JP4054239B2 - Steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールの傾きを制御するチルト機構と跳ね上げ機構を共用しつつ、ステアリングホイールを前後方向へ引き出しあるいは押し戻し可能なテレスコピック機構をも備えたステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、車両への乗降性向上を目的として、降車する際にはステアリングホイールを所定の待避位置に跳ね上げ移動させる一方、乗車後には、ステアリングホイールをドライビングポジションに移動させるステアリング装置が種々提供されている。
【0003】
また、近時にあってはステアリングホイールの跳ね上げ角度を大きくして乗降性をさらに向上させるものも実用化されており、その1つとして、例えば特開2000−71798号公報などに記載されているものが知られている。
【0004】
概略を説明すれば、このステアリング装置は、オートマチックトランスミッション(自動変速機)付き車両に具備され、アイドル中またはキーがイグニッションオン位置にある時にステアリングホイールを通常運転角度以上に跳ね上げられるようになっており、ステアリング位置選択手段と、ステアリング位置検出手段と、シフトレバーパーキング位置検出手段と、フットブレーキペダル位置検出手段と、ステアリング移動手段と、シフトセレクトを不可能にするシフトレバー・ロック手段と、前記ステアリング位置選択手段とステアリング位置検出手段およびシフトレバーパーキング位置検出手段、フットブレーキペダル位置検出手段の各信号を取り込んで、前記シフトレバー・ロック手段とステアリング移動手段とを制御するステアリング移動制御手段とを有している。
【0005】
そして、前記ステアリング移動制御手段は、ステアリングホイールが跳ね上がっているときには、フットブレーキペダルを踏んでも前記シフトレバー・ロック手段によってシフトセレクトできず、ステアリングホイール位置を復帰させる場合でも、ステアリングホイール位置がドライビングポジションに完全に復帰していなければ、フットブレーキペダルを踏んでもシフトレバー・ロック手段を解除できないように制御するようになっている。一方、ステアリングホイールがドライビングポジションに完全に復帰すれば、フットブレーキを踏むことによってシフトレバー・ロック手段を解除するように制御するようになっている。
【0006】
このように、ステアリングホイールがドライビングポジションに完全に復帰したときのみフットブレーキを踏むことによってシフトレバー・ロック手段を解除するようにしたため、アイドル又はキーIGNがオンの状態のときでもステアリングホイールが運転不能な位置にあるときは、フットブレーキを踏んでもパーキングから他のレンジへのシフトセレクトができないようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のステアリング装置は、車両の停止時などにおいて、跳ね上げ機構によってステアリングホイールを上方へ大きく跳ね上げた場合には、ステアリングコラムカバーが、車体の運転席前方に配置されたインスツルメントパネルに干渉してしまうおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、従来の手動式の跳ね上げ機構やテレスコピック機構を備えたステアリング装置において、ステアリングホイールを跳ね上げた際に、ステアリングコラムカバーがインスツルメントパネルに干渉せずかつ安全性の高いステアリング装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来のステアリング装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1に記載の発明は、車両のステアリングコラムを軸方向の所定位置でステアリングギア側の固定部とステアリングホイール側の可動部とに分割する分割部を設けると共に、該分割部に車幅方向に沿って配設された回転軸を中心として、前記可動部を上下方向に回動自在に設け、かつ前記可動部を運転時の最適な位置で保持規制するチルト機構を備え、前記固定部における可動部側であって前記回転軸を含む部分であるテレスコピック移動部を車体後方へ引き出しあるいは押し戻し可能なテレスコピック機構を備えたステアリング装置において、前記可動部をチルト機構による最大上方位置よりも上方へ跳ね上げることを許容する跳ね上げ機構を設けると共に、前記可動部の跳ね上げを機械的に制御する作動制御部を設け、前記テレスコピック移動部がテレスコピック機構によって所定の長さまで引き出された場合以外は、前記作動制御部を制御して前記可動部の跳ね上げを規制する跳ね上げ規制機構を設け、前記作動制御部は、前記ステアリングコラムの側部に回動自在に設けられたロック部材と、前記可動部に固定され前記可動部の回転に伴って車体上下方向へ回動すると共に前記ロック部材の回動に伴い該ロック部材に係脱して前記可動部の上方への回動を規制または許容する作動部材と、前記ロック部材を回動させるアクチュエータとを備え、前記跳ね上げ規制機構は、前記ロック部材の上端部に設けられた係止部と、前記固定部に車体前後方向に沿って設けられ、前記テレスコピック移動部がテレスコピック機構により所定の長さ以上に引き出されるまでは、前記係合部に機械的に係合して前記作動部材と前記ロック部材との係合が解除される方向へ前記ロック部材が回動するのを規制する規制部とから構成したことを特徴としている。
【0010】
したがって、この発明によれば、テレスコピック移動部がテレスコピック機構によって車体後方へ十分に引き出されていない場合は、ロック部材の上端部に設けられた係止部に規制部が係止した状態が維持されることからロック部材の回動が規制され、作動部材とロック部材との係合が解除されないので、作動部材の回動が規制され、可動部の回動も規制され、可動部の跳ね上げ回動が阻止される一方、テレスコピック移動部が所定の長さだけ引き出された場合は、ロック部材の上端部に設けられた係止部に規制部が係止しなくなり、ロック部材の回動が許容され、作動部材とロック部材との係合が解除され、作動部材の回動が許容され、可動部の回動も許容され、跳ね上げ機構により、可動部がチルト機構における最大上方位置よりも上方へ回動する。テレスコピック移動部が引き出されることにより可動部と固定部との間の回転軸(チルトヒンジ軸)も車体後方へ引き出されることから、跳ね上げ機構による可動部の最大跳ね上げ時に、可動部の外周に設けられた例えばコラムカバーがインストルメントパネルに干渉するのが防止される。
【0011】
