセージ)等である。そして、音声生成部41で生成された警報音や音声メッセージ等の特殊音の音声信号は、D/A変換部50,53でデジタルからアナログに変換された後にアンプ51,54で増幅され、第1又は第2アナログ信号多重部52,55にて通話処理部4から出力される通話信号(送話信号及び受話信号)と時分割多重されて第1又は第2の2線−4線変換部5,6に出力される。
【0062】
而して、インターホン転送装置Mの制御部7では、火災感知器から送信される火災感知信号や緊急呼出スイッチから送信される緊急呼出信号を受信したとき、音声生成部41で生成された警報音や警報メッセージをインターホン子器Bに送信するとともに電話インタフェース部3から宅外通話端末Cに送信する。このため、外出中であっても宅外通話端末Cにより警報音や警報メッセージを聞くことが可能となり、セキュリティがさらに向上できるものである。
【0063】
ここで、本実施形態では音声通話処理回路30をデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)のような単一のプロセッサで構成し、DSPのハードウェアを専用のソフトウェアで制御することによって上述の通話処理部4及び音声生成部41を実現している。このように単一のプロセッサ(DSP)で構成された音声通話処理回路30にて同時通話処理並びに音声生成処理を行うため、複数の集積回路を組み合わせて各処理を行っていた従来例に比較して部品点数を減少させて製造コストの削減が図れるという利点がある。
【0064】
(実施形態4)
本実施形態は、図12に示すようにインターホン親機Aを実施形態3のインターホン転送装置として構成したものであって、基本的な構成は参考例2及び実施形態3と共通である。よって、参考例2及び実施形態3と共通の構成要素には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0065】
図12に示すようにインターホン親機Aではアンプ42及び第1アナログ信号多重部52と第2の2線−4線変換部6との間に切換接続部8を介してマイクロホン1及びスピーカ2を接続している。また、CRTや液晶ディスプレイなどからなりインターホン子器Bの撮像カメラで撮像された映像を表示するモニタ部56と、インターホン子器Bから通話線Lsを介して伝送された映像信号を信号処理してモニタ部56に映像を表示させる映像表示回路57と、インターホン子器Bから多重化されて伝送される音声信号と映像信号を分離する信号分離部58とをインターホン親機Aに備えている。
【0066】
一方、本実施形態におけるインターホン子器Bは撮像カメラを備えており、ベースバンド伝送する音声信号にFM変調した映像信号を多重化することで一対のペア線からなる通話線Lsを介して音声信号と映像信号をインターホン親機Aに伝送している。但し、このようなカメラ付のインターホン子器Bは従来周知であるから詳細な説明を省略する。
【0067】
インターホン親機Aでは、第1の2線−4線変換部5で受けた多重化された音声信号と映像信号を信号分離部58にて分離し、映像表示回路57で復調した映像信号をモニタ部56に出力することでインターホン子器Bの撮像カメラで撮像された映像をモニタ部56の画面に表示させている。
【0068】
一方、音声生成部41は、警報音生成部及び音声メッセージ伸長部の他に、予め用意された複数の呼出音の中から適宜選択してデジタルの呼出音を生成する呼出音生成部(図示せず)と、メモリに圧縮して格納された複数のメロディ音データを適宜選択して読み出し且つ伸長することでデジタルのメロディ音を生成するメロディ音伸長部(図示せず)とを有する。なお、メロディ音は呼出音として使用されるものである。
【0069】
また音声生成部41は、通話相手に聞かせて通話を中止するための口実とする特定音を生成する特定音生成部又はメモリに圧縮して格納された特定音データを伸長する特定音伸長部の少なくとも何れか一方を有する。例えば、インターホン子器Bからの呼出に応答したところ、その相手(通話相手)がセールスマン等の招かれざる訪問者であったため、早々に通話を中止して当該訪問者にお引き取り願いたいと家人が望む場合がある。このような場合に電話機の呼出音や子供の泣き声などの音(これを「特定音」と名付ける)を通話相手に聞かせることで通話を中止する口実が作り出せ、例えば「今電話が鳴っているのでお引き取り下さい。」とか「子供が泣いていて手が離せないのでお引き取り下さい。」というように伝えて通話したくない相手との通話を早急に中止することができる。
【0070】
而して、音声生成部41で生成された呼出音や警報音、あるいは音声メッセージ等の特殊音の音声信号は第1又は第2アナログ信号多重部52,55にて通話処理部4から出力される通話信号(送話信号及び受話信号)と時分割多重されてスピーカ2又は第1若しくは第2の2線−4線変換部5,6に出力される。なお、通常モード及び転送モードにおけるインターホン親機Aの動作は参考例2と共通であるから説明は省略する。
【0071】
【発明の効果】
請求項1の発明は、宅外に設置されたインターホン子器と、宅内に設置されて通話線によりインターホン子器と接続されたインターホン親機とを有するインターホンシステムに用いられ、公衆電話回線網を通して宅外の通話端末にインターホン子器との通話音声を転送する転送手段と、インターホン子器と宅外の通話端末との間で双方向に通話するための通話処理を行う通話処理手段と、通話線と通話処理手段の間に設けられる第1の2線−4線変換手段と、転送手段と通話処理手段の間に設けられる第2の2線−4線変換手段とを備え、通話処理手段は、宅外の通話端末における音響結合又は第2の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じるエコーを消去する第1のエコーキャンセラと、インターホン子器における音響結合又は第1の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じたエコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラに挟まれた通話信号の信号経路上に設けられる通話音量調整用増幅手段と、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、各エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、宅外の通話端末からインターホン子器へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第1の損失挿入手段と、インターホン子器から宅外の通話端末へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第2の損失挿入手段と、第1及び第2の損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、第2の損失挿入手段の出力点から宅外の通話端末側の帰還経路を介して第1の損失挿入手段の入力点へ帰還する第1の帰還経路における第1の帰還利得を推定するとともに、第1の損失挿入手段の出力点からインターホン子器側の帰還経路を介して第2の損失挿入手段の入力点へ帰還する第2の帰還経路における第2の帰還利得を推定し、第1及び第2の帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、通話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて第1及び第2の損失挿入手