JP4059144B2 - ワイヤハーネス用プロテクタ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス用プロテクタに関し、詳しくは、屈曲しているプロテクタ本体の上面開口を閉鎖する蓋を複数に分割しているプロテクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5(A)に示すように、自動車に配索するワイヤハーネスを挿通するプロテクタ1は、樋形状のプロテクタ本体2とプロテクタ本体2に薄肉ヒンジを介して一体成形している蓋3とからなる。 プロテクタ本体2が屈曲部2bを備えている場合、蓋3は屈曲部2bを挟んで分割されている。
上記のように、蓋3を分割している場合、5(B)に示すように、プロテクタ本体2にワイヤハーネスW/Hを挿通後、分割した蓋3を個別にプロテクタ本体2の側壁外面に設けたロック枠2aと蓋3に設けたロック片3aとをロック結合している(特開平11−234844号参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−234844号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように蓋が分割されたプロテクタの場合、複数の蓋3をプロテクタ本体2に係止するため、ロック箇所が多くなり、作業性が悪くなる。
また、分割した各蓋3の両側にロック片3aを設ける必要があり、対応してプロテクタ本体2側にもロック枠2aを設けなければならず、プロテクタ本体2および蓋3ともロック部を多数設けなければならず、構造が複雑化する。
さらに、プロテクタ1の設置部の近傍に干渉材があり、プロテクタ1の所要箇所にロック構造を設けることができない場合もある。この場合には、自動車の振動等により蓋3がプロテクタ本体2から外れ、プロテクタ本体2の上面開口が開き、プロテクタ1がワイヤハーネスW/Hの保護材としての役割を果たさなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、プロテクタの蓋が分割されて複数個となっている場合において、該蓋の端部にロックを設けなくてもプロテクタ本体の開口を閉鎖できる構造とすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、底壁部と側壁部とからなる樋形状のプロテクタ本体と該プロテクタ本体の上面開口を閉鎖する蓋とを薄肉ヒンジを介して一体成形しており、上記プロテクタ本体内に自動車に配索するワイヤハーネスを挿通した後に上記蓋を閉じるプロテクタにおいて、
上記プロテクタ本体は水平方向に屈曲する屈曲部を備え、上記蓋が上記プロテクタ本体の屈曲部において第1蓋部と第2蓋部とに長さ方向で分割され、これら第1蓋部と第2蓋部は同一側の上記側壁部の上端に上記薄肉ヒンジを介して一体成形しており、該第1蓋部の内面から第2蓋部側へ舌片部を突出させて、上記第1蓋部と第2蓋部により上記プロテクタ本体の上面開口を閉鎖したときに上記第2蓋部の内面が上記第1蓋部から突出する舌片部の上面に面接触して、上記第2蓋部が上記第1蓋部の舌片部を押さえて、上記第1蓋部と第2蓋部が同一平面となり、上記第1蓋部が浮き上がらない構成とし、かつ、
上記第1蓋部には、上記舌片部を設けている側の端部にはロック部を設けず、他端側にロック部を設けていることを特徴とするワイヤハーネス用プロテクタを提供している。
【0007】
上記第1蓋部には、上記舌片を設けている端部側にはロック部を設けず、舌片部を設けていない他端側の端部にロック部を設けている。
なお、第1蓋部が短尺で、上記舌片が第2蓋部により確実に閉鎖位置に保持される場合には、第1蓋部にロック部を設けなくてもよい。
【0008】
上記構成とすると、第1蓋部と第2蓋部によりプロテクタ本体の上面開口を閉鎖したときに、第2蓋部が上記第1蓋部から突出する舌片部をプロテクタ本体側に押さえて、第1蓋部が浮き上がらない構成としているので、第1蓋部の所要箇所にロック構造を設けなくてもプロテクタ本体から外れることがなく、プロテクタ本体の上面開口を閉鎖することができる。
【0009】
また、上記第1蓋部と第2蓋部とを上記プロテクタ本体の同一の側壁部の上端部に薄肉ヒンジを介して設けて、上記第2蓋部を上記薄肉ヒンジを支点として上記プロテクタ本体側に回動して上記プロテクタ本体の上面開口を閉鎖すると、該第2蓋部が第1蓋部に突設する舌片部に当接し、上記第2蓋部の回動と共に上記第1蓋部も回動され、上記第1蓋部と第2蓋部とで上記プロテクタ本体の上面開口を閉鎖する。これにより、第2蓋部のプロテクタ本体へのロック結合作業と同時に第1蓋部もプロテクタ本体側に回動されてプロテクタ本体の上面開口を閉鎖するので、上記ロック結合作業の作業性を向上することができる。
【0010】
上記舌片部は上記第1蓋部の内面から上記第2蓋部側に突出して、上記第1蓋部と第2蓋部の閉鎖時に上記舌片部の上面が上記第2蓋部の内面に面接触して、第1蓋部と第2蓋部が同一平面となる。
上記構成とすると、第2蓋部の内面と第1蓋部から突設する舌片の上面が面接触した状態で、上記舌片をプロテクタ本体側に押さえているので、第1蓋部により安定した状態でプロテクタ本体の上面開口を閉鎖することができる。また、第1蓋部と第2蓋部に段差が生じていると、外部の干渉材が段差部に当接するなどして蓋部が開いてしまうおそれがあるが、第1蓋部と第2蓋部が同一平面を形成しているので、蓋部が開いてしまうおそれがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は本発明の実施形態を示し、プロテクタ10はプロテクタ本体11と該プロテクタ本体11に薄肉ヒンジ13を介して一体成形している蓋12とからなる。
