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JP4092113B2 - 缶体へのフィルム貼着方法およびその装置 - Google Patents

缶体へのフィルム貼着方法およびその装置 Download PDF

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JP4092113B2
JP4092113B2 JP2002053844A JP2002053844A JP4092113B2 JP 4092113 B2 JP4092113 B2 JP 4092113B2 JP 2002053844 A JP2002053844 A JP 2002053844A JP 2002053844 A JP2002053844 A JP 2002053844A JP 4092113 B2 JP4092113 B2 JP 4092113B2
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俊夫 荒井
武浩 松本
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Daiwa Can Co Ltd
Shin Nippon Koki KK
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Daiwa Can Co Ltd
Shin Nippon Koki KK
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フィルムを接着剤を介して缶体の外周面に貼着する方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、絞りしごき缶のように、胴部と底部とが一体に成形されてその側面に継目部が無い缶(2ピース缶)の胴部の外面に、接着剤層を介して印刷済みフィルムを貼着する技術は、既に多くの提案がなされており(例えば、特開平3−230940号公報、特開平4−57747号公報、特開平9−216281号公報、特開平9−295639号公報、特開平10−683号公報など)、既に出願人によって実用化が図られ、商業生産が実施されている。
【0003】
また、半田付け缶や溶接缶や接着缶などのように、金属板を丸めてその周方向の両端部を接合して形成され、その側面に継目部を有した缶(3ピース缶)の缶胴に、接着剤層を備えた印刷済みフィルム(フィルムラベル)を貼着する技術思想自体は、特開昭52−24789号公報に開示されており、また、この公報には、缶胴の側面の継目部と、印刷済みフィルムの先端部及び後端部の重ね合わせ部とを略一致させることも記載されている。
【0004】
他方、上記の2ピース缶のように胴部と底部とが一体になった缶において、この缶の胴部に印刷済みフィルムを貼着するために、缶胴を保持するマンドレルなどの保持部材に缶胴をセットする工程及び保持部材から缶胴を取り外す工程は、2ピース缶のドライオフセット印刷装置の保持部材(マンドレル)及びその周囲に装備されているバキューム機構と圧力空気噴出機構と同様な機構を用いればよいので、比較的容易に構成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半田付け缶や溶接缶及び接着缶のように、その両端が開口された筒形状の側面に継目部を有する缶胴の場合には、これらの周知の装置をそのまま使用することができないので、その缶胴外面に印刷済みフィルムを貼着することは不可能となっていた。
【0006】
すなわち、胴部と底部とが一体に形成され2ピース缶では、缶胴の缶底部を空気吸引によって吸着することによって缶胴を保持したり、開口端側から、または缶胴内に直接的に圧力空気を吹き込むことよって、空気圧を用いて缶胴を取り外したりすることができる。しかし、3ピース缶はその両端が開口された筒形状であり、缶底部が存在しないので、上記の吸着による保持および空気圧による取り外しが行なえない。
【0007】
また、上記の特開昭52−24789号公報には、印刷済みフィルムの先端部を、缶胴の側面継目部に位置決めして貼着することは記載されているが、その具体的方法及び装置については、ほとんど何も記載されていない。
【0008】
すなわち、このような缶胴は、一般に円筒形状に形成されていることから、その外周面上の所定箇所の向きを、外形状の向きによって判別できないとともに、その一連の製造工程において、異なる移送手段や工程の処理を実行する装置に受け渡されたりすると、この向きが変化しやすいことにもなる。他方、印刷済みフィルムの中央部には、通常、その缶に収容した中身の商品を示す図柄の中央部分や商標などが配置されている。
【0009】
これらのため、このフィルムによる装飾の重要部分の下に缶胴の継目部が位置されると、この継目部の段差部によってフィルムの一様性が乱され、フィルムの図柄の中央部分や商標の文字、マークなどが歪んで見えることになる。
【0010】
この結果、フィルムが貼着された缶胴の外観性が低下するので、装飾デザイン上や商品として好ましくなく、缶胴の製品形態である缶詰を販売する業者などから改善を求められていた。特に、伸展性に乏しいフィルムの略中央部が継目部の上に位置されると、このフィルム部分にしわが寄ったりして、外観上で目立つので、商品性が著しく損なわれる不都合が生じた。
【0011】
これに加えて、上記の公報には、毎分、数百缶を処理する必要がある高速製缶工程において、缶胴の側面に存在する継目部と印刷済みフィルム先端部とをどのようにして相対的な位置合わせするのかという方法及び装置については、全く具体的に記載されていない。
【0012】
すなわち、例えば、現在の側面に継目部を有する缶胴、溶接缶胴の生産速度は、190g入り飲料缶換算で、約350〜700缶/分(缶胴の直径や長さが大きくなればこれよりも生産速度も低下する)であり、このような缶胴外面に印刷済みフイルムを貼着するには、この生産速度に対応した印刷済みフィルムの貼着速度を可能にする必要がある。
【0013】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、缶体の外周面にフィルムを貼着する場合に、この外周面における周方向のフィルム貼着位置の精度を確保しながら、高速なフィルム貼着が可能な缶体へのフィルム貼着方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、缶体を所定の軌跡に沿って移動させるとともに、接着面を備えたフィルムを前記缶体の移動に連係させて移動させ、前記フィルムの端部を缶体の所定箇所に接触させて、缶体の外周面の周方向の所定の位置にフィルムを貼着させる缶体へのフィルム貼着方法であって、前記缶体における任意箇所を特徴箇所として検出し、この検出された位置と予め設定された位置との角度差分だけ缶体を回転させて、前記フィルムの端部が缶体の前記所定箇所に接触するようにしたものにおいて、前記フィルムの移動の途中の時点でのフィルムの位置を検出し、検出された前記フィルムの位置と予め設定されたフィルムの位置との変位量を算出して、前記変位量が存在した場合には、前記缶体の特徴箇所を検出して検出された位置と予め設定された位置との角度差分だけ缶体を回転させた後に、前記変位量分だけ更に缶体を回転させることにより、前記缶体とフィルムとの位置合わせを行うことを特徴とする方法である。
【0015】
請求項1の発明によれば、供給された缶体の外周面の所定箇所が、所定の方向に向いていなくとも、缶体の特徴箇所を検出し、この検出された位置と予め設定された位置との角度差分だけ缶体を回転させてフィルムの端部が缶体の前記所定箇所に接触するようにしているので、缶体の外周面における周方向のフィルム貼着位置を安定的に常に一定にすることができる。また、フィルムの移動の途中の時点でのフィルムの位置を検出し、検出された前記フィルムの位置と予め設定されたフィルムの位置との変位量を算出して、前記変位量が存在した場合には、前記変位量分だけ更に缶体を回転させることにより、前記缶体とフィルムとの位置合わせを行うので、フィルムが予め設定された所定位置から少しズレが発生していたとしても、フィルム貼着位置では、予め設定したように、前記フィルムの端部と前記缶体の所定位置とが接触するようになる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記缶体の特徴箇所の検出とその後の缶体の回転までの工程を、前記缶体を回転させながら前記特徴箇所の検出を行い、かつ前記特徴箇所が検出された位置から前記角度差分回転させた時点で前記缶体の回転を停止させることにより行うようにしたことを特徴とする方法である。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、缶体の特徴箇所の検出とその後の缶体の回転までの工程を、前記缶体を回転させながら前記缶体の特徴箇所の検出を行い、かつ前記検出位置から前記角度差分回転させた時点で前記缶体の回転を停止させて行うようにしたことにより、缶体の外周面の所定箇所を所定の向きにすることが容易に、しかも迅速にできる。
【0018】
請求項3の発明は、回転体の回転軸と平行な回転軸を有すると共に缶体を保持する缶体保持手段が、前記回転体の外周に沿って所定間隔で複数個配置されており、前記回転体の回転に伴って所定の軌跡に沿って前記缶体を移送する缶体移送手段と、接着面を備えたフィルムを前記缶体の移動に連係させて移動させるフィルム移送手段とを備え、前記フィルムの端部を前記缶体の所定箇所に接触させて、前記缶体を回転させながら、前記缶体の外周面の周方向における所定の位置に前記フィルムを貼着させる缶体へのフィルム貼着装置であって、前記缶体保持手段により保持されて移送される缶体を、その周方向に回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段によって移動途中の前記缶体を回転させ、回転する缶体の特徴箇所を検出し、検出信号を発信する検出手段と、前記検出手段からの前記検出信号を受信して前記缶体の回転を所定位置で停止させる制御手段とを備えたものにおいて、前記フィルム移送手段が、前記フィルムを回転体の外周面に吸着させながら移動させる移送手段であり、前記フィルム移送手段の前記回転体外周面上を移送される前記フィルムの位置を検出して、予め設定されたフィルム位置との変位量を算出し、その算出値に基づいて前記缶体の前記所定箇所と前記フィルムの端部との位置を合わせるために必要な缶体の回転角度を算出し、前記回転駆動手段に算出値分だけ缶体を回転させる信号を発信するフィルム位置検出手段とを備えていることを特徴とする装置である。
【0021】
請求項3の発明によれば、缶体保持手段に供給される缶体が、前記缶体の外周面の所定箇所が常に特定の方向に向いていなくとも、前記缶体を回転させながらその缶体の特徴箇所を検出し、特徴箇所から所定角度となる位置でその缶体の回転を停止させるので、フィルムの端部と缶体の所定箇所とが常に位置合わせされることになり、前記フィルムの端部を缶体の所定箇所に必ず接触するように貼着できる。
【0022】
従って、例えば、缶体が溶接缶胴や接着缶胴や半田付け缶胴のように側面に継目部を有する場合には、この継目部を特徴箇所として検出すると共にこの継目部を缶体の所定箇所にすれば、缶胴を保持手段に保持しながら回転させて、検出手段により継目部を検出したら所定位置で缶体を停止させることにより、継目部とフィルムの端部とを略一致させるようにフィルムを貼着させることが可能となる。
【0023】
すなわち、缶胴の周長よりも長いフィルムを貼着する場合には、この缶胴の継目部にフィルムの周方向の先端部と後端部とを重ね合わせた重合部を略一致させてフィルムを貼着させることができる。
【0024】
この結果、溶接熱や半田の色等により変色している継目部を完全に隠蔽して缶胴の外観性を向上させることができる。
【0025】
また、缶内容物を写実的に又はデフォルメして表示するデザインや商標等を印刷したフィルムを貼着する場合には、缶詰販売業者が強くアピールしたい缶内容物のデザインや商標は、フィルムの略中央部に印刷されているので、段差部のある継目部の反対側に位置されることになり、最終的な缶詰商品の商品価値を高めることになる。
