JP4078921B2 - Organic electroluminescence device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」という)に関し、詳しくは、特定の電荷輸送性ポリマーを用いた有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電界発光素子(以下、「EL素子」という)は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。上記EL素子としては、現在は無機螢光体を用いたものが主流であるが、200V以上の交流電圧が駆動に必要なため、製造コストが高く、また輝度が不十分等の問題点を有している。
【0003】
一方、有機化合物を用いたEL素子研究は、最初アントラセン等の単結晶を用いて始まったが、単結晶の場合、膜厚が1mm程度と厚く、100V以上の駆動電圧が必要であった。そのため、蒸着法による薄膜化が試みられているが(Thin Solid Films,Vol.94,171(1982))、この方法で得られた薄膜は、駆動電圧が30Vと未だ高く、また、膜中における電子・ホールキャリアの密度が低く、キャリアの再結合によるフォトンの生成確率が低いため十分な輝度が得られなかった。
【0004】
ところが近年、ホール輸送性有機低分子化合物と電子輸送能を持つ螢光性有機低分子化合物との薄膜を、真空蒸着法により順次積層した機能分離型のEL素子において、10V程度の低駆動電圧で1000cd/m2以上の高輝度が得られるものが報告されており(Appl.Phys.Lett.,Vol.51,913(1987))、以来、積層型のEL素子の研究・開発が活発に行われている。これら積層型のEL素子においては、ホールと電子とが、電極から電荷輸送性の有機化合物からなる電荷輸送層を介してホールと電子とのキャリアバランスを保ちながら螢光性有機化合物からなる発光層に注入され、発光層中に閉じ込められた前記ホールと電子とが再結合することにより高輝度の発光を実現している。
【0005】
しかしながら、このタイプのEL素子では、複数の蒸着工程において膜厚が0.1μm以下の薄膜を形成していくためピンホールを生じ易く、十分な性能を得るためには厳しく管理された条件下で膜厚の制御を行うことが必要である。従って、生産性が低くかつ大面積化が難しいという問題がある。また、このEL素子は、数mA/cm2という高い電流密度で駆動されるため、大量のジュール熱を発生する。このため、蒸着によってアモルファスガラス状態で製膜された電荷輸送性低分子化合物や螢光性有機低分子化合物が、次第に結晶化して最後には融解し、輝度の低下や絶縁破壊が生じるという現象が多く見られ、その結果素子の寿命が低下するという問題も有していた。
【0006】
そこで、上記EL素子の熱安定性に関する問題の解決のために、ホール輸送材料として安定なアモルファスガラス状態が得られる、スターバーストアミンを用いたり(第40回応用物理学関係連合講演会予稿集30a−SZK−14(1993)等)、ポリフォスファゼンの側鎖にトリフェニルアミンを導入したポリマーを用いたりしたEL素子(第42回高分子討論会予稿集20J21(1993))が報告されている。
【0007】
しかし、これら単独ではホール輸送材料のイオン化ポテンシャルに起因するエネルギー障壁が存在するため、陽極からのホール注入性あるいは発光層へのホール注入性を満足することができない。また、前者のスターバーストアミンの場合には、溶解性が小さいために精製が難しく、純度を上げることが困難であることや、後者のポリマーの場合には、高い電流密度が得られず十分な輝度が得られてない等の問題も存在する。
【0008】
一方、積層型有機EL素子における生産性と大面積化とに関する問題の解決を目指し、単層構造のEL素子についても研究・開発が進められ、ポリ(p−フェニレンビニレン)等の導電性高分子を用いたり(Nature,Vol.357,477(1992)等)、ホール輸送性ポリビニルカルバゾール中に電子輸送材料と螢光色素とを混入した素子(第38回応用物理学関係連合講演会予稿集31p−G−12(1991))が提案されているが、未だ輝度、発光効率等が有機低分子化合物を用いた積層型EL素子には及ばない。さらに、作製法においては、製造の簡略化、加工性、大面積化、コスト等の観点から、湿式による塗布方式が望ましく、キャステイング法によっても素子が得られることが報告されている(第50回応用物理学会学術講演予稿集,29p−ZP−5(1989)、第51回応用物理学会学術講演予稿集,28a−PB−7(1990))。しかし、電荷輸送材料の溶剤や樹脂に対する溶解性や相溶性が悪いため結晶化しやすく、製造上あるいは特性上に問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。すなわち本発明は、十分な輝度を有し、安定性及び耐久性に優れ、かつ大面積化が可能であり、製造容易な有機EL素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは電荷輸送材料に関し鋭意検討した結果、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造より選択された少なくとも1種を部分構造として含む電荷輸送性ポリウレタンが、有機EL素子として好適な電荷注入特性、電荷移動度、薄膜形成能を有するだけでなく、固体状態において極めて良好な発光特性を有することから、発光材料として用いた場合にも、輝度や発光効率に優れた素子として機能することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち本発明は、
<1> 少なくとも一方が透明または半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極間に挾持された、一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンを1種以上含有し、該電荷輸送性ポリウレタンが、下記一般式( III −1)または( III −2)で示されるポリウレタンであることを特徴とする有機電界発光素子である。
【0012】
【化4】
【0013】
一般式(I−1)及び(I−2)中、Arは、一般式(II−1)で表される置換基または(II−2)で表される置換基を表し、Xは置換または未置換の2価の芳香族基を表し、kは0または1を表す。
【0014】
【化5】
【0015】
一般式(II−1)及び(II−2)中、Ar1、Ar2及びAr3は、置換もしくは未置換のベンゼン環、または置換もしくは未置換の芳香環数2〜10の多核芳香族炭化水素、または置換もしくは未置換の芳香環数2〜10の縮合芳香族炭化水素、または置換もしくは未置換の芳香族複素環、または少なくとも1種の芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の芳香族基を表し、R1、R2、R3及びR4は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基、または置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、それぞれ独立であっても、少なくとも2種以上が同一であってもよい。nは0〜10の整数を表す。
【化3】
一般式( III −1)及び( III −2)中、Aは上記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を表し、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、または置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、Tは炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、または炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、Yはジイソシアネート残基を表し、Zは2価アルコール残基を表し、mは0または1を表し、pは5〜5000の整数を表す。
【0016】
<2> 前記有機化合物層が少なくともキャリア輸送能を持つ発光層及び電子輸送層から構成され、前記発光層が、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンを、少なくとも1種含有してなることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0017】
<3> 前記有機化合物層が少なくともホール輸送層、発光層及び電子輸送層から構成され、前記発光層が、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンを、少なくとも1種含有してなることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0018】
<4> 前記有機化合物層が少なくともキャリア輸送能を持つ発光層から構成され、前記発光層が、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンを、少なくとも1種含有してなることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0019】
<5> 前記有機化合物層が少なくともホール輸送層及びキャリア輸送能を持つ発光層から構成され、前記発光層が、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンを、少なくとも1種含有してなることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0020】
<6> 前記発光層が、電荷輸送性材料を含むことを特徴とする<2>〜<5>のいずれかに記載の有機電界発光素子である。
【0024】
なお、本発明の有機EL素子において、有機化合物層は、機能分離型のもの、例えば、少なくともホール輸送層及び発光層から構成され、該ホール輸送層が前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなるホール輸送性ポリウレタンを含有してなるものや、キャリア輸送能と発光能とを兼ね備えたもの、すなわち、有機化合物層が発光層のみから構成されてなり、該発光層が、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンを含有してなるもののいずれであってもよい。
また、本発明の有機EL素子において、有機化合物層が発光層のみから構成される場合、該発光層は、電荷輸送性材料(電荷輸送性ポリウレタン以外のホール輸送材料、電子輸送材料)を含んでいてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は、少なくとも一方が透明または半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極間に挾持された、一つまたは複数の有機化合物層より構成され、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタン(以下、単に「電荷輸送性ポリウレタン」という場合がある)を1種以上含有することを特徴とする。本発明の有機EL素子は、前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる層を有することで、十分な輝度を有し、安定性及び耐久性に優れる。さらに、前記電荷輸送性ポリウレタンを用いることで、有機EL素子の大面積化が可能であり、容易に製造することができる。
【0026】
【化7】
【0027】
一般式(I−1)及び(I−2)中、Arは、一般式(II−1)で表される置換基または(II−2)で表される置換基を表し、Xは置換または未置換の2価の芳香族基を表し、kは0または1を表す。
【0028】
【化8】
【0029】
一般式(II−1)及び(II−2)中、Ar1、Ar2及びAr3は、置換もしくは未置換のベンゼン環、または置換もしくは未置換の芳香環数2〜10の多核芳香族炭化水素、または置換もしくは未置換の芳香環数2〜10の縮合芳香族炭化水素、または置換もしくは未置換の芳香族複素環、または少なくとも1種の芳香族複素環を含む置換もしくは未置換の芳香族基を表し、R1、R2、R3及びR4は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基、または置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、それぞれ独立であっても、少なくとも2種以上が同一であってもよい。nは0〜10の整数を表す。
【0030】
前記多核芳香族炭化水素とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素−炭素単結合によって結合している炭化水素を表す。具体的には、ビフェニル、ターフェニル等が挙げられる。また、前記縮合芳香族炭化水素とは、炭素と水素とから構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が1対の炭素原子を共有している炭化水素を表す。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン等が挙げられる。また、前記芳香族複素環とは、炭素と水素以外の元素を含む芳香環を表す。具体的には、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、カルバゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、キノリン環、等が挙げられる。さらに、前記芳香族複素環を含む芳香族基とは、その構造中に少なくとも1種の芳香族複素環が置換、縮合あるいは連結された形で含む置換基を表す。
【0031】
なお、上記芳香族複素環を含む芳香族基は、すべてが共役系で構成されたもの、あるいは一部が非共役系で構成されたもののいずれでもよいが、電荷輸送性や発光効率の点で、すべてが共役系で構成されたものが好ましい。
【0032】
また、前記ベンゼン環、多核芳香族炭化水素、縮合芳香族炭化水素、芳香族複素環、または少なくとも1種の芳香族複素環を含む芳香族基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、これらの中では、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、置換アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子が好ましい。
