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JP4086186B2 - ボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造 - Google Patents

ボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造 Download PDF

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JP4086186B2
JP4086186B2 JP2003011655A JP2003011655A JP4086186B2 JP 4086186 B2 JP4086186 B2 JP 4086186B2 JP 2003011655 A JP2003011655 A JP 2003011655A JP 2003011655 A JP2003011655 A JP 2003011655A JP 4086186 B2 JP4086186 B2 JP 4086186B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開2000−65308号公報には、上部に環状の上部管寄せ、下部にも環状の下部管寄せを設け、上下管寄せ間を環状に配置した2列の垂直水管で連結することで、水管によって囲まれている中央を燃焼室とするボイラが記載されている。このボイラの場合、燃焼室を取り囲む2列の水管は、隣り合うすきま部分に水管間を閉塞する閉塞用ヒレを設けておき、閉塞用ヒレで左右の水管をつなぐことで内外2列の水管壁とする。内側水管壁の内側を燃焼室、内外水管壁の間を燃焼ガス通路とし、内側水管壁の下端には開口部を設けることで、燃焼室と燃焼ガス通路をつなぐ通煙口を形成している。燃焼室で発生した燃焼ガスは水管壁に沿って下方へと流れ、次に通煙口を通ってその外側にある燃焼ガス通路へと出た後で反転し、燃焼ガス通路内を水管壁に沿って上方へと流れることになる。
【0003】
このボイラでは、高温の燃焼ガスを水管壁に沿って流すことで、燃焼ガスの熱が水管に伝わり、さらに水管内の缶水を加熱するため、蒸気を発生することができる。この時、燃焼ガスは閉塞用ヒレの表面にも流れるため、燃焼ガスは閉塞用ヒレも加熱することになる。特に通煙口部分では燃焼ガスは高温であり、燃焼ガス流が反転することによって乱流を発生するため、閉塞用ヒレの先端部では他の部分に比べてより強く加熱されることになる。閉塞用ヒレは、温度が上昇すれば膨張するが、閉塞用ヒレの左右にはどちらにも水管があり、水管と閉塞用ヒレを固定しているため、閉塞用ヒレが膨張するとその分だけ水管を側面から圧迫するということになる。各水管は左右のそれぞれに閉塞用ヒレを接続しているため、閉塞用ヒレの温度上昇によって各水管は左右の両方から押されることになり、閉塞用ヒレからの力を受け続けていると、疲労によって水管の強度が低下することになる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−65308号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、水管が閉塞用ヒレから受ける力を低減し、ボイラの耐久性を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、上下方向に伸びる多数の水管を列状に並べ、隣接する水管間には水管の上端又は下端以外の部分を閉塞する板状の閉塞用ヒレを設けることで水管壁を形成し、閉塞用ヒレによって閉塞しなかった水管壁の開口部を通煙口としておき、水管壁に沿って高温の燃焼ガス流すことで水管内の缶水を加熱するボイラであって、燃焼ガスはまず水管壁の片方側面に沿って通煙口方向へ流れ、次に通煙口を通って水管壁の他方側面に入るとともに燃焼ガス流の流れ方向を反転し、最後に水管壁の他方側面に沿って前記通煙口から離れる方向へ流すボイラにおいて、水管を挟んで隣り合う閉塞用ヒレは、通煙口側先端が同じ高さ位置にならないように比較的長い閉塞用ヒレと比較的短い閉塞用ヒレを交互に配置することで、閉塞用ヒレの長さを異ならせたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記のボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造において、通煙口部に面している閉塞用ヒレの先端部には切り欠きを設けていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施しているボイラの縦断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は閉塞用ヒレと内側水管の一部を抜き出した説明図である。缶体の上部には環状の上部管寄せ1、下部にも環状の下部管寄せ2を設け、上下の管寄せ間は環状に並んだ内側水管3と外側水管4で連結している。内側水管3と外側水管4は、内側通煙口5及び外側通煙口6を設けている水管端部以外の部分で、それぞれ隣接する水管の間を管軸方向に平行な閉塞用ヒレ8で閉塞する。内側水管3と外側水管4の間に燃焼ガス通路7、内側水管3で囲んでいるボイラ中心部分は燃焼室9であり、燃焼室9の上部にバーナ10を設ける。
【0009】
閉塞用ヒレ8は、長さを内側水管3の途中までとすることで下部の内側水管間は開口しており、開口部分が内側通煙口5となる。内側通煙口5は、燃焼室9と燃焼ガス通路7を接続するものであり、燃焼室9の全周にわたって設けている。外側水管4でも、閉塞用ヒレ8の長さを外側水管4の途中までとすることで、上部の外側水管間を開口して外側通煙口6としており、外側通煙口6は燃焼ガス通路7と煙道出口12を接続している。
【0010】
内側水管3の間をふさいでいる閉塞用ヒレ8は、内側水管3を挟んだ隣りの閉塞用ヒレ8とは下端位置が同じ高さ位置にならないように、隣の閉塞用ヒレ8とは長さを異ならせており、比較的長い閉塞用ヒレ8aと比較的短い閉塞用ヒレ8bを交互に配置している。さらに、閉塞用ヒレ8の内側通煙口側先端には、切り欠き11を設けておく。
【0011】
バーナ10による燃焼を行うと、燃焼室9内には高温の燃焼ガスが発生する。燃焼室9と燃焼ガス通路7は、燃焼室9の下部に設けている内側通煙口5で接続しており、燃焼室9の出口は内側通煙口5のみであるため、燃焼室9内で発生した燃焼ガスは内側通煙口5のある燃焼室9の下方へ向かう。燃焼室9の下部に達した燃焼ガスは、放射状の流れとなって各内側通煙口5へ分散し、内側通煙口5を通過して燃焼ガス通路7内へ入る。外側通煙口6は外側水管4の上部に設けているため、燃焼ガスは燃焼ガス通路7内では上向きの流れとなり、燃焼ガス通路7に面している内側水管3及び外側水管4と熱交換しながら外側通煙口6へ向かう。その後温度の低下した燃焼ガス流は、外側通煙口6から煙道出口12へと向かい、さらにボイラ外へと出ていく。
【0012】
内側通煙口5部分における燃焼ガス流は高温であり、燃焼ガスが内側通煙口5部分で反転する際には乱流を発生するため、燃焼ガスは閉塞用ヒレ8の内側通煙口5に近い部分を非常に強く加熱することになる。その後、燃焼ガスの乱流効果は減少し、さらに燃焼ガスの温度も低下するため、閉塞用ヒレ8に対する加熱量は内側通煙口5から離れるに従って小さくなっていく。
【0013】
閉塞用ヒレ8の内側通煙口側先端部分は強く加熱されるために非常に高温となり、内側通煙口先端部分を離れると加熱量が低下するため、閉塞用ヒレ8の温度は先端から離れるにつれて低くなる。閉塞用ヒレ8の下方は固定していないため、上下方向の膨張については閉塞用ヒレ8が他の部材に対して影響を及ぼすことはない。しかし、閉塞用ヒレ8の左右はそれぞれ内側水管3の側面に固定しているため、左右方向に膨張すると閉塞用ヒレ8が水管を圧迫することになる。閉塞用ヒレ8の熱による膨張は、温度が高くなるほど大きくなるため、閉塞用ヒレ8は先端では大きく膨張するが、閉塞用ヒレ8の上方に移るごとに膨張度は小さくなる。そのため、閉塞用ヒレ8が最も大きく膨張するのは閉塞用ヒレ8の先端部であり、閉塞用ヒレ先端部分において閉塞用ヒレ8から内側水管3へかかる力を低減することが重要となる。
