JP4091765B2 - インドール誘導体三量体複合導電体の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はインドール誘導体三量体を含有する複合導電体の製造法に関する。本発明のインドール誘導体三量体複合導電体は、各種帯電防止剤、コンデンサー、電池,EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装用導電性プライマー、電気防食、電池の蓄電能力向上等の用途に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
有機導電性材料は、近年種々の分野に応用が試みられているが、成膜性、塗布性等加工性が良いという特徴を持つ反面、金属や炭素材料と比較して導電性が低いという欠点がある。
【0003】
そこで、導電性の向上を目的に有機導電性材料と、金属あるいは炭素材料との複合化が検討されてきた。
【0004】
主な複合化方法として、有機導電性材料を合成する際に、金属あるいは炭素材料をあらかじめ添加して合成した後、溶媒を除去、洗浄することによって複合体を形成する方法、有機導電性材料を溶解した溶液中に、金属あるいはカーボン材料を混合した後、溶媒を除去することにより複合体を形成する方法等が挙げられる(特開平5−105828号公報)。
【0005】
しかし、これらの方法では、導電補助剤である金属あるいは炭素材料の表面が有機導電性材料によってコーティングされ、導電補助剤の導電性を抑制してしまい、結果として、複合体の導電性が充分向上しないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、高い導電性を発現し、且つ成型性に優れた複合導電体の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、インドール誘導体三量体を溶解しないか、若しくは溶解しにくい溶媒中で、インドール誘導体三量体と導電補助剤とを混合することにより、導電性と成型性に優れた複合導電体が得られることを見出した。即ち、本発明は、インドール誘導体三量体(A)と、少なくとも一種の導電補助剤(B)を、20℃におけるインドール誘導体三量体(A)の溶解度が0〜3質量%である溶媒(D)中で混合する工程を有することを特徴とするインドール誘導体三量体複合導電体の製造法である。ここでインドール誘導体三量体複合導電体とは、インドール誘導体三量体(A)及び導電補助剤(B)を含む複合材料のことをいう。
【0008】
以下、本発明のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法について詳細に説明する。
【0009】
本発明で用いるインドール誘導体三量体(A)としては、下記一般式(1)、
【化3】
(上記式中、R1〜R12は、水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖または分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボン酸基、炭素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のスルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、ハロゲン基及びシアノビニル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた置換基である。また、Xa−はドーパントであり、aはXのイオン価数を表し、mはドープ率であり、0〜1の範囲である。)で示されるインドール誘導体三量体が挙げられる。
【0010】
これらのインドール誘導体三量体のうち、カルボキシル基置換インドール三量体類、スルホン酸基置換インドール三量体類、シアノ基置換インドール三量体類、ニトロ基置換インドール三量体類、アミド基置換インドール三量体類、アルデヒド基置換インドール三量体類、ハロゲン基置換インドール三量体類、シアノビニル基置換インドール類等が複合体としたときの成型性が良好であり、好ましい。
【0011】
本発明で用いられるインドール誘導体三量体(A)は、化学的合成及び電気化学的合成等の各種合成法によって得られるインドール誘導体三量体を用いることができる。
【0012】
本発明では、特に、下記一般式(2)
【化4】
(上記式中、R13〜R16は、水素、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖または分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のスルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、ハロゲン基及びシアノビニル基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた置換基である。)で示される少なくとも一種のインドール誘導体を、少なくとも一種の酸化剤と少なくとも一種の溶媒を含む反応混合物中において反応させることにより得られるインドール誘導体三量体(A)が好ましく用いられる。
【0013】
