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JP3936603B2 - 無線通信機、送信機並びにそれらの制御方法、制御プログラム及び記録媒体 - Google Patents

無線通信機、送信機並びにそれらの制御方法、制御プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両間無線通信に用いられる無線通信機、送信機並びにそれらの制御方法、制御プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機が知られており、この無線通信機を用いることによって、例えば、道路交通システムや鉄道車両システム等への応用が期待されている。
【0003】
例えば、道路交通システムとして、高速道路や一般道路等における他車両の走行速度情報や車両位置情報、ブレーキ情報、見通しの悪い交差点での見通し外の他車両の情報、進行経路における工事情報や故障車情報等の走行中の車両にとって重要な車両情報が、無線通信機を用いて車両間で通信される。また、天気予報、同一目的地を目指す車両間に乗車する人同士の意志の交流等、車両の安全走行に重要な情報以外の情報も車両情報として通信することが可能である。
【0004】
このような車両間の車両情報の無線通信手段は、特開2000−90365号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−90365号公報には、車両の走行速度が大きくなるにしたがって短い周期で同車両に関する情報を他の車両に送信するようにした技術が開示されているが、複数の車両がほぼ同一の走行速度で走行する場合、ほぼ同一の送信間隔となるため、各車両で同時に車両情報を有するフレームが送信される場合は、通信の衝突の頻度が高くなるという問題があり、また、通信情報量が増大するような状況下で同一チャンネルを使用して車両間通信を行う場合、通信チャンネル容量が圧迫され、通信の効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術が有する課題を解消し、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する無線通信機、送信機並びにそれらの制御方法、制御プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機において、自車両周辺の車両台数を検出する車両台数検出手段と、検出した車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記車両台数検出手段は、車両ごとに異なるように割り振られている車両識別情報を受信し、この車両識別情報に基づいて自車両周辺の車両台数を検出することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機において、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記チャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記チャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記共通のチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記共通のチャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記共通のチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記共通のチャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる送信機において、外部より入力された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項11に記載の発明は、車両に搭載され、車両間で無線通信に用いられる送信機において、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記送信手段は、前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記送信手段は、前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記送信手段は、前記共通のチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項17に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記送信手段は、前記共通のチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴
【0022】
請求項18に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御方法において、自車両周辺の車両台数を検出し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、検出した自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定する過程と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、生成したの乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
請求項19に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御方法において、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
請求項20に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる送信機の制御方法において、外部より入力された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、生成したの乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】