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とを有し、総損失量算出部は、第1及び第2の帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、インターホン子器と宅外の通話端末との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した後の期間には更新モードで動作してなり、音声スイッチが具備する第1及び第2の損失挿入手段の少なくとも何れか一方の後段に設けられて信号経路に損失を挿入する第3の損失挿入手段と、第3の損失挿入手段が設けられた信号経路における音声スイッチへの入力信号の瞬時パワーを推定する瞬時パワー推定手段と、瞬時パワー推定手段による瞬時パワーの推定値が所定時間以上継続してしきい値以下となったときに第3の損失挿入手段から所定量の損失を挿入させる制御手段とを通話処理手段に具備したことを特徴とし、既存のインターホンシステムに追加するだけでインターホン子器との通話音声を任意の宅外通話端末に転送し、外出先から家人が直接来訪者に応対することが可能となり、緊急の要件にも対応できるとともに泥棒などの危険人物に対して在宅していると思わせることができ、インターホンシステムとしての利便性やセキュリティの向上が図れる。また、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラが収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が充分に大きい初期値に固定されるために不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話が実現でき、第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した状態においては、更新モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が随時更新されるために双方向の同時通話が実現できる。また、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話音量調整用増幅手段を含む増幅利得に対して制約が与えられないため、実用上支障のない充分な通話音量が得られるように増幅利得を設計することができる。しかも、総損失量算出部の動作モードが更新モードに切り換わった後、無音状態がしばらく継続したときに宅外通話端末からみて送話側又は受話側の信号経路の少なくとも一方に 損失を挿入することによって、第1若しくは第2の帰還経路の特性が変動することによりエコーキャンセラのエコー抑圧特性が劣化した場合でも通話系の閉ループの一巡利得が1倍を超えることがなくなってハウリングの発生を防止することができる。
【0072】
請求項2の発明は、宅外に設置されたインターホン子器と、宅内に設置されて通話線によりインターホン子器と接続されたインターホン親機とを有するインターホンシステムに用いられ、公衆電話回線網を通して宅外の通話端末にインターホン子器との通話音声を転送する転送手段と、インターホン子器と宅外の通話端末との間で双方向に通話するための通話処理を行う通話処理手段と、通話線と通話処理手段の間に設けられる第1の2線−4線変換手段と、転送手段と通話処理手段の間に設けられる第2の2線−4線変換手段とを備え、通話処理手段は、宅外の通話端末における音響結合又は第2の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じる第1の帰還経路、並びにインターホン子器における音響結合又は第1の2線−4線変換手段における信号の回り込みによって生じる第2の帰還経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチを有し、音声スイッチは、宅外の通話端末からインターホン子器へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第1の損失挿入部と、インターホン子器から宅外の通話端末へ伝送される通話信号の信号経路に損失を挿入する第2の損失挿入部と、第1及び第2の帰還経路を介してそれぞれ帰還する第1及び第2の帰還利得を推定するとともに第1及び第2の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出し、通話信号を監視して推定した通話状態と損失量の総和に応じて第1及び第2の挿入損失部の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量制御部と、通話信号に含まれる宅外の通話端末側の背景雑音レベルを推定する第1の背景雑音レベル推定部と、通話信号に含まれるインターホン子器側の背景雑音レベルを推定する第2の背景雑音レベル推定部と、挿入損失量制御部で監視している宅外通話端末からインターホン子器への通話信号を増幅する第1の偏重モード設定用増幅部と、挿入損失量制御部で監視しているインターホン子器から宅外通話端末への通話信号を増幅する第2の偏重モード設定用増幅部と、第1の帰還経路の帰還利得を推定する第1の帰還利得推定部と、第2の帰還経路の帰還利得を推定する第2の帰還利得推定部と、第1及び第2の背景雑音レベルと第1及び第2の帰還利得の推定値とに応じて第1並びに第2の偏重モード設定用増幅部の各利得を調整する偏重モード制御部とを備え、偏重モード制御部は、第2の背景雑音レベルの推定値が第1の背景雑音レベルの推定値よりも充分に大きい値であり且つ第1の帰還利得の推定値が所定値よりも小さい値となる状態が一定時間以上継続すれば第1の偏重モード設定用増幅部の利得を第2の偏重モード設定用増幅部の利得よりも増大させて音声スイッチを第1の偏重モードに設定し、第1の背景雑音レベルの推定値が第2の背景雑音レベルの推定値よりも充分に大きい値であり且つ第2の帰還利得の推定値が所定値よりも小さい値となる状態が一定時間以上継続すれば第2の偏重モード設定用増幅部の利得を第1の偏重モード設定用増幅部の利得よりも増大させて音声スイッチを第2の偏重モードに設定し、第1の背景雑音レベルの推定値と第2の背景雑音レベルの推定値の差が充分に大きい値となる状態が一定時間以上継続しなければ第1及び第2の偏重モード設定用増幅部で通話信号を増幅しないことにより通話処理手段を中立モードに設定することを特徴とし、既存のインターホンシステムに追加するだけでインターホン子器との通話音声を任意の宅外通話端末に転送し、外出先から家人が直接来訪者に応対することが可能となり、緊急の要件にも対応できるとともに泥棒などの危険人物に対して在宅していると思わせることができ、インターホンシステムとしての利便性やセキュリティの向上が図れる。また、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラが収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が充分に大きい初期値に固定されるために不快なエコーやハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話が実現でき、第1及び第2のエコーキャンセラが充分に収束した状態においては、更新モードで動作する総損失量算出部によって総損失量が随時更新されるために双方向の同時通話が実現できる。また、インターホン子器側と宅外通話端末側の周囲騒音のレベル差だけでなく、第1及び第2の帰還利得の各推定値も考慮して第1 の偏重モード、第2の偏重モード、中立モードに設定しているため、宅外通話端末からみた送話ブロッキング及び受話ブロッキングを生じることなく、音声スイッチの片倒れを防止することができる。
