JP4078141B2 - gloves - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムラテックスや樹脂エマルション等のポリマーラテックスを用いて形成される手袋に関し、より詳しくは、引張強さや伸び率だけでなくモジュラス(弾性率)や気体の遮断性にも優れた皮膜を有する手袋に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、手袋、風船等の浸漬製品は、天然ゴムやアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の合成ゴムを原料とするものと、塩化ビニル樹脂を原料とするものとに大別される。
【0003】
ここで、浸漬製品の一例としての手袋を、その肌触り、粘着性等によって評価される装着感や、皮膜の伸び、袖部の撓み等の程度によって評価される着脱性の観点から比較すると、一般に、材料自身のモジュラスが大きい塩化ビニル樹脂からなる手袋の方が優れているといえる。しかしながら、塩化ビニル等の塩素を含有する樹脂は焼却時にダイオキシンを発生させ易いことから、近年、その使用が敬遠されつつある。
一方、天然ゴムや合成ゴムを用いた浸漬製品は、塩化ビニル樹脂製のものに比べて皮膜のモジュラスが小さいことから、当該浸漬製品が手袋である場合には着脱性が劣るといった問題があった。
【0004】
ポリマーラテックスを用いて形成される浸漬製品の強度やモジュラスを高めるために補強剤を添加することは、従来広く行なわれていたことであって、かかる補強剤としては、主としてカーボンブラック、シリカ、表面処理された炭酸カルシウム、クレー等が用いられてきた。
しかしながら、これらの補強剤は、たとえ単位粒子が小さくても、これらが凝集して通常数百nm〜数十μmのサイズでポリマー中に分散するのが常である。このため、ポリマーラテックス中に均一に分散させて十分な補強効果を得ようとすると、ポリマー固形分100重量部に対して数十重量部程度もの大量の補強剤を添加して分散させる必要があった。また、このことに起因して、従来の補強剤を用いた場合には、ポリマーのモジュラス(特に、その指標となる引張応力)を向上させることができるものの、伸びが低下するという問題もあった。
【0005】
さらに、手袋、風船、収容袋等の浸漬製品においては、当該浸漬製品がある程度の気体透過性を有することに起因して、種々の問題があった。例えば、風船、収容袋、タイヤ等においては、その内部に収容された気体が経時的に漏出してしまい、空気を充填した状態を長期に亘って保持することができないという問題があり、さらに収容袋においては、袋の内部に外部から空気が侵入して収容物の酸化劣化等が進行したりする、といった問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、ポリマーの引張強さや伸び率を維持しつつ、モジュラスと気体の遮断性とを向上させることができ、塩化ビニル樹脂製の手袋と同等またはそれ以上の装着感や着脱性を得ることのできる手袋を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねていく中で、特定の層状ケイ酸塩が水、アルコール等の希薄水溶液といった水性媒体によって著しく膨潤するという特性に着目し、この現象をポリマーの浸漬製品に応用すべくさらに研究を進めた。
その結果、(a)層状ケイ酸塩を水性媒体中で膨張させた状態でゴムラテックスや樹脂エマルション等のポリマーラテックス中に分散させ、または、(b)水性媒体で膨潤する層状ケイ酸塩をポリマーラテックス中に直接に混合、分散させ、次いで、こうして得られるラテックスを用いて浸漬製品を作製したときは、ポリマーラテックス中に単に補強剤を配合する従来の方法によって得られた浸漬製品や、固形状のポリマー中に粉末状の層状ケイ酸塩を混練して得られたポリマー組成物を用いてなる成形品とは異なり、皮膜の引張強さや伸び率を低下させることなくモジュラスを向上させることができるという新たな事実を見出した。
さらに本発明者らは、意外にも、当該ポリマーラテックスを用いてなる浸漬製品は、その皮膜の気体遮断性が著しく向上しているという新たな事実をも見出した。
本発明は、かかる新規な事実をもとに完成されたものである。
【0008】
すなわち、上記課題を解決するための本発明に係る手袋は、水性媒体で膨潤する層状ケイ酸塩と、ポリマーラテックスと、を含む配合ラテックスを、前記配合ラテックスへの型の浸漬により成膜したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明においてポリマーラテックス中に配合、分散される層状ケイ酸塩は、水性媒体で膨潤することを特徴とするものであって、厚さが1〜数十nmの極めて薄い結晶をいくつも積層した構造を有するものである。層状ケイ酸塩の中でもとりわけモンモリロナイト(特に、モンモリロナイトの構成成分であるNa型ベントナイト)は、厚さ1nm、平面方向の最大長200nmの結晶粒子をいくつも積層した構造からなっている。
かかる層状ケイ酸塩は、水性媒体中に加えられることによって、その結晶粒子の間に水性媒体が入り込んで層の間隔が広がり、膨れ上がる(膨潤する)。このようにして層状ケイ酸塩を水性媒体に膨潤させた状態でポリマーラテックス中に分散させることによって、あるいは層状ケイ酸塩を直接に水性媒体中に分散させ、この水性媒体中にて膨潤させることによって、層状ケイ酸塩がおおよそ1つ1つの結晶(層)のレベルでばらばらとなった状態でポリマーラテックス中に微分散される(極めて高度に分散する)こととなる。
【0010】
このような微分散状態における層状ケイ酸塩の表面積は、凝集体としてポリマー中に分散される従来の補強剤や増量剤に比べて極めて大きなものとなる。それゆえ、本発明によれば、ポリマーラテックスからなる浸漬製品の補強効果を極めて大きなものとすることができる。
【0011】
本発明の手袋を形成するためのポリマーラテックスは、層状ケイ酸塩を水に膨潤させた状態でポリマーラテックス中に添加して分散させたり、あるいは層状ケイ酸塩を直接に水性媒体中に分散させ、この水性媒体中にて膨潤させたりするという極めて簡易な処理を経ることによって得ることができる。
【0012】
後述する実施例の結果より明らかなように、本発明に係る手袋によれば、ゴムラテックス、または樹脂エマルション(樹脂分を水性媒体中に懸濁させたものをいう。)に層状ケイ酸塩を添加、分散しない状態で得られる皮膜に比べて、モジュラス(特に、引張応力により評価される引張モジュラス)を増大させることができる。
また、本発明に係る手袋によれば、微分散された層状ケイ酸塩によってモジュラスが増大することから、手袋の種類、用途等によっては、従来配合されている補強剤を減量することができたり、あるいは配合する必要がなくなったりする。それゆえ、手袋の製造コストの低減を図ることができる。また、補強剤の配合量を減少できることによって、手袋を形成するポリマー本来の物性上の利点を保持することができる。なお、本発明に係る手袋の引張強さや伸び率については、上記(a)の場合と同じ程度に維持することができる。
【0013】
さらに、後述する実施例の結果より明らかなように、本発明の手袋によれば、皮膜の気体遮断性を著しく増大させる(気体透過性を著しく低下させる)ことができる。なお、本発明の手袋の成膜に用いられる配合ラテックスは、手袋等の家庭用品だけでなく、例えば、風船、チューブ、あるいは気体の貯蔵・遮断に用いるフィルムやシート等への適用にも好適である。
