JP4048650B2 - ペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的及び/又は光学的性質により各種の誘電体デバイスへの応用が期待できる金属酸化物系のペロブスカイト型酸化物薄膜を、ゾルゲル法等により形成するためのペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属酸化物薄膜、特にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)及びそれにランタンをドープした(PLZT:PbxLa1−x(ZryTi1−y)1−X/4O3)はその高い誘電率、優れた強誘電特性から種々の誘電体デバイスへの応用が期待されている。これらの金属酸化物薄膜の成膜法としては、スパッタリング法、MOCVD法などがあるが、比較的安価で簡便に薄膜を作製する手法として、有機金属溶液を基板に塗布するゾルゲル法がある。
【0003】
ゾルゲル法は、原料となる各成分金属の加水分解性の化合物、その部分加水分解物及び/又はその部分重縮合物を含有する原料溶液を基板に塗布し、塗膜を乾燥させた後、例えば空気中で約400℃に加熱して金属酸化物の膜を形成し、さらにその金属酸化物の結晶化温度以上(例えば、約700℃)で焼成して膜を結晶化させることにより強誘電体薄膜を成膜する方法である。
【0004】
このゾルゲル法に似た方法として、有機金属分解(MOD)法がある。MOD法では、熱分解性の有機金属化合物、例えば、金属のβ−ジケトン錯体(例えば、金属アセチルアセトネート)やカルボン酸塩(例えば、酢酸塩)を含有する原料溶液を基板に塗布し、例えば空気中又は含酸素雰囲気中等で加熱して、塗膜中の溶媒の蒸発及び金属化合物の熱分解を生じさせて金属酸化物の膜を形成し、さらに結晶化温度以上で焼成して膜を結晶化させる。従って、原料化合物の種類が異なるだけで、成膜操作はゾルゲル法とほぼ同様である。
【0005】
このようにゾルゲル法とMOD法は成膜操作が同じであるので、両者を併用した方法も可能である。即ち、原料溶液が加水分解性の金属化合物と熱分解性の金属化合物の両方を含有していてもよく、その場合には塗膜の加熱中に原料化合物の加水分解と熱分解が起こり、金属酸化物が生成する。
【0006】
従って、以下において、ゾルゲル法、MOD法、及びこれらを併用した方法を包含して「ゾルゲル法等」と称す。
【0007】
ゾルゲル法等は、安価かつ簡便で量産に適しているという利点に加えて、膜の組成制御が容易で、成膜厚みが比較的均一であるという優れた特長を有する。従って、比較的平坦な基板上に強誘電体薄膜を形成するのには最も有利な成膜法であると言える。
【0008】
このゾルゲル法等の有機金属原料としては金属アルコキシド又は有機酸塩が一般に使用されている。また、これらの有機金属原料を溶解する有機溶媒としては、アルコール類、エチレングリコール誘導体、キシレン、トルエン等を使用することができるが、従来、ペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液の有機溶媒としては、エチレングリコール誘導体が良いとされ、特にエチレングリコールモノメチルエーテル(2−メトキシエタノール)が広く使用されてきている(例えば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.33(1994)pp.5196−5200 等)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコール誘導体の有害性、特に生殖機能に対する影響が問題になっている(例えば特開平9−28415号公報等)。これに伴い、エチレングリコール誘導体を使用しないペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液の開発が強く望まれている。
【0010】
