JP4078466B2 - 振動アクチュエータ駆動装置及びレンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動アクチュエータと相対運動部材とが、回転運動を含む相対運動を行なう振動アクチュエータ駆動装置及びそれを用いたレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズ鏡筒では、撮影光学系の焦点整合、焦点距離の変更及び絞りの制御など、各種の目的で様々なアクチュエータが内蔵されている。従来、このようなレンズ鏡筒の一つに、振動アクチュエータを内蔵するものが知られている。振動アクチュエータは、良好な制御特性、静粛性及び高トルクなどの特徴を有し、レンズ鏡筒では、例えば自動焦点調節機構の動力源として利用されている。また、振動アクチュエータは、ズームレンズ鏡筒における焦点距離の電動調節、いわゆるパワーズームの動力源としても利用されている。パワーズームの動力源として振動アクチュエータを用いたレンズ鏡筒の例としては、例えば特開昭59−111117号に開示された円環形状の振動アクチュエータ(以下「円環型の振動アクチュエータ」という)を用いたレンズ鏡筒がある。
【0003】
上記円環型の振動アクチュエータは、回転駆動力を出力する回転型の振動アクチュエータであるが、振動アクチュエータには、この他に、直進駆動力を出力するリニア型の振動アクチュエータがある。リニア型の振動アクチュエータについては、例えば「光ピックアップ移動を目的として圧電リニア・モータ」(富川義朗他:第5回電磁力関連のダイナミックシンポジウム講演論文集pp393−398)において、その構成と負荷特性が記載されている。リニア型振動アクチュエータは、平板状の弾性体と、その弾性体に接合された電気機械変換素子とからなり、電気機械変換素子に交流電圧を印加して弾性体を振動させ、弾性体に縦振動と屈曲振動とを調和的に発生させることにより弾性体表面に楕円運動を発生させるものである。
【0004】
特開平8−211279号では、このようなリニア型の振動アクチュエータをも内蔵するレンズ鏡筒が開示されている。すなわち、特開平8−211279号に開示されたレンズ鏡筒では、焦点を調節する焦点調節レンズ群を駆動すべく円環型の振動アクチュエータが内蔵されており、焦点距離を調整する焦点距離調節レンズ群を駆動すべくリニア型の振動アクチュエータが内蔵されている。
【0005】
図10は、特開平8−211279号に開示されたレンズ鏡筒の断面図である。図10に示されるように、特開平8−211279号に開示されたレンズ鏡筒では、焦点調節レンズ群L201の外周側に円環型の振動アクチュエータ210が配置されている。この円環型振動アクチュエータ210は、ステータ211とロータ212とからなり、ロータ212の回転運動により回転筒202が回転駆動される。回転筒202の回転運動は、キー溝202a及びキー206aを介して焦点調節レンズ群L201の枠体206に伝達され、これにより枠体206は、回転筒202と一体となって回転する。さらに、枠体206の回転運動は、固定筒201と結合しているヘリコイド209によって光軸方向の直進運動に変換される。この結果、枠体206及び焦点調節レンズ群L201は光軸方向に移動する。
【0006】
一方、焦点距離調節レンズ群L202の外周側には、リニア型の振動アクチュエータ205が配置されている。振動アクチュエータ205は、枠体207の外周面に設けられている平坦部207aと接触しており、振動アクチュエータ205が駆動すると、平坦部207aに光軸方向の駆動力が加わる。この結果、枠体207及び焦点距離調節レンズ群L202は、光軸平行に配置され、枠体207に貫通しているリニアガイド208に案内されて光軸方向に移動する。
このように、特開平8−211279号に開示されたレンズ鏡筒では、環状型振動アクチュエータにより焦点調節レンズ群が駆動され、リニア型振動アクチュエータにより焦点距離調節レンズ群が光軸方向に直接駆動されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来のレンズ鏡筒では、以下のような問題があった。