請求項2に記載の発明にあっては、前記跳ね上げ機構は、前記可動部を跳ね上げ方向へ付勢する付勢部材と、前記可動部の回動を規制したり規制解除したり操作するチルトレバーと、車両の停止状態を検出する停止状態検出手段とを備え、該停止状態検出手段から車両停止状態が検出され、かつ前記テレスコピック機構によりテレスコピック移動部が所定の長さまで引き出された際に、前記規制部と前記係止部との係止が外れ、前記作動部材と前記ロック部材との係合が解除される方向へ前記ロック部材が回動するのが許容され、前記可動部が跳ね上げ可能となることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明にあっては、前記停止状態検出手段は、車両に備えられた自動変速機のシフトレバーのPレンジ検出手段であり、該Pレンジ検出手段からの検出信号に基づいて前記アクチュエータに通電され前記作動部材と前記ロック部材との係合が解除する方向へ前記ロック部材が回動して前記可動部が跳ね上げられることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明にあっては、前記可動部が所定以上に跳ね上げられた状態にあるときに、この状態を検出する跳ね上げ検出スイッチを設けると共に、該跳ね上げ検出スイッチの作動に基づいて、前記シフトレバーがPレンジ位置から他方レンジへシフト移動するのを規制するシフトロック機構を設けたことを特徴としている。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るステアリング装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1〜図3は自動変速機を備えた車両に適用されたステアリング装置の一実施形態を示し、ステアリングホイール2を車体に支持させるステアリングコラム1と、ステアリングコラム1の一端部から内部に挿通配置され、外部に露出した上端部にステアリングホイール2が取り付けられたアッパーシャフト3と、上端部がこのアッパーシャフト3の下端部と自在継手を介して連結され、下端部が図外のステアリングギアとユニバーサルジョイントによって連結された図外のロアーシャフトとを備えている。
【0017】
前記ステアリングコラム1は、ステアリングギア側の固定部である固定コラム部4と、ステアリングホイール2側の可動部である可動コラム部5とに軸方向から分割形成されている。
【0018】
前記固定コラム部4は、ほぼ円筒状を呈し、ステアリングホイール2側の上端部がアッパークランプ60を介して車体にボルト固定されていると共に、下端部が図外のロアークランプを介して車体にボルト固定されている。
【0019】
固定コラム部4にはテレスコピック機構6を介して車体前後方向へ移動可能にテレスコピック移動部4aが設けられ、該テレスコピック移動部4aにはチルトヒンジ軸8を介して回動自在に可動コラム部5が設けられている。該可動コラム部5は、ステアリングホイール2側に図外のコンビネーションスイッチを取り付けるフランジ部5aを有する異形状に形成されており、可動コラム部5は、車体幅方向に沿って配設した回転軸である前記チルトヒンジ軸8を中心として上下方向へ回動自在な状態で前記テレスコピック移動部4aに支持されている。
【0020】
前記テレスコピック機構6は、図1、図2及び図5に示すように、前記固定コラム部4の内部に固定保持されたアウタチューブ1aと、該アウタチューブ1a内に摺動自在に挿通されると共に前記テレスコピック移動部4aに結合されたインナチューブ1bと、前記アウタチューブ1aを挟圧してインナーチューブ1bの前後摺動を規制あるいは規制解除する規制解除部61とから構成されている。前記規制解除部61は、固定コラム部4の下部に車体幅方向に沿って形成された摺動用孔62内に互いに近接あるいは離間方向へ摺動自在に設けられて、前記アウターチューブ1aの下部外周面を挟圧する一対のブロック64,65と、該各ブロック64,65内を挿通して先端部の外周に形成された雄ねじ66aが前記一方のブロック64の雌ねじ64aに螺入する作動軸66と、該作動軸66の先端部に結合されたテレスコレバー67とから主として構成されている。また、作動軸66の基端部側は、前記他方のブロック65の内部に遊嵌状態で挿通している。
【0021】
したがって、前記テレスコレバー67を、図1の反時計方向へ回動させると、作動軸66が回転して雌雄ねじ64a、66aを介して両方のブロック64、65が互いに接近し、該両ブロック64,65の傾斜状の対向面によってアウタチューブ1aの下部外周面が挟圧され、インナーチューブ1bとの間にフリクションが発生し、該インナーチューブ1bの前後摺動が規制されるようになっている。一方、この状態からテレスコレバー67を、図1の時計方向へ回動させると、両ブロック64,65が互いに離間する方向へ移動してアウタチューブ1aへの挟圧を解除してインナーチューブ1bの自由な前後摺動を許容するようになっている。
【0022】
また、前記可動コラム部5は、図1に示すように、チルト機構7によって所定角度範囲θ以内(固定コラム部4の軸線に対して上下に約10°及び約15°)での上下方向への回動が許容されていると共に、跳ね上げ機構9によってチルト機構7による所定角度範囲θ以上(図4に示す固定コラム部4の軸線に対して45°)の上方向への跳ね上げが許容されるようになっている。
【0023】
すなわち、前記チルト機構7は、図1〜図3に示すように、前記テレスコピック移動部4aに設けられて前記可動コラム部5を支承する前記チルトヒンジ軸8と、前記可動コラム部5の一側部に形成されたほぼ三角形状の取付面10の端部にレバーボルト11aを介して前後方向へ回動自在に取付られたチルトレバー11と、固定コラム部4に対して移動する前記テレスコピック移動部4aの下端部にボルト12によって固定され、下端部に凸円弧状の複数の係合歯13aを有する固定側ツース13と、可動コラム部5の下端部に枢支軸14を中心に回動自在に設けられて、前記固定側ツース13の各係合歯13aに噛合あるいは噛合解除される凹円弧状の複数の係止歯15aを有する可動側ツース15とから主として構成されている。
【0024】
前記チルトレバー11は、下部内面に前記可動側ツース15を下方へ回動させて各係合歯13aに対する各係止歯15aの噛合を解除する解除用突起16を有すると共に、前記レバーボルト11aの頭部側に巻回された捩りコイルスプリングで構成されたレバースプリング17によって、図1中時計方向、つまり係止歯15aが係合歯13aに噛合する方向に可動側ツース15を押圧するように付勢されている。
【0025】
前記跳ね上げ機構9は、図1に示すように、基本的にチルトヒンジ軸8やチルトレバー11及び固定側ツース13,可動側ツース15などのチルト機構7の各構成部品を共用し、相違する構成部材としては、可動コラム部5の他側部に該可動コラム部5を上方向(跳ね上げ方向)へ回動付勢する付勢部材である渦巻きばね18が巻装されていると共に、図6に示すように前記固定側ツース13に対して可動側ツース15を完全に離脱させて、可動コラム部5を固定コラム部4の軸線Xに対して約45°の角度で跳ね上げできるように構成した点である。前記渦巻きばね18は、図2に示すように、外端部がテレスコピック移動部4aの他側部から突出した支持ピン19に係止している一方、内端部が可動コラム部5の他側部に係止している。
【0026】
また、前記跳ね上げ機構9は、車両の非走行時、つまり自動変速機のシフトレバーがPレンジ位置にあるか否かによって前記可動コラム部5の回動を規制あるいは規制を解除する作動制御部20を備えている。
【0027】
具体的に説明すれば、前記作動制御部20は、図1、図2、図4に示すように、基本的に機械的な部材によって構成され、テレスコピック移動部4aの固定側ツース13近傍に車体幅方向へ回動自在に設けられたロック部材であるロックプレート22と、前記可動コラム部5の取付面10にボルト10aによって固定されて、前記ロックプレート22に係脱する作動部材であるストッパーレバー23と、前記テレスコピック移動部4aの下部に車体幅方向に沿ってブラケットを介して固定されたアクチュエータである電磁アクチュエータ24とから構成されており、この電磁アクチュエータ24は、Pレンジ検出手段としての後述するPレンジ検出スイッチ52からの検出信号に基づいて前記ロックプレート22を係合方向あるいは係合解除方向に回動させるようになっている。