また、従来のゾルゲル法で作成したPZT系薄膜では一般に、表面形態に凹凸があり、その成膜粒子の粒径が不均一であることが知られている(例えば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.33(1994)pp.5159−5166、J.Mater.Res.,vol11,No.10,Oct. 1996 pp.2556−2564等)。即ち、このPZT系薄膜では一般に、粒径1000nm程度のペロブスカイト粗大粒子とジルコニア微細粒子領域とに分かれた不均一な表面形態を有している。表面形態が不均一であると、電気的特性も場所により不均一になり、微細キャパシタを作製する場合の障害となる。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、エチレングリコール誘導体を使用しないペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液であって、表面形態が均一で電気的特性の均質性にも優れたペロブスカイト型酸化物薄膜を形成することができるペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液は、Pb、Ti及びZrを含有するペロブスカイト型酸化物薄膜を成膜するための原料溶液であって、Pb原料化合物が酢酸鉛3水和物及び/又は酢酸鉛無水物であり、Ti原料化合物がチタンアルコキシドであり、Zr原料化合物がジルコニウムアルコキシドである金属化合物を有機溶媒中に含有する溶液からなる原料溶液において、該溶液中に1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール及び2−メチル−2−プロパノールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のブタノール溶媒を含有しており、原料溶液に存在する有機溶媒に対する前記ブタノール溶媒の含有率が30重量%以上であり、原料溶液に存在する金属元素の合計原子数に対して、β−ジケトン類を0.1〜5倍の分子数で含有することを特徴とする。
【0013】
即ち、本発明者らは、上記目的を達成するために検討を行うに当り、まず、原料となる有機金属化合物については、金属アルコキシドが望ましいと考えた。これは、金属アルコキシドを中心原料とするゾルゲル法は、加水分解及び縮合重合により金属−酸素結合が形成され、その結果、一般的に緻密な膜が得られやすいからである。これに対し、熱分解性の有機金属化合物を原料とするMOD法は、原料が縮合重合しないため、一般的にポーラスな薄膜となり、また、ロゼッタ構造を取りやすいとされる。従って、原料の有機金属化合物としては、Pb原料化合物には酢酸鉛3水和物及び/又は酢酸鉛無水物を、Ti原料化合物にはチタンアルコキシドを、Zr原料化合物にはジルコニウムアルコキシドをそれぞれ標準原料とすることで研究を進めた。ここでPb原料化合物に酢酸鉛を選択した理由は、鉛のアルコキシドは溶解せず、経時変化安定性が悪いためである。
【0014】
しかして、本発明者らは、このような原料系のもとに、以下の条件を満足するペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液を見出すべく鋭意研究を重ねた。
【0015】
(1) 用いる溶媒が低毒性有機溶媒であること
(2) 塗布特性に優れていること(ストリエーションがないこと)
(3) 経時変化安定性があること
(4) 表面モフォロジーが良好であり、膜が緻密であること
そして、研究の結果、ブタノール、即ち、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールを主溶媒として用いることにより、塗布特性が著しく改善され、得られる薄膜の表面形態の飛躍的な向上が認められること、更に、安定化剤としてβ−ジケトン類を所定量添加することにより、塗布性、表面形態の向上効果を損なうことなく、原料溶液の加水分解速度、重縮合速度等を抑え、その経時変化安定性を改善することができることを知見し、本発明を完成させた。
【0016】
低毒性有機溶媒の条件を満足するブタノール以外の有機溶媒では、溶解度が高く合成時に沈殿が発生しない溶剤は少なく、更に合成時に沈殿が生じない溶媒を用いた原料溶液でも塗布特性が良好でないものが多く、また、塗布特性を満足するものでも良好な表面モフォロジーを満足し得なかった。前記(1),(2),(4)の条件を満足する有機溶媒としては、ブタノールが最適であった。
【0017】
また、β−ジケトン類以外の他の安定化剤(β−ケトエステル類、アルカノールアミン類、多価アルコール類、エステル類、長鎖カルボン酸、長鎖アルコール、その他)では、塗布特性、経時変化安定性の向上に有効なものもあったが、いずれも表面モフォロジーを満足し得なかった。
【0018】