前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法にで用いられる一般式(2)で示されるインドール誘導体は、具体的には、4―メチルインドール、5―メチルインドール、6―メチルインドール、7―メチルインドール、4―エチルインドール、5―エチルインドール、6―エチルインドール、7―エチルインドール、4―n−プロピルインドール、5―n−プロピルインドール、6―n−プロピルインドール、7―n−プロピルインドール、4―iso−プロピルインドール、5―iso−プロピルインドール、6―iso−プロピルインドール、7―iso−プロピルインドール、4―n−ブチルインドール、5―n−ブチルインドール、6―n−ブチルインドール、7―n−ブチルインドール、4―sec−ブチルインドール、5―sec−ブチルインドール、6―sec−ブチルインドール、7―sec−ブチルインドール、4―t−ブチルインドール、5―t−ブチルインドール、6―t−ブチルインドール、7―t−ブチルインドール等のアルキル基置換インドール類、4―メトキシインドール、5―メトキシインドール、6―メトキシインドール、7―メトキシインドール、4―エトキシインドール、5―エトキシインドール、6―エトキシインドール、7―エトキシインドール、4―n−プロポキシインドール、5―n−プロポキシインドール、6―n−プロポキシインドール、7―n−プロポキシインドール、4―iso−プロポキシインドール、5―iso−プロポキシインドール、6―iso−プロポキシインドール、7―iso−プロポキシインドール、4―n−ブトキシインドール、5―n−ブトキシインドール、6―n−ブトキシインドール、7―n−ブトキシインドール、4―sec−ブトキシインドール、5―sec−ブトキシインドール、6―sec−ブトキシインドール、7―sec−ブトキシインドール、4―t−ブトキシインドール、5―t−ブトキシインドール、6―t−ブトキシインドール、7―t−ブトキシインドール等のアルコキシ基置換インドール類、4―アセチルインドール、5―アセチルインドール、6―アセチルインドール、7―アセチルインドール等のアシル基置換インドール類、インドール―4―カルバルデヒド、インドール―5―カルバルデヒド、インドール―6―カルバルデヒド、インドール―7―カルバルデヒド等のアルデヒド基置換インドール類、インドール―4―カルボン酸、インドール―5―カルボン酸、インドール―6―カルボン酸、インドール―7―カルボン酸等のカルボキシル基置換インドール類、インドール―4―カルボン酸メチル、インドール―5―カルボン酸メチル、インドール―6―カルボン酸メチル、インドール―7―カルボン酸メチル等のカルボン酸エステル基置換インドール類、インドール―4―スルホン酸、インドール―5―スルホン酸、インドール―6―スルホン酸、インドール―7―スルホン酸等のスルホン酸基置換インドール類、インドール―4―スルホン酸メチル、インドール―5―スルホン酸メチル、インドール―6―スルホン酸メチル、インドール―7―スルホン酸メチル等のスルホン酸エステル基置換インドール類、インドール―4―カルボニトリル、インドール―5―カルボニトリル、インドール―6―カルボニトリル、インドール―7―カルボニトリル等のシアノ基置換インドール類、4―ヒドロキシインドール、5―ヒドロキシインドール、6―ヒドロキシインドール、7―ヒドロキシインドール等のヒドロキシ基置換インドール類、4―ニトロインドール、5―ニトロインドール、6―ニトロインドール、7―ニトロインドール等のニトロ基置換インドール類、4―アミノインドール、5―アミノインドール、6―アミノインドール、7―アミノインドール等のアミノ基置換インドール類、4―アミドインドール、5―アミドインドール、6―アミドインドール、7―アミドインドール等のアミド基置換インドール類、4―フルオロインドール、5―フルオロインドール、6―フルオロインドール、7―フルオロインドール、4―クロロインドール、5―クロロインドール、6―クロロインドール、7―クロロインドール、4―ブロモインドール、5―ブロモインドール、6―ブロモインドール、7―ブロモインドール、4―ヨードインドール、5―ヨードインドール、6―ヨードインドール、7―ヨードインドール等のハロゲン基置換インドール類、4−シアノビニルインドール、5−シアノビニルインドール、6−シアノビニルインドール、7−シアノビニルインドール等のシアノビニル基置換インドール類等を挙げることができる。
【0014】
これらのなかで、カルボキシル基置換インドール類、スルホン酸基置換インドール類、シアノ基置換インドール類、ニトロ基置換インドール類、アミド基置換インドール類、アルデヒド基置換インドール類、ハロゲン基置換インドール類、シアノビニル基置換インドール類等が実用上好ましい。
【0015】
前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法で用いる酸化剤は、特に限定されないが、例えば塩化第二鉄六水和物、無水塩化第二鉄、硝酸第二鉄九水和物、硫酸第二鉄n水和物、硫酸第二鉄アンモニウム十二水和物、過塩素酸第二鉄n水和物、テトラフルオロホウ酸第二鉄、塩化第二銅、硝酸第二銅、硫酸第二銅、テトラフルオロホウ酸第二銅、テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム、過酸化水素、過酸化水素―鉄(II)塩、過酸化水素―チタン(III)塩、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過沃素酸カリウム等を挙げることができる。このなかで塩化第二鉄六水和物、無水塩化第二鉄、塩化第二銅、テトラフルオロホウ酸第二銅、過硫酸アンモニウムが実用上好ましく、その中でも塩化第二鉄六水和物、無水塩化第二鉄が最も実用上好ましい。なお、これらの酸化剤はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で併用して用いてもよい。
【0016】