【0014】
本発明の手袋のうち、ポリマーラテックスが脱蛋白処理を施していない天然ゴムラテックスである(または、脱蛋白処理を施していない天然ゴムを含むラテックスである)場合においては、上記のポリマーラテックスを用いてなる手袋の使用に伴って接触アレルギーが生じるという問題を抑制することができる場合がある。これは、天然ゴムラテックス中に存在する、接触アレルギーの原因物質としての水溶性蛋白質が、層状ケイ酸塩の種類によってはその粒子と物理的な吸着を生じて強固に結合することによるものと推測される。
【0015】
本発明に係る手袋において、層状ケイ酸塩とは、前述のように、水、アルコール等の希薄水溶液といった水性媒体で膨潤するものであって、ポリマーラテックス中においても膨潤した状態となって微分散するものであればよい。とりわけ、本発明に使用する層状ケイ酸塩は、水性媒体で膨潤したときにおおよそ1つ1つの結晶(層)のレベルでばらばらとなり、かかる状態でポリマーラテックス中に微分散されるものであるのが好ましく、より具体的には数nm〜数十nmオーダーの結晶粒子のレベルでばらばらに分散されるものであるのが好ましい。
このような層状ケイ酸塩としては、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、ソーコナイト等の、いわゆるスメクタイト系の層状ケイ酸塩鉱物(粘土鉱物)が挙げられる。
【0016】
本発明の手袋に用いられる層状ケイ酸塩としては、水性媒体(とりわけ水)に対する膨潤性の観点から、上記例示のものの中でも特に、モンモリロナイトを主成分とするベントナイトが好適である。
本発明に用いられるベントナイトは、これに限定されるものではないが、有機化処理等の化学的変性処理を施していないもの、とりわけ膨潤型と呼ばれるNa型のベントナイトであるのが、水性媒体に対する膨潤性やコスト面等の観点からより好ましい。
ベントナイト等の層状ケイ酸塩の水性媒体による膨潤の程度は特に限定されるものではないが、特に、乾燥した状態の2gを水で膨潤させたときに、その膨潤容積が2mL以上となるものであるのが好ましく、10mL以上となるものであるのがより好ましい。水性媒体による膨潤の程度が上記範囲を満足する層状ケイ酸塩を用いた場合には、ポリマーラテックス中での微分散状態を極めて良好なものとすることができる。
【0017】
本発明に係る手袋において、使用するポリマーラテックスの種類は、上記製品の種類や用途に応じて適宜選択されるものである。具体的には、
(i)天然ゴムラテックス、または
(ii)イソプレンゴム(IR)ラテックス、クロロプレンゴム(CR)ラテックス、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、メタクリル酸エステル系ラテックスおよびクロロスルホン化ポリエチレンラテックスからなる群より選ばれる少なくとも1のラテックス、または上記群より選ばれる少なくとも1のラテックスと天然ゴムラテックスとの混合ラテックス
が挙げられる。
【0018】
上記(i)の天然ゴムラテックスは、フィールドラテックスであってもよい。本発明の浸漬製品は、天然ゴムラテックスが精製、濃縮処理を施していないフィールドラテックスである場合も、精製、濃縮処理を施して得られるハイアンモニアラテックス等である場合も、同様の手順によって得ることができ、しかも層状ケイ酸塩の添加効果に差異がみられない。フィールドラテックスを用いた場合には、精製、濃縮等の余分の工程を経ることなく浸漬製品を製造できることから、製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
上記(ii)のラテックス(混合ラテックス)において、天然ゴムラテックス以外のラテックス、すなわち合成ゴムラテックスまたは樹脂エマルションについては、乳化重合によって製造されたものであるのが好ましい。
水性媒体で膨潤した層状ケイ酸塩を分散させるのに際して、ポリマーはエマルション状態(ポリマーの粒子が水性媒体中に懸濁、分散した状態)となっている必要がある。溶液重合によって得られるポリマーであってもこれを特定の溶剤に溶解させ、さらに界面活性剤を添加した水中にて乳化させ、その後脱溶剤することによって、水性媒体でのエマルション化(ラテックス化)を行なうことができるものの、ポリマーが乳化重合によるものであるならばエマルション(ラテックス)状態で合成されることから、かかるエマルション化の操作が不要となって、効率的に層状ケイ酸塩の微分散処理を行なうことができる。
【0020】
なお、ベントナイトを水に膨潤させた分散液は、通常、アルカリ性である。従って、本発明に使用するポリマーラテックスは、アルカリ性で安定した分散状態を示すものであるのがより好ましい。
【0021】
本発明の手袋において、層状ケイ酸塩の含有量は特に限定されるものではないが、手袋の皮膜のモジュラスや気体の遮断性を増大させるという本発明の効果を十分に発揮させる上で、ポリマーラテックスのポリマー分100重量部に対して0.5〜25重量部であるのが好ましい。
層状ケイ酸塩の含有量が上記範囲を超えると、手袋の皮膜の伸び〔切断時伸びEB(%)等〕が低下するおそれがある。逆に、層状ケイ酸塩の含有量が上記範囲を下回ると、モジュラスや気体の遮断性を向上させるという本発明の効果を十分に得られなくなるおそれがある。
本発明の手袋について、皮膜の伸びが特に大きいことが要求されるのであるならば、ポリマーラテックスのポリマー分100重量部に対する層状ケイ酸塩の含有量は、上記範囲の中でも特に0.5〜10重量部であるのが好ましく、1〜10重量部であるのがより好ましく、2〜5重量部であるのが特に好ましい。
【0022】
本発明の手袋によれば、層状ケイ酸塩を添加せずに成形した浸漬製品に比べて、その気体透過性を70%以下にまで低減させることができる。
さらに、前述のように、本発明の手袋によれば、皮膜の引張強さを維持しつつ、引張応力を増大させることができる。かかる機械的特性の程度については、本発明が手袋であるという観点から、500%伸長時における引張応力M500が5.0MPa以上であり、かつ引張強さTBが20MPa以上となるように設定するのが好ましい。
【0023】
本発明に係る手袋の製造に用いられる配合ラテックスは、手袋の製造原料としてだけでなく、例えば、風船、気体の貯蔵・遮断用フィルムまたはシートなどの製造原料としても用いられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の手袋、すなわち層状ケイ酸塩を水性媒体に膨潤させた上でポリマーラテックス中に分散させ、または、水性媒体で膨潤する層状ケイ酸塩をポリマーラテックス中に直接に混合、分散させ、こうして得られる配合ラテックスに対し、さらに加硫剤・架橋剤等の配合剤を添加してなるポリマーラテックスを用いて形成された手袋においては、前述のように、層状ケイ酸塩が、上記手袋のゴム皮膜または樹脂皮膜中にておおよそ1つ1つの層のレベルでばらばらになった状態で分散する、いわゆる微分散の状態となっている。
【0025】
ゴム/樹脂皮膜中での層状ケイ酸塩の分散の程度は、例えば、上記のゴム/樹脂皮膜(本発明の手袋)についてX線回折分析を行ない、2θが7°付近(θは「入射角」を示す。)、より詳細には、2θが6.0°〜8.0°の範囲でのピークを観察することによって評価することができる。
