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JP4058919B2 - Non-contact IC label, non-contact IC card, non-contact IC label or IC module for non-contact IC card - Google Patents

Non-contact IC label, non-contact IC card, non-contact IC label or IC module for non-contact IC card Download PDF

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JP4058919B2
JP4058919B2 JP2001202671A JP2001202671A JP4058919B2 JP 4058919 B2 JP4058919 B2 JP 4058919B2 JP 2001202671 A JP2001202671 A JP 2001202671A JP 2001202671 A JP2001202671 A JP 2001202671A JP 4058919 B2 JP4058919 B2 JP 4058919B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は非接触で情報のやりとりを行う情報記録媒体に関り、特に、非接触式ICラベル、非接触式ICカード、非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICチップを内蔵し、外部情報記録再生装置(以下「リーダ/ライタ」という)を介して情報のやりとりを行う形式の情報記録媒体が考案されている。この情報記録媒体はその形状に応じてICラベル、ICカード、ICタグ等(以下、「ICラベル等」という)と呼ばれる。非接触式のICラベル等はリーダ/ライタから発せられる電磁波によりICラベル等に内蔵された共振回路中に電流が流れ、ICチップに対し情報の書き込み及び読み込みを行う。電磁波を用いることによってリーダ/ライタとICラベル等は互いを接触させることなく情報をやりとりできる。従ってバーコードのようにわざわざ情報記録媒体を読みとり装置に接触させることなく簡易な情報のやりとりが可能であり、接触不良による情報の読み出しの失敗といった不都合も生じない。また、ICラベル等はリーダ/ライタから発せられる電磁波により電流が流れることからICラベル等に電源を必要としないという利点を有する。さらに、ICチップは情報の更新が容易であり、かつ大容量であるため磁気テープなどと比較して大量の情報を記録できる。さらにICチップに書き込まれた情報は目視等では確認できないため、専用のリーダ/ライタを介さない限り情報の内容を隠蔽できる。また、ICチップ並びに共振回路は小型化する事が可能であることからICラベル等を薄くて軽いものとすることが可能である。この媒体を用いて例えばIDカード、会員カード、あるいは、定期券、通行券イベント整理券等あるいは、配送タグや識別タグ等として使用することが提案されている。又、ICラベルを本に貼付することで例えば書店や図書館において、在庫の管理を容易に行うことができる。又、将来的には商品にICチップを内蔵した情報記録媒体を貼付し、電子マネーと合わせて用いることで、リーダ/ライタを内蔵するゲートを購買者が商品を持って通過するだけで商品の決済を行うシステムが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
非接触式ICラベル等は搭載された共振回路内に流れる電流値を大きくするために、従来は単体のICラベル等に内蔵された共振回路の共振周波数とリーダ/ライタから発せられる電磁波の発振周波数とが一致するように設計していた。しかし、元来ICラベルは単体の状態でなく本や店頭に並べられた商品等に貼付した状態で用いられることが想定されている。また、ICカードも通常は財布の中や洋服の内ポケットに収納された状態で使用されることが想定されている。このような使用態様の場合、ICラベル等とリーダ/ライタとの通信可能距離がICラベル単体の場合と比較して短くなる。これは商品等にICラベルが貼付された場合にその商品等が誘電体として機能するため、ICラベルに含まれる回路の動作時の共振周波数fopがICラベル単体のときの共振周波数f0からずれてしまうからである。ICカードを財布の中等に収納した場合は財布等が誘電体として機能するために動作時の共振周波数fopがずれる。動作時の共振周波数fopがずれるという欠点を解消するために、ICラベルを商品から剥離したりICカードを取り出してリーダ/ライタと情報のやりとりを行うとするとICラベル等の利点を十分に生かすことができない。
【0004】
また、ICラベルを貼付した商品等を積層した場合にも、複数のICラベルが存在することから互いに電気的に結合し、前述の誘電体の存在とあわせてICラベルの動作時の共振周波数fopはICラベル単体の時と比較して大きくずれるという欠点が生ずる。この場合も通信可能距離がICラベル単体と比較して非常に短くなる。
【0005】
ICラベル等は、特開平6−243358号公報(以下「先行技術1」とする)、特開平11−134460号公報(以下「先行技術2」とする)に開示されている。しかし、先行技術1はIDタグについての基本的な構造を開示しているものの、現実の使用における最大通信可能距離の低下という問題点の認識はない。先行技術2は汎用性のあるICラベルについて開示しているものの、基本的なICラベルの構造は先行技術1記載のものと同様であり、共振周波数の設定についての言及はない。それどころかICラベルを商品等に貼付した際やその商品等を積層した際に、ICラベルに含まれる共振回路の動作時の共振周波数fopが具体的にどれだけ変化するかについての検討すらなされていないのが現状である。
【0006】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、誘電体の存在にも関わらず最大通信可能距離が低下しない非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュールを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、物体に貼付しても最大通信可能距離が低下しない非接触式ICラベルを提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、複数の物体に貼付された複数のICラベルについて、それぞれを識別して情報のやりとりを行うことが可能な距離を低下させない非接触式ICラベルを提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、誘電体内に収納された場合でも最大通信可能距離が低下しない非接触式ICカードを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、回路基材と、回路基材上に配置された半導体メモリーと、回路基材上において半導体メモリーに電気的に接続された共振回路とを有し、共振回路の自由空間に対する共振周波数が、半導体メモリーに情報の記録及び再生を行う外部情報記録再生装置の発振周波数よりも高周波側にずれるように設定されているICモジュールである点である。ここで、「共振回路」はコンデンサとインダクタ(コイル)とからなるLC共振回路を用いることが可能である。コンデンサは半導体メモリーと同一のICチップに内蔵してもよく、ICチップの外部の回路素子として実装しても良い。又、「自由空間」とは、比誘電率εrがεr=1を満たす空間のことで、具体的には領域内に誘電体の存在しない空間、即ち真空を指す。また、「外部情報記録再生装置」とはICモジュールに対して電磁波を発振することにより半導体メモリーやICチップ等に記録された情報の内容を読み出し若しくは新たな情報の書き込みを行う装置である。
【0011】
本発明の第1の特徴において、単体のICモジュールに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数を外部情報記録再生装置の発振周波数よりも高周波側にずれるように設定することにより、動作時にICモジュールの周囲に存在する誘電体の影響による共振周波数のずれを効果的にうち消すことができる。誘電体の存在により動作時の共振周波数は周波数が小さくなる方向にずれるため、あらかじめICモジュールの共振回路の自由空間に対する共振周波数を高く設定しておくことにより、誘電体が周囲に存在して動作時の共振周波数が低下しても外部情報記録再生装置の発振周波数との差を低く抑えることが可能となる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、回路基材と、回路基材上に配置されたコンデンサを内蔵したICチップと、回路基材上においてICチップに電気的に接続されたアンテナコイルとを具備し、コンデンサとアンテナコイルからなるLC共振回路の自由空間に対する共振周波数が、ICチップに情報の記録及び再生を行う外部情報記録再生装置の発振周波数よりも高周波側にずれるように設定されているICモジュールである点である。
【0013】
本発明の第2の特徴において、本発明の第1の特徴と同様にICモジュールの使用において誘電体が周囲に存在して動作時の共振周波数が低下しても外部情報記録再生装置の発振周波数との差を低く抑えることが可能となる。また、コンデンサを内蔵したICチップを用いることにより半導体メモリーと別に回路基材上にコンデンサを配置する必要がなくICモジュールを小型化する事が可能となる。又、コンデンサがICチップに内蔵されることでボンディングなどにより接続する部分が少なくてすむため断線などの危険も少なくすることができる。
【0014】
また、本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係るICモジュールと、ICモジュール上に積層した接着層と、接着層の上に積層した表皮層と、ICモジュールを構成する回路基材の下面に積層した粘着層と、粘着層の下面に積層した剥離層とを具備するICラベルであることを要旨とする。
【0015】
一般に、ICラベルは物体に貼付して使用することが前提となっていることから、ICラベルに含まれる共振回路に対する誘電体の影響が必然的に生ずる。従って本発明の第3の特徴に係るICラベルのように単体の共振周波数を外部情報記録再生装置の発振周波数よりもあらかじめ高く設定しておくことが有効である。誘電体の影響によりICラベルに含まれる回路の動作時の共振周波数が低くなっても、あらかじめICラベル単体の共振周波数を高い値に設定していたことから外部情報記録再生装置の発振周波数との差を低く抑えることができる。従って本発明の第3の特徴に係るICラベルは誘電体に貼付したICラベルの通信距離を、単体のICラベルと遜色無いレベルに維持することができる。また、ICラベルを付した誘電体は、単独ではなく複数をまとめて外部情報記録再生装置によって情報のやりとりを行う場合も多い。この場合はICラベル単体の共振周波数に比べ、動作時のICラベルの共振周波数はさらに小さくなる。従ってICラベル単体の共振周波数を外部情報記録再生装置の発する電磁波の発振周波数よりも高く設定しておくことが有効である。
【0016】
なお、ICラベルに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数は、発振周波数の2%〜8%または8%〜12%の範囲の周波数シフト量だけ高周波側にずれていることが望ましい。かかる範囲内でICラベルに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数を高めると、より効果的に誘電体の影響による動作時の共振周波数のずれをうち消すことができるためである。
【0017】
また、本発明の第4の特徴は、本発明の第2の特徴に係るICモジュールと、ICモジュール上に積層した第1接着剤シートと、第1接着剤シート上に積層した第1オーバーシートと、ICモジュールを構成する回路基材の下面に積層した第2接着剤シートと、第2接着剤シートの下面に積層した第2オーバーシートとを具備することを特徴とするICカードであることを要旨とする。
【0018】
ICカードは通常何かに収納された状態で使用される。従ってICカードの周囲には誘電体が存在することとなり本発明の第1、第2及び第3の特徴の場合と同じように、単体の時と比べICカードを実際に使用する際には共振回路の動作時の共振周波数が低くなる。従って本発明の第4の特徴のようにあらかじめICカードに含まれる共振回路の共振周波数を高く設定しておくことにより、通信可能距離の低下を抑えるのである。
【0019】
なお、ICカードに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数は、発振周波数の2%〜2%〜8%または8%〜12%の範囲の周波数シフト量だけ高周波側にずれていることが望ましい。かかる範囲内でICカードに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数を高めておけば、より効果的に誘電体の影響による動作時の共振周波数のずれをうち消すことができるためである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0021】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るICラベルは図1に示すようにICモジュール31と、ICモジュール31上に積層した接着層7と、接着層7の上に積層した表皮層4と、回路基材1の下面に積層した粘着層5と、粘着層5の下面に積層した剥離層6とを備える。ここでICモジュール31は、回路基材1と、異方導電性接着剤8により回路基材1上に固定されたICチップ3と、回路基材1上でICチップ3に電気的に接続されたアンテナコイル2を備えている。
【0022】
ICチップ3には半導体メモリーとコンデンサが内蔵されており、このコンデンサとアンテナコイル2が共振回路を構成する。自由空間における共振回路の共振周波数f0は自由空間におけるコイルのインダクタンスL0と、コンデンサの静電容量Cを使って次の式で与えられる。
