JP4067432B2 - 熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法および熱間ブロー成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,熱間ブロー成形が施されるAl−Mg系のアルミニウム合金板で,とくに自動車用車体パネルなど外観性が要求される部位に適する板材,及びこれを用いた熱間ブロー成形品に関する。
【0002】
【従来技術】
熱間ブロー成形は,金型や製造装置が冷間プレス成形よりも安価なこと,成形の自由度が大きいこと等から,多品種少量生産向きの技術として適している。
上記熱間ブロー成形用材料としては,10μm前後の微細再結晶粒であることが金属組織上必要とされる。その製法上の特徴は,微細粒を得るために,強冷間加工を行なってから最終の急速加熱焼鈍を実施することにある。冷間加工におけるひずみ量は最終焼なまし工程において形成される結晶粒径と相関があり,強加工を加えるほど結晶粒径は小さくなる。実生産上,強加工は圧延中の耳割れなどを誘発するため,適宜中間焼鈍が必要となるが,中間焼鈍を行った場合にも,その後最終焼鈍前の冷間圧延率を大きくする必要がある。
【0003】
他方,例えば自動車用車体パネルなどにおいては,外観品質の要素の中に,塗装後の外観が平滑であることが要求される。
冷間プレス用板材を用いて冷間プレス加工をした場合には,リジングマークと呼ばれる,主に,材料の異方性に起因するとされる欠陥が生じることは知られている。そして,従来の熱間ブロー成形品は,冷間プレスの場合のリジングマークと同様に塗装後の外観の平滑性が損なわれる欠陥が生じる現象が認められ,商品価値を大きく低下させる。熱間ブロー成形法は大変形を付与する塑性加工法であるが故,冷間プレスを行う場合には平滑性の低下が認められない材料であっても,熱間ブロー成形を行うことによって上記リジングマークと同様の欠陥が生じる場合があり,従来の熱間ブロー成形用材料は自動車用車体パネルなどの材料としては不適切である。
【0004】
なお,従来の熱間ブロー成形用材料又はその製造方法としては,例えば特許文献1〜5に記載の技術がある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−238460号公報
【特許文献2】
特開昭60−238461号公報
【特許文献3】
特開昭62−96643号公報
【特許文献4】
特開平7−26342号公報
【特許文献5】
特開平7−305131号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,適度な熱間ブロー成形性を有し,熱間ブロー成形時に生じる成形品外面の平滑性の低下が抑制され,塗装後の外観品質に優れる熱間ブロー成形用板材および熱間ブロー成形品の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
第1の発明は,重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金よりなる鋳塊を用い,
該鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,
昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,
該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施すことを特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法にある(請求項1)。
【0008】
本発明の熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板は,上記のごとく,特定の成分組成を有する合金を用い,上記特定の製造方法を採用することによって,熱間ブロー成形性の向上及び熱間ブロー成形時に生じる成形品外面の平滑性の低下の抑制を図ったものである。
以下にまず,本発明の熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板(以下,適宜,本発明のアルミニウム合金板という)を構成する合金の含有成分の意義及び限定理由について説明する。
【0009】
Mg:3.5〜6.0%;
Mgは成形後の製品の強度を高め,また,熱間ブロー成形中に動的回復および再結晶を促進させて成形に伴って低下する加工性を補う。好ましい含有範囲は3.5〜6.0%で,3.5%未満では再結晶促進の効果が小さく,6.0%を超えて含有すると熱間圧延性を阻害する。
【0010】
Mn:0.5〜0.8%,Cr:0.05〜0.20%;
Mn,Crは,ブロー成形中において再結晶粒を安定させて良好な成形性および成形後の外観品質を与え,また,成形後の強度を高める。好ましい含有量は上記のごとくそれぞれ0.5〜0.8%および0.05〜0.20%の範囲である。両者が下限を切ると安定させる効果が薄れて結晶粒が粗大化し,成形性の低下や肌荒れによる外観品質の低下につながる。範囲を超えた場合,鋳塊中に粗大な晶出物を形成し,熱間ブロー成形性を阻害し,また,偏析した晶出物は成形後の外観品質を低下させる。また,MnとCrとは必ずしも両者が含有される必要はなく,少なくとも一方が含有されることによって上記効果が得られる。
