JP4069754B2 - 車両運動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪への操舵入力時等に前輪若しくは後輪の少なくとも一方に補助舵角を与える補助操舵制御装置と、車両各輪のブレーキ液圧を制御することで、車両の挙動制御を行うブレーキ装置を備えた車両用舵角制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、前後輪共に補助操舵を行うと共に、ブレーキ制御を併用して車両の挙動を制御する技術が提案されている(特許文献1参照)。この従来技術では、検出されたハンドル操舵角に基づくフィードフォワード項と検出されたヨーレイトに基づくフィードバック項との加算値により前後輪に補助舵角を与えると共に、補助操舵量が所定値以上の領域でのみ、左右制動力差制御(ブレーキ制御)を行うよう構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−185801号公報(第7頁段落番号(0041))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、上述の制御機構に故障が発生した場合には、制御自体を中止する構成となっている。その故障が例え一部であっても全体の制御が中止されるため、目標とする車両挙動が達成できないという問題があった。
【0005】
本発明は、前輪に補助舵角を付与する前輪補助舵角付与手段、後輪に補助舵角を付与する後輪補助舵角付与手段及びブレーキ装置を備えた車両運動制御装置において、故障が検知された場合でも車両の挙動を安定方向に制御可能な車両運動制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、ハンドル操舵角を検出するハンドル操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前輪に補助舵角を付与する前輪補助舵角付与手段を備えた前輪補助操舵制御系統と、後輪に補助舵角を付与する後輪補助舵角付与手段を備えた後輪補助操舵制御系統と、運転者のブレーキペダル操作により液圧を発生するマスタシリンダ及び任意の液圧を発生可能な液圧ポンプを液圧源とし、車両各輪のホイルシリンダのブレーキ圧力を任意に制御可能なブレーキ手段を備えたブレーキ制御系統と、検出されたハンドル操舵角及び車速に応じた目標ヨーレイト及び目標横速度に基づいて、目標前輪舵角、目標後輪舵角及び各輪の目標ブレーキ液圧を算出し、前記前輪補助舵角付与手段、前記後輪補助舵角付与手段及び前記ブレーキ手段に指令信号を出力する車両運動制御手段と、を備えた車両運動制御装置において、前記各手段の故障を検知する故障検知手段と、検出された故障が影響を与える制御系統を判断する故障系統判断手段と、検出された故障の影響を受けない制御系統に基づく制御モードを選択する制御モード選択手段と、を設け、前記制御モード選択手段は、前記前輪補助操舵制御系統のみ影響を受ける故障が検出された場合、前記後輪補助操舵制御系統および前記ブレーキ制御系統に基づく制御モードを選択し、前記後輪補助操舵制御系統のみ影響を受ける故障が検出された場合、前記前輪補助操舵制御系統および前記ブレーキ制御系統に基づく制御モードを選択し、前記ブレーキ制御系統のみ影響を受ける故障が検出された場合、前記前輪補助操舵制御系統および前記後輪補助操舵制御系統に基づく制御モードを選択し、前記車両運動制御手段は、各制御系統のいずれか一つに影響を与える故障が検知されたとしても、該故障の影響を受けない他の二つの制御系統に基づいて選択された制御モードにより車両運動制御を実行する故障時車両運動制御部を有することで、上記課題を解決するに至った。
【0007】
【発明の作用】
本願発明にあっては、各制御系統のいずれか一つに影響を与える故障が検知されたとしても、該故障の影響を受けない他の二つの制御系統に基づいて選択された制御モードにより車両運動制御が実行されるため、安定した車両挙動を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における車両用操舵制御装置の実施形態について実施例をもとに説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0009】
