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JP4091077B2 - コンテンツ配信装置及びコンテンツ再生装置 - Google Patents

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JP4091077B2
JP4091077B2 JP2005511500A JP2005511500A JP4091077B2 JP 4091077 B2 JP4091077 B2 JP 4091077B2 JP 2005511500 A JP2005511500 A JP 2005511500A JP 2005511500 A JP2005511500 A JP 2005511500A JP 4091077 B2 JP4091077 B2 JP 4091077B2
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽データ等のコンテンツを配信する装置及びコンテンツを再生する装置に関し、特に、移動体に対するコンテンツの自動配信及び移動体におけるコンテンツの自動選曲に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のネットワーク通信技術の急速な進歩に伴い、HDD内蔵の車載機器や、携帯端末向けの音楽配信も可能となり、移動中でも様々なコンテンツの視聴ができるようになってきた。
【0003】
このような移動体への音楽配信に関する従来の技術として、たとえば、ユーザの行動に合った音楽データを自動配信する音楽データ配信装置等が提案されている(特開2002−108351号公報等参照)。この音楽データ配信装置によれば、ユーザの位置情報と、その位置で配信した曲を配信履歴として蓄積しておき、位置情報に応じた音楽を配信するというものである。
【0004】
しかしながら、同じ位置であっても、車や電車、バス等の使用する交通機関によって音楽を聴くことが可能な時間が異なり、必ずしも、過去と同じ位置に居るからといって、同じ音楽が最適とは限らない。例えば、自宅を出て電車で会社に通勤する場合には、コンテンツの視聴可能時間は、電車に乗っている時間である。したがって、視聴可能時間を超えるようなコンテンツが配信されてきた場合には、演奏や番組が完全に終了する前に視聴を断念しなければならない、つまり、演奏や番組の途中で再生を中断しなければならない。
【0005】
したがって、ユーザの移動時間(コンテンツ視聴可能時間)は、移動ごとに異なり、その時間に応じたコンテンツの視聴を可能にする必要がある。例えば、「60分の音楽アルバムを30分で聴きたい」、「3時間の野球中継をダイジェストで30分で視聴したい」などの要求に応える必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような要求に応えるためになされたものであり、ユーザの移動時間内に演奏や番組等が完結するようなコンテンツの自動配信や自動演奏を可能にするコンテンツ配信装置及びコンテンツ再生装置等を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るコンテンツ配信装置は、コンテンツを再生する携帯端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、ユーザIDごとにコンテンツの配信先となる携帯端末を特定する情報が対応づけられたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、改札機の検出手段により、ユーザが所有する利用区間が記録されたコンピュータ読み取り可能な乗車カードの情報を参照して、ユーザが駅構内に入場又は乗車することを検知するとともに、前記改札機の検出手段により、前記乗車カードの情報を参照して、少なくとも乗車区間を特定し、特定した乗車区間に基づいて、乗り物によるユーザの移動時間を算出する移動時間算出手段と、算出された移動時間内で再生が終了するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記改札機の検出手段から通知されるユーザIDに対応する携帯端末を特定し、特定した携帯端末に、前記コンテンツ決定手段で決定されたコンテンツを配信する配信手段と、前記改札機の検出手段によって特定された乗車区間に対応する交通機関の情報と現在時刻とから、乗車するまでの待ち時間を検出する待ち時間検出手段と、前記配信手段が前記コンテンツの配信を開始してから前記携帯端末の記録メディアへの書き込みが完了するのに要する時間を推定するコンテンツ書き込み時間予測手段とを備え、前記コンテンツ決定手段は、前記コンテンツ書き込み時間予測手段によって推定されたコンテンツ書き込み時間と前記待ち時間検出手段によって検出された待ち時間とに基づいて、前記待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了するか否かを判断することにより、前記移動時間内に再生が終了し、かつ、前記待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了するコンテンツを決定することを特徴とする。
つまり、本発明に係るコンテンツ配信装置は、コンテンツを再生するための携帯端末と改札機とに通信ネットワークで接続されて用いられるコンテンツ配信装置であって、ユーザが駅構内に入場又は乗車することを検知することによって少なくとも乗車区間を特定する改札機から通知される前記乗車区間に基づいて、乗り物によるユーザの移動時間を算出する移動時間算出手段と、算出された移動時間内で再生が終了するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、決定されたコンテンツを前記携帯端末に配信する配信手段とを備えることを特徴とする。これによって、ユーザの移動時間内に再生が完結するコンテンツが配信されるので、コンテンツの演奏途中で視聴を断念しなければならない等の不具合が回避される。
【0008】
ここで、前記改札機は、前記乗車区間に加えて、前記ユーザを識別するユーザIDを特定し、特定したユーザIDを前記乗車区間と共に前記コンテンツ配信装置に通知し、前記配信手段は、前記改札機から通知されたユーザIDに対応する携帯端末に前記コンテンツを配信してもよい。これによって、ユーザは、改札機を通過するだけで、所持する携帯端末へのコンテンツの自動配信を受けることができる。
【0009】
また、前記改札機は、前記乗車区間に加えて、前記ユーザを識別するユーザIDを特定し、特定したユーザIDを前記乗車区間と共に前記コンテンツ配信装置に通知し、前記コンテンツ配信装置はさらに、ユーザIDごとにコンテンツの嗜好を示す嗜好情報が対応づけられたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段を備え、前記コンテンツ決定手段は、前記ユーザ情報を参照することによって、前記改札機から通知されたユーザIDが示すユーザの嗜好を特定し、特定した嗜好に合致するコンテンツを決定してもよい。これによって、ユーザは、自分の好みに合ったコンテンツの配信を受けて視聴することができ、大きな満足感を得ることができる。
【0010】
また、前記コンテンツ配信装置はさらに、複数のコンテンツを記憶しているコンテンツ記憶手段から情報を取得し、前記コンテンツ決定手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツの中から、前記移動時間を超えないコンテンツを前記コンテンツとして決定してもよい。このとき、前記コンテンツ決定手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツの中から、前記移動時間を超えることなく、かつ、前記移動時間に最も近い再生時間のコンテンツを前記コンテンツとして決定してもよい。たとえば、前記コンテンツ決定手段は、予めユーザからコンテンツの指定を取得し、指定されたコンテンツの再生時間が前記移動時間を超えない場合に、そのコンテンツを前記コンテンツとして決定する。これによって、コンテンツ配信装置が備えるコンテンツ記憶手段の中からユーザが予め選択しておいたコンテンツがユーザに配信される。
【0011】
また、前記コンテンツ決定手段は、指定された前記コンテンツの再生時間が前記移動時間を超える場合に、前記再生時間が前記移動時間内となるように、前記コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツを編集し、編集によって得られたコンテンツを前記コンテンツとして決定してもよい。同様に、前記コンテンツ決定手段は、前記嗜好に合致するコンテンツの再生時間が前記移動時間を超える場合に、前記再生時間が前記移動時間内となるように、前記コンテンツを編集し、編集によって得られたコンテンツを前記コンテンツとして決定してもよい。これによって、ユーザが指定したコンテンツ、あるいは、ユーザの嗜好に合致したコンテンツがユーザの移動時間を超える再生時間を有する場合であっても、再生時間がユーザの移動時間内となるようにコンテンツが編集された後に配信されるので、ユーザは、所望のコンテンツの視聴を中断することなく、コンテンツ全体を移動時間内で確実に視聴することができる。