一方、原料有機金属化合物の選定についても検討を行った。過去に、ブタノールを用いて成膜した報告(Journal of Materials Science 19 (1984) 595-598)はあるが、ここで用いられている原料有機金属化合物は、2−エチルヘキサン酸鉛、ジルコニウムアセチルアセテート、チタンテトラブトキシドであった。そこで、ここで使用されている原料系について検討したところ、原料有機金属化合物として、Pb原料化合物に2−エチルヘキサン酸鉛を用いた場合、上記(1)〜(3)の条件は満足したが、(4)の条件を満足せず、また、ボイドの多いポーラスな薄膜となった。これに対し、酢酸鉛3水和物及び/又は酢酸鉛無水物を用いた場合は、緻密な薄膜構造となり、(1)〜(3)のみならず(4)の表面モフォロジーも良好であった。
【0019】
また、Zr原料化合物としてジルコニウムアセチルアセテートを用いた場合、上記(1)の条件は満足したが、(2)のストリエーションが生じ、また、(3)の経時変化安定性にも問題があり、鉛量を増やした場合(例えば15%PLZT(120/1/52/48))に沈殿が生じた。更に、(4)の条件も満足せず、また、ボイドの多いポーラスな薄膜となった。これに対し、ジルコニウムアルコキシドを用いた場合には、アセチルアセトン量を最適化することにより、鉛量を増やしても15%PLZT(130/1/52/48)の沈殿のない溶液を得ることができ、しかも緻密な薄膜構造となり、(4)の表面モフォロジーも良好であった。これは、ジルコニウムアセチルアセテートを原料として用いると、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類量の最適化ができないため、沈殿が生成するのに対し、ジルコニウムアルコキシドであれば、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類量の最適化ができるため、この最適化で、沈殿のない溶液を得ることができ、また、その他の条件も満足することによるためと考えられる。
【0020】
本発明によれば、
(1) 低毒性であり
(2) 塗布特性に優れ
(3) 経時変化安定性に優れ
(4) 得られる薄膜の表面モフォロジーが良好で、膜が緻密なペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液が提供される。
【0021】
なお、本発明のペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液を成膜した場合、良好な表面モフォロジーが得られる、即ち、具体的には結晶粒が微細になり、かつ膜全体を通して粒径がほぼ均一となってバラツキがなくなる上に、ジルコニア相又はパイロクロア相といったペロブスカイト以外の相が見られなくなる効果の作用機構は次の通り推定される。
【0022】
即ち、原料溶液中に存在するブタノール(又はブタノールとβ−ジケトン類)が配位したTi及びZrの有機金属錯体が、従来の有機金属錯体、例えばエチレングリコール誘導体(又はエチレングリコール誘導体と安定化剤)が配位した有機金属錯体等と比較して、結晶化温度が低いため、膜の仮焼時及び/又は結晶化アニール(焼成)時に、まず多数のTiO2又はZrO2結晶が基板上に不均一生成する。そして、これらの結晶が初期核となり結晶成長するため、均一で微細な結晶粒からなる酸化物薄膜が形成される。このように結晶粒が微細かつ均一で、ペロブスカイト以外の相が生成しなくなるため、電気的特性も膜全体で均一となり、強誘電体薄膜のどの部分からデバイスを作製してもほぼ同じ品質の製品が得られ、製品の信頼性が向上する。
【0023】
本発明において、原料溶液に存在する有機溶媒に対する前記ブタノール溶媒の含有率は30重量%以上である。
【0024】
また、本発明では、原料溶液に存在する金属元素の合計原子数に対して、β−ジケトン類を0.1〜5倍の分子数で含有すること、特に、原料溶液に存在する有機溶媒に対する1−ブタノールの含有率が30重量%以上であり、かつ原料溶液に存在する金属元素の合計原子数に対してアセチルアセトンを0.1〜5倍の分子数で含有することが好ましく、これにより、より一層優れた効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0026】
本発明で成膜するペロブスカイト型酸化物薄膜は、PbとTiとZrを含有する酸化物材料である。かかるペロブスカイト型酸化物薄膜の例としては、PbとZr及びTiとからなるペロブスカイト型酸化物薄膜(チタン酸ジルコン酸鉛:PZT薄膜)が挙げられる。
【0027】
