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JP4073563B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガスを吸気系に還流させる排気還流機構を備えた内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排気ガスを吸気系に還流させる排気還流機構を備えた内燃機関では、実際の排気還流量を、目標値に正確に制御する必要があるため、例えば特開平6−42409号公報に示された装置では、機関の筒内圧が検出され、検出された筒内圧を用いて排気還流量の補正が行われる。より具体的には、筒内圧が最大となる筒内圧力最大時期、すなわち筒内圧が最大となるクランク角度θPMAXが実際の燃焼状態を示すパラメータとして検出され、この最大時期θPMAXの目標値に対するずれΔθPMAXに応じて排気還流量が補正される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置は、機関運転状態が定常的な状態にあるときに、排気還流量のずれを補正するものであり、前記ずれΔθPMAXを空燃比フィードバック制御の制御周期毎に平均化し、該平均化した値を用いて排気還流量が補正されるため、機関運転状態が変化する過渡状態においては、有効な補正を行うことができない。また、排気還流量のずれに対応した機関への燃料供給量の補正は行われないため、定常状態では空燃比フィードバック制御により、適切な燃料供給量に制御されるが、過渡状態では、実際の空燃比の目標空燃比からのずれが大きくなり、運転性を悪化させる場合があった。
【0004】
本発明は、上述した点を考慮してなされたものであり、機関運転状態の過渡的な状態においても、排気還流弁などの経時劣化に起因して実際の排気還流量が目標値からずれることを防止するとともに、空燃比を適切に制御することができる制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、排気ガスを吸気系へ還流させる排気還流路と、該排気還流路を介して還流される排気還流量を制御する排気還流弁とを備えた内燃機関の制御装置において、前記機関の運転状態に対応して予め設定されている目標排気還流量に応じて、前記機関に供給する燃料量を補正するための排気還流補正係数を算出する排気還流補正係数算出手段と、該排気還流補正係数を用いて前記機関の運転状態に応じた燃料量を補正し、前記機関に供給する燃料量を制御する燃料供給量制御手段と、前記機関の運転状態に応じて前記目標排気還流量に対応する前記排気還流弁の開弁制御量を算出し、排気還流量を制御する排気還流量制御手段と、前記機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、前記排気還流補正係数及び前記排気還流弁の開弁制御量を、前記筒内圧検出手段により検出される筒内圧及び前記目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧に応じて補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、機関運転状態に対応して予め設定されている目標排気還流量に応じて、前記機関に供給する燃料量を補正するための排気還流補正係数が算出され、該排気還流補正係数を用いて、機関運転状態に応じた燃料量が補正され、前記機関に供給する燃料量が制御される。また機関運転状態に応じて前記目標排気還流量に対応する排気還流弁の開弁制御量が算出され、前記排気還流補正係数及び前記排気還流弁の開弁制御量が、筒内圧検出手段により検出される筒内圧及び目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧に応じて補正される。検出される筒内圧は、実際の排気還流量に対応したものとなる一方、目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧は目標排気還流量に対応したものとなるので、両者を用いて排気還流弁の開弁制御量を制御することにより、排気還流弁の開弁特性(制御信号と開弁量との関係)が経時変化しても正確な排気還流量の制御が可能となる。さらに、検出された筒内圧及び目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧に応じて燃料供給量の排気還流補正係数を補正することにより、実際の排気還流量に対応した燃料供給量の制御を行うことができ、特に排気還流量が変化する過渡状態における空燃比の制御性を向上させることができる。
【0007】
なお、前記補正手段は、検出された筒内圧の燃焼毎の最大値を用いて前記排気還流補正係数及び前記排気還流弁の開弁制御量の補正を行うことが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置の全体構成図であり、例えば4気筒のエンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力してエンジン制御用電子コントロールユニット(以下「ECU」という)5に供給する。
【0009】
燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3との間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。
【0010】
一方、スロットル弁3の直ぐ下流には吸気管内の圧力を検出する吸気管内絶対圧(PBA)センサ7が設けられており、この絶対圧センサ7により電気信号に変換された絶対圧信号は前記ECU5に供給される。また、その下流には吸気温(TA)センサ8が取付けられており、吸気温TAを検出して対応する電気信号を出力してECU5に供給する。
