JP4051997B2 - 液晶表示装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置及び電子機器に関し、特に反射表示及び透過表示が可能な半透過反射型の液晶表示装置の構成と、それを備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型の液晶表示装置は、バックライト等の光源を持たないために消費電力が小さく、従来から種々の携帯電子機器などに多用されている。ところが、反射型の液晶表示装置は、自然光や照明光などの外光を利用して表示を行うため、暗い場所では表示を視認するのが難しいという問題があった。そこで、明るい場所では通常の反射型液晶表示装置と同様に外光を利用し、暗い場所では内部の光源により表示を視認可能にした液晶表示装置が提案されている。つまり、この液晶表示装置は、反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モードまたは透過モードのいずれかの表示方式に切り替えることにより、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示を行うことができる半透過反射型の液晶表示装置である。
【0003】
半透過反射型液晶表示装置の形態として、アルミニウム等の金属膜に光透過用のスリット(開口部)を形成した反射膜を下基板の内面(以下、本明細書では基板の液晶側の面を内面、それと反対側の面を外面ということもある)に備え、この反射膜を半透過反射膜として機能させる液晶表示装置が提案されている。これに対して、近年、異なる屈折率を有する誘電体薄膜を交互に積層した誘電体ミラーや、コレステリック液晶を用いたコレステリック反射板、あるいはホログラム素子を用いたホログラム反射板を半透過反射膜として機能させるものが提案されている。
【0004】
中でもコレステリック液晶は液晶分子が一定のピッチで周期的ならせん構造を採るものである。この構造により、所定回転方向の円偏光のうち、らせんのピッチに一致した波長の光を選択的に反射させ、それ以外の光を透過するという性質を有している。したがって、このようなコレステリック液晶を用いることにより、所定回転方向の円偏光のうち特定の波長の光を選択的に反射する一方、それ以外の光を透過するという半透過反射型の液晶表示装置を提供することが可能である。また、コレステリック液晶のらせんのピッチを制御すれば、局所的に反射光の色を変えることができ、反射型カラーフィルターとして用いることも可能である。さらに、異なる色の色光を選択反射させるコレステリック液晶層を複数積層すれば、積層構造全体を白色光を反射させる反射板として機能させることも可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
コレステリック反射板により半透過反射膜を構成した半透過反射型液晶表示装置においては、コレステリック液晶を配向させるために配向膜を具備してなるものがある。このような配向膜としては、屈折率が例えば1.60〜1.69程度のポリイミドを主体として構成されたポリイミド配向膜が用いられている。
【0006】
しかしながら、コレステリック反射板の屈折率は1.48〜1.58程度のものが多く、上記配向膜の屈折率との差に基づいて両者の界面において光の一部が反射してしまう場合がある。特にこの界面における光の反射は、コレステリック反射板の光の反射と異なり、反射前後の円偏光の回転方向が異なるものとなる。このように一部の光が反射前後において回転方向を異にしつつ反射してしまうと、半透過反射膜における光の通過ないし反射に基づいて表示を行う以外に、配向膜において反射した光が漏光として表示されてしまう場合があり、コントラスト低下の一因となる場合がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、半透過反射型液晶表示装置において、特に半透過反射膜以外の配向膜等の膜において反射が生じ難く、漏光発生に基づくコントラストの低下が生じ難い液晶表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた視認性を有する上記液晶表示装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、前記基板の一方の内面側に、所定の回転方向を持つ円偏光又は楕円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層と、前記コレステリック液晶層の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜とが設けられ、前記コレステリック液晶層を構成するコレステリック液晶分子の長軸方向の屈折率をNe、短軸方向の屈折率をNoとした場合に、前記コレステリック液晶用配向膜の屈折率Nhが、No≦Nh≦Neを満たし、前記液晶セルに対して光を入射させる照明装置を備えており、前記コレステリック液晶用配向膜が、前記半透過反射層と前記照明装置が備えられた側の基板との間に配設されていることを特徴とする。
【0009】
このような液晶表示装置によると、コレステリック液晶用配向膜とコレステリック液晶層(半透過反射層)との間の屈折率差が小さくなり、両者の境界において光の一部が反射してしまう等の不具合が生じ難くなる。すなわち、半透過反射層以外の構成要素であるコレステリック液晶用配向膜において反射光の発生が生じ難くなり、したがってコントラスト低下等の表示不良発生を防止ないし抑制することが可能となる。具体的に、コレステリック液晶層として、短軸方向の屈折率Noが1.48、長軸方向の屈折率Neが1.58程度のコレステリック液晶を用いた場合、コレステリック液晶用配向膜は屈折率1.48〜1.58のものを用いることができる。
【0010】
