JP4074469B2 - Method for producing hydroxyalkyl (meth) acrylate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する際には、通常、触媒が使用され、上記触媒として均一系触媒であるクロム化合物、なかでも3価のクロム化合物が好適に使用されることは従来からよく知られている(特公昭46−37805号公報)。また、3価のクロム化合物のなかでも、酢酸クロムは、反応速度が大きく、反応転化率も高いという傾向を示し、非常に優れた触媒である。
しかしながら、複数のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造反応系それぞれにおいて同様にクロム化合物を触媒として用いたとしても、反応系ごとに、反応終結までの時間や、目的生成物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの収率などについて、かなり広範囲なばらつきがあり、経済性、生産性等の面でも問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、触媒として均一系触媒であるクロム化合物を用いることにより、反応速度が速く、反応転化率が高く、触媒の分離操作が不要といった従来の利点を発揮させつつ、反応所要時間および目的生成物の収率に関して上述のようなばらつきを低減しかつ適度な範囲となるようにする、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、クロム化合物を触媒として用いた反応系において、上述のように反応所要時間および目的生成物の収率に関し、広範囲なばらつきが発生する要因について、種々推測および検討を繰り返した。その結果、触媒として使用するクロム化合物の物性の違いによって生じているのではないかと推測し、他に比べ著しく差異の見られた反応系において使用したクロム化合物について分析等を行い検討した。すると、該反応系において使用したクロム化合物は、他の反応系に比べ、その含有水分濃度について、非常に濃度が低い場合や、濃度がかなり高い場合があることに気づいた。そして、この含有水分濃度は、クロム化合物触媒の溶解性に大きく影響しているのではないかと考えた。つまり、含有水分濃度が非常に低いものはほぼ無水のクロム化合物であり、このようなクロム化合物触媒は、反応選択率は高いものの、反応液に対する溶解性を大きく欠くこととなり、反応時間を著しく長時間化させてしまうと考え、一方、含有水分濃度がかなり高いクロム化合物触媒は、反応液への溶解性は高いものの、自己が有する水分により多くの原料アルキレンオキシドを加水分解させてしまい、製品純度の低下の要因となるアルキレングリコールを多量に副生させることとなり、結果的に目的生成物の収率が著しく低下していたのではないか、と考えたのである。
【0005】
かかる知見に基づき、種々検討および実験を繰り返した結果、触媒として用いるクロム化合物に関しては、無水のものでもなく多く水分を含んでいるものでもなく、むしろ適度に水分を含有したものを用いるべきではないかと考えた。そして、特定範囲内の含有水分濃度である酢酸クロムを反応触媒として用いるようにする、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法であれば、上記課題を一挙に解決することを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒として含有水分濃度が1〜20重量%である酢酸クロムを用いるようにする、ことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法(以下、本発明の製造方法と称することがある。)について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
本発明の製造方法において、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応における原料の仕込み量は、(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1モル以上が好ましい範囲であり、より好ましくは1.0〜10モル、さらにより好ましくは1.0〜5.0モル、最も好ましくは1.0〜3.0モル、特に好ましくは1.0〜2.0モルである。アルキレンオキシドの仕込み量が1.0モル未満の場合には、反応転化率が低下し、副生成物が増加するので好ましくない。また、アルキレンオキシドの仕込み量が多すぎると、特に、10モルを超えると、経済的に好ましくない。
【0007】
本発明の製造方法において用いることができる(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
本発明の製造方法において用いることができるアルキレンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒として、前記触媒として含有水分濃度が1〜20重量%であるクロム化合物を用いるようにする、ことを特徴とする。
【0008】
上記クロム化合物としては、特に限定はされないが、例えば、3価のクロム化合物が好ましく、具体的には、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジブチルジチオカルバミン酸クロム、酢酸クロムなどを挙げることができる。なかでも、酢酸クロムがより好ましい。したがって、本発明では触媒として酢酸クロムを採用し、以下「クロム化合物」とは「酢酸クロム」を指すものとする。
本発明の製造方法においては、上記クロム化合物の含有水分濃度は、上述のように1〜20重量%となるように調製したものであるが、より好ましくは2〜15重量%、さらにより好ましくは3〜10重量%である。上記含有水分濃度が、1重量%未満の場合は、溶解性が低く反応液中に不溶解分が残り、(メタ)アクリル酸の反応転化率の低下することにより、反応所要時間が著しく長くなるとともに目的生成物の収率が著しく低下するおそれがある。また、20重量%を超える場合は、原料化合物であるアルキレンオキシドと水とが反応してなるアルキレングリコールが、製品純度の著しい低下を招く程度の量で生成してしまうおそれがある。
【0009】
上記クロム化合物の含有水分とは、具体的には、水和物あるいは三核錯塩等の分子状態における分子中の水分子、あるいは、クロム化合物触媒の製造過程において吸湿などにより有することとなった水分、またはこれらを合わせて考慮した水分のことをいう。
前者において、上記分子中の水分子に基づく含有水分濃度の測定方法としては、具体的には、例えば、カールフィッシャー水分計で測定する方法等を挙げることができる。
後者において、上記吸湿等により有することとなった水分としては、詳しくは、特に限定されるわけではないが、クロム化合物水溶液をスプレードライしてクロム化合物触媒を得る場合にスプレードライ後でも残存しているクロム化合物触媒中の水分や、クロム化合物触媒の保存中の吸湿、などを挙げることができる。
【0010】
また、上記吸収した水分の量を測定し、クロム化合物の含有水分濃度を求める方法としては、具体的には、例えば、減圧下での重量減少で測定する方法等を挙げることができる。
本発明の製造方法で用いるクロム化合物については、含有水分濃度を上記所望の範囲内とするため、触媒を高湿度雰囲気下において吸湿させたり、乾燥機や乾燥雰囲気下で乾燥させたりしておいてもよい。
本発明の製造方法においては、クロム化合物の使用量は、特に限定されるわけではないが、具体的には、原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり、10モル%を超えると、経済的でない上、廃棄物中の(蒸留残渣中)のクロム濃度が高くなるため環境に対する負荷(悪影響)が大きくなるおそれがある。
