JP4063507B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して燃料電池の発電を開始する燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとしては、発電源として、いわゆる燃料電池スタックを用いたものが知られている。燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなる。この燃料電池システムでは、燃料電池スタックに水素を燃料ガスとして燃料極に供給すると共に、酸素を含んだ空気を空気極に供給することにより、水素と酸素とを電気化学的に反応させて直接発電するものである。
【0003】
この燃料電池スタックでは、電解質膜内での物質移動速度や、燃料ガス及び酸化剤ガスの拡散状態に発電反応が影響される。したがって、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタックからの取り出し電力に対応する燃料ガス及び酸化剤ガスより多い量の燃料ガス及び酸化剤ガスを供給する必要があり、反応に寄与しない燃料ガスを廃棄していた。
【0004】
これに対し、従来の燃料電池システムでは、燃料ガスの廃棄量を少なくするために、燃料電池スタックから排出された燃料ガスを再度燃料電池スタックの燃料極側に循環するエゼクタポンプを使用することにより燃料ガス循環系を構成し、無駄な燃料ガスの廃棄を抑制していた。
【0005】
このような燃料ガス循環系を有する燃料電池システムは、燃料電池スタックの発電出力を安定させるために様々なものが提案されている。従来の燃料電池システムでは、燃料ガスの供給量と循環量との比を制御することはなく、循環した燃料ガス圧力のみによって供給量と循環量との比が決定されるため、燃料電池スタックの運転条件によって大きく変動してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、例えば特開平9−213353号公報では、燃料ガス循環系を構成する燃料ガス循環経路内に燃料ガスの流量を調整する燃料ガス流量調整弁を配設していた。このような燃料電池システムは、燃料電池スタックの負荷に応じて、燃料ガス循環経路の流量及び圧力を調整することで、常に安定した燃料電池スタックの運転を提案している。
【0007】
従来の燃料電池システムの一例を図13に示す。
【0008】
この燃料電池システムは、燃料電池スタック101のアノード極(燃料極)に燃料ガスを供給する燃料ガス供給経路L101、燃料ガスを循環する燃料ガス循環経路L102、空気供給装置111から燃料電池スタック101のカソード極(酸化剤極)に空気を供給する空気供給経路L103、燃料電池スタック101に冷却媒体を供給する冷却媒体循環経路L104を備えて構成されている。
【0009】
また、この燃料電池システムは、燃料電池スタック101内の空気圧力を調整する排圧調整弁112を備えると共に、複数の圧力センサ113を備えて構成されている。
【0010】
このような燃料電池システムでは、燃料ガス供給装置121に蓄積した燃料ガスを供給圧調整弁122で調圧し、エゼクタポンプ123を介して燃料電池スタック101に供給すると共に、燃料電池スタック101から排出された燃料ガスを燃料ガス循環経路L102を介して再度エゼクタポンプ123により燃料電池スタック101に供給する。
【0011】
この燃料電池システムにおいて、起動時、燃料ガス循環経路L102内に十分な燃料ガスを蓄積するためには、先ず、燃料ガス供給装置121から燃料ガスの供給を開始すると共に、燃料電池スタック101の燃料ガス排出側に設けられた開放弁124を開状態にする。これにより、起動前に燃料ガス循環経路L102に残っていた空気を燃料ガスに置換する。そして、開放弁124を閉状態にして発電準備完了となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アノード側にエゼクタポンプ123を使用した従来の燃料電池システムでは、起動時に燃料電池スタック101から電力を取り出す場合、まず電力が取り出され、消費された燃料ガス分だけ燃料電池スタック101内の圧力が低くなって初めて燃料供給流路L101からエゼクタポンプ123へ燃料ガスが流れ始めるため、エゼクタノズル部における流速が小さく、エゼクタノズル部近傍での圧力低下も急峻には発生しないため、十分なポンプ効果を得ることができない。
【0013】
したがって、従来の燃料電池システムでは、起動時に十分な燃料ガス循環量を得ることができないことがある。したがって、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタック101の起動後に所望とする発電電力を安定して取り出すことができないという問題点があった。
【0014】
また、これを解決するため、従来の燃料電池システムにおいて開放弁124を設け、起動時に燃料ガス循環経路L102の一部を外部に開放可能な構成にし、開放弁124を開状態で燃料ガスの供給を開始して、エゼクタノズル部での流速を確保し、燃料ガス循環経路L102に十分な燃料ガスが循環している状態で、燃料電池スタック101から発電電力の取り出しを開始するという手法も提案されているが、燃料ガス循環経路L102で十分な循環流量が得られ、電力の取り出しが安定してから開放弁124を閉じるため、それまでに相当量の燃料ガスを廃棄する必要があるという問題点がある。
【0015】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池スタックの起動時に、速やかに安定した発電出力を得ることができる燃料電池システムを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1に係る発明では、電解質膜を、酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、酸化剤ガス供給流路を介して上記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料ガス供給流路を介して上記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、上記燃料ガス供給流路に配設され、上記燃料ガス供給手段から上記燃料電池に供給する燃料ガス圧力を制御する燃料ガス圧力制御弁と、上記燃料電池の燃料ガス排出口から排出された燃料ガスを、燃料ガス循環流路を介して上記燃料電池の燃料ガス供給口に循環する循環手段と、上記燃料電池の燃料ガス排出口近傍であって上記燃料ガス循環流路に配設され、上記燃料電池内の燃料ガス圧力を制御する第1循環制御弁と、上記燃料電池の燃料極から排出された燃料ガスを外部に排出する開放弁と、上記燃料電池を起動するに際して、上記第1循環制御弁及び上記開放弁を開状態に制御した後に、上記燃料ガス供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを所定圧力で供給するように上記燃料ガス圧力制御弁を制御した後に、上記燃料電池内の燃料ガスが所定封入圧力となるように上記開放弁及び上記第1循環制御弁を閉状態にする制御をした後に、上記燃料電池の発電電力の取り出しを開始した後に、上記第1循環制御弁を開状態に制御する制御手段とを備え、前記所定封入圧力は、上記燃料電池の発電電力を取り出した直後での、上記燃料電池内の燃料ガス不足による上記燃料電池の出力電圧の低下を抑制する範囲に設定される。
【0017】
請求項2に係る発明では、上記制御手段は、上記燃料電池の発電電力の取り出しを開始するのと同時に、上記燃料ガス供給手段から上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を上記所定圧力より一時的に増加させた電力取出時圧力とするように上記燃料ガス圧力制御弁を制御し、所定時間経過後に上記第1循環制御弁の開度を大きくする制御をする。
【0018】
