JP4071020B2 - Photocatalyst layer forming method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能性薄膜の技術分野にかかり、特に酸化膜及び光触媒機能を有する光触媒装置を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン(Ti02)の光活性による自浄性や親水性は広く知られており、Ti02を用いた商品は、環境汚染が深刻化しつつある現在、環境浄化保全商品として各方面で開発が急がれている。
図10の符号110は従来技術の光触媒装置の一例を示している。光触媒装置110は基板111と、基板111上に配置された光触媒層115とを有している。
【0003】
この光触媒層115は酸化チタンからなり、光触媒層115に紫外線が照射されると、光触媒層115中の酸化チタンが活性化し、光触媒層115表面に付着した汚染物が分解される。
その結果、光触媒層115の表面は常に清浄に保たれ、親水性が非常に高くなるので、光触媒装置110の表面は汚れ難く、かつ、水滴などがつき難い。
【0004】
光触媒層115の成膜方法としては、例えば、酸化チタンの塗工液を基板111表面に、塗布、乾燥するゾルゲル法が一般に用いられているが、ゾルゲル法では、基板111と光触媒層115との密着性が悪く、光触媒層115が基板111から剥離する場合がある。
【0005】
ターゲットとして金属チタンや酸化チタンを用い、スパッタリングにより光触媒層115を形成すれば、基板111との密着性が高い光触媒層115が得られる。しかし、スパッタリング法により光触媒活性が高いアナターゼ型酸化チタンを生成するには、基板111を300℃以上に加熱した状態でスパッタリングを行うか、スパッタリングをした後で基板111を300℃以上に加熱する必要がある。
【0006】
従って、基板111の材質はガラスなどの耐熱性の高いものに限定されてしまい、プラスチックなどからなる基板111の表面に光触媒活性の高く、かつ、堅牢な酸化チタン薄膜を成膜することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、耐熱性のある材料はもとより、プラスチック等の耐熱性のない材質からなる基板の表面にも光触媒活性の高い光触媒層を形成することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は酸化チタンの薄膜形成方法としてスパッタ法に着目し、鋭意検討を行った結果、スパッタ法により形成される酸化チタンの結晶性は、基板に最初に到達するスパッタ粒子の入射角度により左右されることがわかった。
本発明者等が更に検討を行った結果、最初に入射するスパッタ粒子の飛び出し方向と、基板表面の法線との成す角度である入射角度が86°以下の場合には、微細なアナターゼ型の結晶構造が形成されることを見出した。
【0009】
かかる知見に基づいて成された請求項1記載の発明は、真空槽内で成膜対象物を移動させながら、前記成膜対象物表面にSiO 2 のアンダーコート層と酸化チタンの光触媒層を形成する光触媒層形成方法であって、前記真空槽内で前記アンダーコート層を形成した後、前記成膜対象物を加熱せずに前記アンダーコート層上に入射角86°以下の角度でスパッタ粒子を入射させ、前記アンダーコート層表面に酸化チタン層を形成し、前記成膜対象物を加熱せずに前記酸化チタン層上にスパッタ粒子を入射させ、前記酸化チタン層を成長させ、前記アンダーコート層上にアナターゼ型の酸化チタン層から成る前記光触媒層を形成する光触媒層形成方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光触媒層形成方法であって、前記光触媒層の膜厚が300nm以上になるように、前記酸化チタン層を成長させる光触媒層形成方法である。
【0010】
本発明は上記のように構成されており、本発明の成膜装置では、ターゲットから基板に向けて放射されるスパッタ粒子のうち、基板への入射角度が86°以上のものは遮蔽板によって遮断されるようになっている。
従って、スパッタ粒子が酸化チタンである場合、薄膜形成の初期の段階で、基板に入射するスパッタ粒子は、その入射角度が86°以下に制限され、その後に成長する酸化チタンの結晶がアナターゼ型となる。
【0011】
本発明によれば、基板に最初に入射するスパッタ粒子の入射角度を86°以下に制限することで、基板を加熱しないでもアナターゼ型の酸化チタン薄膜が得られるので、基板を構成する材料が硝子、金属等の耐熱性のものに限定されることがなく、等種々の樹脂材料を用いることができる。
【0012】
樹脂材料の中でも、ポリカーボネート樹脂は透明性、耐衝撃性などに優れ、コンパクトディスク(CD)、建築用窓や自動車用窓、高遠道路の防音壁など広く用いられている。こうしたプラスチックの応用によって、新らたな光触媒性商品の開発が可能になり、一層の用途拡大に貢献することが期待できる。
【0013】
基板を構成する材料として樹脂を用いる場合は、基板表面にアンダーコート膜である二酸化ケイ素薄膜を形成しておき、該アンダーコート膜上に酸化チタン薄膜を形成すれば、アンダーコート膜を介して酸化チタン薄膜が基板に強固に固定されるので、得られる光触媒装置の強度が高くなる。
成膜装置は少なくとも2つの成膜源を有しているので、基板を大気にさらさずに、酸化チタン薄膜と、酸化チタン薄膜を重ねる薄膜を連続して成膜することができる。
【0014】