【0011】
また、本発明の製造方法においては、特に限定はされないが、触媒として、上記各種クロム化合物以外の他の均一系触媒を併用してもよい。他の均一系触媒としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、鉄(Fe)化合物、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物などを挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0012】
鉄(Fe)化合物は、鉄(Fe)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄などが挙げられる。
イットリウム(Y)化合物は、イットリウム(Y)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンイットリウム、塩化イットリウム、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、アクリル酸イットリウムおよびメタクリル酸イットリウムなどが挙げられる。
【0013】
ランタン(La)化合物は、ランタン(La)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、アクリル酸ランタンおよびメタクリル酸ランタンなどが挙げられる。
セリウム(Ce)化合物は、セリウム(Ce)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンセリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、アクリル酸セリウムおよびメタクリル酸セリウムなどが挙げられる。
【0014】
タングステン(W)化合物は、タングステン(W)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化タングステン、アクリル酸タングステンおよびメタクリル酸タングステンなどが挙げられる。
ジルコニウム(Zr)化合物は、ジルコニウム(Zr)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンジルコニウム、塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、、アクリル酸ジルコニウム、メタクリル酸ジルコニウム、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、アクリル酸ジルコニルおよびメタクリル酸ジルコニルなどが挙げられる。
【0015】
チタン(Ti)化合物は、チタン(Ti)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイソプロポキシド、アクリル酸チタンおよびメタクリル酸チタンなどが挙げられる。
バナジウム(V)化合物は、バナジウム(V)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンバナジウム、塩化バナジウム、ナフテン酸バナジウム、アクリル酸バナジウムおよびメタクリル酸バナジウムなどが挙げられる。
【0016】
リン(P)化合物は、リン(P)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリトルイルホスフィンおよび1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタンなどの、アルキルホスフィン類およびその(メタ)アクリル酸塩等の4級ホスホニウム塩などが挙げられる。
アルミニウム(Al)化合物は、アルミニウム(Al)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アクリル酸アルミニウムおよびメタクリル酸アルミニウムなどが挙げられる。
【0017】
モリブデン(Mo)化合物は、モリブデン(Mo)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化モリブデン、酢酸モリブデン、アクリル酸モリブデンおよびメタクリル酸モリブデンなどが挙げられる。
本発明の製造方法において、上記各種クロム化合物と上記その他の触媒とを併用する場合は、触媒全体中の上記その他触媒の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
本発明の製造方法において、上記各種クロム化合物に、上記その他の触媒とを併用する場合は、併用する触媒全量を、原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下することとなり、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるので好ましくない。
【0018】
また、上記各種クロム化合物に、均一系触媒であるアミン化合物を触媒として併用する場合には、原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるおそれがある。
本発明の製造方法において、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応形態は、この種の反応に一般的に用いられている方法に従って行うことができる。
【0019】
例えば、バッチ式で反応を行う場合、(メタ)アクリル酸中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われる。溶媒中に(メタ)アクリル酸を溶解させてからアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、アルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にまたは間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠的に添加する場合、この種の反応においてよく行われるように、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させて、いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもできる。また、(メタ)アクリル酸も初期に一度に仕込む必要は必ずしもなく、いくつかに分割して投入することもできる。
【0020】
なお、バッチ式で反応を行う場合、触媒は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解しておき、その後にアルキレンオキシドを導入するのが好ましい。また、(メタ)アクリル酸を分割投入する場合には、分割投入する(メタ)アクリル酸に触媒の一部を溶解し、(メタ)アクリル酸と共に投入してもよい。
また、連続式で反応を行う場合には、(メタ)アクリル酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型などの反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器から抜き出して行われる。この際、触媒は、原料とともに連続的に供給して反応液とともに連続的に抜き出してもよいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反応器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用してもよく、また、槽型の反応器の場合には、固体触媒を反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわゆる流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反応の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとってもよい。
