JP4054978B2 - レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(1)酸発生剤として特定のスルホン酸を発生するオニウム塩を含有することを特徴とする波長200nm以下、特にはArFエキシマレーザー、F2レーザー、EUV、X線、EB用レジスト材料、及び(2)このレジスト材料を用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められているなか、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィー及び真空紫外線リソグラフィーが有望視されている。中でもArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーは、0.13μm以下の超微細加工に不可欠な技術として、F2レーザー光を光源としたフォトリソグラフィーは、0.1μm以下の加工技術としてその実現が切望されている。
【0003】
ArFエキシマレーザー光を光源としたフォトリソグラフィーでは、精密かつ高価な光学系材料の劣化を防ぐために、少ない露光量で十分な解像性を発揮できる、感度の高いレジスト材料が求められている。高感度レジスト材料を実現する方策としては、各組成物として波長193nmにおいて高透明なものを選択するのが最も一般的である。例えばベース樹脂については、ポリアクリル酸及びその誘導体、ノルボルネン−無水マレイン酸交互重合体、ポリノルボルネン及びメタセシス開環重合体等が提案されており、樹脂単体の透明性を上げるという点ではある程度の成果を得ている。しかしながら、酸発生剤については、透明性を上げると酸発生効率が下がって結果的に低感度になったり、あるいは熱安定性や保存安定性を欠くものになってしまったりと、未だ実用に足るものが得られていないのが現状である。
【0004】
例えば、特開平7−25846号公報、特開平7−28237号公報、特開平8−27102号公報等において提案されているアルキルスルホニウム塩は、非常に透明性が高い一方で酸発生効率が十分でなく、また熱安定性にも難があり、好適でない。特開平10−319581号公報等において提案されているアルキルアリールスルホニウム塩は、透明性と酸発生効率とのバランスがよくて高感度であるものの、熱安定性、保存安定性に欠ける。KrFエキシマレーザー光を用いたフォトリソグラフィーで有効だったアリールスルホニウム塩は、酸発生効率、熱安定性、保存安定性には優れるものの透明性が著しく低く、現像後のパターンは激しいテーパー形状となる。透明性を補うためにレジスト膜を薄膜化する方策もあるが、この場合レジスト膜のエッチング耐性を著しく低下させることになるので、パターン形成方法として好適ではない。
【0005】
光酸発生剤として広く用いられているオニウム塩は、アルキル基又はアリール基と結合したスルホニウムあるいはヨードニウムカチオンとアニオンとの中和塩からなる。光照射によりカチオンが分解し、アニオンが酸を放出するのである。前記例示はオニウム塩のカチオン側の構造が例示されているが、解像性やパターン形状において、発生する酸、即ちアニオンの種類と酸不安定基の種類は密接な関係があることが報告されている。例えば、KrFリソグラフィー用のポリヒドロキシスチレン及びポリヒドロキシスチレン/(メタ)アクリレート共重合ベースのレジストにおいて、酸の種類を変えた検討が数多く報告されている。例えば、USPatent5744537号においては、カンファースルホン酸を発生する酸発生剤を添加したときに良好なパターン形状を得ることができるということが報告されている。しかしながら、脂環式構造をもつArF、F2用ポリマーにおいては酸脱離の反応性が低く、ポリヒドロキシスチレン及びポリヒドロキシスチレン/(メタ)アクリレート共重合体と酸脱離基が同じであっても、カンファースルホン酸では脱離反応が進行しない。
【0006】
オニウム塩のアニオン側としては、主に酸性度が高いフッ素化アルキルスルホン酸が適用されている。フッ素化アルキルスルホン酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ヘキサデカフルオロオクタンスルホン酸が挙げられる。また、フッ素置換あるいはフッ素アルキル置換したアリールスルホン酸も挙げられる。具体的には4−フルオロベンゼンスルホン酸、3−ベンゼンスルホン酸、2−ベンゼンスルホン酸、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,3−ジフルオロベンゼンスルホン酸、3,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,6−ジフルオロベンゼンスルホン酸、3,5−ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,3,4−トリフルオロベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリフルオロベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホン酸、2,3,4,5,6ペンタフルオロベンゼンスルホン酸、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、5−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、6−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、4−トリフルオロメチルナフチル−2−スルホン酸などが挙げられる。
【0007】
一方、微細化の促進とともに、ラインエッジラフネスと孤立パターンと密集パターンの寸法差(I/Gバイアス)が問題になってきている。マスク上の寸法が同じであっても、現像後の密集パターンと孤立パターンに寸法差が生じることは従来からよく知られている。特に波長を超える寸法において、上記問題が深刻である。これは、密集パターンと孤立パターンの像形成における光干渉の違いにより、光学強度が異なるためである。例えば、図1に波長248nm、NA0.6、σ0.75の光学条件で、0.18ミクロンの繰り返しラインのピッチを横軸にして変化させたときのラインの寸法を縦軸として示す。0.36ミクロンピッチ(0.18ミクロンライン、0.18ミクロンスペース)でライン寸法が0.18ミクロンになるように規格化すると、光学像の寸法が、ピッチの拡大とともに一旦細くなって太くなっていく。
【0008】
次に現像後のレジストライン寸法を求めた結果も示す。レジスト寸法と光学像の寸法はKLA−テンコール社(旧フィンリ社)から販売されているシミュレーションソフトウェアPROLITH2Ver.6.0を用いた。レジスト寸法は、ピッチの拡大とともに細くなり、更に酸拡散の増大によってますます細くなっていく。密集パターンに比べて孤立パターンの寸法が細くなる粗密依存性の問題が深刻化している。粗密依存性を小さくする方法として酸拡散距離を小さくする方法が有効であることは、上記シミュレーション結果から理解できる。
【0009】
しかしながら、酸拡散を小さくしすぎると、現像後のレジストパターンの側壁が、定在波による凹凸や肌荒れが起きたり、ラインエッジラフネスが大きくなる問題が生じる。例えば、前述KLA−テンコール社シミュレーションソフトウエアPROLITHVer.6.0を用いてSi基板上、酸拡散距離を変化させたときの0.18μmラインアンドスペースパターンのレジスト断面形状計算結果を図2に示す。酸拡散距離が小さいほど定在波による側壁の凹凸が顕著になることが示されている。上空SEMから観察されるラインエッジラフネスについても同様の傾向を示し、すなわち酸拡散が小さい場合ほどラインエッジラフネスが増大する。ラインのラフネスを小さくするためには酸拡散距離を増大させる方法が一般的だが、これではこれ以上の粗密依存性を改善することができない。ラインエッジラフネスを改善する方法として、光のコントラストを向上させる方法が挙げられる。例えば、同一露光波長であればライン幅の寸法が大きいほどラインエッジラフネスが小さくなるし、同一露光波長、同一寸法であっても、ステッパーのNAが高いほど、繰り返しパターンの場合では通常照明より変形照明(例えば輪帯照明、4重極照明)、通常Crマスクよりは位相シフトマスクの方がラインエッジラフネスが小さくなる。パターンのラインエッジのコントラストとラインエッジラフネスは相関があり、ラインエッジコントラストが急峻なほどラインエッジラフネスが小さくなる。また、露光波長においては短波長の方がラインエッジラフネスが小さい。しかしながら、KrF露光とArF露光におけるラインエッジラフネスを比較した場合、ArF露光の方が波長が短い分だけ光学コントラスト的には有利なはずであるが、実際にはKrF露光の方が優れているという報告がある(SPIE 3999,264、(2001))。これはKrFとArFレジスト材料の性能差によるものであり、特に、ArF露光における材料起因のラインエッジラフネスは深刻であることを示し、ラインエッジラフネスを改善しつつ、同時に疎密依存性を劣化させない酸発生剤が望まれているのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、(1)ArFエキシマレーザー及びF2レーザー光に対して高感度、高解像でラインエッジラフネスが小さく、かつ熱安定性、保存安定性に優れる酸発生剤を含有する高解像性レジスト材料、及び(2)該レジスト材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、パーフルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤、特に下記一般式(1)で示されるオニウム塩がArFエキシマレーザー光及びF2レーザーに対して高感度であり、かつ十分な熱安定性と保存安定性を有していること、このものを配合したレジスト材料が高解像性を有し、かつラインエッジラフネスと疎密依存性を改善することができ、精密な微細加工に極めて有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0012】
