JP4067082B2 - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材、家具、家電製品のキャビネット等の装飾に用いる化粧シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の用途に用いる化粧シートとして、例えば、プラスチックの基材シート上に隠蔽層を形成し隠蔽層上に印刷により印刷模様層を形成し、前記印刷模様層を形成した基材シート上に接着層を介して透明な表面シートを積層したものが実用されている。
【0003】
従来の化粧シートにおいて使用されてきたインキ及び層間の接着剤は、有機溶剤に合成樹脂のビヒクルや顔料等の添加剤を溶解分散したものである。このように有機溶剤を希釈剤としたインキ及び塗料を使用する場合、これらを危険物として取り扱わなければならないし、塗布手段を始めとする工場設備を防爆仕様にしなければならない。また、印刷後、乾燥放出される溶剤による大気汚染等の公害問題がある。
【0004】
【発明が解決仕様とする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、有機溶剤を実質的に用いない化粧シート及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は上記の化粧シートに関する課題を解決するもので、樹脂製の基材シートの表面に水性インキを用いて隠蔽層が形成され、その上に水性インキを用いて印刷模様層が形成され、その印刷模様層を設けた基材シート上に、水分散型又は水溶性のもので分子中にイソシアネート基2個以上を持ち且つヌレート骨格又はビウレット骨格を有するイソシアネート化合物を含有するウレタン系ドライラミネート接着剤を介して表面シートが積層されていることを特徴とする化粧シートを要旨とする。
【0006】
基材シートと表面シートが水性接着剤を介して積層されており有機溶剤は用いられていないので、接着剤から放出される溶剤による公害の問題は回避される。また製造中に危険な溶剤を扱わなくてよいだけでなく、塗布手段を始めとする工場設備を防爆仕様にしなければならない必要性もない。また、基材シートの表面に水性インキを用いて隠蔽層を形成し、次いで該隠蔽層上に水性インキを用いて印刷模様層を形成するので、接着剤から放出される溶剤による公害の問題は完全に回避される。
【0007】
本発明に係る化粧シートにおいて、表面シートにエンボス加工が施され、凹凸模様を形成してもよいし、或いは、表面シート及び基材シートの双方にエンボス加工が施され、凹凸模様が表面シート及び基材シートの双方に形成されていてもよい。また、表面シートに形成した凹凸模様の凹部に水性インキが充填されてもよい。そして、凹凸模様を形成した表面シート上に表面コート層が水性接着剤或いは無溶剤接着剤を介して接着されて形成されていてもよい。
【0010】
本発明に係る化粧シートにおいて、隠蔽層がイソシアネート化合物を含むことが好ましい。この場合、イソシアネート化合物が分子中にイソシアネート基2個以上を持つイソシアネート化合物であってもよいし、イソシアネート化合物がイソシアヌレート骨格を含有するものであってもよい。
【0011】
また、本発明に係る化粧シートにおいて、基材シート及び表面シートがポリオレフィンからなるものが望ましい。
【0012】
請求項10に記載の発明は、上記の化粧シートの製造方法であって、樹脂製の基材シートの表面に水性インキを用いて隠蔽層を形成し、次いで隠蔽層上に水性インキを用いて印刷模様層を形成し、その印刷模様層を設けた基材シート上に表面シートを配置し、水分散型又は水溶性のもので分子中にイソシアネート基2個以上を持ち且つヌレート骨格又はビウレット骨格を有するイソシアネート化合物を含有するウレタン系ドライラミネート接着剤を用いて基材シートを表面シートに積層することを特徴としている。
【0015】
本発明の化粧シートの製造方法において、基材シートに表面シートを積層した後、表面シートにエンボス加工を施して凹凸模様を形成し、凹凸模様の凹部に水性インキを充填することにより、表面シートに凹凸模様が形成され凹部にインキが充填された化粧シートを得ることができる。形成した凹凸模様の凹部への水性インキの充填はナイフコーター、バーコーター等の既知のワイピング法によって行うことができる。
【0016】
更に、本発明の化粧シートの製造方法において、基材シートに表面シートを積層した後、この積層シートにダブリングエンボスを施し、表面シートの表面に形成された凹凸模様の凹部に水性インキを充填し、しかる後、表面シートに水性インキを用いて印刷により表面コート層を形成することにより、基材シートにまで及ぶ凹凸模様が表面シートに施した模様と同調させて形成された化粧シートを得ることができる。
【0017】
本発明の化粧シート及びその製造方法においては、溶剤型インキ及び溶剤型接着剤は用いられていないので、印刷後の乾燥放出される溶剤による大気汚染等の公害問題等のない安全性の高い化粧シートの提供を可能とするものであり、また作業環境は改善され、且つ、工場設備を防爆設備としなければならない必要性もなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の化粧シート及びその製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の化粧シートの第1の実施の形態を示す断面図である。この図1に示す化粧シートは基材シート1上に隠蔽層4を設け、その上に水性インキを用いて印刷模様層5を設け、印刷模様層5を設けた基材シート1上に水性接着剤層2を介して表面シート3を積層してなるものである。
【0021】