2θが7°付近(6.0°〜8.0°)においてX線回折分析のデータにピークが生じていないか、あるいは当該ピークが、層状ケイ酸塩を固形状のポリマーに直接添加して混練することによって得られたサンプルと比べて極めて小さくなっている場合には、層状ケイ酸塩がおおよそ1つ1つの層のレベルでばらばらになってポリマー中に分散(微分散)していると判断することができる。
【0026】
図1および図2に示すX線回折分析のデータは、
(1) 天然ゴムラテックスに加硫剤等を加えて、浸漬法により成形したサンプル、
(2) 層状ケイ酸塩(Naベントナイト)を固形天然ゴムに直接添加し、これを混練して成形することによって得られたサンプル、および
(3) 水に膨潤させた層状ケイ酸塩(Naベントナイト)を天然ゴムラテックスに分散させ、これに加硫剤等を加えて、浸漬法により成形したサンプル、
の3種のサンプルについての分析結果を示すものである。
【0027】
図1の(1) と図2の(2) との対比により明らかなように、天然ゴム中に層状ケイ酸塩を配合せずにゴム皮膜を形成した場合(1) には2θ=が7°付近においてピークが観察されないのに対して、層状ケイ酸塩を固形天然ゴムに直接添加し、これを混練してゴム皮膜を形成した場合(2) には、層状ケイ酸塩の結晶が積層して凝集体となっていることに由来するピークが2θ=7°付近にて観察される。
一方、図1の(1),(3) と図2の(2) との対比により明らかなように、層状ケイ酸塩を水に膨潤させた状態で天然ゴムラテックスに分散させた場合(3) には、2θ=が7°付近において有意なピークが観察されない。それゆえ、上記(3) の場合には、層状ケイ酸塩の結晶がおおよそ一つ一つの層ごとにばらばらになって天然ゴム中に分散(微分散)していることがわかる。
【0028】
なお、本出願人らは、先に、多孔質フィロケイ酸塩を含有する天然ゴムラテックスの発明について特許出願をしている(特開2000−63567号公報)。
ここで、多孔質フィロケイ酸塩とは、同公報の請求項2や段落〔0014〕に記載されているように、その表面積が500〜900m3 /gと極めて大きいことを特徴とするものである。同公報の実施例では、かかる多孔質フィロケイ酸塩として、具体的に水澤化学工業(株)製の複合吸着剤「ミズカライフ(R) 」(表面積675m3 /g)を使用しているが、この「ミズカライフ(R) 」はシリカ(SiO2 )とマグネシア(MgO)成分が基本単位粒子レベルで均一に複合された多孔質状の凝集粒子構造を備えたものであって、本発明にいう層状ケイ酸塩のように単位粒子が層状に積層された構造を備えるものではない。
【0029】
上記のとおり、上記公報における多孔質フィロケイ酸塩と、本発明における層状ケイ酸塩とは、その粒子構造が明確に異なるものである。前者は、多孔質という特徴と備えるものであるが、水性媒体で膨潤して、個々の層でばらばらになって水性媒体中に微分散するという特徴を有するものではない。
さらに付け加えるならば、上記公報の実施例では、「ミズカライフ(R) 」を水に対し50重量%のスラリーとして使用している。これは、多孔質フィロケイ酸塩である「ミズカライフ(R) 」を水中での分散体(懸濁液)として使用することを示しているのに過ぎず、「ミズカライフ(R) 」が水中で膨潤しておおよそ一つ一つの層がばらばらになった状態で微分散していることを示しているものではない。本発明にいう層状ケイ酸塩の量が水性媒体中にて50重量%もの多量である場合には、水性媒体中に微分散させることはおろか、単に安定な分散・懸濁状態を実現することすら不可能である。
【0030】
本発明の手袋では、水性媒体で膨潤した層状ケイ酸塩をポリマーラテックス中に分散させることによって、例えば図3に模式的に示すように、層状ケイ酸塩の結晶はおおよそ1つ1つの層のレベルでばらばらな状態となって分散(微分散)している。従って、層状ケイ酸塩の総表面積が極めて大きなものとなり、モジュラスの増大効果が顕著なものとなる。また、図中の2点鎖線によって気体の通過経路を模式的に示すように、手袋の皮膜についての気体の透過性が低くなる。
【0031】
一方、固形のポリマー分に粉末状の層状ケイ酸塩を添加して、混練等の手段により混合、分散させた場合には、例えば図4に模式的に示すように、層状ケイ酸塩の結晶をおおよそ1つ1つの層レベルでばらばらにすることができない。従って、層状ケイ酸塩の総表面積はそれほど大きくならず、モジュラスの増大効果も小さい。また、手袋の皮膜についての気体の透過性を低下させる効果も小さい。
本発明において、層状ケイ酸塩は、水に膨潤させた状態でポリマーラテックスに配合される。具体的には、層状ケイ酸塩を、重量比で10倍量以上、好ましくは重量比で20〜40倍量の水に加え、マグネット式撹拌器等によって0.1〜8時間程度強く撹拌した上で、ポリマーラテックスに混合される。
【0032】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。
〔天然ゴム製手袋の製造〕
(実施例1)
天然ゴム(NR)ラテックスの乾燥ゴム分100重量部に対して、硫黄1重量部、亜鉛華1重量部、加硫促進剤(BZ,ジブチルカルバミン酸亜鉛)1重量部および老化防止剤(p−クレゾールとジクロロペンタジエンのブチル化反応生成物,製品名「ノクラックPBK」)1重量部を加えた。上記NRラテックスには、ゴム固形分60重量%、アンモニア分0.7重量%のハイアンモニア(HA)ラテックスを使用した。
【0033】
さらに、水中にて膨潤させたモンモリロナイトの懸濁液(10重量%のスラリー)を、モンモリロナイトの含有量が乾燥ゴム分100重量部対して3重量部となるように添加して配合ラテックスを得た。上記モンモリロナイトには、(株)ホージュン製のNa型ベントナイト(商品名「ベンゲル」)を使用した。
次いで、この配合ラテックスを室温で24時間静置することによって、前加硫ラテックスを得た。
手袋の型を50℃に加温し、20%硝酸カルシウム水溶液(凝固液)に浸漬した後、この型を上記前加硫ラテックスに浸漬して、成膜を行なった。成膜後、100℃のオーブン中に上記の型を30分間放置して皮膜を加硫し、脱型することによってゴム手袋を得た。
【0034】
(実施例2)
モンモリロナイトの含有量が乾燥ゴム分100重量部に対して5重量部となるようにして上記懸濁液の添加を行なったほかは、実施例1と同様にしてゴム手袋を作製した。
【0035】
(比較例1)
配合ラテックス中にモンモリロナイトの懸濁液を添加しなかったほかは、実施例1と同様にして手袋を作製した。
(比較例2)
モンモリロナイトに代えて、炭酸カルシウムを配合ラテックス中に配合したほかは、実施例1と同様にして手袋を作製した。炭酸カルシウムの配合量は、乾燥ゴム分100重量部対して20重量部となるように調節した。
【0036】
〔NBR製手袋の製造〕
(実施例3)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスの乾燥ゴム分100重量部に対して、硫黄1重量部、亜鉛華1重量部および加硫促進剤(BZ,ジブチルカルバミン酸亜鉛)1重量部を加えた。さらに、水中にて膨潤させたモンモリロナイトの懸濁液(10重量%のスラリー)を、モンモリロナイトの含有量が乾燥ゴム分100重量部対して3重量部となるように添加して配合ラテックスを得た。なお、上記NBRラテックスには、日本ゼオン(株)製の商品名「LX550L」を使用した。
【0037】
次いで、この配合ラテックスを室温で24時間静置することによって、前加硫ラテックスを得た。
手袋の型を50℃に加温し、30%硝酸カルシウム水溶液(凝固液)に浸漬した後、この型を上記前加硫ラテックスに浸漬して、成膜を行なった。成膜後、110℃のオーブン中に上記の型を30分間放置して皮膜を加硫し、脱型することによってゴム手袋を得た。