請求項21に記載の発明は、車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる送信機の制御方法において、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程とを備えたことを特徴とするものである。
【0026】
請求項22に記載の発明は、コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、自車両周辺の車両台数を検出させ、検出させた自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、決定させた乱数範囲に属する乱数値を生成させ、生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させることを特徴とするものである。
【0027】
請求項23に記載の発明は、コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定するさせ、決定させた乱数範囲に属する乱数値を生成させ、生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させることを特徴とするものである。
【0028】
請求項24に記載の発明は、コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる送信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、外部より入力された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、決定させた乱数範囲から乱数値を生成させ、生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させることを特徴とするものである。
【0029】
請求項25に記載の発明は、コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる送信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、決定させた乱数範囲から乱数値を生成させ、生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させることを特徴とするものである。
【0030】
請求項26に記載の発明は、請求項22乃至請求項25のいずれか1項記載の制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録したことを特徴とするものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は本実施の形態に係る無線通信機を搭載した車両が走行している場合を示している。1〜5は車両であり、それぞれ同様の無線通信機が搭載される。各車両1〜5の無線通信機からは、車両情報を有するフレームが送信される。ここで、これら無線通信機は、互いに通信可能な範囲に存在しているものとする。各車両1〜5における無線通信機は、他の無線通信機から情報を受信し、又は、他の無線通信機へ情報を送信することで車両間通信が行われる。これら車両1〜5は、略同一方向に走行しているものとする。
【0033】
図2は、無線通信機が車両に搭載される場合を示すブロック図であり、11は無線通信機、12は車両コンピュータである。これら無線通信機11と車両コンピュータ12とは、各車両1〜5に搭載される。これら無線通信機11では、CSMA方式等のランダムアクセス方式により通信が行われるものとする。尚、無線通信機11は、送信機の機能と受信機の機能とを有するものである。
【0034】
車両コンピュータ12は、例えば、図示しないGPSを利用したカーナビゲーションシステムにより得られる車両位置情報、車両に搭載される図示しない車速計により得られる走行速度情報及び図示しないブレーキペダルが踏まれたか否かを検出する図示しない制動センサにより得られるブレーキ情報等の車両情報を管理制御する機器である。
【0035】
無線通信機11には、これら車両位置情報、走行速度情報及びブレーキ情報等の車両情報が車両コンピュータ12により入力される。
【0036】
図3は、無線通信機11のブロック図であり、CPU101と、メモリ102と、データリンク部103と、変復調部104と、RF部105と、アンテナ106とを備えて構成される。
【0037】
メモリ102は、例えば、図示しないROMあるいはEEPROMを有しており、このROMあるいはEEPROMに予め無線通信機11全体の制御をCPU101に行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0038】
また、メモリ102は、例えば、図示しないRAMを有しており、受信した他車両の車両情報を記憶し、また、車両コンピュータ12(図2)からの自車両の車両情報を記憶する。このメモリ102の図示しないRAMには、受信した自車両周辺の他車両の車両情報が、周辺車両データベース102Aとして記憶される。
【0039】
CPU101は、メモリ102の図示しないROMあるいはEEPROMに予め格納された制御プログラムに基づいて無線通信機11の全体の制御を行うものである。
【0040】
データリンク部103は、車両間の通信プロトコルに従って制御するものである。具体的には、CPU101によりメモリ102から呼び出された車両情報のデータをフレームに組み立て、変復調部104に出力する。また、変復調部104から入力されるフレームをCPU101で処理可能なデータに変換してCPU101に出力する。
【0041】
変復調部104は、データリンク部103により入力されるフレームの変調又はRF部105により受信されたフレームの復調を行うものである。RF部105は、アンテナ106を介してフレームの送受信を行うものであり、例えば、図示しないPLL回路、AGC回路、増幅回路等を備えて構成される。