即ち、本発明は下記のレジスト材料及びパターン形成方法を提供する。
請求項1:
芳香族置換基を含まない高分子構造体であるベース樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有してなるレジスト材料において、上記ベース樹脂がフッ素原子を含有する高分子構造体であり、上記酸発生剤が、フルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤を含有することを特徴とするポジ型レジスト材料。
請求項2:
フルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤が、下記一般式(1)で示されるオニウム塩であることを特徴とする請求項1記載のレジスト材料。
(R01)bM+ Rf1−O−Rf2SO3 - (1)
(但し、Rf1は少なくとも1個のフッ素原子を含む炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基又はアリール基を含んでいてもよい。Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基であり、水素原子の全部がフッ素原子で置換されている。R01は同一又は異種の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ハロゲン原子、カルボニル基、エステル基、チオエーテル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Mはヨードニウム又はスルホニウムを表し、bは2又は3である。)
請求項3:
一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(2)で示されるオニウム塩であることを特徴とする請求項2記載のレジスト材料。
(R01)bM+ CF3CF2−O−CF2CF2SO3 - (2)
(ここでR01、M、bは前述の通りである。)
請求項4:
一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(3)で示されるオニウム塩であることを特徴とする請求項2記載のレジスト材料。
(R01)bM+ R02−O−Rf3−O−CF2CF2SO3 - (3)
(ここでR01、M、bは前述の通りであり、R02は水素原子、又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、フッ素原子を含んでいてもよい。Rf3は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等の2価の炭化水素基であり、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであってもよい。)
請求項5:
芳香族置換基を含まない高分子構造体であるベース樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有してなるレジスト材料において、上記酸発生剤が、下記一般式(2−1)又は(2−2)で示される、パーフルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生するオニウム塩を含有することを特徴とするポジ型レジスト材料。
【化60】
(式中、RA11、RA12は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のエステル基、カルボニル基又はラクトン環を含むアルキル基である。RA14、RA15は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はラクトン環を含んでいてもよい。a,bは0〜5の整数である。)
請求項6:
芳香族置換基を含まない高分子構造体であるベース樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有してなるレジスト材料において、上記酸発生剤が、下記一般式(3−1)又は(3−2)で示される、フルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生するオニウム塩を含有することを特徴とするポジ型レジスト材料。
【化61】
(ここで、R02は水素原子、又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、フッ素原子を含んでいてもよい。Rf3は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等の2価の炭化水素基であり、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであってもよい。
また、RA11、RA12は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のエステル基、カルボニル基又はラクトン環を含むアルキル基である。RA14、RA15は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はラクトン環を含んでいてもよい。a,bは0〜5の整数である。)
請求項7:
ベース樹脂が、ポリアクリル酸及びその誘導体、シクロオレフィン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元以上の共重合体、シクロオレフィン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体の3あるいは4元以上の共重合体、ポリノルボルネン、並びにメタセシス開環重合体から選択される1種又は2種以上の高分子重合体であることを特徴とする請求項5又は6記載のレジスト材料。
請求項8:
ベース樹脂が、珪素原子を含有する高分子構造体であることを特徴とする請求項5又は6記載のレジスト材料。
請求項9:
請求項1〜8のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料において、ベース樹脂が、現像液に不溶あるいは難溶であって、酸によって現像液に可溶となるものであることを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
請求項10:
更に、塩基性化合物を添加してなることを特徴とする請求項9記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
請求項11:
更に、溶解阻止剤を含有することを特徴とする請求項9又は10記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
請求項12:
請求項1乃至11のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して波長200nm以下の高エネルギー線で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【0013】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明のレジスト材料は、ベース樹脂、酸発生剤、溶剤を含有してなるものであり、この場合、酸発生剤として、波長200nm以下の高エネルギー線を照射したときに、パーフルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生するものを使用する。
【0014】
このような酸発生剤としては、下記一般式(1)で示されるオニウム塩が好適に用いられる。
(R01)bM+ Rf1−O−Rf2SO3 - (1)
【0015】
ここで、Rf1は少なくとも1個、好ましくは2〜20個のフッ素原子を含む炭素数1〜20、特に2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基(−OH)、カルボニル基(=C=O)、エステル基(−COO−)、エーテル基(−O−)又はフェニル基、キシリル基、トリル基等の炭素数6〜12のアリール基を含んでいてもよい。Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等の2価の炭化水素基であり、その水素原子の全部がフッ素原子で置換されている。
【0016】
R01は同一又は異種の炭素数1〜20、特に1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ハロゲン原子、カルボニル基(=C=O)、エステル基(−COO−)、チオエーテル基(−S−)又はエーテル基(−O−)等を含んでいてもよい。また、R01はフェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12、特に6〜10のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜20、特に7〜12のアラルキル基であってもよい。Mはヨードニウム又はスルホニウムを示し、bはMがヨードニウムの場合は2、Mがスルホニウムの場合は3である。
【0017】
上記一般式(1)において、Rf1としては、炭素数1〜20、特に2〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基、該基の水素原子又はフッ素原子の一部がヒドロキシ基(OH基)で置換された基、又はR02−O−Rf3−基(式中、R02は水素原子、又は炭素数1〜18、特に1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜18、特に6〜10のアリール基、又は炭素数7〜18、特に7〜12のアラルキル基を示し、またこれらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであってもよい。Rf3は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等の2価の炭化水素基であり、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよく、好ましくはCF2CF2である。)であることが好ましく、またRf2としては、CF2CF2が好ましい。