【0014】
比較的長い閉塞用ヒレ8aと比較的短い閉塞用ヒレ8bを交互に配置していると、各内側水管3では閉塞用ヒレ8から内側水管3に力がかかる位置が水管右側と水管左側でずれることになる。図3は、内側水管3、内側通煙口5、閉塞用ヒレ8の一部を抜き出したものであり、図3の中央に記載した内側水管3をサンプルとして説明する。中央に記載した内側水管3では、内側水管3の右側に比較的長い閉塞用ヒレ8a、内側水管3の左側に比較的短い閉塞用ヒレ8bを設けている。この内側水管3では、比較的長い閉塞用ヒレ8aの先端位置においては、水管右側の閉塞用ヒレから左方向に強い力が加わるが、同じ高さ位置の水管左側は空いているため、内側水管3は比較的長い閉塞用ヒレ8aの先端位置で左方向へゆがむことで、閉塞用ヒレから内側水管3にかかる力を弱めることができる。同様に、内側水管3の比較的短い閉塞用ヒレ8bの先端位置においては、水管左側の閉塞用ヒレから右方向に強い力が加わるが、同じ高さ位置の水管右側に当たる閉塞用ヒレ8は、内側通煙口5側の先端から離れた位置であってこの位置における閉塞用ヒレ8の膨張量は少ないものであるため、内側水管3は比較的短い閉塞用ヒレ8の先端位置では右方向へゆがむことで、閉塞用ヒレから内側水管3にかかる力を弱めることができる。
【0015】
また、各閉塞用ヒレ8の内側通煙口5側先端には切り欠き11を設けているため、閉塞用ヒレ8の先端では横方向へ膨張する際に、切り欠き11の開口部を狭める方向にも膨張する。切り欠き11の側へ向けて膨張する分だけ、内側水管3側へ膨張する量が減少することになるため、このことによっても閉塞用ヒレ8から内側水管3にかかる力を弱めることができる。
【0016】
なお、外側通煙口6部分では燃焼ガス温度が低くなっているため、閉塞用ヒレ8に対する加熱量は少なくなる。そのため、外側通煙口6部分では閉塞用ヒレ8の先端位置をずらしたり、閉塞用ヒレ8に切り欠き11を入れる必要はない。
【0017】
【発明の効果】
本発明を実施することによって、閉塞用ヒレから水管にかかる力を低減することができ、水管に対する力の低減によって水管の耐久性が向上するため、ボイラの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施しているボイラの縦断面図
【図2】 図1のA−A断面図
【図3】 閉塞用ヒレと水管の一部を抜き出した説明図
【符号の説明】
1 上部管寄せ
2 下部管寄せ
3 内側水管
4 外側水管
5 内側通煙口
6 外側通煙口
7 燃焼ガス通路
8 閉塞用ヒレ
9 燃焼室
10 バーナ
11 切り欠き
12 煙道出口

Claims (2)

  1. 上下方向に伸びる多数の水管を列状に並べ、隣接する水管間には水管の上端又は下端以外の部分を閉塞する板状の閉塞用ヒレを設けることで水管壁を形成し、閉塞用ヒレによって閉塞しなかった水管壁の開口部を通煙口としておき、水管壁に沿って高温の燃焼ガス流すことで水管内の缶水を加熱するボイラであって、燃焼ガスはまず水管壁の片方側面に沿って通煙口方向へ流れ、次に通煙口を通って水管壁の他方側面に入るとともに燃焼ガス流の流れ方向を反転し、最後に水管壁の他方側面に沿って前記通煙口から離れる方向へ流すボイラにおいて、水管を挟んで隣り合う閉塞用ヒレは、通煙口側先端が同じ高さ位置にならないように比較的長い閉塞用ヒレと比較的短い閉塞用ヒレを交互に配置することで、閉塞用ヒレの長さを異ならせたことを特徴とするボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造。
  2. 請求項1に記載のボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造において、通煙口部に面している閉塞用ヒレの先端部には切り欠きを設けていることを特徴とするボイラの水管壁における水管間閉塞用ヒレ構造。
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