【0033】
上記アルキル基としては、炭素数が1〜10の範囲のものが好ましく、炭素数が1〜3の範囲のものがより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
【0034】
前記アルコキシル基としては、炭素数が1〜10の範囲のものが好ましく、炭素数が1〜3の範囲のものがより好ましい。具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
【0035】
前記アリール基としては、炭素数が6〜20の範囲のものが好ましく、炭素数が6〜7の範囲のものがより好ましい。具体的には例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
【0036】
また前記アラルキル基としては、炭素数が7〜20の範囲のものが好ましく、炭素数が7〜8の範囲のものがより好ましい。具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
【0037】
前記一般式(I−1)及び(I−2)中、Xは、置換または未置換の2価の芳香族基を表し、具体的には、下記式(1)〜(13)から選択された基が挙げられる。
【0038】
【化9】
【0039】
式(1)〜(13)中、R5は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、または置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R6〜R17は、それぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、またはハロゲン原子を表し、aは0または1を表す。
また、Vは下記式(14)〜(29)から選択された基を表す。
【0040】
【化10】
【0041】
式(13)〜(29)中、bは1〜10の整数を表し、cは1〜3の整数を表す。
【0042】
これらの中でも、前記Xが下記構造式(A)または(B)で示されるビフェニレン構造を有する場合、「The Sixth International Congress on Advances in Non−impact Printing Technologies,306,(1990) 」にも報告されているように、モビリティーが高いポリマーが得られることから、特に好ましい。
【0043】
【化11】
【0044】
なお、一般式(I−1)及び(I−2)中、kは0または1を表す。
以下、一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造の具体例を表1〜表11に示すが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。なお、表1〜表6における構造番号1〜53は、一般式(I−1)で示される構造の具体例を示し、表7〜表11における構造番号54〜96は、一般式(I−2)で示される構造の具体例を示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】
【0057】
一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリウレタンとしては、下記一般式(III−1)または(III−2)で示されるものが使用される。
【0058】
【化12】
【0059】
一般式(III−1)または(III−2)中、Aは前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を表し、一つのポリマー中に2種類以上の構造Aが含まれてもよい。
【0060】
一般式(III−1)または(III−2)式中、Rは水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、または置換もしくは未置換のアラルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数が1〜10の範囲のものが好ましく、炭素数1〜3の範囲のものがより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
【0061】
上記アリール基としては、炭素数が6〜20の範囲のものが好ましく、炭素数6〜7の範囲のものがより好ましい。具体的には、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる。
【0062】
前記アラルキル基としては、炭素数が7〜20の範囲のものが好ましく、炭素数が7〜8の範囲のものがより好ましい。具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。また、置換アリール基、置換アラルキル基の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0063】
前記一般式(III−1)または(III−2)中、Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、または炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を示し、好ましくは炭素数が2〜6の2価の直鎖状炭化水素基、及び炭素数3〜7の2価の分枝鎖状炭化水素基より選択される。具体的な構造を以下に示す。
【0064】
【化13】
【0065】
また、前記一般式(III−1)または(III−2)中、Yは2価のアルコール残基を表し、Zは2価のカルボン酸残基を表す。Y及びZとしては、具体的には下記式(30)〜(36)から選択された基が挙げられる。
【0066】
【化14】
【0067】
式(30)〜(36)中、R18及びR19は、それぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、またはハロゲン原子を表し、d及びeは、それぞれ1〜10の整数を、f及びgは、それぞれ0、1または2の整数を、h及びiはそれぞれ0または1を表す。また、Vは前記式(14)〜(29)中におけるVと同様である。
【0068】
さらに、前記一般式(III−1)または(III−2)中、mは0または1を表し、pは5〜5000の整数を表す。なお、pは10〜1000の範囲であることが好ましい。
【0069】
以下、表12及び13に、一般式(III−1)及び(III−2)で示される電荷輸送性ポリウレタンの具体例を示すが、本発明は、これら具体例に限定されるわけではない。なお、表12及び13において、Aの欄の番号は、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造の具体例である表1〜表11で示した構造番号に対応している。また、Zの欄が「−」であるものは、一般式(III−1)で示される電荷輸送性ポリウレタンの具体例を示し、Yの欄が「−」であるものは、一般式(III−2)で示される電荷輸送性ポリウレタンの具体例を示す。以下、各番号を付した具体例、例えば、15の番号を付した具体例は例示化合物(15)という。
【0070】
【表12】
【0071】
【表13】
【0072】
前記電荷輸送性ポリウレタンの質量平均分子量Mwは、10,000〜300,000の範囲にあることが好ましく、20,000〜100,000の範囲にあることがより好ましい。
【0073】
前記電荷輸送性ポリウレタンは、下記構造式(IV−1)〜(IV−4)で示される電荷輸送性モノマーを、例えば、第4版実験化学講座第28巻(丸善、1992)、新高分子実験学第2巻(共立出版、1995)、等に記載された公知の方法で重合させることによって合成することができる。なお、構造式(IV−1)〜(IV−4)中、A、T、mは、各々前記一般式(III−1)または(III−2)におけるA、T、mと同様である。
【0074】
【化15】
【0075】
具体的には、例えば、一般式(IV−1)及び(IV−2)で示される電荷輸送性モノマーの場合、電荷輸送性ポリウレタンは、次のようにして合成することができる。
電荷輸送性モノマーが一般式(IV−1)で示される2価アルコールの場合には、ONC−Y−NCOで示されるジイソシアネート類と当量混合し、また電荷輸送性モノマーが一般式(IV−2)で示されるジイソシアネート類の場合には、HO−Y−OHで示される2価アルコール類と当量混合し、重付加する。触媒としては、ジラウリル酸ジブチルスズ(II)、二酢酸ジブチルスズ(II)、ナフテン酸鉛等の有機金属化合物といった通常の重付加によるポリウレタン合成反応に用いるものが使用できる。また、芳香族系のジイソシアネートを電荷輸送性ポリウレタンの合成に用いる場合には、トリエチレンジアミン等の第三アミンを触媒として用いることができる。これら有機金属化合物と第三アミンとは触媒として混合して用いてもよい。
【0076】
用いられる触媒の量は、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1/10,000〜1/10質量部の範囲であることが好ましく、1/1,000〜1/50質量部の範囲であることがより好ましい。
【0077】
溶剤としては、電荷輸送性モノマーとジイソシアネート、もしくは2価アルコール類とを溶解するものであれば、任意の溶剤を用いることができるが、反応性の点から極性の低い溶媒やアルコールとの水素結合を生じない溶媒を用いることが好ましく、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効である。用いられる溶剤の量は、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1〜100質量部の範囲であることが好ましく、2〜50質量部の範囲であることがより好ましい。なお、反応温度は任意に設定できる。
【0078】
反応終了後は、反応溶液をそのまま、メタノール、エタノール等のアルコール類や、アセトン等のポリマーが溶解しにくい貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性ポリウレタンを析出させて分離した後、水や有機溶剤で十分洗浄し、乾燥させる。さらに、必要であれば適当な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性ポリウレタンを析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。再沈殿処理の際には、メカニカルスターラー等で、貧溶剤を効率よく撹拌しながら行うことが好ましい。
【0079】
上記再沈殿処理の際に電荷輸送性ポリウレタンを溶解させる溶剤量は、電荷輸送性ポリウレタン1質量部に対して、1〜100質量部の範囲であることが好ましく、2〜50質量部の範囲であることがより好ましい。また、前記貧溶剤の量は電荷輸送性ポリウレタン1質量部に対して、1〜1,000質量部の範囲であることが好ましく、10〜500質量部の範囲であることがより好ましい。
【0080】
前記一般式(IV−3)及び(IV−4)で示される電荷輸送性モノマーの場合、電荷輸送性ポリウレタンは、次のようにして合成することができる。電荷輸送性モノマーが一般式(IV−3)で示されるビスクロロホルメートの場合には、2HN−Y−NH2で示されるジアミン類と当量混合し、また電荷輸送性モノマーが一般式(IV−4)で示されるジアミン類の場合には、ClOCO−Y−OCOClで示されるビスクロロホルメート類と当量混合し、重縮合する。
【0081】
溶剤としては、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、溶剤量としては電荷輸送性モノマー1質量部に対して、1〜100質量部の範囲であることが好ましく、2〜50質量部の範囲であることがより好ましい。反応温度は任意に設定できる。重合後は、前述のように再沈殿処理により精製する。
【0082】
また、前記2HN−Y−NH2で示されるジアミン類の塩基性度の高い場合には、界面重合法も用いることができる。すなわち、ジアミン類を水に加え、当量の酸を加えて溶解させた後、激しく撹拌しながらジアミン類と前記一般式(IV−3)で示される当量の電荷輸送性モノマー溶液とを加えることによって重合することができる。この際、水の量はジアミン類1質量部に対して、1〜1,000質量部の範囲であることが好ましく、10〜500質量部の範囲であることがより好ましい。
【0083】
電荷輸送性モノマーを溶解させる溶剤としては、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効である。反応温度は任意に設定でき、反応を促進するために、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の相間移動触媒を用いることが効果的である。用いられる相間移動触媒の量は、電荷輸送性モノマー1質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.2〜5質量部の範囲であることがより好ましい。
【0084】
次に、本発明の有機EL素子の層構成について詳記する。
本発明の有機EL素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、それら電極間に挾持された発光層を含む一つまたは複数の有機化合物層より構成され、該有機化合物層の少なくとも1層に前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる。
【0085】
本発明の有機EL素子においては、有機化合物層が1つの場合は、該有機化合物層はキャリア輸送能を持つ発光層であり、該発光層が前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる。また、有機化合物層が複数の場合(機能分離型の場合)は、それらの少なくとも一つは発光層(この発光層はキャリア輸送能を有していてもよいし、有していなくてもよい)であり、他の有機化合物層は、キャリア輸送層、すなわち、ホール輸送層、電子輸送層、または、ホール輸送層及び電子輸送層として構成され、これらの少なくとも一層が、前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる。
【0086】
具体的には、例えば、少なくとも発光層及び電子輸送層から構成される有機EL素子、少なくともホール輸送層、発光層及び電子輸送層から構成される有機EL素子、あるいは、少なくともホール輸送層及び発光層から構成される有機EL素子において、これらの少なくとも一層(発光層、ホール輸送層、電子輸送層)が前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなるもの等が挙げられる。
