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JP4089164B2 - γ−グルタミル化によるアミノ酸の呈味性(嗜好性)改善方法 - Google Patents

γ−グルタミル化によるアミノ酸の呈味性(嗜好性)改善方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミノ酸、特に、フェニルアラニン(Phe)、メチオニン(Met)、ヒスチジン(His)、ロイシン(Leu)、又はバリン(Val)のγ−グルタミル化による、該アミノ酸の苦味低減化、酸味増加、及び/又は呈味性(嗜好性)改善、並びに、γ−グルタミルアミノ酸の製造方法に関する。尚、本明細書中における「アミノ酸」とは、γ−グルタミル化されていないアミノ酸を意味する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アミノ酸は栄養成分等として、栄養ドリンク等の健康・栄養食品に添加されている。しかしながら、アミノ酸の中には、苦味等を有することにより、それらの呈味性(嗜好性)が問題となることがあった。
【0003】
一方、γ−グルタミルアミノ酸はグルタミン分子中のγ位カルボキシル基が他種アミノ酸分子中のアミノ基とペプチド結合した物質の総称である。各種動物組織、微生物及び植物界に広く分布しているγ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)(γ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT))の作用により、アミノ酸にグルタチオンが反応して、グルタチン分子中のγ−グルタミル基が受容体となりアミノ酸に転移されて対応するγ−グルタミルアミノ酸が生成される。又、広範囲の動物組織や臓器中に見出されるγ−グルタミルシクロトランスフェラーゼの作用によって、L−ピログルタミン酸とL−アミノ酸に容易に変換される。
又、特開昭57−132896号公報には、γ−グルタミルシステインシンターゼを用いて、特定のアミノ酸を用いてγ−グルタミルアミノ酸を製造する方法が開示されており、それらのγ−グルタミルアミノ酸の多くが抗酸化剤として食品に添加され得る旨の記載がある。しかしながら、該公報には、γ−グルタミルアミノ酸の味覚に関しては何等開示されていない。又、メチオニン、ロイシン、又はバリンを使用したγ−グルタミル化によるγ−グルタミルアミノ酸の製造についても記載されていない。
【0004】
γ−グルタミルアミノ酸の製造についてはこれまでに幾つかの方法が報告されている。例えば、アルカリゲネス、エルビニア、コリネバクテリウムを用いて他のγ−グルタミルアミノ酸からGlu残基を転移させる方法(特公昭56−5519)、セラチア、エルビニア、コリネバクテリウムを用いてグルタミン酸とアミノ酸から生成させる方法(特公昭56−5520)、及びγ−グルタミルシステインシンターゼを用いてグルタミン酸又はαケトグルタール酸とアミノ酸から製造する方法(特公平1−41315)を挙げることが出来る。又、グルタミル基ドナーとしてグルタミンを用いてγ−グルタミルアミノ酸を製造する方法(J. Bacteriol. Vol. 168, p.1325-1331 (1986)、特開平8−89266)が知られている。このグルタミル基ドナーとしてグルタミンを用いる方法は工業的には有用であるが、γ−グルタミルアミノ酸の生成量が低いという問題点があった。
【0005】
一方、J. Bacteriol. Vol. 160, p.341-346 (1984)にはP.mirabilis のGGT酵素の精製について、又、J. Bacteriol. Vol. 168, p.1325-1331 (1986)には大腸菌のGGT酵素の精製について、夫々記載されている。又、BBRC, Vol.150, p.33-38 (1988) には遺伝子クローニングによるGGT活性増強とその酵素精製について記載されている。更に、特開平3−232486には、B.subtilis のGGT遺伝子の増幅について記載されている。しかしながら、いずれの文献にも、GGT又は組換えGGTを用いたγ−グルタミルアミノ酸の製造方法については何等開示されていない。又、これらの文献には、γ−グルタミルアミノ酸の味覚に関しても何等開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、アミノ酸、特に、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、又はバリンの苦味を低減し、それらの呈味性(嗜好性)を改善することにある。更に本発明の目的は、新規なγ−グルタミルアミノ酸の製造方法を提供することである。
【0007】
本発明者は、鋭意研究の結果、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、又はバリンをγ−グルタミル化することにより、それらのアミノ酸が有する苦味が有意に低減し、酸味が有意に増加し、及び/又は呈味性(嗜好性)が有意に改善されることを見出し、本発明を完成させた。更に、γGTP酵素反応により、γ−グルタミルアミノ酸が効率的に製造されることを見出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸をγ−グルタミル化することから成る、該アミノ酸の苦味低減、酸味増加、及び/又は呈味性(嗜好性)改善方法に係る。
