JP4096671B2 - Electronic component plating method and electronic component - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品のめっき方法、及び電子部品に関し、より詳しくは半導体素子やコンデンサ、抵抗器等の外部電子部品がはんだを介して接合されたセラミック多層基板等の電子部品のめっき方法、及び該めっき方法を使用して製造された電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、セラミック多層基板等の電子部品は、一般に高分子系材料やセラミック系材料で形成された絶縁基体に内部導体が埋設されると共に、該絶縁基体の表面に外部導体が形成され、外部導体と内部導体とが電気的に接続されている。そして、前記外部導体のうち、少なくともはんだを介して外部電子部品に接続される外部導体については、電極部を構成するCu等の導電性材料がはんだ中に拡散して消失するのを回避するために前記電極部の表面にNi皮膜が形成され、またNi皮膜の酸化を防止し且つはんだ濡れ性の向上を図るべくNi皮膜の表面にAu皮膜が形成されている。
【0003】
尚、外部電子部品とは、セラミック多層基板等の電子部品に搭載される半導体素子やコンデンサ、抵抗器等の電子部品をいう。
【0004】
また、Ni皮膜やAu皮膜等のめっき皮膜を形成する方法としては、電解めっき法と無電解めっき法とがあるが、セラミック多層基板のような微細で複雑な導電パターンが要求されるものについては、電流分布の影響を受けることがない無電解めっきが多用されている。
【0005】
そして、前記無電解めっき法には、めっき液に還元剤を添加し該還元剤の酸化反応によって生ずる電子を金属の析出反応に利用する自己触媒型と、溶液中の金属イオンと素地金属間で生じる置換反応を利用した置換型とがあるが、Ni皮膜については、自己触媒型無電解めっき(以下、「自己触媒めっき」という)により形成し、Au皮膜については、置換型無電解めっき(以下、「置換めっき」という)により形成することが行われており、従来より、この種の関連技術が各種提案されている(特許文献1〜3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−335859号公報
【特許文献2】
特開平8−325744号公報
【特許文献3】
特開2000−223442号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法で形成されためっき皮膜は、はんだ付け時の熱負荷や湿中放置によってはんだ濡れ性が劣化し、このため電子部品と外部電子部品との間で接合不良や接合強度の低下等、実装不良が生じる虞があるという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、はんだ濡れ性が劣化するのを回避して良好な実装性を有するめっき皮膜を形成することのできる電子部品のめっき方法、及び電子部品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、はんだ濡れ性を向上させるべく、めっき皮膜の表面性状について鋭意研究を行ったところ、置換Auめっき処理を施した直後においても、Auと置換したNi2+がAuめっき液中に存在し、このため、Ni2+がNi化合物となってAu皮膜の表面に付着し、その結果前記Ni化合物がAu皮膜の一部を被覆してはんだ濡れ性の劣化を招来することが判明した。
【0009】
したがって、はんだ濡れ性を向上させるためには、Au皮膜の表面に付着しているNi化合物を除去する必要がある。
【0010】
しかしながら、Ni化合物は水に対する溶解度が小さいため、通常の水洗や湯洗では除去することができない。
【0011】
そこで、本発明者が鋭意研究したところ、Niの溶解度が純水よりも大きな特定の錯化剤をNi除去液として使用し、置換Au皮膜が形成された基板素体を水洗し、その後、直ちに前記Ni化合物を前記Ni除去液に接触させることにより、置換Au皮膜の表面からNi化合物を除去することができるという知見を得た。
【0012】
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る電子部品のめっき方法は、基板素体の表面に形成された導電部にめっき処理を施し、Niを主成分とする無電解Ni皮膜(以下、単に「Ni皮膜」という。)及びAuを主成分とする置換Au皮膜(以下、単に「Au皮膜」という。)を順次形成し、その後、置換Au皮膜の付着しているNi化合物を除去する後処理を行なう電子部品のめっき方法において、クエン酸、グリシン、酢酸、グルコン酸、グルタミン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、りんご酸、マロン酸、亜硫酸、アンモニア、及びスルファミン酸の中から選択された特定の錯化剤をNi除去液として使用し、前記後処理は、前記Ni化合物を前記Ni除去液と接触させて接触処理を施し、前記Ni化合物を前記置換Au皮膜上から除去することを特徴としている。
【0014】
また、接触処理としては、Au皮膜がNi化合物で被覆された基板素体をNi除去液に浸漬させたり、Ni除去液をNi化合物に撒布する方法がある。
【0015】
そこで、本発明のめっき方法は、前記接触処理は、前記Au皮膜が形成されている基板素体を前記Ni除去液に浸漬することにより行うことを特徴とし、或いは前記Ni除去液を前記Ni化合物に撒布することにより行うことを特徴としている。
【0016】
また、本発明に係る電子部品は、上記めっき方法を使用して製造されていることを特徴としている。
【0017】
上記電子部品によれば、Au皮膜上のNi化合物が除去されているので、はんだ濡れ性が劣化することもなく、良好なはんだ付け性を有する電子部品を得ることができる。
【0018】
