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JP4060011B2 - Method for producing heat-developable image recording material - Google Patents

Method for producing heat-developable image recording material Download PDF

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JP4060011B2
JP4060011B2 JP20341399A JP20341399A JP4060011B2 JP 4060011 B2 JP4060011 B2 JP 4060011B2 JP 20341399 A JP20341399 A JP 20341399A JP 20341399 A JP20341399 A JP 20341399A JP 4060011 B2 JP4060011 B2 JP 4060011B2
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱現像画像記録材料に関し、特に写真製版用に適したスキャナー、イメージセッター用熱現像画像記録材料及び医療用熱現像画像記録材料に関し、さらに詳しくは、良好な塗布面上が得られ、さらにカブリが低く、高いDmax(最高濃度)の画像を得ることが可能な写真製版用及び医療用熱現像画像記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に感光層を有し、画像露光することで画像形成を行う感光材料は、数多く知られている。それらの中でも、環境保全や画像形成手段が簡易化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する技術が挙げられる。
近年写真製版分野及び医療分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー光により効率的に露光させることができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる写真製版及び医療用途の熱現像感光材料に関する技術が必要とされている。これら熱現像感光材料では、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することができる。
【0003】
熱現像により画像を形成する方法は、例えば米国特許第3,152,904号明細書、同3,457,075号明細書、およびD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)A」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年)に記載されている。このような感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、および銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0004】
このようなシステムに使用される銀源は一般的に脂肪酸の銀塩であり、種々の製造法が知られている。例えば、特開昭49−93310号公報、特開昭49−94619号公報、および特開昭53−68702号公報に記載されるような水と水難溶性溶媒の共存液中にて有機銀塩を調製する方法、特開昭53−31611号公報、特開昭54−4117号公報及び特開昭54−46709号公報に記載されるような水溶液中にて有機銀塩を調製する方法、特開昭57−186745号公報、特開昭47−9432号公報および米国特許第3,700,458号明細書に記載されるような有機溶媒中で有機銀塩を調製する方法等がある。基本的には、脂肪酸を水中でその融点以上に加熱し溶融させ、激しく攪拌しながら水酸化ナトリウムもしくはアルカリ金属塩を加え、その後、アルカリセッケンを銀セッケンに転換するために硝酸銀を加えることにより調製する。
このようなアルカリセッケンは、水溶液中ではミセルを形成し、外見上は白濁液となっている。このようなミセル状態からの銀セッケンへの反応は、しばしば製造安定性の問題を引き起こす。このため、アルカリセッケンを均一液にするための方法として、溶媒を水とアルコールの混合液にすることが特開昭55−40607号公報に開示されている。
【0005】
また、アルカリセッケンは、アルカリ性を呈する。従ってこの場合、銀セッケンは高pH下で作られることになる。ところが、硝酸銀をアルカリ液中に添加することは、副生成物として酸化銀を生じさせるばかりでなく、製造上避けられぬ還元性の微量汚染物質が、高pHであるが故に高い還元性を有し、意図しない銀核を生じさせることになる。このような副生成物はかかる熱現像写真材料の性能、特に望まれぬカブリを生じる点や塗布面上悪化の点で非常に不利である。上記観点から、副生成物の発生を抑えるために均一液を得ることを目的とした方法として特開昭55−40607号公報に記載の方法があるが、この方法においても、上記問題は解決されていない。
また、特開平9−127643号公報には、アルカリ金属塩溶液と硝酸銀溶液の同時計量添加による銀塩形成法が開示されており、ベヘン酸ナトリウムの水とイソプロピルアルコールの混合溶液と硝酸銀溶液との同時添加の記載がある。この方法は少なくとも高pH下での反応を中性域まで下げることができ、酸化銀形成量を下げ得る好ましい方法ではあるが、イソプロピルアルコールには弱い還元性があり、この点、カブリを完全に解決する手段ではなく、また塗布面上を改善するには至らない。
【0006】
このように、有機銀塩の調製には注意が必要であり、脂肪酸銀塩形成時における可能な限りの還元性物質の排除、粒子サイズのコントロール、更には粒子形状のコントロールが必要であるが、従来の方法ではそこまで至っていない。
ところで、従来より有機銀塩を用いた熱現像材料は、これらの多くはトルエン、メチルエチルケトン、メタノールなどの有機溶剤を溶媒とする塗布液を塗布することにより感光層を形成している。有機溶剤を溶媒として用いることは、製造工程での安全性、人体への悪影響、さらには溶剤の回収その他のため、コスト上非常に不利であるばかりでなく、環境保護を目指した熱現像感光材料を提供する目的を考えた場合には、適当な製造方法ではない。
そこでこのような問題のない水溶媒の塗布液を用いて感光層(以降「水系感光層」ともいう。)を形成する方法が考えられている。例えば特開昭49-52626号公報、特開昭53-116144号公報などにはゼラチンをバインダーとする例が記載されている。また特開昭50-151138号公報にはポリビニルアルコールをバインダーとする例が記載されている。
【0007】
さらに特開昭60-61747号公報にはゼラチンとポリビニルアルコールを併用した例が記載されている。これ以外の例として特開昭58-28737号公報には水溶性ポリビニルアセタールをバインダーとする感光層の例が記載されている。
このように水溶性バインダーを用いると水溶媒の塗布液を用いて感光層を形成することが可能となり、環境上、コスト上のメリットは大きい。しかしながら、上記水溶性ポリマーのバインダーは有機銀塩との相性が悪く、さらに、水系感光層塗布液は有機銀塩の他の写真用添加物も主に水系溶媒で使用されており、それらとの相互作用により意図しない凝集が生じ易く、良好な面状を得ることが困難であった。
脂肪酸銀塩を含む水溶媒塗布液で実用に耐える塗布面質を得るためには、水溶媒中で脂肪酸銀塩を凝集なく微細に分散された状態にしておく必要がある。このため、脂肪酸銀塩を微粒子分散する方法の開発が必要である。通常は、例えばD.クルースタボア(Kloosterboer)による記載(イメージング・プロセシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版,スタージ(Sturge),V.ウォールワーズ(Walworth),A.シェップ(Shepp)編集、第279頁、1989年)のように、疎水的である脂肪酸銀分散物粒子を形成した後にろ過分離し、固形物として取り出してから、分散剤を混合して再分散する方法が取られる。
【0008】
脂肪酸銀塩を微粒子分散化する方法は、分散助剤の存在下で公知の微細化手段(例えば、高速ミキサー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、バンバリーミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ストーンミル)を用い、機械的に分散することが知られているが、これらの方法では、凝集粒子の多い、結果として塗布面質の劣悪な塗布液しか得られないばかりでなく、もともと水難溶性塩として晶析した脂肪酸銀の一次粒子を無差別に粉砕してしまう確率が高いため、結晶へき開面で銀核を形成してカブリ増大の原因ともなってしまう。
また、特公平7−119953号公報、特開平8−137044号公報、特開平8−238848号公報には脂肪酸銀塩を圧力処理して微細分散する方法が開示されているが、これらは有機溶剤を溶媒とする分散物に関するものであり、上記問題の解決とは性格を異にするものである。
【0009】
特開平9−127643号公報には、アルカリ金属塩溶液と硝酸銀溶液の同時計量添加により得られた脂肪酸銀分散物を透析や限外ろ過を用いて直接脱塩する方法が開示されている。この方法は、少なくとも脂肪酸銀塩の晶析時に得られた一次粒子を損なわずにそのまま感光層に導入する点では好ましい方法ではあるが、高塩濃度雰囲気下での粒子の凝集や分散液を濃縮する上での高粘化の問題などが解決されておらず、この点、実用的な塗布液を得るための手段には至らない。また、微粒子かつ単分散な脂肪酸銀塩粒子を得るためには、アルカリ金属塩溶液と硝酸銀溶液を添加しながら激しく混合する必要がある。特に高温で溶解した脂肪酸のアルカリ金属塩溶液は、添加された瞬間に温度低下し析出するため、希釈速度や流動が緩慢であると大きな粗大粒子へと成長してしまう。しかしながら、気/液界面を有するタンクなどに添加する場合、撹拌速度を上げると空気の巻き込みが起こる。脂肪酸銀塩粒子は極めて疎水的であり、同伴された泡の表面に吸着して泡を安定化し破泡を妨げるばかりか、気泡上で隣接した粒子同士は凝集を起こす。このように空気を巻き込んだ液はホイップクリーム状になり、限外ろ過などで副生成塩の脱塩を行う場合、ハンドリング性が著しく劣化するばかりでなく、凝集した粒子は目詰まりの原因ともなる。
【0010】
銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液が反応した後の液温が高いと物理熟成によって粒子が成長するので常温程度に維持することが好ましい。一方、長鎖脂肪酸アルカリ金属塩の安定溶液を得るためには50℃以上の高温にする必要があり、添加液が持ち込む熱量を相殺するための熱交換を迅速に行う必要がある。タンク等にジャケット槽を付設する方法では反応液量が増えるとともに熱交換できる表面積が小さくなるため、スケールアップ性に問題があった。
以上の通り、塗布面質が良好で、カブリなど光学性能に優れた熱現像画像記録材料を供給するための、脂肪酸銀塩の水溶媒塗布液化のための安定した製造方法は見い出されていない。
そこで、良好な塗布面質が得られ、さらにカブリが低く、高い黒化濃度を得ることが可能で、環境面・コスト面で有利な熱現像画像記録材料を提供する技術が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、環境面・コスト面で有利な水系塗布可能であり、かつ塗布面質が良好であり、カブリが低く、高い黒化濃度の得られる熱現像画像記録材料を提供することを解決すべき課題とした。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者はこれらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを反応させて脂肪酸銀粒子を調製する際に、密閉した液体混合手段中にて脂肪酸アルカリ金属塩溶液と銀イオン含有溶液とを混合して反応させることによって調製した非感光性有機銀塩粒子を使用することによって、所望の効果を奏する優れた熱現像画像記録材料を提供しうることを見出し、本発明を提供するに至った。
即ち、本発明は、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液と、水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液とを、密閉かつ液体で充満された混合装置にて混合して反応させることにより非感光性有機銀塩粒子を調製し、得られた非感光性有機銀塩粒子と還元剤とバインダーを含む画像形成層塗布液を支持体上に塗布することを特徴とする熱現像画像記録材料の製造方法を提供する。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、非感光性有機銀塩粒子は、前記液体混合手段にて前記反応を行った後に反応した反応混合物を冷却することを含む方法によって調製される。
好ましくは、本発明の熱現像画像記録材料はさらに感光性ハロゲン化銀を含有する。
好ましくは、本発明の熱現像画像記録材料においては、非感光性有機銀塩粒子を有する画像形成層のバインダーの50重量%以上としてガラス転移温度が−30℃以上40℃以下のポリマーラテックスを用いる。
好ましくは、本発明の熱現像画像記録材料は、支持体上の画像形成層側の少なくとも一層中に少なくとも1種の造核剤を含有する。
好ましくは、造核剤は下記式(1)で表される置換アルケン誘導体、下記式(2)で表される置換イソオキサゾール誘導体、あるいは下記式(3)で表される特定のアセタール化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0014】
【化2】

Figure 0004060011
【0015】
[式(1)において、R1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基またはシリル基を表す。式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1とR2、およびR3とZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
式(2)においてR4は、置換基を表す。
式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、AおよびBはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基またはヘテロ環アミノ基を表す。式(3)においてXとY、およびAとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。]
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の熱現像画像記録材料の実施方法および実施態様について詳細に説明する。
本発明の熱現像画像記録材料は、非感光性有機銀塩粒子として、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液と、水、有機溶剤または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液とを反応させて脂肪酸銀粒子を調製する方法において、密閉混合手段中にて前記銀イオン含有溶液と前記脂肪酸アルカリ金属塩溶液とを混合して反応させることを特徴とする方法により調製された非感光性有機銀塩粒子を用いることを特徴とする。
図1に本発明で用いる非感光性脂肪酸銀塩の調製方法の模式図を示す。1は、密閉かつ液体で充満された混合装置、2は熱交換器である。図中Aは銀イオン含有溶液、Bは脂肪酸アルカリ金属塩溶液、Cは水、または水と有機溶剤との混合溶液、もしくは反応した後の非感光性脂肪酸銀塩粒子液である。これらの液が混合装置内で合流し、脂肪酸銀塩液Dが調製され、次いで熱交換器2に送り込まれて冷却される。
【0017】
図2は本発明で用いる非感光性脂肪酸銀塩の調製方法の一実施形態である。図中11ないし12には、それぞれ銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液を所定の温度に設定して貯蔵する。13および14は、これらの溶液をポンプ15と16を介して密閉かつ液体で充満された混合装置18に添加する際の流量を計測するための流量計である。この実施形態においては、第3の成分として、調製された脂肪酸銀塩分散物を混合装置18に再び供給するポンプ17を具備している。混合装置18内で反応終了した液は、熱交換器19へと導入して速やかに冷却される。
本発明に用いる銀イオン含有溶液のpHは、好ましくはpH1以上6以下、さらに好ましくはpH1.5以上4以下である。更に、pH調節のため、酸およびアルカリを加えることができる。酸およびアルカリの種類は特に制限されない。
【0018】
本発明に用いる銀イオン含有溶液の銀イオン濃度は、任意に決定されるが、モル濃度として、0.03mol/L以上6.5mol/L以下が好ましく、より好ましくは、0.1mol/L以上5mol/L以下である。
本発明の実施に際して、脂肪酸塩粒子を形成させるためには、銀イオン溶液、脂肪酸アルカリ金属塩溶液、あらかじめ反応場に準備しておく溶液の少なくとも一つに、脂肪酸のアルカリ金属塩がひも状会合体やミセルではなく、実質的に透明溶液となり得る量の有機溶剤を含有しなくてはならない。溶液は有機溶剤単独でも構わないが、水との混合溶液であることが好ましい。
本発明で用いる有機溶剤としては、水溶性で上記性質を有していればその種類は特に制限されないが、写真性能に支障をきたすものは好ましくなく、好ましくは水と混合できるアルコール、アセトン、更に好ましくは炭素数4〜6の第3アルコールが好ましい。また、用いる脂肪酸は、銀塩とした場合に光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。脂肪酸は特に炭素数10〜30、好ましくは12〜26を有する長鎖脂肪カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の好ましい例としては、セロチン酸、リグノセリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、アラキジン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リノール酸、酪酸及び樟脳酸、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0019】
本発明に用いる脂肪酸のアルカリ金属塩のアルカリ金属は、具体的にはNa、Kが好ましい。脂肪酸のアルカリ金属塩は、脂肪酸にNaOHもしくはKOHを添加することにより調製される。このとき、アルカリの量を脂肪酸の当量以下にして、未反応の脂肪酸を残存させることが好ましい。この場合の、残存脂肪酸量は全脂肪酸に対し3mol%以上50mol%以下であり、好ましくは3mol%以上30mol%以下である。また、アルカリを所望の量以上に添加した後に、硝酸、硫酸等の酸を添加し、余剰のアルカリ分を中和させることで調製してもよい。
さらに、本発明に用いる銀イオン含有溶液および脂肪酸アルカリ金属塩溶液、あるいは両液が添加される密閉混合容器の液には、例えば特開昭62−65035号公報の一般式(1)で示されるような化合物、また、特開昭62−150240号公報に記載のような水溶性基含有Nヘテロ環化合物、特開昭50−101019号公報に記載のような無機過酸化物。特開昭51−78319号公報に記載のようなイオウ化合物、特開昭57−643号公報に記載のようなジスルフィド化合物および過酸化水素等を添加することができる。
【0020】
本発明で用いる脂肪酸アルカリ金属塩溶液は、有機溶媒の量が水分の体積に対し、溶剤体積として3%以上70%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以上50%以下である。この際、反応温度で最適な溶媒体積が変化するため、トライアンドエラーで最適量を決定することができる。
本発明に用いる脂肪酸のアルカリ金属塩の濃度は、重量比として、5wt%以上50wt%以下であり、好ましくは、7wt%以上45wt%以下であり、さらに好ましくは10wt%以上40wt%以下である。
【0021】
本発明に用いる銀イオン含有溶液および脂肪酸アルカリ金属塩溶液を同時添加することにより、所望の脂肪酸銀塩を調製することができる。その際、総添加銀量の10%以上100%以下がほぼ同モルの脂肪酸アルカリ金属塩溶液と同時に添加されていることが好ましく、30%以上100%以下が同時添加されていることが更に好ましく、50%以上100%以下が同時添加されることが特に好ましい。いずれかを優先して添加する場合は、銀イオン含有溶液を先行させる方が好ましい。
本発明に用いる銀イオン含有溶液と脂肪酸アルカリ金属塩溶液は、所望の粒子を得るために適当な温度に調節することができる。銀イオン含有溶液の温度としては液の安定性を確保する目的で5℃以上60℃以下が好ましく、より好ましくは5℃以上40℃以下である。脂肪酸アルカリ金属塩溶液はアルカリセッケンの結晶化、固化の現象を避けるのに必要な温度範囲に保っておくために、50℃以上90℃以下が好ましく、より好ましくは60℃以上85℃以下である。
【0022】
銀塩形成中の反応液温度は、任意の温度でよいが、好ましくは5℃以上70℃以下、より好ましくは10℃以上50℃以下、特に好ましくは20℃以上45℃以下であることで、画像記録材料としての性能をより向上させることができる。
脂肪酸銀塩粒子を形成するには、様々なアプローチがある。本発明で用いる粒子を得るためには、脂肪酸塩の反応場での溶解度を小さくすることが好ましい。また、本発明者の検討によれば、脂肪酸銀塩粒子は反応時間が長くなるにつれサイズが小さくなる傾向があることが明らかになっている。目的とする粒子サイズを得るために反応時間をトライアンドエラーで決定することが必要がある。
反応液を添加する装置に限定はない。特に混合装置は、例えばアンカー翼、パドル翼のようなバルク撹拌機、ディゾルバー、ホモジナイザー等の乳化分散機、スタティックミキサー、スルーザーミキサー等の静止型混合機、もしくはそれらの併用等のあらゆる方式が使用できる。
【0023】
銀イオン液および脂肪酸のアルカリ金属塩液の添加順序も、例えば2液を同じ混合装置へ添加する方法、どちらかを混合装置の上流手前に添加して混合装置へは1液だけを添加する方法、水もしくは銀イオン液および脂肪酸のアルカリ金属塩液で用いられる有機溶剤との混合液や反応した後の非感光性脂肪酸銀塩粒子液を含めた3液を同じ混合装置へ添加する方法、3液を任意の順序で混合装置の上流手前に添加して混合装置へは1液だけを添加する方法、混合装置を複数台直列に配置してそれぞれに1液ないし2液を添加する方法などあらゆる方式が使用できる。
また、銀イオン液および脂肪酸アルカリ金属塩液の添加時間も任意に選択することができる。例えば、添加速度一定で添加する方法、任意の時間関数による加速あるいは減速モードで添加することもできる。
【0024】
銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液が反応した後の液温を速やかに低下させるためには混合装置へ供給する銀イオン液、水もしくは水と有機溶剤との混合液や反応した後の脂肪酸銀塩粒子液をあらかじめ冷却しておく方法以外に混合装置そのものを冷やす方法や混合装置からタンクの間に熱交換器を付設する方法が採用できる。銀イオン液と脂肪酸のアルカリ金属塩液が反応した後の液温は、好ましくは5℃以上70℃以下、より好ましくは10℃以上50℃以下、特に好ましくは20℃以上45℃以下である。また、冷却速度は、反応液が出会ってから0.05秒から10秒、好ましくは0.05秒から5秒、更に好ましくは0.05秒から1秒の間に目的の温度に到達することで、画像記録材料の性能をより向上させることができる。
本発明に用いることができる脂肪酸銀塩の形状は、特に制限はないが、鱗片状粒子あるいは針状結晶が好ましい。上記した方法において調製された脂肪酸銀塩粒子の球相当径は0.1μm以上0.8μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.6μm以下であることが更に好ましい。また、粒子の長辺/短辺が1以上4以下であることが好ましく、1以上3以下であることが更に好ましく、1以上2以下であることが特に好ましい。また、粒子のアスペクト比(主平面の粒子サイズ(円相当直径)/粒子の厚さ)は、2以上30以下であることが好ましく、2以上15以下であることが更に好ましい。また、粒子の厚さが0.01μm以上0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることが更に好ましい。以上の要件を満たした粒子を全粒子の投影面積の30%以上100%以下含むことが好ましく、50%以上100%以下含むことが更に好ましく、70%以上100%含むことが特に好ましい。
【0025】
脂肪酸銀塩の粒子サイズ分布は、できるだけ単分散であることが好ましい。粒子直径の標準偏差を粒子直径で割った値の100倍を変動係数とすると、脂肪酸銀塩粒子の粒子サイズの変動係数は20%以下が好ましく、より好ましくは18%以下、更に好ましくは15%以下である。測定方法としては、例えば、液中に分散した脂肪酸銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積荷重平均直径)を得る(いわゆる動的光散乱法)ことができる。
本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩は、好ましくは脱塩することができる。脱塩を行う方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、遠心ろ過、吸引ろ過、限外ろ過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知のろ過方法を好ましく用いることができる。特に限外ろ過が好ましく、限外ろ過は、例えばハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することができる。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10 208(1972)、No.13 122(1975)およびNo.16 351(1977)が知られている。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978)、p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、目的の脂肪酸銀分散物を処理する上では、粒子の凝集やカブリを抑えるために最適条件を見いだす必要がある。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。こうして補充する溶媒には、イオン交換または蒸留して得られた純水を用いるが、pH、分散剤濃度や分散剤に対する貧溶媒の濃度を本発明の目標とする値に保つために、純水の中にpH調整剤、分散剤、分散剤の貧溶媒を混合してもよいし、脂肪酸銀分散物に直接添加してもよい。
【0026】
限外ろ過膜は、すでにモジュールとして組み込まれた平板型、スパイラル型、円筒型、中空糸型、ホローファイバー型などが旭化成(株)、ダイセル化学(株)、(株)東レ、(株)日東電工などから市販されているが、総膜面積や洗浄性の観点より、スパイラル型もしくは中空糸型が好ましい。また、膜を透過することができる成分のしきい値の指標となる分画分子量は、用いている分散剤の分子量より決定する必要がある。本発明においては、5,000以上50,000以下、好ましくは5,000以上15,000以下のものを用いる。
本発明に用いる銀イオン含有溶液および脂肪酸アルカリ金属塩溶液、あるいは反応液には水可溶な分散剤を添加することができる。したがって、脂肪酸銀塩形成時の反応液ならびに別に用意された分散剤溶液、脂肪酸銀塩形成後の液に添加することができる。分散剤としては、形成した脂肪酸銀塩を分散可能なものであればその種類は特に制限されない。具体的な例は、後述の脂肪酸銀塩の分散剤の記載に準じる。
【0027】
本発明に用いることのできる脂肪酸銀塩は、粒子サイズの小さい、凝集のない微粒子を得る目的で、分散剤を使用した固体微粒子分散物とする方法を用いることができる。この固体微粒子分散物を作成する際、粒子形成された粒子が破壊されず、凝集だけが無くなることが好ましい。この様子は、水洗前の粒子のTEM写真と分散後の粒子のTEM写真を比較することで判断できる。本発明で用いる粒子では、水洗前の平均粒子サイズと、分散後の平均粒子サイズとを比較して、投影面積が30%以上変化ししていないことが好ましく、20%以上変化していないことが更に好ましく、10%以上変化していないことが特に好ましい。分散法は脂肪酸銀塩の水分散物を高圧・高速流に変換した後、圧力降下させる方法を用いることが好ましい。
さらに、分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明は、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の脂肪酸銀塩1molに対し0.1mol%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わないものである。
【0028】
本発明において、上記のような分散法を実施するのに用いられる分散装置及びその技術については、例えば「分散系レオロジーと分散化技術」(梶内俊夫、薄井洋基 著、1991、信山社出版(株)、p357〜403)、「化学工学の進歩 第24集」(社団法人化学工学会東海支部 編、1990、槙書店、p184〜185)、等に詳しいが、本発明での分散法は、少なくとも脂肪酸銀塩を含む水分散液を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入した後、配管内に設けられた細いスリットを通過させ、この後に分散液に急激な圧力低下を生じさせることにより微細な分散を行う方法である。
本発明が関連する高圧ホモジナイザーについては、一般には(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で通過する際に生じる「せん断力」、(b)分散質が高圧下から常圧に解放される際に生じる「キャビテーション力」、等の分散力によって微細な粒子への分散が行われると考えられている。この種の分散装置としては、古くはゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置では、高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で高速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には100〜600kg/cm2、流速は数m〜30m/秒の範囲であり、分散効率を上げるために高速流部を鋸刃状にして衝突回数を増やす等の工夫を施したものも考案されている。これに対し、近年さらに高圧での分散が可能となる装置が開発されてきており、その代表例としてマイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション社)、ナノマイザー(特殊機化工業(株))などが挙げられる。
【0029】
本発明で用いる脂肪酸銀塩においては、流速、圧力降下時の差圧と処理回数の調節によって、所望の粒子サイズに分散することができるが、写真特性と粒子サイズの点から、流速が200m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が900〜3000kg/cm2の範囲が好ましく、さらに流速が300m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg/cm2の範囲であることがより好ましい。分散処理回数は必要に応じて選択でき、通常は1〜10回の範囲が選ばれるが、生産性の観点で1〜3回程度が選ばれる。高圧下でこのような水分散液を高温にすることは、分散性・写真性の観点で好ましくなく、90℃を越えるような高温では粒子サイズが大きくなりやすくなるとともに、カブリが高くなる傾向がある。従って、本発明では、前記の高圧、高速流に変換する前の工程もしくは、圧力降下させた後の工程、あるいはこれら両工程に冷却装置を含み、このような水分散の温度が冷却工程により5℃〜90℃の範囲に保たれていることが好ましく、さらに好ましくは5℃〜80℃の範囲、特に5℃〜65℃の範囲に保たれていることが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2の範囲の高圧の分散時には、前記の冷却工程を設置することが有効である。冷却装置は、その所要熱交換量に応じて、2重管や3重管にスタチックミキサーを使用したもの、多管式熱交換器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することができる。また、熱交換の効率を上げるために、使用圧力を考慮して、管の太さ、肉厚や材質などの好適なものを選べばよい。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20℃の井水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また、必要に応じて−30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を使用することができる。
【0030】
分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン性ポリマー、特開昭52−92716号公報、国際公開第WO88/04794号公報などに記載のアニオン性界面活性剤、特開平9−179243号公報に記載の化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマー、或いはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることができる。
分散剤の濃度は、脂肪酸銀塩に対して、1〜30重量%、特に3〜20重量%の範囲が好ましい。
調製された分散物は、保存時の微粒子の沈降を抑える目的で撹拌しながら保存したり、親水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用しゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤を添加することもできる。
【0031】
本発明で用いる脂肪酸銀塩分散物は、少なくとも脂肪酸銀塩と水からなるものである。脂肪酸銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、効率的な塗膜の形成を考えた場合に、安定な塗布を行うためのレオロジー特性、ならびに乾燥水分量より決まる生産スピードより決定する必要がある。脂肪酸銀塩の全体に占める割合は、10〜50重量%であることが好ましく、特に10〜30重量%であることが好ましい。また、この分散物の電気伝導度は500μS/cm以下が好ましく、より好ましくは1〜500μS/cmである。
本発明で用いる脂肪酸銀塩の調製においては、Ca、Mg、Ce、Al、Zn、Baから選ばれる金属イオンの添加は、ハロゲン化物でない水溶性塩の形で添加することが好ましい。具体的には、硝酸塩や硫酸塩の形で添加することが好ましい。
Ca、Mg、Ce、Al、Zn、Baから選ばれる金属イオンの添加時期は、脂肪酸銀塩の調製法の液中、もしくは反応液中への事前添加、脂肪酸銀塩形成中、形成直後、塗布液調製前後など塗布直前であればいずれの時期でもよい。添加量としては、脂肪酸銀塩1mol当たり10-3〜10-1molが好ましく、特に5×10-3〜5×10-2molが好ましい。
【0032】
本発明で用いる脂肪酸銀塩の調製方法を実施するための装置は特に制限されるものでないが、好ましい装置として、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を密閉混合手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を密閉混合手段に供給する第2供給手段;水、または水と有機溶剤との混合物を密閉混合手段に供給する第3供給手段;および、前記第1供給手段、前記第2供給手段および前記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する密閉混合手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置を例示することができる。この装置は、密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい(図3)。
【0033】
また、本発明で用いる有機銀塩を調製するための別の好ましい装置として、水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液を密閉混合手段に供給する第1供給手段;水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液を密閉混合手段に供給する第2供給手段;前記第1供給手段、前記第2供給手段および後記第3供給手段からの供給物を混合して非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を排出する密閉混合手段;および、前記密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液の少なくとも一部を前記密閉混合手段に供給する第3供給手段を有することを特徴とする非感光性脂肪酸銀塩粒子の調製装置を挙げることもできる。この装置は、密閉混合手段から排出される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液を冷却する冷却手段をさらに有することが好ましい(図2)。
図2の装置では、第3供給手段から密閉混合手段に供給される非感光性脂肪酸銀塩粒子含有液の量を適宜調節することによって所望の濃度を有する非感光性脂肪酸銀塩粒子の分散液をタンク20に調製することが可能である。すなわち、タンク20内の非感光性脂肪酸銀塩粒子の分散液は、第3供給手段を利用した循環を繰り返すことによって濃度が高くなるため、循環条件を適宜選択することによって所望の濃度を有する分散液を得ることができる。また、循環条件だけでなく、調製した分散液を取り出す条件も調節することによって濃度調節することも可能である。これらの条件を適宜選択することによって、連続運転をさせながら効率よく所望の分散液を得ることができる。
【0034】
本発明の熱現像画像記録材料は、高感度かつ高コントラストで黒化濃度の高い写真性能を得るために画像形成層側の少なくとも一層中に造核剤を含有することが好ましい。
造核剤の種類は特には限定されないが、特には、式(1)で表される置換アルケン誘導体、式(2)で表される置換イソオキサゾール誘導体、および式(3)で表される特定のアセタール化合物が好ましい。
以下に、本発明で用いられる式(1)で表される置換アルケン誘導体、式(2)で表される置換イソオキサゾール誘導体、および式(3)で表される特定のアセタール化合物について説明する。
【0035】
【化3】
Figure 0004060011
【0036】
式(1)においてR1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基またはシリル基を表す。式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。式(2)においてR4は、置換基を表す。式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。式(3)においてXとY、あるいはAとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0037】
式(1)で表される化合物について詳しく説明する。
式(1)においてR1、R2、R3は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基またはシリル基を表す。式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0038】
1、R2、R3が置換基を表す時、置換基の例としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、アルキル基(シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ環基を含む)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基またはその塩、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、アシルチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスホリル基、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げられる。
これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0039】
式(1)においてZで表される電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りうる置換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、またはこれら電子吸引性基で置換されたアリール基等である。ここにヘテロ環基としては、飽和もしくは不飽和のヘテロ環基で、例えばピリジル基、キノリル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、ヒダントイン−1−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基等がその例として挙げられる。
【0040】
式(1)においてZで表される電子吸引性基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基としては、式(1)のR1、R2、R3が置換基を表す時に有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
式(1)においてR1とZ、R2とR3、R1とR2、あるいはR3とZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよいが、この時形成される環状構造とは、非芳香族の炭素環もしくは非芳香族のヘテロ環である。
次に式(1)で表される化合物の好ましい範囲について述べる。
式(1)においてZで表されるシリル基として好ましくは、具体的にトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリルジメチルシリル基等である。
【0041】
式(1)においてZで表される電子吸引性基として好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等であり、さらに好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、トリフルオロメチル基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等であり、特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基またはカルバモイル基である。
式(1)においてZで表される基は、電子吸引性基がより好ましい。
【0042】
式(1)においてR1、R2、およびR3で表される置換基として好ましくは、総炭素数0〜30の基で、具体的には上述の式(1)のZで表される電子吸引性基と同義の基、およびアルキル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、ウレイド基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、または置換もしくは無置換のアリール基等が挙げられる。
さらに式(1)においてR1は、好ましくは電子吸引性基、アリール基、アルキルチオ基、アルコキシ基、またはアシルアミノ基、水素原子、またはシリル基である。
1が電子吸引性基を表す時、好ましくは総炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル基、カルボキシ基(またはその塩)、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基が好ましい。特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基である。
【0043】
1がアリール基を表す時、好ましくは総炭素数6〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基であり、置換基としては、任意の置換基が挙げられるが、中でも電子吸引性の置換基が好ましい。
式(1)においてR1は、より好ましくは、電子吸引性基またはアリール基を表す時である。
式(1)においてR2およびR3で表される置換基として好ましくは、具体的に、上述の式(1)のZで表される電子吸引性基と同義の基、アルキル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、置換もしくは無置換のフェニル基等である。
式(1)においてR2およびR3は、さらに好ましくは、どちらか一方が水素原子で、他方が置換基を表す時である。その置換基として好ましくは、アルキル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基(特にパーフルオロアルカンアミド基)、スルホンアミド基、置換もしくは無置換のフェニル基、またはヘテロ環基等であり、さらに好ましくはヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基であり、特に好ましくはヒドロキシ基(またはその塩)、アルコキシ基、またはヘテロ環基である。
【0044】
式(1)においてZとR1、或いはまたR2とR3とが環状構造を形成する場合もまた好ましい。この場合に形成される環状構造は、非芳香族の炭素環もしくは非芳香族のヘテロ環であり、好ましくは5員〜7員の環状構造で、置換基を含めたその総炭素数は1〜40、さらには3〜30が好ましい。
式(1)で表される化合物の中で、より好ましいものの1つは、Zがシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基、またはカルバモイル基を表し、R1が電子吸引性基またはアリール基を表し、R2またはR3のどちらか一方が水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物である。さらにまた一般式(1)で表される化合物の中で特に好ましいものの1つは、ZとR1とが非芳香族の5員〜7員の環状構造を形成していて、R2またはR3のどちらか一方が水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物である。この時、R1と共に非芳香族の環状構造を形成するZとしては、アシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基等が好ましく、またR1としては、アシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アシルアミノ基、カルボニルチオ基等が好ましい。
【0045】
次に式(2)で表される化合物について説明する。
式(2)においてR4は置換基を表す。R4で表される置換基としては、式(1)のR1〜R3の置換基について説明したものと同じものが挙げられる。
4で表される置換基は、好ましくは電子吸引性基またはアリール基である。R4が電子吸引性基を表す時、好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、ホスホリル基、イミノ基、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基が好ましい。特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、またはヘテロ環基である。
【0046】
4がアリール基を表す時、好ましくは総炭素数0〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基であり、置換基としては、式(1)のR1、R2、R3が置換基を表す時にその置換基として説明したものと同じものが挙げられる。
4は、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ヘテロ環基、または置換もしくは無置換のフェニル基であり、最も好ましくはシアノ基、ヘテロ環基、またはアルコキシカルボニル基である。
【0047】
次に式(3)で表される化合物について詳しく説明する。
式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。XとY、あるいはAとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
式(3)においてX、Yで表される置換基としては、式(1)のR1〜R3の置換基について説明したものと同じものが挙げられる。具体的には、アルキル基(パーフルオロアルキル基、トリクロロメチル基等を含む)、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、カルバモイル基、チオカルボニル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその塩)、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、シリル基等が挙げられる。
【0048】
これらの基はさらに置換基を有していてもよい。またXとYは、互いに結合して環状構造を形成していてもよく、この場合に形成される環状構造としては、非芳香族の炭素環でも、非芳香族のヘテロ環であってもよい。
式(3)においてX、Yで表される置換基は、好ましくは総炭素数1〜40の、より好ましくは総炭素数1〜30の基であり、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アルコキシ基、またはアリール基等が挙げられる。
【0049】
式(3)においてX、Yは、より好ましくはシアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル基、ホルミル基、アシルチオ基、アシルアミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、ホスホリル基、トリフルオロメチル基、ヘテロ環基、または置換されたフェニル基等であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルチオ基、アシルアミノ基、チオカルボニル基、ホルミル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、ヘテロ環基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等である。
XとYが、互いに結合して非芳香族の炭素環、または非芳香族のヘテロ環を形成している場合もまた好ましい。この時、形成される環状構造は5員〜7員環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらには3〜30が好ましい。環状構造を形成するXおよびYとしては、アシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アシルアミノ基、カルボニルチオ基等が好ましい。
【0050】
式(3)においてA、Bはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基を表し、これらは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。式(3)においてA、Bで表される基は、好ましくは総炭素数1〜40の、より好ましくは総炭素数1〜30の基であり、さらに置換基を有していてもよい。
式(3)においてA、Bは、これらが互いに結合して環状構造を形成している場合がより好ましい。この時形成される環状構造は5員〜7員環の非芳香族のヘテロ環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらには3〜30が好ましい。この場合に、A,Bが連結した例(−A−B−)を挙げれば、例えば-O-(CH2)2-O-、-O-(CH2)3-O-、-S-(CH2)2-S-、-S-(CH2)3-S-、-S-ph-S-、-N(CH3)-(CH2)2-O-、-N(CH3)-(CH2)2-S-、-O-(CH2)2-S-、-O-(CH2)3-S-、-N(CH3)-ph-O-、-N(CH3)-ph-S-、-N(ph)-(CH2)2-S-等である。
【0051】
本発明で用いることができる式(1)〜式(3)で表される化合物は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれていてもよい。こうした吸着基としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第4,385,108号明細書、同4,459,347号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−200231号公報、同59−201045号公報、同59−201046号公報、同59−201047号公報、同59−201048号公報、同59−201049号公報、特開昭61−170733号公報、同61−270744号公報、同62−948号公報、同63−234244号公報、同63−234245号公報、同63−234246号公報に記載された基があげられる。またこれらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよい。その様なプレカーサーとしては、特開平2ー285344号公報に記載された基が挙げられる。
【0052】
本発明で用いることができる式(1)〜式(3)で表される化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基またはポリマーが組み込まれているものでもよい。特にバラスト基が組み込まれているものは本発明の好ましい例の1つである。バラスト基は8以上の炭素数を有する、写真性に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことができる。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号公報に記載のものが挙げられる。
本発明で用いることができる式(1)〜式(3)で表される化合物は、その中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基により解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシルスルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基等)が含まれていてもよい。特にエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、あるいは(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基が含まれているものは、本発明の好ましい例の1つである。これらの基の具体例としては、例えば特開平7−234471号公報、特開平5−333466号公報、特開平6−19032号公報、特開平6−19031号公報、特開平5−45761号公報、米国特許第4994365号明細書、米国特許第4988604号明細書、特開平3−259240号公報、特開平7−5610号公報、特開平7−244348号公報、独国特許第4006032号明細書等に記載の化合物が挙げられる。
【0053】
式(1)〜式(3)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明で使用できる化合物は、以下の化合物に限定されるものではない。
【0054】
【化4】
Figure 0004060011
【0055】
【化5】
Figure 0004060011
【0056】
【化6】
Figure 0004060011
【0057】
【化7】
Figure 0004060011
【0058】
式(1)〜式(3)で表される化合物は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、化合物の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散し用いることができる。
【0059】
式(1)〜式(3)で表される化合物は、支持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるいは他のどの層に添加してもよいが、画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
式(1)〜式(3)で表される化合物の添加量は、銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好ましく、1×10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2×10-5〜2×10-1モルが最も好ましい。
式(1)〜式(3)で表される化合物は公知の方法により容易に合成することができるが、例えば、米国特許第5545515号明細書、米国特許第5635339号明細書、米国特許第5654130号明細書、国際公開WO97/34196号公報、あるいは特願平9−309813号明細書、特願平9−272002号明細書に記載の方法を参考に合成することができる。
【0060】
式(1)〜式(3)で表される化合物は、1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。また上記のものの他に、米国特許第5545515号明細書、米国特許第5635339号明細書、米国特許第5654130号明細書、国際公開第WO97/34196号公報、米国特許第5686228号明細書に記載の化合物、あるいはまた特願平9−228881号明細書、特願平9−273935号明細書、特願平9−309813号明細書、特願平9−296174号明細書、特願平9−282564号明細書、特願平9−272002号明細書、特願平9−272003号明細書、特願平9−332388号明細書に記載された化合物を併用して用いてもよい。
本発明においては、上記造核剤とヒドラジン誘導体を併用して用いてもよい。その場合には下記のヒドラジン誘導体が好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘導体はまた、下記の特許明細書に記載された種々の方法により合成することができる。
【0061】
特公平6-77138号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載の化合物。特公平6-93082号公報に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6-230497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の化合物4-1〜化合物4-10、28頁〜36頁に記載の化合物5-1〜5-42、および39頁、40頁に記載の化合物6-1〜化合物6-7。特開平6-289520号公報に記載の一般式(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1-1)〜1-17)および2-1)。特開平6-313936号公報に記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6-313951号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特開平7-5610号公報に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I-1〜I-38。特開平7-77783号公報に記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜27頁に記載の化合物II-1〜II-102。特開平7-104426号公報に記載の一般式(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H-1〜H-44。特開平9−22082号公報に記載されたヒドラジン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有することを特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、一般式(F)で表される化合物で,具体的には同公報に記載の化合物N-1〜N-30。特開平9−22082号公報に記載の一般式(1)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の化合物D-1〜D-55。
さらに1991年3月22日発行の「公知技術(1〜207頁)」(アズテック社刊)の25頁から34頁に記載の種々のヒドラジン誘導体。特開昭62-86354号公報(6頁〜7頁)の化合物D-2およびD-39。
【0062】
本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘導体は、適当な有機溶媒、例えばアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散し用いることができる。
【0063】
本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘導体は、支持体に対して画像形成層側の該画像形成層あるいは他のバインダー層のどの層に添加してもよいが、該画像形成層あるいはそれに隣接するバインダー層に添加することが好ましい。
ヒドラジン誘導体の添加量は、銀1モルに対し1×10-6〜1×10-2モルが好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましく、2×10-5〜5×10-3モルが最も好ましい。
本発明では超硬調画像形成のために、前記の造核剤とともに硬調化促進剤を併用することができる。例えば、米国特許第5,545,505号明細書に記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、米国特許第5,545,507号明細書に記載のヒドロキサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、米国特許第5,545,507号明細書に記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN−13、米国特許第5,558,983号明細書に記載のヒドラジン化合物、具体的にはCA−1〜CA−6、特開平9−297368号公報に記載のオニュ−ム塩類、具体的にはA−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14などを用いることができる。
【0064】
非感光性銀塩、感光性ハロゲン化銀およびバインダーを有する熱現像感光材料において、蟻酸あるいは蟻酸塩は強いかぶらせ物質となる。本発明では、熱現像感光材料の感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側の蟻酸あるいは蟻酸塩の含有量が銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下であることが好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を造核剤と併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などである。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としてはオルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)であり、具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
本発明において好ましく用いることができる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩は、少量で所望の効果を発現するという点から画像形成層あるいはそれに隣接するバインダー層に添加する。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(画像記録材料1m2当たりの塗布量)としては感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100mg/m2がより好ましい。
【0065】
本発明の熱現像画像記録材料は、有機銀塩のための還元剤を含む。有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましくは有機物質である。フェニドン、ハイドロキノンおよびカテコールなどの従来の写真現像剤は有用であるが、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。還元剤は、画像形成層を有する面の銀1モルに対して5〜50モル%含まれることが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤の添加層は画像形成層を有する面のいかなる層でもよい。画像形成層以外の層に添加する場合は銀1モルに対して10〜50モル%の還元剤を使用することが好ましい。また、還元剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0066】