まず、リニア型の振動アクチュエータを用いて直接に撮影光学系の枠体を光軸方向に駆動する場合には、当該枠体の位置決め精度は、振動アクチュエータが枠体を移動させることのできる最小距離(以下「駆動単位」という)によって決まる。したがって、合焦調節又は焦点距離調節の精度は、リニア型振動アクチュエータの駆動単位以上に向上させることはできないという問題があった。
また、円環型の振動アクチュエータを用いて撮影光学系の枠体を駆動する場合には、振動アクチュエータと撮影光学系の枠体の間にヘリコイド機構等が配置されるので、上記のような位置決め精度の問題は生じない。
しかし、円環型の振動アクチュエータでは、ステータ、ロータ双方の接触面において、高い面精度が要求される。この面精度は、小型の振動アクチュエータでは特に問題となるものではないが、レンズ鏡筒で用いる振動アクチュエータでは、ステータ及びロータがレンズ鏡筒の径と同程度の大きな直径を有することとなるので、適切な面精度を確保することが困難になるという問題があった。
【0008】
一方、リニア型の振動アクチュエータは、屈曲振動の腹部に、複数の駆動力取出部が突起状に形成されているが、この駆動力取出部(以下、突起部ということがある)は、幅方向に広がりを持っている。したがって、被駆動部材が回転体である場合に、突起部の相対運動速度が場所により異なっている。このため、回転体と突起部の摺動面から音や熱が出てしまう可能性がある。
このため、振動アクチュエータは、突起部を単に小さくした場合には、倒れてしまう可能性があり、回転体と安定して摩擦接触することができない。
また、リニア型の振動アクチュエータは、縦振動と屈曲振動を調和的に発生させるために、その長さ方向と厚さ方向の寸法比がほぼ一定に設計されているので、レンズ鏡筒のように、内外径比が小さく、回転軸方向に長いものに対しては、スペース効率が悪かった。
【0009】
本発明の第1の課題は、振動アクチュエータと相対運動部材との摺動面で音や熱が発生することなく、安定して摩擦接触することができると共に、内外径比が小さく、回転軸方向に長いものに対して、スペース効率がよい振動アクチュエータ駆動装置を提供することである。
本発明の第2の課題は、振動アクチュエータを用いて焦点調整レンズ群等を駆動するレンズ鏡筒において、焦点調整レンズ群等の位置決め精度が高く、かつ、高い面精度を要求することのない構造のレンズ鏡筒を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、外周に駆動力取出部が設けられた振動子を有し、前記振動子に所定の面内で伸縮する対称伸び振動と、非軸対称振動とを調和的に発生させて駆動力取出部に駆動力を起こす振動アクチュエータと、前記振動アクチュエータの前記駆動力取出部に接触し、前記振動アクチュエータとの間で相対回転運動を行う円環形状の相対運動部材と、前記相対回転運動における回転軸とほぼ平行な方向から前記駆動力取出部を前記相対運動部材に加圧する加圧機構とを備え、前記相対回転運動における回転軸の方向が、前記所定の面にほぼ平行で、かつ、前記非軸対称振動の振動方向にほぼ直交する振動アクチュエータ駆動装置を提供する。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1に記載の振動アクチュエータ駆動装置において、前記振動子は板状に形成されており、前記振動子には、前記所定の面におけるその振動子の中心を含む開口部が設けられ、前記加圧機構は、前記振動子の開口部の近傍で加圧力を作用させる振動アクチュエータ駆動装置を提供する。
【0012】
請求項3の発明では、請求項2に記載の振動アクチュエータ駆動装置において、前記加圧機構は、前記開口部における前記振動子の厚み部分でその振動子に接触し、その接触面に前記加圧力を作用させる振動アクチュエータ駆動装置を提供する。
【0013】
請求項4の発明では、請求項2又は請求項3に記載された振動アクチュエータ駆動装置において、前記開口部には、前記非軸対称振動の振動方向とほぼ平行な平面部が形成され、前記加圧機構は、前記平面部における前記振動子の厚み部分でその振動子に接触し、その接触面に前記加圧力を作用させて前記振動子を前記相対運動部材の方向に押圧する振動アクチュエータ駆動装置を提供する。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ駆動装置において、前記振動子の前記対称伸び振動の振動を含む面と交わる方向への移動を規制する位置規制部材を備えた振動アクチュエータ駆動装置を提供する。