また、本発明に係る電子部品は、外部電子部品がはんだを介して電気的に接続されていることを特徴としている。
【0019】
上記電子部品によれば、Au皮膜上のNi化合物が除去されているので、はんだ濡れ性に起因した実装不良が生じることのない電子部品を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳説する。
【0021】
図1は本発明に係るめっき方法を使用して製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図であって、該セラミック多層基板は、複数のセラミックシート(第1〜第4のセラミックシート1a〜1d)が積層されてセラミック素体2を形成している。
【0022】
また、セラミック素体2の表面には外部導体4a〜4gが形成されると共に、該セラミック素体2の内部には所定パターンの内部導体3a〜3eが埋設され、ビアホール5a〜5gを介して各内部導体間3a〜3e、又は内部導体3a〜3eと外部導体4a〜4gとが電気的に接続されている。
【0023】
さらに、外部導体4b〜4e上には外部電子部品としての半導体素子6及びコンデンサ7がはんだを介して接続されている。
【0024】
また、外部導体4(4a〜4g)は、図2に示すように、Cuを主成分とした電極部(以下、「Cu電極」という)8の表面に無電解Ni−P皮膜(以下、単に「Ni−P皮膜」という。)9が形成され、さらにNi−P皮膜9の表面にAu皮膜10が形成されている。
【0025】
次に、上記セラミック多層基板の製造方法を説明する。
【0026】
まず、所定形状に成形された第1〜第4のセラミックシート1a〜1dに対しビアホール5a〜5gを形成し、次いで、導電性ペーストを使用し、所定の配線パターンを第1〜第3のセラミックシート1a〜1c上にスクリーン印刷して内部導体3a〜3eを形成し、その後、第1〜第4のセラミックシート1a〜1dを積層し、所定温度で焼成処理してセラミック素体2を形成する。
【0027】
次いで、セラミック素体2の表面にCuを主成分とする導電性ペーストを塗布した後、焼付処理を行なって所定パターンのCu電極8が形成された被めっき物を作製し、該被めっき物に一連の前処理を行なった後、無電解めっき処理を行なう。
【0028】
図2は無電解めっきの処理手順を示す工程図である。
【0029】
まず、前処理工程11では、被めっき物から有機物質や無機物質による汚染を除去すると共に、めっき液とCu電極8との濡れ性を向上させるべく、被めっき物に脱脂処理を施す、尚、脱脂処理はアセトン等の非水系溶液で実施することが望ましいが、pH4〜10のエマルジョン系脱脂液や水を使用してもよい。
【0030】
次いで、被めっき物を硫酸塩やクエン酸等の酸性水溶液に浸漬してCu電極8の表面に固着している酸化物をエッチング除去し、さらにCu電極8の表面に形成されたスマットを酸性処理液で除去する。
【0031】
次に、自己触媒Niめっき工程12では、被めっき物をPd触媒液に浸漬し、Cu電極8にPd触媒を付与する。そして、還元剤として、Niに対し優れた還元性を有するホスフィン酸塩を使用し、浴温60〜90℃の無電解Niめっき液に被めっき物を浸漬して無電解Niめっきを施し、Cu電極8上にNi−P皮膜9を形成する。
【0032】
尚、ホスフィン酸塩としては、ホスフィン酸ナトリウム(NaH2PO2)、ホスフィン酸カリウム(KH2PO2)、ホスフィン酸カルシウム(Ca(H2PO2)2)等の可溶性塩を使用することができる。
【0033】
また、無電解Niめっき液のNi2+の供給源としては、各種ニッケル塩を使用することができ、例えば水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、炭酸ニッケル(NiCO3)、硫酸ニッケル(NiSO4)、塩化ニッケル(NiCl2)、スルファミン酸ニッケル(Ni(NH2SO3)2)、硫酸ニッケルアンモニウム((NH4)2Ni(SO4)2・6H2O)等を使用することができ、また無電解Niめっき液には、クエン酸やグルタミン酸等の錯化剤、その他の添加剤が含有され、pHが4〜10に調製されている。
【0034】
次いで、置換Auめっき工程13では、Au+或いはAu3 +を含有した浴温55〜90℃のめっき液(Auめっき液)に被めっき物を浸漬してNi−P皮膜9上にAuめっきを施す。
【0035】
すなわち、Ni−P皮膜9が形成された被めっき物をAuめっき液に浸漬すると、電気化学的に卑な金属であるNiが溶出して電子(e−)を放出し、該放出された電子(e−)によって貴なAu+或いはAu3 +が還元され、AuがNi−P皮膜9上に析出し、これによりAu皮膜10が形成される。
【0036】
尚、Auめっき液のAu+或いはAu3 +の供給源としては、塩化金ナトリウムや亜硫酸金ナトリウムなどの金塩を使用することができ、またAuめっき液には、前記金塩の他、シアン化ナトリウムや亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸などの錯化剤、その他の添加剤が含有され、pHが5〜9に調製されている。
【0037】
続く後処理工程14では、Au皮膜10が形成されたセラミック素体2をNi除去液に浸漬して接触処理を施し、これによりAu皮膜10の表面に付着しているNi化合物を除去する。
【0038】
すなわち、従来より、Au皮膜10におけるはんだ濡れ性の低下は下地皮膜であるNi−P皮膜9が経時的にAu皮膜10に拡散し、Au皮膜10の表面にNi化合物が形成するためと考えられていたが、本発明者の研究結果により、置換Auめっき工程13が終了した直後においてもAu皮膜10の表面にNi化合物が存在し、該Ni化合物がはんだ濡れ性を劣化させていることが判明した。すなわち、置換Auめっき工程13では、Auと置換したNi2+がAuめっき液中に存在し、該Au皮膜10の表面に付着することによりAu皮膜10の一部がNi(OH)2やNiOなどのNi化合物によって被覆され、しかもこれらNi化合物は水への溶解度が小さいため水洗や湯洗では除去できず、厚みが数nmであってもはんだ濡れ性を低下させることが判明した。