【0028】
前記ロックプレート22は、図1及び図4に示すように、上下方向に長いほぼ長方形状に形成され、ほぼ中央がテレスコピック移動部4aの側部に突設された支持ブラケット25に保持された枢軸26を中心として車体幅方向に回動自在に設けられていると共に、上端部の内側に前記ストッパープレート23の先端部23aが係脱する矩形状の係合溝27が形成されている。また、ロックプレート22の下端部には、前記電磁アクチュエータ24の駆動軸24aのL字形状の先端部28を係合する孔が形成されている。
【0029】
前記ストッパープレート23は、図1に示すようにほぼく字形状に形成され、下端部が前記ボルト10aによって取付面10に固定されていると共に、中央部が前記チルトヒンジ軸8に固定されて可動コラム部5と一体に車体上下方向へ回動するようになっている。また、ストッパープレート23の先端部23aは、ほぼ扇状に形成されて、平坦状の下端縁23bが前記ロックプレート22の係合溝27に係脱するようになっていると共に、先端縁23cが後述する跳ね上げ検出スイッチ53に適宜当接可能なように円弧状に形成されている。
【0030】
この跳ね上げ検出スイッチ53は、テレスコピック移動部4aの前端部に設けられ、通常はオン状態になっているが、跳ね上げが行われると、前記先端部23cによりスイッチ片53aが押圧されてオフ状態になり、後述するブレーキペダルスイッチ54の検出信号を遮断するようになっている。
【0031】
前記電磁アクチュエータ24は、いわゆるソレノイド型であって、内蔵されたコイルへの通電が遮断されている場合は、内部のソレノイドスプリングによって駆動軸24aを突出方向に付勢してロックプレート22の係合溝27にストッパープレート23の先端部23aを係合させて、ストッパープレート23のそれ以上の図1中反時計方向への回動を規制するようになっている。一方、コイルに通電されると、電磁吸引力によって駆動軸24aが後退動してロックプレート22によるストッパープレート23の係合を解除するようになっている。そして、この電磁アクチュエータ24は、前記シフトレバー40のPレンジ検出スイッチ52からのオン信号(シフトレバーがPレンジにある)によって通電されるようになっている。
【0032】
さらに、この跳ね上げ機構9は、前記テレスコピック機構6によってテレスコピック移動部4aが所定量(この実施形態では最大量)だけ引き出されるまでは可動部5のチルト範囲以上の跳ね上げを規制する跳ね上げ規制機構70に連係していると共に、前記可動コラム部5が跳ね上げられた状態においては、前記シフトレバーをPレンジ位置から他のレンジへの移動を規制するシフトロック機構21と連係している。
【0033】
前記跳ね上げ規制機構70は、図1及び図2に示すように、前記ロックプレート22の上端縁に車体幅方向に沿って延設されたプレート状の係止部71と、前記固定コラム部4のテレスコピック移動部4a側の端部に車体前後方向に沿って延設されて、前記係止部71に適宜係止して前記ロックプレート22のロック解除方向への回動を規制する小径丸棒状の規制部72とから主として構成されている。
【0034】
前記係止部71は、図4にも示すようにロックプレート22の上端縁からストッパプレート23方向へほぼ水平に折曲形成されていると共に、その先端部71aが上方へ傾斜状に折曲形成されている。
【0035】
前記規制部72は、図2に示すように、基端部72aが固定コラム部4の端部に固定されている一方、先端部72b側がテレスコピック移動部4aのロックプレート22を挟んだ上端側部に一体に形成された前後一対のガイド部73,74の各ガイド孔内を貫通して摺動案内されるようになっていると共に、先端部72b側の下面が前記係止部71の先端部71aの上面に適宜当接係止してロックプレート22をストッパプレート23に対する係合状態を維持させる位置に保持するようになっている。また、前記テレスコピック移動部4aがテレスコピック機構6によって最大に引き出された時点で、規制部72が両ガイド部73、74のガイド孔から外れると共に、係止部71の先端部71a上面との係止(当接)が解除されるように、係止部71の長さが設定されている。なお、先端部72bの先端縁外周には、各ガイド孔や係止部71の先端部71aの上面との突き当たりを防止するためテーパ状に形成されている。
【0036】
前記シフトロック機構21は、公知のものをそのまま採用することが可能であり、例えば本出願人が先に出願した特開平6−249327号公報に記載のものと基本的に同じ構造を採用し、図7に基づいて概略を説明すれば、このシフトロック機構21は、シフトレバー40が挿通支持されたブラケット31のポジションプレート30にユニット化して取り付けられており、第1作動部材32と、第2作動部材33と、ロック部材34と、ソレノイド35と、ユニットベース31aとを備えている。
【0037】
前記第1作動部材32は、ベルクランク状に形成されて、基部がユニットベース31aに枢軸36により軸着されている。ポジションピン37側に延出した一方の腕部32aの下面は、シフトレバー40がPレンジ位置Pにある時のポジションピン37と当接する位置に配置されており、また、他方の腕部32bの先端には図外のキーインターロック機構に連係するキーロックケーブル38の一端が連結されている。
【0038】
前記第2作動部材33は、基部を第1作動部材32と同軸の枢軸36によりブラケット31に軸着されており、基部からポジションピン37側に延出した腕部33aは、第1作動部材の腕部32aと対向して下方に配置されている。また、腕部33aには、ロック部材34側に突出する突部が形成されている。
【0039】
また、第1作動部材32の腕部32aと第2作動部材33の腕部33aは、枢軸36に巻装された捩りコイルばね39によって互いに引き寄せられるように付勢されており、これによってPレンジ位置Pにある時のポジションピン37を各腕部32a、33aにより圧接挟持するようになっている。
【0040】
前記ロック部材34は、ベルクランク状に形成され、基部を枢軸36と直交する枢軸によりブラケット31に軸着している。ロック部材34の一方の図外の腕部には長孔が形成されており、この長孔に後述するソレノイド35のプランジャ35aのフック部が係合されている。また、ロック部材34の他方側の腕部は、ロック部材34の回動に伴ってPレンジ位置Pにある時に第2作動部材33の突部下面と対向する位置に移動するようになっている。さらに前記腕部と対向する第1作動部材32には突部32cが形成されている。
【0041】
そして、走行ポジションにあるシフトレバー40をノブボタン40aを押しながらPレンジ位置Pに移動させると、まず、ポジションピン37が第2作動部材33の腕部33a上面に当接する。ここからさらにシフトレバー40をPレンジ位置P側に移動させると、ポジションピン37が第2作動部材33の腕部33aを捩りコイルばね39のばね力にこうして押し下げながらPレンジ位置Pの下側に移動する。
【0042】
