JP4057863B2 - 深穴切削装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削加工中に生じる切り屑をボーリングヘッドに設けた排出口からクーラントと共に中空状ボーリングバーの内部を通して外部へ排出するようにした深穴切削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、深穴加工の切削能率は、工具系の能力よりも、加工中に切削穴内部に発生する切り屑の外部への排出能力に大きく依存する。このため、深穴切削装置では、中空状ボーリングバーを用いると共に、ボーリングヘッドの頂部に頂面から周面にわたって開口する排出口を設け、切り屑を切刃部へ供給されるクーラントと共に該排出口から該ボーリングバーの内部を通して外部へ排出するようにしている。しかして、切削穴径が比較的に大きい深穴切削に適用するボーリングヘッドとして、切削穴の中央部から周辺部に至る切削域の各々一部の切削を担う複数の切刃を用いると共に、これら切刃を大小2つの前記排出口の開口側縁に振り分けて取着したものがある。
【0003】
図4(イ)(ロ)は、従来の深穴切削装置に用いられている、3枚の切刃を備えた一般的なボーリングヘッド30を示す。このボーリングヘッド30は、基端側に開放した中空部31を有する略円筒状であり、その頂部32には中空部31に連通する大小2つの排出口33,34を有し、略鈍角円錐形の頂面30aに臨んで扇形に開口した大排出口33の開口側縁33aに、中央部切刃41及び周辺部切刃42が取着されると共に、同じく扇形の一部が欠けた略台形に開口した小排出口34の開口側縁34aに、中間部切刃43が取着されている。そして、両排出口33,34は、開口面積比が略2:1に設定されており、外周面30b側には開口下縁33b,34bを同位置として矩形に開口している。また、両排出口33,34間の外周面30bには超硬材製のガイドパッド51,52が取着されており、両ガイドパッド51,52及び周辺部切刃42の各取付位置のヘッド回転方向後方側には、切削加工中にこれら部材51,52,42に加わる負荷を受け止めるために他の周面領域よりも大半径で狭幅の膨出部35a〜35cとしている。
【0004】
このようなボーリングヘッド30は、外周に雄ねじ36aを設けた基部36を図4(ロ)の仮想線で示す中空状ボーリングバー60の先端部に螺入して取り付け、該ボーリングバー60を工作機械のスピンドル等の駆動軸に連結して回転駆動させるか、又は被削材側を回転させることにより、切刃41〜43で被削材を切削して深穴を形成する。なお、ボーリングヘッド30の相対回転方向は図4(イ)における反時計回り方向である。しかして、この切削加工中、切削穴の開口部から当該切削穴とボーリングバー60との隙間を通してクーラントを高圧で切刃側へ供給し、このクーラントを発生する切り屑と共にボーリングヘッド30の両排出口33,34より中空部31内へ流入させ、中空状ボーリングバー60内を通して外部へ排出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のボーリングヘッド30による切削加工では、大小2つの排出口33,34の内、小排出口34側における切り屑の排出性が悪くなる傾向があり、そのために切削能率の低下をきたすと共に、往々にして該小排出口34が詰まって切削不能に陥ることがあった。
【0006】
そこで、本発明者らは、従来のこの種ボーリングヘッドにおける小排出口側の切り屑の排出性が悪くなる原因を調べたところ、小排出口は開口面積が小さいために元来より切り屑の通過性が悪いことに加え、構造的にボーリングヘッド頂部でのクーラントの流れが大排出口側に著しく偏り、小排出口側へのクーラント流入量が不足することが判明した。例えば、図4(イ)(ロ)に示すボーリングヘッド30では、切刃側へ送られてきたクーラントは、頂部32の手前までは全周にわたって均等に流れるが、頂部32では切削穴内周に近接する3ヵ所の膨出部35a〜35cで仕切られる形で分流して両排出口33,34に流入する。このとき、開口面積の大きい大排出口33は流通抵抗が小さい上、大排出口33には周辺部切刃42から突出部35aまでの間の広い周方向幅の流通域を通してクーラントが流れ込むのに対し、開口面積が小さく流通抵抗の大きい小排出口34へのクーラントの流通域は突出部35bからガイドパッド51までの間の狭い周方向幅であるため、両排出口33,34の開口面積比2:1に対して実際のクーラント流入量は3:1〜5:1と偏っていた。
