JP4070385B2 - 摩擦抵抗低減船 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦抵抗低減船に係り、特に、水中に気泡を効率よく放出することにより、総合エネルギ効率を向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、船舶等の航行時のエネルギ消費を節減することを目的として、水中に気体を送り込み、船体外板の表面(没水表面)の近傍に多数の気泡を介在させて、船体と水との摩擦抵抗を低減する方法が提案されている。
【0003】
水中に気泡を発生させる技術としては、特開昭50−83992号、特開昭53−136289号、特開昭60−139586号、特開昭61−71290号、実開昭61−39691号、実開昭61−128185号が提案されている。
【0004】
これらの技術では、水中に気泡を発生させる方法として、ポンプやブロアなどの装置によって加圧した気体を船体に設けられた複数の孔や多孔板から水中に噴出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加圧した気体を水中に噴出する方法であると、加圧用の装置を稼動するエネルギが必要となり、摩擦抵抗の低減によって減少したエネルギの節約分が目減りしてしまう。特に、大型船の船底など、比較的水深の大きい箇所において水中に気体を噴出する際には、水圧(静水圧)に対応して高い圧力に気体を加圧する必要があり、多大なエネルギを消費してしまう。また、加圧用の装置を船体に設置するにあたり、設備コストや施工コストなど多大なコストが生じてしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)少ないエネルギ消費で摩擦抵抗低減を行って、航行時のエネルギ消費を効果的に節減すること。
(2)水中に気泡を効率よく混入させ、効果的な摩擦抵抗低減を実施すること。
(3)船体の建造コストを低減すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、船体の没水表面に気泡を放出して船体の摩擦抵抗を低減する方法であって、船体の航行に伴って気体空間に対して低圧となる負圧箇所を水中に形成し、気体空間から水中の負圧箇所に気体を導くとともに、局所的に渦度が大きい水の流れを形成する技術が採用される。
請求項2に係る発明は、船体の没水表面に気泡を放出して船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船であって、気体空間に対して低圧となる負圧箇所を水中に形成するための負圧形成部と、気体空間から水中の負圧箇所に気体を導くための流体通路と、局所的に渦度が大きい水の流れを形成する離脱促進部とを備える技術が採用される。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の摩擦抵抗低減船において、前記負圧形成部は、船体の没水表面から水中に向かって突出して配される翼と、該翼を支持するストラットと、前記翼に対して船体側に配される流水案内体とを備える技術が採用される。
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の摩擦抵抗低減船において、前記離脱促進部は、船体側に凸となるように形成された前記翼と、該翼形状に沿うように形成された前記流水案内体とにより形成される技術が採用される。
【0008】
【作用】
一般に、流体はその周囲に圧力勾配が生じると、高圧側から低圧側に向けて力(圧力勾配力)を受け、流動が誘起される。したがって、気体空間に対して低圧となる負圧箇所を水中に形成し、気体空間の気体を水中の負圧箇所に導くことにより、圧力勾配力を利用して、所定の深さの水中に気体を送り込むことが可能となる。
【0009】
図2は、水中に負圧箇所を形成するための負圧形成部を備えた摩擦抵抗低減船を模式的に示している。船体1が所定の船速Vsで航行すると、船体1に対して相対的な水の流れ2が形成される。このとき、例えば負圧形成部3によって水の流路が狭められると、水の流速が大きくなり、局所的に静水圧Pwaが下がる(ベルヌーイの定理)。このとき、水の流速をVwa、気体空間の圧力(大気圧)をPa、水の密度をρ、重力加速度をg、水深をHwaとすると、静水圧Pwaは、