エンジン1の本体に装着されたエンジン水温(TW)センサ9はサーミスタ等から成り、エンジン水温(冷却水温)TWを検出して対応する温度信号を出力してECU5に供給する。
【0011】
エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ10が設けられており、クランク軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ10は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置で信号パルス(以下「CYL信号パルス」という)を出力する気筒判別センサ、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し所定クランク角度前のクランク角度位置で(4気筒エンジンではクランク角180度毎に)TDC信号パルスを出力するTDCセンサ及びTDC信号パルスより短い一定クランク角周期(例えば1〜30度周期)で1パルス(以下「CRK信号パルス」という)を発生するCRKセンサから成り、CYL信号パルス、TDC信号パルス及びCRK信号パルスがECU5に供給される。これらの信号パルスは、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数NEの検出に使用される。
【0012】
エンジン1にはさらに筒内圧PCYL、すなわち燃焼室内の圧力を検出する筒内圧検出手段としての筒内圧センサ11が各気筒毎に装着されており、この検出信号がECU5に供給される。
【0013】
排気管12には、排気ガス中のNOx、HC、COの浄化を行う三元触媒16が設けられ、三元触媒16の上流位置には、比例型空燃比センサ14(以下「LAFセンサ14」という)が装着されている。このLAFセンサ14は排気ガス中の酸素濃度(空燃比)にほぼ比例した電気信号を出力し、ECU5に供給する。
【0014】
吸気管2のスロットル弁3の下流側と、排気管12の三元触媒16の上流側との間には、排気還流路21が設けられており、排気還流路21の途中には排気還流量を制御する排気還流弁(以下「EGR弁」という)22が設けられている。EGR弁21は、ソレノイドを有する電磁弁であり、その弁開度はECU5により制御される。EGR弁22には、その弁開度(弁リフト量)LACTを検出するリフトセンサ23が設けられており、その検出信号はECU5に供給される。
【0015】
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路5a、中央演算処理回路(以下「CPU」という)5b、CPU5bで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段(メモリ)5c、前記燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路5d等から構成される。
【0016】
ECU5は、各種エンジンパラメータ信号に基づいてエンジン運転状態を判別し、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されるEGR弁22の弁開度指令値(開弁制御量)LCMDと、リフトセンサ23によって検出される実弁開度LACTとの偏差を零にするようにEGR弁22のソレノイドに制御信号を供給する。
【0017】
CPU5bは上述の各種エンジンパラメータ信号に基づいて、LAFセンサ14の検出値に応じて空燃比をフィードバック制御するフィードバック制御運転領域やオープンループ制御運転領域等の種々のエンジン運転状態を判別するとともに、エンジン運転状態に応じて下記式(1)により、前記TDC信号パルスに同期して開弁作動する燃料噴射弁6の燃料噴射時間Toutを演算する。燃料噴射時間Toutは、燃料噴射弁6による燃料噴射量に比例するので、本明細書中では燃料噴射量ともいう。
【0018】
Tout=Ti×KCMD×KLAF×KEGR×K1+K2 (1)
ここに、Tiは燃料噴射弁6の基本燃料噴射時間であり、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されたTiマップを検索して決定される。Tiマップは、マップ上のエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに対応する運転状態において、エンジンに供給する混合気の空燃比がほぼ理論空燃比になるように設定されている。
【0019】
KCMDは目標空燃比係数であり、エンジン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA、エンジン水温TW等のエンジン運転パラメータに応じて設定される。目標空燃比係数KCMDは、空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、理論空燃比のとき値1.0をとるので、目標当量比ともいう。
【0020】
KLAFは、LAFセンサ14の検出値から算出される検出当量比KACTが目標当量比KCMDに一致するようにPID制御により算出される空燃比補正係数である。
【0021】
KEGRは、排気還流を実行しないとき(EGR弁22を閉弁しているとき)は、1.0(無補正値)に設定され、排気還流を実行するとき(EGR弁22を開弁するとき)は、吸入空気量の減少に合わせて燃料噴射量を減少させるべく、1.0より小さい値に設定されるEGR補正係数(排気還流補正係数)である。
【0022】
