JP4060492B2 - Flame retardant polycarbonate resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、この難燃性樹脂組成物からの成形品が高湿度条件下に置かれた場合でも加水分解し難く、耐加水分解性(耐湿性)が改良され、さらに燃焼時の滴下防止性の改良された難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的性質を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野をはじめその他の工業分野においても、部品製造用材料として広く利用されている。一方、OA機器、家電製品等の用途を中心に、部品製造用材料としての合成樹脂材料には難燃化の要望が強く、これらの要望に応えるために多数の難燃剤、難燃化した樹脂組成物が開発され提案されている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂を難燃化するには、従来、主にハロゲンを含有する化合物が使用されていた。ハロゲンを含有する化合物は、これを配合した樹脂組成物の熱安定性を低下させたり、成形機のスクリューや成形金型などを腐食させるなどの欠点があるほか、近年は、環境汚染などの問題があるので、ハロゲンを含有する化合物の減量を目的として、例えばリン酸エステル系化合物、またはリン酸エステル系化合物とフェノール系安定剤とを併用した難燃性組成物が提案されている。しかし、こうした難燃性ポリカーボネート樹脂組成物においては、耐衝撃性や熱安定性が低下するという欠点があった。
【0004】
基体樹脂にハロゲンを含有しない化合物を配合して難燃化する技術として、例えば基体樹脂のポリカーボネート樹脂に、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩と、置換基としてアルコキシ基、ビニル基およびフェニル基を有する有機シロキサンとを配合した難燃性組成物が提案されている(特許第2719486号公報参照)。この刊行物に記載の発明は、基体樹脂に置換基としてビニル基を含有した有機シロキサンを配合することによって難燃性を改良することを目論んでいる。しかしこの樹脂組成物では、使用される有機シロキサンの詳細な構造は記載されておらず、また、得られる樹脂組成物の耐湿性の改良効果は十分とはいえない。
【0005】
他方、特開平10−139964号公報には、芳香環を有する非シリコーン樹脂に、難燃剤として機能する重量平均分子量が1万〜27万の範囲のシリコーン樹脂を添加した難燃性樹脂組成物が記載されている。この刊行物に記載の難燃性樹脂組成物では、基体樹脂である芳香環を有する非シリコーン樹脂の難燃性は改良されるが、配合されるシリコーン樹脂の分子量が高いため、この分子量の高いシリコーン樹脂をポリカーボネート樹脂に配合する場合には、ポリカーボネート樹脂自体が本来持っている透明性を損なうという欠点がある。また、アルコキシ基を有するシリコーン樹脂のアルコキシ基の含有量が高いと、難燃性樹脂組成物またはこれから得られる成形品を高湿度条件下に置いた場合に、容易に吸湿して透明性を大幅に損なう(耐湿性に劣る)という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、次のとおりである。
1.高湿度条件下に置かれた場合でも加水分解し難い、耐加水分解性(耐湿性)の改良された難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
2.耐衝撃性、耐熱性、熱安定性などに優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
3.ハロゲンを含む化合物の使用量を可及的に少なくして、成形機スクリューや成形金型などの腐食の問題を大幅に改良した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂0〜80重量%と、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂100〜20重量%とよりなる基体樹脂の合計量100重量部に、オルガノポリシロキサン0.1〜15重量部、および有機スルホン酸金属塩0.01〜5重量部それぞれ配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、前記オルガノポリシロキサンが、重量平均分子量が400〜1500で、分子中に必須置換基としてフェニル基を有し、かつ、オルガノオキシ基の含有量が1〜5重量%であることを特徴とする、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の基体樹脂を構成するもので、芳香族ヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって製造され、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。この樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、または、溶融法(エステル交換法)などの従来法によって製造することができる。さらに、溶融法で末端基のOH基量を調整して製造された芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。
【0009】
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−P−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、ビスフェノールAである。
【0010】
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、m−およびp−メチルフェノール、m−およびp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、およびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。
【0011】
芳香族ポリカーボネート樹脂として好ましいのは、2,2ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、または2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂は、原料成分の異なる2種以上の重合体および/または共重合体の混合物であってもよい。難燃性をさらに高める目的で、前記の芳香族ジヒドロキシ化合物に、スルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物、および/または、シロキサン構造を有するポリマーあるいはオリゴマーを共重合させるとができる。
【0012】
直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、メチレンクロライドを溶媒として用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量が、16,000〜30,000の範囲のものが好適であり、中でも特に好ましいのは18,000〜26,000の範囲のものである。この直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂の構造粘性指数Nは、好ましくは1.1以下である。
【0013】
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の基体樹脂を構成する、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂としては、分岐状芳香族ポリカーボネート樹脂が挙げられ、特開平8ー259687、特開平8ー245782に記載されているように、触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を添加することなく、溶融法(エステル交換法)によって、構造粘性指数が高く、加水分解安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
【0014】
本発明において「構造粘性指数N」とは、文献(小野木重治著、化学者のためのレオロジー、第15〜16頁)に記載の式(1.15)および式(1.17)より応力σを消去し、数式より所定のγの2点間を直進近似して、傾き(1ーN)/NおよびNを求める。傾きについては、粘度挙動が大きく異なる低せん段域で評価することができる。因みに、γ=12.16 sec-1およびγ=24.32 sec-1でのηからN値を決定することができる。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
【0019】
【数5】
【0020】
(上記の数式において、Nは構造粘性指数、aは定数、ηaは見かけの粘度、ηは粘度をそれぞれ意味する。)
【0021】
なお、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を、溶融法で製造る際に分岐剤を使用することもできる。さらに必要に応じ、例えば、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部に代えて、次に挙げる化合物を使用することもできる。化合物の具体例としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどが挙げられる。その使用量は0.01〜10モル%の範囲であり、特に好ましいのは0.1〜2モル%の範囲である。
【0022】
ホスゲン法(界面法)においても同様に、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部に代えて上記に挙げる化合物を使用することにより、分岐状芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
【0023】
構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、メチレンクロライドを溶媒として用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量が、16,000〜100,000の範囲のものが好適であり、中でも特に好ましいのは18,000〜30,000の範囲のものである。
【0024】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の基体樹脂は、直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂0〜80重量%と、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂20〜100重量%とよりなる。なお、樹脂組成物の耐衝撃性、流動性などを勘案すると、構造粘性指数Nの高い芳香族ポリカーボネート樹脂を配合するのが好ましい。
【0025】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、上記の基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂に、特定構造のオルガノポリシロキサンが配合されてなる。特定構造のオルガノポリシロキサンは、分子中に必須の置換基としてフェニル基を含有するものを使用する。なお、置換基としてはフェニル基以外のものを含有していてもよい。オルガノポリシロキサンの置換基としてのフェニル基は、オルガノポリシロキサンと芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性を向上させ、かつ、樹脂組成物の難燃性を向上させるように機能する。
