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JP4056889B2 - Planographic printing plate precursor - Google Patents

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JP4056889B2
JP4056889B2 JP2003006250A JP2003006250A JP4056889B2 JP 4056889 B2 JP4056889 B2 JP 4056889B2 JP 2003006250 A JP2003006250 A JP 2003006250A JP 2003006250 A JP2003006250 A JP 2003006250A JP 4056889 B2 JP4056889 B2 JP 4056889B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版原版に関し、特に、耐刷性、感度および網点面積率約80〜90%の網部におけるインキの絡みにくさに優れる、レーザ光の光熱変換によってアルカリ溶解性が変化する感熱層を有する平版印刷版原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像形成技術の発展に伴い、細くビームを絞ったレーザ光を平版印刷版原版の版面上に走査させ、文字原稿、画像原稿等を直接版面上に形成させ、フィルム原稿を用いず直接製版することが可能となりつつある。
そのような方法に用いられる平版印刷版原版として、アルミニウム支持体上に、サーマルタイプの感熱層を設けた平版印刷版原版が知られている。サーマルタイプの感熱層としては、具体的に、感熱層中に存在する赤外線吸収剤がその光熱変換作用を発現し露光により発熱し、その熱により感熱層の露光部分がアルカリ可溶化しポジ画像を形成するいわゆるサーマルポジタイプの感熱層、その熱によりラジカル発生剤や酸発生剤がラジカルや酸を発生させ、それによりラジカル重合反応や酸架橋反応が進行して不溶化しネガ型画像を形成するサーマルネガタイプの感熱層等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、特願2001−206011号明細書において、耐キズ性および感度が共に優れ、更に、印刷時の汚れにくさおよび耐刷性が共に優れる、レーザ光の光熱変換によってアルカリ可溶化する感熱層を有するポジ型平版印刷版原版として、(1)アルミニウム支持体上に、赤外線吸収染料と、水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂とを含有し、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する感熱層を設けた平版印刷版原版であって、該アルミニウム支持体が、表面に大波構造と中波構造と小波構造とを有する平版印刷版原版、および、(2)アルミニウム支持体上に、赤外線吸収染料と、水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂とを含有し、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する感熱層を設けた平版印刷版原版であって、該アルミニウム支持体が、表面に大波構造と小波構造とを有する平版印刷版原版を提案している。
【0004】
しかしながら、上記平版印刷版原版を用いた場合、いずれも、インキの種類によっては、湿し水の量を絞ったときに、シャドー部(網点面積率の高い網部。具体的には、網点面積率約80〜90%の網部。)のつまり、即ち、非画像部へのインキ付着(以下、この現象を「インキの絡み」といい、この現象の発生しにくさを「絡みにくさ」という。)が発生することがあった。即ち、上記平版印刷版原版には、いずれもインキの絡みにくさを向上させる余地があった。
【0005】
本発明は、感度に優れ、かつ、印刷時における耐刷性およびインキの絡みにくさに優れる、サーマルタイプの感熱層を有する平版印刷版原版を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意研究した結果、サーマルタイプの平版印刷版原版において、アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量を特定範囲にすることにより、感度、ならびに、印刷時における耐刷性およびインキの絡みにくさを優れたものとすることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を提供する。
【0008】
(1)アルミニウム支持体上に、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する感熱層を設けた平版印刷版原版であって、
該アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量が5〜20mg/m2 である平版印刷版原版。
【0009】
(2)前記アルミニウム支持体が、表面に大波構造と中波構造と小波構造とを有する上記(1)に記載の平版印刷版原版。
【0010】
(3)前記アルミニウム支持体が、表面に大波構造と小波構造とを有する上記(1)に記載の平版印刷版原版。
【0011】
(4)前記小波構造の平均波長が0.01〜0.6μmである上記(2)または(3)に記載の平版印刷版原版。
【0012】
(5)前記アルミニウム支持体が、アルミニウム板に、少なくとも機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理、硝酸を含有する電解液を用いた電気化学的粗面化処理、塩酸を含有する水溶液を用いた電気化学的粗面化処理およびアルカリ金属ケイ酸塩処理を順次施して得られる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷版原版。
【0013】
(6)前記感熱層が2層以上からなるサーマルポジタイプの重層感熱層である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の平版印刷版原版。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
[アルミニウム支持体]
<アルミニウム板(圧延アルミ)>
本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。
【0015】
以下の説明において、上記に挙げたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる各種の基板をアルミニウム板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。
本発明においては、純アルミニウム板を用いるのが好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であり、上記以外の金属元素を不可避不純物として含有するものでもよい。このように本発明に用いられるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材もの、例えば、JIS A1050、JIS A1100、JIS A3005、JIS A3004、国際登録合金 3103A等のアルミニウム合金板を適宜利用することができる。
【0016】
中でも、本発明に用いられるアルミニウム板は、Cu含有量が0.005質量%以下であるアルミニウムからなるのが好ましく、Si含有量が0.1質量%以下、Cu含有量が0.005質量%以下、Fe含有量が0.5質量%以下であるアルミニウムからなるのがより好ましい。このようなアルミニウムは、一般に、JIS A1050材またはJIS A1070材に分類されるアルミニウム合金である。上記組成であると、特に電解粗面化処理におけるピット径が小さくなり耐汚れ性が向上する。また、非シリケート現像液(実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液)との組み合わせにおいて、耐汚れ性と耐刷性のバランスを両立することができる。特に、Si含有量が0.02〜0.1質量%、Cu含有量が0.005%以下、Fe含有量が0.1〜0.5質量%であるアルミニウムからなるのが好ましい。
【0017】
また、本発明に用いられるアルミニウム板は、アルミニウムの平均結晶粒径の短径が2〜200μm、長径が50〜1500μmであるのが好ましい。結晶粒が大きすぎると、結晶方位によってエッチング特性が異なるため、均一な粗面化処理が困難になり、また、小さすぎると強度が増してハンドリング適性が低下してしまう。
【0018】
アルミニウム板の製造方法は、連続鋳造方式およびDC鋳造方式のいずれでもよく、DC鋳造方式の中間焼鈍や、均熱処理を省略したアルミニウム板も用いることができる。最終圧延においては、積層圧延や転写等により凹凸を付けたアルミニウム板を用いることもできる。また、本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは、0.1〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望により適宜変更することができる。
【0019】
本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム支持体は、表面のSi原子付着量が5〜20mg/m2 である。
アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量は、多くなるほど、平版印刷版の表面の親水性が向上し、その結果、感度、耐汚れ性およびインキの絡みにくさが向上するものの、耐刷性が低下してしまう。したがって、従来、アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量は3〜4mg/m2 程度が好ましいと考えられていた。
本発明者は、現像性に劣り、シャドー部でインキの絡みが発生しやすいサーマルタイプの感熱層を有する平版印刷版原版において、アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量を従来よりはるかに多い上記範囲とすることにより、耐刷性を損なわずに、感度およびインキの絡みにくさを向上させることができることを見出し、本発明を完成させたのである。
アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量は、感度およびインキの絡みにくさが優れたものとなる点で、5mg/m2 以上であり、好ましくは8mg/m2 以上である。一方、耐刷性が優れたものとなる点で、20mg/m2 以下であり、好ましくは15mg/m2 以下である。
【0020】
Si原子付着量は、蛍光X線分析装置(XRF:X−ray Fluorescence Spectrometer)を用いて検量線法により測定される単位面積あたりのSi原子の質量である。上記数値は、アルミニウム板がSi原子を含有する場合、含有されるSi原子量を補正した後のものである。
【0021】
検量線を作成するための標準試料としては、例えば、既知量のSi原子を含有するケイ酸ナトリウム水溶液を、アルミニウム板の上の30mmφの面積内に均一に滴下した後、乾燥させたものを用いることができる。蛍光X線分析の条件の例を以下に示す。
【0022】
蛍光X線分析装置:理学電機工業社製RIX3000、X線管球:Rh、測定スペクトル:Si−Kα、管電圧:50kV、管電流:50mA、スリット:COARSE、分光結晶:RX4、検出器:F−PC、分析面積:30mmφ、ピーク位置(2θ):144.75deg.、バックグランド(2θ):140.70deg.および146.85deg.、積算時間:80秒/sample
【0023】
本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム支持体は、上記アルミニウム板に後述する特定の表面形状を設けて得られるのが好ましい。
アルミニウム支持体の好適な製造方法としては、例えば、アルミニウム板に、機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理、硝酸を含有する電解液を用いた電気化学的粗面化処理、塩酸を含有する水溶液を用いた電気化学的粗面化処理およびアルカリ金属ケイ酸塩処理を順次施す方法、アルミニウム板に、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理、塩酸を含有する水溶液を用いた電気化学的粗面化処理およびアルカリ金属ケイ酸塩処理を順次施す方法、これらの方法において、前記塩酸を含有する水溶液を用いた電気化学的粗面化処理の後、更に、アルミニウム溶解量0.5g/m2 以下のアルカリエッチング処理を施す方法が挙げられる。なお、これらの方法は、その他の処理を含んでいてもよい。
これらの方法により得られる平版印刷版原版は、本発明の好適な態様である。
以下、アルミニウム板に施される各種の表面処理について説明する。
【0024】
<粗面化処理(砂目立て処理)>
上記アルミニウム板は、より好ましい形状に砂目立て処理されるのが好ましい。
本発明に用いられるアルミニウム支持体の砂目の形状としては、大小二重構造または大中小三重構造を有するのが好ましい。支持体表面が大小二重構造を有する場合、平均波長2〜30μmの大波構造と平均波長0.01〜0.6μmの小波構造とからなるのが好ましく、また、支持体表面が大中小三重構造を有する場合、平均波長2〜30μmの大波構造と平均波長0.6〜2.0μmの中波構造と平均波長0.01〜0.6μmの小波構造とからなるのが好ましい。いずれの場合においても、大波構造は平均波長2〜15μmであるのがより好ましく、小波構造は平均波長0.05〜0.5μmであるのがより好ましい。また、大中小三重構造を有する場合、中波構造は平均波長0.6〜1.5μmであるのがより好ましい。
【0025】
砂目立て処理方法は、特開昭56−28893号公報に記載されているような機械的砂目立て、化学的エッチング、電解グレイン等がある。更に、塩酸電解液中または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て法(電気化学的粗面化処理、電解粗面化処理)や、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法等の機械的砂目立て法(機械的粗面化処理)を用いることができる。これらの砂目立て法は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。例えば、ナイロンブラシと研磨剤とによる機械的粗面化処理と、塩酸電解液または硝酸電解液による電解粗面化処理との組み合わせや、複数の電解粗面化処理の組み合わせが挙げられる。
【0026】
ブラシグレイン法の場合、研磨剤として使用される粒子の平均粒径、最大粒径、使用するブラシの毛径、密度、押し込み圧力等の条件を適宜選択することによって、アルミニウム支持体表面の長い波長成分(大波)の凹部の平均深さを制御することができる。ブラシグレイン法により得られる凹部は、平均波長が2〜30μmであるのが好ましく、平均深さが0.3〜1μmであるのが好ましい。
【0027】
電気化学的粗面化方法としては、塩酸電解液中または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法が好ましい。好ましい電気量は、陽極時電気量50〜400C/dm2 である。更に具体的には、例えば、0.1〜50質量%の塩酸または硝酸を含む電解液中で、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電気量100〜400C/dm2 の条件で直流または交流を用いて行われる。電解粗面化処理によれば、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、感熱層と支持体との密着性を高くすることができる。
【0028】
機械的粗面化処理の後の電解粗面化処理により、平均直径約0.05〜2.0μm、平均深さ0.01〜0.4μmのクレーター状またはハニカム状のピットをアルミニウム板の表面に90〜100%の面積率で生成し、大小二重ピット構造を形成することができる。また、電解粗面化処理を複数回行うことにより、大中小三重構造とすることもできる。
設けられたピットは、印刷版の非画像部の汚れにくさおよび耐刷性を向上する作用を有する。電解粗面化処理では、十分なピットを表面に設けるために必要なだけの電気量、即ち、電流と電流を流した時間との積が、重要な条件となる。より少ない電気量で十分なピットを形成できることは、省エネの観点からも望ましい。
粗面化処理後の表面粗さは、JIS B0601−1994に準拠してカットオフ値0.8mm、評価長さ3.0mmで測定した算術平均粗さ(Ra )が、0.2〜0.6μmであるのが好ましい。
【0029】
<アルカリエッチング処理>
このように砂目立て処理されたアルミニウム板は、アルカリにより化学的にエッチングされるのが好ましい。
本発明において好適に用いられるアルカリ剤は、特に限定されないが、例えば、カセイソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウムが挙げられる。
アルカリエッチング処理の条件は、Alの溶解量が0.05〜5.0g/m2 となるような条件で行うのが好ましく、特に、電解粗面化処理(複数回施される場合は最後の電解粗面化処理)の後に行う場合は、Alの溶解量が0.5g/m2 以下となるような条件で行うのが好ましい。電解粗面化処理(複数回施される場合は最後の電解粗面化処理)後のアルカリエッチング量が0.5g/m2 よりも多くなると、砂目形状がより平滑となり感熱層と支持体との密着性が大幅に低下する場合がある。
また、他の条件も、特に限定されないが、アルカリの濃度は1〜50質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましく、また、アルカリの温度は20〜100℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。
アルカリエッチング処理は、1種の方法に限らず、複数の工程を組み合わせることができる。
【0030】
アルカリエッチング処理は、1段階の処理に限られない。例えば、機械的粗面化処理を施した後に、アルカリエッチング処理を行い、引き続きデスマット処理(後述するスマット除去のための酸洗い)を行い、更に電解粗面化処理を施した後に、再びアルカリエッチング処理を行い、引き続きデスマット処理を行うなど、アルカリエッチング処理およびデスマット処理は、いずれも複数回組み合わせて行うことができる。
【0031】
このアルカリエッチングにより中波構造を構成するピットの径をある程度好ましい範囲に制御すると同時に、ピットの内部に微細な凹凸からなる小波構造を形成することができる。微細な凹凸は、不定形であり、その円相当径(面積円相当径)は、0.01〜0.6μmであるのが好ましい。
【0032】
このように、各種粗面化処理とアルカリエッチング処理とを組み合わせた結果、アルミニウム板の表面に大小二重構造や大中小三重構造を形成することができる。
【0033】
アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。特に、電解粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法が挙げられる。
【0034】
<陽極酸化処理>
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施されるのが好ましい。この際、マイクロポアに起因する感度低下を抑えるためにできるだけマイクロポアを減らすことが必要である。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸を主成分とし、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等の組み合わせた水溶液の中で、アルミニウム板に直流または交流を流すとアルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
【0035】
この際、少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、Ti、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イオン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げられ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていてもよい。
【0036】
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜15質量%、液温−5〜40℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜200V、電解時間10〜200秒であるのが適当である。
【0037】
本発明においては、陽極酸化皮膜の量は1〜5g/m2 であるのが好ましい。1g/m2 未満であると版に傷が入りやすくなり、一方、5g/m2 を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の量は、1.5〜4g/m2 であるのがより好ましい。
【0038】
<アルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)>
上記のように処理して得られる陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム支持体を、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液を用いて浸せき処理する。処理条件は、アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量が5〜20mg/m2 となれば特に限定されないが、例えば、濃度0.5〜5.0質量%の水溶液を用いて、温度20〜100℃で、1〜100秒間浸せきさせ、その後、流水により洗浄する。より好ましい水溶液の濃度は、1.0〜3.0質量%であり、より好ましい浸せき処理温度は30〜90℃、更に好ましい浸せき処理温度は30〜80℃であり、より好ましい浸せき時間は3〜20秒間である。
【0039】
本発明に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩は、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を適当量含有してもよい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩または4族(第IVA族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。これらのアルカリ土類金属塩および4族(第IVA族)金属塩は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0040】
このアルカリ金属ケイ酸塩処理により、Si原子付着量を5〜20mg/m2 とすることができ、その結果、感度、耐刷性およびインキの絡みのいずれにも優れる平版印刷版原版を得ることができる。
また、アルカリ金属ケイ酸塩処理により、アルミニウム支持体表面のアルカリ現像液に対する耐溶解性向上効果が得られ、アルミニウム成分の現像液中への溶出が抑制されて、現像液の疲労に起因する現像カスの発生を低減することができる。
【0041】
[平版印刷版原版]
<下塗層>
本発明の平版印刷版原版は、上記のようにして得られたアルミニウム支持体上に後述する感熱層を設けてなるが、感熱層の下にアルカリ易溶性の下塗層を設けるのが好ましい。アルカリ易溶性の下塗層は、画像部において親水性の支持体表面と感熱層とを強固に密着させる作用を有し、これにより優れた耐刷性を実現し、また、非画像部において現像時にアルカリ現像液に容易に溶け出して親水性の支持体表面を露出させる作用を有し、これにより優れた耐汚れ性を実現する。
【0042】
本発明の平版印刷版原版におけるアルカリ易溶性の下塗層は、アルカリ易溶性の層であれば特に限定されないが、酸基を有するモノマーを有する重合体を含有するのが好ましく、酸基を有するモノマーおよびオニウム基を有するモノマーを有する重合体を含有するのがより好ましい。
以下、下塗層に含有される重合体について詳しく説明する。下塗層に含有される重合体は、少なくとも酸基を有するモノマーを重合してなる化合物であり、好ましくは、酸基を有するモノマーおよびオニウム基を有するモノマーを重合してなる化合物である。
ここで、酸基としては、酸解離指数(pKa )が7以下の酸基が好ましく、より好ましくは−COOH、−SO3 H、−OSO3 H、−PO3 2 、−OPO3 2 、−CONHSO2 、−SO2 NHSO2 −であり、特に好ましくは−COOHである。
また、オニウム基として好ましいものは、周期律表15族(第VB族)または16族(第VIB族)の原子を含有するオニウム基であり、より好ましくは窒素原子、リン原子またはイオウ原子を含有するオニウム基であり、特に好ましくは窒素原子を含有するオニウム基である。
【0043】
本発明に用いられる重合体は、好ましくは、主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリスチレンのようなビニル系ポリマー、ウレタン樹脂、ポリエステルまたはポリアミドであることを特徴とする重合体化合物である。より好ましくは、この重合体の主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリスチレンのようなビニル系ポリマーであることを特徴とする重合体化合物である。特に好ましくは、酸基を有するモノマーが下記の一般式(1)または一般式(2)で表される化合物であり、オニウム基を有するモノマーが後記の一般式(3)、一般式(4)または一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする重合体化合物である。
【0044】
【化1】

Figure 0004056889
【0045】
式中、Aは2価の連結基を表す。Bは芳香族基または置換芳香族基を表す。DおよびEはそれぞれ独立して2価の連結基を表す。Gは3価の連結基を表す。XおよびX′はそれぞれ独立してpKa が7以下の酸基またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩を表す。R1 は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。a、b、dおよびeはそれぞれ独立して0または1を表す。tは1〜3の整数である。
酸基を有するモノマーの中でより好ましくは、Aは単結合、−COO−または−CONH−を表し、Bはフェニレン基または置換フェニレン基を表し、その置換基はヒドロキシ基、ハロゲン原子またはアルキル基である。DおよびEはそれぞれ独立してアルキレン基または分子式がCn 2nO、Cn 2nSまたはCn 2n+1Nで表される2価の連結基を表す。Gは分子式がCn 2n-1、Cn 2n-1O、Cn 2n-1SまたはCn 2nNで表される3価の連結基を表す。ただし、ここで、nは1〜12の整数を表す。XおよびX′はそれぞれ独立してカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、硫酸モノエステルまたはリン酸モノエステルを表す。R1 は水素原子またはアルキル基を表す。a、b、dおよびeはそれぞれ独立して0または1を表すが、aとbは同時に0ではない。酸基を有するモノマーの中で特に好ましくは一般式(1)で示す化合物であり、Bはフェニレン基または置換フェニレン基を表し、その置換基はヒドロキシ基または炭素数1〜3のアルキル基である。DおよびEはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキレン基または酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。R1 は水素原子またはアルキル基を表す。Xはカルボン酸基を表す。aは0であり、bは1である。
【0046】
酸基を有するモノマーの具体例を以下に示す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるものではない。
(酸基を有するモノマーの具体例)
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸
【0047】
【化2】
Figure 0004056889
【0048】
【化3】
Figure 0004056889
【0049】
【化4】
Figure 0004056889
【0050】
つぎに、オニウム基を有するモノマーである、下記一般式(3)、(4)または(5)で表されるモノマーについて説明する。
【0051】
【化5】
Figure 0004056889
【0052】
式中、Jは2価の連結基を表す。Kは芳香族基または置換芳香族基を表す。Mはそれぞれ独立して2価の連結基を表す。Y1 は周期率表15族(第VA族)の原子を表し、Y2 は周期率表16族(第VIA族)の原子を表す。Z- は対アニオンを表す。R2 は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。R3 、R4 、R5 およびR7 はそれぞれ独立して水素原子または、場合によっては置換基が結合してもよいアルキル基、芳香族基もしくはアラルキル基を表し、R6 はアルキリジン基または置換アルキリジンを表すが、R3 とR4 またはR6 とR7 はそれぞれ結合して環を形成してもよい。j、kおよびmはそれぞれ独立して0または1を表す。uは1〜3の整数を表す。
オニウム基を有するモノマーの中でより好ましくは、Jは−COO−または−CONH−を表し、Kはフェニレン基または置換フェニレン基を表し、その置換基はヒドロキシ基、ハロゲン原子またはアルキル基である。Mはアルキレン基または分子式がCn 2nO、Cn 2nSもしくはCn 2n+1Nで表される2価の連結基を表す。ただし、ここで、nは1〜12の整数を表す。Y1 は窒素原子またはリン原子を表し、Y2 はイオウ原子を表す。Z- はハロゲンイオン、PF6 - 、BF4 - またはR8 SO3 - を表す。R2 は水素原子またはアルキル基を表す。R3 、R4 、R5 およびR7 はそれぞれ独立して水素原子または、場合によっては置換基が結合してもよい炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基もしくはアラルキル基を表し、R6 は炭素数1〜10のアルキリジン基または置換アルキリジンを表すが、R3 とR4 、および、R6 とR7 はそれぞれ結合して環を形成してもよい。j、kおよびmはそれぞれ独立して0または1を表すが、jとkは同時に0ではない。R8 は置換基が結合してもよい炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基またはアラルキル基を表す。
オニウム基を有するモノマーの中で特に好ましくは、Kはフェニレン基または置換フェニレン基を表し、その置換基は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。Mは炭素数1〜2のアルキレン基または酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。Z- は塩素イオンまたはR8 SO3 - を表す。R2 は水素原子またはメチル基を表す。jは0であり、kは1である。R8 は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
【0053】
オニウム基を有するモノマーの具体例を以下に示す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるものではない。
(オニウム基を有するモノマーの具体例)
【0054】
【化6】
Figure 0004056889
【0055】
【化7】
Figure 0004056889
【0056】
【化8】
Figure 0004056889
【0057】
酸基を有するモノマーは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよく、また、オニウム基を有するモノマーは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。更に、本発明に用いられる重合体は、モノマー、組成比または分子量の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。この際、酸基を有するモノマーを重合成分として有する重合体は、酸基を有するモノマーを1モル%以上含むのが好ましく、5モル%以上含むのがより好ましく、また、オニウム基を有するモノマーを重合成分として有する重合体は、オニウム基を有するモノマーを1モル%以上含むのが好ましく、5モル%以上含むのがより好ましい。
【0058】
更に、これらの重合体は、以下の(1)〜(14)に示す重合性モノマーから選ばれる少なくとも1種を共重合成分として含んでいてもよい。
(1)N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレン、o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート等の芳香族ヒドロキシ基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびビドロキシスチレン類、
(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、無水イタコン酸およびそのハーフエステル等の不飽和カルボン酸、
【0059】
(3)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミド等のアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレート等のアクリル酸エステル類等の不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレート等のメタクリル酸エステル類等の不飽和スルホンアミド、
【0060】
(4)トシルアクリルアミドのように置換基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、およびトシルメタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニルスルホニルメタクリルアミド、
(5)脂肪族ヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の(置換)アクリル酸エステル、
(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の(置換)メタクリル酸エステル、
【0061】
(8)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミド等のアクリルアミドまたはメタクリルアミド、
(9)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
【0062】
(10)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、
(11)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類、
(12)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類、
(13)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類、
(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
【0063】
なお、ここで使用する重合体には酸基を有するモノマーを1モル%以上含むのが好ましく、5モル%以上含むのがより好ましく、また、オニウム基を有するモノマーを1モル%以上含むのが好ましく、5モル%以上含むのがより好ましい。更に、酸基を有するモノマーが20モル%以上含まれると、アルカリ現像時の溶解除去が一層促進され、オニウム基を有するモノマーが1モル%以上含まれると酸基との相乗効果により密着性が一層向上される。また、酸基を有する構成成分は単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよく、また、オニウム基を有するモノマーは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。更に、本発明に用いられる重合体は、モノマー、組成比または分子量の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。つぎに、本発明に用いられる重合体の代表的な例を以下に示す。なお、ポリマー構造の組成比はモル百分率を表す。
【0064】
【化9】
Figure 0004056889
【0065】
【化10】
Figure 0004056889
【0066】
【化11】
Figure 0004056889
【0067】
【化12】
Figure 0004056889
【0068】
【化13】
Figure 0004056889
【0069】
【化14】
Figure 0004056889
【0070】
【化15】
Figure 0004056889
【0071】
【化16】
Figure 0004056889
【0072】
【化17】
Figure 0004056889
【0073】
本発明に用いられる重合体は、一般にはラジカル連鎖重合法を用いて製造することができる(“Textbook of Polymer Science”3rd ed.(1984)F.W.Billmeyer,A Wiley−Interscience Publication参照)。
【0074】
本発明に用いられる重合体の分子量は広範囲であってもよいが、光散乱法を用いて測定したとき、重量平均分子量(Mw )が500〜2,000,000であるのが好ましく、1,000〜600,000の範囲であるのがより好ましい。また、NMR測定における末端基と側鎖官能基との積分強度より算出される数平均分子量(Mn )が300〜500,000であるのが好ましく、500〜100,000の範囲であるのがより好ましい。分子量が上記の範囲よりも小さいと、基板との密着力が弱くなり、耐刷性の劣化が生じる場合がある。一方、分子量が上記の範囲を超えて大きくなると、支持体への密着力が強くなりすぎ、非画像部の感熱層残渣を十分に除去することができなくなる場合がある。また、この重合体中に含まれる未反応モノマー量は広範囲であってもよいが、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
【0075】
上記範囲の分子量を有する重合体は、対応する単量体を共重合する際に、重合開始剤および連鎖移動剤を併用し、添加量を調整することより得ることができる。なお、連鎖移動剤とは、重合反応において連鎖移動反応により、反応の活性点を移動させる物質のことをいい、その移動反応の起こりやすさは、連鎖移動定数Csで表される。本発明で用いられる連鎖移動剤の連鎖移動定数Cs×104 (60℃)は、0.01以上であるのが好ましく、0.1以上であるのがより好ましく、1以上であるのが特に好ましい。重合開始剤としては、ラジカル重合の際に一般によく用いられる過酸化物、アゾ化合物、レドックス開始剤をそのまま利用することができる。これらの中でアゾ化合物が特に好ましい。
【0076】
連鎖移動剤の具体例としては、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化合物、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、2−メチル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン類、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタン等の含イオウ化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
より好ましくは、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタンであり、特に好ましくは、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィドである。
【0077】
また、この重合体中に含まれる未反応モノマー量は広範囲であってもよいが、20質量%以下であることが好ましく、また10質量%以下であることが更に好ましい。
【0078】
つぎに、本発明に用いられる重合体の合成例を示す。
〔合成例1〕
重合体(No.1)の合成p−ビニル安息香酸(北興化学工業社製)50.4g、トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリド15.2g、メルカプトエタノール1.9gおよびメタノール153.1gを2L容の三つ口フラスコに取り、窒素気流下かくはんしながら、加熱し60℃に保った。この溶液に2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.8gを加え、そのまま30分間かくはんを続けた。その後、この反応液に、p−ビニル安息香酸201.5g、トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリド60.9g、メルカプトエタノール7.5gおよび2,2′−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル11.1gをメタノール612.3gに溶解させた溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、温度を65℃に上げ、窒素気流下10時間かくはんを続けた。反応終了後、室温まで放冷すると、この反応液の収量は1132gであり、その固形分濃度は30.5質量%であった。更に、得られた生成物の数平均分子量(Mn )を13C−NMRスペクトルより求めた結果、その値は2100であった。
【0079】
〔合成例2〕
重合体(No.2)の合成トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリドの代わりに、トリエチル(ビニルベンジル)アンモニウムクロリドのm/p体(2/1)混合物を用い、メルカプトエタノールの代わりにメルカプトプロピオン酸エチルを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量(Mn )4,800の重合体を得た。
【0080】
〔合成例3〕
重合体(No.25)の合成p−ビニル安息香酸(北興化学工業社製)146.9g(0.99mol)、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド44.2g(0.21mol)および2−メトキシエタノール446gを1L容の三つ口フラスコに取り、窒素気流下かくはんしながら、加熱し75℃に保った。つぎに、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.76g(12mmol)を加え、かくはんを続けた。2時間後、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.76g(12mmol)を追加した。更に、2時間後、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.76g(12mmol)を追加した。2時間かくはんした後、室温まで放冷した。この反応液をかくはん下、12Lの酢酸エチル中に注いだ。析出する固体をろ取し、乾燥した。その収量は189.5gであった。得られた固体は光散乱法で分子量測定を行った結果、重量平均分子量(Mw )は3.2万であった。
【0081】
本発明に用いられる他の重合体も同様の方法で合成される。
【0082】
また、本発明の平版印刷版原版の下塗層には、前記重合体に加え、下記一般式(6)で示される化合物を添加することもできる。
【0083】
【化18】
Figure 0004056889
【0084】
(式中、R1 は炭素数6〜14のアリーレン基を表し、mおよびnは独立して1〜3の整数を表す。)
上記一般式(6)で示される化合物について、以下に説明する。R1 で表されるアリーレン基の炭素数は6〜14であるのが好ましく、6〜10であるのがより好ましい。R1 で表されるアリーレン基として具体的には、例えば、フェニレン基、ナフチル基、アンスリル基、フェナスリル基が挙げられる。R1 で表されるアリーレン基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、カルボン酸エステル基、アルコキシ基、フェノキシ基、スルホン酸エステル基、ホスホン酸エステル基、スルホニルアミド基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、トリエチルアンモニウムクロライド基等で置換されていてもよい。