【0012】
上記プロテクタ本体11は、底壁部11aと側壁部11b、11cからなる樋形状であり、プロテクタ本体11の長さ方向の略中央位置で水平方向に屈曲する屈曲部11eを備えている。またプロテクタ本体11の側壁部11b、11cの外面にロック枠11dを突設している。
【0013】
また、プロテクタ本体11の側壁部11cの上端には、薄肉ヒンジ13を介してプロテクタ本体11の上面開口を閉鎖する蓋12を一体成形している。該蓋12は、プロテクタ本体11の屈曲部11eの端部位置で第1蓋部12Aと第2蓋部12Bに分割している。第1蓋部12Aの内面には、第2蓋部12B側に向けて舌片12bを突設すると共に、該第1蓋部12Aと第2蓋部12Bには、プロテクタ本体11に設けたロック枠11dに対向する位置にロック片12aを突設し、該ロック片12aの先端にプロテクタ本体11のロック枠11dに係止するロック爪12a−1を設けている。
【0014】
図2乃至図4は、プロテクタ本体11と蓋12とのロック結合過程を示す。
プロテクタ本体11内にワイヤハーネス(図示せず)を挿通した後、プロテクタ本体11に薄肉ヒンジ13を介して一体成形している第2蓋部12Bを上記薄肉ヒンジ13を支点としてプロテクタ本体11側に回動させる。その際、第2蓋部12Bが第1蓋部12Aの舌片12bに当接し、続けて第2蓋部12Bをプロテクタ本体11側に回動していくと、第2蓋部12Bと共に第1蓋部12Aもプロテクタ本体11側に回動され、第1蓋部12A及び第2蓋部12Bのロック爪12a−1がプロテクタ本体11のロック枠11dに係止されて、プロテクタ本体11とロック結合される。このとき、図3及び図4に示すように、第2蓋部12Bの内面が第1蓋部12Aの舌片1bの上面に面接触してプロテクタ本体11側に押さえ、第1蓋部12Aと第2蓋部12Bは同一平面を形成している。
【0015】
上記構成とすると、第1蓋部12Aと第2蓋部12Bによりプロテクタ本体11の上面開口を閉鎖したときに、第2蓋部12Bが上記第1蓋部12Aから突出する舌片部12bをプロテクタ本体11側に押さえて、第1蓋部12Aが浮き上がらないようにしているので、第1蓋部12Aの第2蓋部12B側端部にロック構造を設けなくてもプロテクタ本体11から外れることがなく、プロテクタ本体11の上面開口を閉鎖することができる。
【0016】
また、第2蓋部12Bのプロテクタ本体11へのロック結合作業と同時に第1蓋部12Aもプロテクタ本体11側に回動されてプロテクタ本体11の上面開口を閉鎖するので、上記ロック結合作業の作業性を向上することができる。
【0017】
なお、プロテクタ本体と蓋部とのロック結合の際、第1蓋部を先にプロテクタ本体にロック結合してから第2蓋部とプロテクタ本体とをロック結合してもよい。
また、舌片を設けた第1蓋部が短尺の場合、ロック構造を設けない構成としてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、分割された第1蓋部と第2蓋部によりプロテクタ本体の上面開口を閉鎖したときに、第2蓋部が第1蓋部から突出する舌片部をプロテクタ本体側に押さえて、第1蓋部が浮き上がらないようにしているので、第1蓋部の第2蓋部側端部にロック構造を設けない、もしくは第1蓋部にロック構造を1つも設けない構成としてもプロテクタ本体から外れることがなく、プロテクタ本体の上面開口を閉鎖することができる。
【0019】
また、第2蓋部のプロテクタ本体へロック結合する際に、第2蓋部を第1蓋部の舌片に当接し、第1蓋部も同時にプロテクタ本体側に回動させてプロテクタ本体の上面開口を閉鎖することができるので、上記ロック結合作業の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプロテクタを示す斜視図である。
【図2】 プロテクタ本体と蓋部とのロック結合過程を示す図面である。
【図3】 プロテクタ本体と蓋部とをロック結合した状態を示す図面である。
【図4】 プロテクタ本体と蓋部とをロック結合した状態を示す断面図である。
【図5】 (A)(B)は従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 プロテクタ
11 プロテクタ本体
12A 第1蓋部
12B 第2蓋部
12b 舌片部
13 薄肉ヒンジ
Claims (1)
- 底壁部と側壁部とからなる樋形状のプロテクタ本体と該プロテクタ本体の上面開口を閉鎖する蓋とを薄肉ヒンジを介して一体成形しており、上記プロテクタ本体内に自動車に配索するワイヤハーネスを挿通した後に上記蓋を閉じるプロテクタにおいて、
上記プロテクタ本体は水平方向に屈曲する屈曲部を備え、上記蓋が上記プロテクタ本体の屈曲部において第1蓋部と第2蓋部とに長さ方向で分割され、これら第1蓋部と第2蓋部は同一側の上記側壁部の上端に上記薄肉ヒンジを介して一体成形しており、該第1蓋部の内面から第2蓋部側へ舌片部を突出させて、上記第1蓋部と第2蓋部により上記プロテクタ本体の上面開口を閉鎖したときに上記第2蓋部の内面が上記第1蓋部から突出する舌片部の上面に面接触して、上記第2蓋部が上記第1蓋部の舌片部を押さえて、上記第1蓋部と第2蓋部が同一平面となり、上記第1蓋部が浮き上がらない構成とし、かつ、
上記第1蓋部には、上記舌片部を設けている側の端部にはロック部を設けず、他端側にロック部を設けていることを特徴とするワイヤハーネス用プロテクタ。
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