【0027】
また、請求項3の発明によれば、フィルム位置を検出して、予め設定されたフィルム位置との変位量を算出し、その算出値に基づいて前記缶体の前記所定箇所と前記フィルムの端部との位置を合わせるために必要な缶体の回転角度を算出し、前記回転駆動手段に算出値分だけ缶体を回転させる信号を発信するフィルム位置検出手段を備えていることにより、フィルムがフィルム移送手段に供給される際に、フィルムの位置が回転体の外周方向で前後に少しズレが発生したとしても、ズレを修正することができるので、缶体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせを確実に行うことができる。
【0028】
請求項4の発明は、請求項3の構成に加えて、缶体保持手段が、缶体内に挿入されるマンドレルと缶体を吸着して保持する吸着手段とから構成されており、回転駆動手段が前記吸着手段にそれぞれ連結されているサーボモーターであることを特徴とする装置である。
【0029】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の作用が生じる他に、缶体を吸着させて保持しながら各缶体を個々に直接回転させることができるので、各缶体の回転開始と回転停止とが寸時に行え、缶体へのフィルム貼着が高速で行なえる。
【0030】
請求項5の発明は、請求項4の構成に加えて、缶体の特徴箇所を検出する検出手段が、各缶体保持手段の近傍位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする装置である。
【0031】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の作用が生じる他に、各缶体の特徴箇所を検出する手段と缶体を回転駆動させる回転駆動手段とを、各缶体保持手段に対して1つずつ配置してあるので、缶体を高速移動させながら各缶体の特徴箇所を検出し、各缶体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせを行うことができる結果、缶体への高速なフィルム貼着が可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、缶胴の外面に一缶分に裁断された外面フィルムを貼着するフィルム貼着装置A1の全体構成を示す正面図、図2は、フィルム貼着装置A1を構成する缶胴移送装置の要部を示す部分的な断面図である。また、缶胴1は、溶接缶、接着缶などの3ピース缶、絞り缶、深絞り缶、絞りしごき缶、インパクト缶などの2ピース缶、ネジキャップと螺合する口頸部を備えたボトル型缶のいずれに用いられるものでもよいが、この実施例では、主として、3ピース缶に用いられる缶胴1について説明する。
【0033】
すなわち、缶胴1は、図3に示すように、一缶分に相当する所定寸法を有した矩形形状の金属板を丸めて、その周方向に重ね合わせられた両端縁部分を溶接や接着によって継ぎ合わせた円筒形状に形成されている。したがって、缶胴1の外周面には、その周方向を横切るように僅かに段差を備えた継目部2が生成されている。また、缶胴1の軸方向の両端は、円形状の開口形状とされた開口端3A,3Bが形成されている。
【0034】
また、この缶胴1の素材となる金属板は、磁性材料または非磁性材料のいずれであってもよく、非磁性材料としては、アルミニウム板、アルミニウム合金板を用いることができる。また、磁性材料としては、ブリキ、極薄錫メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、その他の各種合金を含む金属メッキ鋼板、リン酸処理鋼板、電解クロム酸処理鋼板等の表面処理鋼板を用いることができる。この実施例では、上記の金属板のうち、主として磁性材料を用いた場合について説明する。
【0035】
さらに、この缶胴1の内面側には、内面被覆層(図示せず)が形成されている。缶胴1の内面側に内面被覆層を形成する方法としては、缶胴成形前の鋼板であって、缶胴1の内面側となる面に塗料を塗布する方法と、缶胴成形前の鋼板であって、缶胴1の内面側となる面に熱可塑性樹脂フィルムを貼り付ける方法とがある。缶胴1の内面となる面に塗料を塗布する場合は、塗料としてポリエステル系、エポキシーフェノール系、エポキシーユリア系またはフェノール系などの硬化型合成樹脂、特に熱硬化型合成樹脂を用いることが望ましい。なお、2ピース缶の缶胴の場合には、缶胴の成形後に、その内面に塗料を塗布する場合もある。
【0036】
これに対して、缶胴1の内面となる面に熱可塑性樹脂フィルムを貼り付ける場合は、熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのホモのポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタレート酸との共重合などよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂などのうちから選ばれた透明な高分子樹脂単体や2以上の樹脂の混合物、あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。
【0037】
なお、本実施例の場合は、缶胴1の内径は、52.4ないし52.5mmの範囲内に設定されている。また、缶胴1の開口端3Aの開口形状が、真円形状ではなく、楕円形状になっている場合でも、この楕円の短軸の長さが51.0mm以上であれば、本例のフィルム貼着装置A1による外面フィルム4の貼着処理が可能である。
【0038】
すなわち、上記の缶胴1の外周面を覆うように外面フィルム4が貼着され、その重ね合わせられた両端部4a,4bは、それぞれ缶胴1の継目部2の上を通過した箇所に位置されている。したがって、外面フィルム4による装飾デザインを継目部2によって歪ませずに済むとともに、継目部2の上に、外面フィルム4の両端部4a,4bが重ねられた箇所が位置していることによって、継目部2を目立たなくしている。
【0039】
この缶胴1の外周面に貼着される外面フィルム4としては、例えば熱可塑性樹脂フィルム、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのホモのポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタレート酸との共重合体などよりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちから、用途により選ばれた透明な高分子樹脂単体、あるいは上記樹脂の複合体からなる熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。中でも、耐熱性があるポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。
【0040】
また、この外面フィルム4に対する印刷方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等を採用することができるが、意匠性の点からみると画質が鮮明でかつ高級感があるグラビア印刷法が好ましい。印刷に使用するインキとしては、一般的に熱硬化性のポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルーポリウレタン系樹脂、エポキシーブチラール系樹脂、ポリイソシアネート系樹脂の1種類または2種類以上の樹脂を含むインキが用いられる。外面フィルム4における印刷面の上には、熱硬化型又は電子硬化型の接着剤が塗布されている。熱硬化型の接着剤としては、例えば、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリオレフィン系樹脂等の内、単独またはこれらの樹脂に1種類以上の硬化剤を添加したものや2種類以上の組成物を混合したものが使用できる。例えば、多成分系のものとしては、ポリエステルーイソシアネートーアミノ系、エポキシーフェノール系、エポキシーユリア系、エポキシーアミノ系、エポキシーアクリル系、エポキシーエステル系、エポキシー酸無水物系、フェノキシー酸無水物系を挙げることができる。また、電子硬化型の接着剤としては、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂若しくはウレタン樹脂を主剤とし、それに電子線感応樹脂として不飽和二重結合を附加したエステルオリゴマーを配合した樹脂組成物に必要に応じて応力緩和剤を添加した樹脂組成物及びこれに熱硬化剤としてのメラミン樹脂やイソシアネート樹脂を添加した組成物が使用できる。
【0041】
また、印刷面とは反対側の表面には、潤滑剤含有の熱硬化型塗料を予めロール塗装しておくのが望ましいが、フィルムを缶体外面に貼着した後にロール塗装することも可能である。
【0042】
尚、印刷面の上に、潤滑剤含有の熱硬化型塗料を塗布し、印刷面とは反対側の表面に接着剤を塗布してもよい。
【0043】
本例のフィルム貼着装置A1は、図1および図2に示すように、缶胴1を保持して所定の軌跡上を移送する缶胴移送装置5と、この軌跡上に移送される缶胴1に外面フィルム4を接触させて貼着する貼付ドラム装置6とを主体に構成され、缶胴移送装置5には、前工程からフィルム未貼着の缶胴1を所定間隔を設けて途切れなく缶胴移送装置5に供給する缶胴供給装置7と、外面フィルム4が貼着された缶胴1を受領して次工程へ送るために缶胴移送装置5から排出する缶胴排出装置8とが付属して設けられる一方、貼付ドラム装置6には、一缶分の外面フィルム4を所定間隔を置いて貼付ドラム装置6に次々と供給するフィルム供給装置9が付属して設けられている。
【0044】
すなわち、この缶胴移送装置5は、モータなどの駆動力源(図示せず)によって回転駆動される回転軸11を有している。この回転軸11は、フレーム12,13に固定された円筒部材12A,13Aに取り付られた軸受12B,13Bによって軸支され、その軸心を水平な状態にして回転自在に保持されている。また、回転軸11には回転体14が取り付けられており、回転軸11と回転体14とが一体的に、かつ、図1において時計方向に回転されている。
【0045】
この回転体14の外周側には、回転軸11の中心線C1を中心とする円周上に、複数の軸孔14Aが所定間隔おきに形成されている。この各軸孔14Aの中心線B2は、回転軸11の中心線に平行に設定されている。各軸孔14Aには軸受14Bがそれぞれ取り付けられており、各軸受14Bによって軸15がそれぞれ回転自在に保持されている。すなわち、各軸15は、中心線B2を中心として自転可能とされるとともに、回転体14が回転すると、各軸15が中心線C1の周囲を公転させられる。
【0046】
各軸15におけるフレーム13とは反対側の端部には、マンドレル16がそれぞれ連結部材18を介して連結され、各マンドレル16は、後述するように回転体14の回転に伴い移動される缶胴1に同行して移動するとともに、この移動の所定範囲内では缶胴1内に挿入されて、缶胴1内に非接触の状態に配置される。
【0047】
すなわち、これらの各マンドレル16は、軸状、言い換えれば円柱形状に形成され、各マンドレル16の外径は、48.4ないし50.4mmの範囲内に設定され、缶胴1の内径よりもマンドレル16の外径の方が、2.0ないし4.0mm小さく設定されている。
【0048】
したがって、缶胴1の中心F1がマンドレル16と同心上にして、缶胴1が移動されて、缶胴1の開口側から缶胴1の内部に、マンドレル16がその軸方向に所定の長さ分だけ非接触の状態で挿入されて配置されるとともに、後述するように、缶胴1の外周面に外面フィルム4を貼着する際には、このマンドレル16によって缶胴1をその内周面側から保持できるようにしている。
【0049】
また、各マンドレル16は、連結部材18に回転自在に連結されるとともに、その回転軸の回転中心が連結部材18によって、回転軸11の回転中心に対して偏心するようにされている。すなわち、各マンドレル16の中心線B1は、回転軸11の中心線C1と平行に設定されているとともに、マンドレル16の中心線B1と、軸15の中心線B2とが偏心されている。このため、軸15が自転すると、マンドレル16は軸15の中心線B2を中心として公転させられる。