【0087】
また、本発明の有機EL素子においては、発光層が、電荷輸送性材料(前記電荷輸送性ポリウレタン以外のホール輸送性材料、電子輸送性材料)を含有していることが好ましい。詳しくは、後述する。
【0088】
以下、図面を参照しつつ、より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
図1〜図4は、本発明の有機EL素子の層構成を説明するための模式的断面図であって、図1、図2、図4は、有機化合物層が複数の場合の一例であり、図3は、有機化合物層が1つの場合の例を示す。なお、図1〜図4において、同様の機能を有するものは同じ符号を付して説明する。
【0089】
図1に示す有機EL素子は、透明絶縁体基板1表面に、透明電極2、キャリア輸送能を持つ発光層6、電子輸送層5及び背面電極7を順次積層してなる。図2に示す有機EL素子は、透明絶縁体基板1表面に、透明電極2、ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5及び背面電極7を順次積層してなる。図3に示す有機EL素子は、透明絶縁体基板1表面に、透明電極2、キャリア輸送能を持つ発光層6及び背面電極7を順次積層してなる。図4に示す有機EL素子は、透明絶縁体基板1表面に、透明電極2、ホール輸送層3、キャリア輸送能を持つ発光層6及び背面電極7を順次積層してなる。以下、各々を詳しく説明する。
【0090】
なお、図1、図2及び図4に示す有機EL素子は、発光材料(発光層)が、明確なキャリア輸送性を示さないものを用いる場合に、有機EL素子の耐久性向上あるいは発光効率の向上を図る目的で、発光層4あるいはキャリア輸送能を持つ発光層6と透明電極2との間にホール輸送層を設けたり、発光層4あるいはキャリア輸送能を持つ発光層6と背面電極7との間に電子輸送層を設けたりした層構成のものである。
【0091】
本発明における前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる有機化合物層は、図1に示される有機EL素子の層構成の場合には、例えば、電子輸送層5、キャリア輸送能を持つ発光層6としていずれも用いることができるが、キャリア輸送能を持つ発光層6として用いることが好ましい。また、図2に示される有機EL素子の層構成の場合には、前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる有機化合物層を発光層4として用いることが好ましい。また、図3に示される有機EL素子の層構成の場合には、前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる有機化合物層をキャリア輸送能を持つ発光層6として用いることが好ましい。さらに、図4に示される有機EL素子の層構成の場合には、前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる有機化合物層を、例えば、ホール輸送層3、キャリア輸送能を持つ発光層6としていずれも用いることができるが、キャリア輸送能を持つ発光層6として用いることが好ましい。
【0092】
なお、本発明における前記電荷輸送性ポリウレタンを含有してなる有機化合物層は良好なホール輸送能を有し、例えば前記のように図4で表される発光素子のホール輸送層3にも用いることができる。この場合、キャリア輸送能を持つ発光層6には電子輸送性の発光層が設けられ、代表的な例としては下図(V−1〜9)に示される化合物を挙げることができる。
【0093】
【化16】
【0094】
図1〜図4に示される有機EL素子の層構成の場合、発光層4もしくはキャリア輸送能を持つ発光層6は、目的に応じて機能(ホール輸送能、あるいは電子輸送能)が付与された前記電荷輸送性ポリウレタンを含有する有機化合物層であることが好ましい。この場合の有機化合物層は、基本的には前記電荷輸送性ポリウレタン単独で形成されるが、有機EL素子に注入されるホールと電子とのバランスを調節するために、前記電荷輸送性ポリウレタン以外の電子輸送材料を層全体の質量に対して10〜50質量%の範囲で分散させてもよい。このような電子輸送材料としては、前記電荷輸送性ポリウレタンと強い電子相互作用を示さない有機化合物を用いることが好ましく、より好ましくは下記例示化合物(VI)が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0095】
同様にホール移動度を調節するために、電荷輸送性ポリウレタン以外のホール輸送材料、好ましくはテトラフェニレンジアミン誘導体を層全体の質量に対して10〜50質量%の範囲で同時に分散させて用いてもよい。
【0096】
また、発光層4もしくはキャリア輸送能を持つ発光層6には、有機EL素子の耐久性向上あるいは発光効率の向上を目的として、前記電荷輸送性ポリウレタンと異なる色素化合物をドーピングしてもよい。ドーピングは溶液または分散液中に所定の色素を混合することで行う。発光層中における色素化合物のドーピングの割合としては、層全体の質量の0.001〜40質量%の範囲であることが好ましく、0.01〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0097】
このようなドーピングに用いられる色素化合物としては、発光材料との相溶性がよく、かつ発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いられ、DCM誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン系化合物等が好適に用いられる。具体例として、下記の化合物(VII−1)〜(VII−4)が用いられるが、これらに限定されたものではない。
【0098】
【化17】
【0099】
【化18】
【0100】
図1〜図4に示される層構成の有機EL素子の場合、透明絶縁体基板1は、発光を取り出すため透明なものが好ましく、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられる。また、透明電極2は、透明絶縁体基板1と同様に発光を取り出すため透明であって、かつホールの注入を効率よく行うために仕事関数の大きなものが好ましく、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の酸化膜、及び蒸着あるいはスパッタされた金、白金、パラジウム等が好ましく用いられる。
【0101】
図1及び図2に示される層構成の有機EL素子の場合、電子輸送層5には、電子輸送能を示す化合物が電荷輸送性材料として用いられる。このような電子輸送層に用いられる電子輸送性材料としては、有機低分子の場合、真空蒸着法により良好な薄膜形成が可能な有機化合物が好ましく用いられ、具体的にはオキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等を挙げることができる。また、高分子の場合、それ自身を含む溶液または分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが条件である。電子輸送性材料としては、具体的に下記の化合物(VIII−1)〜(VIII−3)が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。また、他の汎用の樹脂等と混合して用いてもよい。
【0102】
【化19】
【0103】
図2及び図4に示される層構成の有機EL素子の場合、ホール輸送層3には、ホール輸送能を示す化合物が電荷輸送性材料として用いられる。ホール輸送性材料が有機低分子の場合には、真空蒸着法、もしくは低分子と結着樹脂を含む溶液または分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが材料選択の条件とされる。また、高分子の場合には、それ自身を含む溶液または分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが材料選択の条件である。
【0104】
ホール輸送性材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体、ポルフィリン系化合物等が好ましく用いられるが、特に好適な具体例として下記例示化合物(IX−1)〜(IX−8)を挙げることができるが、これらの中では、電荷輸送性ポリウレタンとの相溶性がよいことから、テトラフェニレンジアミン誘導体が好ましく用いられる。また、上記化合物を他の汎用の樹脂等と混合して用いてもよい。
【0105】
【化20】
【0106】
図1〜図4に示される層構成の有機EL素子の場合、背面電極7には、真空蒸着可能で、かつ電子注入を効率よく行うために仕事関数の小さな金属が使用されるが、特にマグネシウム、アルミニウム、銀、インジウム及びこれらの合金が好ましく用いられる。また、背面電極7の表面には、さらに素子の水分や酸素による劣化を防ぐために保護層を設けてもよい。具体的な保護層の材料としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al等の金属、MgO、SiO2、TiO2等の金属酸化物、ポリエチレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。保護層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーティング法が適用できる。
【0107】
これら図1〜図4に示される有機EL素子の各層形成は以下のように行われる。まず、透明電極2の表面に各有機EL素子の層構成に応じて、ホール輸送層3あるいはキャリア輸送能を持つ発光層6を形成する。ホール輸送層3及びキャリア輸送能を持つ発光層6は、上記各材料を真空蒸着法、もしくは有機溶媒中に溶解あるいは分散し、得られた塗布液を用いて前記透明電極2表面に製膜するスピンコーティング法、ディップ法等により形成される。
【0108】
次に、各有機EL素子の層構成に応じて、ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5あるいはキャリア輸送能を持つ発光層6は、上記各材料を、真空蒸着法、もしくは有機溶媒中に溶解或いは分散し、得られた塗布液を用いて前記透明電極2表面に製膜するスピンコーティング法、ディップ法等を用いることによって形成される。
【0109】
形成されるホール輸送層3、発光層4及び電子輸送層5の膜厚は、各々0.1μm以下であることが好ましく、特に0.03〜0.08μmの範囲であることが好ましい。また、キャリア輸送能を持つ発光層6の膜厚は、0.03〜0.2μmの範囲であることが好ましく、0.03〜0.1μmの範囲であることがより好ましい。
【0110】
上記各材料(前記電荷輸送性ポリウレタン、発光材料等)の分散状態は分子分散状態でも微粒子分散状態でも構わない。塗布液を用いた製膜法の場合、分子分散状態とするためには、分散溶媒は上記各材料の共通溶媒を用いる必要があり、微粒子分散状態とするためには、分散溶媒は上記各材料の分散性及び溶解性を考慮して選択する必要がある。微粒子状に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、アトライター、ボールミル、ホモジェナイザー、超音波法等が利用できる。
【0111】
そして、最後に、電子輸送層5あるいはキャリア輸送能を持つ発光層6の表面に、背面電極7を真空蒸着法により形成することにより素子が完成される。
【0112】
本発明の有機EL素子は、一対の電極間に、例えば、4〜20Vで、電流密度1〜200mA/cm2の直流電圧を印加することによって、500cd/m2程度以上に十分発光させることができる。
【0113】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
まず、各実施例に用いた電荷輸送性ポリウレタンは、例えば以下のようにして得た。
【0114】
−合成例1〔例示化合物(3)〕−
下記化合物(X−1)2.0gとクロロベンゼン30mlとを、容量50mlのフラスコに入れて攪拌し溶解させ、該フラスコ中に、ヘキサメチレンジイソシアネート0.54gをクロロベンゼン10mlに溶解した溶液を30分かけて滴下した後、窒素気流下、150℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を撹拌されたメタノール300ml中に滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾過し、十分にメタノールで洗浄し乾燥させた後、テトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、この溶液をメタノール300ml中に滴下する再沈殿を3回繰り返すことによって、1.8gの電荷輸送性ポリウレタンを得た。分子量はGPCにて測定したところ、Mw=4.71×104(スチレン換算)であり、モノマーの分子量から求めたpの値は約90であった。
【0115】
【化21】
【0116】
−合成例2〔例示化合物(28)〕−
下記化合物(X−2)2.0gとクロロベンゼン30mlとを、容量50mlのフラスコに入れて攪拌し溶解させ、該フラスコ中に、ヘキサメチレンジイソシアネート0.52gをクロロベンゼン10mlに溶解した溶液を30分かけて滴下した後、窒素気流下、150℃で2時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を撹拌されたメタノール300ml中に滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾過し、十分にメタノールで洗浄し乾燥させた後、テトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、この溶液をメタノール300ml中に滴下する再沈殿を3回繰り返すことによって、2.1gの電荷輸送性ポリウレタンを得た。分子量はGPCにて測定したところ、Mw=7.79×104(スチレン換算)であり、モノマーの分子量から求めたpの値は約60であった。
【0117】
【化22】
【0118】
−合成例3〔例示化合物(24)〕−