請求項3に係る発明では、上記燃料電池の温度を検出する温度検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記燃料電池を起動するときに上記温度検出手段で検出された上記燃料電池の温度に応じて、上記所定封入圧力、上記電力取出時圧力、上記燃料電池の発電電力の取り出し開始タイミングを設定する。
【0019】
請求項4に係る発明では、上記制御手段は、上記燃料電池を停止するに際して上記第1循環制御弁を閉状態にして上記燃料電池内に燃料ガスを封入し、次に上記燃料電池を起動するに際して上記燃料電池内に残余している燃料ガスの圧力に応じて上記電力取出時圧力、及び上記燃料電池の発電電力の取り出し開始タイミングを設定する。
【0020】
請求項5に係る発明では、上記燃料電池の状態を検出する状態検出手段と、上記状態検出手段で検出された上記燃料電池の状態に基づいて上記燃料ガス循環流路の循環流量を演算する循環流量演算手段と、上記循環流量演算手段で演算された循環流量に従って上記第1循環制御弁の開度を制御する循環流量制御手段とを更に備える。
【0021】
請求項6に係る発明では、上記燃料電池の燃料ガス供給口近傍に設けられた第2循環制御弁を更に備え、上記制御手段は、上記燃料電池の起動前に、所定圧力で燃料ガスを供給した後に上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁を閉状態にして上記燃料電池内に燃料ガスを所定封入圧力で封入する制御をし、上記所定封入圧力より高い所定封入圧力より高い圧力で燃料ガスの供給をするように上記燃料ガス圧力制御弁を制御し、上記燃料電池の発電電力の取り出しを開始するのと同時に、上記第2循環制御弁を開状態にし、所定時間経過後に上記第1循環制御弁の開度を大きくする制御をする。
【0022】
請求項7に係る発明では、上記燃料電池の温度を検出する温度検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記燃料電池を起動するときに上記温度検出手段で検出された上記燃料電池の温度に応じて、上記所定封入圧力、上記所定封入圧力より高い圧力、上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁の制御タイミングを設定する。
【0023】
請求項8に係る発明では、上記制御手段は、上記燃料電池を停止するに際して上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁を閉状態にして上記燃料電池内に燃料ガスを封入し、次に上記燃料電池を起動するに際して上記燃料電池内に残余している圧力に応じて所定封入圧力より高い圧力、及び上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁の制御タイミングを設定する。
【0024】
請求項9に係る発明では、上記燃料電池の燃料ガス排出口側に設けられ、燃料ガスを外部に放出する開放弁と、パージ動作を行うに際して、上記第1循環制御弁の開度を小さくした後に、上記第2循環制御弁の開度を全開とすると共に上記開放弁を開状態にして、上記燃料電池内の燃料ガス流路及び燃料ガス循環流路のパージ動作をするパージ制御手段とを更に備える。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、燃料電池を起動するに際して、燃料電池に燃料ガスを所定圧力で供給すると共に、燃料電池内に燃料ガスを所定封入圧力で封入するように第1循環制御弁を閉状態にする制御をした後に、燃料電池の発電電力の取り出しを開始するので、予め高く設定した圧力で燃料電池入口流路及び循環流路に封入されていた燃料ガスが、発電開始とともに燃料電池入口側に一気に流入するため、出力に対して十分な燃料ガスが供給され、発電電力を取り出した直後での、燃料電池内の燃料ガス不足による燃料電池の出力電圧の急激な低下を抑制することができる。
【0026】
したがって、請求項1に係る燃料電池システムによれば、発電電力の取り出し開始時に燃料電池に供給する燃料ガス流速を増加させ、循環手段としての効果を十分発揮して速やかに安定した出力電力を得ることができる。
【0027】
請求項2に係る発明によれば、燃料電池の発電電力の取り出しを開始するのと同時に、燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を所定圧力より一時的に増加させた電力取出時圧力とし、所定時間経過後に第1循環制御弁の開度を大きくする制御をするので、第1循環制御弁を開状態にしたときに燃料ガス循環流路から燃料電池の燃料ガス排出口への燃料ガスの逆流を防止すると共に、循環手段としての効果を更に十分発揮することができる。
【0028】
請求項3に係る発明によれば、燃料電池を起動するときに、検出した燃料電池の温度に応じて、所定封入圧力、電力取出時圧力、燃料電池の発電電力の取り出し開始タイミングを設定するので、起動するときの燃料電池の冷機、暖機に拘わらず燃料電池の温度状態に応じた最適な出力電力を安定して取り出すことができる。
【0029】
請求項4に係る発明によれば、燃料電池を停止するに際して第1循環制御弁を閉状態にして燃料電池内に燃料ガスを封入し、次に燃料電池を起動するに際して燃料電池内に残余している燃料ガスの圧力に応じて電力取出時圧力、及び燃料電池の発電電力の取り出し開始タイミングを設定するので、再起動時に流路内ガスの置換のためのパージ動作を不要として、再起動に要する時間を短縮することができる。
【0030】
請求項5に係る発明によれば、燃料電池の状態に基づいて燃料ガス循環流路の循環流量を演算し、演算して得た循環流量に従って第1循環制御弁の開度を制御するので、第1循環制御弁により循環流量を適正に制御することで最適な燃料電池の運転状態を実現することができる。
【0031】
請求項6に係る発明によれば、燃料電池の起動前に、所定圧力で燃料ガスを供給した後に第1循環制御弁及び第2循環制御弁を閉状態にして燃料電池内に燃料ガスを所定封入圧力で封入する制御をし、所定封入圧力より高い圧力で燃料ガスの供給をするように燃料ガス圧力制御弁を制御し、燃料電池の発電電力の取り出しを開始するのと同時に、第2循環制御弁を開状態にし、所定時間経過後に第1循環制御弁の開度を大きくする制御をするので、発電電力取り出し開始時に第1循環制御弁の下流から燃料電池に向かって流速の速い燃料ガスを供給することができ、起動時の発電電力を更に素早く安定させることができる。
【0032】
請求項7に係る発明によれば、燃料電池を起動するときに温度検出手段で検出された燃料電池の温度に応じて、所定封入圧力、所定封入圧力より高い圧力、第1循環制御弁及び第2循環制御弁の制御タイミングを設定するので、起動するときの燃料電池の冷機、暖機に拘わらず燃料電池の温度状態に応じた最適な発電電力を安定して取り出すことができると共に、より素早く安定した発電電力を取り出すことができる。
【0033】
請求項8に係る発明によれば、燃料電池を停止するに際して第1循環制御弁及び第2循環制御弁を閉状態にして燃料電池内に燃料ガスを封入し、次に燃料電池を起動するに際して燃料電池内に残余している圧力に応じて所定封入圧力より高い圧力、及び第1循環制御弁及び第2循環制御弁の制御タイミングを設定するので、燃料電池の発電電力の取り出しを停止した後であっても、より素早く安定した発電電力を取り出すことができる。
【0034】
請求項9に係る発明によれば、パージ動作を行うに際して、第1循環制御弁の開度を小さくした後に、第2循環制御弁の開度を全開とすると共に開放弁を開状態にして、燃料電池内の燃料ガス流路及び燃料ガス循環流路のパージ動作をするので、パージ時に開放弁が開いた際、循環流路から直接開放弁へと流れる逆流を防止し、パージ後の循環流量を素早く安定させると共に、供給ガス流速を早めるて循環流路に蓄積された窒素や凝縮水を排出しやすくすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0036】