基板を成膜源の下方を所定速度で移動させながら成膜を行う、所謂インライン方式の成膜装置の場合、各成膜源での成膜速度が遅いと作業の効率が極端に悪くなる。本発明では、2つの電極が交互に負の電位に置かれることで、ターゲットがスパッタされるので、スパッタ効率が高く、インライン方式の成膜装置として実用上充分な程に成膜速度が早い。
また、第一、第二の電極の電位を10kHz以上100kHz以下の中間周波数で切り替えれば、ターゲットに直流電圧を印加した場合と同じ程度に成膜速度が早くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の成膜装置の一例と、該成膜装置を用いて光触媒装置を製造する工程とを詳細に説明する。
図1の符号1は、本発明の成膜装置の一例を示している。
【0016】
この成膜装置1は、搬入室6と、成膜室5と、搬出室7とを有している。成膜室5の外部には真空排気系25が配置されており、真空排気系25によって成膜室5内と、搬入室6内と、搬出室7内が個別に真空排気されるようになっている。
【0017】
成膜室5は、真空槽8と、基板移動装置と、複数個の成膜源21〜23を有している。ここでは成膜源21〜23は3個であり、それらは真空槽8の内部の天井側に横一列に配置されている。
基板移動装置は、基板載置台9と、不図示のモータとを有している。搬入室6と搬出室7は、入り口側ゲートバルブ38と出口側ゲートバルブ39を介してそれぞれ真空槽8に接続されており、後述する基板は、搬入室6の扉48から搬入室6内に搬入され、搬入室6内に設けられた不図示の基板移動機構により、搬入室6から入り口側ゲートバルブ38を通って真空槽8内に搬入され、その基板は基板載置台9上に載置されるようになっている。
【0018】
次いで、モータが起動されると、基板載置台9は、各成膜源21〜23の直下位置を移動し、後述するように、各成膜源21〜23から放出されたスパッタ粒子によって薄膜が形成された後、出口側ゲートバルブ39近くまで移動し、搬出室7内に設けられた不図示の基板移載機構により、真空槽8から出口側ゲートバルブ39を通って搬出室7内に搬入され、搬出室7の扉49から成膜装置1外部へ取り出される。
【0019】
成膜源21〜23の構成を詳述すると、各成膜源21〜23は、カソード電極31〜36と、ターゲット41〜46と、遮蔽板51〜56をそれぞれ2個ずつ有している。
2個のカソード電極31〜36は、基板載置台9が移動する真上位置であって、基板載置台9の移動方向に沿って並べられている。また、各カソード電極31〜36は、水平にされており、各カソード電極31〜36の、基板載置台9に向けられた面には、1個のカソード電極31〜36につき、一個のターゲット41〜46が配置されている。
【0020】
カソード電極31〜36のターゲット41〜46と反対側には、1個のカソード電極31〜36につき、磁界発生用のマグネット61〜67が1個配置されている。成膜源21〜23は容器状の静電シールド71〜73を有しており、1個のカソード電極31〜36と、1個のマグネット61〜67が一緒に静電シールド71〜73に収容されており、互いに隣接する電極31〜36と、電極31〜36と遮蔽板51〜56との間は静電シールド71〜73の一部からなる隔壁で遮断され、電極31〜36からの放電が遮断されるようになっている。
【0021】
真空槽8の外部には、電源75〜77が配置されており、各カソード電極31〜36は、それぞれ電源75〜77に接続されている。真空槽8は接地電位に接続されており、1台の成膜源21〜23中の2個のカソード電極31〜36は、一方のカソード電極に負電圧が印加されるときには他方のカソード電極には接地電圧が印加されるようになっている。従って、2個のターゲット41〜46のうち、一方のターゲットに負電圧が印加され、正電荷を有するスパッタガスイオンが入射してスパッタされる間、他方のターゲットは、スパッタされず、むしろ負電荷の電子が入射し、ターゲット表面に誘電体薄膜が形成されている場合には、その誘電体薄膜のチャージアップが解消されるようになっている。
【0022】
2枚の遮蔽板51〜56は鉛直方向に向け、互いに離間して配置されており、カソード電極31〜36は2枚の遮蔽板51〜56の間に配置されている。
遮蔽板51〜56の上端は天井近傍に位置しており、カソード電極31〜36とターゲット41〜46は2枚の遮蔽板51〜56の上端の間に位置する。
【0023】
遮蔽板51〜56は、基板載置台9が成膜源21〜23の直下を移動するときの入り口側と出口側にそれぞれ位置している。遮蔽板51〜56の長さは、後述する基板が基板載置台9と共に遮蔽板51〜56の下方を通過するときに、遮蔽板51〜56の下端と基板表面との間に所定距離だけ隙間が存するようになっている。
【0024】
ターゲット41〜46から飛び出すスパッタ粒子の飛び出し方向と、鉛直方向との成す角度を飛び出し角度とし、飛び出し角度を0°以上90°以下と定義すると、飛び出し角度が大きいものは遮蔽板51〜56に付着するが、飛び出し角度が小さいものは真空槽8の底壁側に放射されるようになっている。
【0025】
基板に入射するスパッタ粒子と鉛直方向との成す角度を入射角度とすると、基板が水平に配置されている場合には、飛び出し角度と入射角度は錯角の関係にあるから、互いに等しくなる。
スパッタ粒子が真空槽8の底壁側に放射される範囲を成膜範囲とすると、後述する基板が成膜範囲を通過する間に、基板表面に薄膜が成膜されることになる。
【0026】
ここでは、成膜源21〜23の間の距離は、成膜範囲が重ならないように充分に離されているので、1つの成膜源により成膜される薄膜の成分が、他の成膜源による薄膜の成分と混ざることがない。