【0050】
一方、各軸15におけるフレーム13側の端部には、アーム状の連結部材19の基端がそれぞれ取り付けられている。また、各連結部材19の先端には、カムフォロワ軸20がそれぞれ連結されている。各カムフォロワ軸20の中心線B3と、回転軸11の中心線C1とが平行に設定されている。したがって、これらのの軸15及び連結部材18ならびにカムフォロワ軸20が、互いに一体となって回転するように連結されているので、カムフォロワ軸20が変位されると、軸15を自転させるようにしている。
【0051】
すなわち、各カムフォロワ軸20におけるフレーム13側の端部には、カムフォロワ21が回転可能に取り付けられている。フレーム13には、回転軸11の周囲に環状の固定部材22が取り付けられており、固定部材22には環状のカム溝23が形成されている。各カムフォロワ21は、カム溝23の案内形状に沿って追従移動可能に支持されている。
【0052】
前記カム溝23は、前記回転軸11の中心線C1の外側に形成された環状溝であり、カム溝23の半径方向の中心線(図示せず)は、半径方向に変位している。つまり、回転体14と固定部材22とが相対回転すると、カムフォロワ21がカム溝23に沿って半径方向に変位して、連結部材18が軸15を中心として揺動すると同時に、連結部材18の揺動に伴う軸15の回転によって、マンドレル16が軸15を中心として公転する。すなわち、マンドレル16が回転体14の半径方向に変位する。
【0053】
上記の構成は、図2に示す中心線C1の周囲におけるマンドレル16の環状の移動軌跡(言い換えれば、巡回軌跡もしくは公転軌跡)G1を、中心線C1を中心とする真円とせずに、移動軌跡G1を円周方向の一部で半径方向に変位させる(蛇行させる)ための構成である。
【0054】
さらに、回転軸11における回転体14とフレーム12との間には、回転ターレット25が取り付けられている。この回転ターレット25は、缶胴供給装置7から供給される缶胴1を、一時的に保持するためのものである。この回転ターレット25の外周側には、缶胴1を、その開口端3Aをマンドレル16側に向けた状態で保持するためのポケット部26が、各マンドレル16の数に対応して複数形成されている。複数のポケット部26の移動軌跡(図示せず)は、中心線C1を中心とする真円に設定されている。したがって、缶胴供給装置7から供給された缶胴1は、一旦、一時的に回転ターレット25に引き渡されて、そのポケット部26によって保持され、次に、保持手段28によって保持される。
【0055】
この保持手段28は、缶胴1の一端側を吸着保持して、対応したマンドレル16の移動軌跡G1に同行して移動するとともに、この移動の所定範囲で缶胴1を軸方向に対面されたマンドレル16側に移動させて、缶胴1内にマンドレル16を配置し、次にマンドレル16側から退避させる構成とされている。
【0056】
すなわち、回転軸11の軸長手方向におけるフレーム12と回転ターレット25との間のフレーム12側の近傍箇所に、回転体29が取り付けられている。したがって、この回転体29は、回転軸11と一体回転されるように構成されている。また、回転体29の外周側には、中心線C1を中心とする同一円周上に、複数の軸孔30が形成されている。これらの各軸孔30の数は、マンドレル16の数と同数とされ、各軸孔30の中心線D1は、中心線C1と平行に設定され、かつ中心線D1と中心線B2とが一直線上に揃うように配置されている。各軸孔30には、滑り軸受31がそれぞれ固定されている。各滑り軸受31により各軸32がそれぞれ保持されている。したがって、この滑り軸受31に対して軸32が、相対回転自在で、かつ、中心線方向にスライド移動自在に構成されている。
【0057】
そして、各軸32を、回転体29の回転に伴い、所定に自転させるカム機構が設けられている。すなわち、各軸32におけるフレーム12側の端部は、アーム状の連結部材33の基端に接続され、この連結部材33の先端は、カムフォロワ軸34に連結されている。カムフォロワ軸34の中心線D2は、中心線C1と平行に設定され、中心線D2と中心線B3とが一直線上に揃うように配置されている。したがって、カムフォロワ軸34が軸32を中心として揺動するようしている。また、カムフォロワ軸34における連結部材33とは反対側の端部には、カムフォロワ35が取り付けられている。
【0058】
前記フレーム12には、回転軸11を取り囲む環状の固定部材36が固定されており、固定部材36における回転体29側の側面には、環状のカム溝37が形成されている。そして、回転軸11の中心線方向における投影面において、カム溝37の幅方向の中心線(図示せず)と、カム溝23の幅方向の中心線(図示せず)とが一致するように、カム溝37およびカム溝23の形状が設定されている。このカム溝37内に前記カムフォロワ35が配置されている。カムフォロワ35は、カム溝37内で、円周方向およびカム溝37の深さ方向(中心線C1と平行な方向)に移動自在とされている。
【0059】
他方、前記各軸32におけるフレーム12側と反対側の端部には、アーム形状の連結部材39を介して軸40がそれぞれ連結されている。各軸40の中心線D3と中心線C1とが平行に設定され、中心線D3と中心線B1とが一直線上に配置されている。つまり、各軸40は各軸32を中心として揺動自在とされている。
【0060】
したがって、回転体29がフレーム12に対して相対回転されると、カムフォロワ35がカム溝37に沿って半径方向に変位され、連結部材33が軸32を揺動駆動すると同時に、連結部材33による揺動に伴った軸32の回転によって、上記のマンドレル16に同期されて、軸40が軸32を中心として公転させられる。
【0061】
さらに、上記の各軸40を、回転軸11による回転体29の回転に伴い、所定距離だけ軸長手方向(軸と平行な方向)にスライド移動させるカム機構が設けられている。すなわち、回転軸11の軸長手方向における回転ターレット25と回転体29との間には、回転軸11を取り囲んで固定枠42が配置され、この固定枠42は、回転軸11の回転に拘わり無く固定された状態を維持するようにしている。すなわち、固定枠42の軸孔43内には、軸受43Aを介して回転軸11が回転自在に挿入されている。また、固定枠42の外周には環状の固定部材44が取り付けられており、固定部材44の外周面の全周に亘ってカム溝45が形成されている。このカム溝45は、中心線C1を中心として環状に形成されているとともに、円周方向の所定領域において、軸長手方向沿って変位された構成とされている。
【0062】
より具体的には、マンドレル16の移動軌跡G1に対応して、カム溝45が軸長手方向に変位している。すなわち、マンドレル16の移動軌跡G1における領域G2及び上流側の領域G7,G8に対応する範囲において、カム溝45は、図2において最も左側、すなわち、回転体14から離れた位置に配置されている。領域G3の上流端に対応する範囲では、カム溝45は図2において右側、すなわち回転体14に近づく方向に変位され始め、領域G3にて缶胴1が加熱されるところから領域G4から領域G5を経由して領域G6に亘る範囲では、カム溝45は図2において右側、すなわち回転体14に最も近づいた位置に配置されている。領域G6の下流端に対応する範囲では、再びカム溝45が回転体14から離れる方向に変位し、領域G6と領域G2との間に設定されている領域G7,G8に対応する範囲では、カム溝45が回転体14から最も離れた位置に配置されている。
【0063】
そして、このカム溝45には、カムフォロワ46が配置され、カムフォロワ46は、カム溝45内において、円周方向およびカム溝45の深さ方向(中心線C1と直交する方向)に移動自在とされている。また、各軸40には、その長手方向の中途部位に腕部41の基端がそれぞれ連結され、各腕部41の先端には、上記のカムフォロワ46がそれぞれ取り付けられている。
【0064】
したがって、回転体29が固定枠42に対して相対回転されると、カムフォロワ46がカム溝45に沿って軸長手方向に移動させられ、各カムフォロワ46と一体的に軸40,32およびカムフォロワ軸34が軸長手方向に移動させられる。
【0065】
なお、上記構成において、各軸40が各軸32を中心として揺動させられると、各カムフォロワ46が中心線C1に直交して固定枠42の半径方向、つまり、各カム溝45の深さ方向に変位するが、各カムフォロワ46がカム溝45の深さ方向に変位した場合でも、各カムフォロワ46がカム溝45から抜け出さないように、カム溝45の深さ(中心線C1に直交する方向の深さ)が設定されている。
【0066】
また、軸長手方向におけるカム溝45の位置に基づいて、軸32が軸長手方向に往復移動した場合でも、連結部材33,39と回転体29とが接触しないように、軸32の長さが設定されている。また、軸32とカムフォロワ軸34とが一体的に軸長手方向に往復移動した場合でも、カムフォロワ35がカム溝37から抜け出さないように、カム溝37の深さ(中心線方向の深さ)が設定されている。
【0067】
そして、各軸40における回転体14側の端部には、マグネットテーブル47がそれぞれ回転駆動手段(図示せず)を介して設けられ、このマグネットテーブル47によって、缶胴1の開口端3Bを磁力によって吸着保持するとともに、このマグネットテーブル47を回転駆動手段によって回転駆動することにより、このマグネットテーブル47に吸着保持された缶胴1を、任意のタイミングで回転駆動を開始して、任意の回転速度で回転駆動し、任意の回転角度に停止できるようにしている。
【0068】
すなわち、この回転駆動手段としては、サーボモータなどのように、外部からの指令信号に基づいて、その回転速度を任意に設定でき、任意の角度位置で高精度に停止できるアクチュエータが用いられている。したがって、この回転駆動手段は、例えば、シーケンサーやコンピュータ等から構成される制御装置からの指令信号に基づき、缶胴1を保持したマグネットテーブル47を所定のタイミングで所定の回転速度に回転させるとともに、マグネットテーブル47つまりマグネットテーブル47に保持された缶胴1を所定の回転位置に停止させるようにしている。
【0069】
また、各マグネットテーブル47は、円盤形状のホルダー48と、ホルダー48における回転体14側の面に臨んで配置された複数の磁石49と、各磁石49における回転体14側の表面を覆うプレート50とから構成されている。
【0070】
すなわち、本例では、ホルダー48における回転体14側の面に、円柱状に形成され磁石49の一方の端面のみが露出するように、その磁石49を埋め込んで配置し、この磁石49の露出した面をプレート50で覆っている。各プレート50は、ポケット部26に保持された場合にマンドレル16に対面する缶胴1の開口端3Aとは、反対側の開口端3Bと対向するように配置されている。
【0071】
また、これらの複数の磁石49は、図4に示すように、中心線D3,B1を中心とする同一の円周上に沿って互いに同一の間隔を設けて偶数個設置されており、N極とS極とが円周方向に交互に交代するように、各磁石49の軸方向が反転されて配置されている。すなわち、各磁石49は円柱形状に構成され、その軸方向の両端部がN・S極に着磁され、各磁石49の中心軸が缶胴1の外径に対応する円周上に配置されている。
【0072】
プレート50における回転体14側の端面50Aは、中心線D3と直交する平坦状に成形され、プレート50の端面50Aに沿って、缶胴1がプレート50の半径方向に滑動できるように、その端面50Aの平坦度、およびプレート50の材質が選択されている。このプレート50の材質としては、各磁石49の磁束を通過させながら、自らが磁石49によって磁化されることがない透磁性を備えた非磁性材料、例えば、SUS、超硬合金などの金属材料、あるいはガラス、セラミックス、プラスチックなどを用いることができる。
【0073】
したがって、永久磁石49による磁力を用いて缶胴1をマグネットテーブル47に保持した構成としたことにより、缶胴1を吸着保持させる動力源が不要とされ無動力で済むので、運用コストの低減化を図ることがでる。また、構成が簡素化されるので、このように複数の保持手段28を設けた場合にも、低コスト化を図れるとともに、可動部が無いので、缶胴1を吸着して保持する動作の信頼性を向上させることができる。