【0085】
一般式(6)で示される化合物の具体的な例としては、例えば、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、2−ヒドロシキー3−ナフトエ酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、10−ヒドロキシ−9−アントラセンカルボン酸が挙げられる。ただし、上記の具体例に限定されるものではない。また、一般式(6)で示される化合物を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0086】
本発明に用いられる上記重合体と、必要に応じて添加される上記一般式(6)で示される化合物を含む下塗層は、上述したアルミニウム支持体上に種々の方法により塗布して設けられる。
【0087】
この下塗層を設ける方法としては、例えば、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤またはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に本発明に用いられる重合体および必要に応じて添加される一般式(6)で示される化合物を溶解させた溶液をアルミニウム支持体上に塗布し乾燥して設ける塗布方法、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤またはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明に用いられる重合体および必要に応じて添加される一般式(6)で示される化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム支持体を浸せきした後、水洗または空気等によって洗浄し乾燥して設ける方法を挙げることができる。
【0088】
前者の方法では、上記化合物の合計で0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等のいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.005〜20質量%、好ましくは0.01%〜10質量%であり、浸せき温度は0℃〜70℃、好ましくは5〜60℃であり、浸せき時間は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜120秒である。
【0089】
上記の溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機スルホン酸、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸、安息香酸、クマル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸等種々有機酸性物質、ナフタレンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド等の有機クロライド等によりpHを調整し、pH=0〜12、より好ましくはpH=0〜6の範囲で使用することもできる。
また、平版印刷版の調子再現性改良のために紫外光や可視光、赤外光等を吸収する物質を添加することもできる。
【0090】
本発明の平版印刷版原版の下塗層を構成する化合物の乾燥後の被覆量は、合計で1〜100mg/m2 が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2 である。上記被覆量が1mg/m2 よりも少ないと十分な効果が得られない場合がある。また、100mg/m2 よりも多い場合も同様である。
【0091】
<感熱層>
本発明の平版印刷版原版は、平版印刷版用支持体上に、好ましくは上記下塗層を設けた後の下塗層上に、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する感熱層を設けてなる。このような感熱層としては、例えば、サーマルポジタイプ、サーマルネガタイプ、無処理タイプが好適に挙げられる。以下、これらの好適な感熱層について説明する。
【0092】
<サーマルポジタイプ>
サーマルポジタイプの感熱層は、単一の層であってもよく、2層以上からなる重層感熱層であってもよい。また、感熱層のほかに、表面保護、酸素遮断等の機能を有する層を設けることもできる。
以下、感熱層が単一の層からなる場合について<感熱層1>に説明し、感熱層が2層からなる重層感熱層である場合について<感熱層2>に説明する。
【0093】
<感熱層1>
本発明の平版印刷版原版に用いられる感熱層1は、加熱によりアルカリ可溶化する単一の層からなる感熱層である。感熱層1としては、アルミニウム支持体側におけるアルカリに対する溶解性が、表面側における溶解性より高くなっているような構成のものであるのが好ましく、特に、単一の組成の塗布液を塗布した後、相分離により上記構成となるものが好ましい。
感熱層1は、赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物(以下、単に「感光性組成物」ともいう。)を含有する。
感熱層に含まれる赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物は、少なくとも、(A)水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性高分子化合物」ともいう。)、(B)該アルカリ可溶性高分子化合物と相溶することにより該高分子化合物のアルカリ水溶液への溶解性を低下させるとともに、加熱により該溶解性低下作用が減少する化合物、および(C)赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤を含有し、更に必要に応じて、(D)その他の成分を含有する。
【0094】
(A)アルカリ可溶性高分子化合物
本発明に使用されるアルカリ可溶性高分子化合物は、水に不溶であり、かつ、アルカリ水溶液に可溶である高分子化合物であれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。本発明に用いられる感熱層は、アルカリ可溶性高分子化合物を含有するため、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有する。アルカリ可溶性高分子化合物としては、高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有するモノマーの単独重合体、共重合体またはこれらの混合物を用いることが好ましい。具体的には、(1)フェノール性ヒドロキシ基、(2)スルホンアミド基(−SO2 NH−R)、および(3)置換スルホンアミド系酸基(−SO2 NHCOR、−SO2 NHSO2 R、−CONHSO2 R)(以下「活性イミド基」という。)のいずれかの官能基を分子内に有する高分子化合物であるのが好ましい。中でも、(1)フェノール性ヒドロキシ基を分子内に有するアルカリ可溶性高分子化合物が、赤外線レーザー等による露光での画像形成性に優れる点で、好ましい。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、以下のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】
(1)フェノール性ヒドロキシ基を有する高分子化合物としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有する高分子化合物としてはこの他に、側鎖にフェノール性ヒドロキシ基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。側鎖にフェノール性ヒドロキシ基を有する高分子化合物としては、フェノール性ヒドロキシ基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合させ、または、該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0096】
フェノール性ヒドロキシ基を有する重合性モノマーとしては、例えば、フェノール性ヒドロキシ基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル;ヒドロキシスチレンが挙げられる。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。かかるフェノール性ヒドロキシ基を有する樹脂は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体を併用してもよい。
【0097】
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、スルホンアミド基を有する重合性モノマーを単独重合させ、または、該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、例えば、1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2 −と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基またはビニロキシ基と、モノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、下記一般式(I)〜(V)で示される化合物が挙げられる。
【0098】
【化19】
Figure 0004056889
【0099】
式中、X1 およびX2 は、それぞれ−O−または−NR7 −を示す。R1 およびR4 は、それぞれ水素原子または−CH3 を表す。R2 、R5 、R9 、R12およびR16は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。R3 、R7 およびR13は、水素原子またはそれぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。また、R6 およびR17は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。R8 、R10およびR14は、水素原子または−CH3 を表す。R11およびR15は、それぞれ単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基もしくはアラルキレン基を表す。Y1 およびY2 は、それぞれ単結合または−CO−を表す。具体的には、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0100】
(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物は、下記式で表される活性イミド基を分子内に有するものが好ましく、この高分子化合物としては、1分子中に、下記式で表される活性イミド基と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合させ、または、該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0101】
【化20】
Figure 0004056889
【0102】
このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0103】
更に、本発明に用いられるアルカリ可溶性高分子化合物としては、前記フェノール性ヒドロキシ基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、および活性イミド基を有する重合性モノマーのうちの2種以上を重合させた高分子化合物、またはこれら2種以上の重合性モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が好適に挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有する重合性モノマーに、スルホンアミド基を有する重合性モノマーおよび/または活性イミド基を有する重合性モノマーを共重合させる場合には、これら成分の配合質量比は50:50から5:95の範囲にあるのが好ましく、40:60から10:90の範囲にあるのがより好ましい。
【0104】
アルカリ可溶性高分子化合物が前記フェノール性ヒドロキシ基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、または活性イミド基を有する重合性モノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、アルカリ可溶性を付与するモノマーを10モル%以上含むものが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像ラチチュードの向上効果が十分達成されないことがある。
【0105】
前記フェノール性ヒドロキシ基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、または活性イミド基を有する重合性モノマーと共重合させるモノマー成分としては、例えば、下記(1)〜(12)に挙げるモノマーを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族ヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
【0106】
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドおよびメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
【0107】
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0108】
アルカリ水可溶性高分子化合物の共重合の方法としては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いることができる。
【0109】
本発明においてアルカリ可溶性高分子化合物が、前記フェノール性ヒドロキシ基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、または活性イミド基を有する重合性モノマーの単独重合体または共重合体である場合、重量平均分子量が2,000以上であり、数平均分子量が500以上であるものが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000であり、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10であるものである。
また、本発明においてアルカリ可溶性高分子化合物がフェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールアルデヒド樹脂等の樹脂である場合には、重量平均分子量が500〜20,000であり、数平均分子量が200〜10,000であるものが好ましい。
【0110】
これらアルカリ可溶性高分子化合物は、それぞれ単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよく、感熱層の全固形分中、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子化合物の添加量が30質量%未満であると感熱層の耐久性が悪化し、また、99質量%を超えると感度および耐久性の両面で好ましくない。
【0111】
アルカリ可溶性高分子化合物としては、ノボラック樹脂が好適に例示される。ノボラック樹脂は、特に限定されず、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、o−、m−/p−混合、m−/o−混合およびo−/p−混合のいずれでもよい。)混合ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0112】
本発明においては、上記ノボラック樹脂をバインダーとして含有するのが好ましい態様の一つであるが、この態様においても、その他の水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂を併用することもできる。そのような樹脂としては、例えば、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を有するアクリル樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル樹脂、ウレタン系樹脂が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、例えば、特開昭63−124047号公報、特開昭63−261350号公報、特開昭63−287942号公報、特開昭63−287943号公報、特開昭63−287944号公報、特開昭63−287946号公報、特開昭63−287947号公報、特開昭63−287948号公報、特開昭63−287949号公報、特開平1−134354号公報および特開平1−255854号公報に記載されているものが好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0113】
(B)前記アルカリ可溶性高分子化合物と相溶することにより該高分子化合物のアルカリ水溶液への溶解性を低下させるとともに、加熱により該溶解性低下作用が減少する化合物
この(B)成分は、分子内に存在する水素結合性の官能基の働きにより、(A)アルカリ可溶性高分子化合物との相溶性が良好であり、均一な塗布液を形成し得るとともに、(A)成分との相互作用により、該高分子化合物のアルカリ可溶性を抑制する機能を有する化合物を指す。
また、この化合物は加熱によりこの溶解性低下作用が消滅するが、(B)成分自体が加熱により分解する化合物である場合、分解に十分なエネルギーがレーザの出力や照射時間等の条件によって付与されないと、溶解性の抑制作用の低下が不十分となり、感度が低下するおそれがあるため、(B)成分の熱分解温度は150℃以上であることが好ましい。
【0114】
本発明に用いられる好適な(B)成分としては、例えば、スルホン化合物、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アミド化合物等の前記(A)成分と相互作用する化合物が挙げられる。(B)成分は、上述したように、(A)成分との相互作用を考慮して適宜選択されるべきであり、具体的には、例えば、(A)成分としてノボラック樹脂を単独で用いる場合、後に例示するシアニン染料A等が好適に用いられる。
【0115】
(A)成分と(B)成分との配合比は、通常、99/1〜75/25の範囲であるのが好ましい。99/1よりも(B)成分が少ない場合、(A)成分との相互作用が不十分となり、アルカリ可溶性を阻害できず、良好な画像形成ができにくい。また、75/25よりも(B)成分が多い場合、相互作用が過大であるため著しく感度が低下し、いずれも好ましくない。
【0116】
(C)赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤
本発明における赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤とは、700nm以上、好ましくは750〜1200nmの赤外域に光吸収域があり、この範囲の波長の光において、光/熱変換能を発現するものを指す。具体的には、この波長域の光を吸収し熱を発生する種々の顔料または染料を用いることができる。前記顔料としては、市販の顔料またはカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)および「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
【0117】
前記顔料の種類としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラックを用いることができる。
【0118】
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0119】
前記顔料の粒径は、0.01〜10μmの範囲にあるのが好ましく、0.05〜1μmの範囲にあるのがより好ましく、0.1〜1μmの範囲にあるのが特に好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の感熱層用塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを超えると感熱層の均一性の点で好ましくない。
【0120】
前記顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、例えば、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダーが挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0121】
前記染料としては、市販の染料および文献(例えば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料等の染料を用いることができる。
【0122】
本発明においては、これらの顔料または染料の中でも、赤外光または近赤外光を吸収するものが、赤外光または近赤外光を発光するレーザの利用に適する点で特に好ましい。
【0123】
そのような赤外光または近赤外光を吸収する顔料としてはカーボンブラックが好適に用いられる。また、赤外光または近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭58−125246号公報、特開昭59−84356号公報、特開昭59−202829号公報、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、特開昭58−181690号公報、特開昭58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号公報、特開昭58−224793号公報、特開昭59−48187号公報、特開昭59−73996号公報、特開昭60−52940号公報、特開昭60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書に記載のシアニン染料、米国特許第5,380,635号明細書に記載のジヒドロペリミジンスクアリリウム染料を挙げることができる。
【0124】
また、前記染料として米国特許第5,156,938号明細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号公報、特開昭58−220143号公報、特開昭59−41363号公報、特開昭59−84248号公報、特開昭59−84249号公報、特開昭59−146063号公報、特開昭59−146061号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号公報、特公平5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物、Epolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125、Epolight IV−62A等は特に好ましく用いられる。
【0125】
また、前記染料として特に好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)または(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0126】
これらの顔料または染料は、感熱層の全固形分に対して、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合、特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合、特に好ましくは3.1〜10質量%の割合で前記感光性組成物中に添加することができる。顔料または染料の添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また、50質量%を超えると感熱層の均一性が失われ、感熱層の耐久性が悪くなる。
これらの染料または顔料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設け、そこへ添加してもよい。別の層とする場合、本発明の熱分解性でありかつ分解しない状態ではアルカリ可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を含む層に隣接する層へ添加するのが好ましい。
また、染料または顔料とアルカリ可溶性高分子化合物は同一の層に含まれるのが好ましいが、別の層でも構わない。
【0127】
(B+C)成分
本発明においては、(B)アルカリ可溶性高分子化合物と相溶することにより該高分子化合物のアルカリ水溶液への溶解性を低下させるとともに、加熱により該溶解性低下作用が減少する化合物と、(C)赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤とに代えて、双方の特性を有する一つの化合物(以下、「(B+C)成分」ともいう。)を含有することもできる。そのような化合物としては、例えば、下記一般式(Z)で表されるものが挙げられる。
【0128】
【化21】
Figure 0004056889
【0129】
前記一般式(Z)中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基もしくはアリール基を表し、R1 とR2 、R3 とR4 はそれぞれ結合して環構造を形成していてもよい。ここで、R1 〜R4 としては、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、ドデシル基、ナフチル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシ基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。
5 〜R10は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基を表し、ここで、R5 〜R10としては、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ドデシル基、ナフチル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシ基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。
【0130】
11〜R13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、ここで、R12は、R11またはR13と結合して環構造を形成していてもよく、m>2の場合は、複数のR12同士が結合して環構造を形成していてもよい。R11〜R13としては、具体的には、塩素原子、シクロヘキシル基、R12同士が結合してなるシクロペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシ基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、mは1〜8の整数を表し、好ましくは1〜3である。
14およびR15は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、R14はR15と結合して環構造を形成していてもよく、m>2の場合は、複数のR14同士が結合して環構造を形成していてもよい。R14およびR15としては、具体的には、塩素原子、シクロヘキシル基、R14同士が結合してなるシクロペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。また、これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、カルボニル基、ニトロ基、ニトリル基、スルホニル基、カルボキシ基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル等が挙げられる。また、mは1〜8の整数を表し、好ましくは1〜3である。
【0131】
前記一般式(Z)において、X- は、アニオンを表す。アニオンとなる化合物の具体例としては、過塩素酸、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。これらの中でも、特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸等のアルキル芳香族スルホン酸が好ましく用いられる。
【0132】
前記一般式(Z)で表される化合物は、一般にシアニン染料と呼ばれる化合物であり、具体的には、以下に示す化合物が好適に用いられるが、本発明はこの具体例により限定されるものではない。
【0133】
【化22】
Figure 0004056889
【0134】
前記(B+C)成分は、赤外線を吸収して発熱する性質(即ち、(C)成分の特性)を有し、しかも700〜1200nmの赤外域に吸収域をもち、更にアルカリ可溶性高分子化合物との相溶性も良好であり、塩基性染料であり、分子内にアンモニウム基、イミニウム基等のアルカリ可溶性高分子化合物と相互作用する基を有する(即ち、(B)成分の特性を有する)ために、該高分子化合物と相互作用して、そのアルカリ可溶性を制御することができ、本発明に好適に用いることができる。
【0135】
本発明において、(B)成分および(C)成分に代えて、前記のシアニン染料のような双方の特性を兼ね備える化合物(B+C)成分を用いる場合、この化合物の添加量は、(A)成分に対して、99/1〜70/30の範囲であるのが感度の観点から好ましく、99/1〜75/25の範囲であるのがより好ましい。
【0136】
(D)その他の成分
感熱層は、上記の必須成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、種々の添加剤を含有することができる。以下、添加剤の例を挙げて説明する。
例えば、熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ水可溶性高分子化合物の溶解性を実質的に低下させる物質を併用すると、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図ることができるので、好ましい。そのような物質としては、例えば、オニウム塩、キノンジアジド類、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物が挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩が挙げられる。
【0137】
中でも、好適なものとしては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Balet al,Polymer,21,423(1980)および特開平5−158230号公報に記載されているジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同4,069,056号明細書および特開平3−140140号公報に記載されているアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p.478,Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号明細書および同4,069,056号明細書に記載されているホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& amp、Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号明細書、米国特許第339,049号明細書、同第410,201号明細書、特開平2−150848号公報および特開平2−296514号公報に記載されているヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号明細書、同233,567号明細書、同297,443号明細書、同297,442号明細書、米国特許第4,933,377号明細書、同3,902,114号明細書、同410,201号明細書、同339,049号明細書、同4,760,013号明細書、同4,734,444号明細書、同2,833,827号明細書、独国特許第2,904,626号明細書、同3,604,580号明細書および同3,604,581号明細書に記載されているスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)およびJ.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載されているセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478,Tokyo,Oct(1988)に記載されているアルソニウム塩が挙げられる。
オニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報に記載されているものがあげられる。
【0138】
オニウム塩の対イオンとしては、例えば、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸が挙げられる。中でも、六フッ化リン酸;トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸等のアルキル芳香族スルホン酸が好ましい。
【0139】
キノンジアジド類としては、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有し、熱分解によりアルカリ可溶性を増す化合物であり、種々の構造の化合物を用いることができる。o−キノンジアジド化合物は、熱分解により結着剤の溶解抑制能を失わせること、および、o−キノンジアジド化合物自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により、感材系の溶解性を向上させる。
本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley & amp;Sons.Inc.)p.339〜352に記載されている化合物が使用できるが、特に、種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物または芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジド化合物のスルホン酸エステルまたはスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号明細書および同第3,188,210号明細書に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に用いられる。
【0140】
更に、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に用いられる。そのほかにも、有用なo−キノンジアジド化合物が、数多くの特許に報告され、知られている。例えば、特開昭47−5303号公報、特開昭48−63802号公報、特開昭48−63803号公報、特開昭48−96575号公報、特開昭49−38701号公報、特開昭48−13354号公報、特公昭41−11222号公報、特公昭45−9610号公報、特公昭49−17481号公報、米国特許第2,797,213号明細書、同第3,454,400号明細書、同第3,544,323号明細書、同第3,573,917号明細書、同第3,674,495号明細書、同第3,785,825号明細書、英国特許第1,227,602号明細書、同第1,251,345号明細書、同第1,267,005号明細書、同第1,329,888号明細書、同第1,330,932号明細書および独国特許第854,890号明細書に記載されているものが挙げられる。
【0141】
オニウム塩およびo−キノンジアジド化合物のそれぞれの添加量は、添加される層の全固形分に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0142】
オニウム塩およびo−キノンジアジド化合物以外の添加剤の添加量は、添加される層の全固形分に対して、好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。本発明において、添加剤とアルカリ可溶性高分子化合物とは、同一層へ含有させるのが好ましい。
【0143】
また、感熱層は、画像のディスクリミネーションや表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号公報に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2または3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を含有するのが好ましい。
このような重合体の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.1〜10質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
【0144】
また、感熱層は、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を含有することもできる。そのような化合物としては、例えば、米国特許第6,117,913号明細書に記載されているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルが挙げられる。
このような化合物の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.1〜10質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
【0145】
また、感熱層は、必要に応じて、低分子量の酸性基を有する化合物を含有していてもよい。酸性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボキシ基、リン酸基が挙げられる。中でも、スルホン酸基を有する化合物が好ましい。具体的には、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類や、脂肪族スルホン酸類が挙げられる。
このような化合物の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.05〜5質量%であるのが好ましく、0.1〜3質量%であるのがより好ましい。5質量%より多いと、各層の現像液に対する溶解性が増加してしまう場合があるので、好ましくない。
【0146】
また、感熱層は、各層の溶解性を調節する目的で種々の溶解抑制剤を含有していてもよい。溶解抑制剤としては、特開平11−119418号公報に記載されているようなジスルホン化合物またはスルホン化合物が好適に用いられる。具体的には、4,4′−ビスヒドロキシフェニルスルホンが好適に例示される。
溶解抑制剤の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.05〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜10質量%であるのがより好ましい。
【0147】
また、感熱層は、更に感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類、スルホニル化合物類を含有することもできる。
環状酸無水物類としては、例えば、米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4′,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4′,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンが挙げられる。
有機酸類としては、例えば、特開昭60−88942号公報、特開平2−96755号公報等に記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類、カルボン酸類が挙げられる。具体的には、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸が挙げられる。
スルホニル化合物としては、例えば、ビスヒドロキシフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルジスルホンが挙げられる。
上記の環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類およびスルホニル化合物類の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.05〜20質量%であるのが好ましく、0.1〜15質量%であるのがより好ましく、0.1〜10質量%であるのが特に好ましい。
【0148】
また、感熱層は、現像条件の変化に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報および特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報および特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、欧州特許出願公開第950,517号明細書に記載されているようなシロキサン系化合物、特開平11−288093号公報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を含有することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」、第一工業社製)が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、チッソ社製のDBE−224、DBE−621、DBE−712、DBP−732、DBP−534、独Tego社製のTego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンが挙げられる。
上記非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびシロキサン系化合物の添加量は、それぞれ、添加される層の全固形分に対して、0.05〜15質量%であるのが好ましく、0.1〜5質量%であるのがより好ましい。
【0149】
また、感熱層は、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を含有することができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成しうる有機染料との組み合わせが例示される。具体的には、特開昭50−36209号公報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組み合わせや、特開昭53−36223号公報、特開昭54−74728号公報、特開昭60−3626号公報、特開昭61−143748号公報、特開昭61−151644号公報および特開昭63−58440号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料との組み合わせが挙げられる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、いずれも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0150】
画像着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料が挙げられる。具体的には、例えば、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、メチルバイオレット(C.I.42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(C.I.145170B)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、メチレンブルー(C.I.52015)が挙げられる。また、特開昭62−293247号公報および特開平5−313359号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.1〜3質量%であるのがより好ましい。
