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JP4046904B2 - 木質パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質パネルに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、床パネル、天井パネル、壁パネル等の各種パネルを組み合わせて建てるパネル工法の建物が知られている。このような建物の外壁は、複数の木質パネルである壁パネルを組み合わせることにより形成されている。この木質パネルは、枠材として縦横に設けられる框材や、これら框材間に設けられる補強桟材などを組み合わせ、両側の側面に面材を取り付けて形成される。
この際、木質パネルを構成する部材(框材、補強桟および面材など)は、接着剤および釘を使って接合されている。
ここで、木質パネルとしては、外壁などに用いられることが多いことから、外部から力が加わっても、変形しないような剛性の高いものが要望されている。
そこで、近年では、框材を四角枠状に組んだ枠体の四隅に位置する角部の内側に、木製の補強部材を斜めに架け渡した木質パネルが知られている(特開平1−137046号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような木質パネルでは、補強部材は、框材と同質の木材によって形成されているので、木質パネルの角部における剛性をこれ以上高めることが困難であるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、剛性の高い木質パネルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、図面を参照して説明すると、複数の框材を組み合わせて多角形状に構成される木質パネル本体(例えば、枠体11)と、金属薄板を折り曲げて形成される補強部材13とを含んで構成され、補強部材は、隣接する框材同士が接続される木質パネル本体の角部を被覆するとともに、隣接する框材の一方(例えば、横框材11B)に当接する第1当接部(例えば、水平当接部13A)と、この第1当接部を被覆する一対の被覆部13Bと、隣接する框材の他方(例えば、縦框材11A)に当接する第2当接部(例えば、鉛直当接部13C)と、隣接する各框材の側面間に掛け渡されて配置される一対の側面当接部13Dとを備え、第1当接部および被覆部には、隣接する框材の一方にジベル状に食い込む係止片13Eが設けられることを特徴とする。
このような本発明によれば、框材が互いに接合する木質パネルの角部が、剛性の高い金属薄板による補強部材で被覆されるので、この角部における框材の接合強度を大幅に向上させることが可能となる。これにより、補強部材によって、剛性の高い木質パネルを得ることが可能となる。
【0006】
また、被覆する角部の形状に沿って金属薄板を折り曲げ加工することで、補強部材を簡単に製造することができるので、ひいては木質パネルの製造が容易となる。
【0008】
こで、係止片は、補強部材に釘等で孔を開け、孔周辺部分が捲られることにより形成される捲れ部分である。
このようにすれば、補強部材を框材に取り付ける際に、釘等を使って補強部材に孔を開け、係止片を形成して当該係止片を框材にめり込ませることで、補強部材を框材に固設することが可能となる。つまり、釘などの接合部材を使わずに補強部材を木質パネル本体に取り付けることが可能となる。このため、従来必要であった釘などの接合部材を使わなくても、補強部材を木質パネル本体に取り付けることができるので、木質パネルの製造に要する部材の点数を少なくすることが可能となる。その上、補強部材を框材に取り付ける際に、当該補強部材に孔を開けるだけでよいので、補強部材の取付作業が容易となる。
【0009】
本発明の第発明は、図面を参照して説明すると、複数の框材を多角形状に組み合わせて多角形状に構成される木質パネル本体(例えば、枠体61)と、この木質パネル本体の外周側面に取り付けられる金属薄板の補強部材62とを含んで構成され、この補強部材62は、框材に食い込むジベル状の係止片62Aを有していることを特徴とする。
このような本発明によれば、木質パネル本体の水平方向の力に対する強度を向上させることが可能となり、これにより、木質パネルの剛性を向上させることが可能となる。