【0015】
請求項6の発明では、光学系の少なくとも一部を支持し、前記光学系の光軸の方向に移動可能な支持部と、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ駆動装置と、前記光軸回りの回転運動を前記光軸方向の直進運動に変換して前記支持部に伝達する変換部とを備え、前記振動アクチュエータ駆動装置は、前記相対運動部材が前記光軸の回りに回転可能な回転部を構成し、前記振動アクチュエータが、前記回転部の一部と摩擦接触することにより前記回転部を回転駆動するか、又は、前記回転部に設けられ、前記回転部と対向する他の部材の一部と摩擦接触することにより、前記回転部を回転駆動し、前記変換部は、前記回転部の回転運動を前記光軸方向の直進運動に変換するレンズ鏡筒を提供する。
【0016】
請求項7の発明では、請求項6に記載のレンズ鏡筒において、前記振動アクチュエータを収容する固定筒をさらに備え、前記振動アクチュエータは、前記固定筒の厚み内に収容されているレンズ鏡筒を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明に係る実施形態について、さらに詳しく説明する。
なお、以降の説明は、振動アクチュエータとして、超音波の振動域を利用する超音波アクチュエータを例にとって行う。また、前述した従来例と同様な機能を果たす部分には、共通の符号を付すか又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0018】
(振動アクチュエータ駆動装置の実施形態)
図1は、本発明に係る振動アクチュエータ駆動装置の実施形態を示す斜視図、図2は、図1の実施形態に係る振動アクチュエータを示す概略図、図3は、図1の実施形態に係る振動アクチュエータの振動形態を示す概念図である。
この実施形態の振動アクチュエータ駆動装置は、回転体(相対運動部材)140と、超音波アクチュエータ110とを備えている。
【0019】
超音波アクチュエータ110は、図2(a)に示すように、電気エネルギーを機械変位に変換する電気機械変換素子であるドーナツ板状の圧電素子からなる振動子111と、振動子111の一方の面に形成され、中心線CLに対して対称に配置された半ドーナツ板状の2つの電極112,113と、振動子111の外周であって、中心線CLと交差する位置に設けられた駆動力取出部114等とを備えている。
【0020】
振動子111は、径方向(面方向)の対称伸び振動である(R,1)モード[図3(a)]と、非軸対称の面内屈曲振動である((1,1))モード[図3(b)]が同時に発生するような寸法比になっている。
【0021】
この超音波アクチュエータ110を駆動する駆動回路120は、図2(b)に示すように、所定周波数の交流電圧の駆動信号を出力する発振器121と、発振器121から発生した駆動信号の位相を90°変換する移相器122と、発振器121からの駆動信号を増幅して、A端子に接続する増幅器123と、移相器122からの駆動信号を増幅して、B端子に接続する増幅器124などとを備えている。
【0022】
超音波アクチュエータ110は、図2(a)に示す2つの電極112,113に、90度位相の異なった信号を入力すると、前記2つのモードは、90度位相の異なった振動となり、駆動力取出部114に楕円運動を発生する。この駆動力取出部114に相対運動部材である回転体140を加圧接触させれば、超音波アクチュエータ110と回転体140との間で相対運動を行わせることが可能である。
【0023】
超音波アクチュエータ110は、図3に示すように、振動子111に発生する対称伸び振動の伸縮面(駆動力取出部114における伸縮方向を矢印Aで示す)と、回転体140の回転軸Oの軸方向(図1参照)とは、略平行である。また、非軸対称振動((1,1))モードの振動方向(矢印B)は、回転体140の回転軸Oの軸方向とは略直交し、回転体140の回転接線方向T(図1参照)とは、略一致している。