【0018】
具体的には、一般式(1)におけるスルホン酸アニオンは、分子内に少なくとも1個以上のエーテル結合を持つフルオロアルキルスルホン酸であり、下記のものを例示することができる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
従って、上記式(1)のオニウム塩としては、特に下記一般式(2)又は(3)で示されるものが好ましい。
(R01)bM+ CF3CF2−O−CF2CF2SO3 - (2)
(R01)bM+ R02−O−Rf3−O−CF2CF2SO3 - (3)
(R01、M、b、R02、Rf3は上記の通りである。)
【0022】
本発明のオニウム塩は発生する酸の構造すなわちアニオン側を限定するものであるが、カチオン側は特に限定しない。一般式(1)においてMはヨードニウム又はスルホニウムであり、一般式(1)は一般式(4)、(5)で表すことができる。
【0023】
【化3】
【0024】
ここで、R03、R04、R05は同一又は異種の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ハロゲン原子、カルボニル基、エステル基、チオエーテル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であり、R03とR04、R04とR05、R03とR05がそれぞれ結合して環を形成してもよい。R06とR07は同一又は異種の炭素数6〜20のアリール基であり、R06とR07がそれぞれ結合して環を形成してもよい。なお、アリール基としては、フェニル基、キシリル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が例示される。
【0025】
一般式(4)あるいは(5)の化合物としては、具体的に下記構造のものを例示することができる。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
ここで、RA11、RA12、RA13は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のエステル基、カルボニル基又はラクトン環を含むアルキル基である。RA14、RA15、RA16は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基、ラクトン環を含んでいてもよく、RA17はメチレン基、RA18は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、RA17とRA18が結合して環を形成してもよい。a、b、cは0〜5の整数である。
【0032】
上記式(1)のオニウム塩の配合量は、後述するベース樹脂100部(重量部、以下同様)に対して0.1〜15部、特に0.5〜8部である。配合量が少なすぎると低感度となり、多すぎると透明性が低下し、レジスト材料の解像性能が低下することがある。
【0033】
本発明のレジスト材料において、ベース樹脂としては、芳香族置換基を含まないものが用いられ、ポリアクリル酸及びその誘導体、シクロオレフィン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元以上の共重合体、シクロオレフィン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元以上の共重合体、あるいはポリノルボルネン及びメタセシス開環重合体から選択される1種又は2種以上の高分子重合体であり、特に下記一般式(6)で示される繰り返し単位を有する重量平均分子量1,000〜500,000、好ましくは5,000〜100,000の高分子化合物であることが好ましく、上記高分子重合体の二つ以上をブレンドすることもできる。
【0034】
この場合、レジスト材料を化学増幅ポジ型に調製するには、ベース樹脂は、現像液(通常、アルカリ現像液)に不溶又は難溶であって、酸によって現像液に可溶となるものが使用される。このため、酸によって開裂し得る酸不安定基を有するものが用いられる。
【0035】
【化9】
【0036】
ここで、R001は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はCH2CO2R003を示す。R002は水素原子、メチル基又はCO2R003を示す。R003は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等を例示できる。R004は水素原子又は炭素数1〜15のカルボキシ基又は水酸基を含有する1価の炭化水素基(好ましくは直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基)を示し、具体的にはカルボキシエチル、カルボキシブチル、カルボキシシクロペンチル、カルボキシシクロヘキシル、カルボキシノルボルニル、カルボキシアダマンチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシシクロペンチル、ヒドロキシシクロヘキシル、ヒドロキシノルボルニル、ヒドロキシアダマンチル等が例示できる。R005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15のカルボキシ基又は水酸基を含有する1価の炭化水素基(好ましくは直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基)、あるいはβ位にフッ素原子あるいはフッ素化されたアルキル基を持つヒドロキシ基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はフッ素化されたアルキル基を示す。炭素数1〜15のカルボキシ基又は水酸基を含有する1価の炭化水素基としては、具体的にはカルボキシ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシブチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、2−カルボキシエトキシカルボニル、4−カルボキシブトキシカルボニル、2−ヒドロキシエトキシカルボニル、4−ヒドロキシブトキシカルボニル、カルボキシシクロペンチルオキシカルボニル、カルボキシシクロヘキシルオキシカルボニル、カルボキシノルボルニルオキシカルボニル、カルボキシアダマンチルオキシカルボニル、ヒドロキシシクロペンチルオキシカルボニル、ヒドロキシシクロヘキシルオキシカルボニル、ヒドロキシノルボルニルオキシカルボニル、ヒドロキシアダマンチルオキシカルボニル等が例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的にはR003で例示したものと同様のものが例示できる。R005〜R008は互いに環を形成していてもよく、その場合にはR005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15のカルボキシ基又は水酸基を含有する2価の炭化水素基(好ましくは直鎖状又は分岐状のアルキレン基)を示し、残りはそれぞれ独立に単結合又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基を示す。炭素数1〜15のカルボキシ基又は水酸基を含有する2価の炭化水素基としては、具体的には上記カルボキシ基又は水酸基を含有する1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基としては、具体的にはR003で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。R009は炭素数3〜15の−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基を示し、具体的には2−オキソオキソラン−3−イル、4,4−ジメチル−2−オキソオキソラン−3−イル、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル等を例示できる。R010〜R013の少なくとも1個は炭素数2〜15の−CO2−部分構造あるいはスルホン又はスルホンアミドを含有する1価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基としては、具体的には2−オキソオキソラン−3−イルオキシカルボニル、4,4−ジメチル−2−オキソオキソラン−3−イルオキシカルボニル、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イルオキシカルボニル、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルオキシカルボニル、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イルオキシカルボニル等を例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的にはR003で例示したものと同様のものが例示できる。R010〜R013は互いに環を形成していてもよく、その場合にはR010〜R013の少なくとも1個は炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する2価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する2価の炭化水素基としては、具体的には1−オキソ−2−オキサプロパン−1,3−ジイル、1,3−ジオキソ−2−オキサプロパン−1,3−ジイル、1−オキソ−2−オキサブタン−1,4−ジイル、1,3−ジオキソ−2−オキサブタン−1,4−ジイル等の他、上記−CO2−部分構造を含有する1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状、環状のアルキレン基としては、具体的にはR003で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。R014は炭素数7〜15の多環式炭化水素基又は多環式炭化水素基を含有するアルキル基を示し、具体的にはノルボルニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、アダマンチル、エチルアダマンチル、ブチルアダマンチル、ノルボルニルメチル、アダマンチルメチル等を例示できる。R015は酸不安定基を示す。R016はメチレン、酸素原子を示す。R017は存在しないか、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、ヒドロキシ、アルコキシ基、アセチル基などのヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい。R018は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。kは0又は1である。a1、a2、a3、b1、b2、b3、c1、c2、c3、d1、d2、d3、eは0以上1未満の数である。
