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JP4081453B2 - 連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents

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JP4081453B2 JP2004082316A JP2004082316A JP4081453B2 JP 4081453 B2 JP4081453 B2 JP 4081453B2 JP 2004082316 A JP2004082316 A JP 2004082316A JP 2004082316 A JP2004082316 A JP 2004082316A JP 4081453 B2 JP4081453 B2 JP 4081453B2
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Description

本発明は、連続鋳造を用いて鋳型に溶鋼を注湯し、この溶鋼を凝固させて鋳片を製造する際に、鋳型内に溶鋼を注湯する浸漬ノズルの溶損を抑制し、さらに、浸漬ノズルに介在物が付着してノズル詰まりやノズル閉塞を生じるのを抑制して鋳片の品質向上や鋳造の安定化を図ることができる連続鋳造用浸漬ノズルに関するものである。
従来、連続鋳造においては、浸漬ノズルを使用して鋳型内に溶鋼を注湯し、溶鋼を凝固させながらピンチロールで所定の速度で引く抜く方法により鋳片を製造している。この浸漬ノズルを使用して鋳型内に溶鋼を注湯する場合、浸漬ノズルの内壁、特に、吐出口近傍にAl2 3 系の介在物が付着、堆積することにより、ノズル詰まりやノズル閉塞を招き、安定した鋳造が困難であった。
そこで、このノズル詰まりやノズル閉塞を起こす介在物が付着する要因が耐火物中の炭素、珪酸成分であることが判明し、例えば実公平7−18467号公報(特許文献1)に記載するように、周方向、あるいは縦方向に目地を配置して炭素を含有しない、例えばアルミナ、シリカ、ジルコン系などの耐火物を内張りするか、または、特開平3−243258号公報(特許文献2)に記載するように、炭素を含まず、SiO2 の含有量が5質量%以下のAl2 3 系、MgO系、ZrO2 系の耐火物を浸漬ノズルの吐出口近傍に内張りし、耐火物中の炭素やSiO2 成分が溶鋼中のAl成分と反応して生成する網目状のAl2 3 系の介在物の付着、堆積を抑制することが提案されている。
しかしながら、低シリカ、カーボンレス耐火物であっても、脱酸などにより溶鋼中に生成したAl2 3 系の介在物が吐出口近傍に付着したり、浸漬ノズルの放熱による溶鋼の温度低下に伴って稼動面に地金が付着し、この地金に付随して前記Al2 3 系介在物が付着し、吐出口の詰まり、およびこの吐出口の詰まりに起因した溶鋼の吐出流の偏流を生じ、鋳片の表面欠陥や内部欠陥が発生する。
さらに、浸漬ノズルの詰まり防止方法として、浸漬ノズルに、例えば、特開昭63−132755号公報(特許文献3)に記載するように、浸漬ノズルの内壁および/または吐出口に、CaO成分を50〜100質量%を含有する石灰質耐火物を所定の厚みでコーティングすることにより、生成したAl2 3 系介在物をCaO−Al2 3 系の低融点化合物にして浸漬ノズルの内壁面から洗い流すことにより、吐出口の詰まりや閉塞を防止する方法が提案されている。
また、特開平5−285612号公報(特許文献4)に記載するように、浸漬ノズルの内壁に、CaOを2〜40質量%と、SiO2 の含有量が1質量%未満であるアルミナクリンカー、スピネルクリンカー、マグネシアクリンカーの1種または2種以上を含有し、炭素濃度を1質量%以下からなる内装体を装着し、溶鋼のカーボンピックアップの抑制と、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 系介在物のCaO−Al2 3 系の低融点化合物を図りながら低CaO成分により耐溶損性を高めてノズル詰まりやノズル閉塞を抑制し、鋳造の安定化、鋳片品質の向上を図ることが行われている。
しかしながら、特許文献3に記載するような、浸漬ノズルでは、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 系介在物と内装体を構成する耐火物中のCaO成分が反応してCaO−Al2 3 系の低融点化合物を形成して溶融するため、耐火物の溶損が加速されて大きくなる。溶損が大きい耐火物は、浸漬ノズルの構造が複雑な吐出口に使用することができない。このように、溶損の大きな耐火物は内装体が長時間の鋳造に耐えない問題がある。さらに、内装体の溶損の大きな耐火物を使用する場合には、溶融したCaO−Al2 3 系の低融点化合物が鋳型内で凝固しつつある溶鋼中に混入し、鋳片の介在物欠陥の要因となり、鋳片の品質を阻害する。