【0011】
Si含有量0.10%以下,Fe含有量0.12%以下,Cu含有量0.10%以下;
本発明においては,不純物としてのFe,Siの含有量を上記の量に制限することが重要である。不純物のFe,Siは不溶性のAl−Fe−Si系化合物やMg2Si化合物を生成し,この化合物が結晶粒界に析出してキャビティを増加させ,熱間ブロー成形性を低下させたり,成形後の強度および伸びを低下させる。より好ましくはFe,Siともに0.05%以下に制限するのがよい。
また,Cuは熱間圧延性を阻害するため,0.10%以下に制限することが重要である。
【0012】
次に,本発明のアルミニウム合金板を製造するに当たっては,まず,鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施する。この場合の冷間圧延が25%未満の場合には,後述する中間焼鈍において所望の組織変化を得ることができないという問題がある。
【0013】
上記冷間圧延後には,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施す。この中間焼鈍は,不均一な熱間圧延組織を最終板で均一な組織とするための中間処理として必要である。そして,上記中間焼鈍中には,熱間圧延組織を再結晶させて組織改質を図る。なお,中間焼鈍を実施しなかった場合,最終板での組織に不均一さが残るため,ブロー成形後の平滑な外観が得られない。
【0014】
また,上記中間焼鈍における昇温速度が1℃/sec未満では,再び不均一な再結晶組織となって改質の役割が十分では無くなり,ブロー成形後に平滑な表面が得られない。また保持する温度が400℃未満では十分に再結晶が生じず,550℃を超えると融解のおそれがある。また,保持時間が5分を超える熱処理は,経済的な意義に乏しい。
【0015】
中間焼鈍後は,再び冷間圧延を実施して最終焼鈍による再結晶で均一な等方的な組織とし,ブロー成形後の平滑性に優れた材料とする。
上記中間焼鈍後の冷間圧延は,最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で行う。このとき冷間圧延率が25%未満では後述する最終焼鈍で再結晶しないため,所期の平滑性が得られない。また,50%以上では経済的な意義に乏しいばかりでなく,最終焼鈍後の板で熱間ブロー成形した場合に,再び異方性を生じさせて外観の平滑性をかえって悪化させる場合がある。
【0016】
その後は,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施す。この最終焼鈍の昇温速度が1℃/sec未満では,再び不均一な再結晶組織となって,ブロー成形後に平滑な表面が得られない。また最終焼鈍時の保持温度が400℃未満では十分に再結晶が生じず,550℃を超えると融解のおそれがある。また,5分を超える熱処理は,経済的な意義に乏しい。
【0017】
第2の発明は,重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金よりなる鋳塊を用い,
該鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,
昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,
該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施して熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板を作製し,
該アルミニウム合金板に,400℃以上の温度域において熱間ブロー成形を施すことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法にある(請求項6)。
【0018】
本発明の熱間ブロー成形品は,上述した第1発明にかかる優れたアルミニウム合金板を素材として用いている。そのため,これを400℃以上の温度に加熱して熱間ブロー成形を施しても,従来のリジングマークのような欠陥の発生を大幅に抑制することができる。そのため,本発明の熱間ブロー成形品は,非常に平滑性に優れたものとなり,外観要求の厳しい種々の製品に適用することができる。
【0019】
第3の発明は,重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金よりなる鋳塊を用い,
該鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,
昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,
該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施し,
さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施して熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板を作製し,