【0073】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、マイクロホン及びスピーカと、第2の2線−4線変換手段をマイクロホン及びスピーカと転送手段とに択一的に切換接続する切換接続手段とを備えたことを特徴とし、インターホン転送装置をインターホン親機として構成できるため、インターホン親機と別体に構成するよりもシステム構成が簡素化され、省スペースが図れるとともに設置場所の自由度が増すことになる。
【0074】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、宅内に設置されたセンサで火災やガス漏れなどの異常が検出された場合に検出された異常の内容に応じた警報メッセージや警報音を生成する音声生成手段と、通話処理手段とが単一のプロセッサで構成された音声通話処理回路を備えたことを特徴とし、単一のプロセッサで構成された音声通話処理回路にて通話処理並びに音声生成処理を行うため、複数の集積回路を組み合わせて各処理を行っていた従来例に比較して部品点数を減少させて製造コストの削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1のインターホン転送装置を含むインターホンシステムのシステム構成図である。
【図2】 同上における通話処理部のブロック図である。
【図3】 同上の通話処理部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】 本発明の参考例2のシステム構成図である。
【図5】 同上における通話処理部のブロック図である。
【図6】 実施形態1における通話処理部のブロック図である。
【図7】 同上の動作説明図である。
【図8】 同上をインターホン親機として構成した場合の通話処理部のブロック図である。
【図9】 実施形態2における通話処理部のブロック図である。
【図10】 同上をインターホン親機として構成した場合の通話処理部のブロック図である。
【図11】 実施形態3の要部を示すブロック図である。
【図12】 実施形態4の要部を示すブロック図である。
【図13】 従来のインターホン親機及びインターホン子器のブロック図である。
【符号の説明】
M インターホン転送装置
3 電話インタフェース部
4 通話処理部
5 第1の2線−4線変換部
6 第2の2線−4線変換部
7 制御部
A インターホン親機
B インターホン子器
C 宅外通話端末
N 公衆電話回線網[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an interphone transfer apparatus for transferring call voice with an interphone handset to a call terminal outside the home through a public telephone line network.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, an interphone system having an interphone slave installed outside the home and an interphone master installed in the home and connected to the interphone slave via a telephone line is provided. A conventional example of this type of intercom system is shown in FIG. 13 (see Patent Document 1).
[0003]
The interphone master M ′ includes a
[0004]
The
[0005]
Thus, the first and
[0006]
[Patent Document 1]
JP 2002-359580 A (paragraph 0004-paragraph 0006, FIG. 24)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the past, there was provided an interphone master unit with an answering machine function to record a visitor's message, but if it was an urgent requirement, recording a message would not make much sense There is no. In addition, if the visitor is a dangerous person such as a thief, it will be bothered to inform that the visitor is away, which is inconvenient in terms of security.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and the purpose of the present invention is to enable a home away from home to respond to a visitor through an intercom cordless handset even when he / she is away. It is to provide an intercom transfer device that improves the above.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an invention of
[0010]
The invention of claim 2In order to achieve the above object, a public telephone line network is used for an interphone system having an intercom handset installed outside the home and an interphone main unit installed in the house and connected to the intercom handset via a telephone line. A transfer means for transferring call voice with the intercom handset to a call terminal outside the home through, a call processing means for performing a call processing for making a two-way call between the interphone handset and the call terminal outside the home, A first two-wire / four-wire conversion means provided between the call line and the call processing means; and a second two-wire / four-wire conversion means provided between the transfer means and the call processing means. The means includes a first feedback path caused by acoustic coupling in a telephone terminal outside the home or signal wraparound in the second 2-wire to 4-wire conversion means, and acoustic coupling in the intercom handset or the first The voice switch has a voice switch that suppresses howling by reducing the loop gain of the closed loop formed by the second feedback path generated by the signal wraparound in the line-to-line conversion means. A first loss insertion unit that inserts loss into the signal path of the call signal transmitted to the handset; and a second that inserts loss into the signal path of the call signal transmitted from the interphone handset to the call terminal outside the home. The first and second feedback gains that are fed back through the loss insertion unit and the first and second feedback paths are estimated and inserted into the closed loop based on the estimated values of the first and second feedback gains, respectively. Insertion loss amount control that calculates the sum of power loss amounts and determines the distribution of the insertion loss amounts of the first and second insertion loss units according to the call state estimated by monitoring the call signal and the total loss amount Department and A first background noise level estimation unit for estimating a background noise level on the side of a call terminal outside the home included in the call signal, and a second background noise level for estimating a background noise level on the intercom handset side included in the call signal Monitoring is performed by the estimation unit, the first bias mode setting amplification unit that amplifies the call signal from the remote call terminal monitored by the insertion loss amount control unit to the interphone handset, and the insertion loss amount control unit. A second bias mode setting amplification unit for amplifying a call signal from the intercom handset to the outside call terminal; a first feedback gain estimation unit for estimating a feedback gain of the first feedback path; and a second feedback A second feedback gain estimator for estimating a feedback gain of the path; first and second biased mode settings according to the first and second background noise levels and the estimated values of the first and second feedback gains; Each gain of amplifier A bias mode control unit that adjusts the second background noise level estimate value is sufficiently larger than the first background noise level estimate value and the first feedback gain. If the state in which the estimated value is smaller than the predetermined value continues for a certain time or longer, the gain of the first bias mode setting amplification unit is increased more than the gain of the second bias mode setting amplification unit. Is set to the first bias mode, the estimated value of the first background noise level is sufficiently larger than the estimated value of the second background noise level, and the estimated value of the second feedback gain is larger than the predetermined value. If the state of the lower value continues for a certain time or longer, the gain of the second bias mode setting amplification unit is increased more than the gain of the first bias