【0021】
なお、連続式で反応を行う場合、触媒は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解しておいてから、反応器へ投入するのが好ましい。
原料(メタ)アクリル酸と原料アルキレンオキシドの反応器への投入については、それぞれ別々の投入ラインから投入してもよいし、反応器へ投入する前に、配管、又は、ラインミキサー、ミキシングタンクなどで予め混合してから投入してもよい。また、反応器出口液を反応器入口へ循環させる場合には、この液を原料(メタ)アクリル酸、原料アルキレンオキシドと混合してから反応器へ投入してもよい。しかし、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを別々の投入ラインから反応液中に投入した場合、(メタ)アクリル酸の投入口付近では反応液中のモル比が(メタ)アクリル酸過剰になるので、好ましくは、反応器へ投入する前に、それぞれの原料を配管などで予め混合してから投入するのがよい。
【0022】
反応温度は、通常、40〜130℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多くなったり、原料である(メタ)アクリル酸や生成物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合等が起こるので好ましくない。
また、この反応において反応を温和に進行させることなどを目的として、溶媒中で反応を行ってもよい。溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタンなどの一般的なものを用いることができる。反応時の系内圧力は、使用する原料の種類や混合比にもよるが、一般には加圧下で行われる。
【0023】
また、反応の際には、一般に用いられている重合防止剤を使用することができる。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン又はその塩等のニトロソ化合物;2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル、4,4’,4’’−トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)フォスファイト等のN−オキシル化合物などが例示される。重合防止剤の添加量は、カルボン酸に対して0.0001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量%である。
【0024】
本発明の製造方法においては、得られた粗ヒドロキシアルキルエステルについて、必要に応じ、さらに精製を行ってもよい。精製方法としては、特に限定されないが、例えば、蒸留による精製が挙げられる。より具体的には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、蒸留精製に他の精製手段を併用してもよい。また、精製時にも、前述の重合防止剤を適宜使用できる。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
−実施例1−
メタクリル酸448g、触媒として含有水分量3重量%の酢酸クロム0.90g、重合防止剤としてフェノチアジン0.45gを、容量1リットルの撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、内圧を1.0気圧とした。252gの酸化エチレンを約4時間かけてほぼ等速で供給し、この間60℃に維持して反応させた。酸化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は75%であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して未反応のメタクリル酸が0.10重量%になるまで反応を継続した。2.1時間反応を継続することで、未反応のメタクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を冷却した。得られた反応液中のヒドロキシエチルメタクリレート濃度は96.0重量%、ジエステル濃度は0.08重量%、ジエチレングリコールモノメタクリレート濃度は3.7重量%、エチレングリコール濃度は0.02重量%であった。
【0026】
−実施例2−
使用する触媒の含有水分量が5重量%のものを用いた以外は、実施例1と同様の操作により反応を行った。酸化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は75%であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して未反応のメタクリル酸が0.10重量%になるまで反応を継続した。2.0時間反応を継続することで、未反応のメタクリル酸が0.1重量%になったので、反応液を冷却した。得られた反応液中のヒドロキシエチルメタクリレート濃度は96.0重量%、ジエステル濃度は0.08重量%、ジエチレングリコールモノメタクリレート濃度は3.7重量%、エチレングリコール濃度は0.03重量%であった。
【0027】
−実施例3−
使用する触媒の含有水分量が10重量%のものを用いた以外は、実施例1と同様の操作により反応を行った。酸化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は75%であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して未反応のメタクリル酸が0.10重量%になるまで反応を継続した。2.25時間反応を継続することで、未反応のメタクリル酸が0.1重量%になったので、反応液を冷却した。得られた反応液中のヒドロキシエチルメタクリレート濃度は95.9重量%、ジエステル濃度は0.08重量%、ジエチレングリコールモノメタクリレート濃度は3.8重量%、エチレングリコール濃度は0.05重量%であった。
【0028】
−比較例1−
使用する触媒の含有水分量を0.5重量%のものを用いた以外は、実施例1と同様の操作で反応を行った。酸化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は60%であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して5.0時間反応を継続したが未反応のメタクリル酸が0.10重量%まで減少せず、反応液を観察したところ未溶解の触媒が液中に見られた。
−比較例2−
使用する触媒の含有水分量が21.0重量%のものを用いた以外は、実施例1と同様の操作により反応を行った。酸化エチレン供給後のメタクリル酸の反応転化率は68%であった。酸化エチレンの供給終了後、80℃に昇温して5.0時間反応を継続したが、未反応のメタクリル酸が0.10重量%まで減少しなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、触媒として均一系触媒であるクロム化合物を用いることにより、反応速度が速く、反応転化率が高く、触媒の分離操作が不要といった従来の利点を発揮させつつ、反応所要時間および目的生成物の収率に関して上述のようなばらつきを低減しかつ適度な範囲となるようにする、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing hydroxyalkyl (meth) acrylate by reacting (meth) acrylic acid and alkylene oxide in the presence of a catalyst.