Pwa=Pa+ρ・g・Hwa−ρ・(Vwa2 −Vs2 )/2 (1)
で表される。この式(1)から明らかなように、水の流速Vwaが次式を満たすことにより、水中に大気圧Paに比べて低圧となる負圧箇所4が形成される。
ρ・g・Hwa−(Vwa2−Vs2)/2 < 0 (2)
【0010】
負圧箇所4が形成されると、圧力勾配力により、気体が流体通路5内を流動し、水中に送り込まれる。
【0011】
負圧箇所4を形成して水中に気体を送り込む場合(負圧方式)、気体を加圧する必要がないため、従来の加圧方式に比べ、水中に気体を送り込むときに消費されるエネルギが少ない。
【0012】
また、水中に送り込まれた気体を気泡6として水に混入させ、多数の気泡6を船体1の没水表面に介在させることにより、船体の摩擦抵抗が低減される。
【0013】
ところで、水中の気泡6には、水の流れにより様々な力が作用する。その力の一例を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
例えば図2に示すように、負圧形成部3が船底から突出して形成されている場合、流体通路5内を流動した気体は、気体と液体(水)との境界面7(気液界面)に到達した後、負圧箇所4による圧力勾配力と、次に説明する揚力との作用を受けて気泡6として水中に移動し、その後、抗力(粘性力)により水に乗って流れると考えられる。
【0016】
揚力(Lift Force)は、気泡6の周囲の水の流れ2が渦度を有するときに生じるものであり、その力の方向は、渦度ベクトル(Vorticity Vector of Liquid)ω と気液相対速度ベクトル(Relative Velocity Vector)us との外積によって得られるベクトルの逆方向である。また、その大きさは気泡の体積Avと液体の密度ρとに比例する。すなわち揚力Lfは、次式によって表される。
Lf=−ρ・Av・(us×ω) (3)
ただし、これは Auton の慣性揚力であり、低レイノルズ数時には Saffman の揚力が作用し、渦度の 1/2乗に比例するようになる。なお、両者とも作用方向は同じである。
【0017】
船底の境界層には、一般に、渦度を有する流れが船体外板の表面近傍に集中しており、上述した各ベクトルは図3に示す向きとなる。この図3から分かるように、船底における揚力Lfは、船体外板から離れる方向、すなわち気液界面7から水中に気泡6が離脱する方向に作用する。
【0018】
ところが、負圧形成部の形状によっては、気泡に対して、気液界面に押し戻す方向に比較的大きな力(抵抗力)が作用することがある。
【0019】
例えば、図2に示す負圧形成部3に沿って水が流れる場合、水中の気泡6に対する抵抗力として、次に説明する付加慣性力と圧力勾配力とが作用する。
【0020】
付加慣性力は、液体(水)中に置かれた気泡の付加質量による慣性力であり、気液の密度差を 1/800とすると、気泡内の気体質量自体に作用する慣性力に比べて400倍の大きさとなる。また、水の慣性力と比べたとき、気泡の慣性力+付加慣性力は、1/2 の大きさである。このことから、同じ外力が作用したとき、気泡は水の1+1/(1/2)=3倍の加速度を生じることになる(ただし、抗力を無視したときの最大値)。
【0021】
すなわち、図4に示すように、湾曲した物体表面8に沿って水及び気泡6が流れる場合、凹部である箇所PA1で水の流れ2が下向きに変わるとき、気泡6は水の3倍の加速度で下降する。また、凸部である箇所PA2で水の流れ2が上向きに変わるとき、気泡6は水の3倍の加速度で上昇する。
【0022】
したがって、前述した図2の負圧形成部3に沿って水が流れる場合、負圧形成部3の頂部の曲率(凸部)により、負圧箇所4において水の流れ2が上向きに変わるのに伴い、気泡6に対して、気液界面7に押し戻す方向に付加慣性力が作用する。
【0023】
また、この図2の場合、負圧箇所4が水中の他の箇所に比べて低圧であることから、負圧箇所4に位置する気泡6に対して、気液界面7に押し戻す方向に圧力勾配力が作用する。
【0024】