(第1実施例)
本発明の車両用操舵制御装置は、前後輪に補助舵角を与える前後輪補助舵角制御装置と、4輪のブレーキ力を制御することで車両挙動を制御するブレーキ制御装置が備えられている。まず、ブレーキ制御装置について説明する。
【0010】
図1はブレーキ制御装置の全体図、図2はブレーキ油圧制御アクチュエータの油圧回路図である。まず、その構造について説明する。4輪のそれぞれに制動力を発生させるホイルシリンダ41L,41R,42L,42Rは、2系統のブレーキ配管(P系統及びS系統)を介してマスタシリンダ44に接続されている。そして、P系統及びS系統の途中には、ブレーキアクチュエータ39が設けられている。
【0011】
前記ブレーキアクチュエータ39は、図2の油圧回路図に示すように、各ホイルシリンダ41L,41R,42L,42Rの液圧を増圧・保持・減圧可能な液圧制御バルブ(INバルブ47,49,53,55及びOUTバルブ48,50,54,56)と、マスタシリンダ44とは別途設けられ、モータ61により駆動する制御用油圧源(P系統ポンプ57,S系統ポンプ58)の接続を切り換える油圧供給源切り換えバルブ(P系統カットバルブ45,P系統吸入バルブ46,S系統カットバルブ52,S系統吸入バルブ51)と、リザーバ59,60を備えている。
【0012】
運転者がブレーキペダル43を操作してマスタシリンダ44に油圧が発生すると、このマスタシリンダ圧をホイルシリンダ41L,41R,42L,42Rに供給する通常ブレーキ状態と、運転者がブレーキ操作を行っていない時、もしくは運転者のブレーキ操作以上に液圧が必要な時に、制御用油圧源57,58の液圧をホイルシリンダ41L,41R,42L,42Rに向けて供給すると共に、各液圧制御バルブによりホイルシリンダ圧を最適制御する制御ブレーキ状態とに切り換え可能に構成されている。
【0013】
ここで、P系統についてホイルシリンダ41Rの圧力を制御したい場合について説明する。P系統ポンプ57による増圧時は、P系統吸入バルブ46を開き、P系統ポンプ57にブレーキ液を供給する。そして、P系統カットバルブ45及び他輪のINバルブ49を閉じ、ブレーキ液の他系統への回り込みを抑止することで行われる。この状態での減圧時は、P系統吸入バルブ46を閉じ、P系統カットバルブ45を開放することによりホイルシリンダ液がマスタシリンダ側に流出することで行われる。マスタシリンダ44による増圧では、P系統カットバルブ45を開放し、P系統吸入バルブ46を遮断し、INバルブ47,49を開放し、マスタシリンダ液量をホイルシリンダ側に流入することで行われる。減圧時は、INバルブ47,49を遮断し、OUTバルブ48,50を開放し、ホイルシリンダ液をリザーバ59側に流出することで行われる。
【0014】
図3は第1実施例における前後輪補助操舵制御装置の基本構成を示す全体システム図である。
【0015】
車両の前輪1L,1Rには、ハンドル2への操舵入力に基づき左右の前輪操舵機構3L,3Rを介して前輪1L,1Rを操舵するステアリングユニット4が設けられている。更に、前輪操舵アクチュエータ37としてステアリングユニット4のラックチューブ(車体5に弾性体6を介して支持)をストロークさせることで前輪1L,1Rに補助舵角を与える前輪側油圧シリンダ7が設けられている。また、後輪操舵アクチュエータ38として、後輪8L,8Rには、左右の後輪操舵機構9L,9Rを介して後輪8L,8Rに補助舵角を与える後輪側油圧シリンダ10が設けられている。
【0016】
前輪側油圧シリンダ7及び後輪側油圧シリンダ10は、共通の油圧源ユニット11を油圧源としている。この油圧源ユニット11から前輪側フェールセーフバルブ12及び前輪側サーボバルブ13を介して制御圧を与えることで前輪側油圧シリンダ7が駆動する。また、油圧源ユニット11から後輪側フェールセーフバルブ14及び後輪側サーボバルブ15を介して制御圧を与えることで後輪側油圧シリンダ10が駆動する。尚、油圧源ユニット11には、エンジン16により駆動される油圧ポンプ11a,アンロードバルブ11b,圧力スイッチ11c,アキュムレータ11d,リザーバ11eから構成され、一定圧の作動油を供給する。
