JP4058177B2 - ディジタル・オーディオ信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル・オーディオ信号処理装置及びそのような処理装置におけるゲイン(利得)等の信号パラメータの制御に関する。
本発明は、ゲイン以外のパラメータの制御にも適用できるが、説明を簡潔にし明瞭にするために、ここではゲインを例にとって説明する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ信号ミキサにおいては、各出力チャネルに対して、複数のチャネルがあり、各チャネルはゲイン(又は他のパラメータ)を制御するための少なくとも1つの手動制御手段を有している。ディジタルミキサは、44.1kHz又は48kHz等のナイキスト・レイトよりも大きなレイトS1でサンプルされたサンプルされディジタル化された信号で動作する。
【0003】
ディジタル信号処理チャネルにおいては、ゲインはディジタル信号サンプル値に乗算器を使って希望のゲインを表す数を掛けることによって制御される。この希望のゲイン値は、手動で調整されるゲインコントロールによって設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ディジタル・オーディオ信号ミキサについて考えると、そこでは、制御プロセッサ(例えば、コンピュータ)によって、1セットの手動で調整出来るゲイン・コントロールが、ディジタル信号ミキサにリンクされており、ゲイン・コントロールをサンプルする。
多数のゲインコントロールがレイトS2でサンプルされるが、このレイトはディジタル信号のサンプリング・レイトS1よりもずっと少ない。何故ならば、そのようなコントロールが多数あるからである。
【0005】
本発明は、ゲイン(及び/又は他の)コントロールのサンプリング・レイトが比較的低いので、処理されたオーディオ信号において聞くことができるであろうアーティファクト(即ち、プロセッサが信号を処理する仕方によって作られる人工の影響)のレイトで、オーディオ信号プロセッサのゲイン(及び/又は他の転送特性)が複数ステップにわたって変化することになる。
そのようなアーティファクトの一例として「ジッパー・ノイズ」がある。
【0006】
本発明は、上記従来のディジタル・オーディオ信号処理装置の欠点を克服することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第1のサンプリング・レイトS1を有するディジタル・オーディオ信号を処理するためのディジタル・オーディオ信号処理装置が設けられていて、その信号処理装置は、処理すべき信号の望ましいパラメータを設定するための手動調整可能な多数のコントロールと、上記コントロールの設定を決定するため第1のレイトS1よりも少ない第2のサンプリング・レイトS2で各コントロールの設定をサンプリングするための手段と、上記信号にサンプルされた設定を適用するためのサンプリング手段に応答する手段と、を有し、各コントロールに対して、該適用する手段が設定の連続サンプルの差を決定し、そのコントロールによってコントロールする信号に、設定の増分を与えるが、各増分は、第2のサンプリング・レイトS2のn倍のレイトnS2で、上記差の予め定められた分数1/nである。
【0008】
このレイトnS2はS1に等しいかそれよりも小さい。好ましくは、nS2はS1に等しい。nは整数であることが望ましく、2の整数乗であることがもっと望ましい。また、nは固定値であることが望ましい。
このように、手動コントロールによってnS2のレイトでセットされるゲイン変化を分数1/nだけ増分することによって、可聴アーティフェクトが減少される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、信号処理装置は、1ビット信号のミキサである。そのようなミキサの一実施形態は、第1の1ビット信号を受信する第1入力、第2の1ビット信号を受信する第2入力、pビット信号を再量子化して1ビット形式にする量子化器(但し、ここで再量子化された信号は当該プロセッサの出力信号である)、第1の信号と第1の係数の積、第2の信号と第2の係数の積、及び出力信号と第3の係数との積の加算的結合の積分値を形成する第1結合器と、第1の信号と第1の係数の積、第2の信号と第2の係数の積、及び出力信号と第3の係数の積、及び前段の積分値の加算的結合の積分値を形成する少なくとも1つの中間結合器と、
第1の信号と第1の係数の積、第2の信号と第2の係数の積、及び前段の積分値の加算的結合を形成し、量子化器によって再量子化されるpビット信号を形成する最終結合器とを含む複数の信号結合器を有する、n次(ここでnは1に等しいかそれよりも大きい)デルタ・シグマ変調器(DSM)を備えている。
【0010】