前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法で用いるインドール誘導体と、酸化剤とのモル比は、好ましくはインドール誘導体:酸化剤=1:0.5〜100、特に好ましくは1:1〜50で用いられる。ここで、酸化剤の割合があまり低いと反応性が低下して原料が残存し、逆にその割合があまり高いと生成した三量体を過酸化して、生成物の劣化を引き起こすことがある。
【0017】
前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法では、反応時のインドール誘導体の濃度は、溶媒に対して好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1〜50質量%、特に好ましくは1〜30質量%の範囲である。
【0018】
また、前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法で用いる溶媒は、水、有機溶媒が使用できる。有機溶媒は特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、γ―ブチルラクトン、プロピレンカーボネート、スルホラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等が用いられる。なお、これらの溶媒はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。これら溶媒のなかでは、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、γ−ブチルラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート等が好ましく、特にアセトニトリルが実用上最も好ましい。
【0019】
また、前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法では水と有機溶媒を共存させて反応させることが好ましい。前記インドール誘導体と、水との使用モル比は、インドール誘導体:水=1:1000〜1000:1、好ましくは1:100〜100:1で用いられる。ただし、酸化剤が結晶水を持っている場合は、その結晶水量も水として計量する。ここで、適量の水が存在すると反応の暴走による三量体の過酸化を抑制し構造劣化を防止すると同時に、ドーパントが効率良くドープでき、導電率が向上することがある。
【0020】
本発明で用いられる一般式(1)で示されるインドール誘導体三量体(A)中のXa−はドーパントであり、反応中の酸化剤や反応後のドープに由来するプロトン酸の陰イオンである。具体的には、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸イオン、ポリビニルスルホン酸イオン、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸イオン、ポリビニル硫酸イオン等の陰イオンであり、好ましくは塩素イオン、硫酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、過塩素酸イオン等の1〜2価の陰イオンである。例えば、酸化剤として無水塩化第二鉄を選んで酸化反応を行った場合、インドール誘導体三量体中のドーパントXa−は塩素イオンとなる。
【0021】
前記のインドール誘導体三量体(A)の合成法で得られるインドール誘導体三量体(A)は、酸化剤として過酸化水素やオゾンを用いる場合以外はドープ型のインドール誘導体三量体(A)であり、その三量体に対するドーパントXa−のモル比(ドープ率)mは0.001〜1である。酸化剤として過酸化水素またはオゾンを用いるとm=0となる。
【0022】
インドール誘導体三量体(A)は、積層構造を有することにより、より導電性が優れる場合がある。特に、層間隔0.1〜0.6nmである積層構造を有していることが好ましい。このような超微細積層構造をもつ化合物は、剛性、強度、耐熱性等の物性が良好であり、また、三量体相互間での電子ホッピング伝導に適するため、導電性が向上する傾向にある。また、インドール誘導体三量体(A)は、機械的強度の観点から平均粒径が0.1〜50μmの粒子であることが好ましい。
【0023】
本発明で用いる導電補助剤(B)としては導電複合体の導電性を向上させる点で、Al、Ta、Nb、Au、Ag、Cu、Fe、Ni等の金属、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム等の金属酸化物、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、活性炭、気相成長炭素繊維、ポリアクリルニトリルやピッチやセルロースやフェノール樹脂等を焼結した炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素材料、SiC、LaCrO3、BaTiO3等の導電性セラミックス、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等のπ共役系導電性高分子が挙げられる。また、これら導電補助剤(B)は二種以上の任意の割合で混合したものでもよい。
【0024】
導電補助剤(B)の使用割合は特に限定されないが、好ましくはインドール誘導体三量体(A)100質量部に対して1.0〜100質量部であり、特に好ましくは5.0〜50質量部である。1.0質量部以上で導電性の向上がより顕著であり、100質量部以下で複合体の成型性がより良好となる傾向にある。
【0025】