真空槽8外部にはスパッタガス源26と、反応ガス源27とが配置されており、スパッタガス源26からのスパッタガス(ここではアルゴンガス、Ar)と、反応ガス源27からの反応ガス(ここでは酸素ガス、O2)はガス導入系28によって真空槽8内へ供給されるようになっている。
【0027】
次に、上記のような成膜装置1を用いて成膜対象物に薄膜を形成する工程について説明する。
図4(a)の符号16は成膜対象物である基板を示している。基板16は支持体11と、支持体11表面に形成されたハードコート層12で構成されている。ここでは、支持体11は膜厚が5mm、縦25mm、横75mm、あるいはそれ以上の大きさの長方形のポリカーボネート樹脂フィルムで構成されている。
【0028】
また、ハードコート層12は支持体11を構成する樹脂よりも硬い樹脂(例えば、熱硬化性樹脂の硬化物や紫外線硬化型樹脂の硬化物)で構成されており、支持体11は後述するスパッタリングの工程でハードコート層12によって保護され、損傷しないようになっている。
【0029】
次に、図1に示したような成膜装置1を用いて上記基板16を成膜処理する工程について説明する。
先ず、成膜源21〜23のカソード電極31〜36に無機材料からなるターゲット41〜46を取り付ける。ここでは、搬入室6に隣接する成膜源21のカソード電極31、34と、搬出室7に隣接する成膜源23のカソード電極33、36にはそれぞれケイ素からなるターゲット41、44、43、46を取り付け、真中の成膜源22のカソード電極32、35には金属チタンからなるターゲット42、45を取り付けた。
【0030】
尚、ターゲット41〜46の平面形状は、長辺1090mm、短辺380mmの長方形形状であった。
図2は成膜装置1を用いて複数の基板16を1枚ずつ連続して成膜処理する場合であり、搬入室6側の成膜源21で成膜処理された基板と、該成膜源21に隣接する成膜源22で成膜処理された基板が、それぞれ次の成膜源22、23へ送られると同時に、搬出室7側の成膜源23で成膜処理された基板が搬出室7へ送られており、搬入室6からは新たに未処理の基板が、真空槽8内に搬入されている。
【0031】
図2は、搬入室6から搬入される未処理の基板16に着目した図であり、真空槽8内に搬入された基板16は、ハードコート層12を上側に向けて基板載置台9上に水平に載置される。
その基板16を基板載置台9と共に、成膜源21〜23の下方に向かって所定速度(ここでは20cm/分)で水平移動させる。基板16が搬入室6に隣接する成膜源21の成膜範囲を通過すると、基板16のハードコート層12表面にケイ素の酸化物である二酸化ケイ素(SiO2)の薄膜が成膜される。
【0032】
図4(b)の符号17は、二酸化ケイ素薄膜からなるアンダーコート層13が成膜された状態の基板を示している。このアンダーコート層13の膜厚は0.1μm以上2μm以下程度である。
図3はその状態の基板17が更に移動方向に送られ、基板17の移動方向先端が次の成膜源22の成膜範囲の端部に到達した直後の状態を示している。
【0033】
ターゲット51〜56がスパッタされる領域をエロ−ジョン領域とすると、成膜範囲の端部に到達するスパッタ粒子は、エロ−ジョン領域のうち、遮蔽板53から最も遠い位置から飛び出し、かつ、飛び出し角度θ1が最も小さいものになる。
エロ−ジョン領域のうち、入り口側の遮蔽板53から最も遠い位置と、該遮蔽板53との間の距離をwとし、該遮蔽板53の下端からターゲット42、45表面までの高さをhとすると、飛び出し角度θ1は、tan-1(w/h)で表される。
【0034】
本発明では、距離wと高さhとが、tan-1(w/h)≦86°になるように構成されている。
上述したように、基板17が水平の場合には、スパッタ粒子の入射角度θ2は飛び出し角度θ1に等しいから、ターゲット42、45から飛び出し、入り口側の遮蔽板53に向かうスパッタ粒子の基板17に入射する入射角度θ2は86°以下である。
【0035】
上述したように、基板17の表面にはSiO2からなるアンダーコート層13が形成されており、アンダーコート層13の表面に入射角度86°以下で入射した酸化チタンからなるスパッタ粒子が付着し、そのスパッタ粒子によって結晶が成長し、酸化チタンの結晶からなる薄膜が形成されはじめる。
【0036】
基板17がターゲット42、45の下方に向かって送られると、最初に到達したスパッタ粒子よりも、より小さい飛び出し角度θ2のスパッタ粒子が基板17に到達するようになり、最初に形成された薄膜の表面に、より小さい角度で入射したスパッタ粒子によって薄膜が成長する。
【0037】
出口側の遮蔽板54の下端からターゲット42、45表面までの距離は特に限定されていないが、該遮蔽板54を通過した後の基板17に、入射角度が86°を超えるスパッタ粒子が入射したとしても、最初に入射するスパッタ粒子によって既に結晶の型が決まっており、後から入射するスパッタ粒子はその軸に添って成長するから、大きな入射角度で入射するスパッタ粒子によって結晶の型が影響を受けない。
【0038】
図4(c)の符号18は、成膜領域を通過し、所定膜厚の酸化チタン薄膜(光触媒層)14が形成された状態の基板を示している。
更に、その基板18を搬出室7側の成膜源23へ送り、その成膜源23の成膜範囲を通過させると、光触媒層14の表面に所定膜厚(2.5nm以上20nm以下)の二酸化ケイ素薄膜(トップコート層)15が形成され、図4(d)に示すような光触媒装置10が得られる。
【0039】