本発明は、例えば図1に示すように構成された第1構成例の燃料電池システムに適用される。
【0037】
[燃料電池システムの第1構成例]
この燃料電池システムは、図1に示すように、燃料電池スタック1のアノード極1aに燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路L1と、燃料電池スタック1のアノード極1aから排出された燃料ガスを循環する燃料ガス循環流路L2と、燃料電池スタック1のカソード極1bに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路L3と、カソード極1bから排出された酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス排出流路L4と、冷却媒体を燃料電池スタック1内に循環させる冷却媒体循環流路L5とを備える。
【0038】
また、この燃料電池システムは、システム全体を制御する制御部21を備える。この制御部21は、後述の各部に制御信号を出力することで燃料電池スタック1の運転開始及び停止などの制御をする。
【0039】
燃料ガス供給流路L1には、燃料ガスを蓄積する燃料ガス供給装置2、供給圧制御弁3、エゼクタポンプ4が配設されている。また、この供給圧制御弁3では、供給圧制御弁3の開度を調整する第1アクチュエータ5と、供給圧制御弁3とエゼクタポンプ4との間に配設された第1圧力センサ6と、エゼクタポンプ4と燃料電池スタック1との間に配設された第2圧力センサ7とを備える。
【0040】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、第1圧力センサ6及び第2圧力センサ7で検出したセンサ信号を制御部21で参照しながら、供給圧制御弁3の開度を調整するように第1アクチュエータ5を制御部21により制御してエゼクタポンプ4を介して燃料電池スタック1のアノード極1aに燃料ガスを供給する。
【0041】
燃料ガス循環流路L2には、燃料電池スタック1の燃料ガス排出口近傍に設けられた循環制御弁8と、循環制御弁8の開度を調整する第2アクチュエータ9と、燃料電池スタック1と循環制御弁8との間に配設された第3圧力センサ10と、循環制御弁8とエゼクタポンプ4との間に配設された第4圧力センサ11とを備える。
【0042】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、第1圧力センサ6と第2圧力センサ7で検出したセンサ信号を制御部21で参照しながら、供給圧制御弁3の開度を調整するように第1アクチュエータ5を制御部21により制御して燃料電池スタック1への燃料ガス供給圧力を制御すると共に、第1圧力センサ6と第2圧力センサ7と第3圧力センサ10と第4圧力センサ11で検出したセンサ信号を制御部21で参照しながら、循環制御弁8の開度を調整するように第2アクチュエータ9を制御部21により制御して燃料電池スタック1に最適な燃料ガス流量を供給するように制御する。
【0043】
酸化剤ガス供給流路L3には、例えば外部の空気を取り込んで酸化剤ガスとして燃料電池スタック1に供給する空気供給装置12が配設される。
【0044】
空気供給装置12は、燃料電池スタック1を発電させるに際して、制御部21からの制御信号により駆動量が制御されることで、外部から取り込む酸化剤ガス量が制御されて、酸化剤ガス供給流路L3に酸化剤ガスを供給する。
【0045】
酸化剤ガス排出流路L4には、燃料電池スタック1の酸化剤ガス排出側に設けられた排圧制御弁13と、排圧制御弁13の開度を調整する第3アクチュエータ14とが配設される。
【0046】
この燃料電池システムは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、排圧制御弁13の開度を調整する制御信号を第3アクチュエータ14に出力し、燃料電池スタック1への酸化剤ガス供給圧力を調整する。
【0047】
冷却媒体循環流路L5には、図示しない冷却媒体循環装置が接続され、燃料電池スタック1を駆動させるに際して、燃料電池スタック1の温度を所定温度に保つように冷却媒体の流量が調整される。
【0048】
また、燃料電池システムは、燃料電池スタック1のアノード極1aから排出された燃料ガスを外部に排出する開放弁15と、この開放弁15の開度を調整する第4アクチュエータ16とを備える。制御部21は、燃料電池スタック1内及び燃料ガス循環流路L2内の凝縮した水分や窒素を外部に排出するパージ動作を行うに際して、開放弁15を開状態にする制御信号を第4アクチュエータ16に供給する。
【0049】
制御部21は、上述したように各圧力センサからのセンサ信号を入力とし、センサ信号に基づいて燃料電池スタック1の発電を制御すると共に、後述の各種処理をする。なお、この制御部21の処理の詳細については後述する。
【0050】
「第1構成例の燃料電池システムの起動制御処理」
図2に、起動制御処理をするときの制御部21の処理手順を示す。
【0051】
制御部21は、外部からの燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令に従って、ステップS1以下の起動制御処理を開始する。
【0052】
ステップS1において、制御部21は、開放弁15を開状態にするように第4アクチュエータ16を制御すると共に、循環制御弁8を開状態にするように第2アクチュエータ9を制御する。
【0053】
次のステップS2において、制御部21は、燃料ガス供給装置2及び供給圧制御弁3を制御することで燃料電池スタック1に燃料ガスを供給すると共に、空気供給装置12を制御して燃料電池スタック1に酸化剤ガスを供給する。これにより、燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の起動前に燃料ガス供給流路L1及び燃料ガス循環流路L2内に残留していた残留ガスを外部に放出するパージ動作を行う。
【0054】
次のステップS3において、制御部21は、図示しない内部のタイマを動作させ、ステップS2において燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を開始した時刻から所定時間が経過したか否かの判定をする。ここでの所定時間は、燃料電池スタック1及び燃料ガス循環流路L2内が残留ガスから燃料ガスに置換されるのに要する時間である。
【0055】
制御部21は、所定時間が経過していないと判定したときには燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を継続する。一方、制御部21は、所定時間が経過したと判定したときには、燃料電池スタック1及び燃料ガス循環流路L2内の残留ガスが排出されて燃料ガスに置換されたとしてステップS4に処理を進める。
【0056】
ステップS4において、制御部21は、燃料電池スタック1への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を停止するように燃料ガス供給装置2及び供給圧制御弁3、及び空気供給装置12を制御すると共に、循環制御弁8及び開放弁15を閉状態にするように第2アクチュエータ9及び第4アクチュエータ16を制御する。
【0057】
次のステップS5において、制御部21は、供給圧制御弁3を制御することにより燃料電池スタック1内が所定封入圧力となるように燃料ガスを燃料電池スタック1に供給すると共に、排圧制御弁13を制御することにより上記所定封入圧力と同じ圧力で酸化剤ガスを燃料電池スタック1に供給開始する。
【0058】
ステップS4で循環制御弁8及び開放弁15を閉状態としたことから、燃料ガス供給流路L1内、燃料電池スタック1と開放弁15とを挿通する流路、及び燃料電池スタック1と循環制御弁8とを挿通する流路に燃料ガスを封入している状態となる。
【0059】