本発明で用いるバインダー(C)としては複合体の結着性を向上させる点で有機樹脂材料を用いるのが好ましい。より具体的には、ポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド類、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリビニルピロリドン類、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂、あるいはフッ素系樹脂等が挙げられる。これらの有機樹脂材料は、官能基を導入した誘導体や、これらの共重合体を使用することもできる。また、バインダー(C)は二種以上の有機樹脂材料を任意の割合で混合したものを用いてもよい。これらの有機樹脂材料のなかでも成型性の観点からフッ素系樹脂材料が特に好ましく、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、フッ化エチレンポリプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン・エチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等が挙げられる。
【0026】
バインダー(C)の使用割合はインドール誘導体三量体(A)100質量部に対して好ましくは0.5〜40質量部であり、特に好ましくは2.0〜20質量部である。0.5質量部以上で結着力がより強くなり成型性が向上し、40質量部以下で高い導電性が充分維持される傾向にある。
【0027】
さらに本発明で製造されるインドール誘導体三量体複合導電体には、必要に応じて、可塑剤、分散剤、塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保存安定剤、接着助剤、増粘剤、顔料、染料、シランカップリング剤、コロイダルシリカ等の公知の各種助剤を添加して用いることができる。
【0028】
本発明で用いる溶媒(D)としては、前記インドール誘導体三量体(A)の20℃における溶解度が0〜3質量%、好ましくは0〜1質量%、より好ましくは0〜0.5質量%である単独溶媒または混合溶媒が用いられる。
【0029】
具体的には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭素類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等の含ハロゲン類、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類が用いられる。これらの溶媒はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。さらに、前記の溶媒1種以上と前記以外の溶媒1種以上を混合してインドール誘導体三量体(A)の溶解度を所定の範囲に調整した混合溶媒を用いることもできる。
【0030】
インドール誘導体三量体(A)が溶媒(D)に3質量%より多く溶解するものを選択すると、生成したインドール誘導体三量体複合導電体の導電性を著しく低下させることとなる。これは溶媒により溶解したインドール誘導体三量体(A)がインドール誘導体三量体複合導電体を形成している導電補助剤(B)の表面を完全にコーティングしてしまい、導電補助剤(B)自身の導電性を封鎖してしまい、結果としてインドール誘導体三量体複合導電体の導電性を著しく低下させているものと推定される。
【0031】
本発明で用いる溶媒(D)の使用量は、導電補助剤(B)及びバインダー(C)が十分に分散できれば特に限定するものでないが、好ましくは、溶媒(D)1000質量部に対してインドール誘導体三量体(A)0.1〜1500質量部、より好ましくはインドール誘導体三量体(A)1〜500質量部、特に好ましくはインドール誘導体三量体(A)1〜100質量部である。
【0032】
本発明のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法においてインドール誘導体三量体(A)及び導電補助剤(B)、またはインドール誘導体三量体(A)、導電補助剤(B)及びバインダー(C)を溶媒(D)中で混合する方法や混合の順序は、複合導電体を形成する各成分が十分に混合できればよく、特に限定するものでない。
【0033】
有効な混合方法の一例としては、インドール誘導体三量体(A)の反応終了後の固液分離前、またはインドール誘導体三量体(A)を固液分離した後の洗浄時に、導電補助剤(B)、または導電補助剤(B)とバインダー(C)を添加して混合する方法が挙げられる。
【0034】
前記混合方法により形成されるインドール誘導体三量体複合導電体の反応溶媒あるいは、洗浄溶媒からの分離性は、インドール誘導体三量体(A)単独の場合の分離性よりも向上し、分離工程の時間短縮、及び洗浄効率が向上に寄与する。
【0035】
本発明の製造法におけるインドール誘導体三量体(A)及び導電補助剤(B)、またはインドール誘導体三量体(A)、導電補助剤(B)及びバインダー(C)を溶媒(D)中で混合する時間は、複合導電体を形成する各成分が十分に混合できれば特に限定するものでないが、好ましくは10分間から24時間、より好ましくは1時間から12時間である。
【0036】
また、本発明の製造法におけるインドール誘導体三量体(A)及び導電補助剤(B)、またはインドール誘導体三量体(A)、導電補助剤(B)及びバインダー(C)を溶媒(D)中で混合する温度は、複合導電体を形成する各成分が十分に混合できれば特に限定するものでないが、好ましくは−5℃から100℃、より好ましくは5℃から50℃である。
【0037】
本発明の製造法におけるインドール誘導体三量体複合導電体の溶媒(D)からの分離方法は特に限定するものでなく、遠心分離器、加圧濾過器、減圧濾過器等の常法が挙げられる。
【0038】