【0012】
また、前記コンテンツ配信装置はさらに、駅区間ごとの所要時間を登録した駅情報を記憶する駅情報記憶手段を備え、前記移動時間算出手段は、前記駅情報を参照することで、前記移動時間を算出してもよい。このとき、前記コンテンツ配信装置はさらに、前記駅情報記憶手段に記憶された駅情報の所要時間を更新する駅情報更新手段を備え、前記移動時間算出手段は、前記駅情報更新手段によって更新された駅情報を参照することで、前記移動時間を算出してもよい。これによって、例えば、主にバスでの移動において、工事や事故、天気の影響、その他の要因による渋滞などによって道路が混雑している場合であっても、道路・交通情報や気象情報を参照することで駅区間での所要時間が混在状況に応じてリアルタイムに更新され、更新後の移動時間に応じてコンテンツが決定され、ユーザに配信される。さらには、車内の混雑度合いに応じてもバスの遅延などは発生するため、整理券の発券機や、バスカードを挿入する機器などで、乗客の乗車、降車具合を検知することで、それによる遅延への影響を考慮することもできる。
【0013】
また、前記改札機が通知する乗車区間には乗車駅だけが含まれ、前記コンテンツ配信装置はさらに、前記ユーザの行先を特定する行先特定手段を備え、前記移動時間算出手段は、前記乗車区間に含まれる乗車駅と前記行先特定手段で特定された行先から乗車区間を特定し、特定した乗車区間に基づいて前記移動時間を算出してもよい。これによって、乗車券からは行先が特定できない場合であっても、移動時間が算出され、移動時間に応じたコンテンツの配信が可能となる。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る車載用コンテンツ再生装置は、コンテンツを再生する車載用コンテンツ再生装置であって、車の行先である目的地を特定する目的地特定手段と、特定された目的地までの所要時間を算出する所要時間算出手段と、算出された所要時間で再生が終了するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、決定されたコンテンツを再生する再生手段とを備えることを特徴とする。これによって、目的地までの所要時間内に再生が完結するコンテンツが自動再生されるので、コンテンツの演奏途中で視聴を断念しなければならない等の不具合が回避される。
【0015】
ここで、前記コンテンツ再生装置はさらに、過去の走行履歴を蓄積した走行履歴蓄積手段と、車の現在位置を含む現在状況を検出する現在状況検出手段とを備え、前記目的地特定手段は、前記現在状況検出手段で検出された現在状況と前記走行履歴蓄積手段に蓄積された走行履歴とを照合することよって、目的地を予測し、予測した目的地を前記目的地として特定してもよい。これによって、予測された目的地に基づいてコンテンツが選択されるので、ユーザが目的地を入力しない場合であっても、移動時間内で再生が完結する適切なコンテンツが選択され、再生される。
【0016】
また、前記コンテンツ再生装置はさらに、運転者を含む車の搭乗者を検出する搭乗者検出手段と、ユーザごとのコンテンツの嗜好を示す嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段を備え、前記コンテンツ決定手段は、前記嗜好情報を参照することにより、前記搭乗者検出手段で検出された搭乗者の嗜好を特定し、特定した嗜好に合致するコンテンツを決定してもよい。これによって、ユーザは、自分の好みに合ったコンテンツを視聴することができ、大きな満足感を得ることができる。
【0017】
また、前記コンテンツ再生装置はさらに、複数のコンテンツを記憶しているコンテンツ記憶手段を備え、前記コンテンツ決定手段は、前記コンテンツ記憶手段に記憶されたコンテンツの中から、再生時間の合計値が前記所要時間を超えない範囲で複数のコンテンツを選択し、選択したコンテンツを前記コンテンツとして決定してもよい。このとき、前記コンテンツ再生装置はさらに、複数のコンテンツを順に再生するときの規則を示す規則データを記憶している規則データ記憶手段を備え、前記コンテンツ決定手段は、前記規則データが示す規則に従って、選択された前記複数のコンテンツの再生順序を決定し、前記再生手段は、前記コンテンツ決定手段によって決定された再生順序に従って前記複数のコンテンツを再生してもよい。これによって、例えば、走行行程の中間に向かって徐々に盛り上がるような曲調の楽曲が選択され、その後、到着に向かって徐々に静かになっていくような曲調の楽曲が自動的に選択され、ユーザは、演出されたコンテンツを聴きながら快適なドライブをすることができる。
【0018】
なお、本発明は、以上のようなコンテンツ配信装置や車載用コンテンツ再生装置として実現することができるだけでなく、コンテンツ配信方法、車載用コンテンツ再生方法、コンテンツ配信システム、そのためのプログラム、プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるコンテンツ配信システム10の全体構成を示す図である。このコンテンツ配信システム10は、電車やバス等での移動に要する所要時間に応じた音楽や映像等のコンテンツを自動配信するシステムであり、通信ネットワーク11で接続されたサーバ装置20、改札機30及び携帯端末40から構成される。
【0020】
改札機30は、駅やバス等に設置された改札機であり、定期券(あるいは、利用区間が記録されたコンピュータ読み取り可能な乗車カード等)31が挿入されたことを検知した場合に、そこに記録された情報(ここでは、ユーザを識別する「ユーザID」及び乗車区間を含む情報、以下、「定期券情報」という。)を、通信ネットワーク11を介してサーバ装置20に通知する。つまり、改札機30は、ユーザが駅構内に入場又は乗車することを検知すると、定期券等の乗車券から「定期券情報」を読み出してサーバ装置20に通知する。
【0021】
サーバ装置20は、改札機30から送られてくる定期券情報に従って、電車やバスを利用するユーザの移動に要する所要時間を特定し、その所要時間に対応したコンテンツ、つまり、移動時間内に終了するように編集されたコンテンツを、そのユーザが所有する携帯端末40に自動配信するコンピュータ等のサーバ装置である。
【0022】
携帯端末40は、ユーザが所持する携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯型端末装置であり、サーバ装置20から配信されてくる音楽又は映像コンテンツを受信して記憶するとともに、そのコンテンツを再生する機能を備える。
【0023】
図2は、図1におけるサーバ装置20の詳細な構成を示すブロック図である。サーバ装置20は、データ送受信部21、所要時間算出部22、コンテンツ選択部23、駅情報記憶部24、ユーザ情報記憶部25及びコンテンツ記憶部26から構成される。
【0024】
データ送受信部21は、通信ネットワーク11と本サーバ装置20とを接続する通信インターフェースである。
【0025】
所要時間算出部22は、改札機30から送られてきた定期券情報に従って、ユーザの移動にかかる所要時間を算出する処理部である。
【0026】
コンテンツ選択部23は、所要時間算出部22で算出された所要時間に基づいて、その所要時間に近く、かつ、その所要時間を超えることのない時間で再生が終了するコンテンツを、選択又は編集によって作成し、得られたコンテンツをデータ送受信部21に渡す処理部である。渡されたコンテンツは、データ送受信部21により、通信ネットワーク11を介して、ユーザが所持する携帯端末40に配信される。
【0027】
駅情報記憶部24は、全国における全ての隣接する2つの駅での電車及びバスの所要時間を予め記録した駅情報24aを記憶しているハードディスク等である。駅情報24aは、例えば、図3に示されるように、2つの駅を特定する「区間」とその区間での「所要時間」とが対応づけられたデータベースである。
【0028】
ユーザ情報記憶部25は、対象となる全てのユーザについて、コンテンツ配信先や嗜好に関する情報を集めたユーザ情報25aを記憶しているハードディスク等である。ユーザ情報25aは、例えば、図4に示されるように、コンテンツを配信する対象となるユーザを識別する「ユーザID」、コンテンツの「配信先」、「嗜好情報」(コンテンツのカテゴリー)等を対応づけたデータベースである。
【0029】