その後、Pレンジ位置Pに達すると、第1作動部材32の腕部32aと第2作動部材33の腕部33aとによりポジションピン37は圧接挟持される。
【0043】
ここで、ノブボタン40aを離すと、圧縮ばねのばね力によってポジションピン37がPレンジ位置Pのポジション溝30aに上端に係合する。同時に、シフトレバー40のポジションピン37が、Pレンジ検出スイッチ(マイクロスイッチ)の接点に接触してオンになり、これによってコントローラ50を介してソレノイド35が励磁されてプランジャ35aが吸引される。これにより、ロック部材34は、図中時計方向に回動してその腕部が第2作動部材33の突部下面と対向する位置に移動して、シフトレバー40をPレンジ位置Pにロックするようになっている。また、ロック部材34は、第1作動部材32の突部32cに当接してロック位置に保持されてもいる。
【0044】
以下、跳ね上げ機構9及びシフトロック機構21の制御構成を図6に示す制御ブロックに基づいて説明する。
【0045】
まず、コントローラ50は、Pレンジ検出スイッチ52がオンされている場合に、ソレノイド35を励磁させると共に、この状態でブレーキペダルスイッチ54がオンされると、ソレノイド35の励磁を解除するという制御を行っている。なお、この実施形態では、ソレノイド35が励磁されたときにロック部材34がロック位置に移動する通電ロックのシフトロック機構を説明しているが、ソレノイド35が励磁されることで、ロック部材34がロック解除位置に移動する通電解除のシフトロック機構では、Pレンジ検出スイッチ52とブレーキペダルスイッチ54がともにオンの場合のみソレノイド35を励磁するという制御になる。
【0046】
すなわち、コントローラ50は、図8に示すように、イグニッションキースイッチ51のオン作動により電力が供給されて作動し、前記Pレンジ検出スイッチ52及びブレーキペダルスイッチ54からの検出信号によってソレノイド35の作動を制御する。そして、跳ね上げ機構9では、Pレンジ検出スイッチ52がオンされている場合は、前記電磁アクチュエータ24に制御電流を出力して励磁させ、ロックプレート22を回動させてストッパープレート23の係合を解除させる。
【0047】
ここで、チルトレバー11を操作して可動コラム部5をチルト角度範囲を越えて上方へ回動させると、跳ね上げ検出スイッチ53が押圧されるが、この跳ね上げ検出スイッチ53は、通常はオン状態でスイッチ片53aが押圧されたときにオフ状態となるもので、ブレーキペダルスイッチ54とコントローラ50との間に設けられている。
【0048】
このため、ブレーキペダルを踏み込んでブレーキペダルスイッチ54がオンされても、跳ね上げ検出スイッチ53がオフ状態にあると、ブレーキペダルスイッチ54の検出信号がコントローラ50に伝達されない。
【0049】
つまり、前記可動コラム部5が跳ね上げられて、ストッパープレート23の先端縁23cで跳ね上げ検出スイッチ53が押されてオン状態からオフ状態に切り替わると、ブレーキペダルスイッチ54の検出信号がコントローラ50に出力されないため、コントローラ50は、たとえブレーキペダルが踏み込まれてブレーキペダルスイッチ54がオンされても前記シフトロック機構21のソレノイド35への通電が遮断されず、該シフトロック機構21によりシフトレバー40がPレンジ位置から他レンジへ移動するのが規制される。
【0050】
換言すれば、コントローラ50は、跳ね上げ検出スイッチ53がオフ状態になっている場合に、この条件を優先してシフトレバー40をPレンジ位置に規制するようになっている。
【0051】
したがって、この実施形態によれば、まず、シフトレバー40がPレンジ以外の位置にある場合、つまり例えばDレンジに位置して車両の走行状態にある場合は、可動コラム部5は所定の運転適正位置にあることから跳ね上げ検出スイッチ53がオン状態になっていると共に、Pレンジ検出スイッチ52は当然オフ状態にあるから、電磁アクチュエータ24には通電されず、駆動軸24aがソレノイドスプリングのばね力によって突出して、ロックプレート22を図4の実線で示すように時計方向に回動させ、したがって、ストッパープレート23は、先端部23aがロックプレート22の係合溝27に係合状態となり、可動コラム部5のチルト角度範囲以上の過度な上方向への回動を規制する。このため、可動コラム部5は、チルトレバー11の操作によってチルト範囲内での回動のみが許容される。
【0052】
次に、シフトレバー40がPレンジ位置にあるとき、つまり車両が非走行状態にあるときは、Pレンジ検出スイッチ52がオン状態になり、ソレノイド35へ通電されてシフトレバー40はロック状態になる。この状態でブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキペダルスイッチ54がオンされてシフトロック機構21による規制が解除され、シフトレバー40の自由移動が許容される。
【0053】
そして、前述のように、車両が停止されて前記Pレンジ検出スイッチ52がオンされた後に、乗員がテレスコピック機構6のテレスコレバー67を図1中時計方向に回動させてアウタチューブ1aとインナチューブ1bとの圧接を解除させた後、ステアリングホイール2を持ってテレスコピック移動部4aを手前に最大に引き出した場合には、該テレスコピック移動部4aの車体後方への移動によって跳ね上げ規制機構70の規制部72が各ガイド部73,74のガイド孔内から抜け、係止部71の先端部71aに対する係止が解除される。
【0054】
そうすると、前記Pレンジ検出スイッチ52がオンされていることから、電磁アクチュエータ24にコントローラ50から通電されて、ロックプレート22の下端部が引き込まれて回動して図4の2点鎖線位置に保持される。これにより、ストッパープレート23の先端部23aが係合溝27から外れて係合が解除される。このため、チルトレバー11を操作して固定側ツース13に対する可動側ツース15の噛合を解除すると、可動コラム部5は、図6に示すように渦巻きばね18のばね力によって最大45°の上方位置まで回動可能になる。
【0055】
この場合、テレスコピック移動部4aは、チルトヒンジ軸8と一緒に車体後方へ最大に引き出された状態にあるから、前述のように跳ね上げ位置がインスツルメントパネルから十分に離れた位置となり、該可動コラム部5のカバーとインスツルメントパネルとの干渉を確実に防止することができる。
【0056】
また、可動コラム部5が最大上方向に回動すると、ストッパープレート23の先端部23aで跳ね上げ検出スイッチ53をオフ状態とすることから、シフトロック機構21によってシフトレバー40はPレンジ位置に規制される。
【0057】
また、この状態でブレーキペダルを踏んでも、跳ね上げ検出スイッチ53がいまだオフ状態を維持しているため、シフトロック機構21によるシフトレバー40の規制は解除されず、シフトレバー40はPレンジ位置に保持される。
【0058】
このため、ステアリングホイール2が跳ね上げ機構9によって上方へ跳ね上がったままの状態での車両の走行を確実に阻止できるから、この点でも安全性が高くなる。
【0059】
一方、前述のようにPレンジ検出スイッチ52がオンされている場合であって、かつテレスコピック機構6によりテレスコピック移動部4aが全く引き出されないか、あるいは引き出されたとしても最大ではなく引き出し量が少ない場合は、規制部72の先端部72bが係止部71の先端部71aの上面に当接し、係止状態が保持されている。このため、ロックプレート22は、外方向への回動が規制されて、ストッパプレート23の回動が規制されている。したがって、可動コラム部5(ステアリングホイール2)は、前述したチルト範囲(上下に10°〜15°の範囲)で回動するだけであり、跳ね上げ機構9による大きな跳ね上げが規制される。
【0060】
この結果、テレスコピック移動部4aが十分に引き出されない状態で跳ね上げられることによって、インスツルメントパネルと干渉することが、確実に防止される。
【0061】
しかも、前述のように、車両が走行した状態では、電磁アクチュエータ24に通電されずにロックプレート22にストッパープレート23が係合していることから、走行中にチルトレバー11を不用意に操作したとしても、ステアリングホイール2が跳ね上がることはなく、跳ね上がりが確実に防止される。
【0062】
以上のように、この実施形態によれば、車両の走行中はステアリングホイール2の不用意な跳ね上げが防止できるとともに、停止中でかつシフトレバー40がPレンジ位置にあっても、テレスコピック移動部4aが最大に引き上げられていない状態では、可動コラム部5は単にチルト範囲での回動量しか回動できず、跳ね上げ機構9による大きな跳ね上げができないので、安全性が向上すると共に、インスツルメントパネルとの干渉が防止されて、傷などの発生を未然に防止することができる。
【0063】
また、従来公知の手動式チルト機構とシフトレバーのシフトロック機構をそのまま利用できると共に、簡単な構造の追加でチルト機構と跳ね上げ機構を共用しつつ、その誤作動を確実に防止することができる。この結果、部品点数を削減でき製造作業が容易になると共に、製造コストの低廉化が図れる。
【0064】
さらに、跳ね上げ規制機構70も、係止部71と規制部72とによる機械的な簡単な構造であり、製造作業や組立作業が容易である、また、規制及び規制解除操作もテレスコピック機構6と連動していることから、特別な操作が不要である。
【0065】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば可動コラム部5の跳ね上げを渦巻きばねに代えて他の捩りばねなどの機械的なスプリングによって構成することが可能であり、また作動制御部をロックプレート22やストッパープレート23の他に、他の機械的な構造によって構成することも可能である。また、跳ね上げ規制機構70の構造も前記実施形態に限定されるものではなく、また係止部71と規制部72の配置等を変更してテレスコピック移動部4aが最大ではなくそれ以下の引き出し位置において跳ね上げ機構9による大きな跳ね上げが得られるように構成することも可能である。
【0066】
さらに、Pレンジ検出手段としてスイッチとソレノイドの電気的手段としたが、これを機械的構造に置き換えることも可能である。すなわち、Pレンジ位置にあるときのポジションピン37と当接して回動する第1作動部材32には、キーインターロック機構に連係するキーロックケーブル38の一端を連結しておく。このキーインターロック機構は、シフトレバーがPレンジ位置になければイグニッションキーを抜くことができず、イグニッションキーが差し込まれていなければシフトレバーをPレンジ位置から移動できない構造で、キーロックケーブル38の押し引きで行われている。そのため、このキーロックケーブル38の他端は、キーロックユニット、つまり、ステアリングコラムのところにきている。したがって、これを利用してキーロックケーブル38の他端を分岐、若しくは別部材を用いてロックプレート22と連動させればよい。この場合、全てを機械的に行えるため、信頼性が高く、しかもシフトロック機構は従来と全く同じにでき、異なる部品点数削減とコスト削減が可能になる。
【0067】
また、前記実施形態では、シフトレバー11がPレンジ位置にある状態では、電磁アクチュエータ24に通電されることにより、発熱や耐久性の問題が考えられるため、図8に破線で示すように、チルトレバーの操作を検出するスイッチ55を設け、チルトレバー11が操作されたときに、電磁アクチュエータ24に通電するようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、可動部をチルト機構による最大上方位置よりも上方へ跳ね上げることを許容する跳ね上げ機構を設けると共に、可動部の跳ね上げを機械的に制御する作動制御部を設け、テレスコピック移動部がテレス コピック機構によって所定の長さまで引き出された場合以外は、作動制御部を制御して可動部の跳ね上げを規制する跳ね上げ規制機構を設けたので、跳ね上げ機構による可動部の跳ね上げは、テレスコピック移動部がテレスコピック機構によって所定の長さ引き出されている場合にのみ可能になり、それ以外の場合は跳ね上げ規制機構によって跳ね上げが規制されることから、可動部の一部がインスツルメントパネルに干渉するのを確実に防止することができる。
【0069】
この結果、可動部のコラムカバーやインスツルメントパネルの傷などの発生を未然に防止することができる。また、作動制御部の主たる構成を単にロック部材と作動部材との具体的かつ簡単な機械的構造としたことから、製造作業がさらに容易になり、コストの大幅な低減化が図れる。更に、作動制御部では跳ね上げ可能な状態のときにアクチュエータに通電され、跳ね上げ不可能な走行時にはアクチュエータに通電されない構成を採用することにより、センサやコントローラなどを用いる場合に比較して消費電力を大幅に抑制することができると共に、回路構成の簡素化が図れる。この結果、回路上の故障が発生した場合にも故障原因の究明が容易になる。また更に、跳ね上げ規制機構を機械的な簡単な構造としたため、製造作業や組立作業が容易になると共に、コストの高騰を抑制できる。
【0070】
請求項2に記載の発明によれば、跳ね上げ機構は、可動部を跳ね上げ方向へ付勢する付勢部材と、可動部の回動を規制したり規制解除したり操作するチルトレバーと、車両の停止状態を検出する停止状態検出手段とを備えているので、車両が停止状態にあり、かつテレスコピック移動部が所定長さまで引き出された場合にのみ跳ね上げ機構によって可動部の跳ね上げが可能になり、車両の走行中には、作動制御部が機械的に可動部の跳ね上げ作動を規制するため、ステアリングホイールの不用意な跳ね上げを確実に阻止することができ、これによって安全性を向上させることができる。
【0071】
しかも、この発明は、可動部の跳ね上げ作動を渦巻きばねなどの機械的な構造とした従来公知の手動式のチルト機構をそのまま利用できると共に、簡単な構造の追加によってチルト機構と跳ね上げ機構を共用しつつその誤操作を確実に防止できるため、部品点数を削減できる。この結果、製造コストを大幅に低減させることができる。
【0072】
請求項3に記載の発明によれば、前記停止状態検出手段は、車両に備えられた自動変速機のシフトレバーのPレンジ検出手段であり、該Pレンジ検出手段からの検出信号に基づいてアクチュエータに通電され作動部材とロック部材との係合が解除する方向へロック部材が回動して可動部が跳ね上げられる
【0073】