【0038】
(比較例3)
配合ラテックス中にモンモリロナイトの懸濁液を配合しなかったほかは、実施例3と同様にして手袋を作製した。
(比較例4)
モンモリロナイトに代えて、炭酸カルシウムを配合ラテックス中に配合したほかは、実施例3と同様にして手袋を作製した。炭酸カルシウムの配合量は、乾燥ゴム分100重量部対して20重量部となるように調節した。
【0039】
〔物性評価〕
上記実施例および比較例で得られた手袋を打ち抜いて、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に記載のダンベル状4号形試験片を作製した。
次いで、上記試験片を用い、JIS K 6251に記載の方法に従って、300%伸び時の引張応力M300 (MPa)、500%伸び時の引張応力M500 (MPa)、引張強さTB (MPa)および切断時伸びEB (%)を測定した。
【0040】
上記物性評価の対照として、市販のポリ塩化ビニル(PVC)製手袋〔ダンロップホームプロダクツ(株)製の商品名「さわやかビニール薄手」〕を使用し、上記と同様にして試験片を作製した上で引張応力M300 等を測定した。
以上の結果を表1および表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1および2より明らかなように、ポリマーラテックス中に、水で膨潤させた層状ケイ酸塩を配合した実施例1〜3の浸漬製品(ゴム手袋)では、層状ケイ酸塩を配合していない比較例1または3に比べて、引張強さTB や切断時伸びEB の値を維持しつつ、引張応力M300 ,M500 を著しく向上させることができた。引張応力の向上効果は、実施例1,2と比較例2、または実施例3と比較例4との対比により明らかなように、従来の一般的な補強剤を添加した場合に比べて極めて大きいことが分かる。
【0044】
また、実施例1〜3の浸漬製品(ゴム手袋)は、対照のポリ塩化ビニル製品と比べても、その機械的特性において遜色のないことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線回折による分析結果を示すチャート図である。
【図2】X線回折による分析結果を示すチャート図である。
【図3】ポリマー中に層状ケイ酸塩が微分散している状態を示す模式図である。
【図4】ポリマー中に粉末状の層状ケイ酸塩を添加、混練したときの分散状態を示す模式図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a glove formed using a polymer latex such as rubber latex or resin emulsion. More specifically, the present invention provides a film excellent not only in tensile strength and elongation but also in modulus (elastic modulus) and gas barrier properties. It has a glove .
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
Conventionally, immersion products such as gloves and balloons are roughly classified into those using natural rubber and synthetic rubber such as acrylonitrile-butadiene rubber (NBR) as raw materials and those using vinyl chloride resin as raw materials.
[0003]
Here, a glove as an example of an immersion product is generally compared in terms of wearing feeling evaluated by its touch, adhesiveness, etc., and from the viewpoint of detachability evaluated by the degree of film elongation, sleeve deflection, etc. It can be said that gloves made of vinyl chloride resin having a large modulus of the material itself are superior. However, since a resin containing chlorine such as vinyl chloride tends to generate dioxin at the time of incineration, its use is being avoided in recent years.
On the other hand, the immersion product using natural rubber or synthetic rubber has a problem that the removable property is inferior when the immersion product is a glove because the modulus of the film is smaller than that of the product made of vinyl chloride resin. .
[0004]
Adding a reinforcing agent to increase the strength and modulus of an immersion product formed using a polymer latex has been widely used in the past, and as such a reinforcing agent, mainly carbon black, silica, surface Treated calcium carbonate, clay and the like have been used.
However, these reinforcing agents are usually aggregated and dispersed in the polymer in a size of several hundred nm to several tens of μm even if the unit particles are small. For this reason, in order to obtain a sufficient reinforcing effect by uniformly dispersing in the polymer latex, it is necessary to add and disperse a large amount of several tens of parts by weight of the reinforcing agent to 100 parts by weight of the polymer solid content. It was. In addition, due to this, when a conventional reinforcing agent is used, the modulus of the polymer (particularly, the tensile stress as an index thereof) can be improved, but there is also a problem that the elongation decreases. .