[0002]
[Prior art]
When a hydroxyalkyl (meth) acrylate is produced by reacting (meth) acrylic acid with an alkylene oxide, a catalyst is usually used, and as the catalyst, a chromium compound which is a homogeneous catalyst, especially a trivalent chromium compound It is well known from the past that Japanese Patent Publication No. 46-37805 is suitably used. Among trivalent chromium compounds, chromium acetate is a very excellent catalyst because it has a high reaction rate and a high reaction conversion rate.
However, even if a chromium compound is similarly used as a catalyst in each of the reaction systems for producing a plurality of hydroxyalkyl (meth) acrylates, the reaction time and the target product, hydroxyalkyl (meth), may be used for each reaction system. The yield of acrylate has a wide range of variations, which is also a problem in terms of economy and productivity.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the problem to be solved by the present invention is that the use of a chromium compound that is a homogeneous catalyst as a catalyst exhibits the conventional advantages such as a high reaction rate, a high reaction conversion rate, and no need for a catalyst separation operation. On the other hand, it is an object of the present invention to provide a novel method for producing a hydroxyalkyl (meth) acrylate, which reduces the above-mentioned variation with respect to the time required for the reaction and the yield of the target product and falls within an appropriate range.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventor makes various assumptions about the factors that cause wide variations in the reaction time and the yield of the target product as described above in a reaction system using a chromium compound as a catalyst. And the study was repeated. As a result, it was presumed that it was caused by the difference in the physical properties of the chromium compound used as the catalyst, and the chromium compound used in the reaction system in which the difference was significantly different from the others was analyzed and examined. Then, the chromium compound used in the reaction system was found to have a very low concentration or a very high concentration in terms of water content compared to other reaction systems. Then, it was considered that the contained water concentration greatly affects the solubility of the chromium compound catalyst. In other words, those with a very low moisture concentration are almost anhydrous chromium compounds. Such a chromium compound catalyst has a high reaction selectivity, but it lacks the solubility in the reaction solution, and the reaction time is significantly increased. On the other hand, the chromium compound catalyst, which has a considerably high water content, is highly soluble in the reaction solution, but hydrolyzes more raw material alkylene oxide with its own water, resulting in product purity. As a result, it was thought that a large amount of alkylene glycol, which is a cause of the decrease in the amount, was produced as a by-product, and as a result, the yield of the target product was significantly decreased.
[0005]
As a result of repeating various examinations and experiments based on such knowledge, the chromium compound used as a catalyst is not anhydrous and does not contain much water, but rather should contain moderately water-containing compounds. I thought. And if it is the manufacturing method of the novel hydroxyalkyl (meth) acrylate which makes it use the chromium acetate which is the content water content in a specific range as a reaction catalyst, it confirmed that the said subject could be solved at once, and this book The invention has been completed.
That is, the method for producing a hydroxyalkyl (meth) acrylate according to the present invention is a method for producing hydroxyalkyl (meth) acrylate by reacting (meth) acrylic acid and alkylene oxide in the presence of a catalyst. It is characterized in that chromium acetate having a moisture content of 1 to 20% by weight is used.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, although the manufacturing method (henceforth the manufacturing method of this invention) of the hydroxyalkyl (meth) acrylate concerning this invention is demonstrated in detail, the range of this invention is restrained by these description. However, other than the following exemplifications, the present invention can be implemented as appropriate without departing from the spirit of the present invention.
In the production method of the present invention, the amount of raw material charged in the reaction between (meth) acrylic acid and alkylene oxide is preferably in the range of 1 mol or more of alkylene oxide, more preferably 1 mol of (meth) acrylic acid. Is 1.0 to 10 mol, even more preferably 1.0 to 5.0 mol, most preferably 1.0 to 3.0 mol, and particularly preferably 1.0 to 2.0 mol. When the amount of alkylene oxide charged is less than 1.0 mol, the reaction conversion rate decreases and by-products increase, which is not preferable. Moreover, when there are too many preparation amounts of alkylene oxide, especially exceeding 10 mol, it is economically unpreferable.
[0007]
The (meth) acrylic acid that can be used in the production method of the present invention means acrylic acid and / or methacrylic acid.
The alkylene oxide that can be used in the production method of the present invention is preferably an alkylene oxide having 2 to 6 carbon atoms, more preferably 2 to 4 carbon atoms, and examples thereof include ethylene oxide, propylene oxide, and butylene oxide. Are ethylene oxide and propylene oxide.