【0023】
f0=1/(2π*(L0*C)1/2) ・・・・・(1)
ICラベルが共振回路を有することで、リーダ/ライタから送られた電磁波によりアンテナコイル2内部に誘導起電力が生じ、共振回路には電流が流れる。この電流によってICチップ3中の半導体メモリーに対して情報の書き込みや、読み出しが可能となる。
【0024】
ここで、計算上ICラベルとして高い感度を有するためには共振回路中に効率よく電流を流す必要があることから、リーダ/ライタの発する電磁波の発振周波数foscとICラベル中の回路の動作時の共振周波数fopを一致させることが必要である。
【0025】
fosc=fop ・・・・・(2)
完全に一致しない場合でもICラベルが良好な感度を維持するためには、ICラベルの動作時の共振周波数fopのリーダ/ライタの発振周波数foscに対するずれ:
Δf=fop−fosc ・・・・・(3)
をΔf=±300kHz以内に抑えることが要求される。式(1)よりアンテナコイル2のインダクタンスL0又はICチップ3に内蔵されたコンデンサの静電容量Cを変化させることで、ICラベルの自由空間における共振周波数f0を変化することができる。良好な感度を維持するため従来はリーダ/ライタの発振周波数foscと一致するように、即ち
f0=fosc ・・・・・(4)
となるようにアンテナコイルやコンデンサの形状を設計していた。しかし現実にICラベルを本に貼付した場合は貼付された本が誘電体として機能するため、動作時のアンテナコイル2のインダクタンスLopは自由空間に対する値L0から変化してしまう。つまり動作時の共振周波数fopは
fop =1/(2π*(Lop*C)1/2) ・・・・・(5)
で与えられる。従って式(5)よりICラベルの動作時の共振周波数fopは変化し、リーダ/ライタの発振周波数foscと異なる値をとることとなる。そのためICラベルの感度が低下し、本に貼付したICラベルのリーダ/ライタとの通信可能距離もICラベル単体の時と比較して短くなる。
【0026】
図7の曲線は、本にICラベルを貼付した場合に、どれだけICラベルの動作時の共振周波数fopが変化するかをネットワークアナライザ(R−Xモード)によって測定したグラフである。図7によるとICラベル単体の共振周波数f0が約13.6MHzであるのに対し、ICラベルを貼付する本の厚みが20mmを超えるとICラベルの共振周波数fopは約12.9MHzにまで減少することが分かる。一方で、ICラベルが良好な感度を維持するためには既に述べたようにICラベルの動作時の共振周波数fopのリーダ/ライタの発振周波数foscに対するずれΔfを±300kHz以内に抑える必要があるのに対し、20mm以上の厚みを有する本にICラベルを貼付した場合の共振周波数のずれΔfは図7のグラフよりICラベル単体の共振周波数f0と比較して約700kHzである。従って設計段階でICラベルに含まれる回路の自由空間における共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscと一致させてICラベルを製造しても、現実にICラベルを本に貼付した場合には著しく感度が低下し、通信可能距離も短くなる事が分かる。
【0027】
そのため、第1の実施の形態に係るICラベルでは、あらかじめ単体のICラベルに含まれる回路の自由空間における共振周波数f0がリーダ/ライタの発振周波数foscよりも2%〜8%大きくなるよう、アンテナコイルの断面積、巻数等を設計している。単体のICラベルの自由空間における共振周波数f0をあらかじめシフトさせておくことにより実際に本に貼付して使用した場合、本が誘電体として機能することにより動作時のICラベルの共振周波数fopが減少しても、要求される共振周波数のずれΔfの範囲内に収めることができる。リーダ/ライタの発振周波数foscは通常数MHz〜数十MHzである。従って回路の自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも2%〜8%大きくすることにより、第1の実施の形態に係るICラベルを本に貼付して使用した場合、動作時の共振周波数fopとリーダ/ライタの発振周波数foscとの差Δfを±300kHz以内に抑えることが可能となる。このように第1の実施の形態に係るICラベルを本に貼付して使用した場合に最大通信可能距離の低下を抑えることができるという利点を有する。
【0028】
また、図7のグラフによると20mm以上の厚さの本に対して共振周波数のずれΔfはほとんど変化が無いことが分かる。従ってICラベルに含まれる回路の自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも2〜8%大きくすると、20mm以上のあらゆる厚さの本に対して、最大通信可能距離の低下を抑えられることが分かる。通常の本の厚さは20mm以上であるため、第1の実施の形態に係るICラベルは、ほぼあらゆる種類の本について使用可能である。従って、第1の実施の形態に係るICラベルは汎用性が高いという利点も有する。
【0029】
さらに、第1の実施の形態では主として通信可能距離の低下を抑える点から説明しているが、ICラベルに含まれる回路の自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも2〜8%大きくすることでICラベルの感度の低下を抑えることができる。従ってICラベルを本に貼り付けた場合にICラベル単体の時と比べてリーダ/ライタの出力を上げることなく、良好な感度での読み出し又は書き込みが可能となるという利点を有する。
【0030】
回路基材1は薄いプラスチック板からなる。薄いプラスチック板からなることで第1の実施の形態に係るICラベルは容易に曲げることが可能となり、書籍の表紙のような平面上のみならず、瓶の側面のような曲面上にも貼付することができる。具体的には回路基材1の材料としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。回路基材1の厚さを30μm以下にまで薄くすると、回路基材1の強度が低くなり回路基材1上にICチップを保持することが困難となるため好ましくない。また、回路基材1の厚さが125μm以上となると、ICラベルを曲面上に貼付する事が困難であり、また重量自体も重くなることから取り扱いに不便となるため、好ましくない。従って回路基材1の厚さは30μmから125μmの範囲であることが好ましい。
【0031】
アンテナコイル2は、回路基材1上に導電性塗料をスクリーン印刷する事により形成される。アンテナコイル2のパターンを図2に示す。アンテナコイル2は、ICチップ3に一端を電気的に接続した1本の配線が、中心方向に向かって2次元的に渦巻き形状をなすコイルパターンからなる。この渦巻きは方形の渦巻きである。また、コイルを構成する一部の領域上においてコイルを横断するように絶縁部9が形成されている。絶縁部9の上をコイルパターンの内部からの配線が通り、コイルの外部に取り出されてICチップ3と電気的に接続されている。従来のICラベルに用いられるコイルと異なり、第1の実施の形態に係るICラベルでは、アンテナコイル2は上述のように同一平面上に形成された2次元的なパターンからなる。3次元的な形状とした場合、アンテナコイル2の厚さの分だけICラベルの厚みが増すことからICラベルが曲げにくくなり、曲面上に貼付することが困難となるためである。またアンテナコイル2は感度を向上させる観点から、配線の断面積を大きくし、コイルの巻き数を多くすることが好ましい。
【0032】
ICチップ3には、例えばフィリップス・セミコンダクターズ(Philips Semiconductors)社製I・CODEチップを用いる。表皮層4は、柔軟性のある紙基材などからなる。表皮層4はアンテナコイル2及びICチップ3を衝撃から保護すると共に文字やイラストなどの印刷が可能であり、第1の実施の形態に係るICラベルは通常のラベルとしても用いることが可能である。粘着層5は、ゴム系、アクリル系などの粘着材からなる。通常は粘着層5は剥離層6の存在によって外部に露出しない構造となっているが、剥離層6と粘着層5は容易に分離することが可能な構造となっている。従って使用する際には剥離層6をはがすことにより、外部に露出した粘着層5を書籍等に接触させてICラベルを貼付することが可能である。また、粘着層5を形成する粘着材は接着層7に用いられる材料よりも接着力の弱いものからなる。一度貼付したICラベルをはがす際に、表皮層4が分離することでICラベルが破壊されるのを防ぐためである。
【0033】
次に、第1の実施の形態に係るICラベルの製造方法について、図2のIII −III方向から見た断面図である図3を用いて説明する。
【0034】
(イ)まず、回路基材1を用意し、図3(a)に示す通り回路基材1上にアンテナコイル2を形成する。回路基材1上に、導電性を有する塗料を用いて図2に示すような渦巻状の回路パターンを印刷する。その後、回路パターンの一部領域の上に絶縁性の塗料を用いて、図2に示すように絶縁部9を印刷する。更に絶縁部9の上にアンテナコイル2の内側と、ICチップ3とを接続する配線パターンを印刷する。
【0035】
(ロ)次に、図3(b)に示す通りICチップ3を異方導電性接着剤8により回路基材1上に実装する。図2に示すようにICチップ3を実装する領域にはアンテナコイル2の両端があらかじめ印刷されており、アンテナコイル2の両端上に異方導電性接着剤8を塗布することでICチップ3とアンテナコイル2が電気的に接続される。異方導電性接着剤8は熱硬化性樹脂からなるベースレジン中に、所定の粒度分布を有するカーボン、銀、銅などからなる導電性微粒子が均一に分散されており、無加圧状態では導電性微粒子の殆どが独立に分散しているため、厚さ方向ならびに面内方向に電気絶縁性を有している。しかし、この異方導電性接着剤8を局部的に厚さ方向に加圧することにより、導電性微粒子が互いに接触して加圧部分だけに厚さ方向に導電性を有し、面内方向は電気絶縁性を保持するという機能を有する。さらにICチップ3とアンテナコイル2の両端部との間に挟まれた異方導電性接着剤8を熱硬化させることによってICチップ3を回路基材1上にしっかり固定でき、異方導電性接着剤8の圧縮状態がそのまま保持できる。又異方導電性接着剤8を用いた場合、ワイヤボンディングなどを用いて接続した場合と比べてアンテナコイル2とICチップ3との接続部分の厚さが薄くなるため、曲面にも貼付しやすい機能的に優れたICラベルの製造が可能となる。
【0036】
(ハ)次に、図3(c)に示すように接着層7を介して表皮層4をアンテナコイル2及びICチップ3を含む回路基材1の上に形成する。具体的には、接着剤を塗布した紙基材を回路基材1の上に貼りつけることにより表皮層4は形成される。接着層7にはアクリル樹脂を単独で、あるいは溶液、水溶液、エマルジョンの形で用いる。表皮層4に用いる紙基材にはあらかじめ文字や模様等を印刷しておく。
【0037】
(ニ)次に、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル系樹脂などからなる粘着剤を、溶液あるいはエマルジョンの形で用いることにより、図3(d)に示すように回路基材1の下面に粘着層5を形成する。
【0038】
(ホ)最後に、粘着層5の下面に剥離層6を付着させる。剥離層6は紙基材の一方の表面に摩擦を少なくするためにコーティングを施したものからなる。以上で図3(e)に示すように、第1の実施の形態に係るICラベルが完成する。
【0039】
なお、第1の実施の形態に係るICラベルを製造する方法は、必ずしも上述の通りに行う必要はない。例えば、回路基材1の下面に粘着層5及び剥離層6を形成する工程をあらかじめ行っておき、その後アンテナコイル2及びICチップ3を回路基材1上に形成しても良い。また、アンテナコイル2を形成する方法として導電性塗料を使用した印刷のみならず、あらかじめ回路基材1表面に銅箔やアルミニウム箔を貼り合わせておき、銅箔やアルミニウム箔の不要な部分をエッチングによって除去することにより形成する方法もある。
【0040】
なお、第1の実施の形態に係るICラベルの回路基材1の材料として、上述のポリエチレンテレフタレート以外のものであっても、使用することが可能である。例えば回路基材1の材料として、硬化性樹脂を用いた板、熱可塑性樹脂を用いた板を用いることができる。熱硬化性樹脂では、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレ樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂などを回路基材1の材料として用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンや、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、及び高圧法エチレンコポリマーなどのポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸系プラシチック、ジエン系プラスチック、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素系樹脂、ポリウレタン系プラスチック、及び、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、低結晶性1,2−ポリブタジエン、塩素化ポリマー系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、あるいはイオン架橋熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、などを回路基材1の材料として用いることができる。さらに、これらの樹脂を、ガラスファイバやセルソースなどの絶縁性のファイバで織った布や紙に含浸したもの、ガラスチョップトストランドや絶縁性ウイスカなどの短繊維を混合したもの、あるいは、フィルム状に成型したものを用いることができる。
【0041】
また、アンテナコイル2について、図2に示す回路パターンに限定するのでは無く、メアンダライン等の他のパターンでも良いことはもちろんである。第1の実施の形態の特徴である、ICラベルに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数f0がリーダ/ライタの発振周波数foscよりも2〜8%高くなるような回路パターンであれば、図2の回路パターンにとらわれず、どのような共振回路でも第1の実施の形態に係るICラベルに用いることが可能である。