[0005]
Furthermore, in immersion products such as gloves, balloons, and storage bags, there are various problems due to the immersion product having a certain degree of gas permeability. For example, in balloons, storage bags, tires, etc., there is a problem that the gas stored in the inside leaks over time, and the air-filled state cannot be maintained for a long period of time. In the bag, there is a problem that air enters the inside of the bag from the outside and the oxidative deterioration of the contents proceeds.
[0006]
It is an object of the present invention, while maintaining the tensile strength and elongation of the polymer, the modulus and gas barrier properties and can be improved, and vinyl chloride resin glove of equal or greater fit and removable It is to provide a glove that can be sexed .
[0007]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
As the inventors of the present invention have repeated researches to solve the above-mentioned problems, attention has been paid to the characteristic that a specific layered silicate is significantly swollen by an aqueous medium such as a dilute aqueous solution such as water or alcohol. Further research was carried out to apply to the immersion products of polymers.
As a result, (a) the layered silicate is dispersed in a polymer latex such as a rubber latex or a resin emulsion in an expanded state in an aqueous medium, or (b) the layered silicate that swells in an aqueous medium is polymerized. When mixed and dispersed directly in the latex and then an immersion product is made using the latex thus obtained , the immersion product obtained by the conventional method of simply adding a reinforcing agent in the polymer latex, Unlike molded products using a polymer composition obtained by kneading powdery layered silicate in a polymer, the modulus can be improved without reducing the tensile strength and elongation of the film. I found a new fact.
Furthermore, the present inventors have also surprisingly found a new fact that an immersion product using the polymer latex has a significantly improved gas barrier property of the film.
The present invention has been completed based on such a new fact.
[0008]
That is, the glove according to the present invention for solving the above-mentioned problems is that a compounded latex containing a layered silicate swollen with an aqueous medium and a polymer latex is formed by immersing a mold in the compounded latex. It is characterized by .
[0009]
In the present invention, the layered silicate compounded and dispersed in the polymer latex is characterized by swelling in an aqueous medium, and a number of extremely thin crystals having a thickness of 1 to several tens of nm are laminated. It has a structure. Among layered silicates, montmorillonite (particularly, Na-type bentonite, which is a constituent component of montmorillonite) has a structure in which a number of crystal grains having a thickness of 1 nm and a maximum length of 200 nm in the plane direction are stacked.