本発明の液晶表示装置において、コレステリック液晶層は、波長が液晶分子のらせんピッチと等しく、かつ、らせんの巻き方向と同じ回転方向の円偏光を選択的に反射する、いわゆる選択反射性を有している。逆に言えば、液晶分子のらせんピッチと等しくない波長の光、及び波長が液晶分子のらせんピッチと等しくても、らせんの巻き方向と逆の回転方向を持つ円偏光はコレステリック液晶層を透過する。さらに、本発明で用いるコレステリック液晶層は、波長が液晶分子のらせんピッチと等しく、らせんの巻き方向と同じ回転方向の円偏光を100%透過するのではなく、一部を反射させ、一部を透過させる機能を有しており、この点が本発明の特徴点となっている。以上の作用によって、このコレステリック液晶層は半透過反射層として機能する。
【0011】
このようなコレステリック液晶からなる半透過反射層を用いた場合、液晶セルに入射させる光の偏光状態を円偏光(楕円偏光を含む)とし、液晶層への選択電圧印加時、非選択電圧印加時のいずれかの時に円偏光状態の極性を反転させるように液晶モードを設定すれば、反射時と透過時で同様の表示モードを得ることができる。しかしながら、このような半透過反射型の液晶表示装置においても、透過モードにおいて漏光が部分的に発生し、これがコントラスト低下等の不具合を生じていた。
【0012】
本発明者らは、その原因を鋭意検討した結果、コレステリック液晶からなる半透過反射層よりも透過表示用光源側にある配向膜等において生じる反射光に起因することを見出し本発明に至った。すなわち、半透過反射層よりも透過表示用光源側に積層されたコレステリック液晶用配向膜等の各層において、隣接する層同士の屈折率が異なるために、各層の境界部で反射光が発生し、この反射光が透過モードにおいて漏光の原因となっていたのである。特にコレステリック液晶用配向膜は高い屈折率にて構成される場合が多く、漏光の発生が顕著であった。そこで、本発明においては、このコレステリック液晶用配向膜として、コレステリック液晶層の屈折率と同程度のものを採用することで、上記漏光によるコントラストの低下を防止ないし抑制することが可能となり、表示品質の高い液晶表示装置を提供することができたのである。
【0013】
なお、上記課題を解決するために特定の屈折率を有する配向膜を具備させる以外にも、以下の態様の配向膜を具備させることもできる。すなわち、本発明の液晶表示装置の異なる態様は、互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、前記基板の一方の内面側に、所定の回転方向を持つ円偏光又は楕円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層と、前記コレステリック液晶層の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜とが設けられ、前記コレステリック液晶用配向膜の膜厚が5nm〜20nmであり、前記液晶セルに対して光を入射させる照明装置を備えており、前記コレステリック液晶用配向膜が、前記半透過反射層と前記照明装置が備えられた側の基板との間に配設されていることを特徴とする。
【0014】
このようにコレステリック液晶用配向膜の膜厚を5nm〜20nm程度とすることで、当該コレステリック液晶用配向膜において、隣接する層(構成部材)との屈折率の差異に基づく反射光が生じ難くなる。コレステリック液晶用配向膜の膜厚が20nmを超えると上記反射光が生じてしまう場合があり、同膜厚が5nm未満となると、均一な膜厚が得られなくなる場合がある。なお、コレステリック液晶用配向膜の膜厚は好ましくは10nm〜15nm程度にするのが良い。
【0015】
以上のような本発明の液晶表示装置においては、一対の基板を上基板及び下基板とした場合に、液晶層に対して上基板側から円偏光を入射させる上基板側円偏光入射手段と、下基板側から円偏光を入射させる下基板側円偏光入射手段とが設けられるとともに、液晶層は選択電圧印加状態、非選択電圧印加状態のいずれか一方の状態において入射した円偏光の極性を反転させ、他方の状態において極性を変えないものとすることができる。この場合、各円偏光入射手段により液晶層に円偏光が入射されるとともに、入射された円偏光は、液晶層の電圧印加状態に基づき極性が維持ないし反転されることとなる。したがって、コレステリック液晶層に入射する円偏光の極性について、液晶層にて制御することが可能となり、その極性に基づいて明表示、暗表示のいずれかを行うことが可能となる。このような場合にも、上記のような屈折率又は膜厚のコレステリック液晶用配向膜を適用することで、半透過反射層以外の構成要素における光の反射を防止ないし抑制することができ、ひいては表示不良の発生を防止ないし抑制することが可能となる。なお、具体的には、上基板側円偏光入射手段及び下基板側円偏光入射手段は、一方向の直線偏光を透過する偏光板と、該偏光板を透過した直線偏光を円偏光に変換する位相差層とを有してなるものとすることができる。
【0016】
以下、上記本発明の液晶表示装置の表示原理について説明する。
図3は本発明の液晶表示装置の表示原理を説明するための図である。
この液晶表示装置においては、上基板24と下基板23との間に液晶層26が挟持されることにより液晶セル21が構成されている。下基板23の内面側には、所定の回転方向を持つ円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層33を有する半透過反射層と、コレステリック液晶層33の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜32とが設けられている。すなわち、コレステリック液晶用配向膜32とコレステリック液晶層33とは隣接して配設され、具体的にはコレステリック液晶層33の下基板23側に、コレステリック液晶用配向膜32が配設されている。
【0017】