【0042】
また、ICチップ3について、第1の実施の形態ではフィリップス・セミコンダクターズ社製I・CODEチップを用いているが、ICチップ3の材料がこれに限定されるのではないのも当然である。コンデンサと書き込み及び読み出しが可能な半導体メモリーを有するICチップであれば第1の実施の形態におけるICチップ3としての利用が可能であり、さらには、コンデンサを別に用意して、半導体メモリーのみを搭載されているICチップを採用することも可能である。
【0043】
また、表皮層4について、上質紙または筆記適性をもたせた樹脂を用いることも好ましい。表皮層4を樹脂で形成した場合の表皮層4の表面は、例えばトナー印字適性を持たせるため各種樹脂や導電材による表面コートを施すことにより筆記適性を持たせることが可能である。本等の情報をICチップ内に記録するだけでなく、直接文字や記号を書き込むことによってリーダ/ライタのみでなく目視でも情報を確認することが可能となる利点を有するためである。
【0044】
また、接着層7の材料として、上述の材料の他にスチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、デンプン、シリコーン系化合物、ニカワ、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の樹脂を単独であるいは溶液、水溶液、エマルジョンの形で用いることができる。
【0045】
また、粘着層5の材料として、上述の材料の他に接着剤ベースポリマーとして天然ゴム、変性天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニリデン系樹脂などを溶液あるいはエマルジョンの形で用いることができる。
【0046】
さらに、第1の実施の形態に係るICラベルでは、粘着層5の材料に接着層7よりも接着力の弱い材料を用いているが、接着層5の材料として接着層7よりも接着力が強い材料を用いても良い。この場合一度貼付したICラベルをはがす際に表皮層4と回路基材1との間でICラベルは分離し、アンテナコイル2又はICチップ3が破損する。従って例えばICラベルに記録された情報が機密性の高いものであった場合、ICラベルが破損することで情報の内容を容易に知ることができなくなるという利点を有するためである。
以上説明したように本発明の第1の実施の形態によれば、非接触式ICラベルを本に貼付した場合でも通信可能最大距離が低下しない。また、厚さの異なるほぼ総ての種類の本について、通信可能最大距離の低下しない非接触式ICラベルを提供することが可能である。さらに、非接触式ICラベルを本に貼付した際にICラベルの感度の低下が起こらないため、リーダ/ライタの出力を上げることなく読みとり又は書き込みが可能である。
【0047】
次に、第1の実施の形態の変形例に係るICラベルについて説明する。第1の実施の形態の変形例に係るICラベルの構造は図1及び図2に示すICラベルと類似するため、図1及び図2を用いて説明する。変形例に係るICラベルは回路基材1上にアンテナコイル2及びICチップ3が配置されることによりICモジュールが形成され、アンテナコイル2及びICチップ3を含む回路基材1の上面は接着層7を介して表皮層4によって覆われている。また、この変形例に係るICラベルは回路基材1の下に粘着層5、粘着層5の下に剥離層6が形成された多層構造を有するという点では第1の実施の形態に係るICチップと同じである。そして、アンテナコイル2とICチップ3に含まれるコンデンサからなる共振回路の自由空間に対する共振周波数f0が、リーダ/ライタの発振周波数foscよりも8%〜12%大きい値となるように、アンテナコイル2が構成されている。
【0048】
図8は様々な自由空間に対する共振周波数f0を有するICチップを本に貼り付け、その本を積み重ねた場合にリーダ/ライタがそれぞれのICチップを区別して書き込み及び読み出しが可能である最大距離を調べたグラフである。実線は比較例としてICチップ単体の時の通信可能距離を示す。また、細い破線は本が1冊のみの場合、太い破線は本が2冊積み重なった場合、一点鎖線は本が3冊積み重なった場合のICラベルの自由空間に対する共振周波数f0とリーダ/ライタがそれぞれのICチップを識別して読み出し及び書き込むことが可能な最大距離の関係を示している。なお、本は厚さ20mmのものを用い、測定はネットワークアナライザ(R−Xモード)で行っている。
【0049】
図8によると、ICラベル単体の場合(実線)と比較して1冊の本にICラベルを貼付した場合(細い破線)、グラフのピーク周波数はICラベル単体の場合のピーク周波数に対して高い方へ約0.9MHzシフトする。さらに、2冊の本にICラベルを貼付してそれぞれを重ねた場合(太い破線)、1冊のみで測定した場合よりも更にICラベル単体の場合のピーク周波数に対し高い方へ約0.5MHzシフトする。これはICラベル単体の共振周波数f0に対して8〜12%のシフトである。3冊の本を重ねて測定した場合(一点鎖線)は、グラフにピーク周波数は特に存在せず、高い共振周波数f0で最大通信可能距離が低下することもない。また4冊以上の場合の測定は行っていないが、積み重ねる本の数が増えるに従って半値幅が広く、ピーク強度が弱まる傾向があるため、4冊以上本を積み重ねた場合も特にピーク周波数は存在せず、平坦なグラフとなると考えられる。
【0050】
以上の結果より、2冊以上の本が積み重なった状態でICラベルをそれぞれの本に貼付して使用する場合は、ICラベル単体で通信距離が最大となる周波数f0(=リーダ/ライタの発振周波数fosc)よりも8〜12%高く自由空間に対する共振周波数f0を設定しておくことによって、それぞれの本に貼付したICラベルを識別して通信可能な距離を大きくすることが可能であることが分かる。積み重なった本が3冊以上である場合でも、ICラベルの自由空間に対する共振周波数f0を発振周波数foscよりも高く設定する事によって最大通信可能距離が低下することはないため、特に不都合は生じない。従って第1の実施の形態の変形例に係るICラベルは自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも8〜12%高く設定することにより、積み重なった本に貼付したICラベルそれぞれに対する最大通信可能距離の低下を抑えられるという効果を有する。
【0051】
これにより例えば書店の仕入れにおいて、本が山積みの状態で入荷した場合であっても通信距離が低下することがなく、本に貼付されたそれぞれのICラベルの情報を読みとり又は書き取ることが可能で、商品管理が容易になる等の利点を有する。
【0052】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るICカードは、図4に示すようにICモジュール31と、ICモジュール31上に積層した第1接着剤シート15と、第1接着剤シート15上に積層した第1オーバーシート16と、回路基材10の下面に積層した第2接着剤シート13と、第2接着剤シート13の下面に積層した第2オーバーシート14とからなる。
【0053】
ここでICモジュール31は、回路基材10と、回路基材10上に配置されたICチップ12と、回路基材10上においてICチップ12に電気的に接続されたアンテナコイル11とを具備する。ICチップ12に含まれたコンデンサとアンテナコイル11から共振回路は構成されている。この共振回路は、リーダ/ライタの発振周波数よりも共振周波数f0が高くなるように設計されている。
【0054】
第2の実施の形態に係るICカードは、第1の実施の形態及びその変形例に係るICラベルと比較して外部からの衝撃に対する強度が強いという利点を有する。回路基材10が第1の実施の形態及びその変形例に係るICラベルよりも厚さが大きく、かつ第1及び第2オーバーシート16、14はポリエチレンテレフタラートからなるが、第1の実施の形態におけるICラベルの回路基材の材料として用いる場合よりも厚みが大きいためである。また、回路基材10の上面だけでなく下面にも第2オーバーシート14を設けることで、さらに外部の衝撃に対して耐えられる構造となっている。
【0055】
更に強度を持たせる構造として、第2の実施の形態に係るICカードが図6のような変形例の構造をとることも有効である。図6に示すICカードは、回路基材10上にアンテナコイル11及びICチップ12が配置されているのは図4に示すICカードと同様であるが、回路基材10上の接着剤シート及びオーバーシートの構造が異なっている。オーバーシート20はアンテナコイル11及びICチップ12が配置された領域と接する部分では厚みが薄くなっており回路基材10とは密着しておらず、回路基材10とオーバーシート20は接着剤シート19a、19b、19cを介してのみ接着している。従ってアンテナコイル11とICチップ12は接着剤シート及びオーバーシート20とは接触しない構造となっており、ICカードの上部から衝撃が加わってもアンテナコイル11及びICチップ12は直接の影響は受けず、外部からの衝撃によってアンテナコイル11とICチップ12の接続が断線したりICチップ12が破損するという恐れが軽減される。また、アンテナコイル11及びICチップ12がオーバーシート20と全く接触しないため、オーバーシート20の表面の平坦性が向上するといった利点もある。なお、図6では回路基材10の裏面に接着剤シートを介してオーバーシートを設けていないが、図4に示すICカードと同様に設けることも好ましい。
【0056】
また、第2の実施の形態に係るICカードは、既に述べたようにアンテナコイル11及びICチップ12によって構成される回路の自由空間に対する共振周波数f0が、リーダ/ライタの発振周波数foscよりも大きな値をとる。ICカードは例えばIDカードとして用いられるが、この場合ICカードは主として洋服の内ポケットや財布の中に格納されている。これらの入れ物も本と同様に誘電体として機能するため、本にICラベルを貼付した場合と同様にICカードに含まれたアンテナコイルのインダクタンスLが変化し、回路の動作時の共振周波数fopがリーダ/ライタの発振周波数foscから大きくずれる。そのため従来は、設計段階でリーダ/ライタの発振周波数foscと一致するようにICカードに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数f0を設定しても、実際には動作時の共振周波数fopが大きくずれてしまいICカードの最大通信可能距離が低くなるという欠点が生じていた。そのため第2の実施の形態に係るICカードにおいては、あらかじめICカードに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも高く設計しておく。従って、誘電体の存在によって動作時の共振周波数fopが小さくなっても、リーダ/ライタの発振周波数foscの±300kHzの範囲内に動作時の共振周波数fopを収めることが可能となる。このことにより誘電体の存在にも関わらず第2の実施の形態に係るICカードの感度は低下することがなく、最大通信可能距離もICカード単体の場合と同程度に維持することができる。
【0057】
次に、第2の実施の形態に係るICカードの製造方法について図5を用いて説明する。なお、図4に示すICカードのみならず、図6に示すICカードについても以下に示す方法で製造ができる。
【0058】
(イ)まず、表面に銅箔15が一面に付着している回路基材10を用意する。このような回路基材10は市販されているのを用いても良いし、プラスチック等からなる基板に銅を蒸着して形成しても構わない。この銅箔15の上に図5(a)に示すように、形成する予定のアンテナコイル11とICチップ12に対する接続端子18に対応したレジストのパターン17a、17bを形成する。まず銅箔15の表面全体にレジストをスピン塗布し、次にフォトリソグラフィ法を用いてレジストのパターン17a、17bを形成する。
【0059】
(ロ)次に、レジストのパターン17a、17bをエッチングマスクとして用いたケミカルエッチングによりレジスト17a、17b以外の領域の銅箔を除去する。これにより図5(b)に示すようにアンテナコイル11及び接続端子18が形成される。
【0060】
(ハ)次に、図5(c)に示す通りICチップ12を接続端子18と電気的に接続する。接続する方法はワイヤボンディングによってでも、TAB(Tape Automated Bonding)方式でもよい。ICカード自体がある程度の厚みを有するためこのような方法で接続してもICラベルの場合ほど問題は生じない。もちろん第1の実施の形態のように異方導電性接着剤を使ってICチップ12と接続端子18を接続しても構わない。
【0061】
(ニ)次に、第1及び第2オーバーシート16、14を用意する。第1及び第2オーバーシート16、14の表面にはあらかじめカードを装飾する絵柄や必要な表示等の印刷および図示は省略するがオーバーコート(保護層)を形成しておく。また、第1及び第2接着剤シート15、13を回路基材10の表面及び裏面に塗布しておく。図6に示す変形例の場合、接着剤シート19a、19b、19cはオーバーシート20と回路基材10が接触する部分にのみ塗布する。そして回路基材10の表面に第1オーバーシート16を、回路基材10の裏面に第2オーバーシート14を密着させる。次に第1及び第2接着剤シート15、13が存在する領域の適当な箇所を超音波シーラーにより加熱して仮固定する。プレス機で圧縮する際に回路基材10と第1及び第2オーバーシート16、14がずれることを防止するためである。仮固定をしたあと基材を鏡面板に挟んでセットし、プレス機に導入して圧縮する。以上で図5(d)に示すように第2の実施の形態に係るICカードが完成する。
【0062】
なお、第2の実施の形態に係るICカードにおいて、外部から受ける衝撃が弱い環境での使用を目的とする場合などは、回路基材10の裏面に第2接着剤シート13及び第2オーバーシート14を設けなくとも良い。また、第1及び第2接着剤シート13、15、及び接着剤シート19a、19b、19cについて、回路基板10、第1及び第2オーバーシート16、14、及びオーバーシート20が塩化ビニールやPET−Gシートからなる場合はプレス機で圧縮することにより自己融着するので、接着剤シートは不要である。また、アンテナコイル11及び接続端子18は回路基材10上に導電性塗料により印刷しても構わない。