【0039】
そこで、本実施の形態では、後処理工程14で被めっき物を水洗した後、Ni除去液に浸漬し、Ni化合物を除去している。
【0040】
ここで、Ni除去液としては、クエン酸、グリシン、酢酸、グルコン酸、グルタミン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)、りんご酸、マロン酸、亜硫酸、アンモニア、スルファミン酸の中から選択される特定の錯化剤を使用することができる。
【0043】
また、Ni化合物の溶解量は溶解速度と処理時間とによって決定されるが、溶解速度が過度に速いとNi−P皮膜9やセラミック素体2を浸食する。したがって、Ni−P皮膜9やセラミック素体2の浸食を防止するためにはNi化合物の溶解速度を極力遅くするのが望ましい。
【0044】
しかしながら、Au皮膜10の表面に付着しているNi化合物の厚みは約20nmであり、Ni除去液に浸漬された多数の電子部品の全数にNi除去液が浸透するためには数秒は要する。
【0045】
すなわち、Ni−P皮膜9やセラミック素体2の浸食を防止しつつ、Ni化合物を除去するためには、Niの溶解速度は0.3μm/min以下に調整するのが好ましい。
【0046】
尚、溶解速度の制御は、Ni除去液の浴温や撹拌状態の他、Ni除去液に使用した特定の錯化剤の錯化剤濃度を調整することにより行うことができる。
【0047】
そしてこのようにNi除去液でAu皮膜上のNi化合物を除去した後、水洗処理を施し、その後乾燥処理を行う。
【0048】
尚、水洗処理は脱気水を使用するのが好ましい。これは水洗水の溶存酸素濃度が高いとNi−P皮膜9が溶出し易くなるためである。また、乾燥処理では30℃以下でブロワー乾燥することが好ましい。これは加熱乾燥するとNi−P皮膜9がAu皮膜10の表面にまで熱拡散してはんだ濡れ性が低下するためである。
【0049】
このように本実施の形態では、上述した特定の錯化剤をNi除去液として使用し、Au皮膜10の表面に付着しているNi化合物を前記Ni除去液で除去しているので、はんだ濡れ性の劣化を防止することができ、電子部品上に半導体素子6やコンデンサ7等の電子部品をはんだ付けして実装した場合であっても接合不良や接合強度の低下を招くのを回避することができる。
【0050】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、セラミック素体2をNi除去液に浸漬して接触処理を施し、Ni化合物を除去しているが、Ni除去液をNi化合物上に撒布することによって接触処理を施し、これによりNi化合物を除去するのも好ましい。
【0051】
また、上記実施の形態では、電極部としてCu電極8を使用しているが、Ag、Ag−Pd合金、或いはAuを使用しても同様である。
【0052】
また、上記実施の形態ではセラミック多層基板を例示して説明したが、チップ型のコンデンサやインダクタについても同様に適用できるのはいうまでもない。
【0053】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0054】
(第1の実施例)
本発明者は、まず、縦10mm、横30mm、板厚0.3mmの無酸素Cu板を水洗処理した後、温度25℃のペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液に1分間浸漬し、エッチング処理をした後、水洗処理した。
【0055】
次いで、水温25℃のPd触媒液に、2分間浸漬して無酸素Cu板上にPd触媒を付与し、浴温80℃、pHが4.7の無電解Niめっき液に20分間、浸漬し、膜厚4μmのNi−P皮膜を形成した。
【0056】
次に、純水で洗浄した後、浴温65℃のAuめっき液に被めっき物を10分間浸漬し、厚さ0.05μmのAu皮膜を形成した。
【0057】
そして、水洗処理を行なった後、特定の錯化剤として10mol/m3のクエン酸水溶液にそれぞれ10秒間浸漬した。
【0058】
また、上述と同様、無酸素Cu板にNi−P皮膜を形成した後、Au皮膜を形成し、次いで、温度25℃の純水、及び温度80℃の純水に10秒間浸漬した。
【0059】
次に、本発明者は、SAT−5000(レスカ社製)を使用し、メニスコグラフ法によりはんだの引張力とはんだの排斥力とが等しくなるゼロクロス時間を測定した。すなわち、浸漬速度20mm/min、浸漬深さ5mm、浸漬時間15secで浴温235℃のはんだ溶融槽(60%Sn−40%Pb)に浸漬し、前記ゼロクロス時間を測定し、はんだ濡れ性を評価した。
【0060】
表1はゼロクロス時間の測定結果を示している。
【0061】
【表1】
この表1から明らかなように比較例1及び2は、純水に浸漬しているに過ぎないため、Au皮膜の表面に付着しているNi化合物を除去することができず、ゼロクロス時間が2.5sec、2.3secと長く、はんだ濡れ性に劣っている。
【0062】
これに対して実施例1はクエン酸水溶液に浸漬しているので、Au皮膜の表面に付着しているNi化合物を除去することができ、ゼロクロス時間が0.7 sec と短く、はんだ濡れ性が大幅に向上することが確認された。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る電子部品のめっき方法は、Niを主成分とするNi皮膜及びAuを主成分とするAu皮膜を順次形成し、その後、置換Au皮膜の付着しているNi化合物を除去する後処理を行なう電子部品のめっき方法において、クエン酸、グリシン、酢酸、グルコン酸、グルタミン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、りんご酸、マロン酸、亜硫酸、アンモニア、及びスルファミン酸の中から選択された溶液をNi除去液として使用し、前記後処理は、前記Ni化合物を前記Ni除去液と接触させて接触処理を施し、前記Ni化合物を前記置換Au皮膜上から除去するので、はんだ濡れ性の劣化原因であるAu皮膜の表面に付着しているNi化合物を簡便に除去することができ、はんだ濡れ性を大幅に向上させることが可能となる。