【0026】
上記のオルガノポリシロキサンは、GPC法によって測定した重量平均分子量が400〜1500の範囲のものから選ぶものとする。オルガノポリシロキサンの分子量が400未満であると、低分子量体の含有量が多くなって、基体樹脂のポリカーボネート樹脂と溶融混合する際に系外に揮発する成分が多くなり、難燃効果が発揮されず好ましくないし、他方分子量が1500を越えると、基体樹脂への分散性が不良となって、最終的に得られる難燃性樹脂組成物から得られる成形品の透明性、衝撃強度が低下すると共に、燃焼時の表面移行性が悪くなって、期待される燃焼効果が発揮されず好ましくない。オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、好ましくは400〜1400であり、より好ましくは500〜1300である。
【0027】
オルガノポリシロキサンが、ケイ素原子に結合する全有機基、および、オルガノオキシ基の酸素原子を介してケイ素原子に結合する有機基を含む全置換基の合計重量に占めるフェニル基の割合が、30〜70重量%の範囲となるように選ぶのが好ましい。オルガノポリシロキサン分子中の全置換基に占めるフェニル基の割合が30重量%未満であると、最終的に得られる難燃性樹脂組成物の難燃効果が十分に発揮されず、しかも基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が低下して不均一な分散となり、この難燃性樹脂組成物から得られる成形品の外観(透明性)、耐衝撃性などが低下する原因となる。他方、全置換基に占めるフェニル基の割合が70重量%を越えると、基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂との相溶性が高くなりすぎて、燃焼時の表面移行性が悪くなり、この場合も難燃効果が低下してしまう。
【0028】
オルガノポリシロキサンは、さらに分子中に占めるアルコキシ基の含有量が5重量%未満のものが好ましい。このオルガノポリシロキサン中のアルコキシ基は、燃焼時のドリップを抑える効果を発揮するものであるが、他方、難燃性樹脂組成物またはこれから得られる成形品を高湿度条件下に置いた場合には、吸湿水分と加水分解反応してアルコールを生成させ、耐湿性に劣り、成形品の透明性を損なう虞れがある。従って、耐湿性という観点からは、オルガノポリシロキサンの分子中のアルコキシ基含有量を5重量%未満として、上記の加水分解反応に寄与するアルコキシ基の量を少なくすることによって、難燃性樹脂組成物またはこれから得られる成形品の耐湿性を大幅に向上させることが可能で、透明性に優れた成形品を得ることができる。
【0029】
また、このように分子中にフェニル基を含有し、アルコキシ基含有量を5重量%未満のたオルガノポリシロキサンは、本質的に非反応性のものであり、高耐熱性を有することから、300℃以下の温度範囲においてはほとんどその構造が変化しないため、再使用(リサイクル)が可能な難燃性ポリカーボネート樹脂成形品製造用の原料樹脂とすることができる。アルコキシ基は、その反応性および難燃性の観点から、イソプロポキシ基、2ーブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基などから選択される炭素数が3〜6個の2級、および/または、3級のアルコキシ基であるのが好ましい。
【0030】
さらに、オルガノポリシロキサンは、その分子中に含むSi−OH基としての水酸基の含有量が2重量%以下のものが好ましい。これは、分子中に含む水酸基の含有量が2重量%を越えると、基体のポリカーボネート樹脂と溶融混合する際に、Si−OH基間での縮合反応が起こり易く、オルガノポリシロキサンが高分子量化し、分散性が不良となり、最終的に得られる難燃性樹脂組成物および成形品の透明性、衝撃強度低下の原因となると共に、燃焼時の表面移行性が悪くなって難燃性も低下するからである。
【0031】
本発明で必須成分とするオルガノポリシロキサンは、従来から知られている方法によって容易に製造することができる。すなわち、目的とするオルガノポリシロキサンの分子構造および分子量に従って、フェニル基を有するオルガノクロロシラン類に適宜のアルコールと水を反応させた後、必要に応じて添加した有機溶媒、副生する塩酸や低沸分を除去することによって、フェニル基を含有するオルガノポリシロキサンを製造することができる。また、フェニル基を有するアルコキシシラン類を出発原料とする場合には、同様に目的とするオルガノポリシロキサンの分子量に従って、所定量の水を添加して加水分解反応を進行させる方法によって製造することができ、この場合には、塩酸、酢酸などの酸触媒またはアンモニア、水酸化ナトリウムなどの塩基性触媒を使用することができる。
【0032】
また、この際には、各種シリル化剤を使用して、残存アルコキシ基の含有量を低下させると共に、生成するSi−OH基をキャッピングすることが好ましく、副生するアルコールなどの不純物を除去することによって、同様にオルガノポリシロキサンを製造することができる。いずれの場合においても、フェニル基の含有量、アルコキシ基の種類と含有量および分子量は、各原料の種類と使用量を選ぶことによって容易に調整することができる。
【0033】
オルガノポリシロキサンの分子中に含まれる置換基としてのフェニル基、アルコキシ基などは、NMRによって測定することができる。分子中に含むSi−OH基としての水酸基の含有量(重量%)は、グリニヤ法に従って、所定量のオルガノポリシロキサンをメチルグリニヤ試薬と反応させて、生成するメタンガスを定量することによって測定することができる。
【0034】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、上記オルガノポリシロキサンを0.1〜15重量部の範囲で配合する。配合量が0.1重量部未満では最終的に得られる難燃性樹脂組成物の難燃効果が不十分であるし、15重量部を越えた場合は、難燃効果の向上がみられないばかりでなく、衝撃強度などの機械的特性が大幅に低下するので好ましくない。オルガノポリシロキサンの配合量は、好ましくは0.2〜10重量部であり、より好ましくは0.3〜5重量部である。
【0035】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、さらに、有機スルホン酸金属塩を配合する。有機スルホン酸金属塩としては、脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩などが挙げられる。有機スルホン酸金属塩の金属としては、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。アルカリ金属およびアルカリ土類金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムなどが挙げられる。有機スルホン酸金属塩は、2種以上の混合物であってもよい。
【0036】
有機スルホン酸金属塩としては、パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩、芳香族スルホンスルホン酸金属塩などが挙げられる。中でも好ましいのは、前者のパーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩である。パーフルオロアルカン−スルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロアルカン−スルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカン−スルホン酸のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。中でも好ましいのは、炭素数が1〜8個のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数が1〜8個のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土類金属塩などである。
【0037】
パーフルオロアルカン−スルホン酸の具体例としては、パーフルオロメタン−スルホン酸、パーフルオロエタン−スルホン酸、パーフルオロプロパン−スルホン酸、パーフルオロブタン−スルホン酸、パーフルオロヘキサン−スルホン酸、パーフルオロヘプタン−スルホン酸、パーフルオロオクタン−スルホン酸などが挙げられる。
【0038】
芳香族スルホンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩などが挙げられ、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩は重合体であってもよい。
【0039】
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4・4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3ースルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3・3’−ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。
【0040】
有機スルホン酸金属塩の配合量は、基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部の範囲で選ぶものとする。有機スルホン酸金属塩の配合量が0.01重量部未満であると、最終的に得られる難燃性樹脂組成物の難燃性が充分でなく、5重量部を越えると熱安定性が低下し、いずれも好ましくない。有機スルホン酸金属塩の配合量は、上記範囲の中では0.01〜4重量部が好ましく、特に好ましいのは0.02〜3重量部である。
【0041】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤などの安定剤、顔料、染料、滑剤、上記以外の難燃剤、滴下防止剤、離型剤、摺動性改良剤などの添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、ウィスカーなどの強化材、または基体樹脂を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を添加配合することができる。
【0042】
配合できる他の熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6・6などのポリアミド系樹脂、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。他の熱可塑性樹脂の樹脂の配合量は、最終的に得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0043】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、その主成分となる基体樹脂はハロゲンを含まない芳香族ポリカーボネート樹脂であるのが好ましく、またこの基体樹脂に配合される各成分もハロゲンを含む化合物を極力少なくするか、非ハロゲンの化合物とするのが好ましい。このようなハロゲンを含む化合物を極力少なくしたか、非ハロゲンの化合物とした難燃性樹脂組成物は、熱安定性、耐衝撃性や耐熱性の低下が少なく、成形機のスクリューや成形金型の腐食の問題、環境汚染の問題も生起こり難くなり好ましい。