【0042】
図4は、車両間通信における車両情報のデータの無線フレームフォーマットを示している。20は、車両情報を含むフレームである。
【0043】
このフレーム20には、各車両で共通のチャンネル(以下、共通チャンネルという。)により送信する車両情報と、この共通チャンネルとは異なるチャンネル(以下、個別チャンネルという。)により送信する車両情報とを有している。以下、共通チャンネルにより送信される車両情報を共通チャンネル情報、個別チャンネルにより送信される車両情報を個別チャンネル情報という。このフレーム20を送信するに際し、図3を参照して説明すると、共通チャンネル情報は、各車両で共通の共通チャンネルに変復調部104で変調されてRF部105によりアンテナ106を介して送信され、個別チャンネル情報は共通チャンネルとは異なる個別チャンネルに変復調部104で変調されてRF部105によりアンテナ106を介して送信される。また、このフレーム20(図4)を送信するに際し、共通チャンネル情報に続いて個別チャンネル情報が送信される。尚、フレーム20における共通チャンネル情報の送信時間は、例えば、500[μsec]程度、個別チャンネル情報の送信時間は、例えば、1[msec]程度である。尚、これら送信時間は、これら数値例に限定するものではなく、これら送信時間は送信する情報量によって決まる。
【0044】
各チャンネルは、例えば、周波数分割により割り当てられる無線チャンネルである。例えば、図4において、共通チャンネルはチャンネルfc、個別チャンネルは、各車両毎に異なるチャンネル、例えば、車両1(図1)はチャンネルf1、車両2(図1)はチャンネルf2のように、互いに異なる無線チャンネルが割り当てられている。このチャンネルの割り当ては、例えば、各無線通信機11のメモリ102(図3)の図示しないROMあるいはEEPROMに格納されている。
【0045】
共通チャンネル情報は、車両の安全走行や緊急性に大きく関与される重要度の高い情報であり、個別チャンネル情報は、それ以外の情報である。即ち、共通チャンネル情報は、個別チャンネル情報に比べて重要度の高い情報である。
【0046】
共通チャンネル情報は、例えば、車両位置情報、走行速度情報、ブレーキ情報、個別チャンネル識別情報及び車両識別情報等である。
【0047】
共通チャンネル情報における個別チャンネル識別情報とは、複数の個別チャンネルf1、f2のうち、自車両の無線通信機11が、どの個別チャンネルf1、f2で個別チャンネル情報を配信するのかを示す情報である。そして、この個別チャンネル識別情報を受信した車両の無線通信機11は、共通チャンネルfcの共通チャンネル情報の後に送信される個別チャンネル情報が、どの個別チャンネルf1、f2によって配信されるのかが把握できる。これによって、無線通信機11は、共通チャンネル情報と個別チャンネル情報とを連続して受信することができる。
【0048】
共通チャンネル情報における車両識別情報は、自車両に割り当てられている車両番号に関する情報である。メモリ102(図3)の図示しないROMあるいはEEPROMには、自車両の車両識別情報(即ち、車両番号)が予め記憶されている。この車両番号は、各車両ごとに異なる番号とする。つまり、車両識別情報(即ち、車両番号)は、各車両ごとに互いに異なるように割り振られている。
【0049】
また、個別チャンネル情報は、例えば、車両に乗車する人同士の意志の交流といった車両間通信情報である。
【0050】
次に、無線通信機11におけるフレーム20(図4)の送受信の動作について図3を参照して説明する。
【0051】
まず、自車両の無線通信機11が他車両の無線通信機11から送信されるフレーム20(図4)を受信する場合について説明する。
【0052】
フレーム20のデータは、アンテナ106を介してRF部105により受信され、変復調部104により復調され、データリンク部103により通信手順に従ったデータの取り込みが行われる。データリンク部103で取り込まれたデータは、CPU101で処理可能なデータに変換され、順次CPU101によりメモリ102に記憶される。尚、一時的にデータリンク部103内に1回分のフレーム20のデータが保持され、1回分のフレーム20のデータの受信終了後にCPU101により受信データがメモリ102に記憶される場合であってもよい。
【0053】
次に、自車両の無線通信機11がフレーム20(図4)を送信する場合について説明する。
【0054】
車両コンピュータ12(図2)から得られた車両情報は、CPU101の制御の下、メモリ102に記憶される。そして、この車両情報を送信するときは、CPU101の制御の下、このメモリ102から車両情報がデータリンク部103に呼び出され、車両情報を含むフレーム20(図4)がデータリンク部103で生成される。そして、このデータリンク部103で生成されたフレーム20は、変復調部104で変調され、RF部105でアンテナ106を介して送信される。
【0055】
データリンク部103で生成されたフレーム20は、変復調部104により、共通チャンネル情報は、共通チャンネルfcに変調され、個別チャンネル情報は、個別チャンネル、例えば、f1に変調される。
【0056】
尚、このフレーム20を送信しようとする場合、CPU101は、フレーム20を送信するチャンネルが空き状態か否かを検出する(空検出手段)。具体的には、共通チャンネルfcが空き状態か否かを検出する。この空き状態の検出時間は、例えば、500[μsec]程度の時間内で行われる。
【0057】
例えば、受信した無線信号が共通チャンネルfcにて送信されたものでなければ、CPU101により共通チャンネルfcが空き状態と判断され、受信した無線信号が共通チャンネルfcにより送信されたものであれば、CPU101により共通チャンネルfcが占有状態であると判断される。
【0058】
この検出の結果、共通チャンネルfcが空き状態でなければ、フレーム20の送信は行わない。また、この検出の結果、共通チャンネルfcが空き状態であれば、フレーム20の送信が行われる。
【0059】