化合物(X−3)2.0gとクロロベンゼン30mlとを、容量50mlのフラスコに入れて攪拌し溶解させ、該フラスコ中に、ヘキサメチレンジイソシアネート0.52gをクロロベンゼン10mlに溶解した溶液を30分かけて滴下した後、窒素気流下、150℃で3時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を撹拌されたメタノール300ml中に滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾過し、十分にメタノールで洗浄した後乾燥させた後、テトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、この溶液をメタノール300mlに滴下する再沈殿を3回繰り返すことによって、1.9gの電荷輸送性ポリウレタンを得た。分子量はGPCにて測定したところ、Mw=1.05×105(スチレン換算)であり、モノマーの分子量から求めたpの値は約60であった。
【0119】
【化23】
【0120】
(実施例1)
電荷輸送性ポリウレタン〔例示化合物(3)〕(Mw=4.85×104)の5質量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(RTFE)フィルターで濾過した。2−プロパノール(電子工業用、関東化学社製)中で超音波洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、前記溶液をディップ法により塗布し、膜厚約0.1μmのホール輸送能を持つ発光層を形成した。十分乾燥させたこの発光層の表面に、電子輸送材料として昇華精製した前記例示化合物(V−1)をタングステンボートに入れ、真空蒸着法により蒸着して膜厚0.05μmの電子輸送層を形成した。この時の真空度は1.33×10-3Pa、ボート温度は300℃であった。続いて上記電荷輸送層の表面にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0121】
以上のように作製した有機EL素子を、真空中(1.33×10-1Pa)でITO電極側をプラス、Mg−Ag背面電極をマイナスとして0Vから1V毎に20Vまでの直流電圧を印加し、発光について測定を行い、このときの最高輝度、及び発光色を評価した。それらの結果を表14に示す。また、乾燥窒素中で有機EL素子の発光寿命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度が50cd/m2となるように電流値を設定し、定電流駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命(hour)とした。この時の駆動電流密度を素子寿命と共に表14に示す。
【0122】
(実施例2)
実施例1と同様に洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、ホール輸送材料として昇華精製した前記例示化合物(IX−2)をタングステンボートに入れ、真空蒸着法により蒸着して膜厚0.05μmのホール輸送層を形成した。この時の真空度は1.33×10-3Pa、ボート温度は300℃であった。続いて、実施例1で用いた濾過済みの電荷輸送性ポリウレタン〔例示化合物(3)〕(Mw=4.85×104)の5質量%ジクロロエタン溶液を用いて、ディップ法により塗布し、前記ホール輸送層の表面に膜厚約0.1μmの発光層を形成した。十分乾燥させたこの発光層の表面に、最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0123】
(実施例3)
実施例1で用いた電荷輸送性ポリウレタン〔例示化合物(3)〕(Mw=4.85×104)2質量部と、電子輸送材料として前記化合物例示(VIII−1)1質量部とを混合し、10質量%のジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、ディップ法により塗布して膜厚0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成した。十分乾燥させたこの発光層の表面に、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0124】
(実施例4)
電荷輸送性ポリウレタンとして例示化合物(28)(Mw=7.79×104)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0125】
(実施例5)
電荷輸送性ポリウレタンとして例示化合物(28)(Mw=7.79×104)を用いた以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0126】
(実施例6)
電荷輸送性ポリウレタンとして例示化合物(28)(Mw=7.79×104)を用いた以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0127】
(実施例7)
実施例4で用いた電荷輸送性ポリウレタン〔例示化合物(28)〕(Mw=7.79×104)1質量部と、発光材料として前記例示化合物(V−1)1質量部とを混合し、10質量%のジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、ディップ法により塗布して膜厚0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成した。十分乾燥させたこの発光層の表面に、あらかじめ調製し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過した電荷輸送性ポリウレタン[例示化合物(24)](Mw=1.05×105)の5質量%ジクロロエタン溶液を用いてスピンコート法により塗布し、厚さ0.1μmの電子輸送層を形成した。この電子輸送層の表面に、最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0128】
(実施例8)
実施例1と同様に洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、実施例4で用いた電荷輸送性ポリウレタン[例示化合物(28)](Mw=7.79×104)溶液を用い、ディップ法により厚さ0.1μmのホール輸送層を形成した。さらに、その表面に、前記例示化合物(V−1)を用い、真空蒸着法により厚さ0.065μmの発光層を形成した。十分乾燥させた後、あらかじめ調製し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過した電荷輸送性ポリウレタン[例示化合物(24)](Mw=1.05×105)の5質量%ジクロロエタン溶液を用いて、前記発光層表面にスピンコート法により塗布し、厚さ0.1μmの電子輸送層を形成した。この電子輸送層の表面に、最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0129】
(実施例9)
ホール輸送材料として、電荷輸送性ポリウレタン〔例示化合物(28)〕(Mw=7.79×104)を1質量部、発光材料として前記例示化合物(VII−1)を1質量部、電子輸送材料として電荷輸送性ポリウレタン[例示化合物(24)](Mw=1.05×105)を1質量部用いた以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0130】
(比較例1)
実施例1と同様に、洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、前記例示化合物(IX−1)で示されるホール輸送材料より構成される厚さ0.050μmのホール輸送層、前記例示化合物(V−1)で示される発光材料より構成される厚さ0.065μmの発光層を順次真空蒸着法により形成した。さらにその発光層の表面に、最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0131】
(比較例2)
実施例1と同様に、洗浄乾燥後、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、前記例示化合物(VII−1)で示される発光材料より構成される厚さ0.065μmの発光層、前記例示化合物(VIII−1)で示される電子輸送材料より構成される厚さ0.050μmの電子輸送層を順次真空蒸着法により形成した。さらにその電子輸送層の表面に、最後にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2 であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0132】
(比較例3)
ホール輸送材料として前記例示化合物(IX−1)を1質量部と、発光材料として前記例示化合物(V−1)を1質量部と、結着樹脂としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を1質量部と、を混合し、10質量%のジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、ディップ法により塗布して、膜厚0.15μmのホール輸送層を形成した。十分乾燥させたホール輸送層の表面に、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0133】
(比較例4)
ホール輸送性材料として前記例示化合物(IX−6)を2質量部と、発光材料として前記例示化合物(VII−1)を0.1質量部と、電子輸送材料として前記化合物(VIII−1)を1質量部とを混合し、10質量%のジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板表面に、ディップ法により塗布して、膜厚0.15μmのホール輸送層を形成した。十分乾燥させた後、ホール輸送層の表面にMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製された有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
上記有機ELについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表14に示す。
【0134】
【表14】
【0135】
上記実施例に示すように、本発明の有機EL素子は、駆動電流密度が低いにもかかわらず高い最高輝度を示し、特に実施例4においては、700cd/m2以上の最高輝度が得られた。これに対し、比較例の有機EL素子では、十分な素子寿命が得られなかった。
【0136】
【発明の効果】
前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し構造単位からなる電荷輸送性ポリウレタンは、有機EL素子に好適なイオン化ポテンシャルや電荷移動度及び発光特性を持ち、また、スピンコーティング法、ディップ法等を用いて良好な薄膜を形成することが可能であるので、これを用いて形成された本発明の有機EL素子は、十分に高い輝度を示し、また、膜厚を比較的厚く設定できるため、ピンホール等の不良も少なく、大面積化も容易であり、しかも優れた耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層型有機EL素子の一例を示す模式的断面図である。
【図2】 本発明の積層型有機EL素子の他の一例を示す模式的断面図である。
【図3】 本発明の有機EL素子の他の一例を示す模式的断面図である。
【図4】 本発明の積層型有機EL素子の他の一例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁体基板
2 透明電極
3 ホール輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 キャリア輸送能を持つ発光層
7 背面電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an organic electroluminescent device (hereinafter referred to as “organic EL device”), and more particularly to an organic EL device using a specific charge transporting polymer.
[0002]
[Prior art]
An electroluminescent element (hereinafter referred to as an “EL element”) is a self-luminous all-solid-state element, and is highly visible and resistant to impacts. As the EL element, an inorganic phosphor is mainly used at present, but since an AC voltage of 200 V or more is necessary for driving, there are problems such as high manufacturing cost and insufficient luminance. is doing.
[0003]
On the other hand, research on EL devices using organic compounds first started with a single crystal such as anthracene, but in the case of a single crystal, the film thickness was as thick as about 1 mm and a driving voltage of 100 V or more was required. For this reason, attempts have been made to reduce the film thickness by vapor deposition (Thin Solid Films, Vol. 94, 171 (1982)), but the thin film obtained by this method still has a high drive voltage of 30 V, Sufficient brightness could not be obtained because the electron / hole carrier density was low and the photon generation probability due to carrier recombination was low.