該アルミニウム合金板に,冷間塑性加工を施した後,400℃以上の温度域において熱間ブロー成形を施すことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法にある(請求項9)。
【0020】
本発明の熱間ブロー成形品は,上記のごとく,冷間塑性加工を施した後に上記熱間ブロー成形を施すという,特殊な成形方法により作製したものである。そして,その素材となるアルミニウム合金板として,上述した第1の発明の熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板に対して,さらに,上記最終焼鈍後の冷間圧延および仕上げ熱処理を加えたものを用いる。
これにより,冷間塑性加工後にこれに起因する欠陥を生じさせることなく,平滑な外観を容易に得ることができる。
そして,上記熱間ブロー成形品は,冷間塑性加工を施した後,熱間ブロー成形をしても優れた品質を維持できるので,単なる熱間ブロー成形のみを施した場合よりも自由度の高い形状設計が可能となり,製品の付加価値をさらに高めることができる。
【0021】
ここで,上記最終焼鈍後の冷間圧延の冷間圧延率が25%未満の場合には,熱間ブロー成形前の加熱時における粗大化抑制効果が十分ではなく,50%を超えると経済的な意義に乏しいばかりでなく,熱間ブロー成形前の再結晶で再び異方性を生じさせて外観の平滑性をかえって悪化させる場合がある。
【0022】
上記仕上げ熱処理の昇温速度が1℃/sec未満の場合には熱間ブロー成形前の加熱において再び不均一な再結晶組織となって,熱間ブロー成形後に平滑な表面が得られない。また,上記仕上げ熱処理の保持温度が270℃未満では熱間ブロー成形前の冷間加工性を保証することが難しく,400℃を超える場合には熱間ブロー成形前の加熱において再び不均一な再結晶組織を形成する場合がある。また,5分を超える熱処理は,経済的に意義が小さい。
その他の成分範囲の意義,限定理由および製造工程における条件の意義,限定理由については,上述した第1の発明の場合と同様である。
【0023】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明における上記鋳塊は,常法に従って上述の組成を有するアルミニウム合金を溶解,鋳造して得ることができる。そして,この鋳塊の上記均質化処理は,例えば,450〜550℃の温度範囲で行うことが好ましい。均質化処理温度が450℃未満の場合には,鋳塊中の偏析を除去することができず,熱間加工性を低下させるという問題があり,一方,550℃を超える場合には,スラブの融解が生じるという問題がある。
【0024】
また,上記均質化処理後の熱間圧延開始温度は,例えば,250〜500℃が好ましく,より好ましくは400℃以下とするのがよい。熱間圧延開始温度が250℃未満の場合には,材料の変形抵抗が高く圧延パス数が増え,経済的にメリットがないという問題がある。一方,500℃を超える場合には,熱間圧延中の割れを誘発させるため望ましくなく,上記のごとく400℃以下とするのがより好ましい。
【0025】
また,本発明においては,上記熱間圧延を施した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延前中間焼鈍を施すことが好ましい(請求項2)。
この冷間圧延前中間焼鈍は必須工程ではないが,その後の冷間圧延における圧延荷重を低減しうるので追加することが好ましい。
【0026】
上記冷間圧延前中間焼鈍を追加する場合には,上記のごとくバッチ炉を用い,その加熱温度を300℃〜500℃の範囲とする。加熱温度が300℃未満の場合には,上記の圧延荷重低減効果が得られないという問題がある。一方,加熱温度が500℃を超えると,表層にMgが濃縮し,板表面に酸化Mg層が形成され,表面品質を著しく劣化させるという問題がある。
また,上記保持時間が1時間未満の場合には,上記の圧延荷重低減効果が得られない。一方,上記保持時間が10時間を超える場合には,加熱温度が500℃を超える場合と同様の不具合が生じやすい。さらに,10時間以上保持しても上記圧延荷重低減効果に変化がなく工業的なコストアップになるだけである。
【0027】
また,本発明においては,上記合金は,さらにBe:20〜80ppmを含有することが好ましい(請求項3)。この場合には,通常のAl−Mg系合金と同様,溶湯の酸化を防止し,酸化物の鋳塊への巻き込みよって生じる外観品質の異常を防止することができる。Beの含有量が20ppm未満の場合にはこのような酸化防止効果があまり得られず,一方,80ppmを超える場合には,効果が飽和する上,環境上望ましくないという不具合がある。
【0028】
また,上記最終焼鈍を施した後に,さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施すことが好ましい(請求項4)。この場合には,さらに効果的に,熱間ブロー成形性の向上及び熱間ブロー成形時に生じる成形品外面の平滑性の低下の抑制を図ることができる。そして,特に,熱間ブロー成形前に冷間加工を加えるような用途における熱間ブロー成形性向上に非常に有効である。
【0029】