また、補強部材を木質パネル本体に取り付ける際に、釘等を使って補強部材に孔を開け、係止片を形成して当該係止片を木質パネル本体にめり込ませることで、補強部材を当該木質パネル本体に固設することが可能となる。このため、従来必要であった釘などの接合部材を使わなくても、補強部材を木質パネル本体に取り付けることができるので、木質パネルの製造に要する部材の点数を少なくすることが可能となる。その上、補強部材を木質パネル本体に取り付ける際に、当該補強部材に孔を開けるだけでよいので、補強部材の取付作業、ひいては木質パネルの製造が容易に行える。
【0010】
以上において、前述の木質パネル本体の外周側面には、框材を切り欠いて形成される凹部63が設けられ、補強部材62は、この凹部63を跨ぐように設けられていることが好ましい。
このようにすれば、隣接する木質パネルを接合する際に、凹部同士を互いに対向させるとともに、補強部材同士を重ね合わせ、凹部に釘および手を入れて一方から補強部材に孔を開けて係止片によって補強部材同士を係合させることにより、隣接する木質パネルを接合することが可能となる。これにより、複数の木質パネル同士を相互に連結する場合でも、釘等の接続部材が不要となり、部品点数が低減され、木質パネルの連結作業が容易となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る建物1が示されている。
建物1は、基礎2上に建てられた建物本体3と、この建物本体3の上部に配置される屋根4とを備えて構成されている。これら建物本体3および屋根4は、床パネル、天井パネル、壁パネル、屋根パネル等の各種パネルを複数組み合わせて形成するパネル工法で建てられている。
このような建物1の外壁5は、複数の壁パネル10、20、30を組み合わせ、壁パネル10、20、30表面に仕上げ材5A等を張り付けることにより形成されている。
【0012】
これらの壁パネル10、20、30のうち、壁パネル10は、図2に示されるように、枠体11と、この枠体11の両面に張られた面材12と、枠体11を補強する補強部材13とを備えた木質パネルである。
枠体11は、縦方向に平行に配置される2本の縦框材11Aと、これら縦框材11Aの上端間、下端間を相互に連結する横框材11Bと、対向する横框材11B間を相互に連結する縦補強棧材11Cと、この縦補強棧材11Cおよび各縦框材11A間を相互に連結する複数の横補強棧材11Dとを備え、四角形状に形成された木質パネル本体である。
【0013】
補強部材13は、隣接する縦框材11Aおよび横框材11Bが接続される四隅の角部11Eをそれぞれ被覆するものであり、図3にも示されるように、一枚の金属薄板を折り曲げることにより形成されている。
詳しくは、補強部材13は、横框材11Bに当接する水平当接部13Aと、この水平当接部13Aを被覆する一対の被覆部13Bと、縦框材11Aに当接する鉛直当接部13Cと、縦框材11Aおよび横框材11Bの側面間に掛け渡されて配置される一対の側面当接部13Dとを備えている。
【0014】
このような補強部材13は、図4に示されるように、被覆部13Bおよび水平当接部13Aの一部が捲られて横框材11Bにジベル状に食い込むことにより、枠体11に固設されている。つまり、ジベル状に食い込んでいる被覆部13Bおよび水平当接部13Aの一部は、補強部材13を枠体11に係止するための係止片13Eとなっている。
この係止片13Eは、図5に示されるように、金属薄板を折り曲げて形成し、枠体11の角部11Eに設置した後、被覆部13Bおよび水平当接部13Aの所定位置に釘100で孔が開けられ、この孔周辺部分が横框材11Bに向かって捲られて形成されるようになっている。
【0015】
このような壁パネル10のうち隣接する壁パネル10A、10Bは、図6に示されるように、複数の連結部材14で相互に接合されている。
詳しくは、図7に示されるように、各隣接する壁パネル10B、10A側に配置される縦框材11Aには、各縦框材11Aに巻回され、その先端14Aが対向配置される縦框材11Aまで延びる金属薄板からなる連結部材14が設けられている。この連結部材14は、縦框材11Aの長手方向に沿って所定間隔毎に巻回されている。
そして、図8に示されるように、前述の各連結部材14の先端14Aは、対向する縦框材11A同士が当接された状態で、当該対向する縦框材11Aに巻回されている連結部材14の側面に重ね合わされるとともに、その対向する縦框材11Aに釘打ちされて接合されている。