[0004]
However, in recent years, in a function-separated EL device in which thin films of a hole-transporting organic low-molecular compound and a fluorescent organic low-molecular compound having an electron-transporting capability are sequentially stacked by a vacuum deposition method, a low driving voltage of about 10V is used. 1000 cd / m2What has obtained the above high luminance has been reported (Appl. Phys. Lett., Vol. 51, 913 (1987)), and research and development of stacked EL devices have been actively conducted since then. In these stacked EL devices, holes and electrons are made of a light-emitting layer made of a fluorescent organic compound while maintaining the carrier balance between the holes and electrons through a charge transport layer made of an organic compound having a charge-transport property from the electrode. High-luminance light emission is realized by recombination of the holes and electrons injected into the light-emitting layer and confined in the light-emitting layer.
[0005]
However, in this type of EL device, a thin film having a film thickness of 0.1 μm or less is formed in a plurality of vapor deposition processes, so that pinholes are likely to occur, and under strictly controlled conditions to obtain sufficient performance. It is necessary to control the film thickness. Therefore, there are problems that productivity is low and it is difficult to increase the area. In addition, this EL element has several mA / cm.2Because it is driven at a high current density, a large amount of Joule heat is generated. For this reason, there is a phenomenon that the charge transporting low molecular weight compound or the fluorescent organic low molecular weight compound formed in an amorphous glass state by vapor deposition gradually crystallizes and finally melts, resulting in a decrease in luminance and dielectric breakdown. There was also a problem that the lifetime of the device was reduced as a result.
[0006]
Therefore, in order to solve the problems related to the thermal stability of the EL element, a starburst amine which can obtain a stable amorphous glass state is used as a hole transport material (40th Applied Physics Related Conference Proceedings 30a). -SZK-14 (1993), etc.), and EL elements using a polymer in which triphenylamine is introduced into the side chain of polyphosphazene (The 42nd Polymer Symposium Proceedings 20J21 (1993)) have been reported. .
[0007]
However, since these alone have an energy barrier due to the ionization potential of the hole transport material, the hole injection property from the anode or the hole injection property to the light emitting layer cannot be satisfied. Further, in the case of the former starburst amine, it is difficult to purify due to low solubility, and it is difficult to increase the purity, and in the case of the latter polymer, a high current density cannot be obtained and sufficient. There is also a problem that the luminance is not obtained.
[0008]
On the other hand, with the aim of solving the problems related to productivity and large area in stacked organic EL devices, research and development of EL devices with a single-layer structure have also been promoted, and conductive polymers such as poly (p-phenylene vinylene). (Nature, Vol. 357, 477 (1992), etc.), a device in which an electron transporting material and a fluorescent dye are mixed in a hole transporting polyvinyl carbazole (Preliminary Proceedings of the 38th Joint Conference on Applied Physics 31p -G-12 (1991)) has been proposed, but the luminance, luminous efficiency, and the like are still not as good as those of a stacked EL element using an organic low molecular weight compound. Furthermore, it has been reported that the manufacturing method is preferably a wet coating method from the viewpoint of simplification of manufacturing, workability, large area, cost, etc., and an element can also be obtained by a casting method (No. 50). Proceedings of the Japan Society of Applied Physics, 29p-ZP-5 (1989), Proceedings of the 51st Japan Society of Applied Physics, 28a-PB-7 (1990)). However, since the charge transport material has poor solubility and compatibility with solvents and resins, it is easy to crystallize, and there is a problem in production or characteristics.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art. That is, an object of the present invention is to provide an organic EL device that has sufficient luminance, is excellent in stability and durability, can be increased in area, and can be easily manufactured.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present inventors have conducted extensive studies on charge transport materials, and as a result, have at least one selected from structures represented by the following general formulas (I-1) and (I-2) as a partial structure. When the charge transporting polyurethane is used as a light emitting material, it has not only excellent charge injection characteristics, charge mobility, and thin film forming ability as an organic EL device, but also extremely excellent light emission characteristics in a solid state. Has been found to function as an element excellent in luminance and luminous efficiency, and has completed the present invention.
[0011]
That is, the present invention
<1> In an electroluminescent element composed of one or a plurality of organic compound layers, sandwiched between a pair of electrodes composed of an anode and a cathode, at least one of which is transparent or translucent, at least one of the organic compound layers Contains at least one charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one selected from the structures represented by the following general formulas (I-1) and (I-2) as a partial structureThe charge transporting polyurethane has the following general formula ( III -1) or ( III -2)This is an organic electroluminescent element characterized by the above.
[0012]
[Formula 4]
[0013]
In general formulas (I-1) and (I-2), Ar represents a substituent represented by general formula (II-1) or a substituent represented by (II-2), and X represents a substituted or Represents an unsubstituted divalent aromatic group, and k represents 0 or 1;
[0014]
[Chemical formula 5]
[0015]
In general formulas (II-1) and (II-2), Ar1, Ar2And ArThreeIs a substituted or unsubstituted benzene ring, a substituted or unsubstituted polynuclear aromatic hydrocarbon having 2 to 10 aromatic rings, or a substituted or unsubstituted condensed aromatic hydrocarbon having 2 to 10 aromatic rings, or substituted Or an unsubstituted aromatic heterocyclic ring, or a substituted or unsubstituted aromatic group containing at least one aromatic heterocyclic ring;1, R2, RThreeAnd RFourRepresents a hydrogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a cyano group, a halogen atom, a substituted amino group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted aralkyl group. The above may be the same. n represents an integer of 0 to 10.
[Chemical Formula 3]
General formula ( III -1) and ( III -2), A represents at least one selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2), and R represents a hydrogen atom, an alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group. Or a substituted or unsubstituted aralkyl group, T represents a divalent linear hydrocarbon group having 1 to 6 carbon atoms, or a divalent branched hydrocarbon group having 2 to 10 carbon atoms, Y represents a diisocyanate residue, Z represents a dihydric alcohol residue, m represents 0 or 1, and p represents an integer of 5 to 5000.
[0016]
<2> The organic compound layer is composed of at least a light emitting layer and an electron transport layer having a carrier transport ability, and the light emitting layer is selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2). <1> The organic electroluminescence device according to <1>, wherein the organic electroluminescence device comprises at least one charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one kind as a partial structure.
[0017]
<3> The organic compound layer is composed of at least a hole transport layer, a light emitting layer, and an electron transport layer, and the light emitting layer is selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2). <1> The organic electroluminescent device according to <1>, wherein the organic electroluminescent device comprises at least one charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one kind as a partial structure.
[0018]
<4> The organic compound layer includes at least a light emitting layer having a carrier transporting ability, and the light emitting layer is at least one selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2). <1> The organic electroluminescent device according to <1>, wherein the organic electroluminescent device comprises at least one charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing as a partial structure.
[0019]
<5> The organic compound layer is composed of at least a hole transport layer and a light emitting layer having carrier transport ability, and the light emitting layer is selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2). <1> The organic electroluminescence device according to <1>, wherein the organic electroluminescence device comprises at least one charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one kind as a partial structure.
[0020]
<6> The organic electroluminescent element according to any one of <2> to <5>, wherein the light emitting layer includes a charge transporting material.
[0024]
In the organic EL device of the present invention, the organic compound layer is composed of a function-separated type, for example, at least a hole transport layer and a light-emitting layer, and the hole transport layer includes the general formulas (I-1) and (I -2) those containing a hole-transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one selected from the structure shown as a partial structure, or those having both carrier-transporting ability and light-emitting ability, that is, organic The compound layer is composed only of a light emitting layer, and the light emitting layer comprises a repeating unit containing at least one selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2) as a partial structure. Any of those containing a charge transporting polyurethane may be used.
In the organic EL device of the present invention, when the organic compound layer is composed only of the light emitting layer, the light emitting layer includes a charge transporting material (a hole transporting material other than the charge transporting polyurethane, an electron transporting material). May be.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The organic EL device of the present invention is composed of one or a plurality of organic compound layers sandwiched between a pair of electrodes composed of an anode and a cathode, at least one of which is transparent or translucent, and at least one of the organic compound layers. Is a charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one selected from the structures represented by the following general formulas (I-1) and (I-2) as a partial structure (hereinafter simply referred to as “charge transporting polyurethane”) 1 or more) may be contained. The organic EL device of the present invention has a layer containing the charge transporting polyurethane, thereby having sufficient luminance and excellent stability and durability. Furthermore, by using the charge transporting polyurethane, the area of the organic EL element can be increased and can be easily manufactured.
[0026]
[Chemical 7]
[0027]
In general formulas (I-1) and (I-2), Ar represents a substituent represented by general formula (II-1) or a substituent represented by (II-2), and X represents a substituted or Represents an unsubstituted divalent aromatic group, and k represents 0 or 1;
[0028]
[Chemical 8]
[0029]
In general formulas (II-1) and (II-2), Ar1, Ar2And ArThreeIs a substituted or unsubstituted benzene ring, a substituted or unsubstituted polynuclear aromatic hydrocarbon having 2 to 10 aromatic rings, or a substituted or unsubstituted condensed aromatic hydrocarbon having 2 to 10 aromatic rings, or substituted Or an unsubstituted aromatic heterocyclic ring, or a substituted or unsubstituted aromatic group containing at least one aromatic heterocyclic ring;1, R2, RThreeAnd RFourRepresents a hydrogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a cyano group, a halogen atom, a substituted amino group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted aralkyl group. The above may be the same. n represents an integer of 0 to 10.
[0030]
The polynuclear aromatic hydrocarbon represents a hydrocarbon in which two or more aromatic rings composed of carbon and hydrogen are present and the rings are bonded by a carbon-carbon single bond. Specific examples include biphenyl and terphenyl. The condensed aromatic hydrocarbon represents a hydrocarbon in which two or more aromatic rings composed of carbon and hydrogen are present and the rings share a pair of carbon atoms. Specific examples include naphthalene, anthracene, phenanthrene and fluorene. The aromatic heterocycle represents an aromatic ring containing an element other than carbon and hydrogen. Specific examples include a pyrrole ring, a furan ring, a thiophene ring, an imidazole ring, an oxazole ring, a carbazole ring, a thiazole ring, a pyrazole ring, a pyridine ring, and a quinoline ring. Furthermore, the aromatic group containing an aromatic heterocyclic ring represents a substituent that is included in the structure in which at least one aromatic heterocyclic ring is substituted, condensed or linked.