また、図3の液晶表示装置には、液晶層26に対して上基板24側から円偏光を入射させる上基板側円偏光入射手段が設けられており、図3では一方向の直線偏光を透過する上偏光板43と、この上偏光板43を透過した直線偏光を円偏光に変換する上1/4波長板42とが上基板側円偏光入射手段を構成している。さらに、図3では液晶層26に対して下基板23側から円偏光を入射させる下基板側円偏光入射手段も設けられており、上基板24側と同様、下偏光板45と下1/4波長板44とが下基板側円偏光入射手段を構成している。ここでは、上基板24側、下基板23側ともに、偏光板43,45の透過軸を図3の紙面に平行な方向とし、この方向の直線偏光が1/4波長板42,44に入射された場合に右円偏光が出射されるものとする。
【0018】
また、コレステリック液晶層33は、所定の回転方向を持つ円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるものであり、例えば右回りの円偏光(以下、右円偏光という)のうち、80%を反射させ、20%を透過させるものである。液晶層26は、選択電圧印加の有無により入射した円偏光の極性(回転方向)を反転させることができ、例えば非選択電圧印加時(液晶OFF時)に液晶分子13が寝た状態でλ/2(λ:入射光の波長)の位相差を有するものとなり、したがって、入射した右円偏光は液晶層26を透過後、左円偏光に変化し、左円偏光は右円偏光に変化する。一方、選択電圧印加時(液晶ON時)に液晶分子13が立った状態では位相差がなくなり、円偏光の極性(回転方向)は変化しない。
【0019】
したがって、例えば反射明表示を行う場合には、液晶層26の選択電圧印加状態をONとし、上基板24側から入射された右円偏光を、そのまま右円偏光としてコレステリック液晶層33に入射させるものとしており、該コレステリック液晶層33にて右円偏光の80%は反射され、残りの20%は透過される。反射された円偏光は、極性を保ったまま、すなわち右円偏光のまま反射光として液晶層26に入射し、液晶層26においても極性が保たれ、したがって反射表示を行うことが可能となる。
【0020】
逆に、反射暗表示を行う場合には、液晶層26の選択電圧印加状態をOFFとし、液晶層26がλ/2の位相差を持つため、上基板24側から入射した右円偏光は液晶層26を透過すると左円偏光となる。図3においては、コレステリック液晶層33はあくまでも右円偏光の一部を反射するものであるため、この左円偏光は該コレステリック液晶層33を透過する。その後、下1/4波長板44を透過することにより紙面に垂直な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は下偏光板45で吸収されるので、外部(観察者側)へは戻らず、暗表示が行われる。
【0021】
一方、透過モードで表示を行う場合、例えばバックライト等から出射された光が下基板23の外側から液晶セル21に入射し、この光が表示に寄与する光となる。透過明表示を行う場合には、下基板23側から入射する光は、下偏光板45を透過することにより紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光となり、次いで、下1/4波長板44を透過することにより右円偏光となって下基板23の内側に入射される。この出射光のうちの20%がコレステリック液晶層33を透過することができ、液晶がON状態であれば、透過した20%の右円偏光がその偏光状態を維持したまま上基板24側に到達する。その後、右円偏光が上1/4波長板42を透過することにより紙面に平行な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は上偏光板43を透過できるので、外部(観察者側)へ出射され、液晶表示装置が明表示される。
【0022】
透過暗表示を行う場合には、コレステリック液晶層33に下基板23側から右円偏光が入射され、その20%がコレステリック液晶層を透過する。ここで、液晶がOFF状態であれば、上基板24側に到達した時点で左円偏光となり、上1/4波長板42を透過することにより紙面に垂直な偏光軸を有する直線偏光に変化し、この直線偏光は上偏光板43で吸収されるので、外部(観察者側)へは出射せず、液晶表示装置が暗表示される。
【0023】
ここで、透過暗表示では、コレステリック液晶層33に入射した右円偏光のうち、80%が下基板23側に向けて反射されることになる(図3右端)。この際、上述したように、コレステリック液晶は反射円偏光の回転方向を変えないという性質を持っているので、反射光は右円偏光である。コレステリック液晶層33に反射された光は、コレステリック液晶用配向膜32、下基板23、下1/4波長板44、下偏光板45を透過することによりバックライト側に導かれる。
【0024】
上述した通り、コレステリック液晶層33、コレステリック液晶用配向膜32、下基板23、下1/4波長板44、下偏光板45の各層間において屈折率の差異に基づき、コレステリック液晶層33で反射された光の一部が反射される場合がある(図3中、破線で示す)。この場合、コレステリック液晶層33での反射とは異なり、反射前後において円偏光の極性が異なるものとなり、したがって例えばコレステリック液晶層33で反射された右円偏光は、上記各層において左円偏光としてコレステリック液晶層33側に反射されることとなる。この左円偏光はコレステリック液晶層33を透過し、さらにOFF状態の液晶層26を透過して右円変更に変換され、そのまま漏光として外部(観察者側)へ出射されてしまい、コントラスト低下の原因となる場合がある。しかしながら、本発明においては、上述した通り特に反射が生じやすいコレステリック液晶用配向膜32について、その屈折率をコレステリック液晶層33と同程度のものとし、及び/又はその膜厚を5nm〜20nm程度としたために、上記のような各層における反射が防止ないし抑制され、コントラスト低下等の表示不具合が生じ難くなった。
【0025】