上記の如き化粧シートにおける基材シート1や表面シート3に使用する材質は、合成樹脂シートが成形性、塗工適正の点で最も好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、アクリルスチレン共重合体、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、アイオノマー樹脂等が使用できる。特にポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(低密度、中密度、又は高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが使用できる。これらに関して、結晶性や延伸性をコントロールすることにより所望の物性を引き出しても構わない。
【0022】
隠蔽層4は、印刷模様層5と同様に水性インキを用いて印刷により基材シート1上に形成することができる。或いは、白色ポリエチレンのような有色樹脂シートを基材シートにドライラミネートすることにより形成することができる。
【0025】
本発明では、水性接着剤層2として、水分散型又は水溶性のもので分子中にイソシアネート基2個以上を持ち且つヌレート骨格を有するイソシアネート化合物を含有するウレタン系ドライラミネート接着剤を使用する。
【0026】
本発明に係る化粧シートにおいて、水性ドライラミネート接着剤に含まれる水分散又は水溶性のもので分子中にイソシアネート基2個以上持つイソシアネート化合物とは、ジイソシアネート化合物と活性水素基含有化合物との反応による末端イソシアネート基含有化合物、或いはジイソシアネート化合物の反応による末端イソシアネート基含有化合物等に更に親水性基を導入した化合物を挙げることができる。ジイソシアネート化合物と活性水素基含有化合物との反応による末端イソシアネート基含有化合物、或いはジイソシアネート化合物との反応による末端イソシアヌレート基化合物等の例としては、ウレタン構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、ウレア構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、ウレトジオン構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、イソシアネート構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、ウレトンイミン構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、ビウレットイミン構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物、アロファネート構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物及びこれらの混合物等を挙げる事ができ、特に化1にその代表構造を示すようなイソシアネート構造を持つ末端イソシアネート基含有化合物が好ましい。
【0027】
【化1】
【0028】
上記のジイソシアネート化合物の例としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等及びこれらの異性体からなる芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート及びこれらの混合物等を挙げることができ、特に脂肪族、脂環式及びこれらの混合物が好ましい。
【0029】
また、親水性基を導入した化合物における親水性基はイオン別に大別され、カチオン型、ノニオン型、アニオン型に分けられる。カチオン性基としては、アミノ基、イミノ基、3級アミノ基、エーテル基、4級アンモニウム基、ヒドラジノ基等が挙げられる。またノニオン性基としては、ヒドロキシル基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。更にアニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等が挙げられる。前記した親水性基の中ではエーテル基が特に好ましい。
【0030】
上記の水性接着剤の塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、リバースロールコート法、ナイフコート法、キスコート法その他の方法が挙げられる。その塗布量としては乾燥状態で、2〜3g/m2 が望ましい。
【0039】
次に、第1の実施の形態における印刷模様層5を構成する水性インキ組成物について説明する。水性インキ組成物としてはベヒクルの主成分とし、これに、ワックス類、分散剤、消泡剤、レベリング剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、滑剤、その他の添加剤を任意に添加し、水等からなる溶剤を使用してミキサー等によって十分に混練してなる水性インキ組成物を使用することができる。水性インキ用樹脂としては、溶解型、ハイドロゾル型、エマルジョン型の天然樹脂、或いは、合成樹脂、更にはそれらの変性樹脂の一種乃至複数種の混合物を使用することができる。