【0044】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の調製方法には、特に制限はなく、例えば、(1)基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂、オルガノポリシロキサンおよびスルホン酸金属塩、さらに必要に応じ、他の添加剤などをそれぞれ所定量秤量し、一括混合して溶融混練する方法、(2)基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂、オルガノポリシロキサンおよびスルホン酸金属塩などをあらかじめ溶融混練した後、さらに必要に応じ、他の添加剤を配合し溶融混練する方法などが挙げられる。
【0045】
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製する際の混合・混練は、従来から知られている混合機・混練機、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダーなどを用いて行うことができる。混練に際しての加熱温度は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を構成する原材料の種類、割合などにより変るが、240〜300℃の範囲で選ばれる。
【0046】
こうして得られる本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、ガス射出成形法、精密射出成形法など、従来から知られている成形法によって容易に目的の製品・部品などの成形品を製造することができる。得られた成形品は、機械的強度、耐熱性、耐湿性、成形時の熱安定性などに優れると共に、成形品の表面外観、難燃性、燃焼時の非ドリップ性などの諸特性に優れていることから、自動車分野、電気・電子分野、OA機器分野、家庭電器分野などの広い分野で、製品・部品製造用材料として利用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0048】
なお、実施例および比較例においては使用した各成分は、次のとおりである。
(1)直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂:ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニルカーボネートであって、粘度平均分子量が21,000で構造粘性指数Nが1.0のもの(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロンS−3000、以下、「直鎖状PC」と略記する)。
(2)構造粘性指数Nが1.2以上のポリカーボネート樹脂:以下のN−PC−1ないしN−PC−3の合成例に記載の方法で調製したものである(以下、「N−PC」と略記する)。
【0049】
(3)オルガノポリシロキサン:前記したオルガノポリシロキサンの製造方法に従い、表−1に示した各種物性を有するオルガノポリシロキサン(S−1ないしS−5)を合成した。なお、各オルガノポリシロキサンにおける全置換基中のフェニル基含有量(重量%)と、分子中のアルコキシ基含有量(重量%)はNMRによって測定し、重量平均分子量はGPC法によって測定した。さらに、分子中におけるSi−OH基としての水酸基含有量(重量%)は、グリニヤ法に従って、所定量のオルガノポリシロキサンをメチルグリニヤ試薬と反応させて、生成するメタンガスを定量することによって測定した。
(4)有機スルホン酸金属塩−1:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ化学工業社製、商品名:F−114)。
【0050】
【表1】
【0051】
なお、得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物についての物性評価は、以下に記載の方法によって行ったものである。
(a)燃焼性試験:厚さが1.6mmおよび1.2mmのUL規格の試験片につき、垂直燃焼試験を行った。ULクラスは、「V0」はV0合格を、「V2」はV2合格を、「V2NG」はV2に合格しないことをそれぞれ意味する。
(b)荷重撓み温度(℃):厚さ6.4mmの曲げ試験片を使用し、18.5kg/cm2荷重下での撓み温度を測定した。
【0052】
(c)アイゾット衝撃強度(kg-cm/cm2):厚さ3.2mmで、0.25Rのノッチを切削した衝撃試験片につき、衝撃強度を測定した。
(d)成形品のヘーズ(%):射出成形機で成形した厚さ3mmのプレートにつき、プレッシャークッカー(以下、PCTとする)によって試験する前と(「PCT前」という)、120℃の温度で5時間試験を行った後(「PCT後」という)、ヘーズメータによってヘーズを測定した。PCT後の値が大きくなるほど、成形品の耐湿性が劣ることを意味する。
【0053】
<構造粘性指数Nが1.2以上のN−PCの合成>
[N−PC−1の合成]
窒素ガス雰囲気下、ビスフェノールA(BPA)とジフェニルカーボネート(DPC)とを一定のモル比(DPC/BPA=1.040)に混合調整した溶融混合物を88.7kg/hrの流量で、原料導入管を介して常圧、窒素雰囲気下、140℃に制御した第1竪型撹拌重合槽内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合物の供給を開始すると同時に、触媒として0.02重量%の炭酸セシウム水溶液を320ml/hr(BPA1モルに対して、1×10-6モル)の流量で連続供給した。
【0054】
第1重合槽の槽底より排出された重合液は、引き続き、直列に配した第2、3、4の竪型重合槽および第5の横型重合槽に逐次連続供給した。各槽では、反応の間、平均滞留時間が60分になるように液面レベルを制御し、また同時に、副生するフェノールの留去も行った。重合条件はそれぞれ、第2重合槽(220℃、100Torr、160rpm)、第3重合槽(240℃、15Torr、130rpm)、第4重合槽(270℃、0.5Torr、44rpm)、第5重合槽(285℃、0.5Torr、5rpm)とし、重合反応の進行と共に高温、高真空、低撹拌速度に条件を設定した。
【0055】
ポリカーボネートの製造速度は、50kg/hrである。こうして得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は27000であった。得られたポリカーボネート樹脂を溶融状態のまま、3段ベント口を具備し、樹脂供給口にもっとも近いベント口の手前に酸性化合物圧入孔を有した二軸押出機に供給し、連続的に酸性化合物の溶液(アセトン600ml、純水500ml、パラトルエンスルホン酸ブチル7g)を35g/hrの流量で添加し脱揮した後ペレット化した。得られた分岐状ポリカーボネート樹脂(N−PC−1)の構造粘性指数Nを、前記の評価方法で測定したところ1.46であった。
【0056】
[N−PC−2の合成]
窒素ガス雰囲気下、ビスフェノールA(BPA)とジフェニルカーボネート(DPC)とを一定のモル比(DPC/BPA=1.040)に混合調整した溶融混合物を88.7kg/hrの流量で、原料導入管を介して常圧、窒素雰囲気下、210℃に制御した第1竪型撹拌重合槽内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ液面レベルを一定に保った。また、上記原料混合物の供給を開始すると同時に、触媒として0.02重量%の炭酸セシウム水溶液を320ml/hr(BPA1モルに対して、1×10-6モル)の流量で連続供給した。
【0057】
第1重合槽の槽底より排出された重合液は、引き続き、直列に配した第2、3、4の竪型重合槽および第5の横型重合槽に逐次連続供給した。各槽では、反応の間、平均滞留時間が60分になるように液面レベルを制御し、また同時に、副生するフェノールの留去も行った。重合条件はそれぞれ第2重合槽(210℃、100Torr、200rpm)、第3重合槽(240℃、15Torr、100rpm)、第4重合槽(270℃、0.5Torr、44rpm)、第5重合槽(285℃、0.5Torr、55rpm)とし、重合反応の進行と共に高温、高真空、低撹拌速度に条件を設定した。
【0058】
ポリカーボネートの製造速度は、50kg/hrである。こうして得られたポリカーボネート樹脂のMvは、22500であった。得られたポリカーボネート樹脂を溶融状態のまま、3段ベント口を具備し、樹脂供給口にもっとも近いベント口の手前に酸性化合物圧入孔を有した二軸押出機に供給し、連続的に酸性化合物の溶液(アセトン600ml、純水500ml、パラトルエンスルホン酸ブチル7g)を35g/hrの流量で添加し脱揮した後ペレット化した。得られた分岐状ポリカーボネート樹脂(N−PC−2)の構造粘性指数Nを、前記の評価方法で測定したところ1.28であった。
【0059】
[N−PC−3の合成]
撹拌機付き反応容器にBPA250Kg、分岐剤として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン1.678kg、水酸化ナトリウム水溶液1220リットルおよび塩化メチレン550リットル、脱イオン水450リットルをそれぞれ仕込んだ。反応容器内容物を撹拌しつつ、ホスゲンを123kg吹き込んだ後、水相と有機相を分離させて上液を採取し、さらに水酸化ナトリウム235リットル、脱イオン水100リットル、塩化メチレン275リットル、p−tert−ブチルフェノール6.414kgをそれぞれ仕込み、5分間静置し、その後10分間撹拌を行い、トリエチルアミンを添加し、1時間重縮合反応を行った。
【0060】
得られた反応溶液を、水相と生成ポリマーを含有する有機相とに静置分離し、上液を採取し、撹拌しながら塩化メチレンを800リットル加えて排出し、水および酸によって洗浄し、得られた有機相から塩化メチレンを減圧除去し、Mvが26600の分岐状ポリカーボネート樹脂を得た。得られた分岐状ポリカーボネート樹脂(N−PC−3)の構造粘性指数Nを、前記の評価方法で測定したところ1.39であった。
【0061】
[実施例1〜実施例5]
直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂を0〜100重量部に対し、構造粘性指数Nが1.2以上のPC(N−PC−1、N−PC−2、N−PC−3)、前記表−1に掲げたオルガノポリシロキサン(S−1ないしS−5)、および、有機スルホン酸金属塩を、それぞれ表−2に記載した割合で秤量し、タンブラーによって20分混合した。得られた混合物を、シリンダー温度を270℃とした30mmφの二軸押出機によって溶融・混練してペレット化した。得られたペレットを原料とし、シリンダー温度を270℃とした射出成形機によって、厚さ1.6mmと1.2mmの燃焼試験片を成形した。さらに、同じ射出成形機で、シリンダー温度を270℃とし、アイゾット衝撃試験片、曲げ試験片、および厚さ3mmのプレートを成形した。得られた試験片およびプレートにつき、前記の評価試験を行った。評価試験結果を、表−2に示す。
【0062】
[比較例1〜比較例3]
実施例1に記載の例おいて、オルガノポリシロキサンの種類および配合量を表−2に示したように変更したほかは、同例におけると同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、得られた試験片につき同様に評価試験を行った。評価試験結果を、表−2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
表−1および表−2より、次のことが明らかである。