有機銀塩を利用した熱現像感光材料においては広範囲の還元剤が特開昭46-6074号公報、同47-1238号公報、同47-33621号公報、同49-46427号公報、同49-115540号公報、同50-14334号公報、同50-36110号公報、同50-147711号公報、同51-32632号公報、同51-1023721号公報、同51-32324号公報、同51-51933号公報、同52-84727号公報、同55-108654号公報、同56-146133号公報、同57-82828号公報、同57-82829号公報、特開平6-3793号公報、米国特許第3,679,426号明細書、同3,751,252号明細書、同3,751,255号明細書、同3,761,270号明細書、同3,782,949号明細書、同3,839,048号明細書、同3,928,686号明細書、同5,464,738号明細書、独国特許第2321328号明細書、欧州特許第692732号などに開示されている。例えば、フェニルアミドオキシム、2-チエニルアミドオキシムおよびp-フェノキシフェニルアミドオキシムなどのアミドオキシム;例えば4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒドアジンなどのアジン;2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニル-β-フェニルヒドラジンとアスコルビン酸との組合せのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼンと、ヒドロキシルアミン、レダクトンおよび/またはヒドラジンの組合せ(例えばハイドロキノンと、ビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレダクトンまたはホルミル-4-メチルフェニルヒドラジンの組合せなど);フェニルヒドロキサム酸、p-ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ-アリニンヒドロキサム酸などのヒドロキサム酸;アジンとスルホンアミドフェノールとの組合せ(例えば、フェノチアジンと2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノールなど);エチル-α-シアノ-2-メチルフェニルアセテート、エチル-α-シアノフェニルアセテートなどのα-シアノフェニル酢酸誘導体;2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチル、6,6'-ジブロモ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチルおよびビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタンに例示されるようなビス-β-ナフトール;ビス-β-ナフトールと1,3-ジヒドロキシベンゼン誘導体(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2',4'-ジヒドロキシアセトフェノンなど)の組合せ;3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンなどの、5-ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトンおよびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダクトンに例示されるようなレダクトン;2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノールおよびp-ベンゼンスルホンアミドフェノールなどのスルホンアミドフェノール還元剤;2-フェニルインダン-1,3-ジオンなど;2,2-ジメチル-7-t-ブチル-6-ヒドロキシクロマンなどのクロマン;2,6-ジメトキシ-3,5-ジカルボエトキシ-1,4-ジヒドロピリジンなどの1,4-ジヒドロピリジン;ビスフェノール(例えば、ビス(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、4,4-エチリデン-ビス(2-t-ブチル-6-メチルフェノール)、1,1,-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサンおよび2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンなど);アスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸1-アスコルビル、ステアリン酸アスコルビルなど);ならびにベンジルおよびビアセチルなどのアルデヒドおよびケトン;3-ピラゾリドンおよびある種のインダン-1,3-ジオン;クロマノール(トコフェロールなど)などがある。特に好ましい還元剤としては、ビスフェノール、クロマノールである。
【0067】
本発明において、還元剤は、水溶液、有機溶媒溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化分散物などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
本発明では、現像促進剤として特願平11−73951号明細書に記載の式(A)で表されるフェノール誘導体が好ましく用いられる。式(A)で表されるフェノール誘導体は、上記還元剤と併用することにより強い現像促進効果を示す。具体的には、同明細書に記載のA−1〜A−54が好ましく用いられる。式(A)で表されるフェノール誘導体は還元剤に対して0.01モル%から100モル%の範囲で使用されることが好ましく、さらには0.1モル%から20モル%の範囲で使用されることが好ましい。
式(A)で表されるフェノール誘導体は支持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるいはこの層側の他のどの層に添加してもよいが、還元剤を含有する層に添加することが好ましい。式(A)で表されるフェノール誘導体は、水溶液、有機溶媒溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化分散物などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0068】
画像を向上させる「色調剤」として知られる添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。また、色調剤は黒色銀画像を形成させるうえでも有利になることがある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モルあたりの0.1〜50%モルの量含まれることが好ましく、0.5〜20%モル含まれることがさらに好ましい。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
有機銀塩を利用した熱現像感光材料においては広範囲の色調剤が特開昭46-6077号公報、同47-10282号公報、同49-5019号公報、同49-5020号公報、同49-91215号公報、同49-91215号公報、同50-2524号公報、同50-32927号公報、同50-67132号公報、同50-67641号公報、同50-114217号公報、同51-3223号公報、同51-27923号公報、同52-14788号公報、同52-99813号公報、同53-1020号公報、同53-76020号公報、同54-156524号公報、同54-156525号公報、同61-183642号公報、特開平4-56848号公報、特公昭49-10727号公報、同54-20333号公報、米国特許第3,080,254号明細書、同第3,446,648号明細書、同第3,782,941号明細書、同第4,123,282号明細書、同4,510,236号明細書、英国特許第1380795号、ベルギー特許841910号などに開示されている。色調剤の例は、フタルイミドおよびN-ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン-5-オン、ならびにキナゾリノン、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、1-フェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4-チアゾリジンジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジメルカプトピリミジン、3-メルカプト-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾールおよび2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールに例示されるメルカプタン;N-(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド、(例えば、(N,N-ジメチルアミノメチル)フタルイミドおよびN,N-(ジメチルアミノメチル)-ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミド);ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種の光退色剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビス(1-カルバモイル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,6-ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)および2-トリブロモメチルスルホニル)-(ベンゾチアゾール));ならびに3-エチル-5-[(3-エチル-2-ベンゾチアゾリニリデン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4-オキサゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩、または4-(1-ナフチル)フタラジノン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノンおよび2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなどの誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フタラジン誘導体(たとえば、4-(1-ナフチル)フタラジン、6-クロロフタラジン、5,7-ジメトキシフタラジン、6-iso-ブチルフタラジン、6-tert-ブチルフタラジン、5,7-ジメチルフタラジン、および2,3-ジヒドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金属塩、;フタラジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘導体;色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲン化銀生成のためのハライドイオンの源としても機能するロジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸化物および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化水素;1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン、8-メチル-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオンおよび6-ニトロ-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオンなどのベンズオキサジン-2,4-ジオン;ピリミジンおよび不斉-トリアジン(例えば、2,4-ジヒドロキシピリミジン、2-ヒドロキシ-4-アミノピリミジンなど)、アザウラシル、およびテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6-ジメルカプト-1,4-ジフェニル-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレン、および1,4-ジ(o-クロロフェニル)-3,6-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレン)などがある。
【0069】
本発明では色調剤として、特願平10−213487号明細書に記載の一般式(F)で表されるフタラジン誘導体が好ましく用いられる。具体的には同明細書に記載の、A−1〜A−10が好ましく用いられる
本発明で色調剤を用いる場合、それは、溶液、粉末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0070】
本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理前の膜面pHは6.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは5.5以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。
膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。なお、膜面pHの測定方法は、特願平11−87297号明細書の[0123]に記載されている。
本発明の熱現像画像記録材料において、ハロゲン化銀乳剤または/および有機銀塩は、かぶり防止剤、安定剤および安定剤前駆体によって、付加的なかぶりの生成に対して更に保護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定化することができる。単独または組合せて使用することができる適当なかぶり防止剤、安定剤および安定剤前駆体は、米国特許第2,131,038号明細書および同第2,694,716号明細書に記載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437号明細書および同第2,444,605号明細書に記載のアザインデン、米国特許第2,728,663号明細書に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号明細書に記載のウラゾール、米国特許第3,235,652号明細書に記載のスルホカテコール、英国特許第623,448号に記載のオキシム、ニトロン、ニトロインダゾール、米国特許第2,839,405号明細書に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839号明細書に記載のチウロニウム塩、ならびに米国特許第2,566,263号明細書および同第2,597,915号明細書に記載のパラジウム、白金および金塩、米国特許第4,108,665号明細書および同第4,442,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,128,557号明細書および同第4,137,079号明細書、同第4,138,365号明細書および同第4,459,350号明細書に記載のトリアジンならびに米国特許第4,411,985号明細書に記載のリン化合物などがある。
【0071】
本発明の熱現像画像記録材料は、高感度化やかぶり防止を目的として安息香酸類を含有してもよい。本発明で用いる安息香酸類はいかなる安息香酸誘導体でもよいが、好ましい構造の例としては、米国特許第4,784,939号明細書、同第4,152,160号明細書、特開平9-329863号公報、同9−329864号公報、同9−281637号公報などに記載の化合物が挙げられる。安息香酸類は画像記録材料のいかなる部位に添加してもよいが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。安息香酸類の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行ってもよく、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でもよいが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。安息香酸類の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行ってもよい。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加してもよい。安息香酸類の添加量としてはいかなる量でもよいが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0072】
本発明を実施するために必要ではないが、乳剤層にかぶり防止剤として水銀(II)塩を加えることが有利なことがある。この目的に好ましい水銀(II)塩は、酢酸水銀および臭化水銀である。本発明に使用する水銀の添加量としては、塗布された銀1モル当たり好ましくは1×10-9モル〜1×10-3モル、さらに好ましくは1×10-8モル〜1×10-4モルの範囲である。
本発明で特に好ましく用いられるかぶり防止剤は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50-119624号公報、同50-120328号公報、同51-121332号公報、同54-58022号公報、同56-70543号公報、同56-99335号公報、同59-90842号公報、同61-129642号公報、同62-129845号公報、特開平6-208191号公報、同7-5621号公報、同7-2781号公報、同8-15809号公報、米国特許第5,340,712号明細書、同5,369,000号明細書、同5,464,737号明細書に開示されているような化合物が挙げられる。特願平11−87297号明細書に記載の式(P)で表される親水性有機ハロゲン化物がかぶり防止剤として好ましく用いられる。具体的には、同明細書に記載の(P−1)〜(P−118)が好ましく用いられる。
有機ハロゲン化物の添加量は、Ag1molに対するmol量(mol/molAg)で示して、好ましくは1×10-5〜2mol/molAg、より好ましくは5×10-5〜1mol/molAg、さらに好ましくは1×10-4〜5×10-1mol/molAgである。これらは1種のみを用いても2種以上を併用しても良い。
【0073】
また、特願平11−87297号明細書に記載の式(Z)で表されるサリチル酸誘導体がかぶり防止剤として好ましく用いられる。具体的には、同明細書に記載の(A−1)〜(A−60)が好ましく用いられる。
式(Z)で表されるサリチル酸誘導体の添加量は、Ag1molに対するmol量(mol/molAg)で示して、好ましくは1×10-5〜5×10-1mol/molAg、より好ましくは5×10-5〜1×10-1mol/molAg、さらに好ましくは1×10-4〜5×10-2mol/molAgである。これらは1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるかぶり防止剤は、水あるいは適当な有機溶媒、例えばアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。
また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分散法として知られている方法によって、粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によって分散し用いることができる。
【0074】
かぶり防止剤は、支持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるいはこの層側の他のどの層に添加してもよいが、画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。画像形成層は還元可能な銀塩(有機銀塩)を含有する層であり、好ましくはさらに感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層であることが好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料には現像を抑制あるいは促進して現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができる。
本発明にメルカプト化合物を使用する場合、いかなる構造のものでもよいが、Ar-SM、Ar-S-S-Arで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましくは、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例えば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアリール(置換基を有していてもよい)からなる置換基群から選択されるものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとしては、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンズオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプト-5-メチルベンズイミダゾール、6-エトキシ-2-メルカプトベンゾチアゾール、2,2'-ジチオビス-(ベンゾチアゾール)、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4,5-ジフェニル-2-イミダゾールチオール、2-メルカプトイミダゾール、1-エチル-2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトキノリン、8-メルカプトプリン、2-メルカプト-4(3H)-キナゾリノン、7-トリフルオロメチル-4-キノリンチオール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-ピリジンチオール、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メルカプトピリミジンモノヒドレート、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4-ヒドキロシ-2-メルカプトピリミジン、2-メルカプトピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メルカプトピリミジン、2-メルカプト-4-メチルピリミジンヒドロクロリド、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、3-(5-メルカプトテトラゾール)-ベンゼンスルフォン酸ナトリウム、N-メチル-N'-[3-(5-メルカプトテトラゾリル)フェニル]ウレア、2-メルカプト-4-フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
これらのメルカプト化合物の添加量としては乳剤層中に銀1モル当たり0.0001〜1.0モルの範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり0.001〜0.3モルの量である。
【0075】
本発明の熱現像画像記録材料において用いるバインダーとしては以下に述べるポリマーラテックスを用いることが好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層のうち少なくとも1層は以下に述べるポリマーラテックスを全バインダーの50重量%以上として用いた画像形成層であることが好ましい(以降この画像形成層を「本発明における画像形成層」、バインダーに用いるポリマーラテックスを「本発明で用いるポリマーラテックス」と表す。)。また、ポリマーラテックスは画像形成層だけではなく、保護層やバック層に用いてもよく、特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像画像記録材料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマーラテックスを用いることが好ましい。ただしここで言う「ポリマーラテックス」とは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なお本発明で用いるポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
【0076】
本発明で用いるポリマーラテックスとしては通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。
本発明の熱現像画像記録材料におけるバインダーとして好ましく用いるポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は保護層、バック層と画像形成層とでは好ましい範囲が異なる。画像形成層にあっては熱現像時に写真有用素材の拡散を促すため、-30〜40℃であることが好ましい。保護層やバック層に用いる場合には種々の機器と接触するために25〜70℃のガラス転移温度が好ましい。
本発明で用いるポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は-30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されている。
【0077】
本発明で用いるポリマーラテックスに用いられるポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはこれらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖のポリマーでも分枝鎖のポリマーでも、また架橋されたポリマーでもよい。またポリマーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマーでもよい。ポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜100000程度が好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは製膜性が悪く好ましくない。
本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層のバインダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例としては以下のようなものがある。メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなど。また、このようなポリマーは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。例えばアクリル樹脂の例として、セビアンA-4635,46583、4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD-size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン樹脂としてはHYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507、(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L513(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7020、D504、D5071(以上三井東圧(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよい。
【0078】
本発明における画像形成層は全バインダーの50重量%以上として上記ポリマーラテックスが好ましく用いられるが、70重量%以上として上記ポリマーラテックスが用いられることがさらに好ましい。
本発明における画像形成層には必要に応じて全バインダーの50重量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全バインダーの30重量%以下、さらには15重量%以下が好ましい。
本発明における画像形成層は、水系の塗布液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60重量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の例としては以下のようなものがある。水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノール=90/10、水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5。(ただし数字は重量%を表す。)
【0079】
さらに、保護層用のバインダーとして、特願平11−6872号明細書の段落番号[0025]〜[0029]に記載の有機概念図に基づく無機性値を有機性値で割ったI/O値の異なるポリマーラテックスの組み合わせを好ましく用いることができる。
それぞれの層には、特願平10−199626号明細書の段落番号[0023]〜[0041]に記載の官能基を導入した第一のポリマーラテックスとこの第一のポリマーラテックスと反応しうる官能基を有する架橋剤及び/または第二のポリマーラテックスを用いて形成させることもできる。
官能基の具体例としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、N−メチロール基、オキサゾリニル基など、架橋剤としては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、メチロ−ル化合物、ヒドロキシ化合物、カルボキシル化合物、アミノ化合物、エチレンイミン化合物、アルデヒド化合物、ハロゲン化合物などから選ばれる。架橋剤の具体例として、イソシアネート化合物:ヘキサメチレンイソシアネート、デュラネートWB40−80D、WX−1741(旭化成工業(株)製)、バイヒジュール3100(住友バイエルウレタン(株)製)、タケネートWD725(武田薬品工業(株)製)、アクアネート100、200(日本ポリウレタン(株)製)、特開平9−160172号公報に記載の水分散型ポリイソシアネート、アミノ化合物:スミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)、エポキシ化合物:デナコールEX−614B(ナガセ化成工業(株)製)、ハロゲン化合物:2,4ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウムなどが挙げられる。
【0080】
本発明における画像形成層用の全バインダー量は0.2〜30g/m2、より好ましくは1.0〜15g/m2の範囲が好ましい。
本発明における保護層用の全バインダー量は0.2〜10.0g/m2、より好ましくは0.5〜6.0g/m2の範囲が好ましい。
本発明におけるバック層用の全バインダー量は0.01〜10.0g/m2、より好ましくは0.05〜5.0g/m2の範囲が好ましい。
これらの各層は、2層以上設けられる場合がある。画像形成層が2層以上である場合は、すべての層のバインダーとしてポリマーラテックスを用いることが好ましい。また、保護層は画像形成層上に設けられる層であり2層以上存在する場合もあるが、少なくとも1層、特に最外層の保護層にポリマーラテックスが用いられることが好ましい。また、バック層は支持体バック面の下塗り層の上部に設けられる層であり2層以上存在する場合もあるが、少なくとも1層、特に最外層のバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。
本発明における画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0081】
本発明で用いる滑り剤の種類は特に制限はなく、物体表面に存在させた時に、存在させない場合に比べて物体表面の摩擦係数を減少させる化合物であればいずれでもよい。
本発明に用いられる滑り剤の例としては、特開平11−84573号公報の段落番号[0061]〜[0064]、特願平11−106881号明細書の段落番号[0049]〜[0062]に記載の化合物である。
好ましい滑り剤の具体例としては、セロゾール524(主成分カルナバワックス)、ポリロンA,393,H−481(主成分ポリエチレンワックス)、ハイミクロンG−110(主成分エチレンビスステアリン酸アマイド)、ハイミクロンG−270(主成分ステアリン酸アマイド)(以上、中京油脂(株)製)、または
W−1 C1633−O−SO3Na
W−2 C1837−O−SO3Na
で表される化合物などがある。
滑り剤の使用量は添加層のバインダー量の0.1〜50重量%であり、好ましくは0.5〜30重量%である。
【0082】
本発明の熱現像画像記録材料を熱現像処理する場合において、特願平10−346561号明細書、特願平11−106881号明細書に記載されるような、予備加熱部分は対向ローラーで熱現像画像記録材料を搬送し、熱現像処理部は画像形成層を有する側をローラーの駆動により、その反対側のバック面を平滑面に滑らせて搬送する熱現像処理装置を用いる場合は、現像処理温度における熱現像画像記録材料の画像形成層を有する側の最表面層とバック面の最表面層との摩擦係数の比は、1.5以上であり、その上限に特に制限はないが、30程度である。また、μbは1.0以下、好ましくは0.8〜0.05である。この値は、下記の式によって求められる。
摩擦係数の比=熱現像機のローラー部材と画像形成層を有する面との動摩擦係数(μe )/熱現像機の平滑面部材とバック面との動摩擦係数(μb )
本発明において熱現像処理温度での熱現像処理機部材と画像形成層を有する面および/またはその反対面の最表面層の滑り性は、最表面層に滑り剤を含有させ、その添加量を変えて調整することができる。
【0083】
本発明の熱現像画像記録材料の支持体の両面には、特開昭64−20544号公報、特開平1−180537号公報、特開平1−209443号公報、特開平1−285939号公報、特開平1−296243号公報、特開平2−24649号公報、特開平2−24648号公報、特開平2−184844号公報、特開平3−109545号公報、特開平3−137637号公報、特開平3−141346号公報、特開平3−141347号公報、特開平4−96055号公報、米国特許第4645731号明細書、特開平4−68344号公報、特許第2557641号P2右欄20行目〜P3右欄30行目、特願平10−221039号明細書の段落番号[0020]〜[0037]、特願平11−106881号明細書の段落番号[0063]〜[0080]に記載の塩化ビニリデン単量体の繰り返し単位を70重量%以上含有する塩化ビニリデン共重合体を含む下塗り層を設けることが好ましい。
【0084】
塩化ビニリデン単量体が70重量%未満の場合は、十分な防湿性が得られず、熱現像後の時間経過における寸法変化が大きくなってしまう。また、塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデン単量体のほかの構成繰り返し単位としてカルボキシル基含有ビニル単量体の繰り返し単位を含むことが好ましい。このような構成繰り返し単位を含ませるのは、塩化ビニル単量体のみでは、重合体(ポリマー)が結晶化してしまい、防湿層を塗設する際に均一な膜を作り難くなり、また重合体(ポリマー)の安定化のためにはカルボキシル基含有ビニル単量体が不可欠であるからである。
本発明で用いる塩化ビニリデン共重合体の分子量は、重量平均分子量で45000以下、さらには10000以上45000以下が好ましい。分子量が大きくなると塩化ビニリデン共重合体層とポリエステル等の支持体層との接着性が悪化してしまう。
【0085】
塩化ビニリデン共重合体の含有量は、塩化ビニリデン共重合体を含有する下塗り層の片面当たりの合計膜厚として0.3μm 以上であり、好ましくは0.3μm 以上4μm 以下の範囲である。
なお、下塗り層としての塩化ビニリデン共重合体層は、支持体に直接設層される下塗り層第1層として設けることが好ましく、通常は片面ごとに1層ずつ設けられるが、場合によっては2層以上設けてもよい。2層以上の多層構成とするときは、塩化ビニリデン共重合体量が合計で所望の範囲となるようにすればよい。
このような層には塩化ビニリデン共重合体のほか、架橋剤やマット剤などを含有させてもよい。
【0086】
支持体は必要に応じて塩化ビニリデン共重合体層のほか、SBR、ポリエステル、ゼラチン等をバインダーとする下塗り層を塗布してもよい。これらの下塗り層は多層構成としてもよく、また支持体に対して片面または両面に設けてもよい。下塗り層の一般的厚み(1層当たり)は0.01〜5μm 、より好ましくは0.05〜1μmである。
本発明の熱現像画像記録材料には、種々の支持体を用いることができる。典型的な支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、硝酸セルロース、セルロースエステル、ポリビニルアセタール、シンジオタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、両面がポリエチレンで被覆された紙支持体などを含む。このうち二軸延伸したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は強度、寸法安定性、耐薬品性などの点から好ましい。支持体の厚みは下塗り層を除いたベース厚みで90〜180μm であることが好ましい。
【0087】
本発明の熱現像画像記録材料に用いる支持体は、特開平10−48772号公報、特開平10−048772号公報、特開平10−010676号公報、特開平10−010677号公報、特願平9−225131号明細書、特願平9−308898号明細書に記載の二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
このような熱処理後における支持体の120℃ 30秒加熱による寸法変化率は縦方向(MD)が−0.03%〜+0.01%、横方向(TD)が0〜0.04%であることが好ましい。
【0088】
本発明の熱現像画像記録材料には、ゴミ付着の減少、スタチックマーク発生防止、自動搬送工程での搬送不良防止などの目的で、特開平11−84573号公報の段落番号[0040]〜[0051]に記載の導電性金属酸化物及び/またはフッ素系界面活性剤を用いて帯電防止することができる。
導電性金属酸化物としては、米国特許第5575957号公報、特願平10−041302号明細書の段落番号[0012]〜[0020]に記載のアンチモンでドーピングされた針状導電性酸化錫、特開平4−29134号公報に記載のアンチモンでドーピングされた繊維状酸化錫が好ましく用いられる。
金属酸化物含有層の表面比抵抗(表面抵抗率)は25℃20%RHの雰囲気下で1012Ω以下、好ましくは1011Ω以下がよい。これにより良好な帯電防止性が得られる。このときの表面抵抗率の下限は特に制限されないが、通常107Ω程度である。
【0089】
本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層を有する面およびその反対面の最外層表面の少なくとも一方、好ましくは両方のベック平滑度は、2000秒以下であり、より好ましくは10秒〜2000秒である。
本発明におけるベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
熱現像画像記録材料の画像形成層を有する面の最外層およびその反対面の最外層のベック平滑度は、特開平11−84573号公報の段落番号[0052]〜[0059]に記載の如く、前記両面の層に含有させるマット剤の粒径&添加量を適宜変化させることによってコントロールすることができる。
本発明において、下塗層及び/又はバック層は特開平11−84573号公報の段落番号[0204]〜[0208]、特願平11−106881号明細書の段落番号[0240]〜[0241]に記載の如くハレーション防止の目的で、染料を含有することができる。
【0090】
本発明の熱現像画像記録材料は好ましくは、感光性ハロゲン化銀を含有する。本発明に用いることのできる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができる。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造としては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0091】
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号明細書に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。その他正常晶でない場合、たとえば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0092】
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましくは100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29.165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表の第VIII族の金属または金属錯体を含有することが好ましい。周期律表の第VIII族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくはロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範囲が好ましく、1×10-8モルから1×10-4モルの範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7-225449号公報等に記載された構造の金属錯体を用いることができる。
【0093】
本発明に用いられるロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。たとえば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロジウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つもの、たとえば、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム(III)錯塩、テトラクロロジアコロジウム(III)錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアンミンロジウム(III)錯塩、トリオキザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられる。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(たとえば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(たとえばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
【0094】
これらのロジウム化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り1×10-8モル〜5×10-4モルの範囲が好ましく、特に好ましくは5×10-8モル〜1×10-5モルである。
これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時および乳剤を塗布する前の各段階において適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0095】
本発明に用いられるルテニウム、オスミウムは特開昭63-2042号公報、特開平1-285941号公報、同2-20852号公報、同2-20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
[ML6n-
ここでMはRuまたはOsを表し、Lは配位子を表し、nは0、1、2、3または4を表す。
この場合、対イオンは重要性を持たず、アンモニウムもしくはアルカリ金属イオンが用いられる。
また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0096】
[RuCl6]3- [RuCl4(H2O)2]- [RuCl5(H2O)]2-
[RuCl5(NO)]2- [RuBr5(NS)]2-
[Ru(CO)3Cl3]2- [Ru(CO)Cl5]2- [Ru(CO)Br5]2-
[OsCl6]3- [OsCl5(NO)]2- [Os(NO)(CN)5]2-
[Os(NS)Br5]2- [Os(O)2(CN)4]4-
【0097】
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル〜1×10-4モルの範囲が好ましく、特に好ましくは1×10-8モル〜1×10-5モルである。
これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時および乳剤を塗布する前の各段階において適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
これらの化合物をハロゲン化銀の粒子形成中に添加してハロゲン化銀粒子中に組み込むには、金属錯体の粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性塩または水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、あるいは銀塩とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、あるいは粒子形成中に必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入する方法などがある。特に粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した水溶液を、水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
粒子表面に添加するには、粒子形成直後または物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時に必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0098】
本発明においては、イリジウム化合物として種々のものを使用できるが、例えばヘキサクロロイリジウム、ヘキサアンミンイリジウム、トリオキザラトイリジウム、ヘキサシアノイリジウム、ペンタクロロニトロシルイリジウム等が挙げられる。これらのイリジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性イリジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめイリジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に、コバルト、鉄、レニウム、ニッケル、クロム、パラジウム、白金、金、タリウム、銅、鉛、等の金属原子を含有してもよい。コバルト、鉄、クロムの化合物については六シアノ金属錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサシアノコバルト酸イオン、ヘキサシアノクロム酸イオン、ヘキサシアノルテニウム酸イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の含有相は均一でも、コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく特に制限はない。
上記金属はハロゲン化銀1モルあたり1×10-9〜1×10-4モルが好ましい。また、上記金属を含有せしめるには単塩、複塩、または錯塩の形の金属塩にして粒子調製時に添加することができる。
【0099】
感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができるが本発明においては脱塩してもしなくてもよい。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤に金増感を施す場合に用いられる金増感剤としては、金の酸化数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用いられる金化合物を用いることができる。代表的な例としては塩化金酸、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどがあげられる。
金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7モル以上10-3モル以下、より好ましくは10-6モル以上5×10-4以下である。
【0100】
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤は金増感と他の化学増感とを併用することが好ましい。他の化学増感の方法としては、硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの既知の方法を用いることができる。金増感法と組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、セレン増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法とテルル増感法と金増感法などが好ましい。
本発明に好ましく用いられる硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モルであり、より好ましくは10-5〜10-3モルである。
【0101】
本発明に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。不安定型セレン化合物としては特公昭44-15748号公報、同43-13489号公報、特開平4-25832号公報、同4-109240号公報、同3-121798号公報等に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4-324855号公報中の一般式(VIII) および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成させる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5-313284号公報に記載の方法で試験することができる。テルル増感剤としては例えばジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テルリド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、テルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホナート類、P-Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド状テルルなどを用いることができる。具体的には、米国特許第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第235,211号、同第1,121,496号、同第1,295,462号、同第1,396,696号、カナダ特許第800,958号、特開平4-204640号公報、同3-53693号公報、同3-131598号公報、同4-129787号公報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.) 635(1980),ibid 1102(1979),ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai) 編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Serenium and Tellunium Compounds),Vol 1(1986)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平5-313284号公報中の一般式(II),(III),(IV)で示される化合物が好ましい。
【0102】
本発明で用いられるセレンおよびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
本発明においては、還元増感を用いることができる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。また、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することができる。
本発明で用いるハロゲン化銀乳剤は、欧州特許293,917号に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明の熱現像画像記録材料中のハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。
【0103】
感光性ハロゲン化銀の使用量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3モル以下がより好ましく、0.03モル以上0.25モル以下が特に好ましい。別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。
本発明においては増感色素を用いることができる。増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので有ればいかなるものでもよい。増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロホーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばRESEARCH DISCLOSURE Item17643IV-A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種レーザーイメージャー、スキャナー、イメージセッターや製版カメラの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。
【0104】
赤色光への分光増感の例としては、He-Neレーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわゆる赤色光源に対しては、特開昭54-18726号公報に記載のI-1からI-38の化合物、特開平6-75322号公報に記載のI-1からI-35の化合物および特開平7-287338号公報に記載のI-1からI-34の化合物、特公昭55-39818号公報に記載の色素1から20、特開昭62-284343号公報に記載のI-1からI-37の化合物および特開平7-287338号公報に記載のI-1からI-34の化合物などが有利に選択される。
750〜1400nmの波長領域の半導体レーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、スチリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノールおよびキサンテン色素を含む種々の既知の色素により、スペクトル的に有利に増感させることができる。有用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核およびイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核などの酸性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニン色素において、イミノ基またはカルボキシル基を有するものが特に効果的である。例えば、米国特許3,761,279号明細書、同3,719,495号明細書、同3,877,943号明細書、英国特許1,466,201号、同1,469,117号、同1,422,057号、特公平3-10391号公報、同6-52387号公報、特開平5-341432号公報、同6-194781号公報、同6-301141号公報に記載されたような既知の色素から適当に選択してよい。
【0105】
本発明に用いられる色素の構造として特に好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有するシアニン色素(例としては特開昭62-58239号公報、同3-138638号公報、同3-138642号公報、同4-255840号公報、同5-72659号公報、同5-72661号公報、同6-222491号公報、同2-230506号公報、同6-258757号公報、同6-317868号公報、同6-324425号公報、特表平7-500926号公報、米国特許5,541,054号明細書に記載された色素) 、カルボン酸基を有する色素(例としては特開平3-163440号公報、同6-301141号公報、米国特許第5,441,899号明細書に記載された色素)、メロシアニン色素、多核メロシアニン色素や多核シアニン色素(特開昭47-6329号公報、同49-105524号公報、同51-127719号公報、同52-80829号公報、同54-61517号公報、同59-214846号公報、同60-6750号公報、同63-159841号公報、特開平6-35109号公報、同6-59381号公報、同7-146537号公報、同7-146537号公報、特表平55-50111号公報、英国特許第1,467,638号、米国特許第5,281,515号明細書に記載された色素)が挙げられる。
また、J-bandを形成する色素として、米国特許第5,510,236号明細書、同第3,871,887号明細書の実施例5に記載の色素、特開平2-96131号公報、特開昭59-48753号公報に開示されている色素があり、これらの色素を本発明に好ましく用いることができる。
【0106】
これらの増感色素は単独に用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質はResearch Disclosure 176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公昭49-25500号公報、同43-4933号公報、特開昭59-19032号公報、同59-192242号公報等に記載されている。
増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加させるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、3-メトキシ-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
【0107】
また、米国特許3,469,987号明細書等に開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、この溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44-23389号公報、同44-27555号公報、同57-22091号公報等に開示されているように、色素を酸に溶解し、この溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,822,135号明細書、同4,006,025号明細書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭53-102733号公報、同58-105141号公報に開示されているように親水性コロイド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51-74624号公報に開示されているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、この溶液を乳剤中へ添加する方法を用いることもできる。また、溶解に超音波を用いることもできる。
【0108】
増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認められている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許第2,735,766号明細書、同第3,628,960号明細書、同4,183,756号明細書、同第4,225,666号明細書、特開昭58-184142号公報、同60-196749号公報等の明細書に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時期、脱塩工程中および/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58-113920号公報等の明細書に開示されているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程において添加されてもよい。また、米国特許4,225,666号明細書、特開昭58-7629号公報等の明細書に開示されているように、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割して添加する化合物および化合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよい。
【0109】
本発明における増感色素の使用量としては感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、10-4〜10-1モルがさらに好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理前の膜面pHは6以下であることが保存時のカブリを低減させる上で好ましく、特に5.5以下、さらに好ましくは5.3以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。
膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
【0110】
なお、本発明の熱現像画像記録材料の膜面pHを測定する場合には、熱現像処理前の熱現像画像記録材料2.5cm×2.5cmを舟形に折り、その画像形成層側に300μlの蒸留水を滴下し、30分静置した後に、その滴下液をpH BOY−P2(新電元工業株式会社製、半導体方式のpH計)にて1分間測定することが好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料の感光性層には、可塑剤および潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第2,960,404号明細書に記載された種類のグリセリンおよびジオール)、米国特許第2,588,765号および同第3,121,060号に記載の脂肪酸またはエステル、英国特許第955,061号に記載のシリコーン樹脂などを用いることができる。
本発明における画像形成層もしくは画像形成層の保護層には、米国特許第3,253,921号明細書、同第2,274,782号明細書、同第2,527,583号明細書および同第2,956,879号明細書に記載されているような光吸収物質およびフィルター染料を含む写真要素において使用することができる。また、例えば米国特許第3,282,699号明細書に記載のように染料を媒染することができる。フィルター染料の使用量としては露光波長での吸光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好ましい。
【0111】
本発明の熱現像画像記録材料の感光性層には色調改良、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料を用いることができる。本発明の熱現像画像記録材料の感光性層に用いる染料および顔料はいかなるものでもよいが、例えばカラーインデックス記載の顔料や染料があり、具体的にはピラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、フタロシアニンをはじめとする有機顔料、無機顔料などが挙げられる。本発明に用いられる好ましい染料としてはアントラキノン染料(例えば特開平5-341441号公報に記載の化合物1〜9、特開平5-165147号公報に記載の化合物3-6〜18および3-23〜38など)、アゾメチン染料(特開平5-341441号公報に記載の化合物17〜47など)、インドアニリン染料(例えば特開平5-289227号公報に記載の化合物11〜19、特開平5-341441号公報に記載の化合物47、特開平5-165147号公報に記載の化合物2-10〜11など)およびアゾ染料(特開平5-341441号公報に記載の化合物10〜16)が挙げられる。これらの染料の添加法としては、溶液、乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された状態などいかなる方法でもよい。これらの化合物の使用量は目的の吸収量によって決められるが、一般的に1m2当たり1×10-6g以上1g以下の範囲で用いることが好ましい。
【0112】
本発明の熱現像画像記録材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であっても、支持体を挟んで両側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有する、いわゆる両面感光材料であってもよい。
本発明においてバック層は、所望の範囲での最大吸収が約0.3以上2.0以下であることが好ましい。所望の範囲が750〜1400nmである場合には、750〜360nmにおいての光学濃度が0.005以上0.5未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.001以上0.3未満の光学濃度を有するハレーション防止層であることが好ましい。所望の範囲が750nm以下である場合には、画像形成前の所望範囲の最大吸収が0.3以上2.0以下であり、さらに画像形成後の360〜750nmの光学濃度が0.005以上0.3未満になるようなハレーション防止層であることが好ましい。画像形成後の光学濃度を上記の範囲に下げる方法としては特に制限はないが、例えばベルギー特許第733,706号に記載されたように染料による濃度を加熱による消色で低下させる方法、特開昭54-17833号公報に記載の光照射による消色で濃度を低下させる方法等が挙げられる。
【0113】
本発明でハレーション防止染料を使用する場合、該染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後に可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好ましい吸光度スペクトルの形状が得られればいかなる化合物でもよい。例えば以下に挙げるものが開示されているが本発明はこれに限定されるものではない。単独の染料としては特開昭59-56458号公報、特開平2-216140号公報、同7-13295号公報、同7-11432号公報、米国特許第5,380,635号明細書に記載の染料、特開平2-68539号公報第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目、同3-24539号公報第14頁左下欄から同第16頁右下欄記載の化合物があり、処理で消色する染料としては特開昭52-139136号公報、同53-132334号公報、同56-501480号公報、同57-16060号公報、同57-68831号公報、同57-101835号公報、同59-182436号公報、特開平7-36145号公報、同7-199409号公報、特公昭48-33692号公報、同50-16648号公報、特公平2-41734号公報、米国特許第4,088,497号明細書、同4,283,487号明細書、同4,548,896号明細書、同5,187,049号明細書がある。
【0114】
本発明の熱現像画像記録材料の感光性層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤の例としては、米国特許第4,281,060号明細書、特開平6-208193号公報などに記載されているポリイソシアネート類、米国特許第4,791,042号明細書などに記載されているエポキシ化合物類、特開昭62-89048号公報などに記載されているビニルスルホン系化合物類などが用いられる。
本発明には塗布性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭62-170950号公報、米国特許第5,380,644号明細書などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60-244945号公報、特開昭63-188135号公報などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許3,885,965号明細書などに記載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6-301140号公報などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0115】
