JP4067746B2 - Laminated stretch film for packaging - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は食品等の包装に好適に用いられるストレッチフィルムに関し、特に、塩素を含まない材料からなる包装用積層ストレッチフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、青果物、精肉、惣菜等を軽量トレーに載せて透明フィルムで包装する、いわゆるプリパッケージに用いられる包装用フィルムとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)系のものが主に使用されてきた。PVC系の包装用フィルムは包装効率がよく、包装仕上がりも綺麗である等の包装適性に優れており、また、包装後のフィルムに指で押したり等の押圧変形を加えても、すぐ元の状態に回復する弾性回復性に優れ、かつ底シール性も良好であるので輸送や陳列中にフィルムが剥がれることがなく、販売者、消費者の双方に認められた品質の優位性を持っているためである。
しかし、近年、ポリ塩化ビニル系フィルムは焼却時に塩化水素ガスが発生したり、多量に含有する可塑剤が溶出することがあるので、ポリ塩化ビニル系フィルムに代わる代替材料の研究が行われるようになった。例えばポリオレフィン系樹脂を用いた構成の包装用ストレッチフィルム等が各種提案されており、特開平5−51468号公報には、α−オレフィンに由来する繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有し、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン系共重合体からなる包装用フィルムが提案されている。これらの包装用フィルムは透明性、引裂強度、突刺強度、低温ヒートシール性、弾性回復性などの特性は良好であるが、環状オレフィン系共重合体は融点が低くヒートシール温度幅が狭いためヒートシール時に穴があきやすく商品価値が低下したり、また単体フィルムではゴム弾性が強いので、包装時にカット不良を起こしやすい等という問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、適度な滑り性、自己粘着性、防曇性を有することは勿論のこと、環状オレフィン系共重合体からなるフィルムが有する透明性、引裂強度、突刺強度、低温ヒートシール性、弾性回復性などの特性を活かしつつ、実用的なヒートシール性と包装適性とを有するという、性能バランスのとれた包装用積層ストレッチフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の包装用ストレッチフィルムは、両外層を構成する(A)層と、該両外層の間に位置する(B)層とを有する包装用積層ストレッチフィルムであって、該(A)層が、α−オレフィンに由来する繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有し、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン系共重合体99.5〜90重量%と防曇剤0.5〜10重量%とからなる樹脂組成物を主成分として有し、該(B)層が、示差走査熱量計を用いて測定される結晶融解ピーク温度が該(A)層の樹脂組成物の結晶融解ピーク温度より20℃以上高いポリオレフィン系樹脂を主成分として有することを特徴とする。ここで、前記環状オレフィン系共重合体のα−オレフィンに由来する繰り返し単位はエチレンであり、前記環状オレフィンに由来する繰り返し単位はノルボルネン系誘導体であることができる。
また、前記(B)層におけるポリオレフィン系樹脂は、示差走査熱量計を用いて測定される結晶融解ピーク温度が120℃以上の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体及び/または結晶融解ピーク温度が130℃以上のプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体およびリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂であることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の包装用積層ストレッチフィルムは、両外層を構成する(A)層および、両外層の間に位置する内層の(B)層を有する。外層を構成する(A)層は、α−オレフィンに由来する繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有し、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン系共重合体99.5〜90重量%と防曇剤0.5〜10重量%とからなる樹脂組成物を主成分とする。
【0006】
α−オレフィンに由来する繰り返し単位としては、必ずしも限定されないが、下記一般式[X]で表わされる繰り返し単位が挙げられる。
【化1】
【0007】
環状オレフィンに由来する繰り返し単位としては、必ずしも限定されないが、下記一般式[Y]で表わされる繰り返し単位が挙げられる。
【化2】
ただし式中、Rb〜Rmは、それぞれ水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基を示し、Rb〜Rmはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、Rj又はRkとRl又はRmとは互いに環を形成してもよい。また、nは0以上の整数を示す。
【0008】
ここで、炭素数1〜20の炭化水素基として、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基などの炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基もしくはアリールアルキル基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基などの炭素数1〜20のアルキリデン基、ビニル基、アリル基などの炭素数2〜20のアルケニル基等を挙げることができる。但し、Rb、Rc、Rf、Rgについてはアルキリデン基は除外され、また、Rd、Re、Rh〜Rmのいずれかがアルキリデン基の場合、それが結合している炭素原子は他の置換基を有さない。
酸素原子を含む置換基として具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基などの炭素数1〜20のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
窒素原子を含む置換基として具体的には、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などの炭素数1〜20のアルキルアミノ基やシアノ基等を挙げることができる。
【0009】
一般式[Y]で示される繰り返し単位を与える環状オレフィンの具体例としては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネンなどを挙げることができ、この中でノルボルネン系誘導体が好適に使用される。
【0010】
本発明で用いる環状オレフィン系共重合体は、基本的には、上述したようなα−オレフィン成分と環状オレフィン成分とからなるものであるが、本発明の目的を損なわない範囲で、これら必須の2成分の他に、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもかまわない。
【0011】
本発明において環状オレフィン系共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下であることが必要であり、−20℃から+20℃の範囲内であることが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が30℃を超えると引張弾性率が高くなり、ストレッチ包装時に大きな力を要するようになったり、弾性回復性も低下し包装適性が劣る。なお、本発明において使用するガラス転移温度(Tg)は、次のようにして求めた値である。すなわち、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターVES−F3を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E")のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