(1)基体樹脂の芳香族ポリカーボネート樹脂に配合されるオルガノポリシロキサンが、置換基のメトキシ基が1%と少ない場合(実施例1、実施例2)、アルコキシ基が2−ブトキシ基で2%の場合(実施例3)には、得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、いずれも衝撃強度が高く、厚さの異なる試験片でも難燃性はV−0合格となり優れており、しかもPCT前後の成形品のヘーズは低く耐湿性に優れている。
【0065】
(2)分岐状PCー1をホスゲン法によって製造した分岐状PCー3に変えた材料(実施例4)、溶融法によって製造した分岐状PC−2のみの材料(実施例5)のいずれも、難燃性、耐衝撃性、耐湿性いずれも良好であった。
(3)これに対して、実施例1の配合処方から分岐状PC−1を除いた材料(比較例1)では、1.2mmでの燃焼性がVー2(滴下綿着火)となり難燃性の観点からは十分とはいえない。実施例5と比較例1とから、より肉薄成形品での燃焼性を向上させる必要がある場合には、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の配合が必須であることが分かる。
【0066】
(4)さらに、オルガノポリシロキサンの分子量が1600と大きい場合(比較例2)には、衝撃強度は低く、いずれの厚さの試験片でも難燃性はVー2と劣り、さらに成形品のPCT前のヘーズが大で透明性が悪い。この結果から、成形品の耐湿性(PCT前後のヘーズ変化)を改良するには、オルガノポリシロキサンの分子量を1000以下にすることが好ましいことが分かる。
(5)また、オルガノポリシロキサンとして、置換基のメトキシ基を36%、フェニル基を40%含有するものを配合した場合は(比較例3)、成形品のPCT前のヘーズは低く透明性は影響を受けないが、PCT後のヘーズは高くなり、耐湿性は劣る。この結果から、成形品の耐湿性(PCT前後のヘーズ変化)を改良するには、オルガノポリシロキサンの置換基のアルコキシ基の量を低くすることが必要であることが分かる。
【0067】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、構造粘性指数Nが1.2以上の分岐状芳香族ポリカーボネート樹脂を20重量%以上含む芳香族ポリカーボネート樹脂を基体樹脂とするので、耐衝撃性などの機械的強度に優れているほか、肉薄成形品でも優れた難燃性を発揮する。
2.本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物から得られる成形品は、オルガノポリシロキサンと有機スルホン酸金属塩とが、特定の範囲で配合されているので、高湿度条件下に置かれた場合でも加水分解し難く、耐湿性に優れている。
【0068】
3.本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、基体樹脂とオルガノポリシロキサンとの相溶性が優れているので、耐衝撃性などの機械的強度に優れている。
4.本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、肉薄成形品における難燃性に優れているだけでなく、熱安定性、耐衝撃強度にも優れている。
5.本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、ハロゲンを含まないポリカーボネート樹脂を基体樹脂とし、ハロゲンを含まない有機スルフォン酸金属塩を組合せると、成形時に使用する成形機のシリンダー、成形金型などの腐食性の問題が大幅に改良される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flame retardant polycarbonate resin composition. More specifically, the molded product from this flame retardant resin composition is difficult to hydrolyze even when placed under high humidity conditions, hydrolysis resistance (moisture resistance) is improved, and dripping prevention during combustion is further improved. Improved flame retardant polycarbonate resin composition.
[0002]
[Prior art]
Polycarbonate resin has excellent mechanical properties and is widely used as a material for manufacturing parts in the automotive field, OA equipment field, electrical / electronic field, and other industrial fields. On the other hand, there is a strong demand for flame retardants for synthetic resin materials as parts manufacturing materials, mainly for applications such as office automation equipment and home appliances. Many flame retardants and flame retardant resins are used to meet these demands. Compositions have been developed and proposed.
[0003]
Conventionally, halogen-containing compounds have been used to make polycarbonate resins flame-retardant. Halogen-containing compounds have drawbacks such as lowering the thermal stability of resin compositions containing them, corroding screws and molding dies of molding machines, and in recent years, problems such as environmental pollution. Therefore, for the purpose of reducing the amount of the halogen-containing compound, for example, a phosphate ester compound or a flame retardant composition using a phosphate ester compound and a phenol stabilizer in combination has been proposed. However, such a flame retardant polycarbonate resin composition has a drawback that impact resistance and thermal stability are lowered.
[0004]
As a technology for flame retarding by compounding a halogen-free compound with a base resin, for example, an alkali (earth) metal salt of a perfluoroalkanesulfonic acid, an alkoxy group, a vinyl group and A flame retardant composition containing an organosiloxane having a phenyl group has been proposed (see Japanese Patent No. 2719486). The invention described in this publication aims to improve flame retardancy by blending a base resin with an organosiloxane containing a vinyl group as a substituent. However, in this resin composition, the detailed structure of the organosiloxane used is not described, and the effect of improving the moisture resistance of the obtained resin composition is not sufficient.
[0005]
On the other hand, JP-A-10-139964 discloses a flame retardant resin composition in which a non-silicone resin having an aromatic ring is added with a silicone resin having a weight average molecular weight in the range of 10,000 to 270,000 that functions as a flame retardant. Are listed. In the flame retardant resin composition described in this publication, the flame retardancy of the non-silicone resin having an aromatic ring as the base resin is improved, but the molecular weight of the silicone resin to be blended is high, so this molecular weight is high. When a silicone resin is blended with a polycarbonate resin, there is a drawback that the transparency inherent in the polycarbonate resin itself is impaired. In addition, if the content of alkoxy groups in the silicone resin having an alkoxy group is high, when the flame retardant resin composition or a molded product obtained therefrom is placed under high humidity conditions, it easily absorbs moisture and greatly improves transparency. There is a problem that it is damaged (inferior in moisture resistance).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is as follows.