本発明の熱現像画像記録材料は、帯電防止のため、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、蒸着金属層、米国特許第2,861,056号明細書および同第3,206,312号明細書に記載のようなイオン性ポリマーまたは米国特許第3,428,451号明細書に記載のような不溶性無機塩、特開昭60-252349号公報、同57-104931号公報に記載されている酸化スズ微粒子などを含む層を有してもよい。
本発明の熱現像画像記録材料を用いてカラー画像を得る方法としては特開平7-13295号公報10頁左欄43行目から11左欄40行目に記載の方法がある。また、カラー染料画像の安定剤としては英国特許第1,326,889号、米国特許第3,432,300号明細書、同第3,698,909号明細書、同第3,574,627号明細書、同第3,573,050号明細書、同第3,764,337号明細書および同第4,042,394号明細書に例示されている。
本発明の熱現像画像記録材料の中に追加の層、例えば移動染料画像を受容するための染料受容層、反射印刷が望まれる場合の不透明化層、保護トップコート層および光熱写真技術において既知のプライマー層などを含むことができる。本発明の画像記録材料はその画像記録材料一枚のみで画像形成できることが好ましく、受像層等の画像形成に必要な機能性層が別の画像記録材料とならないことが好ましい。
【0116】
本発明において、像様露光に用いられる露光装置は露光時間が10-7秒未満の露光が可能な装置であればいずれでもよいが、一般的にはLaser Diode(LD)、Light Emitting Diode(LED)を光源に使用した露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出力、高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的波長範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができるものであればいずれでもよい。例えばLDであれば、色素レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。
露光は光源の光ビームをオーバーラップさせて露光し、オーバーラップとは副走査ピッチ幅がビーム径より小さいことをいう。オーバーラップとは例えば、ビーム径をビーム強度の半値幅(FWHM)で表わしたときFWHM/副走査ピッチ幅 (オーバーラップ係数)で定量的に表現することができる。
本発明ではこのオーバラップ係数が0.2以上であることが好ましい。
本発明に使用する露光装置の光源の走査方式は特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査方式、平面走査方式などを用いることができる。また、光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネルでもよいが、円筒外面方式の場合にはマルチチャンネルが好ましく用いられる。
【0117】
本発明の熱現像画像記録材料は露光時のヘイズが低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞発生防止技術としては、特開平5-113548号公報などに開示されているレーザー光を感光材料に対して斜めに入光させる技術や、国際公開第WO95/31754号公報などに開示されているマルチモードレーザーを利用する方法が知られており、これらの技術を用いることが好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料の画像形成方法の加熱現像工程はいかなる方法で現像されてもよいが、通常イメージワイズに露光した画像記録材料を昇温して現像される。用いられる熱現像機の好ましい態様としては、熱現像画像記録をヒートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプとして特公平5-56499号公報、特許公報第684453号、特開平9-292695号公報、特開平9-297385号公報および国際公開第WO95/30934号公報に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開平7-13294号公報、国際公開第WO97/28489号公報、同97/28488号公報および同97/28487号公報に記載の熱現像機がある。特に好ましい態様としては非接触型の熱現像機である。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料の熱現像時の寸法変化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上115℃未満の温度で画像が出ないようにして5秒以上加熱した後、110℃以上140℃以下で熱現像して画像形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)が有効である。
【0118】
本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理に用いられる熱現像機の一構成例を図4に示す。図4は熱現像機の側面図を示したものである。図4の熱現像機は熱現像画像記録材料50を平面状に矯正及び予備加熱しながら加熱部に搬入する搬入ローラー対51(下部ローラーがヒートローラー)と熱現像後の熱現像後の熱現像画像記録材料50を平面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬出ローラー対52を有する。熱現像画像記録材料50は搬入ローラー対51から搬出ローラー対52へと搬送される間に熱現像される。この熱現像中の熱現像画像記録材料50を搬送する搬送手段は画像形成層を有する面が接触する側に複数のローラー53が設置され、その反対側のバック面が接触する側には不織布(たとえばポリフェニレンサルファイトやテフロンから成る)等が貼り合わされた平滑面54が設置される。熱現像画像記録材料50は画像形成層を有する面に接触する複数のローラー53の駆動により、バック面は平滑面54の上を滑って搬送される。加熱手段はローラー53の上部及び平滑面54の下部に熱現像画像記録材料50の両面から加熱されるように加熱ヒーター55が設置される。この場合の加熱手段としては板状ヒーター等が挙げられる。ローラー53と平滑面54とのクリアランスは平滑面の部材により異なるが、熱現像画像記録材料50が搬送できるクリアランスに適宜調整される。好ましくは0〜1mmである。
【0119】
ローラー53の表面の材質及び平滑面54の部材は、高温耐久性があり、熱現像画像記録材料50の搬送に支障がなければ何でも良いが、ローラー表面の材質はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミドまたはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加熱手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温度を自由に設定することが好ましい。
なお、熱現像処理部の上流の予備加熱部は、熱現像温度よりも低く(例えば10〜30℃程度程度低く)、熱現像画像記録材料中の水分量を蒸発させるのに十分な温度および時間に設定することが望ましく、熱現像画像記録材料50の支持体のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で、現像ムラが出ないように設定することが好ましい。
【0120】
また、熱現像処理部の下流にはガイド板56が設置され、さらに、徐冷部が設置される。
ガイド板は熱伝導率の低い素材が好ましく、熱現像画像記録材料に変形が起こらないようにするために冷却は徐々に行うのが好ましい。
以上、図示例に従って説明したが、これに限らず、例えば特開平7-13294号公報に記載のものなど、本発明の実施に用いられる熱現像機は種々の構成のものであってもよい。また、本発明において好ましく用いられる多段加熱方法の場合は、上述のような装置において、加熱温度の異なる熱源を2個以上設置し、連続的に異なる温度で加熱するようにすればよい。
本発明の好ましい態様においては、画像形成層及び保護層に加えて、必要に応じて中間層を設けてもよいが、生産性の向上などを目的として、これらの複数の層を水系において同時重層塗布する。塗布方式はエクストルージョン塗布、スライドビード塗布、カーテン塗布などがあるが、特願平10−292849号の明細書中の図1で開示されているスライドビード塗布方式が特に好ましい。
【0121】
ゼラチンを主バインダーとして用いるハロゲン化銀写真感光材料の場合では、コーティング台の下流に設けられている第一乾燥ゾーンで急冷され、その結果、ゼラチンのゲル化が起こり、塗布膜は冷却固化される。冷却固化されて流動の止まった塗布膜は続く第二乾燥ゾーンに導かれ、これ以降の乾燥ゾーンで塗布液中の溶媒が揮発され、成膜される。第二乾燥ゾーン以降の乾燥方式としては、U字型のダクトからローラー支持された支持体に噴流を吹き付けるエアーループ方式や円筒状のダクトに支持体をつるまき状に巻き付けて搬送乾燥する、つるまき方式(エアーフローティング方式)などが挙げられる。
バインダーの主成分がポリマーラテックスである塗布液では、急冷では塗布液の流動を停止させることができないため、第一乾燥ゾーンのみでは予備乾燥が不十分である場合もある。この場合は、ハロゲン化銀写真感光材料のような乾燥方式では流れムラや乾燥ムラが生じ、塗布面状に重大な欠陥を生じやすい。
【0122】
本発明における好ましい乾燥方式は、特願平10−292849号明細書に記載されているような第一乾燥ゾーン、第二乾燥ゾーンを問わず、少なくとも恒率乾燥が終了するまでの間は水平乾燥ゾーンで乾燥させる方式である。塗布直後から水平乾燥ゾーンに導かれるまでの支持体の搬送は、水平搬送であってもなくてもどちらでもよく、塗布機の水平方向に対する立ち上がり角度としては0〜70°の間にあればよい。また、水平乾燥ゾーンとは、支持体が塗布機の水平方向に対して上下に±15°以内に搬送されればよく、水平搬送を意味するものではない。
本明細書における恒率乾燥とは、液膜温度が一定で流入する熱量全てが溶媒の蒸発に使用される乾燥過程を意味する。減率乾燥とは、乾燥末期になると種々の要因(水分移動の材料内部拡散が律速になる、蒸発表面の後退など)により乾燥速度が低下し、与えられた熱は液膜温度上昇にも使用される乾燥過程を意味する。恒率過程から減率過程に移行する限界含水率は200〜300%である。恒率乾燥が終了する時には、流動が停止するまで十分乾燥が進むため、ハロゲン化銀写真感光材料のような乾燥方式も採用することができるが、本発明においては恒率乾燥後も最終的な乾燥点まで水平乾燥ゾーンで乾燥させることが好ましい。
【0123】
本発明における好ましい乾燥条件は、画像形成層および/または保護層を形成する時の乾燥条件が、恒率乾燥時の液膜表面温度が用いられるポリマーラテックスの最低造膜温度(MTF;通常ポリマーのTgより3〜5℃高い)以上で、通常は製造設備の制限より25℃〜40℃である場合が多い。また、減率乾燥時の乾球温度は用いる支持体のTg未満の温度(PETの場合通常80℃以下)が好ましい。本明細書における液膜表面温度とは、支持体に塗布された塗布液膜の溶媒液膜表面温度を言い、乾球温度とは乾燥ゾーンの乾燥風の温度を意味する。
恒率乾燥時の液膜表面温度が低くなる条件で乾燥した場合、乾燥が不十分となりやすい。このため特に保護層の造膜性が著しく低下し、膜表面に亀裂が生じやすくなる。また、膜強度も弱くなり、露光機や熱現像機での搬送中に傷がつきやすくなるなどの重大な問題が生じやすくなる。
【0124】
一方、高い液膜表面温度となる条件で乾燥した場合、主としてポリマーラテックスから構成される保護層が速やかに皮膜を形成し、一方画像形成層などの下層は流動性が停止していないので、表面の凹凸が発生しやすくなる。また、支持体(ベース)にガラス転移温度よりも高い過剰の熱がかかると、感光材料の寸度安定性、耐巻き癖性も悪くなる傾向にある。
下層を塗布乾燥してから上層を塗布する逐次塗布においても同様であるが、特に、下層の乾燥前に上層を塗布して、両層を同時に乾燥する同時重層塗布を行うための塗布液物性としては、画像形成層の塗布液と保護層の塗布液のpH差が2.5以下であることが好ましく、このpH差は小さい程好ましい。塗布液のpH差が大きくなると塗布液界面でミクロな凝集が生じやすくなり、長尺連続塗布時に塗布筋などの重大な面状故障が発生しやすくなる。
画像形成層の塗布液粘度は25℃で15〜100cpが好ましく、さらに好ましくは30〜70cpである。一方、保護層の塗布液粘度は25℃で5〜75cpが好ましく、さらに好ましくは20〜50cpである。これらの粘度はB型粘度計によって測定される。
【0125】
乾燥後の巻取りは温度20〜30℃、相対湿度45±20%の条件下で行うことが好ましく、巻姿はその後の加工形態に合わせEm面を外または内を選択できる。なお、感材の包袋湿度20〜55%(25℃測定)の範囲で制御されることが好ましい。
本発明において塗布液の脱泡は、塗布液を塗布される前に減圧脱気し、更に1.5kg/cm2以上の加圧状態に保ち、かつ気液界面が生じないようにして連続的に送液しながら超音波振動を与える方式が好ましい。具体的には、特公昭55−6405号公報(4頁20行から7頁11行)に記載されている方式が好ましい。例えば、こうのような脱泡を行う装置としては、特願平10−290003号明細書の実施例図3に示される構成のものがある。
従来から用いられているハロゲン化銀を含みゼラチンを基体とする粘性液である写真乳剤塗布液は、通常加圧送液するだけで気泡が液中に溶解、消滅してしまい、塗布時大気圧下に戻されても気泡が析出するようなことはほとんどない。
ところが、本実施態様で用いる有機銀塩を含み、チキソトロピー性を有する塗布液の場合は、加圧送液だけでは脱泡が不十分であり、気液界面が生じないようにして送液しながら超音波振動を与え脱泡することが必要である。
【0126】
加圧条件として1.5kg/cm2以上、好ましくは1.8kg/cm2以上である。その上限に特に制限はないが、通常5kg/cm2程度である。与えられる超音波の音圧は0.2V以上、好ましくは0.5V以上3.0V以下であり、一般的に音圧は高い方が好ましいが、音圧が高すぎるとキャピテーションにより部分的に高温状態になりカブリの発生原因となる。周波数は特に制約はないが、通常10kHz以上、好ましくは20kHz〜200kHzである。なお、減圧脱気は、タンク内(通常、調液タンクもしくは貯蔵タンク)を密閉減圧し、塗布液中の気泡径を増大させ、浮力をかせぎ脱気させることを指し、減圧脱気の際の減圧条件は−200mmHgないしそれより低い圧力条件、好ましくは−250mmHgないしそれより低い圧力条件とし、その最も低い圧力条件は特に制限はないが通常−800mmHg程度である。減圧時間は30分以上、好ましくは45分以上、その上限は特に制限はない。
以下に実施例をもって本発明の効果を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0127】
【実施例】
<実施例1>
《有機酸銀分散物Aの調製》
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名EdenorC22-85R)876g、蒸留水4230ml、5N−NaOH水溶液492ml、tert−ブチルアルコール1200mlを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀404gを含む水溶液(pH4.0)2062mlを用意し、10℃にて保温した。6350mlの蒸留水と300mlのtert-ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、攪拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ62分10秒と60分かけて添加した。この時、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液添加終了後9分30秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。
【0128】
このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が上がらないようにコントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、スチームトレースにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるようにスチーム量をコントロールした。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は攪拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調節した。
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間攪拌放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀の粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均投影面積径0.52μm、平均粒子厚み0.14μm、平均球相当径の変動係数15%の鱗片状の結晶であった。
【0129】
つぎに、以下の方法でベヘン酸銀の分散物を作成した。乾燥固形分100g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA-217,平均重合度:約1700)7.4gおよび水を添加し、全体量を3850gとしてからホモミキサーにて予備分散した。次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)の圧力を1750kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで所望の分散温度に設定した。
こうして得たベヘン酸銀分散物に含まれるベヘン酸銀粒子は体積加重平均直径0.52μm、変動係数15%の粒子で、粘度は18mPa・sであった。粒子サイズ#の測定は、Malvern Instruments Ltd.製MasterSizerXにて行った。また電子顕微鏡撮影により評価すると、長辺と短辺の比が1.5、粒子厚み0.14μm、平均アスペクト比(粒子の投影面積の円相当径と粒子厚みの比)が5.1であった。
【0130】
《有機酸銀分散物Bの調製》
図3に示すような小型晶析設備を使って分散物Bを調製した。タンク32の中でヘンケル社製ベヘン酸(製品名EdenorC22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後に60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。また、タンク31の中に硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlを用意し、10℃に保温した。図3中38に示すみづほ工業(株)製パイプラインミキサーLR−I型を10,000rpmで撹拌しながら、先の硝酸銀水溶液を29cc/分の一定流量で添加し、5秒経過後、次いでベヘン酸ナトリウム溶液を98cc/分の一定流量で添加し、熱交換器39を介してタンク40にストックした。ただし、熱交換器への冷却水の供給は停止し、タンク40のジャケットへは10℃の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平均温度は35℃であった。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
その後は、有機酸銀分散物Aと同様に分散して有機酸銀分散物Bを得た。
【0131】
《有機酸銀分散物Cの調製》
図3に示すような小型晶析設備を使って分散物Cを調製した。タンク32の中でヘンケル社製ベヘン酸(製品名EdenorC22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後に60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。また、タンク31の中に硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlとタンク41の中に純水6,000mlを用意し、10℃に保温した。図3中38に示すみづほ工業(株)製パイプラインミキサーLR−I型を10,000rpmで撹拌しながら、先の硝酸銀水溶液を29cc/分、純水を98cc/分の一定流量で添加し、5秒経過後、次いでベヘン酸ナトリウム溶液を98cc/分の一定流量で添加し、熱交換器39を介してタンク40にストックした。ただし、熱交換器への冷却水の供給は停止し、タンク40のジャケットへは10℃の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平均温度は30℃であった。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
その後は、有機酸銀分散物Aと同様に分散して有機酸銀分散物Cを得た。
【0132】
《有機酸銀分散物Dの調製》
上記分散物Cと同様に調製した。ただし、タンク41には4vol%のtert−ブタノール水溶液6,000mlを用意して98cc/分の一定流量で添加した。
【0133】
《有機酸銀分散物Eの調製》
図2に示すような小型晶析設備を使って分散物Eを調製した。タンク12の中でヘンケル社製ベヘン酸(製品名EdenorC22−85R)876g、蒸留水4,230ml、tert−ブタノール1,200mlを75℃で撹拌しながら5N−NaOH水溶液492mlを5分かけて添加した後に60分間反応させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。また、タンク11の中に硝酸銀404gの水溶液(pH4.0)2,062mlを用意し、10℃に保温した。さらに、タンク20の中には6,000mlの純水を計り込み、ポンプ17経由、1,000cc/分の流速で循環した。図2中18に示すみづほ工業(株)製パイプラインミキサーLR−I型を10,000rpmで撹拌しながら、先の硝酸銀水溶液を29cc/分の一定流量で添加し、5秒経過後、次いでベヘン酸ナトリウム溶液を98cc/分の一定流量で添加し、熱交換器19を介してタンク20にストックした。ここで、熱交換器およびタンク20のジャケットへは10℃の冷却水を20L/分で供給したところ、タンク内の平均温度は30℃であった。そのまま20分間撹拌しながら放置し、25℃に降温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
その後は、有機酸銀分散物Aと同様に分散して有機酸銀分散物Eを得た。
【0134】
《有機酸銀分散物Fの調製》
上記分散物Bと同様に調製した。ただし、熱交換器39に5℃の冷却水を通水したところ、タンク40内の平均温度は30℃であった。
【0135】
《有機酸銀分散物Gの調製》
上記分散物Eと同様に調製した。ただし、熱交換器19に5℃の冷却水を通水したところ、タンク20内の平均温度は25℃であった。
こうして得られた分散物A〜Gの調製条件、及び平均粒子径、粘度などの物理性を表1に示す。
【0136】
【表1】
Figure 0004060011
【0137】
《ハロゲン化銀乳剤の調製》
(乳剤A)
水700mlにアルカリ処理ゼラチン(カルシウム含有量として2700ppm以下)11gおよび臭化カリウム30mg、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mgを溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを1モル/リットル(NH42RhCl5(H2O)を5×10-6モル/リットル及びK3IrCl6を2×10-5モル/リットルで含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476mlと臭化カリウムを1モル/リットル及びK3IrCl6を2×10-5モル/リットルで含むハロゲン塩水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で28分30秒間かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させて脱塩処理をし、化合物Aを0.17g、平均分子量1万5千の低分子量ゼラチン(カルシウム含有量として20ppm以下)51.1g加え、pH5.9、pAg8.0に調製した。得られた粒子は平均粒子サイズ0.08μm、投影面積変動係数9%、(100)面比率90%の立方体粒子であった。
こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム76μモルを添加し、3分後にトリエチルチオ尿素71μモルを添加して、100分熟成し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを5×10-4モル加えた後、40℃に降温させた。
その後、40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀1モルに対して4.7×10-2モルのKBr、12.8×10-4モルの下記増感色素A、6.4×10-3モルの化合物Bを攪拌しながら添加し、20分後に30℃に急冷してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0138】
【化8】
Figure 0004060011
【0139】
《1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン:還元剤固体微粒子分散物の調製》
1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン25gに対してクラレ(株)製MPポリマーのMP-203の20%水溶液を25g、日信化学(株)製サフィノール104Eを0.1g、メタノール2gと水48ml添加してよく撹拌して、スラリーとして3時間放置した。その後、1mmのジルコニアビーズを360g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて3時間分散し還元剤固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80重量%が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0140】
《ポリハロゲン化合物の固体微粒子分散物の調製》
ポリハロゲン化合物−Aの30gに対してクラレ(株)製MPポリマーのMP-203を4g、化合物C0.25gと、水66gを添加しよく撹拌し、その後0.5mmのジルコニアシリケートビーズを200g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/16Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて5時間分散し、固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80重量%が0.3μm以上1.0μm以下であった。
ポリハロゲン化合物−Bについてもポリハロゲン化合物−Aと同様に固体微粒子分散物を調製し、同様な粒子径となった。
【0141】
《造核剤の固体微粒子分散物の調製》
表2に記載の造核剤10g(造核剤62の化学構造は本明細書中上記の通り、造核剤Aの化学構造は下記の通り)に対して、ポリビニルアルコール(クラレ製PVA-217)2.5g、水87.5gを添加しよく攪拌してスラリーとして3時間放置した。その後、0.5mmのジルコニアビーズを240g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて10時間分散し、固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80重量%が0.1μm以上1.0μm以下で、平均粒径0.5μmであった。
【0142】
《化合物Zの固体微粒子分散物の調製》
化合物Zの30gに対して、クラレ(株)製MPポリマーのMP-203を3gと水87ml添加してよく攪拌して、スラリーとして3時間放置した。その後、上記還元剤固体微粒子分散物の調製と同様にして、化合物Zの固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80wt%が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0143】
《乳剤層塗布液の調製》
上記で作成した有機酸銀分散物A〜Gの銀1モルに対して、以下のバインダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤Aを添加して、水を加えて、乳剤層塗布液とした(使用した有機酸銀分散物の種類は表2に示す)。完成後、減圧脱気を-350mmHgで60分間行った。塗布液のpHは7.7、粘度は25℃で45cpであった。
【0144】
Figure 0004060011
【0145】
【化9】
Figure 0004060011
【0146】
《乳剤面下層保護層塗布液の調製》
メチルメタクリレート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(wt%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度として21.5%、造膜助剤として化合物Dをポリマーラテックスに対し15%添加し塗布液のガラス転移温度を24℃とした)943gにH2Oを加え、化合物Eを1.62g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒径7μm)1.98gおよびポリビニルアルコール(クラレ(株)製,PVA-235)29.4gを加え、さらにH2Oを加えて、塗布液を調製とした。(防腐剤として化合物Aを塗布液中に75ppm(塗設量として1.0mg/m2)、メタノール溶媒をそれぞれ2wt%含有)
完成後、減圧脱気を-400mmHgで60分間行った。塗布液のpHは5.5、粘度は25℃で45cpであった。
【0147】
《乳剤面上層保護層塗布液の調製》
メチルメタクリレート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(wt%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度として21.5%、造膜助剤として化合物Dをポリマーラテックスに対し15%添加し塗布液のガラス転移温度を24℃とした)649gにH2Oを加え、カルナヴァワックス(中京油脂(株)製、セロゾール524)30wt%溶液6.30g、化合物Cを0.23g、化合物Fを7.95g、化合物Gを0.93g、化合物Hを1.8g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒径7μm)1.18gおよびポリビニルアルコール(クラレ(株)製,PVA-235)12.1gを加え、さらにH2Oを加えて、塗布液を調製とした。(防腐剤として化合物Aは70ppm(塗設量として2.6mg/m2)、メタノール溶媒をそれぞれ1.5wt%含有)
完成後、減圧脱気を-400mmHgで60分間行った。塗布液のpHは2.8、粘度は25℃で30cpであった。
【0148】
【化10】
Figure 0004060011
【0149】
《バック/下塗り層のついたPET支持体の作製》
(1)支持体の作成
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い、IV=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のポリエチレンテレフタレートを得た。これをペレット化した後、130℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから押し出した後急冷し、熱固定後の膜厚が120μmになるような厚みの未延伸フイルムを作成した。
これを周速の異なるロールを用い、3.3倍に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実施した。このときの温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後、テンターのチャック部をスリットした後、両端にナール加工を行い、4.8kg/cm2で巻きとった。このようにして、幅2.4m、長さ3500m、厚み120μmのロールを得た。
【0150】
(2)下塗り層及びバック層の作成
(1)下塗り第一層
以下に示す組成の塗布液を6.2cc/m2となる様に支持体上に塗布し、125℃で30秒、150℃で30秒、185℃で30秒乾燥した。
【0151】
ラテックス-A 280g
KOH 0.5g
ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm) 0.03g
塩化シアヌル 1.8g
蒸留水 全量で1000gとなる量
【0152】
(2)下塗り第二層
以下に示す組成の塗布液を5.5cc/m2となる様に下塗り第一層の上に塗布し、125℃で30秒、150℃で30秒、170℃で30秒乾燥した。
【0153】
ゼラチン 10g
酢酸(20%水溶液) 10g
化合物‐Bc-A 0.04g
メチルセルロース(2%水溶液) 25g
ポリエチレンオキシ化合物 0.3g
蒸留水 全量で1000gとなる量
【0154】
(3)バック第一層
以下に示す組成の塗布液を13.8cc/m2となる様に支持体上の下塗り層とは反対側のコロナ放電処理を施した面に塗布し、125℃で30秒、150℃で30秒、185℃で30秒乾燥した。
【0155】
ジュリマーET410(30%) 23g
ゼラチン 5.28g
化合物‐Bc-A 0.02g
染料-Bc-A 0.88g
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1.7g
スミテックスレジンM-3(8%水溶液) 15g
(水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製)
FS-10D(SbドープSnO2水分散物、石原産業(株)製) 24g
ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm) 0.03g
蒸留水 全量で1000gとなる量
【0156】
(4)バック第二層
以下に示す組成の塗布液を5.5cc/m2となる様にバック第一層上に塗布し、125℃で30秒、150℃で30秒、170℃で30秒乾燥した。
【0157】
ジュリマーET410(30%) 57.5g
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1.7g
スミテックスレジンM-3(8%水溶液) 15g
(水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製)
セロゾール524(30%水溶液、中京油脂(株)製) 6.6g
蒸留水 全量で1000gとなる量
【0158】
(5)バック第三層
下塗り第一層と同じ塗布液を6.2cc/m2となる様にバック第二層上に塗布し、125℃で30秒、150℃で30秒、185℃で30秒乾燥した。
【0159】
(6)バック第四層
以下に示す組成の塗布液を13.8cc/m2となる様にバック第三層上に塗布し、125℃で30秒、150℃で30秒、170℃で30秒乾燥した。
【0160】
ラテックス-B 286g
化合物-Bc-B 1.5g
化合物-Bc-C 0.6g
化合物-Bc-D 0.5g
スミテックスレジンM-3(8%水溶液) 195g
(水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製)
ポリメチルメタクリレート(10%水分散物、平均粒子径 5μm) 7.7g
蒸留水 全量で1000gとなる量
【0161】
【化11】
Figure 0004060011
【0162】
ラテックス -A
コア部90重量%、シェル部10重量%のコアシェルタイプのラテックス
コア部 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1 (重量%)
シェル部 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリル/アクリル酸=88/3/3/3/3 (重量%) 重量平均分子量38000
ラテックス -B
メチルメタクリレート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=59/9/26/5/1 (重量%の共重合体)
【0163】
(7)搬送熱処理
(7-1)熱処理
このようにして作製したバック/下塗り層のついたPET支持体を160℃に設定した全長200mの熱処理ゾーンに入れ、張力2kg/cm2、搬送速度20m/分で搬送した。
(7-2)後熱処理
上記熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通して後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力は10kg/cm2であった。
【0164】
《熱現像感光材料の作製》
前記下塗り第一層と下塗り第二層を塗布した側のPET支持体の下塗り層の上に、特願平10-292849号公報の明細書中の図1で開示されているスライドビート塗布方式を用いて、前記の乳剤層塗布液を塗布銀量1.5g/m2になるように塗布した。さらにその上に、前記乳剤面下層保護層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.31g/m2になるように乳剤塗布液と共に同時重層塗布した。その後でその上に前記乳剤面上層保護層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が3.02g/m2になるように塗布し、熱現像感光材料(サンプル)を作製した。
塗布時の乾燥は、恒率過程、減率過程とも乾球温度70〜75℃、露点8〜25℃、液膜表面温度35〜40℃の範囲で、水平乾燥ゾーン(塗布機の水平方向に対し支持体が1.5°〜3°の角度)で行った。乾燥後の巻取りは温度25±5℃、相対湿度45±10%の条件下で行われ、巻姿はその後の加工形態(Em面外巻)に合わせEm面を外を選択した。なお、感光材料の包袋湿度20〜40%(25℃測定)とした。
得られた熱現像感光材料の画像形成側の膜面pHは5.0、ベック平滑度は850秒であり、反対側の膜面pHは5.9、ベック平滑度は560秒であった。
なお、今回評価(写真性能、面状とも)に使用したサンプルは強制条件として乳剤層塗布液を減圧脱気後25℃で6時間経過した後に塗布したものを使用した。
【0165】
《写真性能の評価》
(露光処理)
得られた熱現像感光材料を、ビーム径(ビーム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザー出力50mW、出力波長783nmの半導体レーザーを搭載した単チャンネル円筒内面方式のレーザー露光装置を使用し、ミラーの回転数を変化させることにより露光時間を、出力値を変えることにより露光量を調整し、2×10-8秒で露光した。この時のオーバーラップ係数0.449にした。
(熱現像処理)
露光済みの熱現像感光材料を図4の熱現像機を用いて、熱現像処理部のローラー表面材質はシリコンゴム、平滑面はテフロン不織布にして予備加熱部90〜100℃で5秒、熱現像処理部120℃で20秒間熱現像処理を行った。なお、幅方向の温度精度は±1℃であった。
(写真性能の評価)
得られた画像の評価をマクベスTD904濃度計(可視濃度)により行った。測定の結果は、Dmin、Dmaxで評価した。
【0166】
《塗布面状の評価》
サンプルの表面を目視観察して、塗布面状(面質)を以下のランクに分類した。このうち実用上許容されるものは、AおよびBランクのものである。
Aランク:面状良好。
Bランク:中央部の面状は良好だが、塗布部の両端に乱れがある。
Cランク:全面に若干の面状故障(塗布筋、凝集物の発生、亀裂、乾燥ムラなど)がある。
Dランク:全面に著しい面状故障(塗布筋、凝集物の発生、亀裂、乾燥ムラなど)がある。
【0167】
各熱現像感光材料について上記評価を実施した結果を表2に示す。
【0168】
【表2】
Figure 0004060011
【0169】
本発明の熱現像画像記録材料は、Dminが低く、かつ面状も良好である。造核剤としてホルミルヒドラジン系化合物(造核剤A)よりも本発明に好ましく用いられる一般式(1)〜(3)で表される化合物(造核剤62)を用いた方がDmaxが高い。第3成分を低温で添加することにより調製した有機酸銀分散物C〜Eや、反応液直後の温度をさらに下げるべく熱交換器に10℃の冷水を供給した有機酸銀分散物F、Gは平均粒径を小さくすることができ、それら分散物を用いた感光材料は特に面状が優れている。
それに対し従来製法にて調製された有機酸銀分散物Aは、本発明で用いる有機酸銀分散物に比較し、平均粒径がやや大きく、多分散であるためそれら有機酸銀分散物を用いた感光材料は面状、Dminとも本発明の感光材料より劣る。
以上より、本発明の効果は明らかである。
【0170】
<実施例2>
(PET支持体の作成)
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融後T型台から押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0171】
(表面コロナ処理)
ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0172】
(下塗り支持体の作成)
(1)下塗層塗布液の作成
処方(1)(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA-515GB(30wt%溶液) 234g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5) 10wt%溶液 21.5g
綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) 0.91g
蒸留水 744ml
処方(2)(バック面第1層用)
ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス 158g
(固形分40wt% 、ブタジエン/スチレン重量比=32/68)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−
トリアジンナトリウム塩 8wt%水溶液 20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1wt% 水溶液 10ml
蒸留水 854ml
処方(3)(バック面側第2層用)
SnO2/SbO (9/1重量比、平均粒径0.038μm、17wt%分散物) 84g
ゼラチン(10%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製 メトローズTC-5(2%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子) 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1wt% 水溶液 10ml
NaOH(1%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
【0173】
(下塗り支持体の作成)
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に下塗り塗布液処方(1)をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180 ℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に下塗り塗布液処方(2)をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に下塗り塗布液処方(3)をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作成した。
【0174】
(バック面塗布液の調製)
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物Iを64g、ジフェニルスルフォンを28gおよび花王(株)製界面活性剤デモールN 10g を蒸留水220mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの、塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分散液(a)を得た。
【0175】
(染料固体微粒子分散液の調製)
シアニン染料化合物Jを9.6gおよびP-ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0176】
(ハレーション防止層塗布液の調製)
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記染料固体微粒子分散液56g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ6.5μm)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03g、ポリエチレンスルフォン酸ナトリウム2.2g、青色染料化合物 Kを0.2g、水を844ml混合し、ハレーション防止層塗布液を調製した。
【0177】
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム0.2g、N,N-エチレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド) 2.4g、t-オクチルフェノキシエトキシエタンスルフォン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N-プロピルアラニンカリウム塩37mg、ポリエチレングリコールモノ(N-パーフルオロオクチルスルホニル-N-プロピル-2-アミノエチル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度15]0.15g、C8F17SO3K 32mg、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4-SO3Na 64mg、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5/95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml混合してバック面保護層塗布液とした。
【0178】
《ハロゲン化銀乳剤1の調製》
蒸留水1421ccに1wt%臭化カリウム溶液8.0ccを加え、さらに1N硝酸を8.2cc、フタル化ゼラチン20gを添加した液をチタンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、37℃に液温を保ち、硝酸銀37.04gに蒸留水を加え159ccに希釈した溶液Aと臭化カリウム32.6gを蒸留水にて容量200ccに希釈した溶液Bを準備し、コントロールダブルジェット法でpAgを8.1に維持しながら、溶液Aの全量を一定流量で1分間かけて添加した。溶液Bは、コントロールドダブルジェット法にて添加した。その後3.5wt%の過酸化水素水溶液を30cc添加し、さらにベンツイミダゾールの3wt%水溶液を36cc添加した。その後、再び溶液Aを蒸留水で希釈して317.5ccにした溶液A2と、溶液Bに対して最終的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう6塩化イリジウム酸3カリウム塩を溶解し、液量を溶液Bの2倍の400ccまで蒸留水で希釈した溶液B2を用いて、やはりコントロールドダブルジェット法にて、pAg を8.1に維持しながら、一定流量で溶液A2を10分間かけて全量添加した。溶液B2は、コントロールドダブルジェット法で添加した。その後、5-メチル-2-メルカプトベンズイミダゾールの0.5wt%メタノール溶液を50cc添加し、さらに硝酸銀でpAgを7.5に上げてから1N硫酸を用いてpHを3.8に調製し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程を行い、脱イオンゼラチン3.5gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加して、pH6.0、pAg8.2に調製してハロゲン化銀分散物を作成した。
できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.053μm、球相当径の変動係数18%の純臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて85%と求められた。
【0179】
上記乳剤を38℃に攪拌しながら維持して、ベンゾイソチアゾリノンを0.035g(3.5wt%メタノール溶液で添加)加え、40分後に分光増感色素Bの固体分散物(ゼラチン水溶液)を銀1モル当たり5×10-3モル加え、1分後に47℃に昇温し、20分後にベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムを銀1モルに対して3×10-5モル加え、さらに2分後にテルル増感剤Aを銀1モル当たり5×10-5モル加えて90分間熟成した。熟成終了間際に、N,N'-ジヒドロキシ-N"-ジエチルメラミンの0.5wt%メタノール溶液を5ccを加え、温度を31℃に下げ、フェノキシエタノールの3.5wt%メタノール溶液5cc、5-メチル-2-メルカプトベンヅイミダゾールを銀1モル当たり7×10-3モル及び1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリアゾールを銀1モルに対して6.4×10-3モルを添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作成した。
【0180】
《ハロゲン化銀乳剤2の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温37℃を50℃に変更する以外は同様にして平均球相当径0.08μm、球相当径の変動係数15%の純臭化銀立方体粒子乳剤の調製した。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に分光増感色素Bの添加量を銀1モル当たり4.5×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感色素、化学増感剤及び5-メチル-2-メルカプトベンヅイミダゾール、1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤2を得た。
【0181】
《ハロゲン化銀乳剤3の調製》
ハロゲン化銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温37℃を27℃に変更する以外は同様にして平均球相当径0.038μm、球相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子乳剤の調製した。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/分散を行った。更に分光増感色素Bの添加量を銀1モル当たり6×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様にして分光増感色素、化学増感剤及び5-メチル-2-メルカプトベンヅイミダゾール、1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤3を得た。
【0182】
《塗布液用混合乳剤Bの調製》
ハロゲン化銀乳剤1を70重量%、ハロゲン化銀乳剤2を15重量%、ハロゲン化銀乳剤3を15重量%溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1wt%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。
【0183】
《還元剤の25wt%分散物の調製》
1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20wt%水溶液10kgに、水16kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25wt%になるように調製し、還元剤分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.42μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0184】
《メルカプト化合物の10wt%分散物の調製》
1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリアゾールを5kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20wt%水溶液5kgに、水8.3kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて6時間分散したのち、水を加えてメルカプト化合物の濃度が10wt%になるように調整し、メルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト化合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られたメルカプト化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。また、使用直前に再度孔径10μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過した。
【0185】
《有機ポリハロゲン化合物の20wt%分散物−1の調製》
トリブロモメチルナフチルスルホン5kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20wt%水溶液2.5kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20wt%水溶液213gと、水10kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が20wt%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0186】
《有機ポリハロゲン化合物の25wt%分散物−2の調製》
有機ポリハロゲン化合物の20wt%分散物−1と同様に、但し、トリブロモメチルナフチルスルホン5kgの代わりにトリブロモメチル(4−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニル)スルホン5kgを用い、分散し、この有機ポリハロゲン化合物が25wt%となるように希釈し、ろ過を行った。こうして得た有機ポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.38μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0187】
《有機ポリハロゲン化合物の30wt%分散物−3の調製》
有機ポリハロゲン化合物の20wt%分散物−1と同様に、但し、トリブロモメチルナフチルスルホン5kgの代わりにトリブロモメチルフェニルスルホン5kgを用い、20wt%MP203水溶液を5kgとし、分散し、この有機ポリハロゲン化合物が30wt%となるように希釈し、ろ過を行った。こうして得た有機ポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。また、収納後、使用までは10℃以下で保管した。
【0188】
《フタラジン化合物の10wt%メタノール溶液の調製》
6-イソプロピルフタラジン10gをメタノール90gに溶解して使用した。
【0189】
《顔料の20wt%分散物の調製》
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加しよく混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し顔料分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0190】
《SBRラテックス40wt%の調製》
限外濾過(UF)精製したSBRラテックスは以下のように得た。
下記のSBRラテックスを蒸留水で10倍に希釈したものをUF-精製用モジュールFS03-FC-FUY03A1(ダイセン・メンブレン・システム(株))を用いてイオン伝導度が1.5mS/cmになるまで希釈精製し、三洋化成(株)製サンデット-BLを0.22wt%になるよう添加した。更にNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:2.3(モル比)になるように添加し、pH8.4に調整した。この時のラテックス濃度は40wt%であった。
(SBRラテックス:-St(68)-Bu(29)-AA(3)-のラテックス)
(St:スチレン、Bu:ブタジエン、AA:アクリル酸)
平均粒径0.1μm、濃度45%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6wt%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM-30S使用しラテックス原液(40%)を25℃にて測定)、pH8.2
【0191】
《乳剤層(感光性層)塗布液の調製》
上記で得た顔料の20wt%水分散物を1.1g、実施例1と同様の有機酸銀分散物A〜Gを103g(使用した種類は表3に示す)、ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)の20wt%水溶液5g、上記25wt%還元剤分散物25g、有機ポリハロゲン化合物分散物-1,-2,-3を5:1:3(重量比)で総量16.3g、メルカプト化合物10%分散物6.2g、限外濾過(UF)精製しpH調整したSBRラテックス40wt%を106g、フタラジン化合物の10wt%メタノール溶液を16mlを添加し、ハロゲン化銀混合乳剤Bを10gをよく混合し、乳剤層塗布液を調製し、そのままコーティング台へ70ml/m2となるように送液し、塗布した。
上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で85[mPa・s]であった。
レオメトリックスファーイースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使用した25℃での塗布液の粘度は剪断速度が0.1、1、10、100、1000[1/秒] においてそれぞれ1500、220、70、40、20[mPa・s]であった。
【0192】
《乳剤面中間層塗布液の調製》
ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)の10wt%水溶液772g、顔料の20wt%分散物5.3g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5wt%液226gにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%水溶液を2ml、フタル酸二アンモニウム塩の20wt%水溶液を10.5ml、総量880gになるように水を加えて中間層塗布液とし、10ml/m2になるようにコーティング台へ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で21[mPa・s]であった。
【0193】
《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5wt%液80g、フタル酸の10wt%メタノール溶液を64ml、4-メチルフタル酸の10wt%水溶液74ml、1Nの硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%水溶液を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4wt%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6ml/m2になるようにコーティング台へ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で17[mPa・s]であった。
【0194】
《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5wt%液102g、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N-プロピルアラニンカリウム塩の5wt%溶液を3.2ml、ポリエチレングリコールモノ(N-パーフルオロオクチルスルホニル-N-プロピル-2-アミノエチル)エーテル[エチレンオキシド平均重合度=15]の2wt%水溶液を32ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5wt%溶液を23ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.4μm)21g、4-メチルフタル酸1.6g、フタル酸8.1g、1Nの硫酸を44ml、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4wt%のクロムみょうばんと0.67wt%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティング台へ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で9[mPa・s]であった。
【0195】
《熱現像画像記録材料の作成》
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、ハレーション防止バック層を作成した。
バック面と反対の面に下塗り面から乳剤層(ハロゲン化銀の塗布銀量0.14g/m2)、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作成した。
なお、今回評価(写真性能、面状とも)に使用したサンプルは強制条件として乳剤層塗布液を25℃で6時間経過した後に塗布したものを使用した。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティング台先端と支持体との間隔を0.14〜0.28mmに、また、塗布液の吐出スリット幅に対して塗布幅が左右ともに各0.5mm広がるように調節し、減圧室の圧力を大気圧に対して392Pa低く設定した。その際、支持体は帯電しないようにハンドリング及び温湿度を制御し、更に塗布直前にイオン風で除電した。引き続くチリングゾーンでは、乾球温度が18℃、湿球温度が12℃の風を30秒間吹き当てて、塗布液を冷却した後、つるまき式の浮上方式の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、湿球温度が18℃の乾燥風を200 秒間吹き当てた後70℃の乾燥ゾーンを20秒間通した後、90℃の乾燥ゾーンを10秒間通し、その後25℃に冷却して、塗布液中の溶剤の揮発を行った。チリングゾーンおよび乾燥ゾーンでの塗布液膜面に吹き当たる風の平均風速は7m/secであった。
【0196】
【化12】
Figure 0004060011
【0197】
《写真性能の評価》
レーザー感光計(詳細は下記)で熱現像画像記録材料を露光した後、画像記録材料を118℃で5秒、続いて122℃で16秒間処理(熱現像)し、得られた画像の評価をマクベスTD904濃度計(可視濃度)により行った。測定の結果は、Dmin、Dmaxで評価した。
Figure 0004060011
【0198】
《塗布面状の評価》
実施例1と同様にサンプルの表面を目視観察して、ランクに分類した。
各熱現像画像記録材料について上記評価を実施した結果を表3に示す。
【0199】
【表3】
Figure 0004060011
【0200】
実施例1と同様、本発明の熱現像画像記録材料は、Dminが低く、かつ面状も良好であることが確認できた。
【0201】
【発明の効果】
本発明により、環境面・コスト面で有利な水系塗布可能であり、かつ塗布面質が良好であり、カブリが低く、高い黒化濃度の得られる熱現像画像記録材料を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる非感光性有機銀塩の調製方法を示す模式図である。
【図2】 本発明で用いる非感光性有機銀塩を調製するために用いられる装置の一構成例を示す模式図である。
【図3】 本発明で用いる非感光性有機銀塩を調製するために用いられる装置の一構成例を示す模式図である。
【図4】 実施例で用いた熱現像機の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 密閉型混合機
2 熱交換器
A 添加成分1
B 添加成分2
C 添加成分3
D 生成液(熱交換前)
E 生成液(熱交換後)
11 添加成分1用タンク
12 添加成分2用タンク
13 添加成分1用流量計
14 添加成分2用流量計
15 添加成分1用ポンプ
16 添加成分2用ポンプ
17 生成液循環用ポンプ
18 密閉型混合機
19 熱交換器
20 生成液用タンク
31 添加成分1用タンク
32 添加成分2用タンク
33 添加成分1用流量計
34 添加成分2用流量計
35 添加成分1用ポンプ
36 添加成分2用ポンプ
37 添加成分3用ポンプ
38 密閉型混合機
39 熱交換器
40 生成液用タンク
41 添加成分3用タンク
42 添加成分2用流量計
50 熱現像画像記録材料
51 搬入ローラー対
52 搬出ローラー対
53 ローラー
54 平滑面
55 加熱ヒーター
56 ガイド板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a heat-developable image recording material, and particularly relates to a scanner suitable for photoengraving, a heat-developable image recording material for an image setter, and a medical heat-developable image recording material. Further, the present invention relates to a heat-developable image recording material for photoengraving and medical use capable of obtaining an image having a low fog and a high Dmax (maximum density).