このため、車両の走行中には、Pレンジ検出スイッチがオフになっていることから、作動制御部が可動部の跳ね上げ作動を機械的に規制し、ステアリングホイールの不用意な跳ね上げを確実に阻止することができ、これによって安全性を向上させることができる。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、可動部が所定以上に跳ね上げられた状態にあるときに、この状態を検出する跳ね上げ検出スイッチを設けると共に、該跳ね上げ検出スイッチの作動に基づいて、前記シフトレバーがPレンジ位置から他方レンジへシフト移動するのを規制するシフトロック機構を設けたので、可動部が跳ね上げ機構によって最大に跳ね上げられた状態にあるときは、シフトレバーがPレンジ位置に存する場合でかつブレーキペダルを踏んだとしても、シフトロック機構によってシフトレバーのPレンジから他のレンジへの移動を確実に規制することができ、ステアリングホイールが跳ね上がったままでの車両の走行を未然に防止することができる。
【0075】
【0076】
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるステアリング装置の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 本実施形態におけるステアリング装置の平面図である。
【図3】 同ステアリング装置の他方側面図である。
【図4】 図2のA矢視図である。
【図5】 図1のA−A線断面図である。
【図6】 本実施形態におけるステアリング装置による最大跳ね上げ状態を示す側面図である。
【図7】 本実施形態に供されるシフトロック機構の概略図である。
【図8】 本実施形態に供される制御ブロック図である。
【符号の説明】
1…ステアリングコラム
2…ステアリングホイール
4…固定コラム部(固定部)
4a…テレスコピック移動部
5…可動コラム部(可動部)
6…テレスコピック機構
7…チルト機構
8…チルトヒンジ軸(回転軸)
9…跳ね上げ機構
11…チルトレバー
18…渦巻きばね(付勢部材)
20…作動制御部
21…シフトロック機構
22…ロックプレート(ロック部材)
23…ストッパープレート(作動部材)
24…電磁アクチュエータ
52…Pレンジ検出スイッチ(停止状態検出手段)
70…跳ね上げ規制機構
71…係止部
72…規制部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention pulls out the steering wheel in the front-rear direction while sharing the tilt mechanism and the flip-up mechanism for controlling the tilt of the steering wheel.Or push backThe present invention also relates to a steering apparatus having a possible telescopic mechanism.
[0002]
[Prior art]
As is well known, there are various steering devices that move the steering wheel to a predetermined retracted position when getting off, and move the steering wheel to the driving position after getting on, for the purpose of improving getting on and off the vehicle. Is provided.
[0003]
In recent times, there has been put into practical use what further improves the boarding / exiting performance by increasing the raising angle of the steering wheel, which is described in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-71798. Things are known.
[0004]
In brief, this steering device is provided in a vehicle with an automatic transmission (automatic transmission) so that the steering wheel can be raised above the normal driving angle when idling or when the key is in the ignition on position. Steering position selection means, steering position detection means, shift lever parking position detection means, foot brake pedal position detection means, steering movement means, shift lever lock means for disabling shift selection, Steering position control means, steering position detecting means, shift lever parking position detecting means, and foot brake pedal position detecting means, which are used to control the shift lever lock means and the steering moving means. And a movement control unit.
[0005]
When the steering wheel is jumping up, the steering movement control means cannot be shift-selected by the shift lever / lock means even if the foot brake pedal is stepped on. Even when the steering wheel position is returned, the steering wheel position is not changed to the driving position. If it is not completely restored, control is performed so that the shift lever / lock means cannot be released even if the foot brake pedal is depressed. On the other hand, when the steering wheel is completely returned to the driving position, the shift lever and the lock means are controlled to be released by stepping on the foot brake.