1. To provide a flame-retardant polycarbonate resin composition having improved hydrolysis resistance (moisture resistance) that is difficult to hydrolyze even when placed under high humidity conditions.
2. To provide a flame retardant polycarbonate resin composition excellent in impact resistance, heat resistance, thermal stability and the like.
3. To provide a flame retardant polycarbonate resin composition in which the amount of a halogen-containing compound is reduced as much as possible to greatly improve the corrosion problem of molding machine screws and molding dies.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the present invention, a base resin comprising 0 to 80% by weight of a linear aromatic polycarbonate resin and 100 to 20% by weight of an aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more. In the flame retardant polycarbonate resin composition comprising 0.1 to 15 parts by weight of organopolysiloxane and 0.01 to 5 parts by weight of organic sulfonic acid metal salt in a total amount of 100 parts by weight, However, the weight average molecular weight is 400 to 1500, the molecule has a phenyl group as an essential substituent, and the content of the organooxy group is 1-5% by weight A flame retardant polycarbonate resin composition is provided.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The aromatic polycarbonate resin in the present invention constitutes the base resin of the flame retardant polycarbonate resin composition, and is produced by reacting an aromatic hydroxy compound or a small amount thereof with a diester of phosgene or carbonic acid. A thermoplastic aromatic polycarbonate polymer or copolymer which may be branched. The method for producing this resin is not particularly limited, and it can be produced by a conventional method such as a phosgene method (interfacial polymerization method) or a melting method (transesterification method). Furthermore, the aromatic polycarbonate resin manufactured by adjusting the amount of OH groups of the terminal group by a melting method may be used.
[0009]
As aromatic dihydroxy compounds, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (= bisphenol A), tetramethylbisphenol A, bis (4-hydroxyphenyl) -P-diisopropylbenzene, hydroquinone, resorcinol, 4,4 -Dihydroxydiphenyl etc. are mentioned. Of these, bisphenol A is particularly preferred.
[0010]
In order to adjust the molecular weight of the aromatic polycarbonate resin, a monovalent aromatic hydroxy compound may be used. M- and p-methylphenol, m- and p-propylphenol, p-tert-butylphenol, and p-length And chain alkyl substituted phenols.
[0011]
Preferred as the aromatic polycarbonate resin is a polycarbonate resin derived from 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, or derived from 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane and another aromatic dihydroxy compound. And polycarbonate copolymers. The aromatic polycarbonate resin may be a mixture of two or more polymers and / or copolymers having different raw material components. For the purpose of further improving the flame retardancy, a compound in which one or more tetraalkylphosphonium sulfonates are bonded to the aromatic dihydroxy compound and / or a polymer or oligomer having a siloxane structure can be copolymerized.
[0012]
The molecular weight of the linear aromatic polycarbonate resin is preferably such that the viscosity average molecular weight converted from the solution viscosity measured at a temperature of 25 ° C. using methylene chloride as a solvent is in the range of 16,000 to 30,000. Among them, particularly preferred are those in the range of 18,000 to 26,000. The structural viscosity index N of this linear aromatic polycarbonate resin is preferably 1.1 or less.
[0013]
Examples of the aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more, which constitutes the base resin of the flame retardant polycarbonate resin composition, include branched aromatic polycarbonate resins. As described in 245787, the structural viscosity index is high by the melting method (transesterification method) without adding a branching agent by selecting the conditions of the catalyst or the production conditions. An excellent aromatic polycarbonate resin can be obtained.
[0014]
In the present invention, the “structural viscosity index N” means the stress σ based on the equation (1.15) and the equation (1.17) described in the literature (Shigeharu Onoki, rheology for chemists, pages 15 to 16). , And linearly approximate between two points of predetermined γ from the mathematical formula to obtain the slopes (1−N) / N and N. The slope can be evaluated in a low plateau region where the viscosity behavior differs greatly. Incidentally, γ = 12.16 sec -1 And γ = 24.32 sec -1 The N value can be determined from η at
[0015]
[Expression 1]
[0016]
[Expression 2]
[0017]
[Equation 3]
[0018]
[Expression 4]
[0019]
[Equation 5]
[0020]
(In the above formula, N means structural viscosity index, a means constant, ηa means apparent viscosity, and η means viscosity)
[0021]
In addition, a branching agent can also be used when manufacturing an aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more by a melting method. Furthermore, if necessary, for example, the following compounds may be used in place of a part of the aromatic dihydroxy compound. Specific examples of the compound include phloroglucin, 4,6-dimethyl-2,4,6-tri (4-hydroxyphenyl) heptene-2, 4,6-dimethyl-2,4,6-tri (4-hydroxyphenyl). ) Heptane, 2,6-dimethyl-2,4,6-tri (4-hydroxyphenylheptene-3, 1,3,5-tri (4-hydroxyphenyl) benzene, 1,1,1-tri (4 -Hydroxyphenyl) polyhydroxy compound represented by ethane or the like, or 3,3-bis (4-hydroxyaryl) oxindole (= isatin bisphenol), 5-chlorisatin bisphenol, 5,7-dichloroisatin bisphenol , 5-bromoisatin bisphenol, etc. The amount used is particularly preferably in the range of 0.01 to 10 mol%. Is in the range of 0.1 to 2 mol%.
[0022]
Similarly, in the phosgene method (interface method), a branched aromatic polycarbonate resin can be obtained by using the compounds listed above instead of a part of the aromatic dihydroxy compound.
[0023]
The molecular weight of the aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more is that the viscosity average molecular weight converted from the solution viscosity measured at a temperature of 25 ° C. using methylene chloride as a solvent is 16,000 to 100,000. Those in the range are preferable, and those in the range of 18,000 to 30,000 are particularly preferable.
[0024]
The base resin of the flame retardant polycarbonate resin composition according to the present invention includes 0 to 80% by weight of a linear aromatic polycarbonate resin and 20 to 100% by weight of an aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more. It becomes more. In view of the impact resistance and fluidity of the resin composition, it is preferable to blend an aromatic polycarbonate resin having a high structural viscosity index N.
[0025]
The flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention is obtained by blending an organopolysiloxane having a specific structure with the aromatic polycarbonate resin as the base resin. As the organopolysiloxane having a specific structure, one containing a phenyl group as an essential substituent in the molecule is used. In addition, as a substituent, you may contain things other than a phenyl group. The phenyl group as a substituent of the organopolysiloxane functions to improve the compatibility between the organopolysiloxane and the aromatic polycarbonate resin and to improve the flame retardancy of the resin composition.
[0026]
The organopolysiloxane is selected from those having a weight average molecular weight in the range of 400 to 1500 measured by the GPC method. When the molecular weight of the organopolysiloxane is less than 400, the content of low molecular weight substances increases, and the components that volatilize out of the system when melt-mixed with the polycarbonate resin of the base resin increase, resulting in a flame-retardant effect. When the molecular weight exceeds 1,500, the dispersibility in the base resin becomes poor, and the transparency and impact strength of the molded product obtained from the finally obtained flame retardant resin composition are lowered. The surface transferability during combustion deteriorates, and the expected combustion effect is not exhibited, which is not preferable. The weight average molecular weight of the organopolysiloxane is preferably 400 to 1400, more preferably 500 to 1300.
[0027]
The proportion of the phenyl group in the total weight of the total organic group in which the organopolysiloxane is bonded to the silicon atom and the total substituent including the organic group bonded to the silicon atom through the oxygen atom of the organooxy group is 30 to It is preferable to select it in the range of 70% by weight. When the proportion of phenyl groups in all the substituents in the organopolysiloxane molecule is less than 30% by weight, the flame-retardant effect of the finally obtained flame-retardant resin composition cannot be sufficiently exhibited, and the base resin The compatibility with the aromatic polycarbonate resin is lowered and non-uniform dispersion occurs, which causes a decrease in appearance (transparency), impact resistance, and the like of a molded product obtained from the flame retardant resin composition. On the other hand, if the ratio of the phenyl group to the total substituents exceeds 70% by weight, the compatibility of the base resin with the aromatic polycarbonate resin becomes too high, and the surface migration during combustion deteriorates. The flame effect will be reduced.
