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JP3934246B2 - 基板冷却装置および基板冷却方法 - Google Patents

基板冷却装置および基板冷却方法 Download PDF

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JP3934246B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶用およびプラズマディスプレイ用基板等のフラットパネルディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板等の基板を冷却する基板冷却装置および基板冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、上記のような基板冷却装置として、例えば、特開平6−338450号公報に開示されるような装置が知られている。この装置は、内部に冷却水の通路を備えた冷却プレートを有しており、上記冷却プレート上に置かれた基板を冷却するように構成されている。この装置では、冷却プレートの表面に、基板の輪郭より若干小さい輪郭を有する凹部が形成されており、この凹部の周縁部分で基板の周縁下部を支持することにより、基板と冷却プレートとの間に密閉空間を形成し、この空間内の空気を介して所定の温度に冷却された冷却プレートによって基板を冷却している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の装置では、基板と冷却プレートとの接触面積を小さくすることができ、基板取外しの際の剥離帯電を有効に防止できるが、基板から放熱された熱が上記密閉空間に蓄積されるため、基板が冷されにくく、冷却に時間がかかるという問題がある。
【0004】
また、この種の基板の冷却処理では、冷却中に基板が山成りに反り返ることがあり、このような場合には、基板と冷却プレートの間隔が大きくなって基板の冷却にさらに時間がかかる。そのため、これを改善する必要もある。
【0005】
なお、このような問題は、上記密閉空間(閉空間)を形成するプロキシミティータイプの基板冷却装置における特有のものというわけでなく、冷却プレートの上面にプロキシミティーピンやプロキシミティーボールなどを複数配置し、これらによって基板を下方より支持するタイプの基板冷却装置においても、同様の問題が発生する。すなわち、このようにプロキシミティーピンなどで基板を下方から支持する場合、冷却プレートと基板との間に開空間が形成され、この空間内の空気を介して所定の温度に冷却された冷却プレートによって基板が冷却されるわけであるが、基板から放熱された熱が上記開空間に蓄積されるため、同様の問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、基板の剥離帯電を防止しつつ、より速やかに基板を冷却することができる基板冷却装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる基板冷却装置は、基板を冷却するための基板冷却面を有する基板冷却手段と、上記基板冷却面から所定間隙だけ離隔して基板を保持する保持部と、上記保持部に保持された基板と上記基板冷却面との間の間隙空間を換気する換気手段と、上記間隙空間の容積を可変させる可変手段とを備えている(請求項1)。
【0008】
この発明では、換気手段が保持部に保持された基板と基板冷却面との間の間隙空間内を強制的に換気して、上記間隙空間内に基板の放熱による熱が篭るのを防止し、基板冷却を促進する。また、この発明では、上記間隙空間の容積を可変させる可変手段を備えているため、上記間隙空間の容積を変化させることで、基板温度をより速やかに低下させること が可能となる。すなわち、上記換気のときに上記間隙空間の容積を大きくするとともに、上記換気以外のときに上記間隙空間の容積を小さくするように、上記間隙空間の容積を変化させると、換気中は、多くの気体が間隙空間に供給されることにより基板の冷却がより促進され、その結果、基板温度を迅速に低下させることができる。
【0009】
また、この発明にかかる基板冷却装置は、基板を冷却するための基板冷却面を有する基板冷却手段と、上記基板冷却面から所定間隙だけ離隔して基板を保持する保持部と、上記保持部に保持された基板と上記基板冷却面との間の間隙空間を換気する換気手段とを備え、上記保持部は、基板の外周部を全周にわたって保持する外周保持部を含み、上記間隙空間は、上記外周保持部と、上記外周保持部に保持された基板と、上記基板冷却面とで囲まれた閉空間であり、上記閉空間は、複数のサブ閉空間に区画されたことを特徴としている(請求項2)。
【0010】
この発明では、請求項1の発明同様、上記間隙空間内に基板の放熱による熱が篭るのを防止し、基板冷却を促進する。更にこの発明では、上記間隙空間を閉空間としている。すなわち、上記保持部が基板の外周部を全周にわたって保持する外周保持部を備えるように構成するとともに、上記外周保持部と、上記外周保持部に保持された基板と、上記基板冷却面とで囲まれた閉空間を間隙空間としている。このようにして形成された間隙空間(閉空間)では、換気を迅速に行うことが可能となる。更にこの発明では、上記閉空間を複数のサブ閉空間に区画しているため、各サブ閉空間の換気は閉空間全体を換気するのに比べて迅速に行うことができ、その結果、基板をより速やかに冷却することが可能となる。
【0011】
なお、上記間隙空間を、この間隙空間の周囲と連通する開空間としてもよく(請求項3)、この場合、間隙空間への気体の流入および間隙空間からの気体の排出が容易となる。
【0012】
また、上記間隙空間を閉空間としてもよい。すなわち、上記保持部が基板の外周部を全周にわたって保持する外周保持部を備えるように構成するとともに、上記外周保持部と、上記外周保持部に保持された基板と、上記基板冷却面とで囲まれた閉空間を間隙空間としてもよい(請求項)。このようにして形成された間隙空間(閉空間)では、換気を迅速に行うことが可能となる。
【0013】
また、上記閉空間を複数のサブ閉空間に区画してもよく(請求項)、各サブ閉空間の換気は閉空間全体を換気するのに比べて迅速に行うことができ、その結果、基板をより速やかに冷却することが可能となる。
【0014】
また、上記換気手段が上記間隙空間から気体を吸引する排出手段を備えるように構成してもよく(請求項)、間隙空間からの気体の吸引によって間隙空間の熱雰囲気が外部に排出され、基板冷却が促進される。
【0015】
また、上記排出手段が上記間隙空間を負圧状態に保つように上記間隙空間から気体を吸引するように構成してもよく(請求項)、この場合、間隙空間の熱雰囲気が外部に排出されるのみならず、負圧状態の発生維持によって基板が安定して保持部に保持され、特に高温基板の載置時の熱反りが防止される。
【0016】