ここで、(R,1)モードの振動と、((1,1))モードの振動とを同時に発生させると、駆動力取出部114は、楕円運動を起こし、回転体140を回転させることができる。このときに、((1,1))モードの振動の方向と、回転運動の円周方向(接線方向)とが略一致するので、効率よく力を伝達することができる。
【0024】
本実施形態によれば、対称伸び振動と非軸対称振動を用いた超音波アクチュエータ110を採用し、回転体140の回転軸の軸方向を、振動子111に発生する対称伸び振動の伸縮面に略平行で、かつ、前記非軸対称振動の振動方向にほぼ直交するようにしたので、駆動時の音の発生が少なく、力の伝達効率もよい駆動状況を実現することができる。
【0025】
(レンズ鏡筒の第1実施形態)
図4は、本発明による振動アクチュエータ駆動装置を用いたレンズ鏡筒の第1実施形態を示す図である。
図4のレンズ鏡筒では、レンズ鏡筒の固定筒150の厚みt内に設けられた収容部151内に超音波アクチュエータ110Bが配置されている。その際、超音波アクチュエータ110Bの振動子111に発生する対称伸び振動の伸縮面と、回転体140Bの回転軸Oの軸方向とが略平行で、かつ、非軸対称振動の振動方向と、回転体140Bの回転軸Oの軸方向とが略直交するように、配置されている。回転体140Bの回転力は、合焦やズーム等のために移動する移動レンズの移動機構に伝達される。
【0026】
この実施形態によれば、レンズ鏡筒のような内外径比が小さく、回転軸方向に長いものに対して、スペース効率の改善を図ることが可能になる。
【0027】
(レンズ鏡筒の第2実施形態)
図5は、本発明による振動アクチュエータ駆動装置を用いたレンズ鏡筒の第2実施形態を示す図、図6は、図5の振動子を拡大して示す図、図7及び図8は、図5の振動アクチュエータ駆動装置の支持加圧機構を示す図である。
【0028】
本実施形態のレンズ鏡筒は、超音波アクチュエータ110Cと、超音波アクチュエータ110Cを収容するための収容部151を有する固定筒150Cと、超音波アクチュエータ110Cを支持する支持部材132と、光軸回りに回転可能に支持された回転体140Cと、超音波アクチュエータ110Cと回転体140Cとを加圧接触させる加圧部材133とを備えている。
【0029】
超音波アクチュエータ110Cは、図6に示すように、外形がほぼ円形で、中央に開口部115が形成された圧電素子からなる振動子111Cと、この振動子111Cの一方の平面に形成され、中心線CLに対して互いに離れた状態で対称に配置された2つの電極112、113と、振動子111Cの外周であって、中心線CLと交差する位置に設けられた駆動力取出部114等とで構成されている。開口部115は、振動子111Cとほぼ同心に形成された円形部115aと、この円形部115aの円周の対向する2箇所に矩形状に形成された2つの切欠部115bとで構成されている。
【0030】
収容部151は、固定筒150Cの外表面側に、ほぼ矩形の切り欠き状となるように形成されており、固定筒150Cの厚みt内で超音波アクチュエータ110Cを収容するようになっている。
【0031】
支持部材132は、収容部151の天井部151aに取り付けられた支持ピン132a(図7(b)参照)と、支持ピン132aの先端に設けられたL字型のアーム部132bと、アーム部132bの先端に設けられ、振動子111Cの開口部115に挿入されてこの振動子111Cの切欠部115bの平面部を押圧する押圧板部132c(図8(a)参照)と、押圧板部132cに対してねじ等により着脱可能であって、開口部115に挿入された押圧板部132cが外れないように固定する固定部132e等とで構成されている。
【0032】
アーム部132bは、支持ピン132aの軸方向に移動可能に設けられている。押圧板部132cは、図8(b)に示すように、振動子111Cの開口部115に挿入されて、その下面(図8のPで示す領域)で切欠部115bの平面部を押圧するようになっている。
【0033】
押圧板部132cと、固定部132eには、それぞれ、図7(a)、図8(a)に示すように、駆動力取出部114と回転体140との接触面に平行な方向に沿って、振動子111Cの中心側から外周側に向かう2方向に腕部が形成されている。そして、各腕部の先端には、振動子111Cを挟み込み、ブレ(図5のB−B線を回転軸とするような動き)を防止するための突起部(位置規制部材)132d(図7(a)、図8(a)参照)が形成されている。つまり、押圧板部132c側の突起部132dと、固定部132e側の突起部132dとで、振動子111Cを挟み込むことにより、振動子111Cと支持部材132との結合と、振動子111のブレの防止とが行われるようになっている。