ここで、フレーム20を送信する場合、予め送信前に1回分のフレーム20をデータリンク部103で生成して保持しておき、共通チャンネルfcの空き状態の検出の結果、共通チャンネルfcが空き状態であれば、データリンク部103により保持されているフレーム20を送信するようにしてもよい。
【0060】
ところで、本実施の形態では、自車両周辺の車両台数を検出し、この車両台数に応じてランダムに送信間隔を設定し、この送信間隔で車両情報を含むフレーム20(図4)を送信することを特徴とする。以下、図3に示すブロック図及び図5に示すフローチャートを参照して、車両台数に応じたランダムな送信間隔でフレーム20を送信する場合の動作について説明する。尚、この動作は、CPU101がメモリ102の図示しないROMあるいはEEPROMに格納された制御プログラムに基づいて制御するものである。
【0061】
まず、CPU101は、自車両周辺の車両台数を検出する(ステップS1;車両台数検出手段)。
【0062】
具体的に説明すると、受信した他車両の共通チャンネル情報の車両識別情報(即ち、車両番号)は、各車両で互いに異なるので、この互いに異なる車両識別情報としての車両番号の数をCPU101により計数することにより車両台数を検出することができる。例えば、メモリ102の周辺車両データベース102Aには、車両識別情報が記憶されているので、CPU101によりメモリ102の周辺車両データベース102Aを参照して計数することにより、車両台数を検出することができる。これによって、自車両周辺の車両台数が把握できる。
【0063】
次に、CPU101は、ステップS1で検出された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定する(ステップS2;乱数範囲決定手段)。
【0064】
具体的には、自車両周辺の車両台数が増加すればするほど、乱数範囲が広がるように決定される。
【0065】
例えば、自車両周辺の車両台数が10台であれば、乱数範囲は0〜10の整数となるように、自車両周辺の車両台数が20台であれば、乱数範囲は0〜20の整数となるようにCPU101により決定される。尚、これら乱数範囲は、これら数値例に限定するものではなく、設計事項であり、任意に乱数範囲を決定することが可能である。
【0066】
次に、CPU101は、ステップS2で決定された乱数範囲に属する乱数値を生成する(ステップS3;乱数値生成手段)。
【0067】
例えば、自車両周辺の車両台数が10台であれば、乱数範囲は0〜10の整数となり、この0〜10の整数の乱数範囲に属する乱数値(例えば、5というような乱数値)が生成される。
【0068】
次に、CPU101は、ステップS3で生成された乱数値に応じてフレーム20(図4)の送信間隔を決定する(ステップS4;送信間隔決定手段)。
【0069】
例えば、メモリ102の図示しないROMあるいはEEPROMには、各乱数値に対応して互いに異なる送信間隔が定められている第1のテーブルが格納されている。そして、CPU101は、この第1のテーブルを参照することにより、生成した乱数値に対応した送信間隔を決定する。例えば、ステップS3で、乱数値3が生成されたならば、ステップS4で、この乱数値3に対応した送信間隔が、メモリ102の第1のテーブルを参照することにより決定される。これによって、ランダムな送信間隔が決定される。
【0070】
そして、CPU101は、生成した乱数値に応じたフレーム20の送信間隔、即ち、ステップS4決定した送信間隔で車両情報を含むフレーム20を送信するように、メモリ102から自車両の車両情報を呼び出す。そして、CPU101により呼び出された自車両の車両情報は、データリンク部103、変復調部104、RF部105を経てアンテナ106を介して送信される(ステップS5;送信手段)。尚、ステップS4で決定した送信間隔後に、CPU101は、共通チャンネルfcが空き状態か否かを検出し、空き状態であればフレーム20(図4)を送信する。次にフレーム20(図4)を送信するときは、再びステップS1が実行される。
【0071】
ところで、メモリ102に記憶される自周辺車両の車両情報、即ち、周辺車両データベース102Aは、所定の時間間隔で更新される。例えば、周辺車両データベース102Aは、図6に示す時間間隔で更新される。つまり、自車両周辺の車両台数が所定の時間間隔で検出される。
【0072】
ここで、所定の時間間隔は、自車両速度が速くなればなるほど、短くなるように設定される。言い換えれば、所定の時間間隔は、自車両速度が遅くなればなるほど、長くなるように設定される。例えば、図6に示すように、自車両の走行速度が0以上10[km/h]未満となれば、周辺車両データベース102A(図3)が10[sec]程度で更新され、自車両が加速して、例えば110[km/h]以上となれば、周辺車両データベース102A(図3)が1[sec]程度で更新される。これによって、ほぼ正確な自車両周辺の車両台数を効率的に取得することができる。
【0073】
以上、本実施の形態によれば、自車両周辺の車両台数を検出し、この車両台数に応じてランダムに送信間隔を設定し、この送信間隔で車両情報を含むフレーム20(図4)を送信するようにしたことから、各車両の無線通信機11でそれぞれ異なる送信間隔でフレーム20が送信されるので、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する。
【0074】
また、本実施の形態によれば、CPU101により、自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲が決定されことから、例えば、自車両周辺の車両台数が増加した場合、乱数範囲が広がるように決定されれば、各車両の無線通信機11で互いに異なる送信間隔となる確率が高くなるので、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する。
【0075】
また、本実施の形態によれば、CPU101により、乱数値に応じて送信間隔が決定されることから、各車両の無線通信機11で互いに異なる乱数値が生成されれば、互いに異なる送信間隔となるので、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する。
【0076】