また、上記換気手段が上記間隙空間に気体を供給する供給手段を備えるように構成してもよく(請求項)、この場合、供給された気体によって基板が強制的に冷却され、基板の冷却速度が大幅に向上し、基板冷却が促進される。特に、供給手段と排出手段と組み合わせて換気手段が構成されている場合には、大量のパーティクルを吸い込んだり、大量のパーティクルを巻き上がらせたりすることがなく、基板をより清浄な雰囲気で冷却処理することができる。
【0017】
また、上記供給手段を、目標温度以下の気体を上記間隙空間に供給するように構成してもよく(請求項)、このような冷たい気体を基板に供給することで基板の冷却速度が向上する。
【0018】
また、上記供給手段が上記保持部に保持される基板の中央部付近に気体を供給するように構成してもよい(請求項10)。基板冷却面を基板と近接対面させて基板冷却処理を行うと、基板の中央部分はその端部に比べて冷却速度は遅いため、中央部分の冷却が遅れ、基板の温度分布が不均一になるが、上記のように構成すると、基板の中央部分の冷却速度が向上され、基板の温度分布は均一なものとなる。
【0019】
また、上記換気手段による換気のタイミングを制御する換気タイミング制御手段をさらに設けてもよく(請求項11)、換気タイミングの制御によって基板の迅速、かつ正確な冷却処理が可能となる。例えば、換気を冷却処理の前半に行うようにタイミングを設定すれば、まず、閉空間の換気により基板の温度が速やかに低下し、その後は、換気の停止により基板の温度低下が緩慢になる。そのため、基板の過剰冷却を防止しつつ、基板を速やかに、かつ正確に目標温度まで冷却することが可能となる。なお、冷却処理の前半は、閉空間内の気体温度と基板温度の差が大きく、換気を行わなくてもある程度は基板の冷却が促進されるので、上記とは逆に、換気を冷却処理の後半に行うようにタイミングを設定するようにしてもよい。このようにすれば、閉空間内の気体温度と基板温度とが近づいて基板の温度低下が緩慢となる冷却処理後半での基板の冷却を効果的に促進させることが可能となる。
【0020】
また、上記保持部に保持される基板の温度を検出する温度検出手段をさらに設け、この温度検出手段による検出結果に応じて上記換気タイミング制御手段が換気のタイミングを制御するように構成すれば(請求項12)、冷却処理をより正確に行うことができ、基板を精度良く目標温度に冷却することができる。
【0021】
また、基板を吸着保持するように上記保持部を構成してもよく(請求項13)、この場合、冷却処理中において、基板を確実に、しかも安定して保持することができる。
【0022】
さらに、上記間隙空間から気体を吸引する吸引口を上記基板冷却面の中央部付近に設けてもよく(請求項14)、この場合、基板の略中央部が吸引口に対向し、その冷却速度が向上し、基板面内における冷却速度が均一化される。また、基板の下面中央部が最も高い負圧を受けるため、基板の山反りを効果的に防止することができる。
【0023】
この発明にかかる基板冷却方法は、基板を冷却するための基板冷却面から所定間隙だけ離隔した位置に基板を保持して当該基板に対して冷却処理を施すものであって、上記目的を達成するため、上記冷却処理中に上記間隙空間の容積を変更すると共に、上記冷却処理中の少なくとも一定期間の間、上記基板と上記基板冷却面との間の間隙空間を換気するようにしている。
【0024】
この発明では、冷却処理中の少なくとも一定期間の間、間隙空間が強制的に換気して、上記間隙空間内に基板の放熱による熱が篭るのを防止し、基板冷却を促進する。更にこの発明では、冷却処理中に間隙空間の容積を変更させることで、基板温度をより速やかに低下させることが可能となる。
【0025】
なお、上記換気処理のタイミングとしては、例えば冷却処理の開始前または開始と同時に開始する一方、冷却処理の開始後所定時間が経過した時点で停止させるようにしてもよい(請求項16)。このように、冷却処理の前半段階で換気処理を行うことで、高温の基板を速やかに目標温度近傍まで冷却することができ、冷却処理を迅速に行うことができる。
【0026】
また、上記間隙空間から気体を吸引することで、上記間隙空間を負圧状態に保ちながら上記換気処理を行うようにしてもよく(請求項17)、この場合、間隙空間からの気体の吸引によって間隙空間の熱雰囲気が外部に排出され、基板冷却が促進されるとともに、負圧状態の発生維持によって基板が安定して保持部に保持され、特に高温基板の載置時の熱反りが防止される。
【0027】
【発明の実施の形態】
この発明は、基板を冷却するための基板冷却面から所定間隙だけ離隔した位置に基板を保持して当該基板に対して冷却処理を施す基板冷却装置および基板冷却方法に関するものであり、基板と基板冷却面との間に閉空間を形成し、当該閉空間の空気を介して基板冷却を行う装置と、基板と基板冷却面との間に開空間を形成し、当該開空間の空気を介して基板冷却を行う装置とがある。以下、閉空間形成タイプの基板冷却装置(第1〜第4の実施形態、およびそれらの変形形態)について説明した後、開空間形成タイプの基板冷却装置(第5〜第10の実施形態、およびそれらの変形形態)について説明する。
【0028】
A.第1の実施形態図1及び図2は、本発明にかかる基板冷却装置の第1の実施形態を示す図である。これらの図に示すように、基板冷却装置10Aは、アルミニウム等の金属から構成された冷却プレート12を有している。冷却プレート12は、その内部に形成された冷却水通路14を循環する冷却水により基板Wを冷却すべき目標温度、本実施形態では23°Cに保たれており、150°C程度に加熱された基板Wをその表面に載置することにより基板Wを冷却するように構成されている。
【0029】
上記冷却プレート12の表面には底面が平坦な矩形輪郭を有する凹部16が形成されている。この凹部16の輪郭は、基板Wの輪郭よりも小さい該輪郭の相似形とされており、基板Wを載置した状態では、基板Wの周縁部下面を凹部16の周縁部(外周保持部)で保持し、基板Wを凹部16の底面と対面しながら、その底面からその深さ分だけ離隔した位置に位置決めする。そして、基板Wと凹部16とで略密閉な閉空間CSが形成されている。なお、凹部16の輪郭については、基板Wの相似形に限定されず、基板Wの周縁部下面を全周に亘って凹部16の周縁部で保持しながら基板Wと凹部16とで閉空間CSが構成されれば、いかなる形状を有しても良い。また、本実施形態では、上記凹部16の深さは0.1mm〜5mm程度とされており、また、凹部16の周縁部は基板周縁の非有効エリアを保持するように形成されている。
【0030】
このように、この実施形態(および後で説明する第2〜第4実施形態)では、凹部16の底面が冷却プレート12の「基板冷却面12c」に相当するものであり、この基板冷却面12cから所定間隙(凹部16の深さ)だけ離隔した位置に基板Wを保持して当該基板Wに対して冷却処理を施すように構成されている。
【0031】
また、上記凹部16の底面(基板冷却面12c)には、複数のプロキシミティーピン18(以下、プロキピン18という)やプロキシミティーボールが設けられており、基板Wが載置されると、上記凹部16の周縁部とこれらプロキピン18によって基板Wを水平に保持するようになっている。なお、図2においては、次に説明する排気通路20と供給通路30との配置関係を明確にするため、プロキピン18の図示を省略している。