信号ミキサの結合器は、1ビット信号で動作し、従って、不経済なpビット乗算器の必要性を回避する1ビット乗算として係数乗算が行われる。
更に又、このDSMは、ノイズ成形も行う。
【0011】
この第1及び第2係数は入力信号伝達関数のゼロ点を規定し、固定でも可変でもよい。しかし、第3係数は入力信号伝達関数のポール(極点)を規定し、固定でも可変でもよい。
もし、非同期ソースによってDSMに与えられる第1及び第2信号が作られると、信号の複数のビットがそのDSMで位相同期するようにするには同期手段が必要である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明をより良く理解するために添付図面を参照して、本発明の一実施形態の説明をする。
本発明の好ましい実施形態においては、ディジタル信号は1ビット信号であり、適用手段は1ビットデルタ・シグマ変調器を含む。
【0013】
アナログ信号を少なくともナイキスト・レイトでサンプリングしてそれらのサンプルの高さをmビット数で符号化することによって、アナログ信号をディジタル形式に変換することは知られている。従って、もしm=8ならば、そのサンプルは8ビットの精度に量子化されると言われる。一般に、mは1に等しいかそれよりも大きい任意のビット数にすることができる。
【0014】
たった1ビットに量子化するためには、シグマ・デルタADCまたはデルタ・シグマADCのどちらかで知られているアナログ・ディジタル変換器(ADC)を準備することが知られている。ここでは、用語「デルタ・シグマ」が使われる。
そのようなADCは、例えば、Craig Marven 及び Gillian Ewers 著 ISBN 0−904.047−00−8、1993年、テキサス インスツルメント発行の「A Simple Approach to Digital Signal Processing」に説明されている。
【0015】
図1を参照すると、そのようなADCの一例が示されており、アナログ入力信号と1ビット出力信号の積分値2(シグマ)の間の差1(デルタ)が1ビット量子化器3に供給されている。この出力信号は、論理値0及び1からなる複数のビットを含むが、これらは−1及び+1からなる実際の値を表す。
積分器2は、1ビット出力を累積するので、そこに累積された値はアナログ信号の値に従う傾向にある。量子化器3は、各ビットが作られると、累積値を増加(+1)または減少(−1)する。
このADCは、累積された値がアナログ信号に追従するように出力ビット流の作成をできるようにするために非常に高いサンプリング・レイトを要求する。
【0016】
下記の説明および特許請求の範囲で使っている用語「1ビット」は、デルタ・シグマADCで作られるような1ディジタルビットの精度に量子化された信号を意味する。
【0017】
1ビット信号を直接処理するためのn次フィルタセクションとして構成されたデルタ・シグマ変調器(DSM)は、"One Bit Digital Processing of Audio Signals" という表題の付けられた1993年10月に米国ニューヨークで開催された第95回AES Convention 7−10で配布された論文中にN.M.Casey及びJames A.S. Angusによって提唱された。図2は、DSMフィルタセクションを3次(n=3)で構成したものを示す。
【0018】
図2を参照すると、このDSMは1ビットオーディオ信号の為の入力4及び処理された1ビット信号が作られる出力5を有する。この1ビット信号でなる数ビットがそのDSMを通して、図示されていない公知のクロック配列によってクロック(刻時)される。
【0019】
出力の1ビット信号は1ビット量子化器Qによって作られ、1ビット量子化器Qは例えば閾値レベルがゼロの比較器である。DSMは、各々が、入力4に接続された第1の1ビット乗算器a1,a2,a3、出力5に接続された第2の1ビット乗算器c1,c2,c3、加算器61,62,63及び積分器71,72,73を含む3つの段を有する。
【0020】
1ビット乗算器は、受信した1ビット信号にpビットA1,A2,A3,C1,C2,C3を乗算し、pビット積を作り、加算器61,62,63で加算され、その和(複数個ある)が積分器7に送られる。中間段では、加算器62,63は前段の積分器の出力の和も作る。最終段は、入力に接続されている他の1ビット乗算器A4を含み、その入力信号にpビット係数A4を乗算し、加算器64で前段の積分器73の出力にその積を加える。和は量子化器Qに送られる。
【0021】
DSM内では、正及び負のpビット数を表すのに2の補数計算が使われる。量子化器Qへの入力は出力の所で+1(論理1)として量子化されるか、出力の所で−1(論理0)として量子化される。
【0022】