【0037】
R015の酸不安定基としては、具体的には下記一般式(L1)〜(L5)で示される基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
【0038】
【化10】
【0039】
式中、RL01、RL02は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等を例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい1価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
【0040】
【化11】
【0041】
RL01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
【0042】
RL04は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(L1)で示される基を示し、三級アルキル基として具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が挙げられ、トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられ、オキソアルキル基として具体的には、3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−5−オキソオキソラン−4−イル基等が挙げられる。aは0〜6の整数である。
【0043】
RL05は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等を例示でき、置換されていてもよいアリール基として具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等を例示できる。mは0又は1、nは0、1、2、3のいずれかであり、2m+n=2又は3を満足する数である。
【0044】
RL06は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはRL05と同様のものが例示できる。RL07〜RL16はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい1価の炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたものを例示できる。RL07〜RL16は互いに環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基を示し、上記1価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等を例示できる。また、RL07〜RL16は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15等)。
【0045】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
【0046】
【化12】
【0047】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
【0048】
上記式(L2)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
【0049】
上記式(L3)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル等が例示できる。
上記式(L4)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
【0050】
【化13】
【0051】
また、R015の酸不安定基の三級アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基としては、先に例示したものを挙げることができる。
上記式(L5)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
【0052】
【化14】
【0053】
また、酸不安定基として、次に示す珪素含有酸不安定基を用いることができる。
【化15】
【0054】
ここで、R1、R2は水素原子、又は炭素数1〜20のアルキル基、R3、R4、R5は同一又は異種の炭素数1〜20のアルキル基、ハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、トリアルキルシリル基、あるいは式中の珪素原子とシロキサン結合又はシルエチレン結合で結合している珪素含有基である。R1とR2は結合して環を形成してもよい。
上記式(A−4)、(A−5)、(A−6)の基として具体的には下記に示すものを挙げることができる。
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
また、一般式(A−7)あるいは(A−8)で表される環状の珪素含有酸不安定基を用いることもできる。
【0058】
【化18】
【0059】
ここで、R1、R13は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R2、R3、R6、R7、R10、R11、R12は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R4、R5、R8、R9は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フッ素化した炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基、p、q、r、sは0〜10の整数、1≦p+q+s≦20である。具体的には、下記のものを例示することができる。
【0060】
【化19】
【0061】
【化20】
【0062】
ここで、a1、b1で表される繰り返し単位は、親水性の密着性基を含むものであり、下記式(6)−1〜(6)−40に例示されるものが挙げられる。
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
式中、R14は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、R15は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基である。
【0066】
ここで、式(6)中のa2、b2で表される繰り返し単位は、親水性の密着性基を含むものであり、下記式(7)−1〜(7)−54に例示されるものが挙げられる。なお、下記式(7)−1〜(7)−54において、nは0又は1である。
【0067】
【化24】
【0068】
【化25】
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】
【化28】
【0072】
なお、本発明でベース樹脂として用いられる高分子構造体において、a1、a2、a3、b1、b2、b3、c1、c2、c3、d1、d2、d3、eに挙げられる以外の繰り返し単位と共重合させることもできる。例えば下記式(8)−1〜(8)−8に挙げられるフッ素化された無水マレイン酸、フッ素化マレイミド、あるいはビニルエーテル誘導体、アリルエーテル誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルラクトン誘導体などが挙げられる。
【0073】
【化29】
【0074】
また、ベース樹脂としては、珪素原子を含有する高分子構造体であってもよく、この場合、珪素原子含有の繰り返し単位は下記式(9)−1〜(9)−5に示すものを挙げることができる。なお、その重量平均分子量は、3,000〜100,000の範囲であることが望ましい。
【0075】
【化30】
【0076】
ここで、R20は水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基であり、R21は単結合、あるいは炭素数1〜10のアルキレン基等の2価の炭化水素基、R22、R23、R24は同一又は異種の水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、フッ素原子を含むアルキル基、又は珪素原子を含む炭化水素基、あるいはシロキサン結合を含む基であり、R22とR23、R23とR24あるいはR22とR24がそれぞれ結合して環を形成してもよい。
例えば、式(9)−5をより具体的に例示すると、下記式(10)−1〜(10)−18で示されるものが挙げられ、式(9)−1〜(9)−4における−R21−SiR22R23R24は、式(10)−1〜(10)−18におけるものと同様のものを例示することができる。