[0028]
The organopolysiloxane preferably has an alkoxy group content of less than 5% by weight in the molecule. The alkoxy group in the organopolysiloxane exhibits the effect of suppressing drip during combustion, but on the other hand, when the flame retardant resin composition or a molded product obtained therefrom is placed under high humidity conditions. There is a possibility that alcohol may be generated by a hydrolysis reaction with hygroscopic moisture, resulting in poor moisture resistance and impaired transparency of the molded product. Therefore, from the viewpoint of moisture resistance, the flame retardant resin composition is obtained by setting the alkoxy group content in the molecule of the organopolysiloxane to less than 5% by weight and reducing the amount of alkoxy groups contributing to the hydrolysis reaction. The moisture resistance of a product or a molded product obtained therefrom can be greatly improved, and a molded product having excellent transparency can be obtained.
[0029]
In addition, the organopolysiloxane having a phenyl group in the molecule and having an alkoxy group content of less than 5% by weight is essentially non-reactive and has high heat resistance. Since the structure hardly changes in a temperature range of 0 ° C. or lower, it can be used as a raw material resin for producing a flame-retardant polycarbonate resin molded product that can be reused (recycled). The alkoxy group is a secondary compound having 3 to 6 carbon atoms selected from an isopropoxy group, a 2-butoxy group, a tert-butoxy group, a cyclohexyloxy group, and / or the like from the viewpoint of reactivity and flame retardancy, and / or A tertiary alkoxy group is preferred.
[0030]
Furthermore, the organopolysiloxane preferably has a hydroxyl group content of 2% by weight or less as a Si—OH group contained in the molecule. This is because if the hydroxyl group content in the molecule exceeds 2% by weight, a condensation reaction between Si-OH groups is likely to occur when melt-mixing with the polycarbonate resin of the substrate, and the organopolysiloxane has a high molecular weight. , The dispersibility becomes poor, the resulting flame-retardant resin composition and the molded product are less transparent and impact strength is reduced, the surface migration during combustion is deteriorated, and the flame retardancy is also reduced. Because.
[0031]
The organopolysiloxane as an essential component in the present invention can be easily produced by a conventionally known method. That is, according to the molecular structure and molecular weight of the target organopolysiloxane, after reacting an appropriate alcohol and water with an organochlorosilane having a phenyl group, an organic solvent added as necessary, by-product hydrochloric acid or low boiling point By removing the component, an organopolysiloxane containing a phenyl group can be produced. In the case where alkoxysilanes having a phenyl group are used as starting materials, they can also be produced by a method in which a predetermined amount of water is added and the hydrolysis reaction proceeds according to the molecular weight of the target organopolysiloxane. In this case, an acid catalyst such as hydrochloric acid or acetic acid or a basic catalyst such as ammonia or sodium hydroxide can be used.
[0032]
In this case, it is preferable to use various silylating agents to reduce the content of residual alkoxy groups and to cap the generated Si—OH groups, thereby removing impurities such as by-produced alcohol. Thus, an organopolysiloxane can be produced in the same manner. In any case, the content of the phenyl group, the type and content of the alkoxy group, and the molecular weight can be easily adjusted by selecting the type and amount of each raw material.
[0033]
A phenyl group, an alkoxy group or the like as a substituent contained in the molecule of the organopolysiloxane can be measured by NMR. The content (% by weight) of hydroxyl groups as Si-OH groups contained in the molecule can be measured by reacting a predetermined amount of organopolysiloxane with a methyl Grignard reagent and quantifying the produced methane gas according to the Grignard method. it can.
[0034]
In the flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention, the organopolysiloxane is blended in the range of 0.1 to 15 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the aromatic polycarbonate resin as the base resin. If the blending amount is less than 0.1 parts by weight, the flame retardant effect of the finally obtained flame retardant resin composition is insufficient, and if it exceeds 15 parts by weight, the flame retardant effect is not improved. Not only that, but also mechanical properties such as impact strength are significantly reduced. The compounding amount of the organopolysiloxane is preferably 0.2 to 10 parts by weight, more preferably 0.3 to 5 parts by weight.
[0035]
The flame retardant polycarbonate resin composition according to the present invention further contains an organic sulfonic acid metal salt. Examples of organic sulfonic acid metal salts include aliphatic sulfonic acid metal salts and aromatic sulfonic acid metal salts. Preferred examples of the metal of the organic sulfonic acid metal salt include alkali metals and alkaline earth metals. Examples of the alkali metal and alkaline earth metal include sodium, lithium, potassium, rubidium, cesium, beryllium, magnesium, calcium, strontium and barium. The organic sulfonic acid metal salt may be a mixture of two or more.
[0036]
Examples of organic sulfonic acid metal salts include perfluoroalkane-sulfonic acid metal salts and aromatic sulfonesulfonic acid metal salts. Among them, the former perfluoroalkane-sulfonic acid metal salt is preferable. Specific examples of perfluoroalkane-sulfonic acid metal salts include alkali metal salts of perfluoroalkane-sulfonic acid, alkaline earth metal salts of perfluoroalkane-sulfonic acid, and the like. Among them, sulfonic acid alkali metal salts having a perfluoroalkane group having 1 to 8 carbon atoms and sulfonic acid alkaline earth metal salts having a perfluoroalkane group having 1 to 8 carbon atoms are preferable.
[0037]
Specific examples of perfluoroalkane-sulfonic acid include perfluoromethane-sulfonic acid, perfluoroethane-sulfonic acid, perfluoropropane-sulfonic acid, perfluorobutane-sulfonic acid, perfluorohexane-sulfonic acid, perfluoroheptane. -Sulphonic acid, perfluorooctane-sulfonic acid and the like.
[0038]
Preferred examples of the aromatic sulfone sulfonic acid metal salt include an aromatic sulfone sulfonic acid alkali metal salt and an aromatic sulfone sulfonic acid alkaline earth metal salt. The acid alkaline earth metal salt may be a polymer.
[0039]
Specific examples of the aromatic sulfonesulfonic acid metal salt include sodium salt of diphenylsulfone-3-sulfonic acid, potassium salt of diphenylsulfone-3-sulfonic acid, sodium 4 / 4'-dibromodiphenyl-sulfone-3-sulfone Salt, potassium salt of 4 · 4′-dibromodiphenyl-sulfone-3-sulfone, calcium salt of 4-chloro-4′-nitrodiphenylsulfone-3-sulfonic acid, disodium of diphenylsulfone-3 · 3′-disulfonic acid And dipotassium salt of diphenylsulfone-3 · 3′-disulfonic acid.
[0040]
The blending amount of the organic sulfonic acid metal salt is selected in the range of 0.01 to 5 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the aromatic polycarbonate resin as the base resin. If the amount of the organic sulfonic acid metal salt is less than 0.01 parts by weight, the flame retardancy of the finally obtained flame retardant resin composition is not sufficient, and if it exceeds 5 parts by weight, the thermal stability decreases. However, neither is preferable. The amount of the organic sulfonic acid metal salt is preferably 0.01 to 4 parts by weight, particularly preferably 0.02 to 3 parts by weight within the above range.
[0041]
In the flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention, if necessary, stabilizers such as UV absorbers, antioxidants, heat stabilizers, pigments, dyes, lubricants, flame retardants other than the above, anti-dripping agents , Additives such as mold release agents, slidability improvers, glass fibers, glass flakes, carbon fibers, potassium titanate, aluminum borate, whiskers, and other aromatic polycarbonate resins constituting the base resin Other thermoplastic resins can be added and blended.