[0002]
[Prior art]
Many photosensitive materials that have a photosensitive layer on a support and perform image formation by image exposure are known. Among them, as a system that can simplify environmental preservation and image forming means, there is a technique for forming an image by heat development.
In recent years, reduction of waste processing liquid has been strongly desired from the viewpoints of environmental protection and space saving in the photolithography and medical fields. Therefore, there is a need for a technique relating to photoengraving and a photothermographic material for medical use that can be efficiently exposed by laser light and can form a clear black image having high resolution and sharpness. These photothermographic materials can eliminate the use of solution processing chemicals and supply customers with a simpler heat development processing system that does not damage the environment.
[0003]
For example, US Pat. Nos. 3,152,904, 3,457,075, and D.W. Morgan and B.M. "Thermally Processed Silver Systems A" by Shely (Imaging Processes and Materials Neblette 8th Edition, Sturge, V. Wall (Walworth, A. Shepp, 2nd page, 1969). Such a light-sensitive material has a reducible non-photosensitive silver source (for example, an organic silver salt), a catalytically active amount of a photocatalyst (for example, silver halide), and a silver reducing agent dispersed in an organic binder matrix. Contains. The photosensitive material is stable at normal temperature, but when exposed to a high temperature (for example, 80 ° C. or higher) after exposure, silver is oxidized through a redox reaction between a reducible silver source (which functions as an oxidizing agent) and the reducing agent. Is generated. This redox reaction is promoted by the catalytic action of the latent image generated by exposure. The silver produced by the reaction of the reducible silver salt in the exposed areas provides a black image that contrasts with the unexposed areas and forms an image.
[0004]
The silver source used in such a system is generally a silver salt of a fatty acid, and various production methods are known. For example, an organic silver salt is used in a coexisting solution of water and a poorly water-soluble solvent as described in JP-A-49-93310, JP-A-49-94619, and JP-A-53-68702. A method for preparing, a method for preparing an organic silver salt in an aqueous solution as described in JP-A No. 53-31611, JP-A No. 54-4117 and JP-A No. 54-46709, There are methods for preparing an organic silver salt in an organic solvent as described in JP-A-57-186745, JP-A-47-9432 and US Pat. No. 3,700,458. Basically, the fatty acid is heated and melted above its melting point in water, added with sodium hydroxide or alkali metal salt with vigorous stirring, and then prepared by adding silver nitrate to convert the alkali soap to silver soap To do.
Such an alkaline soap forms micelles in an aqueous solution, and is apparently a cloudy liquid. Reaction from such micelle state to silver soap often causes manufacturing stability problems. For this reason, JP-A-55-40607 discloses that a solvent is a mixed solution of water and alcohol as a method for making alkaline soap into a uniform solution.
[0005]
Alkali soap exhibits alkalinity. In this case, therefore, the silver soap is made under high pH. However, the addition of silver nitrate to an alkaline solution not only generates silver oxide as a by-product, but also has a high reducibility due to the high pH of reducing trace contaminants unavoidable in production. As a result, unintended silver nuclei are generated. Such a by-product is very disadvantageous in terms of the performance of such a heat-developable photographic material, particularly in terms of causing unwanted fogging and deterioration on the coated surface. From the above viewpoint, there is a method described in JP-A-55-40607 as a method for obtaining a uniform liquid in order to suppress the generation of by-products, but this method also solves the above problem. Not.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-127643 discloses a silver salt formation method by simultaneous metering addition of an alkali metal salt solution and a silver nitrate solution, and includes a mixed solution of sodium behenate water and isopropyl alcohol and a silver nitrate solution. There is a description of simultaneous addition. Although this method can reduce the reaction at least at a high pH to a neutral range and can reduce the amount of silver oxide formation, isopropyl alcohol has weak reducibility, and in this respect, fog is completely eliminated. It is not a means for solving the problem and does not lead to improvement on the coated surface.
[0006]
Thus, caution is required in the preparation of the organic silver salt, and it is necessary to eliminate reducing substances as much as possible during the formation of the fatty acid silver salt, control the particle size, and further control the particle shape. This is not the case with conventional methods.
By the way, many of these heat-developable materials using organic silver salts conventionally form a photosensitive layer by applying a coating solution using an organic solvent such as toluene, methyl ethyl ketone, or methanol as a solvent. The use of organic solvents as a solvent is not only very costly for the safety in the manufacturing process, adverse effects on the human body, and recovery of the solvent, but also for photothermographic materials aimed at protecting the environment. Is not an appropriate manufacturing method.
Therefore, a method of forming a photosensitive layer (hereinafter also referred to as “water-based photosensitive layer”) using a coating solution of an aqueous solvent without such a problem has been considered. For example, JP-A-49-52626 and JP-A-53-116144 describe examples using gelatin as a binder. Japanese Patent Laid-Open No. 50-151138 describes an example using polyvinyl alcohol as a binder.
[0007]
Further, JP-A-60-61747 describes an example in which gelatin and polyvinyl alcohol are used in combination. As another example, JP-A-58-28737 describes an example of a photosensitive layer using a water-soluble polyvinyl acetal as a binder.
When a water-soluble binder is used in this way, a photosensitive layer can be formed using a coating solution of an aqueous solvent, and there are great environmental and cost advantages. However, the binder of the above water-soluble polymer is not compatible with the organic silver salt, and the aqueous photosensitive layer coating solution is also mainly used in the aqueous solvent for other photographic additives of the organic silver salt. Unintended aggregation is likely to occur due to the interaction, and it is difficult to obtain a good surface shape.
In order to obtain a coating surface quality that can withstand practical use with an aqueous solvent coating solution containing a fatty acid silver salt, the fatty acid silver salt must be finely dispersed without aggregation in an aqueous solvent. For this reason, it is necessary to develop a method for dispersing fine particles of fatty acid silver salt. Usually described by, for example, D. Kloosterboer (Imaging Processes and Materials Neblette 8th edition, Sturge, V. Walworth, A. Shepp Edit, page 279, 1989), forming a hydrophobic fatty acid silver dispersion particle, separating it by filtration, taking it out as a solid, and then mixing and dispersing again with a dispersant. It is done.
[0008]
The method for finely dispersing the fatty acid silver salt is known in the presence of a dispersing aid, such as known finer means (eg, high-speed mixer, homogenizer, high-speed impact mill, Banbury mixer, homomixer, kneader, ball mill, vibrating ball mill, planetary ball mill). , Attritors, sand mills, bead mills, colloid mills, jet mills, roller mills, tron mills, high-speed stone mills) are known to be mechanically dispersed. As well as being able to obtain a coating solution with a poor coating surface quality, it is highly probable that the primary particles of fatty acid silver crystallized as a poorly water-soluble salt will be indiscriminately crushed. This may cause fogging.
In addition, Japanese Patent Publication No. 7-119953, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-137044, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-238848 disclose methods for finely dispersing a silver salt of fatty acid by pressure treatment. Is a dispersion having a character different from that of the above-mentioned problem.
[0009]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-127643 discloses a method of directly desalting a fatty acid silver dispersion obtained by simultaneous metering of an alkali metal salt solution and a silver nitrate solution using dialysis or ultrafiltration. This method is preferable in that at least primary particles obtained at the time of crystallization of the fatty acid silver salt are introduced as they are into the photosensitive layer without damaging them, but the aggregation of particles and the dispersion liquid are concentrated in a high salt concentration atmosphere. In this respect, the problem of increasing the viscosity has not been solved, and this point does not lead to a means for obtaining a practical coating solution. Further, in order to obtain fine particles and monodispersed fatty acid silver salt particles, it is necessary to vigorously mix while adding an alkali metal salt solution and a silver nitrate solution. In particular, an alkali metal salt solution of a fatty acid dissolved at a high temperature drops and precipitates at the moment of addition, and therefore grows into large coarse particles if the dilution rate or flow is slow. However, when added to a tank having a gas / liquid interface, air entrainment occurs when the stirring speed is increased. The fatty acid silver salt particles are extremely hydrophobic and adsorb on the surface of the entrained foam to stabilize the foam and prevent bubble breakage, and adjacent particles on the foam cause aggregation. In this way, the liquid in which the air is entrained becomes a whipped cream, and when desalting the by-product salt by ultrafiltration or the like, not only the handling property is remarkably deteriorated but also the aggregated particles cause clogging. .
[0010]
When the liquid temperature after the reaction between the silver ion solution and the alkali metal salt of the fatty acid is high, the particles grow by physical ripening, so that it is preferably maintained at about room temperature. On the other hand, in order to obtain a stable solution of a long-chain fatty acid alkali metal salt, it is necessary to raise the temperature to 50 ° C. or higher, and it is necessary to quickly perform heat exchange to offset the amount of heat brought in by the additive solution. In the method of attaching a jacket tank to a tank or the like, there is a problem in scale-up property because the amount of reaction solution increases and the surface area capable of heat exchange decreases.
As described above, a stable production method for liquefying a fatty acid silver salt with an aqueous solvent for supplying a heat-developable image recording material having good coated surface quality and excellent optical performance such as fog has not been found.
Therefore, a technique for providing a heat-developable image recording material that can provide good coated surface quality, has low fog, can obtain a high blackening density, and is advantageous in terms of environment and cost has been desired.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-described problems of the prior art. That is, the present invention provides a heat-developable image recording material that can be applied in an aqueous system advantageous in terms of environment and cost, has good coating surface quality, low fog, and a high blackening density. It was a problem to be solved.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
  As a result of diligent investigations to solve these problems, the present inventor made a reaction with a silver ion-containing solution and a fatty acid alkali metal salt solution to prepare fatty acid silver particles in a sealed liquid mixing means. By using non-photosensitive organic silver salt particles prepared by mixing and reacting a fatty acid alkali metal salt solution and a silver ion-containing solution, an excellent heat-developable image recording material having a desired effect is provided. As a result, they have come to provide the present invention.
That is, the present inventionA silver ion-containing solution containing water or a mixture of water and an organic solvent as a solvent and a fatty acid alkali metal salt solution containing water, an organic solvent, or a mixture of water and an organic solvent as a solvent are sealed and liquid. Non-photosensitive organic silver salt particles are prepared by mixing and reacting in a filled mixing device, and the resulting image-forming layer coating solution containing the non-photosensitive organic silver salt particles, the reducing agent, and the binder is supported. A method for producing a heat-developable image recording material, characterized by being coated onI will provide a.
[0013]
In a preferred embodiment of the present invention, the non-photosensitive organic silver salt particles are prepared by a method including cooling the reacted reaction mixture after performing the reaction in the liquid mixing means.
Preferably, the heat-developable image recording material of the present invention further contains a photosensitive silver halide.
Preferably, in the heat-developable image recording material of the present invention, a polymer latex having a glass transition temperature of −30 ° C. or more and 40 ° C. or less is used as 50% by weight or more of the binder of the image forming layer having non-photosensitive organic silver salt particles. .
Preferably, the heat-developable image recording material of the present invention contains at least one nucleating agent in at least one layer on the image forming layer side on the support.
Preferably, the nucleating agent is selected from a substituted alkene derivative represented by the following formula (1), a substituted isoxazole derivative represented by the following formula (2), or a specific acetal compound represented by the following formula (3). At least one compound.
[0014]
[Chemical formula 2]
Figure 0004060011
[0015]
[In Formula (1), R1, R2, RThreeEach independently represents a hydrogen atom or a substituent, and Z represents an electron-withdrawing group or a silyl group. R in the formula (1)1And Z, R2And RThree, R1And R2And RThreeAnd Z may be bonded to each other to form a cyclic structure.
R in formula (2)FourRepresents a substituent.
In the formula (3), X and Y each independently represent a hydrogen atom or a substituent, and A and B each independently represent an alkoxy group, an alkylthio group, an alkylamino group, an aryloxy group, an arylthio group, an anilino group, a heterocyclic ring An oxy group, a heterocyclic thio group or a heterocyclic amino group is represented. In the formula (3), X and Y, and A and B may be bonded to each other to form a cyclic structure. ]
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Below, the execution method and embodiment of the heat-developable image recording material of this invention are demonstrated in detail.
The heat-developable image recording material of the present invention comprises, as non-photosensitive organic silver salt particles, a silver ion-containing solution containing water or a mixture of water and an organic solvent, and water, an organic solvent, or water and an organic solvent. In a method of preparing fatty acid silver particles by reacting a solution of a fatty acid alkali metal salt using a mixture as a solvent, the silver ion-containing solution and the fatty acid alkali metal salt solution are mixed and reacted in a closed mixing means. It is characterized by using non-photosensitive organic silver salt particles prepared by the method characterized by the above.
FIG. 1 shows a schematic diagram of a method for preparing a non-photosensitive fatty acid silver salt used in the present invention. Reference numeral 1 denotes a mixing device which is sealed and filled with a liquid, and 2 is a heat exchanger. In the figure, A is a silver ion-containing solution, B is a fatty acid alkali metal salt solution, C is water, a mixed solution of water and an organic solvent, or a non-photosensitive fatty acid silver salt particle solution after reaction. These liquids merge in the mixing apparatus to prepare a fatty acid silver salt liquid D, which is then fed into the heat exchanger 2 and cooled.
[0017]
FIG. 2 shows an embodiment of a method for preparing a non-photosensitive fatty acid silver salt used in the present invention. In 11 to 12 in the figure, a silver ion-containing solution and a fatty acid alkali metal salt solution are respectively stored at a predetermined temperature. Reference numerals 13 and 14 are flow meters for measuring the flow rate when these solutions are added to the mixing device 18 which is sealed and filled with liquid via the pumps 15 and 16. In this embodiment, a pump 17 for supplying the prepared fatty acid silver salt dispersion again to the mixing device 18 is provided as the third component. The liquid that has finished the reaction in the mixing device 18 is introduced into the heat exchanger 19 and quickly cooled.
The pH of the silver ion-containing solution used in the present invention is preferably pH 1 or more and 6 or less, more preferably pH 1.5 or more and 4 or less. Furthermore, acids and alkalis can be added for pH adjustment. The type of acid and alkali is not particularly limited.
[0018]
  Although the silver ion concentration of the silver ion-containing solution used in the present invention is arbitrarily determined, the molar concentration is preferably 0.03 mol / L or more and 6.5 mol / L or less, more preferably 0.1 mol / L or more. 5 mol / L or less.
  In the practice of the present invention, in order to form the fatty acid salt particles, at least one of a silver ion solution, a fatty acid alkali metal salt solution, and a solution prepared in advance in the reaction field is a string of fatty acid alkali metal salts. It must contain an amount of organic solvent that is not a coalescence or micelle and can be a substantially clear solution. The solution may be an organic solvent alone, but is preferably a mixed solution with water.
  The organic solvent used in the present invention is not particularly limited as long as it is water-soluble and has the above-mentioned properties. However, those that impede photographic performance are not preferred, preferably alcohol that can be mixed with water, acetone, Preferably, the third having 4 to 6 carbon atomsClassAlcohol is preferred. In addition, the fatty acid used is relatively stable to light when a silver salt is used, but it is 80 ° C. or higher in the presence of an exposed photocatalyst (such as a latent image of photosensitive silver halide) and a reducing agent. It is a silver salt that forms a silver image when heated above. Fatty acids are in particular long-chain fatty carboxylic acids having 10 to 30 carbon atoms, preferably 12 to 26 carbon atoms. Preferred examples of the aliphatic carboxylic acid include serotic acid, lignoceric acid, behenic acid, erucic acid, arachidic acid, stearic acid, oleic acid, lauric acid, caproic acid, myristic acid, palmitic acid, maleic acid, fumaric acid, tartaric acid. Linoleic acid, butyric acid and camphoric acid, and mixtures thereof.
[0019]
Specifically, the alkali metal of the alkali metal salt of the fatty acid used in the present invention is preferably Na or K. The alkali metal salt of a fatty acid is prepared by adding NaOH or KOH to the fatty acid. At this time, it is preferable that the amount of alkali is set to be equal to or less than that of fatty acid to leave unreacted fatty acid. In this case, the amount of residual fatty acid is 3 mol% or more and 50 mol% or less, preferably 3 mol% or more and 30 mol% or less with respect to all fatty acids. Moreover, after adding an alkali more than desired amount, you may prepare by adding acids, such as nitric acid and a sulfuric acid, and neutralizing an excess alkali content.
Furthermore, the silver ion-containing solution and fatty acid alkali metal salt solution used in the present invention, or the liquid in a closed mixing vessel to which both liquids are added, are represented by, for example, the general formula (1) of JP-A-62-65035. Such compounds, water-soluble group-containing N heterocyclic compounds as described in JP-A No. 62-150240, and inorganic peroxides as described in JP-A No. 50-101019. A sulfur compound as described in JP-A-51-78319, a disulfide compound as described in JP-A-57-643, hydrogen peroxide, and the like can be added.
[0020]
In the fatty acid alkali metal salt solution used in the present invention, the amount of the organic solvent is preferably 3% or more and 70% or less, more preferably 5% or more and 50% or less as the solvent volume with respect to the water volume. At this time, since the optimum solvent volume varies depending on the reaction temperature, the optimum amount can be determined by trial and error.
The concentration of the alkali metal salt of the fatty acid used in the present invention is 5 wt% or more and 50 wt% or less, preferably 7 wt% or more and 45 wt% or less, more preferably 10 wt% or more and 40 wt% or less.
[0021]
By simultaneously adding the silver ion-containing solution and the fatty acid alkali metal salt solution used in the present invention, a desired fatty acid silver salt can be prepared. In that case, it is preferable that 10% or more and 100% or less of the total amount of added silver is added simultaneously with the fatty acid alkali metal salt solution of substantially the same mole, and more preferably 30% or more and 100% or less are added simultaneously. It is particularly preferable that 50% or more and 100% or less are added simultaneously. When adding any of them preferentially, it is preferable to precede the silver ion-containing solution.
The silver ion-containing solution and fatty acid alkali metal salt solution used in the present invention can be adjusted to an appropriate temperature in order to obtain desired particles. The temperature of the silver ion-containing solution is preferably 5 ° C. or more and 60 ° C. or less, and more preferably 5 ° C. or more and 40 ° C. or less for the purpose of ensuring the stability of the solution. In order to keep the fatty acid alkali metal salt solution in a temperature range necessary to avoid the crystallization and solidification phenomenon of alkali soap, the temperature is preferably 50 ° C. or higher and 90 ° C. or lower, more preferably 60 ° C. or higher and 85 ° C. or lower. .
[0022]
The reaction solution temperature during silver salt formation may be any temperature, but is preferably 5 ° C or higher and 70 ° C or lower, more preferably 10 ° C or higher and 50 ° C or lower, and particularly preferably 20 ° C or higher and 45 ° C or lower. The performance as an image recording material can be further improved.
There are various approaches to forming fatty acid silver salt particles. In order to obtain the particles used in the present invention, it is preferable to reduce the solubility of the fatty acid salt in the reaction field. Further, according to the study of the present inventor, it has been clarified that the fatty acid silver salt particles tend to decrease in size as the reaction time becomes longer. In order to obtain the target particle size, it is necessary to determine the reaction time by trial and error.
There is no limitation on the apparatus for adding the reaction solution. In particular, all types of mixing devices are used, such as bulk stirrers such as anchor blades and paddle blades, emulsifiers and dispersers such as dissolvers and homogenizers, static mixers such as static mixers and throughzer mixers, or combinations thereof. it can.
[0023]
The order of addition of the silver ion solution and the alkali metal salt solution of fatty acid is, for example, a method of adding two solutions to the same mixing device, a method of adding either one upstream of the mixing device and adding only one solution to the mixing device A method of adding three liquids including a mixed liquid of water or a silver ion liquid and an organic solvent used in an alkali metal salt of a fatty acid and a non-photosensitive fatty acid silver salt particle liquid after reaction to the same mixing apparatus, A method of adding liquids in an arbitrary order upstream of the mixing device and adding only one liquid to the mixing device, a method of arranging a plurality of mixing devices in series and adding one or two liquids to each, etc. Method can be used.
Moreover, the addition time of the silver ion solution and the fatty acid alkali metal salt solution can also be arbitrarily selected. For example, it can be added in a method of adding at a constant addition rate or in an acceleration or deceleration mode by an arbitrary time function.
[0024]
In order to quickly lower the liquid temperature after the reaction between the silver ion solution and the alkali metal salt solution of the fatty acid, the silver ion solution supplied to the mixing device, water or a mixture of water and an organic solvent, or the fatty acid after the reaction In addition to the method of cooling the silver salt particle liquid in advance, a method of cooling the mixing device itself or a method of attaching a heat exchanger between the mixing device and the tank can be employed. The liquid temperature after the reaction between the silver ion solution and the fatty acid alkali metal salt solution is preferably 5 ° C. or higher and 70 ° C. or lower, more preferably 10 ° C. or higher and 50 ° C. or lower, and particularly preferably 20 ° C. or higher and 45 ° C. or lower. The cooling rate should reach the target temperature within 0.05 seconds to 10 seconds, preferably 0.05 seconds to 5 seconds, more preferably 0.05 seconds to 1 second after the reaction solution meets. Thus, the performance of the image recording material can be further improved.
The shape of the fatty acid silver salt that can be used in the present invention is not particularly limited, but scaly particles or needle crystals are preferred. The equivalent spherical diameter of the fatty acid silver salt particles prepared by the above-described method is preferably 0.1 μm or more and 0.8 μm or less, and more preferably 0.1 μm or more and 0.6 μm or less. The long side / short side of the particles is preferably 1 or more and 4 or less, more preferably 1 or more and 3 or less, and particularly preferably 1 or more and 2 or less. The aspect ratio of the particles (particle size of main plane (equivalent circle diameter) / particle thickness) is preferably 2 or more and 30 or less, and more preferably 2 or more and 15 or less. The thickness of the particles is preferably 0.01 μm or more and 0.20 μm or less, and more preferably 0.01 μm or more and 0.15 μm or less. The particles satisfying the above requirements are preferably included in an amount of 30% to 100%, more preferably 50% to 100%, and particularly preferably 70% to 100% of the projected area of all particles.
[0025]
The particle size distribution of the fatty acid silver salt is preferably as monodisperse as possible. When the coefficient of variation is 100 times the value obtained by dividing the standard deviation of the particle diameter by the particle diameter, the coefficient of variation of the particle size of the fatty acid silver salt particles is preferably 20% or less, more preferably 18% or less, and still more preferably 15%. It is as follows. As a measuring method, for example, the particle size (volume load average diameter) obtained by irradiating a fatty acid silver salt dispersed in a liquid with a laser beam and obtaining an autocorrelation function with respect to the temporal change of the fluctuation of the scattered light is obtained. (So-called dynamic light scattering method).
The fatty acid silver salt that can be used in the present invention can be preferably desalted. There is no particular limitation on the method for performing the desalting, and a known method can be used, but a known filtration method such as centrifugal filtration, suction filtration, ultrafiltration, and flock-forming water washing by agglomeration method can be preferably used. . In particular, ultrafiltration is preferable. For ultrafiltration, for example, a method used for desalting / concentration of a silver halide emulsion can be applied. Research Disclosure No. 10 208 (1972), No. 13 122 (1975) and No. 16 351 (1977) are known. The pressure difference and flow rate that are important as operating conditions can be selected with reference to the characteristic curve described in Haruhiko Oya's “Membrane Utilization Technology Handbook” Koshobo Publishing (1978), p275. In processing, it is necessary to find an optimum condition in order to suppress aggregation and fogging of particles. There are two methods for replenishing the solvent that is lost due to membrane permeation: a constant volume method in which the solvent is continuously added and a batch method in which the solvent is intermittently added, but the desalting time is relatively short. The formula is preferred. As the solvent to be replenished, pure water obtained by ion exchange or distillation is used. In order to maintain the pH, the concentration of the dispersant and the concentration of the poor solvent with respect to the dispersant, the pure water is used. The pH adjusting agent, the dispersing agent, the poor solvent of the dispersing agent may be mixed therein, or may be added directly to the fatty acid silver dispersion.
[0026]
As for ultrafiltration membranes, flat plate type, spiral type, cylindrical type, hollow fiber type, hollow fiber type, etc., already incorporated as modules, include Asahi Kasei Co., Ltd., Daicel Chemical Co., Ltd., Toray Co., Ltd., and Nitto Co., Ltd. Although it is commercially available from Denko etc., a spiral type or a hollow fiber type is preferred from the viewpoint of the total membrane area and detergency. Further, the molecular weight cut-off serving as an index of the threshold value of the component that can permeate the membrane needs to be determined from the molecular weight of the dispersant used. In the present invention, those of 5,000 to 50,000, preferably 5,000 to 15,000 are used.
A water-soluble dispersant can be added to the silver ion-containing solution and fatty acid alkali metal salt solution or reaction solution used in the present invention. Therefore, it can be added to the reaction solution at the time of forming the fatty acid silver salt, the separately prepared dispersant solution, and the solution after forming the fatty acid silver salt. The type of the dispersant is not particularly limited as long as it can disperse the formed fatty acid silver salt. Specific examples conform to the description of the dispersant for fatty acid silver salt described below.
[0027]
The fatty acid silver salt that can be used in the present invention can be a solid fine particle dispersion using a dispersant for the purpose of obtaining fine particles having a small particle size and no aggregation. When preparing this solid fine particle dispersion, it is preferable that the particles in which the particles are formed are not destroyed and only aggregation is eliminated. This state can be judged by comparing a TEM photograph of the particles before washing with a TEM photograph of the particles after dispersion. In the particles used in the present invention, the average particle size before washing and the average particle size after dispersion are compared, and the projected area is preferably not changed by 30% or more, and is not changed by 20% or more. Is more preferable, and it is particularly preferable that it is not changed by 10% or more. As the dispersion method, it is preferable to use a method in which an aqueous dispersion of a fatty acid silver salt is converted into a high-pressure, high-speed flow and then the pressure is lowered.
Further, when a photosensitive silver salt is allowed to coexist at the time of dispersion, the fog increases and the sensitivity is remarkably lowered. Therefore, it is more preferable that the photosensitive silver salt is not substantially contained at the time of dispersion. In the present invention, the amount of the photosensitive silver salt in the aqueous dispersion to be dispersed is 0.1 mol% or less with respect to 1 mol of the fatty acid silver salt in the liquid, and no positive addition of the photosensitive silver salt is performed. Is.
[0028]
In the present invention, for example, “dispersion system rheology and dispersion technology” (Toshio Kajiuchi, Hiroki Arai, 1991, Shinyama Publishing Co., Ltd.) Co., Ltd., p357-403), “Progress of Chemical Engineering Vol. 24” (Chemical Engineering Society, Tokai Branch, 1990, Tsuji Shoten, p184-185), etc., but the dispersion method in the present invention is The water dispersion containing at least fatty acid silver salt is pressurized with a high-pressure pump or the like and fed into the pipe, and then passed through a narrow slit provided in the pipe, after which a rapid pressure drop is caused in the dispersion. In this way, fine dispersion is performed.
For the high-pressure homogenizer to which the present invention relates, generally (a) “shearing force” generated when the dispersoid passes through a narrow gap at high pressure and high speed, and (b) the dispersoid is released from high pressure to normal pressure. It is considered that fine particles are dispersed by a dispersion force such as “cavitation force” generated in the process. In the past, this type of dispersing device includes a gorin homogenizer. In this device, the liquid to be dispersed sent at a high pressure is converted into a high-speed flow through a narrow gap on the cylindrical surface, and this force is applied to the surrounding wall surface. Colliding and emulsifying / dispersing by the impact force. The working pressure is generally 100 to 600 kg / cm2The flow velocity is in the range of several meters to 30 meters / second, and in order to increase the dispersion efficiency, a device that has been devised such as making the high-speed flow part into a saw blade shape and increasing the number of collisions has been devised. On the other hand, devices that can disperse at higher pressures have been developed in recent years. Typical examples are microfluidizers (Microfluidex International Corporation) and nanomizers (specialized machinery industry). Etc.
[0029]
The fatty acid silver salt used in the present invention can be dispersed in a desired particle size by adjusting the flow rate, the differential pressure at the time of pressure drop and the number of treatments. From the viewpoint of photographic characteristics and particle size, the flow rate is 200 m / Second to 600m / second, differential pressure at pressure drop is 900 to 3000kg / cm2The flow rate is preferably 300 m / sec to 600 m / sec, and the differential pressure during pressure drop is 1500 to 3000 kg / cm.2More preferably, it is the range. The number of times of dispersion treatment can be selected as necessary, and usually a range of 1 to 10 times is selected, but about 1 to 3 times is selected from the viewpoint of productivity. Increasing the temperature of such an aqueous dispersion under high pressure is not preferable from the viewpoint of dispersibility and photographic properties, and at high temperatures exceeding 90 ° C, the particle size tends to increase and fog tends to increase. is there. Accordingly, the present invention includes a cooling device in the process before the conversion to the high pressure and high speed flow, the process after the pressure drop, or both of these processes, and the temperature of such water dispersion is 5 by the cooling process. It is preferable that the temperature is maintained in the range of from 0C to 90C, more preferably in the range of from 5C to 80C, and particularly preferably in the range of from 5C to 65C. In particular, 1500 to 3000 kg / cm2It is effective to install the above cooling process at the time of high pressure dispersion in the above range. Depending on the required heat exchange amount, a cooling device using a static mixer in a double tube or triple tube, a multi-tube heat exchanger, a serpentine heat exchanger, or the like can be appropriately selected. In addition, in order to increase the efficiency of heat exchange, a suitable tube thickness, wall thickness, material, or the like may be selected in consideration of the operating pressure. The refrigerant used for the cooler is a heat exchanger such as 20 ° C. well water, 5-10 ° C. cold water treated with a refrigerator, or -30 ° C. ethylene glycol / water refrigerant, etc. can do.
[0030]
As the dispersant, for example, polyacrylic acid, acrylic acid copolymer, maleic acid copolymer, maleic acid monoester copolymer, synthetic anionic polymer such as acryloylmethylpropanesulfonic acid copolymer, carboxymethyl starch, Semi-synthetic anionic polymers such as carboxymethyl cellulose, anionic polymers such as alginic acid and pectinic acid, anionic surfactants described in JP-A-52-92716, International Publication No. WO88 / 04794, etc., JP-A-9- 179243, or known anionic, nonionic, cationic surfactants, other polyvinyl alcohol, polyvinylpyrrolidone, carboxymethylcellulose, hydroxypropylcellulose, hydroxypropylmethylcellulose, etc. A known polymer or a polymer compound existing in nature such as gelatin can be appropriately selected and used.
The concentration of the dispersant is preferably in the range of 1 to 30% by weight, particularly 3 to 20% by weight with respect to the fatty acid silver salt.
The prepared dispersion is stored with stirring for the purpose of suppressing sedimentation of fine particles during storage, or stored in a highly viscous state (for example, in a jelly state using gelatin) by a hydrophilic colloid. You can also In addition, a preservative can be added for the purpose of preventing the propagation of various bacteria during storage.