【0034】
加圧部材133は、支持ピン132aに挿入されたコイルばねからなり、アーム部132bの上板132b’を下方に押すことで、押圧部材132cを介して駆動力取出部材114を回転体140に押圧する。前記コイルばねは、このばねの長さが、収容部151の天井とアーム部132bの上板132b’との距離と等しいときに、所定の圧力で駆動力取出部114を回転体140に押圧するように設定されている。
【0035】
超音波アクチュエータ110Cをレンズ鏡筒に組み込む際は、まず、加圧部材133であるコイルばねを装着した状態で、支持部材132の支持ピン132aを固定筒150Cの収容部151の天井部151aに固定する。このとき、支持部材132の固定部132eは、押圧板部132cから取り外しておく。また、支持部材132は、アーム部132bが収容部151の奥の壁面に近くなる向きに配置しておく。この後に、超音波アクチュエータ110Cの振動子111Cを、その開口部115に押圧板部132cが挿入されるようにして、収容部131に配置する。最後に、支持部材132の固定部132eを押圧板部132cにねじ等で固定する。
【0036】
本実施形態のレンズ鏡筒によれば、超音波アクチュエータ110C、支持部132及び加圧部材133を、固定筒150Cの厚み部分にスペース効率よく収容することができる。
また、支持部材132は、振動子111Cを、切欠部115bの厚み部分(平面部)で接して押圧するので、安定した加圧支持が可能となる。
さらに、振動子111Cを両面から規制するので、安定して支持でき、しかも、効率のよい振動が可能となる。
【0037】
(レンズ鏡筒の第3実施形態)
図9は、本発明に係るレンズ鏡筒の第3実施形態を示す断面図である。
枠体166は、焦点調節レンズ群L161を保持する部材である。枠体166は、固定筒161にヘリコイド169によって結合している。固定筒161の光軸前方には、回転筒162が回転自在に取り付けられている。この回転筒162の内周には、光軸と平行にキー溝162aが形成されている。また、焦点調節レンズ群L1の枠体166には、キー166aが形成されており、キー166aは、キー溝162aと係合している。
【0038】
回転筒162の光軸後方の端部には、回転子140Dが一体に固定されている。回転子140Dは、光軸に垂直に交わる平坦部140D−1を光軸後方に有する。また、回転子140Dは、外周面に周溝140D−2を有する。周溝140D−2には、球141が敷き詰められている。球141は、回転子140を固定筒161に対して転がり接触させ、回転子140Dの円滑な回転運動を確保する部材である。球141の光軸前方では、抑え環164が固定筒161の内周側にねじ込まれている。抑え環164は、球141の光軸方向の移動を制限する部材である。抑え環164の作用により、球141は、レンズ鏡筒が組み立てられた後にレンズ鏡筒から飛び出すことはない。また、抑え環164は、球141とともに回転子140Dの光軸方向の移動をも制限する。
【0039】
回転子140Dの光軸後方には、超音波アクチュエータ110Dの駆動力取出部114が、平坦部140D−1と接するように配置されている。
超音波アクチュエータ110Dは、図5に示すものと同じであり、支持部材132,加圧部材133は、図5〜図8と同じものであり、振動子111を回転子140Dの平坦部140D−1の方向へ加圧する。
【0040】
枠体167は、焦点距離調節レンズ群L162を保持する部材である。枠体167は、肉厚部分に光軸方向に平行な貫通孔167a、167b(167bは167aと重なるために不図示)を形成されており、また、外周の一部に平坦部167cが形成されている。
貫通孔167a(167b)には、リニアガイド168が挿入されている。リニアガイド168は、光軸に平行に配置されており、固定筒161及び163に固定されている。
【0041】