光触媒装置10を基板載置台9と共に出口側のゲートバルブ39の近傍まで送り、出口側のゲートバルブ39を開け、光触媒装置10を真空槽8内から搬出室7へ搬出し、出口側のゲートバルブ39を閉じた後、搬出室7の扉49を開ければ、光触媒装置10を成膜室7外へ取り出すことができる。
【0040】
この光触媒装置10では、基板17に最初に入射するスパッタ粒子の入射角度θ2が86°以下に制限されることで、光触媒層14に微細なアナターゼ型結晶が形成されており、アモルファス型やルチル型の酸化チタンに比べて光触媒活性が非常に高くなっている。
【0041】
また、光触媒層14はアンダーコート層13の表面に形成されているので、光触媒層14の光触媒活性により、支持体11やハードコート層12が侵食されないようになっている。
光触媒層14の表面に形成されたトップコート層15は、光触媒装置10を光の当たらないところに放置しても、その親水性を保持する機能がある。
この光触媒装置10では、支持体11がポリカーボネ−ト樹脂のような樹脂で構成されているため、光触媒装置10の加工や軽量化が容易である。
【0042】
【実施例】
上記の工程で作製した光触媒装置10を実施例1とし、実施例1の光触媒層14の電子顕微鏡写真の撮影と、光触媒層14のX線回析とを行った。
尚、光触媒層14の成膜条件は、真空槽8内の真空度が12mTorr、酸素ガスの分圧PO2とアルゴンガスの分圧PArとの比がPAr:PO2=40:60、ターゲット41〜46の投入電力密度が2.7W/cm2であり、得られた光触媒層14の膜厚は1.1μmであった。また、tan-1h/wで求められる角度θは86°であった。
【0043】
光触媒層14の電子顕微鏡写真を図5に示す。尚、図5の右下にある目盛りの間隔は300nmである。
図5から明らかなように、この光触媒層14では、直径が10nm程度の一次微粒子が成長し、100nm×50nm程度の大きさの二次粒子が構成され、その結果、光触媒層14に緻密な微細構造が形成されている。
【0044】
EB蒸着法により膜厚270nmの光触媒層が成膜された市販の車積用ミラー(光触媒装置)や、ゾルゲル法により製作された光触媒装置についても電子顕微鏡写真の撮影を行ったが、そられの光触媒装置では、光触媒層に上述したような微細構造が見られなかった。
【0045】
即ち、本発明の成膜方法により成膜された光触媒層14は、従来のものに比べて比表面積が大きく、分解対象物との接触面積が大きいことから、分解対象物を分解する能力が高いことが推測される。
図6に光触媒層14のX線回析図形を示す。図6の横軸は回析角(2θ)を、縦軸は強度をそれぞれ示しており、同図の符号P101は酸化チタンの〔101〕配向面に由来するピークを示し、同図の符号P200は〔200〕配向面に由来するピークを示している。
【0046】
アナターゼ型の酸化チタンについてX線回析を行った場合、〔101〕配向面と〔200〕配向面に由来するピークが見られることが知られている。
図6から明らかなように、上記工程で成膜された光触媒層14では、〔101〕配向面と〔200〕配向面に由来するピークP101、P200の強度が高く、この光触媒層14がアナターゼ型の酸化チタンで構成されていることがわかる。
【0047】
また、tan-1w/hで求められる角度が86°を超える成膜装置1を用いて光触媒層を形成したところ、アナターゼ型の結晶構造が確認できなかった。
次に、光触媒層14を成膜するときの成膜条件を変えた以外は、上述した工程で実施例2〜4の光触媒装置10を作製した。
【0048】
<実施例2>
上記実施例1と同じ条件で、ハードコート層12を形成した後、ターゲットに印加する電力が15kW、成膜時間が2.7時間の条件で膜厚330nmの光触媒層14を形成し、更に、光触媒層14の表面に膜厚10nmのトップコート層15を形成し、実施例2の光触媒装置10を得た。
【0049】
<実施例3>
上記実施例1と同じ条件でハードコート層12を形成した後、ターゲットに印加する電力が20kW、成膜時間が1.3時間の条件で膜厚240nmの光触媒層14を形成し、更に光触媒層14の表面に膜厚20nmのトップコート層15を形成し、実施例3の光触媒装置10を得た。
【0050】
<実施例4>
トップコート層15を形成しなかった以外は実施例3と同じ条件で実施例4の光触媒装置10を得た。
上記実施例2〜4の光触媒装置10と、比較例の光触媒装置とを用いて下記に示す「光触媒活性」試験を行った。
尚、ここでは比較例の光触媒装置として、上記電子顕微鏡写真の撮影に用いたものと同じ車積用ミラーを用いた。
【0051】
〔光触媒活性〕
先ず、光触媒装置10のトップコート層15、又は光触媒層14の表面に、4mW/cm2の強度を持ち、波長350nmのUV光を48時間照射して初期化を行う。次いで、その光触媒装置10を、濃度1mmol/lのメチレンブルー(C16H18N3S・Cl・3H2O)水溶液に1時間漫した後、メチレンブルー水溶液から引き上げ、暗所で30分乾燥して測定試料とした。
【0052】
この測定試料を、(株)真空理工製の光触媒チェッカーである商品名「PCC−1」で光触媒性能を測定する。
その方法は、測定試料のトップコート層15側の面に、強度1mW/cm2のUV光を照射し、波長650nmの光の吸光度の変化量を経時的に測定した。
つまり、UV光照射により、光触媒層14が強力な酸化カを発揮し、メチレンブルーが分解されて徐々に透明になっていくのを、吸光度の経時的変化で測定するものであり、吸光度の低下が大きい程光触媒活性が高いことを示している。
【0053】