なお、上では説明を省略したが、透過明表示の際にも、右円偏光の80%がコレステリック液晶層33で反射し、下基板23側から一旦液晶セル21の外部に出射された後、再度液晶セル4に導入されるが、この光はいずれにしろ液晶層26で左円偏光となって上偏光板43で吸収されてしまうので、明表示にとって特に支障はない。また、上述したコレステリック液晶層33での反射:80%、透過:20%という割合はほんの一例であって、反射と透過の比率はいかようにも変えることができる。
【0026】
次に、上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、さらに異なる態様として、互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、基板の一方の内面側に、所定の回転方向を持つ円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層と、コレステリック液晶層の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜と、直線偏光を円偏光に変換する位相差層とが設けられ、位相差層が高分子液晶を主体として構成されるとともに、コレステリック液晶用配向膜と半透過反射層との間に配設されていることを特徴とする。
【0027】
この場合、コレステリック液晶層と位相差層とが隣接することとなり、コレステリック液晶層にて反射された光は、位相差層を透過することにより直線偏光に変換され、該位相差層を透過した後に円偏光として反射されることがなくなり、したがって、コレステリック液晶用配向膜で反射が生じたとしても直線偏光の反射であるために、円偏光が極性の反転を伴いつつ反射される場合の上記漏光が発生しなくなり、ひいては漏光によるコントラスト低下等の表示不具合発生を防止することができるようになる。なお、この場合、コレステリック液晶用配向膜の配向規制力は、高分子液晶からなる位相差層を介してコレステリック液晶に及ぶこととなる。
【0028】
また、この場合も、一対の基板を上基板及び下基板とし、液晶層に対して上基板側から円偏光を入射させる上基板側円偏光入射手段と、下基板側から円偏光を入射させる下基板側円偏光入射手段とを設け、液晶層を選択電界印加状態、非選択電界印加状態のいずれか一方の状態において入射した円偏光の極性を反転させ、他方の状態において極性を変えないものとし、下基板側円偏光入射手段を、位相差層と、コレステリック液晶用配向膜よりも下基板側に設けられた偏光板とを有するものとして構成することができる。
【0029】
上記本発明の液晶表示装置において、液晶セルに対して下基板側から光を入射させる照明装置を備えることが望ましい。本発明の液晶表示装置において透過表示を行うためには、何らかの手段によって下基板側から円偏光を入射させる必要がある。そのために如何なる手段を採ってもよいが、液晶セルに対して下基板側から光を入射させる照明装置、いわゆるバックライトを備えることにより、下基板側から円偏光を入射させる構成を容易に実現することができる。そして、このように照明装置を配設した場合、コレステリック液晶用配向膜を、半透過反射層と照明装置が備えられた側の基板(下基板)との間に配設するものとすることができ、すなわち、コレステリック液晶用配向膜が半透過反射層と隣接することとなり、その屈折率及び/又は膜厚を上記のように最適化することで漏光を防止できるのである。
【0030】
なお、照明装置が備えられた側の基板(下基板)の屈折率をNgとした場合に、コレステリック液晶用配向膜の屈折率Nhが、Ng≦Nh≦(Ng+0.06)を満たすものとすることができる。この場合、照明装置が備えられた側の基板(下基板)とコレステリック液晶用配向膜との間においても屈折率差が小さくなり、一層反射光が生じ難くなる。
【0031】
次に、上記位相差層としては、任意の位相差を持つものを適宜選択すればよいが、1/4波長板を用いることが望ましい。1/4波長板を用いた場合、偏光板を出射した直線偏光を、広い意味での円偏光(楕円偏光を含む)の中でも特に円偏光に変えることができるので、光の利用効率を最も高めることができ、より明るい表示の液晶表示装置を実現することができる。ただし、上基板側に設ける位相差層に色補償の機能も持たせたい場合には1/4波長板に限ることはなく、任意の位相差を持つ位相差層を選択すればよい。
【0032】
さらに、上記コレステリック液晶層は、所定の領域毎にコレステリック液晶分子のらせんピッチに応じた波長の異なる色光を選択的に反射させる反射型カラーフィルターとして機能するものとすることができる。すなわち、コレステリック液晶は、そのらせんピッチに応じて、所定の回転方向の円偏光のうち所定波長のものを反射するため、該波長に応じた色光を選択的に反射させることが可能となる。具体的には、所定領域毎にコレステリック液晶のらせんピッチをそれぞれ赤色、緑色、青色の波長に分けて形成することで、各色を領域毎に選択的に反射可能となり、したがって反射型カラーフィルターの実現が可能となる。
【0033】
次に、本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、透過モードにおいて明るくコントラストの高い表示が可能で、視認性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を提供することができるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1を参照して説明する。
図1は本実施の形態の液晶表示装置の断面構造を示す図であり、本実施の形態は半透過反射型カラー液晶表示装置の例である。なお、以下の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0035】