ここで、面材12には、図6および図8に示されるように、連結部材14を縦框材11Aに正面から接合するために、それに応じた位置に切欠部12Aが形成されている。なお、図6では、前述の補強部材13は省略されている。
【0016】
壁パネル20、30は、図9および図10に示されるように、組み合わされて図1の玄関6が配置される開口部5Bを形成するものである。
壁パネル20は、玄関6の両側部に垂直方向に立設配置され、枠体21と、この枠体21の両面に張られた面材22とを備えた垂直木質パネルである。
枠体21は、縦方向に平行に配置され、長さの異なる2本の縦框材21A、21Bと、これら縦框材21A、21Bに平行に、かつ、これら2本の間に配置される縦補強棧材21Eと、縦框材21Aおよび縦補強棧材21Eの上端間を相互に連結する横框材21Cと、縦框材21A、21Bの下端間を相互に連結する横框材21Dと、この縦補強棧材21Eおよび各縦框材21A、21B間を相互に連結する複数の横補強棧材21Fとを備えて略L字形状に形成された木質パネル本体である。つまり、枠体21は、図中上部の右角部を形成する縦框材および横框材が省略されている。
この省略された部分に面する面材22の一部と、この面材22間に配置されるとともに、省略された部分に面する縦補強棧材21Eの一部および横補強棧材21Fとで、壁パネル30の端部を挟持するための挟持部23が形成されている。
【0017】
壁パネル30は、玄関6の上部に水平配置されるとともに、壁パネル20に直交して配置され、壁パネル20の上端間を相互に連結する水平木質パネルである。この壁パネル30は、縦框材31Aおよび横框材31Bからなる四角枠状の木質パネル本体である枠体31と、この枠体31の両面に張られた面材32とを備えている。ここで、壁パネル20および壁パネル30は、各面材22、32の厚さ寸法および枠体21、31を構成する框材の厚さ寸法が同一とされて、同じ厚さ寸法を有している。
壁パネル20の挟持部23に挟持される壁パネル30の端部は、面材32が設けられておらず、枠体31の一部が露出されたコ字形状の欠損部33とされている。つまり、壁パネル30の面材32は、壁パネル20に壁パネル30を接合した際に、外部に露出する部分にしか張り付けられていない。これにより、接合する2つの壁パネル20、30に跨って、面材22、32の表面が段差なく連続されている。
【0018】
この欠損部33は、その側面が各面材22に当接され、当該欠損部33を構成する縦框材31Aの表面が壁パネル20の縦補強棧材21Eの一部に当接されるとともに、当該欠損部33を構成する横框材31Bの一部のうち、下方に位置する横框材31Bの一部が壁パネル20の横補強棧材21F上に載置されている。つまり、前述の壁パネル20の横補強棧材21Fは、壁パネル30の端部を支持する支持片となっている。
【0019】
従って、壁パネル20および壁パネル30は、壁パネル30の欠損部33を、壁パネル20の挟持部23に挿入し、コ字形状の欠損部33に、面材22を介して釘打ちすることによって接合される。これにより、欠損部33は、壁パネル20、30同士を接合するための接合部となっている。
ここで、壁パネル30の高さ位置は、挟持部23によって、所定の高さ位置に自動的に支持されるようになっている。
なお、本実施形態では、一方の接合構造のみを示したが、反対側の他方の接合構造も同様の構造となっている。
また、図示略すが、補強部材13は、壁パネル10に限らず、他の壁パネル20、30にも、当該壁パネル20、30の必要強度に応じて設けられている。
【0020】
これらの壁パネル10、20、30のうち、基礎2上に設置される壁パネル10、20は、図11に示されるように、アンカーボルト40を介して基礎2に接合されている。
詳しくは、壁パネル10、20には、その下部、つまり、横框材11B、21D上に配置されている無垢材41内部に、基礎2に植設されたアンカーボルト40が挿入されている。このアンカーボルト40は、その上部が止着具であるナット42で止着されている。
【0021】
アンカーボルト40には、その一部分に、基礎2の振動が壁パネル10、20に伝わることを防止する振動遮断部である切欠40Aが形成されている。切欠40Aは、アンカーボルト40の外周面に沿って連続して形成されている。