そして、このような気液界面に押し戻す方向の力(抵抗力)が、気泡に対して大きく作用すると、気液界面から水中に気泡が離脱しにくくなり、水に混入される気泡の量が抑制されて、船体の摩擦抵抗が効果的に低減しなくなる恐れがある。
【0025】
そこで、気液界面から水中に気泡が移動するように水の流れを形成して、気泡の離脱に対して抵抗となる力を小さくすることにより、気液界面から気泡が容易に離脱し、水に混入される気泡の量が増える。
【0026】
すなわち、局所的に渦度が大きい水の流れを形成することにより、気泡に対して、揚力が離脱方向に作用するようになり、気液界面からの気泡の離脱が促進される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る船体の摩擦抵抗低減方法及び摩擦抵抗低減船を、タンカーやコンテナ船等の肥大船に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。図5において、符号Mは摩擦抵抗低減船、10は船体、11は気泡発生装置、12は船体外板(没水表面)、13は推進器、14は舵、15は水面(喫水線)を示している。
【0028】
前記摩擦抵抗低減船Mとしての肥大船は、例えばVLCC(Very Large Crude Oil Carrier)といったものがこれに該当し、他の種類の船舶に比べて、喫水線15下の船体外板12(没水表面)において船底の面積が船側に対して比較的大きく形成されている。さらに、船体10の前方に、気泡発生装置11が配されている。
【0029】
前記気泡発生装置11は、図5(b)に示すように、船体10の没水表面12に配される負圧形成部20と、船体10を貫通しかつ喫水線15の上下において内部空間が開放される流体通路21とを備えている。
【0030】
前記負圧形成部20は、航行時における船体10に対する相対的な水の流れを利用して、所定の船速Vsにおいて気体空間(大気)に対して低圧となる負圧箇所を水中に形成するためのものである。ここでは、負圧形成部20は、後述するように気液界面からの気泡の離脱を促進する離脱促進部としての機能も有しており、船底における水の相対速度を特定箇所で大きくするとともに、鉛直方向上向きに凸となる湾曲した水の流れを形成するように構成されている。
【0031】
この負圧形成部20の詳細について説明すると、負圧形成部20は、図6に示すように、船体の没水表面から水中に向かって突出して配されるとともに、没水表面12に対して所定の間隔で略平行に配される翼30と、翼30を支持するために翼30と船体外板12との間に配されるストラット31,32と、翼30に対して船体側(本実施形態では船体内側)に配される流水案内体33とを備えている。
【0032】
前記翼30の形状は、NACA翼型、オジバル翼型など様々な翼型が適用可能であり、船体の形状及び船速に応じて定められる。ここでは、翼30は船体側に凸となるように形成される。また、翼30は、前縁30a及び後縁30bを船体の進行方向Dveに向け、翼面30c,30dを上下方向に向け、さらに、航行時において翼30に対して揚力が上向きに作用する(航行時において、上方を臨む翼面30c側の流速が下方を臨む翼面30d側の流速に比べて大きくなる)ように配置されている。
【0033】
前記ストラット31,32は、水平断面形状が水の流れに対して抵抗が少ない例えば翼型などの形状であり、前記翼30と没水表面12との間隔を規定するために所定の高さHstで形成されている。さらに、一方の端面が船体外板12に当接され他方の端面が翼30に当接されて取り付けられる。
【0034】
前記流水案内体33は、航行中における水の流れを曲線状(湾曲状)に案内するためのものであり、一面が開放されたボックス状に構成され、船体外板12に設けられた開口12aを船体10の内側から覆うように、開放端33aを船体外板12に当接状態に固定される。また、流水案内体33は、翼30の形状に沿うように形成されており、船体10の幅方向(水平面内で船体10の進行方向Dveに略垂直な方向)に平行かつ船体外板12からの高さが船体10の進行方向Dveに沿って凸状に変化する(すなわち、鉛直方向上向きに凸状に湾曲する)湾曲面33bを有している。さらに、この湾曲面33bの中央付近において、貫通孔からなる排出口33cが設けられている。
【0035】