【0007】
本発明は、切削加工中に生じる切り屑をボーリングヘッドの大小2つの排出口からクーラントと共に中空状ボーリングバーの内部を通して外部へ排出するようにした深穴切削装置として、上記知見に基づいてボーリングヘッドに適切な改良を加えることにより、切り屑の排出性に優れて切削能率が高く、小排出口側の詰まりによる切削不能を確実に回避できるものを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、図面の参照符号を付して示せば、中空状ボーリングバー1の先端に設けたボーリングヘッド2の頂部21に、その頂面2aから外周面2bにわたって開口してボーリングバー1内部に連通する大小2つの排出口3,4と、各排出口3,4のボーリングヘッド頂面2aに臨む開口側縁3a,4aに取着された切刃5a〜5cとを備え、該ボーリングヘッド2の外周面2bと切削穴H内周面との間の流通間隙を通して切刃側へ供給されるクーラントCを切削にて発生する切り屑Sと共に前記両排出口3,4に流入させてボーリングバー1内部を通して外部へ排出する深穴切削装置において、前記両排出口3,4へのクーラント流入量の比を、両排出口3,4の開口面積比と同一、もしくは小排出口4への流入量が該開口面積比よりも多い割合となるように、前記流通間隙を設定してなり、該流通間隙を設定するに当たって、ボーリングヘッド2の頂部21における前記両排出口3,4によって分かたれた両側の外周面21a,21bに、両排出口3,4の開口下縁3c,4dに沿う外周部(中間部23)よりも前記流通間隙を狭くする膨出部7が形成され、両排出口3,4の各々から周方向に続く非膨出部8の有無又は大小によって前記流通間隙が設定され、これによって前記クーラント流入量の比が設定されてなる構成としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の深穴切削装置において、小排出口4へのクーラント流入量が、大排出口3へのクーラント流入量以下となるように、前記流通間隙を設定してなる構成を採用している。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1の深穴切削装置において、大排出口3から周方向に続く非膨出部8を有さず、小排出口4からヘッド回転方向後方側のガイドパッド6a取付位置まで続く非膨出部8を有してなるものとしている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの深穴切削装置において、大排出口3側に中央部切刃5a及び周辺部切刃5bが取着されると共に、小排出口4側に中間部切刃5cが取着され、両排出口3,4の開口面積比が略2:1であり、大排出口/小排出口のクーラント流入量の比を2/1〜1/1に設定してなる構成としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例に係る深穴切削装置について、図面を参照して具体的に説明する。図1(イ)(ロ)は該深穴切削装置に用いるボーリングヘッド、図2は該深穴切削装置による切削加工状態、図3は切削加工中のボーリングヘッド頂端部をそれぞれ示す。
【0013】
図1(イ)(ロ)に示すボーリングヘッド2は、基端側に開放した中空部20を有する略円筒状であり、その略鈍角円錐形の頂面2aから周面2bにわたって開口した大小2つの排出口3,4と3枚の切刃5a〜5cを有する頂部21、外周に雄ねじ22aを設けた基部22、両排出口3,4の開口下縁3c,4dから基部22までの間の中間部23より構成されており、図2に示すように中空状ボーリングバー1の先端部に基部22を螺入して取り付けるようになっている。
【0014】
両排出口3,4はボーリングヘッド2の径方向に略対向して配置しており、頂部21における両排出口3,4によって分かたれた両側の外周面21a,21bには、それぞれ超硬材製のガイドパッド6a,6bが小排出口4側に偏った配置で一部突出状態に取り付けられている。そして、大排出口3は頂面2aに臨んで扇形に開口しており、その片側の開口側縁3aに中央部切刃5a及び周辺部切刃5bが取着されている。一方、小排出口4は頂面2aに臨んで扇形の一部が欠けた略台形に開口しており、大排出口3側の開口側縁3aとは逆方向に面する開口側縁4aに、中間部切刃5cが取着されている。また、両排出口3,4は、ボーリングヘッド2の外周面2b側には開口下縁3c,4dを同位置として矩形に開口しており、全体の開口面積比が略2:1になるように設定されている。