コンテンツ記憶部26は、音楽及び映像等のコンテンツデータベース26aと、そのコンテンツデータベース26aに含まれる全てのコンテンツについての属性情報等からなるコンテンツ情報26bとを記憶しているハードディスク等である。コンテンツ情報26bは、例えば、図5に示されるように、個々のコンテンツを識別する「コンテンツID」、そのコンテンツが属する「カテゴリー」、「再生時間」等を対応づけたデータベースである。
【0030】
次に、以上のように構成されたコンテンツ配信システム10の動作について説明する。
【0031】
図6は、本コンテンツ配信システム10によるコンテンツの自動配信の手順を示す通信シーケンスである。まず、改札機30は、電車又はバスに乗車しようとするユーザが挿入した定期券31を検知すると(S10)、その定期券31に記録されている「ユーザID」と「乗車区間」とを読み取り、定期券情報として、通信ネットワーク11を介してサーバ装置20に送信する(S11)。
【0032】
サーバ装置20のデータ送受信部21は、改札機30から送信されてきた定期券情報を受信し、所要時間算出部22に渡す(S12)。所要時間算出部22は、定期券情報に含まれる「ユーザID」がユーザ情報25aに登録されたものと一致するか否か照合することによって、コンテンツを配信する対象となるユーザであるか否かを確認し(S13)、コンテンツ配信の対象ユーザである場合には、定期券情報に含まれる「乗車区間」から、駅情報24aを参照することで、その乗車区間に対応する所要時間を算出する(S14)。つまり、「乗車区間」に含まれる全ての隣接区間の所要時間を駅情報24aから読み出して加算することで、その「乗車区間」の所要時間を算出する。
【0033】
続いて、所要時間算出部22は、ユーザ情報25aから、その「ユーザID」に対応する「配信先」及び「嗜好情報」を読み出し(S15)、「ユーザID」及び算出した「所要時間」と併せて、コンテンツ選択部23に通知する。
【0034】
コンテンツ選択部23は、コンテンツ情報26bを参照することにより、所要時間算出部22から通知された「嗜好情報」に属するコンテンツのうち、所要時間算出部22から通知された「所要時間」を超えないで、かつ、最も近い再生時間の「コンテンツID」を特定し、その「コンテンツID」に対応するコンテンツをコンテンツデータベース26aから読み出し、所要時間算出部22から通知された「配信先」と共にデータ送受信部21に渡す(S16)。コンテンツと配信先の指示を受け取ったデータ送受信部21は、その配信先に向けて、そのコンテンツを配信する(S17)。
【0035】
ユーザが携帯する携帯端末40は、サーバ装置20から配信されたコンテンツを受信し(S18)、その旨をユーザに通知する。その通知を受けたユーザは、自動配信されたコンテンツを再生する。なお、コンテンツの配信が終了すると続いて再生が行われるような連携動作が予め設定されている場合、あるいは、配信と再生とが並行して行われる映像等のストリーミング配信の場合には、明示的なユーザの指示を受けることなく、携帯端末40は、配信の完了後、あるいは、配信と並行してコンテンツを自動再生する。
【0036】
このように再生されるコンテンツは、ユーザの嗜好にマッチしたものであり、かつ、ユーザが乗車している時間内で演奏等が終了する。したがって、ユーザは、電車等に乗っている間に、好みのコンテンツを最初から最後まで確実に聴くことができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、サーバ装置20において選択されるコンテンツは、ユーザの嗜好が反映されたが、必ずしも、ユーザの嗜好を反映する必要はない。たとえば、ユーザが改札などを通過した後に携帯端末でコンテンツを指定したり、ユーザがサーバ装置20にアクセスして予め指定しておいたりしたコンテンツを配信するようにしてもよい。また、嗜好情報は、コンテンツのカテゴリーだけに限られず、楽曲であれば、アーティスト、ジャンル、曲調等であってもよいし、映像であれば、チャネル、番組名、出演者等であってもよい。そして、嗜好情報の登録については、ユーザがサーバ装置20にアクセスして事前に登録しておいてもよいし、ユーザが選択したコンテンツの履歴からサーバ装置20が自動抽出して登録してもよい。
【0038】
また、本実施の形態では、サーバ装置20において、算出された所要時間を超えることなく、かつ、その所要時間に最も近いコンテンツが選択されたが、配信の対象となるコンテンツは、単に選択されたコンテンツだけに限られず、再生時間を編集したり、複数のコンテンツを組み合わせることによって再生時間を調整した後のコンテンツ(コンテンツ群)であってもよい。その場合に、単にコンテンツを選択して配信するか、あるいは、コンテンツを編集した後に配信するかについては、様々な状況に依存させて決定すればよい。
【0039】
たとえば、図7(a)に示されるように、ユーザが予め指定しておいたコンテンツを配信するケースでは、そのコンテンツが所要時間内で終了するか否かを判断し(S20)、所要時間内に終了する場合に(S20でYes)、そのコンテンツをそのまま配信し(S22)、一方、所要時間内に終了しない場合には(S20でNo)、所要時間内に終了するようにコンテンツを編集した後に(S21)、コンテンツを配信する。あるいは、図7(b)に示されるように、ユーザの嗜好に応じたコンテンツを配信するケースでは、ユーザ情報25a等を参照することによってユーザの嗜好を特定し(S30)、その嗜好に合致したコンテンツを選択する(S31)。そして、そのコンテンツが所要時間内で終了するか否かを判断し(S32)、所要時間内に終了する場合に(S32でYes)、そのコンテンツをそのまま配信し(S34)、一方、所要時間内に終了しない場合には(S32でNo)、所要時間内に終了するようにコンテンツを編集した後に(S33)、配信する。
【0040】
なお、コンテンツの編集とは、1つのコンテンツが配信対象となる場合であれば、例えば、図8(a)に示されるように、1つのコンテンツを構成する部分コンテンツ(ここでは、ノーカットのシーンA、B、…、X、Y)ごとに対応づけられたダイジェクト(ここでは、ダイジェストA、B、…、X、Y)を記憶しておき、部分コンテンツごとにノーカット版かダイジェクト版かを選択して組み合わせることで、再生時間を調整してもよい。あるいは、複数の楽曲からなる音楽アルバムのように、複数のコンテンツが配信対象となる場合であれば、例えば、図8(b)に示されるように、各コンテンツの一部(ここでは、終了部分)をカットすることで、全体の再生時間を調整してもよい。
【0041】
また、本実施の形態では、ユーザの乗車に関する情報は、定期券31に記録された情報を読み出した改札機30によってサーバ装置20に通知されたが、ユーザが所持する携帯端末40によってサーバ装置20に通知されてもよい。たとえば、携帯端末40に定期券31に相当する情報が記憶されており、改札機30と携帯端末40とがRFID(無線ICタグ)などで通信することによって携帯端末40が定期券のような役割を果たす場合には、携帯端末40が「乗車区間」や「ユーザID」をサーバ装置20に通知してもよい。
【0042】
また、駅情報24aに記録される各駅区間の所要時間は、主にバスの路線などの場合に、道路・交通情報や気象情報、乗客の乗車・降車情報などを参照することで現在の道路の混雑具合などを反映して適応的に計算された所要時間が刻々と更新されながら記録されてもよい。たとえば、実際の電車の所要時間を検知してサーバ装置20にフィードバックさせることで、ユーザの移動時間あるいは残り移動時間をリアルタイムに更新し、最新の情報(残り移動時間)に基づいてコンテンツを選択し直し、配信するというように、所要時間の更新・コンテンツの選択・配信を繰り返してもよい。
【0043】
また、サーバ装置20がインターネット上あるいはユーザが所持する携帯端末40に記憶されたスケジュール等を参照することでユーザの行先を知ることができる場合には、必ずしも、乗車駅と降車駅とが対になってサーバ装置20に通知される必要はない。改札機30から通知された乗車駅と、スケジュール等から取得あるいは予測した行先から定まる区間を乗車区間として所要時間を算出してもよい。
【0044】
さらに、本コンテンツ配信システムによるコンテンツの配信を有料のサービスとしてもよい。例えば、プリペイドカード等の乗車券が改札機30に挿入されたときに、乗車区間あるいは乗車区間から定まる移動時間等に応じて、そのカードからコンテンツの配信サービスに係る料金を引き落とす。これによって、改札機30によって運賃とコンテンツ配信料とを同時に徴収することが可能となり、課金処理が簡略化される。
【0045】
また、ユーザ情報25aにユーザへのコンテンツ配信履歴情報を記憶しておいて、コンテンツがシリーズもの(前・後編、1巻から9巻、など)である場合には、直前にユーザに配信したコンテンツの続編を優先的に送信してもよい。
【0045】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における車載用コンテンツ再生装置について説明する。
【0046】