また、感熱層は、塗膜の柔軟性等を付与するために、必要に応じ、可塑剤を含有することができる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマーが用いられる。
更に、感熱層は、必要に応じ、キノンジアジド類、ジアゾ化合物等の光により分解する化合物を含有することがでいる。これらの化合物の添加量は、添加される層の全固形分に対して、1〜5質量%であるのが好ましい。
【0151】
感熱層は、通常上記各成分を溶媒に溶かして、上記平版印刷版用支持体上に塗布することにより製造することができる。ここで使用する溶媒としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は単独でまたは混合して使用される。
溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
【0152】
また、塗布乾燥後に得られる支持体上の感熱層塗布量(固形分)は、0.5〜5.0g/m2 であるのが好ましい。
【0153】
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布が挙げられる。
また、感熱層は、塗布性を向上させるための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を含有することができる。塗布性を向上させるための界面活性剤の添加量は、添加される層の全固形分に対して、0.01〜1質量%であるのが好ましく、0.05〜0.5質量%であるのがより好ましい。
【0154】
<感熱層2>
本発明の平版印刷版原版に用いられる感熱層2は、加熱によりアルカリ可溶化する2層からなる重層感熱層である。具体的には、平版印刷版原版の表面(露光面)に近い位置に設けられている感熱層と、支持体に近い側に設けられている下層との2層を有する重層感熱層が挙げられる。このような重層感熱層を設けると、アルカリ可溶層と表面難溶化層とを別々に設けることができるため、 より大きなディスクリミネーションが得られ、即ち、現像性が優れたものとなる。また、耐キズ性(傷付きにくさ)も優れたものとなる。これは、アルミニウム支持体上に、まず下層を設けることにより支持体の凹凸形状が吸収されて比較的平坦な表面が形成され、この上に更に感熱層を積層することで、より平坦な感熱層表面が形成されるためである。
下層および感熱層は、いずれも水不溶性かつアルカリ可溶性の樹脂を含有し、また、下層の上部に位置する感熱層は、更に、赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤を含有する。
【0155】
本発明において、下層および感熱層に用いられるアルカリ可溶性高分子化合物としては、感熱層1に用いられるものと同様のものが挙げられる。本発明に用いられる下層および感熱層は、アルカリ可溶性高分子化合物を含有するため、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有する。
【0156】
下層に用いられるアルカリ可溶性高分子化合物としては、アクリル樹脂が好ましい。下層がアルカリ可溶性高分子化合物としてアクリル樹脂を含有すると、緩衝作用を有する有機化合物と塩基とを主成分とするアルカリ現像液に対して下層の溶解性を良好に保持しうるため、現像時の画像形成性が優れたものとなる。中でも、スルホンアミド基を有するアクリル樹脂が特に好ましい。
また、感熱層に用いられるアルカリ可溶性高分子化合物としては、フェノール性ヒドロキシ基を有する高分子化合物が好ましい。感熱層がアルカリ可溶性高分子化合物としてフェノール性ヒドロキシ基を有する高分子化合物を含有すると、未露光部において強い水素結合性を生起させる一方、露光部において一部の水素結合が容易に解除されるため、また、非シリケート現像液に対して、未露光部と露光部との現像性の差が大きいため、現像時の画像形成性が優れたものとなる。中でも、ノボラック樹脂が特に好ましい。
【0157】
これらアルカリ可溶性高分子化合物は、それぞれ単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ可溶性高分子化合物は、感熱層の全固形分に対して、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは40〜95質量%、特に好ましくは50〜90質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子化合物の添加量が30質量%未満であると感熱層の耐久性が悪化し、また、99質量%を超えると感度および耐久性の両面で好ましくない。
また、アルカリ可溶性高分子化合物は、下層の全固形分に対して、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは60〜95質量%、特に好ましくは70〜95質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性高分子化合物の添加量が50質量%未満であると下層の耐久性が悪化し、また、99質量%を超えると感度および耐久性の両面で好ましくない。
【0158】
本発明において、感熱層に用いられる赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤としては、感熱層1に用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0159】
これらの光熱変換剤は、感熱層のみならず、下層にも添加することができる。下層に光熱変換剤を添加することで下層も感熱層として機能させることができる。下層に光熱変換剤を添加する場合には、上部の感熱層におけるのと互いに同じ物を用いてもよく、また異なる物を用いてもよい。
また、これらの光熱変換剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、感熱層に隣接する層へ添加するのが望ましい。また、染料と前記アルカリ可溶性樹脂とは同一の層に含まれるのが好ましいが、別の層でも構わない。
添加量としては、印刷版材料全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%の割合で印刷版材料中に添加することができる。染料の添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また50質量%を超えると感熱層の均一性が失われ、感熱層の耐久性が悪くなる。
【0160】
下層および感熱層は、上記の必須成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、種々の添加剤を含有することができる。添加剤は下層のみに含有させてもよく、感熱層のみに含有させてもよく、両方の層に含有させてもよい。
添加剤の具体例およびその添加量は、基本的に感熱層1の場合と同様であるが、以下の点が更に言及される。
【0161】
下層および感熱層が好ましく含有する、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2個または3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体や、表面の静摩擦係数を低下させる化合物は、下層および感熱層のいずれに含有させてもよいが、上部に位置する感熱層に含有させると、より効果的である。
【0162】
下層を塗布した後、それに隣接して、上層である感熱層を塗布する際、上層の塗布溶剤として下層のアルカリ可溶性高分子化合物を溶解させうる溶剤を用いると、層界面での混合が無視できなくなり、極端な場合、重層にならず均一な単一層になってしまうことがある。このように、隣接する二つの層の界面で混合が生じたり、互いに相溶したりして均一層のような挙動を示す場合、2層を有することによる本発明の平版印刷版原版の効果が損なわれるおそれがあり、好ましくない。このため、感熱層を塗布するのに用いる溶剤は、下層に含まれるアルカリ可溶性高分子化合物に対する貧溶剤であることが好ましい。
各層を塗布する場合の溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また、塗布乾燥後に得られる支持体上の下層および感熱層の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、感熱層は0.05〜1.0g/m2 であるのが好ましく、また、下層は0.3〜3.0g/m2 であるのが好ましい。感熱層の塗布量が0.05g/m2 未満である場合には、画像形成性が低下する場合があり、また、1.0g/m2 を超えると感度が低下する可能性がある。また、下層の塗布量が0.3g/m2 未満である場合、および、3.0g/m2 を超える場合には、いずれも画像形成性が低下する傾向がある。
また、下層および感熱層の塗布量は、2層の合計で0.5〜3.0g/m2 であるのが好ましい。2層の合計の塗布量が0.5g/m2 未満であると皮膜特性が低下する場合があり、3.0g/m2 を超えると感度が低下する傾向にある。塗布量が少なくなるにつれて、見掛けの感度は大きくなるが、感光膜の皮膜特性は低下する。
【0163】
<サーマルネガタイプ>
サーマルネガタイプの感熱層を形成するのに用いられる感光性組成物は、硬化性化合物と赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤とを含有する。サーマルネガタイプの感熱層は、赤外線レーザ等の光で照射された部分が硬化して画像部を形成するネガ型の感熱層である。
【0164】
<重合層>
サーマルネガタイプの感熱層の一つとして、重合型の感熱層(重合層)が好適に挙げられる。重合層は、赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤と、ラジカル発生剤と、硬化性化合物であるラジカル重合性化合物と、バインダーポリマーとを含有する。重合層においては、光熱変換剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱によりラジカル発生剤が分解してラジカルが発生し、発生したラジカルによりラジカル重合性化合物が連鎖的に重合し、硬化する。
【0165】
赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤としては、例えば、上述したサーマルポジタイプに用いられる光熱変換剤が挙げられる。特に好ましいシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の[0017]〜[0019]に記載されているものが挙げられる。
ラジカル発生剤としては、オニウム塩が好適に挙げられる。特に、特開2001−133969号公報の[0030]〜[0033]に記載されているオニウム塩が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーが好適に挙げられる。水または弱アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが好適に挙げられる。中でも、アリル基、アクリロイル基等の不飽和基またはベンジル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れている点で好適である。
ラジカル重合性化合物およびバインダーポリマーについては、特開2001−133969号公報の[0036]〜[0060]に詳細に記載されているものを用いることができる。
【0166】
サーマルネガタイプの感光性組成物中には、特開2001−133969号公報の[0061]〜[0068]に記載されている添加剤(例えば、塗布性を向上させるための界面活性剤)を含有させるのが好ましい。
【0167】
重合層の製造方法および製版方法については、特開2001−133969号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0168】
<酸架橋層>
また、サーマルネガタイプの感熱層の一つとして、酸架橋型の感熱層(酸架橋層)も好適に挙げられる。酸架橋層は、赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤と、熱酸発生剤と、硬化性化合物である酸により架橋する化合物(架橋剤)と、酸の存在下で架橋剤と反応しうるアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する。酸架橋層においては、光熱変換剤が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱により熱酸発生剤が分解して酸が発生し、発生した酸により架橋剤とアルカリ可溶性高分子化合物とが反応し、硬化する。
【0169】
赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤としては、重合層に用いられるのと同様のものが挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の熱分解化合物が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物;N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーが挙げられる。
【0170】
<無処理タイプ>
無処理タイプの感熱層を形成するのに用いられる感光性組成物は、特別な現像工程を必要としない感光性組成物である。無処理タイプの感光性組成物には、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、スルホン酸発生ポリマー含有型等が挙げられる。これらはいずれも赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤を含有する感熱型である。光熱変換剤は、上述したサーマルポジタイプに用いられるのと同様の染料が好ましい。
【0171】
熱可塑性微粒子ポリマー型の感光性組成物は、疎水性かつ熱溶融性の微粒子ポリマーが親水性高分子マトリックス中に分散されたものである。熱可塑性微粒子ポリマー型の感熱層においては、露光により発生する熱により疎水性の微粒子ポリマーが溶融し、互いに融着して疎水性領域、即ち、画像部を形成する。
微粒子ポリマーとしては、微粒子同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散しうるものがより好ましい。具体的には、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号および同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーが好適に挙げられる。中でも、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸メチルが好ましい。親水性表面を有する微粒子ポリマーとしては、例えば、ポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性化合物を微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものが挙げられる。
微粒子ポリマーは、反応性官能基を有するのが好ましい。
【0172】
マイクロカプセル型の感光性組成物としては、特開2000−118160号公報に記載されているもの、特開2001−277740号公報に記載されているような熱反応性官能基を有する化合物を内包するマイクロカプセル型が好適に挙げられる。
【0173】
スルホン酸発生ポリマー含有型の感光性組成物に用いられるスルホン酸発生ポリマーとしては、例えば、特開平10−282672号公報に記載されているスルホン酸エステル基、ジスルホン基またはsec−もしくはtert−スルホンアミド基を側鎖に有するポリマーが挙げられる。
【0174】
無処理タイプの感光性組成物に、親水性樹脂を含有させることにより、機上現像性が良好となるばかりか、感光層自体の皮膜強度も向上する。親水性樹脂としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カルボキシメチル基等の親水基を有するもの、親水性のゾルゲル変換系結着樹脂が好ましい。
【0175】
無処理タイプの感熱層は、特別な現像工程を必要とせず、印刷機上で現像することができる。無処理タイプの感熱層の製造方法および製版印刷方法については、特開2002−178655号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
【0176】
[製版方法(平版印刷版の製造方法)]
本発明の平版印刷版原版は、感熱層に応じた種々の処理方法により、平版印刷版とされる。
【0177】
▲1▼露光
初めに、像露光を行う。像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、ケミカルランプが挙げられる。放射線としては、例えば、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザビーム)が挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘリウム・ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム・カドミウムレーザ、KrFエキシマーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザが挙げられる。本発明の平版印刷版原版は、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源を用いて露光されるのが好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0178】
▲2▼現像
上記露光の後、感熱層がサーマルポジタイプまたはサーマルネガタイプである場合は、露光した後、現像液を用いて現像して平版印刷版を得るのが好ましい。なお、感熱層が無処理タイプである場合は、上述したように、特別な現像工程を必要とせず、印刷機上で湿し水および/またはインキにより現像することができる。
【0179】
本発明の平版印刷版原版の現像に用いられる現像液および補充液としては、従来公知のアルカリ水溶液を用いることができる。
例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第二リン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤を用いることもできる。
これらのアルカリ剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0180】
中でも、実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液が好ましい。なお、実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液を用いて現像する方法については、特開平11−109637号公報に詳細に記載されており、本発明においては、該公報に記載されている内容を用いることができる。
【0181】
実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液は、特に限定されないが、実質的に有機溶剤を含有しないアルカリ性の水溶液であるのが好ましい。ただし、必要により有機溶剤を含有してもよい。
この非シリケート現像液としては、具体的には、例えば、主成分として、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基とを含有し、pH9.0〜13.5である現像液が好適に挙げられる。非シリケート現像液は、現像性の点で、pH12.5〜13.5とするのが好ましい。
現像液および補充液には、現像性の促進または抑制、現像カスの分散、画像部の親インキ性の向上等を目的として、必要に応じて、種々の界面活性剤や有機溶剤を添加することができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性の各種の界面活性剤を用いることができる。
更に、現像液および補充液には、平版印刷版の汚れを防止する目的で、必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤を含有することができる。更に、現像液および補充液には、必要に応じて、有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤、種々の現像安定化剤等を添加することもできる。
【0182】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
1.平版印刷版原版の作成
(実施例1)
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmのアルミニウム板に仕上げた。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理を連続的に行った。なお、得られたアルミニウム板は、JIS A1050材に該当するものであり、また、アルミニウムの平均結晶粒径の短径が50μm、長径が300μmであった。
【0183】
(a)機械的粗面化処理
図1に模式的に示したような装置を使って、研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液(比重1.12)を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。
研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0184】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2 溶解させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0185】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0186】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、温度50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。図3において、11はアルミニウム板であり、12はラジアルドラムローラであり、13aおよび13bは主極であり、14は電解処理液であり、15は電解液供給口であり、16はスリットであり、17は電解液通路であり、18は補助陽極であり、19aおよび19bはサイリスタであり、20は交流電源であり、40および41は主電解槽であり、50および51は補助陽極槽である。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、スプレーによる水洗を行った。
【0187】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2 溶解させ、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0188】
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0189】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度45℃であった。交流電源波形は正弦(sin)波であり、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2 であった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
【0190】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2 溶解し、前段の交流を用いての電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0191】
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0192】
(j)陽極酸化処理
図4に示す構造の二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一および第二電解部長各6m、第一および第二給電部長各3m、第一および第二給電電極長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度170g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度40℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0193】
前記陽極酸化装置においては、電源67aおよび67bからの電流は、第一給電部62aに設けられた第一給電電極65aに流れ、電解液を介してアルミニウム板11に流れ、第一電解部63aでアルミニウム板11の表面に酸化皮膜を生成させ、第一電解部63aに設けられた電解電極66aおよび66bを通り、電源67aおよび67bに戻る。
一方、電源67cおよび67dからの電流は、第二給電部62bに設けられた第二給電電極65bに流れ、前記と同様に電解液を介してアルミニウム板11に流れ、第二電解部63bでアルミニウム板11の表面に酸化皮膜を生成させ、第二電解部63bに設けられた電解電極66cおよび66dを通り、電源67cおよび67dに戻る。
【0194】
電源67aおよび67bから第一給電部62aに給電される電気量と、電源67cおよび67dから第二給電部62bに給電される電気量とは等しく、また、第一電解部63aおよび第二電解部63bにおける電流密度はともに約30A/dm2 であった。第二給電部62bでは、第一電解部63aで生成した1.35g/m2 の酸化皮膜面を通じて給電したことになる。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2 であった。
【0195】
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度50℃の3号ケイ酸ソーダの2.5質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきさせることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。
【0196】
(l)下塗層の形成
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗層用塗布液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2 であった。
【0197】
<下塗層用塗布液組成>
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
【0198】
【化23】
Figure 0004056889
【0199】
(m)感熱層Aの形成
下記組成の下層用塗布液を塗布量が0.85g/m2 になるよう塗布した後、TABAI社製、PERFECT OVEN PH200にてWind Controlを7に設定して140℃で50秒間乾燥させ、その後、下記組成の感熱層用塗布液1を塗布量が0.15g/m2 になるよう塗布した後、120℃で1分間乾燥させて感熱層Aを形成させ、平版印刷版原版を得た。
【0200】
<下層用塗布液組成>
・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル(モル比36/34/30、重量平均分子量50000) 1.896g
・クレゾール−ノボラック樹脂(m/p=6/4 重量平均分子量4500、残存モノマー0.8質量%) 0.237g
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.109g
・4,4′−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.063g
・無水テトラヒドロフタル酸 0.190g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒイドロキシナフタレンスルホンに変えたもの 0.05g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF176、大日本インキ化学工業社製)0.035g
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・γ−ブチロラクトン 13.8g
【0201】
【化24】
Figure 0004056889
【0202】
<感熱層用塗布液1組成>
・m,p−クレゾール−ノボラック樹脂(m/p比=6/4、重量平均分子量4500、未反応クレゾール0.8質量%含有) 0.237g
・上記構造式で表されるシアニン染料A 0.047g
・ステアリン酸ドデシル 0.060g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロホスフェート0.030g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF176、大日本インキ化学工業社製)0.110g
・フッ素系界面活性剤(メガファックMCF−312(30質量%)、大日本インキ化学工業社製) 0.120g
・メチルエチルケトン 15.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 7.7g
【0203】
(実施例2)
上記(k)において、水溶液の温度を60℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(実施例3)
上記(k)において、水溶液の温度を90℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(実施例4〜6)
上記(d)、(e)および(f)を行わなかった以外は、それぞれ実施例1〜3と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
【0204】
(実施例7)
上記(h)において、エッチング処理を45℃で行い、アルミニウム板を0.45g/m2 溶解させた以外は、実施例2と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(実施例8)
上記(h)を行わなかった以外は、実施例2と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(実施例9)
上記(h)において、エッチング処理を40℃で行い、アルミニウム板を0.35g/m2 溶解させた以外は、実施例5と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(実施例10)
上記(d)において、電解液の温度を25℃とし、上記(e)において、エッチング処理を62℃で行い、アルミニウム板を1.6g/m2 溶解させ、上記(m)の代わりに、下記(n)を行った以外は、実施例2と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
【0205】
(n)感熱層Bの形成
下記組成の感熱層用塗布液2を調製し、下塗層を設けたアルミニウム支持体に、この感熱層用塗布液2を乾燥後の塗布量(感熱層塗布量)が1.0g/m2 になるよう塗布し、乾燥させて感熱層Bを形成させ、平版印刷版原版を得た。
【0206】
<感熱層用塗布液2組成>
・カプリン酸 0.03g
・後述する特定の共重合体1 0.75g
・m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、重量平均分子量3,500、未反応クレゾール0.5質量%含有) 0.25g
・p−トルエンスルホン酸 0.003g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03g
・上記構造式で表されるシアニン染料A 0.017g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 0.015g
・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0.05g
・γ−ブチロラクトン 10g
・メチルエチルケトン 10g
・1−メトキシ−2−プロパノール 1g
【0207】
<特定の共重合体1>
かくはん機、冷却管および滴下ロートを備えた500mL容の三つ口フラスコに、メタクリル酸31.0g(0.36mol)、クロロギ酸エチル39.lg(0.36mol)およびアセトニトリル200mLを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物をかくはんした。この混合物にトリエチルアミン36.4g(0.36mol)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴を取り去り、室温下で30分間混合物をかくはんした。
【0208】
この反応混合物に、p−アミノベンゼンスルホンアミド51.7g(0.30mol)を加え、油浴にて70℃に温めながら混合物を1時間かくはんした。反応終了後、この混合物を水1Lにこの水をかくはんしながら投入し、30分間得られた混合物をかくはんした。この混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500mLでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られた固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた(収量46.9g)。
【0209】
つぎに、かくはん機、冷却管および滴下ロートを備えた20mL容の三つ口フラスコに、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g(0.0192mol)、メタクリル酸エチル2.94g(0.0258mol)、アクリロニトリル0.80g(0.015mol)およびN,N−ジメチルアセトアミド20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物をかくはんした。この混合物に「V−65」(和光純薬社製)0.15gを加え、65℃に保ちながら窒素気流下で、混合物を2時間かくはんした。この反応混合物に更にN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g、メタクリル酸エチル2.94g、アクリロニトリル0.80g、N,N−ジメチルアセトアミドおよび「V−65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、更に、得られた混合物を65℃で2時間かくはんした。反応終了後、メタノール40gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2Lにこの水をかくはんしながら投入し、30分混合物をかくはんした後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより15gの白色固体の特定の共重合体1を得た。
得られた特定の共重合体1の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ、53,000(ポリスチレン標準)であった。
【0210】
(比較例1)
上記(k)において、水溶液の濃度を1.0質量%、水溶液の温度を30℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(比較例2)
上記(k)において、水溶液の濃度を5.0質量%、水溶液の温度を100℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(比較例3)
上記(k)において、水溶液の濃度を1.0質量%、水溶液の温度を30℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
(比較例4)
上記(k)において、水溶液の濃度を5.0質量%、水溶液の温度を100℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、平版印刷版原版を得た。
【0211】
2.アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量の測定
上記(k)において得られた各アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量を蛍光X線分析装置を用い、検量線法により測定した。結果を第1表に示す。なお、第1表中の値は、アルミニウム板に含有されるSi原子量を補正してある。
【0212】
検量線を作成するための標準試料としては、既知量のSi原子を含有するケイ酸ナトリウム水溶液を、アルミニウム板の上の30mmφの面積内に均一に滴下した後、乾燥させたものを用いた。蛍光X線分析の条件を以下に示す。
【0213】
蛍光X線分析装置:理学電機工業社製RIX3000、X線管球:Rh、測定スペクトル:Si−Kα、管電圧:50kV、管電流:50mA、スリット:COARSE、分光結晶:RX4、検出器:F−PC、分析面積:30mmφ、ピーク位置(2θ):144.75deg.、バックグランド(2θ):140.70deg.および146.85deg.、積算時間:80秒/sample
【0214】
3.アルミニウム支持体の表面の小波構造の平均波長の測定
上記で得られた各平版印刷版原版をγ−ブチロラクトンを用いて感熱層を溶解除去してアルミニウム支持体の表面を露出させた後、支持体の表面を、支持体に垂直な方向から、走査型電子顕微鏡(S−900、日立製作所社製)を用いて倍率30000倍のSEM写真を撮影した。SEM写真において、凹部を取り囲む輪郭が識別できる形状をピットとし、その長径と短径の平均値が1.0μm以下のピットであって、ピットの中に更にピットを含まないものを小波ピットとした。ただし、この際のピットに、陽極酸化皮膜に起因するマイクロポアの凹部は含めなかった。小波ピット100個の平均値を持って小波の平均波長とした。
結果を第1表に示す。なお、第1表中、「−」は、該当する波長の凹部がなかったことを示す。
【0215】
4.アルミニウム支持体の表面の大波構造および中波構造の平均波長の測定
上記で得られた各平版印刷版原版をγ−ブチロラクトンを用いて感熱層を溶解除去してアルミニウム支持体の表面を露出させた後、支持体の表面を、日本電子社製のT−20型走査電子顕微鏡を用いて、法線方向から30度傾斜させて倍率2000倍で観察し、波長2μm以上の凹凸成分および波長0.6μm以上2μm未満の凹凸成分を水平方向にそれぞれ30点測定し、それぞれの平均値を大波構造および中波構造の平均波長とした。
結果を第1表に示す。なお、第1表中、「−」は、該当する波長の凹部がなかったことを示す。
【0216】
5.平版印刷版原版の感度の評価
上記で得られた各平版印刷版原版をCREO社製のTrendSetter3244を用いて版面エネルギー量を変更して全面露光した後、実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液である富士写真フイルム(株)製のPS版用現像液DT−2を標準使用条件で用いて、自動現像機900NPにより現像した。感熱層が完全に除去されたと目視で観察されたときの最も低い版面エネルギー量により感度を評価した。
結果を第1表に示す。
【0217】
6.平版印刷版のインキの絡みにくさの評価
上記で得られた各平版印刷版原版をCREO社製TrenndSetter3244を用いて版面エネルギー量140mJ/cm2 で像様露光し、実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液である富士写真フイルム(株)製のPS版用現像液DT−2を標準使用条件で用いて、自動現像機900NPにより現像した。得られた平版印刷版を用い、ハイデルベルグ社製のSOR−M印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(H)墨を用いて、湿し水を少なくして印刷を行い、網点面積率80〜90%の網部におけるインキの絡みにくさを2段階で評価した。
結果を第1表に示す。インキの絡みにくさに優れるものを○、劣っているものを×とした。
【0218】
7.平版印刷版の耐刷性の評価
上記インキの絡みにくさの評価と同様の方法により平版印刷版を得た。得られた平版印刷版を、小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。
結果を第1表に示す。
【0219】
第1表から明らかなように、アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量が5〜20mg/m2 である本発明の平版印刷版原版(実施例1〜10)は、感度に優れ、かつ、印刷時における耐刷性およびインキの絡みにくさに優れることが分かる。それは、表面に大波構造と中波構造と小波構造とを有するアルミニウム支持体を用いた場合(実施例1〜3、7、8および10)および表面に大波構造と小波構造とを有するアルミニウム支持体を用いた場合(実施例4〜6および9)のいずれの場合についても該当する。
これに対し、アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量が少なすぎる場合(比較例1および3)には、感度およびインキの絡みにくさに劣り、多すぎる場合(比較例2および4)には、耐刷性に劣る。
【0220】
【表1】
Figure 0004056889
【0221】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版原版は、感度に優れ、かつ、印刷時における耐刷性およびインキの絡みにくさに優れる、サーマルタイプの感熱層を有する平版印刷版原版であるので、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム支持体の作成における機械粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す側面図である。
【図2】 本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム支持体の作成における電気化学的粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【図3】 本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム支持体の作成における電気化学的粗面化処理に用いられる二つ以上のラジアルドラムローラを連結した装置の概略構成図である。
【図4】 本発明の平版印刷版原版に用いられるアルミニウム支持体の作成における陽極酸化処理に用いられる二段給電電解法の陽極酸化処理装置の概略図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40、41 主電解槽
50、51 補助陽極槽
62a 第一給電部
62b 第二給電部
63a 第一電解部
63b 第二電解部
64a、64b ニップローラ
65a 第一給電電極
65b 第二給電電極
66a、66b、66c、66d 電解電極
67a、67b、67c、67d 電源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lithographic printing plate precursor, and is particularly excellent in printing durability, sensitivity, and resistance to ink entanglement in a halftone dot area ratio of about 80 to 90%, and changes in alkali solubility by photothermal conversion of laser light. The present invention relates to a lithographic printing plate precursor having a heat sensitive layer.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the development of image forming technology, a laser beam with a narrow beam is scanned on the plate surface of a lithographic printing plate precursor to form a character document, an image document, etc. directly on the plate surface, and directly plate-making without using a film document. It is becoming possible to do this.