具体的には、水性インキ用樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシルエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル、メタクリルアミド等のアミド系モノマー、このアミド系モノマーのN−アルコキシ置換体、同N−メチロール置換体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー、ジアリルフタレート、アリルグリシジルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系モノマー、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等の重合性二重結合を有するモノマー等の一種又は複数種と、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他の不飽和カルボン酸の一種乃至複数種の共重合体からなるアルカリ溶液可溶性(メタ)アクリル系共重合体を使用する事ができる。更に、本発明において、水性インキ組成物として、例えば、ポリアルキルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂(水溶性2液硬化型ポリウレタン系樹脂)、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子その他も使用することができる。
【0040】
また、本発明において、水性インキ用樹脂としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性乃至混合樹脂その他のエマルジョン型の樹脂を使用することができる。本発明においては前記した樹脂の一種又は複数種を使用し、使用する樹脂に適する溶解型、ハイドロゾル型、又はエマルジョン型の形態で使用することができる。
【0041】
また、水性インキ用組成物に使用する水としては、通常の工業用水を使用することができ、また、水とアルコールからなる溶剤としては、水の他にエタノール、イソプロピルアルコール、N−プロピルアルコール等の低級アルコール、グリコール類及びそのエステル類等を使用して調整することができる。その場合、低級アルコール、グリコール類又はそのエステル類は5〜20重量%位の割合で含有しているのが望ましい。また、前記した低級アルコール、グリコール類及びそのエステル類等の溶剤は、インキの流動性、インキの流動性改良、被印刷体への濡れの向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量が決定されるものである。
【0042】
上記のような水性インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷方式或いはフレキソ印刷方式等により、基材フィルムの表面、裏面或いは両面に、例えば、文字、図形、記号、その他の所望の印刷模様層5を形成することができる。
【0043】
次に、図1の化粧シートの製造方法について説明する。
【0044】
基材シート1の表面に設ける隠蔽層4は、印刷模様層5と同様に水性インキを用いて印刷により基材シート1上に形成することができる。或いは、白色ポリエチレンのような有色樹脂シートにグラビアコーターにて水性ドライラミネート接着剤を塗工し、乾燥後に基材シート1と合わせてドライラミネートすることにより隠蔽層4を形成する。次いで、隠蔽層4上に水性インキを用いてグラビア印刷等により印刷模様層5を形成する。印刷模様を施した基材シート1を水性接着剤を用いて接着することにより図1に示す化粧シートを得ることができる。
【0045】
次に、図2に本発明の化粧シートの第2の実施の形態を示す。
【0046】
この化粧シートは、基材シート1の上に隠蔽層4を設け、隠蔽層4上に印刷模様層5を設けた印刷模様付き基材シート1に表面シート3を水性接着剤又は無溶剤接着剤2を介して積層し、表面シート3にはエンボス加工を施して凹凸模様6を形成しこの凹凸模様6の凹部に水性インキ7を充填してなるものである。
【0047】
表面シート3のエンボス加工は、ロールエンボス機や平版エンボス機など、既知のエンボス手段により行うことができる。基材シート1に印刷模様が施されている場合、エンボスと印刷模様とが同調していることが好ましいことはいうまでもないことである。
【0048】
凹凸模様6の凹部に充填する水性インキ7は、水溶性の樹脂又は各種の樹脂エマルジョンに顔料等の添加剤を分散したものである。希釈剤として水にアルコールを少量添加して乾燥を速やかにすることができる。
【0049】
凹凸模様6の凹部に充填する水性インキ7に用いるエマルジョンの例を挙げれば、ウレタンエマルジョン、ウレタン−アクリルエマルジョン、アクリルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、エポキシエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョン、アクリル−スチレン共重合体エマルジョン、ビニリデンエマルジョンでありそのほかにSBRラテックスやNBRラテックスを用いることができる。水溶性樹脂として水溶性アクリル樹脂が挙げられる。
【0050】
エマルジョンの成分で分子内に活性水素を有するものは、アジリジン、エポキシ、メラミン、カルボジイミド、オキサゾリン等の硬化剤と反応して硬化し、インキ層の耐溶剤性、耐スクラッチ性、耐水性、耐薬品性を向上させる。
【0051】
着色剤には、有機顔料、例えばアゾ顔料、フタロシアニン顔料を使用することができ、また無機顔料、例えば二酸化チタン、弁柄、カーボンブラック、炭酸カルシウム等も使用することができる。
【0052】
インキ層をつや消しにしたいときは、上記の着色顔料の他に、つや消し材、例えばマイクロシリカや樹脂ビームを添加すればよい。
【0053】
水性インキに沈降性硫酸バリウムのような体質顔料を分散しておくと、インキの乾燥性及び転移性を向上できる。
【0054】