これらにより、負圧形成部20には、図5(b)に示すように、船体の進行方向Dveに沿って、離脱促進部として、鉛直方向上向きに凸となる湾曲した水路34が形成される。
【0036】
また、負圧形成部20の各構成部材の形状や配置位置は、航行時に負圧形成部20における水の流れが所望の状態になるように、数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)による流場解析によって設計されている。ここでは、所定の船速Vsでの航行時において、負圧形成部20付近における水の流れが、次の(a)〜(d)の条件を満たすように定められる。
・条件(a):水路34における水の流速(絶対値)が船速Vsに比べて大きくなり、かつ、水路34の中央部34b(図5(b)参照)における平均流速Vwaが前述した式(2)を満たす(このとき、式(2)におけるρは海水の密度、Hwaは喫水線から水路34までの距離(水深)とする)こと。
・条件(b):流水案内体33の排出口33c近傍に比べて翼面30c近傍の水の流速が大きくなること。
・条件(c):排出口33cから下降する水の流れを有すること。
・条件(d):水路における水の流れに局所的に大きな渦度を有すること。
【0037】
上述した条件(a)を満たすために、負圧形成部20の各構成部材の形状や配置位置は、例えば、水路34の入り口における流路断面積に比べて内部(前部34a、中央部34b、後部34c)の流路断面積が狭く、さらに、前部34a及び後部34cに比べて中央部34bの流路断面積が狭くなるように定められる。
また、上述した条件(b)を満たすために、例えば、流水案内体33の湾曲面33bに比べて翼面30cの全体的な曲率が小さくなる(曲率半径が大きくなる)ように定められる。
また、上述した条件(c)を満たすために、例えば、排出口33c近傍の湾曲面33bに上向きに凸となるような曲面を有するように定められる。
また、上述した条件(d)を満たすために、例えば、水路34の流路断面積や形状が局所的に変化するように定められる。
【0038】
一方、前記流体通路21は、前記負圧形成部20における流水案内体33に接続される気体導入管35の内部空間36からなっている。すなわち、流体通路21は、一端が気体導入管35の空気取入れ口37を介して気体空間(大気中)に開放されるとともに、他端が前記流水案内体33の排出口33cを介して水中に開放されるようになっている。
【0039】
前記気体導入管(AIP:Air Induction Pipe)35は、船体10に貫通状態に、かつ負圧形成部20における流水案内体33に接続状態に敷設され、少ない圧力損失で所望の流量の流体が流動するように、その内部の断面積や形状が定められている。また、空気取入れ口37は、船体10における甲板の前部に配される。
【0040】
なお、負圧形成部20及び気体導入管35の材質としては、例えば耐食処理された金属、あるいは樹脂など、主として表面が海水に対して耐食性を有し、さらに海成生物が表面に付着しにくいものが好ましく用いられる。
【0041】
また、負圧形成部20は、船底の広さに応じて1つまたは複数配置され、これに応じて気体導入管35の配設状態が定められる。
【0042】
このように構成される摩擦抵抗低減船Mによる船体の摩擦抵抗低減方法について、図1を参照して以下説明する。
停船状態においては、流体通路21内に、船体10の周囲とほぼ同じ水位まで水(海水)が入り込んでいる。推進器13(図5参照)の推力により船体10が航行状態になると、図1(a)に示すように、船体10に対して相対的な水の流れ40が形成される。
【0043】
航行状態において、船底では、負圧形成部20の翼30に沿って水が流れ、湾曲した水路34においてその流路が狭められることにより、水路34を流れる水の流速が大きくなり、静水圧が局所的に低下する。
【0044】
そして、船体10の航行速度が所定の船速Vs(例えば標準航行速度)に達すると、水路34の中央部34bにおいて、大気に対して低圧となる負圧箇所41が形成される(条件(a)より)。
【0045】
この場合にあって、空気取入れ口37における圧力に比べ、負圧箇所41に面した排出口33c付近の圧力が低いために、流体通路21内の流体(海水及び空気)に対して圧力勾配力Pf1が作用し、流体通路21から海水が排出された後、空気取入れ口37から流入した空気が、流体通路21を流動して水中に送り込まれる。