【0070】
また、前記接触処理は、前記Au皮膜が形成されている基板素体を前記Ni除去液に浸漬することにより行うか、或いは前記Ni除去液を前記Ni化合物に撒布することにより行うことにより、Ni化合物をAu皮膜から容易に除去することができる。
【0071】
また、本発明に係る電子部品は、上記めっき方法を使用して製造されているので、Au皮膜上のNi化合物が除去されており、はんだ濡れ性が劣化することもなく、良好なはんだ付け性を有する実装性に優れた電子部品を得ることができる。
【0072】
さらに、本発明の電子部品は、外部電子部品がはんだを介して電気的に接続されているので、電子部品を搭載してもはんだ濡れ性に起因した接合不良や接合強度の低下を回避することのできる電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のめっき方法を使用して製造された電子部品としてのセラミック多層基板の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 本発明に係る電子部品としてのセラミック多層基板のめっき方法を示すめっき工程図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electronic component plating method and an electronic component. More specifically, the present invention relates to a method for plating an electronic component such as a ceramic multilayer substrate in which external electronic components such as semiconductor elements, capacitors, and resistors are joined via solder, and the electronic component. The present invention relates to an electronic component manufactured using a plating method.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, an electronic component such as a ceramic multilayer substrate is generally embedded with an internal conductor in an insulating substrate formed of a polymer material or a ceramic material, and an external conductor is formed on the surface of the insulating substrate. And the internal conductor are electrically connected. Of the external conductors, at least for the external conductors connected to the external electronic components via the solder, in order to prevent the conductive material such as Cu constituting the electrode portion from diffusing into the solder and disappearing. Further, a Ni film is formed on the surface of the electrode part, and an Au film is formed on the surface of the Ni film in order to prevent oxidation of the Ni film and improve solder wettability.
[0003]
The external electronic component refers to an electronic component such as a semiconductor element, a capacitor, or a resistor mounted on an electronic component such as a ceramic multilayer substrate.
[0004]
In addition, as a method for forming a plating film such as a Ni film or an Au film, there are an electrolytic plating method and an electroless plating method. For those that require a fine and complicated conductive pattern such as a ceramic multilayer substrate. Electroless plating that is not affected by current distribution is often used.
[0005]