When such a layered silicate is added to an aqueous medium, the aqueous medium enters between the crystal particles, and the interval between the layers is widened to swell (swell). In this way, the lamellar silicate is dispersed in the polymer latex in a swollen state in the aqueous medium, or the lamellar silicate is directly dispersed in the aqueous medium and swollen in the aqueous medium. As a result, the layered silicate is finely dispersed (extremely highly dispersed) in the polymer latex in a state of being roughly separated at the level of each individual crystal (layer).
[0010]
The surface area of the layered silicate in such a finely dispersed state is extremely large compared to conventional reinforcing agents and extenders that are dispersed in the polymer as aggregates. Therefore, according to the present invention, the reinforcing effect of the immersion product made of polymer latex can be made extremely large.
[0011]
The polymer latex for forming the glove of the present invention is added to and dispersed in the polymer latex in a state where the layered silicate is swollen in water, or the layered silicate is directly dispersed in an aqueous medium. It can be obtained through an extremely simple treatment of swelling in this aqueous medium.
[0012]
As will be apparent from the results of Examples described later, according to the glove according to the present invention, a lamellar silicate is added to a rubber latex or a resin emulsion (referred to a resin component suspended in an aqueous medium). The modulus (particularly, the tensile modulus evaluated by tensile stress) can be increased as compared with a film obtained in a state where it is not added or dispersed.
In addition, according to the glove according to the present invention, the modulus is increased by the finely dispersed layered silicate, so that the conventionally added reinforcing agent can be reduced depending on the type and use of the glove. Or it is not necessary to mix. Therefore, the manufacturing cost of the gloves can be reduced. In addition, since the blending amount of the reinforcing agent can be reduced, it is possible to maintain the original physical properties of the polymer forming the glove . In addition, about the tensile strength and elongation rate of the glove which concerns on this invention, it can maintain to the same grade as the case of said (a).
[0013]
Furthermore, as is clear from the results of the examples described later, according to the glove of the present invention, the gas barrier property of the film can be remarkably increased (the gas permeability can be remarkably reduced). In addition, the compounded latex used for film formation of the gloves of the present invention is suitable not only for household goods such as gloves , but also for application to , for example , balloons, tubes, or films and sheets used for storing and blocking gases. is there.
[0014]
Among the gloves of the present invention, when the polymer latex is a natural rubber latex not subjected to deproteinization treatment (or a latex containing natural rubber not subjected to deproteinization treatment), the above polymer latex is used. In some cases, the problem of contact allergies associated with the use of gloves can be suppressed. This is presumed to be due to the fact that the water-soluble protein present in natural rubber latex as a causative agent for contact allergies is physically bound to the particles depending on the type of layered silicate. Is done.
[0015]
In the glove according to the present invention, the layered silicate is, as described above, swollen with an aqueous medium such as a dilute aqueous solution such as water or alcohol, and is finely dispersed in a swollen state in the polymer latex. Anything to do. In particular, the layered silicate used in the present invention is separated at the level of approximately one crystal (layer) when swollen with an aqueous medium, and is finely dispersed in the polymer latex in such a state. More specifically, it is preferable that the particles are dispersed separately at a level of crystal grains on the order of several nm to several tens of nm.
Examples of such layered silicates include so-called smectite-based layered silicate minerals (clay minerals) such as montmorillonite, beidellite, nontronite, saponite, hectorite, stevensite, and soconite.
[0016]
As the layered silicate used in the glove of the present invention, bentonite mainly composed of montmorillonite is preferable among the above examples from the viewpoint of swellability with respect to an aqueous medium (especially water).
The bentonite used in the present invention is not limited to this, but is not subjected to chemical modification treatment such as organic treatment, in particular, Na-type bentonite called swelling type is an aqueous medium. It is more preferable from the viewpoint of swelling and cost.
Is not particularly limited degree of swelling with an aqueous medium of the layered silicate such as bentonite, in particular, a 2 g dry state when swollen with water, the swelling volume is equal to or greater than 2mL It is preferable that it is 10 mL or more. When a layered silicate whose degree of swelling by the aqueous medium satisfies the above range is used, the finely dispersed state in the polymer latex can be made extremely good.
[0017]
In gloves of the present invention, the type of polymer latex to be used are those selected appropriately in accordance with the product type and application. In particular,
(I) natural rubber latex, or (ii) isoprene rubber (IR) latex, chloroprene rubber (CR) latex, styrene-butadiene rubber (SBR) latex, acrylonitrile-butadiene rubber (NBR) latex, acrylonitrile-butadiene-styrene (ABS) ) At least one latex selected from the group consisting of latex, acrylate ester latex, methacrylate ester latex and chlorosulfonated polyethylene latex, or a mixed latex of at least one latex selected from the above group and natural rubber latex Can be mentioned.
[0018]
The natural rubber latex (i) may be a field latex. The immersion product of the present invention can be obtained by the same procedure whether the natural rubber latex is a field latex that has not been subjected to purification or concentration treatment, or is high ammonia latex that has been obtained through purification or concentration treatment. In addition, there is no difference in the effect of adding the layered silicate. When the field latex is used, the immersion product can be manufactured without passing through extra steps such as purification and concentration, so that the manufacturing cost can be reduced.
[0019]
In the latex (mixed latex) of (ii) above, the latex other than natural rubber latex, that is, synthetic rubber latex or resin emulsion, is preferably produced by emulsion polymerization.
When dispersing the layered silicate swollen with an aqueous medium, the polymer needs to be in an emulsion state (a state where polymer particles are suspended and dispersed in an aqueous medium). Even a polymer obtained by solution polymerization is dissolved in a specific solvent, emulsified in water to which a surfactant is added, and then desolvated, thereby emulsifying in an aqueous medium (latexing). Although it can be performed, if the polymer is based on emulsion polymerization, it is synthesized in an emulsion (latex) state, so that the operation of emulsification is unnecessary, and fine dispersion treatment of the layered silicate efficiently. Can be performed.