また、枠体167の平坦部167cと対向する位置には、リニア型の振動アクチュエータ165が配置されている。振動アクチュエータ165は、主に振動子165a及び加圧部材165bから構成されている。
【0042】
以上説明したように、本実施形態では、超音波アクチュエータ110Dを用いて回転子140Dに回転駆動力を与える。また、回転子140Dの回転運動は、ヘリコイド169により光軸方向の直進運動に変換した後に、焦点調節レンズ群L161の駆動に利用される。したがって、本実施形態では、焦点調節レンズ群L161の光軸方向の位置決め精度は、主にヘリコイド169の特性によって決定される。言い換えると、本実施形態では、超音波アクチュエータ110Dの駆動単位の大小に関わらず、ヘリコイド169の形状を適当に定めることにより、焦点調節レンズ群L161の位置決め精度を向上させ、高精度の合焦調整を行うことが可能である。
【0043】
また、超音波アクチュエータ110Dが回転子140Dの一部とのみ接触するので、平坦部140D−1にあまり厳格な平面度が要求されないという利点がある。一般に、超音波モータ等の振動アクチュエータでは、振動子に生じる振動の振幅はミクロンオーダーであるために、振動子と摩擦接触し、相対運動する移動子(回転子)に対する平面度の要求は厳しい。しかも、平面度に対する要求は、振動子と移動子の接触面積の増大とともにその厳しさを増す。したがって、仮に特開昭59−111117号に開示されたレンズ鏡筒のように円環型の超音波モータを採用した場合には、超音波モータと回転子とが回転子の全周において互いに接するので、回転子に対する平面度の要求は非常に厳しくなる。これに対し、本実施形態では、リニア型の超音波アクチュエータを採用し、これを回転子140D一部とのみ接触させているので、回転子の平面度は、超音波アクチュエータ110Dの駆動力取出部114の厚さに対応する比較的狭い領域内で保証されていれば足りる。したがって、前述したように、回転子140Dの平坦部140D−1に対する平面度の要求は比較的緩やかであり、その製造が容易となっている。
【0044】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
例えば、駆動力取出部114は、突起が形成されている例で説明したが、摩擦材を接着するようにしてもよい。
また、相対運動部材は、円環状のものに限らず、回転運動を含む軌道をもつものであれば、360°以内の回転、円の曲率が変わるような運動などいずれのものであってもよい。
レンズ鏡筒の各実施形態では、超音波アクチュエータは、1つ設けた例で説明したが、複数個、例えば3個設けるようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、各請求項に記載された発明によれば、相対運動部材の回転運動における回転軸の方向を、振動子に発生する対称伸び振動の伸縮面に略平行で、かつ、振動子に発生する非軸対称振動の振動方向にほぼ直交するようにしたので、駆動時の音の発生が少なくなり、力の伝達効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動アクチュエータ駆動装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態に係る振動アクチュエータを示す概略図である。図1(a)は、振動アクチュエータの振動子の構成を示す正面図と平面図である。図1(b)は、振動アクチュエータの駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態に係る振動アクチュエータの振動形態を示す概略図である。図3(a)は、対称伸び振動である(R,1)モードの振動形態を示し、図3(b)は、非軸対称振動である((1,1))モードの振動形態を示す図である。
【図4】本発明による振動アクチュエータ駆動装置を内蔵したレンズ鏡筒の第1実施形態の構成を示す概略図である。図4(a)は、XZ平面と平行な面で切断した側面の一断面を示す概略図であり、図4(b)は、XY平面における回転体と振動アクチュエータとの配置状態を示す概略図であり、図4(c)は、XZ平面と平行な面で切断した側面の一断面を示す概略図である。