In the electroless plating method, a reducing agent is added to the plating solution and electrons generated by the oxidation reaction of the reducing agent are used for metal precipitation reaction, and between the metal ions and the base metal in the solution. There is a substitution type utilizing the substitution reaction that occurs, but the Ni film is formed by autocatalytic electroless plating (hereinafter referred to as “self-catalytic plating”), and the Au film is substituted by electroless plating (hereinafter referred to as “electrolytic plating”). , Referred to as “substitution plating”), and various related techniques of this type have been proposed (see
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-335859 [Patent Document 2]
JP-A-8-325744 [Patent Document 3]
JP, 2000-223442, A [Problems to be solved by the invention]
However, the plating film formed by the above-mentioned conventional method deteriorates the solder wettability due to the thermal load during soldering or being left in the humidity, and this causes poor bonding and bonding strength between the electronic component and the external electronic component. There has been a problem that mounting failure may occur such as reduction.
[0007]
The present invention has been made in view of such problems, and a plating method for an electronic component capable of forming a plating film having good mountability by avoiding deterioration of solder wettability, and an electronic The purpose is to provide parts.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor conducted extensive research on the surface properties of the plating film in order to improve solder wettability, and Ni 2+ substituted for Au is present in the Au plating solution even immediately after the replacement Au plating treatment. For this reason, it has been found that Ni 2+ becomes a Ni compound and adheres to the surface of the Au film, and as a result, the Ni compound covers a part of the Au film and causes deterioration of solder wettability.
[0009]
Therefore, in order to improve solder wettability, it is necessary to remove the Ni compound adhering to the surface of the Au film.
[0010]
However, since the Ni compound has low solubility in water, it cannot be removed by ordinary water washing or hot water washing.
[0011]
Therefore, the present inventor has intensively studied, using a specific complexing agent having Ni solubility higher than that of pure water as a Ni removing solution, washing the substrate body on which the substituted Au film is formed, and then immediately washing it. It was found that the Ni compound can be removed from the surface of the substituted Au film by bringing the Ni compound into contact with the Ni removing solution.