また、特許文献4に記載する浸漬ノズルでは、浸漬ノズルの内装体に含まれるCaO成分が溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 介在物のCaO−Al2 3 系の低融点化合物化を形成することを意図したものであるため、低CaO成分の耐火物であっても内装体を構成する耐火物からCaO成分が溶出して溶損が起こることを解消できない。一方、溶損を抑制するために、低CaO成分組成にすると、前述したカーボンレス耐火物と同様にAl2 3 系介在物や地金の付着が発生し、吐出口の詰まり、およびこの吐出口の詰まりに起因した溶鋼の吐出流の偏流を生じ、鋳片の表面欠陥や内部欠陥が発生すると言う問題を解消することができない。
さらに、これらの従来の浸漬ノズルでは、例えば炭素レス耐火物を使用する場合に、浸漬ノズルの内装体の膨張とアルミナ−グラファイト質耐火物の膨張特性から割れや欠損を防止するために目地を新たに設けて内装体の膨張による悪影響を解消する必要があり、製造コストが大幅に高くなり、使用に制約を受ける。単に、CaOを含有する耐火物の内装体をコーティング、あるいは耐火物のスリーブなどの成型体を装着する場合にも膨張による前記炭素レスと同様の問題点を有しているのが実状である。
実公平7−18467号公報 特開平3−243258号公報 特開昭63−132755号公報 特開平5−285612号公報
上述のような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、浸漬ノズルに従来から使用されている浸漬ノズルを構成するアルミナ−グラファイト質耐火物、またはジルコニア−グラファイト質の耐火物(以下、外筒耐火物という)が注湯時の溶鋼熱に対する熱膨張、注湯前に行う1000〜1200℃の予熱時の熱負荷に許容できる膨張特性を備えており、強度にも優れ、浸漬ノズルを製造する際の製造工程も簡素化でき、コストが安価であることに着目し、この外筒耐火物の浸漬部の内側にドロマイト−グラファイト質耐火物を、その上部にドロマイトクリンカーを配合した内装体を設けた連続鋳造用浸漬ノズルを提供するものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)溶鋼を鋳型に注湯する筒体と、該筒体に連続して設けられた複数の吐出口を有する浸漬部とからなる連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記筒体と複数の吐出口を有する浸漬部を構成する耐火物の前記浸漬部の内側に、ドロマイトクリンカーに炭素を11〜30質量%を含有するドロマイト−グラファイト質耐火物を一体成形して配置し、さらに、この上部にドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする内装体を設けたことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
(2)前記(1)に記載の筒体と複数の吐出口を有する浸漬部を構成する耐火物は、アルミナ−グラファイト質、またはジルコニア−グラファイト質の耐火物を用いた浸漬ノズルからなることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
(3)前記(1)に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物がドロマイトクリンカーを60質量%以上含むことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
(4)前記(1)に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物の炭素濃度が10質量%以下であることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルにある。