CaseyとAngusによって観察されたように、1ビットプロセッサ‥‥は1ビット出力を作り、許容できないレベルまでノイズによって不明瞭になったオーディオ信号を含む1ビット出力を作るので、量子化雑音が好ましく成形されることが肝要である。オーディオ信号を不明瞭にするノイズは量子化器で作られる量子化ノイズである。
【0023】
量子化器Qは加算器としてモデル化することができ、オーディオ信号を受信する第1の入力とオーディオ信号と実質的に相関を持たないランダムビット流(量子化ノイズ)を受信する第2の入力を持つ。その基礎上にモデル化され、このオーディオ信号は、入力4で受信され、乗算器a1,a2,a3,a4によって出力5に順方向供給され出力5から乗算器c1,c2,c3によって逆方向供給(フィードバック)される。従って、順方向路の係数A1〜A4は、そのオーディオ信号のZ変換伝達関数のゼロを規定し、フィードバック路の係数C1〜C3はオーディオ信号の伝達関数のポールを規定する。
【0024】
このノイズ信号は、乗算器C1〜C3によって量子化器からフィードバックされるから、係数C1〜C3はノイズ信号の伝達関数のポールを規定する。このノイズ信号の伝達関数は、入力信号のそれと同じではない。
【0025】
係数A1〜A4及びC1〜C3は、他の望ましい特性のある中で回路の安定性を提供するために選ばれる。
係数C1〜C3は、例えば図3においてフルライン31で示されているように、オーディオバンドのノイズを軽減するためにノイズ成形を行うように選ばれている。
係数A1〜A4と係数C1〜C3は、望ましいオーディオ信号処理特性をうるためにも選ばれている。
【0026】
係数A1〜A4及びC1〜C3は下記のファクタによって選ぶことができる:(a)好ましいフィルタ特性のZ変換H(z)、例えばノイズ成形関数を見つけること、
(b)H(z)を係数に変換すること。
これは下記の論文に説明されている方法によって行うことができる。
"Theory and Practical Implementation of a Fifth Order Sigma-Deta A/D Converter,Journal of Audio Engineering Society, Volume 39,no.7/8,1991 July/August by R.W.Adams et al."
及び本書において前述したAngusとCasey著の論文および当業者の知識を使って行うことができる。係数を計算する一つの方法は後述する係数の計算の項で概略説明する。
【0027】
図5を参照すると、信号ミキサはn次デルタ・シグマ変調器(DSM)を含み、ここでnは1以上である。ここに示す例は、3次のDSMである(n=3)がnは3よりも大きくてもよい。
【0028】
DSMの次数は、積分器セクションの数によって規定される。DSMは、第1のセクション、n−1個の中間セクション、及び最終セクションを含む。第1セクションは、加算器61;DSMの第1入力4Aに接続された第1係数乗算器a1;DSMの第2入力4Bに接続された第2係数乗算器b1;DSMの出力5に接続された第3係数乗算器;及び加算器61の出力を積分する積分器71を含む。
【0029】
係数乗算器a1,b1,c1は1ビット信号に係数A1,B1,C1を乗算する。加算器61は、乗算器a1,b1,c1の出力を加算する。各中間積分セクションは4つの入力を持つ加算器62,63、積分器72,73、第1のビット信号に係数A2,A3を乗算するためにDSPの第1の入力に接続された第1係数乗算器a2,a3、第2の1ビット信号に係数B2,B3を乗算するためにDSPの第2の入力に接続された第2係数乗算器b2,b3、DSPの1ビット出力信号に第3係数C2,C3を乗算するためにDSMの出力に接続された第3係数乗算器c2,c3を含む。
【0030】
加算器62,63は、前段の積分器の出力にその積分器から接続されている乗算器の出力を加算する。
DSMの最終段は、第1信号に第1係数A4を乗算する第1係数乗算器a4;第2信号に第2係数B4を乗算する第2係数乗算器b4;及び前段の積分器73の出力に接続された3つの入力を有する加算器64を含む。
【0031】
この加算器64は、量子化器Qに接続された出力を有する。
乗算器a1〜a4,b1〜b4,c1〜c4は、全て1ビット乗算器であり、それらの乗算器に与えられる1ビット信号にpビット係数を乗算してpビット被乗数を作る。
【0032】
加算器61〜64及び積分器71〜73は、pビット信号で動作する。
このpビット信号は、例えば2の補数形式で表され、それによって、正と負の数が表される。
量子化器Qは、閾値レベルがゼロの比較器である。この量子化器への負入力は、−1(論理0)、正入力は+1(論理1)として符号化され、出力5に1ビット出力を作る。
【0033】
