JP4002217B2 - 再生装置、再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は音声データや映像データに対応する管理データを含むデータ構造により情報が記録される記録媒体に対応する再生装置及び再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
音楽等を記録/再生することのできる記録装置、再生装置、及び記録媒体としての光磁気ディスクが実用化され、特に近年、光磁気ディスクに対してユーザーが再生だけでなく楽曲等の音声を録音することができるもの(例えばミニディスク)も知られている。
【0003】
このミニディスクシステムを用いる場合、一般に音楽等の音声信号を記録/再生することが行なわれているが、例えばこのミニディスクシステムにおいて、楽曲等の音楽に合わせて映像データを記録/再生できるようにすることも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ミニディスクシステムのように本来音声の記録再生を目的として開発されたものに対して、さらに映像を記録再生データとして加えることを考えると、互換性の保持が難しいという問題が生じる。
即ち、単に映像と音楽を記録再生可能なシステムを提供するだけではなく、新たに映像データを付加した記録媒体(ディスク)に対して、通常のミニディスクプレーヤ/レコーダにおいては音声データのみの記録/再生が可能とされて音楽等を楽しむことができ、また映像入出力対応型のプレーヤ/レコーダでは、音声データと映像データの同時的な再生が可能とされて映像付カラオケやビデオ機器的な楽しみ方ができるというようなコンパチビリティの確保が望まれる。
【0005】
また、このような記録再生システムにおいては、例えば記録したデータについて秘密性が高い場合などに、特定の個人以外には再生できないようにしたい場合がある。例えば所定の映像又は音声データについて暗証番号を知っている人のみが再生できるようにしたいという要請がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通常データ又は再生禁止指定データの指定がされている映像データ及び音声データが記録されており、上記通常データと上記再生禁止指定データについて再生するための管理データとして、再生禁止されたデータを再生しない第1の再生順序に応じて上記通常データのみを指定する通常管理データと、第2の再生順序に応じて上記通常データ及び再生禁止されたデータを指定する暗証要求管理データとが、それぞれ記録されている記録媒体に対して、再生操作時における入力暗証番号の一致に応じて上記暗証要求管理データによる情報を用いてデータの再生を行なうことができるように構成される。
更に、上記記録媒体には、上記暗証要求管理データの存在を示すデータが記録されており、再生禁止指定が解除される際に、上記暗証要求管理データが、通常管理データに書き込まれると共に、上記暗証要求管理データの存在を示すデータが、存在しないことを示すデータに書き換えられて記録されている。
特には、上記暗証要求管理データは、上記第2の再生順序に応じて、上記通常データと上記再生禁止指定データの両方の再生を行なうことを可能とするものである。また上記第2の再生順序とは、再生禁止指定データの指定が行われる前に設定された再生順序である。
また上記記録媒体に対する再生方法として、再生操作時に暗証番号の入力を要求するステップと、入力された暗証番号が正しいか否かを判別するステップと、入力された暗証番号が正しいことに応じて上記暗証要求管理データによる情報を用いてデータの再生を行なうステップとを備える。
【0007】
本発明では、通常管理データにおいて再生禁止指定データ部位として或るデータ部位を再生できない状態で通常データ部位を第1の再生順序で再生できるような管理を行ない、これに対して、通常データ部位と再生禁止指定データ部位の両方について第2の再生順序で再生を可能とするための暗証要求管理データを記録することができるようにし、再生装置としては、再生操作時における入力暗証番号の一致に応じて暗証要求管理データによる情報を用いるようにすれば、記録媒体上で、暗証番号を入力できるユーザーのみしかデータの再生を実行できないデータ部位を実現できる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の再生装置及び再生方法の実施例としてのデータ構造、記録媒体、及びディスク装置(映像と音声の両方を同時的に記録再生できるディスク装置)について説明し、また暗証番号入力に基づいて所定のデータを再生できるようにしたディスク装置とその再生方法を説明する。なお、この実施例はミニディスクシステムを利用して、音声データに加えて映像データの記録再生を行なうことができるシステムとする。
説明は次の順序で行なう。
1)映像音声対応のディスク装置の構成
2)音声のみ対応のディスク装置の構成
3)ディスクにおけるトラック構造
4)ディスクにおけるP−TOCフォーマット
5)ディスクにおけるU−TOCフォーマット
6)ディスクにおける音声データセクター構造
7)ディスクにおける映像データセクター構造
8)映像データ生成方式
9)音声データと映像データが混在されるトラック構造
10)映像データフォーマット
11)記録再生管理方式
12)通常のU−TOCセクターのみで再生禁止部位を得る管理方式
13)通常のU−TOCセクターのみで再生禁止部位を得た場合の再生方式
14)暗証要求U−TOCセクターを用いる場合の管理方式
15)暗証要求U−TOCセクターを用いる場合の再生方式
【0009】
<1.映像音声対応のディスク装置の構成>
図1に実施例となるディスク装置の構成を示す。
図1において、1は後述するように音声データと映像データが混在(時分割多重)して記録されている光磁気ディスクを示し、スピンドルモータ2により回転駆動される。3は光磁気ディスク1に対して記録/再生時にレーザ光を照射する光学ヘッドであり、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力をなし、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力をなす。
【0010】
このため、光学ヘッド3はレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏向ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。対物レンズ3aは2軸機構4によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
【0011】
また、6aは供給されたデータによって変調された磁界を光磁気ディスクに印加する磁気ヘッドを示し、光磁気ディスク1を挟んで光学ヘッド3と対向する位置に配置されている。光学ヘッド3全体及び磁気ヘッド6aは、スレッド機構5によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0012】
再生動作によって、光学ヘッド3により光磁気ディスク1から検出された情報はRFアンプ7に供給される。RFアンプ7は供給された情報の演算処理により、再生RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、絶対位置情報(光磁気ディスク1にプリグルーブ(ウォブリンググルーブ)として記録されている絶対位置情報)、アドレス情報、フォーカスモニタ信号等を抽出する。そして、抽出された再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部8に供給される。また、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号はサーボ回路9に供給され、アドレス情報はアドレスデコーダ10に供給される。さらに絶対位置情報、フォーカスモニタ信号は例えばマイクロコンピュータによって構成されるシステムコントローラ11に供給される。
【0013】
サーボ回路9は供給されたトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号や、システムコントローラ11からのトラックジャンプ指令、シーク指令、スピンドルモータ2の回転速度検出情報等により各種サーボ駆動信号を発生させ、2軸機構4及びスレッド機構5を制御してフォーカス及びトラッキング制御をなし、またスピンドルモータ2を一定角速度(CAV)又は一定線速度(CLV)に制御する。
【0014】
再生RF信号はエンコーダ/デコーダ部8でEFM復調、CIRC等のデコード処理された後、メモリコントローラ12によって一旦バッファRAM13に書き込まれる。なお、光学ヘッド3による光磁気ディスク1からのデータ(音声データ及び映像データ)の読み取り及び光学ヘッド3からバッファRAM13までの系における再生データの転送は例えば1.41Mbit/secで行なわれる。
【0015】
バッファRAM13に書き込まれたデータは、再生データの転送が例えば0.3Mbit/sec となるタイミングで読み出され、音声データについては、音声圧縮/伸長処理を行なうエンコーダ/デコーダ部14に供給される。そして、音声圧縮処理に対するデコード処理等の再生信号処理を施され、D/A変換器15によってアナログ音声信号とされ、端子16から所定の増幅回路部へ供給されて再生出力される。例えばL,Rオーディオ信号として出力される。
【0016】
また、映像データについては、メモリコントローラ12により画像信号のエンコーダ/デコーダ部21に供給される。エンコーダ/デコーダ部21は例えばMPEG方式に準じたエンコード処理、デコード処理を行なうことができるように構成されている。23はエンコード処理、デコード処理の際に映像データを保持するビデオRAM、24はビデオ信号発生部である。
【0017】
エンコーダ/デコーダ部21でデコードされた映像信号(R,G,B映像信号)はD/A変換器25においてアナログ信号とされ、コンバータ26によってNTSC映像信号(例えばNTSC方式のコンポジット映像信号)に変換され、端子27から出力される。
【0018】
ここで、バッファRAM13に一旦書き込まれ、その後読み出されるデータ(データは後述する1セクター単位で書込/読出が実行される)については、システムデコーダ22がそのデータ内容から、そのセクターデータが音声データであるか映像データであるかを判別できるようになされており、読み出されたデータをエンコーダ/デコーダ部14とエンコーダ/デコーダ部21のいづれに供給すべきかが判別される。
【0019】
アドレスデコーダ10から出力されるアドレス情報や制御動作に供されるサブコードデータはエンコーダ/デコーダ部8を介してシステムコントローラ11に供給され、各種の制御動作に用いられる。
さらに、記録/再生動作のビットクロックを発生させるPLL回路のロック検出信号、再生データのフレーム同期信号の欠落状態のモニタ信号等もシステムコントローラ11に供給される。
【0020】