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される他の補正係数および補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特性の最適化が図れるような所定値に決定される。
CPU5bは上述のようにして求めた燃料噴射時間Toutに基づいて燃料噴射弁6を開弁させる駆動信号、及びEGR弁22の駆動信号を出力回路5dを介して燃料噴射弁6及びEGR弁22に供給する。
【0023】
図2はEGR弁22の弁開度指令値LCMDを算出する処理のフローチャートであり、本処理はTDC信号パルスに同期してCPU5bで実行される。
【0024】
ステップS11では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてLCMDMマップを検索し、弁開度指令値LCMDのマップ値LCMDMを算出する。マップ値LCMDMは、排気還流量がマップ上の運転状態に対応して予め設定されている目標排気還流量と一致するように設定されている。
【0025】
次いで、下記式(2)により弁開度指令値LCMDを算出する(ステップS12)。
LCMD=LCMDM×KPMAX (2)
ここで、KPMAXは、図4の処理により検出した筒内圧PCYLの燃焼毎の最大値PMAXに応じて算出される筒内圧補正係数である。
【0026】
図4の処理は、TDC信号パルスに同期してCPU5bで実行される処理であり、先ずステップS31では、今回の制御対象である気筒(以下「今回気筒」という)の検出筒内圧PCYLの最大値PMAX(n−1)と、その最大値の検出時点に対応したエンジン運転状態を示すエンジン回転数NE(n−1)及び吸気管内絶対圧PBA(n−1)をメモリから読み出す。ここで、PMAX(n−1)は、今回気筒の前回の点火時点直後の時点で検出された筒内圧PCYLの最大値(今回気筒の前回燃焼時の最大筒内圧)である。なお、筒内圧PCYLの最大値は、点火実行直後に検出されるので、点火時点から所定時間内の検出圧(例えばクランク角1度毎に得られる検出圧)をメモリに格納しておき、そのうちの最大値を筒内圧最大値PMAXとして記憶しておくものである。
【0027】
続くステップS32では、ステップS31で読み出された、最大筒内圧PMAX(n−1)の検出時点に対応した吸気管内絶対圧PBA(n−1)及びエンジン回転数NE(n−1)に応じて、図5に示すPMAXマップを検索し、エンジン運転状態に対応して予め算出されている最大筒内圧のマップ値PMAXMAP(n−1)を検索する。図5において、エンジン回転数NE1,NE2,NE3は、NE2<NE2<NE3なる関係を有する。
【0028】
ステップS33では、下記式(3)により、筒内圧補正係数KPMAXを算出する。
KPMAX=PMAX(n−1)/PMAXMAP(n−1) (3)
最大筒内圧のマップ値PMAXMAPは、マップ上の運転状態に対応して予め設定されている目標排気還流量(EGR弁22の弁開度指令値のマップLCMDMに対応している)に一致した排気還流が行われることを前提とし、目標排気還流量=0であって排気還流を行わない場合も含めて設定されているので、検出した最大筒内圧PMAXと、マップ値PMAXMAPとの比率である筒内圧補正係数KPMAXは、排気還流量の目標排気還流量に対するずれを示すことになる。
【0029】
すなわち、検出したPMAX値がマップ値PMAXMAPより小さいときは、実際の排気還流量が目標排気還流量より多いことを示し、この場合には筒内圧補正係数KPMAXは、1.0より小さくなり、弁開度指令値LCMDは、図2のステップS12により減少方向に補正される。一方、検出したPMAX値がマップ値PMAXMAPより大きいときは、実際の排気還流量が目標排気還流量より少ないことを示し、この場合には筒内圧補正係数KPMAXは、1.0より大きくなり、弁開度指令値LCMDは、増加方向に補正される。したがって、筒内圧補正係数KPMAXを用いて弁開度指令値のマップ値LCMDMを補正して弁開度指令値LCMDを算出することにより、EGR弁22の開弁特性(制御信号と、実際の弁開度との関係)の経時変化があっても、これを補正して排気還流量を常に正確に制御することができる。
【0030】
図3は、前記式(1)の排気還流補正係数KEGRを算出する処理のフローチャートであり、本処理はTDC信号パルスに同期してCPU5bで実行される。
【0031】
ステップS21では、排気還流が実行可能な運転状態であることを「1」で示す排気還流フラグFEGRが「1」か否かを判別し、FEGR=0であって排気還流を実行しないときは、排気還流補正係数KEGRを1.0に設定して(ステップS22)、本処理を終了する。
【0032】
一方FEGR=1であって排気還流を実行するときは、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてKEGRマップを検索し、排気還流補正係数のマップ値KEGRMを算出する(ステップS23)。次いで、下記式(4)により、マップ値KEGRMを筒内圧補正係数KPMAXで除算して排気還流補正係数KEGRを算出する(ステップS24)。
KEGR=KEGRM/KPMAX (4)
【0033】
排気還流補正係数のマップ値KEGRMは、マップ上のエンジン運転状態おいて目標排気還流量の排気還流が実行されることを前提として設定されており、実際の排気還流量が目標排気還流量からずれているときは、そのずれに対応した修正を行う必要がある。そこで、マップ値KEGRMを筒内圧補正係数KPMAXで除算することにより、実際の排気還流量が目標排気還流量より少ないとき(KPMAX<1.0)は、燃料噴射量を増加方向に修正し、逆に実際の排気還流量が目標排気還流量より多いとき(KPMAX>1.0)は、燃料噴射量を減少方向に修正するようにしている。これにより、実際の排気還流量が目標排気還流量からずれた場合でも、空燃比を正確に制御することができ、空燃比の制御性を向上させて運転性や排気ガス特性を良好に維持することができる。