As a lithographic printing plate precursor used in such a method, a lithographic printing plate precursor in which a thermal type heat-sensitive layer is provided on an aluminum support is known. Specifically, as the thermal type heat sensitive layer, the infrared absorber present in the heat sensitive layer expresses its photothermal conversion action and generates heat upon exposure, and the exposed portion of the heat sensitive layer is alkali-solubilized by the heat to produce a positive image. The so-called thermal positive type heat-sensitive layer to be formed, and the heat generated by the radical generator and acid generator to generate radicals and acids, thereby causing radical polymerization reaction and acid crosslinking reaction to progress and insolubilize to form a negative image Negative-type heat-sensitive layers and the like are known.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the specification of Japanese Patent Application No. 2001-206011, the applicant of the present invention is excellent in both scratch resistance and sensitivity, and is excellent in both stain resistance during printing and printing durability, and is alkali-solubilized by photothermal conversion of laser light. As a positive-type planographic printing plate precursor having a heat-sensitive layer, (1) a heat-sensitive layer containing an infrared absorbing dye and a water-insoluble and alkali-soluble resin on an aluminum support and having increased solubility in an alkaline aqueous solution by heating A lithographic printing plate precursor having a large wave structure, a medium wave structure and a small wave structure on its surface, and (2) an infrared absorbing dye on the aluminum support And a lithographic printing plate precursor provided with a heat-sensitive layer containing a water-insoluble and alkali-soluble resin and having increased solubility in an alkaline aqueous solution upon heating. I, the aluminum support is proposed a lithographic printing plate precursor having a large wave structure and small wave structure to the surface.
[0004]
However, when the above lithographic printing plate precursor is used, depending on the type of ink, when the amount of dampening water is reduced, a shadow portion (a mesh portion with a high dot area ratio. In other words, the ink adheres to the non-image area (hereinafter, this phenomenon is referred to as “ink entanglement”). Sometimes called “Kusa”). That is, all of the above lithographic printing plate precursors have room for improving the difficulty of ink entanglement.
[0005]
An object of the present invention is to provide a lithographic printing plate precursor having a thermal type heat-sensitive layer that is excellent in sensitivity and excellent in printing durability during printing and ink entanglement.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research to achieve the above object, the present inventor has determined that, in the thermal type lithographic printing plate precursor, the amount of Si atoms attached to the surface of the aluminum support is within a specific range, thereby improving sensitivity and printing. The inventors have found that the printing durability and the resistance to ink entanglement can be made excellent, and the present invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention provides the following (1) to (6).
[0008]
(1) A lithographic printing plate precursor provided with a heat sensitive layer whose solubility in an alkaline aqueous solution is changed by heating on an aluminum support,
Si atom adhesion amount on the surface of the aluminum support is 5 to 20 mg / m2Is a lithographic printing plate precursor.
[0009]
(2) The lithographic printing plate precursor as described in (1) above, wherein the aluminum support has a large wave structure, a medium wave structure and a small wave structure on its surface.
[0010]
(3) The lithographic printing plate precursor as described in (1) above, wherein the aluminum support has a large wave structure and a small wave structure on its surface.
[0011]
(4) The lithographic printing plate precursor as described in (2) or (3) above, wherein the average wavelength of the small wave structure is 0.01 to 0.6 μm.
[0012]
(5) The aluminum support includes at least mechanical roughening treatment, alkali etching treatment, desmutting treatment with acid, electrochemical roughening treatment using an electrolytic solution containing nitric acid, and hydrochloric acid on the aluminum plate. The lithographic printing plate precursor as described in any one of (1) to (4) above, which is obtained by sequentially performing an electrochemical surface roughening treatment and an alkali metal silicate treatment using an aqueous solution.
[0013]
(6) The lithographic printing plate precursor as described in any one of (1) to (5) above, wherein the thermosensitive layer is a thermal positive type multilayer thermosensitive layer comprising two or more layers.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
[Aluminum support]
<Aluminum plate (rolled aluminum)>
The aluminum plate used in the lithographic printing plate precursor according to the present invention is a metal mainly composed of dimensionally stable aluminum, and is made of aluminum or an aluminum alloy. In addition to a pure aluminum plate, an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements can also be used.
[0015]
In the following description, various substrates made of aluminum or an aluminum alloy listed above are collectively used as an aluminum plate. The foreign elements that may be contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, titanium, and the content of the foreign elements in the alloy is 10% by mass or less. It is.
In the present invention, it is preferable to use a pure aluminum plate. However, it is difficult to manufacture completely pure aluminum in terms of refining technology, and it may contain a metal element other than the above as an inevitable impurity. Thus, the composition of the aluminum plate used in the present invention is not specified, and conventionally known materials such as JIS A1050, JIS A1100, JIS A3005, JIS A3004, internationally registered alloy 3103A, etc. An aluminum alloy plate can be used as appropriate.
[0016]
Among them, the aluminum plate used in the present invention is preferably made of aluminum having a Cu content of 0.005% by mass or less, an Si content of 0.1% by mass or less, and a Cu content of 0.005% by mass. Hereinafter, it is more preferable that the Fe content is 0.5% by mass or less. Such aluminum is generally an aluminum alloy classified as JIS A1050 material or JIS A1070 material. With the above composition, the pit diameter particularly in the electrolytic surface-roughening treatment is reduced, and the stain resistance is improved. Further, in combination with a non-silicate developer (a developer substantially not containing an alkali metal silicate), it is possible to achieve a balance between stain resistance and printing durability. In particular, it is preferably made of aluminum having a Si content of 0.02 to 0.1 mass%, a Cu content of 0.005% or less, and an Fe content of 0.1 to 0.5 mass%.
[0017]
The aluminum plate used in the present invention preferably has a minor axis of 2 to 200 μm and a major axis of 50 to 1500 μm of the average crystal grain size of aluminum. If the crystal grains are too large, the etching characteristics differ depending on the crystal orientation, so that uniform surface roughening treatment becomes difficult. On the other hand, if the crystal grains are too small, the strength increases and the handling suitability decreases.
[0018]
The production method of the aluminum plate may be either a continuous casting method or a DC casting method, and an aluminum plate that omits DC casting method intermediate annealing or soaking treatment may also be used. In the final rolling, it is possible to use an aluminum plate provided with irregularities by lamination rolling or transfer. Moreover, the thickness of the aluminum plate used for this invention is about 0.1-0.6 mm. This thickness can be changed as appropriate according to the size of the printing press, the size of the printing plate, and the desire of the user.
[0019]
The aluminum support used in the lithographic printing plate precursor according to the present invention has a surface Si atom adhesion amount of 5 to 20 mg / m.2It is.
As the amount of Si atoms attached to the surface of the aluminum support increases, the hydrophilicity of the surface of the lithographic printing plate improves. As a result, the sensitivity, stain resistance, and ink entanglement are improved, but the printing durability is improved. It will decline. Therefore, conventionally, the amount of Si atoms attached to the surface of the aluminum support is 3 to 4 mg / m.2The degree was considered preferable.
The inventor of the present invention is a lithographic printing plate precursor having a thermal type heat-sensitive layer that is inferior in developability and easily entangled with ink in a shadow portion. By setting the range, it was found that the sensitivity and the difficulty of entanglement of the ink can be improved without impairing the printing durability, and the present invention has been completed.
The adhesion amount of Si atoms on the surface of the aluminum support is 5 mg / m in that sensitivity and resistance to ink entanglement are excellent.2Or more, preferably 8 mg / m2That's it. On the other hand, 20 mg / m in terms of excellent printing durability.2Or less, preferably 15 mg / m2It is as follows.
[0020]
The amount of Si atom attachment is the mass of Si atoms per unit area measured by a calibration curve method using an X-ray Fluorescence Spectrometer (XRF: X-ray Fluorescence Spectrometer). In the case where the aluminum plate contains Si atoms, the above numerical values are after correcting the amount of Si atoms contained.
[0021]
As a standard sample for preparing a calibration curve, for example, a sodium silicate aqueous solution containing a known amount of Si atoms is uniformly dropped into an area of 30 mmφ on an aluminum plate and then dried. be able to. Examples of fluorescent X-ray analysis conditions are shown below.
[0022]
X-ray fluorescence analyzer: RIX3000 manufactured by Rigaku Corporation, X-ray tube: Rh, measurement spectrum: Si-Kα, tube voltage: 50 kV, tube current: 50 mA, slit: COARSE, spectral crystal: RX4, detector: F -PC, analysis area: 30 mmφ, peak position (2θ): 144.75 deg. , Background (2θ): 140.70 deg. And 146.85 deg. Integration time: 80 seconds / sample
[0023]
The aluminum support used in the lithographic printing plate precursor according to the invention is preferably obtained by providing the aluminum plate with a specific surface shape to be described later.
As a suitable manufacturing method of the aluminum support, for example, mechanical roughening treatment, alkali etching treatment, desmutting treatment with acid, electrochemical roughening treatment using an electrolytic solution containing nitric acid on an aluminum plate, Method of sequentially performing electrochemical surface roughening and alkali metal silicate treatment using aqueous solution containing hydrochloric acid, alkali etching treatment, desmutting treatment with acid on aluminum plate, electrochemical using aqueous solution containing hydrochloric acid In which the surface roughening treatment and the alkali metal silicate treatment are sequentially performed. In these methods, after the electrochemical surface roughening treatment using the aqueous solution containing hydrochloric acid, the amount of dissolved aluminum is further 0.5 g / m2The method of performing the following alkali etching processes is mentioned. Note that these methods may include other processes.
A lithographic printing plate precursor obtained by these methods is a preferred embodiment of the present invention.
Hereinafter, various surface treatments applied to the aluminum plate will be described.
[0024]
<Roughening treatment (graining treatment)>
The aluminum plate is preferably grained to a more preferable shape.
The grain shape of the aluminum support used in the present invention preferably has a large / small double structure or a large / medium / small triple structure. When the support surface has a large and small double structure, the support surface preferably has a large wave structure with an average wavelength of 2 to 30 μm and a small wave structure with an average wavelength of 0.01 to 0.6 μm, and the support surface has a large, medium and small triple structure. In this case, it preferably has a large wave structure with an average wavelength of 2 to 30 μm, a medium wave structure with an average wavelength of 0.6 to 2.0 μm, and a small wave structure with an average wavelength of 0.01 to 0.6 μm. In any case, the large wave structure preferably has an average wavelength of 2 to 15 μm, and the small wave structure more preferably has an average wavelength of 0.05 to 0.5 μm. Moreover, when it has a large, medium and small triple structure, it is more preferable that the medium wave structure has an average wavelength of 0.6 to 1.5 μm.
[0025]
Examples of the graining method include mechanical graining, chemical etching, and electrolytic grain as described in JP-A-56-28893. In addition, electrochemical graining (electrochemical roughening, electrolytic graining), which is electrochemically grained in hydrochloric acid electrolyte or nitric acid electrolyte, or the aluminum surface is scratched with metal wire Mechanical graining methods (mechanical roughening treatment) such as brush grain method, ball grain method to grain the aluminum surface with abrasive balls and abrasives, brush grain method to grain the surface with nylon brush and abrasives, etc. Can be used. These graining methods can be used alone or in combination. For example, a combination of a mechanical surface roughening treatment with a nylon brush and an abrasive and an electrolytic surface roughening treatment with a hydrochloric acid electrolytic solution or a nitric acid electrolytic solution, or a combination of a plurality of electrolytic surface roughening treatments may be mentioned.
[0026]
In the case of the brush grain method, the long wavelength of the surface of the aluminum support is selected by appropriately selecting the conditions such as the average particle size, maximum particle size, bristle diameter of the brush used, density, indentation pressure, etc. The average depth of the concave portion of the component (large wave) can be controlled. The recesses obtained by the brush grain method preferably have an average wavelength of 2 to 30 μm and an average depth of 0.3 to 1 μm.
[0027]
As the electrochemical surface roughening method, an electrochemical method in which graining is chemically performed in a hydrochloric acid electrolytic solution or a nitric acid electrolytic solution is preferable. The preferred amount of electricity is 50 to 400 C / dm when the anode is charged.2It is. More specifically, for example, in an electrolyte containing 0.1 to 50% by mass of hydrochloric acid or nitric acid, the temperature is 20 to 100 ° C., the time is 1 second to 30 minutes, and the amount of electricity is 100 to 400 C / dm.2It is performed using direct current or alternating current under the following conditions. According to the electrolytic surface roughening treatment, it is easy to impart fine irregularities to the surface, so that the adhesion between the heat-sensitive layer and the support can be increased.
[0028]
By electrolytic surface roughening after mechanical surface roughening, crater-like or honeycomb-like pits having an average diameter of about 0.05 to 2.0 μm and an average depth of 0.01 to 0.4 μm are formed on the surface of the aluminum plate. And a large and small double pit structure can be formed. Moreover, a large, medium, and small triple structure can be obtained by performing the electrolytic surface roughening treatment a plurality of times.
The provided pits have the effect of improving the resistance to contamination of the non-image area of the printing plate and the printing durability. In the electrolytic surface roughening treatment, an amount of electricity necessary for providing sufficient pits on the surface, that is, the product of the current and the time during which the current flows is an important condition. From the viewpoint of energy saving, it is desirable that sufficient pits can be formed with a smaller amount of electricity.
The surface roughness after the roughening treatment is an arithmetic average roughness (R) measured at a cutoff value of 0.8 mm and an evaluation length of 3.0 mm in accordance with JIS B0601-1994.a) Is preferably 0.2 to 0.6 μm.
[0029]
<Alkaline etching treatment>
The grained aluminum plate is preferably chemically etched with alkali.
The alkali agent suitably used in the present invention is not particularly limited, and examples thereof include caustic soda, sodium carbonate, sodium aluminate, sodium metasilicate, sodium phosphate, potassium hydroxide, and lithium hydroxide.
The conditions for the alkali etching treatment are such that the dissolved amount of Al is 0.05 to 5.0 g / m.2It is preferable to carry out under the conditions such that the amount of dissolution of Al is 0.5 g / m, particularly when it is carried out after the electrolytic surface roughening treatment (the last electrolytic surface roughening treatment when applied multiple times).2It is preferable to carry out under the following conditions. The alkali etching amount after the electrolytic surface roughening treatment (the last electrolytic surface roughening treatment when applied multiple times) is 0.5 g / m.2When the amount is larger than the range, the grain shape may become smoother and the adhesion between the heat-sensitive layer and the support may be significantly reduced.
The other conditions are not particularly limited, but the alkali concentration is preferably 1 to 50% by mass, more preferably 5 to 30% by mass, and the alkali temperature is 20 to 100 ° C. It is preferable that it is, and it is more preferable that it is 30-50 degreeC.
The alkali etching treatment is not limited to one method, and a plurality of steps can be combined.
[0030]
The alkali etching process is not limited to a one-stage process. For example, after performing a mechanical surface roughening treatment, an alkali etching treatment is performed, followed by a desmut treatment (pickling to remove smut described later), an electrolytic surface roughening treatment, and then an alkali etching again. The alkali etching treatment and the desmut treatment can be combined and performed a plurality of times.
[0031]
By this alkali etching, the diameter of the pits constituting the medium wave structure is controlled within a preferable range to some extent, and at the same time, a small wave structure composed of fine irregularities can be formed inside the pits. The fine irregularities are irregular, and the equivalent circle diameter (area equivalent circle diameter) is preferably 0.01 to 0.6 μm.
[0032]
Thus, as a result of combining various surface roughening treatments and alkali etching treatments, a large / small double structure or a large / medium / small triple structure can be formed on the surface of the aluminum plate.
[0033]
After performing the alkali etching treatment, pickling (desmut treatment) is performed in order to remove dirt (smut) remaining on the surface. Examples of the acid used include nitric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, chromic acid, hydrofluoric acid, and borohydrofluoric acid. In particular, as a method for removing smut after the electrolytic surface-roughening treatment, it is preferably brought into contact with 15 to 65 mass% sulfuric acid at a temperature of 50 to 90 ° C. as described in JP-A-53-12739. A method is mentioned.
[0034]
<Anodizing treatment>
The aluminum plate treated as described above is preferably further subjected to an anodizing treatment. At this time, it is necessary to reduce the number of micropores as much as possible in order to suppress a decrease in sensitivity due to the micropores. The anodizing treatment can be performed by a method conventionally used in this field. Specifically, when a direct current or an alternating current is applied to an aluminum plate in an aqueous solution containing sulfuric acid as a main component and phosphoric acid, chromic acid, oxalic acid, sulfamic acid, benzenesulfonic acid, etc., an anode is formed on the surface of the aluminum plate. An oxide film can be formed.
[0035]
Under the present circumstances, the component normally contained at least by Al alloy plate, an electrode, tap water, groundwater, etc. may be contained in electrolyte solution. Furthermore, the 2nd, 3rd component may be added. Examples of the second and third components herein include metal ions such as Na, K, Mg, Li, Ca, Ti, Al, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, and Zn; Cation such as ammonium ion; anion such as nitrate ion, carbonate ion, chloride ion, phosphate ion, fluoride ion, sulfite ion, titanate ion, silicate ion, borate ion, etc., 0 to 10,000 ppm It may be contained at a concentration of about.
[0036]
The conditions for anodizing treatment vary depending on the electrolyte used, and thus cannot be determined unconditionally. In general, however, the electrolyte concentration is 1 to 15% by mass, the solution temperature is -5 to 40 ° C., and the current density is 5 to 5. 60A / dm2A voltage of 1 to 200 V and an electrolysis time of 10 to 200 seconds are appropriate.
[0037]
In the present invention, the amount of the anodized film is 1 to 5 g / m.2Is preferred. 1g / m2If it is less than 5%, the plate is likely to be damaged, while 5 g / m.2Exceeding this requires a large amount of power for production, which is economically disadvantageous. The amount of anodized film is 1.5-4 g / m2It is more preferable that
[0038]
<Alkali metal silicate treatment (silicate treatment)>
The aluminum support on which the anodized film obtained by the treatment as described above is formed is dipped using an aqueous solution of an alkali metal silicate. The treatment condition is that the adhesion amount of Si atoms on the surface of the aluminum support is 5 to 20 mg / m.2If it becomes, it will not specifically limit, For example, it is made to immerse for 1 to 100 second at the temperature of 20-100 degreeC using the aqueous solution of 0.5-5.0 mass% density | concentration, and it wash | cleans by running water after that. The concentration of the aqueous solution is more preferably 1.0 to 3.0% by mass, the more preferable immersion treatment temperature is 30 to 90 ° C., the still more preferable immersion treatment temperature is 30 to 80 ° C., and the more preferable immersion time is 3 to 3%. 20 seconds.
[0039]
Examples of the alkali metal silicate used in the present invention include sodium silicate, potassium silicate, and lithium silicate. The aqueous solution of alkali metal silicate may contain an appropriate amount of sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide or the like.
The aqueous solution of alkali metal silicate may contain an alkaline earth metal salt or a Group 4 (Group IVA) metal salt. Examples of the alkaline earth metal salt include nitrates such as calcium nitrate, strontium nitrate, magnesium nitrate, and barium nitrate; sulfates; hydrochlorides; phosphates; acetates; oxalates; Examples of Group 4 (Group IVA) metal salts include titanium tetrachloride, titanium trichloride, potassium titanium fluoride, titanium oxalate, titanium sulfate, titanium tetraiodide, zirconium chloride, zirconium dioxide, zirconium oxychloride. And zirconium tetrachloride. These alkaline earth metal salts and Group 4 (Group IVA) metal salts are used alone or in combination of two or more.
[0040]
By this alkali metal silicate treatment, the Si atom adhesion amount is 5 to 20 mg / m.2As a result, a lithographic printing plate precursor excellent in all of sensitivity, printing durability and ink entanglement can be obtained.
In addition, the alkali metal silicate treatment can improve the dissolution resistance of the aluminum support surface to the alkaline developer, and the dissolution of the aluminum component into the developer can be suppressed, resulting in development due to the fatigue of the developer. Generation of waste can be reduced.
[0041]
[Lithographic printing plate precursor]
<Undercoat layer>
In the lithographic printing plate precursor according to the invention, a heat-sensitive layer to be described later is provided on the aluminum support obtained as described above, but it is preferable to provide an alkali-soluble undercoat layer under the heat-sensitive layer. The alkali-soluble undercoat layer has a function of firmly adhering the hydrophilic support surface and the heat-sensitive layer in the image area, thereby realizing excellent printing durability and developing in the non-image area. Sometimes it dissolves easily in an alkaline developer to expose the hydrophilic support surface, thereby realizing excellent stain resistance.