【0012】
本発明において、環状オレフィン系共重合体を構成する、α−オレフィン成分に由来する繰り返し単位(例えば一般式[X]で表される繰り返し単位)の含有率と環状オレフィン成分に由来する繰り返し単位(一般式[Y]で表される繰り返し単位)の含有率との比(例えば、[X]:[Y])は、α−オレフィン、環状オレフィンの種類及び組合わせにより異なり、一般的に規定することは必ずしもできないが、通常80〜99.9モル%:20〜0.1モル%、好ましくは82〜99.5モル%:18〜0.5モル%、特に好ましくは85〜98モル%:15〜2モル%である。一般式[X]で表される繰り返し単位の含有率が80モル%未満であると、共重合体のガラス転移点、引張弾性率が高くなり、フィルムの弾性回復性が不充分となることがある。一方、α−オレフィン成分に由来する繰り返し単位の含有率が99.9モル%を超えると、環状オレフィン成分の導入効果が不充分となることがある。なお、α−オレフィン組成および環状オレフィン組成は13C−NMRによって測定される。
【0013】
(A)層を構成する防曇剤は、一般に防曇剤として用いられているものがそのまま使用でき特に制限はない。例えば、炭素数が1〜12、好ましくは1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数が10〜22、好ましくは12〜18の脂肪酸との化合物である脂肪族アルコール系脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、モノグリセリンオレート、ジグリセリンモノオレート、ポリグリセリンオレート、グリセリントリリシノレート、グリセリンアセチルリシノレート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンラウレート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピレングリコールオレート、プロピレングリコールラウレート、ペンタエリスリトールオレート、ポリエチレングリコールオレート、ポリプロピレングリコールオレート、ソルビタンオレート、ソルビタンラウレート、ポリエチレングリコールソルビタンオレート、ポリエチレングリコールソルビタンラウレート等を挙げることができる。防曇剤は(A)層中に0.5〜10重量%の範囲で、好適には1〜8重量%の範囲で配合する。防曇剤の含有量が0.5重量%より少ない場合は防曇効果が得られにくく、一方10重量%を超えると防曇剤のブリードのために透明性などが悪化する。
【0014】
本発明において、両外層を構成する(A)層の樹脂組成物、層厚さ等は、同一でも異なっていてもよい。
【0015】
本発明において、内層を構成する(B)層は、示差走査熱量計を用いて測定される結晶融解ピーク温度が(A)層の樹脂組成物の結晶融解ピーク温度より20℃以上高いポリオレフィン系樹脂を主成分とする耐熱層である。
【0016】
(B)層に使用するポリオレフィン系樹脂は、特に制限はなく、1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもかまわないが、示差走査熱量計を用いて測定される(B)層全体の結晶融解ピーク温度が外層である(A)層より20℃以上高いことが必要であり、30℃以上高いことが好ましい。(A)層と(B)層との結晶融解ピーク温度差が20℃未満では、ヒートシール温度の幅が狭くなってしまうので、実用的なヒートシール特性が得られず、ヒートシール時に穴があきやすい。
ここで用いられるポリオレフィン系樹脂は、結晶融解ピーク温度が120℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは130℃以上である。
(B)層に使用するポリオレフィン系樹脂としては、具体的には後述する(B−1)〜(B−6)などの樹脂を挙げることができるが、ストレッチフィルムとしての諸特性および経済性の面から示差走査熱量計を用いて測定される結晶融解ピーク温度が120℃以上の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体及び/または130℃以上のプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体およびリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。
【0017】
(B)層に使用されるポリオレフィン系樹脂として挙げられる(B−1)〜(B−6)について、以下に説明する。
(B−1) エチレン単独重合体あるいはエチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとの共重合体である。ここでエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が例示される。コモノマーとしてのα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。
【0018】
(B−2) エチレンと酢酸ビニルエステル、脂肪族不飽和カルボン酸および脂肪族不飽和モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1つの単量体とからなるエチレン系共重合体である。具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分より選ばれる)共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜8のアルコールの成分より選ばれる)共重合体等が挙げられるが、これら2成分の共重合体に限定されることなく、更に第3の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸および脂肪族不飽和カルボン酸エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。エチレンと共重合されるカルボン酸又はカルボン酸エステル基の含有量は、通常3〜35重量%である。
【0019】
(B−3) エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと脂肪族不飽和カルボン酸より選ばれた単量体とからなる共重合体の金属塩(好ましい金属はZn、Na、K、Li、Mg等)である。
【0020】
(B−4) プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体又はブロック共重合体。ただし、これらの立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体でもかまわない。共重合可能な他の単量体としては、エチレンや1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィンおよびジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が挙げられるが、これらの2種類以上が共重合されていてもよい。本発明においては、これらのうちエチレンであることが好ましい。
ここでランダム共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などが挙げられ、ブロック共重合体としては、プロピレン−エチレンブロック共重合体やリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーなどが挙げられ、具体的な商品としては、チッソ(株)の商品名「NEWCON」、モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)製の商品名「Catalloy」等が市販されている。
【0021】
(B−5) 1−ブテン含量が70モル%以上の結晶性樹脂であり、他の単量体(エチレン、プロピレンの他、炭素数5〜8のα−オレフィン)の1種または2種以上と共重合した共重合体である。
【0022】
(B−6) 4−メチル−ペンテン−1及び/または3−メチル−ペンテン−1の単独重合体あるいはこれらと共重合可能な他の単量体(メチル−ペンテン−1以外の炭素数2〜20のα−オレフィンなど)との共重合体
【0023】