【0046】
そして、水中に送り込まれた気体が気泡42として水に混入し、船体10の没水表面12の近傍に多数の気泡42が介在することにより、船体10の摩擦抵抗が低減される。
【0047】
水中に空気を送り込むために必要なエネルギは、主として気体の位置を変化させるためのエネルギである。このエネルギは、負圧形成部20により水の流動状態を変化させることで得られるものであり、気体を加圧して水中に噴出する場合に消費されるエネルギに比べて少ない。そのため、船体10の摩擦抵抗低減により、航行時のエネルギ消費が効果的に低減される。
【0048】
さらに、負圧箇所41の形成には、負圧形成部20の形状やレイノルズ数が主な支配因子となり、水深による不利が生じにくいと考えられるため、本発明に係る技術は、大型船への適用にも有利である。
【0049】
また、気泡発生装置11は簡素な構成であり、気体を加圧するための装置が不要であることから、船体10の建造コストが少なくて済むことはいうまでもない。
【0050】
この場合にあって、図1(b)に示すように、水路34により、上向きに凸となる湾曲した流れが形成されるために、排出口33cを通過した水は気液界面43から離れる方向に流れの向きを変えて下降する(条件(c)より)。このとき、気泡42は水よりも大きな加速度で排出口33cから離れる運動をする。すなわち、気液界面43から気泡42が離脱する方向(離脱方向)に、気泡42に対して付加質量による慣性力(付加慣性力)が作用する。
【0051】
さらに、水路34における翼面30c近傍を流れる水の流速が、流水案内体33の排出口33c近傍の水の流速に比べて大きい(条件(b)より)ために、水中の負圧箇所41における圧力が気液界面43から水中に向かって低くなる。そのため、気泡42に対して、離脱方向に圧力勾配力Pf2が作用する。
【0052】
また、水路34の流路断面積(およびその形状)が局部ごとに変化するために、水路34の水の流れ40は局所的に大きな渦度を有する(条件(d)より)。このとき、水の流れ40は、流線の曲がりが大きい水路34の中央部34bにおいて大きな渦度を有する。そのため、気泡42に対して、流線が曲げられた向きと反対方向である下向き(離脱方向)に、気泡42に対して揚力Lf1が作用する。
【0053】
そして、こうした離脱方向の力(付加慣性力Af、圧力勾配力Pf2、揚力Lf1)により、気泡42に対して抵抗となる力が小さくなり、気液界面43からの気泡42の離脱が促進されるとともに、水中に空気を送り込むためのエネルギが少なくて済む。
すなわち、翼30と流水案内体33とにより離脱促進部としての水路34が形成され、この水路34によって、局所的な渦度を有しかつ湾曲した水の流れが形成されることにより、揚力Lf1に加え、圧力勾配力Pf2、付加慣性力Afが作用し、気液界面43からの気泡42の離脱が促進され、水に混入される気泡の量が増える。
【0054】
また、水の流れ40により、翼30に対して上向きの揚力が作用するために、例えば船体10における船首側が上昇し、船体10の浸水面積が減少し、摩擦抵抗が減少しやすくなる。
【0055】
負圧形成部20のストラット31,32は、水路34の流路断面積を狭めるとともに、流線を変化させるために、負圧箇所41が形成される水路34の中央部34bにおいて上述した離脱方向の力を増加させるように有利に働く。
【0056】
負圧箇所41において発生する気泡42の量は、その付近の環境条件から定まる飽和蒸気圧に影響を受ける。すなわち、水に溶け込める気体の量よりも多いものが気泡42として水中に存在することになる。したがって、気液界面43からの気泡42の離脱が促進されることにより、気液界面43の近くに停滞する気泡42が少なくなり、所望の量の気泡42が安定して水中に混入され、効果的な摩擦抵抗低減が確実に実施される。
【0057】
なお、水中に混入された気泡42は、水深に応じた静水圧よりも低い内圧で形成されるため、一定の水深で気泡42が移動するとき(例えば船底に沿って気泡が移動するとき)に、負圧箇所41から離れるに従って気泡42に大きな水圧が作用し、徐々に気泡42の大きさが小さくなる。本出願人らのこれまでの研究によれば、比較的小さい気泡のほうが船体の摩擦抵抗を低減するのに好ましいとされている。したがって、負圧によって発生した気泡は、この点からも摩擦抵抗の低減に有利に働く。