【0017】
前輪側フェールセーフバルブ12及び後輪側フェールセーフバルブ14は、操舵制御コントローラ30の指令に基づいてON/OFFの2位置が切り換えられる。また、前輪側サーボバルブ13及び後輪側サーボバルブ15は、操舵制御コントローラ30からサーボアンプ18,19を介した指令に基づいて右操舵,保持,左操舵の3位置が切り換え制御される。
【0018】
操舵制御コントローラ30には、車両の実車速Vを検出する車速センサ20(車速検出手段に相当),パルスエンコーダ等を用いて運転者の操舵角度θを検出する操舵角センサ21(ハンドル操舵角検出手段に相当),エンジン回転数センサ23,前輪側変位センサ24,後輪側変位センサ25,マスタシリンダ圧センサ26,ホイルシリンダ圧センサ27からの検出信号が入力される。これらの入力信号に基づいて、前輪補助舵角、後輪補助舵角及びブレーキ液圧を演算し、各アクチュエータに対して指令信号を出力する。以下、操舵制御コントローラ30の構成について説明する。
【0019】
図4は操舵制御コントローラ30の構成を表すブロック図である。操舵制御コントローラ30は、目標値生成部31、目標出力値生成部32、前輪操舵コントローラ34、後輪操舵コントローラ35及びブレーキコントローラ36から構成されている。
【0020】
目標値生成部31は、図5の目標値生成部31の構成を表すブロック図に示すように、車両モデル演算部311と目標値演算部312と制御モード選択演算部313から構成されている。
車両モデル演算部311は、操舵角度θと車体速Vから2輪モデルを用いて車両パラメータを演算する。車両パラメータの演算については後で詳細に説明する。
目標値演算部312は、操舵角度θ、車体速V及び車両パラメータから、車両の目標ヨーレイトψ'*と目標横速度V*yを決定する。
制御モード選択演算部313は、各種センサや各種アクチュエータの故障を検知し、検知された故障に応じた制御モードを決定する。
【0021】
目標出力値生成部32は、図6の目標出力値生成部32の構成を表すブロック図に示すように、目標前輪舵角演算部321,目標後輪舵角演算部322,制御配分補正部323及び目標ブレーキ液圧演算部324から構成されている。
【0022】
目標前輪舵角演算部321は、車両の目標ヨーレイトψ'*と目標横速度V*yと選択された制御モードから目標前輪舵角δ*を決定する。
【0023】
目標後輪舵角演算部322は、車両の目標ヨーレイトψ'*,目標横速度V*yと選択された制御モードから目標後輪舵角δ*を決定する。
【0024】
目標ブレーキ液圧演算部323は、車両の目標ヨーレイトψ'*,目標横速度V*y,制限された目標後輪舵角δlim *,目標前輪舵角θ*,及び選択された制御モードから目標ブレーキ液圧P* br(4輪分)を決定する。
【0025】
前輪操舵コントローラ34は、前輪側変位センサ24から検出された前輪の実舵角が目標前輪舵角θ*と一致するように前輪操舵アクチュエータ37を制御する。
【0026】
後輪操舵コントローラ35は、後輪側変位センサ25から検出された後輪の実舵角が目標前輪舵角δ*と一致するように後輪操舵アクチュエータ38を制御する。
【0027】
ブレーキコントローラ36は、マスタシリンダ圧センサ26及びホイルシリンダ圧センサ27から検出されたマスタシリンダ圧及び各輪のホイルシリンダ圧を各輪の目標ブレーキ液圧P* brと一致するようにブレーキアクチュエータ39を制御する。
【0028】
〔車両モデル演算部311における車両モデル演算〕
車両モデル演算部311は、以下に示す車両モデルから、車両パラメータを演算する。
一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨーレイトと横速度は、下記式1で表せる。
ここで、
である。
【0029】
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレイト、横速度の伝達関数を求めると、下記式(3)及び式(4)で表される。
となる。
【0030】
ヨーレイト伝達関数は、式3より下記式(5)と表される。
ここで、
【0031】