【0077】
【化31】
【0078】
【化32】
【0079】
【化33】
【0080】
また、上記高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
【0081】
更には、ベース樹脂としてフッ素原子を含有する高分子構造体を用いることができる。フッ素原子含有の繰り返し単位は下記式(11)−1〜(11)−7で示すことができる。なお、その重量平均分子量は、3,000〜100,000の範囲であることが望ましい。
【0082】
【化34】
【0083】
ここで、一般式(11)−1〜(11)−7中、R30、R31、R32は同一又は異種の水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であるが、R30〜R32の内少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。R33、R38、R42、R44は同一又は異種の水素原子、酸不安定基、又は密着性基である。R34、R35、R36は同一又は異種の水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であるが、R34〜R36の内少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。R38、R43はそれぞれ水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であり、R40、R41は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフッ素化されたアルキル基であり、R40とR41に少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。R45、R46、R47、R48は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はフッ素化されたアルキル基であり、R45、R46、R47、R48の内少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。R49、R50、R51、R52は水素原子、フッ素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基であるが、R49〜R52の内少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。
【0084】
本発明のレジスト材料には、パーフルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤、特に上記一般式(1)で示されるスルホニウム塩、ヨードニウム塩とは異なる従来から提案された酸発生剤を配合することができる。
【0085】
酸発生剤として配合する化合物としては、
i.下記一般式(P1a−1)、(P1a−2)又は(P1b)のオニウム塩、
ii.下記一般式(P2)のジアゾメタン誘導体、
iii.下記一般式(P3)のグリオキシム誘導体、
iv.下記一般式(P4)のビススルホン誘導体、
v.下記一般式(P5)のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル、
vi.β−ケトスルホン酸誘導体、
vii.ジスルホン誘導体、
viii.ニトロベンジルスルホネート誘導体、
ix.スルホン酸エステル誘導体
等が挙げられる。
【0086】
【化35】
(式中、R101a、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基等によって置換されていてもよい。また、R101bとR101cとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101b、R101cはそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。K-は(1)、(2)、(3)以外の非求核性対向イオンを表す。)
【0087】
上記R101a、R101b、R101cは互いに同一であっても異なっていてもよく、具体的にはアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。オキソアルキル基としては、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられ、2−オキソプロピル基、2−シクロペンチル−2−オキソエチル基、2−シクロヘキシル−2−オキソエチル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−オキソエチル基等を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等や、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基等のアルキルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基等のアルコキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基等のジアルキルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基等のジアルコキシナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等が挙げられる。アリールオキソアルキル基としては、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等の2−アリール−2−オキソエチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
【0088】
【化36】
(式中、R102a、R102bはそれぞれ炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R103は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示す。R104a、R104bはそれぞれ炭素数3〜7の2−オキソアルキル基を示す。K-は非求核性対向イオンを表す。)
【0089】
上記R102a、R102bとして具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。R103としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロオクチレン基、1,4−シクロヘキサンジメチレン基等が挙げられる。R104a、R104bとしては、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基、2−オキソシクロヘプチル基等が挙げられる。K-は式(P1a−1)及び(P1a−2)で説明したものと同様のものを挙げることができる。
【0090】
【化37】
(式中、R105、R106は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。)
【0091】
R105、R106のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0092】
【化38】
(式中、R107、R108、R109は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン化アリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示す。R108、R109は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R108、R109はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状、分岐状のアルキレン基を示す。)
【0093】
R107、R108、R109のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R105、R106で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R108、R109のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
【0094】
【化39】
(式中、R101a、R101bは上記と同じである。)
【0095】
【化40】
(式中、R110は炭素数6〜10のアリーレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数2〜6のアルケニレン基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、ニトロ基、アセチル基、又はフェニル基で置換されていてもよい。R111は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は置換のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部は更に炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基;炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基;炭素数3〜5のヘテロ芳香族基;又は塩素原子、フッ素原子で置換されていてもよい。)
【0096】