内層を構成する(B)層には、本発明の主旨を超えない範囲で、例えば、トリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や諸物性をさらに向上させる目的で必要に応じて、石油樹脂類、パラフィン系オイル、液状ポリブテン、ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとの共重合体(ブロックおよびランダム)またはその水素添加誘導体、芳香族モノマーとエチレンおよび/または他のα−オレフィンとの共重合体などを混合してもかまわない。
また(B)層には、防曇剤を混合することもでき、好ましく用いられる防曇剤としては、(A)層に用いられる防曇剤と同一のものが挙げられる。
【0024】
本発明の包装用積層ストレッチフィルムの各層には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜混合してもかまわない。
【0025】
一般に本発明の包装用積層ストレッチフィルムの厚さは、通常の包装用ストレッチフィルムの厚さと同程度の範囲、すなわち8〜30μm程度、代表的には10〜20μm程度の範囲にある。また各層の厚み比は、特に制限されるものではないが、全体の厚みに対して(A)層2層の合計が0.8〜0.1、(B)層が0.2〜0.9程度であることが好ましく、さらに(A)層の合計が0.7〜0.2、(B)層が0.3〜0.8であることがストレッチフィルムとしての諸特性および経済性の面から好ましい。なお、1層の(A)層の厚さは1〜10μmであり、(B)層の厚さは3〜20μmであることが好ましい。
本発明においては、(B)層は2層以上から形成されていてもよく、また、(A)層、(B)層以外の他の層を、必要に応じて形成してもよい。
【0026】
本発明の包装用積層ストレッチフィルムは、Tダイ押出機等から材料を溶融押出しする押出成形、環状(リング)ダイ等から溶融樹脂をブロー押出しするインフレーション成形等によりフィルム状に成形される。積層フィルムとするには複数の押出機を用いて多層ダイにより共押出しすることが有利である。
実用的には、環状(多層)ダイから材料樹脂を溶融押出してインフレーション成形することが好ましく、その際のブローアップ比(膨らまされた筒形状のフィルムの直径/環状ダイの直径)は4以上が好ましく、特に5〜7の範囲であることが好適である。その際の冷却方法としては、筒形状のフィルムの外面から冷却する方法、筒形状のフィルムの外面と内面との両面から冷却する方法のどちらでも良い。さらに、得られたフィルムは延伸されてもよく、例えば、樹脂の結晶化温度以下に加熱し、ニップロール間の速度差を利用してフィルムの縦方向に1.2〜5倍延伸すること、又はフィルムの縦横両方向に1.2〜5倍に二軸延伸することができる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示されるフィルムについての種々の測定値および評価は次のようにして行った。ただし、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交する方向を横方向と称す。
【0028】
1)結晶融解ピーク温度
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計、商品名「DSC−7」を用いて、試料10mgをJISK7121に準じて、加熱速度10℃/分で昇温したときのサーモグラムから求めた。
2)ガラス転移温度(Tg)
岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーター、商品名「VES−F3」を用い、振動周波数10Hz、昇温速度1℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピーク値を求め、その時の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
3)包装適性、底シール性
幅350mmの包装用積層ストレッチフィルムを用いて、自動包装機((株)イシダ社製 商品名「ISIDA・Wmini MK−II」)により発泡ポリスチレン製のトレイ(長さ200mm、幅130mm、高さ30mm)を包装し、包装適性として仕上がり適性について、また底シール性について評価した。ただし、仕上がり適性、底シール性の評価方法、評価基準は表1に示す。
【0029】
(実施例1)
両外層の(A)層として、エチレン−ノルボルネン共重合体(Tg:2℃、エチレン含量:94モル%、結晶融解ピーク温度:99℃、190℃、荷重21.18NにおけるMFR:1.5g/10分)98重量%に防曇剤としてジグリセリンモノオレート2重量%を混練した樹脂組成物を用い、内層の(B)層として、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィン:1−ブテン、190℃、荷重21.18NでのMFR:1.8g/10分、結晶融解ピーク温度:123℃)を用いて、環状3層ダイ温度が190℃、ブローアップ比5.5で共押出インフレーション成形を行い、総厚みが15μm((A)/(B)/(A)=2.5μm/10μm/2.5μm)の包装用積層ストレッチフィルムを得た。
得られたフィルムについて、包装適性および底シール性の評価を行った。その結果は表2に示す。
【0030】
(実施例2)
実施例1において、(B)層の樹脂組成物を、直鎖状低密度ポリエチレン70重量%とプロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:4モル%、230℃、荷重21.18NにおけるMFR:2.3g/10分、結晶融解ピーク温度:147℃)30重量%とからなる混合樹脂組成物100重量部に対し、防曇剤としてジグリセリンモノオレートを2.0重量部含有する樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、包装用積層ストレッチフィルムを得た。
得られたフィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果は表2に示す。
【0031】
(実施例3)
実施例2において、各層の厚さを、(A)/(B)/(A)=4.5μm/6μm/4.5μmと変更した以外は実施例2と同様にして、総厚み15μmの包装用積層ストレッチフィルムを作製した。
得られたフィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果は表2に示す。
【0032】
(比較例1)
実施例1で作製した外層(A)用の樹脂組成物を環状ダイに投入し、実施例1と同様にして、環状ダイ温度が190℃、ブローアップ比が5.5でインフレーション成形により厚み15μmの単層フィルムを作製した。
得られたフィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。その結果は表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
表2から明らかなように、実施例1〜3の包装用積層ストレッチフィルムは、両外層の環状オレフィン系共重合体の結晶融解ピーク温度よりも内層の樹脂組成物の結晶融解ピーク温度が20℃以上高いので、ヒートシール時に熱により穴があくことがなく、かつ、環状オレフィン系共重合体の弾性回復性等の特性を保持しているため良好な包装適性が得られることが分かる。
一方、比較例1では、ヒートシール温度幅が狭いためヒートシール時に穴があき、実用上問題のあることが分かる。
なお、実施例1〜3の本発明の包装用積層ストレッチフィルムは、適度な滑り性、自己粘着性、防曇性を有し、引裂強度、突刺強度、弾性回復性を有することも確認した。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、適度なすべり性、自己粘着性、防曇性を有し、また環状オレフィン系共重合体からなるフィルムが有する透明性、引裂強度、突刺強度、弾性回復性などの特性を活かしつつ、実用的なヒートシール性と包装適性とのバランスのとれた包装用積層ストレッチフィルムが提供できる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a stretch film suitably used for packaging foods and the like, and particularly to a laminated stretch film for packaging made of a material not containing chlorine.