図7は「光触媒活性」試験で測定された吸光度変化を示すグラフであり、縦軸はΔABS(absorbance、吸光度)、横軸は時間(分)を示している。
図7の符号L2〜L4は実施例2〜4の光触媒装置10について得られたグラフを示し、同図の符号L5は比較例の光触媒装置について得られたグラフである。図7から明らかなように、実施例2〜4は比較例に比べて吸光度の低下が大きく、本発明の成膜方法により光触媒層14を形成した場合にその光触媒活性が高いことがわかる。
【0054】
実施例3、4を比較すると、同じ膜厚の光触媒層14を形成した場合であっても、トップコート層15が形成された場合は、トップコート層15が形成されない場合に比べて光触媒活性が高くなっている。
また、実施例2と実施例3を比較すると、光触媒層14の膜厚が300nm以上であれば光触媒活性が非常に高くなることがわかる。
【0055】
以上は、支持体11をポリカーボネ−ト樹脂で構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持体11を構成する樹脂としては、アクリル樹脂やポリエステル樹脂等種々のものを用いることができる。
また、支持体11を構成する材料は樹脂に限定されるものではなく、金属、ガラス等の無機材料を用いることもできる。
【0056】
尚、本発明による光触媒装置10の応用例としては、例えば、自動軍のヘッドライトリフレクター・インパネカバー、ケーブルカーの窓、道路の反射鏡、太陽電池カバー、コンピュータディスプレイ、浴室設備部材、キッチン設備部材等がある。
光触媒層14の膜厚は特に限定されないが、その膜厚が150nm以上であれば、その光触媒活性が実用上十分に高くなる。
また、光触媒層14を支持体11表面に直接密着形成したり、トップコート層15を形成せず、光触媒装置10の表面に光触媒層14を露出させることもできる。
【0057】
以上はスパッタガスとしてアルゴンガス(Ar)を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、キセノンガス(Xe)等、種々の不活性ガスを用いることができる。
以上は反応ガスとして酸素を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ターゲットを構成する無機材料と反応するガスであれば、種々のものを用いることができる。例えば、反応ガスとして窒素を用いれば、ターゲットを構成する無機材料の窒化物からなる窒化膜が得られる。
【0058】
以上は、各成膜源21〜23に遮蔽板51〜56を2枚ずつ設置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遮蔽板51〜56は成膜対象物がターゲット41〜46と対面する前の位置に設置されていればよく、また、3枚以上の遮蔽板でターゲット41〜46を囲むこともできる。
遮蔽板の形状は特に限定されるものではなく、例えば、遮蔽板を筒状に成形し、該筒状の内部に電極31〜36とターゲット41〜46を配置してもよい。
【0059】
以上は遮蔽板を天井近傍に配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図9は遮蔽板96a〜96dの他の例を示している。図9の符号95は成膜源を示しており、この成膜源95は4枚の遮蔽板96a〜96dを有している。
遮蔽板96a〜96dのうち、2枚の遮蔽板96a、96bは真空槽8内の天井近傍に鉛直配置され、これら2枚の遮蔽板96a、96bのうち、一方の遮蔽板96aは載置台9が成膜源95を通過するときの入り口側に位置し、他方の遮蔽板96bはその出口側に位置する。
【0060】
他の2枚の遮蔽板96c、96dは真空槽8内の底壁側に鉛直配置され、一方の遮蔽板96cは載置台95が成膜源を通過するときの入り口側に位置し、他方の遮蔽板96dはその出口側に位置する。
天井側に配置された遮蔽板96a、96bと、底壁側に配置された遮蔽板96c、96dは所定距離だけ離間しており、基板16を載置した載置台9は天井側の遮蔽板96a、96bと、底壁側の遮蔽板96c、96dとの間を通過可能になっている。
【0061】
以上は、基板載置台9と共に基板16が搬送される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、成膜源21〜23を基板16に対して移動させても良い。 また、基板が成膜源の回りを回転する回転成膜でも良い。
成膜源21〜23の数も特に限定されるものではなく、その数は成膜目的によって決定される。また、トップコート層15やアンダーコート層13のように、同じ材質の薄膜を成膜する場合には、図7に示す成膜装置90のように、同じ成膜源で成膜を行うこともできる。
【0062】
成膜目的も酸化チタン薄膜に限定されず、その他の酸化膜の場合であっても、上記構造の成膜装置1を用いれば、同様の低温成膜により結晶構造が得られる。図8を参照し、この成膜装置90は成膜室5と、1つの搬出入室91とを有しており、成膜室5の真空槽8内には成膜源21、22が2つ配置されている。
2つの成膜源21、22のうち、搬出入室7に隣接する成膜源21のターゲット41、44はケイ素で構成され、他方の成膜源22のターゲット42、45はチタンで構成されている。
【0063】