【0034】
エンジン運転状態の定常的な状態では、空燃比補正係数KLAFにより空燃比フィードバック制御が実行され、空燃比が目標空燃比に収束するが、図6に示すような弁開度指令値LCMDが急激に変更された場合のような過渡状態においては、空燃比補正係数KLAFによる補正では追従できないので、排気還流補正係数KEGRによる空燃比補正は、このような過渡状態において空燃比を目標値に制御する上で有効である。すなわち、弁開度指令値LCMDがステップ状に変更されると、実際の弁開度LACTは遅れて変化し(図6の破線)、実際の排気還流量QEGRはさらに遅れて変化する(図6の実線)。一方、排気還流補正係数のマップ値KEGRMは、開弁指令値LCMDの変更に伴って変更されるため、これをそのまま使用したのでは、実際の排気還流量QEGRの変化より早く燃料噴射量が減少して、空燃比がリーン側にずれてしまう。そこで、検出した筒内圧の最大値PMAXから算出される筒内圧補正係数KPMAXに応じて燃料噴射量を補正し、正確な空燃比制御を可能としている。
【0035】
本実施形態では、図3のステップS23が排気還流補正係数算出手段に相当し、CPU5bにより実行される、式(1)の演算を行う処理(図示せず)が燃料供給量制御手段に相当し、図2のステップS11が排気還流量制御手段に相当し、図4の処理並びに図2のステップS12及び図3のステップS24が補正手段に相当する。
【0036】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、筒内圧補正係数KPMAXは、筒内圧の最大値PMAXではなく、燃焼毎の平均値に応じて算出するようにしてもよい。その場合には、最大筒内圧のマップ(図5)は、平均値のマップとする。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、機関運転状態に対応して予め設定されている目標排気還流量に応じて、前記機関に供給する燃料量を補正するための排気還流補正係数が算出され、該排気還流補正係数を用いて、機関運転状態に応じた燃料量が補正され、前記機関に供給する燃料量が制御される。また機関運転状態に応じて前記目標排気還流量に対応する排気還流弁の開弁制御量が算出され、前記排気還流補正係数及び前記排気還流弁の開弁制御量が、筒内圧検出手段により検出される筒内圧及び目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧に応じて補正される。検出される筒内圧は、実際の排気還流量に対応したものとなる一方、目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧は目標排気還流量に対応したものとなるので、両者を用いて排気還流弁の開弁制御量を制御することにより、排気還流弁の開弁特性(制御信号と開弁量との関係)が経時変化しても正確な排気還流量の制御が可能となる。さらに、検出された筒内圧及び目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧に応じて燃料供給量の排気還流補正係数を補正することにより、実際の排気還流量に対応した燃料供給量の制御を行うことができ、特に排気還流量が変化する過渡状態における空燃比の制御性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】排気還流弁の開弁制御量(LCMD)を算出する処理のフローチャートである。
【図3】燃料供給量の排気還流量に応じた補正を行う補正係数(KEGR)を算出する処理のフローチャートである。
【図4】筒内圧に応じた補正係数(KPMAX)を算出する処理のフローチャートである。
【図5】図4の処理で使用するマップを示す図である。
【図6】過渡状態における排気還流弁の開弁制御量、実際の弁開度及び実際の排気還流量の推移を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
5 電子コントロールユニット(排気還流補正係数算出手段、燃料供給量制御手段、排気還流量制御手段、補正手段)
6 燃料噴射弁
7 吸気管内絶対圧センサ
10 クランク角センサ
11 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
12 排気管
21 排気還流路
22 排気還流弁

Claims (1)

  1. 排気ガスを吸気系へ還流させる排気還流路と、該排気還流路を介して還流される排気還流量を制御する排気還流弁とを備えた内燃機関の制御装置において、
    前記機関の運転状態に対応して予め設定されている目標排気還流量に応じて、前記機関に供給する燃料量を補正するための排気還流補正係数を算出する排気還流補正係数算出手段と、
    該排気還流補正係数を用いて前記機関の運転状態に応じた燃料量を補正し、前記機関に供給する燃料量を制御する燃料供給量制御手段と、
    前記機関の運転状態に応じて前記目標排気還流量に対応する前記排気還流弁の開弁制御量を算出し、排気還流量を制御する排気還流量制御手段と、
    前記機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
    前記排気還流補正係数及び前記排気還流弁の開弁制御量を、前記筒内圧検出手段により検出される筒内圧及び前記目標排気還流量に対応して予め設定された筒内圧に応じて補正する補正手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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