以上述べたように、本発明により溶鋼に含まれるAlや脱酸生成物であるAl2 3 を予めドロマイ内装体に含まれるCaOと反応せしめてCaO−Al2 3 系の低融点化合物にするので、ノズルの内壁面への介在物の付着や堆積を防止することができ、ノズル詰まりや閉塞を防止することができる。また、浸漬ノズルを用いた溶鋼の鋳造において、最も重要な吐出口の形状を安定して維持しながら、ノズル詰まりや閉塞を防止して鋳造を安定化でき、鋳片の品質の向上や鋳造の生産性を高めることができる。
また、浸漬ノズルの全体の溶損量を最少にすることができ、ノズルの溶損に起因する溶解の汚染を抑制して鋳片の品質を向上することができる。さらに、熱膨張を考慮した浸漬ノズルを実現し、成形を一体成形にして生産性を高め、浸漬ノズルのコストを低減することができる。また、耐火物を機能に応じて張り分け、かつそれぞれの機能を発現することにより、Al2 3 介在物や地金付着、堆積を抑制できる。その結果、浸漬ノズルの筒部から吐出口の全体にわたって使用が可能になり、ノズル全体のAl2 3 介在物や地金付着の対応が可能になる等の極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る浸漬ノズルは、アルミナ−グラファイト質、またはジルコニア−グラファイト質耐火物よりなる外筒耐火物の成形時に、浸漬ノズルの浸漬部(吐出口とその近傍)の内部に、外筒耐火物と略同一の熱膨張特性を有するドロマイト−グラファイト質の耐火物からなる内装体を配置すれば、製作時に外筒と浸漬部に内装体を一体成形することが可能であり、コストと浸漬ノズルの生産性を向上できること、特に、連続鋳造を行う際に、溶鋼の流速が早い吐出口とその近傍に限定して配置するので、ドロマイト−グラファイト質の耐火物であっても、Al2 3 介在物の生成抑制と融液層の形成によるノズル全体の溶損量を少なくすることが可能になり、耐火物の溶損に起因する鋳片の品質阻害を解消することができることを知見した。
しかも、このドロマイト−グラファイト質の耐火物の内層の上方の内壁に、ドロマイトクリンカーを配合し、このドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とするドロマイト耐火物の内装体を配置することにより、溶鋼中のAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 酸化物を上方に配置したドロマイト耐火物の内装体の稼動面で予めCaO−Al2 3 系の低融点化合物に改質することにより、吐出口、その近傍に配置(外筒と一体成形により内側に配置)したドロマイト−グラファイト質耐火物に含まれるCaO成分と溶鋼中のAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 酸化物との反応が抑制され、ドロマイト−グラファイト質耐火物の稼動面でのCaO−Al2 3 系の低融点化合物の生成による融液層の形成も小さくすることができる。
その結果として、ドロマイト−グラファイト質耐火物の溶損の抑制作用の発現と、Al2 3 系介在物や地金の付着を抑制してノズル詰まりやノズル閉塞を防止した安定鋳造が可能となる。そして、Al2 3 系介在物の付着を抑制しつつ、ノズルの内壁面の溶損を抑制、あるいは溶損部位を最小限にすることにより、浸漬ノズルの溶損による耐火物骨材の溶鋼中への混入に起因する鋳片の品質の阻害をも防止することができる。
また、上方に配置したドロマイト耐火物は、ドロマイトクリンカーを配合し、このドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とするドロマイト耐火物の内装体を配置しているので、浸漬ノズルを介して溶鋼を鋳型に注湯する際に、溶鋼中に含まれるAl成分や脱酸生成物であるAl2 3 系介在物とドロマイト耐火物中のCaO成分を反応させ、稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物からなる融液層を形成する。この溶融したCaO−Al2 3 系の低融点化合物を筒内を下降する溶鋼流によって洗い流されてドロマイト−グラファイト耐火物を内張りした吐出口近傍に流下する。
この時点では、Al2 3 介在物は低融点の化合物に改質されており、しかも、融液化しているので、ドロマイト−グラファイト耐火物の稼動面に付着、堆積することなく鋳型内に流下する。当然、ドロマイト−グラファイト耐火物の稼動面においても、溶鋼中に残存したAl2 3 介在物と耐火物中のCaO成分を反応により、CaO−Al2 3 系の低融点化合物が起こり、稼動面へのAl2 3 や地金の付着、堆積が抑制される。