【0074】
そして、上記の構成によれば、缶胴1は、常に、その外周面が回転体14の周縁から外方に向けられ外部に露出されてマグネットテーブル47に保持され、軌跡上を移送される。このため、このように移送される缶胴1に、貼付ドラム装置6によって保持された外面フィルム4を接触させて貼着するようにしている。
【0075】
上記の貼付ドラム装置6は、回転駆動される貼付ドラム52を主体として構成され、この貼付ドラム52に、各缶胴1毎の略一缶分の外周長さ(周長)に裁断された外面フィルム4(図示せず)を所定間隔を置いて次々と供給するフィルム供給装置9が付属して設けられている。したがって、この貼付ドラム装置6は、フィルム供給装置9によって供給された外面フィルム4を、貼付ドラム52の外周面に吸着保持し、貼付ドラム52の回転に伴い缶胴移送装置5によって移送される缶胴1に貼着するようにしている。
【0076】
この貼付ドラム52は、円盤形状に形成され、その外周面は、軸方向に平行ななめらかな湾曲面に形成されるとともに、その外周面の幅寸法は、缶胴1の高さ寸法よりも大きな寸法に設定されている。また、この貼付ドラム52は、その中心が、缶胴移送装置5の回転軸11と平行かつ同一の高さ位置で、水平に回転自在に軸支された回転軸52Aに取り付けられている。
【0077】
そして、この回転軸52Aを中心として反時計方向に、上記の回転軸11に取り付けられた回転体14の回転数が変化しても常に回転体14と一定の比率の回転速度で、モータなどの駆動源(図示せず)によって、貼付ドラム52が回転駆動されている。
【0078】
すなわち、この貼付ドラム52の外周面の移動軌跡に、回転軸11の回転に伴うマンドレル16の移動軌跡G1が、領域G6で一致するように、移動軌跡G1の外側(右側)に回転軸52Aが配置されている。つまり、外面フィルム4の貼着が充分に行なえる程度に、貼付ドラム52の外周面が缶胴1を介してマンドレル16に接触できるように、領域G6が設定されている。そして、領域G6における移動軌跡G1の変位は、回転体14の半径方向におけるカム溝23の形状に基づいて設定されている。
【0079】
したがって、缶胴1に外面フィルム4が貼着される領域G6では、貼付ドラム装置6に備えられた貼付ドラム52の外周に沿うように、缶胴1を保持した保持手段28およびマンドレル16の移動軌跡が半径方向の回転体14の回転軸11側に湾曲され、缶胴1に外面フィルム4を介して貼付ドラム52が接触されるフィルム貼着区間が長くなるようにしている。このため、上記の回転軸11および回転軸52Aが高速回転され、フィルム貼着装置A1のフィルム貼着処理が高速化されても、確実なフィルム貼着を可能としている。
【0080】
さらに、この貼付ドラム装置6は基台上に設置され、この基台は、缶胴移送装置5に接近・離れる方向にスライド移動可能に構成されている。したがって、缶胴移送装置5と貼付ドラム装置6との距離を加減することにより、貼付ドラム52の外周面が外面フィルム4を介して缶胴1に接触された際の貼付ドラム52による押圧力を調整できるようにしている。
【0081】
また、この貼付ドラム52の近傍箇所には、ロールから巻き戻され外面フィルム4を所定の送給速度で供給するフィルム供給装置9が配置され、この供給された外面フィルム4を缶胴1の周長に対応した所定長さに切断する裁断装置(図示せず)が設けられている。この外面フィルム4は、その接着剤が塗布された面が外側となる状態で、貼付ドラム52に保持されるようにしている。
【0082】
すなわち、このフィルム供給装置9は、外面フィルム4が巻き取られたフィルムローラ(図示せず)と、このフィルムローラから繰り出された帯状フィルムに張力を付与するテンションローラ群(図示せず)と、張力の付与された帯状フィルムを所定のタイミングで送り方向に走行させるフィードローラ(図示せず)などを主体に構成され、さらに、帯状フィルムを所定長さで切断して一缶分の外面フィルムを得るためのカッターローラと切断刃とから構成された裁断装置(図示せず)が、フィードローラに隣接して設けられている。なお、上記の帯状フィルムが搬送される経路途中の近傍箇所には、非接触式の静電気除去装置(図示せず)が設けられ、この静電気除去装置によって、外面フィルム4の除電を行なうようにしている。
【0083】
そして、後述するように貼付ドラム52の外周面上に予め定められた基準位置H1に、一缶分の長さに裁断された外面フィルム4の送り方向の先端を一致させるタイミングで、フィルム供給装置9から貼付ドラム52に外面フィルム4が供給されている。
【0084】
さらに、貼付ドラム52の回転方向における上記の外面フィルム4が供給される箇所よりも前の箇所には、貼付ドラム52の外周面の静電気を除去する非接触式の除電装置54が設置されている。なお、除電装置54による静電気の除去手法は、例えば、コロナ放電を利用した静電除去方式が用いられ、このコロナ放電方式は、コロナ放電装置によって正負のイオンを発生させ、気流で貼付ドラム52の外周面にイオン風として接触させることにより除電している。また、この方式によれば、イオン風によって外周面の除電と同時に除塵も行なえる利点もある。したがって、この除電装置によって、外面フィルム4を缶胴1に貼着して空になった貼付ドラム52の外周面の部分に残留した静電気を除去するようにしている。
【0085】
また、外面フィルム4が供給される箇所から外面フィルム4の進行方向前方の箇所には、外面フィルム4をコロナ放電などによって所定のマイナスまたはプラスの電位に帯電させる非接触式の帯電装置55が設置されている。
【0086】
したがって、上記の除電装置54によって除電された外周面に、新たな外面フィルム4を帯電装置55によって帯電させた構成としているので、外周面と外面フィルム4との電位差が充分に確保され、静電気力によって外面フィルム4が貼付ドラム52の外周面に安定して吸着されて外周面に保持される。
【0087】
さらに、貼付ドラム52に外面フィルム4が供給される箇所が、貼付ドラム52の回転に伴いその外周面が上方向に向けられる箇所となっているとともに、吸着保持されて移動される範囲の大部分の外周面が上方向に向けられているので、これによっても、安定して外面フィルム4が貼付ドラム52の外周に保持できることになる。
【0088】
また、外面フィルム4が貼着された後の空となった貼付ドラム52の外周面の表面温度を計測する非接触式の温度センサ(例えば、赤外線温度センサ)56が設置され、この計測結果に基づき、例えば、近赤外線や遠赤外線のヒーター等の適宜の加温手段(図示せず)を用いた温度管理を行なうことによって、貼付ドラム52の外周面の表面温度を50度から80度の範囲内に維持するようにしている。したがって、外面フィルム4が貼着される際に、缶胴移送装置5側のマンドレル16や缶胴1に対して貼付ドラム52の温度差が極度に大きくならないようにしているので、大きな温度差による外面フィルム4の貼着品質の低下を防止することができる。
【0089】
さらに、貼付ドラム52の外方の所定箇所には、フィルム位置検出手段の一部を構成するフィルム位置検出カメラ57が設置され、貼付ドラム52の外周面上における外面フィルム4の位置状態を撮影するようにしている。
【0090】
すなわち、このフィルム位置検出カメラ57によって、貼付ドラム52が所定の回転角度位置に到達した時点で撮影を行い、撮影によって得られた画像を処理して、貼付ドラム52に保持されている外面フィルム4の位置が、予め定められた基準位置H1から、フィルム送り方向に対してどの方向にどの程度ズレているかをフィルム位置検出手段の一部を構成する画像処理装置、シーケンサー、コンピュータ等から成る制御装置(図示せず)により計測するようにしている。
【0091】
この基準位置H1は、缶胴移送装置5によって移送される缶胴1同士の間隔距離や移送速度などに基づいて、各缶胴1に対応してそれぞれ設けられ、貼付ドラム52の回転に伴って、各基準位置H1が対応した缶胴1の外周面における常に一定した箇所に接触するようになっている。
【0092】
したがって、この基準位置H1に外面フィルム4の先端部4aが一致した状態で、貼付ドラム52に保持された場合には、缶胴1の外周面における周方向の所定箇所に、常に外面フィルム4の先端部4aが接触させられて、外面フィルム4の貼着が開始されるので、外面フィルム4が常に一定した缶胴1の外周面における周方向の所定位置に貼着されることになる。
【0093】
また、フィルム位置検出カメラ57は、基準位置H1から貼付ドラム52の回転方向に沿った順方向と逆方向とのそれぞれ、少なくとも5mm以上の範囲をその視野範囲に収められるように、貼付ドラム52の外周から所定の距離だけ離れた位置で、貼付ドラム52の外周面に向けて設置されている。
【0094】
さらに、貼付ドラム52の回転軸52Aには、ロータリー・エンコーダー(図示せず)が設けられ、このロータリー・エンコーダーによって、貼付ドラム52が所定の回転角度に到達したことを検出し、フィルム位置検出カメラ57が検出動作を行なうタイミング信号を出力するようにしている。
【0095】
すなわち、このフィルム位置検出を行なう貼付ドラム52の回転角度は、貼付ドラム52の回転中心と、上記の貼付ドラム52上に設定された各基準位置H1と、フィルム位置検出カメラ57とが、一直線上に揃った角度とされている。
【0096】
また、フィルム位置検出カメラ57の出力信号端子は、前記した制御装置に電気的に接続され、この制御装置によって、貼付ドラム52上の外面フィルム4の位置ズレ状態と位置ズレ量が判別される。
【0097】
したがって、上記のタイミング信号に基づいた時点で、外面フィルム4の先端部4aをフィルム位置検出カメラ57によって撮影し、得られた画像を処理してこの先端部4aがカメラの視野範囲内のどの位置にあるかを画像処理装置、シーケンサー、コンピュータ等から成る制御装置により測定し、この測定結果に基づき、貼付ドラム52の外周面に保持された外面フィルム4が基準位置H1から、貼付ドラム52の回転方向であるフィルム送り方向に対して前進する方向または後退する方向にどの程度の距離だけズレているかを上記制御装置によって判別する(算出する)ことができる。すなわち、外面フィルム4の先端部4aの実際の位置と基準位置との関係、つまり、外面フィルム4が基準位置に一致した状態と、基準位置を外面フィルム4がその送り方向に通過した状態と、基準位置の手前にある状態との3種類の判別結果を得ることができる。
【0098】
なお、外面フィルム4自体には、外面フィルム4に印刷などによって施された装飾の下地色となるように、白色などの着色顔料が添加された接着剤層が設けられているとともに、この外面フィルム4の背景となる貼付ドラム52の外周面が暗色とされている。
【0099】
したがって、このように両者間に充分な明暗差が確保されているので、上記のフィルム位置検出カメラ57による撮影が行なわれる際には、制御装置によって、外面フィルム4の外形状を明確かつ容易に判別することができ、外面フィルム4位置の測定の高精度化や確実化を図ることができるようにしている。
【0100】
また、フィルム位置検出カメラ57として、モノクロ・タイプのカメラを用いても充分な計測性能を確保することが可能となり、この場合には、カラー・カメラと比較して機器としてのコストダウンが図れ、モノクロ・データを画像処理装置で処理すればよいので、データの処理量が削減されて高速な処理動作が可能となり、このデータ処理を行なうプログラム構成が簡素化され、動作の信頼性の向上やプログラム製作コストの低廉化を図ることができる。なお、カメラに代えてカラーマークセンサを使用することも可能である。
【0101】
さらに、外面フィルム4が保持される貼付ドラム52の外周面に、予め基準位置H1に関連付けられたマークを設けることによって、よりフィルムの位置測定の精度や確実性を向上させるようにしてもよい。
【0102】