[0020]
A dispersion obtained by swelling bentonite in water is usually alkaline. Accordingly, it is more preferable that the polymer latex used in the present invention exhibits an alkaline and stable dispersion state.
[0021]
In the glove of the present invention, the content of the layered silicate is not particularly limited, but the polymer is sufficient to fully exhibit the effect of the present invention to increase the modulus of the glove film and the gas barrier property. The amount is preferably 0.5 to 25 parts by weight based on 100 parts by weight of the polymer content of the latex.
If the content of the layered silicate exceeds the above range, the elongation of the glove film [elongation at cutting E B (%), etc.] may be lowered. Conversely, if the content of the layered silicate is below the above range, the effect of the present invention that improves the modulus and gas barrier properties may not be sufficiently obtained.
In the glove of the present invention, if it is required that the elongation of the film is particularly large, the content of the layered silicate with respect to 100 parts by weight of the polymer latex is particularly 0.5 to 10 in the above range. It is preferably part by weight, more preferably 1 to 10 parts by weight, and particularly preferably 2 to 5 parts by weight.
[0022]
According to the glove of the present invention, the gas permeability can be reduced to 70% or less as compared with an immersion product formed without adding layered silicate.
Furthermore, as described above, according to the glove of the present invention, the tensile stress can be increased while maintaining the tensile strength of the film. The extent of such mechanical properties, set from the viewpoint of the present invention is a glove, so that the stress M 500 Tensile at 500% elongation is not less than 5.0 MPa, and the tensile strength T B is higher 20MPa It is preferable to do this.
[0023]
The compounded latex used for manufacturing the gloves according to the present invention is used not only as a raw material for manufacturing gloves , but also as a raw material for manufacturing balloons, gas storage / blocking films or sheets , for example .
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Gloves of the invention, i.e. lamellar silicates swelled in aqueous medium and dispersed in polymer latex, or lamellar silicates swelled in aqueous medium are directly mixed and dispersed in polymer latex, thus In a glove formed using a polymer latex obtained by adding a compounding agent such as a vulcanizing agent or a crosslinking agent to the resulting compounded latex , as described above, the layered silicate is the rubber of the glove . In the film or the resin film, it is in a so-called finely dispersed state in which it is dispersed in a state of being separated at approximately the level of each layer.
[0025]
The degree of dispersion of the layered silicate in the rubber / resin film is determined, for example , by conducting an X-ray diffraction analysis on the above rubber / resin film ( gloves of the present invention). In more detail, it can be evaluated by observing a peak in the range of 2θ of 6.0 ° to 8.0 °.
When 2θ is around 7 ° (6.0 ° to 8.0 °), there is no peak in the data of X-ray diffraction analysis, or the peak is obtained by adding layered silicate directly to the solid polymer. When it is very small compared to the sample obtained by kneading, the layered silicate is dispersed at the level of each layer approximately and dispersed (finely dispersed) in the polymer. Judgment can be made.
[0026]
The data of the X-ray diffraction analysis shown in FIG. 1 and FIG.
(1) Samples made by adding a vulcanizing agent to natural rubber latex and molding by immersion method,
(2) a sample obtained by directly adding layered silicate (Na bentonite) to solid natural rubber, kneading and molding the sample, and
(3) A sample obtained by dispersing layered silicate (Na bentonite) swollen in water into natural rubber latex, adding a vulcanizing agent, etc., and molding by a dipping method,
The analysis result about these three types of samples is shown.
[0027]
As is clear from the comparison between (1) in FIG. 1 and (2) in FIG. 2, when a rubber film is formed in natural rubber without compounding layered silicate (1), 2θ = 7 While no peak is observed near ° C, when layered silicate is added directly to solid natural rubber and kneaded to form a rubber film (2), the layered silicate crystals are laminated. Thus, a peak derived from being an aggregate is observed around 2θ = 7 °.
On the other hand, as is clear from the comparison between (1), (3) in FIG. 1 and (2) in FIG. 2, when the layered silicate is dispersed in natural rubber latex in a swollen state in water (3 ), No significant peak is observed when 2θ = is around 7 °. Therefore, in the case of the above (3), it can be seen that the crystal of the layered silicate is roughly dispersed in every layer and dispersed (finely dispersed) in the natural rubber.
[0028]
The present applicants have previously filed a patent application regarding the invention of a natural rubber latex containing porous phyllosilicate (Japanese Patent Laid-Open No. 2000-63567).
Here, the porous phyllosilicate is characterized in that its surface area is as extremely large as 500 to 900 m 3 / g as described in
[0029]
As described above, the particle structure of the porous phyllosilicate in the above publication and the layered silicate in the present invention are clearly different. The former is provided with the characteristic of being porous, but does not have the characteristic of swelling with an aqueous medium and being separated into individual layers and finely dispersed in the aqueous medium.
In addition, in the examples of the above publication, “Mizuka Life®” is used as a slurry of 50% by weight with respect to water. This only indicates that “Mizuka Life (R)”, which is a porous phyllosilicate, is used as a dispersion (suspension) in water. It does not show that each layer is swelled and finely dispersed in a discrete state. When the amount of layered silicate referred to in the present invention is as large as 50% by weight in an aqueous medium, not only fine dispersion in an aqueous medium but also a stable dispersion / suspension state is realized. Even impossible.
[0030]
In the glove of the present invention, the lamellar silicate swollen with the aqueous medium is dispersed in the polymer latex, so that the lamellar silicate crystals are approximately one layer at a time, as schematically shown in FIG. Dispersed (finely dispersed) at different levels. Therefore, the total surface area of the layered silicate becomes extremely large, and the effect of increasing the modulus becomes remarkable. Moreover, the gas permeability of the film of the glove is lowered as schematically shown by the two-dot chain line in the figure.