[0012]
The present invention has been made on the basis of such knowledge, and the electronic component plating method according to the present invention performs plating on a conductive portion formed on the surface of a substrate body and contains Ni as a main component. An electroless Ni film (hereinafter simply referred to as “Ni film”) and a substituted Au film (hereinafter simply referred to as “Au film”) containing Au as a main component are sequentially formed. In an electronic component plating method for performing post-treatment to remove Ni compounds, citric acid, glycine, acetic acid, gluconic acid, glutamic acid, tartaric acid, ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, malic acid, malonic acid, sulfurous acid, ammonia, and specific complexing agent selected from among sulfamic acid was used as the Ni removing liquid, wherein after the treatment causes a pre Symbol Ni compound is contacted with the Ni removal liquid Subjected to contact treatment, the Ni compound is characterized by removing from the said substituted Au film.
[0014]
In addition, as the contact treatment, there is a method of immersing a substrate body, in which an Au film is coated with a Ni compound, in a Ni removing solution, or distributing the Ni removing solution over a Ni compound.
[0015]
Therefore, the plating method of the present invention is characterized in that the contact treatment is performed by immersing the substrate body on which the Au film is formed in the Ni removing solution, or the Ni removing solution is used as the Ni compound. It is characterized by being distributed by
[0016]
In addition, an electronic component according to the present invention is manufactured using the plating method described above.
[0017]
According to the electronic component, since the Ni compound on the Au film is removed, an electronic component having good solderability can be obtained without deterioration of solder wettability.
[0018]
The electronic component according to the present invention is characterized in that the external electronic component is electrically connected via solder.
[0019]
According to the electronic component, since the Ni compound on the Au film is removed, it is possible to obtain an electronic component that does not cause mounting defects due to solder wettability.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0021]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a ceramic multilayer substrate as an electronic component manufactured using the plating method according to the present invention. The ceramic multilayer substrate includes a plurality of ceramic sheets (first to first sheets). The
[0022]
In addition,
[0023]
Further, a
[0024]
Further, as shown in FIG. 2, the outer conductor 4 (4a to 4g) has an electroless Ni—P film (hereinafter simply referred to as “Cu electrode”) on the surface of an electrode portion (hereinafter referred to as “Cu electrode”) 8 mainly composed of Cu. referred to as "Ni-P film.") 9 is formed, which is further Au film 10 is formed on the surface of the Ni-P film 9.
[0025]
Next, a method for manufacturing the ceramic multilayer substrate will be described.
[0026]
First, via
[0027]
Next, after applying a conductive paste containing Cu as a main component to the surface of the
[0028]
FIG. 2 is a process diagram showing a processing procedure of electroless plating.
[0029]
First, in the pretreatment step 11, the object to be plated is subjected to a degreasing process in order to remove contamination by an organic substance or an inorganic substance from the object to be plated and to improve the wettability between the plating solution and the
[0030]
Next, the object to be plated is immersed in an acidic aqueous solution such as sulfate or citric acid to remove the oxide fixed on the surface of the
[0031]
Next, in the autocatalytic Ni plating step 12, the object to be plated is immersed in a Pd catalyst solution, and a Pd catalyst is applied to the
[0032]
As the phosphinate, a soluble salt such as sodium phosphinate (NaH 2 PO 2 ), potassium phosphinate (KH 2 PO 2 ), calcium phosphinate (Ca (H 2 PO 2 ) 2 ) or the like may be used. it can.
[0033]
Various nickel salts can be used as a source of Ni 2+ in the electroless Ni plating solution. For example, nickel hydroxide (Ni (OH) 2 ), nickel carbonate (NiCO 3 ), nickel sulfate (NiSO 4 ). ), nickel chloride (NiCl 2), nickel sulfamate (Ni (NH 2 SO 3) 2), can be used such as nickel ammonium sulfate ((NH 4) 2 Ni ( SO 4) 2 · 6H 2 O) The electroless Ni plating solution contains a complexing agent such as citric acid and glutamic acid, and other additives, and is adjusted to a pH of 4 to 10.
[0034]
Next, in the replacement Au plating step 13, the object to be plated is immersed in a plating solution (Au plating solution) containing Au + or Au 3 + at a bath temperature of 55 to 90 ° C., and Au plating is performed on the Ni-P film 9. Apply.
[0035]
That is, when the object to be plated on which the Ni-P film 9 is formed is immersed in an Au plating solution, Ni which is an electrochemically base metal elutes to emit electrons (e − ), and the emitted electrons Noble Au + or Au 3 + is reduced by (e − ), and Au is deposited on the Ni—P film 9, thereby forming the Au film 10.