同様に横速度伝達関数は、式4より下記式7と表される。
ここで、
【0032】
以上から、車両パラメータ
が求められる。
【0033】
〔目標値演算部312における目標値演算〕
目標値演算部312における車速、車両パラメータと後述する目標値パラメータから目標ヨーレイトと目標横速度を求める。
【0034】
目標ヨーレイトは、式5から下記式9により表される。
【0035】
目標横速度は、式7から下記式10により表される。
【0036】
ここで、目標ヨーレイトのパラメータは、下記式11で表される。
ただし、yrate_gain_map,yrate_omegn_map,yrate_zeta_map,yrate_zero_mapはそれぞれ図7,図8,図9及び図10に示す車速に応じて設定されたマップから算出されるチューニングパラメータである。
【0037】
また、目標横速度のパラメータは、下記式12で表される。
ただし、vy_gain_map,vy_omegn_map,vy_zeta_map,vy_zero_mapはそれぞれ図11,図12,図13及び図14に示す車速に応じて設定されたマップから算出されるチューニングパラメータである。
【0038】
〔目標出力値生成部32における目標操舵角演算〕
(目標前輪舵角演算部321における目標前輪舵角演算)
目標ヨーレイト,目標横速度から目標前輪舵角θ*を算出する。ここで、式1の2輪モデルから、下記式13を得る。
このモデルから下記式14を得る。
よって、目標前輪舵角θ*は、下記式15により表される。
【0039】
(目標後輪舵角演算部322における目標後輪舵角演算)
目標ヨーレイト、横速度から式14に基づき目標後輪舵角δ*を算出すると、下記式16により表される。
【0040】
ただし、一般に後輪舵角には操舵角度に制限があるため、目標後輪舵角を下記式により上限付きの値として下記式18から得られる値δ* limとする。
ここで、δ* maxは、後輪最大操舵角とする。また、sign(a)とは、aの符号のみを出力するもので、a=10であれば、+1を出力し、a=-10であれば−1を出力する関数である。
【0041】
(目標ブレーキ液圧演算部324における目標ブレーキ液圧演算)
目標ヨーレイト,横速度,制限された目標後輪舵角δ* lim及び目標前輪舵角θ*から、各輪の目標ブレーキ液圧P* brを算出する。
目標ヨー角加速度ψ''*と、制限された目標後輪舵角δ* limを前提に計算された、制限された目標ヨー角加速度ψ''* limとの差分Δψ''*を補正するために、4輪のブレーキを使用する。ここで、式13に示す関係と、目標ヨー角加速度ψ''*と、制限された目標ヨー角加速度ψ''* limと、その差分Δψ''*の関係は下記式19により表される。
【0042】
【0043】
よって、下記式20の関係を得る。
【0044】
よって、目標ブレーキ液圧は下記式(21)により表される値となる。
ここで、
である。
【0045】
(故障検知後の制御モード選択制御)
次に、制御モード選択演算部313について説明する。図15は故障モード選択演算部313の制御ブロック図である。313aは、各種センサ及び各種アクチュエータの故障を検知する故障検知部、313bは検知された故障に基づいて故障系統を判断する故障系統判断部、313cは判断された故障系統に基づいて制御モードを選択する故障モード選択部である。
【0046】
故障モード選択部313c内に、制御目標値を車両のヨーレイトと横速度とし、制御出力手段として前輪操舵系統、後輪操舵系統、ブレーキ制御系統の3系統を備えた車両用舵角制御装置における故障検知時制御の状態遷移を表す。
【0047】
図16は制御モード選択制御を表すフローチャートである。
ステップ101では、故障を検知したかどうかを判断し、正常時のときはステップ107へ進み、それ以外はステップ102へ進む。
ステップ102では、表1に基づいて故障系統を判断する。
ステップ103では、表2に基づいて制御モードを選択する。
ステップ104では、三系統失陥かどうかを判断し、三系統失陥時はステップ105へ進み、それ以外はステップ106へ進む。
ステップ105では、車両運動制御システムを遮断する。