【0063】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は、第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0064】
例えば、第1及びその変形例に係るICラベルは、本に貼付して使用する旨記載されているが、本発明に係るICラベルの用途はこれに限定されない。本以外であっても貼付の対象となる商品等は誘電体として機能するため、リーダ/ライタの発振周波数foscと単体のICラベルに含まれる回路の自由空間に対する共振周波数f0を一致させた場合、ICラベルを商品に貼付することにより動作時の共振周波数fopが小さくなり、ICラベルの最大通信可能距離は低下する。それに対して第1の実施の形態に係るICラベルを使用すれば最大通信可能距離の低下を抑制することが可能である。
【0065】
また商品の流通過程において、箱詰めにされた多数の商品それぞれに第1の実施の形態の変形例に係るICラベルを貼付してリーダ/ライタによって書き込み及び読み出しを行うことも有効である。さらに、水滴が付着しやすい環境でICラベルを使用する場合、あらかじめ水の誘電体としての機能を考慮して回路の自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも高くしておくことも有効である。
【0066】
また、ICラベルに含まれる共振回路の自由空間に対する共振周波数f0をリーダ/ライタの発振周波数foscよりも8%大きくした場合、第1の実施の形態及びその変形例において記載したそれぞれの効果を1枚のICラベルで実現することが可能である。その場合本に貼付するICラベルとして、情報を読みとり若しくは書き込む対象が1冊の本であっても複数の本であっても、最大通信可能距離を低下させることなく、感度も低下しないという効果を有することとなる。
【0067】
さらに、第1及び第2のいずれかの実施の形態に係るICラベル若しくはICカードについて、回路基材の表面のみでなく、裏面にもICチップとアンテナコイルからなる共振回路を配置する構成とすることも有効である。この場合、異なる周波数foscを発振し、異なる情報を得る目的の複数のリーダ/ライタに対して、1枚のICラベル若しくはICカードで対応することが可能である。これにより例えばIDカードと通勤定期を一枚のICカードにまとめることができる。
【0068】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、誘電体の存在にも関わらず最大通信可能距離が低下しないICモジュールを提供することができる。
【0070】
また本発明によれば、物体に貼付しても最大通信可能距離が低下しないICラベルを提供することができる。
【0071】
さらに本発明によれば、複数の物体に貼付された複数のICラベルについて、それぞれを識別して情報のやりとりを行うことが可能な距離を低下させないICラベルを提供することができる。
【0072】
さらに本発明によれば、誘電体内に収納された場合でも最大通信可能距離が低下しないICカードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態及びその変形例に係るICラベルの断面図である。
【図2】第1の実施の形態及びその変形例に係るICラベルの回路パターンを示す平面図である。
【図3】第1の実施の形態及びその変形例に係るICラベルの製造方法を示す図である。
【図4】第2の実施の形態に係るICカードの断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るICカードの製造方法を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る別構造のICカードの断面図である。
【図7】ICラベルを貼付する本の厚さとICラベルの動作時の共振周波数fopとの関係を示すグラフである。
【図8】ICラベルを貼付した本の冊数をパラメータとして、ICラベルの自由空間に対する共振周波数f0と最大通信可能距離との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、10 回路基材
2、11 アンテナコイル
3、12 ICチップ
4 表皮層
5 粘着層
6 剥離層
7 接着層
8 異方導電性接着剤
9 絶縁部
13、15、19a、19b、19c 接着剤シート
14、16、20 オーバーシート
17a、17b、17c レジスト
18 接続端子
31 ICモジュール
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an information recording medium for exchanging information without contact, and in particular, Non-contact IC label, non-contact IC card, non-contact IC label or IC module for non-contact IC card About.
[0002]
[Prior art]
In recent years, an information recording medium has been devised in which an IC chip is incorporated and information is exchanged via an external information recording / reproducing apparatus (hereinafter referred to as “reader / writer”). This information recording medium is called an IC label, IC card, IC tag or the like (hereinafter referred to as “IC label or the like”) depending on its shape. In a non-contact type IC label or the like, a current flows in a resonance circuit built in the IC label or the like due to an electromagnetic wave emitted from a reader / writer, and information is written to or read from the IC chip. By using electromagnetic waves, the reader / writer and the IC label can exchange information without bringing them into contact with each other. Therefore, simple information exchange is possible without making the information recording medium come into contact with the reading device like a barcode, and there is no inconvenience such as failure in reading information due to poor contact. Further, an IC label or the like has an advantage that a power source is not required for the IC label or the like because a current flows due to an electromagnetic wave emitted from a reader / writer. Furthermore, since the IC chip can easily update information and has a large capacity, it can record a larger amount of information than a magnetic tape or the like. Further, since the information written on the IC chip cannot be confirmed by visual observation or the like, the contents of the information can be hidden unless a dedicated reader / writer is used. Further, since the IC chip and the resonance circuit can be reduced in size, the IC label or the like can be made thin and light. It has been proposed to use this medium as, for example, an ID card, a membership card, a commuter pass, a pass ticket event numbered ticket, a delivery tag, an identification tag, or the like. In addition, by attaching an IC label to a book, inventory management can be easily performed in, for example, a bookstore or a library. In the future, an information recording medium containing an IC chip will be affixed to the product and used together with electronic money, so that the buyer can simply pass the product through the gate containing the reader / writer. A system for performing settlement has been proposed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In order to increase the value of current flowing in the mounted resonance circuit, the non-contact type IC label or the like conventionally has a resonance frequency of a resonance circuit built in a single IC label or the like and an oscillation frequency of an electromagnetic wave emitted from a reader / writer. And was designed to match. However, it is assumed that the IC label is originally used in a state where it is affixed to a book, a product arranged in a store, or the like, not a single state. Further, it is assumed that the IC card is usually used in a state of being stored in a wallet or in an inner pocket of clothes. In such a usage mode, the communicable distance between the IC label and the reader / writer is shorter than that in the case of the IC label alone. This is because when an IC label is affixed to a product or the like, the product or the like functions as a dielectric, so that the resonance frequency fop during operation of the circuit included in the IC label deviates from the resonance frequency f0 when the IC label alone is used. Because it ends up. When the IC card is stored in a wallet or the like, the wallet or the like functions as a dielectric, so that the resonance frequency fop during operation shifts. In order to eliminate the disadvantage that the resonance frequency fop during operation shifts, if the IC label is peeled off from the product or the IC card is taken out and information is exchanged with the reader / writer, the advantages of the IC label etc. are fully utilized. I can't.