[0006]
As described above, since the shift lever lock means is released by stepping on the foot brake only when the steering wheel is completely returned to the driving position, the steering wheel cannot be operated even when the idle or key IGN is on. When it is in the correct position, it is not possible to shift select from parking to another range even if the foot brake is depressed.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional steering device has an instrument panel in which the steering column cover is disposed in front of the driver's seat of the vehicle body when the steering wheel is greatly lifted upward by the flip-up mechanism when the vehicle is stopped. There is a risk of interference.
[0008]
Accordingly, the present invention provides a steering device having a conventional manual flip-up mechanism and telescopic mechanism, and when the steering wheel is flipped up, the steering column cover does not interfere with the instrument panel and is highly safe. The object is to provide a steering device.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been devised in view of the technical problems of the conventional steering device, and the invention according to
[0010]
Therefore, according to the present invention,Telescopic moving partBy the telescopic mechanismIt is not pulled out to the rear of the vehicleIfSince the state in which the restricting portion is engaged with the engaging portion provided at the upper end of the lock member is maintained, the rotation of the lock member is restricted, and the engagement between the actuating member and the lock member is not released. The rotation of the member is restricted, the rotation of the movable part is also restricted, and the flipping of the movable part is prevented. On the other hand, when the telescopic moving part is pulled out by a predetermined length, the upper end part of the lock member The locking portion provided in the locking portion is not locked, and the lock member is allowed to rotate, the engagement between the actuating member and the lock member is released, and the actuating member is allowed to rotate. Rotation is also permitted, and the movable part is rotated upward from the maximum upper position in the tilt mechanism by the flip-up mechanism. When the telescopic moving part is pulled out, the rotation axis (tilt hinge axis) between the moving part and the fixed part is also pulled out to the rear of the vehicle body. For example, the column cover is prevented from interfering with the instrument panel.
[0011]
In the invention according to
[0012]
In the invention according to
[0013]
In the invention according to claim 4,When the movable part is in a state of being flipped up more than a predetermined amount, a flip-up detection switch for detecting this state is provided, and the shift lever is moved from the P range position to the other based on the operation of the flip-up detection switch. Provided with a shift lock mechanism that restricts shifting to the rangeIt is characterized by that.
[0014]
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a steering apparatus according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0016]
1 to 3 show an embodiment of a steering device applied to a vehicle equipped with an automatic transmission, and a
[0017]
The
[0018]
The fixed column portion 4 has a substantially cylindrical shape, the upper end portion on the
[0019]
The fixed column portion 4 is provided with a telescopic moving
[0020]
As shown in FIGS. 1, 2 and 5, the
[0021]
Therefore, when the
[0022]
Further, as shown in FIG. 1, the
[0023]
That is, the
[0024]
The
[0025]
As shown in FIG. 1, the flip-up
[0026]
Further, the flip-up
[0027]
More specifically, the
[0028]
As shown in FIGS. 1 and 4, the
[0029]
The
[0030]
The flip-up
[0031]
The
[0032]
Further, the flip-up
[0033]
As shown in FIGS. 1 and 2, the flip-up restricting
[0034]
SaidLockingAs shown in FIG. 4, the
[0035]
As shown in FIG. 2, the restricting
[0036]
As the
[0037]
The
[0038]
The
[0039]
Further, the
[0040]
The
[0041]
When the
[0042]
Thereafter, when the P range position P is reached, the
[0043]
Here, when the
[0044]
Hereinafter, the control configuration of the flip-up
[0045]
First, the
[0046]
That is, as shown in FIG. 8, the
[0047]
Here, when the
[0048]
For this reasonEven if the
[0049]
That is, when the
[0050]
In other words, when the flip-up
[0051]
Therefore, according to this embodiment, first, when the
[0052]
Next, when the
[0053]
As described above, after the vehicle is stopped and the P
[0054]
Then, since the P
[0055]
in this case,Telescopic moving part 4aAlong with the tilt hinge shaft 8To the rear of the carSince it is pulled out to the maximum, the flip-up position is sufficiently away from the instrument panel as described above, and it is possible to reliably prevent interference between the cover of the
[0056]
Further, when the
[0057]
Further, even if the brake pedal is depressed in this state, the flip-up
[0058]
For this reason, the vehicle can be reliably prevented from traveling in a state in which the
[0059]
On the other hand, as described above, the P
[0060]
As a result,Telescopic moving part 4aIn a state where theBy being flipped up, it is reliably prevented from interfering with the instrument panel.
[0061]
Moreover, as described above, when the vehicle travels, the
[0062]
As described above, according to this embodiment, while the vehicle is traveling, the
[0063]
In addition, the conventionally known manual tilt mechanism and the shift lock mechanism of the shift lever can be used as they are, and by adding a simple structure, the tilt mechanism and the flip-up mechanism can be shared and the malfunction can be reliably prevented. . As a result, the number of parts can be reduced, the manufacturing work can be facilitated, and the manufacturing cost can be reduced.
[0064]
Furthermore, the flip-up restricting
[0065]
The present invention is not limited to the configuration of the above-described embodiment, and for example, it is possible to configure the spring of the
[0066]
Furthermore, although the electrical means of the switch and the solenoid is used as the P range detection means, it can be replaced with a mechanical structure. That is, one end of the
[0067]
Further, in the above embodiment, when the
[0068]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the invention described in
[0069]
As a result, it is possible to prevent damage to the column cover and instrument panel of the movable part.Further, since the main configuration of the operation control unit is simply a specific and simple mechanical structure of the lock member and the operation member, the manufacturing operation is further facilitated, and the cost can be greatly reduced. In addition, the actuator is energized when the actuator is in a state where it can be flipped up, and the actuator is not energized when traveling is impossible, so that it consumes less power than when using a sensor or controller. Can be greatly suppressed, and the circuit configuration can be simplified. As a result, even when a failure on the circuit occurs, it becomes easy to investigate the cause of the failure. Furthermore, since the flip-up restricting mechanism has a simple mechanical structure, the manufacturing operation and the assembling operation are facilitated, and an increase in cost can be suppressed.
[0070]
According to invention of
[0071]
In addition, the present invention can use a conventionally known manual tilt mechanism in which the moving part is flipped up mechanically such as a spiral spring, and the tilt mechanism and the jumping mechanism can be added by adding a simple structure. The number of parts can be reduced because the erroneous operation can be surely prevented while sharing. As a result, the manufacturing cost can be greatly reduced.