次のステップS6において、制御部21は、ステップS5で供給開始して、第3圧力センサ10からのセンサ信号に基づいて燃料電池スタック1内の圧力が所定封入圧力に達したか否かの判定をする。制御部21は、燃料電池スタック1内が所定封入圧力に達したと判定したときにはステップS7に処理を進め、達していないと判定したときには燃料ガスの燃料電池スタック1への供給を継続する。
【0060】
ステップS7において、制御部21は、内蔵のタイマを動作させることにより、ステップS6で達した所定封入圧力を所定の時間だけ保持する。
【0061】
次のステップS8において、制御部21は、燃料電池スタック1が発電することによる出力電力の取り出しを開始する。ここで、制御部21は、燃料電池スタック1で発電して得た出力電力を図示しないバッテリや負荷に供給する制御をする。
【0062】
次のステップS9において、制御部21は、供給圧制御弁3を所定開度開くように第1アクチュエータ5を制御して燃料ガスを電力取出時圧力にし、同時に、空気供給装置12及び排圧制御弁13を制御して燃料電池スタック1への燃料ガス供給圧力の変化に追従するように酸化剤ガス供給圧力を制御する。
【0063】
次のステップS10において、制御部21は、図示しない燃料電池スタック1に接続された電圧センサからのセンサ信号を取り込んで、燃料電池スタック1から取り込んでいる出力電圧値が、予め設定した警告下限電圧を下回っているか否かの判定をする。ここで、警告下限電圧とは、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給している状態で正常に燃料電池スタック1が発電反応していると認められる出力電圧の下限値である。
【0064】
制御部21は、出力電圧が警告下限電圧を下回っていると判定したときには燃料電池スタック1が正常に発電反応をしていないとしてステップS11に処理を進める。一方、制御部21は、出力電力が警告下限電圧を下回っていないと判定したときには燃料電池スタック1が発電反応を正常に行っているとしてステップS12に処理を進める。
【0065】
ステップS11において、制御部21は、燃料電池スタック1が正常に発電反応をしていないとして燃料電池スタック1から出力電力の取り出しを停止して、ステップS1に処理を戻す。
【0066】
ステップS12において、制御部21は、ステップS8で燃料電池スタック1からの出力電力の取り出しを開始してから所定時間が経過したか否かの判定をする。制御部21は、所定時間経過したと判定したときにはステップS13に処理を進め、所定時間経過していないと判定したときにはステップS10に処理を戻す。これにより、制御部21は、ステップS8で出力電力の取り出しを開始してから所定時間を経過した時点で出力電圧値が警告下限電圧を上回っていればステップS13に処理を進める。
【0067】
ステップS13において、制御部21は、循環制御弁8を開状態にするように第2アクチュエータ9を制御する。
【0068】
次のステップS14において、制御部21は、循環制御弁8を開状態にした後の状態において、ステップS10と同様に、燃料電池スタック1から取り込んでいる出力電圧値が所定の警告下限電圧を下回っているか否かの判定をし、下回っているときにはステップS11に処理を戻し、下回っていないときにはステップS15に処理を進めて燃料電池スタック1を通常運転させる。
【0069】
このような処理をする燃料電池システムによれば、図3に示すように、ステップS5で供給圧制御弁3を開状態にして所定封入圧力で燃料ガスと封入して、時刻t1(ステップS8)で燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを開始したときの燃料ガス循環量を増加させることができるので(b)、時刻t1直後での出力電圧の急激な低下を抑制することができる。
【0070】
これにより、燃料電池システムは、出力電力の取り出し開始時にエゼクタポンプ4から燃料電池スタック1に燃料ガスを放出するエゼクタノズル部の燃料ガス流速を増加させ、エゼクタポンプ4のポンプ効果を十分に発揮させる状態とすることができ、燃料電池スタック1の起動時に、速やかに安定した発電状態を得ることができる。
【0071】
これに対し、予め循環制御弁8により燃料ガスを封入状態にしない場合には、図3中の比較例で示すように、燃料電池スタックからの出力電力の取り出しを開始すると、燃料電池スタック1内で燃料ガスが消費されて発生する圧力低下によって燃料ガス出入口双方から燃料ガスが流れ込み、燃料ガス循環流路での逆流により、十分な循環流量、つまり十分な燃料ガスの供給量が得られないため(b)、発電開始直後に急激に出力電圧が低下してしまう(a)。
【0072】
また、上述の起動制御処理をする燃料電池システムによれば、ステップS8で出力電力の取り出しを開始してから所定時間を経過したらステップS13で循環制御弁8を開状態とするように、出力電力の取り出し開始時刻から循環制御弁8を開状態とする時刻まで所定の時差を与えるので、発電開始時の燃料ガス出口への逆流を防止すると共に、正常な方向への循環流を発電開始直後から形成することができるので、十分な燃料ガスの供給流量を確保することができ、出力電圧の低下防止をより補強することができる。
【0073】
また、この燃料電池システムによれば、パージ動作のまま発電を開始することで循環量を確保する必要がないため、無駄に燃料ガスを消費することがない。
【0074】
「起動制御設定処理」
上述の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1から取り出し可能な出力電力、ステップS6における判定の基準となる所定封入圧力、ステップS9の出力電力の取り出し開始時に供給圧制御弁3により供給する燃料ガス圧力、及びステップS12で判定する所定時間が予め設定されていた場合について説明したが、図2におけるステップS1の前に、図4に示す起動制御設定処理を行うことが望ましい。
【0075】
制御部21は、外部からの燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令に従って、ステップS21以下の起動制御設定処理を開始する。
【0076】
図4によれば、先ず、ステップS21において、制御部21は、図示しない燃料電池スタック1の温度を検出する温度センサからのセンサ信号を入力して燃料電池スタック1の温度を得る。
【0077】
次のステップS22において、制御部21は、ステップS21で得た燃料電池スタック1の温度に応じて、図5に示すような出力補正マップを参照して、燃料電池スタック1から取り出し可能な出力電力値を演算する。
【0078】
図5に示す出力補正マップは、燃料電池スタック1から取り出し可能な最大出力電力に対する電圧値を示す負荷割合[%]を横軸にし、温度に応じた燃料電池スタック1から取り出し可能な出力電力値を縦軸にして表現される。制御部21は、内部のメモリに燃料電池スタック1の温度又は燃料ガス圧力によって変化する、負荷割合に対する取り出し可能な出力電力値をテーブルとして記憶している。そして、制御部21は、ステップS22において、ステップS21で検出した燃料電池スタック1の温度に応じて負荷割合に対する取り出し可能な出力電力値を演算する。
【0079】
次のステップS23において、制御部21は、ステップS22で得た取り出し可能な出力電力に基づいて、ステップS6における判定の基準となる所定封入圧力、ステップS9の出力電力の取り出し開始時に供給圧制御弁3により供給する燃料ガスの電力取出時圧力、燃料ガス循環流路L2の配管容積及びエゼクタポンプ4の性能からステップS12で判定する所定時間を演算し、図2のステップS1以降の処理を開始する。ここで、制御部21は、ステップS12で判定する所定時間を演算することで、ステップS13での循環制御弁8の駆動タイミングを決定する。
【0080】
このような起動制御設定処理を行う燃料電池システムによれば、起動時の燃料電池スタック1の温度に応じて起動時に取り出し可能な出力電力を演算し、取り出し可能な出力電力に応じて、ステップS6における所定封入圧力、ステップS9において供給する燃料ガスの電力取出時圧力、ステップS13における循環制御弁8の駆動タイミングを変化させる。