【0032】
そして、このように構成された基板冷却面12cを有する冷却プレート12の内部には、上記冷却水通路14の他に、凹部16の略中心に開口する空気の排気通路20と、凹部16の周壁近傍に沿って開口する複数の空気の供給通路30とがそれぞれ形成されている。
【0033】
上記排気通路20は吸気管22を介して真空ポンプ26に接続されるとともに、上記吸気管22に介設された電磁三方弁等の切換弁24を介して排気管28に接続されている。そして、切換弁24の操作に応じて、真空ポンプ26に通じる状態と、排気管28を介して大気中に開放される状態とに切換可能となっており、真空ポンプ26に通じた状態で閉空間CSの空気を吸引、排出するようになっている。つまり、排気通路20、吸気管22及び真空ポンプ26等によって本願の排出手段が構成されている。
【0034】
一方、上記各供給通路30は、上記冷却プレート12内に形成された中空状の貯留部32を介して供給管34に接続されており、この供給管34に介設された電磁弁等の開閉弁36の開閉に応じて図外のフィルター等を介して大気中に開放される状態と、遮断される状態とに切換可能となっている。そして、開閉弁36が開かれるとともに、上記排気通路20が真空ポンプ26に通じた状態とされることにより、大気中の空気がこの供給通路30を介して閉空間CS内に供給されるようになっている。つまり、供給通路30、貯留部32及び供給管34等によって本願の供給手段が構成されている。
【0035】
なお、上記冷却プレート12の上方には、基板Wの温度を検出する温度センサ38が配設されている。この温度センサ38はいわゆる非接触型のセンサで、基板表面から放射される熱線を計測することにより基板温度を検出するように構成されている。
【0036】
図中40は、基板冷却装置10Aを制御する制御装置で、上記切換弁24、開閉弁36及び温度センサ38等は、すべてこの制御装置40に電気的に接続されている。そして、基板Wの冷却処理の際には、上記温度センサ38による検出温度データに基づいて上記切換弁24及び開閉弁36が統括的に制御されることにより、後述するようにして基板Wの冷却処理が行われるようになっている。
【0037】
次に、上記基板冷却装置10Aの基板冷却動作について図3を用いて説明する。上記基板冷却装置10Aでは、冷却水が循環されることにより冷却プレート12が予め基板Wを冷却する上記目標温度に保たれており、この状態で基板Wが図外の搬送装置によって冷却プレート12の表面側に載置される。このとき、基板Wが載置されるまでは、排気通路20は排気管28を介して、また、供給通路30は供給管34を介してそれぞれ大気中に開放されている。
【0038】
冷却プレート12上に基板Wが載置されると、上記切換弁24が切換えられて排気通路20が真空ポンプ26に接続されるとともに、開閉弁36が所定の開度に保持され、これにより基板Wの冷却処理が開始される(t0時点)。
【0039】
冷却処理が開始されると、上記凹部16により基板Wと冷却プレート12との間に形成される閉空間CS内の空気が排気通路20を介して排出されるとともに、これに伴い大気中の空気が貯留部32および供給通路30を介して閉空間CS内に供給される。この際、排気通路20を介して閉空間CSから排出される空気量に対して供給通路30を介して閉空間CS内に供給される空気量が少なくなるように上記開閉弁36の開度が調節される。これにより閉空間CS内が負圧状態となり、基板Wが冷却プレート12に吸着保持された状態で冷されることとなる。
【0040】
この処理中は、閉空間CSの空気を介して主に基板冷却面12cと基板Wとの間で熱交換が行われ、これにより基板Wが冷却される。この際、上記のように閉空間CSの換気が行われることにより、閉空間CSの空気が排出されつつ、上記貯留部32及び供給通路30を通って目標温度まで冷された空気が閉空間CS内に導入されることにより、閉空間CS内に熱が篭ることがなく、基板Wの冷却が効果的に促進される。
【0041】
こうして基板Wが搬入時の温度T1(例えば150°C)から予め設定された温度T2(例えば40°C)まで冷されると(t1時点)、上記開閉弁36が全閉され、以後、閉空間CSの換気が停止された状態で冷却が行われる。
【0042】
そして、基板Wがさらに冷されて目標温度T3に達すると(t2時点)、切換弁24が切換られて排気通路20が排気管28に接続されるとともに開閉弁36が全開されて閉空間CSが大気中に開放され、基板Wが搬送装置によりピックアップされて次工程へと搬出される。これにより基板Wの冷却処理が終了する。
【0043】
以上説明したように、上記基板冷却装置10Aによれば、上記のように基板Wと冷却プレート12との間に閉空間CSを形成して基板Wを冷すので、基板Wと冷却プレート12の接触面積を小さくして、基板取外しの際の剥離帯電を有効に防止することができる。しかも、冷却処理中は、閉空間CS内の換気を行い、これにより閉空間CS内に熱が篭るのを抑えるようにしてるので、基板を効果的に冷却することができる。そのため、従来のこの種の冷却装置と比較すると、基板Wを速やかに冷却することができる。
【0044】
特に、上記基板冷却装置10Aでは、目標温度T3より適度に高い温度T2までは換気を行い、その後は、換気を停止させるようにしているので、基板Wを速やかに冷却しながらも、基板Wを精度良く目標温度まで下げることができる。
【0045】
すなわち、短時間で基板Wを冷却するために、基板Wが目標温度T3に達するまで常に閉空間CSの換気を行うことも考えられるが、閉空間CSの換気を行うと、換気の影響で基板Wに振動が生じて基板Wと冷却プレート12の間隔に変動が生じ易く、常に換気を行うと基板面上での温度にムラ(基板温度の面内不均一)が生じる場合がある。また、換気により基板Wの冷却が促進される結果、基板Wが目標温度T3に達した時点で換気を停止しても慣性で基板Wが目標温度T3を超えて過剰冷却される場合がある。しかしながら、上記実施形態のようにすれば、温度T2までは基板Wの温度が速やかに低下し、その後は、温度低下が緩慢となるので、基板Wの過剰冷却を有効に防止することができ、しかも、基板Wが温度T2に達した後は、換気の停止により基板Wが静止状態に保持されることで基板面上での温度分布が均一になる。そのため、基板Wを速やかに、かつ精度良く目標温度T3まで冷却することができる。
【0046】
なお、冷却精度を厳しく要求されないような場合は、換気時期を冷却処理の後半に設定してもよい。すなわち、冷却処理の前半は、基板Wと閉空間CS内の空気との温度差が大きいので比較的急激に基板Wが冷却される。そのため、換気を停止していても基板Wの冷却が促進され易い。ところが、冷却処理の後半では、基板Wと閉空間CS内の空気との温度差が小さくなり、基板Wの温度低下が緩慢となるので、冷却処理の後半で閉空間CSの換気を行うようにすれば、冷却処理後半での基板Wの冷却を促進させて、基板Wの冷却時間を効果的に短縮することができる。なお、基板Wの冷却時間を短縮する観点からは、基板Wの冷却処理中、常に換気を行うのが好ましいが、この場合には、換気を行う機構を常時作動させることによる生産コストのアップが懸念される。そのため、生産コストを抑えることを考慮すれば、上述のように冷却処理の後半でのみ閉空間CSの換気を行うようにするのが合理的である。