【0058】
図7は、本発明に係る摩擦抵抗低減船の他の実施形態を示している。
この摩擦抵抗低減船M2は、上述した実施形態と異なり、気泡発生装置における負圧形成部が上下方向に移動するように構成されている。
【0059】
気泡発生装置50は、船体に固定状態に敷設される外筒51と、該外筒51内に着脱自在に、かつ軸方向(上下方向)に移動自在に収容される気体導入管(AIP)としての内筒52と、外筒51に対する内筒52の軸方向の位置(高さ)を調節するための位置調節部53とを備えている。
【0060】
内筒52は、一端に設けられた負圧形成部54を下方に向けた状態で外筒51の上端部の開口から挿入される。
【0061】
負圧形成部54は、図8に示すように、管状部材60の端部を塞ぐように配設される板状部材61と、この板状部材61に対して所定の間隔で略平行に配される翼62と、翼62を支持するストラット63,64と、前記板状部材61に設けられた排出口としての開口65を管状部材60の内側から覆うように配設される湾曲板66とを備えている。
【0062】
これらにより、負圧形成部20には、船体の進行方向に沿って、鉛直方向上向きに凸となる湾曲した離脱促進部としての水路67が形成される。
【0063】
また、流体通路68として、内筒52の内部空間は、湾曲板66と板状部材61との間隙69と前記排出口65とを介して下方に開放される。
【0064】
図7に戻り、位置調節部53は、航行状態に応じて、負圧形成部54の船底からの突出状態(突出高さ)を調節するためのものであり、内筒52を所定の位置に移動させるためのモータ等の図示しない駆動部、所定の位置に内筒52を固定するための図示しない固定部、等を含んで構成されている。
【0065】
こうした構成の気泡発生装置50を備える摩擦抵抗低減船M2は、航行状態に応じて位置調節部53により負圧形成部54の突出高さを変化させ、これにより負圧形成部54による抗力の増加を適切に抑制するとともに、負圧形成部54の近傍の水の流れを所望の状態に調節する。
【0066】
例えば気泡による摩擦抵抗の低減効果が小さい停船中や低速航行時には、図9(a)に示すように、負圧形成部54を船体の内側(没水表面の内側)に配することにより、負圧形成部54による抗力の増加を抑制する。
【0067】
一方、所定の船速での航行時には、図9(b)及び(c)に示すように、負圧形成部54を船底から水中に(下方に)突出させ、水中に気泡70を発生させて船体の摩擦抵抗を低減する。
【0068】
負圧形成部54の突出高さが変化すると、負圧形成部54の水路67に流入する時間あたりの水量が変化し、水路67における水の流速が変化する。これにより、負圧箇所71の状態(静水圧など)や気液界面からの離脱方向の力の大きさが変化し、水に混入される気泡70の量が変化する。
【0069】
すなわち、負圧形成部54の突出高さを変化させることにより、負圧箇所71の圧力や負圧箇所71近傍の水の流れ72を制御し、気泡70の発生量を調節する。そして、船速に応じた適切な量の気泡70により摩擦抵抗低減が効果的に実施される。
【0070】
さらに、気泡発生装置50は、メンテナンス時において、内筒52を外筒51から取り外し、清掃設備の整った環境のもとで内筒52の清掃を行うとともに、外筒51の内壁面の清掃を行う。そのため、気泡発生装置50のメンテナンスに伴う手間が少ない。
【0071】
なお、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば下記のような変更も含まれる。
【0072】
上述した実施形態では、負圧形成部20は、負圧箇所を水中に形成するとともに、離脱方向の力を発生させる水の流れを形成するという2つの機能を有し、少ないスペースで効率的に気泡を水に混入させることができるという利点がある。しかしながら、負圧箇所を形成する機能(負圧形成部)と離脱を促進させる水の流れを形成する機能(離脱促進部)とを別々の手段に分けてもよい。機能別に手段を分けることにより、水中に混入される気泡の量が制御しやすくなる。
【0073】