このように、アンカーボルト40に切欠40Aを形成することにより、地震等の揺れによって、基礎2が揺れた場合、その揺れに応じて切欠40Aが欠損し、その部分でアンカーボルト40が二つに折れるようになっている。アンカーボルト40が折れると、基礎2から壁パネル10、20への力の伝達が遮断され、基礎2からの揺れが壁パネル10、20にほとんど伝達されないようになっている。なお、アンカーボルト40は、無垢材41内部で止着するに限らず、無垢材41を設けない壁パネルの場合には、横框材11B、21Dの上面で止着すればよい。
【0022】
このような本第1実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 枠体11の角部11Eが、剛性の高い金属薄板による補強部材13で被覆されるので、この角部11Eにおける枠体11の接合強度を大幅に向上させることができる。これにより、補強部材13によって、剛性の高い枠体11を得ることができる。
【0023】
(2) 補強部材13を、金属薄板を折り曲げて形成したので、その製造を簡単に行うことができ、ひいては壁パネル10の製造を容易にできる。
【0024】
(3) 補強部材13に、枠体11にジベル状に食い込む係止片13Eを備えたので、釘などの接合部材を使わずに補強部材13を枠体11に取り付けることができ、壁パネル10の製造に要する部材の点数を少なくすることができる。その上、補強部材13を枠体11に取り付ける際に、当該補強部材13に孔を開けるだけでよいので、補強部材13の取付作業を容易にできる。
【0025】
(4) 隣接する壁パネル10A、10B同士は、互いに対向する縦框材11A同士を当接させ、重ね合わされた連結部材14に釘を打ち付けることで簡単に接合できるので、壁パネル10の接合作業を容易に行うことができる。
【0026】
(5) 互いに対向する縦框材11A同士を接合する際に、各縦框材11Aに重ね合わされた連結部材14を釘打ちする作業は、面材12に形成された切欠部12Aから、各縦框材11Aの正面で行うことができるので、一方の縦框材11A側から他方の縦框材11A側に向かって釘を斜め打ちする作業が不要となり、この点からも、壁パネル10の接合作業を容易にできる。
【0027】
(6) 壁パネル20に壁パネル30を挟持するための挟持部23を設けたので、この挟持部23に、壁パネル30を載せることで、壁パネル30を所定の高さ位置に自動的に支持することができる。これにより、壁パネル20、30の接合作業を容易にできる。
【0028】
(7) 挟持部23に釘打ちすることで、挟持されている壁パネル30にも同時に釘打ちすることができる。つまり、挟持部23正面から釘打ちすることで、壁パネル20と壁パネル30とを相互に接合することができるので、釘の斜め打ちが不要になり、この点からも、壁パネル20、30の接合作業を容易にできる。
【0029】
(8) 挟持部23を、壁パネル20の面材22と、この面材22間に配置され、壁パネル30の端部を支持する支持片(横補強棧材21F)とを備えて構成したので、当該挟持部23を、壁パネル20の構成部材を利用して形成することができ、別途新たな部材を用いて形成する必要がない。これにより、部品点数の増加を抑えて挟持部23を構成することができ、壁パネル20の部品点数を減少させることができる。
【0030】
(9) 壁パネル30の端部に面材32が設けられていない欠損部33を設けたので、当該欠損部33を挟持部23に挟持させることで、接合する2つの壁パネル20、30に跨って面材22、32の表面を段差なく連続させることが簡単にできる。これにより、面材22、32表面に仕上げ材を張り付ける等の仕上げ作業を容易に行うことができる。
【0031】
(10)アンカーボルト40に、基礎2の振動が壁パネル10、20に伝わるのを防止する切欠40Aを設けたので、地震等によって、基礎2が揺れても、切欠40Aが欠損し、基礎2から壁パネル10、20への力の伝達が遮断され、これにより、基礎2からの揺れを壁パネル10、20にほとんど伝達させないようにできる。
【0032】
(11)アンカーボルト40に切欠40Aを形成することで、当該アンカーボルト40は、比較的長尺状の棒状部材であるので、切欠40Aを形成する際に、形成位置の制約をほとんど受けることなく、当該切欠40Aを任意の位置に設けることができる。これにより、切欠40Aを容易に形成することができる。
【0033】
(12)切欠40Aは、アンカーボルト40の表面を切り欠くことで形成することができるので、その形成作業を容易にできる。
【0034】