第1と第2の1ビット信号は、入力4A及び4Bに与えられる。この第1及び第2信号をクロック回路41によって提供される局部クロックに同期させるために同期回路40が設けられている。この同期回路は、2つの入力信号を局部クロックに別々に同期させることができる。クロック回路41はDSMの刻時を制御することもできる。
【0034】
係数A1〜A4、B1〜B4、及びC1〜C3は、下記のことを準備するために上記論文に説明されている方法を使って選ばれる。
(a)回路安定性;及び
(b)ノイズ成形
【0035】
係数C1〜C3は、ノイズ成形を与えるための固定値を有する。
係数A1〜A4及びB1〜B4は、入力信号の伝達関数のゼロを規定し、それらの信号に与えられるゲインを制御する。
【0036】
図6を参照すると、(図5の)積分器71,72,73の1つが示されている。これは、加算器600、1ビット期間遅延素子610、及び遅延素子の出力から加算器への帰還路を含む。加算器600は、このように分離されている代わりに、DSMの段の加算器61,62,63であってもよい。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、係数A1〜A4、及びB1〜B4は可変であって、第1及び第2信号が可変割合で混合できるようにしている。これらの可変係数A1〜A4、B1〜B4は、下記に説明する係数発生器405によって発生される。
【0038】
図4を参照すると、本発明の信号混合システムは、下記の構成を含む。即ち、単にXとYだけが示されているが多数の(m個の)信号入力を有し、図5に示すように多数のDSMミキサを含むディジタル信号処理装置401と、多数の手動で操作されるゲインコントロール403と、ホストコンピュータ404を含む。
【0039】
本発明の好ましい実施形態においては、コンソール402は、1セットの電子機械トランスジューサではなくて、ホストコンピュータ404に関連するタッチ(接触)感知可能表示装置上に表示される「バーチャル・コントロール」である。しかしながら、コンソールは、そのようなトランスジューサまたはそのようなトランスジューサとバーチャル・コントロールを含む。
【0040】
コンピュータ404は、ゲイン・コントロール403の設定をサンプルし、信号プロセッサ401の対応チャネルを制御して、そのセットのゲインをX及びY等で示す入力に受信するオーディオ信号に適用する。
【0041】
図7を参照してサンプリングについて説明すると、(図4の)コンピュータ404は、コントロール403のゲイン設定をレイトS2でサンプルる。本実施形態については、このレイトは、例えば約2.8MHzの1ビット信号サンプリング・レイトS1の1/216である。コンピュータは、コントロールmのゲイン設定を時刻a及びbでサンプルする。コンピュータは、各設定を格納し、各設定に対して、コントロールmによって制御されるチャネルの係数、例えばA1〜A4に対応する1セットの係数値を計算する。
【0042】
そこで、コンピュータは、各計算された係数値A1〜A4に対し(b−a)/216に依存する増分値σAを計算する。この増分値は、1ビット信号サンプル71に各々が同期して(b−a)/216に依存した216個の係数値の各々に変えるために図7に線70で表された線形補間に使われる。
【0043】
図5及び8を参照すると、図5の係数発生器42は、ミキサの1チャネルに対して、ホストコンピュータから1コントロールmの(b−a)/216に依存する1セットの係数増分N1を受信する。1コントロール又は1信号処理チャネルに対して係数A1〜A4の各々に対して1つの増分N1=σAがある。
【0044】
図8を参照すると、係数発生器は、各係数A1,A2,A3,A4に対して下記の1セットを含む。即ち、
ホストコンピュータ404により、増分σAの新しい値がロードされる第1レジスタと、
上記第1レジスタN1に接続されており、前回シーケンスの216個の補間が完了した時にこの増分がロードされる第2レジスタLDIと、
加算器80によってレジスタLDIに結合された第3レジスタACCであって、該加算器がACC内の値をLDI内の増分に加算してACC内の連続的に増加する値を累積する第3レジスタと、を含む。
【0045】
この加算は、1ビット信号サンプル毎に一度行われる。従って、216サンプルの後、レジスタACCは、ホストコンピュータ404によって時刻bにサンプルされたゲイン設定bに対応する係数値を含む。
216サンプルの後、レジスタLDI内の値がゼロにクリアされる。従って、もし手動コントロール403の設定に何の変化も無ければACCの値は不変のままに維持される。もし、NIに新しい値がロードされれば、その新しい値はLDIに転送され新たに増分処理が始まる。
レジスタのロード及びクリアは、ホストコンピュータ404と協同動作する係数発生器405の制御回路81によって制御される。
【0046】