上記の水性インキには、添加材の分散時に発泡しやすいので、消泡材を添加しておくことが望ましい。消泡材はシリコーン系など、既知のものを使用することができる。
【0055】
インキ層の強度を高めるために、前記した硬化剤、例えばアジリジン系硬化剤を添加してもよい。硬化剤の配合量はインキ100重量部に対し3〜4重量部程度でよい。
【0056】
凹凸模様6の凹部への水性インキの充填は、ナイフコーター、バーコーター等を用いた既知のワイピング法により行うことができる。
【0057】
次に、図3は本発明の化粧シートの第3の実施の形態を示す。
【0058】
この化粧シートは、表面に水性インキを用いて印刷により隠蔽層4を形成し隠蔽層4上に同様に水性インキを用いて印刷により印刷模様層5を形成した基材シート1に水性接着剤2を介して表面シート3を積層して積層シートを得、この積層シートにダブリングエンボスを施し、表面シート3の表面に形成された凹凸模様6の凹部に水性インキ7を充填し、しかる後、表面シート3上に水性インキを用いて印刷により表面コート層8を形成してなるものである。
【0059】
(実施例1)
基材シートとして、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメント100重量部、スチレン−ブタジエンゴムからなるソフトセグメント100重量部、無機充填材(炭酸カルシウム粉末)30重量部、顔料10重量部を配合したものを溶融混練した後に押し出ししてなる80μmのポリオレフィンシートを用意し、その両面にコロナ放電処理を施した。この基材シートに下記の組成Aからなる水性インキを用いてグラビア印刷により隠蔽性着色べた層を形成し、次に組成Bからなる水性インキを用い、グラビア印刷により抽象柄の絵柄印刷層を形成し、印刷シートを得た。
【0060】
水性インキ(組成A)
水分散ポリウレタン樹脂含有白色水性インキ 100重量部
(オーデWKE白、ザ・インクテック製)
水 16重量部
エタノール 12重量部
ノルマルプロパノール 12重量部
【0061】
水性インキ(組成B)
水分散ポリウレタン樹脂含有赤色水性インキ 100重量部
(オーデWKE赤、ザ・インクテック製)
水 16重量部
エタノール 12重量部
ノルマルプロパノール 12重量部
【0062】
一方、表面シートとして、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメント160重量部と、アタクチツクポリプロピレンからなるソフトセグメント40重量部の混合物に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.2重量%添加したものを溶融混練した後、押し出してなる80μmのポリオレフィン系樹脂シートを用意し、その両面にコロナ放電処理を施した。
【0063】
次に、上記印刷シートの印刷面に下記組成Cの水性ドライラミネート接着剤をグラビアコーターにて約3g/m2 塗工し、乾燥後、塗工面に上記表面シートを重ね、ニップローラー間で加圧して積層シートからなる化粧シートを得た。この化粧シートを常温下においてエージングを行った。その後、接着強度及びポットライフについて調べたところ、接着強度は十分ありまたドライラミネート接着剤を配合後(主剤に架橋剤添加後)4時間以上経てもゲル化せずポットライフは十分にあることが分かった。
【0064】
水性ドライラミネート接着剤(組成C)
水分散ポリウレタン樹脂 100重量部
(エバファールHO14、日華化学製)
イソシアヌレート骨格含有イソシアネート化合物 9重量部
(X9003、日華化学製)
水 10重量部
イソプロパノール 10重量部
【0065】
(実施例2)
さらに、実施例1で得られた積層シートを、ニップローラの出口に設置された予熱機により加熱し、直ちにエンボスロールを利用して積層シートの表面シート側にエンボス加工を行い凹凸模様を形成した。
【0066】
形成した凹凸模様の凹部にナイフコーターを使用して下記組成Dの水性インキを充填し化粧シートを得た。
【0067】
水性インキ(組成D)
アニオン型ウレタンエマルジョン部 50重量部
無黄変エステル系、NV30%)
沈降性硫酸バリウム 20重量部
カーボンブラック 10重量部
マイクロシリカ 4重量部
消泡剤(シリコーン系) 0.5重量部
希釈剤(水) 16重量部
【0068】
(実施例3)
実施例1と同様にして積層シートを作製し、この積層シートにダブリングエンボスを施した。
【0069】
表面シートの表面に形成された凹凸模様の凹部に実施例1と同様に水性インキを充填した後に、表面シートの表面に下記組成Eの水性インキをグラビアコートして表面コート層を形成し、乾燥させて本発明の化粧シートを得た。
【0070】
水性インキ(組成E)
アニオン型ウレタンエマルジョン 50重量部
ウレタン−アクリルエマルジョン 15重量部
マイクロシリカ 4重量部
ワックス(ポリエチレン系) 2重量部
レベリング剤(シリコーン系) 0.5重量部
消泡剤(シリコーン系) 0.5重量部
増粘剤 4重量部
希釈剤(水) 24重量部
【0071】
(実施例4)
実施例1と同様にして、但し水性ドライラミネート接着剤として下記の組成Fからなるものを用いて化粧シートを得た。この化粧シートを常温下においてエージングを行った。その後、接着強度及びポットライフについて調べたところ、接着強度は十分あることがわかった。しかし、ドライラミネート接着剤を配合後(主剤に架橋剤添加後)10分でゲル化し、ポットライフは十分でないことが分かった。
【0072】
水性ドライラミネート接着剤(組成F)
水分散ポリウレタン樹脂 100重量部
(エバファールHO14、日華化学製)
ビウレット骨格含有イソシアネート化合物 9重量部
(デュラネートWT30−100、旭化成工業製)
水 10重量部