[0042]
The alkali-soluble primer layer in the lithographic printing plate precursor according to the invention is not particularly limited as long as it is an alkali-soluble layer, but preferably contains a polymer having a monomer having an acid group, and has an acid group. It is more preferable to contain a polymer having a monomer and a monomer having an onium group.
Hereinafter, the polymer contained in the undercoat layer will be described in detail. The polymer contained in the undercoat layer is a compound formed by polymerizing at least a monomer having an acid group, and preferably a compound formed by polymerizing a monomer having an acid group and a monomer having an onium group.
Here, as an acid group, an acid dissociation index (pK)a) Is preferably 7 or less, more preferably —COOH, —SOThreeH, -OSOThreeH, -POThreeH2, -OPOThreeH2, -CONHSO2, -SO2NHSO2-, Particularly preferably -COOH.
Moreover, what is preferable as an onium group is an onium group containing an atom of Group 15 (Group VB) or Group 16 (Group VIB) of the periodic table, more preferably a nitrogen atom, a phosphorus atom or a sulfur atom. Particularly preferred is an onium group containing a nitrogen atom.
[0043]
The polymer used in the present invention is preferably a polymer compound characterized in that the main chain structure is a vinyl polymer such as acrylic resin, methacrylic resin or polystyrene, urethane resin, polyester or polyamide. More preferably, it is a polymer compound characterized in that the main chain structure of the polymer is a vinyl polymer such as an acrylic resin, a methacrylic resin or polystyrene. Particularly preferably, the monomer having an acid group is a compound represented by the following general formula (1) or general formula (2), and the monomer having an onium group is a general formula (3) or general formula (4) described later. Or it is a polymer compound characterized by being a compound represented by General formula (5).
[0044]
[Chemical 1]
Figure 0004056889
[0045]
In the formula, A represents a divalent linking group. B represents an aromatic group or a substituted aromatic group. D and E each independently represent a divalent linking group. G represents a trivalent linking group. X and X ′ are each independently pKaRepresents an acid group of 7 or less, or an alkali metal salt or ammonium salt thereof. R1Represents a hydrogen atom, an alkyl group or a halogen atom. a, b, d and e each independently represents 0 or 1; t is an integer of 1 to 3.
More preferably among the monomers having an acid group, A represents a single bond, —COO— or —CONH—, B represents a phenylene group or a substituted phenylene group, and the substituent is a hydroxy group, a halogen atom or an alkyl group. It is. D and E are each independently an alkylene group or a molecular formula of CnH2nO, CnH2nS or CnH2n + 1A divalent linking group represented by N is represented. G has the molecular formula CnH2n-1, CnH2n-1O, CnH2n-1S or CnH2nRepresents a trivalent linking group represented by N; However, n represents the integer of 1-12 here. X and X ′ each independently represents a carboxylic acid, a sulfonic acid, a phosphonic acid, a sulfuric monoester or a phosphoric monoester. R1Represents a hydrogen atom or an alkyl group. a, b, d and e each independently represent 0 or 1, but a and b are not 0 at the same time. Among the monomers having an acid group, particularly preferred is a compound represented by the general formula (1), wherein B represents a phenylene group or a substituted phenylene group, and the substituent is a hydroxy group or an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms. . D and E each independently represent an alkylene group having 1 to 2 carbon atoms or an alkylene group having 1 to 2 carbon atoms linked by an oxygen atom. R1Represents a hydrogen atom or an alkyl group. X represents a carboxylic acid group. a is 0 and b is 1.
[0046]
Specific examples of the monomer having an acid group are shown below. However, the present invention is not limited to this specific example.
(Specific examples of monomers having acid groups)
Acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, isocrotonic acid, itaconic acid, maleic acid, maleic anhydride
[0047]
[Chemical formula 2]
Figure 0004056889
[0048]
[Chemical Formula 3]
Figure 0004056889
[0049]
[Formula 4]
Figure 0004056889
[0050]
Next, a monomer represented by the following general formula (3), (4) or (5), which is a monomer having an onium group, will be described.
[0051]
[Chemical formula 5]
Figure 0004056889
[0052]
In the formula, J represents a divalent linking group. K represents an aromatic group or a substituted aromatic group. M independently represents a divalent linking group. Y1Represents an atom of Group 15 (Group VA) of the periodic table, Y2Represents an atom of Group 16 (Group VIA) of the periodic table. Z-Represents a counter anion. R2Represents a hydrogen atom, an alkyl group or a halogen atom. RThree, RFour, RFiveAnd R7Each independently represents a hydrogen atom or, optionally, an alkyl group, an aromatic group or an aralkyl group to which a substituent may be bonded;6Represents an alkylidine group or a substituted alkylidine, RThreeAnd RFourOr R6And R7May be bonded to each other to form a ring. j, k and m each independently represents 0 or 1; u represents an integer of 1 to 3.
More preferably among the monomers having an onium group, J represents —COO— or —CONH—, K represents a phenylene group or a substituted phenylene group, and the substituent is a hydroxy group, a halogen atom or an alkyl group. M is an alkylene group or the molecular formula is CnH2nO, CnH2nS or CnH2n + 1A divalent linking group represented by N is represented. However, n represents the integer of 1-12 here. Y1Represents a nitrogen atom or a phosphorus atom, Y2Represents a sulfur atom. Z-Is halogen ion, PF6 -, BFFour -Or R8SOThree -Represents. R2Represents a hydrogen atom or an alkyl group. RThree, RFour, RFiveAnd R7Each independently represents a hydrogen atom or an optionally substituted alkyl group, aromatic group or aralkyl group to which a substituent may be bonded;6Represents an alkylidine group having 1 to 10 carbon atoms or a substituted alkylidine, RThreeAnd RFourAnd R6And R7May be bonded to each other to form a ring. j, k and m each independently represent 0 or 1, but j and k are not 0 at the same time. R8Represents an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an aromatic group or an aralkyl group to which a substituent may be bonded.
Particularly preferably among monomers having an onium group, K represents a phenylene group or a substituted phenylene group, and the substituent is a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms. M represents an alkylene group having 1 to 2 carbon atoms or an alkylene group having 1 to 2 carbon atoms linked by an oxygen atom. Z-Is chloride ion or R8SOThree -Represents. R2Represents a hydrogen atom or a methyl group. j is 0 and k is 1. R8Represents an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms.
[0053]
Specific examples of the monomer having an onium group are shown below. However, the present invention is not limited to this specific example.
(Specific examples of monomers having an onium group)
[0054]
[Chemical 6]
Figure 0004056889
[0055]
[Chemical 7]
Figure 0004056889
[0056]
[Chemical 8]
Figure 0004056889
[0057]
Monomers having an acid group may be used alone or in combination of two or more, and monomers having an onium group may be used alone or in combination of two or more. Furthermore, the polymers used in the present invention may be used in admixture of two or more types having different monomers, composition ratios or molecular weights. At this time, the polymer having a monomer having an acid group as a polymerization component preferably contains 1 mol% or more of the monomer having an acid group, more preferably 5 mol% or more, and a monomer having an onium group. The polymer as a polymerization component preferably contains 1 mol% or more of an onium group-containing monomer, more preferably 5 mol% or more.
[0058]
Furthermore, these polymers may contain at least one selected from the polymerizable monomers shown in the following (1) to (14) as a copolymerization component.
(1) N- (4-hydroxyphenyl) acrylamide or N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide, o-, m- or p-hydroxystyrene, o- or m-bromo-p-hydroxystyrene, o- or Acrylamides having aromatic hydroxy groups such as m-chloro-p-hydroxystyrene, o-, m- or p-hydroxyphenyl acrylate or methacrylate, methacrylamides, acrylic esters, methacrylic esters and bidoxystyrene Kind,
(2) unsaturated carboxylic acid such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, maleic anhydride and its half ester, itaconic acid, itaconic anhydride and its half ester,
[0059]
(3) N- (o-aminosulfonylphenyl) acrylamide, N- (m-aminosulfonylphenyl) acrylamide, N- (p-aminosulfonylphenyl) acrylamide, N- [1- (3-aminosulfonyl) naphthyl] acrylamide Acrylamides such as N- (2-aminosulfonylethyl) acrylamide, N- (o-aminosulfonylphenyl) methacrylamide, N- (m-aminosulfonylphenyl) methacrylamide, N- (p-aminosulfonylphenyl) methacryl Amides, methacrylamides such as N- [1- (3-aminosulfonyl) naphthyl] methacrylamide, N- (2-aminosulfonylethyl) methacrylamide, o-aminosulfonylphenyl acrylate, m-aminosulfonylphenyl Unsaturated sulfonamides such as acrylic acid esters such as acrylate, p-aminosulfonylphenyl acrylate, 1- (3-aminosulfonylphenylnaphthyl) acrylate, o-aminosulfonylphenyl methacrylate, m-aminosulfonylphenyl methacrylate, p-amino Unsaturated sulfonamides such as sulfonylphenyl methacrylate and methacrylates such as 1- (3-aminosulfonylphenylnaphthyl) methacrylate,
[0060]
(4) phenylsulfonylacrylamide, which may have a substituent such as tosylacrylamide, and phenylsulfonylmethacrylamide, which may have a substituent such as tosylmethacrylamide;
(5) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxy group, such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate,
(6) Methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, cyclohexyl acrylate, octyl acrylate, phenyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, (Substituted) acrylic acid esters such as 4-hydroxybutyl acrylate, glycidyl acrylate, N-dimethylaminoethyl acrylate,
(7) Methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, octyl methacrylate, phenyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate, (Substituted) methacrylate esters such as 4-hydroxybutyl methacrylate, glycidyl methacrylate, N-dimethylaminoethyl methacrylate,
[0061]
(8) Acrylamide, methacrylamide, N-methylol acrylamide, N-methylol methacrylamide, N-ethyl acrylamide, N-ethyl methacrylamide, N-hexyl acrylamide, N-hexyl methacrylamide, N-cyclohexyl acrylamide, N-cyclohexyl methacryl Amide, N-hydroxyethylacrylamide, N-hydroxyethylacrylamide, N-phenylacrylamide, N-phenylmethacrylamide, N-benzylacrylamide, N-benzylmethacrylamide, N-nitrophenylacrylamide, N-nitrophenylmethacrylamide, N Acrylamide or methacrylamide such as ethyl-N-phenylacrylamide and N-ethyl-N-phenylmethacrylamide
(9) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, phenyl vinyl ether,
[0062]
(10) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate, vinyl benzoate,
(11) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, chloromethylstyrene,
(12) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, phenyl vinyl ketone,
(13) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene, isoprene,
(14) N-vinylpyrrolidone, N-vinylcarbazole, 4-vinylpyridine, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
[0063]
The polymer used here preferably contains 1 mol% or more of an acid group-containing monomer, more preferably 5 mol% or more, and contains 1 mol% or more of an onium group-containing monomer. Preferably, 5 mol% or more is contained. Further, when the monomer having an acid group is contained in an amount of 20 mol% or more, dissolution and removal during alkali development is further promoted, and when the monomer having an onium group is contained in an amount of 1 mol% or more, the adhesiveness is improved due to a synergistic effect with the acid group. It is further improved. Moreover, the structural component which has an acid group may be used independently or may be used in combination of 2 or more types, and the monomer which has onium group may be used independently or may be used in combination of 2 or more types. Furthermore, the polymers used in the present invention may be used in admixture of two or more types having different monomers, composition ratios or molecular weights. Next, typical examples of the polymer used in the present invention are shown below. The composition ratio of the polymer structure represents a mole percentage.
[0064]
[Chemical 9]
Figure 0004056889
[0065]
Embedded image
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[0066]
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[0067]
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[0068]
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[0069]
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[0070]
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[0071]
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[0072]
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Figure 0004056889
[0073]
The polymer used in the present invention can generally be produced using a radical chain polymerization method (see “Textbook of Polymer Science” 3rd ed. (1984) FW Billmeyer, A Wiley-Interscience Publication).
[0074]
The molecular weight of the polymer used in the present invention may be in a wide range, but when measured using a light scattering method, the weight average molecular weight (Mw) Is preferably from 500 to 2,000,000, more preferably from 1,000 to 600,000. The number average molecular weight (M) calculated from the integrated intensity of the terminal group and the side chain functional group in NMR measurementn) Is preferably from 300 to 500,000, more preferably from 500 to 100,000. When the molecular weight is smaller than the above range, the adhesion to the substrate is weakened, and printing durability may be deteriorated. On the other hand, when the molecular weight exceeds the above range, the adhesion to the support becomes too strong, and the heat-sensitive layer residue in the non-image area may not be sufficiently removed. Further, the amount of unreacted monomer contained in the polymer may be in a wide range, but is preferably 20% by mass or less, more preferably 10% by mass or less.
[0075]
A polymer having a molecular weight in the above range can be obtained by using a polymerization initiator and a chain transfer agent together and adjusting the addition amount when the corresponding monomer is copolymerized. The chain transfer agent refers to a substance that moves the active site of the reaction by a chain transfer reaction in a polymerization reaction, and the ease of the transfer reaction is represented by a chain transfer constant Cs. Chain transfer constant Cs × 10 of the chain transfer agent used in the present inventionFour(60 ° C.) is preferably 0.01 or more, more preferably 0.1 or more, and particularly preferably 1 or more. As the polymerization initiator, peroxides, azo compounds, and redox initiators that are commonly used in radical polymerization can be used as they are. Of these, azo compounds are particularly preferred.
[0076]
Specific examples of the chain transfer agent include halogen compounds such as carbon tetrachloride and carbon tetrabromide, alcohols such as isopropyl alcohol and isobutyl alcohol, 2-methyl-1-butene, 2,4-diphenyl-4-methyl- Olefins such as 1-pentene, ethanethiol, butanethiol, dodecanethiol, mercaptoethanol, mercaptopropanol, methyl mercaptopropionate, ethyl mercaptopropionate, mercaptopropionic acid, thioglycolic acid, ethyl disulfide, sec-butyl disulfide, 2 -Sulfur-containing compounds such as hydroxyethyl disulfide, thiosalicylic acid, thiophenol, thiocresol, benzyl mercaptan, phenethyl mercaptan and the like are exemplified, but not limited thereto.
More preferably, ethanethiol, butanethiol, dodecanethiol, mercaptoethanol, mercaptopropanol, methyl mercaptopropionate, ethyl mercaptopropionate, mercaptopropionic acid, thioglycolic acid, ethyl disulfide, sec-butyl disulfide, 2-hydroxyethyl disulfide Thiosalicylic acid, thiophenol, thiocresol, benzyl mercaptan, phenethyl mercaptan, particularly preferably ethanethiol, butanethiol, dodecanethiol, mercaptoethanol, mercaptopropanol, methyl mercaptopropionate, ethyl mercaptopropionate, mercaptopropionic acid Thioglycolic acid, ethyl disulfide, sec-butyl disulfide, 2-hydride Carboxymethyl ethyl disulfide.
[0077]
The amount of the unreacted monomer contained in the polymer may be in a wide range, but is preferably 20% by mass or less, and more preferably 10% by mass or less.
[0078]
Next, synthesis examples of the polymer used in the present invention will be shown.
[Synthesis Example 1]
Synthesis of polymer (No. 1) 2L of 50.4 g of p-vinylbenzoic acid (made by Hokuko Chemical Co., Ltd.), 15.2 g of triethyl (p-vinylbenzyl) ammonium chloride, 1.9 g of mercaptoethanol and 153.1 g of methanol The sample was taken in a three-necked flask and heated to 60 ° C. while stirring under a nitrogen stream. To this solution, 2.8 g of 2,2′-azobis (isobutyric acid) dimethyl was added and stirring was continued for 30 minutes. Thereafter, 201.5 g of p-vinylbenzoic acid, 60.9 g of triethyl (p-vinylbenzyl) ammonium chloride, 7.5 g of mercaptoethanol and 11.1 g of 2,2′-azobis (isobutyric acid) dimethyl were added to this reaction solution. A solution dissolved in 612.3 g of methanol was added dropwise over 2 hours. After completion of dropping, the temperature was raised to 65 ° C. and stirring was continued for 10 hours under a nitrogen stream. After the completion of the reaction, the reaction solution was allowed to cool to room temperature, yielding 1132 g, and its solid content concentration was 30.5% by mass. Furthermore, the number average molecular weight (Mn)13As a result of obtaining from the C-NMR spectrum, the value was 2100.
[0079]
[Synthesis Example 2]
Synthesis of polymer (No. 2) Instead of triethyl (p-vinylbenzyl) ammonium chloride, an m / p (2/1) mixture of triethyl (vinylbenzyl) ammonium chloride was used, and mercaptopropion was used instead of mercaptoethanol. The same procedure as in Synthesis Example 1 was performed except that ethyl acid was used, and the number average molecular weight (Mn) 4,800 polymers were obtained.
[0080]
[Synthesis Example 3]
Synthesis of polymer (No. 25) 146.9 g (0.99 mol) of p-vinylbenzoic acid (made by Hokuko Chemical Co., Ltd.), 44.2 g (0.21 mol) of vinylbenzyltrimethylammonium chloride and 446 g of 2-methoxyethanol. The sample was taken up in a 1 L three-necked flask and heated to 75 ° C. while stirring under a nitrogen stream. Next, 2.76 g (12 mmol) of dimethyl 2,2-azobis (isobutyrate) was added and stirring was continued. Two hours later, 2.76 g (12 mmol) of dimethyl 2,2-azobis (isobutyrate) was added. After 2 hours, 2.76 g (12 mmol) of 2,2-azobis (isobutyric acid) dimethyl was added. After stirring for 2 hours, the mixture was allowed to cool to room temperature. The reaction solution was poured into 12 L of ethyl acetate under stirring. The precipitated solid was collected by filtration and dried. The yield was 189.5g. The obtained solid was subjected to molecular weight measurement by a light scattering method, and as a result, a weight average molecular weight (Mw) Was 32,000.
[0081]
Other polymers used in the present invention are synthesized in the same manner.
[0082]
In addition to the polymer, a compound represented by the following general formula (6) can also be added to the undercoat layer of the lithographic printing plate precursor according to the invention.
[0083]
Embedded image
Figure 0004056889
[0084]
(Wherein R1Represents an arylene group having 6 to 14 carbon atoms, and m and n independently represent an integer of 1 to 3. )
The compound represented by the general formula (6) will be described below. R1It is preferable that carbon number of the arylene group represented by is 6-14, and it is more preferable that it is 6-10. R1Specific examples of the arylene group represented by the formula include a phenylene group, a naphthyl group, an anthryl group, and a phenathryl group. R1The arylene group represented by the formula is an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an alkenyl group having 2 to 10 carbon atoms, an alkynyl group having 2 to 10 carbon atoms, an aryl group having 6 to 10 carbon atoms, a carboxylate group, an alkoxy group Group, phenoxy group, sulfonate group, phosphonate group, sulfonylamide group, nitro group, nitrile group, amino group, hydroxy group, halogen atom, ethylene oxide group, propylene oxide group, triethylammonium chloride group, etc. It may be.
[0085]
Specific examples of the compound represented by the general formula (6) include, for example, 3-hydroxybenzoic acid, 4-hydroxybenzoic acid, salicylic acid, 1-hydroxy-2-naphthoic acid, 2-hydroxy-1-naphthoic acid. 2-hydroxy 6-naphthoic acid, 2,4-dihydroxybenzoic acid, 10-hydroxy-9-anthracenecarboxylic acid. However, it is not limited to the above specific example. Moreover, the compound shown by General formula (6) may be used independently, and 2 or more types may be mixed and used for it.
[0086]
The undercoat layer containing the polymer used in the present invention and the compound represented by the general formula (6), which is added as necessary, is provided on the aluminum support described above by various methods. .
[0087]
As a method of providing this undercoat layer, for example, a polymer used in the present invention in an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof, or a mixed solvent of these organic solvent and water, and if necessary, A coating method in which a solution in which a compound represented by the general formula (6) to be added is dissolved is coated on an aluminum support and dried, an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof, or an organic solvent thereof After immersing the aluminum support in a solution in which the polymer used in the present invention and the compound represented by the general formula (6) to be added as necessary are dissolved in a mixed solvent of a solvent and water, washing with water or A method of cleaning and drying with air or the like can be used.
[0088]
In the former method, a solution having a concentration of 0.005 to 10% by mass in total of the above compounds can be applied by various methods. For example, any method such as bar coater coating, spin coating, spray coating, or curtain coating may be used. In the latter method, the concentration of the solution is 0.005 to 20% by mass, preferably 0.01% to 10% by mass, and the immersion temperature is 0 ° C to 70 ° C, preferably 5 to 60 ° C. The immersion time is 0.1 second to 5 minutes, preferably 0.5 second to 120 seconds.
[0089]
The above solutions include basic substances such as ammonia, triethylamine and potassium hydroxide, inorganic acids such as hydrochloric acid, phosphoric acid, sulfuric acid and nitric acid, organic sulfonic acids such as nitrobenzenesulfonic acid and naphthalenesulfonic acid, and phenylphosphonic acid. The pH is adjusted with various organic acidic substances such as organic phosphonic acid, benzoic acid, coumaric acid, malic acid, etc., organic chlorides such as naphthalenesulfonyl chloride, benzenesulfonyl chloride, etc., pH = 0-12, more preferably It can also be used in the range of pH = 0-6.
Further, in order to improve the tone reproducibility of the lithographic printing plate, a substance that absorbs ultraviolet light, visible light, infrared light or the like can be added.
[0090]
The coating amount after drying of the compound constituting the undercoat layer of the lithographic printing plate precursor according to the invention is 1 to 100 mg / m in total.2Is suitable, preferably 2 to 70 mg / m2It is. The coating amount is 1 mg / m2If it is less, sufficient effects may not be obtained. 100 mg / m2The same applies to the case where there are more.
[0091]
<Thermosensitive layer>
The lithographic printing plate precursor according to the invention is provided with a heat-sensitive layer whose solubility in an alkaline aqueous solution is changed by heating on a lithographic printing plate support, preferably on the undercoat layer after the undercoat layer is provided. Become. As such a heat-sensitive layer, for example, a thermal positive type, a thermal negative type, and a non-treatment type are preferably exemplified. Hereinafter, these suitable heat-sensitive layers will be described.
[0092]
<Thermal positive type>
The thermal positive type thermosensitive layer may be a single layer or a multilayer thermosensitive layer composed of two or more layers. In addition to the heat-sensitive layer, a layer having functions such as surface protection and oxygen blocking can be provided.
Hereinafter, the case where the heat-sensitive layer is composed of a single layer will be described in <Thermal-sensitive layer 1>, and the case where the heat-sensitive layer is a multilayer heat-sensitive layer composed of two layers will be described in <Thermal-sensitive layer 2>.
[0093]
<Thermosensitive layer 1>
The heat-sensitive layer 1 used in the lithographic printing plate precursor according to the invention is a heat-sensitive layer composed of a single layer that is alkali-solubilized by heating. The heat-sensitive layer 1 preferably has a structure in which the alkali-solubility on the aluminum support side is higher than the solubility on the surface side, particularly after the application of a single composition coating liquid. Those having the above structure by phase separation are preferred.
The heat-sensitive layer 1 contains a positive photosensitive composition for infrared laser (hereinafter, also simply referred to as “photosensitive composition”).
The positive photosensitive composition for infrared laser contained in the heat-sensitive layer contains at least (A) a water-insoluble and alkali-soluble resin (hereinafter also referred to as “alkali-soluble polymer compound”), (B) the alkali-soluble polymer. A compound that reduces the solubility of the polymer compound in an alkaline aqueous solution by being compatible with the compound and that reduces the solubility-reducing action by heating, and (C) a photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat. And (D) other components as required.
[0094]
(A) Alkali-soluble polymer compound
The alkali-soluble polymer compound used in the present invention is not particularly limited as long as it is a polymer compound that is insoluble in water and soluble in an alkaline aqueous solution, and conventionally known compounds can be used. Since the heat-sensitive layer used in the present invention contains an alkali-soluble polymer compound, it has a property of dissolving when contacted with an alkaline developer. As the alkali-soluble polymer compound, it is preferable to use a homopolymer, a copolymer or a mixture of monomers containing an acidic group in the main chain and / or side chain in the polymer. Specifically, (1) phenolic hydroxy group, (2) sulfonamide group (-SO2NH-R), and (3) substituted sulfonamide acid groups (-SO2NHCOR, -SO2NHSO2R, -CONHSO2R) (hereinafter referred to as “active imide group”) is preferably a polymer compound having any functional group in the molecule. Among these, (1) an alkali-soluble polymer compound having a phenolic hydroxy group in the molecule is preferable in that it is excellent in image formability upon exposure with an infrared laser or the like.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include the following, but the present invention is not limited thereto.
[0095]
(1) Examples of the polymer compound having a phenolic hydroxy group include phenol formaldehyde resin, m-cresol formaldehyde resin, p-cresol formaldehyde resin, m- / p-mixed cresol formaldehyde resin, phenol / cresol (m-, Any of p- and m- / p-mixing may be used.) Novolak resins such as mixed formaldehyde resins and pyrogallol acetone resins may be mentioned.