また、システムコントローラ11は光学ヘッド3におけるレーザダイオードの動作を制御するレーザ制御信号SLPを出力しており、レーザダイオードの出力をオン/オフ制御するとともに、オン制御時としては、レーザパワーが比較的低レベルである再生時の出力と、比較的高レベルである記録時の出力とを切り換えることができるようになされている。
【0021】
光磁気ディスク1に対して記録動作が実行される際には、記録すべき音声信号(アナログ音声信号)については端子17に供給される。
また映像信号(NTSCコンポジット映像信号)は端子28に供給される。
【0022】
端子17に供給されたアナログ音声信号は、A/D変換器18によってデジタルデータとされた後、エンコーダ/デコーダ部14に供給され、音声圧縮エンコード処理を施される。エンコーダ/デコーダ部14によって圧縮された音声データはメモリコントローラ12によって一旦バッファRAM13に書き込まれ、また所定タイミングで読み出されてエンコーダ/デコーダ部8に送られる。そしてエンコーダ/デコーダ部8でCIRCエンコード、EFM変調等のエンコード処理された後、磁気ヘッド駆動回路15に供給される。
【0023】
また、端子28に供給されたNTSCコンポジット映像信号は、コンバータ29においてR,G,B映像信号に変換され、さらにA/D変換器30によってデジタルデータとされた後、エンコーダ/デコーダ部21に供給され、MPEG方式に準じたエンコード処理を施される。即ち、DCT変換、ビット数圧縮のための再量子化、ランレングスコーディング等の処理が実行される。
【0024】
エンコーダ/デコーダ部21によって圧縮エンコード処理された映像データはメモリコントローラ12によって一旦バッファRAM13に書き込まれ、また所定タイミングで読み出されてエンコーダ/デコーダ部8に送られる。そしてエンコーダ/デコーダ部8でCIRCエンコード、EFM変調等のエンコード処理された後、磁気ヘッド駆動回路6に供給される。
磁気ヘッド駆動回路6に対しては、音声データと映像データが時分割的に供給されることになる。
【0025】
磁気ヘッド駆動回路6は供給された記録データに応じて、磁気ヘッド6aに磁気ヘッド駆動信号を供給する。つまり、光磁気ディスク1に対して磁気ヘッド6aによるN又はSの磁界印加を実行させる。また、このときシステムコントローラ11は光学ヘッドに対して、記録レベルのレーザ光を出力するように制御信号を供給する。
【0026】
19はユーザー操作に供されるキーが設けられた操作入力部、20は例えば液晶ディスプレイによって構成される表示部を示す。操作入力部19には録音キー、再生キー、停止キー、AMSキー、サーチキー等がユーザー操作に供されるように設けられている。
【0027】
また、ディスク1に対して記録/再生動作を行なう際には、ディスク1に記録されている管理情報、即ちP−TOC(プリマスタードTOC)、U−TOC(ユーザーTOC)を読み出して、システムコントローラ11はこれらの管理情報に応じてディスク1上の記録すべきセグメントのアドレスや、再生すべきセグメントのアドレスを判別することとなるが、この管理情報はバッファRAM13に保持される。このためバッファRAM13は、上記した記録データ/再生データのバッファエリアと、これら管理情報を保持するエリアが分割設定されている。
【0028】
そして、システムコントローラ11はこれらの管理情報を、ディスク1が装填された際に管理情報の記録されたディスクの最内周側の再生動作を実行させることによって読み出し、バッファRAM13に記憶しておき、以後そのディスク1に対する記録/再生動作の際に参照できるようにしている。
【0029】
また、U−TOCはデータの記録や消去に応じて編集されて書き換えられるものであるが、システムコントローラ11は記録/消去動作のたびにこの編集処理をバッファRAM13に記憶されたU−TOC情報に対して行ない、その書換動作に応じて所定のタイミングでディスク1のU−TOCエリアについても書き換えるようにしている。
【0030】
<2.音声のみ対応のディスク装置の構成>
図2にミニディスクシステムとしてのディスク装置の構成を示す。つまり、音声データのみに対応して記録/再生動作をなすディスク装置である。
この場合、図1のディスク装置から映像データの付加により必要とされる回路部を除いた構成となっており、即ち、エンコーダ/デコーダ部21、システムデコーダ22、ビデオRAM23、ビデオ信号発生器24、D/A変換器25、A/D変換器30、コンバータ26,29、端子27,28が備えられていない。音声データの記録/再生のための動作は上述した図1のディスク装置とほぼ同様となるものであり、説明を省略する。
【0031】
<3.ディスクにおけるトラック構造>
ミニディスクシステムにおける、光磁気ディスク1のトラック構造は図3のようになる。
即ち、図3(a)(b)のように4セクターの(1セクタ=2352バイト)サブデータ領域と32セクター(SC0〜SC31)のメインデータ領域からなるクラスタCL(=36セクタ−)が連続して形成されており、1クラスタが記録再生時の最小単位とされている。この1クラスタは2〜3周回トラック分に相当する。なお、アドレスは1セクター毎に記録される。
4セクターのサブデータ領域はサブデータやリンキングエリアとしてなどに用いられ、TOCデータ、音声データ、映像データ等の記録は32セクターのメインデータ領域に行なわれる。
【0032】
また、セクターに記録される音声データの領域はさらにサウンドグループに細分化され、2セクターが11サウンドグループに分けられている。(なお、本実施例で実現される映像データのセクター構成については後述する)
【0033】
つまり図3(b)にセクターを示したクラスタが音声データ記録に用いられている場合、図3(b)における偶数セクター(SC0,SC2,SC4・・・・)は図3(c)のように構成され、また図3(b)における奇数セクター(SC1,SC3,SC5・・・・)は図3(d)のように構成されている。
各セクターは図3(c)(d)のように先頭に同期パターン(SYNC)、及びアドレスが記録されたヘッダーが設けられ、続いてサブヘッダーが設けられる。そしてサブヘッダーにつづいて実際の音声データが記録される。
記録される音声データとしては212バイトのサウンドフレームSFが最小データ単位とされ、各セクターには11のサウンドフレームが含まれる。1つのサウンドフレームはL又はRチャンネルについての11.6msec分の音声信号を圧縮処理したデータとされている。
【0034】
ここで、まず偶数セクターには、LチャンネルのサウンドフレームSF(L0)、RチャンネルのサウンドフレームSF(R0)、LチャンネルのサウンドフレームSF(L1)・・・・・・・ とL,R各チャンネルに付いて交互に記録されていき、LチャンネルのサウンドフレームSF(L5)までが記録される。
一方、奇数セクターにはRチャンネルのサウンドフレームSF(R5)、LチャンネルのサウンドフレームSF(L6)、RチャンネルのサウンドフレームSF(R6)・・・・・ と交互に記録されていき、RチャンネルのサウンドフレームSF(R10) までが記録される。
【0035】
そして、L,Rの対のサウンドフレームにより1つのサウンドグループ(SG0〜SG10)が構成される。従って、サウンドグループSG0〜SG4及びサウンドグループSG5の前半が偶数セクターに記録され、サウンドグループSG5の後半からサウンドグループ10までが奇数セクターに記録されており、つまり上述したように2セクターで11サウンドグループのデータが記録されることになる。
【0036】
<4.P−TOCセクター>
ここで、ディスク1において音声データ及び映像データの記録/再生動作の管理を行なう管理情報として、まずP−TOCセクターについて説明する。
P−TOC情報としては、ディスクの記録可能エリア(レコーダブルユーザーエリア)などのエリア指定やU−TOCエリアの管理等が行なわれる。なお、ディスク1が再生専用の光ディスクであるプリマスタードディスクの場合は、P−TOCによってROM化されて記録されている楽曲の管理も行なうことができるようになされている。
【0037】
P−TOCのフォーマットを図4に示す。
図4はP−TOC用とされる領域(例えばディスク最内周側のROMエリア)において繰り返し記録されるP−TOC情報の1つのセクター(セクター0)を示している。なお、P−TOCはセクター0に続くセクター1以降はオプションとされている。
【0038】
P−TOCのセクターのデータ領域(4バイト×588 の2352バイト)は、先頭位置にオール0又はオール1の1バイトデータによって成る同期パターンが配され、続いてクラスタアドレス及びセクターアドレスを示すアドレス等による4バイトのヘッダが設けられている。
【0039】
また、ヘッダに続いて所定アドレス位置に『MINI』という文字に対応したアスキーコードによる識別IDが付加されている。
さらに、続いてディスクタイプや録音レベル、記録されている最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(Last TNO) 、セクター使用状況(Used sectors)、リードアウトスタートアドレスROA 、パワーキャルエリアスタートアドレスPCA 、U−TOC(後述する図5のU−TOCセクター0のデータ領域)のスタートアドレスUSTA 、録音可能なエリア(レコーダブルユーザーエリア)のスタートアドレスRSTA 等が記録される。
【0040】
続いて、記録されている各楽曲等を後述する管理テーブル部におけるパーツテーブルに対応させるテーブルポインタ(P-TNO1 〜P-TNO255) を有する対応テーブル指示データ部が用意されている。
【0041】
そして対応テーブル指示データ部に続く領域には、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-TNO1 〜P-TNO255) に対応して、(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられた管理テーブル部が用意される(なお本明細書において『h』を付した数値はいわゆる16進表記のものである)。それぞれのパーツテーブルには、或るセグメントについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、及びそのセグメント(トラック)のモード情報(トラックモード)が記録できるようになされている。
【0042】
各パーツテーブルにおけるトラックのモード情報とは、そのセグメントが例えばオーバーライト禁止やデータ複写禁止に設定されているか否かの情報や、オーディオ情報か否か、モノラル/ステレオの種別などが記録されている。
【0043】
管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部のテーブルポインタ (P-TNO1〜P-TNO255) によって、そのセグメントの内容が示される。つまり、第1曲目の楽曲についてはテーブルポインタP-TNO1として或るパーツテーブル(例えば(01h) 。ただし実際にはテーブルポインタには所定の演算処理によりP−TOCセクター0内のバイトポジションで或るパーツテーブルを示すことができる数値が記されている)が記録されており、この場合パーツテーブル(01h) のスタートアドレスは第1曲目の楽曲の記録位置のスタートアドレスとなり、同様にエンドアドレスは第1曲目の楽曲が記録された位置のエンドアドレスとなる。さらに、トラックモード情報はその第1曲目についての情報となる。