[0004]
Also, when a product or the like with an IC label is laminated, since there are a plurality of IC labels, they are electrically coupled to each other, and together with the presence of the dielectric, the resonance frequency fop during operation of the IC label. Has a disadvantage that it is greatly deviated from that of the IC label alone. Also in this case, the communicable distance is very short as compared with the IC label alone.
[0005]
IC labels and the like are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-243358 (hereinafter referred to as “prior art 1”) and Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-134460 (hereinafter referred to as “prior art 2”). However, although the prior art 1 discloses the basic structure of the ID tag, there is no recognition of the problem of a decrease in the maximum communicable distance in actual use. Although the prior art 2 discloses a general-purpose IC label, the basic IC label structure is the same as that described in the prior art 1, and there is no mention of setting the resonance frequency. On the contrary, when the IC label is affixed to a product or when the product is laminated, there is no examination of how much the resonance frequency fop at the time of operation of the resonance circuit included in the IC label specifically changes. is the current situation.
[0006]
The present invention has been made to solve such problems of the prior art, and its purpose is not to reduce the maximum communicable distance despite the presence of a dielectric. For non-contact IC label or non-contact IC card An IC module is provided.
[0007]
Another object of the present invention is that the maximum communicable distance does not decrease even when affixed to an object. Non-contact type To provide an IC label.
[0008]
Still another object of the present invention is not to reduce the distance at which a plurality of IC labels attached to a plurality of objects can be identified and exchanged. Non-contact type To provide an IC label.
[0009]
Still another object of the present invention is to reduce the maximum communicable distance even when housed in a dielectric. Non-contact type It is to provide an IC card.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a first feature of the present invention includes a circuit base, a semiconductor memory disposed on the circuit base, and a resonant circuit electrically connected to the semiconductor memory on the circuit base. And the resonance frequency of the resonance circuit with respect to the free space is an IC module set so as to be shifted to a higher frequency side than the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus for recording and reproducing information in the semiconductor memory. is there. Here, as the “resonance circuit”, an LC resonance circuit including a capacitor and an inductor (coil) can be used. The capacitor may be built in the same IC chip as the semiconductor memory, or may be mounted as a circuit element outside the IC chip. The “free space” is a space where the relative dielectric constant εr satisfies εr = 1, and specifically refers to a space where no dielectric exists in the region, that is, a vacuum. An “external information recording / reproducing device” is a device that reads out the contents of information recorded in a semiconductor memory, an IC chip or the like or writes new information by oscillating electromagnetic waves to the IC module.
[0011]
In the first feature of the present invention, by setting the resonance frequency for the free space of the resonance circuit included in the single IC module to be shifted to the higher frequency side than the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus, The resonance frequency shift due to the influence of the dielectric existing around can be effectively eliminated. Since the resonant frequency during operation shifts in the direction of decreasing the frequency due to the presence of the dielectric, setting the resonant frequency for the free space of the resonant circuit of the IC module in advance increases the resonant frequency in the surroundings to operate. Even if the resonance frequency at that time decreases, the difference from the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus can be kept low.
[0012]
A second feature of the present invention includes a circuit substrate, an IC chip containing a capacitor disposed on the circuit substrate, and an antenna coil electrically connected to the IC chip on the circuit substrate. An IC module in which the resonance frequency with respect to the free space of the LC resonance circuit composed of the capacitor and the antenna coil is set to be higher than the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus that records and reproduces information on the IC chip. It is a point.
[0013]
In the second feature of the present invention, similarly to the first feature of the present invention, even when an IC module is used, even if a dielectric is present in the vicinity and the resonance frequency during operation is lowered, the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus It is possible to keep the difference between and low. Further, by using an IC chip with a built-in capacitor, it is not necessary to place a capacitor on a circuit substrate separately from the semiconductor memory, and the IC module can be downsized. Further, since the capacitor is built in the IC chip, the number of parts to be connected by bonding or the like can be reduced, so that the risk of disconnection or the like can be reduced.
[0014]
The third feature of the present invention is the IC module according to the second feature of the present invention, the adhesive layer laminated on the IC module, the skin layer laminated on the adhesive layer, and the IC module. The gist of the invention is an IC label comprising an adhesive layer laminated on the lower surface of the circuit substrate and a release layer laminated on the lower surface of the adhesive layer.
[0015]
In general, since it is assumed that an IC label is used by being attached to an object, an influence of a dielectric on a resonance circuit included in the IC label inevitably occurs. Therefore, it is effective to set a single resonance frequency higher than the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus in advance as in the IC label according to the third feature of the present invention. Even if the resonance frequency during the operation of the circuit included in the IC label is lowered due to the influence of the dielectric, the resonance frequency of the IC label alone is set to a high value in advance. The difference can be kept low. Therefore, the IC label according to the third feature of the present invention can maintain the communication distance of the IC label attached to the dielectric at a level comparable to that of a single IC label. Further, in many cases, dielectrics with IC labels are exchanged with an external information recording / reproducing apparatus in combination with a plurality of dielectrics. In this case, the resonance frequency of the IC label during operation is further smaller than the resonance frequency of the IC label alone. Therefore, it is effective to set the resonance frequency of the single IC label higher than the oscillation frequency of the electromagnetic wave emitted by the external information recording / reproducing apparatus.
[0016]
Note that the resonance frequency for the free space of the resonance circuit included in the IC label is 2% to the oscillation frequency. 8% or 8% ~ It is desirable that the frequency shift amount is shifted to the high frequency side by a range of 12%. This is because if the resonance frequency for the free space of the resonance circuit included in the IC label is increased within this range, the resonance frequency shift during operation due to the influence of the dielectric can be eliminated more effectively.
[0017]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided an IC module according to the second aspect of the present invention, a first adhesive sheet laminated on the IC module, and a first oversheet laminated on the first adhesive sheet. And a second adhesive sheet laminated on the lower surface of the circuit substrate constituting the IC module, and a second oversheet laminated on the lower surface of the second adhesive sheet. Is the gist.
[0018]
IC cards are usually used in a state where they are stored in something. Therefore, there is a dielectric around the IC card, and as in the case of the first, second and third features of the present invention, resonance occurs when the IC card is actually used compared to the case of a single unit. The resonant frequency during the operation of the circuit is lowered. Therefore, by setting the resonance frequency of the resonance circuit included in the IC card high in advance as in the fourth feature of the present invention, the decrease in the communicable distance is suppressed.
[0019]
Note that the resonance frequency for the free space of the resonance circuit included in the IC card is 2% to 2% of the oscillation frequency. 8% or 8% ~ It is desirable that the frequency shift amount is shifted to the high frequency side by a range of 12%. This is because if the resonance frequency for the free space of the resonance circuit included in the IC card is increased within this range, the resonance frequency shift during operation due to the influence of the dielectric can be eliminated more effectively.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. In the description of the drawings, the same or similar parts are denoted by the same or similar reference numerals. However, it should be noted that the drawings are schematic, and the relationship between the thickness and width of the layers, the ratio of the thicknesses of the layers, and the like are different from the actual ones. In addition, it goes without saying that portions with different dimensional relationships and ratios are also included in the drawings.
[0021]
(First embodiment)
As shown in FIG. 1, the IC label according to the first embodiment of the present invention includes an IC module 31, an adhesive layer 7 laminated on the IC module 31, a skin layer 4 laminated on the adhesive layer 7, The adhesive layer 5 laminated | stacked on the lower surface of the circuit base material 1 and the peeling layer 6 laminated | stacked on the lower surface of the adhesive layer 5 are provided. Here, the IC module 31 is electrically connected to the IC chip 3 on the circuit substrate 1, the IC chip 3 fixed on the circuit substrate 1 with the anisotropic conductive adhesive 8, and the circuit substrate 1. The antenna coil 2 is provided.
[0022]
The IC chip 3 includes a semiconductor memory and a capacitor, and the capacitor and the antenna coil 2 constitute a resonance circuit. The resonance frequency f0 of the resonance circuit in free space is given by the following equation using the inductance L0 of the coil in free space and the capacitance C of the capacitor.
[0023]
f0 = 1 / (2π * (L0 * C) 1/2 (1)
Since the IC label has a resonance circuit, an induced electromotive force is generated inside the antenna coil 2 by the electromagnetic wave sent from the reader / writer, and a current flows through the resonance circuit. With this current, information can be written to and read from the semiconductor memory in the IC chip 3.
[0024]
Here, in order to have a high sensitivity as an IC label for calculation, it is necessary to efficiently pass a current through the resonance circuit. Therefore, the oscillation frequency fosc of the electromagnetic wave emitted by the reader / writer and the operation of the circuit in the IC label It is necessary to match the resonance frequency fop.
[0025]
fosc = fop (2)
In order to maintain good sensitivity of the IC label even when it does not completely match, the deviation of the resonance frequency fop during the operation of the IC label from the oscillation frequency fosc of the reader / writer:
Δf = fop−fosc (3)
Is required to be kept within Δf = ± 300 kHz. By changing the inductance L0 of the antenna coil 2 or the capacitance C of the capacitor built in the IC chip 3 from the equation (1), the resonance frequency f0 in the free space of the IC label can be changed. In order to maintain good sensitivity, the conventional method is to match the oscillation frequency fosc of the reader / writer, that is,
f0 = fosc (4)
The shape of the antenna coil and capacitor was designed so that However, when an IC label is actually affixed to a book, the affixed book functions as a dielectric, so that the inductance Lop of the antenna coil 2 during operation changes from the value L0 for free space. In other words, the resonance frequency fop during operation is
fop = 1 / (2π * (Lop * C) 1/2 (5)
Given in. Therefore, the resonance frequency fop at the time of the operation of the IC label changes from the equation (5), and takes a value different from the oscillation frequency fosc of the reader / writer. Therefore, the sensitivity of the IC label is lowered, and the communicable distance between the IC label attached to the book and the reader / writer is also shorter than that of the IC label alone.
[0026]
The curve in FIG. 7 is a graph obtained by measuring how much the resonance frequency fop at the time of operation of the IC label changes when the IC label is attached to the book using a network analyzer (RX mode). According to FIG. 7, the resonance frequency f0 of the IC label alone is about 13.6 MHz, whereas the resonance frequency fop of the IC label decreases to about 12.9 MHz when the thickness of the book to which the IC label is attached exceeds 20 mm. I understand that. On the other hand, in order to maintain good sensitivity of the IC label, as described above, it is necessary to suppress the deviation Δf of the resonance frequency fop during the operation of the IC label with respect to the oscillation frequency fosc of the reader / writer within ± 300 kHz. On the other hand, the resonance frequency deviation Δf when an IC label is attached to a book having a thickness of 20 mm or more is about 700 kHz as compared with the resonance frequency f0 of the IC label alone from the graph of FIG. Therefore, even if the IC label is manufactured by matching the resonance frequency f0 in the free space of the circuit included in the IC label with the oscillation frequency fosc of the reader / writer at the design stage, the IC label is markedly attached to the book. It can be seen that the sensitivity is lowered and the communicable distance is shortened.