mode setting amplification unit, and the voice switch is set to the second bias mode. Set and estimate the first background noise level If the state in which the difference between the estimated values of the second background noise level and the second background noise level is sufficiently large does not continue for a certain time or longer, the call processing is not performed by amplifying the call signal in the first and second bias mode setting amplification units. Set the instrument to neutral modeIt is characterized by that.
[0011]
The invention of
[0012]
Claim4The invention of claim 1Any of ~ 3In the present invention, when an abnormality such as a fire or a gas leak is detected by a sensor installed in the house, a voice generating means for generating an alarm message or an alarm sound according to the content of the detected abnormality, a call processing means, Comprises a voice call processing circuit constituted by a single processor.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Before describing the embodiment of the present invention, a reference example having the same basic configuration as the embodiment of the present invention will be described below.
[0014]
(Reference example1)
BookReference exampleFIG. 1 shows a system configuration of an interphone system using the interphone transfer device M and a configuration of the interphone transfer device M.
[0015]
An intercom handset B installed at a front door or the like outside the home and an interphone master unit A installed in the home are connected by two communication lines Ls. Then, the intercom master A and the interphone transfer device M installed in the house are connected by the two call lines Ls' and the control line Lc. A general telephone D installed in the house is connected to the interphone transfer apparatus M, and the interphone transfer apparatus M is connected to the public telephone line network N through a telephone line Lt wired in the house. Note that the telephone D can make and receive calls from the interphone transfer device M to the outside call terminal C such as a mobile phone via the public telephone line network N.
[0016]
The interphone transfer device M includes a
[0017]
Next, the configuration of the
[0018]
A
[0019]
The insertion loss amount control unit 13 performs a first feedback that returns from the output point Rout of the second
[0020]
The total loss
[0021]
The insertion loss amount
[0022]
Next bookReference exampleThe operation of the intercom system will be described. First, the interphone master unit A is set to the normal mode when the housekeeper is at home. In this state, when a visitor operates a call button (not shown) of the intercom handset B, the interphone base unit A detects a call signal transmitted from the interphone handset B through the communication line Ls, and generates a ring tone from the speaker. Let it ring. Then, if the housekeeper operates the response button of the interphone master unit A in response to the ringing tone, a call can be made between the interphone master unit A and the interphone slave unit B. Note that when the interphone master A is set to the normal mode, a call is performed only between the interphone master A and the interphone slave unit B as described above, and the interphone transfer device M does not function at all.