In addition to this, a polymer compound having a phenolic hydroxy group in the side chain is preferably used as the polymer compound having a phenolic hydroxy group. As the polymer compound having a phenolic hydroxy group in the side chain, a polymerizable monomer composed of a low molecular compound having at least one unsaturated bond polymerizable with the phenolic hydroxy group is homopolymerized, or Examples thereof include polymer compounds obtained by copolymerizing other polymerizable monomers.
[0096]
Examples of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxy group include acrylamide, methacrylamide, acrylic acid ester, methacrylic acid ester and hydroxystyrene having a phenolic hydroxy group. Specifically, N- (2-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (3-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (2-hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (3 -Hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide, o-hydroxyphenyl acrylate, m-hydroxyphenyl acrylate, p-hydroxyphenyl acrylate, o-hydroxyphenyl methacrylate, m-hydroxyphenyl methacrylate, p- Hydroxyphenyl methacrylate, o-hydroxystyrene, m-hydroxystyrene, p-hydroxystyrene, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) Preferred are ethyl acrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, and the like. Can be used. Such resins having a phenolic hydroxy group may be used in combination of two or more.
Furthermore, as described in U.S. Pat. No. 4,123,279, phenol and formaldehyde having an alkyl group having 3 to 8 carbon atoms as a substituent, such as t-butylphenol formaldehyde resin and octylphenol formaldehyde resin. A condensation polymer may be used in combination.
[0097]
(2) The alkali-soluble polymer compound having a sulfonamide group is, for example, a polymer obtained by homopolymerizing a polymerizable monomer having a sulfonamide group or copolymerizing the monomer with another polymerizable monomer. Compounds. Examples of the polymerizable monomer having a sulfonamide group include a sulfonamide group —NH—SO in which at least one hydrogen atom is bonded to a nitrogen atom in one molecule.2-And a polymerizable monomer comprising a low molecular compound having at least one polymerizable unsaturated bond. Among them, a low molecular compound having an acryloyl group, an allyl group or a vinyloxy group and a mono-substituted aminosulfonyl group or a substituted sulfonylimino group is preferable. Examples of such compounds include compounds represented by the following general formulas (I) to (V).
[0098]
Embedded image
Figure 0004056889
[0099]
Where X1And X2Are —O— or —NR, respectively.7-Is shown. R1And RFourAre each a hydrogen atom or —CHThreeRepresents. R2, RFive, R9, R12And R16Represents an alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkylene group, an arylene group or an aralkylene group, each of which may have a substituent. RThree, R7And R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group, each optionally having a substituent. R6And R17Represents an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group, each optionally having a substituent. R8, RTenAnd R14Is a hydrogen atom or -CHThreeRepresents. R11And R15Each represents a single bond or an alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkylene group, an arylene group or an aralkylene group which may have a substituent. Y1And Y2Each represents a single bond or —CO—. Specifically, m-aminosulfonylphenyl methacrylate, N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide, N- (p-aminosulfonylphenyl) acrylamide and the like can be preferably used.
[0100]
(3) The alkali-soluble polymer compound having an active imide group preferably has an active imide group represented by the following formula in the molecule, and the polymer compound is represented by the following formula in one molecule. Polymer obtained by homopolymerizing a polymerizable monomer comprising a low molecular weight compound having an active imide group and one or more polymerizable unsaturated bonds, or copolymerizing the monomer with another polymerizable monomer Compounds.
[0101]
Embedded image
Figure 0004056889
[0102]
As such a compound, specifically, N- (p-toluenesulfonyl) methacrylamide, N- (p-toluenesulfonyl) acrylamide and the like can be preferably used.
[0103]
Furthermore, the alkali-soluble polymer compound used in the present invention includes two or more of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxy group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, and the polymerizable monomer having an active imide group. Preferred examples include polymer compounds obtained by polymerizing the above, or polymer compounds obtained by copolymerizing these two or more polymerizable monomers with other polymerizable monomers.
When the polymerizable monomer having a phenolic hydroxy group is copolymerized with a polymerizable monomer having a sulfonamide group and / or a polymerizable monomer having an active imide group, the blending mass ratio of these components is 50:50 to 5 : 95, preferably 40:60 to 10:90.
[0104]
When the alkali-soluble polymer compound is a copolymer of a polymerizable monomer having a phenolic hydroxy group, a polymerizable monomer having a sulfonamide group, or a polymerizable monomer having an active imide group and another polymerizable monomer In this case, those containing 10 mol% or more of the monomer imparting alkali solubility are preferred, and those containing 20 mol% or more are more preferred. When the copolymerization component is less than 10 mol%, alkali solubility tends to be insufficient, and the development latitude improvement effect may not be sufficiently achieved.
[0105]
Examples of the monomer component to be copolymerized with the polymerizable monomer having a phenolic hydroxy group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, or the polymerizable monomer having an active imide group include the following (1) to (12). Although a monomer can be used, it is not limited to these.
(1) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxy group such as 2-hydroxyethyl acrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate.
(2) Methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, glycidyl acrylate, N-dimethylaminoethyl Alkyl acrylates such as acrylates;
(3) Methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate, glycidyl methacrylate, N-dimethylaminoethyl Alkyl methacrylate such as methacrylate.
[0106]
(4) Acrylamide, methacrylamide, N-methylolacrylamide, N-ethylacrylamide, N-hexylmethacrylamide, N-cyclohexylacrylamide, N-hydroxyethylacrylamide, N-phenylacrylamide, N-nitrophenylacrylamide, N-ethyl- Acrylamide and methacrylamide such as N-phenylacrylamide.
(5) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(6) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
[0107]
(7) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, and chloromethylstyrene.
(8) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(9) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene, and isoprene.
(10) N-vinylpyrrolidone, N-vinylcarbazole, 4-vinylpyridine, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
(11) Unsaturated imides such as maleimide, N-acryloylacrylamide, N-acetylmethacrylamide, N-propionylmethacrylamide, N- (p-chlorobenzoyl) methacrylamide.
(12) Unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic anhydride and itaconic acid.
[0108]
As a copolymerization method of the alkaline water-soluble polymer compound, a conventionally known graft copolymerization method, block copolymerization method, random copolymerization method, or the like can be used.
[0109]
In the present invention, when the alkali-soluble polymer compound is a homopolymer or copolymer of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxy group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, or the polymerizable monomer having an active imide group The weight average molecular weight is 2,000 or more and the number average molecular weight is 500 or more. More preferably, the weight average molecular weight is 5,000 to 300,000, the number average molecular weight is 800 to 250,000, and the dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is 1.1 to 10. It is.
In the present invention, when the alkali-soluble polymer compound is a resin such as phenol formaldehyde resin or cresol aldehyde resin, the weight average molecular weight is 500 to 20,000, and the number average molecular weight is 200 to 10,000. Those are preferred.
[0110]
These alkali-soluble polymer compounds may be used alone or in combination of two or more, and are preferably 30 to 99% by mass, more preferably 40 to 95% by mass in the total solid content of the heat-sensitive layer. Particularly preferably, it is used in an addition amount of 50 to 90% by mass. When the addition amount of the alkali-soluble polymer compound is less than 30% by mass, the durability of the heat-sensitive layer is deteriorated, and when it exceeds 99% by mass, it is not preferable in terms of both sensitivity and durability.
[0111]
As the alkali-soluble polymer compound, a novolak resin is preferably exemplified. The novolak resin is not particularly limited, and examples thereof include phenol formaldehyde resin, m-cresol formaldehyde resin, p-cresol formaldehyde resin, m- / p-mixed cresol formaldehyde resin, phenol / cresol (m-, p-, o-, Any of m- / p-mixing, m- / o-mixing, and o- / p-mixing may be used.) Mixed formaldehyde resin may be mentioned. These may be used alone or in combination of two or more.
[0112]
In the present invention, it is one of preferred embodiments to contain the novolak resin as a binder. In this embodiment, other water-insoluble and alkali-soluble resins can be used in combination. Examples of such resins include phenol-modified xylene resins, polyhydroxystyrene, polyhalogenated hydroxystyrene, acrylic resins having a phenolic hydroxy group as described in JP-A-51-34711, Examples thereof include acrylic resins and urethane resins having a sulfonamide group described in JP-A-2-866. Examples of the urethane resin include, for example, JP-A-63-124047, JP-A-63-261350, JP-A-63-287742, JP-A-63-287943, JP-A-63-287944. JP, 63-287946, 63-287947, 63-287948, 63-287949, 1-134354 and 1 Preferred examples include those described in JP-A-255854. These may be used alone or in combination of two or more.
[0113]
(B) A compound that reduces the solubility of the polymer compound in an alkaline aqueous solution by being compatible with the alkali-soluble polymer compound and decreases the solubility-reducing action by heating.
This component (B) has good compatibility with the alkali-soluble polymer compound (A) due to the action of the hydrogen bonding functional group present in the molecule, and can form a uniform coating solution. The compound which has a function which suppresses the alkali solubility of this high molecular compound by interaction with A) component is pointed out.
In addition, this compound loses its solubility-reducing action by heating, but when the component (B) is a compound that decomposes by heating, sufficient energy for decomposition is not imparted depending on conditions such as laser output and irradiation time. In addition, since the decrease in solubility suppressing action becomes insufficient and the sensitivity may be lowered, the thermal decomposition temperature of the component (B) is preferably 150 ° C. or higher.
[0114]
As a suitable (B) component used for this invention, the compound which interacts with said (A) components, such as a sulfone compound, ammonium salt, phosphonium salt, an amide compound, is mentioned, for example. As described above, the component (B) should be appropriately selected in consideration of the interaction with the component (A). Specifically, for example, when a novolak resin is used alone as the component (A) Cyanine dye A and the like exemplified later are preferably used.
[0115]
The blending ratio of the component (A) to the component (B) is usually preferably in the range of 99/1 to 75/25. When the component (B) is less than 99/1, the interaction with the component (A) becomes insufficient, alkali solubility cannot be inhibited, and good image formation is difficult. Moreover, when there are more (B) components than 75/25, since interaction is excessive, a sensitivity falls remarkably and neither is preferable.
[0116]
(C) A photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat.
In the present invention, the photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat has a light absorption region in the infrared region of 700 nm or more, preferably 750 to 1200 nm, and expresses light / heat conversion ability in light in this range of wavelengths. Refers to things. Specifically, various pigments or dyes that absorb light in this wavelength range and generate heat can be used. Examples of the pigment include a commercially available pigment or color index (CI) manual, “Latest Pigment Handbook” (edited by the Japan Pigment Technical Association, published in 1977), “Latest Pigment Applied Technology” (published by CMC, published in 1986), and “ The pigments described in “Printing Ink Technology”, published by CMC Publishing, 1984) can be used.
[0117]
Examples of the pigment include black pigment, yellow pigment, orange pigment, brown pigment, red pigment, purple pigment, blue pigment, green pigment, fluorescent pigment, metal powder pigment, and polymer-bonded dye. Specifically, insoluble azo pigments, azo lake pigments, condensed azo pigments, chelate azo pigments, phthalocyanine pigments, anthraquinone pigments, perylene and perinone pigments, thioindigo pigments, quinacridone pigments, dioxazine pigments, isoindolinone pigments A quinophthalone pigment, a dyed lake pigment, an azine pigment, a nitroso pigment, a nitro pigment, a natural pigment, a fluorescent pigment, an inorganic pigment, or carbon black can be used.
[0118]
These pigments may be used without surface treatment or may be used after surface treatment. Examples of the surface treatment method include a method of surface coating with a resin or wax, a method of attaching a surfactant, and a method of bonding a reactive substance (eg, silane coupling agent, epoxy compound, polyisocyanate) to the pigment surface. It is done. The above-mentioned surface treatment methods are described in “Characteristics and Application of Metal Soap” (Shobobo), “Printing Ink Technology” (CMC Publishing, 1984) and “Latest Pigment Application Technology” (CMC Publishing, 1986). Yes.
[0119]
The particle size of the pigment is preferably in the range of 0.01 to 10 μm, more preferably in the range of 0.05 to 1 μm, and particularly preferably in the range of 0.1 to 1 μm. When the particle size of the pigment is less than 0.01 μm, it is not preferable from the viewpoint of stability of the dispersion in the coating solution for the heat sensitive layer, and when it exceeds 10 μm, it is not preferable from the viewpoint of uniformity of the heat sensitive layer.
[0120]
As a method for dispersing the pigment, a known dispersion technique used in ink production, toner production, or the like can be used. Examples of the disperser include an ultrasonic disperser, a sand mill, an attritor, a pearl mill, a super mill, a ball mill, an impeller, a disperser, a KD mill, a colloid mill, a dynatron, a three-roll mill, and a pressure kneader. Details are described in "Latest Pigment Applied Technology" (CMC Publishing, 1986).
[0121]
As the dye, commercially available dyes and known dyes described in literature (for example, “Dye Handbook” edited by the Society of Synthetic Organic Chemistry, published in 1970) can be used. Specifically, dyes such as azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, and cyanine dyes can be used.
[0122]
In the present invention, among these pigments or dyes, those that absorb infrared light or near infrared light are particularly preferred because they are suitable for use with lasers that emit infrared light or near infrared light.
[0123]
Carbon black is preferably used as the pigment that absorbs such infrared light or near infrared light. Examples of the dye that absorbs infrared light or near infrared light include, for example, JP-A-58-125246, JP-A-59-84356, JP-A-59-202829, and JP-A-60. Cyanine dyes described in JP-A-78787 etc., methine dyes described in JP-A-58-173696, JP-A-58-181690, JP-A-58-194595, etc. JP 58-112793, JP 58-224793, JP 59-48187, JP 59-73996, JP 60-52940, JP 60-63744. Naphthoquinone dyes described in Japanese Laid-Open Patent Publications, etc., squarylium dyes described in Japanese Patent Laid-Open No. 58-112792, etc., and shear dyes described in British Patent No. 434,875. Emissions dye include dihydroperimidine squarylium dyes described in U.S. Patent No. 5,380,635.
[0124]
Further, a near infrared absorption sensitizer described in US Pat. No. 5,156,938 is also preferably used as the dye, and a substituted dye described in US Pat. No. 3,881,924 is also used. Arylbenzo (thio) pyrylium salt, trimethine thiapyrylium salt described in JP-A-57-142645 (US Pat. No. 4,327,169), JP-A-58-181051, JP-A-58-181051 JP 58-221433, JP 59-41363, JP 59-84248, JP 59-84249, JP 59-146063, JP 59-146061 Pyrylium compounds described in Japanese Laid-Open Patent Publications, cyanine dyes described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-216146, pentamethine thiopic compounds described in US Pat. No. 4,283,475 Particularly preferred are the pyrium compounds described in JP-B-5-13514, JP-B-5-19702, Epolight III-178, Epolight III-130, Epolight III-125, Epolight IV-62A, and the like. Used.
[0125]
Another particularly preferable example of the dye is a near-infrared absorbing dye described as formula (I) or (II) in US Pat. No. 4,756,993.
[0126]
These pigments or dyes are preferably 0.01 to 50% by weight, more preferably 0.1 to 10% by weight, and particularly preferably 0.5 to 10% by weight, based on the total solid content of the heat-sensitive layer. In the case of mass% and a pigment, it can be added to the photosensitive composition particularly preferably at a ratio of 3.1 to 10 mass%. When the added amount of the pigment or dye is less than 0.01% by mass, the sensitivity is lowered, and when it exceeds 50% by mass, the uniformity of the heat sensitive layer is lost and the durability of the heat sensitive layer is deteriorated.
These dyes or pigments may be added to the same layer as other components, or a separate layer may be provided and added thereto. In the case of forming another layer, it is preferably added to a layer adjacent to a layer containing a substance that substantially reduces the solubility of the alkali-soluble polymer compound in the state of being thermally decomposable and not decomposing.
Further, the dye or pigment and the alkali-soluble polymer compound are preferably contained in the same layer, but may be in different layers.
[0127]
(B + C) component
In the present invention, (B) a compound that is compatible with an alkali-soluble polymer compound to reduce the solubility of the polymer compound in an alkaline aqueous solution and that reduces the solubility-reducing action by heating; ) Instead of the photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat, it can also contain one compound having both characteristics (hereinafter also referred to as “(B + C) component”). Examples of such a compound include those represented by the following general formula (Z).
[0128]
Embedded image
Figure 0004056889
[0129]
In the general formula (Z), R1~ RFourEach independently represents a hydrogen atom or an optionally substituted alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, an alkenyl group, an alkoxy group, a cycloalkyl group or an aryl group, and R1And R2, RThreeAnd RFourMay be bonded to each other to form a ring structure. Where R1~ RFourSpecific examples thereof include a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, a phenyl group, a dodecyl group, a naphthyl group, a vinyl group, an allyl group, and a cyclohexyl group. When these groups have a substituent, examples of the substituent include a halogen atom, a carbonyl group, a nitro group, a nitrile group, a sulfonyl group, a carboxy group, a carboxylic acid ester, and a sulfonic acid ester.
RFive~ RTenEach independently represents a C 1-12 alkyl group which may have a substituent, wherein RFive~ RTenSpecific examples thereof include a methyl group, an ethyl group, a phenyl group, a dodecyl group, a naphthyl group, a vinyl group, an allyl group, and a cyclohexyl group. When these groups have a substituent, examples of the substituent include a halogen atom, a carbonyl group, a nitro group, a nitrile group, a sulfonyl group, a carboxy group, a carboxylic acid ester, and a sulfonic acid ester.
[0130]
R11~ R13Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an optionally substituted alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, wherein R12Is R11Or R13To form a ring structure, and when m> 2, a plurality of R12They may be bonded to each other to form a ring structure. R11~ R13Specifically, a chlorine atom, a cyclohexyl group, R12Examples thereof include a cyclopentyl ring and a cyclohexyl ring formed by bonding each other. When these groups have a substituent, examples of the substituent include a halogen atom, a carbonyl group, a nitro group, a nitrile group, a sulfonyl group, a carboxy group, a carboxylic acid ester, and a sulfonic acid ester. Moreover, m represents the integer of 1-8, Preferably it is 1-3.
R14And R15Each independently represents a hydrogen atom, a halogen atom or an optionally substituted alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, R14Is R15To form a ring structure, and when m> 2, a plurality of R14They may be bonded to each other to form a ring structure. R14And R15Specifically, a chlorine atom, a cyclohexyl group, R14Examples thereof include a cyclopentyl ring and a cyclohexyl ring formed by bonding each other. When these groups have a substituent, examples of the substituent include a halogen atom, a carbonyl group, a nitro group, a nitrile group, a sulfonyl group, a carboxy group, a carboxylic acid ester, and a sulfonic acid ester. Moreover, m represents the integer of 1-8, Preferably it is 1-3.
[0131]
In the general formula (Z), X-Represents an anion. Specific examples of the anion compound include perchloric acid, tetrafluoroboric acid, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, 5-nitro-o-toluenesulfonic acid, 5-sulfosalicylic acid, 2,5 -Dimethylbenzenesulfonic acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, 2-nitrobenzenesulfonic acid, 3-chlorobenzenesulfonic acid, 3-bromobenzenesulfonic acid, 2-fluorocaprylnaphthalenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, 1 -Naphthol-5-sulfonic acid, 2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoyl-benzenesulfonic acid, paratoluenesulfonic acid. Of these, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, and alkyl aromatic sulfonic acids such as 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid are particularly preferably used.
[0132]
The compound represented by the general formula (Z) is a compound generally referred to as a cyanine dye. Specifically, the following compounds are preferably used, but the present invention is not limited to these specific examples. Absent.
[0133]
Embedded image
Figure 0004056889
[0134]
The component (B + C) has the property of generating heat by absorbing infrared rays (that is, the properties of the component (C)), and has an absorption region in the infrared region of 700 to 1200 nm, and further with an alkali-soluble polymer compound. Since the compatibility is good, the dye is a basic dye, and has a group that interacts with an alkali-soluble polymer compound such as an ammonium group or an iminium group in the molecule (that is, it has the characteristics of the component (B)), It can interact with the polymer compound to control its alkali solubility, and can be suitably used in the present invention.
[0135]
In the present invention, when a compound (B + C) component having both characteristics such as the above-mentioned cyanine dye is used in place of the component (B) and the component (C), the amount of this compound added to the component (A) On the other hand, the range of 99/1 to 70/30 is preferable from the viewpoint of sensitivity, and the range of 99/1 to 75/25 is more preferable.
[0136]
(D) Other ingredients
In addition to the above essential components, the heat-sensitive layer can contain various additives as necessary within a range not impairing the object of the present invention. Hereinafter, examples of additives will be described.
For example, in combination with a substance that is thermally decomposable and substantially reduces the solubility of the alkaline water-soluble polymer compound in a state where it is not decomposed, it is possible to improve the dissolution inhibition of the image area in the developer. ,preferable. Examples of such substances include onium salts, quinonediazides, aromatic sulfone compounds, and aromatic sulfonic acid ester compounds.
Examples of onium salts include diazonium salts, ammonium salts, phosphonium salts, iodonium salts, sulfonium salts, selenonium salts, and arsonium salts.
[0137]
Among them, preferable examples include S.I. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng. , 18, 387 (1974), T.A. S. Diazonium salts described in Balet al, Polymer, 21, 423 (1980) and JP-A-5-158230, US Pat. Nos. 4,069,055, 4,069,056 and An ammonium salt described in Kaihei 3-140140; C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468 (1984), C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p. 478, Tokyo, Oct (1988), U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056, phosphonium salts described in J. Am. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), Chem. & Amp, Eng. News, Nov. 28, p31 (1988), EP 104,143, U.S. Pat. No. 339,049, 410,201, JP-A-2-150848 and JP-A-2-296514. Iodonium salts described in the publication, J. Org. V. Crivello et al, Polymer J. et al. 17, 73 (1985), J. Am. V. Crivello et al. J. et al. Org. Chem. 43, 3055 (1978); R. Watt et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 22, 1789 (1984), J. Am. V. Crivello et al, Polymer Bull. , 14, 279 (1985), J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 14 (5), 1141 (1981), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. 17, 2877 (1979), European Patent Nos. 370,693, 233,567, 297,443, 297,442, U.S. Pat. No. 4,933,377. No. 3,902,114, No. 410,201, No. 339,049, No. 4,760,013, No. 4,734,444, No. 2,833,827, German Patent Nos. 2,904,626, 3,604,580 and 3,604,581; J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977) and J. Am. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. 17, 1047 (1979), selenonium salts, C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Examples include the arsonium salts described in Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct (1988).
Of the onium salts, diazonium salts are particularly preferred. Particularly preferred diazonium salts include those described in JP-A-5-158230.
[0138]
Examples of counter ions of onium salts include tetrafluoroboric acid, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, 5-nitro-o-toluenesulfonic acid, 5-sulfosalicylic acid, and 2,5-dimethylbenzenesulfone. Acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, 2-nitrobenzenesulfonic acid, 3-chlorobenzenesulfonic acid, 3-bromobenzenesulfonic acid, 2-fluorocaprylnaphthalenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, 1-naphthol-5 -Sulfonic acid, 2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoyl-benzenesulfonic acid, paratoluenesulfonic acid. Among these, hexafluorophosphoric acid; alkyl aromatic sulfonic acids such as triisopropylnaphthalenesulfonic acid and 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid are preferable.
[0139]
As the quinonediazides, o-quinonediazide compounds are preferable.
The o-quinonediazide compound used in the present invention is a compound having at least one o-quinonediazide group and increasing alkali solubility by thermal decomposition, and compounds having various structures can be used. The o-quinonediazide compound reduces the solubility of the binder by thermal decomposition, and the effect of changing the o-quinonediazide compound itself into an alkali-soluble substance. Improve.
Examples of the o-quinonediazide compound used in the present invention include J. "Light-sensitive systems" by John Coley (John Wiley &amp; Sons. Inc.) p. Although the compounds described in 339 to 352 can be used, sulfonic acid esters or sulfonic acid amides of o-quinonediazide compounds reacted with various aromatic polyhydroxy compounds or aromatic amino compounds are particularly preferable. Further, benzoquinone (1,2) -diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin as described in JP-B-43-28403 Esters of benzoquinone- (1,2) -diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) described in U.S. Pat. Nos. 3,046,120 and 3,188,210. ) -Diazide-5-sulfonic acid chloride and phenol-formaldehyde resin are also preferably used.
[0140]
Further, esters of naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride with phenol formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin Similarly, an ester is also preferably used. In addition, useful o-quinonediazide compounds are reported and known in numerous patents. For example, JP-A-47-5303, JP-A-48-63802, JP-A-48-63803, JP-A-48-96575, JP-A-49-38701, JP-A-49-38701 No. 48-13354, Japanese Examined Patent Publication No. 41-11222, Japanese Examined Patent Publication No. 45-9610, Japanese Examined Patent Publication No. 49-17478, US Pat. No. 2,797,213, No. 3,454,400. No. 3,544,323, No. 3,573,917, No. 3,674,495, No. 3,785,825, British Patent No. No. 1,227,602, No. 1,251,345, No. 1,267,005, No. 1,329,888, No. 1,330,932 Description and German Patent No. 854,890 They include those described in the specification.
[0141]
The addition amount of each of the onium salt and the o-quinonediazide compound is preferably 1 to 50% by mass, more preferably 5 to 30% by mass, and particularly preferably 10 to 30% by mass with respect to the total solid content of the layer to be added. %. These compounds may be used alone or in a mixture of two or more.