[0027]
Therefore, in the IC label according to the first embodiment, the antenna is set so that the resonance frequency f0 in the free space of the circuit included in the single IC label in advance is 2% to 8% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer. The coil cross-sectional area and number of turns are designed. When the resonance frequency f0 in the free space of a single IC label is shifted in advance and actually attached to a book, the book functions as a dielectric, reducing the resonance frequency fop of the IC label during operation. Even in this case, the resonance frequency can be kept within the required range Δf. The oscillation frequency fosc of the reader / writer is usually several MHz to several tens of MHz. Therefore, when the IC label according to the first embodiment is attached to a book by using a resonance frequency f0 for the free space of the circuit 2% to 8% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer, The difference Δf between the resonance frequency fop at the time and the oscillation frequency fosc of the reader / writer can be suppressed to within ± 300 kHz. As described above, when the IC label according to the first embodiment is attached to a book and used, it is possible to suppress a decrease in the maximum communicable distance.
[0028]
Further, according to the graph of FIG. 7, it can be seen that the resonance frequency deviation Δf hardly changes for a book having a thickness of 20 mm or more. Therefore, if the resonance frequency f0 for the free space of the circuit included in the IC label is increased by 2 to 8% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer, the maximum communicable distance is reduced for books of all thicknesses of 20 mm or more. It turns out that it can be suppressed. Since the thickness of a normal book is 20 mm or more, the IC label according to the first embodiment can be used for almost any kind of book. Therefore, the IC label according to the first embodiment also has an advantage of high versatility.
[0029]
Furthermore, although the first embodiment is described mainly from the point of suppressing the decrease in the communicable distance, the resonance frequency f0 with respect to the free space of the circuit included in the IC label is set to 2 to less than the oscillation frequency fosc of the reader / writer. Decreasing the sensitivity of the IC label can be suppressed by increasing it by 8%. Therefore, when the IC label is attached to the book, there is an advantage that reading or writing can be performed with good sensitivity without increasing the output of the reader / writer as compared with the case of the IC label alone.
[0030]
The circuit substrate 1 is made of a thin plastic plate. By being made of a thin plastic plate, the IC label according to the first embodiment can be easily bent, and is applied not only on a flat surface such as a book cover but also on a curved surface such as a side surface of a bottle. be able to. Specifically, a polyethylene terephthalate film is used as the material of the circuit substrate 1. If the thickness of the circuit substrate 1 is reduced to 30 μm or less, the strength of the circuit substrate 1 is lowered, and it is difficult to hold the IC chip on the circuit substrate 1, which is not preferable. On the other hand, when the thickness of the circuit substrate 1 is 125 μm or more, it is difficult to apply the IC label on the curved surface, and the weight itself becomes heavy, which is inconvenient to handle. Therefore, the thickness of the circuit substrate 1 is preferably in the range of 30 μm to 125 μm.
[0031]
The antenna coil 2 is formed by screen-printing a conductive paint on the circuit substrate 1. The pattern of the antenna coil 2 is shown in FIG. The antenna coil 2 is formed of a coil pattern in which one wiring electrically connected at one end to the IC chip 3 forms a two-dimensional spiral shape toward the center direction. This spiral is a square spiral. Moreover, the insulation part 9 is formed so that a coil may be crossed on the one part area | region which comprises a coil. A wiring from the inside of the coil pattern passes over the insulating portion 9 and is taken out of the coil and electrically connected to the IC chip 3. Unlike the coil used for the conventional IC label, in the IC label according to the first embodiment, the antenna coil 2 has a two-dimensional pattern formed on the same plane as described above. In the case of a three-dimensional shape, the thickness of the IC label is increased by the thickness of the antenna coil 2, so that the IC label is difficult to bend and it is difficult to stick it on a curved surface. From the viewpoint of improving the sensitivity of the antenna coil 2, it is preferable to increase the cross-sectional area of the wiring and increase the number of turns of the coil.
[0032]
As the IC chip 3, for example, an I · CODE chip manufactured by Philips Semiconductors is used. The skin layer 4 is made of a flexible paper base material. The skin layer 4 protects the antenna coil 2 and the IC chip 3 from impact and can print characters and illustrations. The IC label according to the first embodiment can also be used as a normal label. . The adhesive layer 5 is made of an adhesive material such as rubber or acrylic. Normally, the adhesive layer 5 has a structure that is not exposed to the outside due to the presence of the release layer 6, but the release layer 6 and the adhesive layer 5 have a structure that can be easily separated. Therefore, when used, it is possible to attach an IC label by peeling the release layer 6 and bringing the adhesive layer 5 exposed to the outside into contact with a book or the like. The pressure-sensitive adhesive material forming the pressure-sensitive adhesive layer 5 is made of a material having a weaker adhesive force than the material used for the adhesive layer 7. This is to prevent the IC label from being broken due to separation of the skin layer 4 when the IC label once pasted is peeled off.
[0033]
Next, the manufacturing method of the IC label according to the first embodiment will be described with reference to FIG. 3 which is a cross-sectional view seen from the III-III direction of FIG.
[0034]
(A) First, the circuit substrate 1 is prepared, and the antenna coil 2 is formed on the circuit substrate 1 as shown in FIG. A spiral circuit pattern as shown in FIG. 2 is printed on the circuit substrate 1 using a conductive paint. Thereafter, the insulating portion 9 is printed on the partial area of the circuit pattern using an insulating paint as shown in FIG. Further, a wiring pattern for connecting the inside of the antenna coil 2 and the IC chip 3 is printed on the insulating portion 9.
[0035]
(B) Next, as shown in FIG. 3B, the IC chip 3 is mounted on the circuit substrate 1 with the anisotropic conductive adhesive 8. As shown in FIG. 2, both ends of the antenna coil 2 are pre-printed in the area where the IC chip 3 is mounted, and an anisotropic conductive adhesive 8 is applied on both ends of the antenna coil 2 to The antenna coil 2 is electrically connected. In the anisotropic conductive adhesive 8, conductive fine particles made of carbon, silver, copper or the like having a predetermined particle size distribution are uniformly dispersed in a base resin made of a thermosetting resin. Since most of the fine particles are dispersed independently, it has electrical insulation properties in the thickness direction and in the in-plane direction. However, by locally pressing the anisotropic conductive adhesive 8 in the thickness direction, the conductive fine particles come into contact with each other so that only the pressed portion has conductivity in the thickness direction, and the in-plane direction is It has a function of maintaining electrical insulation. Further, the anisotropic conductive adhesive 8 sandwiched between the IC chip 3 and both ends of the antenna coil 2 is thermally cured, so that the IC chip 3 can be firmly fixed on the circuit substrate 1 and anisotropic conductive adhesion is achieved. The compressed state of the agent 8 can be maintained as it is. In addition, when the anisotropic conductive adhesive 8 is used, the connecting portion between the antenna coil 2 and the IC chip 3 is thinner than when connected by wire bonding or the like, so that it can be easily applied to a curved surface. A functionally superior IC label can be manufactured.
[0036]
(C) Next, as shown in FIG. 3C, the skin layer 4 is formed on the circuit substrate 1 including the antenna coil 2 and the IC chip 3 via the adhesive layer 7. Specifically, the skin layer 4 is formed by sticking a paper base material coated with an adhesive on the circuit base material 1. For the adhesive layer 7, an acrylic resin is used alone or in the form of a solution, an aqueous solution or an emulsion. Characters, patterns, etc. are printed in advance on the paper base material used for the skin layer 4.
[0037]
(D) Next, an adhesive layer made of an acrylic ester resin, a vinyl chloride resin or the like is used in the form of a solution or an emulsion, whereby an adhesive layer is formed on the lower surface of the circuit substrate 1 as shown in FIG. 5 is formed.
[0038]
(E) Finally, the release layer 6 is attached to the lower surface of the adhesive layer 5. The release layer 6 is formed by coating one surface of a paper base material in order to reduce friction. As described above, as shown in FIG. 3E, the IC label according to the first embodiment is completed.
[0039]
Note that the method of manufacturing the IC label according to the first embodiment is not necessarily performed as described above. For example, the step of forming the adhesive layer 5 and the release layer 6 on the lower surface of the circuit substrate 1 may be performed in advance, and then the antenna coil 2 and the IC chip 3 may be formed on the circuit substrate 1. In addition to printing using a conductive paint as a method of forming the antenna coil 2, a copper foil or an aluminum foil is previously bonded to the surface of the circuit substrate 1, and unnecessary portions of the copper foil or the aluminum foil are etched. There is also a method of forming the film by removing the film.
[0040]
In addition, it can be used even if it is other than the above-mentioned polyethylene terephthalate as a material of the circuit base material 1 of the IC label according to the first embodiment. For example, as the material of the circuit substrate 1, a plate using a curable resin or a plate using a thermoplastic resin can be used. For thermosetting resins, phenol resin, urea resin, melamine resin, alkyd resin, acrylic resin, unsaturated polyester resin, diallyl phthalate resin, epoxy resin, silicone resin, resin synthesized from cyclopentadiene, tris (2-hydroxyethyl) Resin containing isocyanurate, resin synthesized from aromatic nitrile, trimerized aromatic dicyanamide resin, resin containing triallyl trimetallate, furan resin, ketone resin, xyle resin, thermosetting containing condensed polycyclic aromatics Resin or the like can be used as the material of the circuit substrate 1. Examples of the thermoplastic resin include polyolefin resins such as polyethylene, polypropylene, 4-methylpentene-1 resin, polybutene-1 resin, and high-pressure ethylene copolymer, styrene resin, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyvinyl alcohol, poly Acrylonitrile, polyacrylic plastic, diene plastic, polyimide, polyester, polycarbonate, polyacetal, fluororesin, polyurethane plastic, polystyrene thermoplastic elastomer, polyolefin thermoplastic elastomer, polyurethane thermoplastic elastomer, polyester Thermoplastic elastomer, polyamide thermoplastic elastomer, low crystalline 1,2-polybutadiene, chlorinated polymer thermoplastic elastomer, It can be used system thermoplastic elastomer, or a thermoplastic elastomer, such as ion crosslinked thermoplastic elastomers, and the like as the material of the circuit substrate 1. Furthermore, these resins are impregnated with cloth or paper woven with insulating fibers such as glass fibers or cell sources, mixed with short fibers such as glass chopped strands or insulating whiskers, or film-like What was shape | molded in can be used.