上記最終焼鈍後の冷間圧延の冷間圧延率が25%未満の場合には,熱間ブロー成形前の加熱時における粗大化抑制効果が十分ではなく,50%を超えると経済的な意義に乏しいばかりでなく,熱間ブロー成形前の再結晶で再び異方性を生じさせて外観の平滑性をかえって悪化させる場合がある。
【0030】
上記仕上げ熱処理の昇温速度が1℃/sec未満の場合には熱間ブロー成形前の加熱において再び不均一な再結晶組織となって,熱間ブロー成形後に平滑な表面が得られない。また,上記仕上げ熱処理の保持温度が270℃未満では熱間ブロー成形前の冷間加工性を保証することが難しく,400℃を超える場合には熱間ブロー成形前の加熱において再び不均一な再結晶組織を形成する場合がある。また,5分を超える熱処理は,経済的に意義が小さい。
【0031】
また,上記アルミニウム合金板は自動車用車体パネル材であることが好ましい(請求項5)。
自動車用車体パネル材では,塗装後の鮮映性が要求される。鮮映性は,成形品の外観,特に平滑さに強く影響され,平らなほど鮮映性は高くなる。成形品の表面の平滑性は,熱間ブロー成形中に,素材が均一に変形することによって達成される。鮮映性の悪い成形品では,熱間ブロー成形中の不均一な変形が生じている。これは,ブロー成形前の板の金属組織の不均一性が原因である。これらの不均一性は,熱間圧延中に生じる不均一な再結晶組織や強冷間圧延が影響を及ぼしている。
この点において,上記優れた本発明のアルミニウム合金板を上記自動車用車体パネル材に適用することにより,上記金属組織の不均一性を防止して,優れた鮮鋭性を実現しうる自動車用車体パネルを得ることができる。
また,上記自動車用車体パネルとしては,例えば,ボンネットフード,トランクリッド,ルーフ,ドアなどのいわゆるアウター材,その他外観特性が問われる各種のインナー材等も含む。
【0032】
次に,上記第2,第3の発明においては,上記熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板は,上記熱間圧延を施した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延前中間焼鈍を施してあることが好ましい(請求項7,請求項10)。この場合には,上述したごとく製造方法における熱間圧延後の冷間圧延の圧延荷重を低減させる効果が得られる。
【0033】
また,上記第2の発明においては,上記熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板は,上記最終焼鈍を施した後に,さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施してあることが好ましい(請求項8)。
この場合には,さらに平滑性に優れた熱間ブロー成形品を得ることができる。
【0034】
また,上記第2,第3の発明においても,上記と同様の理由により,合金は,さらにBe:20〜80ppmを含有することが好ましい(請求項11)。
また,上記熱間ブロー成形品は自動車用車体パネルであることが好ましい(請求項12)。即ち,上記熱間ブロー成形品は,上述したごとく,冷間塑性加工を施した後,熱間ブロー成形をしても優れた品質を維持できるので,単なる熱間ブロー成形のみを施した場合よりも自由度の高い形状設計が可能となる。それ故,デザインが重視させる自動車用車体パネルに容易に対応することができる。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
本例では,表1に示すごとく,本発明品としてのアルミニウム合金板を6種類(試料E11〜E16)と,成分範囲が本発明範囲から外れた比較品としてのアルミニウム合金板4種類(試料C11〜C14)を作製し,その特性を比較した。
【0036】
【表1】
【0037】
まず表1中に示す合金成分のスラブを半連続鋳造により製作した。これらの合金を500℃に8時間保持する均質化処理を行い,面削後395℃に加熱して熱間圧延を施して3.9mmの熱間圧延板を得た。
次に,この熱間圧延板に対し,冷間圧延(冷間圧延率50%)→中間焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度500℃,保持時間30秒)→冷間圧延(冷間圧延率33%)→最終焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度500℃,保持時間30秒)を順次施して,1.3mm厚みのアルミニウム合金板を得た。
【0038】
次に,得られたアルミニウム合金板を350mm角の四角形状に切り出して試験片とし,実際に熱間ブロー成形を行った。具体的には,上記試験片を490℃に加熱して,250mmW×250mmL×65mmHの角筒形状に雌型により熱間ブロー成形した。底面中心部分の肉厚は0.85mmであり,肉厚減少率は約34.6%であった。
【0039】
次に,得られた角筒成形品の中心部分について引張試験による機械的性質を測定した。また同じく中心部から100mm角のテストピースを切り取り,酸洗後,一般自動車用塗装を実施し,塗膜の品質(鮮鋭性)をテンションメータで評価した。
【0040】
ここで,上記テンションメータの評価は,図1に示すごとく,撮影装置5を用いて行う。
撮影装置5は,テストピース1を覆うTP収納部51と,その側壁部に配設されたストロボ部52及びカメラ部53とよりなる。