【0047】
なお、換気のタイミングは、上述のように冷却処理の主に前半又は後半に限定されるものではなく、要求される基板Wの冷却処理に応じて、冷却処理の中間で行うように設定してもよく、要は冷却処理中の少なくとも一定期間の間、基板Wと基板冷却面12cとの間の閉空間(間隙空間)CSを換気することで、より速やかに基板を冷却することができる。
【0048】
また、この種の基板Wの冷却処理では、冷却中に基板が山成りに反り返ることがあり、このような場合には、基板Wと冷却プレート12の基板冷却面12cとの間隔が大きくなって基板Wの冷却に時間がかかるとの懸念がある。しかしながら、上記の基板冷却装置10Aによれば、閉空間CS内を負圧状態にして基板Wを冷却プレート12に吸着保持するようにしているので、上記のような基板Wの反りは効果的に矯正される。そのため、山成りに反り返り易い基板であっても、このような矯正効果と、上述の換気による冷却促進の効果により、速やかに基板を目標温度T3まで精度良く冷却することができるという特徴もある。
【0049】
なお、上記の例では、温度センサ38による基板Wの温度検出に基づいて換気を停止させるようにしているが、例えば、タイマーを用いて一定時間経過後に換気を停止させるようにしてもよい。
【0050】
B.第2実施形態次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態にかかる基板冷却装置を示す図である。この図に示す基板冷却装置10Bは、上記基板冷却装置10Aの構成を基本とし、冷却プレート12の外部に、閉空間CSに供給する空気を冷却するための手段を設けたものである。
【0051】
すなわち、この基板冷却装置10Bでは、冷却プレート12内に上記のような中空状の貯留部32は設けられておらず、閉空間CSに対する空気の供給通路30は、それぞれ直接集結されて供給管34に接続されている。また、供給管34には、開閉弁36の上流側、すなわち空気の供給方向における上流側に気体冷却装置37が介設されている。気体冷却装置37は、大気中から閉空間CSに取り込まれる空気を強制的に冷却する装置で、例えば、冷媒を用いて空気を冷却したり、あるいは、ペルチェ効果を利用した冷却素子を用いて空気を冷却するように構成されている。
【0052】
この基板冷却装置10Bでは、閉空間CS内に供給される空気が気体冷却装置37で冷されることとなる。そのため、例えば、冷却プレート12よりも低い温度、すなわち基板Wの目標温度T3よりも低い温度まで冷した空気を上記閉空間CSに供給することが可能であり、このような低温の空気を供給することで、基板Wを上記基板冷却装置10Aにも増して効果的に冷却することができる。
【0053】
C.第3の実施形態次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図5は、第3の実施形態にかかる基板冷却装置を概略的に示す図である。この図に示す基板冷却装置10Cは、上記基板冷却装置10Aの構成を基本とし、処理中に、上記閉空間CSの容積を変更することができるようにしたものである。
【0054】
すなわち、この図に示す基板冷却装置10Cでは、上記冷却プレート12が、上記凹部16の底面(基板冷却面12c)を構成するベース12aと、凹部16の側壁部分を構成する可動部12bとから構成されており、このベース12aに上記排気通路20及び供給通路30等(図示省略)が設けられている。
【0055】
上記可動部12bは、ベース12aに対して昇降可能に結合されているとともに、エアシリンダ41の出力軸に接続されている。エアシリンダ41には、エア供給源44から供給されるエアを供給する供給管43が接続されている。また、この供給管43には、制御装置40に制御されてエアシリンダ41へのエアの給排を切換える切換弁42が介設されている。そして、この切換弁42の切換えにより可動部12bがベース12aに対して昇降駆動されることで上記閉空間CSの容積が変化するようになっている。つまり、上記ベース12a、可動部12b及びエアシリンダ41等により本願の可変手段が構成されている。
【0056】
この基板冷却装置10Cによれば、例えば、図3に示した基板Wの冷却動作の制御に同期して可動部12bを昇降駆動制御することにより、基板Wを効果的に冷却することができる。すなわち、基板温度が温度T2に下がるまでは可動部12bを上限位置に保持して閉空間CSの容積を大きくしておき(図中一点鎖線に示す)、温度T2に達した後は、可動部12bを下限位置に変位させて閉空間CSの容積を小さくして(図中実線に示す)基板Wを冷却するようにする。
【0057】
このようにすれば、当初は閉空間CSに冷えた大量の空気を供給することにより基板Wの温度を効果的に下げることができ、温度T2に達した後は、供給する空気量を抑えて基板Wの温度低下を緩慢にして基板Wの過剰冷却を防止することができる。そのため、基板Wを速やかに、しかも精度良く目標温度T3まで冷却することができる。
【0058】
なお、上記基板冷却装置10Cでは、ベース12aに対して可動部12bを昇降させるようにしているが、勿論、可動部12bに対してベース12aを昇降させたり、ベース12と可動部12bとを移動させて両者を相対的に昇降させるようにしてもよい。また、可動部12bを昇降させる機構としても、上記のようにエアシリンダ41を用いる以外に、例えばボールねじ機構を用いた昇降機構を構成するようにしてもよい。この場合には、閉空間CSの容積を連続的に変化させる連続制御が可能となるというメリットがある。
【0059】
D.第4の実施形態次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図6は、第4の実施形態にかかる基板冷却装置を概略的に示している。この図に示す基板冷却装置10Dは、上記基板冷却装置10Aの構成を基本とし、閉空間CSへの空気の供給手段としてより簡単な構成を採用したものである。
【0060】
すなわち、この図に示す基板冷却装置10Dでは、第1の実施形態の基板冷却装置10Aのように、供給通路30や供給管34等は設けられておらず、これら供給通路30に代えて、凹部16の側壁部分において閉空間CSとその周囲とを単に連通する連通路46が冷却プレート12に形成された構成となっている。これにより、基板Wの冷却時には、閉空間CS内の空気の吸引、排出に応じて周辺の空気が連通路46を介して閉空間CS内に供給されることとなる。つまり、この基板冷却装置10Dでは、この連通路46により本願の供給手段が構成されている。
【0061】
この構成の場合にも、換気により閉空間CSに熱が篭ることが有効に防止されるため、第1の実施形態の基板冷却装置10Aと同様に、基板Wを効果的に冷却することができる。特に、この基板冷却装置10Dでは、基板冷却装置10Aのような供給管34が不要となるため、装置構成を簡単にすることができるという利点がある。
【0062】