(13)切欠40Aを、アンカーボルト40の外周面に沿って連続して形成したので、基礎2がいずれかの方向に揺れても、アンカーボルト40に形成された切欠40Aを確実に欠損することができ、これにより、基礎2からの揺れをより一層確実に壁パネル10、20に伝達させないようにできる。
【0035】
(14)アンカーボルト40に切欠40Aを形成し、壁パネル10等に補強部材13を設けたので、補強部材13によって、壁パネル10等の剛性を向上させることができ、例えば、万が一、基礎2の揺れによって壁パネル10等が揺れても、当該壁パネル10等の剛性を向上させることができる。
【0036】
図12には、本発明の第2実施形態(参考例)に係る壁パネル50が示されている。本第2実施形態は、前記第1実施形態の各角部11Eに設けた補強部材13を、対向する角部11E同士を連結するように設けた補強部材51としたものである。なお、前記第1実施形態と同一もしくは相当構成部品には同じ符号を付し、説明を省略もしくは簡略する。
詳しくは、補強部材51は、長尺帯状の金属薄板からなり、枠体11の中心を挟んで対向する一対の角部11E同士を相互に連結している。
各補強部材51の両端部は、それぞれ横框材11Bに当接され、前記第1実施形態と同様に、一部がそれぞれ横框材11Bにジベル状に食い込むことにより、枠体11(横框材11B)に固設されている。つまり、補強部材51の両端部には、当該補強部材51を枠体11に係止するための係止片51Aが設けられている。
【0037】
このように固設されることにより、補強部材51が、枠体11の対向する面内方向の力に対し、テンションブレースとして作用するようになっている。
また、各角部11Eの内側部分には、隣接する縦框材11Aおよび横框材11Bに内接するとともに、補強部材51の弛みを防止するための支持材52が設けられている。この支持材52によって、補強部材51の張力が長期間保持されるようになっている。
補強部材51の両端部を横框材11Bに固設する手順は、前記第1実施形態と同様であるので、ここでは省略する。
【0038】
このような本第2実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(5)と同じ効果が得られる上、次のような効果が得られる。
(15)枠体11の中心を挟んで対向する1対の角部11E同士を連結する帯状の金属薄板による補強部材51を備え、壁パネル50の対向する面内方向の力に対して、帯状の補強部材51がテンションブレースとして作用するようにしたので、壁パネル50に加わる剪断応力に対して、十分な抵抗を確保することができ、剛性の高い壁パネル50を得ることができる。
【0039】
(16)補強部材51の両端部に、係止片51Aを備えたので、釘やタッピングビスなどを打ちつけることで、補強部材51を枠体11に容易に取り付けることができ、壁パネル50の製造を容易に行うことができる。
【0040】
図13には、本発明の第3実施形態に係る接合された壁パネル60A、60Bが示されている。本第3実施形態は、前記第1実施形態の各角部11Eに設けた補強部材13を、縦框材61Aおよび横框材61Bを有する枠体61の外周側面に取り付けた補強部材62としたものである。なお、前記第1実施形態と同一もしくは相当構成部品には同じ符号を付し、説明を省略もしくは簡略する。
詳しくは、各壁パネル60A、60Bには、図14にも示されるように、隣接する壁パネル60B、60A側の枠体61側面に長尺状の金属薄板からなる補強部材62が取り付けられている。
この補強部材62は、縦框材61Aおよび横框材61Bに食い込むジベル状の係止片62Aを有しており、この係止片62Aによって枠体61に固設されている。
【0041】
また、この補強部材62が取り付けられる縦框材61Aには、当該縦框材61Aの長手方向に沿って所定間隔毎に切り欠かれて形成された凹部63が設けられている。この凹部63が設けられていることによって、隣接する壁パネル60A、60Bの境界部分に、表裏貫通する貫通孔64が形成されている。前述の補強部材62は、この凹部63を跨ぐように設けられ、縦框材61Aの凹部63以外の部分に固設されている。
そして、これら壁パネル60A、60Bは、図15にも示されるように、凹部63同士を互いに対向させるとともに、補強部材62同士を重ね合わせ、凹部63に釘および手を入れて一方から補強部材62に孔を開けて係止片62Aによって補強部材62同士を係合させることにより、接合されている。
【0042】