この酸化物材料には、微量のドープ元素を含有させることができる。ドープ元素の例としては、Ca、Sr、Ba、Hf、Sn、Th、Y、Sm、Dy、Ce、Bi、Sb、Nb、Ta、W、Mo、Cr、Co、Ni、Fe、Cu、Si、Ge、U、Sc、V、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Laなどが挙げられ、その含有量は薄膜中の金属原子の原子分率で0.1以下とするのが好ましい。
【0028】
本発明においては、有機溶媒として、ブタノール、即ち、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールの1種又は2種以上のブタノール溶媒を用いるが、経済性、融点及び引火点による取扱性等を考慮した場合、1−ブタノールを用いるのが最も好ましい。有機溶媒としては、これらのブタノール溶媒と他の有機溶媒との混合溶媒を用いても良いが、この場合、優れた表面モフォロジーを得るためには、原料溶液中の全有機溶媒に対するブタノール溶媒の割合が30重量%以上、特に40重量%以上となるようにするのが好ましい。
【0029】
なお、併用し得る他の有機溶媒としては、ブタノール以外のアルコール、カルボン酸、エステル、ケトン、エーテル、シクロアルカン、芳香族系溶媒などが挙げられ、このうち、アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノールなどのアルカノール類、シクロヘキサノールといったシクロアルカノール類、ならびに2−メトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノールといったアルコキシアルコール類が使用できる。
【0030】
また、カルボン酸溶媒の例としては、n−酪酸、α−メチル酪酸、i−吉草酸、2−エチル酪酸、2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、2,3−ジメチル酪酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、3,3−ジメチルペンタン酸、2,3−ジメチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸などが挙げられる。
【0031】
エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸sec−アミル、酢酸tert−アミル、酢酸イソアミルなどが挙げられる。
【0032】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルエトン、メチルイソブチルケトンが挙げられ、エーテル系溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルといった鎖式エーテル、並びにテトラヒドロフラン、ジオキサンといった環式エーテルが挙げられる。また、シクロアルカン系溶媒としては、シクロヘプタン、シクロヘキサンなどが挙げられ、芳香族系溶媒としては、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
【0033】
また、本発明においては、原料溶液中に安定化剤としてβ−ジケトン類を配合する。安定化剤の配合により、原料溶液の加速分解速度、重縮合速度が抑えられ、その保存安定性が改善される。この場合、安定化剤としてのβ−ジケトン類の添加量は、原料溶液中に存在する金属元素の合計原子数に対するβ−ジケトン類の分子数で0.1〜5倍の量であり、より好ましくは0.2〜3倍である。β−ジケトン類は添加量が多すぎると安定性の低下が危惧され、少なすぎるとβ−ジケトン類の効果が十分に得られない。使用するβ−ジケトン類としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルアセトン、ジイソブチルメタン、ジピバロイルメタン、3−メチルペンタン−2,4−ジオン、2,2−ジメチルペンタン−3,5−ジオン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン等が挙げられるが、これらの中でも特に経済性、膜の緻密性、ハロゲン化物を含まない等の観点からアセチルアセトンが望ましい。
【0034】
安定化剤としてのβ−ジケトン類は、原料溶液の製造工程のどの段階で添加しても良いが、後述する共沸蒸留を行う場合には、この蒸留後に添加することが好ましい。また、金属アルコキシドの部分加水分解を行う場合には、その前にβ−ジケトン類を添加しておく方が、加水分解速度の制御が容易となることから好ましい。なお、β−ジケトン類を添加した場合には、塗布後の加水分解を促進させるために、原料溶液に少量の水を添加しても良い。