The method for producing a hydroxyalkyl (meth) acrylate according to the present invention comprises producing a hydroxyalkyl (meth) acrylate by reacting (meth) acrylic acid and an alkylene oxide in the presence of a catalyst. A chromium compound having a moisture content of 1 to 20% by weight is used as a catalyst.
[0008]
Although it does not specifically limit as said chromium compound, For example, a trivalent chromium compound is preferable, Specifically, chromium chloride, acetylacetone chromium, chromium formate, chromium acrylate, chromium methacrylate, sodium dichromate, dibutyl Examples thereof include chromium dithiocarbamate and chromium acetate. Of these, chromium acetate is more preferable. Therefore, in the present invention, chromium acetate is employed as a catalyst, and hereinafter, “chromium compound” refers to “chromium acetate”.
In the production method of the present invention, the water content of the chromium compound is adjusted to be 1 to 20% by weight as described above, more preferably 2 to 15% by weight, and still more preferably. 3 to 10% by weight. When the water content is less than 1% by weight, the solubility is low and the insoluble matter remains in the reaction solution, and the reaction time required is significantly increased due to a decrease in the reaction conversion rate of (meth) acrylic acid. At the same time, the yield of the target product may be significantly reduced. Moreover, when it exceeds 20 weight%, there exists a possibility that the alkylene glycol formed by the reaction of the alkylene oxide which is a raw material compound and water may produce | generate in the quantity which will cause the remarkable fall of product purity.
[0009]
Specifically, the water content of the chromium compound is water molecules in the molecule in a molecular state such as a hydrate or a trinuclear complex salt, or moisture that has been caused by moisture absorption in the production process of the chromium compound catalyst. Or the water that takes these into account.
In the former, the method for measuring the water content based on the water molecules in the molecule specifically includes, for example, a method of measuring with a Karl Fischer moisture meter.
In the latter case, the water content due to moisture absorption etc. is not particularly limited. However, when the chromium compound aqueous solution is spray-dried to obtain a chromium compound catalyst, it remains even after spray drying. For example, moisture in the chromium compound catalyst, moisture absorption during storage of the chromium compound catalyst, and the like.
[0010]
Moreover, as a method of measuring the amount of absorbed moisture and determining the water content of the chromium compound, specifically, for example, a method of measuring by weight loss under reduced pressure can be cited.
For the chromium compound used in the production method of the present invention, in order to keep the moisture concentration within the above desired range, the catalyst is absorbed in a high humidity atmosphere or dried in a dryer or a dry atmosphere. Also good.
In the production method of the present invention, the amount of the chromium compound used is not particularly limited, but specifically, it is used in the range of 0.01 to 10 mol% with respect to the raw material (meth) acrylic acid. It is preferably 0.05 to 5 mol%, more preferably 0.1 to 3 mol%. If it is less than 0.01 mol%, the reaction rate becomes small, so the reaction time may be prolonged and the productivity may be lowered. If it exceeds 10 mol%, it is not economical and is not economical (in the distillation residue). Since the chromium concentration becomes high, there is a possibility that the load on the environment (adverse effects) may increase.
[0011]
Moreover, in the manufacturing method of this invention, although it does not specifically limit, other homogeneous catalysts other than the said various chromium compounds may be used together as a catalyst. Although it does not specifically limit as another homogeneous catalyst, Specifically, an iron (Fe) compound, an yttrium (Y) compound, a lanthanum (La) compound, a cerium (Ce) compound, a tungsten (W) compound, A zirconium (Zr) compound, a titanium (Ti) compound, a vanadium (V) compound, a phosphorus (P) compound, an aluminum (Al) compound, a molybdenum (Mo) compound, and the like can be given. These may be used alone or in combination of two or more.
[0012]
The iron (Fe) compound is not particularly limited as long as it is a compound having an iron (Fe) atom in the molecule and is soluble in the reaction solution. Specific examples include iron powder, iron chloride, iron formate, iron acetate, iron acrylate, and iron methacrylate.
The yttrium (Y) compound is not particularly limited as long as it is a compound having an yttrium (Y) atom in the molecule and is soluble in the reaction solution. Specific examples include yttrium acetylacetone, yttrium chloride, yttrium acetate, yttrium nitrate, yttrium sulfate, yttrium acrylate, and yttrium methacrylate.
[0013]
A lanthanum (La) compound will not be specifically limited if it is a compound which has a lanthanum (La) atom in a molecule | numerator, and is soluble in the said reaction liquid. Specific examples include lanthanum acetylacetone, lanthanum chloride, lanthanum acetate, lanthanum nitrate, lanthanum sulfate, lanthanum acrylate, and lanthanum methacrylate.