また、稼動面においては、CaO−Al2 3 系の低融点化合物の融液層が形成されるが、予め上方に配置したドロマイト耐火物によりAl2 3 酸化物を予めCaO−Al2 3 系の低融点化合物にしているので、Al2 3 酸化物とドロマイト−グラファイト耐火物中のCaO成分との反応を最小限に抑制でき、稼動面からのドロマイト−グラファイト耐火物の溶損も小さくすることができる。このように、浸漬ノズルの複雑な部位を一体成形し、成形の容易な直筒部の内部にドロマイト耐火物という機能に応じて適用することにより、以下のような効果が得られる。
(1)浸漬ノズルの稼動面におけるAl2 3 酸化物のCaO−Al2 3 系の低融点化合物を図り、介在物や地金の付着を防止することができる。
(2)さらに、ドロマイト耐火物を上方に配置し、ドロマイト−グラファイト耐火物を下方に配置することにより、溶損し易いドロマイト−グラファイト耐火物の溶損を最少にすることができる。
(3)そして、浸漬ノズルの稼動面の全体の溶損量を極めて小さくでき、CaO−Al2 3 系の低融点化合物や耐火物などが溶鋼中に混入し、鋳型内で浮上できずに鋳片内に残存して鋳片の品質欠陥となる懸念を解消することができる。
(4)また、構造が複雑な部位において、外筒を構成する耐火物と略同等の熱膨張などの特性を有する耐火物の適用が可能になり、内側にドロマイト−グラファイト耐火物を配置した一体成形が可能になる。このように、簡単に製造することができ、浸漬ノズルのコストを大幅に低減することができる。
内装体として、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%とした理由は、CaOの含有量が25質量%未満(MgOで言うと、70質量%を超える場合)になると、溶鋼中のAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 介在物と反応するCaO成分が不足し、稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物の形成が悪くなり、ノズル詰まりや閉塞を生じる。
一方、CaOの含有量が65質量%を超える(MgOで言うと、25質量%未満の場合)と、溶鋼中の溶鋼中のAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 介在物と耐火物中のCaO成分が反応して稼動面に形成される融液層が形成されて、溶鋼流により流下する際に、稼動面から背面側に後退しながら形成される耐溶損性に優れたMgOのリッチ層の生成が悪くなって耐火物の溶損が大きくなる。その結果、浸漬ノズルの寿命の低下、過剰に生成した低融点化合物であるCaO−Al2 3 系の酸化物が溶鋼中に混入し、その一部が鋳片に残留して鋳片の品質を阻害することになる。従って、そのCaO範囲を25〜65質量%とする。
上記理由から、ドロマイト耐火物を構成する耐火材料として少なくとも60質量%のドロマイトクリンカーを配合することにより、耐火物を構成するCaO群の中にMgOが存在するため、稼動面におけるAlの酸化、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 介在物の浸潤により稼動面にCaO−Al2 3 系の低融点化合物の融液層を形成し、付着、堆積を抑制すると共に、融液層、およびその近傍のMgO粒子が稼動面の融液層から後退するようにして背面(融液層の背面)にMgOのリッチ層を生成することができる。
この作用は、CaO群の中にMgOが存在するドロマイトクリンカーを使用することにより発現することが可能になる。しかし、ドロマイトクリンカーの配合量が60質量%未満では、前記稼動面で起きる融液層の形成とその背面にMgOのリッチ層を生成することができず、結果として浸漬ノズルの溶損による寿命の低下やノズル詰まり、閉塞などの問題が生じることになることから、60質量%以上とする。
次に、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物の炭素濃度を10質量%以下とした理由は、ドロマイト耐火物に含まれる炭素は、タール、ピッチ、結合剤であるフェノール樹脂などからの炭素であり、その濃度は10質量%以下にすることにより、ドロマイト耐火物の骨材の結合を良好にして耐火物強度の担保と、過剰な炭素による溶鋼の炭素ピックアップを抑制することができる。好ましくは炭素濃度は、0.5〜6質量%とする。