図9は、本実施の形態における車載用コンテンツ再生装置50の外観図である。この車載用コンテンツ再生装置50は、車内に設置されて用いられる装置であり、音楽コンテンツを再生する機能とカーナビゲーション機能とを備える。
【0047】
図10は、車載用コンテンツ再生装置50の構成を示す機能ブロック図である。この車載用コンテンツ再生装置50は、車が目的地に到達するまで自動的に楽曲を選曲し一定の規則に従って自動演奏する装置であり、状況検出部51、目的地予測部52、所要時間算出部53、音楽選択部54、音楽編集部55、再生部56、スピーカ57、地図データ記憶部60、履歴データ蓄積部61、嗜好情報記憶部62、規則データ記憶部63及び音楽コンテンツ記憶部64を備える。
【0048】
地図データ記憶部60は、全国の道路地図を示す地図データ60aと、走行経路を特定するためのノードデータベース60bとを記憶しているハードディスク等である。ノードデータベース60bは、図11に示されるように、全国における予め設定された主要な地点をノードとし、ノードごとの「ノード番号」、「種別、名称」、「東経」及び「北緯」を記録したデータベースである。
【0049】
状況検出部51は、各種状況(車の位置、日時、天気、運転者、同乗者など)を検出する検出器を有し、エンジンが始動されてから停止されるまでの各種状況を、図12に示されるような履歴データとして履歴データ蓄積部61に蓄積する処理部である。具体的には、エンジンキーの位置等からエンジンの状態を検出し、カーナビゲーション装置が備えるGPSによって現在位置を検出し、内蔵するカレンダー・タイマーによって日時を検出し、ワイパーの動作状態、雨滴センサ、温度・湿度センサ等から天気を検出し、各座席に組み込まれた着座センサ、運転席のシート位置、ミラーの調整位置、エンジンキーと一体化された赤外線送信器からのID信号、乗車する人が所有する携帯電話機からの無線信号によるID又は電話番号等から運転者及び同乗者を検出する。車の位置については、GPSで検出した位置がノードデータベース60bに登録されたいずれかのノードに位置するか否かを判定することで、ノード単位で判定し、経由したノードの連なりを走行経路として記録していく。図12に示されるように、履歴データ61aは、エンジンが始動してから停止されるまで(あるいは、出発地から目的地に到着するまで)の走行に関する情報を集めたものを1つのエントリ(単位)として蓄積されたデータベースであり、エントリごとに、その「日時」、エンジン始動から停止までの「所要時間」、「出発地」、ノードの連なりからなる「経路」、「目的地」、「天気」、「運転者」、「同乗者」等の項目が記録された情報である。
【0050】
履歴データ蓄積部61は、状況検出部51によって生成される履歴データ61aを蓄積するためのハードディスク等である。
【0051】
目的地予測部52は、状況検出部51で検知された状況(現在地、日時、天気運転者、同乗者等)を履歴データ蓄積部61に記憶された履歴データ61aと照合することによって、現在の走行における目的地を予測する処理部である。例えば、現在状況における日時(時間帯、曜日)、現在地、運転者、同乗者それぞれと一致する「日時(時間帯、曜日)」「出発地」、「運転者」、「同乗者」が記録された全てのエントリを履歴データ61aから抽出し、抽出したエントリに記録された全ての「目的地」のうち最も件数の多い「目的地」を予測目的地として予測する。
【0052】
所要時間算出部53は、目的地予測部52から通知された予測目的地までの所要時間を算出する算出部である。たとえば、地図データ60aを参照することによって、現在地から予測目的地までの距離を算出し、現在の走行における履歴データ61aを参照することによって、それまでの走行距離と走行時間とからそれまでの平均速度を算出し、目的地までの距離を平均速度で割ることによって目的地までの所要時間を算出する。あるいは、予測目的地と同一の「目的地」が記録された履歴データ61aの全てのエントリにおける「所要時間」を平均することによって、予測目的地までの所要時間を予測する。さらには、履歴データ61aのエントリ中で、予測が行われる状況と同一の状況のもののみ(例えば、同一時間帯、同一曜日など)における「所要時間」を平均化してもよい。
【0053】
嗜好情報記憶部62は、ユーザごとの音楽についての嗜好を示す嗜好情報62aを記憶しているハードディスク等である。嗜好情報62aは、図13に示されるように、ユーザを識別する「ユーザID」と、楽曲についての「嗜好(ここでは、好みのアーティスト、ジャンル、曲調など)」を対応づけたデータテーブルであり、ユーザによって予め登録された情報である。
【0054】
音楽コンテンツ記憶部64は、複数の楽曲についての音楽コンテンツ64aと、各楽曲の属性を示す音楽データ64bとを記憶しているハードディスク等である。音楽データ64bは、図14に示されるように、楽曲を識別する「楽曲ID」、「アーティスト」、「ジャンル」、「曲調」、「演奏時間」等が対応付けられたデータベースである。
【0055】
音楽選択部54は、目的地まで連続して演奏することが可能な、運転者及び同乗者が好む複数の楽曲を決定する処理部である。つまり、状況検出部51が生成した履歴データ61aの「運転者」及び「同乗者」を参照することによって現時点における運転者及び同乗者の「ユーザID」を特定し、嗜好情報62aを参照することによって「嗜好」を特定し、音楽データ64bを参照することによって「嗜好」に合致した「楽曲ID」及び「演奏時間」を読み出し、その「演奏時間」の合計が所要時間算出部53から通知された所要時間に達するまで「嗜好」に合致した「楽曲ID」の選択を繰り返す。
【0056】
規則データ記憶部63は、複数の楽曲を連続して再生するときの規則を示す規則データ63aを記憶しているメモリ等である。規則データ63aは、図15に示されるように、規則を識別する「規則No.」と、その規則の「内容」とを対応づけたデータテーブルであり、製造時に予め典型的なパターンとして登録されたり、ユーザの編集によって登録されたものである。規則の「内容」には、例えば、「走行行程の中間に向かって徐々に盛り上がるように曲を選択し、その後、到着に向かって徐々に静かになっていくように曲を選択する」、「運転者及び同乗者が好む曲を1曲ずつ順に再生する」等がある。
【0057】
音楽編集部55は、規則データ63aを参照することによって、予め設定された「規則No.」に対応する規則を読み出し、その規則に従って、音楽選択部54が選択した複数の楽曲の演奏順序を決定し、その順に、「楽曲ID」を再生部56に通知していく。
【0058】
再生部56は、音楽編集部55から通知された「楽曲ID」のコンテンツを音楽コンテンツ64aから読み出して音声信号として再生し、スピーカ57に出力するプレーヤである。スピーカ57は、再生部56からの音声信号を音として出力する車載スピーカである。
【0059】
次に、以上のように構成された車載用コンテンツ再生装置50の動作について説明する。
【0060】
図16は、車載用コンテンツ再生装置50による音楽コンテンツの自動再生の手順を示すフローチャートである。エンジンが始動されたとき、あるいは、ユーザによって自動再生が指定されると、目的地予測部52は、目的地を予測する(S50)。具体的には、状況検出部51で検知された状況(現在地、日時、天気運転者、同乗者等)を履歴データ蓄積部61に記憶された履歴データ61aと照合することによって、現在状況における日時(時間帯、曜日)、現在地、運転者、同乗者それぞれと一致する「日時(時間帯、曜日)」「出発地」、「運転者」、「同乗者」が記録された全てのエントリを履歴データ61aから抽出し、抽出したエントリに記録された全ての「目的地」のうち最も件数の多い「目的地」を予測目的地として予測する。
【0061】
続いて、所要時間算出部53は、目的地予測部52から通知された予測目的地までの所要時間を算出する(S51)。具体的には、地図データ60aを参照することによって、現在地から予測目的地までの距離を算出し、これまでの平均速度で割ることによって目的地までの所要時間を算出したり、履歴データ61aに記録された過去の「所要時間」から予測目的地までの所要時間を算出する。
【0062】
次に、音楽選択部54は、嗜好情報62aを参照することによって運転者及び同乗者の嗜好を特定し(S52)、続いて音楽データ64bを参照することによって、その嗜好に合致する1つの楽曲を選択する(S53)。そして、音楽データ64bに登録された「再生時間」を記録し積算することによって、それまで選択した楽曲の合計演奏時間が所要時間算出部53で算出された所要時間に達しているか否かを判断する(S54)。その結果、所要時間に達していない場合には(S54でYes)、嗜好に合致する他の楽曲を選択し(S53)、所要時間に達した場合には(S54でNo)、それまで選択した全ての楽曲の「楽曲ID」を音楽編集部55に通知する。
【0063】