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a polyvinyl chloride (PVC) film has been mainly used as a packaging film used for so-called pre-packaging, in which fruits and vegetables, meat, side dishes, etc. are placed on a lightweight tray and packaged with a transparent film. PVC-based packaging film has good packaging efficiency such as good packaging efficiency and beautiful packaging finish. Also, even if the film after packaging is pressed with a finger or deformed, Excellent resilience to recover to the condition and good bottom seal, so the film does not peel off during transportation and display, and has the quality advantages recognized by both sellers and consumers Because.
However, in recent years, polyvinyl chloride film may generate hydrogen chloride gas during incineration or a large amount of plasticizer may be eluted, so that research on alternative materials to replace polyvinyl chloride film may be conducted. became. For example, various stretch films for packaging having a configuration using a polyolefin-based resin have been proposed. Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-51468 has a repeating unit derived from an α-olefin and a repeating unit derived from a cyclic olefin. And the film for packaging which consists of a cyclic olefin type copolymer whose glass transition temperature (Tg) is 30 degrees C or less is proposed. These packaging films have good properties such as transparency, tear strength, puncture strength, low-temperature heat sealability, and elastic recovery, but cyclic olefin copolymers have a low melting point and a narrow heat-sealing temperature range. There was a problem that holes were easily pierced at the time of sealing, and the product value was lowered, and the rubber elasticity of the single film was strong, so that cut defects were likely to occur during packaging.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems, and the object of the present invention is a cyclic olefin copolymer as well as appropriate slipperiness, self-adhesiveness and antifogging property. Laminate stretch for packaging that balances performance, taking advantage of the transparency, tear strength, puncture strength, low-temperature heat sealability, elastic recovery properties, etc. of the film while having practical heat sealability and packaging suitability. To provide a film.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The stretch film for packaging according to the present invention is a laminated stretch film for packaging having (A) layer constituting both outer layers and (B) layer positioned between both outer layers, wherein the (A) layer is , 99.5 to 90% by weight of a cyclic olefin copolymer having a repeating unit derived from an α-olefin and a repeating unit derived from a cyclic olefin and having a glass transition temperature (Tg) of 30 ° C. or less and anti-fogging A resin composition composed of 0.5 to 10% by weight of an agent, and the (B) layer has a crystal melting peak temperature measured using a differential scanning calorimeter, the resin of the (A) layer It has a polyolefin resin as a main component that is 20 ° C. or more higher than the crystal melting peak temperature of the composition. Here, the repeating unit derived from the α-olefin of the cyclic olefin copolymer may be ethylene, and the repeating unit derived from the cyclic olefin may be a norbornene derivative.
The polyolefin resin in the layer (B) is a linear ethylene-α-olefin copolymer having a crystal melting peak temperature of 120 ° C. or higher and / or a crystal melting peak temperature measured using a differential scanning calorimeter. Can be at least one polyolefin resin selected from the group consisting of a propylene-ethylene random copolymer, a propylene-ethylene-butene-1 copolymer of 130 ° C. or higher, and a reactor type polypropylene elastomer.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below.
