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JP4054936B2 - インドメタシン貼付剤 - Google Patents

インドメタシン貼付剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インドメタシンを含有する貼付剤に関し、より詳しくは、主薬のインドメタシンの有効性が高く、且つ使用感に優れたインドメタシン貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の外用消炎鎮痛貼付剤の主薬としては、サリチル酸グリコール,サリチル酸メチル等のサリチル酸エステル系の物が多く用いられてきたが、近年、効果及び副作用の点から、インドメタシンを主薬とする貼付剤が提案されている。このようなインドメタシン貼付剤は、インドメタシンの溶解性を向上させて、薬物としての有効性を高めるために例えばクロタミトン等の油性成分に溶解させて配合していた。
【0003】
しかしながら、従来のインドメタシン貼付剤の場合、インドメタシンの経皮吸収性を速効的かつ持続的なものとすることによる有効性の向上という点で未だ改良の余地があった。その一方で、インドメタシンの有効性をより向上させるために、配合量を増やすと、皮膚刺激などの問題が生じるおそれがあるため、適用時の使用感を改善する技術も望まれていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、インドメタシンの有効性をより向上させ、且つ使用感に優れたインドメタシン貼付剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、貼付剤の含水率を60重量%以上とし、且つポリエチレングリコールをインドメタシンと共に配合することによって、従来の含水率の低いインドメタシン貼付剤に比べて、インドメタシンの経皮吸収性が格段に向上して優れた有効性が得られることを見出し、更に、このような貼付剤の粘着基剤として、水溶性高分子化合物と共に架橋剤を配合することによって上記水溶性高分子化合物を金属架橋した水性ゲルの粘着基剤を使用すると、皮膚刺激性の問題もなく、使用感に優れ、貼付剤を皮膚に長時間貼付することが可能となり、インドメタシンの有効性がより効果的に発揮されることを知見し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は、インドメタシンと、ポリエチレングリコールと、水溶性高分子化合物と、該水溶性高分子化合物を金属架橋する架橋剤とを含有すると共に、含水率が60重量%以上であることを特徴とするインドメタシン貼付剤を提供する。
【0007】
以下、本発明を更に詳細に説明すると、本発明のインドメタシン貼付剤は、インドメタシン、ポリエチレングリコール、水溶性高分子化合物、該水溶性高分子化合物を金属架橋する架橋剤及び貼付剤全体に対して60重量%以上の水を必須成分とするものである。
【0008】
ここで、本発明の貼付剤におけるインドメタシンの配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常貼付剤全体に対して0.01〜10%(重量%、以下同様)、特に0.1〜5%とすると好適である。配合量が少なすぎるとインドメタシン配合による薬効を十分に得られない場合があり、多すぎるとそれ以上の配合の効果が得られないのみならず、製剤設計上の不都合が生じる場合がある。
【0009】
本発明の貼付剤は、上記インドメタシンを溶解するポリエチレングリコールを必須成分とするものであり、ポリエチレングリコールは重合度により規格されているが、その種類は特に制限されるものではなく、例えばポリエチレングリコール100〜10000(#100〜#10000)を好適に使用することができ、より好ましくはポリエチレングリコール100〜3000(#100〜#3000)、特に好ましくはポリエチレングリコール100〜2000(#100〜#2000)を好適に使用することができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0010】
本発明の貼付剤におけるポリエチレングリコールの配合量は、特に制限されるものではなく適宜選定することができ、通常貼付剤全体に対して好ましくは0.5〜20%、より好ましくは0.5〜10%とすると好適である。配合量が少なすぎるとインドメタシンを溶解して配合することが困難となる場合があり、多すぎるとそれ以上の配合の効果が得られないのみならず、製剤設計上の不都合が生じる場合がある。なお、同様の理由によりインドメタシンに対する配合割合は、インドメタシン:ポリエチレングリコール=1:100〜1:1、特に1:25〜1:1.5とすると好適である。
【0011】
本発明の貼付剤は、更に水溶性高分子化合物及び該水溶性高分子化合物を金属架橋する架橋剤を含有するものであり、水溶性高分子化合物が金属架橋されて水性ゲルの粘着基剤(金属架橋型含水ゲル基剤)が形成される。ここで、本発明のように含水率が60%以上の貼付剤の場合、このような金属架橋型含水ゲル基剤が好適であり、また、架橋型含水ゲル基剤の中でも特に金属架橋型含水ゲル基剤を使用することによって、例えばエポキシ基を有する化合物により架橋した場合、未反応のエポキシ基が残存するため、薬物の安定性に影響したり、皮膚に対する刺激性が生じるおそれがあるが、このような問題のない粘着基剤が得られ、特に本発明のようにインドメタシンを含む貼付剤は、十分な有効性を発揮させるためには、皮膚に長時間貼付することが必要であることから、このような金属架橋型含水ゲル基剤が効果的である。
【0012】