【0044】
同様に第2曲目についてはテーブルポインタP-TNO2に示されるパーツテーブル(例えば(02h) )に、その第2曲目の記録位置のスタートアドレス、エンドアドレス、及びトラックモード情報が記録されている。
以下同様にテーブルポインタはP-TNO255まで用意されているため、P−TOC上では第255曲目まで管理可能とされている。
そして、このようにP−TOCセクター0が形成されることにより、例えば再生時において、所定の楽曲をアクセスして再生させることができる。
【0045】
なお、記録/再生可能な光磁気ディスクの場合いわゆるプリマスタードの楽曲エリアが存在しないため、上記した対応テーブル指示データ部及び管理テーブル部は用いられず(これらは続いて説明するU−TOCで管理される)、従って各バイトは全て『00h』とされている。
ただし、楽曲等が記録されるエリアとしてROMエリアと光磁気エリアの両方を備えたハイブリッドタイプのディスクについては、そのROMエリア内の楽曲の管理に上記対応テーブル指示データ部及び管理テーブル部が用いられる。
【0046】
<5.U−TOCセクター>
続いてU−TOCの説明を行なう。
図5はU−TOCの最初のセクター(U−TOCセクター0)のフォーマットを示しており、主にユーザーが録音を行なった楽曲や新たに楽曲が録音可能な未記録エリア(フリーエリア)についての管理情報が記録されているデータ領域とされる。なお、U−TOCもセクター0に続くセクター1以降はオプションとされる。ただし、本実施例では、図1に示した、音声だけでなく映像の記録/再生を行なうことができるディスク装置の動作を実現するため、このU−TOCセクター0と同様のフォーマットのセクター(例えばU−TOCセクター6)が用意される。
そして、このU−TOCセクター0は音声データのみについての管理情報となり、図2のディスク装置による記録/再生動作、及び図1のディスク装置において音声データのみの記録/再生動作を行なう際に管理情報として使用され、U−TOCセクター6については、図1のディスク装置が音声データと映像データの同時的な記録/再生動作を行なう際の管理情報として用いられることになる。
【0047】
ミニディスクシステムでは、ディスク1に或る楽曲の録音を行なおうとする際には、システムコントローラ11は、U−TOCからディスク上のフリーエリアを探し出し、ここに音声データを記録していくことができるようになされている。また、再生時には再生すべき楽曲が記録されているエリアをU−TOCから判別し、そのエリアにアクセスして再生動作を行なう。
【0048】
図5に示すU−TOCのセクター(セクター0)には、P−TOCと同様にまず同期パターン及びヘッダが設けられ、続いて所定アドレス位置に、メーカーコード、モデルコード、最初の楽曲の曲番(First TNO)、最後の楽曲の曲番(Last TNO)、セクター使用状況(Used sectors)、ディスクシリアルナンバ、ディスクID等のデータが記録される。
【0049】
1バイト(8ビット)のセクター使用状況(Used sectors)の第1〜第8の各ビットは、そのMSB〜LSBがU−TOCセクター7〜U−TOCセクター0に対応しており、ディスク1において音声データだけでなく映像データも記録され、上述のようにU−TOCセクター6が用いられる場合は、例えばこのU−TOCセクター0におけるセクター使用状況(Used sectors)の、U−TOCセクター6に対応するビット(第2ビット)が『1』とされ、これによってディスクが映像データと音声データが混在しているディスクであることが判別される。
【0050】
さらにU−TOCセクター0内には、ユーザーが録音を行なって記録されている楽曲の領域や未記録領域等を後述する管理テーブル部に対応させることによって識別するため、対応テーブル指示データ部として各種のテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) が記録される領域が用意されている。
【0051】
そして対応テーブル指示データ部のテーブルポインタ(P-DFA〜P-TNO255) に対応させることになる管理テーブル部として(01h) 〜(FFh) までの255個のパーツテーブルが設けられ、それぞれのパーツテーブルには、上記図4のP−TOCセクター0と同様に或るセグメントについて起点となるスタートアドレス、終端となるエンドアドレス、そのセグメントのモード情報(トラックモード)が記録されており、さらにこのU−TOCセクター0の場合、各パーツテーブルで示されるセグメントが他のセグメントへ続いて連結される場合があるため、その連結されるセグメントのスタートアドレス及びエンドアドレスが記録されているパーツテーブルを示すリンク情報が記録できるようになされている。
【0052】
この種の記録再生装置では、例えば1つの楽曲のデータ物理的に不連続に、即ち複数のセグメント(ここでセグメントとは、物理的に連続したデータが記録されているトラック部分をいう)にわたって記録されていてもセグメント間でアクセスしながら再生していくことにより再生動作に支障はないため、ユーザーが録音する楽曲等については、録音可能エリアの効率使用等の目的から、複数セグメントにわけて記録する場合もある。また、映像データと音声データが混在される場合は、これらは時分割的に多重されるため、例えば1曲の音声データはセグメント分割されることになる。
【0053】
そのため、リンク情報が設けられ、例えば各パーツテーブルに与えられたナンバ(01h) 〜(FFh) (実際には所定の演算処理によりU−TOCセクター0内のバイトポジションとされる数値で示される)によって、連結すべきパーツテーブルを指定することによってパーツテーブルが連結できるようになされている。(なお、音声データ専用のプリマスタードディスクにおいてあらかじめ記録される楽曲等については通常セグメント分割されることがないため、前記図4のようにP−TOCセクター0においてリンク情報はすべて『(00h) 』とされている。)
【0054】
つまりU−TOCセクター0における管理テーブル部においては、1つのパーツテーブルは1つのセグメントを表現しており、例えば3つのセグメントが連結されて構成される楽曲についてはリンク情報によって連結される3つのパーツテーブルによって、そのセグメント位置の管理はなされる。
【0055】
U−TOCセクター0の管理テーブル部における(01h) 〜(FFh) までの各パーツテーブルは、対応テーブル指示データ部におけるテーブルポインタ(P-DFA,P-EMPTY ,P-FRA ,P-TNO1〜P-TNO255) によって、以下のようにそのセグメントの内容が示される。
【0056】
テーブルポインタP-DFA は光磁気ディスク1上の欠陥領域に付いて示しており、傷などによる欠陥領域となるトラック部分(=セグメント)が示された1つのパーツテーブル又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、欠陥セグメントが存在する場合はテーブルポインタP-DFA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、欠陥セグメントがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、他にも欠陥セグメントが存在する場合は、そのパーツテーブルにおけるリンク情報として他のパーツテーブルが指定され、そのパーツテーブルにも欠陥セグメントが示されている。そして、さらに他の欠陥セグメントがない場合はリンク情報は例えば『(00h) 』とされ、以降リンクなしとされる。
【0057】
テーブルポインタP-EMPTY は管理テーブル部における1又は複数の未使用のパーツテーブルの先頭のパーツテーブルを示すものであり、未使用のパーツテーブルが存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY として、(01h) 〜(FFh) のうちのいづれかが記録される。未使用のパーツテーブルが複数存在する場合は、テーブルポインタP-EMPTY によって指定されたパーツテーブルからリンク情報によって順次パーツテーブルが指定されていき、全ての未使用のパーツテーブルが管理テーブル部上で連結される。
【0058】
テーブルポインタP-FRA は光磁気ディスク1上のデータの書込可能なフリーエリア(消去領域を含む)について示しており、フリーエリアとなるトラック部分(=セグメント)が示された1又は複数のパーツテーブル内の先頭のパーツテーブルを指定している。つまり、フリーエリアが存在する場合はテーブルポインタP-FRA において(01h) 〜(FFh) のいづれかが記録されており、それに相当するパーツテーブルには、フリーエリアであるセグメントがスタート及びエンドアドレスによって示されている。また、このようなセグメントが複数個有り、つまりパーツテーブルが複数個有る場合はリンク情報により、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで順次指定されている。
【0059】
図6にパーツテーブルにより、フリーエリアとなるセグメントの管理状態を模式的に示す。これはセグメント(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) がフリーエリアとされている時に、この状態が対応テーブル指示データP-FRA に引き続きパーツテーブル(03h)(18h)(1Fh)(2Bh)(E3h) のリンクによって表現されている状態を示している。なお、上記した欠陥領域や、未使用パーツテーブルの管理形態もこれと同様となる。
【0060】
ところで、全く楽曲等の音声データの記録がなされておらず欠陥もない光磁気ディスクであれば、テーブルポインタP-FRA によってパーツテーブル(01h) が指定され、これによってディスクのレコーダブルユーザーエリアの全体が未記録領域(フリーエリア)であることが示される。そして、この場合残る(02h) 〜(FFh) のパーツテーブルは使用されていないことになるため、上記したテーブルポインタP-EMPTY によってパーツテーブル(02h) が指定され、また、パーツテーブル(02h) のリンク情報としてパーツテーブル(03h) が指定され、パーツテーブル(03h) のリンク情報としてパーツテーブル(04h) が指定され、というようにパーツテーブル(FFh) まで連結される。この場合パーツテーブル(FFh) のリンク情報は以降連結なしを示す『(00h) 』とされる。
なお、このときパーツテーブル(01h) については、スタートアドレスとしてはレコーダブルユーザーエリアのスタートアドレスが記録され、またエンドアドレスとしてはリードアウトスタートアドレスの直前のアドレスが記録されることになる。
【0061】
テーブルポインタP-TNO1〜P-TNO255は、光磁気ディスク1にユーザーが記録を行なった楽曲について示しており、例えばテーブルポインタP-TNO1では1曲目のデータが記録された1又は複数のセグメントのうちの時間的に先頭となるセグメントが示されたパーツテーブルを指定している。