[0072]
According to invention of
[0073]
For this reason, since the P range detection switch is turned off while the vehicle is running, the operation control unit mechanically restricts the jumping operation of the movable part, and ensures that the steering wheel is inadvertently raised. Therefore, safety can be improved.
[0074]
According to invention of Claim 4,When the movable part is in a state of being flipped up more than a predetermined amount, a flip-up detection switch for detecting this state is provided, and the shift lever is moved from the P range position to the other range based on the operation of the flip-up detection switch. Since the shift lock mechanism that restricts the shift to the position is provided, when the movable part is in the state of being maximally lifted up by the flip-up mechanism, the shift lever is in the P range position and the brake pedal is depressed. Even so, the shift lock mechanism can reliably restrict the shift lever from moving from the P range to another range, and can prevent the vehicle from running while the steering wheel is raised.
[0075]
[0076]
[0077]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing an embodiment of a steering apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a plan view of the steering device in the present embodiment.
FIG. 3 is another side view of the steering device.
4 is a view as seen from an arrow A in FIG. 2;
FIG. 5 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 6 is a side view showing a maximum flip-up state by the steering device in the present embodiment.
FIG. 7 is a schematic view of a shift lock mechanism provided in the present embodiment.
FIG. 8 is a control block diagram provided for this embodiment.
[Explanation of symbols]
1 ... Steering column
2 ... Steering wheel
4 ... Fixed column part (fixed part)
4a ... Telescopic moving part
5. Movable column part (movable part)
6 ... Telescopic mechanism
7 ... Tilt mechanism
8 ... Tilt hinge shaft(Axis of rotation)
9 ... Bounce mechanism
11 ... Tilt lever
18 ... spiral spring (biasing member)
20 ... Operation control unit
21 ... Shift lock mechanism
22 ... Lock plate (lock member)
23 ... Stopper plate (actuating member)
24 ... Electromagnetic actuator
52. P range detection switch (stop state detection means)
70 ... Bounce control mechanism
71 ... Locking part
72 ... Regulatory Department
Claims (4)
前記可動部をチルト機構による最大上方位置よりも上方へ跳ね上げることを許容する跳ね上げ機構を設けると共に、前記可動部の跳ね上げを機械的に制御する作動制御部を設け、前記テレスコピック移動部がテレスコピック機構によって所定の長さまで引き出された場合以外は、前記作動制御部を制御して前記可動部の跳ね上げを規制する跳ね上げ規制機構を設け、
前記作動制御部は、前記ステアリングコラムの側部に回動自在に設けられたロック部材と、前記可動部に固定され前記可動部の回動に伴って車体上下方向へ回動すると共に前記ロック部材の回動に伴い該ロック部材に係脱して前記可動部の上方への回動を規制または許容する作動部材と、前記ロック部材を回動させるアクチュエータとを備え、
前記跳ね上げ規制機構は、前記ロック部材の上端部に設けられた係止部と、前記固定部に車体前後方向に沿って設けられ、前記テレスコピック移動部がテレスコピック機構により所定の長さ以上に引き出されるまでは、前記係合部に機械的に係合して前記作動部材と前記ロック部材との係合が解除される方向へ前記ロック部材が回動するのを規制する規制部とから構成したことを特徴とするステアリング装置。Provided with a split portion that divides the steering column of the vehicle into a fixed portion on the steering gear side and a movable portion on the steering wheel side at a predetermined position in the axial direction, and a rotary shaft disposed in the split portion along the vehicle width direction And a tilt mechanism for holding and restricting the movable portion at an optimal position during operation, and on the movable portion side of the fixed portion, the rotation shaft. In a steering apparatus equipped with a telescopic mechanism that can pull out or push back a telescopic moving part that is a part including
A flip-up mechanism that allows the movable part to jump upward from a maximum upper position by a tilt mechanism is provided, and an operation control unit that mechanically controls the flip-up of the movable part is provided, and the telescopic moving unit is Except when pulled out to a predetermined length by a telescopic mechanism, a flip-up restricting mechanism is provided for controlling the operation control unit to restrict the flip-up of the movable part,
The operation control unit includes a lock member rotatably provided on a side portion of the steering column, and is fixed to the movable unit and pivots in a vertical direction of the vehicle body as the movable unit is pivoted. An actuating member that engages and disengages the lock member with the rotation of the movable member and restricts or permits the upward movement of the movable part, and an actuator that rotates the lock member,
The flip-up restricting mechanism is provided with a locking portion provided at an upper end portion of the lock member and a fixing portion along a vehicle body front-rear direction, and the telescopic moving portion is pulled out beyond a predetermined length by the telescopic mechanism. Until it is configured, it comprises a restricting portion that mechanically engages with the engaging portion and restricts the locking member from rotating in a direction in which the engagement between the actuating member and the locking member is released. A steering device characterized by that.
該停止状態検出手段から車両停止状態が検出され、かつ前記テレスコピック機構によりテレスコピック移動部が所定の長さまで引き出された際に、
前記規制部と前記係止部との係止が外れ、前記作動部材と前記ロック部材との係合が解除される方向へ前記ロック部材が回動するのが許容され、前記可動部が跳ね上げ可能となることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。The flip-up mechanism includes a biasing member that biases the movable part in a flip-up direction, a tilt lever that operates to restrict or release the rotation of the movable part, and a stop that detects a stop state of the vehicle. A state detection means,
When the vehicle stop state is detected from the stop state detection means and the telescopic moving part is pulled out to a predetermined length by the telescopic mechanism,
The locking portion is disengaged from the restricting portion, and the locking member is allowed to rotate in a direction in which the engagement between the operating member and the locking member is released, and the movable portion is flipped up. The steering apparatus according to claim 1, wherein the steering apparatus is possible.
該Pレンジ検出手段からの検出信号に基づいて前記アクチュエータに通電され前記作動部材と前記ロック部材との係合が解除する方向へ前記ロック部材が回動して前記可動部が跳ね上げられることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。The stop state detection means is a P range detection means of a shift lever of an automatic transmission provided in a vehicle,
Based on a detection signal from the P range detection means, the actuator is energized, and the lock member rotates in a direction to release the engagement between the actuating member and the lock member, and the movable part is flipped up. The steering apparatus according to claim 2, wherein the steering apparatus is characterized in that:
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