【0081】
これにより、燃料電池システムは、起動するときの燃料電池スタック1の冷機、暖機に拘わらず燃料電池スタック1の温度状態に応じた最適な出力電力を安定して取り出すことができる。
【0082】
「システム再起動制御処理」
図6に、図1に示す燃料電池システムにおいて、システム再起動制御処理をするときの制御部21の処理手順を示す。
【0083】
制御部21は、図2中のステップS11において燃料電池スタック1の出力を停止させたことに応じて、ステップS31以降のシステム再起動制御処理を開始する。
【0084】
ステップS31において、制御部21は、所定の圧力で燃料ガスを封入するように供給圧制御弁3、循環制御弁8及び開放弁15を制御すると共に、燃料ガスと同じ所定の圧力で酸化剤ガスを燃料電池スタック1内に封入するように空気供給装置12及び排圧制御弁13を制御する。
【0085】
次のステップS32において、制御部21は、外部からの命令により燃料電池スタック1から出力電力を取り出す出力要求が入力されているか否かを判定する。制御部21は出力要求があるときにはステップS33に進んで、要求された出力電力に応じて燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して出力電力を取り出す通常運転を行う。一方、制御部21は出力要求がないと判定したときにはステップS34に処理を進める。
【0086】
ステップS34において、制御部21は、運転者に操作されるイグニッションスイッチ(IGN)がオフ状態であるか否かを判定する。制御部21はイグニッションスイッチがオフ状態でないと判定したときにはステップS32に処理を戻し、イグニッションスイッチがオフ状態であるときにはステップS35に処理を進め、燃料電池システム全体を停止させる。
【0087】
次のステップS36において制御部21は、燃料電池システム再起動を開始し、ステップS37において、図示しない燃料電池スタック1の温度を検出する温度センサからのセンサ信号を入力して温度を認識すると共に、第3圧力センサ10からのセンサ信号を入力することで燃料電池スタック1内に残余する燃料ガスによる残余封入圧力を検出する。
【0088】
次のステップS38において、制御部21は、予め内部のメモリ内に格納しておいた残余封入圧力に対する燃料電池スタック1の取り出し可能な出力電力との関係を示す出力対圧力対応マップを読み出す処理をする。これにより、制御部21は、ステップS37で検出した残余封入圧力に対する出力電力を認識する。次いで、制御部21は、認識した出力電力をステップS37で検出した温度に応じて補正をする。
【0089】
このようなシステム再起動制御処理をする制御部21によれば、ステップS11で燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止した後であっても、次のステップS8で取り出す出力電力を、残余封入圧力及び温度に従って決定することができる。
【0090】
したがって、この燃料電池システムによれば、システムを停止するに際してステップS31での処理を行うことで常に所定の圧力で燃料ガスを封入した状態にし、残余封入圧力に応じて取り出し可能な出力電力を演算し、演算して得た出力電力に対応させ、ステップS9において供給する燃料ガス圧力、ステップS13における循環制御弁8の駆動タイミングを変化させる。
【0091】
また、このような燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の出力を停止した後であっても、ステップS31で燃料ガス及び酸化剤ガスを所定の圧力で燃料電池スタック1内に封入することにより、システム再起動時にステップS2で行うような開放弁15によるパージ動作を不要として、直接ステップS8から処理を開始することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、システム再起動に要する時間を短縮することができる。
【0092】
「通常動作時における循環流量制御処理」
図7に、起動時外の通常動作時における循環流量制御処理を行うときの制御部21の処理手順を示す。
【0093】
制御部21は、上述の図2におけるステップS15以降において、ステップS41以降の処理を行う。
【0094】
ステップS41において、制御部21は、現在の燃料電池スタック1の状態を検出し、最適な燃料ガス循環流路L2での燃料ガス流量を演算する。ここで、制御部21は、図示しない温度センサや電圧センサにより燃料電池スタック1の状態を検出し、検出した燃料電池スタック1の状態に対する必要な燃料ガス流量を演算することで、燃料ガス循環流路L2での最適な循環流量を演算する。
【0095】
次のステップS42において、制御部21は、現在の燃料ガス循環流路L2の循環流量が、ステップS41で演算して得た最適値であるか否かの判定をする。ここで、制御部21は、例えば燃料ガス循環流路L2に設けられた流量センサなどの流量検出手段を使用して燃料ガス循環流路L2の循環流量を検出する。制御部21は、現在の燃料ガス循環流路L2の循環流量が最適値であると判定したときにはステップS41に処理を戻し、現在の燃料ガス循環流路L2の循環流量が最適値でないと判定したときにはステップS43に処理を進める。
【0096】
ステップS43において、制御部21は、ステップS42で検出した現在の循環流量が、ステップS41で演算した最適な循環流量よりも大きいか否かの判定をする。制御部21は、現在の循環流量が最適な循環流量よりも大きいと判定したときにはステップS44に処理を進め、現在の循環流量が最適な循環流量よりも大きくないと判定したときにはステップS46に処理を進める。
【0097】
ステップS44において、制御部21は、燃料ガス循環流路L2での現在の循環流量を小さくするために、循環制御弁8の開度を小さくするように第2アクチュエータ9を制御する。
【0098】
次のステップS45において、制御部21は、外部から燃料電池スタック1を停止する命令が入力されたか否かを判定することで燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止するか否かの判定をする。制御部21は、燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止すると判定したときには処理を終了し、燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止しないと判定したときにステップS41に処理を戻す。
【0099】
一方、ステップS43で現在の循環流量が最適な循環流量よりも大きくないと判定したときのステップS46において、制御部21は、燃料ガス循環流路L2での現在の循環流量を大きくするために、循環制御弁8の開度を大きくするように第2アクチュエータ9を制御する。
【0100】
次のステップS47において、制御部21は、外部から燃料電池スタック1を停止する命令が入力されたか否かを判定することで燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止するか否かの判定をする。制御部21は、燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止すると判定したときには処理を終了し、燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止しないと判定したときにステップS41に処理を戻す。
【0101】
このような燃料電池システムによれば、循環制御弁8が開度調整可能な構造を有する場合において、起動時のみならず通常運転時にも循環制御弁8の開度を調整して燃料ガス循環流路L2の循環流量或いは循環圧力を調整することにより、燃料電池スタック1の負荷や温度などの状態に応じて燃料ガスの利用率を制御することができる。