なお、この基板冷却装置10Dの場合には、上記基板冷却装置10Aのように開閉弁36の開度調節により閉空間CSへの供給空気量を調節することがきないので、閉空間CSからの空気の排出量に比べて供給空気量が少なくなるように、上記連通路46を形成するのが望ましい。このようにすれば、上記基板冷却装置10Aと同様に、閉空間CS内を負圧状態にすることができ、基板Wを冷却プレート12に吸着保持しながら基板Wを冷却することができる。
【0063】
また、この実施形態における閉空間CSは、連通通路46によって、その周囲と連通されている。このため、閉空間CSは後述の第5〜10の実施形態における開空間OSとみなすこともできる。
【0064】
E.第1〜第4の実施形態の変形形態ところで、以上説明した第1〜第4の実施形態にかかる基板冷却装置10A〜10Dは、本発明にかかる基板冷却装置の一部であって、具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0065】
例えば、上記基板冷却装置10A〜10Dでは、閉空間CSからの空気の排出量に対して閉空間CSへの空気の供給量を少なくして閉空間CS内を負圧状態にし、これによって基板Wを吸着保持するようにしているが、例えば、基板Wを吸着保持するための手段を別途冷却プレート12に設けるようにしても構わない。この場合、例えば、図7に示すように、凹部16の周縁部分に開口する吸引通路50を上記冷却プレート12に形成し、この吸引通路50を通じて基板Wの周縁部分を吸着するように構成することができる。
【0066】
また、上記基板冷却装置10A〜10Dでは、真空ポンプ26により閉空間CS内の空気を吸い出し、これに応じて閉空間CSに排気通路20等を介して空気を吸い込むようにしているが、ポンプを用いて空気を閉空間CS内に圧送しながら閉空間CS内の空気を押し出すように構成してもよい。この場合には、閉空間CSが正圧となるため、図7に示したような基板Wの吸着保持手段を設けるのが好ましい。あるいは、ポンプを用いて閉空間CSに気体を圧送供給しつつ、別のポンプを用いて閉空間CSから気体を吸引排出するように構成してもよく、この場合には、閉空間CSを負圧状態にするために、閉空間CSへの気体の供給量よりも閉空間CSからの気体の吸引排出量を大きくするのが好ましい。
【0067】
さらに、基板冷却装置10A,10Bにおいて、例えば、図8及び図9に示すように、上記凹部16内に仕切り17を設けて複数の凹部16a〜16dを区画形成し、各凹部16a〜16dに排気通路20及び供給通路30を開口するように構成してもよい。このようにすれば、各凹部16a〜16dによって複数のサブ閉空間CS1〜CS4が形成されて閉空間当りの容積が小さくなるため、換気を効率良く行うことが可能となる。そのため、特に、大型の基板Wを冷却する場合に有効である。なお、この場合には、仕切り17が基板Wの非有効エリアを保持するようにするのが望ましい。例えば、一枚の大型基板から複数枚の小型の基板を切り出すような場合には、その切取線に沿って基板Wを保持するように仕切り17を設けるのが望ましい。
【0068】
なお、閉空間CS内の空気は、閉空間CSの中心部分に篭り易いので、上記基板冷却装置10A〜10Dのように凹部16の中心部分に排気通路20を開口させる等、閉空間CSの中心部分に篭った熱を効率良く排出できるように空気の給排位置を設定するのが望ましい。その理由については、次の実施形態において詳述する。
【0069】
F.第5の実施形態図10ないし図12は、本発明にかかる基板冷却装置の第5の実施形態を示す図である。図10は基板冷却装置の断面構造を示し、図11は基板冷却装置の平面構造を示し、図12は基板冷却面の中央近傍を示している。これらの図に示すように、基板冷却装置10Eは、アルミニウム等の金属から構成された冷却プレート12を有している。この冷却プレート12は、第1の実施形態と同様に、その内部に形成された冷却水通路14を循環する冷却水により基板Wを冷却すべき目標温度T3、本実施形態では23°Cに保たれており、150°C程度に加熱された基板Wを複数のプロキピン18に載置することにより基板Wを冷却するように構成されている。
【0070】
これらのプロキピン18は、図11および図12に示すように、基板冷却面12cの略中央部を中心として放射状に配置されている。また、各プロキピン18は基板冷却面12cから上方に突出するように設けられており、その先端部で基板Wの下面を点状に支持するように構成されている。このため、基板Wをプロキピン18上に載置した状態では、基板Wは基板冷却面12cと対面しながら、その基板冷却面12cからプロキピン18の高さ(0.1mm〜5mm程度)分だけ離隔した位置に位置決めされるとともに、水平状態に保持されて、基板Wと基板冷却面12cとで周囲空間と連通した開空間OSが形成されている。
【0071】
そして、このように基板冷却面12cを有する冷却プレート12の内部には、上記冷却水通路14の他に、基板冷却面12cの略中心に開口する空気の排気通路20が形成されている。この排気通路20は、図1010に示すように、吸気管22を介して真空ポンプ26に接続されるとともに、吸気管22に介設された電磁三方弁等の切換弁24を介して排気管28に接続されている。そして、切換弁24の操作に応じて、真空ポンプ26に通じる状態と、排気管28を介して大気中に開放される状態とに切換可能となっており、真空ポンプ26に通じた状態で開空間OSの空気を吸引、排出するようになっている。つまり、排気通路20、吸気管22及び真空ポンプ26等によって本願の排出手段が構成されている。
【0072】
さらに、図示を省略しているが、この基板冷却装置10Eには、プロキピン18への基板Wの載置と、プロキピン18からの基板Wの離隔とを行うために、従来より周知のリフトピンが冷却プレート12の基板冷却面12cに対して出退自在に設けられており、エアシリンダなどの駆動機構によって図外の搬送装置との間で基板Wの受渡しが可能な上限位置と、プロキピン18に基板を受渡す下限位置との間を往復自在となっている。
【0073】
なお、この実施形態にかかる基板冷却装置10Eは、先に説明した基板冷却装置10Aと同様に、上記冷却プレート12の上方には、基板Wの温度を検出する温度センサ38が配設されており、基板表面から放射される熱線を計測することにより基板温度を検出し、この検出結果に基づいて制御装置40が切換弁24を制御することにより次に説明するようにして基板Wの冷却処理を行う。
【0074】
次に、上記基板冷却装置10Eの基板冷却動作について図13を参照しつつ説明する。上記基板冷却装置10Eでは、冷却水が循環されることにより冷却プレート12が予め基板Wを冷却する上記目標温度T3に保たれるとともに、搬送装置から未処理の基板を受取るべくリフトピンが上限位置に位置しており、この状態で基板Wが搬送装置によってリフトピンの先端部に載置される(t0時点)。すると、基板Wをリフトピンに渡した搬送装置が基板冷却装置10Eから退避し、それに続いてリフトピンが下限位置まで降下する。これによって、リフトピンからプロキピン18上に基板Wが受渡される(t1時点)。なお、基板Wがプロキピン18上に載置されるまでは、排気通路20は排気管28を介して大気中に開放されている。