また、外筒を形成するアルミナ−グラファイト質耐火物、またはジルコニア−グラファイト質耐火物は、炭素として黒鉛を11〜30質量%を含む材料であり、黒鉛の含有量が11質量%未満になると、予熱時、あるいは溶鋼の注湯時に熱膨張により筒状体に亀裂や割れ、剥落が生じたり、浸漬ノズルの折損を招き、鋳造事故の発生となる。一方、黒鉛の含有量が30質量%を超えると、耐火物の骨材が減少して耐溶損性が担保できず、浸漬ノズルの寿命が低下する。しかも、耐火物中の炭素により炭素ピックアップを招く。
さらに、上記の外筒を構成する耐火物の内側に配置するドロマイトクリンカーに炭素を11〜30質量%を含有するドロマイト−グラファイト質耐火物は炭素濃度が11質量%未満では、外筒を構成する耐火物の熱膨張に近似させることができ、熱による膨張差により、亀裂、割れ、剥落などを生じてノズル寿命が低下する。一方、炭素(黒鉛)の含有量が30質量%を超えると、外筒と同様に耐火物骨材が少なくなり、耐溶損性が悪化したり、溶鋼中への炭素のピックアップが大きくなる。従って、炭素として黒鉛を11〜30質量%とする。
以下、本発明について図面に従って説明する。
図1は、本発明に係る内装体を装着した浸漬ノズルの断面図である。図1において、浸漬ノズル1は、アルミナグラファイト(AG)質の筒状体2からなり、この筒状体2の下方には左右対称に構成した吐出口4を有する。そして、この浸漬部となる、この吐出口4およびその上方側には、内側に黒鉛を11〜30質量%含有するドロマイト−グラファイト質耐火物からなる厚みが10mmの内層5が図示していない目地を介して一体成形により形成されている。
さらに、このドロマイト−グラファイト質耐火物からなる内層5の上方には、ドロマイトクリンカーを配合した耐火物であって、その耐火物に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする厚みが10mmの内装体6が図示していない空目地を介して装着されている。そして、このように構成された浸漬ノズル1は、図示しないダンディッシュの上ノズルに連通して取り付けらたスライディングノズル(SNノズル)に嵌合して装着され、溶鋼を鋳型内に注湯して凝固させて鋳片を製造する。なお、符号3は、底部を示す。
ここで、浸漬ノズル1の筒状体2の内部を流下し、吐出口4から鋳型内に注湯される溶鋼中には、成分として含有されるAl、あるいは脱酸生成物であるAl2 3 系の酸化物が存在し、Al成分が酸化されて生成したAl2 3 系の酸化物、脱酸生成物であるAl2 3 系の酸化物からなるAl2 3 系介在物が浸漬ノズル1の溶鋼との接触面である稼動面に付着、堆積する。
しかし、本発明では、浸漬ノズルの稼動面が最初に溶鋼と接触する部位に、ドロマイト質からなる耐火物の内装体6を内張りしているので、溶鋼中のAl2 3 系の酸化物と内装体6に含まれるCaO成分が反応して低融点化合物を生成し、その稼動面に僅か数十μの融液層を形成し、稼動面からAl2 3 系介在物を溶鋼の流れに随伴して除去し、介在物や地金の付着、堆積を防止することができる。しかも、融液層の背面に融液層に存在するMgOの成分(粒子)が後退するようにして融液層の背面に耐溶損性に優れたMgOのリッチ層を形成する。この際に稼動面には、このリッチ層の粒子間をCaO成分が拡散して稼動面でのAl2 3 系酸化物とCaO成分の反応による低融点化合物の生成および融液層の生成を持続することができる。
このようにして、ドロマイト耐火物の内装体6を溶鋼と最初に接する部位に内張りしているので、溶鋼成分と耐火物に含まれるCaO成分との反応によるCaO−Al2 3 系の低融点化合物を予め生成しておき、この溶鋼を下方に配置したドロマイト−グラファイト質耐火物からなる内層5に接触させるので、内層5の溶損を最小限に抑制して稼動面に残留するAl2 3 酸化物をCaO−Al2 3 系の低融点化合物に効率良く改質することができ、稼動面へのAl2 3 系介在物の付着、地金付着を防止することができる。
そして、浸漬ノズル1の内装体を機能に応じて内張りすることにより、Al2 3 系の酸化物の低融点化、浸漬ノズル全体の溶損を最少にし、鋳造の安定化による鋳片品質の向上と、さらには、複雑な部位に熱膨張に起因するノズルの破損などの問題を合わせて解消することができる。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1および表2に、従来例、比較例および本発明例の内側材質やアルミナ−グラファイト質(AG)からなる耐火物の成分組成、黒鉛含有ドロマイト材質の成分組成および黒鉛含有なしドロマイト材質の成分組成をそれぞれ示す。また、図2は、従来例と比較例および本発明例でのノズル詰まり指数との関係を示す図である。また、図3は、従来例と比較例および本発明例のノズル溶損指数との関係を示す図である。また、図4は、従来例と比較例および本発明例の品質欠陥発生指数との関係を示す図である。