この成膜装置90を用いて光触媒装置10を製造するには、搬出入室91を通って真空槽8内に基板16を搬入し、基板載置台9と共に成膜源21、22下方を通過させてアンダーコート層13と光触媒層14を形成した後、基板18を搬出入室91側に戻し、搬出入室7に隣接する成膜源21の下方を再び通過させると、光触媒層14表面にアンダーコート層13と同じ材料で構成されるトップコート層15が形成される。トップコート層15が形成された状態の光触媒装置10は、再び搬出入室91を通って成膜装置90外部へ取り出される。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、基板を加熱しないでも光触媒活性の高い光触媒層を形成することができる。また、成膜源による成膜速度が高く、複数枚の基板を連続して処理可能なので生産効率も高い。本発明の応用範囲は光触媒膜(TiO2)のみでなく、その他の酸化膜(ITO、ZnO2、Ta2O5、SiO2)などの成膜における低温結晶化にも同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成膜装置の一例を説明する図。
【図2】本発明の成膜方法により光触媒装置を製造する工程の前半を説明する図
【図3】本発明の成膜方法により光触媒装置を製造する工程の後半を説明する図
【図4】(a)〜(d):光触媒装置を製造する工程の断面図
【図5】本発明の成膜方法により成膜された光触媒層の電子顕微鏡写真
【図6】光触媒層のX線回析図形
【図7】光触媒装置の光触媒活性を示すグラフ
【図8】本発明の他の例の成膜装置を説明する図
【図9】遮蔽板の他の例を説明する図
【図10】従来技術の光触媒装置を説明する図
【符号の説明】
1……成膜装置
8……真空槽
16〜18……基板
21〜23、95……成膜源
31〜36……電極(カソード電極)
41〜46……ターゲット
51〜56、96a〜96b……遮蔽板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to the technical field of functional thin films, and particularly relates to a technique for manufacturing a photocatalytic device having an oxide film and a photocatalytic function.
[0002]
[Prior art]
Titanium oxide (Ti02) Is widely known for its self-cleaning property and hydrophilicity due to photoactivity.2At present, environmental pollution is becoming serious, and development of products using environmental protection is urgently required as environmental purification and maintenance products.
The code |
[0003]
The
As a result, the surface of the
[0004]
As a film formation method of the
[0005]
When
[0006]
Therefore, the material of the substrate 111 is limited to a material having high heat resistance such as glass, and it is difficult to form a strong titanium oxide thin film having high photocatalytic activity on the surface of the substrate 111 made of plastic or the like. there were.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention was created to solve the above-mentioned disadvantages of the prior art. The purpose of the present invention is to provide photocatalytic activity not only on heat-resistant materials but also on the surface of substrates made of non-heat-resistant materials such as plastics. It is to form a high photocatalyst layer.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The inventors focused on sputtering as a thin film formation method of titanium oxide, and as a result of intensive studies, the crystallinity of titanium oxide formed by the sputtering method depends on the incident angle of the sputtered particles that first reach the substrate. I understood that it was influenced.