[0023]
On the other hand, in the intercom master A, when a transfer setting button (not shown) is operated, the transfer mode is set. When the call signal from the intercom handset B is detected while the transfer mode is set, the interphone master A transmits a transfer command to the interphone transfer device M via the control line Lc. The
[0024]
In this way, by simply adding the intercom transfer device M according to the present invention to the existing intercom system, the call voice with the intercom handset B is transferred to an arbitrary outside call terminal C, and even when the user is away from home, Convenient as an interphone system, because it is possible for a householder to respond directly to a visitor through the intercom handset B, which can respond to urgent requirements and to make it appear that a thief or other dangerous person is at home. Improve security and security.
[0025]
In the conventional example, the
[0026]
The above is based on the premise that the coefficients of the
[0027]
So bookReference exampleIn the interphone transfer apparatus M, the total loss
[0028]
Thus, when the first and second echo cancellers 30A and 30B immediately after the start of the transfer call are not sufficiently converged, a sufficiently large value is set by the total
[0029]
Next, a specific operation of the total loss
[0030]
The total loss
[0031]
Lr (n) = 20 log | α ′ (n) · β ′ (n) | + MG [dB]
Note that α ′ (n), β ′ (n), and Lr (n) indicate the estimated feedback gain value and the desired total loss amount calculated by the nth sampling from the update mode transition point, respectively. Further, the total loss
[0032]
In this way, by suppressing the increase / decrease in the total loss amount by the total loss
[0033]
(Reference example2)
BookReference exampleFIG. 4 shows a system configuration of an intercom system using the interphone transfer apparatus. BookReference exampleIs the interphone base unit A configured as an interphone transfer device, and the basic configuration isReference example1 and common. Therefore,Reference exampleConstituent elements common to 1 are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted as appropriate.
[0034]
Interphone main unit A includes a
[0035]
The
[0036]
As shown in FIG.Reference example1 except that the
[0037]
Next bookReference exampleThe basic operation of the intercom base unit A will be described. First, when the housekeeper is at home, the normal mode is set, and the
[0038]
On the other hand, when a transfer setting button (not shown) of the interphone master unit A is operated, the
[0039]
Book like thisReference exampleThen, since the interphone transfer device is integrated into the interphone master unit A,Reference exampleCompared with the case where the interphone transfer device M is configured separately from the interphone base unit A as in FIG. 1, there are advantages that the system configuration is simplified, a space can be saved, and the degree of freedom of installation location is increased.
[0040]
(Embodiment1)
FIG. 6 is a block diagram showing the configuration of the
[0041]
Reference example1, the operation mode of the total
[0042]
Therefore, in the present embodiment, as shown in FIG. 6, a third
[0043]
The third
[0044]
The
[0045]
That is, the
[0046]
Note that a third loss insertion unit that is provided at the subsequent stage (output side) of the second
[0047]
AlsoReference example8, the
[0048]
(Embodiment2)
FIG. 9 is a block diagram showing the configuration of the
[0049]
In the present embodiment, the first background noise
[0050]
The first and second background
[0051]
The bias
[0052]
Reference example1, when the difference between the ambient noise level on the intercom handset B side and the ambient noise level on the home call terminal C side is large, the insertion loss amount control unit 13 that monitors the call signal and estimates the call state In a situation where the ambient noise level on the intercom handset B side is high, it is always determined as a reception state as seen from the outside call terminal C, and in a situation where the ambient noise level on the home call terminal C side is high, it is always seen from the outside call terminal C. There is a case where a phenomenon of so-called voice switch 10 (a so-called fall of the voice switch 10) occurs that is determined to be a transmission state and is fixed to either the reception state or the transmission state regardless of the actual call state. .
[0053]
On the other hand, in this embodiment, the bias
[0054]
Here, when the bias
[0055]
Therefore, in the present embodiment, the bias
[0056]
Here, in order to prevent reception blocking and transmission blocking, | α ′ | + G1 <M1, | β ′ | + G2 <M2 (rewriting this, | α ′ | <M1-G1 = α0, | β The relationship of '| <M2-G2 = β0) must be established. That is, the predetermined values α0 and β0 correspond to the margins M1 and M2 for reception blocking and transmission blocking, the gain G1 of the first bias
[0057]
In additionReference example10, the
[0058]
(Embodiment3)
Conventionally, it is connected to fire detectors that detect fires with smoke or heat, gas leak detectors that detect gas leaks, emergency call switches installed in bathrooms and toilets, etc. When an emergency call switch is operated, an interphone master unit (so-called house information board) is provided that is configured to cause an alarm message or an alarm sound corresponding to the content of an abnormality to be generated from a speaker. And even in an interphone system (housing information board system) having such a home information board as a base unit, the security can be improved by adding the interphone transfer apparatus M according to the present invention.