[0031]
The fatty acid silver salt dispersion used in the present invention comprises at least a fatty acid silver salt and water. The ratio of fatty acid silver salt to water is not particularly limited. However, considering the formation of an efficient coating film, the rheological properties for stable coating and the production speed determined by the dry water content It is necessary to decide. The ratio of the fatty acid silver salt to the whole is preferably 10 to 50% by weight, and particularly preferably 10 to 30% by weight. Further, the electric conductivity of this dispersion is preferably 500 μS / cm or less, more preferably 1 to 500 μS / cm.
In the preparation of the fatty acid silver salt used in the present invention, it is preferable to add a metal ion selected from Ca, Mg, Ce, Al, Zn, and Ba in the form of a water-soluble salt that is not a halide. Specifically, it is preferable to add in the form of nitrate or sulfate.
The addition time of the metal ion selected from Ca, Mg, Ce, Al, Zn, Ba is applied in the solution of the fatty acid silver salt preparation method or in advance in the reaction solution, during the formation of the fatty acid silver salt, immediately after the formation. Any time may be used as long as it is immediately before application, such as before and after liquid preparation. The amount added is 10 per 1 mol of fatty acid silver salt.-3-10-1mol is preferred, in particular 5 × 10-3~ 5x10-2mol is preferred.
[0032]
The apparatus for carrying out the method for preparing the fatty acid silver salt used in the present invention is not particularly limited, but as a preferred apparatus, a silver ion-containing solution containing water or a mixture of water and an organic solvent as a solvent is hermetically mixed. First supply means for supplying to the means; second supply means for supplying a solution of the fatty acid alkali metal salt containing water, an organic solvent, or a mixture of water and an organic solvent to the closed mixing means; water or water and organic A non-photosensitive fatty acid silver salt particle obtained by mixing a supply from the first supply means, the second supply means, and the third supply means; An apparatus for preparing non-photosensitive fatty acid silver salt particles, characterized by having a closed mixing means for discharging the contained liquid, can be exemplified. This apparatus preferably further has a cooling means for cooling the non-photosensitive fatty acid silver salt particle-containing liquid discharged from the hermetic mixing means (FIG. 3).
[0033]
Moreover, as another preferable apparatus for preparing the organic silver salt used in the present invention, a first supply means for supplying a silver ion-containing solution containing water or a mixture of water and an organic solvent to the hermetic mixing means; A second supply means for supplying a solution of the fatty acid alkali metal salt using water, an organic solvent, or a mixture of water and an organic solvent as a solvent to the closed mixing means; the first supply means; the second supply means; A closed mixing means for mixing the feed from the supply means and discharging the non-photosensitive fatty acid silver salt particle-containing liquid; and at least a part of the non-photosensitive fatty acid silver salt particle-containing liquid discharged from the closed mixing means There may also be mentioned a non-photosensitive fatty acid silver salt particle preparation apparatus characterized by having a third supply means for supplying to the closed mixing means. This apparatus preferably further has a cooling means for cooling the non-photosensitive fatty acid silver salt particle-containing liquid discharged from the hermetic mixing means (FIG. 2).
In the apparatus of FIG. 2, a dispersion of non-photosensitive fatty acid silver salt particles having a desired concentration by appropriately adjusting the amount of the non-photosensitive fatty acid silver salt particle-containing liquid supplied from the third supply means to the closed mixing means. Can be prepared in the tank 20. That is, the dispersion of the non-photosensitive fatty acid silver salt particles in the tank 20 has a higher concentration by repeating the circulation using the third supply means. Therefore, a dispersion having a desired concentration by appropriately selecting the circulation conditions. A liquid can be obtained. It is also possible to adjust the concentration by adjusting not only the circulation conditions but also the conditions for taking out the prepared dispersion. By appropriately selecting these conditions, a desired dispersion can be efficiently obtained while continuously operating.
[0034]
The heat-developable image recording material of the present invention preferably contains a nucleating agent in at least one layer on the image forming layer side in order to obtain photographic performance with high sensitivity, high contrast and high blackening density.
The type of the nucleating agent is not particularly limited, but in particular, the substituted alkene derivative represented by the formula (1), the substituted isoxazole derivative represented by the formula (2), and the specific represented by the formula (3) The acetal compound is preferred.
Hereinafter, the substituted alkene derivative represented by the formula (1), the substituted isoxazole derivative represented by the formula (2), and the specific acetal compound represented by the formula (3) used in the present invention will be described.
[0035]
[Chemical 3]
Figure 0004060011
[0036]
R in the formula (1)1, R2, RThreeEach independently represents a hydrogen atom or a substituent, and Z represents an electron-withdrawing group or a silyl group. R in the formula (1)1And Z, R2And RThree, R1And R2Or RThreeAnd Z may be bonded to each other to form a cyclic structure. R in formula (2)FourRepresents a substituent. In the formula (3), X and Y each independently represent a hydrogen atom or a substituent, and A and B each independently represent an alkoxy group, an alkylthio group, an alkylamino group, an aryloxy group, an arylthio group, an anilino group, a heterocyclic ring An oxy group, a heterocyclic thio group, or a heterocyclic amino group is represented. In the formula (3), X and Y or A and B may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0037]
The compound represented by formula (1) will be described in detail.
R in the formula (1)1, R2, RThreeEach independently represents a hydrogen atom or a substituent, and Z represents an electron-withdrawing group or a silyl group. R in the formula (1)1And Z, R2And RThree, R1And R2Or RThreeAnd Z may be bonded to each other to form a cyclic structure.
[0038]
R1, R2, RThreeWhen represents a substituent, examples of the substituent include a halogen atom (a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, or an iodine atom), an alkyl group (including a cycloalkyl group, an active methine group, etc.), an aralkyl group, Alkenyl group, alkynyl group, aryl group, heterocyclic group (including N-substituted nitrogen-containing heterocyclic group), quaternized heterocyclic group containing nitrogen atom (for example, pyridinio group), acyl group, alkoxycarbonyl group Aryloxycarbonyl group, carbamoyl group, carboxy group or salt thereof, imino group, imino group substituted with N atom, thiocarbonyl group, sulfonylcarbamoyl group, acylcarbamoyl group, sulfamoylcarbamoyl group, carbazoyl group, oxalyl group, Oxamoyl group, cyano group, thiocarbamoyl group, hydroxy group or a salt thereof, Coxy group (including groups containing ethyleneoxy group or propyleneoxy group unit repeatedly), aryloxy group, heterocyclic oxy group, acyloxy group, (alkoxy or aryloxy) carbonyloxy group, carbamoyloxy group, sulfonyloxy group, amino Group, (alkyl, aryl, or heterocyclic) amino group, acylamino group, sulfonamido group, ureido group, thioureido group, imide group, (alkoxy or aryloxy) carbonylamino group, sulfamoylamino group, semicarbazide group, thio Semicarbazide group, hydrazino group, quaternary ammonio group, oxamoylamino group, (alkyl or aryl) sulfonylureido group, acylureido group, acylsulfamoylamino group, nitro group, mercapto group, (a Kill, aryl, or heterocycle) thio group, acylthio group, (alkyl or aryl) sulfonyl group, (alkyl or aryl) sulfinyl group, sulfo group or a salt thereof, sulfamoyl group, acylsulfamoyl group, sulfonylsulfamoyl group Or a salt thereof, a phosphoryl group, a group containing a phosphate amide or phosphate ester structure, a silyl group, a stannyl group, and the like.
These substituents may be further substituted with these substituents.
[0039]
The electron withdrawing group represented by Z in the formula (1) is Hammett's substituent constant σ.pIs a substituent which can take a positive value, specifically, a cyano group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a carbamoyl group, an imino group, an imino group substituted with an N atom, a thiocarbonyl group, a sulfamoyl group Group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, nitro group, halogen atom, perfluoroalkyl group, perfluoroalkanamide group, sulfonamide group, acyl group, formyl group, phosphoryl group, carboxy group (or salt thereof), sulfo group (Or a salt thereof), a heterocyclic group, an alkenyl group, an alkynyl group, an acyloxy group, an acylthio group, a sulfonyloxy group, or an aryl group substituted with these electron-withdrawing groups. Here, the heterocyclic group is a saturated or unsaturated heterocyclic group, for example, pyridyl group, quinolyl group, pyrazinyl group, quinoxalinyl group, benzotriazolyl group, imidazolyl group, benzimidazolyl group, hydantoin-1-yl group. Examples thereof include succinimide group and phthalimide group.
[0040]
The electron-withdrawing group represented by Z in formula (1) may further have a substituent, and examples of the substituent include R in formula (1).1, R2, RThreeThe same thing as the substituent which you may have when this represents a substituent is mentioned.
R in the formula (1)1And Z, R2And RThree, R1And R2Or RThreeAnd Z may be bonded to each other to form a cyclic structure, and the cyclic structure formed at this time is a non-aromatic carbocycle or non-aromatic heterocycle.
Next, a preferred range of the compound represented by the formula (1) will be described.
The silyl group represented by Z in the formula (1) is preferably a trimethylsilyl group, a t-butyldimethylsilyl group, a phenyldimethylsilyl group, a triethylsilyl group, a triisopropylsilyl group, a trimethylsilyldimethylsilyl group or the like. .
[0041]
The electron withdrawing group represented by Z in formula (1) is preferably the following group having 0 to 30 carbon atoms in total, that is, a cyano group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a carbamoyl group, a thiocarbonyl group, Imino group, imino group substituted with N atom, sulfamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, nitro group, perfluoroalkyl group, acyl group, formyl group, phosphoryl group, acyloxy group, acylthio group, or any electron withdrawing A phenyl group substituted with a functional group, and more preferably a cyano group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, an imino group, a sulfamoyl group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, an acyl group, a formyl group, a phosphoryl group, Place with fluoromethyl group or any electron withdrawing group It has been a phenyl group, particularly preferably a cyano group, a formyl group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an imino group or a carbamoyl group.
The group represented by Z in formula (1) is more preferably an electron-withdrawing group.
[0042]
R in the formula (1)1, R2And RThreeAre preferably groups having 0 to 30 carbon atoms in total, specifically, a group having the same meaning as the electron-withdrawing group represented by Z in the above formula (1), an alkyl group, and a hydroxy group Group (or salt thereof), mercapto group (or salt thereof), alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic thio group, amino group, alkylamino group, arylamino group, hetero Examples thereof include a ring amino group, a ureido group, an acylamino group, a sulfonamide group, and a substituted or unsubstituted aryl group.
Furthermore, in formula (1), R1Is preferably an electron-withdrawing group, an aryl group, an alkylthio group, an alkoxy group, or an acylamino group, a hydrogen atom, or a silyl group.
R1Is a group having 0 to 30 carbon atoms in total, that is, a cyano group, a nitro group, an acyl group, a formyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, a thiocarbonyl group, an imino group. A group, an imino group substituted with an N atom, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, a trifluoromethyl group, a phosphoryl group, a carboxy group (or a salt thereof), or a saturated or unsaturated heterocyclic group In addition, a cyano group, an acyl group, a formyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, an imino group, an imino group substituted with an N atom, a sulfamoyl group, a carboxy group (or a salt thereof), or a saturated or unsaturated heterocyclic group Is preferred. Particularly preferred are a cyano group, a formyl group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, or a saturated or unsaturated heterocyclic group.
[0043]
R1Is an aryl group, it is preferably a substituted or unsubstituted phenyl group having 6 to 30 carbon atoms, and examples of the substituent include any substituent, among which an electron-withdrawing substituent is preferable. .
R in the formula (1)1Is more preferably when it represents an electron withdrawing group or an aryl group.
R in the formula (1)2And RThreeAs the substituent represented by the formula (1), specifically, a group having the same meaning as the electron-withdrawing group represented by Z in the above formula (1), an alkyl group, a hydroxy group (or a salt thereof), a mercapto group (or Salt thereof), alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, alkylthio group, arylthio group, heterocyclic thio group, amino group, alkylamino group, anilino group, heterocyclic amino group, acylamino group, substituted or unsubstituted A phenyl group and the like;
R in the formula (1)2And RThreeIs more preferably when one of them represents a hydrogen atom and the other represents a substituent. The substituent is preferably an alkyl group, a hydroxy group (or salt thereof), a mercapto group (or salt thereof), an alkoxy group, an aryloxy group, a heterocyclic oxy group, an alkylthio group, an arylthio group, a heterocyclic thio group, amino Group, alkylamino group, anilino group, heterocyclic amino group, acylamino group (especially perfluoroalkanamide group), sulfonamido group, substituted or unsubstituted phenyl group, or heterocyclic group, more preferably hydroxy group (Or a salt thereof), a mercapto group (or a salt thereof), an alkoxy group, an aryloxy group, a heterocyclic oxy group, an alkylthio group, an arylthio group, a heterocyclic thio group, or a heterocyclic group, particularly preferably a hydroxy group ( Or a salt thereof), an alkoxy group, or a heterocyclic group.
[0044]
In formula (1), Z and R1Or R2And RThreeIt is also preferred if and form a cyclic structure. The cyclic structure formed in this case is a non-aromatic carbocyclic ring or a non-aromatic heterocyclic ring, preferably a 5- to 7-membered cyclic structure, and the total number of carbon atoms including substituents is 1 to 1. 40 and more preferably 3-30.
Among the compounds represented by the formula (1), one of the more preferable ones is that Z represents a cyano group, a formyl group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, an imino group, or a carbamoyl group, and R1Represents an electron-withdrawing group or an aryl group, and R2Or RThreeAny one of which is a hydrogen atom and the other is a hydroxy group (or a salt thereof), a mercapto group (or a salt thereof), an alkoxy group, an aryloxy group, a heterocyclic oxy group, an alkylthio group, an arylthio group, a heterocyclic thio group, Or it is a compound showing a heterocyclic group. Furthermore, among the compounds represented by the general formula (1), particularly preferred ones are Z and R1Form a non-aromatic 5- to 7-membered cyclic structure, and R2Or RThreeAny one of which is a hydrogen atom and the other is a hydroxy group (or a salt thereof), a mercapto group (or a salt thereof), an alkoxy group, an aryloxy group, a heterocyclic oxy group, an alkylthio group, an arylthio group, a heterocyclic thio group, Or it is a compound showing a heterocyclic group. At this time, R1As Z that forms a non-aromatic cyclic structure together, an acyl group, a carbamoyl group, an oxycarbonyl group, a thiocarbonyl group, a sulfonyl group, and the like are preferable.1Preferred examples include an acyl group, a carbamoyl group, an oxycarbonyl group, a thiocarbonyl group, a sulfonyl group, an imino group, an imino group substituted with an N atom, an acylamino group, and a carbonylthio group.
[0045]
Next, the compound represented by formula (2) will be described.
R in formula (2)FourRepresents a substituent. RFourAs the substituent represented by the formula (1), R1~ RThreeThe same thing as what was demonstrated about the substituent of this is mentioned.
RFourThe substituent represented by is preferably an electron-withdrawing group or an aryl group. RFourPreferably represents an electron-withdrawing group, preferably the following group having 0 to 30 carbon atoms in total, that is, a cyano group, a nitro group, an acyl group, a formyl group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group, an alkylsulfonyl group, An arylsulfonyl group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group, a trifluoromethyl group, a phosphoryl group, an imino group, or a saturated or unsaturated heterocyclic group, and further a cyano group, an acyl group, a formyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, A sulfamoyl group, an alkylsulfonyl group, an arylsulfonyl group, and a heterocyclic group are preferred. Particularly preferred are a cyano group, a formyl group, an acyl group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, or a heterocyclic group.
[0046]
RFourWhen represents an aryl group, it is preferably a substituted or unsubstituted phenyl group having 0 to 30 carbon atoms in total, and examples of the substituent include R in the formula (1)1, R2, RThreeThe same thing as what was demonstrated as the substituent is mentioned when represents a substituent.
RFourIs particularly preferably a cyano group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, a heterocyclic group, or a substituted or unsubstituted phenyl group, and most preferably a cyano group, a heterocyclic group, or an alkoxycarbonyl group.
[0047]
Next, the compound represented by formula (3) will be described in detail.
In the formula (3), X and Y each independently represent a hydrogen atom or a substituent, and A and B each independently represent an alkoxy group, an alkylthio group, an alkylamino group, an aryloxy group, an arylthio group, an anilino group, a heterocyclic ring A thio group, a heterocyclic oxy group, or a heterocyclic amino group is represented. X and Y or A and B may be bonded to each other to form a cyclic structure.
In the formula (3), examples of the substituent represented by X and Y include R in the formula (1).1~ RThreeThe same thing as what was demonstrated about the substituent of this is mentioned. Specifically, alkyl groups (including perfluoroalkyl groups, trichloromethyl groups, etc.), aryl groups, heterocyclic groups, halogen atoms, cyano groups, nitro groups, alkenyl groups, alkynyl groups, acyl groups, formyl groups, alkoxy groups. Carbonyl group, aryloxycarbonyl group, imino group, imino group substituted with N atom, carbamoyl group, thiocarbonyl group, acyloxy group, acylthio group, acylamino group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, sulfamoyl group, phosphoryl group, carboxy Group (or salt thereof), sulfo group (or salt thereof), hydroxy group (or salt thereof), mercapto group (or salt thereof), alkoxy group, aryloxy group, heterocyclic oxy group, alkylthio group, arylthio group, hetero Ring thio group, amino group, alkylamido Group, anilino group, heterocyclic amino group, a silyl group, and the like.
[0048]
These groups may further have a substituent. X and Y may be bonded to each other to form a cyclic structure. In this case, the cyclic structure formed may be a non-aromatic carbocycle or a non-aromatic heterocycle. .
In the formula (3), the substituent represented by X or Y is preferably a group having 1 to 40 carbon atoms, more preferably a group having 1 to 30 carbon atoms, and is a cyano group, an alkoxycarbonyl group, an aryloxycarbonyl group. Group, carbamoyl group, imino group, imino group substituted with N atom, thiocarbonyl group, sulfamoyl group, alkylsulfonyl group, arylsulfonyl group, nitro group, perfluoroalkyl group, acyl group, formyl group, phosphoryl group, acylamino group An acyloxy group, an acylthio group, a heterocyclic group, an alkylthio group, an alkoxy group, or an aryl group.
[0049]
In formula (3), X and Y are more preferably cyano group, nitro group, alkoxycarbonyl group, carbamoyl group, acyl group, formyl group, acylthio group, acylamino group, thiocarbonyl group, sulfamoyl group, alkylsulfonyl group, aryl A sulfonyl group, an imino group, an imino group substituted with an N atom, a phosphoryl group, a trifluoromethyl group, a heterocyclic group, a substituted phenyl group, etc., particularly preferably a cyano group, an alkoxycarbonyl group, a carbamoyl group, an alkyl Sulfonyl group, arylsulfonyl group, acyl group, acylthio group, acylamino group, thiocarbonyl group, formyl group, imino group, imino group substituted with N atom, heterocyclic group, or phenyl substituted with any electron withdrawing group Group.
It is also preferred when X and Y are bonded to each other to form a non-aromatic carbocycle or a non-aromatic heterocycle. At this time, the formed cyclic structure is preferably a 5-membered to 7-membered ring, and the total carbon number is preferably 1-40, and more preferably 3-30. As X and Y forming the cyclic structure, an acyl group, a carbamoyl group, an oxycarbonyl group, a thiocarbonyl group, a sulfonyl group, an imino group, an imino group substituted with an N atom, an acylamino group, a carbonylthio group and the like are preferable.
[0050]
In formula (3), A and B each independently represent an alkoxy group, an alkylthio group, an alkylamino group, an aryloxy group, an arylthio group, an anilino group, a heterocyclic thio group, a heterocyclic oxy group, or a heterocyclic amino group. These may be bonded to each other to form a cyclic structure. In the formula (3), the groups represented by A and B are preferably groups having 1 to 40 carbon atoms, more preferably 1 to 30 carbon atoms, and may further have a substituent.
In the formula (3), A and B are more preferably bonded to each other to form a cyclic structure. The cyclic structure formed at this time is preferably a 5- to 7-membered non-aromatic heterocycle, and the total number of carbon atoms is preferably 1 to 40, more preferably 3 to 30. In this case, for example, when A and B are linked (-A-B-), for example, -O- (CH2)2-O-, -O- (CH2)Three-O-, -S- (CH2)2-S-, -S- (CH2)Three-S-, -S-ph-S-, -N (CHThree)-(CH2)2-O-, -N (CHThree)-(CH2)2-S-, -O- (CH2)2-S-, -O- (CH2)Three-S-, -N (CHThree) -ph-O-、-N (CHThree) -ph-S-, -N (ph)-(CH2)2-S-etc.
[0051]
The compounds represented by the formulas (1) to (3) that can be used in the present invention may incorporate an adsorptive group that adsorbs to silver halide. Examples of the adsorbing group include alkylthio group, arylthio group, thiourea group, thioamide group, mercapto heterocyclic group, triazole group, U.S. Pat. Nos. 4,385,108, 4,459,347, JP 59-195233, 59-200231, 59-201045, 59-201046, 59-201047, 59-201048, 59-201049 The groups described in JP-A Nos. 61-170733, 61-270744, 62-948, 63-234244, 63-234245, and 63-234246 are disclosed. can give. Further, these adsorbing groups to silver halide may be made into a precursor. Examples of such a precursor include groups described in JP-A-2-285344.
[0052]
The compounds represented by the formulas (1) to (3) that can be used in the present invention incorporate therein a ballast group or a polymer that is commonly used in an immobile photographic additive such as a coupler. But you can. In particular, one in which a ballast group is incorporated is one of the preferred examples of the present invention. The ballast group is a group that has a carbon number of 8 or more and is relatively inert to photographic properties, such as an alkyl group, an aralkyl group, an alkoxy group, a phenyl group, an alkylphenyl group, a phenoxy group, and an alkylphenoxy group. You can choose from the inside. Examples of the polymer include those described in JP-A-1-100530.
The compounds represented by the formulas (1) to (3) that can be used in the present invention include a cationic group (specifically, a group containing a quaternary ammonio group, or a quaternized group). A nitrogen-containing heterocyclic group containing a nitrogen atom), a group containing a repeating unit of an ethyleneoxy group or a propyleneoxy group, a (alkyl, aryl, or heterocyclic) thio group, or a dissociable group that can be dissociated by a base (carboxy group) , A sulfo group, an acylsulfamoyl group, a carbamoylsulfamoyl group, etc.). In particular, a group containing a repeating unit of an ethyleneoxy group or a propyleneoxy group or a (alkyl, aryl, or heterocyclic) thio group is one of preferred examples of the present invention. Specific examples of these groups include, for example, JP-A-7-234471, JP-A-5-333466, JP-A-6-19032, JP-A-6-19031, JP-A-5-45761, U.S. Pat. No. 4,994,365, U.S. Pat. No. 4,998,604, JP-A-3-259240, JP-A-7-5610, JP-A-7-244348, German Patent 4006032, etc. And the compounds described.
[0053]
Specific examples of the compounds represented by formula (1) to formula (3) are shown below. However, the compounds that can be used in the present invention are not limited to the following compounds.
[0054]
[Formula 4]
Figure 0004060011
[0055]
[Chemical formula 5]
Figure 0004060011
[0056]
[Chemical 6]
Figure 0004060011
[0057]
[Chemical 7]
Figure 0004060011
[0058]
The compound represented by the formula (1) to the formula (3) is water or a suitable organic solvent, for example, alcohols (for example, methanol, ethanol, propanol, fluorinated alcohol, etc.), ketones (for example, acetone, methyl ethyl ketone, etc.) ), Dimethylformamide, dimethyl sulfoxide, methyl cellosolve and the like.
In addition, using a well-known emulsification dispersion method, it is dissolved using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically emulsified and dispersed. An object can be made and used. Alternatively, the compound powder can be dispersed in a suitable solvent such as water by a ball mill, a colloid mill, or ultrasonic waves by a method known as a solid dispersion method.
[0059]
The compounds represented by the formulas (1) to (3) may be added to the image forming layer side with respect to the support, that is, the image forming layer or any other layer. It is preferable to add to the adjacent layer.
The amount of the compound represented by the formulas (1) to (3) is 1 × 10 with respect to 1 mol of silver.-6~ 1 mole is preferred, 1 × 10-Five~ 5x10-1Mole is more preferred, 2 × 10-Five~ 2x10-1Mole is most preferred.
The compounds represented by the formulas (1) to (3) can be easily synthesized by known methods. For example, US Pat. No. 5,545,515, US Pat. No. 5,635,339, US Pat. Can be synthesized with reference to the methods described in Japanese Patent Application No. WO97 / 34196, Japanese Patent Application No. 9-309813, and Japanese Patent Application No. 9-272002.
[0060]
The compounds represented by the formulas (1) to (3) may be used alone or in combination of two or more. In addition to those described above, the methods described in US Pat. No. 5,545,515, US Pat. No. 5,635,339, US Pat. No. 5,654,130, International Publication No. WO 97/34196, and US Pat. No. 5,686,228 Compound, or Japanese Patent Application No. 9-228881, Japanese Patent Application No. 9-273935, Japanese Patent Application No. 9-309913, Japanese Patent Application No. 9-296174, Japanese Patent Application No. 9-282564 The compounds described in Japanese Patent Application No. 9-272002, Japanese Patent Application No. 9-272003, and Japanese Patent Application No. 9-332388 may be used in combination.
In the present invention, the above nucleating agent and hydrazine derivative may be used in combination. In that case, the following hydrazine derivatives are preferably used. Hydrazine derivatives preferably used in the present invention can also be synthesized by various methods described in the following patent specifications.
[0061]
A compound represented by (Chemical Formula 1) described in JP-B-6-77138, specifically, compounds described on pages 3 and 4 of the same publication. A compound represented by the general formula (I) described in JP-B-6-93082, specifically, compounds 1 to 38 described on pages 8 to 18 of the publication. Compounds represented by general formula (4), general formula (5) and general formula (6) described in JP-A-6-230497, specifically, compounds 4 described on pages 25 and 26 of the same publication -1 to Compound 4-10, Compounds 5-1 to 5-42 described on pages 28 to 36, and Compounds 6-1 to 6-7 described on pages 39 and 40. Compounds represented by the general formula (1) and general formula (2) described in JP-A-62-289520, specifically, compounds 1-1) to 1- 17) and 2-1). Compounds represented by (Chemical Formula 2) and (Chemical Formula 3) described in JP-A-6-313936, specifically, compounds described on pages 6 to 19 of the publication. A compound represented by (Chemical Formula 1) described in JP-A-6-313951, specifically, compounds described on pages 3 to 5 of the same publication. Compounds represented by formula (I) described in JP-A-7-5610, specifically, compounds I-1 to I-38 described on pages 5 to 10 of the same publication. Compounds represented by general formula (II) described in JP-A-7-77783, specifically, compounds II-1 to II-102 described on pages 10 to 27 of the same publication. Compounds represented by general formula (H) and general formula (Ha) described in JP-A-7-104426, specifically, compounds H-1 to H-44 described on pages 8 to 15 of the same publication. . A compound having an anionic group or a nonionic group that forms an intramolecular hydrogen bond with a hydrogen atom of hydrazine in the vicinity of the hydrazine group described in JP-A-9-22082. ), A general formula (B), a general formula (C), a general formula (D), a general formula (E), a compound represented by the general formula (F), specifically, the compound N- 1 to N-30. Compounds represented by the general formula (1) described in JP-A-9-22082, specifically, compounds D-1 to D-55 described in the publication.
Furthermore, various hydrazine derivatives described on pages 25 to 34 of "Known Technology (pages 1 to 207)" (published by Aztec Co., Ltd.) issued on March 22, 1991. Compounds D-2 and D-39 of JP 62-86354 A (pages 6 to 7).
[0062]
Hydrazine derivatives preferably used in the present invention include suitable organic solvents such as alcohols (for example, methanol, ethanol, propanol, fluorinated alcohol, etc.), ketones (for example, acetone, methyl ethyl ketone, etc.), dimethylformamide, dimethyl sulfoxide, It can be used by dissolving in methyl cellosolve.
In addition, using a well-known emulsification dispersion method, it is dissolved using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically emulsified and dispersed. An object can be made and used. Alternatively, a hydrazine derivative powder can be dispersed in water by a ball mill, a colloid mill, or ultrasonic waves by a method known as a solid dispersion method.
[0063]
The hydrazine derivative preferably used in the present invention may be added to any layer of the image forming layer or other binder layer on the image forming layer side with respect to the support, but the image forming layer or a binder layer adjacent thereto. It is preferable to add to.
The amount of hydrazine derivative added is 1 x 10 for 1 mole of silver.-6~ 1 × 10-2Moles are preferred, 1 × 10-Five~ 5 × 10-3Mol is more preferred, 2 × 10-Five~ 5 × 10-3Mole is most preferred.
In the present invention, in order to form a super high contrast image, a high contrast accelerator can be used in combination with the nucleating agent. For example, amine compounds described in US Pat. No. 5,545,505, specifically AM-1 to AM-5, hydroxamic acids described in US Pat. No. 5,545,507, specific examples HA-1 to HA-11, acrylonitriles described in US Pat. No. 5,545,507, specifically CN-1 to CN-13, US Pat. No. 5,558,983 Hydrazine compounds, specifically CA-1 to CA-6, Onum salts described in JP-A-9-297368, specifically A-1 to A-42, B-1 to B -27, C-1 to C-14, and the like can be used.
[0064]
In a photothermographic material having a non-photosensitive silver salt, a photosensitive silver halide and a binder, formic acid or formate is a strong fogging substance. In the present invention, the content of formic acid or formate on the side having the image forming layer containing the photosensitive silver halide of the photothermographic material is preferably 5 mmol or less, more preferably 1 mmol or less per mol of silver. .
In the heat-developable image recording material of the present invention, it is preferable to use an acid formed by hydration of diphosphorus pentoxide or a salt thereof in combination with a nucleating agent. Acids or salts thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide include metaphosphoric acid (salt), pyrophosphoric acid (salt), orthophosphoric acid (salt), triphosphoric acid (salt), tetraphosphoric acid (salt), hexametalin Acid (salt) and the like. The acid or salt thereof formed by hydrating diphosphorus pentoxide particularly preferably used is orthophosphoric acid (salt), hexametaphosphoric acid (salt), and specific salts include sodium orthophosphate, sodium dihydrogen orthophosphate, Examples include sodium hexametaphosphate and ammonium hexametaphosphate.
The acid or salt thereof formed by hydrating diphosphorus pentoxide, which can be preferably used in the present invention, is added to the image forming layer or a binder layer adjacent thereto from the viewpoint that a desired effect is exhibited in a small amount.
Amount of acid or salt thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide (image recording material 1 m2The desired coating amount may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but is 0.1 to 500 mg / m.2Is preferably 0.5 to 100 mg / m2Is more preferable.
[0065]
The heat-developable image recording material of the present invention contains a reducing agent for the organic silver salt. The reducing agent for the organic silver salt is any substance, preferably an organic substance, that reduces silver ions to metallic silver. Conventional photographic developers such as phenidone, hydroquinone and catechol are useful, but hindered phenol reducing agents are preferred. The reducing agent is preferably contained in an amount of 5 to 50 mol%, more preferably 10 to 40 mol%, based on 1 mol of silver on the surface having the image forming layer. The addition layer of the reducing agent may be any layer on the side having the image forming layer. When added to a layer other than the image forming layer, it is preferable to use 10 to 50 mol% of a reducing agent with respect to 1 mol of silver. The reducing agent may be a so-called precursor that is derivatized so as to have an effective function only during development.
[0066]
In photothermographic materials using organic silver salts, a wide range of reducing agents are disclosed in JP-A-46-6074, JP-A-47-1238, JP-A-47-33621, JP-A-49-46427, JP-A-49-49. 115540, 50-14334, 50-36110, 50-147711, 51-32632, 51-1023721, 51-32324, 51-51933 No. 52-84727, No. 55-108654, No. 56-146133, No. 57-82828, No. 57-82829, JP-A-6-3793, U.S. Pat.No. 3,679,426. No. 3,751,252, No. 3,751,255, No. 3,761,270, No. 3,782,949, No. 3,839,048, No. 3,928,686, No. 5,464,738, German Patent No. No. 2321328, European Patent No. 692732, and the like. For example, amide oximes such as phenylamidooxime, 2-thienylamidooxime and p-phenoxyphenylamidooxime; azines such as 4-hydroxy-3,5-dimethoxybenzaldehyde azine; 2,2′-bis (hydroxymethyl) propionyl a combination of an aliphatic carboxylic acid aryl hydrazide and ascorbic acid, such as a combination of β-phenylhydrazine and ascorbic acid; a combination of polyhydroxybenzene and hydroxylamine, reductone and / or hydrazine (eg hydroquinone and bis (ethoxy Ethyl) hydroxylamine, piperidinohexose reductone or a combination of formyl-4-methylphenylhydrazine); such as phenylhydroxamic acid, p-hydroxyphenylhydroxamic acid and β-arininhydroxamic acid Hydroxamic acid; Combination of azine and sulfonamidophenol (for example, phenothiazine and 2,6-dichloro-4-benzenesulfonamidophenol); Ethyl-α-cyano-2-methylphenylacetate, ethyl-α-cyanophenylacetate Α-cyanophenylacetic acid derivatives such as 2,2′-dihydroxy-1,1′-binaphthyl, 6,6′-dibromo-2,2′-dihydroxy-1,1′-binaphthyl and bis (2-hydroxy- Bis-β-naphthol, as exemplified by 1-naphthyl) methane; bis-β-naphthol and 1,3-dihydroxybenzene derivatives (eg 2,4-dihydroxybenzophenone or 2 ', 4'-dihydroxyacetophenone) A combination of: 5-pyrazolone, such as 3-methyl-1-phenyl-5-pyrazolone; dimethylaminohexose reductone, anhydrodihydroaminohexose reductone and a Reductones as exemplified by hydrodihydropiperidone hexose reductone; sulfonamide phenol reducing agents such as 2,6-dichloro-4-benzenesulfonamidophenol and 2-phenylindan-1, 3-diones, etc .; 2,2-dimethyl-7-t-butyl-6-hydroxychromans and other chromanes; 2,6-dimethoxy-3,5-dicarboethoxy-1,4-dihydropyridines and other 1,4- Dihydropyridines; bisphenols (eg bis (2-hydroxy-3-t-butyl-5-methylphenyl) methane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-methylphenyl) propane, 4,4-ethylidene-bis ( 2-t-butyl-6-methylphenol), 1,1, -bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -3,5,5-trimethylhexane and 2,2-bis (3,5- Dimethyl-4-hydroxyphenyl) propane, etc.); ascorbic acid Body (e.g., palmitate 1-ascorbyl stearate, etc. Ascorbyl); and aldehydes and ketones such as benzyl and biacetyl; 3-pyrazolidones and certain indane-1,3-dione; chromanol (tocopherol), and the like. Particularly preferred reducing agents are bisphenol and chromanol.
[0067]
In the present invention, the reducing agent may be added by any method such as an aqueous solution, an organic solvent solution, a powder, a solid fine particle dispersion, and an emulsified dispersion. The solid fine particle dispersion is performed by a known finer means (for example, ball mill, vibrating ball mill, sand mill, colloid mill, jet mill, roller mill, etc.). A dispersion aid may be used when dispersing the solid fine particles.
In the present invention, a phenol derivative represented by the formula (A) described in Japanese Patent Application No. 11-73951 is preferably used as a development accelerator. The phenol derivative represented by the formula (A) exhibits a strong development accelerating effect when used in combination with the reducing agent. Specifically, A-1 to A-54 described in the same specification are preferably used. The phenol derivative represented by the formula (A) is preferably used in the range of 0.01 mol% to 100 mol%, more preferably in the range of 0.1 mol% to 20 mol%, based on the reducing agent. It is preferred that
The phenol derivative represented by the formula (A) may be added to the layer on the image forming layer side with respect to the support, that is, the image forming layer or any other layer on this layer side. It is preferable to add to. The phenol derivative represented by the formula (A) may be added by any method such as an aqueous solution, an organic solvent solution, a powder, a solid fine particle dispersion, and an emulsified dispersion. The solid fine particle dispersion is performed by a known finer means (for example, ball mill, vibrating ball mill, sand mill, colloid mill, jet mill, roller mill, etc.). A dispersion aid may be used when dispersing the solid fine particles.
[0068]
Inclusion of an additive known as a “toning agent” that improves the image may increase the optical density. The toning agent may also be advantageous in forming a black silver image. The toning agent is preferably contained in the surface having the image forming layer in an amount of 0.1 to 50% mol per mol of silver, and more preferably 0.5 to 20% mol. The toning agent may be a so-called precursor that is derivatized so as to have an effective function only during development.
In photothermographic materials using organic silver salts, a wide range of color toning agents are disclosed in JP-A-46-6077, 47-10282, 49-5019, 49-5020, 49-20. 91215, 49-91215, 50-2524, 50-32927, 50-67132, 50-67641, 50-114217, 51-3223 Publication No. 51-27923 Publication No. 52-14788 Publication No. 52-99813 Publication No. 53-1020 Publication No. 53-76020 Publication No. 54-156524 Publication No. 54-156525 Publication No. 54-156525 JP, 61-183642, JP 4-56848, JP 49-10727, 54-20333, U.S. Patent 3,080,254, 3,446,648, 3,782,941 No. 4,123,282, 4,510,236, British Patent 1380795, Belgian Patent 841910, and the like. Examples of toning agents are phthalimide and N-hydroxyphthalimide; succinimide, pyrazolin-5-one, and quinazolinone, 3-phenyl-2-pyrazolin-5-one, 1-phenylurazole, quinazoline and 2,4-thiazolidinedione Cyclic imides such as: naphthalimide (eg, N-hydroxy-1,8-naphthalimide); cobalt complex (eg, cobalt hexamine trifluoroacetate); 3-mercapto-1,2,4-triazole, 2,4 Mercaptans, exemplified by 2-mercaptopyrimidine, 3-mercapto-4,5-diphenyl-1,2,4-triazole and 2,5-dimercapto-1,3,4-thiadiazole; N- (aminomethyl) aryldi Carboximide, (eg, (N, N-dimethylaminomethyl) phthalimide and N, N- (dimethylaminomethyl) -naphthalene-2,3-dicarboximide); Pyrazoles, isothiuronium derivatives and certain photobleaching agents (e.g., N, N'-hexamethylenebis (1-carbamoyl-3,5-dimethylpyrazole), 1,8- (3,6-diazaoctane) bis ( Isothiuronium trifluoroacetate) and 2-tribromomethylsulfonyl)-(benzothiazole)); and 3-ethyl-5-[(3-ethyl-2-benzothiazolinylidene) -1-methylethylidene]- 2-thio-2,4-oxazolidinedione; phthalazinone, phthalazinone derivatives or metal salts, or 4- (1-naphthyl) phthalazinone, 6-chlorophthalazinone, 5,7-dimethoxyphthalazinone and 2,3-dihydro- Derivatives such as 1,4-phthalazinedione; combinations of phthalazinone and phthalic acid derivatives (eg, phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid and tetrachlorophthalic anhydride); phthalazine, phthalates Gin derivatives (e.g. 4- (1-naphthyl) phthalazine, 6-chlorophthalazine, 5,7-dimethoxyphthalazine, 6-iso-butylphthalazine, 6-tert-butylphthalazine, 5,7-dimethylphthal Razines and derivatives such as 2,3-dihydrophthalazine) or metal salts; phthalazine and its derivatives and phthalic acid derivatives (eg phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid and tetrachlorophthalic anhydride) Quinazolinedione, benzoxazine or naphthoxazine derivatives; rhodium complexes that function not only as color modifiers but also as a source of halide ions for in situ silver halide formation, such as ammonium hexachlororhodium (III) , Rhodium bromide, rhodium nitrate and potassium hexachlororhodium (III); inorganic peroxides and persulfuric acid For example, ammonium peroxide disulfide and hydrogen peroxide; 1,3-benzoxazine-2,4-dione, 8-methyl-1,3-benzoxazine-2,4-dione and 6-nitro-1,3 Benzoxazine-2,4-diones, such as -benzoxazine-2,4-dione; pyrimidines and asymmetric-triazines (eg, 2,4-dihydroxypyrimidine, 2-hydroxy-4-aminopyrimidine, etc.), azauracil, and Tetraazapentalene derivatives (e.g. 3,6-dimercapto-1,4-diphenyl-1H, 4H-2,3a, 5,6a-tetraazapentalene, and 1,4-di (o-chlorophenyl) -3 6-dimercapto-1H, 4H-2,3a, 5,6a-tetraazapentalene).