すなわち、例えば、図5(a)〜(c)に示すように、このマークの位置H10を、上記のフィルム位置検出カメラ57の視野範囲内で、基準位置H1から回転方向に5mmだけ進んだ位置に設置した構成とすることができる。そして、図5(a)に示すように、このマークの位置H10から外面フィルム4の先端が、図中にHaとして示される周方向に5mm離れていると判別できた場合には、貼付ドラム52に対して外面フィルム4が正規の位置にセットされている状態であると判断できる。また、図5(b)に示すように、このマークの位置H10に外面フィルム4の先端が一致したと判別できた場合には、外面フィルム4が正規の位置から5mmだけ先行した状態であると判断できる。さらに、図5(c)に示すように、このマークの位置H10から外面フィルム4が、図中にHcとして示される周方向に10mm離れていると判別できた場合には、外面フィルム4が正規の位置から5mmだけ遅れた状態であると判断できる。
【0103】
したがって、この構成によれば、上記の外面フィルム4の先行・適正位置へのセット・遅れ状態を判別するために、外面フィルム4の先端位置と比較する対象として貼付ドラム52上の基準位置H1に関連付けられたマークを貼付ドラム52に設けた構成としていることにより、このマークと外面フィルム4の先端位置との距離を測定することによって、上記のフィルムの位置ズレ状態を明確に判別できることに加えて、外面フィルム4の位置ズレ量を容易に計測できることになるので、貼付ドラム52上の外面フィルム4の位置を測定する精度や確実度の向上が可能となる。
【0104】
また、フィルム位置検出カメラ57の視野範囲内に、貼付ドラム52上のマークと外面フィルム4の先端とが同時に納めることができれば、上記の外面フィルム4の位置ズレ量を測定できることから、フィルム位置検出カメラ57の設置場所の制約が緩和されたり、カメラの調整作業が簡素化されたりするので、フィルム位置検出カメラ57の取扱い性を向上させることができる。
【0105】
そして、上記の構成によって貼付ドラム52上の外面フィルム4の位置ズレ量を把握し、シーケンサーやコンピュータ等の制御装置からの指示により、この外面フィルム4の位置ズレ量に対応した角度だけ缶胴1を回転させることにより、缶胴1の回転角度位置を修正して、外面フィルム4を缶胴1の外周面に高精度に位置させて貼着できるようにしている。
【0106】
すなわち、上記缶胴移送装置5によって缶胴1が移動される移動軌跡G1に臨み、マンドレル加熱ステーションJ1、缶胴供給ステーションK1、缶胴加熱ステーションL1、缶胴1の一時位置決めステーションM1、缶胴1の一時位置決め確認ステーションN1、マンドレル回転ステーションP1、缶胴1の補正位置決めステーションQ1、フィルム貼付ステーションR1、缶胴排出ステーションS1が、円周方向に沿って上記の順序で配置されている。ここで、上記の移動軌跡G1のうちで、マンドレル加熱ステーションJ1を起点とすると、缶胴排出ステーションS1が最も下流側に配置されていることになる。そして、マンドレル加熱ステーションJ1に対応する領域G8と、缶胴供給ステーションK1に対応する領域G2と、缶胴加熱ステーションL1に対応する領域G3と、一時位置決めステーションM1に対応する領域G4と、補正位置決めステーションQ1およびマンドレル回転ステーションP1に対応する領域G5と、フィルム貼付ステーションR1に対応する領域G6と、缶胴排出ステーションS1に対応する領域G7とに亘り、前記移動軌跡G1が形成されている。
【0107】
まず、マンドレル加熱ステーションJ1には、加熱装置59が設置され、この加熱装置59は、電熱ヒーター、近赤外線、遠赤外線などの加熱手段を主体として構成されている。すなわち、この加熱装置59は、マンドレル16が移動する経路に沿って、その経路の外周側に所定の間隙距離を設けて設置され、少なくとも、マンドレル16の全周長さよりも長い範囲に渡って設けられている。したがって、この加熱装置59によって、マンドレル16の外周面の温度を、外面フィルム4を接着させるために必要な缶胴1の温度に悪影響を及ぼさない程度の高さの温度に保持するようにしている。
【0108】
また、上記の経路の内周側には、この経路に所定の間隙距離を設けて、経路に沿って所定の長さに設けられた周面を備えたマンドレル自転部材60が設置され、マンドレル16が公転経路を移動すると、この移動に伴い、マンドレル自転部材60の周面がマンドレル16の外周面に接触されるによって、マンドレル16自体が一回転以上に回転されるようにしている。したがって、マンドレル16が移動されて加熱ステーションJ1の範囲を通過する際には、マンドレル16自体が少なくとも一回転するので、その外周面が均一に加熱される。
【0109】
さらに、加熱装置59の経路方向の前後には、加熱装置59による加熱処理の直前および直後のマンドレル16の外周面の表面温度を計測する非接触式の温度センサ62,63がそれぞれ設置されている。また、これらの温度センサ62,63が検出した各温度は、マンドレル加熱ステーションJ1に備えられた温度管理手段(図示せず)に入力されるとともに、温度管理手段から加熱装置59による加熱温度を加減する指令信号が出力されている。
【0110】
したがって、外部の温度や、本例のフィルム貼着装置A1によってフィルム貼着処理する缶胴1の数の変動に拘わらず、マンドレル16の外周面の温度を常に一定の温度範囲に制御することができるので、マンドレル16の温度が缶胴1の温度に影響を与えることが低減され、つまりフィルムの接着に必要な温度よりも低いことによる接着不良が未然に回避され、缶胴1に対する外面フィルム4の接着品質を向上させることができる。
【0111】
また、缶胴供給ステーションK1には、缶胴供給装置7が設置され、この缶胴供給装置7によって、外面フィルム4が貼り付けられる前の缶胴1を、移動軌跡G1側に向けて供給している。
【0112】
すなわち、この缶胴供給装置7は、缶胴1を1個ずつ半径方向に移送する螺旋溝を備えたインフィードスクリュー65と、インフィードスクリュー65により移送される缶胴1を1個ずつ保持する保持溝66を複数備えたインフィードターレット67とを備えている。
【0113】
インフィードターレット67の回転軸67Aは水平に配置され、この回転軸67Aと回転軸11とが平行に配置されている。このインフィードターレット67は、モータなどの駆動源(図示せず)により、図2において反時計方向に回転される。なお、インフィードターレット67の外周側には、缶胴1が保持溝66から脱落することを防止する案内部材(図示せず)が設けられている。インフィードターレット67の回転に伴う保持溝66の移動軌跡(この移動軌跡は、回転軸67Aを中心とする移動軌跡である)と、マンドレル16の移動軌跡G1の一部の領域G2とが一致しており、この領域G2は前記領域G3よりも上流側に配置されている。
【0114】
缶胴加熱ステーションL1には、近赤外線や遠赤外線のヒーター、熱風、電熱ヒーター、高周波誘導加熱等を用いた加熱手段を備えた加熱装置69が設置され、この加熱装置69によって、非接触に缶胴1の外周面の温度を外面フィルム4を接着させるために必要な温度に加熱できるようにしている。
【0115】
この加熱装置69は、缶胴1が移送される経路に沿って、その経路の外周側に所定の間隙距離を設けて、遠赤外線ヒーター(図示せず)を設置した構成とされ、少なくとも、缶胴1の全周長さよりも長い範囲に渡って設けられている。
【0116】
なお、この高周波誘導加熱コイルを使用することも可能であり、その場合には、高周波の交流を通電することによって上記の缶胴1の移動経路に沿って交流電界が生成され、この交流電界中を缶胴1が通過することにより、缶胴1に誘導電流が生起され、この電流によって缶胴1が直接的に抵抗加熱(ジュール熱による加熱)されることになる。
【0117】
本例では、缶胴加熱ステーションL1の範囲を缶胴1が通過する際には、上記の保持手段28に備えられた回転駆動手段によって、缶胴1自体が所定の回転速度で回転駆動され、加熱装置69に缶胴1の外周面を全て対面させることにより、缶胴1の外周面を均一に加熱できるようにしている。すなわち、本例においては、缶胴1が缶胴加熱ステーションL1の範囲を通過するまでに、例えば、缶胴1が少なくとも5回転以上に自転する高速の回転速度が設定されている。
【0118】
なお、本例の加熱装置69には、遠赤外線ヒーターが用いられているが、これに限られることなく、例えば、電熱ヒーター、近赤外線ヒーター、高周波誘導加熱などによる加熱方式を用いてもよい。
【0119】
また、缶胴1を、本例のフィルム貼着装置A1に搬送する途中で、誘導加熱したり、熱風加熱したり、赤外線または遠赤外線加熱したりすることにより、予め180度から200度に加熱して、缶胴1が予備加熱された場合には、缶胴加熱ステーションL1、つまり加熱装置69自体を不要とした構成とすることができる。したがって、この場合には、缶胴加熱ステーションL1を設置していたスペースが開放されるので、フィルム貼着装置A1の装置やセンサなどを配置する自由度を得ることができる。
【0120】
さらに、このようなフィルム貼着装置A1に搬送するまでに缶胴1を加熱しておく予備加熱と、上記の缶胴加熱ステーションL1の加熱装置69による加熱の両方を併用することも可能であり、この場合には、缶胴1が徐々に段階的に昇温されることにより、缶胴1に対する熱的な負荷が軽減されるので、より高速化に対応することができる。すなわち、フィルム貼着装置A1の処理速度が高速化されても、缶胴1が急激に温度上昇されることを回避することができる。
【0121】
缶胴1の一時位置決めステーションM1では、各缶胴1毎に予め設けられている継目センサ71により、回転駆動されている缶胴1の継目部2を検出して、缶胴1を一時位置決めされた所定回転角度で停止させるようにしている。
【0122】
すなわち、これらの継目センサ71は、各缶胴1毎の専用センサとして設けられ、回転体14に固定して配置されている。また、これらの継目センサ71のセンサ方向は、缶胴1がマグネットテーブル47に保持されると、その缶胴1の中心と回転体14の回転中心とを結んだ線と、缶胴1の外周面とが交差する箇所に向けて設けられている。さらに、継目センサ71は、レーザー光などを用いた非接触式で、対象物の表面形状の変位状態を検出できるセンサ方式が用いられている。したがって、円筒形状に形成された缶胴1が回転駆動されると、この回転に伴い缶胴1の継目部2が有した段差が回転体14の回転中心方向に向けられた際に、この段差を変位として検出するようにしている。
【0123】
このため、継目センサ71による缶胴1の継目部2が検出された場合には、その時点で、缶胴1がその継目部2を回転体14の回転中心方向に向けた回転角度であると判別できるので、この検出した缶胴1の角度位置に基づいて、缶胴1を任意の角度位置(検出した継目部2から所定角度缶胴1を回転させた位置)に停止することができる。すなわち、制御装置に予め設定しておくことによりこの缶胴1の角度位置が検出された時点から、所定の時間が経過した時点で、マグネットテーブル47による缶胴1の回転駆動を停止させることができるので、缶胴1を任意の角度位置(フィルム貼付ステーションR1において、外面フィルム4の先端部が缶胴1の継目部2に接触することになる缶胴1の角度位置)に停止させることができる。また、缶胴1を回転駆動させる駆動手段自体に、回転角度を制御する機能を有している場合には、上記の検出した回転角度から直接的かつ自動的に缶胴1を停止させる角度を指定する構成とすることができる。
【0124】
なお、この一時位置決めステーションM1においては、直前の缶胴加熱ステーションL1と同一の回転方向に缶胴1が回転駆動されているが、その缶胴1の回転速度は、所定に減速されている。すなわち、この缶胴1の回転速度は、上記の継目センサ71による缶胴1の継目部2の検出が確実に行なえるとともに、マグネットテーブル47の回転駆動の停止による缶胴1の任意の回転角度への停止が良好に行なえる程度の回転速度に設定され、缶胴1の回転角度の一時位置決め精度を充分に確保できるようにしている。
【0125】
また、マンドレル回転ステーションP1の直前には、缶胴1の回転角度を確認する確認ステーションが設けられている。
【0126】