[0059]
FIG. 11 is a block diagram showing an interphone transfer apparatus M of the present embodiment corresponding to the interphone system (house information panel system) as described above. However,Reference Examples 1 and 2 and Embodiments 1 and 2Constituent elements common with the same reference numerals are designated by the same reference numerals, and description thereof is omitted.
[0060]
The interphone transfer apparatus M of the present embodiment isReference Examples 1 and 2 and Embodiments 1 and 2The voice
[0061]
The
[0062]
Thus, the
[0063]
Here, in the present embodiment, the voice call processing circuit 30 is constituted by a single processor such as a digital signal processor (DSP), and the above-described call processing unit is controlled by controlling the DSP hardware with dedicated software. 4 and the
[0064]
(Embodiment4)
In the present embodiment, as shown in FIG.3It is configured as an interphone transfer device, and the basic configuration isReference example2 andEmbodiment 3And in common. Therefore,Reference example2 andEmbodiment 3Constituent elements common with the same reference numerals are given the same reference numerals, and description thereof will be omitted as appropriate.
[0065]
As shown in FIG. 12, in the interphone base unit A, the
[0066]
On the other hand, the intercom handset B in the present embodiment includes an imaging camera, and an audio signal is transmitted via a communication line Ls formed of a pair of pair lines by multiplexing an FM-modulated video signal with an audio signal to be transmitted in baseband. The video signal is transmitted to the intercom base unit A. However, since such an interphone slave unit B with a camera is well known in the art, a detailed description thereof will be omitted.
[0067]
In the intercom base A, the multiplexed audio signal and video signal received by the first 2-wire / four-
[0068]
On the other hand, the
[0069]
The
[0070]
Thus, the sound signal of the special sound such as a ringing tone, alarm sound or voice message generated by the
[0071]
【The invention's effect】
The invention of
[0072]
The invention of claim 2Used in an intercom system that has an intercom handset installed outside the home and an interphone base unit installed in the home and connected to the intercom handset via a telephone line. A transfer means for transferring call voice with the handset, a call processing means for performing a call processing for making a two-way call between the intercom handset and the outside call terminal, and between the call line and the call processing means. And a second 2-wire / four-wire conversion means provided between the transfer means and the call processing means, wherein the call processing means is a call terminal outside the home. In the first feedback path caused by the signal coupling in the acoustic coupling or in the second two-wire to four-wire converting means, and in the intercom handset or in the first two-wire to four-wire converting means A voice switch that suppresses howling by reducing a loop gain of the closed loop formed by the second feedback path generated by the sneaking of the signal, and the voice switch is a call transmitted from the telephone terminal outside the home to the interphone handset A first loss insertion unit that inserts loss into the signal path of the signal, a second loss insertion unit that inserts loss into the signal path of the call signal transmitted from the intercom handset to the call terminal outside the home, And the first and second feedback gains that are fed back through the second and second feedback paths, respectively, and the total amount of loss to be inserted into the closed loop is calculated based on the estimated values of the first and second feedback gains. An insertion loss amount control unit that determines the distribution of each insertion loss amount of the first and second insertion loss units according to the sum of the call state and loss amount estimated by monitoring the call signal, and included in the call signal Outside A first background noise level estimator for estimating the background noise level on the talk terminal side, a second background noise level estimator for estimating the background noise level on the intercom handset side included in the speech signal, and insertion loss control A first bias mode setting amplifying unit for amplifying a call signal from an out-of-home call terminal monitored by the communication unit to the intercom handset, and an out-of-home call terminal from the intercom handset monitored by the insertion loss amount control unit A second bias mode setting amplifying unit for amplifying a call signal to the first, a first feedback gain estimating unit for estimating a feedback gain of the first feedback path, and a first gain for estimating the feedback gain of the second feedback path. 2, the gains of the first and second bias mode setting amplification units are adjusted according to the first and second background noise levels and the estimated values of the first and second feedback gains. A bias mode control