[0069]
In the present invention, a phthalazine derivative represented by the general formula (F) described in Japanese Patent Application No. 10-213487 is preferably used as a color tone agent. Specifically, A-1 to A-10 described in the same specification are preferably used.
When using the toning agent in the present invention, it may be added by any method such as solution, powder, solid fine particle dispersion and the like. The solid fine particle dispersion is performed by a known finer means (for example, ball mill, vibrating ball mill, sand mill, colloid mill, jet mill, roller mill, etc.). A dispersion aid may be used when dispersing the solid fine particles.
[0070]
The film surface pH of the heat-developable image recording material of the present invention before heat development is preferably 6.0 or less, and more preferably 5.5 or less. The lower limit is not particularly limited, but is about 3.
The film surface pH is preferably adjusted using an organic acid such as a phthalic acid derivative, a non-volatile acid such as sulfuric acid, or a volatile base such as ammonia from the viewpoint of reducing the film surface pH. In particular, ammonia is volatile and is preferable for achieving a low film surface pH because it can be removed before the coating process or heat development. The method for measuring the film surface pH is described in [0123] of Japanese Patent Application No. 11-87297.
In the heat-developable image recording material of the present invention, the silver halide emulsion or / and the organic silver salt are further protected against the formation of additional fog by antifogging agents, stabilizers and stabilizer precursors, and are stored in stock. It can be stabilized against a decrease in sensitivity. Suitable antifoggants, stabilizers and stabilizer precursors that can be used alone or in combination are the thiazonium salts described in US Pat. Nos. 2,131,038 and 2,694,716, US Pat. No. 2,886,437. And azaindene described in U.S. Pat.No. 2,444,605, mercury salt described in U.S. Pat.No. 2,728,663, urazole described in U.S. Pat.No. 3,287,135, sulfocatechol described in U.S. Pat.No. 3,235,652. Oximes, nitrones, nitroindazoles described in British Patent No. 623,448, polyvalent metal salts described in US Patent No. 2,839,405, thiuonium salts described in US Patent No. 3,220,839, and US Patent No. 2,566,263 Palladium, platinum and gold salts described in the specification and 2,597,915, as described in US Pat. Nos. 4,108,665 and 4,442,202. Halogen-substituted organic compounds, triazines described in U.S. Pat.Nos. 4,128,557 and 4,137,079, 4,138,365 and 4,459,350, and phosphorus compounds described in U.S. Pat.No. 4,411,985 and so on.
[0071]
The heat-developable image recording material of the present invention may contain benzoic acids for the purpose of increasing sensitivity and preventing fogging. The benzoic acid used in the present invention may be any benzoic acid derivative. Examples of preferable structures include US Pat. Nos. 4,784,939, 4,152,160, JP-A-9-329863, and 9-329864. And compounds described in JP-A-9-281638. Benzoic acids may be added to any part of the image recording material, but the addition layer is preferably added to the layer having the photosensitive layer, and more preferably to the organic silver salt-containing layer. The benzoic acid may be added at any step in the coating solution preparation, and when added to the organic silver salt-containing layer, any step from the preparation of the organic silver salt to the preparation of the coating solution may be performed. To immediately before coating. The benzoic acid may be added by any method such as powder, solution, fine particle dispersion and the like. Moreover, you may add as a solution mixed with other additives, such as a sensitizing dye, a reducing agent, and a color toning agent. The amount of benzoic acid added may be any amount, but 1 x 10 per mole of silver-6Moles to 2 moles, preferably 1 × 10-3More preferably, it is more than mol and less than 0.5 mol.
[0072]
Although not necessary to practice the present invention, it may be advantageous to add mercury (II) salts to the emulsion layers as antifoggants. Preferred mercury (II) salts for this purpose are mercury acetate and mercury bromide. The amount of mercury used in the present invention is preferably 1 × 10 5 per mole of silver applied.-9Mol ~ 1 × 10-3Mole, more preferably 1 × 10-8Mol ~ 1 × 10-FourThe range of moles.
The antifoggant particularly preferably used in the present invention is an organic halide, for example, JP-A-50-119624, JP-A-50-120328, JP-A-51-121332, JP-A-54-58022, 56-70543, 56-99335, 59-90842, 61-129642, 62-129845, JP-A-6-208191, 7-5621, Examples thereof include compounds disclosed in JP-A-7-2781, JP-A-8-15809, US Pat. Nos. 5,340,712, 5,369,000, and 5,464,737. A hydrophilic organic halide represented by the formula (P) described in Japanese Patent Application No. 11-87297 is preferably used as an antifogging agent. Specifically, (P-1) to (P-118) described in the same specification are preferably used.
The addition amount of the organic halide is expressed in terms of mol amount (mol / mol Ag) with respect to 1 mol of Ag, preferably 1 × 10.-Five˜2 mol / mol Ag, more preferably 5 × 10-Five˜1 mol / mol Ag, more preferably 1 × 10-Four~ 5x10-1mol / molAg. These may be used alone or in combination of two or more.
[0073]
A salicylic acid derivative represented by the formula (Z) described in Japanese Patent Application No. 11-87297 is preferably used as an antifogging agent. Specifically, (A-1) to (A-60) described in the same specification are preferably used.
The addition amount of the salicylic acid derivative represented by the formula (Z) is expressed in terms of mol amount (mol / mol Ag) relative to 1 mol of Ag, preferably 1 × 10.-Five~ 5x10-1mol / molAg, more preferably 5 × 10-Five~ 1x10-1mol / molAg, more preferably 1 × 10-Four~ 5x10-2mol / molAg. These may use only 1 type or may use 2 or more types together.
The antifogging agent used in the present invention is water or a suitable organic solvent such as alcohols (for example, methanol, ethanol, propanol, fluorinated alcohol, etc.), ketones (for example, acetone, methyl ethyl ketone, etc.), dimethylformamide, dimethyl It can be used by dissolving in sulfoxide, methyl cellosolve and the like.
In addition, using a well-known emulsification dispersion method, it is dissolved using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically emulsified and dispersed. An object can be made and used. Alternatively, the powder can be dispersed and used in water by a ball mill, a colloid mill, a sand grinder mill, a manton gourin, a microfluidizer or ultrasonic waves by a method known as a solid dispersion method.
[0074]
The antifoggant may be added to the image forming layer side of the support, that is, the image forming layer or any other layer on this layer side, but it must be added to the image forming layer or a layer adjacent thereto. Is preferred. The image forming layer is a layer containing a reducible silver salt (organic silver salt), preferably a photosensitive layer further containing a photosensitive silver halide.
In the heat-developable image recording material of the present invention, the development is controlled by suppressing or accelerating the development, the spectral sensitization efficiency is improved, the preservability before and after the development is improved, etc., mercapto compounds, disulfide compounds, thiones Compounds can be included.
When a mercapto compound is used in the present invention, it may have any structure, but those represented by Ar-SM and Ar-S-S-Ar are preferred. In the formula, M is a hydrogen atom or an alkali metal atom, and Ar is an aromatic ring or condensed aromatic ring having one or more nitrogen, sulfur, oxygen, selenium or tellurium atoms. Preferably, the heteroaromatic ring is benzimidazole, naphthimidazole, benzothiazole, naphthothiazole, benzoxazole, naphthoxazole, benzoselenazole, benzotelrazole, imidazole, oxazole, pyrazole, triazole, thiadiazole, tetrazole, triazine, pyrimidine, pyridazine , Pyrazine, pyridine, purine, quinoline or quinazolinone. The heteroaromatic ring can be, for example, halogen (eg, Br and Cl), hydroxy, amino, carboxy, alkyl (eg, having one or more carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms), alkoxy ( For example, those having one or more carbon atoms, preferably those having 1 to 4 carbon atoms) and those selected from the substituent group consisting of aryl (which may have a substituent) Good. Mercapto-substituted heteroaromatic compounds include 2-mercaptobenzimidazole, 2-mercaptobenzoxazole, 2-mercaptobenzothiazole, 2-mercapto-5-methylbenzimidazole, 6-ethoxy-2-mercaptobenzothiazole, 2, 2'-dithiobis- (benzothiazole), 3-mercapto-1,2,4-triazole, 4,5-diphenyl-2-imidazolethiol, 2-mercaptoimidazole, 1-ethyl-2-mercaptobenzimidazole, 2- Mercaptoquinoline, 8-mercaptopurine, 2-mercapto-4 (3H) -quinazolinone, 7-trifluoromethyl-4-quinolinethiol, 2,3,5,6-tetrachloro-4-pyridinethiol, 4-amino- 6-hydroxy-2-mercaptopyrimidine monohydrate, 2-amino-5-mercapto-1,3,4-thiadiazole, 3-amino-5-mercapto-1,2,4-triazole, 4-hydride Rosi-2-mercaptopyrimidine, 2-mercaptopyrimidine, 4,6-diamino-2-mercaptopyrimidine, 2-mercapto-4-methylpyrimidine hydrochloride, 3-mercapto-5-phenyl-1,2,4-triazole, 1-phenyl-5-mercaptotetrazole, sodium 3- (5-mercaptotetrazole) -benzenesulfonate, N-methyl-N '-[3- (5-mercaptotetrazolyl) phenyl] urea, 2-mercapto-4 -Phenyloxazole and the like may be mentioned, but the present invention is not limited to these.
The addition amount of these mercapto compounds is preferably in the range of 0.0001 to 1.0 mol per mol of silver in the emulsion layer, and more preferably 0.001 to 0.3 mol per mol of silver.
[0075]
As the binder used in the heat-developable image recording material of the present invention, the polymer latex described below is preferably used.
At least one of the image forming layers of the heat-developable image recording material of the present invention is preferably an image forming layer using a polymer latex described below as 50% by weight or more of the total binder (hereinafter, this image forming layer is referred to as “ The image forming layer in the present invention and the polymer latex used for the binder are referred to as “polymer latex used in the present invention”). The polymer latex may be used not only for the image forming layer but also for the protective layer and the back layer. In particular, when the heat-developable image recording material of the present invention is used for printing applications in which dimensional change is a problem, the protective latex or It is preferable to use a polymer latex for the back layer. However, the “polymer latex” mentioned here is a water-insoluble hydrophobic polymer dispersed as fine particles in a water-soluble dispersion medium. As the dispersion state, the polymer is emulsified in a dispersion medium, the emulsion is polymerized, the micelle is dispersed, or the polymer molecule has a partially hydrophilic structure and the molecular chain itself is molecularly dispersed. Anything may be used. As for the polymer latex used in the present invention, “Synthetic resin emulsion (Hiraku Okuda, Hiroshi Inagaki, published by Kobunshi Publishing Co., Ltd. (1978))”, “Application of synthetic latex (Takaaki Sugimura, Ikuo Kataoka, Junichi Suzuki, Keiji Kasahara) (Published by Kobunshi Publishing Co., Ltd. (1993)), “Synthetic Latex Chemistry (written by Soichi Muroi, published by Kobunshi Publishing Co., Ltd. (1970))” and the like. The average particle size of the dispersed particles is preferably 1 to 50000 nm, more preferably about 5 to 1000 nm. The particle size distribution of the dispersed particles is not particularly limited, and may have a wide particle size distribution or a monodispersed particle size distribution.
[0076]
The polymer latex used in the present invention may be a so-called core / shell type latex in addition to a normal polymer latex having a uniform structure. In this case, it may be preferable to change the glass transition temperature between the core and the shell.
The glass transition temperature (Tg) of the polymer latex that is preferably used as the binder in the heat-developable image recording material of the present invention has different preferred ranges for the protective layer, the back layer, and the image forming layer. The image forming layer preferably has a temperature of −30 to 40 ° C. in order to promote the diffusion of useful photographic materials during heat development. When used for a protective layer or a back layer, a glass transition temperature of 25 to 70 ° C. is preferred for contact with various devices.
The minimum film forming temperature (MFT) of the polymer latex used in the present invention is preferably -30 to 90 ° C, more preferably about 0 to 70 ° C. A film-forming auxiliary may be added to control the minimum film-forming temperature. The film-forming aid is also called a plasticizer and is an organic compound (usually an organic solvent) that lowers the minimum film-forming temperature of polymer latex.For example, the `` Synthetic Latex Chemistry (Souichi Muroi, published by Kobunshi Shuppankai (1970) )"It is described in.
[0077]
Examples of the polymer species used in the polymer latex used in the present invention include acrylic resins, vinyl acetate resins, polyester resins, polyurethane resins, rubber resins, vinyl chloride resins, vinylidene chloride resins, polyolefin resins, and copolymers thereof. . The polymer may be a linear polymer, a branched polymer, or a crosslinked polymer. The polymer may be a so-called homopolymer obtained by polymerizing a single monomer, or a copolymer obtained by polymerizing two or more monomers. In the case of a copolymer, it may be a random copolymer or a block copolymer. The molecular weight of the polymer is a number average molecular weight of 5,000 to 100,000, preferably about 10,000 to 100,000. When the molecular weight is too small, the mechanical strength of the image forming layer is insufficient, and when the molecular weight is too large, the film forming property is poor, which is not preferable.
Specific examples of the polymer latex used as the binder of the image forming layer of the heat-developable image recording material of the present invention include the following. Methyl methacrylate / ethyl acrylate / methacrylic acid copolymer latex, methyl methacrylate / 2-ethylhexyl acrylate / styrene / acrylic acid copolymer latex, styrene / butadiene / acrylic acid copolymer latex, styrene / butadiene / divinylbenzene / methacrylic acid copolymer latex , Latex of methyl methacrylate / vinyl chloride / acrylic acid copolymer, latex of vinylidene chloride / ethyl acrylate / acrylonitrile / methacrylic acid copolymer, and the like. Moreover, such a polymer is also marketed and the following polymers can be utilized. For example, as an example of an acrylic resin, Sebian A-4635,46583, 4601 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), Nipol Lx811, 814, 821, 820, 857 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), etc. FINETEX ES650, 611, 675, 850 (Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), WD-size, WMS (Eastman Chemical), and other polyurethane resins are HYDRAN AP10, 20, 30, 40 (or more Rubber resins such as LACSTAR 7310K, 3307B, 4700H, 7132C (manufactured by Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), Nipol Lx416, 410, 438C, 2507, (manufactured by Nippon Zeon) Etc.), vinyl chloride resin G351, G576 (made by Nippon Zeon Co., Ltd.), vinylidene chloride resin L502, L513 (made by Asahi Kasei Corporation), Aaron D7020, D504, D5071 ( The olefin resin such as Mitsui Toatsu Co., Ltd. And the like can be mentioned petroleum Chemical Co., Ltd.). These polymers may be used alone or in combination of two or more as required.
[0078]
In the image forming layer of the present invention, the polymer latex is preferably used as 50% by weight or more of the total binder, and more preferably 70% by weight or more.
A hydrophilic polymer such as gelatin, polyvinyl alcohol, methylcellulose, hydroxypropylcellulose, carboxymethylcellulose, hydroxypropylmethylcellulose or the like may be added to the image forming layer in the present invention, if necessary, within a range of 50% by weight or less of the total binder. . The addition amount of these hydrophilic polymers is preferably 30% by weight or less, more preferably 15% by weight or less, based on the total binder of the image forming layer.
The image forming layer in the invention is preferably prepared by applying an aqueous coating solution and then drying it. However, “aqueous” here means that 60% by weight or more of the solvent (dispersion medium) of the coating solution is water. As components other than water in the coating solution, water-miscible organic solvents such as methyl alcohol, ethyl alcohol, isopropyl alcohol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, dimethylformamide, and ethyl acetate can be used. Specific examples of the solvent composition include the following. Water / methanol = 90/10, water / methanol = 70/30, water / ethanol = 90/10, water / isopropanol = 90/10, water / dimethylformamide = 95/5, water / methanol / dimethylformamide = 80 / 15/5, water / methanol / dimethylformamide = 90/5/5. (However, the numbers represent% by weight.)
[0079]
Further, as a binder for the protective layer, an I / O value obtained by dividing an inorganic value based on an organic conceptual diagram described in paragraph Nos. [0025] to [0029] of Japanese Patent Application No. 11-6872 by an organic value. A combination of different polymer latexes can be preferably used.
In each layer, a first polymer latex having functional groups described in paragraphs [0023] to [0041] of Japanese Patent Application No. 10-199626, and a functional group capable of reacting with the first polymer latex. It can also be formed using a crosslinker having groups and / or a second polymer latex.
Specific examples of the functional group include a carboxyl group, a hydroxyl group, an isocyanate group, an epoxy group, an N-methylol group, and an oxazolinyl group. Examples of the crosslinking agent include an epoxy compound, an isocyanate compound, a blocked isocyanate compound, a methylol compound, and a hydroxy group. It is selected from compounds, carboxyl compounds, amino compounds, ethyleneimine compounds, aldehyde compounds, halogen compounds and the like. Specific examples of the crosslinking agent include isocyanate compounds: hexamethylene isocyanate, Duranate WB40-80D, WX-1741 (Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.), Bihijoule 3100 (Sumitomo Bayer Urethane Co., Ltd.), Takenate WD725 (Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.) Aquanate 100, 200 (manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd.), water-dispersed polyisocyanate and amino compound described in JP-A-9-160172: Sumitex Resin M-3 (Sumitomo Chemical Co., Ltd.) )), Epoxy compound: Denacol EX-614B (manufactured by Nagase Kasei Kogyo Co., Ltd.), halogen compound: 2,4 dichloro-6-hydroxy-1,3,5-triazine sodium and the like.
[0080]
The total binder amount for the image forming layer in the present invention is 0.2 to 30 g / m.2, More preferably 1.0 to 15 g / m2The range of is preferable.
The total binder amount for the protective layer in the present invention is 0.2-10.0 g / m.2, More preferably 0.5 to 6.0 g / m2The range of is preferable.
The total binder amount for the back layer in the present invention is 0.01 to 10.0 g / m.2, More preferably 0.05 to 5.0 g / m2The range of is preferable.
Each of these layers may be provided in two or more layers. When there are two or more image forming layers, it is preferable to use a polymer latex as a binder for all layers. The protective layer is a layer provided on the image forming layer, and there may be two or more layers, but it is preferable to use a polymer latex for at least one, particularly the outermost protective layer. The back layer is a layer provided on the undercoat layer on the back surface of the support and may be present in two or more layers. It is preferable to use a polymer latex for at least one layer, particularly the outermost back layer.
In the image forming layer of the present invention, a crosslinking agent for crosslinking, a surfactant for improving coating properties, and the like may be added.
[0081]
The type of the slip agent used in the present invention is not particularly limited, and any compound can be used as long as it is present on the object surface and reduces the friction coefficient of the object surface compared to the case where it is not present.
Examples of the slip agent used in the present invention include paragraph numbers [0061] to [0064] of JP-A No. 11-84573 and paragraph numbers [0049] to [0062] of Japanese Patent Application No. 11-106881. The described compounds.
Specific examples of preferable slipping agents include cellosol 524 (main component carnauba wax), polylon A, 393, H-481 (main component polyethylene wax), high micron G-110 (main component ethylenebisstearic acid amide), high micron. G-270 (main component stearate amide) (manufactured by Chukyo Yushi Co., Ltd.), or
W-1 C16H33-O-SOThreeNa
W-2 C18H37-O-SOThreeNa
There are compounds represented by:
The amount of the slip agent used is 0.1 to 50% by weight, preferably 0.5 to 30% by weight, based on the amount of the binder in the additive layer.
[0082]
When the heat-developable image recording material of the present invention is subjected to heat development processing, the preheated portion is heated by a counter roller as described in Japanese Patent Application Nos. 10-346561 and 11-106881. When using a heat development processing apparatus that conveys the developed image recording material and the thermal development processing section conveys the back surface on the opposite side to a smooth surface by driving a roller on the side having the image forming layer, the development is performed. The ratio of the coefficient of friction between the outermost surface layer on the side having the image forming layer of the heat-developable image recording material at the processing temperature and the outermost surface layer of the back surface is 1.5 or more, and the upper limit thereof is not particularly limited, About 30. Further, μb is 1.0 or less, preferably 0.8 to 0.05. This value is obtained by the following equation.
Ratio of friction coefficient = dynamic friction coefficient between the roller member of the heat developing machine and the surface having the image forming layer (μe) / dynamic friction coefficient between the smooth surface member of the heat developing machine and the back surface (μb)
In the present invention, the slipperiness of the surface having the image forming layer and / or the outermost surface layer at the heat developing temperature at the heat developing temperature is such that a slipping agent is contained in the outermost surface layer, It can be changed and adjusted.
[0083]
JP-A 64-20544, JP-A-1-180537, JP-A-1-209443, JP-A-1-285939, and the like are provided on both sides of the support of the heat-developable image recording material of the present invention. JP-A-1-296243, JP-A-2-24649, JP-A-2-24648, JP-A-2-184844, JP-A-3-109545, JP-A-3-137737, JP-A-3 -141346, JP-A-3-141347, JP-A-4-96055, U.S. Pat. No. 4,645,731, JP-A-4-68344, Patent 2557641, P2 right column, line 20 to P3 right Column 30, paragraph number [0020] to [0037] of Japanese Patent Application No. 10-2221039, paragraph number [0] of Japanese Patent Application No. 11-106881 63] - it is preferable to provide an undercoat layer containing a vinylidene chloride copolymer containing repeating units of vinylidene chloride monomer 70 wt% or more of [0080].
[0084]
When the vinylidene chloride monomer is less than 70% by weight, sufficient moisture resistance cannot be obtained, and the dimensional change over time after heat development becomes large. The vinylidene chloride copolymer preferably contains a repeating unit of a carboxyl group-containing vinyl monomer as another constituent repeating unit of the vinylidene chloride monomer. When such a constitutional repeating unit is contained, the polymer (polymer) is crystallized only with the vinyl chloride monomer, making it difficult to form a uniform film when the moisture-proof layer is applied. This is because a carboxyl group-containing vinyl monomer is indispensable for stabilizing the (polymer).
The molecular weight of the vinylidene chloride copolymer used in the present invention is preferably 45000 or less, more preferably 10,000 to 45000 in terms of weight average molecular weight. When the molecular weight increases, the adhesion between the vinylidene chloride copolymer layer and the support layer such as polyester deteriorates.
[0085]
The content of the vinylidene chloride copolymer is 0.3 μm or more, preferably 0.3 μm or more and 4 μm or less as the total film thickness per one side of the undercoat layer containing the vinylidene chloride copolymer.
The vinylidene chloride copolymer layer as the undercoat layer is preferably provided as the first undercoat layer that is directly provided on the support. Usually, one layer is provided on each side, but in some cases, two layers are provided. You may provide above. When a multilayer structure of two or more layers is used, the total amount of the vinylidene chloride copolymer may be within a desired range.
In addition to the vinylidene chloride copolymer, such a layer may contain a crosslinking agent, a matting agent, and the like.
[0086]
In addition to the vinylidene chloride copolymer layer, the support may be coated with an undercoat layer containing SBR, polyester, gelatin or the like as a binder. These undercoat layers may have a multilayer structure, and may be provided on one side or both sides with respect to the support. The general thickness (per layer) of the undercoat layer is 0.01 to 5 μm, more preferably 0.05 to 1 μm.
Various supports can be used for the heat-developable image recording material of the present invention. Typical supports include polyesters such as polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate, cellulose nitrate, cellulose esters, polyvinyl acetal, syndiotactic polystyrene, polycarbonate, paper supports coated on both sides with polyethylene, and the like. Of these, biaxially stretched polyester, particularly polyethylene terephthalate (PET), is preferable from the viewpoint of strength, dimensional stability, chemical resistance, and the like. The thickness of the support is preferably 90 to 180 μm in terms of the base thickness excluding the undercoat layer.
[0087]
The support used for the heat-developable image recording material of the present invention is disclosed in JP-A-10-48772, JP-A-10-048772, JP-A-10-010676, JP-A-10-010777, and Japanese Patent Application No. 9. In order to relieve internal strain remaining in the film during biaxial stretching described in Japanese Patent Application No. 225131 and Japanese Patent Application No. 9-308898, in order to eliminate heat shrinkage distortion generated during heat development, 130 to 185 Polyester subjected to heat treatment in the temperature range of ° C., particularly polyethylene terephthalate is preferably used.
The dimensional change rate of the support after heating at 120 ° C. for 30 seconds after such heat treatment is −0.03% to + 0.01% in the machine direction (MD) and 0 to 0.04% in the transverse direction (TD). It is preferable.
[0088]
In the heat-developable image recording material of the present invention, paragraph numbers [0040] to [0040] of JP-A No. 11-84573 are disclosed for the purpose of reducing adhesion of dust, preventing the generation of static marks, and preventing poor conveyance in the automatic conveyance process. [0051] The conductive metal oxide and / or the fluorosurfactant described in [0051] can be used for antistatic.
Examples of the conductive metal oxide include acicular conductive tin oxide doped with antimony described in US Pat. No. 5,575,957 and paragraph Nos. [0012] to [0020] of Japanese Patent Application No. 10-0410302. Fibrous tin oxide doped with antimony described in Kaihei 4-29134 is preferably used.
The surface resistivity (surface resistivity) of the metal oxide-containing layer is 10 in an atmosphere of 25 ° C. and 20% RH.12Ω or less, preferably 1011Less than Ω is good. Thereby, good antistatic properties can be obtained. The lower limit of the surface resistivity at this time is not particularly limited, but is usually 107It is about Ω.
[0089]
At least one of the surface having the image forming layer of the heat-developable image recording material of the present invention and the surface of the outermost layer on the opposite side, preferably both have Beck smoothness of 2000 seconds or less, more preferably 10 seconds to 2000 seconds. It is.
The Beck smoothness in the present invention can be easily determined by Japanese Industrial Standard (JIS) P8119 “Smoothness test method using Beck tester for paper and paperboard” and TAPPI standard method T479.
The outermost layer of the surface having the image forming layer of the heat-developable image recording material and the Beck smoothness of the outermost layer on the opposite side are described in paragraphs [0052] to [0059] of JP-A No. 11-84573, It can be controlled by appropriately changing the particle size and addition amount of the matting agent contained in the layers on both sides.
In the present invention, the subbing layer and / or the back layer are prepared in paragraphs [0204] to [0208] of JP-A No. 11-84573 and paragraphs [0240] to [0241] of JP-A No. 11-106881. In order to prevent halation, a dye can be contained as described in (1).
[0090]
The heat-developable image recording material of the present invention preferably contains a photosensitive silver halide. The photosensitive silver halide that can be used in the present invention is not particularly limited as to the halogen composition, and silver chloride, silver chlorobromide, silver bromide, silver iodobromide, and silver iodochlorobromide can be used. The distribution of the halogen composition in the grains may be uniform, the halogen composition may be changed stepwise, or may be continuously changed. Further, silver halide grains having a core / shell structure can be preferably used. As the structure, core / shell particles having a preferably 2- to 5-fold structure, more preferably a 2- to 4-fold structure can be used. A technique of localizing silver bromide on the surface of silver chloride or silver chlorobromide grains can also be preferably used.
[0091]
Methods for forming photosensitive silver halide are well known in the art, for example, the methods described in Research Disclosure June 1978, No. 17029, and U.S. Pat. No. 3,700,458 can be used. Specifically, a method is used in which a photosensitive silver halide is prepared by adding a silver supply compound and a halogen supply compound to gelatin or another polymer solution, and then mixed with an organic silver salt. The grain size of the photosensitive silver halide is preferably small for the purpose of keeping the cloudiness after image formation low, specifically 0.20 μm or less, more preferably 0.01 μm or more and 0.15 μm or less, and further preferably 0.02 μm or more. 0.12 μm or less is preferable. The grain size here means the length of the edge of the silver halide grain when the silver halide grain is a so-called normal crystal of a cube or octahedron. Further, when the silver halide grain is a tabular grain, it means a diameter when converted into a circular image having the same area as the projected area of the main surface. In the case of other non-normal crystals, for example, in the case of spherical grains, rod-shaped grains, etc., it means the diameter when considering a sphere equivalent to the volume of silver halide grains.
[0092]
Examples of the shape of the silver halide grains include cubes, octahedrons, tabular grains, spherical grains, rod-shaped grains, and potato grains. In the present invention, cubic grains and tabular grains are particularly preferred. When tabular silver halide grains are used, the average aspect ratio is preferably 100: 1 to 2: 1, more preferably 50: 1 to 3: 1. Further, grains having rounded corners of silver halide grains can be preferably used. The surface index (Miller index) of the outer surface of the photosensitive silver halide grains is not particularly limited, but the proportion of the [100] surface that has high spectral sensitization efficiency when adsorbed by the spectral sensitizing dye is high. preferable. The ratio is preferably 50% or more, more preferably 65% or more, and still more preferably 80% or more. The ratio of the Miller index [100] plane is described in T. Tani; J. Imaging Sci., 29.165 (1985) using the adsorption dependence of [111] and [100] planes in the adsorption of sensitizing dyes. It can be determined by a method.
The photosensitive silver halide grains used in the present invention preferably contain a Group VIII metal or metal complex in the periodic table. The central metal of the Group VIII metal or metal complex in the periodic table is preferably rhodium, ruthenium, osmium, or iridium. One kind of these metal complexes may be used, or two or more kinds of complexes of the same metal and different metals may be used in combination. The preferred content is 1 x 10 per mole of silver.-9From mole to 1 × 10-3The molar range is preferred, 1 × 10-8From mole to 1 × 10-FourA molar range is more preferred. As a specific structure of the metal complex, a metal complex having a structure described in JP-A-7-225449 can be used.
[0093]
As the rhodium compound used in the present invention, a water-soluble rhodium compound can be used. For example, a rhodium (III) halide compound or a rhodium complex salt having a halogen, amines, oxalato, etc. as a ligand, such as hexachlororhodium (III) complex salt, pentachloroacorodium (III) complex salt, tetrachlorodia Examples thereof include a corodium (III) complex salt, a hexabromorhodium (III) complex salt, a hexaammine rhodium (III) complex salt, and a trioxaratrodium (III) complex salt. These rhodium compounds are used by dissolving in water or a suitable solvent, but are generally used in order to stabilize the rhodium compound solution, that is, an aqueous hydrogen halide solution (for example, hydrochloric acid, odorous acid, hydrofluoric acid). Etc.) or a method of adding an alkali halide (for example, KCl, NaCl, KBr, NaBr, etc.) can be used. Instead of using water-soluble rhodium, it is also possible to add another silver halide grain previously doped with rhodium and dissolve it at the time of silver halide preparation.
[0094]
The amount of these rhodium compounds added is 1 x 10 per mole of silver halide.-8Mol ~ 5x10-FourThe molar range is preferred, particularly preferably 5 × 10-8Mol ~ 1 × 10-FiveIs a mole.
The addition of these compounds can be appropriately carried out at the time of production of the silver halide emulsion grains and at each stage before coating the emulsion, but it is particularly preferred that they are added during the formation of the emulsion and incorporated into the silver halide grains. .
[0095]
Ruthenium and osmium used in the present invention are in the form of water-soluble complex salts described in JP-A-63-2042, JP-A-1-285941, JP-A-2-20852, JP-A-2-20855, etc. Added. Particularly preferred is a hexacoordination complex represented by the following formula.
[ML6]n-
Here, M represents Ru or Os, L represents a ligand, and n represents 0, 1, 2, 3 or 4.
In this case, the counter ion has no significance and ammonium or alkali metal ions are used.
Preferable ligands include a halide ligand, a cyanide ligand, a cyan oxide ligand, a nitrosyl ligand, a thionitrosyl ligand, and the like. Although the example of the specific complex used for this invention below is shown, it is not limited to these.
[0096]
[RuCl6]3-      [RuClFour(H2O)2]-    [RuClFive(H2O)]2-
[RuClFive(NO)]2-  [RuBrFive(NS)]2-
[Ru (CO)ThreeClThree]2- [Ru (CO) ClFive]2-      [Ru (CO) BrFive]2-
[OsCl6]3-      [OsClFive(NO)]2-      [Os (NO) (CN)Five]2-
[Os (NS) BrFive]2-  [Os (O)2(CN)Four]Four-
[0097]
The amount of these compounds added is 1 x 10 per mole of silver halide.-9Mol ~ 1 × 10-FourThe molar range is preferred, particularly preferably 1 × 10-8Mol ~ 1 × 10-FiveIs a mole.
The addition of these compounds can be appropriately carried out at the time of production of the silver halide emulsion grains and at each stage before coating the emulsion, but it is particularly preferred that they are added during the formation of the emulsion and incorporated into the silver halide grains. .
In order to add these compounds during silver halide grain formation and incorporate them into silver halide grains, a metal complex powder or an aqueous solution dissolved together with NaCl and KCl can be used as a water-soluble salt or water-soluble solution during grain formation. A method of adding silver halide solution to a silver halide solution, or a method of preparing silver halide grains by a method of three-liquid simultaneous mixing when silver salt and halide solution are mixed at the same time, or grain formation There is a method in which a required amount of an aqueous solution of a metal complex is put into a reaction vessel. In particular, a method of adding an aqueous solution dissolved with powder or NaCl or KCl to the water-soluble halide solution is preferable.
In order to add to the particle surface, a necessary amount of an aqueous solution of a metal complex can be added to the reaction vessel immediately after the formation of the particle, during or after the physical ripening, or at the chemical ripening.
[0098]
In the present invention, various iridium compounds can be used, and examples thereof include hexachloroiridium, hexaammineiridium, trioxalatoiridium, hexacyanoiridium, pentachloronitrosyliridium and the like. These iridium compounds are used by dissolving in water or an appropriate solvent, and are generally used in order to stabilize a solution of the iridium compound, that is, an aqueous hydrogen halide solution (for example, hydrochloric acid, odorous acid, hydrofluoric acid). Or a method of adding an alkali halide (for example, KCl, NaCl, KBr, NaBr, etc.). Instead of using water-soluble iridium, it is also possible to add another silver halide grain previously doped with iridium and dissolve it at the time of silver halide preparation.
Furthermore, the silver halide grains used in the present invention may contain metal atoms such as cobalt, iron, rhenium, nickel, chromium, palladium, platinum, gold, thallium, copper, lead. For compounds of cobalt, iron and chromium, hexacyano metal complexes can be preferably used. Specific examples include, but are not limited to, ferricyanate ions, ferrocyanate ions, hexacyanocobaltate ions, hexacyanochromate ions, and hexacyanoruthenate ions. The phase containing the metal complex in the silver halide may be uniform, may be contained in the core part at a high concentration, or may be contained in the shell part at a high concentration, and is not particularly limited.
The metal is 1 x 10 per mole of silver halide-9~ 1x10-FourMole is preferred. In order to contain the above metal, a metal salt in the form of a single salt, a double salt, or a complex salt can be added at the time of particle preparation.
[0099]
The photosensitive silver halide grains can be desalted by washing with water by a method known in the art such as a noodle method or a flocculation method, but in the present invention, it may or may not be desalted.
The gold sensitizer used for gold sensitization of the silver halide emulsion used in the present invention may have a gold oxidation number of +1 or +3, and a gold compound usually used as a gold sensitizer Can be used. Typical examples include chloroauric acid, potassium chloroaurate, auric trichloride, potassium auric thiocyanate, potassium iodoaurate, tetracyanoauric acid, ammonium aurothiocyanate, pyridyltrichlorogold and the like.
The amount of the gold sensitizer added varies depending on various conditions. As a guideline, the amount of gold sensitizer is 10 per mole of silver halide.-7More than 10 moles-3Mol or less, more preferably 10-6More than mole 5 × 10-FourIt is as follows.
[0100]
The silver halide emulsion used in the present invention is preferably used in combination with gold sensitization and other chemical sensitization. As other chemical sensitization methods, known methods such as sulfur sensitization method, selenium sensitization method, tellurium sensitization method and noble metal sensitization method can be used. When used in combination with the gold sensitizing method, for example, sulfur sensitizing method and gold sensitizing method, selenium sensitizing method and gold sensitizing method, sulfur sensitizing method and selenium sensitizing method and gold sensitizing method, Sulfur sensitizing method, tellurium sensitizing method and gold sensitizing method, sulfur sensitizing method, selenium sensitizing method, tellurium sensitizing method and gold sensitizing method are preferable.
The sulfur sensitization preferably used in the present invention is usually performed by adding a sulfur sensitizer and stirring the emulsion at a high temperature of 40 ° C. or higher for a predetermined time. Known compounds can be used as the sulfur sensitizer, for example, various sulfur compounds such as thiosulfate, thioureas, thiazoles, rhodanines, etc. in addition to the sulfur compounds contained in gelatin. be able to. Preferred sulfur compounds are thiosulfate and thiourea compounds. The amount of sulfur sensitizer added varies under various conditions such as pH during chemical ripening, temperature, and the size of silver halide grains, but it is 10 per mol of silver halide.-7-10-2Mol, more preferably 10-Five-10-3Is a mole.
[0101]
A known selenium compound can be used as the selenium sensitizer used in the present invention. That is, it is usually carried out by adding unstable and / or non-labile selenium compounds and stirring the emulsion at a high temperature of 40 ° C. or higher for a predetermined time. As the unstable selenium compound, compounds described in Japanese Patent Publication Nos. 44-15748, 43-13489, JP-A-4-25832, 4-109240, 3-111798, etc. should be used. Can do. In particular, it is preferable to use compounds represented by general formulas (VIII) and (IX) in JP-A-4-324855.
The tellurium sensitizer used in the present invention is a compound that forms silver telluride presumed to be a sensitization nucleus on the surface or inside of a silver halide grain. The rate of silver telluride formation in the silver halide emulsion can be tested by the method described in JP-A-5-313284. Examples of tellurium sensitizers include diacyl tellurides, bis (oxycarbonyl) tellurides, bis (carbamoyl) tellurides, diacyl tellurides, bis (oxycarbonyl) ditellurides, bis (carbamoyl) ditellurides, P = Te Compounds having a bond, tellurocarboxylates, Te-organyl tellurocarboxylates, di (poly) tellurides, tellurides, tellurols, telluroacetals, tellurosulfonates, compounds having a P-Te bond, Te heterocycles, tellurocarbonyl compounds, inorganic tellurium compounds, colloidal tellurium and the like can be used. Specifically, U.S. Patent Nos. 1,623,499, 3,320,069, 3,772,031, British Patents 235,211, 1,121,496, 1,295,462, 1,396,696, Canadian Patents No. 800,958, JP-A-4-204640, JP-A-3-53693, JP-A-3-131598, JP-A-4-129787, Journal of Chemical Society, Chemical Communication (J. Chem. Soc Chem. Commun.) 635 (1980), ibid 1102 (1979), ibid 645 (1979), Journal of Chemical Society Perkin Transaction (J.Chem.Soc.Perkin.Trans.) 1,2191 ( 1980), S. Patai, The Chemistry of Organic Serenium and Tellunium Compounds, Vol 1 (1986), Vol 2 (1987) ) Can be used. In particular, compounds represented by general formulas (II), (III) and (IV) in JP-A-5-313284 are preferred.