[0036]
In addition, as a supply source of Au + or Au 3 + in the Au plating solution, gold salts such as sodium gold chloride and sodium gold sulfite can be used. Complexing agents such as sodium phosphide, sodium sulfite and thiosulfuric acid, and other additives are contained, and the pH is adjusted to 5-9.
[0037]
In the subsequent post-processing step 14, the
[0038]
That is, conventionally, the decrease in solder wettability in the Au coating 10 is considered to be because the Ni-P coating 9 as the base coating diffuses over time into the Au coating 10 and a Ni compound is formed on the surface of the Au coating 10. However, according to the research results of the present inventors, it was found that Ni compound was present on the surface of the Au coating 10 immediately after the substitution Au plating step 13 was finished, and the Ni compound deteriorated the solder wettability. did. That is, in the substitution Au plating step 13, Ni 2+ substituted for Au is present in the Au plating solution and adheres to the surface of the Au coating 10, whereby a part of the Au coating 10 is Ni (OH) 2 or NiO. Further, it has been found that these Ni compounds cannot be removed by washing with water or hot water because of their low solubility in water, and the solder wettability is reduced even if the thickness is several nm.
[0039]
Therefore, in the present embodiment, after the object to be plated is washed with water in the post-processing step 14, it is immersed in a Ni removing solution to remove the Ni compound.
[0040]
Here, as the Ni removal solution, citric acid, glycine, acetic acid, gluconic acid, glutamic acid, tartaric acid, ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA), diethylenetriaminepentaacetic acid (DPTA), malic acid, malonic acid, sulfurous acid, ammonia, sulfamic acid Specific complexing agents selected from among them can be used.
[0043]
Further, the dissolution amount of the Ni compound is determined by the dissolution rate and the processing time. However, if the dissolution rate is excessively high, the Ni-P film 9 and the
[0044]
However, the thickness of the Ni compound adhering to the surface of the Au coating 10 is about 20 nm, and it takes several seconds for the Ni removal solution to penetrate all the many electronic components immersed in the Ni removal solution.
[0045]
That is, in order to remove the Ni compound while preventing the erosion of the Ni-P film 9 and the
[0046]
The dissolution rate can be controlled by adjusting the complexing agent concentration of the specific complexing agent used in the Ni removing solution, as well as the bath temperature and stirring state of the Ni removing solution.
[0047]
And after removal of the Ni compound of the Au film with Ni removing liquid thus subjected to a water washing treatment is performed thereafter drying treatment.
[0048]
In addition, it is preferable to use deaerated water for the water washing process. This is because the Ni-P film 9 is likely to be eluted when the dissolved oxygen concentration in the washing water is high. In the drying process, it is preferable to perform blower drying at 30 ° C. or lower. This is because the Ni—P film 9 is thermally diffused to the surface of the Au film 10 when heat-dried and solder wettability is lowered.
[0049]
In this manner, in the present embodiment, using specific complexing agents described above as Ni removing liquid, since the Ni compound adhering to the surface of A u film 10 is divided by the Ni removing liquid, Deterioration of solder wettability can be prevented, and even when electronic components such as the
[0050]
The present invention is not limited to the above embodiment. In the above embodiment, subjected to a contact treatment by immersing the
[0051]
Moreover, in the said embodiment, although the
[0052]
In the above embodiment, the ceramic multilayer substrate has been described as an example, but it is needless to say that the present invention can be similarly applied to a chip-type capacitor and an inductor.
[0053]
【Example】
Next, examples of the present invention will be specifically described.
[0054]
(First embodiment)
The inventor firstly washed an oxygen-free Cu plate having a length of 10 mm, a width of 30 mm, and a thickness of 0.3 mm with water, then immersed in an ammonium peroxodisulfate solution at a temperature of 25 ° C. for 1 minute, etched, and then washed with water. Processed.
[0055]
Next, it is immersed in a Pd catalyst solution having a water temperature of 25 ° C. for 2 minutes to give the Pd catalyst on the oxygen-free Cu plate, and immersed in an electroless Ni plating solution having a bath temperature of 80 ° C. and a pH of 4.7 for 20 minutes. Then, a 4 μm thick Ni—P film was formed.
[0056]
Next, after washing with pure water, the object to be plated was immersed in an Au plating solution having a bath temperature of 65 ° C. for 10 minutes to form an Au film having a thickness of 0.05 μm.