【0102】
[燃料電池システムの他の構成例]
つぎに、本発明を適用した燃料電池システムの第2構成例について説明する。なお、以下の説明において、上述の第1構成例の燃料電池システムと同じ部分については省略する。
【0103】
図8に、燃料電池システムの第2構成例を示す。この燃料電池システムは、エゼクタポンプ4及び第2圧力センサ7と燃料電池スタック1との間であって燃料電池スタック1の燃料ガス供給口近傍に配設された第2循環制御弁31と、第2循環制御弁31と燃料電池スタック1とを挿通する挿通管の燃料ガス圧力を検出する第5圧力センサ32と、第2循環制御弁31の開度を制御する第5アクチュエータ33とを備える点で、図1に示す燃料電池システムと異なる。なお、以下の説明では、上述の循環制御弁8を、「第1循環制御弁8」と呼ぶ。
【0104】
「第2構成例の燃料電池システムの起動制御処理」
図9に、図8に示す燃料電池システムにおいて、起動制御処理をするときの制御部21の処理手順を示す。
【0105】
制御部21は、外部からの燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令に従って、ステップS51以下の起動制御処理を開始する。
【0106】
ステップS51において、制御部21は、開放弁15を開状態にするように第4アクチュエータ16を制御すると共に、第2循環制御弁31及び第1循環制御弁8を開状態にするように第5アクチュエータ33及び第2アクチュエータ9を制御する。
【0107】
次のステップS52において、制御部21は、燃料ガス供給装置2及び供給圧制御弁3を制御することで燃料電池スタック1に燃料ガスを供給すると共に、空気供給装置12を制御して燃料電池スタック1に酸化剤ガスを供給する。これにより、燃料電池システムでは、起動前に燃料電池スタック1及び燃料ガス循環流路L2内に残留していた残留ガスをパージする。
【0108】
次のステップS53において、制御部21は、図示しない内部のタイマを動作させ、ステップS52において燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を開始した時刻から所定時間が経過したか否かの判定をする。制御部21は、所定時間が経過したと判定したときには、燃料電池スタック1及び燃料ガス循環流路L2内の残留ガスが排出されて燃料ガスに置換されたとしてステップS54に処理を進める。
【0109】
ステップS54において、制御部21は、燃料電池スタック1への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を停止するように燃料ガス供給装置2、供給圧制御弁3、及び空気供給装置12を制御すると共に、第1循環制御弁8及び開放弁15を閉状態にするように第2アクチュエータ9及び第4アクチュエータ16を制御する。
【0110】
ステップS55において、制御部21は、供給圧制御弁3を制御することにより燃料電池スタック1内が所定封入圧力となるように燃料ガスを燃料電池スタック1に供給すると共に、排圧制御弁13を制御することにより上記所定圧力と同じ圧力で酸化剤ガスを燃料電池スタック1に供給開始する。
【0111】
ステップS54で第1循環制御弁8及び開放弁15が閉状態であることから、燃料ガス供給流路L1内、燃料電池スタック1と開放弁15とを挿通する流路、及び燃料電池スタック1と第1循環制御弁8とを挿通する流路に燃料ガスを封入している状態となる。
【0112】
次のステップS56において、制御部21は、第5圧力センサ32からのセンサ信号に基づいて、ステップS55で供給開始したことにより燃料電池スタック1内の圧力が所定封入圧力に達したか否かの判定をする。制御部21は、燃料電池スタック1内が所定封入圧力に達したと判定したときにはステップS57に処理を進める。
【0113】
ステップS57において、制御部21は、第2循環制御弁31を閉状態にするように第5アクチュエータ33を制御すると共に、供給圧制御弁3により上記所定封入圧力より高い圧力となるように第1アクチュエータ5を制御して、燃料ガスを供給する。
【0114】
これにより、第2循環制御弁31と第1循環制御弁8との間を上記所定封入圧力とすると共に、供給圧制御弁3と第2循環制御弁31との間を上記所定封入圧力より高い圧力とする。
【0115】
次のステップS58において、制御部21は、ステップS57で供給開始して、第2圧力センサ7からのセンサ信号に基づいて圧力が所定封入圧力より高い圧力に達したか否かの判定をする。制御部21は、所定封入圧力より高い圧力に達したと判定したときにはステップS59に処理を進める。
【0116】
次のステップS59において、制御部21は、燃料電池スタック1が発電することによる出力電力の取り出しを開始する。ここで、制御部21は、燃料電池スタック1で発電して得た出力電力を図示しないバッテリや負荷に供給する制御をする。
【0117】
次のステップS60において、制御部21は、第2循環制御弁31を開くように第5アクチュエータ33を制御して燃料ガスを電力取出時圧力で供給し、同時に、空気供給装置12及び排圧制御弁13を制御して燃料電池スタック1への燃料ガス供給圧力変化に追従するように酸化剤ガス圧力を制御する。ここで、制御部21は、燃料電池スタック1から取り出す出力電力に対応した圧力で燃料ガスを供給するように供給圧制御弁3を制御する。
【0118】
次のステップS61において、制御部21は、図示しない燃料電池スタック1に接続された電圧センサからのセンサ信号を取り込んで、燃料電池スタック1から取り込んでいる出力電力値が所定の警告下限電圧を下回っているか否かの判定をする。制御部21は、出力電圧が警告下限電圧を下回っていると判定したときには燃料電池スタック1が正常に発電反応をしていないとしてステップS62に処理を進める。一方、制御部21は、出力電圧が警告下限電圧を下回っていないと判定したときには燃料電池スタック1が発電反応を正常に行っているとしてステップS63に処理を進める。
【0119】
ステップS62において、制御部21は、燃料電池スタック1が正常に発電反応をしていないとして燃料電池スタック1からの出力電力の取り出しを停止して、ステップS51に処理を戻す。
【0120】
ステップS63において、制御部21は、ステップS59で燃料電池スタック1からの出力電力の取り出しを開始してから所定時間が経過したか否かの判定をする。制御部21は所定時間経過したと判定したときにはステップS64に処理を進め、所定時間経過していないと判定したときにはステップS61に処理を戻す。これにより、制御部21は、ステップS59で出力電力の取り出しを開始してから所定時間を経過した時点で出力電力値が警告下限電圧を上回っていればステップS64に処理を進める。
【0121】
ステップS64において、制御部21は、第1循環制御弁8を開状態にするように第2アクチュエータ9を制御する。
【0122】
次のステップS65において、制御部21は、第1循環制御弁8を開状態にした後の状態において、ステップS61と同様に、燃料電池スタック1から取り込んでいる出力電力値が所定の警告下限電圧を下回っているか否かの判定をし、下回っているときにはステップS62に処理を戻し、下回っていないときにはステップS66に処理を進めて燃料電池スタック1を通常運転させる。
【0123】
このような処理を行う燃料電池システムによれば、第2循環制御弁31と第1循環制御弁8との間の燃料ガス圧力より、供給圧制御弁3と第2循環制御弁31との間の燃料ガス圧力を高くした状態で燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを開始し、第2循環制御弁31を開状態にして、更に所定の時差で第1循環制御弁8を開状態とするので、第2循環制御弁31の下流から燃料電池スタック1に向かって流速の速い燃料ガスを供給することができる。
【0124】