[0102]
The amount of selenium and tellurium sensitizers used in the present invention varies depending on the silver halide grains used, chemical ripening conditions, etc., but is generally 10 per mole of silver halide.-8-10-2Moles, preferably 10-7-10-3Use moles. The conditions for chemical sensitization in the present invention are not particularly limited, but the pH is 5 to 8, the pAg is 6 to 11, preferably 7 to 10, and the temperature is 40 to 95 ° C, preferably 45 to 45 ° C. 85 ° C.
In the silver halide emulsion used in the present invention, a cadmium salt, a sulfite salt, a lead salt, a thallium salt or the like may coexist in the process of silver halide grain formation or physical ripening.
In the present invention, reduction sensitization can be used. As specific compounds of the reduction sensitization method, for example, stannous chloride, aminoiminomethanesulfinic acid, hydrazine derivatives, borane compounds, silane compounds, polyamine compounds, etc. can be used in addition to ascorbic acid and thiourea dioxide. . Further, reduction sensitization can be performed by ripening the emulsion while maintaining the pH at 7 or higher or pAg at 8.3 or lower. Further, reduction sensitization can be performed by introducing a single addition portion of silver ions during grain formation.
A thiosulfonic acid compound may be added to the silver halide emulsion used in the present invention by the method shown in European Patent No. 293,917.
The silver halide emulsion in the heat-developable image recording material of the present invention may be one kind or two or more kinds (for example, those having different average grain sizes, those having different halogen compositions, those having different crystal habits, chemical sensitization) May be used in combination.
[0103]
The amount of photosensitive silver halide used is preferably 0.01 mol or more and 0.5 mol or less, more preferably 0.02 mol or more and 0.3 mol or less, and particularly preferably 0.03 mol or more and 0.25 mol or less with respect to 1 mol of the organic silver salt. preferable. Regarding the mixing method and mixing conditions of the separately prepared photosensitive silver halide and organic silver salt, the silver halide grains and organic silver salt that were prepared respectively were mixed with a high-speed stirrer, ball mill, sand mill, colloid mill, vibration mill, homogenizer. Etc., or a method of preparing an organic silver salt by mixing photosensitive silver halide that has been prepared at any timing during the preparation of the organic silver salt, etc., but the effect of the present invention is sufficient As long as it appears in, there is no particular limitation.
In the present invention, a sensitizing dye can be used. Any sensitizing dye may be used as long as it can spectrally sensitize the silver halide grains in a desired wavelength region when adsorbed on the silver halide grains. As the sensitizing dye, a cyanine dye, a merocyanine dye, a complex cyanine dye, a complex merocyanine dye, a hoholor cyanine dye, a styryl dye, a hemicyanine dye, an oxonol dye, a hemioxonol dye, or the like can be used. Useful sensitizing dyes used in the present invention are described in, for example, the references described or cited in RESEARCH DISCLOSURE Item 17643IV-A (December 1978 p.23), Item1831X (August 1979 p.437) Has been. In particular, a sensitizing dye having a spectral sensitivity suitable for the spectral characteristics of the light sources of various laser imagers, scanners, image setters and plate-making cameras can be advantageously selected.
[0104]
As an example of spectral sensitization to red light, a so-called red light source such as a He-Ne laser, a red semiconductor laser, or an LED is described in Japanese Patent Laid-Open No. 54-18726 as I-1 to I-38. Compounds of I-1 to I-35 described in JP-A-6-75322 and compounds of I-1 to I-34 described in JP-A-7-287338, JP-B-55-39818 The dyes 1 to 20, the compounds I-1 to I-37 described in JP-A-62-284343, the compounds I-1 to I-34 described in JP-A-7-287338, and the like. Is advantageously selected.
For semiconductor laser light sources in the 750-1400 nm wavelength range, a variety of known dyes including cyanine, merocyanine, styryl, hemicyanine, oxonol, hemioxonol and xanthene dyes can be spectrally sensitized. it can. Useful cyanine dyes are, for example, cyanine dyes having basic nuclei such as thiazoline nucleus, oxazoline nucleus, pyrroline nucleus, pyridine nucleus, oxazole nucleus, thiazole nucleus, selenazole nucleus and imidazole nucleus. Useful merocyanine dyes are preferably acidic nuclei such as thiohydantoin nucleus, rhodanine nucleus, oxazolidinedione nucleus, thiazolinedione nucleus, barbituric acid nucleus, thiazolinone nucleus, malononitrile nucleus and pyrazolone nucleus in addition to the basic nuclei described above. Including. Of the above-mentioned cyanine and merocyanine dyes, those having an imino group or a carboxyl group are particularly effective. For example, U.S. Pat.Nos. 3,761,279, 3,719,495, 3,877,943, British Patents 1,466,201, 1,469,117, 1,422,057, JP 3-10391, JP 6-52387, JP You may select suitably from well-known pigment | dyes as described in Kaihei 5-341432 gazette, 6-194781 gazette, and 6-301141 gazette.
[0105]
Particularly preferred as the structure of the dye used in the present invention is a cyanine dye having a thioether bond-containing substituent (for example, JP-A Nos. 62-58239, 3-138638, 3-138642, No. 4-255840, No. 5-72659, No. 5-72661, No. 6-2222491, No. 2-230506, No. 6-258757, No. 6-317868, 6-324425, JP-A-7-500926, U.S. Pat.No. 5,541,054), a dye having a carboxylic acid group (for example, JP-A-3-163440, 6-301141). No. 5, dyes described in US Pat. No. 5,441,899), merocyanine dyes, polynuclear merocyanine dyes and polynuclear cyanine dyes (Japanese Patent Laid-Open Nos. 47-6329, 49-105524, 51-127719) 52-80829, 54-61517, 59-214846, 60-6750, 63-159841, JP-A-6-35109, 6-59381 And JP-A-7-146537, JP-A-7-65537, JP-A-55-50111, British Patent 1,467,638, and US Pat. No. 5,281,515).
Further, as a dye forming J-band, the dye described in Example 5 of US Pat. Nos. 5,510,236 and 3,871,887, JP-A-2-96131, JP-A-59-48753 There are dyes disclosed in the above, and these dyes can be preferably used in the present invention.
[0106]
These sensitizing dyes may be used alone or in combination of two or more. A combination of sensitizing dyes is often used for the purpose of supersensitization. Along with the sensitizing dye, the emulsion itself may contain a dye having no spectral sensitizing action or a substance that does not substantially absorb visible light and exhibits supersensitization. Useful sensitizing dyes, combinations of dyes exhibiting supersensitization, and substances exhibiting supersensitization are listed in Research Disclosure 176, 17643 (issued in December 1978), page 23, Section J, or Japanese Patent Publication No. 49-25500. No. 43-4933, JP-A-59-19032, 59-192242 and the like.
In order to add sensitizing dyes to silver halide emulsions, they may be dispersed directly in the emulsion, or water, methanol, ethanol, propanol, acetone, methyl cellosolve, 2,2,3,3 -Solvent alone such as tetrafluoropropanol, 2,2,2-trifluoroethanol, 3-methoxy-1-propanol, 3-methoxy-1-butanol, 1-methoxy-2-propanol, N, N-dimethylformamide Alternatively, it may be dissolved in a mixed solvent and added to the emulsion.
[0107]
Further, as disclosed in US Pat. No. 3,469,987, etc., the dye is dissolved in a volatile organic solvent, this solution is dispersed in water or a hydrophilic colloid, and this dispersion is added to the emulsion. As disclosed in Japanese Patent Publication No. 44-23389, No. 44-27555, No. 57-22091, etc., the dye is dissolved in an acid, and this solution is added to the emulsion, Alternatively, a method of adding a base to the emulsion as an aqueous solution, as disclosed in US Pat. Nos. 3,822,135, 4,006,025, etc. to make an aqueous solution or a colloidal dispersion in the presence of a surfactant A method of adding a product to an emulsion, as disclosed in JP-A-53-102733 and 58-105141, a pigment is directly dispersed in a hydrophilic colloid, and the dispersion is added to the emulsion. As disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 51-74624, Dissolving a dye using a Doshifuto is causing compounds, and this solution can be used a method of adding to the emulsion. In addition, ultrasonic waves can be used for dissolution.
[0108]
The time when the sensitizing dye is added to the silver halide emulsion may be during any step of emulsion preparation that has been found to be useful. For example, U.S. Pat.Nos. 2,735,766, 3,628,960, 4,183,756, 4,225,666, JP-A-58-184142, 60-196749, etc. As described above, the silver halide grain formation step or / and the time before desalting, the time during the desalting step and / or after the desalting to the start of chemical ripening, JP-A-58-113920 As disclosed in the above specification, it may be added in the process immediately before or during chemical ripening, at any time during the process, after chemical ripening, and before coating until the emulsion is coated. Further, as disclosed in the specifications of U.S. Pat.No. 4,225,666, JP-A-58-7629, etc., the same compound alone or in combination with a compound of a different structure, for example, during the particle formation step It may be added separately during chemical ripening process or after completion of chemical ripening, or divided before or during chemical ripening or after completion of chemical ripening. Different types may be added.
[0109]
The amount of the sensitizing dye used in the present invention may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but it is 10 per mol of silver halide in the photosensitive layer.-6~ 1 mole is preferred, 10-Four~Ten-1Mole is more preferred.
The film surface pH of the heat-developable image recording material of the present invention before heat development is preferably 6 or less in terms of reducing fog during storage, particularly 5.5 or less, and more preferably 5.3 or less. . The lower limit is not particularly limited, but is about 3.
The film surface pH is preferably adjusted using an organic acid such as a phthalic acid derivative, a non-volatile acid such as sulfuric acid, or a volatile base such as ammonia from the viewpoint of reducing the film surface pH. In particular, ammonia is volatile and is preferable for achieving a low film surface pH because it can be removed before the coating process or heat development.
[0110]
When measuring the film surface pH of the heat-developable image recording material of the present invention, the heat-developable image recording material 2.5 cm × 2.5 cm before heat development is folded into a boat shape and 300 μl is formed on the image forming layer side. It is preferable to measure for 1 minute with pH BOY-P2 (manufactured by Shindengen Electric Co., Ltd., semiconductor type pH meter).
In the photosensitive layer of the heat-developable image recording material of the present invention, a polyhydric alcohol (for example, glycerin and diol of the type described in US Pat. No. 2,960,404), US Pat. In addition, fatty acids or esters described in U.S. Pat. No. 3,121,060, silicone resins described in British Patent No. 955,061, and the like can be used.
The image forming layer or the protective layer of the image forming layer in the present invention is as described in U.S. Pat.Nos. 3,253,921, 2,274,782, 2,527,583 and 2,956,879. Can be used in photographic elements containing various light absorbing materials and filter dyes. For example, a dye can be mordanted as described in US Pat. No. 3,282,699. The amount of filter dye used is preferably an absorbance at an exposure wavelength of 0.1 to 3, particularly preferably 0.2 to 1.5.
[0111]
Various dyes and pigments can be used for the photosensitive layer of the heat-developable image recording material of the present invention from the viewpoint of improving the color tone and preventing irradiation. Any dye and pigment may be used in the photosensitive layer of the heat-developable image recording material of the present invention, for example, there are pigments and dyes described in the color index, specifically pyrazoloazole dyes, anthraquinone dyes, azo dyes, Examples thereof include azomethine dyes, oxonol dyes, carbocyanine dyes, styryl dyes, triphenylmethane dyes, indoaniline dyes, indophenol dyes, organic pigments such as phthalocyanine, and inorganic pigments. Preferred dyes used in the present invention include anthraquinone dyes (for example, compounds 1 to 9 described in JP-A-5-341441, compounds 3-6 to 18 and 3-23 to 38 described in JP-A-5-165147). Azomethine dyes (such as compounds 17 to 47 described in JP-A-5-341441), indoaniline dyes (for example, compounds 11 to 19 described in JP-A-5-289227, JP-A-5-341441) Compound 47 described in JP-A-5-165147, and compounds 2-10 to 11 described in JP-A-5-165147) and azo dyes (compounds 10 to 16 described in JP-A-5-341441). As a method for adding these dyes, any method such as a solution, an emulsion, a solid fine particle dispersion, or a state mordanted in a polymer mordant may be used. The amount of these compounds used is determined by the desired amount of absorption, but generally 1 m21 × 10 per-6It is preferably used in the range of g to 1 g.
[0112]
The heat-developable image recording material of the present invention is a so-called single-sided photosensitive material having a photosensitive layer containing at least one silver halide emulsion on one side of a support and a back layer on the other side. Alternatively, it may be a so-called double-sided photosensitive material having a photosensitive layer containing at least one silver halide emulsion on both sides of the support.
In the present invention, the back layer preferably has a maximum absorption in a desired range of about 0.3 or more and 2.0 or less. When the desired range is 750 to 1400 nm, the optical density at 750 to 360 nm is preferably 0.005 or more and less than 0.5, more preferably an antihalation layer having an optical density of 0.001 or more and less than 0.3. preferable. When the desired range is 750 nm or less, the maximum absorption of the desired range before image formation is 0.3 or more and 2.0 or less, and further, the halation so that the optical density at 360 to 750 nm after image formation is 0.005 or more and less than 0.3. A prevention layer is preferred. The method for lowering the optical density after image formation to the above-mentioned range is not particularly limited. For example, as described in Belgian Patent No. 733,706, a method of reducing the density by a dye by decoloring by heating, And a method of reducing the density by decoloring by light irradiation described in Japanese Patent No. -17833.
[0113]
When the antihalation dye is used in the present invention, the dye has a desired absorption in a desired range, and has a sufficiently small absorption in the visible region after the treatment, so that any desired absorbance spectrum shape of the back layer can be obtained. It may be a compound. For example, the following is disclosed, but the present invention is not limited to this. Examples of the single dye include those disclosed in JP-A-59-56458, JP-A-2-216140, JP-A-7-13295, JP-A-71432, and US Pat. No. 5,380,635. No. 2-68539, page 13, lower left column, line 1 to page 14, left lower column, line 9; JP 3-24539, page 14, lower left column to page 16, lower right column, there is a compound described in the treatment As dyes to be decolored, JP-A-52-139136, 53-132334, 56-501480, 57-16060, 57-68831, 57-101835 59-182436, JP-A-7-36145, 7-199409, JP-B-48-33692, 50-16648, JP-B-2-41734, U.S. Pat.No. 4,088,497 No. 4,283,487, 4,548,896, and 5,187,049.
[0114]
A hardener may be used for each layer such as the photosensitive layer, protective layer, and back layer of the heat-developable image recording material of the present invention. Examples of hardeners include polyisocyanates described in U.S. Pat.No. 4,281,060, JP-A-6-208193, and epoxy compounds described in U.S. Pat.No. 4,791,042. Vinyl sulfone compounds described in JP-A-62-289048 and the like are used.
In the present invention, a surfactant may be used for the purpose of improving coating properties and charging. As an example of the surfactant, any nonionic, anionic, cationic, or fluorine-based one can be used as appropriate. Specifically, fluoropolymer surfactants described in JP-A-62-170950, US Pat. No. 5,380,644, etc., JP-A-60-244945, JP-A-63-188135 Fluorosurfactants described in U.S. Patent 3,885,965, etc., polysiloxane surfactants, polyalkylene oxides described in JP-A-6-301140, anionic surfactants, etc. It is done.
[0115]
The heat-developable image recording material of the present invention can be used, for example, as described in soluble salts (for example, chlorides, nitrates, etc.), vapor-deposited metal layers, U.S. Pat. Or a layer containing an insoluble inorganic salt as described in U.S. Pat.No. 3,428,451, tin oxide fine particles as described in JP-A-60-252349 and 57-104931, etc. May be.
As a method for obtaining a color image using the heat-developable image recording material of the present invention, there is a method described in JP-A-7-13295, page 10, left column, line 43 to 11, left column, line 40. Further, as stabilizers for color dye images, British Patent No. 1,326,889, U.S. Patent No. 3,432,300, No. 3,698,909, No. 3,574,627, No. 3,573,050, No. 3,764,337 And US Pat. No. 4,042,394.
Known in the heat-developable image recording material of the present invention are additional layers such as dye-receiving layers for receiving mobile dye images, opacifying layers when reflective printing is desired, protective topcoat layers and photothermographic techniques. A primer layer can be included. The image recording material of the present invention can preferably form an image with only one image recording material, and it is preferable that a functional layer necessary for image formation such as an image receiving layer does not become another image recording material.
[0116]
In the present invention, the exposure apparatus used for imagewise exposure has an exposure time of 10.-7Any apparatus that can perform exposure for less than a second may be used. In general, an exposure apparatus that uses a laser diode (LD) or a light emitting diode (LED) as a light source is preferably used. In particular, LD is more preferable in terms of high output and high resolution. Any of these light sources may be used as long as they can generate light having an electromagnetic spectrum in a target wavelength range. For example, in the case of LD, a dye laser, a gas laser, a solid laser, a semiconductor laser, or the like can be used.
The exposure is performed by overlapping the light beams of the light source, and the overlap means that the sub-scanning pitch width is smaller than the beam diameter. For example, the overlap can be quantitatively expressed by FWHM / sub-scanning pitch width (overlap coefficient) when the beam diameter is expressed by the half width (FWHM) of the beam intensity.
In the present invention, this overlap coefficient is preferably 0.2 or more.
The scanning method of the light source of the exposure apparatus used in the present invention is not particularly limited, and a cylindrical outer surface scanning method, a cylindrical inner surface scanning method, a planar scanning method, or the like can be used. The channel of the light source may be a single channel or a multi-channel, but in the case of a cylindrical outer surface system, a multi-channel is preferably used.
[0117]
The heat-developable image recording material of the present invention has a low haze upon exposure and tends to generate interference fringes. This interference fringe generation prevention technique is disclosed in Japanese Laid-Open Patent Publication No. 5-113548 or the like, in which a laser beam is incident obliquely on the photosensitive material, or in International Publication No. WO95 / 31754. There are known methods using multimode lasers, and these techniques are preferably used.
The heat development step of the image forming method of the heat-developable image recording material of the present invention may be developed by any method, but the image recording material exposed to imagewise is usually developed by raising the temperature. As a preferred embodiment of the heat developing machine to be used, Japanese Patent Publication No. 5-56499, Japanese Patent Publication No. 684453, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-292695, as a type in which the heat development image recording is brought into contact with a heat source such as a heat roller or a heat drum. The heat developing machine described in JP-A-9-297385 and International Publication No. WO95 / 30934, as a non-contact type, JP-A-7-13294, International Publication No. WO97 / 28489, 97/97 There are thermal developing machines described in 28488 and 97/28487. A particularly preferred embodiment is a non-contact type heat developing machine. The preferred development temperature is 80 to 250 ° C, more preferably 100 to 140 ° C. The development time is preferably 1 to 180 seconds, and more preferably 10 to 90 seconds.
As a method of preventing processing unevenness due to dimensional changes during heat development of the heat-developable image recording material of the present invention, after heating at a temperature of 80 ° C. or higher and lower than 115 ° C. for 5 seconds or longer, 110 ° C. or higher A method of forming an image by heat development at 140 ° C. or less (so-called multi-step heating method) is effective.
[0118]
FIG. 4 shows an example of the configuration of a heat developing machine used for the heat development processing of the heat developed image recording material of the present invention. FIG. 4 is a side view of the heat developing machine. The heat developing machine shown in FIG. 4 has a pair of carry-in rollers 51 (lower roller is a heat roller) that carries the heat-developable image recording material 50 into a heating unit while correcting and preheating the surface, and heat development after heat development after heat development. An unloading roller pair 52 for unloading the image recording material 50 from the heating unit while correcting the image recording material 50 to have a flat shape. The heat-developable image recording material 50 is thermally developed while being conveyed from the carry-in roller pair 51 to the carry-out roller pair 52. The conveying means for conveying the heat-developable image recording material 50 during the heat development is provided with a plurality of rollers 53 on the side where the surface having the image forming layer is in contact, and the non-woven fabric ( For example, a smooth surface 54 on which (for example, polyphenylene sulfite or Teflon) is bonded is provided. The heat-developable image recording material 50 is conveyed while the back surface slides on the smooth surface 54 by driving of a plurality of rollers 53 that come into contact with the surface having the image forming layer. As the heating means, a heater 55 is installed at the upper part of the roller 53 and the lower part of the smooth surface 54 so as to be heated from both sides of the heat-developable image recording material 50. In this case, a plate heater or the like is used as the heating means. The clearance between the roller 53 and the smooth surface 54 varies depending on the member of the smooth surface, but is appropriately adjusted to a clearance that allows the heat-developable image recording material 50 to be conveyed. Preferably it is 0-1 mm.
[0119]
The material of the surface of the roller 53 and the member of the smooth surface 54 may be anything as long as they have high temperature durability and do not interfere with the conveyance of the heat-developable image recording material 50. However, the material of the roller surface is silicon rubber, and the member of the smooth surface is A nonwoven fabric made of aromatic polyamide or Teflon (PTFE) is preferred. As the heating means, it is preferable to use a plurality of heaters and freely set the heating temperature.
Note that the preheating section upstream of the heat development processing section is lower than the heat development temperature (for example, about 10 to 30 ° C.) and has a temperature and time sufficient to evaporate the water content in the heat developed image recording material. It is desirable to set the temperature at a temperature higher than the glass transition temperature (Tg) of the support of the heat-developable image recording material 50 so that development unevenness does not occur.
[0120]
Further, a guide plate 56 is installed downstream of the heat development processing unit, and a slow cooling unit is further installed.
The guide plate is preferably made of a material having low thermal conductivity, and cooling is preferably performed gradually in order to prevent deformation of the heat-developable image recording material.
Although the description has been given according to the illustrated example, the present invention is not limited to this, and the heat developing machine used for carrying out the present invention may have various configurations, such as the one described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-13294. In the case of the multi-stage heating method preferably used in the present invention, in the apparatus as described above, two or more heat sources having different heating temperatures may be installed and heated continuously at different temperatures.
In a preferred embodiment of the present invention, an intermediate layer may be provided as necessary in addition to the image forming layer and the protective layer. However, for the purpose of improving productivity, these plural layers are simultaneously laminated in an aqueous system. Apply. The coating method includes extrusion coating, slide bead coating, curtain coating and the like, and the slide bead coating method disclosed in FIG. 1 in the specification of Japanese Patent Application No. 10-292849 is particularly preferable.
[0121]
In the case of a silver halide photographic light-sensitive material using gelatin as a main binder, it is rapidly cooled in the first drying zone provided downstream of the coating table, resulting in gelatin gelation, and the coating film is cooled and solidified. . The coating film that has been cooled and solidified and stopped flowing is guided to the subsequent second drying zone, and the solvent in the coating solution is volatilized in the subsequent drying zone to form a film. As a drying method after the second drying zone, an air loop method in which a jet is blown from a U-shaped duct to a roller-supported support, or a support is wound around a cylindrical duct in a spiral shape to carry and dry. A firewood method (air floating method) can be used.
In the coating liquid in which the main component of the binder is polymer latex, the flow of the coating liquid cannot be stopped by rapid cooling, and thus preliminary drying may be insufficient only in the first drying zone. In this case, in a drying method such as a silver halide photographic light-sensitive material, uneven flow and uneven drying occur, and a serious defect is likely to occur on the coated surface.
[0122]
The preferred drying method in the present invention is horizontal drying at least until the constant rate drying is completed regardless of the first drying zone and the second drying zone as described in Japanese Patent Application No. 10-292849. It is a method of drying in a zone. The transport of the support from immediately after coating to the horizontal drying zone may or may not be horizontal transport, and the rising angle of the coating machine with respect to the horizontal direction may be between 0 and 70 °. . The horizontal drying zone is not limited to horizontal transport as long as the support is transported within ± 15 ° up and down with respect to the horizontal direction of the coating machine.
The constant rate drying in the present specification means a drying process in which the amount of heat that flows in at a constant liquid film temperature is used for evaporation of the solvent. Decreasing drying means that at the end of drying, the drying rate decreases due to various factors (such as the internal diffusion of moisture in the material, rate of receding evaporation surface), and the applied heat is also used to increase the liquid film temperature. Means drying process. The critical moisture content that shifts from the constant rate process to the decreasing process is 200 to 300%. When the constant rate drying is completed, the drying proceeds sufficiently until the flow stops, so that a drying method such as a silver halide photographic light-sensitive material can also be adopted. It is preferable to dry in a horizontal drying zone to the drying point.
[0123]
The preferred drying conditions in the present invention are the minimum film forming temperature (MTF) of the polymer latex in which the drying condition when forming the image forming layer and / or protective layer is the liquid film surface temperature during constant rate drying is used. In general, the temperature is usually 25 ° C to 40 ° C more than the limit of the production equipment. Further, the dry bulb temperature at the rate of drying is preferably a temperature lower than Tg of the support to be used (normally 80 ° C. or less in the case of PET). In the present specification, the liquid film surface temperature means the solvent liquid film surface temperature of the coating liquid film applied to the support, and the dry bulb temperature means the temperature of the drying air in the drying zone.
When drying is performed under conditions where the liquid film surface temperature during constant rate drying is low, drying tends to be insufficient. For this reason, especially the film forming property of a protective layer falls remarkably, and it becomes easy to produce a crack on the film | membrane surface. In addition, the film strength is weakened, and serious problems such as being easily scratched during conveyance with an exposure machine or a heat development machine are likely to occur.
[0124]
On the other hand, when dried under the condition of a high liquid film surface temperature, the protective layer mainly composed of polymer latex forms a film quickly, while the lower layer such as the image forming layer does not stop fluidity. It becomes easy to generate unevenness. Further, when excessive heat higher than the glass transition temperature is applied to the support (base), the dimensional stability and curling resistance of the photosensitive material tend to deteriorate.
The same applies to sequential coating in which the lower layer is applied and dried, and then the upper layer is applied. In particular, as a coating liquid physical property for performing simultaneous multilayer coating in which the upper layer is applied before drying the lower layer and both layers are dried simultaneously. The pH difference between the coating solution for the image forming layer and the coating solution for the protective layer is preferably 2.5 or less, and the pH difference is preferably as small as possible. When the pH difference of the coating solution increases, microaggregation tends to occur at the coating solution interface, and a serious surface failure such as coating streaks tends to occur during long continuous coating.
The coating solution viscosity of the image forming layer is preferably 15 to 100 cp at 25 ° C., more preferably 30 to 70 cp. On the other hand, the coating liquid viscosity of the protective layer is preferably 5 to 75 cp at 25 ° C., more preferably 20 to 50 cp. These viscosities are measured with a B-type viscometer.
[0125]
The winding after drying is preferably performed under conditions of a temperature of 20 to 30 ° C. and a relative humidity of 45 ± 20%, and the winding shape can be selected from the outside or inside of the Em surface according to the subsequent processing form. In addition, it is preferable to control in the range of the packaging humidity of a sensitive material 20 to 55% (25 degreeC measurement).
In the present invention, the defoaming of the coating solution is degassed under reduced pressure before the coating solution is applied, and 1.5 kg / cm2A method in which ultrasonic vibration is applied while the liquid is continuously fed while maintaining the above-described pressurized state and without causing a gas-liquid interface is preferable. Specifically, the system described in JP-B-55-6405 (page 4, line 20 to page 7, line 11) is preferable. For example, as a device for performing such defoaming, there is one having the configuration shown in FIG. 3 in the embodiment of Japanese Patent Application No. 10-290003.
Conventionally used photographic emulsion coating solution, which is a viscous liquid containing silver halide and containing gelatin as a base, usually dissolves and disappears in the liquid just by feeding under pressure. Even if it is returned to, bubbles are hardly deposited.
However, in the case of a coating solution containing an organic silver salt used in the present embodiment and having thixotropic properties, defoaming is not sufficient with only pressurized liquid feeding, and while the liquid is fed in such a way that a gas-liquid interface does not occur. It is necessary to defoam by applying sonic vibration.
[0126]
1.5kg / cm as pressure condition2Or more, preferably 1.8 kg / cm2That's it. The upper limit is not particularly limited, but usually 5kg / cm2Degree. The sound pressure of the applied ultrasonic wave is 0.2 V or higher, preferably 0.5 V or higher and 3.0 V or lower. Generally, it is preferable that the sound pressure is high. Becomes hot and causes fogging. The frequency is not particularly limited, but is usually 10 kHz or higher, preferably 20 kHz to 200 kHz. Note that vacuum degassing means that the inside of the tank (usually a liquid preparation tank or storage tank) is hermetically depressurized, the bubble diameter in the coating liquid is increased, the buoyancy is increased, and degassing is performed. The pressure reducing condition is -200 mmHg or lower pressure condition, preferably -250 mmHg or lower pressure condition, and the lowest pressure condition is not particularly limited but is usually about -800 mmHg. The decompression time is 30 minutes or more, preferably 45 minutes or more, and the upper limit is not particularly limited.
The effects of the present invention will be described below with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
[0127]
【Example】
<Example 1>
<< Preparation of organic acid silver dispersion A >>
876 g of behenic acid (product name Edenor C22-85R) manufactured by Henkel, 4230 ml of distilled water, 492 ml of 5N-NaOH aqueous solution and 1200 ml of tert-butyl alcohol were mixed and stirred at 75 ° C. for 1 hour to obtain a sodium behenate solution. It was. Separately, 2062 ml of an aqueous solution (pH 4.0) containing 404 g of silver nitrate was prepared and kept at 10 ° C. A reaction vessel containing 6350 ml of distilled water and 300 ml of tert-butyl alcohol was kept at 30 ° C., and while stirring, the total amount of the previous sodium behenate solution and the total amount of the aqueous silver nitrate solution were kept constant at 62 minutes 10 seconds and 60 seconds, respectively. Added over minutes. At this time, only the silver nitrate aqueous solution was added for 7 minutes and 20 seconds after the start of the addition of the silver nitrate aqueous solution, and then the addition of the sodium behenate solution was started. After the addition of the silver nitrate aqueous solution, only the sodium behenate solution was added for 9 minutes and 30 seconds. To be added.
[0128]
At this time, the temperature in the reaction vessel was set to 30 ° C., and the liquid temperature was controlled so as not to rise. The pipe of the addition system of the sodium behenate solution was kept warm by steam tracing, and the amount of steam was controlled so that the liquid temperature at the outlet of the addition nozzle tip was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution and the addition position of the aqueous silver nitrate solution were arranged symmetrically around the stirring axis, and adjusted to a height that did not contact the reaction solution.
After completion of the addition of the sodium behenate solution, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, and the temperature was lowered to 25 ° C. Thereafter, the solid content was separated by suction filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of the filtrate reached 30 μS / cm. The solid content thus obtained was stored as a wet cake without drying.
When the morphology of the obtained silver behenate grains was evaluated by electron microscopic photography, it was a scaly crystal having an average projected area diameter of 0.52 μm, an average grain thickness of 0.14 μm, and an average sphere equivalent diameter variation coefficient of 15%.
[0129]
Next, a dispersion of silver behenate was prepared by the following method. 7.4 g of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217, average polymerization degree: about 1700) and water were added to the wet cake equivalent to 100 g of dry solid content, and the total amount was adjusted to 3850 g, and then pre-dispersed with a homomixer. . Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1750 kg / cm of a disperser (trade name: Microfluidizer M-110S-EH, manufactured by Microfluidics International Corporation, using a G10Z interaction chamber).2And was treated three times to obtain a silver behenate dispersion. The cooling operation was set to a desired dispersion temperature by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber and adjusting the temperature of the refrigerant.
The silver behenate particles contained in the silver behenate dispersion thus obtained were particles having a volume weighted average diameter of 0.52 μm, a coefficient of variation of 15%, and a viscosity of 18 mPa · s. Particle size # was measured with MasterSizerX manufactured by Malvern Instruments Ltd. When evaluated by electron microscope photography, the ratio of the long side to the short side was 1.5, the particle thickness was 0.14 μm, and the average aspect ratio (ratio of the equivalent circle diameter of the projected area of the particle to the particle thickness) was 5.1.
[0130]
<< Preparation of organic acid silver dispersion B >>
Dispersion B was prepared using a small crystallization equipment as shown in FIG. While stirring 876 g of behenic acid (product name Edenor C22-85R), 4,230 ml of distilled water and 1,200 ml of tert-butanol at 75 ° C. in tank 32, 492 ml of 5N NaOH aqueous solution was added over 5 minutes. The reaction was carried out for 60 minutes later to obtain a sodium behenate solution. Further, 2,062 ml of an aqueous solution (pH 4.0) of 404 g of silver nitrate was prepared in the tank 31 and kept at 10 ° C. While stirring the pipe mixer LR-I type manufactured by Mizuho Kogyo Co., Ltd. shown at 38 in FIG. 3 at 10,000 rpm, the above aqueous silver nitrate solution was added at a constant flow rate of 29 cc / min. Sodium acid solution was added at a constant flow rate of 98 cc / min and stocked in tank 40 via heat exchanger 39. However, the supply of cooling water to the heat exchanger was stopped, and when 10 ° C. cooling water was supplied to the jacket of the tank 40 at 20 L / min, the average temperature in the tank was 35 ° C. The mixture was allowed to stand with stirring for 20 minutes, and the temperature was lowered to 25 ° C. Thereafter, the solid content was separated by suction filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of the permeated water reached 30 μS / cm. The solid content thus obtained was stored as a wet cake without drying.
Thereafter, the organic acid silver dispersion B was obtained by dispersing in the same manner as the organic acid silver dispersion A.
[0131]
<< Preparation of organic acid silver dispersion C >>
Dispersion C was prepared using a small crystallization facility as shown in FIG. While stirring 876 g of behenic acid (product name Edenor C22-85R), 4,230 ml of distilled water and 1,200 ml of tert-butanol in a tank 32 at 75 ° C., 492 ml of 5N NaOH aqueous solution was added over 5 minutes. The reaction was carried out for 60 minutes later to obtain a sodium behenate solution. In addition, 2,062 ml of an aqueous solution (pH 4.0) of 404 g of silver nitrate in the tank 31 and 6,000 ml of pure water in the tank 41 were prepared and kept at 10 ° C. While stirring the Mizuho Kogyo Co., Ltd. pipeline mixer LR-I type shown at 38 in FIG. 3 at 10,000 rpm, the above silver nitrate aqueous solution was added at a constant flow rate of 29 cc / min and pure water at a constant flow rate of 98 cc / min. After 5 seconds, sodium behenate solution was then added at a constant flow rate of 98 cc / min and stocked in tank 40 via heat exchanger 39. However, the supply of cooling water to the heat exchanger was stopped, and when 10 ° C. cooling water was supplied to the jacket of the tank 40 at 20 L / min, the average temperature in the tank was 30 ° C. The mixture was left as it was with stirring for 20 minutes, and the temperature was lowered to 25 ° C. Thereafter, the solid content was separated by suction filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of the permeated water reached 30 μS / cm. The solid content thus obtained was stored as a wet cake without drying.
Thereafter, an organic acid silver dispersion C was obtained by dispersing in the same manner as the organic acid silver dispersion A.
[0132]
<< Preparation of organic acid silver dispersion D >>
Prepared in the same manner as Dispersion C above. However, 6,000 ml of 4 vol% tert-butanol aqueous solution was prepared in the tank 41 and added at a constant flow rate of 98 cc / min.
[0133]
<< Preparation of organic acid silver dispersion E >>
Dispersion E was prepared using a small crystallization facility as shown in FIG. While stirring 876 g of behenic acid (product name Edenor C22-85R), 4,230 ml of distilled water and 1,200 ml of tert-butanol at 75 ° C. in tank 12, 492 ml of 5N NaOH aqueous solution was added over 5 minutes. The reaction was carried out for 60 minutes later to obtain a sodium behenate solution. Further, 2,062 ml of an aqueous solution (pH 4.0) of 404 g of silver nitrate was prepared in the tank 11 and kept at 10 ° C. Further, 6,000 ml of pure water was measured in the tank 20 and circulated through the pump 17 at a flow rate of 1,000 cc / min. While stirring the pipe mixer LR-I type manufactured by Mizuho Kogyo Co., Ltd. shown at 18 in FIG. 2 at 10,000 rpm, the above aqueous silver nitrate solution was added at a constant flow rate of 29 cc / min. Sodium acid solution was added at a constant flow rate of 98 cc / min and stocked in tank 20 via heat exchanger 19. Here, when 10 ° C. cooling water was supplied to the heat exchanger and the jacket of the tank 20 at a rate of 20 L / min, the average temperature in the tank was 30 ° C. The mixture was allowed to stand with stirring for 20 minutes, and the temperature was lowered to 25 ° C. Thereafter, the solid content was separated by suction filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of the permeated water reached 30 μS / cm. The solid content thus obtained was stored as a wet cake without drying.
Thereafter, an organic acid silver dispersion E was obtained by dispersing in the same manner as the organic acid silver dispersion A.
[0134]
<< Preparation of organic acid silver dispersion F >>
Prepared in the same manner as Dispersion B above. However, when 5 ° C. cooling water was passed through the heat exchanger 39, the average temperature in the tank 40 was 30 ° C.
[0135]
<< Preparation of organic acid silver dispersion G >>
Prepared similarly to Dispersion E above. However, when 5 ° C. cooling water was passed through the heat exchanger 19, the average temperature in the tank 20 was 25 ° C.
Table 1 shows the preparation conditions of dispersions A to G thus obtained and the physical properties such as average particle diameter and viscosity.
[0136]
[Table 1]
Figure 0004060011
[0137]
<< Preparation of silver halide emulsion >>
(Emulsion A)
An aqueous solution containing 18.6 g of silver nitrate after dissolving 11 g of alkali-treated gelatin (calcium content of 2700 ppm or less), 30 mg of potassium bromide and 10 mg of sodium benzenethiosulfonate in 700 ml of water and adjusting the pH to 5.0 at 40 ° C. 159 ml and potassium bromide 1 mol / liter (NHFour)2RhClFive(H2O) 5 × 10-6Mol / liter and KThreeIrCl62 × 10-FiveAn aqueous solution containing mol / liter was added over 6 minutes 30 seconds by the control double jet method while maintaining pAg 7.7. Next, 476 ml of an aqueous solution containing 55.5 g of silver nitrate, 1 mol / liter of potassium bromide and KThreeIrCl62 × 10-FiveA halogen salt aqueous solution containing mol / liter was added over 28 minutes and 30 seconds by a control double jet method while maintaining pAg of 7.7. Thereafter, the pH is lowered and coagulated and settled for desalting, 0.17 g of compound A, 51.1 g of low molecular weight gelatin (calcium content of 20 ppm or less) with an average molecular weight of 15,000 is added, pH 5.9, pAg 8.0 Prepared. The obtained particles were cubic particles having an average particle size of 0.08 μm, a projected area variation coefficient of 9%, and a (100) plane ratio of 90%.
The silver halide grains thus obtained were heated to 60 ° C. and 76 μmol of sodium benzenethiosulfonate per 1 mol of silver was added, and after 3 minutes, 71 μmol of triethylthiourea was added and ripened for 100 minutes. 5-6 of hydroxy-6-methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene-FourAfter adding mol, the temperature was lowered to 40 ° C.