【0075】
このようにしてプロキピン18への基板Wの載置が完了すると、基板Wの冷却処理が開始されるが、この実施形態では、これと同時に、切換弁24が切換えられて排気通路20が真空ポンプ26に接続される。そのため、基板Wと基板冷却面12cとの間に形成される開空間OS内の空気が排気通路20を介して排出される。この際、開空間OS内が負圧状態となり、基板Wが冷却プレート12に負圧保持された状態で冷されることとなる。
【0076】
この処理中は、開空間OSの空気を介して基板冷却面12cと基板Wとの間で熱交換が行われ、これにより基板Wが冷却される。この際、上記のように開空間OSの換気が行われることにより、開空間OSの空気が排出されつつ、開空間OSの周囲からほぼ室温の空気が開空間OS内に流入するため、開空間OS内に熱が篭ることがなく、基板Wの冷却が効果的に促進される。
【0077】
こうして基板Wが搬入時の温度T1(例えば150°C)から予め設定された目標温度T3に達すると(t2時点)、切換弁24が切換られて排気通路20が排気管28に接続されて換気処理が停止されるとともに、リフトピンが上限位置まで上昇してプロキピン18から基板Wを離隔する。そして、この基板Wが搬送装置によりピックアップされて次工程へと搬出される。これにより基板Wの冷却処理が終了する。
【0078】
以上説明したように、上記基板冷却装置10Eによれば、基板Wを複数のプロキピン18により複数点で保持して上記のように基板Wと冷却プレート12の基板冷却面12cとの間に開空間OSを形成して基板Wを冷すので、基板Wと冷却プレート12の接触面積を小さくして、基板取外しの際の剥離帯電を有効に防止することができる。しかも、冷却処理中は、開空間OS内の換気を行い、これにより開空間OS内に熱が篭るのを抑えるようにしてるので、基板を効果的に冷却することができる。そのため、従来のこの種の冷却装置と比較すると、基板Wを速やかに冷却することができる。
【0079】
また、上記基板冷却装置10Eによれば、基板冷却面12cの略中央に排気通路20の開口(吸引口)を配置しているので、基板面内における温度分布が均一になる。というのも、基板冷却面12cを基板Wと対面させて基板冷却処理を行う場合、基板Wの中央部分はその周縁部に比べて放熱量が少なく冷却速度が遅いため、中央部分の冷却が遅れ、基板Wの温度分布が不均一になるおそれがあるが、上記のように排気通路20の開口を基板冷却面12cの略中央部に配置することで特に基板Wの中央部分の熱篭りがなく、その部分の冷却速度が向上し、冷却速度が基板面内において均一化され、その結果、基板Wの温度分布を均一にすることができる。また、上記のように排気通路20の開口(吸引口)を配置した場合、基板Wの下面中央部が最も高い負圧を受けるため、基板Wの山反りを効果的に防止することができる。
【0080】
なお、上記第5の実施形態では、図13に示すように、リフトピンが下限位置に下降して基板Wがプロキピン18上に載置された時点(t1時点)で開空間OSの換気を行っているが、上限位置にあるリフトピンに基板Wが載置された時点(t0時点)で空気の排気を開始するようにしてもよい。このように搬送装置からリフトピンに受渡された基板Wは冷却処理まで高温状態にあるため、基板Wと基板冷却面12cとの間の開空間OSに大量の熱が入り込む。そこで、基板Wを基板冷却面12cに近接させるのに先立って、このようにして開空間OSに入り込んだ熱を換気によって排出しておけば、より迅速に基板冷却を行うことができる。
【0081】
また、上記第5の実施形態では、基板Wが目標温度T3になるまで換気処理を継続しているが、冷却開始(t1時点)から冷却完了(t2)までの中間段階(t3時点)で換気処理を停止し、停止後は基板冷却面12cによる自然な冷却処理を行うようにしてもよく、この場合、基板Wを速やかに冷却しながらも、基板Wを精度良く目標温度T3まで冷却することができる。その理由は以下の通りである。
【0082】
すなわち、上記第5の実施形態の如く基板Wが目標温度T3に達するまで常に開空間OSの換気を行うと、換気の影響で基板Wに振動が生じて基板Wと冷却プレート12の基板冷却面12cとの間隔に変動が生じ易く、常に換気を行うと基板面上での温度にムラ(基板温度の面内不均一)が生じる場合がある。また、室温が基板の冷却目標温度よりも低い場合には、換気により基板Wの冷却が促進される結果、基板Wが目標温度T3に達した時点で換気を停止しても慣性で基板Wが目標温度T3を超えて過剰冷却される場合がある。これに対し、中間段階で換気処理を停止させる場合、換気を行っている間(t1〜t3)では基板Wの温度が速やかに低下し、停止後は、温度低下が緩慢となるので、基板Wの過剰冷却を有効に防止することができ、しかも、基板Wが温度T2(図13参照)に達した後は、換気の停止により基板Wが静止状態に保持されることで基板面上での温度分布が均一になる。そのため、基板Wを速やかに、かつ精度良く目標温度T3まで冷却することができる。
【0083】
なお、換気のタイミングは、第1の実施形態と同様に、冷却処理の主に前半に限定されるものではなく、要求される基板Wの冷却処理に応じて、冷却処理の後半や中間で行うように設定してもよく、要は冷却処理中の少なくとも一定期間の間、基板Wと基板冷却面12cとの間の開空間(間隙空間)OSを換気することで、より速やかに基板を冷却することができる。
【0084】
また、上記実施形態では、温度センサ38による基板Wの温度検出に基づいて換気を停止させるようにしているが、例えば、タイマーを用いて一定時間経過後に換気を停止させるようにしてもよい。
【0085】
さらに、上記第5の実施形態では、冷却処理中における開空間OSからの空気の吸引量を一定にしているが、バルブ切換やモータによるダンパの開閉調整などによる吸引量の調整機構を排出手段に追加し、冷却開始直後(t1時点)では吸引量を比較的多く設定して基板Wの温度を急速に低下させる一方、冷却処理が進行するにしたがって吸引量を減少させて基板Wの過剰冷却を防止するようにしてもよい。
【0086】
G.第6の実施形態図14および図15は、第6の実施形態にかかる基板冷却装置を示す図である。これらの図に示す基板冷却装置10Fは、上記基板冷却装置10Eの構成を基本とし、複数の排気通路20を用いて基板冷却面12cと基板Wの間の開空間OSから空気を排気して換気するように構成したものであり、その他の構成は同一である。すなわち、この実施形態にかかる基板冷却装置10Fでは、冷却プレート12の基板冷却面12cの略中央部に4つの排気通路20の開口(吸引口)が露出しており、これらの開口を介して開空間OSの空気が排気通路20に吸い込まれ、さらに吸気管22及切換弁24を介して真空ポンプ26で排気されている。
【0087】
このように開空間OSの空気を吸引するために複数の開口を設けたことで、開空間OSの換気効率が向上し、基板Wの冷却速度をより向上させることができ、その結果、基板Wの冷却処理をより迅速に行うことができる。