【0062】
例えば1曲目とされた楽曲がディスク上でトラックが分断されずに(つまり1つのセグメントで)記録されている場合は、その1曲目の記録領域はテーブルポインタP-TNO1で示されるパーツテーブルにおけるスタート及びエンドアドレスとして記録されている。
【0063】
また、例えば2曲目とされた楽曲がディスク上で複数のセグメントに離散的に記録されている場合は、その楽曲の記録位置を示すため各セグメントが時間的な順序に従って指定される。つまり、テーブルポインタP-TNO2に指定されたパーツテーブルから、さらにリンク情報によって他のパーツテーブルが順次時間的な順序に従って指定されて、リンク情報が『(00h) 』となるパーツテーブルまで連結される(上記、図6と同様の形態)。このように例えば2曲目を構成するデータが記録された全セグメントが順次指定されて記録されていることにより、このU−TOCセクター0のデータを用いて、2曲目の再生時や、その2曲目の領域へのオーバライトを行なう際に、光学ヘッド3及び磁気ヘッド6をアクセスさせ離散的なセグメントから連続的な音楽情報を取り出したり、記録エリアを効率使用した記録が可能になる。
【0064】
以上のようにディスク上のエリア管理はP−TOCによってなされ、またレコーダブルユーザーエリアにおいて記録された楽曲等の音声データや音声データが記録可能なフリーエリア等はU−TOCにより行なわれる。
これらのTOC情報はバッファRAM13に読み込まれてシステムコントローラ11がこれを参照できるようになされる
【0065】
ところで、本実施例において、特に映像データと音声データが混在されるディスクの場合は、このU−TOCセクター0においては、映像データが記録されるセグメントについては、記録可能エリア又は再生エリアとして管理することは適当でない。このため、映像データが記録されるセグメントはU−TOCセクター0においては無効なエリア(例えばテーブルポインタP-DFA からリンクされて管理されるディフェクトエリア)または存在しないエリア(テーブルポインタP-FRA 又はP-TNO1〜P-TNO255のいづれからも連結されないエリア)として扱われることになる。つまり、U−TOCセクター0によっては映像データが記録されたセグメントは記録/再生を行なうことができないようになされる。
音声データと映像データの記録/再生のための具体的な管理方式は後述するが、この管理はU−TOCセクター6において実現される。そして、本実施例ではU−TOCセクター6の構造は、図5に示したU−TOCセクター0の構造と同様であるとする。
【0066】
<6.ディスクにおける音声データセクター構造>
音声データの記録されるセクターのフォーマットは図7のように設定されている。
このセクター(2352バイト)において、先頭の12バイトは同期データとされ、つづいて、3バイトがクラスタアドレス及びセクターアドレス用に設定され、続く1バイトがモードとされ、ヘッダとされる。
【0067】
ヘッダにつづいて4バイトがサブヘッダとされ、サブヘッダにつづくバイト、即ちセクターの第21バイト目〜第2352バイト目までの2332バイトがデータエリア(Data0 〜Data2331)とされている。
この2332バイトのデータエリアには212バイトのサウンドフレーム(図3参照)が11単位記録されることになり、従って1セクターで 5.5単位のサウンドグループが記録され、セクターアドレスが偶数(アドレスのLSBが0)である偶数セクターと、次のセクター、つまりセクターアドレスが奇数(アドレスのLSBが1)である奇数セクターの2つのセクターで11単位のサウンドグループが記録されることになる。
【0068】
<7.ディスクにおける映像データセクター構造>
音声データと時分割的に多重されて記録される映像データのセクターのフォーマットは図8のように設定されている。
このセクター(2352バイト)においても、先頭の12バイトは同期データとされ、つづいて、3バイトがクラスタアドレス及びセクターアドレス用に設定され、続く1バイトがモードとされ、ヘッダとされる。
【0069】
ヘッダにつづいて8バイトがサブヘッダとされ、サブヘッダにつづくバイト、即ちセクターの第25バイト目〜第2348バイト目までの2324バイトが映像データ(映像データの1パック)のエリア(PACK-Data0〜PACK-Data2323 )とされている。この2324バイトのデータエリアにはMPEG方式に準じて圧縮コード化された1フレームの映像信号が1パックの映像データとして記録されることになる。
セクターの最後の4バイトはリザーブとされている。
【0070】
なお、図9は、図8の映像データセクターと図7の音声データセクターを比較できるように簡略化して示したものである。
【0071】
<8.映像データ生成方式>
ここで、MPEG方式に準じて圧縮コード化される映像データについて説明する。
本実施例では圧縮前の映像信号をNTSC方式としているが、このNTSC方式の場合1秒間が30フレームの映像信号により構成される。
MPEG方式では、各映像信号(1フレーム)に対して平面方向にブロック分け(横22ブロック分割、縦15ブロック分割で、330ブロック)を行ない、各ブロックのデータをDCT変換し、さらにビット数を減らすために再量子化を行なう(高域成分を0にする)。そして、ブロックを1フレームの画面左上となるブロックからジグザグとなるようにブロック順を並び代え、ランレングスコーディングを行なってさらにビット数の圧縮を行なうようにしている。
【0072】
このように圧縮処理される映像信号の各フレームについては、その時間的に前後となるフレームでは映像情報として非常に似たものであり、これを利用してさらに情報の圧縮が行なわれ、圧縮度の異なる3種類の映像データ(1フレームの映像データ)が設けられる。これらは、Iピクチャー(Intra Picture) 、Pピクチャー(Predicated Picture),Bピクチャー(Bidirectionari Picture)と呼ばれる。
【0073】
そして、1秒間についての30枚の各フレームついて、一般的には図10(a)のようにIピクチャー,Pピクチャー,Bピクチャーが並ぶことになる。例えばこの場合、1/2秒間隔のフレームがIピクチャーI1 ,I2 とされ、また、8枚のPピクチャーP1 〜P8 、及び20枚のBピクチャーB1 〜B20がそれぞれ図示のように配置される。
【0074】
Iピクチャーは上記したようにDCT変換により符合化された正規の画像データである。
Pピクチャーは図10(b)のように、最も近いIピクチャー又はPピクチャーから、動き補償を用いて符合化されて生成される。例えばPピクチャーP1 はIピクチャーI1 を用いて、また、PピクチャーP2 はPピクチャーP1 を用いて生成される。
このため、PピクチャーはIピクチャーより圧縮されたものとなる。なお、順次前のIピクチャー又はPピクチャーから生成するため、エラーが生ずると、エラーが伝搬してしまうことになる。
【0075】
Bピクチャーは、図10(c)のように過去及び未来の両方のIピクチャー又はPピクチャーを用いて生成される。
例えばBピクチャーB1 ,B2 はIピクチャーI1 とPピクチャーP1 を用いて生成され、BピクチャーB3 ,B4 はPピクチャーP1 とPピクチャーP2 を用いて生成される。
Bピクチャーは最も圧縮されたデータとなる。また、データ生成レファレンスとはならないため、エラーが伝搬されることはない。
【0076】
MPEGのアルゴリズムでは、Iピクチャーの位置や同期を選択することが許されており、この選択はランダムアクセス度やシーンカット等の事情から決定される。例えばランダムアクセスを重視すれば、図10(a)のように少なくとも1秒間に2枚のIピクチャーが必要となる。
さらに、Pピクチャー、Bピクチャーの頻度も選択可能であり、これはエンコード手段のメモリー容量などに応じて設定されるものである。
【0077】
また、MPEG方式におけるエンコード手段は、デコーダにおいて効率が良くなるようにの映像データストリームを再配置して出力するようにしている。
例えば図10(a)の場合において、表示すべきフレーム順序(デコーダ出力順序)は、図10(a)下部に示したフレーム番号どおりとなるが、デコーダがBピクチャーを再合成するためにBピクチャーより前時点でレファレンスとなるPピクチャーが必要となる。このためエンコーダ側では、図11(a)のフレーム順序を図11(b)のように並べ換えて、これを映像データストリームとして伝送するようにしている。
【0078】
<9.音声データと映像データが混在されるトラック構造>
本実施例ではこのようにMPEG方式に準じて圧縮した映像データを、音声データとともに同時的に記録/再生できるようにするものであるが、例えば或る楽曲についての音声データと、その楽曲に合わせた映像としての映像データを考えた場合、1曲(トラックN)としてのデータ構造は図12のようになる。
なお、FMはフロントマージン、RMはリアマージンであり、これらは15セクター以上の空データ領域とされる。
【0079】
映像データストリームとしての映像データと、音声データストリームとしての音声データは、図13のようにn:1インターリーブにより時分割的に多重化されてディスク上に記録されることになる。
ここで、VMPEGは映像データとしてのデータ単位、AMDは音声データとしてのデータ単位を示しており、これらのデータ単位は例えば少なくとも4クラスタ長とされ、これを最小単位としてインターリーブされることになる。
【0080】
図13は、図12のトラックNの先頭部分を詳細に示しているものであるが、フロントマージンFMは15セクター以上の空セクタEにより構成される。
各映像データ単位VMPEGについては、それぞれ4クラスタ(144セクター)とすると、楽曲の先頭となる映像データ単位VMPEGにおける先頭のセクターは、システムヘッダが付加された映像データセクターVshとされ、以降、通常の映像データセクターVが連続されることになる。映像データセクターVsh及びVは、上記図8で説明したフォーマットとなっている。
また各音声データ単位AMDについても、例えばそれぞれ4クラスタ(144セクター)とすると、各音声データ単位AMDには上記図7に示した音声データセクターが144セクター配されることになる。
【0081】
<10.映像データフォーマット>
ここで、映像データセクターVsh及びVにおける2324バイトのパックデータ(図8のPACK-Data0〜PACK-Data2323)の使用形態を以下説明する。
図14(a)は、上記図9に示した映像データセクターの構成を再度示したもので、このうちの映像データの1パックとしての構造を図14(b)〜(e)に示している。
図14(b)は楽曲の先頭セクターである映像データセクターVshについてのパックデータを示している。
【0082】
セクター内のパックデータとしての先頭には12バイト(PACK-Data0〜PACK-Data11 )のパックヘッダが設けられる。
パックヘッダには、まず4バイトのパックスタートコードが配され、続いて5バイトのシステムクロックレファレンス(SCR)が設けられ、最後に3バイトのMUXレートが設けられる。
【0083】