ここで、R110のアリーレン基としては、1,2−フェニレン基、1,8−ナフチレン基等が、アルキレン基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−フェニル−1,2−エチレン基、ノルボルナン−2,3−ジイル基等が、アルケニレン基としては、1,2−ビニレン基、1−フェニル−1,2−ビニレン基、5−ノルボルネン−2,3−ジイル基等が挙げられる。R111のアルキル基としては、R101a〜R101cと同様のものが、アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基等が、アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、ヘキシロキシメチル基、ヘプチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチロキシエチル基、ヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基等が挙げられる。
【0097】
なお、更に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又はアセチル基で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリル基、p−tert−ブトキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−ニトロフェニル基等が、炭素数3〜5のヘテロ芳香族基としては、ピリジル基、フリル基等が挙げられる。
【0098】
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、エチレンビス[メチル(2−オキソシクロペンチル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート]、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン、ビストリフルオロメチルスルホニルメタン、ビスメチルスルホニルメタン、ビスエチルスルホニルメタン、ビスプロピルスルホニルメタン、ビスイソプロピルスルホニルメタン、ビス−p−トルエンスルホニルメタン、ビスベンゼンスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−オクタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−クロロエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−ナフタレンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシマレイミドエタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−2−フェニルマレイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシグルタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシフタルイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドp−トルエンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等が挙げられるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリナフチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(2−ノルボニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、1,2’−ナフチルカルボニルメチルテトラヒドロチオフェニウムトリフレート等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、ビスナフチルスルホニルメタン等のビススルホン誘導体、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド2−プロパンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミド1−ペンタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドp−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル等のN−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体が好ましく用いられる。なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オニウム塩は矩形性向上効果に優れ、ジアゾメタン誘導体及びグリオキシム誘導体は定在波低減効果に優れるため、両者を組み合わせることによりプロファイルの微調整を行うことが可能である。
【0099】
上記酸発生剤の添加量は、上記パーフルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤、特に式(1)のオニウム塩との合計量として、ベース樹脂100部に対して好ましくは0.1〜15部、より好ましくは0.5〜8部である。0.1部より少ないと低感度となり、15部より多いと透明性が低下し、レジスト材料の解像性能が低下することがある。
【0100】
本発明で使用される有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノールの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0101】
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100部に対して200〜1,000部、特に400〜800部が好適である。
【0102】
本発明のレジスト材料には、更に溶解阻止剤を添加することができる。溶解阻止剤としては、平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で又は分子内にカルボキシ基を有する化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基により全体として平均80〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
【0103】
なお、フェノール性水酸基又はカルボキシ基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基又はカルボキシ基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。
【0104】
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシ基を有する化合物としては、下記式(D1)〜(D14)で示されるものが好ましい。
【0105】
【化41】
(但し、式中R201、R202はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R203は水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R207)hCOOHを示す。R204は−(CH2)i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R205は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R206は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はそれぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。R207は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R208は水素原子又は水酸基を示す。jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(D8)、(D9)の化合物の分子量を100〜1,000とする数である。)
【0106】
上記式中R201、R202としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、R203としては、例えばR201、R202と同様なもの、あるいは−COOH、−CH2COOH、R204としては、例えばエチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等、R205としては、例えばメチレン基、あるいはR204と同様なもの、R206としては例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0107】
ここで、溶解阻止剤の酸不安定基としては、下記一般式(L1)〜(L5)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数がそれぞれ1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
【0108】
【化42】
ここで、RL01〜RL16、a、m、nの定義及び具体例は上記と同様である。
【0109】
上記溶解阻止剤の配合量は、ベース樹脂100部に対し、0〜50部、好ましくは5〜50部、より好ましくは10〜30部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が5部に満たないと解像性の向上がない場合があり、50部を超えるとパターンの膜減りが生じ、解像度が低下する場合がある。
【0110】
なお、上記のような溶解阻止剤は、フェノール性水酸基又はカルボキシ基を有する化合物に対し、有機化学的処方を用いて酸不安定基を導入することにより合成される。
【0111】
更に、本発明のレジスト材料には、塩基性化合物を配合することができる。