また、本実施の形態によれば、車両情報を重要な情報(共通チャンネル情報)とそれ以外の情報(個別チャンネル情報)とが、互いに異なるチャンネルで送信されることから、チャンネルの占有時間が減少されるので、より通信の衝突の頻度を低下させることができ、通信の効率が向上する。
【0077】
次に、別の実施の形態として、例えば、メモリ102(図3)の図示しないROMあるいはEEPROMには、各乱数値と、各車両台数とに対応して互いに異なる送信間隔が定められている第2のテーブルが格納されており、ステップS4(図5)において、CPU101は、この第2のテーブルを参照することにより、ステップS3(図5)で生成した乱数値と、ステップS1(図5)で検出した車両台数とに対応したフレーム20(図4)の送信間隔を決定するようにしてもよい。つまり、乱数値が同じ数であっても車両台数が異なれば、異なる送信間隔に決定される。この第2のテーブルには、車両台数が増加すればするほど送信間隔が長くなるように設定されるのが望ましい。
【0078】
例えば、第2のテーブルには、乱数値が3で車両台数が5台であるときは、送信間隔が250[msec]に設定され、乱数値が同様に3で車両台数が10台であるときは、送信間隔が500[msec]に設定されているものとする。そして、ステップS1で検出した車両台数が5台であり、ステップS2で決定される乱数範囲が0〜5の整数であり、ステップS3で乱数値3が生成されたものとすれば、ステップS4で送信間隔が250[msec]に決定される。また、ステップS1で検出した車両台数が10台であり、ステップS2で決定される乱数範囲が0〜10の整数であり、ステップS3で乱数値3が生成されたものとすれば、ステップS4で送信間隔が500[msec]に決定される。尚、この第2のテーブルの送信間隔は、上記の数値例に限定するものではなく、設計事項であり任意に設定できる。これによって、上記の実施の形態と同様の効果を奏し、更に、各乱数値と、各車両台数とに対応して互いに異なる送信間隔が定められている第2のテーブルには、車両台数が増加すればするほど送信間隔が長くなるように設定されているので、例えば、渋滞のときのように、自車両周辺の車両台数が増加するような場合には、CPU101が第2のテーブルを参照しながらフレーム20(図4)の送信間隔を決定することにより、各車両の無線通信機11のフレーム20の送信間隔が長くなるので、通信の衝突の頻度も低下させることができ、通信の効率が向上する。
【0079】
また、別の実施の形態として、例えば、メモリ102(図3)の図示しないROMあるいはEEPROMには、図7に示すように、自車両の走行速度に対応して送信間隔が設定されている送信間隔テーブルが格納されているものとする。この送信間隔テーブルには、例えば、自車両の走行速度が速くなればなるほど、送信間隔が短くなるように設定される。言い換えると、自車両の走行速度が遅くなればなるほど、送信間隔が長くなるように設定される。例えば、自車両の走行速度が0〜10[km/h]のとき、送信間隔は1[sec]程度に設定され、自車両が加速して例えば110[km/h]以上となる場合は、送信間隔が短くなり、100[msec]程度に設定される。自車両の走行速度は、車両コンピュータ12(図2)から入力される走行速度情報により把握することができる。また、メモリ102(図3)の図示しないROMあるいはEEPROMには、送信間隔の補正に用いる各乱数値に対応して互いに異なる補正係数が定められている補正係数テーブルが格納されているものとする。そこで、ステップS4(図5)において、まず、CPU101(図3)は、自車両の走行速度に応じた送信間隔をメモリ102(図3)の送信間隔テーブルから呼び出す。次に、CPU101は、メモリ102に格納されている補正係数テーブルを参照することにより、ステップS3(図5)で生成した乱数値に応じた送信間隔の補正係数を決定する(補正係数決定手段)。そして、CPU101は、メモリ102の送信間隔テーブルから呼び出した送信間隔を、補正係数を用いることにより補正する。これにより、送信間隔が決定される。これによっても上記の実施の形態と同様の効果を奏し、更に、メモリ102に格納される送信間隔テーブルは、自車両の走行速度が遅くなればなるほど送信間隔が長くなるように設定されていることから、渋滞(車速が、例えば、10[km/h]未満)のときのような車両の位置がほとんど変化しないようなとき、送信間隔を長く設定しても(例えば、1[sec]程度)、車両の位置をほぼ正確に把握することができ、また、各車両の無線通信機11のフレーム20の送信間隔が長くなることによって、通信の衝突の頻度も低下させることができ、通信の効率が向上する。
【0080】
更に、別の実施の形態として、外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じてランダムに送信間隔を決定し、この送信間隔で車両情報を含むフレームを送信するようにしてもよい。
【0081】
以下、図3に示すブロック図及び図8に示すフローチャートを参照して、車両の走行速度に応じたランダムな送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する場合の動作ついて説明する。尚、この動作は、CPU101がメモリ102の図示しないROMあるいはEEPROMに格納された制御プログラムに基づいて制御するものである。
【0082】
まず、CPU101は、車両コンピュータ12(図2)より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定する(ステップS11;乱数範囲決定手段)。
【0083】
例えば、自車両の走行速度が0以上10[km/h]未満であれば乱数範囲は0〜9の整数、自車両の走行速度が10[km/h]以上30[km/h]未満であれば乱数範囲は10〜29の整数、自車両の走行速度が30[km/h]以上50[km/h]未満であれば乱数範囲は30〜49の整数、自車両の走行速度が50[km/h]以上70[km/h]未満であれば乱数範囲は50〜69の整数、自車両の走行速度が70[km/h]以上90[km/h]未満であれば乱数範囲は70〜89の整数、自車両の走行速度が90[km/h]以上であれば乱数範囲は90〜100の整数となるように乱数範囲が決定される。尚、CPU101により決定される乱数範囲は、これらの数値例に限定するものではなく、設計事項であり、任意に設定することができる。