【0088】
H.第7および第8の実施形態ところで、上記第5および6実施形態では、基板冷却面12cの中央付近に排気通路20の開口(吸引口)を配置することで、基板Wの略中央部の冷却速度を向上させて基板温度の面内均一性を向上させているが、例えば液晶用およびプラズマディスプレイ用基板等のフラットパネルディスプレイ用基板は角型形状をしており、しかも基板Wの各辺の長さがすべて等しいわけではなく、辺の長さが異なっている。そのため、単に基板冷却面12cの中央付近に排気通路20の開口を配置した場合(図11R>1や図15参照)、主に長辺側から排気通路20に空気が流入し、短辺側からの空気流入量が少なくなり、その結果、長辺側と短辺側で冷却速度が異なっている。
【0089】
これに対し、図16に示す第7の実施形態にかかる基板冷却装置10Gは、複数の排気通路20を備えている点では第6の実施形態にかかる基板冷却装置10F(図14)と共通するものの、排気通路20の開口を次のように配設している点で大きく相違している。すなわち、この実施形態では、基板Wの長辺を直径とする仮想円50Lと、短辺を直径とする仮想円50Sとが重なり合う2つの領域(同図の斜線領域)Rのそれぞれに排気通路20の開口を配置している。このため、長辺側および短辺側から排気通路20に流入する空気量の差は小さくなり、基板面内における冷却速度の均一化をより一層図ることができる。
【0090】
また、図17に示す第8の実施形態にかかる基板冷却装置10Hは、第5の実施形態にかかる基板冷却装置10E(図10)と同様に1つの排気通路20しか有していないものの、その開口形状は上記2つの領域Rを跨ぐ細い楕円形状となっている。このため、第7の実施形態と同様に、長辺側および短辺側から排気通路20に流入する空気量の差は小さくなり、基板面内における冷却速度の均一化をより一層図ることができる。
【0091】
以上のように、第7および第8の実施形態によれば、基板Wが長辺と短辺の長さが異なる角型基板であっても、基板面内における冷却速度の均一性を向上させることができ、その結果、基板温度の面内均一性をより一層向上させることができる。
【0092】
I.第9の実施形態図18ないし図20は、第9の実施形態にかかる基板冷却装置10Iを示す図であり、図18は基板冷却装置10Iの断面構造を示し、図19は基板冷却装置10Iの平面構造を示し、図20は基板冷却面12cの中央近傍(図19の2点鎖線部分)を示している。これらの図に示す基板冷却装置10Iは、上記基板冷却装置10Eの構成を基本とし、プロキピン18で基板Wを点状に支持する代わりに、支持ビーム58の頂部で基板Wを線状に支持するようにしたものである。
【0093】
すなわち、この実施形態では、図19および図20に示すように、5角形の断面を有する支持ビーム58が排気通路20を中心として放射状に配置されており、基板Wは各支持ビーム58の頂部で線状に支持されている。このため、プロキピン18によって点状に支持する場合に比べて、基板Wを安定して支持することができ、基板Wの面内温度をより均一にすることができる。
【0094】
より具体的に説明すれば、近年、基板Wの大型化が進んでおり、大型の基板Wをプロキピン18で支持した場合、基板Wの撓み量が大きくなり、基板Wと基板冷却面12cとが部分的に接触したり、あるいは基板Wと基板冷却面12cとの間隔が基板面内において不均一となって冷却速度の面内不均一が生じてしまう。これに対し、この実施形態によれば、基板Wを線状に支持しており、支持ビーム58が基板Wを下方から支える梁の役割を果しているため、基板Wが大型化しても基板Wの撓み量は少なく、基板Wと基板冷却面12cとの間隔が基板面内においてほぼ一定となるため、基板Wを優れた面内温度均一性で冷却処理することができる。
【0095】
また、支持ビーム58が開空間OS内での雰囲気の整流効果を発揮して開空間OS内での空気流れの偏りを防止して冷却速度の面内均一性をさらに向上させている。
【0096】
J.第10の実施形態図21および図22は、第10の実施形態にかかる基板冷却装置を示す図である。これらの図に示す基板冷却装置10Jは、上記基板冷却装置10Eの構成を基本とし、プロキピン18に加えて、支持ビーム58によって基板Wを支持するようにしたものであり、基板Wをより安定して支持することができ、上記第9の実施形態と同一理由から、基板Wの面内温度を均一にすることができる。
【0097】
また、この実施形態では、支持ビーム58を組み合わせて開空間OS内に迷路状の空気通路が形成されており、排気通路20を介して開空間OSの空気を吸引すると、開空間OS内の空気、特に基板Wの端部付近の空気はこの迷路状の通路に沿って排気通路20に流れ込む。したがって、開空間OS内での空気流れの偏りが防止されて冷却速度の面内均一性を向上させることができる。
【0098】
K.第5〜第10の実施形態の変形形態(K-1)ところで、上記第5〜第10の実施形態では、換気手段として排出手段を設け、開空間OSから空気を吸引することで開空間OSの換気を行っているが、排出手段の代わりに、開空間OSに空気を供給して開空間OSの換気を行う供給手段を設けてもよい。なお、開空間OSに空気を供給するのに先立って、冷媒を用いたり、ペルチェ効果を利用した冷却素子を用いて空気を予め目標温度T3よりも低い温度に冷却しておき、当該空気を開空間OSに供給するようにすれば、より効果的に基板Wを冷却することができる。また、空気を供給する場合、基板Wの中央付近に供給するのが望ましい。というのも、上記において説明したように、基板冷却面12cを基板Wと対面させて基板冷却処理を行う場合、基板Wの中央部分はその周縁部に比べて冷却速度は遅いが、基板Wの中央付近に空気を供給するように構成すれば、基板Wの中央部分の冷却速度が向上し、冷却速度が基板面内において均一化され、その結果、基板Wの温度分布を均一にすることができるからである。
【0099】
(K-2)また、上記第5〜第10の実施形態では、開空間OSから空気を吸引する排出手段のみによって換気手段を構成しているが、図23に示すように、開空間OSから空気を吸引する排出手段と、開空間OSに空気を供給する供給手段とを組み合わせて換気手段を構成するようにしてもよい。すなわち、この実施形態では、第2の実施形態にかかる基板冷却装置10Bと同様に気体冷却装置37が設けられており、この気体冷却装置37が開閉弁36および供給管34を介して冷却プレート12内の供給通路30に接続され、目標温度T3より低い温度に冷やされた空気を基板Wの下面中央付近に供給している。また、排気通路20、吸気管22及び真空ポンプ26等によって排出手段を構成し、基板冷却面12cの端縁部分に開口された排気通路20を介して開空間OSから空気を吸引している。なお、開空間OSから空気を確実に吸引するために、この実施形態では、図24に示すように基板Wの端縁を囲むように形成された整流部材60が、排気通路20の開口を覆うように、基板冷却面12c上に載置されている。
【0100】
このように構成された基板冷却装置10Kによれば、上記した実施形態の効果に加え、大量のパーティクルを吸い込んだり、大量のパーティクルを巻き上がらせたりすることがなく、基板Wをより清浄な雰囲気で冷却処理することができるという特有の効果を奏する。