ステップ106では、選択された制御モードによる制御を実施する。
ステップ107では、警告灯を点灯する。
ステップ108では、三系統での通常制御を実施する。
【0048】
すなわち、正常状態から、故障検知部313aにおいて本装置を構成する部品の故障検知後、故障系統判断部313bにおいて、事前に定義した故障部品と制御系統の相関表から、故障した部品が影響を与える制御系統を決定する。表1は、故障部品と制御系統の相関を表す表である。
【表1】
【0049】
上記故障系統判断部313bにおいて決定した、影響を与える制御系統から、故障の影響の及ばない制御方法を、制御モード選択部313cにて選択し制御モードを決定する。表2に故障検知された制御系統の組み合わせと、選択された制御モードの組み合わせを表す。
【表2】
【0050】
表2に示すように、三系統失陥時にはシステムを遮断し、それ以外は制御可能な系統により車両運動制御を実施する。このとき、警告灯により運転者に異常を警告する。これにより、故障時に車両の挙動がほぼ目標値を達成できている場合であっても、運転者が正常時であると誤認する可能性を低減することができる。
【0051】
以上説明したように、制御系統の故障に応じて制御可能な系統を選択し、車両運動制御を実行することで、車両の安定性を確保することができる。
【0052】
(シミュレーション)
図17には、ブレーキアクチュエータが故障した場合に、圧雪路にて、車速80km/h、レーンチェンジを想定した走行条件における結果を示す。運転者操舵角計算は、ドライバモデルとして広く知られている、横変位及びヨーレイトをフィードバックし目標軌跡を追従するように運転者が操舵を行う前方注視点ドライバモデルを使用した。
【0053】
故障検知部313aにおいてブレーキアクチュエータの故障を検出したときは、影響を与える制御系統としてブレーキ制御系統が選択される。次に、制御モード選択部313cにおいて、ブレーキ制御系統が故障している場合の制御モードとして、目標値をヨーレイトと横速度とし、制御対象となる系統として、前輪操舵系統と後輪操舵系統を選択する。
【0054】
図17(a)は運転者の操舵角と目標前輪操舵角を表し、図17(b)は目標後輪舵角を表し、図17(c)は目標発生ヨーレイト及び発生ヨーレイトを表す図である。図17(c)に示すように、ブレーキアクチュエータの故障によりブレーキ制御を中止した場合でも、前輪操舵機能と後輪操舵機能を用いて安定した車両挙動を実現できることが分かる。
【0055】
なお、本実施の形態では、前輪及び後輪操舵アクチュエータとして油圧式のものを用いたが、油圧式に代えて、例えば特開平11−91609号公報に記載のような電動式の構成を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるブレーキ装置の基本構成を表す概略図である。
【図2】第1実施例におけるブレーキ装置の油圧回路を表す回路図である。
【図3】第1実施例における基本構成を示す概略図である。
【図4】第1実施例における、操舵制御コントローラの構成を表すブロック図である。
【図5】第1実施例における、目標値生成部の構成を表すブロック図である。
【図6】第1実施例における、目標出力値生成部の構成を表すブロック図である。
【図7】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図8】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図9】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図10】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図11】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図12】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図13】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図14】第1実施例におけるヨーレイトパラメータを表すマップである。