【0009】
更に、本発明は、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸を含む食品において、該少なくとも一つのアミノ酸の少なくとも一部を、夫々のアミノ酸に対応するγ−グルタミルアミノ酸、即ち、γ−グルタミルフェニルアラニン、γ−グルタミルメチオニン、γ−グルタミルヒスチジン、γ−グルタミルロイシン、及びγ−グルタミルバリンに代えることによる、該食品の改質方法に係る。
更に、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸の少なくとも一部に代えて、夫々のアミノ酸に対応するγ−グルタミルアミノ酸を使用することを特徴とする、食品の製造方法に係る。
【0010】
更に、本発明は、上記方法で得られる食品、即ち、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸を含む食品において、該少なくとも一つのアミノ酸の少なくとも一部が、夫々のアミノ酸に対応するγ−グルタミルアミノ酸で代えられていることを特徴とする該食品に係る。尚、食品にアミノ酸とそれに対応するγ−グルタミルアミノ酸の両者が含まれている場合には、該アミノ酸の少なくとも一部が対応するγ−グルタミルアミノ酸で代えられているものと見なされ、従って、かかる食品は本発明方法によって改質又は製造された、本発明の食品に含まれる。
【0011】
又、本発明は、γ−グルタミルフェニルアラニン、γ−グルタミルメチオニン、γ−グルタミルヒスチジン、γ−グルタミルロイシン、及びγ−グルタミルバリンから成る群から選択された少なくとも一つのγ−グルタミルアミノ酸を有効成分として含有する栄養剤、及び該栄養剤を含む食品に係る。
【0012】
更に、本発明はグルタミル供与体としてのグルタミン、グルタミル受容体としてのアミノ酸、及びγ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)酵素を反応させることから成る、γ−グルタミルアミノ酸の製造方法に係る。
【0013】
該γ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)酵素は、当該酵素の遺伝子によって形質転換された大腸菌から調製されたものであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
γ−グルタミルアミノ酸自体は公知物質であり、例えば、Bachem 社、Sigma 社等から市販されており入手可能である。又、各アミノ酸はL−体である。
【0015】
或いは、当業者であれば、前述の各文献に記載された方法でγ−グルタミルアミノ酸を調製することが出来る。更に、以下の実施例で具体的に示すように、本発明の製造方法によって、γ−グルタミルアミノ酸を容易に生成することも出来る。γ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)酵素の由来は特に問わないが、例えば、大腸菌及びP.mirabilis 等の細菌を挙げることが出来、更に、遺伝子組換えによって該酵素の遺伝子が増強された大腸菌から調製された酵素も使用できる。又、使用する該酵素は精製されていることが好ましい。尚、反応条件及び反応生成物の精製条件等は当業者が適宜選択して決めることが出来る。
【0016】
本明細書において、「苦味低減」、「酸味増加」、及び「呈味性(嗜好性)改善」とは、以下に示す味覚テストにおいて、アミノ酸と比較してそれに対応するγ−グルタミルアミノ酸が有意な程度に、「苦味」が低減し、「酸味」が増加し、及び「呈味性(嗜好性)」が改善されていることを意味する。
【0017】
味覚テスト
複数人(人数に特に制限はない。例えば、8人)から成る被験者グループ(健常成人、男女問わず)によって、まず予備試験を行い、各アミノ酸について苦味を感じる最低濃度を求める。こうして決められた最低濃度及びその他の所定の濃度においてアミノ酸とそれに対応するγ−グルタミルアミノ酸につき、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5原味に加え、辛味、及び、呈味性(嗜好性)の幾つかについて、味覚テストを行う。
【0018】
呈味性(嗜好性)以外の各味覚テストにおいて、各被験者は「感じない」、「かすかに感じる」、「やや感じる」、「感じる」及び「とても感じる」から成る5段階評価を行い、呈味性(嗜好性)の味覚テストにおいては、各被験者は「嫌な味」、「やや嫌な味」、「どちらでもない」、「やや好きな味」及び「好きな味」から成る5段階評価を行い、各味覚テストにおける上記の評価の夫々に1,2,3,4及び5のスコアを付与する。各アミノ酸とそれに対応するγ−グルタミルアミノ酸の夫々につき、これらスコアの合計点及び平均点を計算する。
【0019】