塩基性化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0112】
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。
【0113】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0114】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0115】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0116】
更に下記一般式(B)−1で示される塩基性化合物から選ばれる1種又は2種以上を添加することもできる。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
式中、n=1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X)−1〜(X)−3で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。
【0117】
ここでR300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
【0118】
R303は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル、エステル基、ラクトン環を1あるいは複数含んでいてもよい。
【0119】
【化43】
【0120】
上記一般式(B)−1で表される化合物は具体的には下記に例示される。
トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−フォルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンを例示できるが、これらに制限されない。
【0121】
更に下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つ塩基性化合物の1種又は2種以上を添加することもできる。
【0122】
【化44】
(式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基、スルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0123】
式(B)−2として具体的には1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチルで挙げることができる。
【0124】
更に、一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む塩基性化合物を添加することができる
【0125】
【化45】
(式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である。)
【0126】
シアノ基を含む塩基は、具体的には3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
【0127】
上記塩基性化合物の配合量は、酸発生剤1部に対して0.001〜10部、好ましくは0.01〜1部である。配合量が0.001部未満であると添加剤としての効果が十分に得られない場合があり、10部を超えると解像度や感度が低下する場合がある。
【0128】
更に、本発明のレジスト材料には、分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物を配合することができる。
【0129】
分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物としては、例えば下記I群及びII群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本成分の配合により、レジストのPED安定性が向上し、窒化膜基板上でのエッジラフネスが改善されるのである。
[I群]
下記一般式(A1)〜(A10)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R401−COOH(R401は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(A11)〜(A15)で示される化合物。
【0130】
【化46】
(但し、式中R408は水素原子又はメチル基を示す。R402、R403はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R404は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R409)h−COOR’基(R’は水素原子又は−R409−COOH)を示す。R405は−(CH2)i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R406は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R407は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。R409は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R410は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R411−COOH基を示す。R411は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s1、t1、s2、t2、s3、t3、s4、t4はそれぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。κは式(A6)の化合物を重量平均分子量1,000〜5,000とする数である。λは式(A7)の化合物を重量平均分子量1,000〜10,000とする数である。)
【0131】
【化47】
(R402、R403、R411は上記と同様の意味を示す。R412は水素原子又は水酸基を示す。s5、t5は、s5≧0、t5≧0で、s5+t5=5を満足する数である。h’は0又は1である。)
【0132】
本成分として、具体的には下記一般式AI−1〜14及びAII−1〜10で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0133】
【化48】
(R’’は水素原子又はCH2COOH基を示し、各化合物においてR’’の10〜100モル%はCH2COOH基である。α、κは上記と同様の意味を示す。)
【0134】
【化49】
【0135】
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0136】
上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物の添加量は、ベース樹脂100部に対して0〜5部、好ましくは0.1〜5部、より好ましくは0.1〜3部、更に好ましくは0.1〜2部である。5部より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
【0137】
更に、本発明のレジスト材料には、添加剤としてアセチレンアルコール誘導体を配合することができ、これにより保存安定性を向上させることができる。
【0138】
アセチレンアルコール誘導体としては、下記一般式(S1)、(S2)で示されるものを好適に使用することができる。
【0139】
【化50】
(式中、R501、R502、R503、R504、R505はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X、Yは0又は正数を示し、下記値を満足する。0≦X≦30、0≦Y≦30、0≦X+Y≦40である。)
【0140】
アセチレンアルコール誘導体として好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、サーフィノールE1004(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0141】
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、レジスト材料100重量%中0.01〜2重量%、より好ましくは0.02〜1重量%である。0.01重量%より少ないと塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られない場合があり、2重量%より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
【0142】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0143】
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えばシリコンウエハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.3〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜130℃、1〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、ArFエキシマレーザーを露光量1〜100mJ/cm2程度、好ましくは5〜50mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜130℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
【0144】
【発明の効果】
本発明の酸発生剤を添加したレジスト材料は、特に解像性に優れ、孤立パターンと密集パターンの寸法差が小さくかつラインエッジラフネスも小さいという特徴を有する。