したがって、この燃料電池システムによれば、図1の燃料電池システムと比較して、出力電力の取り出し開始時にエゼクタポンプ4から燃料電池スタック1に燃料ガスを放出するエゼクタノズル部の燃料ガス流速を更に増加させ、エゼクタポンプ4のポンプ効果を十分に更に発揮させる状態とすることができ、起動時の出力電力を更に安定させることができる。
【0125】
「起動制御設定処理」
上述の燃料電池システムでは、図9におけるステップS1の前に、図10に示す起動制御設定処理を行ってもよい。制御部21は、外部からの燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令に従って、ステップS71以下の起動制御設定処理を開始する。
【0126】
図10によれば、先ず、ステップS71及びステップS72において、上述のステップS21及びステップS22と同じ処理をすることにより、燃料電池スタック1の温度を認識し、出力補正マップを参照して取り出し可能な出力電力値を演算する。
【0127】
次のステップS73において、制御部21は、ステップS72で得た取り出し可能な出力電力に基づいて、ステップS56における判定の基準となる所定封入圧力及びステップS58における判定の基準となる所定封入圧力より高い圧力、ステップS60の出力電力の取り出し開始時に供給圧制御弁3により供給する電力取出時圧力、燃料ガス循環流路L2の配管容積及びエゼクタポンプ4の性能からステップS63で判定する所定時間を演算し、図9のステップS51以降の処理を開始する。ここで、制御部21は、ステップS63で判定する所定時間を演算することで、ステップS64での第1循環制御弁8の駆動タイミングを決定する。
【0128】
このような起動制御設定処理を行う燃料電池システムによれば、起動時の燃料電池スタック1の温度に応じて起動時に取り出し可能な出力電力を演算し、取り出し可能な出力電力に応じて、所定封入圧力及び所定封入圧力より高い圧力、ステップS60における電力取出時圧力、ステップS64における循環制御弁8の駆動タイミングを変化させる。
【0129】
これにより、燃料電池システムは、図1に示す燃料電池システムと同様に起動するときの燃料電池スタック1の冷機、暖機に拘わらず燃料電池スタック1の温度状態に応じた最適な出力電力を安定して取り出すことができると共に、図1に示す燃料電池システムよりもより素早く安定した出力電力を取り出すことができる。
【0130】
「システム再起動制御処理」
図11に、図8に示す燃料電池システムにおいて、システム再起動制御処理をするときの制御部21の処理手順を示す。
【0131】
図11によれば、制御部21は、上述のステップS31〜ステップS37で説明した処理と同様に、ステップS81〜ステップS87の処理を行ってステップS88に処理を進める。
【0132】
ステップS88において、制御部21は、予め内部のメモリ内に格納しておいた残余封入圧力に対する燃料電池スタック1の取り出し可能な出力電力との関係を示す出力対圧力対応マップを読み出す処理をする。これにより、制御部21は、ステップS87で検出した残余封入圧力に対する出力電力を認識する。次いで、制御部21は、認識した出力電力をステップS87で検出した温度に応じて補正をすると共に、補正した出力電力を得るための所定封入圧力、所定封入圧力より高い圧力、第1循環制御弁8を開状態にする駆動タイミングを補正する。
【0133】
このようなシステム再起動制御処理をする制御部21によれば、ステップS62で燃料電池スタック1の出力電力の取り出しを停止した後であっても、図1に示す燃料電池システムと同様の効果を得ると共に、図1に示す燃料電池システムよりも素早く更に安定した出力電力を取り出すことができる。
【0134】
「通常動作時における循環流量制御処理」
図12に、図8に示す燃料電池システムにおいて、起動時外の通常動作時における循環流量制御処理の制御部21の処理手順を示す。
【0135】
燃料電池スタック1が通常動作しているとき、ステップS91において、制御部21は、燃料ガス循環流路L2の第1循環制御弁8を開状態にするパージ動作が必要であるか否かの判定をする。ここで、パージ動作を行うタイミングはシステムにより異なり、燃料ガス循環流路L2内に燃料ガスの加湿水が凝縮して滞留した場合、燃料電池スタック1内のガス流路で水詰まりが発生した場合、或いはカソード極1bから透過する微量な窒素が蓄積されることで燃料電池スタック1の運転効率を下げるような量に達した場合などを解消するために、所定時間ごとに実行される。制御部21はパージ動作の必要があると判定したときにはステップS92に処理を進める。
【0136】
ステップS92において、制御部21は、第2循環制御弁31の開度を小さくするように第5アクチュエータ33を制御すると共に、供給圧制御弁3を制御してエゼクタポンプ4への燃料ガス供給圧力を高くするように制御する。ここで、制御部21は、燃料電池スタック1への供給燃料ガス流量及び圧力を変化させない程度に第2循環制御弁31及び供給圧制御弁3を制御する。これにより、エゼクタポンプ4への供給圧力を上げ、かつエゼクタノズル部の流速を増加させる。
【0137】
次のステップS93において、制御部21は、第1循環制御弁8の開度を全開にするように第2アクチュエータ9を制御すると共に、内部タイマをスタートさせて開放弁15を所定時間だけ開状態にするように第4アクチュエータ16を制御する。これにより、燃料電池スタック1及び燃料ガス循環流路L2内の燃料ガス流速を速くしてパージ動作をする。
【0138】
次のステップS94において、制御部21は、図示しない電圧センサにより燃料電池スタック1のセル単位の出力電圧が下限電圧よりも小さいか否かを判定する。制御部21は、いずれか一つのセル単位の出力電圧でも下限電圧よりも小さいと判定したときには燃料電池スタック1の異常が発生したとして燃料電池スタック1からの出力電力の取り出しを停止する。一方、制御部21は、セル単位の出力電圧が下限電圧よりも小さくないと判定したときには、燃料電池スタック1が正常に発電反応をしているとしてステップS95に処理を進める。
【0139】
ステップS95において、制御部21は、スタートさせたタイマで所定時間が終了したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定したときにはステップS91に処理を戻す。
【0140】
このような処理を行う図8に示す燃料電池システムによれば、パージ動作を行うに際して、燃料電池スタック1に供給する燃料ガス流量及び圧力を変化させずに、第2循環制御弁31の開度を小さくし、エゼクタノズル部での流速が増し、燃料ガス循環流路L2内の凝縮水や窒素を排出しやすくすると共に、瞬間的に第1循環制御弁8から開放弁15に向かって排出される循環流の流れを、パージ動作終了(開放弁15閉後)時に正常の方向に復帰させやすくする。さらには、燃料ガス循環流路L2内の圧力がパージ動作直前に増加するので、それがより燃料ガス循環流量L2内の凝縮水や窒素を排出しやすくする。
【0141】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの第1構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、起動制御処理をするときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】(a)は燃料電池スタックを起動するときの燃料電池電圧の変化を説明するための図であり、(b)は燃料電池スタックを起動するときの燃料ガス循環流路内の燃料ガス循環量の変化を説明するための図である。
【図4】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、起動制御設定処理をするときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】起動制御設定処理を行うに際して参照する、燃料電池スタックの温度により変化する燃料電池スタックの負荷割合と取り出し可能な出力電力との関係を示す出力補正マップを説明するための図である。