本発明の製造法におけるインドール誘導体三量体複合導電体の溶媒(D)から固液分離後の乾燥温度は、溶媒(D)が完全に除去できること、及びインドール誘導体三量体複合導電体を形成する各成分が劣化、変性しない乾燥温度であれば特に限定するものでない。
【0039】
また、混合時に酸性化合物を共存させることにより、インドール誘導体三量体複合導電体のドープ率の向上やドーパントの種類を変更することを同時に行うことができる。酸性化合物は予め溶媒(D)に添加しておく方法、混合工程の任意の時点に添加する方法等により共存させることができる。酸性化合物を用いる場合の使用量は特に限定されないが、効果的なドープ率の向上のためには、インドール誘導体三量体(A)1モルに対して、好ましくは酸性化合物0.01〜10000モル、より好ましくは0.05〜1000モル、特に好ましくは0.1〜100モルである。
【0040】
酸性化合物としては、インドール誘導体三量体(A)のドーパントとなり得るプロトン酸あるいはその誘導体であれば特に限定するものでないが、無機酸、有機酸、高分子酸等が挙げられる。なお、これらの酸性化合物はそれぞれ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
【0041】
無機酸の具体例としては、フッ化水素酸、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸、リン酸、次亜リン酸、ホウ酸、硫酸、発煙硫酸、硝酸、発煙硝酸、テトラフルオロホウ酸等が挙げられる。
【0042】
有機酸としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、脂肪族ホウ酸、脂肪族リン酸、芳香族カルボン酸、芳香族スルホン酸、芳香族ホウ酸、芳香族リン酸、酸性水酸基を有する酸及びこれらの骨格を有する誘導体等が挙げられる。
【0043】
高分子酸としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸、ポリビニル硫酸等及びこれらの骨格を有する誘導体等が挙げられる。
【0044】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0045】
なお、インドール誘導体三量体の合成例において、元素分析測定は、サーモクエスト社製 EA1110で測定した。導電率測定は、三菱化学製ロレスター計MCP−T350(4端子法:電極間距離1mm)で測定した。さらに、X線回折解析(XRD)は、理学電機株式会社製RINT−1100(管球:CuKαX線)で測定した。
【0046】
(合成例1:インドール誘導体三量体Iの合成)
200mlの三ツ口フラスコにアセトニトリル10mlを入れ、インドール−5−カルボニトリル1.4gを溶解した。一方、酸化剤溶液の調製はアセトニトリル40mlに対して、無水塩化第二鉄16.2g、水5.4gを溶解して10分間攪拌した。次に、インドール−5−カルボニトリル溶液に30分間かけて、調製した酸化剤溶液を滴下した後、10時間、60℃にて攪拌した。反応溶液は若干の発熱を伴いながら黄色から緑色に変化した。反応終了後、桐山漏斗で吸引濾過し、アセトニトリル次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、緑色の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボニトリル、(インドール−5−カルボニトリル三量体)1.2g(収率86%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.50S/cmであった。元素分析の結果は(C9.00H4.03N1.97Cl0.10)3であった。また、X線回折結晶解析の結果、層間隔は0.44nmであった。
【0047】
(合成例2:インドール誘導体三量体IIの合成)
合成例1においてインドール−5−カルボニトリルの代わりに6−フルオロインドールを使用する以外は実施例1と同様な方法で反応を行った。暗青色の3,8,13−トリフルオロ−6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール、(6―フルオロインドール三量体)1.0g(収率71%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.76S/cmであった。元素分析の結果は(C8. 0 0H4.01N0.99F0.97Cl0.1 6)3であった。また、X線回折結晶解析の結果、層間隔は0.38nmであった。
【0048】
(合成例3:インドール誘導体三量体IIIの合成)
200mlの三ツ口フラスコにクロロホルム15mlを入れ、インドール1.42gを溶解した。一方、酸化剤溶液の調製はクロロホルム60mlに対して、過硫酸アンモニウム11.4g、水2.70gを溶解し、15分間攪拌した。次に、インドール溶液に60分間かけて、調製した酸化剤溶液を滴下した後、12時間、40℃にて攪拌した。反応溶液は若干の発熱を伴いながら黄色から青緑色に変化した。反応終了後、桐山漏斗で吸引濾過し、クロロホルム次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、青緑色の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール、(インドール三量体)1.27g(収率89%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.40S/cmであった。元素分析の結果は(C8. 0 0H4.91N0.98(SO4)0.07)3であった。また、X線回折結晶解析の結果、層間隔は0.37nmであった。
【0049】