[0057]
Then, after washing with water, each was immersed in a 10 mol / m 3 aqueous citric acid solution as a specific complexing agent for 10 seconds.
[0058]
Moreover, after forming a Ni-P film on an oxygen-free Cu plate as described above, an Au film was formed, and then immersed in pure water at a temperature of 25 ° C. and pure water at a temperature of 80 ° C. for 10 seconds.
[0059]
Next, the present inventor used SAT-5000 (manufactured by Reska Corporation) and measured the zero crossing time in which the tensile force of the solder and the solder repelling force were equal by the meniscograph method. That is, it was immersed in a solder melting bath (60% Sn-40% Pb) with a bath temperature of 235 ° C. at an immersion speed of 20 mm / min, an immersion depth of 5 mm, and an immersion time of 15 seconds, and the zero crossing time was measured to evaluate solder wettability. did.
[0060]
Table 1 shows the measurement result of the zero crossing time.
[0061]
[Table 1]
As is apparent from Table 1, Comparative Examples 1 and 2 are merely immersed in pure water, and therefore, the Ni compound adhering to the surface of the Au film cannot be removed, and the zero cross time is 2 .5 sec, 2.3 sec, and poor solder wettability.
[0062]
In contrast, since Example 1 is immersed in an aqueous citric acid solution, the Ni compound adhering to the surface of the Au film can be removed, the zero-crossing time is as short as 0.7 sec, and the solder wettability is low. It was confirmed that it improved significantly.
[0068]
【The invention's effect】
As described above in detail, the method for plating an electronic component according to the present invention sequentially forms a Ni film having Ni as a main component and an Au film having Au as a main component, and then a Ni film having a replacement Au film attached thereto. In the plating method of electronic parts that perform post-treatment to remove compounds, citric acid, glycine, acetic acid, gluconic acid, glutamic acid, tartaric acid, ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, malic acid, malonic acid, sulfurous acid, ammonia, and sulfamic acid selected solution using a Ni removing liquid from the said after treatment, a pre-Symbol Ni compound subjected to contact treatment in contact with the Ni removal solution to remove the Ni compound from the said substituted Au film Therefore, it is possible to easily remove the Ni compound adhering to the surface of the Au film, which is a cause of the deterioration of the solder wettability. It is possible to greatly improve the resistance.
[0070]
In addition, the contact treatment is performed by immersing the substrate body on which the Au film is formed in the Ni removing solution, or by spreading the Ni removing solution on the Ni compound, thereby forming Ni. The compound can be easily removed from the Au coating.
[0071]
Further, since the electronic component according to the present invention is manufactured using the above plating method, the Ni compound on the Au film is removed, and the solder wettability is not deteriorated, and the good solderability is achieved. An electronic component having excellent mountability can be obtained.
[0072]
Furthermore, since the electronic component of the present invention is electrically connected to the external electronic component via the solder, it can avoid a bonding failure and a decrease in bonding strength due to solder wettability even when the electronic component is mounted. Can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a ceramic multilayer substrate as an electronic component manufactured using the plating method of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged view of a main part of FIG.
FIG. 3 is a plating process diagram showing a method for plating a ceramic multilayer substrate as an electronic component according to the present invention.
Claims (5)
クエン酸、グリシン、酢酸、グルコン酸、グルタミン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、りんご酸、マロン酸、亜硫酸、アンモニア、及びスルファミン酸の中から選択された特定の錯化剤をNi除去液として使用し、
前記後処理は、前記Ni化合物を前記Ni除去液と接触させて接触処理を施し、前記Ni化合物を前記置換Au皮膜上から除去することを特徴とする電子部品のめっき方法。The conductive part formed on the surface of the substrate body is plated, and an electroless Ni film mainly composed of Ni and a substituted Au film mainly composed of Au are sequentially formed, and then the substituted Au film is adhered. In a method for plating electronic parts that performs post-processing to remove the Ni compounds that are present,
Ni removal solution for specific complexing agent selected from citric acid, glycine, acetic acid, gluconic acid, glutamic acid, tartaric acid, ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, malic acid, malonic acid, sulfurous acid, ammonia, and sulfamic acid Use as
The after treatment, a pre-Symbol Ni compound subjected to contact treatment in contact with the Ni removal liquid, the plating method of the electronic component, characterized in that the removal of the Ni compound from the said substituted Au film.
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