A cerium (Ce) compound will not be specifically limited if it is a compound which has a cerium (Ce) atom in a molecule | numerator, and is soluble in the said reaction liquid. Specific examples include acetylacetone cerium, cerium chloride, cerium acetate, cerium nitrate, cerium sulfate, cerium acrylate, and cerium methacrylate.
[0014]
The tungsten (W) compound is not particularly limited as long as it is a compound having a tungsten (W) atom in the molecule and is soluble in the reaction solution. Specific examples include tungsten chloride, tungsten acrylate, and tungsten methacrylate.
The zirconium (Zr) compound is not particularly limited as long as it is a compound having a zirconium (Zr) atom in the molecule and is soluble in the reaction solution. Specifically, for example, acetylacetone zirconium, zirconium chloride, zirconium acetate, zirconium nitrate, zirconium sulfate, zirconium acrylate, zirconium methacrylate, zirconium butoxide, zirconium propoxide, zirconyl chloride, zirconyl acetate, zirconyl nitrate, zirconyl acrylate And zirconyl methacrylate.
[0015]
A titanium (Ti) compound will not be specifically limited if it is a compound which has a titanium (Ti) atom in a molecule | numerator, and is soluble in the said reaction liquid. Specific examples include titanium chloride, titanium nitrate, titanium sulfate, titanium methoxide, titanium ethoxide, titanium propoxide, titanium isopropoxide, titanium acrylate, and titanium methacrylate.
A vanadium (V) compound will not be specifically limited if it is a compound which has a vanadium (V) atom in a molecule | numerator, and is soluble in the said reaction liquid. Specific examples include vanadium acetylacetone, vanadium chloride, vanadium naphthenate, vanadium acrylate, and vanadium methacrylate.
[0016]
A phosphorus (P) compound will not be specifically limited if it is a compound which has a phosphorus (P) atom in a molecule | numerator, and is soluble in the said reaction liquid. Specifically, for example, alkylphosphines such as trimethylphosphine, tributylphosphine, trioctylphosphine, triphenylphosphine, tritoluylphosphine and 1,2-bis (diphenylphosphine) ethane, and (meth) acrylates thereof. And quaternary phosphonium salts.
The aluminum (Al) compound is not particularly limited as long as it is a compound having an aluminum (Al) atom in the molecule and is soluble in the reaction solution. Specific examples include aluminum acetylacetone, aluminum chloride, aluminum acetate, aluminum nitrate, aluminum sulfate, aluminum ethoxide, aluminum isopropoxide, aluminum acrylate, and aluminum methacrylate.
[0017]
A molybdenum (Mo) compound will not be specifically limited if it is a compound which has a molybdenum (Mo) atom in a molecule | numerator, and is soluble in the said reaction liquid. Specific examples include molybdenum chloride, molybdenum acetate, molybdenum acrylate, and molybdenum methacrylate.
In the production method of the present invention, when the various chromium compounds and the other catalyst are used in combination, the blending ratio of the other catalyst in the whole catalyst may be appropriately set within a range not impairing the effects of the present invention.
In the production method of the present invention, when the above-mentioned various catalysts are used in combination with the above-mentioned various chromium compounds, the total amount of the catalyst used in combination is in the range of 0.01 to 10 mol% with respect to the raw material (meth) acrylic acid. It is preferably used, more preferably 0.05 to 5 mol%, and still more preferably 0.1 to 3 mol%. If it is less than 0.01 mol%, the reaction rate becomes small and the reaction time becomes long and the productivity is lowered. If it exceeds 10 mol%, the reaction selectivity of the by-product is increased, which is not preferable.
[0018]
Further, when an amine compound that is a homogeneous catalyst is used in combination with the various chromium compounds as a catalyst, it is preferably used in a range of 0.01 to 10 mol% with respect to the raw material (meth) acrylic acid. Preferably it is 0.05-5 mol%, More preferably, it is 0.1-3 mol%. If it is less than 0.01 mol%, the reaction rate becomes small, so that the reaction time becomes longer and the productivity may be lowered. If it exceeds 10 mol%, the reaction selectivity of the by-product may be increased.
In the production method of the present invention, the reaction form of (meth) acrylic acid and alkylene oxide can be carried out according to a method generally used for this kind of reaction.
[0019]
For example, when the reaction is carried out batchwise, it is carried out by introducing a liquid alkylene oxide into (meth) acrylic acid. The alkylene oxide may be introduced after the (meth) acrylic acid is dissolved in the solvent. At this time, the alkylene oxide may be added all at once, continuously or intermittently. When continuously or intermittently added, as is often done in this type of reaction, the reaction can be continued after the introduction of alkylene oxide, so-called aging can be performed, and the reaction can be completed. Also, (meth) acrylic acid need not be initially charged all at once, and can be divided into several parts.