unit, and a bias mode The control unit is in a state where the estimated value of the second background noise level is sufficiently larger than the estimated value of the first background noise level and the estimated value of the first feedback gain is smaller than the predetermined value. Continues for a certain time or more, the gain of the first bias mode setting amplification unit is increased more than the gain of the second bias mode setting amplification unit to set the voice switch to the first bias mode, If the estimated value of the background noise level is sufficiently larger than the estimated value of the second background noise level and the estimated value of the second feedback gain is a value smaller than the predetermined value continues for a certain time or longer. The gain of the second bias mode setting amplification unit is set to be larger than the gain of the first bias mode setting amplification unit to set the voice switch to the second bias mode, and the estimated value of the first background noise level The difference in the estimated value of the second background noise level is large enough Condition to be have values set to the neutral mode communications unit by not amplifying the speech signals in the first and second unbalance mode setting amplification unit to be continued for a fixed time or moreIt is characterized byBy simply adding to the existing intercom system, the voice of the call with the intercom handset can be transferred to any outside call terminal, allowing the housekeeper to respond directly to the visitor from outside the office and respond to urgent requirements. At the same time, it can make a dangerous person such as a thief feel at home, improving convenience and security as an intercom system. In addition, in a state where the first and second echo cancellers immediately after the start of the call have not converged, the total loss amount is fixed to a sufficiently large initial value by the total loss amount calculation unit operating in the fixed mode, which is uncomfortable. In a state where stable half-duplex communication can be realized by suppressing generation of echo and howling and the first and second echo cancellers are sufficiently converged, the total loss calculation unit operating in the update mode performs the total loss Since the amount is updated as needed, two-way simultaneous calls can be realized. In addition to the difference in ambient noise level between the intercom handset side and the outside call terminal side, the first and second estimated feedback gains are also considered in the first. Therefore, the voice switch can be prevented from falling over without causing transmission blocking and reception blocking as viewed from the outside call terminal.
[0073]
The invention of
[0074]
Claim4The invention of claim 1Any of ~ 3In the present invention, when an abnormality such as a fire or a gas leak is detected by a sensor installed in the house, a voice generating means for generating an alarm message or an alarm sound according to the content of the detected abnormality, a call processing means, Is provided with a voice call processing circuit constituted by a single processor, and a plurality of integrated circuits are provided to perform call processing and voice generation processing by the voice call processing circuit constituted by a single processor. The manufacturing cost can be reduced by reducing the number of parts as compared with the conventional example in which each processing is performed in combination.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]Reference example of the present invention1 is a system configuration diagram of an intercom system including one intercom transfer apparatus.
FIG. 2 is a block diagram of a call processing unit in the same as above.
FIG. 3 is a flowchart for explaining the operation of the call processing unit.
[Fig. 4]Reference example of the present invention2 is a system configuration diagram of FIG.
FIG. 5 is a block diagram of a call processing unit in the same as above.
FIG. 6 is an embodiment.1It is a block diagram of the telephone call processing part in FIG.
FIG. 7 is an operation explanatory diagram of the above.
FIG. 8 is a block diagram of a call processing unit when the above is configured as an interphone master unit.
FIG. 92It is a block diagram of the telephone call processing part in FIG.
FIG. 10 is a block diagram of a call processing unit when the above is configured as an interphone master unit.
FIG. 11 Embodiment3It is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 12 is an embodiment.4It is a block diagram which shows the principal part.
FIG. 13 is a block diagram of a conventional interphone master unit and interphone slave unit.
[Explanation of symbols]
M Intercom transfer device
3 Telephone interface part
4 Call processor
5 1st 2-wire-4 wire conversion part
6 Second 2-wire-4 wire converter
7 Control unit
A Intercom master unit
B Intercom handset
C Outside call terminal
N Public telephone network
Claims (4)
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