すなわち、缶胴1が移送される軌跡G1の外周側の所定位置には、この軌跡G1に向けて一時位置決め確認センサ72が設置され、この確認センサ72によって、缶胴1が回転位置補正ステーションに進入する直前の状態で、缶胴1が一時位置決めされた回転角度に停止されたかを確認するようにしている。すなわち、この一時位置決め確認センサ72は、継目センサ71と同様に、缶胴1の外周面の継目部2を非接触式に検出できる構成とされている。したがって、缶胴1が適正に一時位置決めされた回転位置に停止され、継目部2が所定の向きに向けられた場合には、この状態のまま缶胴1が一時位置決め確認センサ72の検出位置に移送され、この継目部2を一時位置決め確認センサ72によって検出することにより、缶胴1が適正に一時位置決めされた回転角度になっていることを確認することができる。
【0127】
次に、缶胴1の回転位置補正ステーションでは、一時位置決めの回転角度に停止された缶胴1を、貼付ドラム52上の外面フィルム4の位置ズレ量に基づいて、缶胴1の回転角度を補正するようにしている。
【0128】
すなわち、缶胴1の外径に基づいて、上記の外面フィルム4の位置ズレ量を、缶胴1の外周面における周方向の長さに換算し、この換算した周方向の長さと、缶胴1の全周の長さとの比率から、補正する角度を算定している。つまり、この場合には、缶胴1の全周の長さが360度に相当するので、この360度にフィルム位置ズレ量から算定した比率を乗算すれば、補正角度を得ることができる。
【0129】
したがって、後述するように、フィルム貼付ステーションR1では、貼付ドラム52上で位置ズレした外面フィルム4が、位置ズレ量に応じて回転角度が補正された缶胴1の修正された貼着位置に貼着される。すなわち、フィルム位置ズレ量に応じて、缶胴1の外周面の周方向における予め定められたフィルム貼着の開始箇所を、外面フィルム4に対して相対的に移動させていることにより、外面フィルム4の先端部を相対的に移動された開始箇所に一致させることができる。
【0130】
例えば、外面フィルム4が基準位置H1から、貼付ドラム52の回転方向に5mm前進した位置にズレたと測定された場合には、制御装置からの指示信号によりマグネットテーブル47の回転駆動によって、缶胴1(外径約53mm)が一時位置決めされた回転角度から、時計方向に約11度程度、回転させられて位置決めされる。また、貼付ドラム52の回転方向から逆方向に5mm後退した位置にズレたと測定された場合には、やはり制御装置からの指示信号により缶胴1が一時位置決めさせられた回転角度から、反時計方向に約11度程度、回転させられて最終的に位置決めされる。
【0131】
マンドレル回転ステーションP1は、マンドレル16の公転方向において、領域G4よりも下流側に配置されている。このマンドレル回転ステーションP1には、マンドレル回転駆動装置73が設置され、マンドレル16が所定速度に加速されて回転駆動される。
【0132】
すなわち、このマンドレル回転駆動装置73は、マンドレル16の缶胴1への挿入方向に対して基端側となる外周面に接触されるベルト部材74を有し、そのベルト部材74が張り渡された駆動プーリ75および回転プーリ76とから構成され、この駆動プーリ75はモータなどによって所定速度に回転駆動されている。
【0133】
したがって、後述するように、マグネットテーブル47に保持された缶胴1がマンドレル回転ステーションP1の範囲内を通過する時には、ベルト部材74が缶胴1に接触されることなくマンドレル16の基端側に接触され、マンドレル16のみが加速されて所定速度に回転駆動される。また、マンドレル回転ステーションP1において、フィルムのズレ量を補正するために、缶胴1の回転角度位置の修正が行なわれる。
【0134】
なお、ベルト部材74は、厚さ1.3mmで、缶胴1内に挿入されたマンドレル16の缶胴1外に露出された部分に充分に接触できる幅を有しており、かつその素材としては、シリコン系ゴム、フッ素系ゴム、またはニトリル系ゴムなどの耐熱ゴムが用いられている。
【0135】
次に、フィルム貼付ステーションR1について説明すると、フィルム貼付ステーションR1は、マンドレル16の公転方向において、マンドレル回転ステーションP1よりも下流側に配置されており、このフィルム貼付ステーションR1に、缶胴1が到達すると、後述するように、この缶胴1の回転角度位置の修正によるフィルム貼着位置が補正されている缶胴1に対する外面フィルム4の貼着が行なわれる。
【0136】
最後に、缶胴排出ステーションS1には、缶胴排出装置8が設置され、この缶胴排出装置8によって、外面フィルム4が貼着された缶胴1が、缶胴移送装置5から取り外されて、フィルム貼着装置A1から次工程に送るために排出される。
【0137】
すなわち、この缶胴排出装置8は、缶胴移送装置5の回転と同期して回転駆動され、側面に設けられたポケットに缶胴1を収納するとともに、缶胴1の側面を真空吸着することにより、マグネットテーブル47の磁気的な吸引力に抗して缶胴移送装置5から引き取る取り外しターレット78と、取り外しターレット78から缶胴1を受け取って排出シュート79に投入する排出ターレット80とから構成されている。
【0138】
次に、上述した図1および図2に示すフィルム貼着装置A1の動作、すなわち、フィルム貼着方法を説明する。まず、缶胴供給ステーションK1においては、インフィードスクリュー65によって缶胴1が1本ずつ搬送されて、各缶胴1がインフィードターレット67の保持溝66により保持される。そして、インフィードターレット67の反時計方向への回転に伴って、保持溝66が回転軸67Aを中心とする円弧形状の軌跡で移動し、各缶胴1が領域G2に向けて移送される。
【0139】
一方、回転軸11と回転ターレット25とが一体回転しており、ポケット部26が回転軸11を中心とする真円形状の軌跡で移動している。したがって、保持溝66により保持されている缶胴1が領域G2に進入すると、缶胴1が保持溝16からポケット部26に受け渡される。
【0140】
また、回転軸11が時計方向に回転すると、回転体14に取り付けられている各軸15も、回転軸11を中心として時計方向に公転する。また、回転軸11の回転に伴い、カムフォロワ21がカム溝23に沿って転動するため、マンドレル16が軸15を中心として揺動する。したがって、各マンドレル16は、時計方向に公転し、かつ、回転体14の半径方向に変位し、結果的に、図1に一点鎖線で示す環状の移動軌跡G1に沿って各マンドレル16が公転する。
【0141】
さらに、回転軸11と回転体29とが一体回転しており、各軸32が中心線C1を中心として公転している。また、回転軸11の回転にともない、カムフォロワ35がカム溝37に沿って転動するため、カムフォロワ軸34の揺動により軸32が回転し、その軸32の回転により軸40が揺動し、マグネットテーブル47が円周方向に移動し、かつ、回転軸11の半径方向に変位する。ここで、各マンドレル16の中心線B1と各軸40の中心線D3とが一直線上に配置され、各軸15の中心線B2と各軸32の中心線D1とが一直線上に配置され、各カムフォロワ軸20の中心線B3と各カムフォロワ軸34の中心線D2とが一直線上に配置されている。このため、回転軸11の回転に伴い、各マンドレル16と各マグネットテーブル47とが、円周方向の位相および半径方向の位置が一致した状態で同期して移動する。
【0142】
そして、回転軸11の回転に伴い、マンドレル16がマンドレル加熱ステーションJ1を通過する際に、マンドレル16が加熱装置59により130度ないし220度の範囲内で加熱された後、回転体14の回転に伴って、マンドレル16およびマグネットテーブル47が領域G2に進入する。すると、カム溝23,37の形状に基づいて、マンドレル16およびマグネットテーブル47が回転軸67Aを中心とする円弧状の軌跡で公転する。すなわち、マンドレル16およびマグネットテーブル47が回転軸11の半径方向の内側に移動する。さらに回転軸11の回転にともない、マンドレル16およびマグネットテーブル47が領域G2に進入すると、マンドレル16およびマグネットテーブル47は、回転軸11を中心とする円弧形状の軌跡で移動する。
【0143】
マグネットテーブル47が領域G2に進入した時点では、カム溝45の形状に基づいて、軸40およびマグネットテーブル47は、マンドレル16から最も離れた位置(つまり待機位置)にあり、保持溝66に保持されている缶胴1と、マグネットテーブル47のプレート50とが非接触の状態にあるが、マグネットテーブル47が領域G2に進入した後は、回転軸11の回転にともない、カム溝45の軸線方向における形状に基づいて、軸40およびマグネットテーブル47が、マンドレル16に近づく方向に移動する。すると、プレート50の端面50Aと、缶胴1の開口端3Bとが接触するとともに、各磁石49の磁気吸引力により缶胴1の開口端3Bが吸着される。
【0144】
ここで、各磁石49は、中心線D3,B1を中心とする同一円周上に、円周方向に交互に、かつ、偶数個配置されている。この場合、各磁石49の磁気力により缶胴1は各磁石49の中心に引き寄せられるとともに、各磁石49は、N極とS極とが交互に並ぶように配置されているため、N極から出た磁束がプレート50を透過し、プレート50の上方を跨いでS極に入り、この磁束と缶胴1に誘起される電流との相互作用である磁力作用が生じ、缶胴1が各磁石49の中心に引き寄せられる。このように、磁気力と磁力作用が複合的に作用することにより、缶胴1がプレート50の端面50Aに沿って滑動し、缶胴1がその半径方向に位置決めされる。このようにして、缶胴1の中心線F1とマンドレル16の中心線B1とが一直線上に保持させられる。
【0145】
ついで、カム溝45の形状に基づいて、マグネットテーブル47がマンドレル16に近づく方向にさらに移動して、缶胴1の内部にマンドレル16が挿入される。なお、缶胴1の内部にマンドレル16が挿入されても、マンドレル16の先端16aと、プレート50の端面50Aとが接触することはない。その後、マンドレル16およびマグネットテーブル47が、マンドレル回転ステーションP1に対応する領域G3に進入する。すると、カム溝23,37の形状に基づいて、マンドレル16およびマグネットテーブル47が回転軸11を中心として公転する。つまり、マンドレル16およびマグネットテーブル47が、回転軸11の半径方向の外側に変位する。
【0146】
前記のように、缶胴1の内部にマンドレル16が挿入されると、マンドレル16の熱が缶胴1に伝達されるが、マンドレル16の外径が缶胴1の内径より若干小さく設定されているので、マンドレル16の熱を維持することができる。すなわち、マンドレル16の外径の方が缶胴1の内径よりも2.0ないし4.0mm小さく設定されているので、マンドレル16の外周面と缶胴1の内周面との隙間が確保され、マンドレル16から缶胴1への熱伝達量が低減されている。また、後述するようにマンドレル回転ステーションP1では、缶胴1をマグネットテーブル47によって保持しながら、マンドレル16のみを所定速度に回転できるようにしている。
【0147】
そして、缶胴1が領域G3に進入すると、マグネットテーブル47の時計方向への回転が開始され、マグネットテーブル47に吸着保持された缶胴1が同様に回転される。この際には、缶胴1が領域G3の範囲を通過するまでに、本例では例えば、毎分430回転するように高速に回転駆動される。このため、缶胴加熱ステーションL1に設けられた加熱装置69よって、缶胴1の外周面が均一に、例えば、120度から160度の範囲内の温度となるように加熱される。
【0148】
次に、缶胴1が領域G4に進むと、まず缶胴1は領域G5に到達するまでの時間内に充分に位置決め精度が確保できる程度の回転速度に減速されて回転駆動され、継目センサ71によって回転されている缶胴1の継目部2の検出が開始される。
【0149】
そして、この検出結果を用いて、缶胴1の回転角度が、一時位置決めの角度位置に停止される。すなわち、一時位置決め位置からフィルム貼付ステーションR1において外面フィルム4の先端部が缶胴1に接触するまでの間の移動中に、缶胴1が公転によって回転させられる角度を勘案して、フィルム貼付ステーションR1において継目部2に外面フィルム4の先端部が丁度接触するようになる缶胴1の回転角度を予め計算して制御装置に入力しておき、継目センサ71によって缶胴1の継目部2が検出された時点から、例えば、0.1秒後のように、缶胴1の回転速度に応じた所定の時間が経過した時点で、マグネットテーブル47による缶胴1の回転駆動が停止させられる。
【0150】