【0084】
次に、CPU101は、決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する(ステップS12;乱数値生成手段)。例えば、ステップS11で、乱数範囲が0〜9の整数に決定されたとすると、CPU101は、この0〜9から乱数値を生成する。
【0085】
次に、CPU101は、ステップS12で生成した乱数値に応じてフレーム20(図4)の送信間隔を決定する(ステップS13;送信間隔決定手段)。
【0086】
具体的には、メモリ102の図示しないROMあるいはEEPROMには、各乱数値に対応して互いに異なる送信間隔が定められている第3のテーブルが格納されている。そして、CPU101は、この第3のテーブルを参照することにより、生成した乱数値に対応した送信間隔を決定する。更に、この第3のテーブルには、自車両が減速するに対応して、フレーム20の送信間隔が長くなるように設定されるのが望ましい。
【0087】
例えば、自車両の走行速度が0以上10[km/h]未満であれば乱数範囲は0〜9の整数であり、第3のテーブルには、0〜9の各乱数値に対応して送信間隔が1[sec]〜1.1[sec]程度の互いに異なる値に設定され、自車両の走行速度が10[km/h]以上30[km/h]未満であれば乱数範囲は10〜29の整数であり、第3のテーブルには、10〜29の各乱数値に対応して送信間隔が500[msec]〜550[msec]程度の互いに異なる値に設定され、自車両の走行速度が30[km/h]以上50[km/h]未満であれば乱数範囲は30〜49の整数であり、第3のテーブルには、30〜49の各乱数値に対応して送信間隔が250[msec]〜300[msec]程度の互いに異なる値に設定され、自車両の走行速度が50[km/h]以上70[km/h]未満であれば乱数範囲は50〜69の整数であり、第3のテーブルには、50〜69の各乱数値に対応して送信間隔が160[msec]〜200[msec]程度の互いに異なる値に設定され、自車両の走行速度が70[km/h]以上90[km/h]未満であれば乱数範囲は70〜89の整数の整数であり、第3のテーブルには、70〜89の各乱数値に対応して送信間隔が125[msec]〜150[msec]程度の互いに異なる値に設定され、自車両の走行速度が90[km/h]以上であれば乱数範囲は90〜100の整数であり、第3のテーブルには、90〜100の各乱数値に対応して送信間隔が100[msec]〜110[msec]程度の互いに異なる値に設定される。CPU101は、この第3のテーブルを参照して、乱数値に応じた送信間隔を決定する。尚、CPU101により参照される第3のテーブルにおける走行速度の数値の設定及び送信間隔の設定は、これらの数値例に限定するものではなく、設計事項であり任意に設定できる。
【0088】
次に、CPU101は、生成した乱数値に応じたフレーム20(図4)の送信間隔、即ち、ステップS13決定した送信間隔で車両情報を含むフレーム20を送信するように、メモリ102から自車両の車両情報を呼び出す。そして、CPU101により呼び出された自車両の車両情報は、データリンク部103、変復調部104、RF部105を経てアンテナ106を介して送信される(ステップS14;送信手段)。つまり、ステップS13で決定した送信間隔後に、CPU101は、共通チャンネルfcが空き状態か否かを検出し、空き状態であればフレーム20(図4)を送信する。次にフレーム20(図4)を送信するときは、再びステップS11が実行される。以上、上記の実施の形態と同様の効果を奏し、更に、CPU101が、自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、決定した乱数範囲から乱数値を生成し、生成した乱数値に応じてフレーム20の送信間隔を決定することから、各車両の無線通信機11で互いに異なる乱数値が生成されれば、互いに異なる送信間隔となるので、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する。
【0089】
また、CPU101が、メモリ102の図示しないROMあるいはEEPROMに格納してある、各乱数値に対応して互いに異なる送信間隔が定められている第3のテーブルを参照することにより、生成した乱数値に応じてフレーム20(図4)の送信間隔を決定することから、各車両の無線通信機11で互いに異なる乱数値が生成されれば、互いに異なる送信間隔となるので、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する。
【0090】
また、第3のテーブルには、自車両の減速に対応して、フレーム20の送信間隔が長くなるように、例えば送信間隔が1[sec]程度に設定されることから、例えば、渋滞(車速が、例えば、10[km/h]未満)のときのような車両の位置がほとんど変化しないようなときに、各車両の無線通信機11のフレーム20の送信間隔が長くなることによって、通信の衝突の頻度も低下させることができ、通信の効率が向上する。また、渋滞(車速が、例えば、10[km/h]未満)のときのような車両の位置がほとんど変化しないようなときに、送信間隔が長くなっても、例えば送信間隔が1[sec]程度になっても、自車両周辺の車両の位置はほぼ正確に把握することができる。
【0091】
以上の説明では、無線通信機が送信機の機能と受信機の機能とを兼ね備えているものとして説明したが、無線通信機の代わりに送信機と受信機とで構成してもよい。この場合、自車両周辺の車両台数は受信機によって検出される。そして、送信機には、受信機によって検出された車両台数が入力される。
【0092】
また、以上の説明では、共通チャンネルと個別チャンネルとは、周波数分割により割り当てられる無線チャンネルである場合について説明したが、これに限るものではなく、共通チャンネルと個別チャンネルとは、スペクトル拡散方式でコード分割により割り当てられる無線チャンネルである場合であってもよい。
【0093】