イソプロパノール 10重量部
【0073】
(実施例5)
実施例1における組成Cの水性ドライラミネート接着剤を反応性ホットメルト接着剤(日本フーラー(株)製、HL−8805)に換えて同様に化粧シートを得た。接着剤の塗工条件は、135℃に加熱して溶融した反応性ホットメルト接着剤をダイコーターにて印刷シートの印刷面に塗布量40〜70g/m2 で行った。
【0074】
(比較例)
実施例1と同様にして、但し水性ドライラミネート接着剤として下記の組成Fからなるものを用いた。常温下でエージング後に接着強度を調べた結果、組成Gの接着剤はインキ化困難であったこともあって十分な接着強度は認められなかった。また、ポットライフについて調べたところ、ドライラミネート接着剤を配合後(主剤に架橋剤添加後)4時間未満でゲル化しポットライフは十分でないことが分かった。
【0075】
水性ドライラミネート接着剤(組成G)
水分散ポリウレタン樹脂 100重量部
(エバファールHO14、日華化学製)
アダクトタイプイソシアネート化合物 9重量部
(デユラネートP・301・75E、旭化成工業製)
水 10重量部
イソプロパノール 10重量部
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の化粧シート及びその製造方法によれば、溶剤型インキ及び溶剤型接着剤は用いられていないので、印刷後の乾燥放出される溶剤による大気汚染等の公害問題等のない安全性の高い化粧シートの提供を可能とし、また作業環境は改善され、且つ、工場設備を防爆設備としなければならない必要性もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の化粧シートを示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態の化粧シートを示す断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態の化粧シートを示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材シート
2 水性接着剤層
3 表面シート
4 隠蔽層
5 印刷模様層
6 凹凸模様
7 水性インキ
8 表面コート層
Claims (12)
- 樹脂製の基材シートの表面に水性インキを用いて隠蔽層が形成され、その上に水性インキを用いて印刷模様層が形成され、その印刷模様層を設けた基材シート上に、水分散型又は水溶性のもので分子中にイソシアネート基2個以上を持ち且つヌレート骨格又はビウレット骨格を有するイソシアネート化合物を含有するウレタン系ドライラミネート接着剤を介して表面シートが積層されていることを特徴とする化粧シート。
- 表面シートにエンボス加工が施され、凹凸模様が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 表面シート及び基材シートの双方にエンボス加工が施され、凹凸模様が表面シート及び基材シートの双方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 表面シートに形成した凹凸模様の凹部に水性インキが充填されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の化粧シート。
- 凹凸模様を形成した表面シート上に表面コート層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の化粧シート。
- 隠蔽層がイソシアネート化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- イソシアネート化合物が分子中にイソシアネート基2個以上を持つイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項6に記載の化粧シート。
- イソシアネート化合物がイソシアヌレート骨格を含有することを特徴とする請求項6に記載の化粧シート。
- 基材シート及び表面シートがポリオレフィンからなることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の化粧シート。
- 樹脂製の基材シートの表面に水性インキを用いて隠蔽層を形成し、次いで隠蔽層上に水性インキを用いて印刷模様層を形成し、その印刷模様層を設けた基材シート上に表面シートを配置し、水分散型又は水溶性のもので分子中にイソシアネート基2個以上を持ち且つヌレート骨格又はビウレット骨格を有するイソシアネート化合物を含有するウレタン系ドライラミネート接着剤を用いて基材シートを表面シートに積層することを特徴とする化粧シートの製造方法。
- 基材シートに表面シートを積層した後、表面シートにエンボス加工を施して凹凸模様を形成し、凹凸模様の凹部に水性インキを充填することを特徴とする請求項10に記載の化粧シートの製造方法。
- 基材シートに表面シートを積層した後、この積層シートにダブリングエンボスを施し、表面シートの表面に形成された凹凸模様の凹部に水性インキを充填し、しかる後、表面シートに水性インキを用いて印刷により表面コート層を形成することを特徴とする請求項10に記載の化粧シートの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2002168355A JP4067082B2 (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 化粧シート及びその製造方法 |
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