そして、一時位置決め確認センサ72によって、缶胴1が一時位置決め角度位置に停止されていることが確認されると、上記の貼付ドラム52側の外面フィルム4の位置ズレ量に基づいた缶胴1の角度位置の修正(補正)処理が行なわれる。
【0151】
すなわち、缶胴1が領域G5に進むと、貼付ドラム52上の外面フィルム4の計測された位置が基準位置H1よりも回転方向に前進している場合には、その前進量に応じた角度だけ、缶胴1が時計方向に回転駆動される一方、回転方向と逆方向に後退している場合には、その後退量に応じた角度だけ、缶胴1が反時計方向に回転駆動される。例えば、本例のように外径が約53mmの缶胴1を用いて、外面フィルム4が基準位置H1から5mm程度離れた場合には、これに応じた約11度程度の角度補正が行なわれる。
【0152】
これと同時に、マンドレル回転ステーションP1では、マンドレル16の移動軌跡G1の外側からベルト74がマンドレル16に押し付けられており、マンドレル16の外面に密着させられる。そして、このベルト74の走行によって、マンドレル16が、その外周面の周速度を貼付ドラム52の外周面の周速度に一致する回転速度となるように加速され回転駆動される。
【0153】
このようにして、缶胴1がマンドレル回転ステーションP1を通過した後、マンドレル16およびマグネットテーブル47が、フィルム貼着ステーションJ1に対応する領域G6に進入すると、カム溝23,37の形状に基づいて、マンドレル16およびマグネットテーブル47が、回転軸52Aを中心とする移動軌跡で移動する。
【0154】
そして、フィルム貼着ステーションJ1では、貼付ドラム52の外周面が缶胴1の外面に押し付けられ、磁石49の磁気吸着力に抗して、貼付ドラム52が缶胴1をその半径方向にマンドレル16に接触するまで平行移動させる。このため、補正された角度位置に停止されていた缶胴1が、缶胴1の外周の周速度が貼付ドラム52の外周の周速度となるように回転される。すなわち、缶胴1の内周がマンドレル16の外周に接触され、マンドレル16の回転速度で缶胴1が回転駆動される。これと同時に、貼付ドラム52の外周に静電吸着されている外面フィルム4が缶胴1の外周面に巻き付けられて、缶胴1の熱により缶胴1に外面フィルム4が接着される。
【0155】
なお、この際に、回転駆動手段としてのサーボモータがマグネットテーブル47に接続されている場合には、このサーボモータが少なくともマグネットテーブル47に回転駆動力を付与させないとともに、マグネットテーブル47の回転負荷とならないフリーラン状態に制御され、マンドレル16による缶胴1の加速および回転駆動に影響を与えないようにしている。
【0156】
そして、上述したように、外面フィルム4の位置ズレ量に応じた缶胴1の角度位置の補正が行なわれているので、外面フィルム4の送り方向の先端部4aと終端部4bとを、缶胴1の外周面の継目部2を基準として高精度に位置させることができる。
【0157】
また、この際には、マンドレル16が缶胴1の内周面に接触させられ、マンドレル16の回転によって缶胴1を所定の回転速度に加速していることにより、缶胴1の外周面と貼付ドラム52の外周面との周速度差が減少され、両者1,52間に滑りが生じることが抑制される。
【0158】
したがって、このような速度差によって、外面フィルム4が周方向に部分的に伸展されて缶胴1に貼着され、外面フィルム4の図案や装飾デザインが歪んでしまうことが防止されるとともに、缶胴1の外周に貼付ドラム52による押圧力が常にその中心方向に加わることになり、外面フィルム4にしわが生じたり、外面フィルム4が中途半端に貼着されたりすることが回避される。また、同時に、マンドレル16自体も、外面フィルム4の接着にマイナスの影響を与えない温度に加温されているので、外面フィルム4の接着品質の向上を図ることができる。これらの結果、缶胴1に貼着された外面フィルム4として高い品質を確保することが可能となる。
【0159】
そして、外面フィルム4を缶胴1の外面に貼り付ける工程が完了し、貼付ドラム52からの押圧が解除された後には、缶胴1が再び各磁石49の磁気力と磁力作用によって、缶胴1の半径方向に自動的に位置決めされ、マンドレル16に非接触な状態でマグネットテーブル47に保持される。
【0160】
したがって、缶胴1に外面フィルム4を貼着する期間にのみ、マンドレル16が缶胴1の内周面と接触し、しかも、フィルム貼着する期間の前後に、予め缶胴1内に配置されているマンドレル16が缶胴1に対してその径方向に相対移動させられる構成とされているので、マンドレル16によって缶胴1の内周面が傷付けられることを防止することができる。
【0161】
特に、フィルム貼着時には、缶胴1自体がフィルムを熱接着するために高温に保たれていることから、この缶胴1の内周面が熱可塑性樹脂被膜によって被覆されている場合には、この被膜は損傷を受けやすい状態となるが、本例によれば、上記のようにマンドレル16を缶胴1に接触することを、フィルム貼着するための必要最小限の期間に限定した構成としているので、内面被膜の損傷を回避することができる。
【0162】
また、フィルム貼着の実行時以外は、マンドレル16が缶胴1と非接触の状態になるようにした構成により、缶胴1に影響を与えることなく、缶胴1内にマンドレル16を挿入および退避させる動作の迅速化を図ることができるとともに、マンドレル16自体の損耗を抑制することができる。
【0163】
以上の結果、缶胴1の内面品質を維持したまま、フィルム貼着装置としての高速動作化を図ることができ、高速な製缶工程に対応することが可能となる。
【0164】
さらに、フィルム貼着時以外には、常に、缶胴1の一方の開口端部のみが保持され、缶胴1の内外周面が外部に開放された状態とされているので、良好に缶胴1を加熱したり、自然冷却したりすることができる。すなわち、例えば、フィルム貼着後には、缶胴1にマンドレル16を接触させない状態となるので、特に冷却手段を設けることなく、缶胴1が移動させられたり、マンドレル6が退出されたりすることに伴う空気流などによる自然冷却のみでも、缶胴1を充分に冷却させることが可能となる。このため、缶胴1の温度制御を確実かつ容易に行なえるので、この缶胴1に対する外面フィルム4の熱接着性を向上させすることができる。
【0165】
そして、マンドレル16およびマグネットテーブル47が領域G6を通過して領域G7に進入すると、マンドレル16およびマグネットテーブル47は、カム溝23,37の形状に基づいて、回転軸11を中心とする円弧状の軌跡で移動する。また、マンドレル16およびマグネットテーブル47は、缶胴排出ステーションS1に到達する以前に、カム溝45の形状に基づいて軸40およびマグネットテーブル47が、中心線方向に、かつ、マンドレル16から離れる方向に移動させられ、缶胴1の内部から非接触状態を維持したままマンドレル16が抜き出される。
【0166】
そして、缶胴排出装置8によって、マグネットテーブル47から缶胴1が取り外され、その缶胴1は次工程に搬送するために、排出シュート79に投入される。なお、缶胴1が取り外されたマグネットテーブル47は、加熱ステーションJ1に進む前に、前記待機位置に復帰する。
【0167】
以上のように、この実施例によれば、缶胴の外周面の所定箇所が所定の方向に向いていない場合でも、缶胴の特徴箇所を検出することによって、その缶胴の回転角度を缶胴の所定箇所が貼着されるフィルムの端部に接触する回転角度に設定しているので、缶胴の外周面における周方向のフィルム貼着位置が安定して常に一定の位置に確保され、本フィルム貼着装置に缶胴を高速で次々と供給してフィルム貼着処理を行なうことができる。
【0168】
すなわち、このフィルム貼着装置に、その周方向の向きがランダムな缶胴が供給されても、その缶胴の向きを所定位置に揃えて、フィルム貼着処理を行なうことができ、その缶胴の向きに拘わらず、フィルムの貼着位置を一定に確保することができることになる。
【0169】
また、缶胴の外周面の周長さよりも長いフィルムを貼着する場合には、この缶胴の継目部にフィルムの周方向の先端部と後端部とを重ね合わせた重合部を略一致させて貼着することができるので、この重合部によって継目部を覆うことによって継目部を外部から目立たなくさせることができる。また、缶胴に対して、フィルムの周方向の略中央部が継目部の反対側に位置され、継目部がフィルムによって隠されることにより、このフィルムの略中央部に装飾デザインの重要部が位置している場合には、この重要部による装飾性を充分に発揮させて見栄えを向上できるので、フィルムが貼着された最終的な製品形態としての商品価値を高めることができる。
【0170】
さらに、外周に缶胴の保持手段が多数個設置されている回転体を所定速度で回転駆動させ、これに対応して外周面に貼着されるフィルムを周方向に所定間隔で配列して保持した貼付けドラムを連係させて回転駆動させて、缶胴を移動させながらフィルムを貼着していることにより、移動される缶胴間の間隔が短縮化されるとともに、缶胴の移動速度を高めることができるので、これらの缶胴へのフィルムの貼着処理を短時間に多数行なえることになり、高速かつ連続的に多数の缶胴の外面にフィルムを貼着することができる。
【0171】
また、これに加えて、貼付けドラムが高速度に回転駆動され、そのために、貼付けドラム上で外面フィルムの位置ズレが発生しても、適正にフィルム貼着を行なうことができるので、高速製缶に対応することが可能になる。すなわち、予め定められた範囲内の貼付けドラム上の外面フィルムの位置ズレを許容しながら、フィルム貼着処理が可能となる。この結果、フィルムの送り速度を高めても、つまりフィルム貼着装置としての処理速度を高めても、缶胴に対するフィルム貼着位置を十分な精度で確保することができるので、毎分、数百缶を処理する高速製缶工程に対応することが可能となる。
【0172】
また、缶胴の外周にフィルム貼着する際には、予め所定の回転速度に回転されたマンドレルによって、缶胴の外周の周速度を貼付けドラムの外周の周速度に一致させるように缶胴を自転させて、両者間の相対速度差を減殺していることにより、両者を接触させた場合には、静止した対象面にフィルムを貼着していくのと同様に安定した接着条件が確保されるので、高品位なフィルムの接着品質を得ることができる。
【0173】
さらにまた、この実施例によれば、マンドレルの外周半径が缶胴の内周半径よりも2.0mm以下に小さく設定されていることにより、缶胴とマンドレルとが接触する際には、缶胴とマンドレルとの半径方向の相対移動量が2.0mm以下と少なくなるので、缶胴の内面とマンドレルとが接触する際の衝撃が緩和され、缶胴自体やその内面の損傷を防止することができるとともに、高速動作に対応することができる。
【0174】
なお、上記実施例においては、缶胴として3ピース缶用のもの、すなわち、両端が開口された円筒形状の缶胴を例として説明したが、2ピース缶用の缶胴、すなわち、一端が開口され、他端には円筒部に連続する底部を有する有底円筒形状の缶胴を用いることもできる。この2ピース用の缶胴を用いる場合、その缶胴の底部をマグネットテーブル側に向けた状態で、缶胴供給ステーションG1に缶胴が供給されることになる。
【0175】
また、上記実施例においては、マグネットテーブルの磁気的な吸着力を用いて缶胴の開口端部を保持した構成としたが、これに限らず、真空吸着装置(図示せず)により、缶胴を保持し、かつ、缶胴の中心線とマンドレルの中心線とを一致させるように構成することもできる。したがって、この真空吸着装置を採用した場合には、缶胴の材料が、磁性材料または非磁性材料のいずれであっても、缶胴1の保持および半径方向の位置決めをおこなうことができ、適用範囲を広げることができる。また、磁石による定常的に働く磁気的な吸着力を用いた構成に比べて、真空吸着装置の動作を停止すれば、缶胴の吸着を任意に解除することができるので、解除動作の迅速化を図ることができる。
【0176】
なお、上記実施例では、缶胴を回転駆動させる手段としてサーボモータを使用したが、インバーターモータ等のブレーキ付きモータでも使用可能である。
【0177】
また、上記実施例においては、マンドレルが中心線方向に固定される一方、マグネットテーブルが中心線方向に往復動して、マンドレルを缶胴内にセットされる構成としたが、これに加えて、マンドレルを中心線方向に移動する構成を採用することもできる。したがって、この構成によれば、各部材が分担する移動距離が減少されるので、両部材が同時に移動するようにすれば、マンドレルを缶胴内にセットさせる動作時間が短縮化され、フィルム貼着装置として処理速度の高速化を促進することができる。