【0015】
しかして、このボーリングヘッド2では、中間部23の全体がボーリングバー1と略等しい外径に設定されているが、頂部21の外周面21aにおけるガイドパッド6aと大排出口3のヘッド回転方向〔図1(イ)における反時計回り方向〕前方側の開口側縁3bとの間、ならびに外周面21bの全幅が中間部23よりも大半径の膨出部7となり、外周面21aにおける小排出口4のヘッド回転方向後方側の開口側縁4bとガイドパッド6aとの間のみが中間部23と同一半径の非膨出部8となっている。
【0016】
深穴切削装置は、図2に示すように、中空状ボーリングバー1の先端部に上記構成のボーリングヘッド2を基部22の螺入によって取り付け、このボーリングバー1を図示省略した工具チャックを介して工作機械のスピンドル等に連結して回転駆動させることにより、被削材Wに対する深穴切削加工を行う。この切削加工では、ボーリングバー1をシール部材9を介して油密に包囲するクーラント供給ジャケット10を用い、このジャケット10をシールリング12を介して被削材Wに押接した状態で導入口10aより高圧のクーラントCを導入しつつ、ボーリングバー1を図2の矢印F方向、つまりボーリングヘッド2との螺合度合を深める方向に回転駆動させ、被削材Wに該ボーリングヘッド2を押接し、その切刃5a〜5cで該被削材Wを切削して切削穴Hを形成してゆく。なお、ガイドパッド6a,6bは、切削加工中に切削穴Hの内周面に摺接することにより、ボーリングヘッド2を切削穴Hに対して同心状に保持させる機能を果たす。
【0017】
しかして、ジャケット10に導入されたクーラントCは、ボーリングバー1を取り囲む環状導出口10bより、形成中の切削穴Hと該ボーリングバー1との間の流通間隙Tを通してボーリングヘッド2側へ供給され、切削によって発生する切り屑Sを伴って該ボーリングヘッド2の両排出口3,4に流入し、ボーリングバー1の内部1aを通って外部へ排出される。このとき、供給されるクーラントCは、ボーリングヘッド2の中間部23までは全周にわたって均等に流れるが、頂部21では膨出部7,7が切削穴Hの内周に近接して流通間隙Tを狭くしているため、膨出部7,7と切削穴Hの内周との間を通る量は極めて僅かになり、実質的に膨出部7,7にて仕切られる形で分流して両排出口3,4に流入する。しかるに、図3に示すように、大排出口3側では開口下縁3cの周方向幅のみがクーラントCの流入域になるのに対し、小排出口4側では開口下縁4dと非膨出部8を合わせた周方向幅、つまりヘッド回転方向前方側の開口側縁4cより同後方側のガイドパッド6aに至る広い周方向幅がクーラントCの流入域になる。
【0018】
従って、開口面積の小さい小排出口4は大排出口3に比べて切り屑Sの通過性が悪い上にクーラントCの流通抵抗も大きいが、大排出口3側の流入域が従来構成よりも格段に狭く絞られていることから、小排出口4側へのクーラント流入割合が大きくなり、これに伴って小排出口4からの切り屑Sの排出が促進されると共に、小排出口4での切り屑Sの詰まりによって切削不能に陥る事態を確実に回避できる上、頂部21の全体としてもクーラントCの流路断面積が中間部23よりも大幅に縮小しているから、両排出口3,4へのクーラントCの流入圧力も増大し、もって両排出口3,4からの切り屑Sの排出効率が高まって切削能率の向上に繋がることになる。なお、本実施例構成における両排出口3,4の開口面積比は略2:1であるが、両排出口3,4へのクーラントCの流入量の比は、小排出口4側への流入量が該開口面積比よりも多い割合となる。
【0019】
なお、上記実施例では大排出口3より周方向に続く非膨出部8を設けない構成としているが、本発明では小排出口4へのクーラント流入量を充分に確保できる範囲で、大排出口3より周方向に続く非膨出部8をある程度の周方向幅で設けてもよい。すなわち、本発明の深穴切削装置は、中空状ボーリングバーの先端に設けたボーリングヘッドの頂部に大小2つの排出口に、該ボーリングヘッドの外周面と切削穴内周面との間の流通間隙を通して切刃側へ供給されるクーラントを切り屑と共に流入させてボーリングバー内部を通して外部へ排出する構成において、小排出口からの切り屑の排出を促進すると共に、該小排出口での切り屑の詰まりを防止する上で、両排出口へのクーラント流入量の比が、両排出口の開口面積比と同一、もしくは小排出口への流入量が該開口面積比よりも多い割合となるように、前記流通間隙を設定することを特徴としている。ただし、小排出口へのクーラント流入量が大排出口への流入量を上回ると、大排出口側での切り屑の排出性が悪化して全体としての切削効率の低下を招くため、小排出口へのクーラント流入量は大排出口へのクーラント流入量以下となるように設定することが望ましい。