最後に、音楽編集部55は、予め設定された「規則No.」に対応する規則を規則データ63aから読み出し、その規則に従って、音楽選択部54が選択した全ての楽曲の演奏順序を決定し、その順に、「楽曲ID」を再生部56に通知していく(S55)。たとえば、音楽選択部54から通知された楽曲が図17(a)の一覧に示される通りであり、予め設定された「規則No.」が「1」である場合には、音楽編集部55は、音楽データ64bに登録された各楽曲の「曲調」を参照することで、図17(b)に示されるように、走行行程の初期地点から中間地点に向かって、「素朴」な曲、「躍動感」ある曲、「激しい」曲の順に「楽曲ID」並べ、中間地点から目的地に向かって、「激しい」曲、「リズミカル」な曲、「ソフト」な曲の順に「楽曲ID」を並べる。
【0064】
このように並べられた「楽曲ID」が音楽編集部55から再生部56に通知され、この順で、楽曲が再生されるので、運転者及び同乗者は、自動演奏が開始されてから目的地に到着するまでに、自分達の好みの楽曲が演奏されるとともに、走行行程の中間に向かって徐々に盛り上がり、その後、到着に向かって徐々に静かになっていくように選曲された楽曲が順に演奏され、快適なドライブを楽しむことができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、所要時間の算出のために予測目的地が使用されたが、ユーザが設定した目的地であってもよい。ユーザが目的地設定を行うことで、その地点から目的地までの概算所要時間が自動計算されるので、その情報をもとに音楽選択を行ってもよい。
【0066】
また、所要時間については、目的地の予測を繰り返すことによって予測目的地が変更されたり、道路の混雑具合などの状況が変化したりした場合には、そのような動的な状況変化を反映して適応的に計算し直すことで、刻々と更新していってもよい。そして、更新された所要時間に基づいて、楽曲を選択し直したり、並べ替えたりしてもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、嗜好情報62aは、ユーザによって予め登録された情報であったが、ユーザによる楽曲の選曲履歴から嗜好を抽出することによって、自動生成されるものであってもよい。
【0068】
なお、選曲する直前に聴かれていた楽曲情報を利用して、その楽曲とのつながりが合うような選択基準を設けてもよい。例えば、エンジンをかけたときにユーザがまず、アーティストAの曲Mを選択したとする。音楽編集部55ではこのアーティストAという情報を利用して、アーティストAの楽曲を中心に編集したり、曲Mの曲調と似た曲調の楽曲を中心に編集したりすることが考えられる。
【0069】
以上、本発明に係るコンテンツ配信システム及び車載用コンテンツ再生装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0070】
たとえば、実施の形態1では、コンテンツは、サーバ装置20からユーザが所有する携帯端末40に直接配信されたが、SDカード等のメモリカードを介してユーザに配信されてもよい。
【0071】
図18は、メモリカード72を介してユーザにコンテンツを配信するコンテンツ配信システム70の全体構成を示す図である。図19は、そのようなコンテンツ配信システム70の動作を示す通信シーケンス図である。ユーザが定期券31を改札機30に入れると(S70)、定期券情報がサーバ装置20に送信され(S71、S72)、サーバ装置20においてユーザ確認が行われた後に(S73)、所要時間が算出され(S74)、嗜好情報に基づいてコンテンツが選択される点は(S75、S76)、実施の形態1と同じである。このコンテンツ配信システム70では、ユーザがメモリカード72をキオスク端末(情報「売店」端末)71に挿入し、メモリカード72に記憶されているユーザID、又は、キオスク端末71に入力されたユーザIDが取得されると(S77)、その旨がキオスク端末71からサーバ装置20に通知され(S78)、その結果、対応するコンテンツがサーバ装置20からキオスク端末71に配信され(S79)、視聴制限(例えば、1回しか視聴できない、所要時間に相当する時間内でしか視聴できない旨の制限)を付けた状態で、コンテンツがメモリカード72に書き込まれる(S80)。書き込みが完了すると、ユーザは、キオスク端末71からメモリカード72を取り出し、自分の携帯端末40に挿入することで、実施の形態1と同様にして、コンテンツを視聴することができる。
【0072】
なお、定期券情報は改札機30ではなくキオスク端末71で特定、処理されてもよい。つまり、ユーザはキオスク端末71に定期券31およびメモリカード72を挿入すると、キオスク端末71において乗車区間や所要時間にかかわる情報が読み出され、サーバ装置20で処理された後、コンテンツが同じくキオスク端末71でメモリカード72に書き込まれるというようにしてもよい。
【0073】
また、実施の形態1では、コンテンツは、ユーザが所有する携帯端末40に配信されたが、電車やバス内における座席の前に設けられたディスプレイ装置等に配信されてもよい。
【0074】
図20は、座席の前に設置されたディスプレイ装置83にコンテンツを配信するコンテンツ配信システム80の全体構成を示す図である。図21は、そのようなコンテンツ配信システム80の動作を示す通信シーケンス図である。ユーザが座席指定券81を改札機30に入れると(S80)、列車番号、乗車区間、指定席等の指定券情報が読み出されてサーバ装置20に送信され(S81、S82)、サーバ装置20においてユーザ確認が行われた後に(S83)、所要時間が算出され(S84)、嗜好情報に基づいてコンテンツが選択される点は(S85、S86)、実施の形態1と同じである。このコンテンツ配信システム80では、選択されたコンテンツは、対応する列車番号の情報に基づいて、サーバ装置20から列車内サーバ装置82に送信され(S87、S88)、さらに、対応する指定席の情報に基づいて、列車内サーバ装置82からユーザの指定席専用のディスプレイ装置83に配信され(S89、S90)、再生される。これによって、ユーザは、改札を通過した後、予約しておいた列車の指定席に座るだけで、乗車時間に応じた、好みのコンテンツを視聴することができる。なお、列車内サーバ装置82が座席情報をもっていない場合は、ユーザIDが記憶された指定券や、カード、携帯電話などを座席でセットすることで、ユーザの座席位置を把握するようにしてもよい。
【0075】
なお、本実施の形態では、コンテンツとして音楽や映像を例に説明したが、当然これらに限定されるものではなく、ラジオで放送されるように落語や漫才など音声情報のみで構成されるコンテンツであってもよい。
【0076】
また、実施の形態2においては、ユーザが目的地に到着するまでの時間に合わせて、楽曲等のコンテンツの選択を行った。しかしながら、ユーザは、習慣的にラジオやテレビ等のニュースや天気予報を聴取していることがある。この場合、目的地到着予想時刻まで再生されるコンテンツが選択されると、習慣的に聴取していた内容を車内で確認することができなくなる。そこで、ユーザのオーディオ操作の履歴から、ユーザの習慣を抽出し、楽曲等を再生可能な時間を計算することで、最適な楽曲選択を行う装置を実現してもよい。
【0077】
そのために、ユーザの習慣については、例えば、車載オーディオ機器の操作履歴から抽出する。たとえば、図10に示される履歴データ蓄積部61の履歴データとして、図22に示されるような車載ラジオや車載テレビ等の聴取履歴を蓄積しておく。本図に示されるようなラジオ、テレビのチャンネルの選択履歴より、ユーザは、普段、朝の8時前後には、テレビのチャンネルを6チャンネルに合わせて運転中に音声を聴取する習慣がある、ということが分かる。同様に、そのユーザは、夕方、18:50前後に802MHzに合わせてラジオを聴取する習慣がある、ということも分かる。これらの習慣は、図22に示される履歴データに対して、選曲されたチャンネル毎に、クラスタリング等の統計的手法を利用して解析することで検出することが可能である。このようにして検出された習慣を考慮して、楽曲等のコンテンツを選択する。
【0078】
例えば、ユーザが朝7時に乗車し、過去の運転履歴または、経路探索により、目的地到着予想時刻が8時30分であったとする。このとき、運転時間は90分であるが、普段の習慣により、8時からは6チャンネルを聴取していることがわかるため、楽曲コンテンツ等を再生できる時間は7時から8時までの60分間となる。そこで、図10における所要時間算出部53は、このような時間計算を行い、その結果を音楽選択部54に通知することで、音楽選択部54は、60分間に合わせた楽曲等のコンテンツを選択することとなる。これにより、ユーザは、7時から8時までは、楽曲コンテンツを再生し、8時から8時30分までは、6チャンネルを聴取することが可能になる。
【0079】
なお、楽曲等のコンテンツ再生が、途中停止等の操作が行われたために、終了予定時刻を越えてしまう場合には、ラジオ、テレビ等の公共放送コンテンツをハードディスク等に録画・録音しておき、楽曲等のコンテンツの再生を終了した後に、あらためて、録画・録音されたコンテンツを再生してもよい。