【0145】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例]
下記式で示されるスルホニウム塩、ヨードニウム塩(PAG1〜6)について、レジストにした際の感度及び解像性の評価を行った。
【0146】
【化51】
【0147】
[実施例1〜44]レジストの解像性の評価
上記式で示されるスルホニウム塩(PAG1〜6)を酸発生剤として、また下記式で示されるポリマー(Polymer1〜18)をベース樹脂として使用し、下記式で示される溶解阻止剤(DRR1〜4)、塩基性化合物、下記式で示される分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物(ACC1、2)を表に示す組成でFC−430(住友スリーエム製)0.01重量%を含む溶媒中に溶解してレジスト材料を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン製フィルターで濾過することにより、レジスト液をそれぞれ調製した。
【0148】
【化52】
【0149】
【化53】
【0150】
【化54】
【0151】
【化55】
【0152】
【化56】
【0153】
シリコン基板上に反射防止膜溶液(シプレイ社製AR−19)を塗布し、200℃で60秒間ベークして作成した反射防止膜(82nm膜厚)基板上にレジスト溶液をスピンコーティングし、ホットプレートを用いて130℃で60秒間ベークし、300nm膜厚のレジスト膜を作成した。これをArFエキシマレーザーマイクロステッパー(ニコン社製、NA=0.55)を用いて露光し、110℃で90秒間ベーク(PEB)を施し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行った。
【0154】
レジストの評価は、0.20μmのグループのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(Eop、mJ/cm2)として、この露光量における分離しているラインアンドスペースの最小線幅(μm)を評価レジストの解像度とし、同じ露光量のラインアンドスペース1:10の孤立線の線幅を測長して、グループ線の線幅から孤立線の線幅を引いた値を、孤立パターンと密集パターンの寸法差(I/Gバイアス)とした。また、グループラインの凹凸を測定し、ラインエッジラフネスとした。
【0155】
各レジストの組成及び評価結果を表1〜3に示す。なお、表1〜3において、溶剤及び塩基性化合物は下記の通りである。
PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
CyHO:シクロヘキサノン
PG/EL:PGMEA70%と乳酸エチル30%の混合溶剤
TBA:トリブチルアミン
TEA:トリエタノールアミン
TMMEA:トリスメトキシメトキシエチルアミン
TMEMEA:トリスメトキシエトキシメトキシエチルアミン
AAA:トリス(2−アセトキシエチル)アミン
AACN:N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】
【表3】
【0159】
[比較例]
比較のため、下記式で示されるスルホニウム塩(PAG7〜12)について、レジストにした際の感度及び解像性の評価を行った。
【0160】
【化57】
【0161】
[比較例1〜6]
上記式で示されるスルホニウム塩(PAG7〜12)を使用して、上記と同様に表4に示す組成でレジストを調製し、上記と同様に感度及び解像性の評価を行った。
各レジストの組成及び評価結果を表4に示す。
【0162】
【表4】
【0163】
表1〜4の結果より、本発明のレジスト材料が従来品に比べ高感度及び高解像性で保存安定性にも優れていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラインピッチ及び酸拡散距離を変化させた時のライン寸法の変化を示すシミュレーション計算結果である。25〜70nmは酸拡散距離を示す。
【図2】酸拡散距離を18〜70nmに変化させた時のレジスト断面形状のシミュレーション計算結果である。
Claims (12)
- 芳香族置換基を含まない高分子構造体であるベース樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有してなるレジスト材料において、上記ベース樹脂がフッ素原子を含有する高分子構造体であり、上記酸発生剤が、フルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤を含有することを特徴とするポジ型レジスト材料。
- フルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生する酸発生剤が、下記一般式(1)で示されるオニウム塩であることを特徴とする請求項1記載のレジスト材料。
(R01)bM+ Rf1−O−Rf2SO3 - (1)
(但し、Rf1は少なくとも1個のフッ素原子を含む炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基又はアリール基を含んでいてもよい。Rf2は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基であり、水素原子の全部がフッ素原子で置換されている。R01は同一又は異種の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ハロゲン原子、カルボニル基、エステル基、チオエーテル基又はエーテル基を含んでいてもよく、又は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を表し、Mはヨードニウム又はスルホニウムを表し、bは2又は3である。) - 一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(2)で示されるオニウム塩であることを特徴とする請求項2記載のレジスト材料。
(R01)bM+ CF3CF2−O−CF2CF2SO3 - (2)
(ここでR01、M、bは前述の通りである。) - 一般式(1)で示される化合物が、下記一般式(3)で示されるオニウム塩であることを特徴とする請求項2記載のレジスト材料。
(R01)bM+ R02−O−Rf3−O−CF2CF2SO3 - (3)
(ここでR01、M、bは前述の通りであり、R02は水素原子、又は炭素数1〜18の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、フッ素原子を含んでいてもよい。Rf3は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等の2価の炭化水素基であり、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであってもよい。) - 芳香族置換基を含まない高分子構造体であるベース樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有してなるレジスト材料において、上記酸発生剤が、下記一般式(2−1)又は(2−2)で示される、パーフルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生するオニウム塩を含有することを特徴とするポジ型レジスト材料。
- 芳香族置換基を含まない高分子構造体であるベース樹脂、酸発生剤及び溶剤を含有してなるレジスト材料において、上記酸発生剤が、下記一般式(3−1)又は(3−2)で示される、フルオロアルキルエーテルスルホン酸を発生するオニウム塩を含有することを特徴とするポジ型レジスト材料。
また、RA11、RA12は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のエステル基、カルボニル基又はラクトン環を含むアルキル基である。RA14、RA15は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、カルボニル基、エステル基又はラクトン環を含んでいてもよい。a,bは0〜5の整数である。) - ベース樹脂が、ポリアクリル酸及びその誘導体、シクロオレフィン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元以上の共重合体、シクロオレフィン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体の3あるいは4元以上の共重合体、ポリノルボルネン、並びにメタセシス開環重合体から選択される1種又は2種以上の高分子重合体であることを特徴とする請求項5又は6記載のレジスト材料。
- ベース樹脂が、珪素原子を含有する高分子構造体であることを特徴とする請求項5又は6記載のレジスト材料。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載のポジ型レジスト材料において、ベース樹脂が、現像液に不溶あるいは難溶であって、酸によって現像液に可溶となるものであることを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
- 更に、塩基性化合物を添加してなることを特徴とする請求項9記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
- 更に、溶解阻止剤を含有することを特徴とする請求項9又は10記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
- 請求項1乃至11のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して波長200nm以下の高エネルギー線で露光する工程と、必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
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