[0031]
The aromatic group containing the aromatic heterocyclic ring may be either one composed entirely of a conjugated system or one partially composed of a non-conjugated system, but in terms of charge transportability and luminous efficiency. All of them are preferably composed of a conjugated system.
[0032]
In addition, the substituent of the aromatic group containing the benzene ring, polynuclear aromatic hydrocarbon, condensed aromatic hydrocarbon, aromatic heterocycle, or at least one aromatic heterocycle includes a hydrogen atom, an alkyl group, an alkoxy group Group, aralkyl group, substituted amino group, cyano group, halogen atom and the like. Among these, a hydrogen atom, alkyl group, alkoxy group, aralkyl group, substituted amino group, cyano group and halogen atom are preferred.
[0033]
As said alkyl group, a C1-C10 thing is preferable and a C1-C3 thing is more preferable. Specific examples include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, and an isopropyl group.
[0034]
As said alkoxyl group, a C1-C10 thing is preferable and a C1-C3 thing is more preferable. Specific examples include a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, and an isopropoxy group.
[0035]
The aryl group preferably has 6 to 20 carbon atoms, and more preferably has 6 to 7 carbon atoms. Specific examples include a phenyl group and a toluyl group.
[0036]
Moreover, as said aralkyl group, a C7-C20 thing is preferable and a C7-C8 thing is more preferable. Specific examples include a benzyl group and a phenethyl group.
Examples of the substituent of the substituted amino group include an alkyl group, an aryl group, an aralkyl group, and the like, and specific examples are as described above.
[0037]
In the general formulas (I-1) and (I-2), X represents a substituted or unsubstituted divalent aromatic group, specifically selected from the following formulas (1) to (13). Groups.
[0038]
[Chemical 9]
[0039]
In formulas (1) to (13), RFiveRepresents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, a substituted or unsubstituted phenyl group, or a substituted or unsubstituted aralkyl group;6~ R17Each represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 4 carbon atoms, a substituted or unsubstituted phenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, or a halogen atom, and a is 0 or 1 is represented.
V represents a group selected from the following formulas (14) to (29).
[0040]
[Chemical Formula 10]
[0041]
In formulas (13) to (29), b represents an integer of 1 to 10, and c represents an integer of 1 to 3.
[0042]
Among these, when the X has a biphenylene structure represented by the following structural formula (A) or (B), it is also reported in “The Sixth International Congress on Advanced in Non-print Printing Technologies, 306, (1990)”. As described above, a polymer having high mobility can be obtained, which is particularly preferable.
[0043]
Embedded image
[0044]
In general formulas (I-1) and (I-2), k represents 0 or 1.
Hereinafter, specific examples of the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2) are shown in Tables 1 to 11, but the present invention is not limited to these specific examples. In addition, structure numbers 1 to 53 in Tables 1 to 6 show specific examples of structures represented by the general formula (I-1), and structure numbers 54 to 96 in Tables 7 to 11 represent general formulas (I- A specific example of the structure shown in 2) is shown.
[0045]
[Table 1]
[0046]
[Table 2]
[0047]
[Table 3]
[0048]
[Table 4]
[0049]
[Table 5]
[0050]
[Table 6]
[0051]
[Table 7]
[0052]
[Table 8]
[0053]
[Table 9]
[0054]
[Table 10]
[0055]
[Table 11]
[0056]
[0057]
As the charge transporting polyurethane comprising a repeating unit containing at least one selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2) as a partial structure, the following general formula (III-1) or ( III-2)UsedUsed.
[0058]
Embedded image
[0059]
In the general formula (III-1) or (III-2), A represents at least one selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2). Two or more types of structures A may be included.
[0060]
In the general formula (III-1) or (III-2), R represents a hydrogen atom, an alkyl group, a substituted or unsubstituted aryl group, or a substituted or unsubstituted aralkyl group. As an alkyl group, a C1-C10 thing is preferable and a C1-C3 thing is more preferable. Specific examples include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, and an isopropyl group.
[0061]
As said aryl group, a C6-C20 thing is preferable and a C6-C7 thing is more preferable. Specifically, a phenyl group, a toluyl group, etc. are mentioned, for example.
[0062]
As said aralkyl group, a C7-C20 thing is preferable and a C7-C8 thing is more preferable. Specific examples include a benzyl group and a phenethyl group. In addition, examples of the substituent of the substituted aryl group and the substituted aralkyl group include a hydrogen atom, an alkyl group, an alkoxy group, a substituted amino group, and a halogen atom.
[0063]
In the general formula (III-1) or (III-2), T represents a divalent linear hydrocarbon group having 1 to 6 carbon atoms, or a divalent branched carbonized group having 2 to 10 carbon atoms. Represents a hydrogen group, preferably selected from a divalent linear hydrocarbon group having 2 to 6 carbon atoms and a divalent branched hydrocarbon group having 3 to 7 carbon atoms. A specific structure is shown below.
[0064]
Embedded image
[0065]
In the general formula (III-1) or (III-2), Y represents a divalent alcohol residue, and Z represents a divalent carboxylic acid residue. Specific examples of Y and Z include groups selected from the following formulas (30) to (36).
[0066]
Embedded image
[0067]
In formulas (30) to (36), R18And R19Each represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, an alkoxyl group having 1 to 4 carbon atoms, a substituted or unsubstituted phenyl group, a substituted or unsubstituted aralkyl group, or a halogen atom; , Each represents an integer of 1 to 10, f and g each represents an integer of 0, 1 or 2, and h and i each represents 0 or 1 respectively. V is the same as V in the formulas (14) to (29).
[0068]
Further, in the general formula (III-1) or (III-2), m represents 0 or 1, and p represents an integer of 5 to 5000. In addition, it is preferable that p is in the range of 10 to 1000.
[0069]
Hereinafter, specific examples of the charge transporting polyurethane represented by the general formulas (III-1) and (III-2) are shown in Tables 12 and 13, but the present invention is not limited to these specific examples. In Tables 12 and 13, the numbers in the column A correspond to the structure numbers shown in Tables 1 to 11 which are specific examples of the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2). is doing. The case where the column of Z is “-” indicates a specific example of the charge transporting polyurethane represented by the general formula (III-1), and the case where the column of Y is “−” is a general formula (III A specific example of the charge transporting polyurethane represented by -2) is shown below. Hereinafter, the specific example which attached | subjected each number, for example, the specific example which attached | subjected the number of 15, is called illustration compound (15).
[0070]
[Table 12]
[0071]
[Table 13]
[0072]
The mass average molecular weight Mw of the charge transporting polyurethane is preferably in the range of 10,000 to 300,000, and more preferably in the range of 20,000 to 100,000.
[0073]
For the charge transporting polyurethane, charge transporting monomers represented by the following structural formulas (IV-1) to (IV-4) are used, for example, 4th edition Experimental Chemistry Course Vol. 28 (Maruzen, 1992), New Polymer Experiment It can be synthesized by polymerization by a known method described in Gaku 2nd volume (Kyoritsu Shuppan, 1995). In Structural Formulas (IV-1) to (IV-4), A, T, and m are the same as A, T, and m in General Formula (III-1) or (III-2), respectively.
[0074]
Embedded image
[0075]
Specifically, for example, in the case of the charge transporting monomers represented by the general formulas (IV-1) and (IV-2), the charge transporting polyurethane can be synthesized as follows.
When the charge transporting monomer is a dihydric alcohol represented by the general formula (IV-1), it is mixed in an equivalent amount with a diisocyanate represented by ONC-Y-NCO, and the charge transporting monomer is represented by the general formula (IV-2). In the case of diisocyanates represented by), an equivalent mixture with a dihydric alcohol represented by HO—Y—OH is mixed and polyadded. As the catalyst, those used for a polyurethane synthesis reaction by usual polyaddition such as organometallic compounds such as dibutyltin (II) dilaurate, dibutyltin diacetate and lead naphthenate can be used. Further, when an aromatic diisocyanate is used for the synthesis of a charge transporting polyurethane, a tertiary amine such as triethylenediamine can be used as a catalyst. These organometallic compounds and tertiary amines may be mixed and used as a catalyst.
[0076]
The amount of the catalyst used is preferably in the range of 1 / 10,000 to 1/10 parts by mass, and in the range of 1 / 1,000 to 1/50 parts by mass with respect to 1 part by mass of the charge transporting monomer. It is more preferable that
[0077]
As the solvent, any solvent can be used as long as it dissolves the charge transporting monomer and diisocyanate or dihydric alcohol. However, from the viewpoint of reactivity, a hydrogen bond with a less polar solvent or alcohol. It is preferable to use a solvent that does not generate water, and toluene, chlorobenzene, dichlorobenzene, 1-chloronaphthalene, and the like are effective. The amount of the solvent used is preferably in the range of 1 to 100 parts by mass, more preferably in the range of 2 to 50 parts by mass with respect to 1 part by mass of the charge transporting monomer. The reaction temperature can be arbitrarily set.
[0078]
After completion of the reaction, the reaction solution is dropped as it is into a poor solvent in which alcohols such as methanol and ethanol, and polymers such as acetone are difficult to dissolve, and the charge transporting polyurethane is precipitated and separated, and then water or an organic solvent. Wash thoroughly and dry. Furthermore, if necessary, the reprecipitation treatment may be repeated in which it is dissolved in a suitable organic solvent and dropped into a poor solvent to precipitate the charge transporting polyurethane. In the reprecipitation treatment, it is preferable to carry out the poor solvent efficiently with a mechanical stirrer or the like.
[0079]
The amount of the solvent that dissolves the charge transporting polyurethane during the reprecipitation treatment is preferably in the range of 1 to 100 parts by weight, and in the range of 2 to 50 parts by weight with respect to 1 part by weight of the charge transporting polyurethane. More preferably. The amount of the poor solvent is preferably in the range of 1 to 1,000 parts by mass and more preferably in the range of 10 to 500 parts by mass with respect to 1 part by mass of the charge transporting polyurethane.