[0020]
In addition, when reacting by a batch type, it is preferable that a catalyst is previously melt | dissolved in (meth) acrylic acid, hydroxyalkyl (meth) acrylate, a solvent, or those liquid mixture, and introduce | transduces alkylene oxide after that. . In addition, when (meth) acrylic acid is dividedly charged, a part of the catalyst may be dissolved in (meth) acrylic acid to be dividedly charged and added together with (meth) acrylic acid.
In addition, when the reaction is carried out continuously, (meth) acrylic acid and liquid alkylene oxide are continuously charged into a tube-type or tank-type reactor, and the reaction solution is continuously withdrawn from the reactor. Done. At this time, the catalyst may be continuously supplied together with the raw material and continuously extracted together with the reaction solution, and in the case of a tube-type reactor, the solid catalyst is filled in the reactor and used. It may be used in a so-called fixed bed type, and in the case of a tank type reactor, it may be used in a so-called fluidized bed type in which a solid catalyst is used by flowing together with a reaction solution in the reactor. In the case of these continuous reactions, a part of the reaction solution may be circulated.
[0021]
In the case of carrying out the reaction in a continuous manner, the catalyst is preferably previously dissolved in (meth) acrylic acid, hydroxyalkyl (meth) acrylate, a solvent or a mixture thereof and then charged into the reactor. .
Regarding the charging of the raw material (meth) acrylic acid and the raw material alkylene oxide into the reactor, they may be charged from separate charging lines, or before being charged into the reactor, piping, a line mixer, a mixing tank, etc. It may be added after mixing in advance. When the reactor outlet liquid is circulated to the reactor inlet, this liquid may be mixed with the raw material (meth) acrylic acid and the raw material alkylene oxide and then charged into the reactor. However, when (meth) acrylic acid and alkylene oxide are charged into the reaction solution from separate charging lines, the molar ratio in the reaction solution becomes excessive in the vicinity of the (meth) acrylic acid charging port. Preferably, the raw materials are mixed in advance through piping or the like before being charged into the reactor.
[0022]
The reaction temperature is usually preferably in the range of 40 to 130 ° C, more preferably in the range of 50 to 100 ° C. If the reaction temperature is lower than 40 ° C., the progress of the reaction slows and deviates from the practical level. On the other hand, if the reaction temperature is higher than 130 ° C., the amount of by-products increases or the raw material is (meth). Polymerization of acrylic acid or the product hydroxyalkyl (meth) acrylate occurs, which is not preferable.
In this reaction, the reaction may be performed in a solvent for the purpose of allowing the reaction to proceed gently. Common solvents such as toluene, xylene, heptane, and octane can be used as the solvent. The system pressure during the reaction depends on the type of raw materials used and the mixing ratio, but is generally carried out under pressure.
[0023]
Moreover, the polymerization inhibitor generally used can be used in the case of reaction. Examples of the polymerization inhibitor include hydroquinone, methyl hydroquinone, tert-butyl hydroquinone, 2,6-di-tert-butyl hydroquinone, 2,5-di-tert-butyl hydroquinone, 2,4-dimethyl-6-tert- Phenol compounds such as butylphenol and hydroquinone monomethyl ether; N-isopropyl-N′-phenyl-para-phenylenediamine, N- (1,3-dimethylbutyl) -N′-phenyl-para-phenylenediamine, N- (1- Paraphenylenediamines such as methylheptyl) -N′-phenyl-para-phenylenediamine, N, N′-diphenyl-para-phenylenediamine, N, N′-di-2-naphthyl-para-phenylenediamine; thiodiphenylamine Amination of phenothiazine, etc. Dialkyldithiocarbamic acid copper salts such as copper dibutyldithiocarbamate, copper diethyldithiocarbamate, copper dimethyldithiocarbamate; nitrosodiphenylamine, isoamyl nitrite, N-nitroso-cyclohexylhydroxylamine, N-nitroso-N-phenyl-N-hydroxyl Nitroso compounds such as amines or salts thereof; 2,2,4,4-tetramethylazetidine-1-oxyl, 2,2-dimethyl-4,4-dipropylazetidine-1-oxyl, 2,2,5 , 5-tetramethylpyrrolidine-1-oxyl, 2,2,5,5-tetramethyl-3-oxopyrrolidine-1-oxyl, 2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl, 4-hydroxy -2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl, 6 -Aza-7,7-dimethyl-spiro (4,5) decan-6-oxyl, 2,2,6,6-tetramethyl-4-acetoxypiperidine-1-oxyl, 2,2,6,6-tetra Examples include N-oxyl compounds such as methyl-4-benzoyloxypiperidine-1-oxyl and 4,4 ′, 4 ″ -tris (2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl) phosphite. Is done. The addition amount of the polymerization inhibitor is preferably 0.0001 to 1% by weight, more preferably 0.001 to 0.5% by weight, based on the carboxylic acid.