ここで、金属と架橋する水溶性高分子化合物としては、分子内にカルボキシル基を有する高分子化合物等が挙げられ、具体的には、アクリル酸類、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩,カリウム塩,アルギン酸ナトリウム、無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシル基を有する天然ゴム等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でも、特にポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩を使用すると好適であり、ポリアクリル酸としてはいずれのものでも使用でき、その分子量及び直鎖状、分岐鎖状等の形状には特に制限はないが、分子量1万〜1000万のものを用いることが好ましく、特に重量平均分子量が1万〜50万未満、50万〜200万未満、200万〜700万の平均分子量を有するポリアクリル酸及びその塩を2種以上組み合わせると、使用感が向上するので好適である。なお、通常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほか、カルボキシビニルポリマー、例えばカーボポール(商品名:米国グッドリッチ社製)等のアクリル酸重合体を一部架橋したものも好適に使用し得る。
【0013】
また、ポリアクリル酸塩としてはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリル酸のアミン塩、ポリアクリル酸のアンモニウム塩等の1種又は2種以上が好適に使用し得る。
【0014】
ここで、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩とを組み合わせて使用する場合、これらの配合比(重量比)は1:10〜10:1、特に1:9〜9:1とすることが好ましいが、ポリアクリル酸又は塩を一部中和してポリアクリル酸塩が上記比率になるようにしたものを用いても差し支えない。また、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩の合計配合量は、貼付剤全体の0.1〜20%、特に0.5〜15%とすることが好ましく、配合量が少なすぎると粘着力が不足する場合があり、多すぎると粘度が高くなり、製造時の作業性に問題が生じたり、貼付剤を剥がす時に痛みを感じる場合があり、特にポリアクリル酸の量が多すぎると低pH領域において使用感が損なわれる場合がある。なお、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩以外の金属で架橋する水溶性高分子化合物を使用する場合、その配合量は、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩を使用する場合と同程度とすると、好適である。
【0015】
本発明の貼付剤は、上述したように、金属と架橋する水溶性高分子化合物を適当な架橋剤により金属架橋するものであり、このような架橋剤としては、金属と架橋する水溶性高分子化合物を金属架橋し得る限り、その種類は特に制限されないが、特に、多価金属化合物が好適に使用される。この場合、多価金属化合物としてはマグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物等が使用し得るが、本発明の貼付剤は皮膚に適用するものであり、皮膚に対する安全性を考慮するならば、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることが特に好ましい。
【0016】
この場合、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物はいずれのものも好適に使用し得、例えばカリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、含ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等の水可溶性化合物、水難溶性化合物の1種又は2種以上を使用し得る。また、アルミニウム、マグネシウムを含む制酸剤も多価金属化合物として配合し得る。
【0017】
ここで、上記架橋剤の好適な配合量は、その種類により種々異なるが、例えば上記多価金属化合物を使用する場合、その配合量は貼付剤全体の0.001〜10%、特に0.01〜5%とすることが好ましい。
【0018】
本発明の貼付剤は、更に架橋反応の速度調整剤として、例えばエデト酸(EDTA)二ナトリウム、クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,ピロリン酸ナトリウム,尿素,アンモニア等の金属イオンに対してキレート若しくは配位能を持つ有機酸、有機酸塩、有機塩基などを配合することもできる。
【0019】
本発明の貼付剤は、含水率が60%以上、好ましくは60〜90%、より好ましくは65〜85%、更に好ましくは70〜80%である。含水率が低すぎると、本発明の目的とする効果が十分に得られず、高すぎるとインドメタシン、ポリエチレングリコールを十分に配合することができず、インドメタシンの有効性が十分に得られなくなる場合があるのみならず、製剤設計上の不都合が生じる場合がある。
【0020】
本発明の貼付剤は、本発明の効果を損なわない限り、上記成分に加えて通常貼付剤の粘着基剤に添加されているその他の成分を適宜配合することもでき、例えば、金属と架橋する水溶性高分子化合物以外の水溶性高分子化合物、無機鉱物、香料、植物抽出物、インドメタシン以外の薬効成分、保湿剤、乳化剤(界面活性剤)、防腐剤、ポリエチレングリコール以外の溶解剤等を配合することができる。
【0021】
ここで、ポリエチレングリコール以外の溶解剤としては、例えばクロタミトンを挙げることができるが、本発明の場合、ポリエチレングリコールを配合することによって、インドメタシンを溶解するので、クロタミントン等の溶解剤を無配合とすることも可能である。
【0022】