【図15】第1実施例における故障モード選択演算部の構成を表すブロック図である。
【図16】第1実施例における、車両運動制御の制御内容を表すフローチャートである。
【図17】第1実施例におけるシミュレーション結果を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1L,1R 前輪
2 ハンドル
3L,3R 前輪操舵機構
4 ステアリングユニット
5 車体
6 弾性体
7 前輪側油圧シリンダ
8L,8R 後輪
9L,9R 後輪操舵機構
10 後輪側油圧シリンダ
11 油圧源ユニット
11a 油圧ポンプ
11b アンロードバルブ
11c 圧力スイッチ
11d アキュムレータ
11e リザーバ
12 前輪側フェールセーフバルブ
13 前輪側サーボバルブ
14 後輪側フェールセーフバルブ
15 後輪側サーボバルブ
16 エンジン
18,19 サーボアンプ
20 車速センサ
21 操舵角センサ
23 エンジン回転数センサ
24 前輪側変位センサ
25 後輪側変位センサ
26 マスタシリンダ圧センサ
27 ホイルシリンダ圧センサ
30 操舵制御コントローラ
31 目標値生成部
32 目標出力値生成部
34 前輪操舵コントローラ
35 後輪操舵コントローラ
36 ブレーキコントローラ
37 前輪操舵アクチュエータ
38 後輪操舵アクチュエータ
39 ブレーキアクチュエータ
41L,41R,42L,42R ホイルシリンダ
43 ブレーキペダル
44 マスタシリンダ
45 P系統カットバルブ
46 S系統吸入バルブ
51 P系統吸入バルブ
52 S系統カットバルブ
57,58 制御用油圧源
59,60 リザーバ
61 モータ
311 車両モデル演算部
312 目標値演算部
321 目標後輪舵角演算部
322 目標前輪舵角演算部
323 目標ブレーキ液圧演算部
Claims (2)
- ハンドル操舵角を検出するハンドル操舵角検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前輪に補助舵角を付与する前輪補助舵角付与手段を備えた前輪補助操舵制御系統と、
後輪に補助舵角を付与する後輪補助舵角付与手段を備えた後輪補助操舵制御系統と、
運転者のブレーキペダル操作により液圧を発生するマスタシリンダ及び任意の液圧を発生可能な液圧ポンプを液圧源とし、車両各輪のホイルシリンダのブレーキ圧力を任意に制御可能なブレーキ手段を備えたブレーキ制御系統と、
検出されたハンドル操舵角及び車速に応じた目標ヨーレイト及び目標横速度に基づいて、目標前輪舵角、目標後輪舵角及び各輪の目標ブレーキ液圧を算出し、前記前輪補助舵角付与手段、前記後輪補助舵角付与手段及び前記ブレーキ手段に指令信号を出力する車両運動制御手段と、
を備えた車両運動制御装置において、
前記各手段の故障を検知する故障検知手段と、
検出された故障が影響を与える制御系統を判断する故障系統判断手段と、
検出された故障の影響を受けない制御系統に基づく制御モードを選択する制御モード選択手段と、
を設け、
前記制御モード選択手段は、前記前輪補助操舵制御系統のみ影響を受ける故障が検出された場合、前記後輪補助操舵制御系統および前記ブレーキ制御系統に基づく制御モードを選択し、前記後輪補助操舵制御系統のみ影響を受ける故障が検出された場合、前記前輪補助操舵制御系統および前記ブレーキ制御系統に基づく制御モードを選択し、前記ブレーキ制御系統のみ影響を受ける故障が検出された場合、前記前輪補助操舵制御系統および前記後輪補助操舵制御系統に基づく制御モードを選択し、
前記車両運動制御手段は、各制御系統のいずれか一つに影響を与える故障が検知されたとしても、該故障の影響を受けない他の二つの制御系統に基づいて選択された制御モードにより車両運動制御を実行する故障時車両運動制御部を有することを特徴とする車両運動制御装置。 - 請求項1に記載の車両運動制御装置において、
前記車両運動制御手段は、前記故障時車両運動制御部による車両運動制御を実行していることを運転者に警告する警告部を有することを特徴とする車両運動制御装置。
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