【0020】
従って、上記実施例のように大小2つの排出口3,4の開口面積比が2:1の場合は、両排出口3,4へのクーラント流入量の比を2:1〜1:1の範囲になるように前記流通間隙を設定するのがよい。しかして、このような流通間隙の設定手段としては、特に制約はないが、上記実施例のようにボーリングヘッド2の頂部21における両排出口3,4によって分かたれた両側の外周面21a,21bに前記流通間隙Tを狭くする膨出部7を形成し、両排出口3,4の各々から周方向に続く非膨出部8の有無又は大小によって、クーラント流入量の比が前記規定範囲となるよう調整するのが最も簡易である。すなわち、この種のボーリングヘッドは丸軸状の如き単純形状の原材を研削して所要形状に仕上げるが、膨出部7の形成のためには従来の研削による設定形状を僅かに変えるだけ、つまりガイドパッド及び周辺部切刃の各取付位置のヘッド回転後方側に設けていた従来の膨出部の幅を広くするだけでよい上、その広くする分だけ研削量が少なくて済むことになる。
【0021】
上記実施例で用いたボーリングヘッド2では頂部21における外周面21b側は全体を膨出部7としているが、頂面2aへのクーラントCの供給を多くするために、この外周面21b側については従来構成と同様に周辺部切刃5bとガイドパッド6b取付位置との間に非膨出部8を設けてもよい。ただし、ガイドパッド6a,6b及び周辺部切刃5bの各々のヘッド回転方向側には、切削加工中にこれら部材6a,6b,5bに加わる負荷を受け止めるために、ある程度の周方向幅で膨出部7を設けることが望ましい。また、上記実施例では膨出部7をボーーリングヘッド2の頂部21の領域内に形成しているが、該膨出部7を頂部21から中間部23にわたって形成しても差し支えない。
【0022】
本発明の対象とする深穴切削装置は、ボーリングヘッドに取着される切刃が2又は4以上であってもよく、これらの配置構成に対応して大小2つの排出口の開口面積比及び開口形状が種々異なるものを包含する。また、前記実施例ではクーラントCが外部よりボーリングバー1と切削穴Hとの間を通して切刃側に供給される外部供給方式のものを例示したが、本発明は二重管状のボーリングバーの内外管の間を通してクーラントCを供給する内部供給方式の深穴切削装置にも適用可能である。
【0023】
この内部供給方式の深穴切削装置では、ボーリングヘッドの中間部に内外を透通する導出口を設けると共に、その中空部内の該導出口よりも切刃側に位置する環状段部にボーリングバーの内管の先端を液密に接当させ、ボーリングバーの内外管の間を通して供給されるクーラントを該導出口からボーリングヘッドの外周面と切削穴の間に導出させ、このクーラントを前記同様に切り屑を伴って当該ボーリングヘッドの大小2つの排出口へ流入させ、ボーリングバーの内管を通して外部へ排出させるが、この場合にも両排出口へのクーラント流入量の比が前記規定範囲になるように流通間隙を設定すればよい。なお、この内部供給方式では、クーラントが切削穴の開口端側へ逆流するのを防ぐために、ボーリングヘッドの基部外周あるいはボーリングバーの先端部外周に、ラビリンスシール等による逆流防止手段を設けることが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、中空状ボーリングバーの先端に設けたボーリングヘッドの頂部に大小2つの排出口に、該ボーリングヘッドの外周面と切削穴内周面との間の流通間隙を通して切刃側へ供給されるクーラントを切り屑と共に流入させてボーリングバー内部を通して外部へ排出する深穴切削装置として、前記両排出口へのクーラント流入量の比が、両排出口の開口面積比と同一、もしくは小排出口への流入量が該開口面積比よりも多い割合となるように、前記流通間隙を設定していることから、小排出口からの切り屑の排出が促進されると共に、該小排出口での切り屑の詰まりが防止され、全体としても切り屑の排出性に優れて切削能率が高く、前記詰まりによる切削不能を確実に回避できて高い信頼性を備えるものが提供される。
そして、該流通間隙を設定するに当たって、ボーリングヘッドの頂部における前記両排出口によって分かたれた両側の外周面に、両排出口の開口下縁に沿う外周部よりも前記流通間隙を狭くする膨出部を設け、両排出口の各々から周方向に続く非膨出部の有無又は大小によって前記流通間隙が設定され、これによって前記クーラント流入量の比を設定することから、ボーリングヘッドの外周部の形状を従来形状から僅かに変えるだけで該流入量の比を簡単に設定できるという利点がある。