[0080]
In the case of the charge transporting monomers represented by the general formulas (IV-3) and (IV-4), the charge transporting polyurethane can be synthesized as follows. When the charge transporting monomer is bischloroformate represented by the general formula (IV-3),2HN-Y-NH2In the case where the charge transporting monomer is a diamine represented by the general formula (IV-4), it is mixed in an equivalent amount with the bischloroformate represented by ClOCO-Y-OCOCl. , Polycondensate.
[0081]
As the solvent, methylene chloride, dichloroethane, trichloroethane, tetrahydrofuran (THF), toluene, chlorobenzene, 1-chloronaphthalene and the like are effective, and the amount of the solvent is 1 to 100 parts by mass with respect to 1 part by mass of the charge transporting monomer. It is preferable that it is the range of this, and it is more preferable that it is the range of 2-50 mass parts. The reaction temperature can be arbitrarily set. After the polymerization, purification is performed by reprecipitation as described above.
[0082]
Also, the above2HN-Y-NH2When the basicity of the diamine represented by is high, an interfacial polymerization method can also be used. That is, by adding diamines to water and adding an equivalent amount of acid to dissolve, diamines and an equivalent amount of the charge transporting monomer solution represented by the general formula (IV-3) are added with vigorous stirring. Can be polymerized. Under the present circumstances, it is preferable that it is the range of 1-1000 mass parts with respect to 1 mass part of diamines, and, as for the quantity of water, it is more preferable that it is the range of 10-500 mass parts.
[0083]
As the solvent for dissolving the charge transporting monomer, methylene chloride, dichloroethane, trichloroethane, toluene, chlorobenzene, 1-chloronaphthalene and the like are effective. The reaction temperature can be arbitrarily set, and in order to promote the reaction, it is effective to use a phase transfer catalyst such as an ammonium salt or a sulfonium salt. The amount of the phase transfer catalyst used is preferably in the range of 0.1 to 10 parts by mass, more preferably in the range of 0.2 to 5 parts by mass with respect to 1 part by mass of the charge transporting monomer. .
[0084]
Next, the layer structure of the organic EL element of the present invention will be described in detail.
The organic EL device of the present invention comprises a pair of electrodes, at least one of which is transparent or translucent, and one or a plurality of organic compound layers including a light emitting layer sandwiched between the electrodes. The charge transporting polyurethane is contained in at least one layer.
[0085]
In the organic EL device of the present invention, when there is one organic compound layer, the organic compound layer is a light emitting layer having a carrier transport ability, and the light emitting layer contains the charge transporting polyurethane. Further, when there are a plurality of organic compound layers (in the case of function separation type), at least one of them is a light emitting layer (this light emitting layer may or may not have carrier transporting ability). And the other organic compound layer is configured as a carrier transport layer, that is, a hole transport layer, an electron transport layer, or a hole transport layer and an electron transport layer, and at least one of these layers comprises the charge transporting polyurethane. It contains.
[0086]
Specifically, for example, an organic EL device composed of at least a light emitting layer and an electron transport layer, an organic EL device composed of at least a hole transport layer, a light emitting layer and an electron transport layer, or at least a hole transport layer and a light emitting layer In the organic EL device composed of the above, there may be mentioned those in which at least one of these layers (light emitting layer, hole transport layer, electron transport layer) contains the charge transporting polyurethane.
[0087]
In the organic EL device of the present invention, the light emitting layer preferably contains a charge transporting material (a hole transporting material other than the charge transporting polyurethane, an electron transporting material). Details will be described later.
[0088]
Hereinafter, although it demonstrates in detail, referring drawings, this invention is not necessarily limited to these.
1 to 4 are schematic cross-sectional views for explaining the layer structure of the organic EL element of the present invention, and FIGS. 1, 2, and 4 are examples of the case where there are a plurality of organic compound layers. FIG. 3 shows an example in the case of one organic compound layer. In FIG. 1 to FIG. 4, components having similar functions are described with the same reference numerals.
[0089]
The organic EL element shown in FIG. 1 is formed by sequentially laminating a
[0090]
1, 2, and 4, when the light emitting material (light emitting layer) does not show a clear carrier transport property, the durability of the organic EL element is improved or the light emission efficiency is improved. For the purpose of improvement, a hole transport layer is provided between the light-emitting layer 4 or the light-emitting
[0091]
In the case of the layer structure of the organic EL device shown in FIG. 1, the organic compound layer containing the charge transporting polyurethane in the present invention includes, for example, an
[0092]
Note that the organic compound layer containing the charge transporting polyurethane in the present invention has a good hole transporting ability, and is used, for example, in the
[0093]
Embedded image
[0094]
In the case of the layer structure of the organic EL element shown in FIGS. 1 to 4, the light emitting layer 4 or the
[0095]
Similarly, in order to adjust the hole mobility, a hole transporting material other than charge transporting polyurethane, preferably a tetraphenylenediamine derivative, may be simultaneously dispersed in the range of 10 to 50% by mass with respect to the total mass of the layer. Good.
[0096]
Further, the light emitting layer 4 or the
[0097]
As the coloring compound used for such doping, an organic compound that has good compatibility with the light emitting material and does not interfere with good thin film formation of the light emitting layer is used. Etc. are preferably used. Specific examples include the following compounds (VII-1) to (VII-4), but are not limited thereto.
[0098]
Embedded image
[0099]
Embedded image
[0100]
In the case of the organic EL element having the layer structure shown in FIGS. 1 to 4, the transparent insulator substrate 1 is preferably transparent in order to extract emitted light, and glass, plastic film, or the like is used. Further, the
[0101]
In the case of the organic EL element having the layer structure shown in FIGS. 1 and 2, a compound exhibiting an electron transport ability is used as the charge transport material for the
[0102]
Embedded image
[0103]
In the case of the organic EL element having the layer structure shown in FIGS. 2 and 4, a compound exhibiting hole transport ability is used as the charge transport material for the
[0104]
As the hole transporting material, tetraphenylenediamine derivatives, triphenylamine derivatives, carbazole derivatives, stilbene derivatives, arylhydrazone derivatives, porphyrin compounds, and the like are preferably used. Particularly preferred specific examples include the following exemplified compounds (IX-1 ) To (IX-8). Among these, a tetraphenylenediamine derivative is preferably used because of its good compatibility with the charge transporting polyurethane. Moreover, you may use the said compound mixed with other general purpose resin.
[0105]
Embedded image
[0106]
In the case of the organic EL element having the layer structure shown in FIGS. 1 to 4, the
[0107]
Each layer formation of the organic EL element shown in FIGS. 1 to 4 is performed as follows. First, the
[0108]
Next, depending on the layer structure of each organic EL element, the
[0109]
The film thicknesses of the
[0110]
The dispersion state of each of the materials (the charge transporting polyurethane, the light emitting material, etc.) may be a molecular dispersion state or a fine particle dispersion state. In the case of a film forming method using a coating solution, it is necessary to use a common solvent of each of the above materials as a dispersion solvent in order to obtain a molecular dispersion state. It is necessary to select it in consideration of the dispersibility and solubility. In order to disperse into fine particles, a ball mill, a sand mill, a paint shaker, an attritor, a ball mill, a homogenizer, an ultrasonic method, or the like can be used.
[0111]
Finally, the device is completed by forming the
[0112]
The organic EL element of the present invention has a current density of 1 to 200 mA / cm between a pair of electrodes, for example, at 4 to 20 V.2By applying a DC voltage of 500 cd / m2It can be made to emit enough light.
[0113]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not restrict | limited to these Examples.
First, the charge transport polyurethane used in each example was obtained as follows, for example.
[0114]
-Synthesis example 1 [Exemplary compound (3)]-
2.0 g of the following compound (X-1) and 30 ml of chlorobenzene were placed in a 50 ml flask and stirred to dissolve, and a solution of 0.54 g of hexamethylene diisocyanate dissolved in 10 ml of chlorobenzene was added to the flask over 30 minutes. Then, the mixture was heated and stirred at 150 ° C. for 2 hours under a nitrogen stream. After completion of the reaction, the reaction solution was cooled to room temperature, and the reaction solution was dropped into 300 ml of stirred methanol to precipitate a polymer. The polymer obtained was filtered, washed thoroughly with methanol and dried, then dissolved in 30 ml of tetrahydrofuran (THF), and reprecipitation of this solution dropwise into 300 ml of methanol was repeated three times to obtain 1.8 g of A charge transporting polyurethane was obtained. Molecular weight measured by GPC was Mw = 4.71 × 10.FourThe value of p calculated from the molecular weight of the monomer was about 90.
[0115]
Embedded image
[0116]
-Synthesis example 2 [Exemplary compound (28)]-
2.0 g of the following compound (X-2) and 30 ml of chlorobenzene were placed in a 50 ml flask and stirred to dissolve, and a solution of 0.52 g of hexamethylene diisocyanate dissolved in 10 ml of chlorobenzene was added to the flask over 30 minutes. Then, the mixture was heated and stirred at 150 ° C. for 2 hours under a nitrogen stream. After completion of the reaction, the reaction solution was cooled to room temperature, and the reaction solution was dropped into 300 ml of stirred methanol to precipitate a polymer. The polymer obtained was filtered, washed thoroughly with methanol and dried, then dissolved in 30 ml of tetrahydrofuran (THF), and reprecipitation of this solution dropwise into 300 ml of methanol was repeated three times to obtain 2.1 g of A charge transporting polyurethane was obtained. The molecular weight was measured by GPC, Mw = 7.79 × 10FourThe value of p obtained from the molecular weight of the monomer was about 60.
[0117]
Embedded image
[0118]
-Synthesis example 3 [Exemplary compound (24)]-
Compound (X-3) (2.0 g) and chlorobenzene (30 ml) are placed in a 50 ml flask and stirred to dissolve, and a solution of hexamethylene diisocyanate (0.52 g) in chlorobenzene (10 ml) is added to the flask over 30 minutes. After the dropwise addition, the mixture was heated and stirred at 150 ° C. for 3 hours under a nitrogen stream. After completion of the reaction, the reaction solution was cooled to room temperature, and the reaction solution was dropped into 300 ml of stirred methanol to precipitate a polymer. The polymer obtained was filtered, washed thoroughly with methanol, dried, then dissolved in 30 ml of tetrahydrofuran (THF), and this solution was added dropwise to 300 ml of methanol. A charge transporting polyurethane was obtained. The molecular weight was measured by GPC, Mw = 1.05 × 10FiveThe value of p obtained from the molecular weight of the monomer was about 60.