【0080】
また、このようにユーザの習慣を考慮して所要時間を調整することは、実施の形態1にも適用することが可能である。たとえば、電車における普段のコンテンツ再生の時間を抽出することで、再生できる楽曲等のコンテンツ再生時間を決定してもよい。
【0081】
また、実施の形態2においては、ユーザが目的地に到着するまでの時間に合わせて楽曲等のコンテンツの選択が行われたが、ユーザの道路に対する親和度に応じてコンテンツを選択してもよい。ここで、道路に対する親和度とは、ユーザがその道路をどれくらい通行しなれているかの度合であり、ユーザが通勤や通学等で普段から通行しなれた道に関しては親和度が高く、ユーザがはじめて通行する道に関しては親和度が低いものとする。このような、道路に対する親和度は、ユーザの走行履歴から自動的に判断することが可能である。例えば、図23に示されるように、各道路に対して通行した回数を過去の運転履歴から計算することで、運転者の道路に対する親和度を近似的に求めることができる。この結果を利用して、運転者にとって親和度が高い道路(走行回数が多い道路)を走行する時間を予測し、その時間に対応する楽曲等のコンテンツを選択することが可能となる。たとえば、ユーザが普段、走りなれた道路を走行する時間を計算し、その時間分だけ再生される楽曲等のコンテンツを選択して再生する。これによって、普段、走行しなれない道路を走行するときには楽曲の再生をしないことで運転に集中できるようにし、慣れた道路を走行するときにのみ楽曲を再生することが可能になる。なお、親和度の計算については、図24に示すように、道路地図を格子状に分割し、各格子に対して、ユーザが過去に滞在した時間に応じて、各地域に対する親和度を計算してもよい。
【0082】
また、交通情報が多く入る地点や通行に注意が必要な道路等を走行するときには、楽曲を再生しないように、あらかじめ楽曲のスケジューリングを行ってもよい。特に、複雑な交差点や幅の狭い道路、山道等、通行に注意が必要な道路を走行するときにはコンテンツが再生されないように、あらかじめ楽曲再生のスケジュールを設定しておく。そして、そのような道路を走行したときには、楽曲の再生を中止し、「しばらく運転に集中してください」等のアナウンスをいれるようにしてもよい。通行に注意が必要な道路か否かは、例えば、ユーザが地図に対応づけて設定しておくことで判断すればよい。
【0083】
また、車両の走行距離が少ないときには、ドライバがまだ車に慣れていないと判断し、楽曲の再生を控えるようにしてもよい。同様に、高速道路等を直進走行が連続する走行時間をあらかじめ算出し、その時間に応じて、楽曲等のコンテンツを選択してもよい。さらに、高速道路等の走行においては、2時間おきに休憩をとることを促すために、2時間単位で楽曲を選択してもよい。
【0084】
図25は、道路に対する親和度を考慮してコンテンツを選択・再生する車載用コンテンツ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。このコンテンツ再生装置は、図10に示される構成に、親和度判定部58を付加したものである。親和度判定部58は、目的地予測部52の出力と履歴データ61aを参照して、これから走行される経路に対して親和度を判定する。所要時間算出部53は、目的地予測部52により予測された経路の中で、親和度判定部58により親和度が高いと判定された部分経路を走行するのに要する所要時間を、運転にあまり集中せずに運転できる時間として算出する。このように算出された時間は、運転者にとって楽曲を再生可能な時間、すなわち楽曲再生可能時間となる。
【0085】
上述したように、運転者は過去の運転履歴等から、はじめて走行する経路であるときは、特に、運転に集中しなければならないが、通勤や通学等で利用している経路であれば、注意を要する交差点等を十分に熟知している場合がある。このように、目的地までの経路が決定され、その所要時間が抽出されたとしても、運転者にとって、注意して走行しなければならない経路と、運転の慣れた経路とが存在する。運転者の過去の移動履歴や、運転している時間帯、天候などの情報を加味し、楽曲を再生可能な時間を推定する必要がある。
【0086】
ユーザが走行する経路に対して、楽曲を再生可能な経路であるかどうかという判定は、例えば次のようにすることもできる。図26に示すように、状況検出部51は、各道路に対して、その道路を走行しているときに楽曲が再生されていたか否かを履歴データ蓄積部61に蓄積しておく。親和度判定部58は、履歴データ蓄積部61に蓄積された履歴データ61aを参照することで、楽曲再生回数があらかじめ設定された閾値より高い道路(つまり、親和度の高い道路)を車が走行するか否かを判定する。その結果、閾値より高い道路を車が走行すると判定された場合に、所要時間算出部53は、その道路を走行する時間を、楽曲を再生する時間として計算する。このように、親和度判定部58は、ユーザにとって親和度の高い経路であるか否かを、過去に楽曲が再生されていた頻度に基づいて判定する。
【0087】
なお、過去の移動履歴から、目的地に応じて、目的地に到着するまでに楽曲を再生していた場合には、その目的地に到着するまでは、楽曲を再生できる時間として計算してもよい。つまり、親和度判定部58は、移動履歴において出発地から目的地まで楽曲が再生されていた場合には、その経路を親和度の高い経路と判定してもよい。
【0088】
また、地図データ記憶部60等に、自宅の場所が登録されている場合や、通勤場所等が登録されている場合には、その場所付近は、運転しなれた経路として判断し、楽曲を再生できる時間として計算することも可能である。すなわち親和度判定部58は、自宅や通勤場所付近の経路については、親和度が高いと判定してもよい。
【0089】
また、自宅を出発するときに目的地設定が行われ、履歴データ61aから目的地がはじめて行く場所であると判断できるときには、自宅から目的地までの経路のうち、自宅からの普段走行しなれた経路については、親和度が高いと判定し、楽曲を再生するが、はじめて走行する経路については、親和度が低いと判定し、楽曲を再生する時間に含めないようにして楽曲再生時間を計算してもよい。なお、はじめて走行する場合であっても、高速道路等の定常的な走行をする経路は、楽曲を再生する時間として計算してもよい。つまり、親和度判定部58は、地図データ60aを参照することで、車が高速道路を走行するか否かを判定し、高速道路を走行する場合には、親和度の高い道路を走行すると判定してもよい。
【0090】
一方で、運転する必要がない、助手席や後部座席に乗車するユーザに対しては、目的地までの所要時間に応じて動画等のコンテンツを選択してもよい。このとき、観光地等のドライブで、周囲の景色を楽しめる場合には、その場所を走行する時間を差し引いて、コンテンツを再生する時間を計算してもよい。観光地において、周囲の景色が楽しめる経路であるか否かの情報は、地図データ記憶部60にあらかじめ記憶されているものとする。例えば、「○○ドライブウエイ」等を走行する場合には、その経路を走行する時間を差し引いてコンテンツの選択を行えばよい。逆に、都市圏の高速道路を走行している間は、楽曲を再生する時間として計算することが可能である。
【0091】
また、実施の形態1では、ユーザが交通機関を使って移動している時間に合わせてコンテンツが選択された。しかしながら、コンテンツが高解像度や長時間の動画であるなどコンテンツ容量が大きい場合には、コンテンツをダウンロードする時間や、コンテンツを記録メディアに書き込む時間等を考慮する必要がある。特に、電車等の交通機関においては、電波が人体に及ぼす影響などのために電車内で携帯端末による通信ができないよう規制があったり、乗車中の電波状況等の要因のため移動体でコンテンツを再生しながらダウンロードすることが困難な場合がある。そのような場合には、駅等に設置された端末を利用して、コンテンツをモバイル記録メディアや再生端末にダウンロードする必要がある。例えば、4Gバイトのコンテンツが記録メディアに書き込まれる場合、転送速度が10Mバイト/秒であったとしても、約6分40秒(400秒)かかってしまう。そのため、電車等の待ち時間が十分にない場合には、このコンテンツが選択されたとしても、記録メディアに書き込んでいる間に電車に乗り遅れてしまう。したがって、記録メディアへの書込み時間も考慮してコンテンツを選択する必要がある。
【0092】
図27は、コンテンツを記録メディアに書き込むのに要する時間を考慮した上で移動中の時間内に再生が収まるようなコンテンツを自動的に選択して配信するコンテンツ配信システムにおけるサーバ装置の構成を示す機能ブロック図である。このサーバ装置は、図2に示された構成に加えて、現在時刻とユーザが利用する交通機関の情報から待ち時間を検出する待ち時間検出部27と、端末の記録メディア書込み性能、ネットワークの品質による転送速度をもとにコンテンツの書込みに要する時間を推定するコンテンツ書込み時間予測部28とを備える。