図9を参照すると、ステップST1で、ホストコンピュータ404は時刻aにコントロールmの設定aをサンプルし、その値をステップST2で格納する。この値は、ステップST3で時刻bに再びサンプルされ、ステップST4で値bとして格納される。ステップST5で、ホストコンピュータは(b−a)/216に依存する値の中の1セットのDSM用係数A1〜A4の増分σA1,σA2,σA3,σA4を計算する。
【0047】
ステップST6で、コンピュータ404は、制御回路81に応答指令信号を送って、レジスタNIの内容がレジスタLDIに転送されているか否か決定する。もし、答えがイエスならば、この増分σAはステップST7でレジスタNIに転送される。
【0048】
このレジスタNIへの増分セットの転送は、前回増分をレジスタLDIに転送した後、任意の時刻に行われる。係数発生器内のこの制御回路81は、ステップST8で、ホストコンピュータから、ステップST7で新しいセットの増分がNIにロードされたことを示すフラッグを受信する。
【0049】
もし、前回増分が終っていれば、制御回路はステップST9でLDIに新しいセットの増分をロードする。アキュムレータ・レジスタACC内の値はステップST10で1ビット信号サンプルと同期して216倍に増分される。216増分の後、LDIはステップST11でゼロにクリアされる。ステップST12でレジスタNIにロードされた新しいセットの増分があれば、シーケンスはステップST9に戻る。さもなくば、ACC内の値は、ステップのシーケンスをST10に戻すことにより維持され、それによりACCの値にゼロが216回加算される。
【0050】
「係数の計算」
図8は、5次のDSMを示しており、係数a〜f、係数A〜E、加算器6及び積分器7を有する。積分器7は単位遅延を与える。これらの積分器の出力は、左から順にs〜wである。このDSMへの入力は、信号x〔n〕であり、〔n〕はサンプルの刻時されたシーケンスにおける1つのサンプルを表している。量子化器Qへの入力はy〔n〕で表され、これもDSMの出力信号である。この解析は、量子化器Qは処理された信号にランダムノイズを加える単なる加算器と過程した動作モデルに基づいている。従って、この解析に於いては量子化器は無視されている。
信号y〔n〕=fx〔n〕+w〔n〕、即ち、サンプル〔n〕の出力信号y〔n〕は係数fを掛けた入力信号x〔n〕プラス先行積分器7の出力w〔n〕である。
積分器7の各出力信号に同じ原理を適用すると下記の式で表せる。
y〔n〕=fx〔n〕+w〔n〕
w〔n〕=w〔n−1〕+ex〔n−1〕+Ey〔n−1〕+v〔n−1〕
v〔n〕=v〔n−1〕+dx〔n−1〕+Dy〔n−1〕+u〔n−1〕
u〔n〕=u〔n−1〕+cx〔n−1〕+Cy〔n−1〕+t〔n−1〕
t〔n〕=t〔n−1〕+bx〔n−1〕+By〔n−1〕+s〔n−1〕
s〔n〕=s〔n−1〕+ax〔n−1〕+Ay〔n−1〕
【0051】
これらの等式は当該分野で公知のZ変換等式に変換されると下記のとおりである。
Y(z)=fX(z)+W(z)
W(z)(1−z-1)=z-1(eX(z)+EY(z)+V(z))
V(z)(1−z-1)=z-1(dX(z)+DY(z)+U(z))
U(z)(1−z-1)=z-1(cX(z)+CY(z)+T(z))
T(z)(1−z-1)=z-1(bX(z)+BY(z)+S(z))
S(z)(1−z-1)=z-1(aX(z)+AY(z))
【0052】
このZ変換等式は、X(z)の単一関数としてY(z)を導出するために解くことができる。
【0053】
これは、下記の等式の右側に示すように再表現できる。DSMの好ましい伝達関数は直列形式で表せる。
Y(z)/X(z)
これは下記の等式の左辺に与えられており右辺と等しい。
【0054】
この式を解いて、係数α0〜α5から係数f〜aを導き出し、係数β0〜β5からE〜Aを導くことができる。係数αnと係数βnは、公知の仕方で好ましい伝達関数を与える。
fはニューメレータのZ0 項だけである。従って、f=α0
項α0(1−Z-1)5 は、左辺のニューメレータから減算されて下記のようになる。
α0 +α1 z-1・・・+・・・α5 z-5−α0 (1−z-1)5
【0055】
同様にして、f(1−Z-1)5 は右辺のニューメレータから引かれる。そこでeはZ-1の項だけであり再計算された左辺ニューメレータにおける対応するα1と等しくされる。
この処理がニューメレータの全ての項に付いて繰り返される。
この処理がデノミネータの全ての項に付いて繰り返される。
【0056】
【発明の効果】
本発明のディジタル・オーディオ信号処理装置は、上記の構成を備えているために、ゲイン(及び/又は他の)コントロールのサンプリング・レイトが比較的低いために、処理されたオーディオ信号において聞こえるであろうジッパー・ノイズ等のアーティファクト(即ち、プロセッサが信号を処理する仕方によって作られる人工の影響)を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデルタ・シグマ変調器のブロック図である。