(合成例4:インドール誘導体三量体IVの合成)
200mlの三ツ口フラスコにアセトニトリル15mlを入れ、インドール−5−カルボン酸1.28gを溶解した。一方、酸化剤溶液の調製はアセトニトリル100mlに対して、テトラフルオロホウ酸第二銅14.3g、水10.9gを溶解し、15分間攪拌した。次に、インドール−5−カルボン酸溶液に60分間かけて、調製した酸化剤溶液を滴下した後、5時間、30℃にて攪拌した。反応溶液は若干の発熱を伴いながら黄色から青緑色に変化した。反応終了後、桐山漏斗で吸引濾過し、アセトニトリル次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、青緑色の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボン酸、(インドール−5−カルボン酸三量体)1.01g(収率79%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.41S/cmであった。元素分析の結果は(C9. 0 0H4.95N0.98O1.98Cl0.13)3であった。また、X線回折結晶解析の結果、層間隔は0.48nmであった。
【0050】
(合成例5:インドール誘導体三量体Vの合成)
合成例1において、インドール−5−カルボニトリルの代わりに5−アミドインドールを使用する以外は合成例1と同様な方法で反応を行った。暗青色の2,9,14−トリアミド−6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール、(5―アミドインドール三量体)1.07g(収率75%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.59S/cmであった。元素分析の結果は(C9. 0 0H6.01N2.02O1.97Cl0.15)3であった。
【0051】
(合成例6:インドール誘導体三量体VIの合成)
合成例1において、インドール−5−カルボニトリルの代わりに6−ニトロインドールを使用する以外は合成例1と同様な方法で反応を行った。暗青色の6,11−ジヒドロ−3,8,13−トリニトロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール、(6―ニトロインドール三量体)1.12g(収率79%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.53S/cmであった。元素分析の結果は(C8. 0 0H4.00N2.02O1.97Cl0.15)3であった。
【0052】
(インドール誘導体三量体の各種溶媒への溶解試験)
溶媒(D)1000質量部に対するインドール誘導体三量体(A:I〜VI)の溶解量を測定した。その結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例1〜6
(複合導電体の形成)
合成例1〜6で合成したインドール誘導体三量体(A:I〜VI)、導電補助剤(B)、またはインドール誘導体三量体(A:I〜VI)、導電補助剤(B)、バインダー(C)を溶媒(D)中に分散させて、2時間、20℃にて攪拌した。その後桐山漏斗にて固液分離を行い、続いて100℃にて5時間乾燥して、インドール誘導体三量体複合導電体を得た。
【0055】
(複合導電体の評価方法)
このように得られた複合導電体について、錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定した。
【0056】
比較例1〜6
複合導電体として表中に示した導電体を用いて、実施例と同様に複合導電体を形成し、実施例と同様な複合導電体の評価を行った。ただし、溶媒(D)1000質量部に対してインドール誘導体三量体(A)が30質量部より多く溶解するような溶媒(D)を選択し調製した。
【0057】
上記の実施例1〜6の結果を表2に、比較例1〜6の結果を表3に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
実施例7
200mlの三ツ口フラスコにクロロホルム15mlを入れ、インドール−5−カルボニトリル1.42gを溶解した。一方、酸化剤溶液の調製はクロロホルム60mlに対して、過硫酸アンモニウム11.4g、水2.70gを溶解し、15分間攪拌した。次に、インドール−5−カルボニトリル溶液に60分間かけて、調製した酸化剤溶液を滴下した後、12時間、40℃にて攪拌した。反応溶液は若干の発熱を伴いながら黄色から青緑色に変化した。反応終了後、導電補助剤(B)である気相成長炭素繊維0.40gを反応混合液中に分散して2時間、20℃にて攪拌した。その後、ADVANTEC社製(TSK−90−UH)にて加圧濾過を行った。分離した粗複合導電体を、アセトニトリル次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボニトリル(インドール−5−カルボニトリル三量体)複合導電体1.60gを得た。得られた複合導電体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.90S/cmであった。
【0061】
実施例8