この味覚テストにおいて、「苦味」が有意な程度に低減しているとは、例えば、上記スコアの平均点が、1.0ポイント以上、好ましくは2.0ポイント以上、低下するような場合を意味する。「酸味」が有意な程度に増加しているとは、例えば、上記スコアの平均点が、2.1ポイント以上、好ましくは3.0ポイント以上、増加するような場合を意味する。更に、「呈味性(嗜好性)」が有意な程度に改善されているとは、例えば、上記スコアの平均点が、0.5ポイント以上、好ましくは1.0ポイント以上、増加するような場合を意味する。
【0020】
本発明の食品の改質方法又は製造方法は、例えば、食品製造の任意の段階及び/又は製造後に、アミノ酸の少なくとも一部に代えて、対応するγ−グルタミルアミノ酸を使用することで容易に実施できる。このことによって、その他の製造方法及び手段等を特に変更する必要はない。この場合に、アミノ酸とそれに代わるγ−グルタミルアミノ酸は等量である必要はなく、アミノ酸に代えてより少ない又はより多い量のγ−グルタミルアミノ酸を使用することが出来る。更に、食品に含まれるべき各アミノ酸の全てに代えて、夫々に対応するγ−グルタミルアミノ酸を使用することも出来る。
【0021】
又、本発明の栄養剤又は食品中の各γ−グルタミルアミノ酸の含有量は、その用途(例えば、栄養成分)・種類・形態、並びに、栄養剤又は食品の種類・形態及びそれに含まれるその他の成分の種類等に応じて当業者が適宜選択することが出来る。又、本発明のγ−グルタミルアミノ酸を含有する栄養剤は、食品の製造過程における当業者に公知の任意の段階・手段で添加することが出来る。尚、該栄養剤にはγ−グルタミルアミノ酸に加えて更にアミノ酸が含まれていても良い。 更に、本発明の栄養剤又は食品は、例えば、ドリンク飲料、固形バー、ガム、粉状組成物等の当該技術分野で公知の任意の形状・形態をとることが可能である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらにより何等限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】
味覚テスト
以下の味覚テストで使用したγ−グルタミルアミノ酸は全て市販品(Bachem 社製)である。又、平均スコアは小数点以下第2位を四捨五入して求めた。
【0024】
Phe とγ -Glu-Phe
予備実験の結果、15 mMでPheは苦味が感じられると判断した。そこで、溶液A:15 mM Phe、溶液B:15 mM γ-Glu-Phe、溶液C:15 mM Phe +15 mM Glu の3種類の水溶液を作成した。被験者の舌中央部にピペットマンでサンプルを0.7 mLのせ、溶液1種類につき上記のような基準で評価をしてもらった。純水、A、B及びCの順に行い、純水の時のみにそれが純水であることを被験者に告げた。スタート時と、溶液と溶液をなめる合間には、必ずミネラルウォーターで口をゆすいでもらった。この溶液をA、B及びCの順にテストした。被験者は8人であった。
次に、Pheの濃度を15〜45 mM、γ-Glu-Pheの濃度を15〜45 mMに変え、各味覚がどう変化するかをみた。
【0025】
その結果、Pheは苦味を呈するが、これをγ−グルタミル化したγ-Glu-Pheは、苦味が有意な程度に低減し、且つ、レモンのような爽やかな酸味が有意な程度に増加することが確認された。更に、γ−グルタミル化したγ-Glu-Pheは、Phe に比べて、呈味性(嗜好性)が有意な程度に改善されていることが判明した。以上の結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004089164
【0027】
【実施例2】
Met とγ -Glu-Met
Metの濃度を15〜45 mM、γ-Glu-Metの濃度を15〜45 mMに変え、実施例1の味覚テストと同様にして、苦味、酸味、嗜好性がどう変化するかを評価した。得られた結果を以下の表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0004089164
【0029】
【実施例3】
その他のアミノ酸とγ - グルタミルアミノ酸
His (70 mM)、Leu (50 mM)、及びVal (50 mM)について、それらのアミノ酸とγ−グルタミルアミノ酸との苦味、酸味、嗜好性を実施例1の味覚テストと同様にして評価した。得られた結果を以下の表3に示す。
【0030】
【表3】
Figure 0004089164
【0031】
【実施例4】
γ -Glu-Phe の製造
反応
Glnをγ-グルタミル基供与体及びPheを受容体として、大腸菌K-12株のGGTを用いてγ-Glu-Pheを合成した。
L-GlnとL-Pheの混合水溶液を調製し、NaOH水溶液でpHを10.4に調整した。GGTは遺伝子増強された大腸菌からBBRC 150(1), 33-38 (1988)の方法に従って調製した。L-GlnとL-Pheの混合液にGGTと純水を加え、L-Gln、L-Phe、GGTの濃度がそれぞれ200 mM, 200 mM, 0.5 U/mlとなるようにしたものを3 ml調製し、37℃の恒温槽で1時間半インキュベートし、等量の10%TCA水溶液を加えて反応を停止した。
【0032】
生成物の定量