ここで図2〜図4に示す従来例は、アルミナ−グラファイト(AG)質からなる耐火物で浸漬ノズルを構成し、内面もそのAGであるものを用いたものであり、比較例は、外側をアルミナ・グラファイト(AG)質の筒状にし、内張りにドロマイト−グラファイト質耐火物の内装体のみを配置した場合のものである。これに対し、本発明例の浸漬ノズルは、外筒をアルミナ−グラファイト(AG)質からなる耐火物とし、浸漬部である吐出口は炭素レスドロマイト耐火物、その上部にドロマイト耐火物からなる内装体を内張りしたものである。
Figure 0004081453
Figure 0004081453
それぞれの浸漬ノズルをダンディッシュの上ノズルに連通したスライディングノズルに嵌合してアルミキルド溶鋼を鋳型に浸漬ノズルをして注湯を行った。そして、鋳型内での冷却と支持セグメントに布設した二次冷却吹ノズルからの散水により、溶鋼を凝固させて鋳片を製造した。そのときの鋳型内に溶鋼を注湯する際の浸漬ノズルのノズル詰まりについて調査した結果、図2〜図4に示すように、アルミナ・グラファイト(AG)質の耐火物のみで構成した浸漬ノズルの従来例の場合は、ノズルにAl2 3 介在物、および地金の付着や堆積を生じ、ノズル詰まり指数が1.0となり、溶鋼の鋳型内の吐出流の偏流に起因した気泡や介在物欠陥が発生し、鋳片の品質欠陥指数も約0.8となった。
また、外側をアルミナ・グラファイト(AG)質の筒状にし、内張りにドロマイト−グラファイト質耐火物の内装体のみを配置した場合の比較例の場合も、ノズルにAl2 3 介在物、および地金の付着や堆積する傾向は、従来例1よりは改善されたが、しかし十分でなく、ノズル詰まり指数が0.4となり、ノズル溶損も0.8と大きく、介在物が増加して鋳片の品質欠陥指数も1.0と結果となった。これに対し、本発明例の場合は、ノズル詰まり指数を0.1に大幅に低減することが出来、また、ノズル溶損指数も0.1となり、さらに鋳片の品質欠陥指数も0.1と極めて良好な結果が得られた。
本発明に係る内装体を装着した浸漬ノズルの断面図である。 従来例と比較例および本発明例でのノズル詰まり指数との関係を示す図である。 従来例と比較例および本発明例のノズル溶損指数との関係を示す図である。 従来例と比較例および本発明例の品質欠陥発生指数との関係を示す図である。
符号の説明
1 浸漬ノズル
2 アルミナグラファイト(AG)質の筒状体
3 底部
4 吐出口
5 ドロマイト−グラファイト質耐火物からなる内層
6 内装体


特許出願人 新日本製鐵株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊 他1


Claims (4)

  1. 溶鋼を鋳型に注湯する筒体と、該筒体に連続して設けられた複数の吐出口を有する浸漬部とからなる連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記筒体と複数の吐出口を有する浸漬部を構成する耐火物の前記浸漬部の内側に、ドロマイトクリンカーに炭素を11〜30質量%を含有するドロマイト−グラファイト質耐火物を一体成形して配置し、さらに、この上部にドロマイトクリンカーを配合した耐火物中に含まれるCaOを25〜65質量%、MgOを25〜70質量%とを主成分とする内装体を設けたことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  2. 請求項1に記載の筒体と複数の吐出口を有する浸漬部を構成する耐火物は、アルミナ−グラファイト質、またはジルコニア−グラファイト質の耐火物を用いた浸漬ノズルからなることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  3. 請求項1に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物がドロマイトクリンカーを60質量%以上含むことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
  4. 請求項1に記載のドロマイトクリンカーを配合した耐火物の炭素濃度が10質量%以下であることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
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