As a result of further studies by the present inventors, when the incident angle, which is the angle formed between the projection direction of the first incident sputtered particles and the normal of the substrate surface, is 86 ° or less, a fine anatase type It has been found that a crystal structure is formed.
[0009]
The invention according to
The invention according to claim 2The photocatalyst layer forming method according to
[0010]
The present invention is configured as described above, and in the film forming apparatus of the present invention, among the sputtered particles emitted from the target toward the substrate, those having an incident angle of 86 ° or more to the substrate are blocked by the shielding plate. It has come to be.
Therefore, when the sputtered particles are titanium oxide, the incident angle of the sputtered particles incident on the substrate is limited to 86 ° or less at the initial stage of thin film formation, and the titanium oxide crystal grown thereafter is anatase type. Become.
[0011]
According to the present invention, by limiting the incident angle of the sputtered particles first incident on the substrate to 86 ° or less, an anatase-type titanium oxide thin film can be obtained without heating the substrate. The resin material is not limited to heat resistant materials such as metals, and various resin materials can be used.
[0012]
Among the resin materials, polycarbonate resin is excellent in transparency and impact resistance, and is widely used for compact discs (CD), architectural windows, automobile windows, soundproof walls on highway roads, and the like. The application of such plastics will enable the development of new photocatalytic products and can be expected to contribute to further expansion of applications.
[0013]
When a resin is used as the material constituting the substrate, a silicon dioxide thin film, which is an undercoat film, is formed on the surface of the substrate, and a titanium oxide thin film is formed on the undercoat film. Since the titanium thin film is firmly fixed to the substrate, the strength of the resulting photocatalytic device is increased.
Since the film forming apparatus includes at least two film forming sources, the titanium oxide thin film and the thin film formed by stacking the titanium oxide thin films can be continuously formed without exposing the substrate to the atmosphere.
[0014]
In the case of a so-called in-line type film forming apparatus that performs film formation while moving the substrate below the film forming source at a predetermined speed, if the film forming speed at each film forming source is low, the work efficiency becomes extremely poor. In the present invention, since the two electrodes are alternately placed at a negative potential and the target is sputtered, the sputtering efficiency is high, and the film formation rate is fast enough to be practically used as an in-line film forming apparatus.
Further, if the potentials of the first and second electrodes are switched at an intermediate frequency of 10 kHz or more and 100 kHz or less, the film formation rate becomes as fast as when a DC voltage is applied to the target.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an example of the film forming apparatus of the present invention and a process of manufacturing a photocatalytic apparatus using the film forming apparatus will be described in detail.
[0016]
The
[0017]
The
The substrate moving device has a substrate mounting table 9 and a motor (not shown). The carry-in
[0018]
Next, when the motor is started, the substrate mounting table 9 moves to a position immediately below each
[0019]
The structure of the
The two
[0020]
On one side of the
[0021]
[0022]
The two
The upper ends of the shielding
[0023]
The shielding
[0024]
When the angle formed between the jumping direction of the sputtered particles jumping out from the
[0025]
Assuming that the angle formed by the sputtered particles incident on the substrate and the vertical direction is the incident angle, when the substrate is horizontally disposed, the pop-out angle and the incident angle are in a complex angle relationship, and thus are equal to each other.
Assuming that the range in which the sputtered particles are emitted to the bottom wall side of the
[0026]
Here, since the distance between the
A sputtering
[0027]
Next, a process of forming a thin film on a film formation target using the
[0028]
The
[0029]
Next, a process of forming a film on the
First, the
[0030]
The planar shape of the
FIG. 2 shows a case in which a plurality of
[0031]
FIG. 2 is a view focusing on the
The
[0032]
FIG. 3 shows a state immediately after the
[0033]
Assuming that the area where the
In the erosion region, the distance between the farthest position from the entrance
[0034]
In the present invention, the distance w and the height h are tan-1(W / h) ≦ 86 °.
As described above, when the
[0035]
As described above, the surface of the
[0036]
When the
[0037]
The distance from the lower end of the exit
[0038]
Further, when the
[0039]
The
[0040]
In this
[0041]
Further, since the
The
In this
[0042]
【Example】
The
The film formation conditions of the
[0043]
An electron micrograph of the
As can be seen from FIG. 5, in this
[0044]
Electron micrographs were also taken for a commercial vehicle mirror (photocatalyst device) on which a 270 nm-thick photocatalyst layer was formed by EB vapor deposition and a photocatalyst device manufactured by the sol-gel method. In the photocatalyst device, the fine structure as described above was not observed in the photocatalyst layer.
[0045]
That is, since the
FIG. 6 shows an X-ray diffraction pattern of the
[0046]
It is known that when anatase type titanium oxide is subjected to X-ray diffraction, peaks derived from the [101] orientation plane and the [200] orientation plane are observed.