[0042]
Other thermoplastic resins that can be blended include polyester resins such as polybutylene terephthalate and polyethylene terephthalate, polyamide resins such as nylon 6 and nylon 6/6, styrene resins such as rubber reinforced polystyrene and ABS resin, polyethylene, and polypropylene. And thermoplastic resins such as polyolefin resins. The blending amount of the other thermoplastic resin is 40% by weight or less, more preferably 30% by weight or less of the finally obtained flame retardant polycarbonate resin composition.
[0043]
In the flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention, the base resin as the main component is preferably an aromatic polycarbonate resin containing no halogen, and each component blended in the base resin is a compound containing a halogen. Is preferably as small as possible or a non-halogen compound. The flame retardant resin composition in which the halogen-containing compound is reduced as much as possible or a non-halogen compound is less likely to deteriorate in thermal stability, impact resistance, and heat resistance. Corrosion problems and environmental pollution problems are less likely to occur.
[0044]
The method for preparing the flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention is not particularly limited. For example, (1) an aromatic polycarbonate resin of a base resin, an organopolysiloxane, and a sulfonic acid metal salt, and, if necessary, other (2) A base resin aromatic polycarbonate resin, organopolysiloxane, sulfonic acid metal salt, etc. are previously melt-kneaded and then further required Accordingly, a method of blending other additives and melt-kneading can be used.
[0045]
Mixing and kneading in preparing the flame retardant polycarbonate resin composition according to the present invention is a conventionally known mixer / kneader, such as a ribbon blender, a Henschel mixer, a Banbury mixer, a single screw extruder, It can be performed using a twin screw extruder, a multi-screw extruder, a kneader or the like. The heating temperature at the time of kneading varies depending on the kind and ratio of raw materials constituting the flame retardant polycarbonate resin composition, but is selected in the range of 240 to 300 ° C.
[0046]
The flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention thus obtained is conventionally known as an extrusion molding method, injection molding method, compression molding method, blow molding method, gas injection molding method, precision injection molding method, etc. A molded product such as a target product / part can be easily manufactured by the law. The resulting molded product is excellent in mechanical strength, heat resistance, moisture resistance, thermal stability during molding, and other properties such as the surface appearance of the molded product, flame retardancy, and non-drip property during combustion. Therefore, it can be used as a material for manufacturing products / parts in a wide range of fields such as the automobile field, the electric / electronic field, the OA equipment field, and the home appliance field.
[0047]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention still in detail, this invention is not limited to the following description examples, unless the meaning is exceeded.
[0048]
In the examples and comparative examples, the components used are as follows.
(1) Linear aromatic polycarbonate resin: Poly-4,4-isopropylidene diphenyl carbonate, having a viscosity average molecular weight of 21,000 and a structural viscosity index N of 1.0 (manufactured by Mitsubishi Engineering Plastics) Trade name: Iupilon S-3000, hereinafter abbreviated as “linear PC”).
(2) Polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more: prepared by the method described in the following synthesis examples of N-PC-1 to N-PC-3 (hereinafter referred to as “N-PC”) Abbreviated).
[0049]
(3) Organopolysiloxane: Organopolysiloxanes (S-1 to S-5) having various physical properties shown in Table 1 were synthesized according to the method for producing organopolysiloxane. In addition, phenyl group content (weight%) in all the substituents in each organopolysiloxane and alkoxy group content (weight%) in the molecule were measured by NMR, and the weight average molecular weight was measured by GPC method. Furthermore, the hydroxyl group content (wt%) as Si—OH groups in the molecule was measured by reacting a predetermined amount of organopolysiloxane with a methyl Grignard reagent and quantifying the produced methane gas according to the Grignard method.
(4) Organic sulfonic acid metal salt-1: potassium perfluorobutanesulfonic acid (Dainippon Ink & Chemicals, trade name: F-114).
[0050]
[Table 1]
[0051]
In addition, physical property evaluation about the obtained flame-retardant polycarbonate resin composition was performed by the method as described below.
(a) Flammability test: A vertical combustion test was conducted on UL standard test pieces having a thickness of 1.6 mm and 1.2 mm. In the UL class, “V0” means that V0 has passed, “V2” means that V2 has passed, and “V2NG” means that V2 has not passed.
(b) Load deflection temperature (° C): Using a bending test piece with a thickness of 6.4 mm, 18.5 kg / cm 2 The deflection temperature under load was measured.
[0052]
(c) Izod impact strength (kg-cm / cm 2 ): Impact strength was measured for an impact test piece having a thickness of 3.2 mm and a 0.25R notch cut.
(d) Haze (%) of molded product: Before testing with a pressure cooker (hereinafter referred to as PCT) on a 3 mm thick plate molded by an injection molding machine (referred to as “before PCT”), a temperature of 120 ° C. Then, the haze was measured with a haze meter after 5 hours test (referred to as “after PCT”). It means that the moisture resistance of a molded product is inferior, so that the value after PCT becomes large.
[0053]
<Synthesis of N-PC having a structural viscosity index N of 1.2 or more>
[Synthesis of N-PC-1]
In a nitrogen gas atmosphere, a raw material introduction pipe is prepared by mixing a molten mixture prepared by mixing bisphenol A (BPA) and diphenyl carbonate (DPC) at a constant molar ratio (DPC / BPA = 1.040) at a flow rate of 88.7 kg / hr. A valve provided in the polymer discharge line at the bottom of the tank so that the average residence time is 60 minutes, continuously fed into the first vertical stirring polymerization tank controlled at 140 ° C. under normal pressure and nitrogen atmosphere. The liquid level was kept constant while controlling the opening. Further, at the same time when the feed of the raw material mixture was started, 0.02 wt% cesium carbonate aqueous solution was added as a catalyst at 320 ml / hr (1 × 10 5 per 1 mol of BPA). -6 Mol).
[0054]
The polymerization liquid discharged from the bottom of the first polymerization tank was continuously continuously supplied to the second, third and fourth vertical polymerization tanks and the fifth horizontal polymerization tank arranged in series. In each tank, the liquid level was controlled so that the average residence time was 60 minutes during the reaction, and at the same time, by-product phenol was distilled off. The polymerization conditions were the second polymerization tank (220 ° C., 100 Torr, 160 rpm), the third polymerization tank (240 ° C., 15 Torr, 130 rpm), the fourth polymerization tank (270 ° C., 0.5 Torr, 44 rpm), and the fifth polymerization tank, respectively. (285 ° C., 0.5 Torr, 5 rpm) The conditions were set to high temperature, high vacuum, and low stirring speed as the polymerization reaction progressed.
[0055]
The production rate of polycarbonate is 50 kg / hr. The viscosity average molecular weight (Mv) of the polycarbonate resin thus obtained was 27000. The obtained polycarbonate resin is supplied in a molten state and supplied to a twin-screw extruder having a three-stage vent port and an acidic compound press-fitting hole in front of the vent port closest to the resin supply port. (600 ml of acetone, 500 ml of pure water, 7 g of butyl paratoluenesulfonate) was added at a flow rate of 35 g / hr, devolatilized, and pelletized. The structural viscosity index N of the obtained branched polycarbonate resin (N-PC-1) was measured by the above evaluation method and found to be 1.46.