【0025】
請求項2の発明によれば、上記の深穴切削装置において、小排出口へのクーラント流入量が大排出口へのクーラント流入量以下となるように前記流通間隙を設定することから、大排出口側での切り屑の排出性を損なうことなく、全体として切り屑の良好な排出性を確保し、高い切削能率が得られるという利点がある。
【0027】
請求項3の発明によれば、上記のようにボーリングヘッドの頂部両側の外周面に膨出部を設ける構成の深穴切削装置において、大排出口から周方向に続く非膨出部を有さず、小排出口からヘッド回転方向後方側のガイドパッド取付位置まで続く非膨出部を有することから、大排出口側のクーラント流入域が狭く絞られ、それだけ小排出口側へのクーラント流入割合が多くなって切り屑の排出を促進できると共に、頂部でクーラントの流路断面積が大幅に縮小して両排出口へのクーラント流入圧力が増すため、全体としての切り屑の排出効率が高まって切削能率をより向上できるとう利点がある。
【0028】
請求項4の発明によれば、特に、大排出口側に中央部切刃及び周辺部切刃が、小排出口側に中間部切刃が取着され、両排出口の開口面積比を略2:1とした上記の深穴切削装置として、大排出口/小排出口のクーラント流入量の比を2/1〜1/1に設定していることから、小排出口からの切り屑の排出が良く、該小排出口での切り屑の詰まりを生じず、切削能率が高く信頼性に優れるものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る深穴切削装置に用いるボーリングヘッドを示し、(イ)は頂面側の平面図、(ロ)は大排出口側から見た側面図である。
【図2】 同深穴切削装置による切削加工状態を示す縦断側面図である。
【図3】 同切削加工におけるボーリングヘッドの頂端位置での横断面図である。
【図4】 従来の深穴切削装置に用いるボーリングヘッドの構成例を示し、(イ)は頂面側の平面図、(ロ)は大排出口側から見た側面図である。
【符号の説明】
1 中空状ボーリングバー
1a 内部
2 ボーリングヘッド
2a 頂面
2b 外周面
20 中空部
21 頂部
21a,21b 外周面
22 基部
23 中間部
3 大排出口
3a,3b 開口側縁
3c 開口下縁
4 小排出口
4a〜4c 開口側縁
4d 開口下縁
5a 中央部切刃
5b 周辺部切刃
5a 中間部切刃
6a,6b ガイドパッド
7 膨出部
8 非膨出部
C クーラント
H 切削穴
S 切り屑
T 流通間隙
Claims (4)
- 中空状ボーリングバーの先端に設けたボーリングヘッドの頂部に、その頂面から外周面にわたって開口してボーリングバー内部に連通する大小2つの排出口と、各排出口のボーリングヘッド頂面に臨む開口側縁に取着された切刃とを備え、該ボーリングヘッドの外周面と切削穴内周面との間の流通間隙を通して切刃側へ供給されるクーラントを切削にて発生する切り屑と共に前記両排出口に流入させてボーリングバー内部を通して外部へ排出する深穴切削装置において、
前記両排出口へのクーラント流入量の比が、両排出口の開口面積比と同一、もしくは小排出口への流入量が該開口面積比よりも多い割合となるように、前記流通間隙を設定してなり、
該流通間隙を設定するに当たって、ボーリングヘッドの頂部における前記両排出口によって分かたれた両側の外周面に、両排出口の開口下縁に沿う外周部よりも前記流通間隙を狭くする膨出部が形成され、両排出口の各々から周方向に続く非膨出部の有無又は大小によって前記流通間隙が設定され、これによって前記クーラント流入量の比が設定されてなる深穴切削装置。 - 小排出口へのクーラント流入量が、大排出口へのクーラント流入量以下となるように、前記流通間隙を設定してなる請求項1記載の深穴切削装置。
- 大排出口から周方向に続く非膨出部を有さず、小排出口からヘッド回転方向後方側のガイドパッド取付位置まで続く非膨出部を有してなる請求項1記載の深穴切削装置。
- 大排出口側に中央部切刃及び周辺部切刃が取着されると共に、小排出口側に中間部切刃が取着され、両排出口の開口面積比が略2:1であり、大排出口/小排出口のクーラント流入量の比を2/1〜1/1に設定してなる請求項1〜3のいずれかに記載の深穴切削装置。
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