本実施の形態の液晶表示装置20は、図1に示すように、液晶セル21とバックライト22(照明装置)とを備えたものである。液晶セル21は、下基板23と上基板24とが対向配置され、これら上基板24と下基板23との間に、位相差を例えばλ/2に設定したネマチック液晶などからなる液晶層26が挟持されている。液晶セル21の後面側(下基板23の外面側)にバックライト22が配置されており、バックライト22は、LED(発光ダイオード)等からなる光源27、導光板28、反射板29などを備えている。
【0036】
ガラス等の透光性材料からなる下基板23の内面側には、コレステリック液晶層33を含んで構成される半透過反射層が、コレステリック液晶分子を配向させるためのコレステリック液晶用配向膜32を介して形成されている。また、コレステリック液晶層33の上層側には、例えばR、G、Bの異なる色の顔料を含む色素層34r,34g,34bを有する顔料カラーフィルター層35が形成され、その上にオーバーコート層36が形成されている。
【0037】
下基板23は、上述のようにガラス等の透光性基板から構成され、その屈折率は1.50〜1.55(例えば1.52)程度とされている。また、コレステリック液晶用配向膜32は、例えばポリイミドを主体として構成されており、膜厚が5nm〜20nm(例えば10nm)程度とされ、その屈折率は1.48〜1.58(例えば1.53)程度とされている。このコレステリック液晶用配向膜32により、コレステリック液晶層33を構成する液晶分子を配向させることが可能となる。
【0038】
コレステリック液晶層33は、その液晶分子の短軸方向の屈折率Noが1.48程度、長軸方向の屈折率Neが1.58程度のコレステリック液晶から構成されており、所定の回転方向を持つ円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるものであり、具体的には例えば右円偏光のうちの80%を反射させ、20%を透過させるものである。反射と透過の比率は、反射:透過=8:2〜1:9程度の範囲で設定することができ、この設定の方法としてはコレステリック液晶層33の厚さを制御することが一つの方法である。
【0039】
下基板23の内面側の顔料カラーフィルター層35の上方には、オーバーコート層36を介してITO等の透明導電膜からなる下部電極37が形成され、その上にポリイミド等の樹脂からなる配向膜38(液晶層26用の配向膜)が形成されている。一方、上基板24の内面側にも、ITO等の透明導電膜からなる上部電極39が形成され、その上にポリイミド等の樹脂からなる配向膜40(液晶層26用の配向膜)が形成されている。これら下部電極37、上部電極39からなる電極構成には、薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜ダイオード(TFD)等のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス方式のいずれも採用することができる。
【0040】
上基板24の外面側には、上位相差板42と上偏光板43(双方で上基板側円偏光入射手段を構成する)とが基板側からこの順に設けられている。一方、下基板23の外面側には、下1/4波長板(下位相差板)44と下偏光板45(双方で下基板側円偏光入射手段を構成する)とが基板側からこの順に設けられている。これら位相差板42,44と偏光板43,45は、液晶層26に対して所定の回転方向を持つ円偏光を入射させるためのものである。ただし、特に上基板24側に設ける位相差板に色補償の機能も持たせたい場合には必ずしも1/4波長板を用いることはなく、任意の位相差を持つ位相差板を選択すればよい。なお、各位相差板42,44は、屈折率が1.55〜1.60(例えば1.59)程度のものが採用されている。
【0041】
上記構成の液晶表示装置20の表示原理については[課題を解決するための手段]の項で詳細に説明したので、ここでは省略する。上述したように、本実施の形態の液晶表示装置20によれば、コレステリック液晶層33、コレステリック液晶用配向膜32、下基板23、下位相差板44の各構成要素の屈折率差が小さくされているため、各構成要素の境界部において光の一部が反射してしまう等の不具合が生じ難くなる。特にコレステリック液晶用配向膜32を薄膜化し、その屈折率をコレステリック液晶層33の屈折率と同程度のものとしたために、該液晶層33と配向膜32との境界部において光の反射が生じ難くされている。また、コレステリック液晶用配向膜32の屈折率を、ガラスにて構成される下基板23の屈折率(例えば1.52)よりも0.06を超えない範囲として構成したために、該下基板23と配向膜32との境界部においても光の反射が生じ難いものとされている。したがって、各境界部において発生する反射光が、漏光として表示されてしまう等の不具合を防止でき、漏光によるコントラストの低下を防止ないし抑制することが可能となる。
【0042】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図2を参照して説明する。
図2は第2の実施形態の液晶表示装置について断面構造を示す図である。第2の実施形態の液晶表示装置について、その基本構成は第1の実施の形態とほぼ同様であり、図2において図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施形態の液晶表示装置50は、図2に示すように、下基板23の内面側に色素層34r,34g,34bを含む顔料カラーフィルター35が形成され、さらにその内面側(液晶層26側)にはコレステリック液晶用配向膜32が積層されている。そして、コレステリック液晶用配向膜32の内面側には、顔料カラーフィルター35の各色素層34r,34g,34bに対応して、R、G、Bの異なる色の色光を選択反射させるコレステリック液晶層51r,51g,51bからなる半透過反射層51が形成されている。コレステリック液晶層51r,51g,51bは、各色光において所定の回転方向を持つ円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるものであり、第1の実施形態と同様、右円偏光のうちの80%を反射させ、20%を透過させるものである。あるいは、コレステリック液晶層51r,51g,51bの面積を、各々対応する顔料カラーフィルタの色素層34r,34g,34bの面積よりも狭くすることによって、より簡便に一部反射、一部透過の機能を与えることもできる。