[0024]
In the production method of the present invention, the obtained crude hydroxyalkyl ester may be further purified as necessary. Although it does not specifically limit as a purification method, For example, the refinement | purification by distillation is mentioned. More specifically, for example, distillation using a rectification column such as a general-purpose distillation column, a packed column, a bubble bell column, and a perforated plate column can be mentioned, but it is not particularly limited thereto. Further, other purification means may be used in combination with distillation purification. Moreover, the above-mentioned polymerization inhibitor can be used as appropriate during purification.
[0025]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically by way of examples. However, the present invention is not limited to these examples.
Example 1
448 g of methacrylic acid, 0.90 g of chromium acetate having a water content of 3% by weight as a catalyst, and 0.45 g of phenothiazine as a polymerization inhibitor are charged into a 1 liter SUS-316 autoclave equipped with a stirrer, and the inside is filled with nitrogen gas. After the replacement, the temperature was raised to 60 ° C., and the internal pressure was adjusted to 1.0 atmosphere. 252 g of ethylene oxide was supplied at a substantially constant rate over about 4 hours, and the reaction was maintained at 60 ° C. during this period. The reaction conversion rate of methacrylic acid after supplying ethylene oxide was 75%. After completion of the supply of ethylene oxide, the temperature was raised to 80 ° C. and the reaction was continued until unreacted methacrylic acid became 0.10% by weight. By continuing the reaction for 2.1 hours, unreacted methacrylic acid became 0.10% by weight, and the reaction solution was cooled. In the obtained reaction solution, the hydroxyethyl methacrylate concentration was 96.0% by weight, the diester concentration was 0.08% by weight, the diethylene glycol monomethacrylate concentration was 3.7% by weight, and the ethylene glycol concentration was 0.02% by weight. .
[0026]
-Example 2-
The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except that the catalyst used had a water content of 5% by weight. The reaction conversion rate of methacrylic acid after supplying ethylene oxide was 75%. After completion of the supply of ethylene oxide, the temperature was raised to 80 ° C. and the reaction was continued until unreacted methacrylic acid became 0.10% by weight. By continuing the reaction for 2.0 hours, unreacted methacrylic acid became 0.1% by weight, and the reaction solution was cooled. In the obtained reaction solution, the hydroxyethyl methacrylate concentration was 96.0% by weight, the diester concentration was 0.08% by weight, the diethylene glycol monomethacrylate concentration was 3.7% by weight, and the ethylene glycol concentration was 0.03% by weight. .
[0027]
Example 3
The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except that the catalyst used had a water content of 10% by weight. The reaction conversion rate of methacrylic acid after supplying ethylene oxide was 75%. After completion of the supply of ethylene oxide, the temperature was raised to 80 ° C. and the reaction was continued until unreacted methacrylic acid became 0.10% by weight. By continuing the reaction for 2.25 hours, unreacted methacrylic acid became 0.1% by weight, so the reaction solution was cooled. In the obtained reaction solution, the hydroxyethyl methacrylate concentration was 95.9% by weight, the diester concentration was 0.08% by weight, the diethylene glycol monomethacrylate concentration was 3.8% by weight, and the ethylene glycol concentration was 0.05% by weight. .
[0028]
-Comparative Example 1-
The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except that the catalyst used had a water content of 0.5% by weight. The reaction conversion rate of methacrylic acid after supplying ethylene oxide was 60%. After completion of the ethylene oxide supply, the temperature was raised to 80 ° C. and the reaction was continued for 5.0 hours. However, unreacted methacrylic acid was not reduced to 0.10% by weight, and the reaction solution was observed. It was seen in the liquid.
-Comparative Example 2-
The reaction was performed in the same manner as in Example 1 except that the catalyst used had a water content of 21.0% by weight. The reaction conversion rate of methacrylic acid after supplying ethylene oxide was 68%. After completion of the supply of ethylene oxide, the temperature was raised to 80 ° C. and the reaction was continued for 5.0 hours, but unreacted methacrylic acid was not reduced to 0.10% by weight.
[0029]
【The invention's effect】
According to the production method of the present invention, by using a chromium compound that is a homogeneous catalyst as a catalyst, the reaction rate is high, the reaction conversion rate is high, and the conventional advantages such as no need for the separation operation of the catalyst are exhibited, while the reaction is performed. It is possible to provide a novel method for producing a hydroxyalkyl (meth) acrylate, which reduces the above-mentioned variation with respect to the time required and the yield of the target product and falls within an appropriate range.
Claims (1)
前記触媒として含有水分濃度が1〜20重量%である酢酸クロムを用いるようにする、
ことを特徴とする、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。In the method for producing hydroxyalkyl (meth) acrylate by reacting (meth) acrylic acid and alkylene oxide in the presence of a catalyst,
Chromium acetate having a moisture concentration of 1 to 20% by weight is used as the catalyst.
A process for producing a hydroxyalkyl (meth) acrylate, characterized in that
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