また、以上の説明では、CPUが無線通信機を制御するための制御プログラムをROM等に予め格納しておく場合について説明したが、これらの制御プログラムをハードディスク等の外部記録装置に記録して起動したり、これらの制御プログラムを光ディスク等のリムーバブル記録媒体に記録して、インストールするようにしたり、無線又は有線のネットワークを介してダウンロードし、インストールするように構成することも可能である。ダウンロードを行う場合には、実行するたびにダウンロードするようにすることも可能である。また、ROM等のコンピュータ読取可能な記録媒体に交換可能に構成しておくことも可能である。
【0094】
また、以上の説明では、CPUが、受信した他車両の車両情報及び車両コンピュータから入力される自車両の車両情報をRAMに記憶させる場合を説明したが、これら車両情報をハードディスク等の外部記録装置に記録させることも可能である。
【0095】
以上、実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、通信の衝突の頻度を低減させることができ、通信の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における無線通信機が搭載される車両が走行している場合を示す図である。
【図2】無線通信機が車両に搭載される場合を示すブロック図である。
【図3】無線通信機の構成を示すブロック図である。
【図4】無線通信機により通信される無線フレームフォーマットを示す図である。
【図5】本実施の形態の自車両周辺の車両台数に応じたランダムな送信間隔でフレームを送信する動作を示すフローチャートである。
【図6】無線通信機のメモリに記憶される周辺車両データベースの更新間隔を示す図である。
【図7】別の実施の形態の無線通信機のメモリに記憶される送信間隔テーブルを示す図である。
【図8】別の実施の形態の自車両の走行速度に応じたランダムな送信間隔でフレームを送信する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1〜5 車両
11 無線通信機
101 CPU
102 メモリ
103 データリンク部
104 RF部

Claims (26)

  1. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機において、
    自車両周辺の車両台数を検出する車両台数検出手段と、
    検出した車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、
    生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段と
    を備えたことを特徴とする無線通信機。
  2. 前記車両台数検出手段は、車両ごとに異なるように割り振られている車両識別情報を受信し、この車両識別情報に基づいて自車両周辺の車両台数を検出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信機。
  3. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機において、
    外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、
    生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段と
    を備えたことを特徴とする無線通信機。
  4. 前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記チャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の無線通信機。
  5. 前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記チャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の無線通信機。
  6. 前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の無線通信機。
  7. 前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の無線通信機。
  8. 前記共通のチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記共通のチャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の無線通信機。
  9. 前記共通のチャンネルが空き状態であるか否かを検出する空検出手段を備え、前記送信手段は、この空検出手段の検出結果、前記共通のチャンネルが空き状態と判断されたときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の無線通信機。
  10. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる送信機において、
    外部より入力された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、
    生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段と
    を備えたことを特徴とする送信機。
  11. 車両に搭載され、車両間で無線通信に用いられる送信機において、
    外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する乱数範囲決定手段と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する乱数値生成手段と、
    生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する送信手段と
    を備えたことを特徴とする送信機。
  12. 前記送信手段は、前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項10に記載の送信機。