【0044】
ここで、顔料カラーフィルター層35の各色素層34r,34g,34bの透過波長帯域とその上に位置するコレステリック液晶層51r,51g,51bの反射波長帯域はほぼ重なっており、この場合、赤色光を透過させる色素層34r上に赤色光を選択反射させるコレステリック液晶層51rが、緑色光を透過させる色素層34g上に緑色光を選択反射させるコレステリック液晶層51gが、青色光を透過させる色素層34b上に青色光を選択反射させるコレステリック液晶層51bがそれぞれ配置されている。コレステリック液晶層51r,51g,51bは液晶分子のらせんのピッチに一致した波長の光を選択反射させるもので、例えばコレステリック液晶を硬化させる際の紫外線強度や温度を変えることで局所的にらせんピッチを制御することができ、らせんピッチを450nm程度に制御すれば青色光を選択反射させるもの、550nm程度に制御すれば緑色光を選択反射させるもの、650nm程度に制御すれば赤色光を選択反射させるものが得られ、全体が反射型カラーフィルターとして機能する。
【0045】
本実施の形態の場合、コレステリック液晶層51r,51g,51bが主に反射表示時の色を形成するためのカラーフィルターとして機能するのに対し、顔料カラーフィルター層35は専ら透過表示時の色を形成するためのカラーフィルターとして機能する。これら顔料カラーフィルター層35の色素層34r,34g,34bとその上に位置するコレステリック液晶層51r,51g,51bの各色毎の平面的なパターン形状は、例えばストライプ状、モザイク状、デルタ状として知られる従来のカラーフィルターと同様のものを採用することができる。
【0046】
このような第2の実施形態の液晶表示装置50の表示原理は、コレステリック液晶層51r、51g、51bにて反射される光が、所定波長の色光である以外は第1の実施形態と略同様である。この場合も、コレステリック液晶用配向膜32を第1の実施形態と同様、特にコレステリック液晶用配向膜32を薄膜化し、その屈折率をコレステリック液晶層51r、51g、51bの屈折率と同程度のものとしたために、該液晶層51r、51g、51bと配向膜32との境界部において光の反射が生じ難くされている。したがって、各境界部において発生する反射光が、漏光として表示されてしまう等の不具合を防止でき、漏光によるコントラストの低下を防止ないし抑制することが可能となる。
【0047】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態を図4を参照して説明する。
図4は第3の実施形態の液晶表示装置について断面構造を示す図である。第3の実施形態の液晶表示装置70は、図1の液晶表示装置20について、下基板23と偏光板45との間に配設された下1/4波長板(位相差層)44を、コレステリック液晶用配向膜32とコレステリック液晶層33との間に配設させた以外は、その図1の液晶表示装置20と略同様の構成である。したがって、図4において図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
上述した通り、図4に示した第3の実施形態の液晶表示装置70においては、コレステリック液晶用配向膜32とコレステリック液晶層33との間に下1/4波長板44が配設されている。この場合、下基板23側から液晶セル21内に入射された光は、下1/4波長板44で円偏光となり、コレステリック液晶層33にて選択透過ないし選択反射されることとなる。このうち選択反射された光は、再び下基板23側に反射されるが、コレステリック液晶層33に隣接して設けられた下1/4波長板44で直線偏光となって、コレステリック液晶用配向膜32、下基板23、下偏光板45側に出射される。
【0049】
したがって、コレステリック液晶層33にて反射された光(戻り光とも言う)が、直線偏光の状態でコレステリック液晶用配向膜32、下基板23、下偏光板45を透過することとなるため、これらの境界で戻り光が反射された場合にも、図3に示したような円偏光の極性反転を伴うこともない。その結果、各境界部で反射される光が、漏光として表示されてしまう等の不具合を防止することが可能となる。なお、下1/4波長板44は、例えば高分子液晶を主体として構成することができ、この場合、コレステリック液晶用配向膜32の配向規制力は、該高分子液晶からなる下1/4波長板44を介してコレステリック液晶層33に及ぶこととなる。また、このような液晶表示装置70においては、コレステリック液晶用配向膜32を通過する戻り光が直線偏光であるため、必ずしも屈折率の低いものを採用する必要はなく、任意の配向膜を採用することが可能である。
【0050】
なお、図2に示した第2の実施形態の液晶表示装置50についても、下1/4波長板44を、図5に示すようにコレステリック液晶層51r、51g、51bとコレステリック液晶用配向膜32との間に配設することができる。この場合も、図4の場合と同様に漏光の発生を防止し、コントラストの高い視認性に優れた表示装置を提供可能となる。
【0051】
[電子機器]
上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図8は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図8において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0052】
図9は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図9において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0053】