【0035】
本発明のペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液は、有機溶媒としてブタノール溶媒を用い、安定化剤としてβ−ジケトン類を配合すること以外は常法に従って調製することができる。
【0036】
原料として好適な有機金属化合物の具体例を示すと、鉛化合物としては酢酸塩(酢酸鉛)が挙げられる。チタン化合物としては、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラi−ブトキシチタン、テトラt−ブトキシチタン、ジメトキシジイソプロポキシチタンなどのアルコキシドである。ジルコニウム化合物は上記チタン化合物と同様である。
【0038】
本発明では、前述の理由から、特に、Ti原料化合物としてチタンアルコキシドを、Zr原料化合物としてジルコニウムアルコキシドを、また、Pb原料化合物として酢酸鉛3水和物及び/又は酢酸鉛無水物をそれぞれ用いる。
【0039】
本発明では、これらの各成分金属の原料として使用する金属化合物を、ブタノール又はブタノールを含む有機溶媒に溶解し、安定化剤としてβ−ジケトン類を添加して、形成するペロブスカイト型酸化物薄膜の複合金属酸化物(2以上の金属を含有する酸化物)の前駆体を含有する原料溶液を調製する。
【0040】
原料溶液中に含有させる各金属化合物の割合は、成膜しようとするペロブスカイト型酸化物薄膜の金属原子比とほぼ同じでよい。但し、一般に鉛化合物は揮発性が高く、金属酸化物に変化させるための加熱中又は結晶化のための焼成中に蒸発による鉛の欠損が起こることがある。そのため、この欠損を見越して、鉛をやや過剰(例えば、2〜20%過剰)に存在させても良い。この鉛の欠損の程度は、鉛化合物の種類や成膜条件によって異なり、予め実験により求めることができる。
【0041】
なお、原料溶液の金属化合物濃度は特に制限されず、利用する塗布法や部分加水分解の有無によっても異なるが、一般に金属酸化物換算の合計金属含有量として0.1〜20重量%の範囲が好ましい。
【0042】
金属化合物をブタノール又はブタノールを含む有機溶媒中に溶解させた溶液は、そのまま原料溶液としてゾルゲル法等による成膜に使用することができる。或いは、造膜を促進させるため、この溶液を加熱して、加水分解性の金属化合物(例えば、アルコキシド)を部分加水分解ないし部分重縮合させて成膜に使用してもよい。即ち、この場合には、原料溶液は、少なくとも一部の金属化合物については、その部分加水分解物及び/又は部分重縮合物を含有することになる。
【0043】
部分加水分解のための加熱は、温度や時間を制御して、完全に加水分解が進行しないようにする。完全に加水分解すると、原料溶液の安定性が著しく低下し、ゲル化し易くなる上、均一な成膜も困難となる。加熱条件としては、温度80〜200℃で、0.5〜50時間程度が適当である。加水分解中に、加水分解物が−M−O−結合(M=金属)により部分的に重縮合することがあるが、このような重縮合は部分的であれば許容される。
【0044】
原料溶液が、金属アルコキシドと金属カルボン酸塩の両者を含有する場合には、金属アルコキシドと混合する前に、金属カルボン酸塩に付随する結晶水を除去しておくことが好ましい。この結晶水の除去は、金属カルボン酸だけをまず溶媒に溶解させ、この溶液を蒸留して溶媒との共沸蒸留により脱水することにより実施できる。従って、この場合の溶媒は水と共沸蒸留可能なものを使用する。金属カルボン酸塩の結晶水を除去せずに金属アルコキシドと混合すると、金属アルコキシドの加水分解が進行しすぎたり、その制御が困難となることがあり、部分加水分解後に沈殿を生ずることがある。
【0045】
このような本発明のペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液によれば、従来のゾルゲル法等と同様にして、次のような手順に従ってペロブスカイト型酸化物薄膜を成膜することができる。
【0046】
まず、本発明のペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液を基板上に塗布する。塗布は、スピンコーティングにより行うのが一般的であるが、ロール塗布、噴霧、浸漬、カーテンフローコート、ドクターブレードなど他の塗布法も適用可能である。塗布後、塗膜を乾燥させ、溶媒を除去する。この乾燥温度は溶媒の種類によっても異なるが、通常は80〜200℃程度であり、好ましくは100〜180℃の範囲でよい。但し、原料溶液中の金属化合物を金属酸化物に転化させるための次工程の加熱の際の昇温中に、溶媒は除去されるので、塗膜の乾燥工程は必ずしも必要とされない。