The laminated stretch film for packaging of the present invention has (A) layer constituting both outer layers and (B) layer of inner layer located between both outer layers. The (A) layer constituting the outer layer has a repeating unit derived from an α-olefin and a repeating unit derived from a cyclic olefin, and a cyclic olefin copolymer 99 having a glass transition temperature (Tg) of 30 ° C. or lower. The main component is a resin composition comprising 5 to 90% by weight and 0.5 to 10% by weight of an antifogging agent.
[0006]
Although it does not necessarily limit as a repeating unit derived from an alpha olefin, The repeating unit represented by the following general formula [X] is mentioned.
[Chemical 1]
However, in the formula, R a represents a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms. Here, examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include a methyl group, an ethyl group, an isopropyl group, an isobutyl group, an n-butyl group, an n-hexyl group, an octyl group, and an octadecyl group. Specific examples of the α-olefin that gives the repeating unit represented by the general formula [X] include, for example, ethylene, propylene, 1-butene, 3-methyl-butene-1, 4-methyl-pentene-1, 1 -Hexene, 1-octene, decene, eicosene and the like can be mentioned, among which ethylene is preferably used.
[0007]
Although it does not necessarily limit as a repeating unit derived from a cyclic olefin, The repeating unit represented by the following general formula [Y] is mentioned.
[Chemical 2]
In the formula, R b to R m each represent a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or a substituent containing an oxygen atom or a nitrogen atom, and R b to R m are the same as or different from each other. R j or R k and R 1 or R m may form a ring with each other. N represents an integer of 0 or more.
[0008]
Here, specific examples of the hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group, an n-butyl group, an isobutyl group, a t-butyl group, and a hexyl group. 1 to 20 carbon atoms such as alkyl groups having 1 to 20 carbon atoms, phenyl groups, tolyl groups, benzyl groups and the like, aryl groups having 6 to 20 carbon atoms, alkylaryl groups or arylalkyl groups, methylidene groups, ethylidene groups, and propylidene groups. Examples thereof include alkenyl groups having 2 to 20 carbon atoms such as ˜20 alkylidene groups, vinyl groups, and allyl groups. However, an alkylidene group is excluded for R b , R c , R f , and R g , and when any of R d , R e , R h to R m is an alkylidene group, the carbon to which it is bonded. The atom has no other substituents.
Specific examples of the substituent containing an oxygen atom include, for example, an alkoxy group having 1 to 20 carbon atoms such as a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, and a phenoxy group, and 1 to 20 carbon atoms such as a methoxycarbonyl group and an ethoxycarbonyl group. And the like.
Specific examples of the substituent containing a nitrogen atom include an alkylamino group having 1 to 20 carbon atoms such as a dimethylamino group and a diethylamino group, a cyano group, and the like.
[0009]
Specific examples of the cyclic olefin that gives the repeating unit represented by the general formula [Y] include, for example, norbornene, 5-methylnorbornene, 5-ethylnorbornene, 5-propylnorbornene, 5,6-dimethylnorbornene, and 1-methylnorbornene. 7-methylnorbornene, 5,5,6-trimethylnorbornene, 5-phenylnorbornene, 5-benzylnorbornene, 5-ethylidenenorbornene, 5-vinylnorbornene, 1,4,5,8-dimethano-1,2,3 4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene, 2-methyl-1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene, 2, -Ethyl-1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene 2,3-dimethyl-1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene, 2-hexyl-1,4,5,8-dimethano -1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene, 2-ethylidene-1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a -Octahydronaphthalene, 1,5-dimethyl-1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene, 2-cyclohexyl-1,4,5 , 8-Dimethano-1,2,3,4,4a, 5,8,8a-octahydronaphthalene, 2-isobutyl-1,4,5,8-dimethano-1,2,3,4,4a, 5 , 8,8a-octahydronaphthalene, 1,2-dihydrodicyclopentadiene, 5-methyl Carboxymethyl-norbornene, 5,6-dicarboxyl norbornene en hydrate, 5-dimethylamino-norbornene, and the like can be illustrated. 5-cyano-norbornene, norbornene derivatives are suitably used in this.
[0010]
The cyclic olefin copolymer used in the present invention is basically composed of the α-olefin component and the cyclic olefin component as described above. However, these essential olefins are within the range not impairing the object of the present invention. In addition to the two components, other copolymerizable unsaturated monomer components may be contained as required.
[0011]
In the present invention, the cyclic olefin copolymer is required to have a glass transition temperature (Tg) of 30 ° C. or lower, and is preferably in the range of −20 ° C. to + 20 ° C. When the glass transition temperature (Tg) exceeds 30 ° C., the tensile elastic modulus becomes high, and a large force is required at the time of stretch wrapping, and the elastic recovery property is also lowered, resulting in poor packaging suitability. In addition, the glass transition temperature (Tg) used in this invention is the value calculated | required as follows. That is, using a viscoelastic spectrometer VES-F3 manufactured by Iwamoto Seisakusho Co., Ltd., measured at a vibration frequency of 10 Hz and a temperature rising rate of 1 ° C./min, the peak value of the loss elastic modulus (E ″) was obtained from the obtained data. The temperature at that time was defined as the glass transition temperature (Tg).