【図2】n次フィルタ・セクションとして構成したデルタ・シグマ変調器のブロック図である。
【図3】ノイズ成形特性図である。
【図4】オーディオ信号処理装置のブロック図である。
【図5】図4の信号処理装置のミキサに有用なデルタ・シグマ変調器のブロック図である。
【図6】図5のDSMに有用な積分器のブロック図である。
【図7】本発明を説明するために用いる振幅・時間特性図である。
【図8】本発明の実施に有用な係数発生器のブロック図である。
【図9】図4、5及び8の信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】係数計算に参照する5次DSMの回路ブロック図である。
【符号の説明】
401‥‥信号プロセッサ、402‥‥コンソール、403‥‥手動コントロール、404‥‥ホストコンピュータ、405‥‥係数発生器
Claims (9)
- 第1のサンプリング・レイトS1を有するディジタル・オーディオ信号を処理するためのディジタル・オーディオ信号処理装置であって、
その信号処理装置は、
処理すべき信号の望ましいパラメータを設定するための手動調整可能な多数のコントロールと、
上記コントロールの設定を決定するため第1のレイトよりも少ない第2のサンプリング・レイトで各コントロールの設定をサンプリングするための手段と、
上記信号にサンプルされた設定を適用するためのサンプリング手段に応答する手段と、を有し、
各コントロールに対して、上記適用する手段が、設定の連続するサンプルの差を決定し、そのコントロールによってコントロールする信号に、各々が第2のサンプリング・レイトS2のn倍のレイトnS2の所で、上記差の予め定められた分数1/nである設定の増分を与えるようにしたディジタル・オーディオ信号処理装置。 - 請求項1に記載の装置において、前記レイトnS2はレイトS1に等しいかそれよりも小さいディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項2に記載の信号処理装置において、nS2がS1に等しいディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項2に記載の信号処理装置において、nが整数であるディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項1、2、3、又は4に記載の信号処理装置において、nが固定値であるディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項1に記載の信号処理装置において、1ビット・ディジタル・オーディオ信号を処理するようになしたディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項2に記載の信号処理装置において、適用手段が、デルタ・シグマ変調器を含み、該変調器において信号パラメータの設定が1セットの係数によって規定され、前記設定の増分に基づき前記レイトnS2で該係数を増分させる手段を含むディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項3に記載の信号処理装置において、前記係数を増分する手段が、増分を格納するための第1格納器、累積増分を格納するための第2格納器、格納された増分を第2格納器内の値にn回加算する手段を含むディジタル・オーディオ信号処理装置。
- 請求項4に記載した信号処理装置において、
上記コントロールによりディジタル・オーディオ信号を処理するDSMが、
第1の1ビット信号を受信する第1入力、第2の1ビット信号を受信する第2入力、pビット信号を再量子化して1ビット形式にする量子化器(但し、ここで再量子化された信号は当該プロセッサの出力信号である)を有するn次(nは1よりも大きいかそれに等しい)デルタ・シグマ変調器と、
第1の信号と第1の係数の積、第2の信号と第2の係数の積、及び出力信号と第3の係数との積の加算的結合の積分値を形成する第1結合器と、
第1の信号と第1の係数の積、第2の信号と第2の係数の積、及び出力信号と第3の係数との積及び前段の積分値の加算的結合の積分値を形成する少なくとも1つの中間結合器と、
第1の信号と第1の係数の積、第2の信号と第2の係数の積、及び前段の積分値の加算的結合を形成し、量子化器によって再量子化されるpビット信号を形成する最終結合器と
を含む複数の信号結合器を有し、
上記第3の係数を、オーディオバンドのノイズを軽減するためにノイズ成形を行うように選んだことを特徴とするディジタル・オーディオ信号処理装置。
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