また、金属と架橋する水溶性高分子化合物以外の水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロシエチルセルロース、メチルセルロース、カラギーナン、カルボキシル基を持たない天然ゴム等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせ使用することができる。
【0023】
また、無機鉱物(鉱物性粉末)としては、例えばモンモリロナイト、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0024】
香料としては、例えばウイキョウ油、ヒマシ油、ハッカ油、ハッカハク油、ダイウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、チミアン油、テレビン油、ヘノポジ油、ヤマジン油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、オレンジ油、トウカ油、ベルガモット油、ローズ油、シトロネラ油、レモングラス油、樟脳油、ゼラニウム油等が挙げられる。また、植物抽出物としては、例えばアロエ、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カミツレ、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアヤックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー.ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アーモンド、アザミ、アルニカ、イトスギ、ウイキョウ、エニシダ、エリカ、オオグルマ、カラシ、カロコン、カンズイ、キクニガナ、ギョウギシバ、キンセンカ、クサノオウ、クレソン、ゲンカ、ゲンチアナ、サリランボ、シカゼンシ、シラカバ、シダ、シツリシ、ショウノウ、ショウリク、ジンギョウ、スモモ、セイヨウナシ、セイヨウヒメスノキ、タイソウ、タクシャ、タンポポ、チモ、チャービル、チョレイ、テンモンドウ、トウガシ、ノイバラ、ノラニンジン、ハゴロモグサ、ハッカ、トネリコ、ヒメオドリコソウ、ヒメスイバ、ブクリョウ、ボリジ、マグワート、マヨラナ、メリッサ、モクツウ、モモ、ヤドリギ、ユーカリ、ヨクイニン、ラベンダー、レンギョウ、ワサビダイコン等からの抽出物を挙げることができるが、これらの中でも、特にカモミール、セージ、パセリ、ローズマリー、シモツケギク、シモツケソウ、ヤグルマギク、アニス、ローレル、アンジェリカ、フェンネル、ハッカ(ペパーミント、レモンバーム)、ラベンダー、タイム等からの抽出物が好適であり、このような抽出物の具体的な成分として、例えば、モノテルペン炭化水素、シネオール、ボルネオール、他にカンファー(樟脳)、リナノール、ベルベノール、フラボノイド類、コリン、アミノ酸、タンニン、植物酸、脂肪酸、青酸配糖体、サリチル酸誘導体、サルビン、縮合タンニン、フェノール酸、カルノシン酸、トリテルペン酸、ツヨン、サルベン、ピネン、アピオール、アピオリン、ミリスチシン、クマリン、カマアズレン、ファルネセン、ビサボロール、ゲラニオール、オイゲノール、テルペン、フェランドリン、アネトール、メントール、メントン、リモネン、シトラール、シトロネラール、オイゲノールアセテート等を挙げることができる。
【0025】
本発明の貼付剤に配合できるインドメタシン以外の薬効成分としては、例えばサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸とその誘導体、フルフェナム酸とその誘導体、ブフェキサマク、イブフェナック、アルクロフェナック、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、1−メントール、dl−カンフル、クロタミトン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、チモール、酢酸トコフェロール、ノニル酸ワニリルアミド、ナプロキセン、ピロキシカム、カプサイシンや、更にはオオバク等の生薬末や、トウガラシエキス、アロエエキス等の生薬軟エキス、オオバク乾燥エキス等の生薬乾燥エキス、センブリ流エキス等の生薬流エキス、アルニカチンキ等の生薬チンキ、ハッカ油、ケイ皮油等の精油などが挙げられる。
【0026】
貼付剤として用いる場合には、温感付与成分・清涼化剤を加えることが可能である。配合可能な温感付与物質としては、例えば、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド、ジヒドロキシカプサイシン、カプサンチン等のカプサイシン類似体、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、トウガラシ末などのトウガラシ由来の温感付与物質、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニリルアミド、ノニル酸ワニリルアミドなどが挙げられる。また、清涼化剤としては、カンフル、チモール、メントール、およびN−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテル等のメントール誘導体などが挙げられる。
【0027】
保湿剤としては、例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール等を挙げることができる。
【0028】