[0012]
In the present invention, the content of the repeating unit derived from the α-olefin component (for example, the repeating unit represented by the general formula [X]) constituting the cyclic olefin copolymer and the repeating unit derived from the cyclic olefin component ( The ratio (for example, [X]: [Y]) with the content of the repeating unit represented by the general formula [Y] varies depending on the type and combination of the α-olefin and the cyclic olefin, and is generally defined. Although it is not always possible, it is usually 80 to 99.9 mol%: 20 to 0.1 mol%, preferably 82 to 99.5 mol%: 18 to 0.5 mol%, particularly preferably 85 to 98 mol%: 15 to 2 mol%. When the content of the repeating unit represented by the general formula [X] is less than 80 mol%, the glass transition point and the tensile elastic modulus of the copolymer are increased, and the elastic recoverability of the film may be insufficient. is there. On the other hand, if the content of the repeating unit derived from the α-olefin component exceeds 99.9 mol%, the effect of introducing the cyclic olefin component may be insufficient. The α-olefin composition and the cyclic olefin composition are measured by 13 C-NMR.
[0013]
As the antifogging agent constituting the layer (A), those generally used as an antifogging agent can be used as they are, and there is no particular limitation. For example, an aliphatic alcohol fatty acid ester which is a compound of an aliphatic alcohol having 1 to 12 carbon atoms, preferably 1 to 6 carbon atoms, and a fatty acid having 10 to 22 carbon atoms, preferably 12 to 18 carbon atoms, may be mentioned. Specifically, monoglycerin oleate, diglycerin monooleate, polyglycerin oleate, glycerin triricinoleate, glyceryl acetyl ricinoleate, polyglyceryl stearate, polyglycerin laurate, methyl acetyl ricinoleate, ethyl acetyl ricinoleate, butyl acetyl ricin Norate, propylene glycol oleate, propylene glycol laurate, pentaerythritol oleate, polyethylene glycol oleate, polypropylene glycol oleate, sorbitan oleate, sorbitan laurate, polyethylene Glycol sorbitan oleate, and polyethylene glycol sorbitan laurate. The antifogging agent is blended in the layer (A) in the range of 0.5 to 10% by weight, preferably in the range of 1 to 8% by weight. When the content of the antifogging agent is less than 0.5% by weight, it is difficult to obtain an antifogging effect, while when it exceeds 10% by weight, transparency and the like deteriorate due to bleeding of the antifogging agent.
[0014]
In the present invention, the resin composition of the (A) layer constituting both outer layers, the layer thickness and the like may be the same or different.
[0015]
In the present invention, the (B) layer constituting the inner layer is a polyolefin resin having a crystal melting peak temperature measured by using a differential scanning calorimeter of 20 ° C. or more higher than the crystal melting peak temperature of the resin composition of the (A) layer. It is a heat-resistant layer containing as a main component.
[0016]
The polyolefin-based resin used for the layer (B) is not particularly limited and may be used alone or in combination of two or more, but is measured using a differential scanning calorimeter (B). The crystal melting peak temperature of the entire layer needs to be 20 ° C. or more higher than the outer layer (A), and preferably 30 ° C. or more. If the difference in crystal melting peak temperature between the (A) layer and the (B) layer is less than 20 ° C., the width of the heat seal temperature becomes narrow, so practical heat seal characteristics cannot be obtained, and holes are not formed during heat seal. Easy to open.
The polyolefin resin used here preferably has a crystal melting peak temperature of 120 ° C. or higher, more preferably 130 ° C. or higher.
Specific examples of the polyolefin-based resin used for the (B) layer include resins such as (B-1) to (B-6) described later. A linear ethylene-α-olefin copolymer having a crystal melting peak temperature of 120 ° C. or higher and / or a propylene-ethylene random copolymer having a crystal melting peak temperature of 120 ° C. or higher, and propylene-ethylene, measured using a differential scanning calorimeter from the surface. -At least one polyolefin resin selected from a butene-1 copolymer and a reactor type polypropylene elastomer is preferably used.
[0017]
(B-1) to (B-6) mentioned as polyolefin-based resins used for the (B) layer will be described below.
(B-1) An ethylene homopolymer or a copolymer of ethylene and an α-olefin having 3 to 20 carbon atoms. Examples of the α-olefin copolymerized with ethylene include propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-nonene, 1-decene, and 3-methyl-butene. -1,4-methyl-pentene-1 and the like. The α-olefin as a comonomer may be used alone or in combination of two or more.