システムクロックレファレンス(SCR)は、一種の絶対時間を意味するコードであり、このSCRを基準としてPTS(Presentation Time Stamp :画像出力開始時刻) が決められる。
このSCRは、SCR(i) =C+i*1200、とされる。iは映像データストリーム内でのセクターのインデックスナンバーであり、これは先頭のフロントマージンFM部分では『0』とされている。Cは定数で常に『0』である。また1200は75Hzセクターで90KHz のシステムクロック時の値(90000/75=1200)である。
なお、このパックヘッダは映像データの全てのセクター(Vsh,V)において設けられるものである。
【0084】
映像データセクターVshにおいては、パックヘッダに続いて15バイト(PACK-Data12 〜PACK-Data26 )のシステムヘッダが設けられる。そして、システムヘッダに続く2297バイト(PACK-Data27 〜PACK-Data2323 )は、通常FFhで埋められるパディングパケットとされる。
15バイトのシステムヘッダは図15のように構成されている。
まず4バイトのシステムヘッダスタートコードが配され、続いて2バイトのレートバウンドが設けられる。そのあとは各1バイトづつ、オーディオバウンド、フィックスドフラグ、CSPSフラグ、システムオーディオロックフラグ、システムビデオロックフラグ、ビデオバウンド、ストリームID、STDバッファバウンドスケール、STDバッファサイズバウンドが設けられている。
【0085】
このような映像データセクターVshに続く映像データセクターVでは、図14(c)(d)(e)のように構成される。
少なくとも映像データセクターVshの次の映像データセクターVは図14(c)のように構成され、つまり、パックヘッダに続いて18バイト(PACK-Data12 〜PACK-Data29 )のパケットヘッダが設けられる。
パケットヘッダに続く2294バイト(PACK-Data30 〜PACK-Data2323 )がビデオパケットとされ、実際の映像データが記録される。
【0086】
パケットヘッダは図16(a)のように構成され、先頭の3バイトがパケットスタートコードとされる。そして1バイトのID、2バイトのパケット長、1バイトのSTDバッファスケール、1バイトのSTDバッファサイズ、さらに5バイトのPTS、5バイトのDTS(decoding time stamp) が記録される。画像出力開始時刻であるPTSは、音声データと同期をとるようにセットされる。またDTSはデコード開始時刻を示すものである。
【0087】
最初の画像データセクターVにおいては、図14(c)のようにビデオパケットはこのように最大2294バイトとされるが、以降のセクターではパケットヘッダにおけるSTDバッファスケール、STDバッファサイズ、PTS、DTSを省略でき、パケットヘッダが図16(b)のように6バイトとすることができる。この場合、1パックの構成は図14(d)のようになり、ビデオパケットは2306バイトに拡張される。
また、1曲(トラックN)における最後のビデオデータセクターVについては、図14(e)に示すように、セクターの最後に4バイトのエンドコードが記録される。
【0088】
<11.記録再生管理方式>
本実施例では以上のように構成された映像データが、もともとのミニディスクシステムにおける音声データとともに、ディスク1に記録/再生されるものであるが、以下、この記録再生動作のための管理方式を説明する。
【0089】
今、ディスク1において、或る楽曲(例えばトラック1)の音声データ及びそれに合わせた映像データが図17のように記録されているとする。即ち、或る楽曲についての音声データがAMD1 〜AMD(n) の各セグメントに分割され、映像データVMPEGとインターリーブされて記録されている。なお、例えばAMD1 〜AMD(n) の各セグメントはそれぞれ例えば8秒程度に相当する音声データ量となり、また、各音声データセグメントに間に位置する4〜6単位の映像データ(VMPEG)も8秒分程度の映像データ量とされている。
ここで、Ad1 〜Ad(N) はディスク1上のアドレスを示すものとする。
【0090】
上述したようにU−TOCセクター0においては、このようなデータの中で音声データセグメントのみを管理するものである。
ただし、映像データが混在しており、映像データと音声データの同時的な記録再生については例えばU−TOCセクター6で管理していることを示すため、U−TOCセクター0におけるセクター使用状況(Used sectors)におけるU−TOCセクター6の情報となる第2ビット目が『1』とされる。
【0091】
U−TOCセクター0においては第1曲目を管理するため、テーブルポインタP-TNO1に続いて例えば図18に示すようなリンク構造が形成される。
例えばテーブルポインタP-TNO1がパーツテーブル『02h』を示していたとしたら、パーツテーブル(02h)は音声データセグメントAMD1 についての管理に使用され、つまりスタートアドレスがAd3 、エンドアドレスがAd4 と記録され、リンク情報として例えばパーツテーブル(03h)が記録される。
リンクされたパーツテーブル(03h)は音声データセグメントAMD2 についての管理に使用されることになり、つまりスタートアドレスがAd7 、エンドアドレスがAd8 と記録され、リンク情報として例えばパーツテーブル(04h)が記録される。
【0092】
さらにリンクされたパーツテーブル(04h)は音声データセグメントAMD3 についての管理に使用されることになり、スタートアドレスがAd11、エンドアドレスがAd12と記録され、引き続き音声データセグメント(AMD4)を管理するパーツテーブルのリンク情報が記録される。
【0093】
以上のリンク形態が音声データセグメントAMD(n) についてのパーツテーブル(例えばパーツテーブル(0Eh))まで構成され、パーツテーブル(0Eh)ではスタートアドレスがAd(N−1) 、エンドアドレスがAd(N) と記録され、リンク情報は以降リンクなしを示す『00h』とされる。
【0094】
また、このU−TOCセクター0においては、映像データが記録されている部分については、楽曲でもなく、また新たに記録可能なフリーエリアでもないようにしなければならないため、例えばディフェクトエリアとみなして図19に示すようにテーブルポインタP-DFA からのリンク構造で管理されることになる。
【0095】
例えばテーブルポインタP-DFA がパーツテーブル『10h』を示していたとしたら、パーツテーブル(10h)は映像データセグメント(VMPEG1 〜VMPEG6
)がディフェクトエリアとして示され、つまりスタートアドレスがAd1 、エンドアドレスがAd2 と記録され、リンク情報として例えばパーツテーブル(11h)が記録される。
【0096】
リンクされたパーツテーブル(11h)は映像データセグメント(VMPEG7 〜VMPEG10)をディフェクトエリアとしてみなす管理に使用されることになり、つまりスタートアドレスがAd5 、エンドアドレスがAd6 と記録され、リンク情報として例えばパーツテーブル(15h)が記録される。
【0097】
さらにリンクされたパーツテーブル(15h)は映像データセグメント(VMPEG11〜VMPEG14)をディフェクトエリアとみなす管理に使用されることになり、スタートアドレスがAd9 、エンドアドレスがAd10と記録され、引き続き映像データセグメント(VMPEG15〜 )をディフェクトエリアとして管理するパーツテーブルのリンク情報が記録される。
【0098】
以上のリンク形態がこの楽曲内については映像データセグメント(VMPEG(m−3) 〜VMPEG(m) )についてのパーツテーブル(例えばパーツテーブル(1Fh))まで構成され、パーツテーブル(1Fh)ではスタートアドレスがAd(N−3) 、エンドアドレスがAd(N−2) と記録される。なお、ここでリンク情報は他の楽曲についての映像データセグメントについてもディフェクトエリアとみなすように、次の映像データセグメントを管理するパーツテーブルへのリンク情報が記録される。なお、もちろん1曲しか記録されておらず、また実際のディフェクトエリアも存在しないのであれば、パーツテーブル(1Fh)のリンク情報はリンクなしを示す『00h』とされる。
【0099】
U−TOCセクター0においては、このように音声データセグメントが楽曲として管理され、一方映像データセグメントについては傷エリアとみなして記録/再生不能なエリアとして管理されることになる。
【0100】
一方、U−TOCセクター0と同様に構成されるU−TOCセクター6においては、映像と音声出力が同時的に行なわれるようにセグメント管理がなされる。この場合、セグメントの分割は映像データ部分VMPEGと音声データ部分AMDとの間では行なわれず、例えばVMPEG1 〜AMD(n) までが1つのセグメントとみなされる。(なお、このトラックが途中で分割されて物理的に離れた位置に記録されている場合は、2以上のセグメントとして、2以上のパーツテーブルにより管理されることになる)
【0101】
そして、U−TOCセクター6における第1曲目のデータの管理のために、このセグメントがテーブルポインタP-TNO1に続いて例えば図20のように示される。
例えばテーブルポインタP-TNO1がパーツテーブル『02h』を示していたとしたら、パーツテーブル(02h)はスタートアドレスがAd1 、エンドアドレスがAd(N) と記録され、このトラック(1曲目)がディスク1上で物理的に連続して記録されていたとすれば、リンク情報は『00h』として記録される。
また、このU−TOCセクター6においてはテーブルポインタP-FRA からは、フリーエリアとして実際にデータ(映像データ又は音声データ)が記録されていないエリアが管理されることになる。
【0102】
以上のように、記録された音声及び映像データがU−TOCセクター0とU−TOCセクター6において管理されていることにより、このようなディスク1は、図1のディスク装置と図2のディスク装置の間で互換性が得られる。
即ち、音声データのみの記録再生機器である図2のディスク装置においては、U−TOCセクター0を用いて再生動作を行なうことで、音声のみの再生出力を実行でき、また、映像データの記録された領域はフリーエリアとしての管理(テーブルポインタP-FRA による管理)はされておらず、ディフェクトエリアとして記録再生不能領域とみなされているため、音声データの記録動作によって映像データが消去されてしまうこともない。
【0103】
また、音声と映像の両方に対応する図1のディスク装置では、装填されたディスクについてU−TOCセクター0におけるセクター使用状況(Used sectors)を確認したときにU−TOCセクター6が使用されているという情報(第2ビット=1)が記録されていたら、そのディスク1は映像データも記録されていると判別することができ、この場合U−TOCセクター6を参照して、映像データ(VMPEG)と、音声データ(AMD)をそのまま再生走査していくことができる。
【0104】
この際、ディスクから読み出されたデータが映像データであるか音声データであるかは上述したようにシステムデコーダ22によってなされ、また、システムデコーダ22の制御によってエンコーダ/デコーダ部14とエンコーダ/デコーダ部21におけるデコード出力の同期制御がなされることにより、映像と音声を同時的に再生出力することができる。従って、ミニディスクシステムを利用して、映像付カラオケや、レーザディスク装置やVTR装置と同様のビデオ機器としての使用が可能となる。