[0031]
On the other hand, when powdered layered silicate is added to the solid polymer and mixed and dispersed by means of kneading or the like, for example, as schematically shown in FIG. Cannot be broken apart at roughly one layer level. Therefore, the total surface area of the layered silicate is not so large, and the effect of increasing the modulus is small. In addition, the effect of reducing the gas permeability of the glove film is small.
In the present invention, the layered silicate is blended in the polymer latex in a state of being swollen in water. Specifically, the layered silicate is added to water at a weight ratio of 10 times or more, preferably 20 to 40 times by weight, and stirred vigorously with a magnetic stirrer for about 0.1 to 8 hours. Above, mixed into polymer latex.
[0032]
【Example】
Next, an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated.
[Manufacture of natural rubber gloves]
Example 1
1 part by weight of sulfur, 1 part by weight of zinc white, 1 part by weight of vulcanization accelerator (BZ, zinc dibutylcarbamate) and anti-aging agent (p-) with respect to 100 parts by weight of dry rubber content of natural rubber (NR)
[0033]
Further, a suspension of montmorillonite swollen in water (10% by weight slurry) was added so that the content of montmorillonite was 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of dry rubber to obtain a blended latex. . Na-type bentonite (trade name “Bengel”) manufactured by Hojun Co., Ltd. was used as the montmorillonite.
Subsequently, this compounded latex was allowed to stand at room temperature for 24 hours to obtain a pre-vulcanized latex.
A glove mold was heated to 50 ° C. and immersed in a 20% calcium nitrate aqueous solution (coagulation liquid), and then the mold was immersed in the pre-vulcanized latex to form a film. After film formation, the above mold was left in an oven at 100 ° C. for 30 minutes to vulcanize the film, and then demolded to obtain a rubber glove.
[0034]
(Example 2)
A rubber glove was produced in the same manner as in Example 1 except that the suspension was added so that the content of montmorillonite was 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the dry rubber content.
[0035]
(Comparative Example 1)
A glove was produced in the same manner as in Example 1 except that the montmorillonite suspension was not added to the blended latex.
(Comparative Example 2)
A glove was produced in the same manner as in Example 1 except that calcium carbonate was blended in the blended latex instead of montmorillonite. The blending amount of calcium carbonate was adjusted to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of dry rubber.
[0036]
[Manufacture of NBR gloves]
(Example 3)
1 part by weight of sulfur, 1 part by weight of zinc and 1 part by weight of a vulcanization accelerator (BZ, zinc dibutylcarbamate) were added to 100 parts by weight of the dry rubber content of the acrylonitrile-butadiene rubber (NBR) latex. Further, a suspension of montmorillonite swollen in water (10% by weight slurry) was added so that the content of montmorillonite was 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of dry rubber to obtain a blended latex. . In addition, the brand name “LX550L” manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd. was used for the NBR latex.
[0037]
Subsequently, this compounded latex was allowed to stand at room temperature for 24 hours to obtain a pre-vulcanized latex.
The glove mold was heated to 50 ° C. and immersed in a 30% calcium nitrate aqueous solution (coagulation liquid), and then the mold was immersed in the pre-vulcanized latex to form a film. After the film formation, the above mold was left in an oven at 110 ° C. for 30 minutes to vulcanize the film and remove the mold to obtain a rubber glove.
[0038]
(Comparative Example 3)
A glove was produced in the same manner as in Example 3 except that the suspension of montmorillonite was not blended in the blended latex.
(Comparative Example 4)
A glove was produced in the same manner as in Example 3 except that calcium carbonate was blended in the blended latex instead of montmorillonite. The blending amount of calcium carbonate was adjusted to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of dry rubber.
[0039]
〔Evaluation of the physical properties〕
The gloves obtained in the above examples and comparative examples were punched out to produce dumbbell-shaped No. 4 test pieces described in JIS K 6251 “Tensile test method for vulcanized rubber”.
Then, using the test strip, according to the method described in JIS K 6251, a tensile stress M 300 of the elongation at 300% (MPa), 500% elongation at a tensile stress M 500 (MPa), tensile strength T B (MPa ) And elongation at break E B (%).
[0040]
As a control for evaluating the above physical properties, commercially available polyvinyl chloride (PVC) gloves (trade name “Sawayaka Vinyl Thin” manufactured by Dunlop Home Products Co., Ltd.) were used, and test pieces were prepared in the same manner as described above. Tensile stress M300 etc. were measured.
The above results are shown in Tables 1 and 2.
[0041]
[Table 1]
[0042]
[Table 2]
[0043]
As is clear from Tables 1 and 2, in the immersion products (rubber gloves) of Examples 1 to 3, in which the lamellar silicate swollen with water was blended in the polymer latex, the lamellar silicate was not blended. compared to Comparative example 1 or 3, while maintaining the value of the tensile strength T B and elongation at break E B, the tensile stress M 300, M 500 can be remarkably improved. As is apparent from the comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Example 2 or Example 3 and Comparative Example 4, the effect of improving the tensile stress is extremely large compared to the case where a conventional general reinforcing agent is added. I understand that.
[0044]
Moreover, it turned out that the immersion product (rubber glove) of Examples 1-3 is inferior in the mechanical characteristic compared with the control polyvinyl chloride product.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a chart showing analysis results by X-ray diffraction.
FIG. 2 is a chart showing analysis results by X-ray diffraction.
FIG. 3 is a schematic view showing a state in which layered silicate is finely dispersed in a polymer.
FIG. 4 is a schematic view showing a dispersion state when a powdery layered silicate is added to a polymer and kneaded.
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