[0018]
(B-2) An ethylene copolymer comprising ethylene and at least one monomer selected from vinyl acetate, aliphatic unsaturated carboxylic acid and aliphatic unsaturated monocarboxylic acid alkyl ester. Specifically, an ethylene-acrylic acid copolymer, an ethylene-methacrylic acid copolymer, an ethylene-acrylic acid ester (selected from components of an alcohol having 1 to 8 carbon atoms such as methyl, ethyl, propyl, butyl) Polymers, ethylene-methacrylic acid esters (chosen from components of alcohols having 1 to 8 carbon atoms such as methyl, ethyl, propyl, butyl, etc.) copolymers, etc. are mentioned, but are limited to these two-component copolymers. And a third or more multi-component copolymer (for example, a ternary or higher copolymer appropriately selected from ethylene, an aliphatic unsaturated carboxylic acid, and an aliphatic unsaturated carboxylic acid ester). Etc.). The content of carboxylic acid or carboxylic acid ester group copolymerized with ethylene is usually 3 to 35% by weight.
[0019]
(B-3) A metal salt of a copolymer comprising an α-olefin such as ethylene or propylene and a monomer selected from an aliphatic unsaturated carboxylic acid (preferred metals are Zn, Na, K, Li, Mg, etc.) ).
[0020]
(B-4) A random copolymer or block copolymer of a homopolymer of propylene or another monomer copolymerizable with propylene. However, these three-dimensional structures are not particularly limited, and may be isotactic, atactic, syndiotactic, or a polymer having a mixed structure thereof. Examples of other copolymerizable monomers include α-olefins having 4 to 12 carbon atoms such as ethylene, 1-butene, 1-hexene, 4-methyl-pentene-1, 1-octene, and divinylbenzene, Although dienes, such as 4-cyclohexadiene, dicyclopentadiene, cyclooctadiene, ethylidene norbornene, etc. are mentioned, These 2 or more types may be copolymerized. Of these, ethylene is preferred in the present invention.
Here, examples of the random copolymer include propylene-ethylene random copolymer and propylene-ethylene-butene-1 copolymer, and examples of the block copolymer include propylene-ethylene block copolymer and reactor type. Specific examples of commercial products include a product name “NEWCON” manufactured by Chisso Corporation, a product name “Cataloy” manufactured by Montel SDK Sunrise Co., Ltd., and the like.
[0021]
(B-5) A crystalline resin having a 1-butene content of 70 mol% or more, and one or more of other monomers (in addition to ethylene and propylene, α-olefins having 5 to 8 carbon atoms) Copolymer.
[0022]
(B-6) Homopolymer of 4-methyl-pentene-1 and / or 3-methyl-pentene-1 or other monomer copolymerizable therewith (2 carbon atoms other than methyl-pentene-1 Copolymers with 20 α-olefins etc.)
The layer (B) that constitutes the inner layer is within the range not exceeding the gist of the present invention, for example, a recycled resin generated from trimming loss, etc. Oil, liquid polybutene, copolymers of vinyl aromatic compounds and conjugated dienes (block and random) or hydrogenated derivatives thereof, copolymers of aromatic monomers with ethylene and / or other α-olefins, etc. They can be mixed.
Further, the (B) layer can be mixed with an antifogging agent, and examples of the preferably used antifogging agent include the same antifogging agents used for the (A) layer.
[0024]
Each layer of the laminated stretch film for packaging of the present invention has a weather resistance stabilizer, heat resistance stabilizer, antistatic agent, antiblocking agent, lubricant, nucleating agent, plasticizer, anti-aging, as long as the object of the present invention is not impaired. You may mix suitably additives, such as an agent, hydrochloric acid absorber, and antioxidant.
[0025]
Generally, the thickness of the laminated stretch film for packaging of the present invention is in the same range as that of a normal stretch film for packaging, that is, about 8 to 30 μm, typically about 10 to 20 μm. Further, the thickness ratio of each layer is not particularly limited, but the total of (A) two layers is 0.8 to 0.1, and (B) layer is 0.2 to 0.00 with respect to the total thickness. It is preferably about 9, and (A) the total of the layers is 0.7 to 0.2, and (B) the layers are 0.3 to 0.8. From the aspect, it is preferable. In addition, it is preferable that the thickness of one (A) layer is 1-10 micrometers, and the thickness of (B) layer is 3-20 micrometers.
In the present invention, the (B) layer may be formed of two or more layers, and other layers other than the (A) layer and the (B) layer may be formed as necessary.
[0026]
The laminated stretch film for packaging of the present invention is formed into a film by extrusion molding in which a material is melt-extruded from a T-die extruder or the like, inflation molding in which a molten resin is blow-extruded from an annular (ring) die, or the like. In order to obtain a laminated film, it is advantageous to co-extrusion with a multilayer die using a plurality of extruders.
Practically, it is preferable to melt-extrude the material resin from an annular (multi-layer) die and perform inflation molding, and the blow-up ratio (diameter of the inflated cylindrical film / diameter of the annular die) should be 4 or more. A range of 5 to 7 is particularly preferable. As a cooling method at that time, either a method of cooling from the outer surface of the cylindrical film or a method of cooling from both the outer surface and the inner surface of the cylindrical film may be used. Furthermore, the obtained film may be stretched, for example, heated below the crystallization temperature of the resin and stretched 1.2 to 5 times in the machine direction of the film using a speed difference between nip rolls, or The film can be biaxially stretched 1.2 to 5 times in both the longitudinal and lateral directions of the film.