[0119]
Embedded image
[0120]
(Example 1)
Charge-transporting polyurethane [Exemplary Compound (3)] (Mw = 4.85 × 10Four5 mass% dichloroethane solution was prepared and filtered through a 0.1 μm polytetrafluoroethylene (RTFE) filter. After ultrasonic cleaning and drying in 2-propanol (for electronics industry, manufactured by Kanto Chemical Co., Inc.), the solution was applied to the surface of a glass substrate on which a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was formed by etching, by a dip method. A light emitting layer having a hole transport ability of 0.1 μm was formed. The exemplified compound (V-1) purified by sublimation as an electron transport material is placed in a tungsten boat on the surface of the light-emitting layer which has been sufficiently dried, and is deposited by a vacuum deposition method to form an electron transport layer having a thickness of 0.05 μm. did. The degree of vacuum at this time is 1.33 × 10-3Pa and boat temperature were 300 degreeC. Subsequently, a Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the charge transport layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
[0121]
The organic EL device produced as described above was subjected to vacuum (1.33 × 10 6-1In Pa), the ITO electrode side was positive and the Mg-Ag back electrode was negative, a direct voltage from 0 V to 20 V was applied every 1 V, and the light emission was measured, and the maximum luminance and light emission color at this time were evaluated. The results are shown in Table 14. Moreover, the light emission lifetime of the organic EL element was measured in dry nitrogen. The evaluation of the light emission lifetime is an initial luminance of 50 cd / m.2The current value was set such that the time until the luminance was halved from the initial value by constant current driving was defined as the element lifetime. The drive current density at this time is shown in Table 14 together with the element lifetime.
[0122]
(Example 2)
After washing and drying in the same manner as in Example 1, the exemplified compound (IX-2) purified by sublimation as a hole transport material was placed in a tungsten boat on the surface of a glass substrate on which a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was formed by etching. A hole transport layer having a thickness of 0.05 μm was formed by vapor deposition by the method. The degree of vacuum at this time is 1.33 × 10-3Pa and boat temperature were 300 degreeC. Subsequently, the filtered charge-transporting polyurethane used in Example 1 [Exemplary Compound (3)] (Mw = 4.85 × 10 6)FourAnd a light emitting layer having a film thickness of about 0.1 μm was formed on the surface of the hole transport layer. Finally, a Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the light-emitting layer which had been sufficiently dried to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0123]
(Example 3)
Charge-transporting polyurethane used in Example 1 [Exemplary Compound (3)] (Mw = 4.85 × 10Four) 2 parts by mass and 1 part by mass of the compound example (VIII-1) as an electron transport material were mixed to prepare a 10% by mass dichloroethane solution, which was filtered through a 0.1 μm PTFE filter. Using this solution, after washing and drying, a light emitting layer having a thickness of 0.15 μm and having a carrier transport ability was formed on the surface of a glass substrate on which a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was formed by etching. A Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the light-emitting layer which had been sufficiently dried, to form a 2 mm wide, 0.15 μm thick back electrode so as to intersect the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0124]
Example 4
Exemplary compound (28) as a charge transporting polyurethane (Mw = 7.79 × 10FourAn organic EL device was produced in the same manner as in Example 1 except that.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0125]
(Example 5)
Exemplary compound (28) as a charge transporting polyurethane (Mw = 7.79 × 10Four) Was used in the same manner as in Example 2 except that the organic EL element was manufactured.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0126]
(Example 6)
Exemplary compound (28) as a charge transporting polyurethane (Mw = 7.79 × 10FourAn organic EL device was produced in the same manner as in Example 3 except that.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0127]
(Example 7)
Charge-transporting polyurethane used in Example 4 [Exemplary compound (28)] (Mw = 7.79 × 10Four) 1 part by mass and 1 part by mass of the exemplified compound (V-1) as a luminescent material were mixed to prepare a 10% by mass dichloroethane solution, which was then filtered through a 0.1 μm PTFE filter. Using this solution, after washing and drying, a light emitting layer having a thickness of 0.15 μm and having a carrier transport ability was formed on the surface of a glass substrate on which a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was formed by etching. Charge transporting polyurethane [Exemplary Compound (24)] (Mw = 1.05 × 10 10) prepared in advance on the surface of the light-emitting layer sufficiently dried and filtered through a 0.1 μm polytetrafluoroethylene (PTFE) filter.Five) Was applied by a spin coating method to form an electron transport layer having a thickness of 0.1 μm. Finally, a Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the electron transport layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0128]
(Example 8)
After washing and drying in the same manner as in Example 1, the charge transporting polyurethane used in Example 4 [Exemplary Compound (28)] (Mw = 7.79) was formed on the surface of a glass substrate on which a 2 mm-wide strip ITO electrode was formed by etching. × 10Four) Using the solution, a hole transport layer having a thickness of 0.1 μm was formed by dipping. Further, a 0.065 μm thick light emitting layer was formed on the surface by vacuum deposition using the exemplified compound (V-1). Charge-transporting polyurethane [Exemplary Compound (24)] (Mw = 1.05 × 10) prepared in advance and filtered through a 0.1 μm polytetrafluoroethylene (PTFE) filter.Five) Was applied to the surface of the light emitting layer by a spin coating method to form an electron transport layer having a thickness of 0.1 μm. Finally, a Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the electron transport layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0129]
Example 9
Charge transporting polyurethane [Exemplary Compound (28)] (Mw = 7.79 × 10) as a hole transporting materialFour) 1 part by mass, 1 part by mass of the exemplified compound (VII-1) as a luminescent material, and charge transporting polyurethane [exemplary compound (24)] (Mw = 1.05 × 10 6) as an electron transporting material.Five) Was used in the same manner as in Example 3 except that 1 part by mass was used.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0130]
(Comparative Example 1)
Similarly to Example 1, after cleaning and drying, a glass substrate surface on which a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was formed by etching was formed on the surface of the hole transport material represented by the exemplified compound (IX-1) with a thickness of 0. A 050 μm hole transport layer and a 0.065 μm thick light emitting layer composed of the light emitting material represented by the exemplary compound (V-1) were sequentially formed by vacuum deposition. Further, a Mg—Ag alloy was finally deposited on the surface of the light emitting layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0131]
(Comparative Example 2)
In the same manner as in Example 1, after cleaning and drying, a thickness of 0.065 μm composed of the light emitting material represented by the exemplary compound (VII-1) on the surface of a glass substrate formed by etching a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode. And an electron transport layer having a thickness of 0.050 μm composed of the electron transport material represented by the exemplary compound (VIII-1) were sequentially formed by vacuum deposition. Further, a Mg—Ag alloy was finally deposited on the surface of the electron transport layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2 Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0132]
(Comparative Example 3)
1 part by mass of the exemplary compound (IX-1) as a hole transport material, 1 part by mass of the exemplary compound (V-1) as a luminescent material, and 1 part by mass of polymethyl methacrylate (PMMA) as a binder resin Were mixed to prepare a 10% by mass dichloroethane solution and filtered through a 0.1 μm PTFE filter. Using this solution, a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was applied to the surface of a glass substrate formed by etching by a dipping method to form a hole transport layer having a thickness of 0.15 μm. A Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the sufficiently dried hole transport layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0133]
(Comparative Example 4)
2 parts by mass of the exemplary compound (IX-6) as a hole transporting material, 0.1 part by mass of the exemplary compound (VII-1) as a light emitting material, and the compound (VIII-1) as an electron transporting material 1 mass part was mixed, 10 mass% dichloroethane solution was prepared, and it filtered with a 0.1 micrometer PTFE filter. Using this solution, a 2 mm wide strip-shaped ITO electrode was applied to the surface of a glass substrate formed by etching by a dipping method to form a hole transport layer having a thickness of 0.15 μm. After sufficiently drying, a Mg—Ag alloy was vapor-deposited on the surface of the hole transport layer by co-evaporation to form a back electrode having a width of 2 mm and a thickness of 0.15 μm so as to cross the ITO electrode. The effective area of the produced organic EL element is 0.04 cm.2Met.
Evaluation similar to Example 1 was performed about the said organic EL. The results are shown in Table 14.
[0134]
[Table 14]
[0135]
As shown in the above examples, the organic EL device of the present invention has a high maximum luminance despite a low driving current density, and particularly in Example 4, 700 cd / m.2The above maximum brightness was obtained. On the other hand, in the organic EL element of the comparative example, sufficient element lifetime was not obtained.
[0136]
【The invention's effect】
A charge transporting polyurethane comprising a repeating structural unit containing at least one selected from the structures represented by the general formulas (I-1) and (I-2) as a partial structure is an ionization potential suitable for an organic EL device. Since it has charge mobility and light emission characteristics, and it is possible to form a good thin film by using a spin coating method, a dip method, etc., the organic EL device of the present invention formed by using this is sufficient. In addition, since the film thickness can be set relatively large, there are few defects such as pinholes, the area can be easily increased, and excellent durability is achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing an example of a stacked organic EL element of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view showing another example of the stacked organic EL element of the present invention.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing another example of the organic EL element of the present invention.
FIG. 4 is a schematic cross-sectional view showing another example of the stacked organic EL element of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Transparent insulator substrate
2 Transparent electrode
3 Hole transport layer
4 Light emitting layer
5 Electron transport layer
6 Light emitting layer with carrier transport ability
7 Back electrode
Claims (6)
該電荷輸送性ポリウレタンが、下記一般式( III −1)または( III −2)で示されるポリウレタンであることを特徴とする有機電界発光素子。
The organic electroluminescent device, wherein the charge transporting polyurethane is a polyurethane represented by the following general formula ( III- 1) or ( III- 2) .
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