[0142]
The addition amount of additives other than the onium salt and the o-quinonediazide compound is preferably 1 to 50% by mass, more preferably 5 to 30% by mass, and particularly preferably 10 to 10% by mass based on the total solid content of the layer to be added. 30% by mass. In the present invention, the additive and the alkali-soluble polymer compound are preferably contained in the same layer.
[0143]
The heat-sensitive layer is a perfluorocarbon having 3 to 20 carbon atoms in the molecule as described in JP-A-2000-187318 for the purpose of enhancing the resistance to image discrimination and surface scratches. It is preferable to contain a polymer containing a (meth) acrylate monomer having 2 or 3 alkyl groups as a polymerization component.
The addition amount of such a polymer is preferably 0.1 to 10% by mass, and more preferably 0.5 to 5% by mass with respect to the total solid content of the layer to be added.
[0144]
The heat-sensitive layer can also contain a compound that reduces the surface static friction coefficient for the purpose of imparting resistance to scratches. Such compounds include, for example, esters of long chain alkyl carboxylic acids as described in US Pat. No. 6,117,913.
The amount of such a compound added is preferably 0.1 to 10% by mass, and more preferably 0.5 to 5% by mass, based on the total solid content of the layer to be added.
[0145]
Moreover, the heat sensitive layer may contain the compound which has a low molecular weight acidic group as needed. Examples of the acidic group include a sulfonic acid group, a carboxy group, and a phosphoric acid group. Among these, a compound having a sulfonic acid group is preferable. Specific examples include aromatic sulfonic acids such as p-toluenesulfonic acid and naphthalenesulfonic acid, and aliphatic sulfonic acids.
The addition amount of such a compound is preferably 0.05 to 5% by mass, and more preferably 0.1 to 3% by mass, based on the total solid content of the layer to be added. If it is more than 5% by mass, the solubility of each layer in the developer may increase, which is not preferable.
[0146]
The thermosensitive layer may contain various dissolution inhibitors for the purpose of adjusting the solubility of each layer. As the dissolution inhibitor, a disulfone compound or a sulfone compound as described in JP-A-11-119418 is preferably used. Specifically, 4,4′-bishydroxyphenyl sulfone is preferably exemplified.
The addition amount of the dissolution inhibitor is preferably 0.05 to 20% by mass, and more preferably 0.5 to 10% by mass, based on the total solid content of the layer to be added.
[0147]
The heat-sensitive layer can also contain cyclic acid anhydrides, phenols, organic acids, and sulfonyl compounds for the purpose of further improving sensitivity.
Examples of cyclic acid anhydrides include phthalic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, hexahydrophthalic anhydride, and 3,6-endooxy-Δ4-tetrahydro described in US Pat. No. 4,115,128. Examples thereof include phthalic anhydride, tetrachlorophthalic anhydride, maleic anhydride, chloromaleic anhydride, α-phenylmaleic anhydride, succinic anhydride, and pyromellitic anhydride.
Examples of phenols include bisphenol A, p-nitrophenol, p-ethoxyphenol, 2,4,4'-trihydroxybenzophenone, 2,3,4-trihydroxybenzophenone, 4-hydroxybenzophenone, 4,4 ' , 4 "-trihydroxytriphenylmethane, 4,4 ', 3", 4 "-tetrahydroxy-3,5,3', 5'-tetramethyltriphenylmethane.
Examples of organic acids include sulfonic acids, sulfinic acids, alkyl sulfates, phosphonic acids, phosphate esters, and carboxylic acids described in, for example, JP-A-60-88942 and JP-A-2-96755. Is mentioned. Specifically, for example, p-toluenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, p-toluenesulfinic acid, ethyl sulfate, phenylphosphonic acid, phenylphosphinic acid, phenyl phosphate, diphenyl phosphate, benzoic acid, isophthalic acid, adipine Examples include acid, p-toluic acid, 3,4-dimethoxybenzoic acid, phthalic acid, terephthalic acid, 4-cyclohexene-1,2-dicarboxylic acid, erucic acid, lauric acid, n-undecanoic acid, and ascorbic acid.
Examples of the sulfonyl compound include bishydroxyphenylsulfone, methylphenylsulfone, and diphenyldisulfone.
The amount of the cyclic acid anhydrides, phenols, organic acids and sulfonyl compounds added is preferably 0.05 to 20% by mass with respect to the total solid content of the layer to be added. More preferably, it is -15 mass%, and it is especially preferable that it is 0.1-10 mass%.
[0148]
In addition, the heat-sensitive layer is a nonionic surfactant as described in JP-A-62-251740 and JP-A-3-208514, in order to broaden the processing stability against changes in development conditions. Amphoteric surfactants such as those described in JP-A-59-121044 and JP-A-4-13149, siloxane compounds as described in European Patent Application Publication No. 950,517, A fluorine-containing monomer copolymer as described in JP-A-11-288093 can be contained.
Specific examples of the nonionic surfactant include sorbitan tristearate, sorbitan monopalmitate, sorbitan trioleate, stearic acid monoglyceride, and polyoxyethylene nonylphenyl ether.
Specific examples of amphoteric surfactants include alkyldi (aminoethyl) glycine, alkylpolyaminoethylglycine hydrochloride, 2-alkyl-N-carboxyethyl-N-hydroxyethylimidazolinium betaine, N-tetradecyl-N, N- Betaine type (for example, trade name “Amorgen K”, manufactured by Daiichi Kogyo Co., Ltd.) may be mentioned.
As the siloxane compound, a block copolymer of dimethylsiloxane and polyalkylene oxide is preferable. Specific examples include DBE-224, DBE-621, DBE-712, DBP-732, DBP-534, German Tego manufactured by Chisso Corporation. Examples include polyalkylene oxide-modified silicones such as Tego Glide 100 manufactured by the company.
The addition amount of the nonionic surfactant, amphoteric surfactant and siloxane compound is preferably 0.05 to 15% by mass with respect to the total solid content of the layer to be added. More preferably, it is -5 mass%.
[0149]
The heat-sensitive layer can contain a print-out agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, and a dye or pigment as an image colorant.
Examples of the printing-out agent include a combination of a compound that releases an acid by heating by exposure (photoacid releasing agent) and an organic dye that can form a salt. Specifically, combinations of o-naphthoquinonediazide-4-sulfonic acid halides and salt-forming organic dyes described in JP-A-50-36209 and JP-A-53-8128, 53-36223, JP 54-74728, JP 60-3626, JP 61-143748, JP 61-151644, and 63-58440. And a combination of a trihalomethyl compound and a salt-forming organic dye described in the above. Such trihalomethyl compounds include oxazole compounds and triazine compounds, both of which have excellent temporal stability and give clear printout images.
[0150]
As the image colorant, other dyes can be used in addition to the aforementioned salt-forming organic dyes. Examples of suitable dyes including salt-forming organic dyes include oil-soluble dyes and basic dyes. Specifically, for example, oil yellow # 101, oil yellow # 103, oil pink # 312, oil green BG, oil blue BOS, oil blue # 603, oil black BY, oil black BS, oil black T-505 (or more Orient Pure Chemical Industries), Victoria Pure Blue, Crystal Violet (C.I. 42555), Methyl Violet (C.I. 42535), Ethyl Violet, Rhodamine B (C.I. 145170B), Malachite Green (C.I. 42000) and methylene blue (C.I. 52015). The dyes described in JP-A-62-293247 and JP-A-5-313359 are particularly preferred.
The addition amount of these dyes is preferably 0.01 to 10% by mass, more preferably 0.1 to 3% by mass, based on the total solid content of the layer to be added.
Moreover, in order to provide the softness | flexibility etc. of a coating film, a heat sensitive layer can contain a plasticizer as needed. For example, butylphthalyl, polyethylene glycol, tributyl citrate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, dihexyl phthalate, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, tributyl phosphate, trioctyl phosphate, tetrahydrofurfuryl oleate, acrylic acid or methacrylic acid The following oligomers and polymers are used.
Furthermore, the heat-sensitive layer can contain a compound that decomposes by light, such as quinonediazides and diazo compounds, if necessary. It is preferable that the addition amount of these compounds is 1-5 mass% with respect to the total solid of the layer added.
[0151]
The heat-sensitive layer can be produced by usually dissolving the above components in a solvent and applying the solution on the lithographic printing plate support. Examples of the solvent used here include ethylene dichloride, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, methanol, ethanol, propanol, ethylene glycol monomethyl ether, 1-methoxy-2-propanol, 2-methoxyethyl acetate, 1-methoxy-2-propyl acetate. , Dimethoxyethane, methyl lactate, ethyl lactate, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethylformamide, tetramethylurea, N-methylpyrrolidone, dimethyl sulfoxide, sulfolane, γ-butyrolactone, and toluene. It is not limited to these. These solvents are used alone or in combination.
The concentration of the above components (total solid content including additives) in the solvent is preferably 1 to 50% by mass.
[0152]
Moreover, the heat sensitive layer coating amount (solid content) on the support obtained after coating and drying is 0.5 to 5.0 g / m.2Is preferred.
[0153]
Various methods can be used as the coating method, and examples thereof include bar coater coating, spin coating, spray coating, curtain coating, dip coating, air knife coating, blade coating, and roll coating.
The heat-sensitive layer can contain a surfactant for improving the coating property, for example, a fluorosurfactant as described in JP-A-62-170950. The addition amount of the surfactant for improving the coatability is preferably 0.01 to 1% by mass, and 0.05 to 0.5% by mass with respect to the total solid content of the layer to be added. More preferably.
[0154]
<Thermosensitive layer 2>
The heat-sensitive layer 2 used in the lithographic printing plate precursor according to the invention is a multilayer heat-sensitive layer composed of two layers that are alkali-solubilized by heating. Specifically, a multilayer heat-sensitive layer having two layers of a heat-sensitive layer provided at a position close to the surface (exposed surface) of the lithographic printing plate precursor and a lower layer provided on the side close to the support can be mentioned. . When such a multilayer heat-sensitive layer is provided, the alkali-soluble layer and the surface hardly-solubilized layer can be provided separately, so that a larger discrimination is obtained, that is, the developability is excellent. In addition, scratch resistance (hardness to scratches) is excellent. This is because, by providing a lower layer on an aluminum support, the uneven shape of the support is absorbed to form a relatively flat surface, and a further heat-sensitive layer is further laminated on the surface to provide a flatter heat-sensitive layer. This is because the surface is formed.
Each of the lower layer and the heat-sensitive layer contains a water-insoluble and alkali-soluble resin, and the heat-sensitive layer located at the upper part of the lower layer further contains a photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat.
[0155]
In the present invention, examples of the alkali-soluble polymer compound used for the lower layer and the heat-sensitive layer include the same compounds as those used for the heat-sensitive layer 1. Since the lower layer and the heat-sensitive layer used in the present invention contain an alkali-soluble polymer compound, the lower layer and the heat-sensitive layer have a property of dissolving when contacted with an alkaline developer.
[0156]
As the alkali-soluble polymer compound used for the lower layer, an acrylic resin is preferable. When the lower layer contains an acrylic resin as an alkali-soluble polymer compound, the solubility of the lower layer can be satisfactorily maintained in an alkaline developer mainly composed of an organic compound having a buffering action and a base. Formability is excellent. Among them, an acrylic resin having a sulfonamide group is particularly preferable.
Moreover, as an alkali-soluble high molecular compound used for a thermosensitive layer, the high molecular compound which has a phenolic hydroxy group is preferable. If the heat-sensitive layer contains a polymer compound having a phenolic hydroxy group as an alkali-soluble polymer compound, strong hydrogen bonding is caused in the unexposed area, while some hydrogen bonds are easily released in the exposed area. Further, since the difference in developability between the unexposed area and the exposed area is large with respect to the non-silicate developer, the image formability during development is excellent. Among these, novolac resin is particularly preferable.
[0157]
These alkali-soluble polymer compounds may be used alone or in combination of two or more.
The alkali-soluble polymer compound is preferably used in an addition amount of 30 to 99% by mass, more preferably 40 to 95% by mass, and particularly preferably 50 to 90% by mass with respect to the total solid content of the heat-sensitive layer. When the addition amount of the alkali-soluble polymer compound is less than 30% by mass, the durability of the heat-sensitive layer is deteriorated, and when it exceeds 99% by mass, it is not preferable in terms of both sensitivity and durability.
The alkali-soluble polymer compound is preferably used in an amount of 50 to 99% by mass, more preferably 60 to 95% by mass, and particularly preferably 70 to 95% by mass with respect to the total solid content of the lower layer. When the addition amount of the alkali-soluble polymer compound is less than 50% by mass, the durability of the lower layer is deteriorated, and when it exceeds 99% by mass, it is not preferable in terms of both sensitivity and durability.
[0158]
In the present invention, examples of the light-to-heat conversion agent that generates heat by absorbing infrared rays used in the heat-sensitive layer include those similar to those used in the heat-sensitive layer 1.
[0159]
These photothermal conversion agents can be added not only to the heat-sensitive layer but also to the lower layer. By adding a photothermal conversion agent to the lower layer, the lower layer can also function as a heat-sensitive layer. When a photothermal conversion agent is added to the lower layer, the same material as in the upper heat-sensitive layer may be used, or a different material may be used.
These photothermal conversion agents may be added to the same layer as other components, or another layer may be provided and added thereto. When it is set as another layer, it is desirable to add to the layer adjacent to the heat sensitive layer. The dye and the alkali-soluble resin are preferably contained in the same layer, but may be in different layers.
As the addition amount, it is added to the printing plate material at a ratio of 0.01 to 50% by mass, preferably 0.1 to 10% by mass, particularly preferably 0.5 to 10% by mass with respect to the total solid content of the printing plate material. can do. When the added amount of the dye is less than 0.01% by mass, the sensitivity is lowered, and when it exceeds 50% by mass, the uniformity of the heat-sensitive layer is lost and the durability of the heat-sensitive layer is deteriorated.
[0160]
In addition to the above essential components, the lower layer and the heat-sensitive layer can contain various additives as necessary within a range not impairing the object of the present invention. The additive may be contained only in the lower layer, may be contained only in the heat-sensitive layer, or may be contained in both layers.
Specific examples of the additive and the amount of the additive are basically the same as those of the heat-sensitive layer 1, but the following points are further mentioned.
[0161]
The lower layer and the heat-sensitive layer preferably contain a polymer having a polymerization component of a (meth) acrylate monomer having 2 or 3 perfluoroalkyl groups having 3 to 20 carbon atoms in the molecule, and the surface static friction coefficient. The compound to be reduced may be contained in either the lower layer or the heat-sensitive layer, but it is more effective if it is contained in the heat-sensitive layer located in the upper part.
[0162]
After applying the lower layer, when applying the upper heat-sensitive layer adjacent to it, if a solvent capable of dissolving the lower layer alkali-soluble polymer compound is used as the upper coating solvent, mixing at the layer interface can be ignored. In extreme cases, it may become a uniform single layer instead of multiple layers. As described above, when mixing occurs at the interface between two adjacent layers or they are mutually compatible and behave like a uniform layer, the effect of the lithographic printing plate precursor of the present invention by having two layers is There is a risk of damage, which is not preferable. For this reason, it is preferable that the solvent used for apply | coating a thermosensitive layer is a poor solvent with respect to the alkali-soluble high molecular compound contained in a lower layer.
The concentration of the above components (total solid content including additives) in the solvent when applying each layer is preferably 1 to 50% by mass.
Moreover, although the coating amount (solid content) of the lower layer and heat-sensitive layer on the support obtained after coating and drying varies depending on the application, the heat-sensitive layer is 0.05 to 1.0 g / m.2It is preferable that the lower layer is 0.3 to 3.0 g / m.2Is preferred. The coating amount of the heat sensitive layer is 0.05 g / m2If it is less than 1, the image formability may be lowered, and 1.0 g / m2If it exceeds, the sensitivity may decrease. Also, the coating amount of the lower layer is 0.3 g / m2Less than and 3.0 g / m2In the case of exceeding the above value, the image formability tends to decrease in any case.
Moreover, the coating amount of the lower layer and the heat sensitive layer is 0.5 to 3.0 g / m in total of the two layers.2Is preferred. The total coating amount of the two layers is 0.5 g / m2If it is less than 1, the film properties may be reduced, and 3.0 g / m2If it exceeds, the sensitivity tends to decrease. As the coating amount decreases, the apparent sensitivity increases, but the film properties of the photosensitive film deteriorate.
[0163]
<Thermal negative type>
The photosensitive composition used to form the thermal negative type heat-sensitive layer contains a curable compound and a photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat. The thermal negative-type heat-sensitive layer is a negative-type heat-sensitive layer in which a portion irradiated with light such as an infrared laser is cured to form an image portion.
[0164]
<Polymerized layer>
As one of the thermal negative-type heat-sensitive layers, a polymerization-type heat-sensitive layer (polymerization layer) is preferably exemplified. The polymerization layer contains a photothermal conversion agent that generates heat by absorbing infrared rays, a radical generator, a radical polymerizable compound that is a curable compound, and a binder polymer. In the polymerization layer, the infrared rays absorbed by the photothermal conversion agent are converted into heat, the radical generator is decomposed by this heat to generate radicals, and the radical polymerizable compound is chain-polymerized and cured by the generated radicals. .
[0165]
Examples of the photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat include the photothermal conversion agent used in the above-described thermal positive type. Specific examples of particularly preferred cyanine dyes include those described in JP-A-2001-133969, [0017] to [0019].
Preferred examples of the radical generator include onium salts. In particular, onium salts described in JP-A-2001-133969, [0030] to [0033] are preferable.
Examples of the radical polymerizable compound include compounds having at least one terminal ethylenically unsaturated bond, preferably two or more.
As the binder polymer, a linear organic polymer is preferably exemplified. Preferred examples include linear organic polymers that are soluble or swellable in water or weak alkaline water. Among them, a (meth) acrylic resin having an unsaturated group such as an allyl group or an acryloyl group or a benzyl group and a carboxy group in the side chain is preferable in that it has an excellent balance of film strength, sensitivity, and developability. .
As the radical polymerizable compound and the binder polymer, those described in detail in [0036] to [0060] of JP-A No. 2001-133969 can be used.
[0166]
The additive described in [0061] to [0068] of JP-A No. 2001-133969 is contained in the thermal negative photosensitive composition (for example, a surfactant for improving coatability). Is preferred.
[0167]
As the method for producing the polymerization layer and the plate making method, methods described in detail in JP-A No. 2001-133969 can be used.
[0168]
<Acid cross-linked layer>
Further, as one of the thermal negative type heat-sensitive layers, an acid-crosslinking type heat-sensitive layer (acid-crosslinking layer) is also preferably exemplified. The acid crosslinking layer can react with a crosslinking agent in the presence of a photothermal conversion agent that absorbs infrared rays and generates heat, a thermal acid generator, a compound that crosslinks with an acid that is a curable compound (crosslinking agent), and an acid. And an alkali-soluble polymer compound. In the acid cross-linking layer, the infrared light absorbed by the photothermal conversion agent is converted into heat, and the heat causes the thermal acid generator to decompose and generate an acid, and the generated acid reacts with the cross-linking agent and the alkali-soluble polymer compound. And harden.
[0169]
Examples of the photothermal conversion agent that generates heat by absorbing infrared rays include the same ones used in the polymerization layer.
Examples of the thermal acid generator include thermal decomposition compounds such as photoinitiators for photopolymerization, photochromic agents for dyes, and acid generators used in microresists.
Examples of the crosslinking agent include an aromatic compound substituted with a hydroxymethyl group or an alkoxymethyl group; a compound having an N-hydroxymethyl group, an N-alkoxymethyl group or an N-acyloxymethyl group; and an epoxy compound.
Examples of the alkali-soluble polymer compound include a novolak resin and a polymer having a hydroxyaryl group in the side chain.
[0170]
<Non-treatment type>
The photosensitive composition used to form the unprocessed type heat-sensitive layer is a photosensitive composition that does not require a special development step. Examples of the non-processing type photosensitive composition include a thermoplastic fine particle polymer type, a microcapsule type, and a sulfonic acid-generating polymer-containing type. These are all heat-sensitive types containing a photothermal conversion agent that generates heat by absorbing infrared rays. The photothermal conversion agent is preferably the same dye as that used in the above-described thermal positive type.
[0171]
The thermoplastic fine particle polymer type photosensitive composition is obtained by dispersing a hydrophobic and heat-meltable fine particle polymer in a hydrophilic polymer matrix. In the thermosensitive layer of the thermoplastic fine particle polymer type, the hydrophobic fine particle polymer is melted by heat generated by exposure and is fused to form a hydrophobic region, that is, an image portion.
As the fine particle polymer, those in which fine particles melt and coalesce with heat are preferable, and those having a hydrophilic surface and capable of being dispersed in a hydrophilic component such as dampening water are more preferable. Specifically, Research Disclosure No. 33303 (January 1992), JP-A-9-123387, JP-A-9-131850, JP-A-9-171249, and JP-A-9-171250, and European Patent Application Publication No. 931,647. Preferred examples thereof include thermoplastic fine particle polymers. Of these, polystyrene and polymethyl methacrylate are preferred. Examples of the fine particle polymer having a hydrophilic surface include those in which the polymer itself is hydrophilic; those in which a hydrophilic compound such as polyvinyl alcohol and polyethylene glycol is adsorbed on the surface of the fine particle polymer to make the surface hydrophilic.
The fine particle polymer preferably has a reactive functional group.
[0172]
As a microcapsule type photosensitive composition, a compound having a heat-reactive functional group as described in JP-A No. 2000-118160 or JP-A No. 2001-277740 is included. A microcapsule type is preferable.
[0173]
Examples of the sulfonic acid generating polymer used in the sulfonic acid generating polymer-containing photosensitive composition include sulfonic acid ester groups, disulfone groups, and sec- or tert-sulfonamides described in JP-A No. 10-282672. Examples thereof include polymers having a group in the side chain.
[0174]
By incorporating a hydrophilic resin into the unprocessed photosensitive composition, not only on-press developability is improved, but also the film strength of the photosensitive layer itself is improved. Examples of the hydrophilic resin include those having a hydrophilic group such as hydroxy group, carboxy group, hydroxyethyl group, hydroxypropyl group, amino group, aminoethyl group, aminopropyl group, carboxymethyl group, and hydrophilic sol-gel conversion system. A binder resin is preferred.
[0175]
The non-process type heat-sensitive layer does not require a special development process and can be developed on a printing press. Regarding the method for producing the non-treatment type heat-sensitive layer and the plate-making printing method, methods described in detail in JP-A No. 2002-178655 can be used.
[0176]
[Plate making method (lithographic printing plate production method)]
The lithographic printing plate precursor according to the invention is made into a lithographic printing plate by various treatment methods corresponding to the heat-sensitive layer.
[0177]
(1) Exposure
First, image exposure is performed. Examples of the actinic ray light source used for image exposure include a carbon arc lamp, a mercury lamp, a metal halide lamp, a xenon lamp, a tungsten lamp, and a chemical lamp. Examples of the radiation include electron beam, X-ray, ion beam, far infrared ray, g-line, i-line, deep-UV light, and high-density energy beam (laser beam). Examples of the laser beam include a helium-neon laser (He-Ne laser), an argon laser, a krypton laser, a helium-cadmium laser, a KrF excimer laser, a semiconductor laser, and a YAG laser. The lithographic printing plate precursor according to the invention is preferably exposed using a light source having an emission wavelength in the near infrared to infrared region, and a solid laser or a semiconductor laser is particularly preferred.
[0178]
(2) Development
After the exposure, when the heat-sensitive layer is a thermal positive type or a thermal negative type, it is preferable to obtain a lithographic printing plate by exposure and development using a developer. When the heat-sensitive layer is an unprocessed type, as described above, it can be developed with dampening water and / or ink on a printing machine without requiring a special development step.
[0179]
As a developer and a replenisher used for developing the lithographic printing plate precursor according to the invention, a conventionally known alkaline aqueous solution can be used.
For example, sodium silicate, potassium silicate, tribasic sodium phosphate, tribasic potassium phosphate, tribasic ammonium phosphate, dibasic sodium phosphate, dibasic potassium phosphate, dibasic ammonium phosphate, sodium carbonate, carbonic acid Inorganic alkaline agents such as potassium, ammonium carbonate, sodium bicarbonate, potassium bicarbonate, ammonium bicarbonate, sodium borate, potassium borate, ammonium borate, sodium hydroxide, ammonium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide Can be mentioned.
Moreover, monomethylamine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, triisopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, Organic alkali agents such as ethyleneimine, ethylenediamine, and pyridine can also be used.
These alkaline agents may be used alone or in combination of two or more.
[0180]
Of these, a developer containing substantially no alkali metal silicate is preferable. In addition, the method of developing using a developer containing substantially no alkali metal silicate is described in detail in JP-A-11-109637, and in the present invention, it is described in the publication. The contents can be used.
[0181]
The developer containing substantially no alkali metal silicate is not particularly limited, but is preferably an alkaline aqueous solution containing substantially no organic solvent. However, an organic solvent may be contained if necessary.