このような本第3実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(7)と同じ効果が得られる上、次のような効果が得られる。
(17)枠体61の外周側面に補強部材62を取り付けたので、枠体61の水平方向の力に対する強度を向上させることができ、これにより、壁パネル60A、60Bの剛性を向上させることができる。
【0043】
(18)補強部材62を枠体61に取り付ける際に、釘等を使って補強部材62に孔を開け、係止片62Aを形成して当該係止片62Aを枠体61にめり込ませることで、補強部材62を当該枠体61に固設したので、従来必要であった釘などの接合部材を使わなくても、補強部材62を枠体61に取り付けることができ、壁パネル60A、60Bの製造に要する部材の点数を少なくすることができる。その上、補強部材62を枠体61に取り付ける際に、当該補強部材62に孔を開けるだけでよいので、補強部材62の取付作業、ひいては壁パネル60A、60Bの製造を容易に行うことができる。
【0044】
(19)縦框材61Aの外周側面に凹部63を設け、この凹部63を跨ぐように補強部材62を設けたので、補強部材62の係止片62Aによる接合作業で壁パネル60A、60B同士を相互に接合することができる。このため、複数の壁パネル60A、60B同士を相互に連結する場合でも、釘等の接続部材が不要となり、これにより、部品点数が低減され、壁パネル60A、60Bの連結作業を容易にできる。
【0045】
図16には、本発明の第4実施形態に係る開口部5Bを形成する壁パネル20、70が示されている。本第4実施形態は、前記第1実施形態のコ字形状の欠損部33を、口形状の欠損部73としたものである。
詳しくは、欠損部73は、上下に配置された横框材31Bのそれぞれ一部と、これら横框材31Bを相互に連結する縦框材31Aおよび縦補強棧材74とで口形状に形成されている。これにより、壁パネル20の面材22と、欠損部73つまり接合部とを釘打ちで接合する際の接合面積が大きくなる。
【0046】
このような本第4実施形態によれば、前記第1実施形態の(1)〜(9)と同じ効果が得られる上、次のような効果が得られる。
(20)横框材31B間を相互に連結する縦補強棧材74を設けて口形状の欠損部73を形成したので、接合部の面積を大きく取ることができ、これにより、壁パネル20、70の接合強度をより強固にすることができる。
【0047】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1、2実施形態では、二種類の補強部材13、51をそれぞれ別々の壁パネル10、50に設けていたが、これに限らず、例えば、図17に示されるように、二種類の補強部材13、51を組み合わせて一つの壁パネル80(枠体)に設けてもよい。このようにすれば、枠体11の剛性をより一層高くすることができる。
【0048】
また、前記第1、2実施形態では、連結部材14は、釘打ちで各縦框材に接合されていたが、これに限らず、例えば、前記第1実施形態の補強部材13と同様に、連結部材14に、縦框材にジベル状に食い込む係止片を備えてもよい。
このようにすれば、釘などの接合部材を使わずに連結部材を枠体に取り付けることができるので、釘などの接合部材を使わなくても、連結部材を枠体に取り付けることができ、壁パネル10の製造に要する部材の点数を少なくすることができる。その上、連結部材を縦框材に取り付ける際に、当該連結部材に孔を開けるだけでよいので、連結部材の取付作業を容易にできる。
【0049】
さらに、前記第1、4実施形態では、壁パネル30、70に欠損部33、73を設けたが、これに限らず、例えば、図18に示されるように、挟持部23の内幅寸法と同じ程度の厚さ寸法を有する壁パネル90を利用すれば、欠損部を設けなくてもよい。但し、欠損部を設けた方が、接合する2つの壁パネルに跨って面材の表面を段差なく連続させることが簡単にでき、面材表面に仕上げ材を張り付ける等の仕上げ作業を容易に行うことができる点で好ましい。
【0050】
また、前記第4実施形態では、欠損部73が口形状の接合部となっていたが、これに限らず、例えば、「田」形状でもよいし、「目」形状でもよく、要するに、接合面積が増えて接合強度が向上できればよく、欠損部(接合部)の形状は、実施に当たって適宜決めればよい。
【0051】
また、前記第1、2実施形態では、隣接する壁パネル10A、10B同士を連結部材14を用いて接合したが、これに限らず、例えば、図19に示されるように、接着剤を塗布した不織布101を巻き付けることにより縦框材11A同士を接合し、隣接する壁パネル10A、10B同士を接合してもよい。