【図5】本発明による振動アクチュエータ駆動装置を内蔵したレンズ鏡筒の第2実施形態を示す模式図である。図5(a)は、斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の(b)部の部分拡大図である。
【図6】図5の振動子を拡大して示す図である。
【図7】図5の振動アクチュエータ駆動装置の加圧形態を示す概略図である。図7(a)は、図5におけるA−A断面を示し、図7(b)は、図5におけるB−B断面を示す図である。
【図8】図5の振動アクチュエータ駆動装置の加圧機構の構成を示す概略図である。図8(a)は、振動子との接触部分の構成を示す概略斜視図である。図8(b)は、図7(A)におけるC−C断面図であり、振動子との接触部分の構成を示す図である。
【図9】本発明による振動アクチュエータ駆動装置を内蔵したレンズ鏡筒の第3実施形態を示す模式図である。
【図10】従来例に係る振動アクチュエータ駆動装置を内蔵したレンズ鏡筒を示す模式図である。
【符号の説明】
110 超音波アクチュエータ
111 振動子
112,113 電極
114 駆動力取出部
132 支持部材
133 加圧部材
140 回転体(相対運動部材)
150 固定筒
Claims (7)
- 外周に駆動力取出部が設けられた振動子を有し、前記振動子に所定の面内で伸縮する対称伸び振動と、非軸対称振動とを調和的に発生させて駆動力取出部に駆動力を起こす振動アクチュエータと、
前記振動アクチュエータの前記駆動力取出部に接触し、前記振動アクチュエータとの間で相対回転運動を行う円環形状の相対運動部材と、
前記相対回転運動における回転軸とほぼ平行な方向から前記駆動力取出部を前記相対運動部材に加圧する加圧機構とを備え、
前記相対回転運動における回転軸の方向が、前記所定の面にほぼ平行で、かつ、前記非軸対称振動の振動方向にほぼ直交することを特徴とする振動アクチュエータ駆動装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータ駆動装置において、
前記振動子は板状に形成されており、
前記振動子には、前記所定の面におけるその振動子の中心を含む開口部が設けられ、
前記加圧機構は、前記振動子の開口部の近傍で加圧力を作用させることを特徴とする振動アクチュエータ駆動装置。 - 請求項2に記載の振動アクチュエータ駆動装置において、前記加圧機構は、前記開口部における前記振動子の厚み部分でその振動子に接触し、その接触面に前記加圧力を作用させることを特徴とする振動アクチュエータ駆動装置。
- 請求項2又は請求項3に記載された振動アクチュエータ駆動装置において、前記開口部には、前記非軸対称振動の振動方向とほぼ平行な平面部が形成され、前記加圧機構は、前記平面部における前記振動子の厚み部分でその振動子に接触し、その接触面に前記加圧力を作用させて前記振動子を前記相対運動部材の方向に押圧することを特徴とする振動アクチュエータ駆動装置。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ駆動装置において、前記振動子の前記対称伸び振動の振動を含む面と交わる方向への移動を規制する位置規制部材を備えたことを特徴とする振動アクチュエータ駆動装置。
- 光学系の少なくとも一部を支持し、前記光学系の光軸の方向に移動可能な支持部と、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータ駆動装置と、前記光軸回りの回転運動を前記光軸方向の直進運動に変換して前記支持部に伝達する変換部とを備え、前記振動アクチュエータ駆動装置は、前記相対運動部材が前記光軸の回りに回転可能な回転部を構成し、前記振動アクチュエータが、前記回転部の一部と摩擦接触することにより前記回転部を回転駆動するか、又は、前記回転部に設けられ、前記回転部と対向する他の部材の一部と摩擦接触することにより、前記回転部を回転駆動し、前記変換部は、前記回転部の回転運動を前記光軸方向の直進運動に変換することを特徴とするレンズ鏡筒。
- 請求項6に記載のレンズ鏡筒において、前記振動アクチュエータを収容する固定筒をさらに備え、前記振動アクチュエータは、前記固定筒の厚み内に収容されていることを特徴とするレンズ鏡筒。
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