【図6】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、システム再起動制御処理をするときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した燃料電池システムにおいて、起動時外の通常動作時における循環流量制御処理を行うときの制御部21の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用した燃料電池システムの第2構成例を示すブロック図である。
【図9】第2構成例の燃料電池システムにおいて、起動制御処理をするときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第2構成例の燃料電池システムにおいて、起動制御設定処理をするときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第2構成例の燃料電池システムにおいて、システム再起動制御処理をするときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第2構成例の燃料電池システムにおいて、通常動作時における循環流量制御処理の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】従来の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 燃料ガス供給装置
3 供給圧制御弁
4 エゼクタポンプ
5 第1アクチュエータ
6 第1圧力センサ
7 第2圧力センサ
8 循環制御弁(第1循環制御弁)
9 第2アクチュエータ
10 第3圧力センサ
11 第4圧力センサ
12 空気供給装置
13 排圧制御弁
14 第3アクチュエータ
15 開放弁
16 第4アクチュエータ
21 制御部
31 第2循環制御弁
32 第5圧力センサ
33 第5アクチュエータ
Claims (9)
- 電解質膜を、酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、
酸化剤ガス供給流路を介して上記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
燃料ガス供給流路を介して上記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
上記燃料ガス供給流路に配設され、上記燃料ガス供給手段から上記燃料電池に供給する燃料ガス圧力を制御する燃料ガス圧力制御弁と、
上記燃料電池の燃料ガス排出口から排出された燃料ガスを、燃料ガス循環流路を介して上記燃料電池の燃料ガス供給口に循環する循環手段と、
上記燃料電池の燃料ガス排出口近傍であって上記燃料ガス循環流路に配設され、上記燃料電池内の燃料ガス圧力を制御する第1循環制御弁と、
上記燃料電池の燃料極から排出された燃料ガスを外部に排出する開放弁と、
上記燃料電池を起動するに際して、上記第1循環制御弁及び上記開放弁を開状態に制御した後に、上記燃料ガス供給手段から上記燃料電池に燃料ガスを所定圧力で供給するように上記燃料ガス圧力制御弁を制御した後に、上記燃料電池内の燃料ガスが所定封入圧力となるように上記開放弁及び上記第1循環制御弁を閉状態にする制御をした後に、上記燃料電池の発電電力の取り出しを開始した後に、上記第1循環制御弁を開状態に制御する制御手段とを備え、
前記所定封入圧力は、上記燃料電池の発電電力を取り出した直後での、上記燃料電池内の燃料ガス不足による上記燃料電池の出力電圧の低下を抑制する範囲に設定されることを特徴とする燃料電池システム。 - 上記制御手段は、上記燃料電池の発電電力の取り出しを開始するのと同時に、上記燃料ガス供給手段から上記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を上記所定圧力より一時的に増加させた電力取出時圧力とするように上記燃料ガス圧力制御弁を制御し、
所定時間経過後に上記第1循環制御弁の開度を大きくする制御をすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 上記燃料電池の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記燃料電池を起動するときに上記温度検出手段で検出された上記燃料電池の温度に応じて、上記所定封入圧力、上記電力取出時圧力、上記燃料電池の発電電力の取り出し開始タイミングを設定することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。 - 上記制御手段は、上記燃料電池を停止するに際して上記第1循環制御弁を閉状態にして上記燃料電池内に燃料ガスを封入し、
次に上記燃料電池を起動するに際して上記燃料電池内に残余している燃料ガスの圧力に応じて上記電力取出時圧力、及び上記燃料電池の発電電力の取り出し開始タイミングを設定することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。 - 上記燃料電池の状態を検出する状態検出手段と、
上記状態検出手段で検出された上記燃料電池の状態に基づいて上記燃料ガス循環流路の循環流量を演算する循環流量演算手段と、
上記循環流量演算手段で演算された循環流量に従って上記第1循環制御弁の開度を制御する循環流量制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 上記燃料電池の燃料ガス供給口近傍に設けられた第2循環制御弁を更に備え、
上記制御手段は、上記燃料電池の起動前に、所定圧力で燃料ガスを供給した後に上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁を閉状態にして上記燃料電池内に燃料ガスを所定封入圧力で封入する制御をし、
上記所定封入圧力より高い圧力で燃料ガスの供給をするように上記燃料ガス圧力制御弁を制御し、
上記燃料電池の発電電力の取り出しを開始するのと同時に、上記第2循環制御弁を開状態にし、所定時間経過後に上記第1循環制御弁の開度を大きくする制御をすることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 上記燃料電池の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記燃料電池を起動するときに上記温度検出手段で検出された上記燃料電池の温度に応じて、上記所定封入圧力、上記所定封入圧力より高い圧力、上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁の制御タイミングを設定することを特徴とする請求項6記載の燃料電池システム。 - 上記制御手段は、上記燃料電池を停止するに際して上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁を閉状態にして上記燃料電池内に燃料ガスを封入し、
次に上記燃料電池を起動するに際して上記燃料電池内に残余している圧力に応じて上記所定封入圧力より高い圧力、及び上記第1循環制御弁及び第2循環制御弁の制御タイミングを設定することを特徴とする請求項6記載の燃料電池システム。 - 上記燃料電池の燃料ガス排出口側に設けられ、燃料ガスを外部に放出する開放弁と、
パージ動作を行うに際して、上記第1循環制御弁の開度を小さくした後に、上記第2循環制御弁の開度を全開とすると共に上記開放弁を開状態にして、上記燃料電池内の燃料ガス流路及び燃料ガス循環流路のパージ動作をするパージ制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項6記載の燃料電池システム。
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