【0047】
その後、仮焼工程として、塗布した基板を加熱し、有機金属化合物を完全に加水分解又は熱分解させて金属酸化物に転化させ、金属酸化物からなる膜を形成する。この加熱は、一般に加水分解の必要なゾルゲル法では水蒸気を含んでいる雰囲気、例えば、空気又は含水蒸気雰囲気(例えば、水蒸気を含有する窒素雰囲気)中で行われ、熱分解させるMOD法では含酸素雰囲気中で行われる。加熱温度は、金属酸化物の種類によっても異なるが、通常は150〜550℃の範囲であり、好ましくは、300〜450℃である。加熱時間は、加水分解及び熱分解が完全に進行するように選択するが、通常は1分ないし2時間程度である。
【0048】
ゾルゲル法等の場合は、1回の塗布で、ペロブスカイト型酸化物薄膜に必要な膜厚とすることは難しい場合が多いので、必要に応じて、上記の塗布と(乾燥と)仮焼を繰返して、所望の膜厚の金属酸化物の膜を得る。こうして得られた膜は、非晶質であるか、結晶質であっても結晶性が不十分であるので、分極性が低く、強誘電体薄膜として利用できない。そのため、最後に結晶化アニール工程として、その金属酸化物の結晶化温度以上の温度で焼成して、ペロブスカイト型の結晶構造を持つ結晶質の金属酸化物薄膜とする。なお、結晶化のための焼成は、最後に一度で行うのではなく、各塗布した塗膜ごとに、上記の仮焼に続けて行ってもよいが、高温での焼成を何回も繰返す必要があるので、最後にまとめて行う方が経済的には有利である。
【0049】
この結晶化のための焼成温度は通常は500〜800℃の範囲であり、例えば500〜750℃である。従って、基板としては、この焼成温度に耐える程度の耐熱性を有するものを使用する。結晶化のための焼成(アニール)時間は、通常は1分から2時間程度であり、焼成雰囲気は特に制限されないが、通常は空気又は酸素である。
【0050】
このようなペロブスカイト型酸化物薄膜の形成に用いられる耐熱性の基板材料としては、シリコン(単結晶又は多結晶)、白金、ニッケルなどの金属類、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO3)又はコバルト酸ランタンストロンチウム((LaXSr1−X)CoO3)などのぺロブスカイト型導電性酸化物など、石英、窒化アルミニウム、酸化チタンなどの無機化合物が挙げられる。キャパシター膜の場合には、基板は下部電極であり、下部電極としては、例えば、Pt、Pt/Ti、Pt/Ta、Ru、RuO2、Ru/RuO2、RuO2/Ru、Ir、IrO2、Ir/IrO2、Pt/Ir、Pt/IrO2、SrRuO3又は(LaXSr1−X)CoO3などのぺロブスカイト型導電性酸化物などとすることができる(なお、「/」を用いた2層構造のものは「上層/下層」として示してある。)。
【0051】
このようにして成膜されたペロブスカイト型酸化物薄膜の膜厚は、誘導体デバイスの用途によっても異なるが、通常は500〜4000Å程度が好ましく、得られた強誘電体薄膜は、各種の誘導体デバイスに有用である。
【0052】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0053】
なお実施例及び比較例で用いた原料金属化合物は次の通りである。
【0054】
Pb原料化合物:酢酸鉛3水和物
酢酸鉛無水物
2−エチルヘキサン酸鉛
La原料化合物:酢酸ランタン1.5水和物
Ti原料化合物:チタンテトライソプロポキシド
Zr原料化合物:ジルコニウムテトラn−ブトキシド
ジルコニウムアセチルアセテート
実施例1〜11、比較例1〜33
反応容器に表1〜3に示すPb原料化合物と酢酸ランタン1.5水和物と表1〜3に示すアルコール系溶媒を投入し、結晶水を共沸脱水した後(脱水後に酢酸鉛の沈殿が生じる場合があるが、沈殿があっても良い)、更に、表1〜3に示すアルコール系溶媒で希釈し(酢酸鉛は完全に溶解しなくても良い)、次いで、表1〜3に示すZr原料化合物とチタンテトライソプロポキシドを添加して、表1〜3に示す金属原子比となるように調合した(この時点で金属化合物が完全に溶解していなくても良い)。
【0055】