また、負圧形成部の翼の形状は、水中に対する抗力の増加をなるべく抑制するように設計される。したがって、上述した実施形態で示した翼は、翼面の平面形状が矩形のものに限らず、例えば三角形の翼面など、他の形状でもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、本発明を肥大船に適用した例を示したが、これに限るものではなく、高速船など他の船にも適用可能である。なお、負圧形成部の大きさや数、その配置場所といったものは、船体の形状に応じて適宜設定される。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。
請求項1に係る船体の摩擦抵抗低減方法によれば、水中に負圧箇所を形成することにより、圧力勾配力を利用して、気体を加圧する場合に比べて少ないエネルギ消費で水中に気体を送り込み、摩擦抵抗低減を行うことができる。また、局所的に渦度が大きい水の流れを形成することにより、揚力を利用して、境界面からの気泡の離脱を促進させ、水に混入される気泡の量を増やすことができる。したがって、効果的な摩擦抵抗低減を実施し、航行時のエネルギ消費を節減することができる。
請求項2から請求項4に係る摩擦抵抗低減船によれば、負圧形成部を備えることにより、水中に負圧箇所を形成し、圧力勾配力を利用して、気体を加圧する場合に比べて少ないエネルギ消費で水中に気体を送り込み、摩擦抵抗低減を行うことができる。また、離脱促進部により形成される水の流れにより、揚力を利用して、境界面からの気泡の離脱を促進させ、水に混入される気泡の量を増やすことができる。したがって、効果的な摩擦抵抗低減を実施し、航行時のエネルギ消費を節減することができる。さらに、気体を加圧する装置が不要となり、船体の建造コストを容易に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る船体の摩擦抵抗低減方法の一例を示す概念図である。
【図2】 水中に気泡を発生させる方法の一例を示す概念図である。
【図3】 船底における気泡に作用する力を示す模式図である。
【図4】 曲面に沿って水と気泡とが流れる様子を示す模式図である。
【図5】 本発明に係る船体の摩擦抵抗低減方法を船舶に適用した一実施形態を概略的に示す構成図である。
【図6】 図1に示す負圧形成部の構成を概略的に示す斜視図である。
【図7】 本発明に係る船体の摩擦抵抗低減方法を船舶に適用した他の実施形態を概略的に示す構成図である。
【図8】 図7に示す負圧形成部の構成を概略的に示す斜視図である。
【図9】 図7に示す負圧形成部の配置位置と水の流れとの関係を示す状態図である。
【符号の説明】
M,M2 摩擦抵抗低減船
1,10 船体
2,40 水の流れ
3,20,54 負圧形成部
4,41 負圧箇所
5,21 流体通路
7,43 気液界面(境界面)
11,50 気泡発生装置
12 船体外板(没水表面)
15 水面(喫水線)
30 翼
31,32 ストラット
33 流水案内体
33b 湾曲面
33c 排出口
34,67 水路(離脱促進部)
35 気体導入管
37 空気取入れ口
42 気泡
51 外筒
52 内筒
53 位置調節部
Claims (1)
- 船体の没水表面に気泡を放出して船体の摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減船であって、
船体内に設けられ、一端が大気中に開放されると共に他端が船体の没水表面に開放される流体通路と、
大気に比べて低圧となる負圧箇所を前記没水表面に形成すると共に、前記流体通路を介して前記負圧箇所に送り込まれた空気に、気泡として水中に向けて離脱する方向の揚力を水中に形成される渦及び流水に基づいて発生させることにより負圧箇所における空気の離脱を促進する負圧形成部とを備え、
前記負圧形成部は、船体側に凸となるように形成されると共に船体の没水表面に略平行かつ所定の間隔をあけて配される翼と、該翼を支持するストラットと、前記翼に対向して船体側に配され、前記翼の形状に沿うように形成される流水案内体とからなることを特徴とする摩擦抵抗低減船。
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