【0093】
待ち時間検出部27では、駅情報記憶部で記憶されている列車の発車時刻表からユーザが乗車するであろう列車の発車時刻と、現在時刻の差からユーザが列車を待っている時間を計算する。
【0094】
コンテンツ書込み時間予測部28は、ユーザがコンテンツを書き込む記録メディアまたは端末の性能と、サーバから駅の端末へコンテンツを送信するのに必要な時間(転送時間)とを考慮して、記録メディアに書き込みが完了するのに要する時間を推定する。
【0095】
コンテンツ選択部23は、コンテンツ書込み時間予測部28で推定された書込み時間と、待ち時間検出部27で検出された待ち時間と、所要時間算出部22で算出された所要時間とから、コンテンツを選択する。たとえば、待ち時間検出部27で検出された待ち時間以内でユーザの記録メディアに書き込むことができ、かつ、所要時間算出部22で算出された所要時間内に再生が完了するコンテンツを選択する。
【0096】
図28は、図27に示されるサーバ装置等から構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信の手順を示す通信シーケンス図である。ステップS10〜S15は、図6に示された手順と同様である。
【0097】
所要時間算出部22によってユーザの「嗜好情報」がコンテンツ選択部23に通知された後に(S15)、コンテンツ書込み時間予測部28は、携帯端末40からデータ送受信部21を経て端末情報(ユーザが所有する記録メディアまたは端末の性能を示す情報)を取得し(S19a)、取得した端末情報と、サーバ装置20から駅の端末(キオスク端末)へのコンテンツ配信に要する転送時間とを考慮して、記録メディアに書き込みが完了するのに要する時間を推定する(S19b)。コンテンツ選択部23は、コンテンツ書込み時間予測部28で推定された書込み時間と、待ち時間検出部27で検出された待ち時間と、所要時間算出部22から通知された「嗜好情報」及び所要時間とから、コンテンツを選択する。たとえば、待ち時間検出部27で検出された待ち時間以内でユーザの記録メディアに書き込むことができ、かつ、所要時間算出部22から通知された「嗜好情報」に合致し、かつ、所要時間内に再生が完了するコンテンツを選択する。
【0098】
続いて、コンテンツ選択部23は、選択したコンテンツがキオスク端末に置かれているか否かを判断し(S19c)、置かれていない場合には、そのコンテンツをキオスク端末に送信し(S19d、S19e)、キオスク端末を介してユーザの記録メディアにコンテンツを書き込み(S19f)、置かれている場合には、その旨をキオスク端末に指示することで、キオスク端末がユーザの記録メディアにコンテンツを書き込む(S19f)。
【0099】
なお、このサーバ装置が、駅等に設置されている場合には、ネットワークを介してコンテンツを送信する必要がなくなるため、コンテンツ書込み時間予測部28は、記録メディアへの書込み時間のみで記録メディア書込み時間を推定する。例えば、図29に示すように、コンテンツとその種類、各コンテンツの容量に関する情報があらかじめ蓄積されていたときに、ユーザが持参した記録メディアやユーザの端末にコンテンツを転送し、書き込むために必要な時間が1秒あたり100KBであったとする。このとき、コンテンツ書込み時間予測部28は、各コンテンツの容量から、各コンテンツを書き込むために必要な時間(図29の右の欄)を計算する。計算された時間に基づいて、コンテンツ選択部23は、ニュースに関するコンテンツをユーザに配信する場合でも、電車の待ち時間が少なく十分に書き込む時間がとれない場合には、図29に示されたコンテンツIDが「1」や「4」のコンテンツを選択するのではなく、コンテンツIDが「2」のコンテンツを選択して配信する。なお、同一のコンテンツであっても解像度や圧縮率の異なる、つまりコンテンツ容量が異なる複数のファイルをコンテンツ記憶部26に格納しておき、コンテンツ選択部23は、コンテンツの書き込み可能時間に応じて適切なファイルを選択し配信してもよい。
【0100】
また、ユーザが列車を指定するときに、列車によって所要時間が異なる場合には、列車の指定席を決定する際に、コンテンツも同時に設定してもよい。例えば、京都から名古屋へ行く場合に、ひかりに乗車するか、こだまに乗車するかで、列車が発車するまでの待ち時間、すなわちコンテンツを書き込むことが可能な時間は異なり、また列車の乗車時間、すなわちコンテンツの再生が可能な時間が異なる。そこで、コンテンツ選択部23は、図30に示すような画面をユーザに提示し、指定席を発行する際に各列車の乗車時間に合わせてユーザ自身がコンテンツや列車を選択してもよい。
【0101】
また、列車内においては、決められた時刻に列車の乗り換え案内等の車内アナウンスが行われる場合も多い。そこで、コンテンツを選択して音楽リストを作成する場合に、車内アナウンスが入る時刻を考慮してコンテンツを選択してもよい。例えば、車内アナウンスが入る時刻に楽曲の切替えタイミングを合わせたり、静かな楽曲の選択を優先する等の処理をしてもよい。
【0102】
また、アナウンスされる情報があらかじめ取得可能な場合には、再生されるコンテンツ内にあらかじめ埋め込んでおいてもよい。例えば、コンテンツの再生を開始してから30分後に到着する駅で、列車を乗り換える必要があるとすると、再生開始から25分程度経過した時点で乗換え案内のアナウンス情報が再生されるようにコンテンツを構成しておく。このようにすることで、生の車内アナウンスを聞くことが困難な場合であっても、ユーザは、携帯端末で再生される乗換えアナウンスを聞くことができ、乗り過ごすことなく、列車を乗換えることができる。
【0103】
以上のように、本発明に係るコンテンツ配信装置によれば、ユーザは、改札機を通過するだけで、ユーザの移動時間内に再生が完結するようなコンテンツが自動的に選択され、配信を受けることができるので、配信されたコンテンツ全体を移動中に確実に視聴することができる。
【0104】
また、ユーザは、自分の好みに合ったコンテンツの配信を受けて視聴することができ、大きな満足感を得ることができる。
【0105】
また、ユーザが指定したコンテンツ、あるいは、ユーザの嗜好に合致したコンテンツがユーザの移動時間を超える再生時間を有する場合であっても、再生時間がユーザの移動時間内となるようにコンテンツが編集された後に配信されるので、ユーザは、所望のコンテンツの視聴を中断することなく、コンテンツ全体を移動時間内で視聴することができる。
【0106】
また、本発明に係る車載用コンテンツ再生装置によれば、目的地までの所要時間内に再生が完結するコンテンツが自動再生されるので、コンテンツの演奏途中で視聴を断念しなければならない等の不具合が回避される。
【0107】
また、予測された目的地に基づいてコンテンツが選択されるので、ユーザが目的地を入力しない場合であっても、移動時間内で再生が完結する適切なコンテンツが選択され、再生される。
【0108】
このように、本発明によれば、ユーザの移動時間に応じた適切なコンテンツがユーザに自動配信されたり、自動選曲による自動演奏が行われ、移動中の人あるいは運転者等に対してリラックス感や安らぎ感が与えられ、本発明の実用的価値は極めて高い。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明に係るコンテンツ配信装置は、インターネット等の通信ネットワークを介して音楽データ等のコンテンツを携帯端末装置等に配信するサーバ装置として、また、本発明に係るコンテンツ再生装置は、音楽データ等のコンテンツを再生する車載用コンテンツ再生装置、オーディオプレーヤー、カーナビゲーション一体型オーディオ機器などとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態1におけるコンテンツ配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】 図2は、図1におけるサーバ装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】 図3は、駅情報記憶部に記憶されている駅情報の例を示す図である。
【図4】 図4は、ユーザ情報記憶部に記憶されているユーザ情報の例を示す図である。
【図5】 図5は、コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツ情報の例を示す図である。
【図6】 図6は、コンテンツ配信システムによるコンテンツの自動配信の手順を示す通信シーケンス図である。
【図7】 図7は、コンテンツを編集した後に配信する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 図8は、コンテンツの編集例を示す図である。
【図9】 図9は、本発明の実施の形態2における車載用コンテンツ再生装置の外観図である。