As is clear from FIG. 6, in the
[0047]
Tan-1When the photocatalyst layer was formed by using the
Next, the
[0048]
<Example 2>
After forming the
[0049]
<Example 3>
After forming the
[0050]
<Example 4>
A
The “photocatalytic activity” test shown below was performed using the
In this case, as the photocatalytic device of the comparative example, the same vehicle loading mirror as that used for taking the electron micrograph was used.
[0051]
[Photocatalytic activity]
First, 4 mW / cm on the surface of the
[0052]
The photocatalytic performance of this measurement sample is measured under the trade name “PCC-1” which is a photocatalyst checker manufactured by Vacuum Riko Co., Ltd.
The method has a strength of 1 mW / cm on the surface of the measurement sample on the
In other words, the
[0053]
FIG. 7 is a graph showing changes in absorbance measured in the “photocatalytic activity” test. The vertical axis represents ΔABS (absorbance), and the horizontal axis represents time (minutes).
Reference L in FIG.2~ LFourShows a graph obtained for the
[0054]
When Examples 3 and 4 are compared, even when the
Further, when Example 2 and Example 3 are compared, it can be seen that the photocatalytic activity becomes very high when the film thickness of the
[0055]
The case where the
Moreover, the material which comprises the
[0056]
Examples of the application of the
The film thickness of the
In addition, the
[0057]
Although the case where argon gas (Ar) is used as the sputtering gas has been described above, the present invention is not limited to this, and various inert gases such as xenon gas (Xe) can be used.
Although the case where oxygen is used as the reaction gas has been described above, the present invention is not limited to this, and various gases can be used as long as they react with the inorganic material constituting the target. For example, when nitrogen is used as the reaction gas, a nitride film made of a nitride of an inorganic material constituting the target can be obtained.
[0058]
Although the case where two shielding
The shape of the shielding plate is not particularly limited. For example, the shielding plate may be formed in a cylindrical shape, and the
[0059]
The case where the shielding plate is arranged near the ceiling has been described above, but the present invention is not limited to this. FIG. 9 shows another example of the
Among the shielding
[0060]
The other two shielding
The
[0061]
The case where the
The number of
[0062]
The purpose of film formation is not limited to the titanium oxide thin film, and even in the case of other oxide films, if the
Of the two
[0063]
In order to manufacture the
[0064]
【The invention's effect】
According to the present invention, a photocatalytic layer having high photocatalytic activity can be formed without heating the substrate. In addition, since the film formation rate by the film formation source is high and a plurality of substrates can be processed continuously, the production efficiency is also high. The application range of the present invention is a photocatalytic film (TiO2) As well as other oxide films (ITO, ZnO)2, Ta2OFive, SiO2The same effect can be obtained for low-temperature crystallization in film formation.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 illustrates an example of a film formation apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining the first half of a process for producing a photocatalytic device by the film forming method of the present invention.
FIG. 3 is a diagram for explaining the latter half of the process of manufacturing a photocatalytic device by the film forming method of the present invention.
FIGS. 4A to 4D are cross-sectional views of steps for manufacturing a photocatalytic device.
FIG. 5 is an electron micrograph of a photocatalyst layer formed by the film forming method of the present invention.
Fig. 6 X-ray diffraction pattern of photocatalyst layer
FIG. 7 is a graph showing the photocatalytic activity of the photocatalytic device.
FIG. 8 is a diagram for explaining another example of the film forming apparatus of the present invention.
FIG. 9 is a diagram for explaining another example of a shielding plate.
FIG. 10 is a diagram for explaining a conventional photocatalytic device.
[Explanation of symbols]
1 …… Deposition system
8 ... Vacuum tank
16-18 …… Board
21 to 23, 95 ... Deposition source
31-36 …… Electrode (cathode electrode)
41-46 …… Target
51-56, 96a-96b …… Shielding plate
Claims (2)
前記真空槽内で前記アンダーコート層を形成した後、 After forming the undercoat layer in the vacuum chamber,
前記成膜対象物を加熱せずに前記アンダーコート層上に入射角86°以下の角度でスパッタ粒子を入射させ、前記アンダーコート層表面に酸化チタン層を形成し、 Sputtering particles are incident on the undercoat layer at an incident angle of 86 ° or less on the undercoat layer without heating the film formation target, forming a titanium oxide layer on the undercoat layer surface,
前記成膜対象物を加熱せずに前記酸化チタン層上にスパッタ粒子を入射させ、前記酸化チタン層を成長させ、前記アンダーコート層上にアナターゼ型の酸化チタン層から成る前記光触媒層を形成する光触媒層形成方法。 Sputtering particles are incident on the titanium oxide layer without heating the film formation target, the titanium oxide layer is grown, and the photocatalytic layer composed of an anatase-type titanium oxide layer is formed on the undercoat layer. Photocatalyst layer formation method.
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