生成物量の測定は以下のように行なった。反応液を15000 rpm, 5 min遠心して得た上澄み0.05 ml に0.5 Mのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH 2.2) 0.95 mlを加え、フィルター濾過した。この溶液をShim-pack Amino-Naカラム、蛍光ディテクターを装着した島津のHPLC(model LC-9A)にインジェクトし、o-phthalaldehydeを検出薬として定量した。その結果、上記反応によりγ-Glu-Pheが140 mM (41.2 g/L) 生成した(対Gln収率70%)。
【0033】
Large scale での反応
500mL 容の三角フラスコに100 mL の反応溶液(上述の至適条件のもの)を調製し、恒温槽につけて、37℃で反応させ、1時間半後に100 mL の10% トリクロロ酢酸を加えて反応を停止させた。本反応ではγ-Glu-Pheの生成量は77.7 mM(対Gln収率38.9%)であった。
【0034】
反応生成物の精製
反応液を8,000rpm, 20min, 4℃で遠心を行い、上澄み液よりγ-Glu-Pheの精製を行った。Dowex 1 X 8 カラムにかけ、分取した画分をHPLCにより分析し、γ-Glu-Pheを多く含む画分を回収した。この画分を凍結乾燥して再度Dowex 1 X 8カラムにより精製し、凍結乾燥してγ-Glu-Pheを単離した。
【0035】
精製標品の確認
精製した標品を6mg/mlとなるように重水に溶かしてBruker社の500 MHzの装置によりNMRスペクトルを取り、同様にして取った市販(Sigma社製)のγ-Glu−PheのNMRスペクトルと比較することにより、本精製標品がγ-Glu-Pheであることを確認した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、又はバリンをγ−グルタミル化することにより、有意な程度に、それらのアミノ酸が有する苦味を低減し、酸味を増加し、及び/又は呈味性(嗜好性)を改善させることが出来た。
【0037】
γ−グルタミルアミノ酸は生体内で対応するアミノ酸に容易に代謝されるので、アミノ酸と実質的に同等の機能を維持するものと考えられる。従って、かかるγ−グルタミルアミノ酸は、従来のアミノ酸としての栄養素等としての機能を維持しつつ、その嗜好性が改善された物質であり、栄養剤又は食品の有効成分として有用である。
【0038】
更に、本発明の食品は、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸の少なくとも一部を、夫々のアミノ酸に対応するγ−グルタミルアミノ酸で置換することにより改質されているか、又は、フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸の少なくとも一部に代えて、夫々のアミノ酸に対応するγ−グルタミルアミノ酸を使用することにより製造される。従って、本発明の食品は、アミノ酸のみを含むものと較べて苦味が低減し、酸味が増加し、及び/又は嗜好性が改善されている。更に、従来はアミノ酸が有する苦味を打ち消すために必要とされていた甘味成分等が不要又はより少量で済むことになり、より食し易いものとなった。
【0039】
又、γGTP酵素反応により、グルタミル供与体としてのグルタミン及びグルタミル受容体としてのアミノ酸との反応から、γ−グルタミルアミノ酸が効率的に製造されることが判明した。

Claims (5)

  1. フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸をγ−グルタミル化することから成る、該アミノ酸の苦味低減、酸味増加、及び/又は呈味性(嗜好性)改善方法。
  2. フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン、ロイシン、及びバリンから成る群から選択された少なくとも一つのアミノ酸を含む食品において、該少なくとも一つのアミノ酸の少なくとも一部を、夫々のアミノ酸に対応するγ−グルタミルアミノ酸に代えることによる、該食品の苦味低減、酸味増加、及び/又は呈味性(嗜好性)改善方法
  3. γ−グルタミル化が、グルタミル供与体としてのグルタミン、グルタミル受容体としてのアミノ酸、及びγ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)酵素を反応させるものである、請求項1記載の改善方法
  4. γ−グルタミルアミノ酸が、グルタミル供与体としてのグルタミン、グルタミル受容体としてのアミノ酸、及びγ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)酵素を反応させて得られるものである、請求項2記載の改善方法
  5. γ−グルタミルトランスペプチターゼ(γGTP)酵素が、当該酵素の遺伝子によって形質転換された大腸菌から調製されたものであることを特徴とする、請求項3又は4記載の改善方法
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