また、映像データと音声データを記録する際には、U−TOCセクター6におけるテーブルポインタP-FRA から、フリーエリアを探し、図17のような形態のトラック(楽曲等)が記録されることになる。
【0105】
また、図1のディスク装置はU−TOCセクター0におけるセクター使用状況(Used sectors)における第2ビット目が『0』であった場合は、U−TOCセクター6は使用されておらず、つまり映像データは存在しないものであるため、そのままU−TOCセクター0を用いて、音声データの記録/再生を行なうこともできる。
さらに、映像データが存在するディスクであっても、例えばユーザーのモード選択操作等に応じて、U−TOCセクター0を用いた音声データのみの記録/再生を行なうことができるようにしてもよい。
【0106】
ところで、この実施例ではU−TOCセクター0においては映像データセグメントはディフェクトエリアと見なして管理するようにしたが、例えば全く管理テーブル上に現われないセグメントとしてもよい。
即ち、テーブルポインタP-FRA,P-DFA,P-TNO1〜P-TNO255のそれぞれからリンクされるパーツテーブルのいづれによっても示されないセグメントとし、U−TOCセクター0においてはディスク上で存在しないエリアとみなすようにするものである。
【0107】
なお、映像と音声の同時的な記録/再生の管理に用いるのはU−TOCセクター6に限られるものではなく、U−TOC内の他のセクターであってもよい。
また、このような映像データと音声データの混在するディスクがプリマスタードとして再生専用に作成される場合は、P−TOCセクター0において上述したU−TOCセクター0のような音声データのみの管理を行ない、P−TOC内の他のセクターにおいて、上述したU−TOCセクター6のような管理を行なうようにすればよい。
【0108】
さらに、データがROM化された領域とデータ記録再生可能な光磁気領域を備えたハイブリッドタイプでも、本発明は採用可能で、例えばP−TOCセクター0とP−TOCセクター6でROMデータに対して、またU−TOCセクター0とU−TOCセクター6で光磁気データに対して、上記同様に音声データと、音声及び映像データの管理を行なうようにすればよい。
【0109】
また、実施例ではディスク装置を記録再生装置としたが、再生専用装置、或は記録専用装置としても実現できる。
【0110】
なお、本発明では、音声データに対して同時的に記録再生される映像データが付加されるシステムについて説明したが、本発明を応用して、L,R音声データに対して例えば、センター,リアの2チャンネルの音声データを付加して記録再生を行なうシステムを実現したり、また、映像データを付加する場合に、動画ではなく静止画を記録再生するようにし、例えば同時的な音声再生が行なわれるスチルカメラのようなシステムとすることもできる。
【0111】
<12.通常のU−TOCセクターのみで再生禁止部位を得る管理方式>
ところで、上述してきた方式からわかるように、U−TOCセクター内でテーブルポインタP-DFA から管理されるエリア(セグメント)は、そのU−TOCセクターを用いた通常の動作では記録/再生できないエリアとなる。
これを利用することにより、秘密にしたい音声や映像データを管理し、そのデータについては特定のユーザーしか再生することができないようにすることができる。つまり、暗証番号を入力することを行なわなければそのデータ部分を記録/再生することができないというデータ(このようなデータを説明上、再生禁止指定データということとする)を生成することができる。
【0112】
このようにテーブルポインタP-DFA を用いて再生禁止指定データを生成し、かつ暗証番号入力による管理/再生方式について2つの方式を説明していく。
1つは、通常のU−TOCセクターのみで再生禁止部位を得る管理方式/再生方式である。ここで通常のU−TOCセクターというのは、上述したU−TOCにおけるセクター0又はセクター6のようなセクターをいう。
もう1つの方式とは暗証要求U−TOCセクターを用いる場合の管理方式/再生方式であり、暗証要求U−TOCセクターとは上述したU−TOCにおけるセクター0又はセクター6以外に用意されるセクターをいう。
【0113】
なお、以下説明する2種類の方式は、上述してきたU−TOCセクター0及び6を用いる音声/映像の混在ディスクだけでなく、音声データのみが記録されるディスクや、さらに音声/映像の混在ディスクであっても上述したようなコンパチビリティがとられていないディスクについても実現可能なものである。
【0114】
まず、通常のU−TOCセクターのみで再生禁止部位を得る管理方式について説明していく。
今、ディスク1に図21のようにトラック1〜トラック5の5つのトラックが記録されているとする。このディスク1が音声/映像の混在ディスクであるとすれば、トラック1〜5は、それぞれ図12、図13で説明したようにデータが記録されているものであり、これらのデータは、上述のようにリードインエリアに記録されているU−TOCセクター0で音声データのみが再生できるように、また同じくリードインエリアに記録されているU−TOCセクター6で音声と映像データが同時的に再生できるように管理されている(混在互換性ディスク)。
【0115】
また、音声データのみのディスクであれば、メインデータ領域の全てのセクターが図3(c)(d)、図7で説明したフォーマットでデータ記録されており、その管理はU−TOCセクター0でなされ、U−TOCセクター6は使用されていない(音声ディスク)。
【0116】
さらに、上述の実施例の説明においては言及していなかったが、音声/映像の混在ディスクであって、図2の音声対応ディスク装置に対しては互換性のとれていないディスクも考えられる。即ち、トラック1〜5は、それぞれ図12、図13で説明したようにデータが記録されているが、これらのデータは、U−TOCセクター0で音声と映像データが同時的に再生されるように管理され、音声データのみが再生については管理がなされていないものである(混在非互換性ディスク)。
【0117】
これら3種類のディスク(即ち、混在互換性ディスク、音声ディスク、混在非互換性ディスク)を考慮にいれ、まとめて説明する。
図21の記録状態は、図22のように管理される。この図22のU−TOCセクターは、混在互換性ディスクであればU−TOCセクター6、音声ディスク又は混在非互換性ディスクであればU−TOCセクター0を示すものとなる。
【0118】
この図22のように、トラック1はテーブルポインタP-TNO1からパーツテーブル(01h)が指定され、スタートアドレスA20とエンドアドレスA21が示される。同様にトラック2〜5についても、それぞれテーブルポインタP-TNO2〜P-TNO5で示されるパーツテーブル(02h)〜(05h)によってスタート及びエンドアドレスが示されている。
【0119】
ここで、ユーザーがトラック3については秘密性保持等のために再生禁止指定データにしたいとした場合は、その使用しているディスク装置を操作してトラック3の再生禁止登録を行なうとともに暗証番号を入力する。入力された暗証番号は図1又は図2のディスク装置におけるシステムコントローラ11の内部又は外部のRAMに記憶される。なお、このRAMは電源オフ時でもデータ消失がなされないようにバックアップ構成をとるか、もしくは不揮発性RAMなどで構成することが必要である。
【0120】
このように例えばトラック3について再生禁止登録の操作が行なわれると、システムコントローラ11はRAM13に読み込まれているTOCデータを書き換え、それをディスク1に書き込むことになる。
【0121】
即ち、U−TOCセクター6又はセクター0は、図23のように書き換えられる。まず、トラック3となるセグメント(アドレスA24〜A25)はディフェクトエリアとしてのテーブルポインタP-DFA から指定されるパーツテーブル(03h)として組み込まれる。そして、トラック1,2,4,5については、それぞれテーブルポインタP-TNO1〜P-TNO4で示されるパーツテーブル(01h)(02h)(04h)(05h)によって第1トラック〜第4トラックとして管理され、みかけ上は4つのトラックしか通常管理がされないようになされる。
【0122】
また、例えばトラック3とトラック5の両方について再生禁止登録の操作が行なわれた場合は、システムコントローラ11は、U−TOCセクター6又はセクター0を、図24のように書き換える。即ち、トラック3となるセグメント(アドレスA24〜A25)とトラック5となるセグメント(アドレスA28〜A29)はディフェクトエリアとしてのテーブルポインタP-DFA から指定されるパーツテーブル(03h)(05h)として組み込まれ、そして、トラック1,2,4については、それぞれテーブルポインタP-TNO1〜P-TNO3で示されるパーツテーブル(01h)(02h)(04h)によって第1トラック〜第3トラックとして管理される。
【0123】
また、例えばトラック1〜トラック5の全てについて再生禁止登録の操作が行なわれた場合は、システムコントローラ11は、U−TOCセクター6又はセクター0を、図25のように書き換える。即ち、トラック1〜5となる各セグメントはまとめて1つのセグメント(アドレスA20〜A29)とされ、それがディフェクトエリアとしてのテーブルポインタP-DFA から指定されるパーツテーブル(01h)として組み込まれ、テーブルポインタP-TNO*によるパーツテーブルの指定はなされない。
【0124】
なお、この図25では1つのセグメントにまとめられた状態であるが、各セグメントはパーツテーブル(01h)〜(05h)に分割されたまま、リンクされてディフェクトエリアとして管理されるようにしてもよい。
【0125】
例えばこの図23〜図25のように管理されることにより、再生禁止登録されたエリアは通常の再生時にはディフェクトエリアとされて再生はなされないことになる。
【0126】
なお、図23〜図25は具体的な1例であり、同様の再生禁止登録状態において他の状態となることもある。例えば使用されるパーツテーブルや各トラックのリンク形態などに応じて実際の状態は変動する。
【0127】
また、既にトラックとして分割されているものの再生禁止登録としたが、或るトラックの一部分を再生禁止登録したい場合は、トラック分割編集処理を行なってその部分を1つのトラックとし、それに対して再生禁止登録操作を行なうようにすればよい。また再生禁止登録をしたいデータ部分が複数ある場合は、各データ部分を1つのトラックとして分割編集した後、その各トラックを連結編集して1つのトラックにまとめ(もしくは複数のトラックの指定に応じてシステムコントローラ11が自動的に連結編集を行ない)、それをディフェクトエリアに組み込めばよい。つまり、図24、図25のような形態とすればよい。
【0128】
また、再生専用ディスクの場合は、P−TOCセクター6又は0において同様に所定のエリアをディフェクトエリアとして(ディスク製造者が)管理しておくようにすればよい。
【0129】