図10は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0054】
図8〜図10に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているので、高コントラストで視認性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0055】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態では、円偏光入射手段として偏光板と1/4波長板とを用いたが、液晶層に対して円偏光を入射できるものであれば、その他の光学部材を用いてもよい。
【0056】
また、本発明においては、液晶層に円偏光を入射させて表示に利用するのが理想的であるが、必ずしも完全な円偏光に限ることはなく、光の利用効率が多少低下するのを許容すれば、楕円偏光を用いることもできる。また、上記実施の形態では、領域毎に顔料カラーフィルター層の各色素層の透過光の色と前記各色素層に対応する位置のコレステリック液晶層の反射光の色が同色である、すなわち、顔料カラーフィルター層の各色素層の透過波長帯域と各色素層に対応する位置のコレステリック液晶層の反射波長帯域がほぼ重なっている例を挙げたが、これについても光の利用効率が多少低下するのを許容すれば、前記2つの波長帯域の少なくとも一部が重なっていればよい。
【0057】
【実施例】
上記実施の形態に示した液晶表示装置について、その効果を確認するために以下の実験を行った。
すなわち、図1に示した液晶表示装置20について、コレステリック液晶用配向膜32を、表1に示したように屈折率を種々変化させた比較例1〜3及び実施例1,2の配向膜にて構成し、これら各配向膜の膜厚を種々変化させたときのコントラストについて比較を行った。なお、コレステリック液晶層33は、短軸方向の屈折率Noが1.48、長軸方向の屈折率Neが1.58のコレステリック液晶からなるものを用い、下基板23は、屈折率が1.52のガラス基板を用いた。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示すように、屈折率1.57の実施例1及び屈折率1.53の実施例2の配向膜は、膜厚に関係なく少なくとも1:101のコントラストが得られ、同膜厚の比較例1〜3の配向膜に比して高コントラストの表示が得られることが分かった。さらに、膜厚が5nm〜20nmの配向膜については、屈折率の値に拘らず少なくとも1:82のコントラストが得られることが分かった。
【0060】
このような差異は、本発明者らの検討により、コレステリック液晶用配向膜32における反射光の発生に起因していることが分かり、該反射光の発生を抑えることにより高コントラストの表示が可能となることが分かった。そこで、本発明者らは、コレステリック液晶用配向膜32と、コレステリック液晶層33及び下基板23との屈折率差を低減させたところ、上記のように高いコントラストの表示を得ることができた。具体的には、コレステリック液晶用配向膜32の屈折率を、コレステリック液晶層33の屈折率と同程度、すなわち短軸方向の屈折率Noと長軸方向の屈折率Neの範囲内とすることで高コントラストの表示を得ることができたのである。また、コレステリック液晶用配向膜32の膜厚を5nm〜20nmとした場合にも高コントラストの表示を得ることができた。
【0061】
なお、コレステリック液晶用配向膜32における反射率について図6に示した。図6において、横軸はコレステリック液晶用配向膜32の膜厚で、縦軸はコレステリック液晶用配向膜の屈折率である。これにより、コレステリック液晶用配向膜32の屈折率が1.48〜1.58の場合、あるいは同配向膜32の膜厚が5nm〜20nmの場合に反射率が低いことが分かる。
【0062】
また、比較例1と実施例2について印加電圧毎の透過率を測定し、図7に結果を示した。図示下側のグラフは、上側のグラフについて縦軸を対数とした場合のものである。これにより、実施例2の配向膜をコレステリック液晶用配向膜32として用いることで暗表示時の透過率が低下し、相対的に漏光が少なくなっていることが分かった。
【0063】
一方、図4及び図5に示した液晶表示装置70,80についても、コレステリック液晶用配向膜32の境界部における光の反射を防止ないし抑制することができること確認した。例えば、液晶表示装置70についてコレステリック液晶用配向膜32の屈折率を1.67とし、膜厚を50nmとした場合にも、1:242の非常に高いコントラストが得られた。
【0064】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、コレステリック液晶用配向膜とコレステリック液晶層(半透過反射層)との間の屈折率差を小さくしたため、両者の境界において光の一部が反射してしまう等の不具合が生じ難くなる。したがって、境界部における反射光が漏光として表示される等の不具合を回避でき、コントラスト低下等の表示不良発生を防止ないし抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図2】 同、第2の実施の形態に係る液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図3】 上記第1の実施の形態に相当する液晶表示装置の表示原理を説明するための模式図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態に係る液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図5】 図2の液晶表示装置についての変形例について断面構造を示す図である。
【図6】 実施例に係る液晶表示装置について膜厚及び屈折率毎の反射率を示す図である。