【0052】
また、前記第3実施形態では、補強部材62が設けられる枠体61の外周側面に凹部63が形成されていたが、これに限らず、例えば、補強部材同士を接着剤等で接合する場合には、凹部を設けなくてもよい。
【0053】
また、前記第1〜3実施形態では、補強部材に係止片を備えていたが、これに限らず、例えば、釘等を打ち込んで補強部材を枠体に固設してもよい。
【0054】
また、前記第1実施形態では、補強部材13を、金属薄板を折り曲げて形成したが、これに限らず、部位毎に形成しておき、溶接等で接合して組み立ててもよい。
【0055】
さらに、前記第1、4実施形態では、立設配置される壁パネル側に挟持部が設けられていたが、これに限らず、例えば、図20〜22に示されるように、水平配置される壁パネル110側に挟持部111が設けられていてもよい。
詳しくは、立設配置される壁パネル120には、その縦框材121の上端部分に突出片122を設け、水平配置される壁パネル110の壁パネル120が接合される側には、縦框材112が内部に奥まって、壁パネル120の突出片122が挟持される凹部113が形成されている。
ここで、突出片122の上面、下面、および壁パネル110の上下に配置される横框材114の内面には、それぞれ金属薄板からなる板材123、115が設けられている。
そして、突出片122は、凹部113に挟持・嵌合され、横框材114を介して釘打ちされている。これにより、壁パネル110、120同士が接合されている。このように水平配置される壁パネル110側に挟持部111が設けられていても、前記第1、4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また、前記第1実施形態では、切欠40Aがアンカーボルト40の外周面に沿って連続して形成されていたが、これに限らず、例えば、外周面の一部分に形成されていてもよい。
【0057】
また、前記第1実施形態では、切欠40Aがアンカーボルト40に形成されていたが、これに限らず、ナット42に形成されていてもよい。
【0058】
また、振動遮断部としては、切欠に限らず、例えば、貫通孔や折曲部等でもよく、要するに、基礎の揺れに応じて欠損する構成であればよく、振動遮断部の形状、構造等は、実施に当たって適宜選択すればよい。
【0059】
また、建物としては、板状に形成された壁パネルおよび床パネルを複数組み合わせたパネル方式のプレハブ住宅に限らず、箱状に形成された建物ユニットを複数組み合わせたユニット式建物や、柱および梁を建築現場で接合する在来工法からなる一般的な建物でもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の木質パネルによれば、次のような効果がある。すなわち、請求項1に記載の木質パネルによれば、框材が互いに接合する木質パネルの角部が、剛性の高い金属薄板による補強部材で被覆されるので、この角部における框材の接合強度を大幅に向上させることができる。これにより、補強部材によって、剛性の高い木質パネルを得ることができる。
【0061】
た、被覆する角部の形状に沿って金属薄板を折り曲げ加工することで、補強部材を簡単に製造することができるので、ひいては木質パネルの製造を容易にできる。
【0063】
た、補強部材を框材に取り付ける際に、釘等を使って補強部材に孔を開け、係止片を形成して当該係止片を框材にめり込ませることで、補強部材を框材に固設することができる。つまり、釘などの接合部材を使わずに補強部材を木質パネル本体に取り付けることができる。このため、従来必要であった釘などの接合部材を使わなくても、補強部材を木質パネル本体に取り付けることができるので、木質パネルの製造に要する部材の点数を少なくすることができる。その上、補強部材を框材に取り付ける際に、当該補強部材に孔を開けるだけでよいので、補強部材の取付作業を容易にできる。
【0064】
さらに、請求項に記載の木質パネルによれば、木質パネル本体の水平方向の力に対する強度を向上させることができ、これにより、木質パネルの剛性を向上させることができる。