<13.通常のU−TOCセクターのみで再生禁止部位を得た場合の再生方式>このような管理がなされた可能性のあるディスクに対して、図1又は図2のディスク装置では、再生時に図26のような処理を行なうことになる。
【0130】
再生操作がなされると(F101)、まず、そのディスクにディフェクトエリア、即ち再生禁止指定されたエリアが存在するか否かを判別する(F102)。この判別のために図1のディスク装置ではまずU−TOCセクター0のセクター使用状況からU−TOCセクター6が使用されているか否かを判別し、使用されている、つまり混在互換性ディスクであれば、U−TOCセクター6のテーブルポインタP-DFA が『00h』であるか、又は或るパーツテーブルが指定されているか否かを判別する。
【0131】
またU−TOCセクター6が使用されていない、つまり音声ディスク又は混在非互換性ディスクであれば、U−TOCセクター0のテーブルポインタP-DFA が『00h』であるか、又は或るパーツテーブルが指定されているか否かを判別する。なお、図2のディスク装置の場合は当然U−TOCセクター0のテーブルポインタP-DFA で判断する。
【0132】
テーブルポインタP-DFA が『00h』であれば、再生禁止指定データは存在しないため、ステップF106に進んで通常の再生動作を開始する。
テーブルポインタP-DFA が『00h』でない場合は、再生禁止指定データが存在する場合である。そこで、まずステップF103で暗証番号の入力を要求する。例えば表示部20において暗証番号の入力を促す表示を行なう。
【0133】
ここで、ユーザーが正しい暗証番号、即ちそのディスク装置に登録されている暗証番号を入力できなかった場合、例えば入力せずに再度の再生実行操作を行なった場合や入力できないまま所定時間経過したなどの場合は、ステップF105からF107に進み、通常の再生を行なう(再生動作制御としてはステップF106と同じである)。つまりテーブルポインタP-TNO*から管理されるデータの再生のみが行なわれ、管理上ディフェクトエリアとみなされている部分については全く再生されない。従って、再生禁止登録されていないデータのみが再生されることになる。
【0134】
一方、ユーザーが正しい暗証番号を入力した場合は、ステップF104からF108に進み、再生禁止データの再生も行なう。
例えばテーブルポインタP-TNO*から管理されるデータの再生につづいて、テーブルポインタP-DFA から管理されるデータの再生も行なっていく。
もしくは、この場合テーブルポインタP-DFA から管理されるデータのみ再生が行なわれるようにしてもよい。
【0135】
即ち、ステップF108の動作では、混在互換性ディスクの場合はU−TOCセクター6においてテーブルポインタP-DFA から管理されるデータが、また、音声ディスク又は混在非互換性ディスクの場合はU−TOCセクター0においてテーブルポインタP-DFA から管理されるデータが、再生されることになる。
【0136】
このような処理が行なわれることで、ユーザーは所望のデータを暗証番号によって秘密化することができるようになる。
【0137】
なお、U−TOCセクター0においてディフェクトエリアとして映像データ部分が管理されている混在互換性ディスクの場合で、図2の音声対応ディスクにおいて音声のみの再生が実行される場合は、U−TOCセクター0が用いられるため、U−TOCセクター6で再生禁止指定されているデータ部位のうちの音声データのみは再生されてしまうことが考えられる。
【0138】
これを防止するためには、再生禁止指定がなされた場合は、U−TOCセクター0において、その再生禁止指定データ部位のうちの音声データのセグメントについては、映像データとともにディフェクトエリアに編集してしまうことが考えられる。もしくは、その再生禁止指定された音声データのセグメントについては、U−TOCセクター0では、どのテーブルポインタからのリンクにも含まれない、全く管理されないエリアとしてしまい、つまり再生禁止指定がなされた場合は、その音声データは図2の音声対応ディスク装置では全く再生できないようにし、図1の映像/音声対応ディスク装置において暗証番号が入力された時のみ映像と同時的に再生されるものとしてもよい。
【0139】
ところで、以上説明したのみの方式では、暗証番号を登録した或るディスク装置についてのみ、再生禁止指定データが暗証番号なしでは再生されないものであり、例えば他人が他のディスク装置で暗証番号を登録しておいた場合は、その暗証番号でデータを再生できてしまう。
従って、この方式は、比較的秘密性の軽度のデータについて再生禁止指定を実行できるものとして好適であり、例えば成人向けの映像/音声を記録したディスクについて、家庭内で子供に見られないようにするためなどの手段として好適である。
【0140】
比較的高度の秘密保持を行なうためには、ディスク装置に暗証番号とともに、ディスクを識別するデータを保持しておくことが考えられる。例えば、一部又は全部のデータを再生禁止指定データとしたディスクについて、カスタムファイルといわれるようにTOCデータの一部を用いてディスク固有のデータを生成し、それを不揮発性RAMなどに登録しておく。また、図5のU−TOCセクターに示されるように、U−TOC内にはディスクIDとしてのデータエリアが存在しており、これを用いることで、2バイトの乱数や連続数値で各ディスク毎にIDを付すことができるため、これを不揮発性RAMなどに登録しておいてもよい。
【0141】
このように再生禁止指定データを有するディスクについての識別情報をディスク装置が保持しておくことにより、その再生禁止指定データは、そのディスク装置で、しかも暗証番号を入力した場合しか再生されないことになる。
【0142】
つまり、再生のために装着されたディスクについて、再生禁止指定データが存在する場合は、図26のステップF104の処理としては、正しい暗証番号が入力され、しかも、その装填されているディスクがディスクID又はカスタムファイルとして登録されているディスクであると判断した場合のみステップF108に進むこととなる。
【0143】
さらに高度な秘密性が要求される場合には、入力された暗証番号をディスクに書き込むという方式が考えられる。すなわち、U−TOCセクター0又はセクター6において未使用のバイトを用いて暗証番号を書き込めるようにする。
そして、ディスク装置側では特に暗証番号を保持するということは行わず(この場合、ディスク装置が暗証番号を保持しておくことは不要となる)、ディスク再生時にU−TOCセクター0又はセクター6に暗証番号が書き込まれたら、ユーザーに暗証番号の入力を促し、入力された暗証番号とU−TOC上の暗証番号の一致判断を行う。そして、一致していたらテーブルポインタP-DFA から管理されているデータの再生を行うことができるようにするものである。
【0144】
このようにすれば、どのディスク装置を用いても書き込まれた暗証番号がわからない限りは再生禁止指定データを再生できないことになる。
なお、この方式ではUーTOC上に暗証番号が書き込まれている場合は、他人がその暗証番号を書き換えることができないようにすることが好ましい。例えば暗証番号の書き換えの際にも、それまでの暗証番号の入力を要求し、一致していた場合のみに新たに入力された暗証番号に書き換えるという処理を行えばよい。
【0145】
<14.暗証要求U−TOCセクターを用いる場合の管理方式>
ところで、以上説明してきた方式では、再生禁止指定データはテーブルポインタP-DFA からリンクされる1つのトラックと見なされて管理されるため、例え暗証番号が正しく入力されても、本来のトラック順に再生できない場合がある。
【0146】
例えば、図21のトラック3が再生禁止指定された場合では、指定された時点で第3のトラックとしての位置づけはなくなり、また、トラック3とトラック5などの複数トラックが再生禁止指定された場合はそれらがリンクされて1つのトラックとまとめられるため、指定前の順序で再生させることはできない。
【0147】
従って、上記方式は、各トラックが1つの楽曲などに別れている場合は大きな問題とはならないが、ディスクに記録されたデータが全体で1つの映画などであった場合、一部分を再生禁止指定してしまうと、例え暗証番号を入力しても本来の再生ができないことになる。例えばトラック3のデータ部分のみ最後に再生され、時間的順序(ストーリー順序)がおかしいものとなる。
【0148】
そこで、複数のデータ部分を個別に再生禁止指定でき、また、暗証番号入力再生時に本来の状態(再生禁止指定前の状態)で再生できるようにするための方式として暗証要求U−TOCセクターを用いる場合の管理方式/再生方式を説明する。
【0149】
これは、再生時に暗証番号が入力された場合とされなかった場合とで異なるU−TOCを用いるようにするものであり、上述してきたU−TOCセクター0,セクター6のような通常のU−TOCセクター以外に、暗証要求U−TOCセクターを用いる。例えばU−TOCセクター5をこの暗証要求U−TOCセクターとする場合を例として説明する。
【0150】
例えば図21のようなデータ状態から或るトラックを再生禁止指定データとする操作を行なった場合に、U−TOCセクター6又はセクター0における書き換えは、上述した図23〜図25の例と同様に、その再生禁止指定データとなる1又は複数のセグメントをまとめてテーブルポインタP-DFA からのリンクで管理する。ただし、このU−TOCセクター6又はセクター0の編集を行なう前に、再生禁止指定前の状態のU−TOCセクター6又はセクター0におけるテーブルポインタ及びパーツテーブル(つまり図22のデータ)を、図27のようにU−TOCセクター5に書き込み、このU−TOCセクター5を暗証要求U−TOCセクターとする。
【0151】
なお、再生禁止指定の操作時にこのようにU−TOCセクター5にデータが書き込まれることに応じてU−TOCセクター0におけるセクター使用状況の情報としてセクター5に対応するビット(第3ビット)が『1』とされる。
【0152】
このように、U−TOCセクター6又は0においては図22〜図24の例のように再生禁止指定データ部分がまとめてディフクトエリアとみなされていることによって、U−TOCセクター6又は0を用いて再生が行なわれる場合は、その再生禁止指定データは再生されない。
【0153】
一方、U−TOCセクター5においては、図27のように、再生禁止指定データと通常データが再生禁止指定前の状態で管理されているため、このU−TOCセクター5を用いて再生すれば、本来の再生順序で、再生を行なうことができ、また各再生禁止指定データ部分はそれぞれ1つのトラックとして管理されており、連結されないため、複数のトラックを再生禁止指定データとした場合も、そのまま、まとめられることなく管理される。
【0154】
また、全ての再生禁止指定データを解除する場合は、U−TOCセクター5の情報をU−TOCセクター6又は0に書き込むようにし、またU−TOCセクター5を未使用とするために、U−TOCセクター0におけるセクター使用状況の情報としてセクター5に対応するビット(第3ビット)を『0』に書き換えればよく、これによってそのディスクを再生禁止指定前の状態に復帰させることもできる。
【0155】
<15.暗証要求U−TOCセクターを用いる場合の再生方式>