【0041】
ストロボ部52は,筒状の入側導光部521を有し,その一端には光源となるストロボ522を配設し,他端にはストロボ522から発せられる光を後述する複数の線状光線に遮るスリット板523を配設してなる。
また,上記カメラ部52は,筒状の出側導光部531を介してフィルムをセットするカメラ532を有している。
【0042】
そして,撮影装置5は,出側導光部531に設けられたシャッター55を操作することにより,上記ストロボ522から光を発射させ,その光をスリット板523を通してテストピース1の表面に当て,これを反射させてカメラ532によってフィルムに撮影するよう構成されている。
【0043】
上記スリット板523は,図2に示すごとく,9〜20までの12段階の点数の領域に区画されている。各領域には,それぞれ複数の平行光線(スリット光)が得られるようにスリットが設けられており,スリットの間隔は,点数が高い領域のものほど狭くなるように設定されている。本例では,スリットSの幅寸法(太さ)は一律0.20mmとした。また,スリットSの間隔(ピッチ)は,表2に示すごとく設定した。
【0044】
【表2】
【0045】
そして,テンションメータの評価は,上記テストピース1の載置位置に評価しようとするサンプルを載置して上記撮影装置5により撮影した写真を用いて行った。具体的には,写真に表れている複数のスリット光を各領域ごとに目視により観察し,隣り合うスリット光に重なりが見られるか否かを判断する。そして,スリット光に重なりが見られていない領域のうち最大の点数を評価値とした。
この評価方法は,自動車メーカ等において一般に用いられる評価方法である。
【0046】
これらの評価結果を表3に示す。表3における○は合格,×は不合格を示す。塗装後の品質についてはテンションメータ評価値が15以上となるものを合格とした。また,自動車用車体パネル材としては,耐デント性が必要とされるため,耐力110MPa以上を有するものを合格とした。また,ヘム加工などの後加工における加工性が必要なため,15%以上の伸びがあるものを合格とした。塗装後の鮮映性(テンションメータ評価値)については評価値が15以上となるものを合格とした。
【0047】
【表3】
【0048】
表3より知られるごとく,本発明品である試料E11〜E16においては,耐力,伸び,テンションメータのいずれの評価も合格であった。
これに対し,比較例C11は,Mgの添加量が少ないため耐力が低く,またブロー成形中の結晶粒径が大きくなったため外観の肌あれが生じてテンションメータの評価が不合格であった。
比較例C12は,Mg添加量が高すぎたため,熱間加工中に板が割れたため評価不能であった。
比較例C13は,MnおよびCrが添加されておらず,ブロー成形中の結晶粒径が大きくなったため外観の肌あれが生じてテンションメータの評価が不合格であった。
比較例C14は,Fe,Siが多いため,ブロー成形中にキャビテーションが生じたため伸びが不合格となった。
【0049】
(実施例2)
本例では,Al−4.8%Mg−0.7%Mn−0.15%Cr−0.02%Si−0.02%Fe−0.01%Cu−50ppmBeの組成でスラブを半連続鋳造により製作した。このスラブを500℃の温度に8時間保持する均質化処理を施し,面削後395℃に加熱して熱間圧延板を作成し,引き続いて,表4中の工程に従ってそれぞれ1.3mmの板を作製した。表4中における工程E21,E22,E23は本発明の方法であり,工程C21〜C30は比較のために本発明と異なる工程を採用したものである。また,これらのうち,工程E23及びC29,C30は,バッチ炉による冷間圧延前中間焼鈍を熱間圧延後に実施したものである。
【0050】
【表4】
【0051】
次に,得られた1.3mm厚みのアルミニウム合金板を350mm角の四角形状に切り出して試験片とし,実際に熱間ブロー成形を行った。具体的には,実施例1と同様に,上記試験片を490℃に加熱して,250mmW×250mmL×65mmHの角筒形状に雌型により熱間ブロー成形した。底面中心部分の肉厚は0.85mmであり,肉厚減少率は約34.6%であった。
【0052】
次に,実施例1と同様に,得られた角筒成形品の中心部分について引張試験による機械的性質を測定した。また同じく中心部から100mm角のテストピースを切り取り,酸洗後,一般自動車用塗装を実施し,塗膜の品質(鮮鋭性)をテンションメータで評価した。テンションメータでの評価方法は実施例1と同様である。
また,本例では,テンションメータによる評価に加え,ブロー成形品の表面評価を外観観察により行った。具体的には,冷間圧延前中間焼鈍後の板表面の酸化Mgに起因するまだら模様がその後の圧延で延ばされた筋状の汚れが有るか否かを目視により観察し,汚れが観察された場合を×,汚れがなく美麗な表面の場合を○とした。そして,このブロー成形品の表面評価と上記のテンションメータ評価とを総合して,総合判定を行った。評価結果を表5に示す。表5における○は合格,×は不合格を示す。
【0053】
【表5】
【0054】
表5より知られるごとく,工程E21,E22により得られたアルミニウム合金板を熱間ブロー成形して得られた成形品については,満足できる外観が得られた。