After that, keep the temperature at 40 ℃, 4.7 × 10 per mol of silver halide-2Mole KBr, 12.8 × 10-FourMole of the following sensitizing dye A, 6.4 × 10-3Molar compound B was added with stirring, and after 20 minutes, it was rapidly cooled to 30 ° C. to complete the preparation of silver halide emulsion A.
[0138]
[Chemical 8]
Figure 0004060011
[0139]
<< 1,1-bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -3,5,5-trimethylhexane: Preparation of reducing agent solid fine particle dispersion >>
25 g of 20% aqueous solution of MP-203 MP polymer produced by Kuraray Co., Ltd. per 25 g of 1,1-bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -3,5,5-trimethylhexane 0.1 g of Safinol 104E manufactured by Chemical Co., Ltd., 2 g of methanol and 48 ml of water were added and stirred well, and left as a slurry for 3 hours. Thereafter, 360 g of 1 mm zirconia beads were prepared, put into a vessel together with the slurry, and dispersed for 3 hours with a disperser (1 / 4G sand grinder mill: manufactured by IMEX Co., Ltd.) to prepare a reducing agent solid fine particle dispersion. . As for the particle diameter, 80% by weight of the particles were 0.3 μm or more and 1.0 μm or less.
[0140]
<< Preparation of solid fine particle dispersion of polyhalogen compound >>
Add 30g of polyhalogen compound-A, 4g of MP-203, Kuraray Co., Ltd. MP polymer, 0.25g of compound C and 66g of water and stir well, then prepare 200g of 0.5mm zirconia silicate beads. The slurry was placed in a vessel together with a slurry (1 / 16G sand grinder mill: manufactured by Imex Co., Ltd.) for 5 hours to prepare a solid fine particle dispersion. As for the particle diameter, 80% by weight of the particles were 0.3 μm or more and 1.0 μm or less.
For polyhalogen compound-B, a solid fine particle dispersion was prepared in the same manner as polyhalogen compound-A, and the particle diameter was the same.
[0141]
<Preparation of solid fine particle dispersion of nucleating agent>
For 10 g of the nucleating agent shown in Table 2 (the chemical structure of the nucleating agent 62 is as described above, the chemical structure of the nucleating agent A is as follows), polyvinyl alcohol (Kuraray PVA-217) ) 2.5g and 87.5g of water were added and stirred well and left as a slurry for 3 hours. Thereafter, 240 g of 0.5 mm zirconia beads were prepared, put into a vessel together with the slurry, and dispersed for 10 hours with a disperser (1 / 4G sand grinder mill: manufactured by IMEX Co., Ltd.) to prepare a solid fine particle dispersion. . Regarding the particle size, 80% by weight of the particles were 0.1 μm or more and 1.0 μm or less, and the average particle size was 0.5 μm.
[0142]
<< Preparation of Solid Fine Particle Dispersion of Compound Z >>
To 30 g of Compound Z, 3 g of MP polymer MP-203 made by Kuraray Co., Ltd. and 87 ml of water were added and stirred well, and left as a slurry for 3 hours. Thereafter, a solid fine particle dispersion of Compound Z was prepared in the same manner as the preparation of the reducing agent solid fine particle dispersion. As for the particle diameter, 80 wt% of the particles were 0.3 μm or more and 1.0 μm or less.
[0143]
<Preparation of emulsion layer coating solution>
The following binder, raw material, and silver halide emulsion A were added to 1 mole of silver of the organic acid silver dispersions A to G prepared above, and water was added to prepare an emulsion layer coating solution (use Table 2 shows the types of organic acid silver dispersions obtained). After completion, vacuum degassing was performed at -350 mmHg for 60 minutes. The coating solution had a pH of 7.7 and a viscosity of 45 cp at 25 ° C.
[0144]
Figure 0004060011
[0145]
[Chemical 9]
Figure 0004060011
[0146]
<Preparation of emulsion surface lower layer protective layer coating solution>
Polymer latex solution of methyl methacrylate / styrene / 2-ethylhexyl acrylate / 2-hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid = 58.9 / 8.6 / 25.4 / 5.1 / 2 (wt%) (copolymer with glass transition temperature 46 ° C. (calculated value) (21.5% as the solid content concentration, 15% of the compound D as a film-forming aid to the polymer latex, and the glass transition temperature of the coating solution was 24 ° C.)2O, 1.62 g of compound E, 1.98 g of matting agent (polystyrene particles, average particle size 7 μm) and 29.4 g of polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., PVA-235) are added, and H2O was added to prepare a coating solution. (Compound A as a preservative is 75 ppm in the coating solution (1.0 mg / m as the coating amount)2), Each containing 2 wt% methanol solvent)
After completion, vacuum degassing was performed at -400 mmHg for 60 minutes. The coating solution had a pH of 5.5 and a viscosity of 45 cp at 25 ° C.
[0147]
<Preparation of emulsion layer upper protective layer coating solution>
Polymer latex solution of methyl methacrylate / styrene / 2-ethylhexyl acrylate / 2-hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid = 58.9 / 8.6 / 25.4 / 5.1 / 2 (wt%) (copolymer with glass transition temperature 46 ° C. (calculated value) (21.5% as the solid content concentration, 15% of Compound D as the film-forming aid to the polymer latex, and the glass transition temperature of the coating solution was 24 ° C.)2O, Carnava wax (manufactured by Chukyo Yushi Co., Ltd., Cellosol 524) 30 wt% solution 6.30 g, Compound C 0.23 g, Compound F 7.95 g, Compound G 0.93 g, Compound H 1.8 g, Matting agent (Polystyrene particles, average particle size 7 μm) 1.18 g and polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., PVA-235) 12.1 g were added, and H2O was added to prepare a coating solution. (Compound A as preservative is 70ppm (2.6mg / m as coating amount)2), Each containing 1.5 wt% methanol solvent)
After completion, vacuum degassing was performed at -400 mmHg for 60 minutes. The pH of the coating solution was 2.8, and the viscosity was 30 cp at 25 ° C.
[0148]
Embedded image
Figure 0004060011
[0149]
<< Preparation of PET support with back / undercoat layer >>
(1) Preparation of support
Using terephthalic acid and ethylene glycol, polyethylene terephthalate having IV = 0.66 (measured at 25 ° C. in phenol / tetrachloroethane = 6/4 (weight ratio)) was obtained according to a conventional method. This is pelletized, dried at 130 ° C for 4 hours, melted at 300 ° C, extruded from a T-die, and then rapidly cooled to create an unstretched film with a thickness of 120 µm after heat setting. did.
This was stretched 3.3 times in the longitudinal direction using rolls having different peripheral speeds, and then stretched 4.5 times in the tenter. The temperatures at this time were 110 ° C. and 130 ° C., respectively. Thereafter, the film was heat-fixed at 240 ° C. for 20 seconds and relaxed by 4% in the lateral direction at the same temperature. After this, after slitting the chuck part of the tenter, knurled both ends, 4.8kg / cm2I rolled it up. In this way, a roll having a width of 2.4 m, a length of 3500 m, and a thickness of 120 μm was obtained.
[0150]
(2) Creation of undercoat layer and back layer
(1) Undercoat first layer
A coating solution having the following composition is 6.2 cc / m2Then, it was coated on a support so as to be dried at 125 ° C. for 30 seconds, 150 ° C. for 30 seconds and 185 ° C. for 30 seconds.
[0151]
Latex-A 280g
KOH 0.5g
Polystyrene fine particles (average particle size: 2μm) 0.03g
Cyanuric chloride 1.8g
Amount of distilled water totaling 1000g
[0152]
(2) Undercoat second layer
A coating solution having the following composition is 5.5 cc / m2It was applied on the first undercoat layer so that it was as follows, and dried at 125 ° C for 30 seconds, 150 ° C for 30 seconds, and 170 ° C for 30 seconds.
[0153]
Gelatin 10g
Acetic acid (20% aqueous solution) 10g
Compound-Bc-A 0.04g
Methylcellulose (2% aqueous solution) 25g
Polyethyleneoxy compound 0.3g
Amount of distilled water totaling 1000g
[0154]
(3) Back first layer
13.8cc / m of coating solution with the composition shown below2It was applied to the surface of the support opposite to the undercoat layer on which the corona discharge treatment was applied, and dried at 125 ° C. for 30 seconds, 150 ° C. for 30 seconds, and 185 ° C. for 30 seconds.
[0155]
Jurimar ET410 (30%) 23g
Gelatin 5.28g
Compound-Bc-A 0.02g
Dye-Bc-A 0.88g
Polyoxyethylene phenyl ether 1.7g
Sumitex Resin M-3 (8% aqueous solution) 15g
(Water-soluble melamine compound, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.)
FS-10D (Sb-doped SnO2 aqueous dispersion, manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd.) 24g
Polystyrene fine particles (average particle size: 2μm) 0.03g
Amount of distilled water totaling 1000g
[0156]
(4) Back second layer
A coating solution having the following composition is 5.5 cc / m2It was coated on the back first layer so as to be, and dried at 125 ° C. for 30 seconds, 150 ° C. for 30 seconds, and 170 ° C. for 30 seconds.
[0157]
Jurimar ET410 (30%) 57.5g
Polyoxyethylene phenyl ether 1.7g
Sumitex Resin M-3 (8% aqueous solution) 15g
(Water-soluble melamine compound, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.)
Cerozol 524 (30% aqueous solution, manufactured by Chukyo Yushi Co., Ltd.) 6.6g
Amount of distilled water totaling 1000g
[0158]
(5) Back third layer
6.2cc / m of the same coating solution as the undercoat first layer2It was coated on the back second layer so as to be dried at 125 ° C. for 30 seconds, 150 ° C. for 30 seconds, and 185 ° C. for 30 seconds.
[0159]
(6) Back fourth layer
13.8cc / m of coating solution with the composition shown below2It was coated on the back third layer so as to be dried at 125 ° C. for 30 seconds, 150 ° C. for 30 seconds, and 170 ° C. for 30 seconds.
[0160]
Latex-B 286g
Compound-Bc-B 1.5g
Compound-Bc-C 0.6g
Compound-Bc-D 0.5g
Sumitex Resin M-3 (8% aqueous solution) 195g
(Water-soluble melamine compound, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.)
Polymethylmethacrylate (10% aqueous dispersion, average particle size 5μm) 7.7g
Amount of distilled water totaling 1000g
[0161]
Embedded image
Figure 0004060011
[0162]
latex -A
Core-shell type latex with 90% by weight core and 10% by weight shell
Core part Vinylidene chloride / methyl acrylate / methyl methacrylate / acrylonitrile / acrylic acid = 93/3/3 / 0.9 / 0.1 (% by weight)
Shell part Vinylidene chloride / methyl acrylate / methyl methacrylate / acrylonitrile / acrylic acid = 88/3/3/3/3 (% by weight) Weight average molecular weight 38000
latex -B
Methyl methacrylate / styrene / 2-ethylhexyl acrylate / 2-hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid = 59/9/26/5/1 (wt% copolymer)
[0163]
(7) Transfer heat treatment
(7-1) Heat treatment
The PET support with the back / undercoat layer thus prepared was placed in a heat treatment zone having a total length of 200 m set at 160 ° C., and a tension of 2 kg / cm.2, And conveyed at a conveyance speed of 20 m / min.
(7-2) Post heat treatment
Subsequent to the above heat treatment, it was passed through a zone at 40 ° C. for 15 seconds, followed by heat treatment, and wound up. Winding tension at this time is 10kg / cm2Met.
[0164]
<< Preparation of photothermographic material >>
The slide beat application method disclosed in FIG. 1 of the specification of Japanese Patent Application No. 10-292849 is applied on the undercoat layer of the PET support on the side where the undercoat first layer and the undercoat second layer are applied. Using the above emulsion layer coating solution, the coating silver amount is 1.5 g / m.2It applied so that it might become. Furthermore, the emulsion surface lower layer protective layer coating solution is coated with a polymer latex solid content of 1.31 g / m.2Simultaneously with the emulsion coating solution, it was coated in multiple layers. Thereafter, the emulsion layer upper layer protective layer coating solution is coated thereon with a polymer latex solids coating amount of 3.02 g / m.2Then, a photothermographic material (sample) was prepared.
Drying at the time of coating is performed in the horizontal drying zone (in the horizontal direction of the coating machine) in the range of the constant-rate process and the decreasing process in the range of dry bulb temperature of 70 to 75 ° C, dew point of 8 to 25 ° C, and liquid film surface temperature of 35 to 40 ° C. The support was carried out at an angle of 1.5 ° to 3 °. Winding after drying was performed under the conditions of a temperature of 25 ± 5 ° C. and a relative humidity of 45 ± 10%, and the winding shape was selected so that the Em surface was outside according to the subsequent processing mode (Em surface outer winding). The packaging material humidity of the photosensitive material was 20 to 40% (measured at 25 ° C.).
The obtained photothermographic material had a film surface pH of 5.0 on the image forming side and a Bekk smoothness of 850 seconds, an opposite film surface pH of 5.9 and a Bekk smoothness of 560 seconds.
The sample used for this evaluation (both photographic performance and surface shape) was applied as a compulsory condition after the emulsion layer coating solution was applied after 6 hours at 25 ° C. after degassing under reduced pressure.
[0165]
<Evaluation of photographic performance>
(Exposure processing)
Using the photothermographic material obtained, a single channel cylindrical inner surface type laser exposure device equipped with a semiconductor laser with a beam diameter (FWHM of 1/2 of the beam intensity) 12.56 μm, laser output 50 mW, output wavelength 783 nm, Adjust the exposure time by changing the number of rotations of the mirror, adjust the exposure amount by changing the output value, 2 × 10-8Exposed in seconds. The overlap coefficient at this time was 0.449.
(Heat development)
Use the heat developing machine shown in Fig. 4 for the exposed heat-developable photosensitive material. The surface of the roller in the heat-development processing section is made of silicon rubber, and the smooth surface is made of Teflon non-woven fabric. A heat development treatment was performed at 120 ° C. for 20 seconds. The temperature accuracy in the width direction was ± 1 ° C.
(Evaluation of photographic performance)
The obtained image was evaluated with a Macbeth TD904 densitometer (visible density). The measurement results were evaluated by Dmin and Dmax.
[0166]
<Evaluation of coated surface>
The surface of the sample was visually observed, and the coated surface state (surface quality) was classified into the following ranks. Among these, those practically acceptable are those of ranks A and B.
Rank A: Excellent surface condition.
Rank B: Although the surface shape of the central part is good, there are disturbances at both ends of the application part.
C rank: There are some surface faults (coating streaks, generation of aggregates, cracks, drying unevenness, etc.) on the entire surface.
D rank: There are significant planar failures (coating streaks, generation of aggregates, cracks, uneven drying, etc.) over the entire surface.
[0167]
Table 2 shows the results of the above evaluation for each photothermographic material.
[0168]
[Table 2]
Figure 0004060011
[0169]
The heat-developable image recording material of the present invention has a low Dmin and a good surface shape. The Dmax is higher when the compound represented by the general formulas (1) to (3) (nucleating agent 62) preferably used in the present invention is used as the nucleating agent than the formylhydrazine compound (nucleating agent A). . Organic acid silver dispersions C to E prepared by adding the third component at low temperature, and organic acid silver dispersions F and G supplied with 10 ° C. cold water to the heat exchanger to further lower the temperature immediately after the reaction solution. Can reduce the average particle size, and the photosensitive material using these dispersions is particularly excellent in surface shape.
On the other hand, the organic acid silver dispersion A prepared by the conventional production method has a slightly larger average particle size and polydispersion than the organic acid silver dispersion used in the present invention, and therefore uses these organic acid silver dispersions. The photosensitive material used was inferior to the photosensitive material of the present invention in both surface and Dmin.
From the above, the effects of the present invention are clear.
[0170]
<Example 2>
(PET support creation)
Using terephthalic acid and ethylene glycol, PET having an intrinsic viscosity of IV = 0.66 (measured in phenol / tetrachloroethane = 6/4 (weight ratio) at 25 ° C.) was obtained according to a conventional method. This was pelletized, dried at 130 ° C. for 4 hours, melted at 300 ° C., extruded from a T-shaped table, and rapidly cooled to prepare an unstretched film having a thickness of 175 μm after heat setting.
This was longitudinally stretched 3.3 times using rolls with different peripheral speeds and then stretched 4.5 times with a tenter. The temperatures at this time were 110 ° C. and 130 ° C., respectively. Thereafter, the film was heat-fixed at 240 ° C. for 20 seconds and relaxed by 4% in the lateral direction at the same temperature. After slitting the chuck part of the tenter, knurling is performed on both ends, and 4kg / cm2And a roll having a thickness of 175 μm was obtained.
[0171]
(Surface corona treatment)
Using a solid state corona treatment machine 6KVA model manufactured by Pillar, both surfaces of the support were treated at room temperature at 20 m / min. From the current and voltage readings at this time, the support is 0.375 kV · A · min / m2It was found that the process was done. The treatment frequency at this time was 9.6 kHz, and the gap clearance between the electrode and the dielectric roll was 1.6 mm.
[0172]
(Creation of undercoat support)
(1) Preparation of undercoat layer coating solution
Formula (1) (for photosensitive layer side undercoat layer)
Takamatsu Oil & Fats Co., Ltd. Pes Resin A-515GB (30wt% solution) 234g
Polyethylene glycol monononyl phenyl ether
(Average number of ethylene oxide = 8.5) 10wt% solution 21.5g
MP-1000 (polymer fine particles, average particle size 0.4μm) 0.91g by Soken Chemical Co., Ltd.
Distilled water 744ml
Formula (2) (for back layer 1st layer)
158g butadiene-styrene copolymer latex
(Solid content 40wt%, Butadiene / styrene weight ratio = 32/68)
2,4-dichloro-6-hydroxy-S-
Triazine sodium salt 8wt% aqueous solution 20g
10% 1wt% aqueous solution of sodium laurylbenzenesulfonate
Distilled water 854ml
Formula (3) (for back side second layer)
SnO2/ SbO (9/1 weight ratio, average particle size 0.038μm, 17wt% dispersion) 84g
Gelatin (10% aqueous solution) 89.2g
Metroise TC-5 (2% aqueous solution) manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.8.6g
MP-1000 (Polymer fine particles) manufactured by Soken Chemical Co., Ltd.0.01g
10ml of 1wt% aqueous solution of sodium dodecylbenzenesulfonate
NaOH (1%) 6ml
Proxel (made by ICI) 1ml
805ml of distilled water
[0173]
(Preparation of undercoat support)
After both surfaces of the biaxially stretched polyethylene terephthalate support having a thickness of 175 μm are subjected to the corona discharge treatment, the undercoat coating liquid formulation (1) is applied to one surface (photosensitive layer surface) with a wire bar and the wet coating amount is 6.6 ml. / m2(Per side) and dry at 180 ° C. for 5 minutes, then apply the undercoat coating liquid formulation (2) on the back side (back side) with a wire bar at a wet coating amount of 5.7 ml / m2And then dried at 180 ° C. for 5 minutes, and then the undercoat coating liquid formulation (3) is applied to the back surface (back surface) with a wire bar at a wet coating amount of 7.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 6 minutes to prepare an undercoat support.
[0174]
(Preparation of back surface coating solution)
(Preparation of solid fine particle dispersion (a) of base precursor)
64 g of the base precursor compound I, 28 g of diphenylsulfone and 10 g of the surfactant Demol N made by Kao Corporation are mixed with 220 ml of distilled water, and the mixture is a sand mill (1/4 Gallon Sand Grinder Mill, manufactured by IMEX Co., Ltd.) To obtain a solid fine particle dispersion (a) of a base precursor compound having an average particle size of 0.2 μm.
[0175]
(Preparation of dye solid fine particle dispersion)
9.6 g of cyanine dye compound J and 5.8 g of sodium P-dodecylbenzenesulfonate are mixed with 305 ml of distilled water, and the mixture is bead-dispersed using a sand mill (1/4 Gallon sand grinder mill, manufactured by IMEX Co., Ltd.). Thus, a dye solid fine particle dispersion having an average particle size of 0.2 μm was obtained.
[0176]
(Preparation of antihalation layer coating solution)
Gelatin 17 g, polyacrylamide 9.6 g, solid fine particle dispersion (a) 70 g of the above base precursor, 56 g of the dye solid fine particle dispersion 1.5 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 6.5 μm), benzoisothiazolinone 0.03 g, An antihalation layer coating solution was prepared by mixing 2.2 g of sodium polyethylene sulfonate, 0.2 g of blue dye compound K, and 844 ml of water.
[0177]
(Preparation of back surface protective layer coating solution)
Keep container at 40 ° C, gelatin 50g, polystyrene sodium sulfonate 0.2g, N, N-ethylenebis (vinyl sulfonate acetamide) 2.4g, t-octylphenoxyethoxyethane sodium sulfonate 1g, benzoisothiazolinone 30mg, N -37 mg of perfluorooctylsulfonyl-N-propylalanine potassium salt, polyethylene glycol mono (N-perfluorooctylsulfonyl-N-propyl-2-aminoethyl) ether [ethylene oxide average polymerization degree 15] 0.15 g, C8F17SOThreeK 32mg, C8F17SO2N (CThreeH7) (CH2CH2O)Four(CH2)Four-SOThreeNa 64mg, acrylic acid / ethyl acrylate copolymer (copolymerization weight ratio 5/95) 8.8g, aerosol OT (American Cyanamid Co., Ltd.) 0.6g, liquid paraffin emulsion as liquid paraffin 1.8g, water 950 ml was mixed to prepare a back surface protective layer coating solution.
[0178]
<< Preparation of silver halide emulsion 1 >>
Add 8.0cc of 1wt% potassium bromide solution to 1421cc of distilled water, and further add 8.2cc of 1N nitric acid and 20g of phthalated gelatin. Keeping solution A prepared by adding distilled water to 37.04 g of silver nitrate and diluting to 159 cc, and preparing solution B by diluting 32.6 g of potassium bromide to 200 cc with distilled water, while maintaining pAg at 8.1 by the control double jet method The whole amount of solution A was added at a constant flow rate over 1 minute. Solution B was added by the controlled double jet method. Thereafter, 30 cc of a 3.5 wt% aqueous hydrogen peroxide solution was added, and 36 cc of a 3 wt% aqueous solution of benzimidazole was further added. Then, solution A2 again diluted with distilled water to 317.5 cc, and finally solution B was 1 × 10 per mole of silver-FourDissolve tripotassium hexachloroiridate to a molar ratio and use a solution B2 diluted with distilled water to 400 cc, which is twice the volume of solution B. While maintaining, the whole amount of Solution A2 was added over 10 minutes at a constant flow rate. Solution B2 was added by the controlled double jet method. Thereafter, 50 cc of a 0.5 wt% methanol solution of 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole was added, and the pH was adjusted to 3.8 with 1N sulfuric acid after further increasing the pAg to 7.5 with silver nitrate, stirring was stopped, and precipitation / A desalting / washing step was performed, 3.5 g of deionized gelatin was added, and 1N sodium hydroxide was added to adjust to pH 6.0, pAg 8.2 to prepare a silver halide dispersion.
Grains in the resulting silver halide emulsion were pure silver bromide grains having an average sphere equivalent diameter of 0.053 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 18%. The particle size and the like were determined from an average of 1000 particles using an electron microscope. The [100] face ratio of the particles was determined to be 85% using the Kubelka-Munk method.
[0179]
While maintaining the above emulsion at 38 ° C. with stirring, 0.035 g of benzoisothiazolinone (added with 3.5 wt% methanol solution) was added, and after 40 minutes, a solid dispersion of spectral sensitizing dye B (gelatin aqueous solution) was added to silver 1 5 x 10 per mole-3After 1 minute, the temperature was raised to 47 ° C., and after 20 minutes, sodium benzenethiosulfonate was added 3 × 10-Five2 minutes later, tellurium sensitizer A was added at 5 x 10 per mole of silver.-FiveMole was added and aged for 90 minutes. At the end of ripening, 5 cc of 0.5 wt% methanol solution of N, N'-dihydroxy-N "-diethylmelamine was added, the temperature was lowered to 31 ° C, 5 cc of 3.5 wt% methanol solution of phenoxyethanol, 5-methyl-2- 7 x 10 mercaptoben ヅ imidazole per mole of silver-3Mole and 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole is 6.4 × 10 4 per mole of silver.-3Mole was added to make silver halide emulsion 1.
[0180]
<< Preparation of silver halide emulsion 2 >>
In the preparation of silver halide emulsion 1, pure silver bromide cubic grains with an average equivalent sphere diameter of 0.08μm and a variation coefficient of 15% of the equivalent sphere diameter were the same except that the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 37 ° C to 50 ° C. An emulsion was prepared. Precipitation / desalting / washing / dispersion was carried out in the same manner as silver halide emulsion 1. Furthermore, the addition amount of spectral sensitizing dye B is 4.5 × 10 5 per mol of silver.-3Spectral sensitizing dye, chemical sensitizer, 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4 -Triazole was added to obtain a silver halide emulsion 2.
[0181]
<< Preparation of silver halide emulsion 3 >>
In the preparation of silver halide emulsion 1, pure silver bromide cubic grains having an average equivalent sphere diameter of 0.038 μm and a variation coefficient of 20% of the equivalent sphere diameter were the same except that the liquid temperature at the time of grain formation was changed from 37 ° C. to 27 ° C. An emulsion was prepared. Precipitation / desalting / washing / dispersion was carried out in the same manner as silver halide emulsion 1. Furthermore, the addition amount of spectral sensitizing dye B is 6 × 10 6 per mol of silver.-3Spectral sensitizing dye, chemical sensitizer, 5-methyl-2-mercaptobenzimidazole, 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4 -Triazole was added to obtain a silver halide emulsion 3.
[0182]
<< Preparation of mixed emulsion B for coating solution >>
70% by weight of silver halide emulsion 1, 15% by weight of silver halide emulsion 2 and 15% by weight of silver halide emulsion 3 are dissolved, and 7x per mole of silver in a 1% by weight aqueous solution of benzothiazolium iodide. Ten-3Mole was added.
[0183]
<Preparation of 25 wt% dispersion of reducing agent>
10kg of 1,1-bis (2-hydroxy-3,5-dimethylphenyl) -3,5,5-trimethylhexane and 10kg of 20wt% aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203), 16kg of water Was added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 3 hours 30 minutes in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0.2 g and water were added to prepare a reducing agent concentration of 25 wt% to obtain a reducing agent dispersion. The reducing agent particles contained in the reducing agent dispersion thus obtained had a median diameter of 0.42 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained reducing agent dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0184]
<Preparation of 10 wt% dispersion of mercapto compound>
Add 8.3 kg of water to 5 kg of 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole and 5 kg of 20 wt% aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd. Poval MP203). Mix to make a slurry. This slurry is fed with a diaphragm pump and dispersed in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm for 6 hours, and then water is added to increase the concentration of the mercapto compound. The mercapto dispersion was obtained by adjusting to 10 wt%. The mercapto compound particles contained in the mercapto compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.40 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained mercapto compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored. Further, it was filtered again with a polypropylene filter having a pore diameter of 10 μm immediately before use.
[0185]
<< Preparation of Organic Polyhalogen Compound 20wt% Dispersion-1 >>
Add 5 kg of tribromomethylnaphthyl sulfone, 2.5 kg of 20 wt% aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd. Poval MP203), 213 g of 20 wt% aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate and 10 kg of water and mix well. To make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. Then, 0.2 g of benzoisothiazolinone sodium salt Water was added so that the concentration of the organic polyhalogen compound was 20 wt%, and an organic polyhalogen compound dispersion was obtained. The organic polyhalogen compound particles contained in the polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.36 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0186]
<< Preparation of 25 wt% dispersion-2 of organic polyhalogen compound >>
Similar to 20 wt% dispersion-1 of organic polyhalogen compound, except that 5 kg of tribromomethyl (4- (2,4,6-trimethylphenylsulfonyl) phenyl) sulfone is used instead of 5 kg of tribromomethylnaphthylsulfone, Dispersed, diluted so that the organic polyhalogen compound was 25 wt%, and filtered. The organic polyhalogen compound particles contained in the organic polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.38 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0187]
<< Preparation of 30 wt% dispersion-3 of organic polyhalogen compound >>
Similar to 20 wt% dispersion-1 of organic polyhalogen compound, except that 5 kg of tribromomethylphenylsulfone is used instead of 5 kg of tribromomethylnaphthylsulfone, and 5 kg of 20 wt% MP203 aqueous solution is dispersed. The compound was diluted to 30 wt% and filtered. The organic polyhalogen compound particles contained in the organic polyhalogen compound dispersion thus obtained had a median diameter of 0.41 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored. Moreover, after storage, it was stored at 10 ° C. or lower until use.
[0188]
<< Preparation of 10wt% methanol solution of phthalazine compound >>
10 g of 6-isopropylphthalazine was dissolved in 90 g of methanol and used.
[0189]
<< Preparation of 20wt% dispersion of pigment >>
C.I. Pigment Blue 60 (64 g) and Kao Corp. demole N (6.4 g) were added to 250 g of water and mixed well to form a slurry. 800 g of zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm were prepared and placed in a vessel together with the slurry, and dispersed for 25 hours with a disperser (1/4 G sand grinder mill: manufactured by IMEX Co., Ltd.) to obtain a pigment dispersion. The pigment particles contained in the pigment dispersion thus obtained had an average particle size of 0.21 μm.
[0190]
<< Preparation of SBR Latex 40wt% >>
The ultrafiltration (UF) purified SBR latex was obtained as follows.
The following SBR latex diluted 10-fold with distilled water is diluted with UF-Purification Module FS03-FC-FUY03A1 (Daisen Membrane System Co., Ltd.) until the ionic conductivity is 1.5 mS / cm. After purification, Sandet-BL made by Sanyo Chemical Co., Ltd. was added to 0.22 wt%. Further NaOH and NHFourNa with OH+Ion: NHFour +It added so that it might become ion = 1: 2.3 (molar ratio), and it adjusted to pH8.4. The latex concentration at this time was 40 wt%.
(SBR latex: Latex of -St (68) -Bu (29) -AA (3)-)
(St: Styrene, Bu: Butadiene, AA: Acrylic acid)
Average particle size 0.1μm, concentration 45%, equilibrium moisture content 0.6wt% at 25 ° C 60% RH, ion conductivity 4.2mS / cm (measurement of ion conductivity is conductivity meter CM-30S manufactured by Toa Radio Industry Co., Ltd. Use latex stock solution (40%) measured at 25 ° C), pH 8.2
[0191]
<< Preparation of emulsion layer (photosensitive layer) coating solution >>
1.1 g of the 20 wt% aqueous dispersion of the pigment obtained above, 103 g of organic acid silver dispersions A to G similar to those in Example 1 (the types used are shown in Table 3), polyvinyl alcohol PVA-205 (Kuraray ( 5 g of 20 wt% aqueous solution, 25 g of the above 25 wt% reducing agent dispersion, 5: 1: 3 (weight ratio) of organic polyhalogen compound dispersion 1, -2, -3, mercapto compound Add 106 g of 10% dispersion, 106 g of 40 wt% SBR latex that has been purified by ultrafiltration (UF) and adjusted pH, 16 ml of 10 wt% methanol solution of phthalazine compound, and mix 10 g of silver halide mixed emulsion B well. Prepare the emulsion layer coating solution and transfer it directly to the coating table at 70 ml / m.2Then, the solution was fed and applied.
The viscosity of the emulsion layer coating solution was 85 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
The viscosity of the coating solution at 25 ° C using the RFS fluid spectrometer manufactured by Rheometrics Far East Co., Ltd. is 1500, 220, 70, 40 at shear rates of 0.1, 1, 10, 100, and 1000 [1 / second], respectively. 20 [mPa · s].
[0192]
<Preparation of emulsion surface intermediate layer coating solution>
772 g of 10 wt% aqueous solution of polyvinyl alcohol PVA-205 (manufactured by Kuraray Co., Ltd.), 5.3 g of 20 wt% dispersion of pigment, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymer weight ratio 64) / 9/20/5/2) 27.5 wt% solution of latex 27.5 wt% solution 2 ml of aerosol OT (American Cyanamid), 10.5 ml of 20 wt% solution of diammonium phthalate salt, total amount 880 g Add water to make the intermediate layer coating solution, 10ml / m2Then, the solution was fed to the coating table.
The viscosity of the coating solution was 21 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0193]
<< Preparation of emulsion surface protective layer first layer coating solution >>
64 g of inert gelatin dissolved in water, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 64/9/20/5/2) latex 27.5 wt% solution 80 g, phthalic acid 64 ml of 10 wt% methanol solution, 74 ml of 10 wt% aqueous solution of 4-methylphthalic acid, 28 ml of 1N sulfuric acid, 5 ml of 5 wt% aqueous solution of Aerosol OT (American Cyanamid), 0.5 g of phenoxyethanol, benzoisothiazolinone Add 0.1 g, add water to a total amount of 750 g to make a coating solution, and mix 26 ml of 4 wt% chromium alum with a static mixer just before coating 18.6 ml / m2Then, the solution was fed to the coating table.
The viscosity of the coating solution was 17 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0194]
<< Preparation of emulsion surface protective layer second layer coating solution >>
Inert gelatin 80g dissolved in water, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 64/9/20/5/2) latex 27.5wt% solution 102g, N- 3.2 ml of 5 wt% solution of perfluorooctylsulfonyl-N-propylalanine potassium salt, 2 wt of polyethylene glycol mono (N-perfluorooctylsulfonyl-N-propyl-2-aminoethyl) ether [ethylene oxide average polymerization degree = 15] 32 ml of aqueous solution, 23 ml of 5 wt% solution of aerosol OT (American Cyanamid), 4 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 0.7 μm), 21 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 6.4 μm), 4 -Add 1.6 g of methylphthalic acid, 8.1 g of phthalic acid, 44 ml of 1N sulfuric acid, 10 mg of benzoisothiazolinone and add water so that the total amount is 650 g, and then add 4wt% chromium. A mixture in I and 0.67Wt% of the static mixer the aqueous solution 445ml immediately before coating containing phthalic acid and a surface protective layer coating solution, 8.3 ml / m2Then, the solution was fed to the coating table.
The viscosity of the coating solution was 9 [mPa · s] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) with a B-type viscometer.
[0195]
<Creation of heat-developable image recording material>
On the back surface side of the undercoat support, the antihalation layer coating solution has a solid content of solid particulate dye of 0.04 g / m.2In addition, the coating amount of the back surface protective layer is 1.7 g / m.2Then, simultaneous multilayer coating was applied and dried to prepare an antihalation back layer.
Emulsion layer from the undercoat surface to the surface opposite to the back surface (silver halide coating silver amount 0.14 g / m2), An intermediate layer, a protective layer first layer, and a protective layer second layer were simultaneously applied in the order of a slide bead coating method to prepare a photothermographic material sample.
In addition, the sample used for this evaluation (both photographic performance and surface shape) was used after applying the emulsion layer coating solution at 25 ° C. for 6 hours as a compulsory condition.
The application is performed at a speed of 160 m / min, the distance between the coating stand tip and the support is adjusted to 0.14 to 0.28 mm, and the application width is adjusted to be 0.5 mm wider on the left and right with respect to the discharge slit width of the application liquid, The pressure in the decompression chamber was set to 392 Pa lower than the atmospheric pressure. At that time, handling and temperature / humidity were controlled so that the support was not charged, and the charge was removed with an ion wind just before coating. In the subsequent chilling zone, air with a dry bulb temperature of 18 ° C and a wet bulb temperature of 12 ° C was blown for 30 seconds to cool the coating solution, and then the dry bulb temperature was changed in the suspension-type floating drying zone. Blow dry air at 30 ° C and wet bulb temperature of 18 ° C for 200 seconds, pass through 70 ° C drying zone for 20 seconds, pass through 90 ° C drying zone for 10 seconds, then cool to 25 ° C and apply The solvent in the liquid was volatilized. The average wind speed of the wind sprayed on the coating liquid film surface in the chilling zone and the drying zone was 7 m / sec.
[0196]
Embedded image
Figure 0004060011
[0197]
<Evaluation of photographic performance>
After exposing the heat-developable image recording material with a laser sensitometer (details below), the image-recording material is processed at 118 ° C for 5 seconds, then at 122 ° C for 16 seconds (heat development), and the resulting image is evaluated. Macbeth TD904 densitometer (visible density) was used. The measurement results were evaluated by Dmin and Dmax.
Figure 0004060011
[0198]
<Evaluation of coated surface>
In the same manner as in Example 1, the surface of the sample was visually observed and classified into ranks.
Table 3 shows the results of the above evaluation for each heat-developable image recording material.
[0199]
[Table 3]
Figure 0004060011
[0200]
As in Example 1, it was confirmed that the heat-developable image recording material of the present invention had a low Dmin and a good surface shape.
[0201]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, it is possible to provide a heat-developable image recording material which can be applied in an aqueous system advantageous in terms of environment and cost, has a good coating surface quality, low fog, and a high blackening density. became.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a method for preparing a non-photosensitive organic silver salt used in the present invention.
FIG. 2 is a schematic view showing one structural example of an apparatus used for preparing the non-photosensitive organic silver salt used in the present invention.
FIG. 3 is a schematic view showing one structural example of an apparatus used for preparing a non-photosensitive organic silver salt used in the present invention.
FIG. 4 is a side view showing a configuration of a heat developing machine used in Examples.
[Explanation of symbols]
1 closed mixer
2 Heat exchanger
A Additive component 1
B Additive component 2
C Additive component 3
D Product liquid (before heat exchange)
E Product liquid (after heat exchange)
11 Additive component 1 tank
12 Additive component 2 tank
13 Flowmeter for additive component 1
14 Flowmeter for additive component 2
15 Pump for additive component 1
16 Additive component 2 pump
17 Pump for circulating product liquid
18 Closed mixer
19 Heat exchanger
20 Tank for product liquid
31 Tank for additive component 1
32 Tank for additive component 2
33 Flowmeter for additive component 1
34 Flowmeter for additive component 2
35 Pump for additive component 1
36 Pump for additive 2
37 Pump for additive 3
38 closed mixer
39 Heat exchanger
40 Tank for product liquid
41 Tank for additive 3
42 Flowmeter for additive component 2
50 Heat development image recording material
51 Carrying roller pair
52 Unloading roller pair
53 rollers
54 Smooth surface
55 Heating heater
56 Guide plate

Claims (1)

水、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする銀イオン含有溶液と、水、有機溶剤、または水と有機溶剤との混合物を溶媒とする脂肪酸アルカリ金属塩の溶液とを、密閉かつ液体で充満された混合装置にて混合して反応させることにより非感光性有機銀塩粒子を調製し、得られた非感光性有機銀塩粒子と還元剤とバインダーを含む画像形成層塗布液を支持体上に塗布することを特徴とする熱現像画像記録材料の製造方法。A solution containing a silver ion containing water or a mixture of water and an organic solvent as a solvent and a solution of a fatty acid alkali metal salt containing water, an organic solvent, or a mixture of water and an organic solvent as a solvent are sealed and liquid. A non-photosensitive organic silver salt particle is prepared by mixing and reacting in a filled mixing device, and the obtained image-forming layer coating solution containing the non-photosensitive organic silver salt particle, a reducing agent and a binder is supported. A method for producing a heat-developable image recording material, which is coated on the surface.
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