このような方式の管理がなされた可能性のあるディスクに対して、図1又は図2のディスク装置では、再生時に図28のような処理を行なうことになる。
【0156】
再生操作がなされると(F201)、まずそのディスクに再生禁止指定されたエリアが存在するか否かを判別する(F202)。この判別のためには、図1、図2のいづれのディスク装置でも、まずU−TOCセクター0のセクター使用状況からU−TOCセクター5が使用されているか否かを判別する。混在互換性ディスク,音声ディスク,混在非互換性ディスクのいづれであっても、そのディスクにはU−TOCセクター5が使用されていれば再生禁止指定されたエリアが存在することになる。
【0157】
ここで、U−TOCセクター5が使用されていなければ再生禁止指定データは存在しないため、ステップF206に進んで通常の再生動作を開始する。
再生禁止指定データが存在する場合は、ステップF203で暗証番号の入力を要求する。例えば表示部20において暗証番号の入力を促す表示を行なう。
【0158】
ここで、ユーザーが正しい暗証番号、即ちそのディスク装置に登録されている暗証番号を入力できなかった場合、例えば入力せずに再度の再生実行操作を行なった場合や入力できないまま所定時間経過したなどの場合は、ステップF205からF207に進み、通常の再生を行なう(再生動作制御としてはステップF206と同じである)。つまり混在互換性ディスクを図1のディスク装置で再生する場合はU−TOCセクター6が用いられ、又、混在互換性ディスクを図2のディスク装置で再生する場合はU−TOCセクター0が用いられて再生される。また、音声ディスク、混在非互換性ディスクの場合はU−TOCセクター0が用いられる。
【0159】
そしてこの場合は、テーブルポインタP-TNO*から管理されるデータの再生のみが行なわれ、ディフェクトエリアについては全く再生されない。従って、再生禁止登録されていないデータのみが再生されることになる。
【0160】
一方、ユーザーが正しい暗証番号を入力した場合は、ステップF204からF208に進み、暗証要求セクターであるU−TOCセクター5を用いて再生動作を行なう。上述のとおりU−TOCセクター5には再生禁止指定データを含んで各トラックを通常どおりに管理しているため、再生禁止指定データを含んで本来の順序で、全く通常どおりに再生できる。
【0161】
このような処理が行なわれることで、ユーザーは所望のデータを暗証番号によって秘密化することができるようになるとともに、暗証番号を入力することで、本来の再生を行なうこともできる。
【0162】
そして或るディスクについて部分的に再生禁止指定をしていった場合、暗証番号が入力されなければ、その部分のみ跳ばされて再生されるが、暗証番号を入力することにより、再生禁止指定部分も本来の時間的位置で再生されるため、映画などのデータの一部を再生禁止する場合などにも好適である。
【0163】
なお、この方式の場合も、U−TOCセクター0においてディフェクトエリアとして映像データ部分が管理されている混在互換性ディスクの場合で、図2の音声対応ディスクにおいて音声のみの再生が実行される場合は、U−TOCセクター0が用いられるため、U−TOCセクター6で再生禁止指定されたデータ部位のうちの音声データのみは再生されてしまうことが考えられるため、再生禁止指定がなされた場合は、U−TOCセクター0において、その再生禁止指定データ部位のうちの音声データのセグメントについては、映像データとともにディフェクトエリアに編集してしまうか、もしくは、U−TOCセクター0上ではどのテーブルポインタからのリンクにも含まれない、全く管理されないエリアとしてしまうことが考えられる。
【0164】
また、より秘密保持性を高めるには、前述した方式例の変形例として説明したようにカスタムファイルやディスクIDなどを用いて、再生禁止指定データを有するディスクについての識別情報をディスク装置が保持しておき、その再生禁止指定データは、そのディスク装置で、しかも暗証番号を入力した場合しか再生されないようにしてもよい。
【0165】
さらに高度の秘密性が要求される場合には、これも前述した方式例の変形例として説明したものと同様にディスクのU−TOC内に暗証番号を書き込むようにし、再生時にはU−TOCから読み込んだ暗証番号とユーザーが入力した暗証番号を比較するようにする。
そして、一致した場合のみU−TOCセクター5(暗証要求セクター)を用いて再生動作を行うことができるようにする。
【0166】
さらに、再生専用ディスクの場合は、ディスク製造時点で、P−TOCセクター6又は0において同様に所定のエリアをディフェクトエリアとして管理するとともに、P−TOCセクター5を暗証要求セクターとして使用するようにしておけばよい。
なお、暗証要求セクターはU−TOC又はP−TOCにおけるセクター5を用いて生成する必要はなく、例えばセクター7を用いてもよい。
【0167】
以上、映像/音声対応ディスク装置と音声対応ディスク装置の間で互換性のとれる映像/音声データ構造及びディスク装置について説明し、それに続いて、そのような混在互換性ディスク、及び音声ディスク、混在非互換性ディスクという他の種のディスクにおいて採用できる再生禁止指定データの実現のための方式を説明してきたが、再生禁止指定データの実現のための方式としては具体的には、上記実施例の変形で各種考えられることはいうまでもない。
また、実施例としては再生禁止という観点で詳述したが、同様の方式で記録禁止方式、即ち暗証入力時のみデータ書換可能とする方式を実現できる。
【0168】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、所望のデータについて再生禁止指定を行なうようにすることで、秘密保持が必要な音声/映像データ、成人向けの音声/映像データなどが記録されているディスクについてのユーザーの管理に好適となるとともに、再生禁止指定データと通常データとの両方について記録/再生を可能とすることができる暗証要求管理データ手段を用いて管理することで、再生禁止指定データを再生禁止指定前の状態で再生できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のディスク装置の構成図である。
【図2】音声のみ対応のディスク装置の構成図である。
【図3】実施例のディスクのトラック構造の説明図である。
【図4】実施例におけるP−TOC情報の説明図である。
【図5】実施例におけるU−TOC情報の説明図である。
【図6】実施例におけるU−TOC情報のリンク構造の説明図である。
【図7】実施例における音声データセクターの説明図である。
【図8】実施例における映像データセクターの説明図である。
【図9】実施例における音声データセクターと映像データセクターの説明図である。
【図10】MPEG方式の映像データの説明図である。
【図11】MPEG方式の映像データストリームの説明図である。
【図12】実施例における音声データと映像データの混在するトラックの説明図である。
【図13】実施例における音声データと映像データの混在するトラック構造の説明図である。
【図14】実施例における映像データの説明図である。
【図15】実施例における映像データのシステムヘッダの説明図である。
【図16】実施例における映像データのパケットヘッダの説明図である。
【図17】実施例のトラック構成例の説明図である。
【図18】実施例のU−TOCセクター0における音声データ管理方式の説明図である。
【図19】実施例のU−TOCセクター0における映像データ管理方式の説明図である。
【図20】実施例のU−TOCセクター6における映像データと音声データの混在するトラックの管理方式の説明図である。
【図21】実施例の再生禁止指定データの管理例説明のためのトラック形態の説明図である。
【図22】実施例の通常状態のU−TOCセクター0又はセクター6の説明図である。
【図23】実施例の再生禁止指定状態のU−TOCセクター0又はセクター6の説明図である。
【図24】実施例の再生禁止指定状態のU−TOCセクター0又はセクター6の説明図である。
【図25】実施例の再生禁止指定状態のU−TOCセクター0又はセクター6の説明図である。
【図26】実施例のディスク装置の再生時の処理のフローチャートである。
【図27】実施例の暗証要求U−TOCセクターの説明図である。
【図28】実施例のディスク装置の再生時の処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ディスク、3 光学ヘッド、8 エンコーダ/デコーダ部、
11 システムコントローラ、12 メモリコントローラ、
13 バッファRAM、14 音声エンコーダ/デコーダ部、
15,25 D/A変換器、18,30 A/D変換器、
21 映像エンコーダ/デコーダ部、22 システムデコーダ、
23 ビデオRAM、24 ビデオ信号発生器、26,29 コンバータ
Claims (5)
- 通常データ又は再生禁止指定データの指定がされている映像データ及び音声データが記録されており、
上記通常データと上記再生禁止指定データについて再生するための管理データとして、再生禁止されたデータを再生しない第1の再生順序に応じて上記通常データのみを指定する通常管理データと、第2の再生順序に応じて上記通常データ及び再生禁止されたデータを指定する暗証要求管理データとが、それぞれ記録されている記録媒体に対して、
再生操作時における入力暗証番号の一致に応じて上記暗証要求管理データによる情報を用いてデータの再生を行なうことができるように構成されたことを特徴とする再生装置。 - 更に、上記記録媒体には、上記暗証要求管理データの存在を示すデータが記録されており、
再生禁止指定が解除される際に、上記暗証要求管理データが、通常管理データに書き込まれると共に、上記暗証要求管理データの存在を示すデータが、存在しないことを示すデータに書き換えられて記録されていること特徴とする請求項1に記載の再生装置。 - 上記暗証要求管理データは、上記第2の再生順序に応じて、上記通常データと上記再生禁止指定データの両方の再生を行なうことを可能とするものであることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
- 上記第1の再生順序とは、再生禁止指定データの指定が行われる前に設定された再生順序であることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の再生装置。
- 通常データ又は再生禁止指定データの指定がされている映像データ及び音声データが記録されており、
上記通常データと上記再生禁止指定データについて再生するための管理データとして、再生禁止されたデータを再生しない第1の再生順序に応じて上記通常データのみを指定する通常管理データと、第2の再生順序に応じて上記通常データ及び再生禁止されたデータを指定する暗証要求管理データとが、それぞれ記録されている記録媒体に対して、
再生操作時に暗証番号の入力を要求するステップと、
入力された暗証番号が正しいか否かを判別するステップと、
入力された暗証番号が正しいことに応じて上記暗証要求管理データによる情報を用いてデータの再生を行なうステップと、
を備えたことを特徴とする再生方法。
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