[0041]
Further, the antenna coil 2 is not limited to the circuit pattern shown in FIG. 2, but may be other patterns such as meander lines. If the circuit pattern is such that the resonance frequency f0 for the free space of the resonance circuit included in the IC label is 2 to 8% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer, which is a feature of the first embodiment, FIG. Any resonance circuit can be used for the IC label according to the first embodiment regardless of the circuit pattern of FIG.
[0042]
Further, as for the IC chip 3, the I · CODE chip manufactured by Philips Semiconductors is used in the first embodiment, but the material of the IC chip 3 is naturally not limited to this. An IC chip having a capacitor and a semiconductor memory capable of writing and reading can be used as the IC chip 3 in the first embodiment. Furthermore, a capacitor is separately prepared and only the semiconductor memory is mounted. It is also possible to adopt a conventional IC chip.
[0043]
For the skin layer 4, it is also preferable to use high-quality paper or a resin having writing ability. When the skin layer 4 is formed of a resin, the surface of the skin layer 4 can be provided with writing ability by applying surface coating with various resins or conductive materials, for example, in order to have toner printing ability. This is because not only information such as books is recorded in the IC chip, but also by directly writing characters and symbols, the information can be confirmed not only by the reader / writer but also visually.
[0044]
Further, as the material for the adhesive layer 7, in addition to the above-mentioned materials, resins such as styrene / butadiene copolymer, polyvinyl acetate, starch, silicone compounds, glue, casein, polyvinyl alcohol, and polyurethane can be used alone or in solution or aqueous solution. Can be used in the form of an emulsion.
[0045]
In addition to the materials described above, the adhesive layer 5 may be made of an adhesive base polymer such as natural rubber, modified natural rubber, styrene-butadiene rubber, acrylonitrile-butadiene rubber, or other synthetic rubber, or ethylene-vinyl acetate copolymer resin. Vinylidene chloride resin and the like can be used in the form of a solution or an emulsion.
[0046]
Furthermore, in the IC label according to the first embodiment, a material having a lower adhesive strength than the adhesive layer 7 is used as the material of the adhesive layer 5, but the adhesive strength of the adhesive layer 5 is higher than that of the adhesive layer 7. Strong materials may be used. In this case, when the IC label once attached is peeled off, the IC label is separated between the skin layer 4 and the circuit substrate 1, and the antenna coil 2 or the IC chip 3 is damaged. Therefore, for example, when the information recorded on the IC label is highly confidential, there is an advantage that the content of the information cannot be easily known because the IC label is damaged.
As described above, according to the first embodiment of the present invention, the maximum communicable distance does not decrease even when a non-contact IC label is attached to a book. Further, it is possible to provide a non-contact type IC label that does not reduce the maximum communicable distance for almost all kinds of books having different thicknesses. Furthermore, since the sensitivity of the IC label does not decrease when a non-contact IC label is attached to a book, reading or writing can be performed without increasing the output of the reader / writer.
[0047]
Next, an IC label according to a modification of the first embodiment will be described. The structure of the IC label according to the modification of the first embodiment is similar to the IC label shown in FIGS. 1 and 2, and will be described with reference to FIGS. In the IC label according to the modification, an IC module is formed by arranging the antenna coil 2 and the IC chip 3 on the circuit substrate 1, and the upper surface of the circuit substrate 1 including the antenna coil 2 and the IC chip 3 is an adhesive layer. 7 is covered by the skin layer 4. In addition, the IC label according to this modification has the multilayer structure in which the adhesive layer 5 is formed under the circuit substrate 1 and the release layer 6 is formed under the adhesive layer 5. Same as chip. Then, the antenna coil 2 is set so that the resonance frequency f0 with respect to the free space of the resonance circuit including the capacitor included in the antenna coil 2 and the IC chip 3 is 8% to 12% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer. Is configured.
[0048]
FIG. 8 shows the maximum distance that can be written and read by the reader / writer by distinguishing each IC chip when the IC chips having resonance frequencies f0 for various free spaces are attached to the book and the books are stacked. It is a graph. A solid line indicates a communicable distance when a single IC chip is used as a comparative example. In addition, the thin broken line shows only one book, the thick broken line shows two books stacked, and the alternate long and short dash line shows the resonance frequency f0 for the IC label free space when the books are stacked and the reader / writer. 3 shows the relationship of the maximum distance at which the IC chip can be identified and read and written. In addition, this 20 mm thick thing is used and the measurement is performed with the network analyzer (RX mode).
[0049]
According to FIG. 8, when the IC label is attached to one book (thin broken line) as compared with the case of the IC label alone (solid line), the peak frequency of the graph is higher than the peak frequency of the IC label alone. Shift about 0.9MHz. In addition, when IC labels are attached to two books and stacked on each other (thick broken line), the peak frequency of the IC label alone is shifted by about 0.5 MHz higher than when only one book is measured. To do. This is a shift of 8 to 12% with respect to the resonance frequency f0 of the IC label alone. When three books are stacked and measured (one-dot chain line), there is no peak frequency in the graph, and the maximum communicable distance does not decrease at a high resonance frequency f0. In addition, although measurement was not performed for four or more books, the peak frequency does not exist even when four or more books are stacked because the full width at half maximum increases and the peak intensity tends to weaken as the number of books stacked increases. It is thought that it becomes a flat graph.
[0050]
From the above results, when two or more books are stacked and an IC label is attached to each book, the frequency f0 (= reader / writer oscillation frequency at which the communication distance is maximum with the IC label alone is the maximum. By setting the resonance frequency f0 for free space 8-12% higher than fosc), it is possible to identify the IC label attached to each book and increase the communicable distance. . Even when three or more books are stacked, the maximum communicable distance does not decrease by setting the resonance frequency f0 for the free space of the IC label higher than the oscillation frequency fosc. Therefore, the IC label according to the modification of the first embodiment is set so that the resonance frequency f0 for the free space is set to 8 to 12% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer, so that the IC labels attached to the stacked books are each It is possible to suppress a decrease in the maximum communicable distance with respect to.
[0051]
This makes it possible to read or write the information on each IC label affixed to the book without reducing the communication distance even when books are received in a piled-up state, for example, in a bookstore purchase. Advantages such as easy product management.
[0052]
(Second Embodiment)
As shown in FIG. 4, the IC card according to the second embodiment includes an IC module 31, a first adhesive sheet 15 laminated on the IC module 31, and a first laminated on the first adhesive sheet 15. The oversheet 16 includes a second adhesive sheet 13 laminated on the lower surface of the circuit substrate 10, and a second oversheet 14 laminated on the lower surface of the second adhesive sheet 13.
[0053]
Here, the IC module 31 includes a circuit substrate 10, an IC chip 12 disposed on the circuit substrate 10, and an antenna coil 11 electrically connected to the IC chip 12 on the circuit substrate 10. . A resonance circuit is composed of the capacitor included in the IC chip 12 and the antenna coil 11. This resonance circuit is designed so that the resonance frequency f0 is higher than the oscillation frequency of the reader / writer.
[0054]
The IC card according to the second embodiment has an advantage that the strength against external impact is strong as compared with the IC label according to the first embodiment and its modification. The circuit substrate 10 is thicker than the IC label according to the first embodiment and its modification, and the first and second oversheets 16 and 14 are made of polyethylene terephthalate. This is because the thickness is larger than that when used as a material for the circuit substrate of the IC label in the form. Further, by providing the second oversheet 14 not only on the upper surface but also on the lower surface of the circuit base material 10, the structure can withstand an external impact.
[0055]
It is also effective that the IC card according to the second embodiment adopts a modified example structure as shown in FIG. The IC card shown in FIG. 6 is similar to the IC card shown in FIG. 4 in that the antenna coil 11 and the IC chip 12 are arranged on the circuit substrate 10. The oversheet structure is different. The oversheet 20 has a small thickness at a portion in contact with a region where the antenna coil 11 and the IC chip 12 are disposed, and is not in close contact with the circuit base material 10. The circuit base material 10 and the oversheet 20 are adhesive sheets. It adheres only through 19a, 19b, 19c. Therefore, the antenna coil 11 and the IC chip 12 are not in contact with the adhesive sheet and the oversheet 20, and the antenna coil 11 and the IC chip 12 are not directly affected even when an impact is applied from the top of the IC card. The possibility that the connection between the antenna coil 11 and the IC chip 12 is broken or the IC chip 12 is damaged due to an external impact is reduced. Further, since the antenna coil 11 and the IC chip 12 are not in contact with the oversheet 20 at all, there is an advantage that the flatness of the surface of the oversheet 20 is improved. In FIG. 6, the oversheet is not provided on the back surface of the circuit substrate 10 via an adhesive sheet, but it is also preferable to provide the same as the IC card shown in FIG. 4.
[0056]
In addition, as described above, the IC card according to the second embodiment has a resonance frequency f0 with respect to the free space of the circuit constituted by the antenna coil 11 and the IC chip 12 larger than the oscillation frequency fosc of the reader / writer. Takes a value. An IC card is used as, for example, an ID card. In this case, the IC card is mainly stored in an inner pocket or a wallet of clothes. Since these containers function as a dielectric as well as the book, the inductance L of the antenna coil included in the IC card changes as in the case where the IC label is attached to the book, and the resonance frequency fop during operation of the circuit is changed. It deviates greatly from the oscillation frequency fosc of the reader / writer. Therefore, in the past, even if the resonance frequency f0 for the free space of the resonance circuit included in the IC card is set so as to match the oscillation frequency fosc of the reader / writer at the design stage, the resonance frequency fop during operation is actually large. There has been a disadvantage that the maximum communicable distance of the IC card is lowered due to the deviation. Therefore, in the IC card according to the second embodiment, the resonance frequency f0 for the free space of the resonance circuit included in the IC card is designed in advance higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer. Therefore, even if the resonance frequency fop at the time of operation becomes small due to the presence of the dielectric, the resonance frequency fop at the time of operation can be kept within the range of ± 300 kHz of the oscillation frequency fosc of the reader / writer. As a result, the sensitivity of the IC card according to the second embodiment does not decrease despite the presence of the dielectric, and the maximum communicable distance can be maintained at the same level as that of the IC card alone.
[0057]
Next, an IC card manufacturing method according to the second embodiment will be described with reference to FIG. Note that not only the IC card shown in FIG. 4 but also the IC card shown in FIG. 6 can be manufactured by the following method.
[0058]
(A) First, a circuit substrate 10 having a copper foil 15 attached to the entire surface is prepared. Such a circuit substrate 10 may be commercially available, or may be formed by vapor-depositing copper on a substrate made of plastic or the like. As shown in FIG. 5A, resist patterns 17 a and 17 b corresponding to the connection terminals 18 for the antenna coil 11 and the IC chip 12 to be formed are formed on the copper foil 15. First, a resist is spin-coated on the entire surface of the copper foil 15, and then resist patterns 17a and 17b are formed by photolithography.