[0056]
[Synthesis of N-PC-2]
In a nitrogen gas atmosphere, a raw material introduction pipe is prepared by mixing a molten mixture prepared by mixing bisphenol A (BPA) and diphenyl carbonate (DPC) at a constant molar ratio (DPC / BPA = 1.040) at a flow rate of 88.7 kg / hr. A valve provided in the polymer discharge line at the bottom of the tank so that the average residence time is 60 minutes, continuously fed into the first vertical stirring polymerization tank controlled at 210 ° C under normal pressure and nitrogen atmosphere The liquid level was kept constant while controlling the opening. Further, at the same time when the feed of the raw material mixture was started, 0.02 wt% cesium carbonate aqueous solution was added as a catalyst at 320 ml / hr (1 × 10 5 per 1 mol of BPA). -6 Mol).
[0057]
The polymerization liquid discharged from the bottom of the first polymerization tank was continuously continuously supplied to the second, third and fourth vertical polymerization tanks and the fifth horizontal polymerization tank arranged in series. In each tank, the liquid level was controlled so that the average residence time was 60 minutes during the reaction, and at the same time, by-product phenol was distilled off. The polymerization conditions were the second polymerization tank (210 ° C., 100 Torr, 200 rpm), the third polymerization tank (240 ° C., 15 Torr, 100 rpm), the fourth polymerization tank (270 ° C., 0.5 Torr, 44 rpm), and the fifth polymerization tank ( 285 ° C., 0.5 Torr, 55 rpm), and the conditions were set to high temperature, high vacuum, and low stirring speed as the polymerization reaction progressed.
[0058]
The production rate of polycarbonate is 50 kg / hr. Mv of the polycarbonate resin thus obtained was 22500. The obtained polycarbonate resin is supplied in a molten state and supplied to a twin-screw extruder having a three-stage vent port and an acidic compound press-fitting hole in front of the vent port closest to the resin supply port. (600 ml of acetone, 500 ml of pure water, 7 g of butyl paratoluenesulfonate) was added at a flow rate of 35 g / hr, devolatilized, and pelletized. The structural viscosity index N of the obtained branched polycarbonate resin (N-PC-2) was measured by the above evaluation method and found to be 1.28.
[0059]
[Synthesis of N-PC-3]
A reactor equipped with a stirrer was charged with 250 kg of BPA, 1.678 kg of 1,1,1-tris (4-hydroxyphenyl) -ethane as a branching agent, 1220 liters of aqueous sodium hydroxide, 550 liters of methylene chloride, and 450 liters of deionized water. It is. While stirring the contents of the reaction vessel, 123 kg of phosgene was blown, the aqueous phase and the organic phase were separated, and the upper liquid was collected. Further, 235 liters of sodium hydroxide, 100 liters of deionized water, 275 liters of methylene chloride, p 6-414 kg of tert-butylphenol was charged, and allowed to stand for 5 minutes, then stirred for 10 minutes, added with triethylamine, and subjected to a polycondensation reaction for 1 hour.
[0060]
The obtained reaction solution is allowed to stand and separate into an aqueous phase and an organic phase containing the produced polymer, the upper liquid is collected, 800 l of methylene chloride is added with stirring, and the mixture is discharged, washed with water and acid, Methylene chloride was removed under reduced pressure from the obtained organic phase to obtain a branched polycarbonate resin having Mv of 26600. The structural viscosity index N of the obtained branched polycarbonate resin (N-PC-3) was measured by the above evaluation method and found to be 1.39.
[0061]
[Example 1 to Example 5]
PC (N-PC-1, N-PC-2, N-PC-3) having a structural viscosity index N of 1.2 or more with respect to 0 to 100 parts by weight of the linear aromatic polycarbonate resin, the above table- The organopolysiloxane (S-1 to S-5) listed in 1 and the organic sulfonic acid metal salt were weighed in the proportions shown in Table 2, and mixed by a tumbler for 20 minutes. The obtained mixture was melted and kneaded by a 30 mmφ twin screw extruder with a cylinder temperature of 270 ° C. to be pelletized. Combustion test pieces having a thickness of 1.6 mm and 1.2 mm were formed by an injection molding machine using the obtained pellets as a raw material and a cylinder temperature of 270 ° C. Further, with the same injection molding machine, the cylinder temperature was set to 270 ° C., and an Izod impact test piece, a bending test piece, and a plate having a thickness of 3 mm were formed. The above-described evaluation test was performed on the obtained test pieces and plates. The evaluation test results are shown in Table-2.
[0062]
[Comparative Examples 1 to 3]
In the example described in Example 1, except that the type and amount of the organopolysiloxane were changed as shown in Table 2, pelletization was performed in the same procedure as in the same example, and a test piece was molded. An evaluation test was similarly performed on the obtained test pieces. The evaluation test results are shown in Table-2.
[0063]
[Table 2]
[0064]
From Tables 1 and 2, the following is clear.
(1) When the organopolysiloxane blended in the aromatic polycarbonate resin of the base resin has a low methoxy group content of 1% (Examples 1 and 2), the alkoxy group is 2% butoxy group 2% In the case of (Example 3), the flame retardant polycarbonate resin composition thus obtained has a high impact strength, and even with test pieces having different thicknesses, the flame retardancy is V-0 pass and excellent. The haze of the molded product before and after PCT is low and excellent in moisture resistance.
[0065]
(2) Both the material obtained by changing the branched PC-1 to the branched PC-3 produced by the phosgene method (Example 4) and the material containing only the branched PC-2 produced by the melting method (Example 5) The flame retardancy, impact resistance, and moisture resistance were all good.
(3) On the other hand, in the material (Comparative Example 1) obtained by removing the branched PC-1 from the formulation of Example 1, the combustibility at 1.2 mm becomes V-2 (dropped cotton ignition) and flame retardant It is not enough from the viewpoint of sex. From Example 5 and Comparative Example 1, when it is necessary to improve the flammability in a thin molded product, it is essential to add an aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more. I understand.
[0066]
(4) Furthermore, when the molecular weight of the organopolysiloxane is as large as 1600 (Comparative Example 2), the impact strength is low, and the flame retardancy is inferior to V-2 in any thickness test piece. Large haze before PCT and poor transparency. From this result, it can be seen that the molecular weight of the organopolysiloxane is preferably 1000 or less in order to improve the moisture resistance of the molded product (change in haze before and after PCT).
(5) In addition, when organopolysiloxane containing 36% substituent methoxy group and 40% phenyl group (Comparative Example 3), the haze before PCT of the molded product is low and the transparency is low. Although not affected, the haze after PCT is high and the moisture resistance is poor. From this result, it can be seen that in order to improve the moisture resistance of the molded product (change in haze before and after PCT), it is necessary to reduce the amount of alkoxy group of the substituent of the organopolysiloxane.
[0067]
【The invention's effect】
The present invention is as described above in detail, and has the following particularly advantageous effects, and its industrial utility value is extremely large.
1. The flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention uses an aromatic polycarbonate resin containing 20% by weight or more of a branched aromatic polycarbonate resin having a structural viscosity index N of 1.2 or more as a base resin. In addition to excellent mechanical strength, it exhibits excellent flame retardancy even in thin molded products.
2. The molded product obtained from the flame retardant polycarbonate resin composition according to the present invention contains an organopolysiloxane and an organic sulfonic acid metal salt in a specific range, so even when placed under high humidity conditions. It is difficult to hydrolyze and has excellent moisture resistance.
[0068]
3. Since the flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention has excellent compatibility between the base resin and the organopolysiloxane, it has excellent mechanical strength such as impact resistance.
4). The flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention is not only excellent in flame retardancy in thin molded products, but also excellent in thermal stability and impact strength.
5. The flame-retardant polycarbonate resin composition according to the present invention comprises a cylinder resin and a molding die of a molding machine used during molding when a polycarbonate resin containing no halogen is used as a base resin and an organic sulfonic acid metal salt containing no halogen is combined. Corrosive problems such as are greatly improved.
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