【0178】
さらに、缶胴の外周面に現れた継目部を検出して、缶胴の回転角度を検出し缶胴を所定の回転角度に向けるように構成したが、これに限られることなく、予め缶胴に付けられたマークや、缶胴の外形状に基づき、缶胴の回転角度を設定するようにしてよい。すなわち、缶胴の軸方向に直交した横断面形状が、円形状ではなく、異形状とされた場合には、缶胴の回転に伴う検出結果が周期的に変化することから、缶胴の回転角度位置を判別して、所定の回転角度位置に缶胴を停止させることができる。
【0179】
また、継目センサが用いる検出方式として、変位を検出する方式を用いたが、磁気的な検出方式を用いてもよい。
【0180】
例えば、缶胴の外周面における周方向の一部分に厚さが異なる偏肉部分を形成して、この厚さの変化によって磁束の通過状態が変動することにより、この偏肉部分の箇所を磁気的に検出するようにしてもよい。すなわち、この場合には、偏肉部分以外の外周部分は、常に同様な一定の磁気的な検出結果が得られる一方、偏肉部では、これと異なる磁気的な検出結果が得られるので、偏肉部分があることと検出することができる。したがって、缶胴の外表面に変位された部分が現われなくても、缶胴の回転角度位置を検出することができるので、本例のフィルム貼着装置が処理できる缶胴の種類を広げることができる。
【0181】
また、上記実施例では、1つの缶体保持手段に対して1つの継目センサを配置したが、継目センサを一時位置決めステーションM1に沿って多数配置し(缶胴1の搬送軌跡の片側または両側)、缶胴1を僅かずつ回転させながら移動させて缶胴1の継目部を検出するようにしてもよい。この場合、継目部を検出された缶胴1がどの継目センサによって検出されたかによって、検出後に缶胴1を回転させる回転角度が異なってくる。各継目センサが缶胴1の継目部を検出した場合、缶胴1をその位置から何度回転させれば、フィルム貼付ステーションR1において、フィルム先端が缶胴1の継目部と接触するようになるかを予め計算して、必要な回転角度を設定しておけばよい。
【0182】
またさらに、フィルム位置検出手段が用いる検出方式として、カメラによる光学的な検出方式を用いて、フィルムの端部を検出するように構成したが、フィルムに施された装飾デザインなどのその他のフィルムの特徴箇所を検出するように構成してもよい。
【0183】
ここで、実施形態の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、缶胴1がこの発明の缶体に相当し、継目部2がこの発明の缶体の特徴箇所に相当し、外面フィルム4がこの発明のフィルムに相当し、先端部4aがこの発明のフィルムの端部に相当し、缶胴移送装置5がこの発明の缶体移送手段に相当し、貼付ドラム装置6がこの発明のフィルム移送手段に相当し、マンドレル16がこの発明のマンドレルに相当し、保持手段28がこの発明の缶体保持手段に相当し、マグネットテーブル47がこの発明の吸着手段に相当し、フィルム位置検出カメラ57及び図示されていない制御装置がこの発明のフィルム位置検出手段に相当し、継目センサ71がこの発明の検出手段に相当し、フィルム貼着装置A1がこの発明のフィルム貼着装置に相当し、基準位置H1がこの発明の予め設定したフィルムの位置に相当し、軌跡G1がこの発明の所定の軌跡に相当する。
【0184】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、缶体の外周面の所定箇所が所定の方向に向いていない回転角度の場合でも、缶体の特徴箇所を検出することによって、その缶体の回転角度を缶体の所定箇所がフィルムの端部に接触する回転角度に設定するようにしているので、缶体の外周面における周方向のフィルム貼着位置を安定して常に一定に確保することができ、高速で次々と供給された缶体に対しても安定したフィルム貼着処理を行なうことができる。また、フィルムの移動の途中の時点でフィルムの位置を検出し、検出されたフィルムの位置と予め設定されたフィルムの位置との変位量(ズレ量)を算出して、変位量が存在した場合には、前記変位量分だけ更に缶体を回転させることにより前記缶体とフィルムとの位置合わせを行なうので、フィルムの送り速度を速くしてより高速でフィルム貼着を行なうことが可能になると共にフィルムの貼着位置を常に一定範囲内に納めたフィルム貼着作業を行なうことができる。
【0185】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、缶体を回転させながら缶体の特徴箇所を検出し、かつこの検出位置から所定回転角度回転させた時点で缶体の回転を停止させるようにしたので、缶体の外周面の所定箇所を所定の向きにすることが容易に、しかも迅速にできる結果、高速でフィルムを缶体に貼着させることが可能となる。
【0187】
請求項3の発明によれば、缶体保持手段に供給される缶体の外周面の所定箇所が常に一定の方向に向いていなくとも、缶体を回転させながらその缶体の特徴箇所を検出し、特徴箇所から所定角度となる位置でその缶体の回転を停止させているので、フィルムの端部と缶体の所定箇所とが常に位置合わせされることになり、フィルムの端部が缶体の所定箇所に必ず接触するように貼着できると共に高速でのフィルム貼着作業が可能となる。また、フィルム位置を検出して、検出されたフィルム位置と予め設定されたフィルム位置との変位量(ズレ量)を算出し、その算出値に基づいて缶体の所定箇所とフィルムの端部との位置を合わせるために必要な缶体の回転角度を算出し、回転駆動手段に算出値分だけ缶体を回転させる信号を発信するフィルム位置検出手段を備えているので、フィルムがフィルム移送手段に供給される際に、フィルムの位置が回転体の外周方向で前後に少しズレが発生したとしても、このズレを修正することができ、缶体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせが確実に実施できると共に、フィルムをフィルム移送手段に供給する速度を速くできるので、より高速でのフィルム貼着作業が可能となる。
【0189】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、缶体を吸着保持しながら各缶体を個々に直接回転させることができるので、各缶体の回転開始と回転停止とが寸時に行える結果、缶体とフィルムとの位置合わせがより正確であり、しかもより高速でのフィルム貼着作業が実施できる。
【0190】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の効果を得られる他に、各缶体の特徴箇所を検出する手段と缶体を回転駆動させる回転駆動手段とを、各缶体保持手段に対して1つずつ配置してあるので、缶体を高速移動させながら各缶体の特徴箇所を検出し、各缶体の所定箇所とフィルムの端部との位置合わせを行なうことができる結果、缶体への高速なフィルム貼着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例におけるフィルム貼着装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】 この実施例における缶胴移送装置の要部を示す断面図である。
【図3】 本実施例のフィルムが貼着された状態の缶胴を示す斜視図である。
【図4】 本例のマグネットテーブルの磁石の配置を説明する図2中のIV−IV方向矢視の断面図である。
【図5】 本例の貼付けドラムの外周面に保持されたフィルムの位置ズレ状態を説明し、(a)は、フィルムが適正位置にある状態を示す説明図であり、(b)は、フィルムが適正位置から先行した位置にある状態を示す説明図であり、(c)は、フィルムが適正位置から遅れた位置にある状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…缶胴、 2…継目部、 3A…マンドレル側の開口端、 3B…被保持される開口端、 4…外面フィルム、 5…缶胴移送装置、 6…貼付ドラム装置、 7…缶胴供給装置、 8…缶胴排出装置、 9…フィルム供給装置、 14…マンドレル用の回転体、 16…マンドレル、 28…缶胴の保持手段、 29…保持手段用の回転体、 47…マグネットテーブル、 49…磁石、 52…貼付ドラム、 57…フィルム位置検出カメラ、 69…缶胴の加熱装置、 71…継目センサ、 A1…フィルム貼着装置、 F1,B1…中心線、 G1…移動軌跡。

Claims (5)

  1. 缶体を所定の軌跡に沿って移動させるとともに、接着面を備えたフィルムを前記缶体の移動に連係させて移動させ、前記フィルムの端部を缶体の所定箇所に接触させて、缶体の外周面の周方向の所定の位置にフィルムを貼着させる缶体へのフィルム貼着方法であって、
    前記缶体における任意箇所を特徴箇所として検出し、この検出された位置と予め設定された位置との角度差分だけ缶体を回転させて、
    前記フィルムの端部が缶体の前記所定箇所に接触するようにしたものにおいて、
    前記フィルムの移動の途中の時点でのフィルムの位置を検出し、検出された前記フィルムの位置と予め設定されたフィルムの位置との変位量を算出して、前記変位量が存在した場合には、前記缶体の特徴箇所を検出して検出された位置と予め設定された位置との角度差分だけ缶体を回転させた後に、前記変位量分だけ更に缶体を回転させることにより、前記缶体とフィルムとの位置合わせを行うことを特徴とする缶体へのフィルム貼着方法。
  2. 前記缶体の特徴箇所の検出とその後の缶体の回転までの工程を、前記缶体を回転させながら前記特徴箇所の検出を行い、かつ前記特徴箇所が検出された位置から前記角度差分回転させた時点で前記缶体の回転を停止させることにより行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の缶体へのフィルム貼着方法。
  3. 回転体の回転軸と平行な回転軸を有すると共に缶体を保持する缶体保持手段が、前記回転体の外周に沿って所定間隔で複数個配置されており、前記回転体の回転に伴って所定の軌跡に沿って前記缶体を移送する缶体移送手段と、接着面を備えたフィルムを前記缶体の移動に連係させて移動させるフィルム移送手段とを備え、
    前記フィルムの端部を前記缶体の所定箇所に接触させて、前記缶体を回転させながら、前記缶体の外周面の周方向における所定の位置に前記フィルムを貼着させる缶体へのフィルム貼着装置であって、
    前記缶体保持手段により保持されて移送される缶体を、その周方向に回転させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段によって移動途中の前記缶体を回転させ、回転する缶体の特徴箇所を検出し、検出信号を発信する検出手段と、
    前記検出手段からの前記検出信号を受信して前記缶体の回転を所定位置で停止させる制御手段とを備えたものにおいて、
    前記フィルム移送手段が、前記フィルムを回転体の外周面に吸着させながら移動させる移送手段であり、
    前記フィルム移送手段の前記回転体外周面上を移送される前記フィルムの位置を検出して、予め設定されたフィルム位置との変位量を算出し、その算出値に基づいて前記缶体の前記所定箇所と前記フィルムの端部との位置を合わせるために必要な缶体の回転角度を算出し、前記回転駆動手段に算出値分だけ缶体を回転させる信号を発信するフィルム位置検出手段とを備えていることを特徴とする缶体へのフィルム貼着装置。
  4. 缶体保持手段が、缶体内に挿入されるマンドレルと缶体を吸着して保持する吸着手段とから構成されており、
    回転駆動手段が前記吸着手段にそれぞれ連結されているサーボモーターであることを特徴とする請求項3に記載の缶体へのフィルム貼着装置。
  5. 缶体の特徴箇所を検出する検出手段が、各缶体保持手段の近傍位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項4に記載の缶体へのフィルム貼着装置。
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