【図7】 実施例及び比較例に係る液晶表示装置について印加電圧値毎の透過率を示す図である。
【図8】 本発明に係る電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図9】 本発明に係る電子機器のさらに他の例を示す斜視図である。
【図10】 従来の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
20,50,70,80 液晶表示装置
21 液晶セル
22 バックライト(照明装置)
23 下基板
24 上基板
26 液晶層
32 コレステリック液晶用配向膜
33 コレステリック液晶層(半透過反射層)
35 顔料カラーフィルター層
44 下1/4波長板(下位相差板、下基板側円偏光入射手段)
45 下偏光板(下基板側円偏光入射手段)
51 半透過反射層
51r,51g,51b コレステリック液晶層
Claims (11)
- 互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記基板の一方の内面側に、所定の回転方向を持つ円偏光又は楕円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層と、前記コレステリック液晶層の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜とが設けられ、前記コレステリック液晶層を構成するコレステリック液晶分子の長軸方向の屈折率をNe、短軸方向の屈折率をNoとした場合に、前記コレステリック液晶用配向膜の屈折率Nhが、No≦Nh≦Neを満たし、前記液晶セルに対して光を入射させる照明装置を備えており、前記コレステリック液晶用配向膜が、前記半透過反射層と前記照明装置が備えられた側の基板との間に配設されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記基板の一方の内面側に、所定の回転方向を持つ円偏光又は楕円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層と、前記コレステリック液晶層の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜とが設けられ、前記コレステリック液晶用配向膜の膜厚が5nm〜20nmであり、前記液晶セルに対して光を入射させる照明装置を備えており、前記コレステリック液晶用配向膜が、前記半透過反射層と前記照明装置が備えられた側の基板との間に配設されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記一対の基板を第1基板及び第2基板とし、前記液晶層に対して前記第1基板側から円偏光又は楕円偏光を入射させる第1円偏光入射手段と、前記第2基板側から円偏光又は楕円偏光を入射させる第2円偏光入射手段とが設けられるとともに、前記液晶層は入射した円偏光又は楕円偏光の極性を反転可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
- 前記第1円偏光入射手段及び前記第2円偏光入射手段が、一方向の直線偏光を透過する偏光板と、該偏光板を透過した直線偏光を円偏光又は楕円偏光に変換する位相差層とを有することを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
- 互いに対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記基板の一方の内面側に、所定の回転方向を持つ円偏光のうちの一部を反射させ、一部を透過させるコレステリック液晶層を有する半透過反射層と、前記コレステリック液晶層の液晶分子を配向させるコレステリック液晶用配向膜と、直線偏光を円偏光又は楕円偏光に変換する位相差層とが設けられ、該位相差層が高分子液晶を主体として構成されるとともに、前記コレステリック液晶用配向膜と前記半透過反射層との間に配設されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記一対の基板を第1基板及び第2基板とし、前記液晶層に対して前記第1基板側から円偏光又は楕円偏光を入射させる第1円偏光入射手段と、前記第2基板側から円偏光又は楕円偏光を入射させる第2偏光入射手段とが設けられるとともに、前記液晶層は入射した円偏光又は楕円偏光の極性を反転可能とされており、前記第2円偏光入射手段が、前記位相差層と、前記コレステリック液晶用配向膜よりも前記第2基板側に設けられた偏光板とを有することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶セルに対して光を入射させる照明装置が備えられ、前記コレステリック液晶用配向膜が、前記半透過反射層と前記照明装置が備えられた側の基板との間に配設されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示装置。
- 前記照明装置が備えられた側の基板の屈折率をNgとした場合に、前記コレステリック液晶用配向膜の屈折率Nhが、Ng≦Nh≦(Ng+0.06)を満たすことを特徴とする請求項1〜4、又は請求項7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記位相差層が1/4波長板であることを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 前記コレステリック液晶層が、所定の領域毎にコレステリック液晶分子のらせんピッチに応じた波長の異なる色光を選択的に反射させる反射型カラーフィルターとして機能することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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