Specifically, the non-silicate developer includes, for example, a development containing at least one compound selected from non-reducing sugars and at least one base as a main component and having a pH of 9.0 to 13.5. A liquid is mentioned suitably. The non-silicate developer is preferably adjusted to pH 12.5 to 13.5 in terms of developability.
As necessary, various surfactants and organic solvents may be added to the developer and replenisher for the purpose of promoting or suppressing developability, dispersing development residue, and improving the ink affinity of the image area. Can do. As the surfactant, anionic, cationic, nonionic and amphoteric surfactants can be used.
In addition, the developer and replenisher may contain a reducing agent such as sodium salt or potassium salt of an inorganic acid such as hydroquinone, resorcin, sulfurous acid, or bisulfite, as necessary, for the purpose of preventing lithographic printing plate stains. Can be contained. Furthermore, an organic carboxylic acid, an antifoaming agent, a hard water softening agent, various development stabilizers, and the like can be added to the developer and the replenisher as necessary.
[0182]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
1. Creating a lithographic printing plate precursor
Example 1
Si: 0.06 mass%, Fe: 0.30 mass%, Cu: 0.005 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.001 mass%, Zn: 0.001 mass%, Ti: Containing 0.03% by mass, the balance is prepared using Al and an inevitable impurity aluminum alloy, and after performing the molten metal treatment and filtration, an ingot having a thickness of 500 mm and a width of 1200 mm is obtained by a DC casting method. Created. After the surface was shaved with a chamfering machine with an average thickness of 10 mm, it was kept soaked at 550 ° C. for about 5 hours, and when the temperature dropped to 400 ° C., rolling with a thickness of 2.7 mm using a hot rolling mill A board was used. Further, after heat treatment was performed at 500 ° C. using a continuous annealing machine, an aluminum plate having a thickness of 0.24 mm was finished by cold rolling. After making this aluminum plate 1030 mm in width, the following surface treatment was continuously performed. The obtained aluminum plate corresponds to JIS A1050 material, and the minor axis of the average crystal grain size of aluminum was 50 μm and the major axis was 300 μm.
[0183]
(A) Mechanical roughening treatment
Using a device as schematically shown in FIG. 1, a suspension of a polishing agent (silica sand) and water (specific gravity 1.12) is rotated as it is supplied to the surface of the aluminum plate as a polishing slurry liquid. A mechanical roughening treatment was performed with a roller-like nylon brush. In FIG. 1, 1 is an aluminum plate, 2 and 4 are roller brushes, 3 is a polishing slurry, and 5, 6, 7 and 8 are support rollers.
The average particle size of the abrasive was 8 μm, and the maximum particle size was 50 μm. The material of the nylon brush was 6 · 10 nylon, the hair length was 50 mm, and the hair diameter was 0.3 mm. The nylon brush was planted so as to be dense by making a hole in a stainless steel tube having a diameter of 300 mm. Three rotating brushes were used. The distance between the two support rollers (φ200 mm) at the bottom of the brush was 300 mm. The brush roller was pressed until the load of the drive motor for rotating the brush became 7 kW plus with respect to the load before the brush roller was pressed against the aluminum plate. The rotating direction of the brush was the same as the moving direction of the aluminum plate. The rotation speed of the brush was 200 rpm.
[0184]
(B) Alkali etching treatment
The aluminum plate obtained above was subjected to an etching process by spraying at a caustic soda concentration of 2.6 mass%, an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and a temperature of 70 ° C.2Dissolved. Then, water washing by spraying was performed.
[0185]
(C) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying with a 1% by weight aqueous solution of nitric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut was the waste liquid from the step of electrochemical surface roughening treatment using alternating current in nitric acid aqueous solution.
[0186]
(D) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a 10.5 g / L nitric acid aqueous solution (containing 5 g / L aluminum ions and 0.007 mass% ammonium ions) at a temperature of 50 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2, the time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, the trapezoidal rectangular wave AC is used, with the carbon electrode as the counter electrode An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was the one shown in FIG. In FIG. 3, 11 is an aluminum plate, 12 is a radial drum roller, 13a and 13b are main poles, 14 is an electrolytic treatment liquid, 15 is an electrolytic solution supply port, and 16 is a slit. , 17 is an electrolyte passage, 18 is an auxiliary anode, 19a and 19b are thyristors, 20 is an AC power source, 40 and 41 are main electrolytic cells, and 50 and 51 are auxiliary anode cells. .
The current density is 30 A / dm at the peak current value.2The amount of electricity is 220 C / dm in terms of the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode.2Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode.
Then, water washing by spraying was performed.
[0187]
(E) Alkali etching treatment
The aluminum plate was etched at 32 ° C. with a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.20 g / m.2Dissolve and remove the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when electrochemical roughening treatment was performed using alternating current in the previous stage, and dissolve the edge part of the generated pit to produce the edge part Made smooth. Then, water washing by spraying was performed.
[0188]
(F) Desmut treatment
The desmutting treatment was performed by spraying with a 15% by weight aqueous solution of sulfuric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 4.5% by weight of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut was the waste liquid from the step of electrochemical surface roughening treatment using alternating current in nitric acid aqueous solution.
[0189]
(G) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a hydrochloric acid 7.5 g / L aqueous solution (containing 5 g / L of aluminum ions) at a temperature of 45 ° C. The AC power supply waveform was a sine wave, and an electrochemical surface roughening treatment was performed using a carbon electrode as a counter electrode. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was the one shown in FIG.
The current density is 25 A / dm at the peak current value.2The amount of electricity is 50 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode.2Met.
Then, water washing by spraying was performed.
[0190]
(H) Alkali etching treatment
The aluminum plate was etched at 32 ° C. with a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.20 g / m.2Dissolves and removes the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when the electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge part of the generated pits was dissolved to the edge The part was smoothed. Then, water washing by spraying was performed.
[0191]
(I) Desmut treatment
The desmutting treatment was performed by spraying with a 25% by weight aqueous solution of sulfuric acid having a temperature of 60 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and then washing with water by spraying.
[0192]
(J) Anodizing treatment
The anodizing apparatus of the two-stage feed electrolytic treatment method having the structure shown in FIG. 4 (first and second electrolysis unit length 6 m each, first and second feed unit length 3 m each, first and second feed electrode length 2.4 m each) Anodizing was performed using this. Sulfuric acid was used as the electrolytic solution supplied to the first and second electrolysis units. All electrolytes had a sulfuric acid concentration of 170 g / L (containing 0.5 mass% of aluminum ions) and a temperature of 40 ° C. Then, water washing by spraying was performed.
[0193]
In the anodizing device, currents from the power sources 67a and 67b flow to the first power supply electrode 65a provided in the first power supply portion 62a, flow to the aluminum plate 11 through the electrolytic solution, and in the first electrolysis portion 63a. An oxide film is generated on the surface of the aluminum plate 11, passes through the electrolytic electrodes 66a and 66b provided in the first electrolysis part 63a, and returns to the power sources 67a and 67b.
On the other hand, the currents from the power supplies 67c and 67d flow to the second power supply electrode 65b provided in the second power supply portion 62b, flow to the aluminum plate 11 through the electrolytic solution in the same manner as described above, and in the second electrolysis portion 63b, aluminum flows. An oxide film is generated on the surface of the plate 11, passes through the electrolytic electrodes 66c and 66d provided in the second electrolysis unit 63b, and returns to the power sources 67c and 67d.
[0194]
The amount of electricity fed from the power sources 67a and 67b to the first feeding unit 62a is equal to the amount of electricity fed from the power sources 67c and 67d to the second feeding unit 62b, and the first electrolysis unit 63a and the second electrolysis unit Both current densities at 63b are about 30 A / dm2Met. In the 2nd electric power feeding part 62b, 1.35 g / m produced | generated by the 1st electrolysis part 63a.2Power is supplied through the oxide film surface. The final oxide film amount is 2.7 g / m2Met.
[0195]
(K) Alkali metal silicate treatment
Alkali metal silicate treatment (silicate treatment) by immersing the aluminum support obtained by anodizing treatment into a treatment layer of 2.5 mass% aqueous solution of sodium silicate No. 3 at a temperature of 50 ° C for 10 seconds Went. Then, the water washing by the spray using well water was performed.
[0196]
(L) Formation of undercoat layer
On the aluminum support after the alkali metal silicate treatment obtained as described above, an undercoat layer coating solution having the following composition was applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film. The coating amount after drying is 15 mg / m2Met.
[0197]
<Coating solution composition for undercoat layer>
・ The following polymer compound 0.3g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
[0198]
Embedded image
Figure 0004056889
[0199]
(M) Formation of heat-sensitive layer A
The coating amount for the lower layer coating solution having the following composition is 0.85 g / m.2After coating, the Wind Control is set to 7 with a TARFAI PERFECT OVEN PH200 and dried at 140 ° C. for 50 seconds. Thereafter, a coating solution 1 for the heat-sensitive layer having the following composition is applied in an amount of 0.15 g. / M2Then, it was dried at 120 ° C. for 1 minute to form a heat-sensitive layer A to obtain a lithographic printing plate precursor.
[0200]
<Coating solution composition for lower layer>
N- (4-aminosulfonylphenyl) methacrylamide / acrylonitrile / methyl methacrylate (molar ratio 36/34/30, weight average molecular weight 50000) 1.896 g
-Cresol-novolak resin (m / p = 6/4 weight average molecular weight 4500, residual monomer 0.8 mass%) 0.237 g
-Cyanine dye A represented by the following structural formula 0.109 g
・ 4,4'-bishydroxyphenylsulfone 0.063g
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.190g
・ 0.008 g of p-toluenesulfonic acid
・ The counter ion of ethyl violet is changed to 6-hydroxynaphthalene sulfone 0.05 g
・ Fluorosurfactant (Megafac F176, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.) 0.035g
・ Methyl ethyl ketone 26.6g
1-methoxy-2-propanol 13.6 g
・ Γ-Butyrolactone 13.8g
[0201]
Embedded image
Figure 0004056889
[0202]
<Coating liquid 1 composition for heat sensitive layer>
-M, p-cresol-novolak resin (m / p ratio = 6/4, weight average molecular weight 4500, containing 0.8% by mass of unreacted cresol) 0.237 g
-Cyanine dye A represented by the above structural formula 0.047 g
・ Dodecyl stearate 0.060g
・ 3-methoxy-4-diazodiphenylamine hexafluorophosphate 0.030 g
・ Fluorine-based surfactant (Megafac F176, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.) 0.110 g
Fluorosurfactant (Megafac MCF-312 (30% by mass), manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.) 0.120 g
・ Methyl ethyl ketone 15.1g
-1-methoxy-2-propanol 7.7g
[0203]
(Example 2)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 1 except that the temperature of the aqueous solution was changed to 60 ° C. in the above (k).
(Example 3)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 1 except that the temperature of the aqueous solution was 90 ° C. in (k) above.
(Examples 4 to 6)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Examples 1 to 3, except that (d), (e) and (f) were not performed.
[0204]
(Example 7)
In the above (h), the etching process is performed at 45 ° C., and the aluminum plate is 0.45 g / m.2A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 2 except that it was dissolved.
(Example 8)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 2 except that (h) was not performed.
Example 9
In the above (h), the etching process is performed at 40 ° C., and the aluminum plate is 0.35 g / m.2A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 5 except that it was dissolved.
(Example 10)
In (d) above, the temperature of the electrolytic solution is 25 ° C., and in (e) above, the etching treatment is performed at 62 ° C., and the aluminum plate is 1.6 g / m 2.2A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 2 except that the following (n) was performed instead of (m).
[0205]
(N) Formation of heat-sensitive layer B
A heat-sensitive layer coating solution 2 having the following composition was prepared, and the coating amount after drying the heat-sensitive layer coating solution 2 (heat-sensitive layer coating amount) was 1.0 g / m on an aluminum support provided with an undercoat layer.2And dried to form a heat-sensitive layer B to obtain a lithographic printing plate precursor.
[0206]
<Coating liquid 2 composition for heat-sensitive layer>
・ Capric acid 0.03g
-Specific copolymer 1 described later 0.75 g
-M, p-cresol novolak (m / p ratio = 6/4, weight average molecular weight 3,500, containing 0.5% by mass of unreacted cresol) 0.25 g
・ 0.003 g of p-toluenesulfonic acid
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.03g
-Cyanine dye A represented by the above structural formula 0.017 g
0.015 g of a dye having 1-naphthalenesulfonic acid anion as the counter ion of Victoria Pure Blue BOH
-Fluorosurfactant (Megafac F-177, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.) 0.05g
・ Γ-Butyrolactone 10g
・ Methyl ethyl ketone 10g
1-methoxy-2-propanol 1g
[0207]
<Specific copolymer 1>
In a 500 mL three-necked flask equipped with a stirrer, a condenser, and a dropping funnel, 31.0 g (0.36 mol) of methacrylic acid and 39. 1 g (0.36 mol) and 200 mL of acetonitrile were added, and the mixture was stirred while cooling with an ice-water bath. To this mixture, 36.4 g (0.36 mol) of triethylamine was dropped with a dropping funnel over about 1 hour. After completion of the dropwise addition, the ice water bath was removed, and the mixture was stirred at room temperature for 30 minutes.
[0208]
To this reaction mixture, 51.7 g (0.30 mol) of p-aminobenzenesulfonamide was added, and the mixture was stirred for 1 hour while warming to 70 ° C. in an oil bath. After completion of the reaction, the mixture was added to 1 L of water while stirring the water, and the resulting mixture was stirred for 30 minutes. The mixture was filtered to take out a precipitate, which was slurried with 500 mL of water, and then the slurry was filtered. The obtained solid was dried to dry a white solid of N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide. Was obtained (yield 46.9 g).
[0209]
Next, 4.61 g (0.0192 mol) of N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide and 2.94 g of ethyl methacrylate were added to a 20 mL three-necked flask equipped with a stirrer, a condenser and a dropping funnel. 0.0258 mol), 0.80 g (0.015 mol) of acrylonitrile and 20 g of N, N-dimethylacetamide were added, and the mixture was stirred while heating to 65 ° C. with a hot water bath. To this mixture, 0.15 g of “V-65” (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was added, and the mixture was stirred for 2 hours under a nitrogen stream while being kept at 65 ° C. A further mixture of 4.61 g of N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide, 2.94 g of ethyl methacrylate, 0.80 g of acrylonitrile, N, N-dimethylacetamide and 0.15 g of “V-65” was added to this reaction mixture. It dropped by the dropping funnel over 2 hours. After completion of the dropwise addition, the obtained mixture was further stirred at 65 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, 40 g of methanol was added to the mixture, cooled, and the resulting mixture was added to 2 L of water while stirring the water. After stirring the mixture for 30 minutes, the precipitate was removed by filtration and dried. 15 g of the specific copolymer 1 as a white solid was obtained.
It was 53,000 (polystyrene standard) when the weight average molecular weight of the obtained specific copolymer 1 was measured by the gel permeation chromatography.
[0210]
(Comparative Example 1)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 1 except that in (k) above, the concentration of the aqueous solution was 1.0 mass% and the temperature of the aqueous solution was 30 ° C.
(Comparative Example 2)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 1 except that the concentration of the aqueous solution was 5.0 mass% and the temperature of the aqueous solution was 100 ° C.
(Comparative Example 3)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 4 except that in (k) above, the concentration of the aqueous solution was 1.0 mass% and the temperature of the aqueous solution was 30 ° C.
(Comparative Example 4)
A lithographic printing plate precursor was obtained in the same manner as in Example 4 except that in (k) above, the concentration of the aqueous solution was 5.0 mass% and the temperature of the aqueous solution was 100 ° C.
[0211]
2. Measurement of adhesion amount of Si atoms on the surface of aluminum support
The adhesion amount of Si atoms on the surface of each aluminum support obtained in the above (k) was measured by a calibration curve method using a fluorescent X-ray analyzer. The results are shown in Table 1. The values in Table 1 are corrected for the amount of Si atoms contained in the aluminum plate.
[0212]
As a standard sample for preparing a calibration curve, a sodium silicate aqueous solution containing a known amount of Si atoms was uniformly dropped into an area of 30 mmφ on an aluminum plate and then dried. The conditions for fluorescent X-ray analysis are shown below.
[0213]
X-ray fluorescence analyzer: RIX3000 manufactured by Rigaku Corporation, X-ray tube: Rh, measurement spectrum: Si-Kα, tube voltage: 50 kV, tube current: 50 mA, slit: COARSE, spectral crystal: RX4, detector: F -PC, analysis area: 30 mmφ, peak position (2θ): 144.75 deg. , Background (2θ): 140.70 deg. And 146.85 deg. Integration time: 80 seconds / sample
[0214]
3. Measurement of the average wavelength of the wave structure on the surface of an aluminum support.
Each lithographic printing plate precursor obtained above was dissolved and removed with γ-butyrolactone to expose the surface of the aluminum support, and then the surface of the support was scanned from a direction perpendicular to the support. A SEM photograph at a magnification of 30000 times was taken using a scanning electron microscope (S-900, manufactured by Hitachi, Ltd.). In the SEM photograph, the shape that can identify the outline surrounding the recess is a pit, and the average value of the major axis and the minor axis is 1.0 μm or less, and the pit that does not contain a pit is a small wave pit. . However, the pits at this time did not include the micropore recesses caused by the anodized film. The average value of the wavelet pits was taken as the average value of 100 wavelet pits.
The results are shown in Table 1. In Table 1, “-” indicates that there was no concave portion of the corresponding wavelength.
[0215]
4). Measurement of the average wavelength of large and medium wave structures on the surface of an aluminum support.
Each lithographic printing plate precursor obtained above was dissolved and removed using γ-butyrolactone to expose the surface of the aluminum support, and then the surface of the support was T-20 type made by JEOL. Using a scanning electron microscope, tilted 30 degrees from the normal direction and observed at a magnification of 2000 times, and measured the uneven component having a wavelength of 2 μm or more and the uneven component having a wavelength of 0.6 μm or more and less than 2 μm in the horizontal direction, 30 points each. The average value of each was taken as the average wavelength of the large wave structure and the medium wave structure.
The results are shown in Table 1. In Table 1, “-” indicates that there was no concave portion of the corresponding wavelength.
[0216]
5. Evaluation of lithographic printing plate precursor sensitivity
Each lithographic printing plate precursor obtained as described above was exposed on the entire surface by changing the amount of plate surface energy using a TrendSetter 3244 manufactured by CREO Co., Ltd., and then developed by Fuji Photo Film (a developer containing substantially no alkali metal silicate). Development was performed with an automatic developing machine 900NP using a developer DT-2 for PS plate manufactured by the same company under standard use conditions. The sensitivity was evaluated based on the lowest amount of plate surface energy when visually observed that the heat-sensitive layer was completely removed.
The results are shown in Table 1.
[0217]
6). Evaluation of entanglement difficulty of lithographic printing plates
Each lithographic printing plate precursor obtained above is subjected to a plate surface energy amount of 140 mJ / cm using a TrendSetter 3244 manufactured by CREO.2The developer DT-2 for PS plate manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., which is a developer substantially containing no alkali metal silicate, is used under standard operating conditions, and is automatically developed by an automatic processor 900NP. Developed. Using the resulting lithographic printing plate, using a DIC-GEOS (H) ink made by Dainippon Ink & Chemicals, Inc. with a SOR-M printing machine made by Heidelberg, The difficulty of entanglement of the ink in the halftone area having a halftone dot area ratio of 80 to 90% was evaluated in two stages.
The results are shown in Table 1. The case where the ink was not easily entangled was rated as “◯”, and the case where it was inferior as “×”.
[0218]
7. Evaluation of printing durability of lithographic printing plates
A lithographic printing plate was obtained by the same method as in the evaluation of the difficulty of entanglement of the ink. The obtained lithographic printing plate was printed on a Lithrone printing machine manufactured by Komori Corporation using DIC-GEOS (N) black ink manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc. The printing durability was evaluated based on the number of printed sheets when visually recognized.
The results are shown in Table 1.
[0219]
As is apparent from Table 1, the Si atom adhesion amount on the surface of the aluminum support is 5 to 20 mg / m.2It can be seen that the lithographic printing plate precursors of the present invention (Examples 1 to 10) are excellent in sensitivity and excellent in printing durability and entanglement of ink during printing. In the case of using an aluminum support having a large wave structure, a medium wave structure and a small wave structure on the surface (Examples 1 to 3, 7, 8 and 10), and an aluminum support having a large wave structure and a small wave structure on the surface. This applies to any of the cases (Examples 4 to 6 and 9).
On the other hand, when the amount of Si atom adhesion on the surface of the aluminum support is too small (Comparative Examples 1 and 3), the sensitivity and the ink are not easily entangled, and when too much (Comparative Examples 2 and 4). Inferior in printing durability.
[0220]
[Table 1]
Figure 0004056889
[0221]
【The invention's effect】
The lithographic printing plate precursor of the present invention is extremely useful because it is a lithographic printing plate precursor having a thermal type heat-sensitive layer that has excellent sensitivity, printing durability during printing, and resistance to ink entanglement.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing the concept of a brush graining process used for mechanical surface roughening in the production of an aluminum support used in a lithographic printing plate precursor according to the present invention.
FIG. 2 is a graph showing an example of an alternating waveform current waveform diagram used for electrochemical surface roughening treatment in the preparation of an aluminum support used in the lithographic printing plate precursor according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic configuration diagram of an apparatus in which two or more radial drum rollers used for electrochemical surface roughening treatment in the preparation of an aluminum support used in the lithographic printing plate precursor according to the present invention are connected.
FIG. 4 is a schematic view of an anodizing apparatus for a two-stage feed electrolysis method used for anodizing in the production of an aluminum support used for the lithographic printing plate precursor according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Aluminum plate
2, 4 Roller brush
3 Polishing slurry
5, 6, 7, 8 Support roller
11 Aluminum plate
12 Radial drum roller
13a, 13b Main pole
14 Electrolytic treatment liquid
15 Electrolyte supply port
16 slits
17 Electrolyte passage
18 Auxiliary anode
19a, 19b Thyristor
20 AC power supply
40, 41 Main electrolytic cell
50, 51 Auxiliary anode tank
62a First feeding part
62b Second feeding part
63a First electrolysis part
63b Second electrolysis unit
64a, 64b Nip roller
65a First feeding electrode
65b Second feeding electrode
66a, 66b, 66c, 66d Electrolytic electrode
67a, 67b, 67c, 67d Power supply

Claims (5)

アルミニウム支持体上に、加熱によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が変化する感熱層を設けた平版印刷版原版であって、
該アルミニウム支持体が、アルミニウム板に、少なくとも機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理、硝酸を含有する電解液を用いた電気化学的粗面化処理、アルカリエッチング処理、30〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸によるデスマット処理、塩酸を含有する水溶液を用いた電気化学的粗面化処理およびアルカリ金属ケイ酸塩処理を順次施して得られ、
該アルミニウム支持体の表面のSi原子付着量が5〜20mg/m2 である平版印刷版原版。
A lithographic printing plate precursor provided with a heat-sensitive layer whose solubility in an alkaline aqueous solution is changed by heating on an aluminum support,
The aluminum support is made of at least a mechanical surface roughening treatment, an alkali etching treatment, a desmutting treatment with an acid, an electrochemical surface roughening treatment using an electrolytic solution containing nitric acid, an alkali etching treatment, Obtained by sequentially performing desmutting treatment with 15 to 65 mass% sulfuric acid at a temperature of 90 ° C, electrochemical surface roughening treatment using an aqueous solution containing hydrochloric acid and alkali metal silicate treatment,
A lithographic printing plate precursor having a Si atom adhesion amount of 5 to 20 mg / m 2 on the surface of the aluminum support.
前記アルミニウム支持体が、表面に大波構造と中波構造と小波構造とを有する請求項1に記載の平版印刷版原版。  The lithographic printing plate precursor according to claim 1, wherein the aluminum support has a large wave structure, a medium wave structure, and a small wave structure on a surface thereof. 前記小波構造の平均波長が0.01〜0.6μmである請求項2に記載の平版印刷版原版。The lithographic printing plate precursor according to claim 2, wherein an average wavelength of the small wave structure is 0.01 to 0.6 µm. 前記感熱層が、2層以上からなるサーマルポジタイプの重層感熱層である請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版原版。The lithographic printing plate precursor as claimed in any one of claims 1 to 3, wherein the heat-sensitive layer is a thermal positive type multilayer heat-sensitive layer comprising two or more layers. アルミニウム板に、少なくとも機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理、硝酸を含有する電解液を用いた電気化学的粗面化処理、アルカリエッチング処理、30〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸によるデスマット処理、塩酸を含有する水溶液を用いた電気化学的粗面化処理およびアルカリ金属ケイ酸塩処理を順次施すことを特徴とする平版印刷版原版の製造方法。Aluminum plate is subjected to at least mechanical roughening treatment, alkali etching treatment, desmutting treatment with acid, electrochemical roughening treatment using an electrolytic solution containing nitric acid, alkaline etching treatment, 15 at a temperature of 30 to 90 ° C. A method for producing a lithographic printing plate precursor comprising sequentially performing desmutting treatment with ˜65 mass% sulfuric acid, electrochemical surface roughening treatment using an aqueous solution containing hydrochloric acid, and alkali metal silicate treatment.
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