  13. 前記送信手段は、前記フレームを送信するチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項11に記載の送信機。
  14. 前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とする請求項10に記載の送信機。
  15. 前記フレームは、各車両で共通のチャンネルにより送信する車両情報と、この共通のチャンネルとは異なるチャンネルにより送信する車両情報とを有し、前記送信手段は、前記フレームを送信するに際し、各車両情報を対応するそれぞれのチャンネルで送信するようにしたことを特徴とする請求項11に記載の送信機。
  16. 前記送信手段は、前記共通のチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項10に記載の送信機。
  17. 前記送信手段は、前記共通のチャンネルが空き状態であるときに前記フレームを送信するようにしたことを特徴とする請求項11に記載の送信機。
  18. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御方法において、
    自車両周辺の車両台数を検出する過程と、
    検出した自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、
    生成したの乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程と
    を備えたことを特徴とする無線通信機の制御方法。
  19. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御方法において、
    外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、
    生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程と
    を備えたことを特徴とする無線通信機の制御方法。
  20. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる送信機の制御方法において、
    外部より入力された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、
    生成したの乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程と
    を備えたことを特徴とする送信機の制御方法。
  21. 車両に搭載され、車両間の無線通信に用いられる送信機の制御方法において、
    外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定 し、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定する過程と、
    決定した乱数範囲に属する乱数値を生成する過程と、
    生成した乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信する過程と
    を備えたことを特徴とする送信機の制御方法。
  22. コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、
    自車両周辺の車両台数を検出させ、
    検出させた自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、
    決定させた乱数範囲に属する乱数値を生成させ、
    生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させる
    ことを特徴とする制御プログラム。
  23. コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる無線通信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、
    外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、
    決定させた乱数範囲に属する乱数値を生成させ、
    生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させる
    ことを特徴とする制御プログラム。
  24. コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる送信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、
    外部より入力された自車両周辺の車両台数に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、
    決定させた乱数範囲から乱数値を生成させ、
    生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させる
    ことを特徴とする制御プログラム。
  25. コンピュータを、車両に搭載され車両間の無線通信に用いられる送信機の制御を行わせる制御装置として機能させる制御プログラムにおいて、
    外部より入力された自車両の走行速度情報に対応する走行速度に応じて乱数範囲を決定させ、検出した車両台数が増加するほど乱数範囲が広くなるように決定させ、
    決定させた乱数範囲から乱数値を生成させ、
    生成させた乱数値に応じた送信間隔で車両情報を含むフレームを送信させる
    ことを特徴とする制御プログラム。
  26. 請求項22乃至請求項25のいずれか1項記載の制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。
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