一方,工程C21は中間焼鈍を省略したため,熱間圧延板の不均一組織を改良することができず,評価が劣った。
工程C22は中間焼鈍前の冷間圧延率が低かったため,中間焼鈍で再結晶せずに熱間圧延板の不均一組織を改良することができず,評価が劣った。
工程C23は最終焼鈍前の圧延率が高すぎたため,強いせん断組織を作る結果となり,最終焼鈍後の組織が代えって不均一になり,評価が劣った。
【0055】
工程C24,C25は中間もしくは最終焼鈍温度が低すぎたため再結晶せず,熱間圧延板の不均一組織を改良することができず,評価が劣った。
工程C26,C27は中間もしくは最終焼鈍の昇温速度が低すぎたため再結晶が不均一に発生して,熱間圧延板の不均一組織を改良することができず,評価が劣った。
工程C28は最終焼鈍前の冷間圧延率が低かったため最終焼鈍で再結晶せず,圧延板の不均一組織を改良することができず,評価が劣った。
【0056】
また,工程E23は,上記のごとく冷間圧延前中間焼鈍を実施したものであり,その後の冷間圧延(冷延1)において負荷が小さく容易に圧延を行うことができた。そして,得られたブロー成形品の表面は美麗であり,表面品質にも優れていた。
【0057】
一方,工程C29,C30は,冷間圧延前中間焼鈍を実施したものの,その加熱温度及び保持時間が本発明(請求項2)の範囲を超えるものである。いずれも,冷間圧延前中間焼鈍の後の冷間圧延(冷延1)の負荷は小さく容易に圧延を行うことができたが,冷間圧延前中間焼鈍を行った後の板表面に,酸化Mgによるまだら模様が発生しており,表面品質が劣っていた。
【0058】
(実施例3)
本例では,Al−4.8%Mg−0.7%Mn−0.15%Cr−0.02%Si−0.02%Fe−0.01%Cu−50ppmBeの組成でスラブを半連続鋳造により製作した。このスラブを500℃の温度に8時間保持する均質化処理を施し,面削後395℃に加熱して熱間圧延した。次に,得られた熱間圧延板に対し,冷間圧延(冷間圧延率50%)→中間焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度500℃,保持時間30秒)→冷間圧延(冷間圧延率33%)→最終焼鈍(昇温速度10℃/sec,保持温度500℃,保持時間30秒)を順次施して,中間材としてのアルミニウム合金板を得た。
【0059】
そして,本例では,表6に示すごとく,上記中間材としてのアルミニウム合金板に対して,さらに冷間圧延と仕上げ熱処理を施し,その効果を評価した。なお,いずれの工程を選択しても最終板厚が1.3mmとなるように,上記熱間圧延板の厚みを調整した。
上記最終焼鈍後の冷間圧延としては,冷間圧延率を33%とした工程E31の他に,冷間圧延率を5%および65%に変更した比較工程C31,C32も行った。なお,いずれの工程においても,仕上げ熱処理は,昇温速度10℃/sec,保持温度350℃,保持時間5秒の条件で行った。
【0060】
【表6】
【0061】
次に,得られたアルミニウム合金板を350mm角の四角形状に切り出して試験片とした。そして本例では,まずこの試験片に,R3の曲げを実施した後曲げ戻す冷間加工を施した。その後,実施例1と同様に,上記試験片を490℃に加熱して,250mmW×250mmL×65mmHの角筒形状に雌型により熱間ブロー成形した。
次に,得られた角筒成形品の中心部分から100mm角のテストピースを切り取り,酸洗後,一般自動車用塗装を実施し,塗膜の品質(鮮鋭性)をテンションメータで評価した。
評価方法は実施例1と同様である。評価結果を表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】
工程E31のものは,良好な外観を呈した。
工程C31については,曲げ−曲げ戻しした折り目に沿って,畝状の欠陥が生じた。また,冷間加工度が少なかったため,曲げ加工を受けた部分で熱間ブロー成形温度への加熱中に不均一な再結晶(粗粒化)が発生したので評価不能と判定した。
工程C32は熱処理前の圧延率が高すぎたため,強いせん断組織を作る結果となり,熱間ブロー成形温度への加熱中にせん断に沿った不均一な再結晶が生じたため,評価が劣っている。
【0064】
本例の結果から,熱間ブロー成形前に冷間加工を施す用途に使用されるアルミニウム合金板としては,上記最終焼鈍後に,少なくとも,さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施すことが有効であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,テンションメータ測定用の撮影装置を示す説明図。
【図2】実施例1における,スリット板のスリット配置を示す説明図。
【符号の説明】
1...テストピース,
5...撮影装置,
50...基台50,
51...TP収納部,
52...ストロボ部,
53...カメラ部53,
Claims (12)
- 重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金よりなる鋳塊を用い,
該鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,
昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,
該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施すことを特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法。 - 請求項1において,上記熱間圧延を施した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延前中間焼鈍を施すことを特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法。
- 請求項1又は2において,上記合金は,さらにBe:20〜80ppmを含有することを特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記最終焼鈍を施した後に,さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施すことを特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項において,上記アルミニウム合金板は自動車用車体パネル材であることを特徴とする熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板の製造方法。
- 重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金よりなる鋳塊を用い,
該鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,
昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,
該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施して熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板を作製し,
該アルミニウム合金板に,400℃以上の温度域において熱間ブロー成形を施すことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。 - 請求項6において,上記熱間圧延を施した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延前中間焼鈍を施したことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。
- 請求項6又は7において,上記最終焼鈍を施した後に,さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施したことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。
- 重量比において,Mg:3.5〜6.0%を含有し,かつ,Mn:0.5〜0.8%,もしくはCr:0.05〜0.20%のうち1種或いは2種含有し,さらにSi含有量が0.10%以下,Fe含有量が0.12%以下,Cu含有量が0.10%以下に規制され,残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金よりなる鋳塊を用い,
該鋳塊を均質化処理後に熱間圧延し,
さらに冷間圧延率25%以上の冷間圧延を実施し,
昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う中間焼鈍を施し,
該中間焼鈍後最終板厚まで25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で400℃〜550℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う最終焼鈍を施し,
さらに25%以上50%未満の冷間圧延率で冷間圧延を行い,
その後,昇温速度1℃/sec以上で270℃〜400℃の温度範囲内に加熱して5分以内の保持を行う仕上熱処理を施して熱間ブロー成形用Al−Mg系アルミニウム合金板を作製し,
該アルミニウム合金板に,冷間塑性加工を施した後,400℃以上の温度域において熱間ブロー成形を施すことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。 - 請求項9において,上記熱間圧延を施した後に,バッチ炉において300℃〜500℃の温度範囲内に加熱して1時間〜10時間の保持を行う冷間圧延前中間焼鈍を施したことを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。
- 請求項6〜10のいずれか1項において,上記合金は,さらにBe:20〜80ppmを含有することを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。
- 請求項6〜11のいずれか1項において,上記熱間ブロー成形品は自動車用車体パネルであることを特徴とする熱間ブロー成形品の製造方法。
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