[0027]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. In addition, the various measured value and evaluation about the film displayed in this specification were performed as follows. However, the flow direction from the extruder of the film is referred to as the vertical direction, and the direction perpendicular thereto is referred to as the horizontal direction.
[0028]
1) Crystal melting peak temperature Using a differential scanning calorimeter manufactured by Perkin Elmer, trade name “DSC-7”, from a thermogram when a sample 10 mg was heated at a heating rate of 10 ° C./min according to JISK7121. Asked.
2) Glass transition temperature (Tg)
Using a viscoelastic spectrometer manufactured by Iwamoto Seisakusho Co., Ltd., trade name “VES-F3”, measured at a vibration frequency of 10 Hz and a heating rate of 1 ° C./min. From the obtained data, the loss elastic modulus (E ″) The peak value was determined, and the temperature at that time was defined as the glass transition temperature (Tg).
3) Packing suitability, bottom sealability Using a laminated stretch film for packaging with a width of 350 mm, an automatic packaging machine (trade name “ISIDA / Wmini MK-II” manufactured by Ishida Co., Ltd.) made of expanded polystyrene tray (length) 200 mm, width 130 mm, and height 30 mm) were packaged, and finished suitability and bottom sealability were evaluated as suitability for packaging. However, Table 1 shows the finishing suitability, the method for evaluating the bottom sealability, and the evaluation criteria.
[0029]
Example 1
As the (A) layer of both outer layers, an ethylene-norbornene copolymer (Tg: 2 ° C., ethylene content: 94 mol%, crystal melting peak temperature: 99 ° C., 190 ° C., MFR at a load of 21.18 N: 1.5 g / 10 minutes) A resin composition obtained by kneading 98% by weight with 2% by weight of diglycerin monooleate as an antifogging agent is used, and a linear ethylene-α-olefin copolymer (α-olefin) is used as the inner layer (B). 1-butene, 190 ° C., MFR at a load of 21.18 N: 1.8 g / 10 min, crystal melting peak temperature: 123 ° C.), the cyclic three-layer die temperature is 190 ° C., and the blow-up ratio is 5.5. Was subjected to coextrusion inflation molding to obtain a laminated stretch film for packaging having a total thickness of 15 μm ((A) / (B) / (A) = 2.5 μm / 10 μm / 2.5 μm).
The obtained film was evaluated for packaging suitability and bottom sealability. The results are shown in Table 2.
[0030]
(Example 2)
In Example 1, the resin composition of the layer (B) was mixed with 70% by weight of linear low-density polyethylene and a propylene-ethylene random copolymer (ethylene content: 4 mol%, 230 ° C., MFR at a load of 21.18 N: Resin composition containing 2.0 parts by weight of diglycerin monooleate as an antifogging agent with respect to 100 parts by weight of mixed resin composition comprising 2.3 g / 10 min, crystal melting peak temperature: 147 ° C.) 30% by weight A laminated stretch film for packaging was obtained in the same manner as in Example 1 except that it was changed to.
About the obtained film, evaluation similar to Example 1 was performed. The results are shown in Table 2.
[0031]
(Example 3)
In Example 2, the thickness of each layer was changed to (A) / (B) / (A) = 4.5 μm / 6 μm / 4.5 μm in the same manner as in Example 2 except that the total thickness was 15 μm. A laminated stretch film was prepared.
About the obtained film, evaluation similar to Example 1 was performed. The results are shown in Table 2.
[0032]
(Comparative Example 1)
The resin composition for the outer layer (A) produced in Example 1 was put into an annular die, and in the same manner as in Example 1, the annular die temperature was 190 ° C., the blow-up ratio was 5.5, and the thickness was 15 μm by inflation molding. A single layer film was prepared.
About the obtained film, evaluation similar to Example 1 was performed. The results are shown in Table 2.
[0033]
[Table 1]
[0034]
[Table 2]
[0035]
As is clear from Table 2, the laminated stretch films for packaging of Examples 1 to 3 have a crystal melting peak temperature of the resin composition of the inner layer of 20 ° C. rather than the crystal melting peak temperature of the cyclic olefin copolymer of both outer layers. Since it is higher than the above, it can be seen that there is no hole due to heat during heat sealing, and that favorable packaging suitability can be obtained because the properties such as elastic recovery of the cyclic olefin copolymer are retained.
On the other hand, in Comparative Example 1, since the heat seal temperature range is narrow, a hole is formed at the time of heat sealing, which indicates that there is a problem in practical use.
In addition, it confirmed that the laminated stretch film for packaging of this invention of Examples 1-3 has moderate slipperiness, self-adhesiveness, and anti-fogging property, and has tear strength, puncture strength, and elastic recoverability.
[0036]
【The invention's effect】
According to the present invention, it has moderate sliding properties, self-adhesive properties, anti-fogging properties, and has properties such as transparency, tear strength, puncture strength, and elastic recoverability of a film made of a cyclic olefin copolymer. Utilizing this, it is possible to provide a laminated stretch film for packaging that has a balance between practical heat sealability and packaging suitability.
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