[0059]
(B) Next, the copper foil in regions other than the resists 17a and 17b is removed by chemical etching using the resist patterns 17a and 17b as etching masks. As a result, the antenna coil 11 and the connection terminal 18 are formed as shown in FIG.
[0060]
(C) Next, the IC chip 12 is electrically connected to the connection terminal 18 as shown in FIG. The connection method may be wire bonding or TAB (Tape Automated Bonding). Since the IC card itself has a certain thickness, even if it is connected by such a method, there is no problem as in the case of the IC label. Of course, the IC chip 12 and the connection terminal 18 may be connected using an anisotropic conductive adhesive as in the first embodiment.
[0061]
(D) Next, the first and second oversheets 16 and 14 are prepared. An overcoat (protective layer) is formed on the surfaces of the first and second oversheets 16 and 14 in advance, although printing and illustration of a pattern for decorating the card and necessary display are omitted. Further, the first and second adhesive sheets 15 and 13 are applied to the front surface and the back surface of the circuit substrate 10. In the case of the modification shown in FIG. 6, the adhesive sheets 19a, 19b, 19c are applied only to the portions where the oversheet 20 and the circuit substrate 10 are in contact. Then, the first oversheet 16 is adhered to the front surface of the circuit substrate 10, and the second oversheet 14 is adhered to the back surface of the circuit substrate 10. Next, an appropriate location in the region where the first and second adhesive sheets 15 and 13 are present is heated and temporarily fixed by an ultrasonic sealer. This is to prevent the circuit substrate 10 and the first and second oversheets 16 and 14 from being displaced when compressed by a press. After temporarily fixing, the substrate is set between the mirror plates, introduced into a press machine, and compressed. Thus, the IC card according to the second embodiment is completed as shown in FIG.
[0062]
In the IC card according to the second embodiment, the second adhesive sheet 13 and the second oversheet are formed on the back surface of the circuit substrate 10 when the purpose is to use in an environment where impact from the outside is weak. 14 may not be provided. Further, for the first and second adhesive sheets 13, 15 and the adhesive sheets 19a, 19b, 19c, the circuit board 10, the first and second oversheets 16, 14, and the oversheet 20 are made of vinyl chloride or PET- In the case of the G sheet, the adhesive sheet is unnecessary because it is self-fused by being compressed by a press. Further, the antenna coil 11 and the connection terminal 18 may be printed on the circuit substrate 10 with a conductive paint.
[0063]
(Other embodiments)
As described above, the present invention has been described according to the first and second embodiments. However, it should not be understood that the description and drawings constituting a part of this disclosure limit the present invention. From this disclosure, various alternative embodiments, examples, and operational techniques will be apparent to those skilled in the art.
[0064]
For example, it is described that the IC label according to the first and its modified examples is attached to a book and used, but the application of the IC label according to the present invention is not limited to this. Even if it is not a book, the product to be attached functions as a dielectric, so when the oscillation frequency fosc of the reader / writer and the resonance frequency f0 for the free space of the circuit included in the single IC label are matched, By attaching the IC label to the product, the resonance frequency fop during operation is reduced, and the maximum communicable distance of the IC label is reduced. On the other hand, if the IC label according to the first embodiment is used, it is possible to suppress a decrease in the maximum communicable distance.
[0065]
It is also effective to attach and read the IC label according to the modification of the first embodiment to each of a large number of boxed products in the distribution process of the products and to perform writing and reading by a reader / writer. Further, when an IC label is used in an environment where water droplets are likely to adhere, the resonance frequency f0 for the free space of the circuit is set higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer in advance in consideration of the function as a water dielectric. It is also effective.
[0066]
Further, when the resonance frequency f0 for the free space of the resonance circuit included in the IC label is set to 8% higher than the oscillation frequency fosc of the reader / writer, each effect described in the first embodiment and its modification is 1 It can be realized with a single IC label. In that case, as an IC label to be attached to a book, even if the target of reading or writing information is one book or a plurality of books, there is an effect that the maximum communicable distance is not lowered and the sensitivity is not lowered. Will have.
[0067]
Further, the IC label or the IC card according to any one of the first and second embodiments has a configuration in which a resonance circuit including an IC chip and an antenna coil is disposed not only on the front surface of the circuit substrate but also on the back surface. It is also effective. In this case, a single IC label or IC card can be used for a plurality of reader / writers that oscillate at different frequencies fosc and obtain different information. Thereby, for example, the ID card and the commuting period can be combined into one IC card.
[0068]
Thus, it should be understood that the present invention includes various embodiments and the like not described herein. Therefore, the present invention is limited only by the invention specifying matters according to the scope of claims reasonable from this disclosure.
[0069]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide an IC module in which the maximum communicable distance does not decrease despite the presence of a dielectric.
[0070]
Further, according to the present invention, it is possible to provide an IC label in which the maximum communicable distance does not decrease even if it is attached to an object.
[0071]
Furthermore, according to the present invention, it is possible to provide an IC label that does not reduce the distance at which a plurality of IC labels attached to a plurality of objects can be identified and information can be exchanged.
[0072]
Furthermore, according to the present invention, it is possible to provide an IC card in which the maximum communicable distance does not decrease even when stored in a dielectric.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an IC label according to a first embodiment and a modification thereof.
FIG. 2 is a plan view showing a circuit pattern of an IC label according to the first embodiment and its modification.
FIG. 3 is a diagram showing a method of manufacturing an IC label according to the first embodiment and its modification.
FIG. 4 is a cross-sectional view of an IC card according to a second embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing a method for manufacturing an IC card according to a second embodiment.
FIG. 6 is a cross-sectional view of an IC card having another structure according to the second embodiment.
FIG. 7 is a graph showing the relationship between the thickness of a book to which an IC label is attached and the resonance frequency fop when the IC label operates.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between the resonance frequency f0 and the maximum communicable distance with respect to the free space of the IC label, using the number of books with the IC label attached as a parameter.
[Explanation of symbols]
1, 10 circuit substrate
2,11 Antenna coil
3, 12 IC chip
4 Skin layer
5 Adhesive layer
6 Release layer
7 Adhesive layer
8 Anisotropic conductive adhesive
9 Insulation part
13, 15, 19a, 19b, 19c Adhesive sheet
14, 16, 20 Oversheet
17a, 17b, 17c resist
18 Connection terminal
31 IC module

Claims (6)

回路基材と、
該回路基材上に配置されたICチップと、
前記回路基材上において前記ICチップに電気的に接続されたコンデンサ及びアンテナコイル
とを具備し、前記コンデンサと前記アンテナコイルからなるLC共振回路の自由空間に対する共振周波数が、前記ICチップに情報の記録及び再生を行う外部情報記録再生装置の発振周波数よりも高周波側にずれるように設定されているICモジュールであって、
自由空間に対する前記共振周波数をICラベル単体で通信距離が最大となる共振周波数よりも8%〜12%高く設定する
ことを特徴とする非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュール。
A circuit substrate;
An IC chip disposed on the circuit substrate;
A capacitor and an antenna coil electrically connected to the IC chip on the circuit substrate are provided, and a resonance frequency with respect to a free space of an LC resonance circuit composed of the capacitor and the antenna coil is set in the IC chip. An IC module that is set to be shifted to a higher frequency side than an oscillation frequency of an external information recording / reproducing apparatus that performs recording and reproduction ,
An IC module for a non-contact type IC label or a non-contact type IC card, wherein the resonance frequency for free space is set to be 8% to 12% higher than a resonance frequency at which a communication distance is maximum with a single IC label .
回路基材と、
該回路基材上に配置されたICチップと、
前記回路基材上において前記ICチップに電気的に接続されたコンデンサ及びアンテナコイル
とを具備し、前記コンデンサと前記アンテナコイルからなるLC共振回路の自由空間に対する共振周波数が、前記ICチップに情報の記録及び再生を行う外部情報記録再生装置の発振周波数よりも高周波側にずれるように設定されているICモジュールであって、
ICラベルの動作時の前記共振周波数が外部情報記録再生装置の発振周波数よりも2%〜8%大きくなるよう設定し、
ICラベルの動作時の前記共振周波数の前記発振周波数に対するずれを±300k H z以内に抑える
ことを特徴とする非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュール。
A circuit substrate;
An IC chip disposed on the circuit substrate;
A capacitor and an antenna coil electrically connected to the IC chip on the circuit substrate are provided, and a resonance frequency with respect to a free space of an LC resonance circuit composed of the capacitor and the antenna coil is set in the IC chip. An IC module that is set to be shifted to a higher frequency side than an oscillation frequency of an external information recording / reproducing apparatus that performs recording and reproduction ,
The resonance frequency during operation of the IC label is set to be 2% to 8% higher than the oscillation frequency of the external information recording / reproducing apparatus,
Non-contact IC labels or non-contact IC IC module card, characterized in that to suppress the deviation of the oscillation frequency of the resonant frequency during the operation of the IC label within ± 300k H z.
前記ICチップがコンデンサを内蔵したICチップであることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュール The IC module for a non-contact type IC label or non-contact type IC card according to claim 1 or 2, wherein the IC chip is an IC chip with a built-in capacitor . 前記ICチップが異方導電性接着剤により前記回路基材上に固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュール The IC module for a non-contact type IC label or a non-contact type IC card according to claim 1 or 2, wherein the IC chip is fixed on the circuit substrate by an anisotropic conductive adhesive . 請求項1〜4のいずれかに記載の非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュールと、
該ICモジュール上に積層した接着層と、
該接着層の上に積層した表皮層と、
前記回路基材の下面に積層した粘着層と、
該粘着層の下面に積層した剥離層
とを具備することを特徴とする非接触式ICラベル。
An IC module for a non-contact IC label or a non-contact IC card according to any one of claims 1 to 4,
An adhesive layer laminated on the IC module;
A skin layer laminated on the adhesive layer;
An adhesive layer laminated on the lower surface of the circuit substrate;
A non-contact type IC label comprising a release layer laminated on the lower surface of the adhesive layer.
請求項1〜4のいずれかに記載の非接触式ICラベルまたは非接触式ICカード用ICモジュールと、
該ICモジュール上に積層した第1接着剤シートと、
該第1接着剤シート上に積層した第1オーバーシートと、
前記回路基材の下面に積層した第2接着剤シートと、
該第2接着剤シートの下面に積層した第2オーバーシート
とを具備することを特徴とする非接触式ICカード。
An IC module for a non-contact IC label or a non-contact IC card according to any one of claims 1 to 4,
A first adhesive sheet laminated on the IC module;
A first oversheet laminated on the first adhesive sheet;
A second adhesive sheet laminated on the lower surface of the circuit substrate;
A non-contact type IC card comprising: a second oversheet laminated on the lower surface of the second adhesive sheet.
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