200mlの三ツ口フラスコにクロロホルム15mlを入れ、インドール1.42gを溶解した。一方、酸化剤溶液の調製はクロロホルム60mlに対して、過硫酸アンモニウム11.4g、水2.70gを溶解し、15分間攪拌した。次に、インドール溶液に60分間かけて、調製した酸化剤溶液を滴下した後、12時間、40℃にて攪拌した。反応溶液は若干の発熱を伴いながら黄色から青緑色に変化した。反応終了後、桐山漏斗で吸引濾過し、クロロホルム次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、青緑色の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール、(インドール三量体)1.27g(収率89%)を得た。続いてこのインドール三量体と、導電補助剤(B)であるケッチェンブラック(三菱化成株式会社製、ケッチェンブラックEC-600JD)0.40g、バインダー(C)であるポリテトラフルオロエチレン0.1gを、溶媒(D)であるメタノール150gに分散して2時間、20℃にて攪拌した。その後、ADVANTEC社製(TSK−90−UH)にて加圧濾過を行った。分離した粗複合導電体を、アセトニトリル次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール、(インドール三量体)複合導電体1.77gを得た。得られた複合導電体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.88S/cmであった。
【0062】
実施例9
6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボン酸、(インドール−5−カルボン酸三量体)1.0g、導電補助剤(B)である気相成長炭素繊維0.43gをアセトニトリル/水=5/1である溶剤(D)60gに分散させて、2時間、20℃にて攪拌した。その後、ADVANTEC社製(TSK−90−UH)にて加圧濾過を行った。分離した粗複合導電体を、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボン酸、(インドール−5−カルボン酸三量体)複合導電体1.43gを得た。得られた複合導電体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、1.05S/cmであった。
【0063】
比較例7〜9
合成例1、3または4において、酸化剤滴下前にあらかじめ、インドール誘導体と導電補助剤(B)、またはインドール誘導体と導電補助剤(B)、バインダー(C)を加えてインドール誘導体溶液を調整した後に、酸化剤溶液を滴下する以外、は同様な方法で反応を行った。その後加圧濾過を行い、固液分離後アセトニトリル次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、各種複合導電体を形成した。
【0064】
比較例10
合成例1の方法で得られた6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボニトリル、(インドール−5−カルボニトリル三量体)1.2gと導電補助剤(B)である気相成長炭素繊維0.40gを乳鉢で十分に混合した。得られた混合物を、錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.20S/cmであった。
【0065】
上記の実施例7〜9の結果を表4に、比較例7〜10の結果を表5に示す。
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、高い導電性を発現し、成型性に優れたインドール誘導体三量体複合導電体を製造することができる。これらのインドール誘導体三量体複合導電体は、各種帯電防止剤、コンデンサー、電池,EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装用導電性プライマー、電気防食、電池の蓄電能力向上等の用途に適用可能である。
Claims (10)
- インドール誘導体三量体(A)と、少なくとも一種の導電補助剤(B)を、20℃におけるインドール誘導体三量体(A)の溶解度が0〜3質量%である溶媒(D)中で混合する工程を有することを特徴とするインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- 少なくとも一種のバインダー(C)を混合することを特徴とする請求項1記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- 混合時に酸性化合物を共存させることを特徴とする請求項1または2記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- インドール誘導体三量体(A)が、
- インドール誘導体三量体(A)が、
- インドール誘導体三量体(A)が、平均粒径が0.1〜50μmの粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- インドール誘導体三量体(A)が、積層構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- 導電補助剤(B)が、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性セラミック及びπ共役系導電性高分子から選ばれた少なくとも一種の導電補助剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- バインダー(C)が、有機樹脂材料であることを特徴とする請求項2記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
- バインダー(C)が、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項2記載のインドール誘導体三量体複合導電体の製造法。
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