乳化剤としては、例えばジグリセリンモノステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)(10)グリセリルモノオレエート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、POE(25)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸(エステル)塩、脂肪酸石けん、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキルアンモニウム塩、酢酸ベタイン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ビタミン誘導体、グリチルリチン酸,グリチルレチン酸及びこれらの誘導体等が挙げられ、具体的にはソルビタンモノオレート、グリセリルモノオレート、デカグリセリルモノオレート、ジグリセリルジオレート、ヘキサグリセリルモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(60)ソルビットテトラオレート、POE(40)モノステアレート、POE(10)オレイルエーテル、POE(10)ノニルフェニルエーテル、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、ラウリル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル酢酸ナトリウム、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、卵黄、レシチン、イミダゾリニウムベタイン、セバシン酸ジエチル等が挙げられる。防腐剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、硫酸オキシキノリン、クレゾール、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0029】
本発明のインドメタシン貼付剤は、例えば湿布シートとして使用する場合は、上記必須成分及び必要に応じて上記任意成分を適宜配合して公知の方法で均一になるまで混練することによってペースト状に調製し、これを紙、編布、織布、不織布、プラスチックフィルム等のバッキングに均一に展延し、必要によりポリエチレン等のプラスチックフィルム(フェイシング)で展延面を覆い、適当な大きさに裁断し製品とする。
【0030】
本発明のインドメタシン貼付剤は、公知のインドメタシン貼付剤と同様にして用いることにより、インドメタシンが速やかに且つ持続的に経皮吸収され、このような優れた経皮吸収性によって充分な薬効を得ることができ、皮膚刺激性に問題がなく、使用性にも優れる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、主薬として配合されたインドメタシンの有効性が高く、且つ使用感に優れたインドメタシン貼付剤が得られる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0033】
〔実施例1〜14、比較例1〜8〕
表1,2に示す各成分を常法に従いへンシェルミキサーにより混合撹拌して貼付剤を調製し、これを直ちに1枚(140×100mm)当り14gとなるように伸縮性不織布に展延、裁断して実施例及び比較例の湿布シートを製造して、下記評価を行った。結果を表1,2に併記する。なお、表1,2において、PEGはポリエチレングリコール、POEはポリオキシエチレン、EDTAはエデト酸を示す。
【0034】
<血中濃度測定>
ウィスター系雄性ラット(5〜6週齢)10匹を一群として実験に供した。ラットは実験前日に背部を剃毛した。実験当日、剃毛した部分に5×8cmの大きさとした湿布シートを貼った後、個別ケージで飼育した。試料を適用後、2時間後及び8時間後にラットの血液を採取した。採取した血液は、常法に従って高速液体クロマトグラフィー分析に供し、予め定めておいた検量線よりインドメタシンの血中濃度を算出した。速効性は、試料適用後2時間後の血中濃度により評価した。また、持続性においては試料適用後8時間後の血中濃度により評価した。
【0035】
<皮膚刺激性試験>
雄性のウサギを試験に供した。検体投与前に、健康状態が良好なウサギを選択し、背部をバリカンで除毛後、10匹を使用動物として選定した。
【0036】
試料を2.5×2.5cmの大きさにカットし、ウサギの除毛背部に貼付し、24時間後に検体を除去した。
【0037】
皮膚反応の観察は、検体除去した後24時間後に行った。判定は以下に示す判定基準に従って評点をつけ、平均値を算出した。皮膚刺激性の平均点が4.0以上において使用感が良好と判断した。
【0038】
判定基準
Figure 0004054936
【0039】
【表1】
Figure 0004054936
【0040】
【表2】
Figure 0004054936
【0041】
表1,2の結果によれば、本発明のインドメタシン貼付剤を使用した実施例1〜14の湿布シートは、いずれも適用2時間後にはインドメタシン1重量%配合では13.1μg/ml以上、0.5重量%配合では7.3μg/ml以上、0.3重量%配合では5.0μg/ml以上、0.1重量%配合では3.6μg/ml以上のインドメタシン血中濃度を示し、更に8時間後にはそれぞれ26.7μg/ml以上、14.9μg/ml以上、10.0μg/ml以上、7.5μg/ml以上の血中濃度を示し、インドメタシンが速やかに経皮吸収され、また、その持続性にも優れていることから、インドメタシンの経皮吸収性(速効性及び持続性)に優れているのみならず、皮膚刺激性も問題がなく、使用感に優れていることが認められる。これに対して、湿布剤の含水率が60%未満である比較例2,4の湿布シート場合、インドメタシンの経皮吸収性に劣るのみならず、皮膚刺激性にも劣り、また、ポリエチレングリコールを欠く比較例1,3の湿布シートの場合、インドメタシンの経皮吸収性に劣ることが認められ、更に、硬化剤が水溶性高分子化合物を金属架橋し得るものではなく、水溶性高分子化合物を金属架橋した水性ゲルが含有されていない比較例5〜8の湿布シートの場合、皮膚刺激性に劣ることが認められる。

Claims (1)

  1. インドメタシンと、ポリエチレングリコールと、水溶性高分子化合物と、該水溶性高分子化合物を金属架橋する架橋剤とを含有すると共に、含水率が60重量%以上であることを特徴とするインドメタシン貼付剤。
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