この液を窒素雰囲気中で3時間還流した後(この時点で金属化合物は完全に溶解される)、安定化剤として表1〜3に示す化合物を原料溶液中に存在する金属元素の合計原子数に対して1倍の分子数となる量添加した(ただし、比較例31,比較例1,29では安定化剤添加せず)。
【0056】
その後、窒素雰囲気で3時間還流した後、表1〜3に示すアルコール系溶媒を少量添加して濃度調整することにより、酸化物換算で15重量%濃度の金属化合物を含有するゾルゲル液を得た。
【0057】
なお、実施例2においては、安定化剤を添加した後、水及び表1に示すアルコール系溶媒の添加を行った後、還流を行った。このときの水の添加量は、原料溶液中に存在する金属元素の合計原子数に対して0.25倍の分子数となる量とし、アルコールの添加量は、この水の添加量の9重量倍とした。
【0058】
このゾルゲル液をPt(2000Å)/SiO2(5000Å)/Si(100)ウェーハの基板上にスビンコート法により塗布し(3000rpm、15秒)、300℃で5分間空気中で仮焼した。この塗布、仮焼を4回繰返して行った後、700℃で1分間酸素雰囲気中で焼成して結晶化アニール処理し、厚さ約2800Åの強誘電体薄膜を形成した。
【0059】
この強誘電体薄膜の表面のSEM写真を観察し、薄膜を構成するペロブスカイト相の結晶の平均粒径、粒径のバラツキの有無、ペロブスカイト相以外の相の有無を調べ、結果を表4,5に示した。なお、平均粒径は、薄膜表面のSEM写真から計算により求めた粒子の平均切片長で表した。
【0060】
また、表4,5には、調製したゾルゲル液を半年間室温で放置したときのゲル化の有無、沈殿発生の有無並びに上記仮焼後の膜のストリエーションの有無の調査結果も併記した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
以上の結果から、本発明によれば、表面形態が均一で微細な結晶粒からなる良好なペロブスカイト型酸化物薄膜を形成することができること、また、安定化剤としてのβ−ジケトン類の配合で原料溶液の安定化が向上することがわかる。
【0067】
これに対して、ブタノールを主体とする有機溶媒を用いない比較例1〜5では、表面形態が不均一で結晶粒が大きく、良好なペロブスカイト型酸化物薄膜を得ることができない。また、安定化剤としてβ−ジケトン類を用いない比較例6〜24や29では、有機溶媒として1−ブタノールを用いていても、原料溶液の安定性や成膜性等が劣るものとなる。
【0068】
更に、Pb原料化合物として2−エチルへキサン酸鉛を用いた比較例28や、Zr原料化合物としてジルコニウムアセチルアセテートを用いた比較例29,30では、有機溶媒として1−ブタノールを用い、比較例28,30では安定化剤としてアセチルアセトンを用いているものの、原料溶液の安定性や成膜性等が劣るものとなる。
【発明の効果】
【0069】
以上詳述した通り、本発明によれば、低毒性で、塗布特性及び経時安定性に優れた原料溶液により、表面モフォロジーが良好で、表面形態の均一性に優れ、従って、電気的特性の均質性にも優れる高特性ペロブスカイト型酸化物薄膜が提供される。
Claims (2)
- Pb、Ti及びZrを含有するペロブスカイト型酸化物薄膜を成膜するための原料溶液であって、
Pb原料化合物が酢酸鉛3水和物及び/又は酢酸鉛無水物であり、Ti原料化合物がチタンアルコキシドであり、Zr原料化合物がジルコニウムアルコキシドである金属化合物を有機溶媒中に含有する溶液からなる原料溶液において、
該溶液中に1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール及び2−メチル−2−プロパノールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上のブタノール溶媒を含有しており、原料溶液に存在する有機溶媒に対する前記ブタノール溶媒の含有率が30重量%以上であり、
原料溶液に存在する金属元素の合計原子数に対して、β−ジケトン類を0.1〜5倍の分子数で含有することを特徴とするペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液。 - 請求項1において、原料溶液に存在する有機溶媒に対する1−ブタノールの含有率が30重量%以上であり、かつ原料溶液に存在する金属元素の合計原子数に対してアセチルアセトンを0.1〜5倍の分子数で含有することを特徴とするペロブスカイト型酸化物薄膜形成用原料溶液。
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