【図10】 図10は、車載用コンテンツ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図11】 図11は、地図データ記憶部に記憶されているノードデータベースの例を示す図である。
【図12】 図12は、履歴データ蓄積部に蓄積される履歴データの例を示す図である。
【図13】 図13は、嗜好情報記憶部に記憶されている嗜好情報の例を示す図である。
【図14】 図14は、音楽コンテンツ記憶部に記憶されている音楽データの例を示す図である。
【図15】 図15は、規則データ記憶部に規則データの例を示す図である。
【図16】 図16は、車載用コンテンツ再生装置による音楽コンテンツの自動再生の手順を示すフローチャートである。
【図17】 図17は、(a)は音楽選択部で選択された楽曲の一覧を示し、(b)は音楽編集部によって並べられた楽曲の順を示す図である。
【図18】 図18は、メモリカードを介してユーザにコンテンツを配信するコンテンツ配信システムの全体構成を示す図である。
【図19】 図19は、同コンテンツ配信システムの動作を示す通信シーケンス図である。
【図20】 図20は、座席の前に設置されたディスプレイ装置にコンテンツを配信するコンテンツ配信システムの全体構成を示す図である。
【図21】 図21は、同コンテンツ配信システムの動作を示す通信シーケンス図である。
【図22】 図22は、ユーザの習慣を示す履歴データの例を示す図である。
【図23】 図23は、各道路に対して通行した回数を示す運転履歴のデータ例を示す図である。
【図24】 図24は、道路に対する親和度の計算例を説明するための図である。
【図25】 図25は、道路に対する親和度を考慮してコンテンツを選択・再生する車載用コンテンツ再生装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図26】 図26は、道路を走行しているときに再生されていた楽曲に関する履歴データの例を示す図である。
【図27】 図27は、コンテンツを記録メディアに書き込むのに要する時間を考慮するコンテンツ配信システムにおけるサーバ装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図28】 図28は、図27に示されるサーバ装置等から構成されるコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信の手順を示す通信シーケンス図である。
【図29】 図29は、コンテンツとその種類、各コンテンツの容量に関する情報があらかじめ登録されたデータ例を示す図である。
【図30】 図30は、指定席を発行する際に各列車の乗車時間に合わせてユーザ自身がコンテンツや列車を選択する画面表示例を示す図である。

Claims (6)

  1. コンテンツを再生する携帯端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、
    ユーザIDごとにコンテンツの配信先となる携帯端末を特定する情報が対応づけられたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
    改札機の検出手段により、ユーザが所有する利用区間が記録されたコンピュータ読み取り可能な乗車カードの情報を参照して、ユーザが駅構内に入場又は乗車することを検知するとともに前記改札機の検出手段により、前記乗車カードの情報を参照して、少なくとも乗車区間を特定し、特定した乗車区間に基づいて、乗り物によるユーザの移動時間を算出する移動時間算出手段と、
    算出された移動時間内で再生が終了するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、
    前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記改札機の検出手段から通知されるユーザIDに対応する携帯端末を特定し、特定した携帯端末に、前記コンテンツ決定手段で決定されたコンテンツを配信する配信手段と、
    前記改札機の検出手段によって特定された乗車区間に対応する交通機関の情報と現在時刻とから、乗車するまでの待ち時間を検出する待ち時間検出手段と、
    前記配信手段が前記コンテンツの配信を開始してから前記携帯端末の記録メディアへの書き込みが完了するのに要する時間を推定するコンテンツ書き込み時間予測手段とを備え、
    前記コンテンツ決定手段は、前記コンテンツ書き込み時間予測手段によって推定されたコンテンツ書き込み時間と前記待ち時間検出手段によって検出された待ち時間とに基づいて、前記待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了するか否かを判断することにより、前記移動時間内に再生が終了し、かつ、前記待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了するコンテンツを決定する
    ことを特徴とするコンテンツ配信装置。
  2. 前記コンテンツ書き込み時間予測手段は、前記携帯端末の記録メディア書き込み性能、又は、ネットワークの品質に関わる転送速度をもとに、コンテンツの書き込みに要する時間を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ配信装置。
  3. 前記コンテンツ決定手段は、前記移動時間算出手段により算出された移動時間内に再生が終了するコンテンツとして、前記待ち時間検出手段によって検出された待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了する解像度及び圧縮率のファイルを選択する
    ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ配信装置。
  4. 前記待ち時間検出手段は、前記改札機の検出手段によって特定された乗車区間に対応する交通機関の発車時刻の情報と現在時刻との差から、乗車するまでの待ち時間を検出する
    ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ配信装置。
  5. コンテンツを再生するための携帯端末と改札機とに通信ネットワークで接続されたサーバ装置によるコンテンツの配信方法であって、
    前記サーバ装置は、ユーザIDごとにコンテンツの配信先となる携帯端末を特定する情報が対応づけられたユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段を備え、
    前記コンテンツ配信方法は、
    改札機の検出手段により、ユーザが所有する利用区間が記録されたコンピュータ読み取り可能な乗車カードの情報を参照して、ユーザが駅構内に入場又は乗車することを検知するとともに、前記改札機の検出手段により、前記乗車カードの情報を参照して、少なくとも乗車区間を特定し、特定した乗車区間に基づいて、乗り物によるユーザの移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
    算出された移動時間内で再生が終了するコンテンツを決定するコンテンツ決定ステップと、
    前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報に基づいて、前記改札機の検出手段か ら通知されるユーザIDに対応する携帯端末を特定し、特定した携帯端末に、前記コンテンツ決定ステップで決定されたコンテンツを配信する配信ステップと、
    前記改札機の検出手段によって特定された乗車区間に対応する交通機関の情報と現在時刻とから、乗車するまでの待ち時間を検出する待ち時間検出ステップと、
    前記配信ステップにおいて前記コンテンツの配信を開始してから前記携帯端末の記録メディアへの書き込みが完了するのに要する時間を推定するコンテンツ書き込み時間予測ステップとを含み、
    前記コンテンツ決定ステップでは、前記コンテンツ書き込み時間予測ステップによって推定されたコンテンツ書き込み時間と前記待ち時間検出ステップによって検出された待ち時間とに基づいて、前記待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了するか否かを判断することにより、前記移動時間内に再生が終了し、かつ、前記待ち時間内にコンテンツの書き込みが終了するコンテンツを決定する
    ことを特徴とするコンテンツ配信方法。
  6. コンテンツを再生するための携帯端末と改札機とに通信ネットワークで接続されて用いられるコンテンツ配信装置のためのプログラムであって、
    請求項5記載のコンテンツ配信方法に記載されたステップをコンピュータに実行させる
    ことを特徴とするプログラム。
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