また、補強部材を木質パネル本体に取り付ける際に、釘等を使って補強部材に孔を開け、係止片を形成して当該係止片を木質パネル本体にめり込ませることで、補強部材を当該木質パネル本体に固設することができる。このため、従来必要であった釘などの接合部材を使わなくても、補強部材を木質パネル本体に取り付けることができるので、木質パネルの製造に要する部材の点数を少なくすることができる。その上、補強部材を木質パネル本体に取り付ける際に、当該補強部材に孔を開けるだけでよいので、補強部材の取付作業、ひいては木質パネルの製造を容易に行うことができる。
【0065】
また、請求項に記載の木質パネルによれば、隣接する木質パネルを接合する際に、凹部同士を互いに対向させるとともに、補強部材同士を重ね合わせ、凹部に釘および手を入れて一方から補強部材に孔を開けて係止片によって補強部材同士を係合させることにより、隣接する木質パネルを接合することができる。これにより、複数の木質パネル同士を相互に連結する場合でも、釘等の接続部材が不要となり、部品点数が低減され、木質パネルの連結作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における建物を示す正面図である。
【図2】前記実施形態における壁パネルを示す斜視図である。
【図3】前記実施形態における補強部材を構成する金属薄板を示す平面図である。
【図4】前記実施形態における補強部材の枠体への固設状態を示す断面図である。
【図5】前記実施形態における補強部材の枠体への固設手順を示す断面図である。
【図6】前記実施形態における壁パネルの接合構造を示す斜視図である。
【図7】前記実施形態における壁パネルの接合部分を示す分解斜視図である。
【図8】前記実施形態における壁パネルの接合部分を示す断面図である。
【図9】前記実施形態における開口部を形成する壁パネルを示す正面図である。
【図10】図8の壁パネルの接合構造を示す分解斜視図である。
【図11】前記実施形態における基礎と壁パネルとの接合構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態における壁パネルを示す斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態における壁パネルの接合構造を示す斜視図である。
【図14】前記実施形態における壁パネルの接合構造を示す分解斜視図である。
【図15】前記実施形態における補強部材の接合構造を示す拡大断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態における開口部を形成する壁パネルを示す正面図である。
【図17】本発明の変形例であって、壁パネルを示す斜視図である。
【図18】本発明の他の変形例であって、壁パネルの接合構造を示す分解斜視図である。
【図19】本発明の他の変形例であって、壁パネルの接合部分を示す斜視図である。
【図20】本発明のその他の変形例であって、開口部を形成する壁パネルの接合構造を示す斜視図である。
【図21】前記変形例における壁パネルの接合部分を示す分解断面図である。
【図22】前記変形例における壁パネルの接合部分を示す断面図である。
【符号の説明】
11、61 木質パネル本体である枠体
13、51、62 補強部材
13E、51A、62A 係止片
63 凹部

Claims (3)

  1. 複数の框材を組み合わせて多角形状に構成される木質パネル本体と、金属薄板を折り曲げて形成される補強部材とを含んで構成され、
    前記補強部材は、隣接する前記框材同士が接続される木質パネル本体の角部を被覆するとともに、前記隣接する框材の一方に当接する第1当接部と、この第1当接部を被覆する一対の被覆部と、前記隣接する框材の他方に当接する第2当接部と、前記隣接する各框材の側面間に掛け渡されて配置される一対の側面当接部とを備え、
    前記第1当接部および前記被覆部には、前記隣接する框材の一方にジベル状に食い込む係止片が設けられることを特徴とする木質パネル。
  2. 複数の框材を多角形状に組み合わせて多角形状に構成される木質パネル本体と、この木質パネル本体の外周側面に取り付けられる金属薄板の補強部材とを含んで構成され、
    この補強部材は、框材に食い込むジベル状の係止片を有していることを特徴とする木質パネル。
  3. 請求項2に記載の木質パネルにおいて、
    前記木質パネル本体の外周側面には、框材を切り欠いて形成される凹部が設けられ、
    前記補強部材は、この凹部を跨ぐように設けられていることを特徴とする木質パネル。
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