【0101】
また、この実施形態では、基板冷却面12cの略中央部に供給通路30の開口(供給口)を設ける一方、排気通路20の開口(吸引口)を基板Wの端縁に沿って全周にわたって配設しているが、これらの開口の配設個数や配設位置などはこれに限定されるものではない。例えば、図25に示すように、基板冷却面12cの一方端部に供給通路30の開口(供給口)を設ける一方、他方端部に排気通路20の開口(吸引口)を設ける様にしてもよく、この場合、開空間OSでの換気をより確実なものとするために、図26に示すように各端部を覆うように形成された整流部材61,62が供給口および吸引口をそれぞれ覆うように配置するのが望ましい。このように構成した基板冷却装置10Lにおいても、大量のパーティクルを吸い込んだり、大量のパーティクルを巻き上がらせたりすることがなく、基板Wをより清浄な雰囲気で冷却処理することができる。
【0102】
なお、この実施形態においては、排気通路20を介して開空間OSから排出される空気量に対して開空間OS内に供給される空気量が少なくなるように設定して開空間OS内を負圧状態とするのが好ましい。このようにすれば、基板Wを冷却プレート12に対してより確実に保持できる。
【0103】
(K-3)また、上記第5〜第10の実施形態では、図27に示すように、リフトピン71をエアシリンダなどの駆動機構72により上下移動させることでプロキピン18(あるいは支持ビーム58)上に基板Wを載置させたり、逆にプロキピン18から基板Wを離隔したりすることができるように構成されている。そこで、同図の1点鎖線に示すように搬送装置(図示省略)から未処理の基板Wを受取ると、リフトピン71を下限位置(同図の実線位置)まで下降させることで基板Wを基板冷却面12cに近接させながら開空間OSを換気して基板Wの冷却処理を行い、基板Wが目標温度T3より若干高い温度T2に達した後は、駆動機構72によってリフトピン71を上限位置に移動させることで基板Wを基板冷却面12cから離すように制御すると、基板Wを基板冷却面12cに近接させた前半段階で基板Wを急速に冷却することができる一方、基板Wを基板冷却面12cから離した後半段階で基板Wの過剰冷却を有効に防止して精度良く目標温度T3まで冷却することができる。すなわち、駆動機構72は本願の可変手段に相当しているといえる。また、この実施形態において、リフトピン71を固定させ、冷却プレート12を駆動機構72によって昇降移動させてもよいことは言うまでもない。
【0104】
(K-4)さらに、上記第5〜第10の実施形態では、基板Wをプロキピン18や支持ビーム58で支持することで基板Wの保持を行っているが、図28に示すように、プロキピン18′に貫通孔18aを設け、この貫通孔18aを排気通路20と連通させるようにしてもよい。この場合、基板Wを確実に保持しながら、基板Wに対して冷却処理を施すことができる。
【0105】
L.その他以上、実施形態に即してこの発明を説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、排気通路20及び供給通路30等による空気の給排位置や数等の具体的な構成も、上記基板冷却装置10A〜10Lに限られるものではなく、基板Wの種類や、大きさ等に応じて適宜選定するようにすればよい。
【0106】
また、上記基板冷却装置10A〜10Lでは、間隙空間(閉空間CSあるいは開空間OS)内の換気に際して装置外部または間隙空間の周囲の空気を供給するようにしているが、例えば、窒素ガス等の不活性ガスを間隙空間に供給するようにしても構わない。
【0107】
また、上記基板冷却装置10D〜10Lにおいて、大気と連通する排気管28を特に設ける必要はなく、この場合、切換弁24は2方弁で構成される。
【0108】
さらに、上記実施形態では、基板Wを水平姿勢に保持して冷却処理を施す装置に本願を適用した例について説明したが、基板Wを垂直姿勢に保持して冷却処理を施したり、あるいは基板Wを傾斜姿勢に保持して冷却処理を施す装置についても同様に本願を適用することができる。
【0109】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、保持部に保持された基板と基板冷却面との間の間隙空間内を強制的に換気するように構成しているので、上記間隙空間内に基板の放熱による熱が篭るのを防止し、基板冷却を促進することができる。また、この発明では、上記間隙空間の容積を可変させる可変手段を備えているため、上記間隙空間の容積を変化させることで、基板温度をより速やかに低下させることが可能となる。すなわち、上記換気のときに上記間隙空間の容積を大きくするとともに、上記換気以外のときに上記間隙空間の容積を小さくするように、上記間隙空間の容積を変化させると、換気中は、多くの気体が間隙空間に供給されることにより基板の冷却がより促進され、その結果、基板温度を迅速に低下させることができる。
【0110】
ここで、上記間隙空間をその周囲と連通する開空間とすることで、間隙空間に対する気体の供給および排出が容易となる。また、上記間隙空間を閉空間とすると、換気を迅速に行うことができる。さらに、この閉空間を複数のサブ閉空間に区画すれば、各サブ閉空間の換気は閉空間全体を換気するのに比べて迅速に行うことができ、その結果、基板をより速やかに冷却することができる。
【0111】
また、上記換気手段を、上記間隙空間から気体を吸引する排出手段で構成すると、間隙空間からの気体の吸引によって間隙空間の熱雰囲気を外部に排出して、基板冷却を促進することができる。特に、この排出手段によって上記間隙空間を負圧状態に保つと、基板を安定して保持することができ、高温基板の載置時の熱反りを効果的に防止することができる。
【0112】
また、上記換気手段を、上記間隙空間に気体を供給する供給手段で構成すると、供給された気体によって基板を強制的に冷却することができ、基板の冷却速度を大幅に向上させて基板冷却を促進することができる。特に、供給手段と排出手段と組み合わせて換気手段を構成すれば、大量のパーティクルを吸い込んだり、大量のパーティクルを巻き上がらせたりすることがなく、基板をより清浄な雰囲気で冷却処理することができる。
【0113】
また、上記供給手段によって基板冷却の目標温度以下の気体を上記間隙空間に供給するように構成すれば、このような冷たい気体を基板に供給することができ、基板の冷却速度をより一層向上させることができる。また、上記保持部に保持される基板の中央部付近に気体を供給するように構成すれば、基板の中央部分の冷却速度を向上して、基板の温度分布を均一なものとすることができる。
【0114】
また、上記換気手段による換気のタイミングを制御する換気タイミング制御手段をさらに設けると、換気タイミングの制御によって基板の迅速、かつ精度良く冷却処理を行うことができる。なお、冷却処理中の少なくとも一定期間の間、間隙空間が強制的に換気するように構成すれば、上記間隙空間内に基板の放熱による熱が篭るのを防止し、基板冷却を促進することができる。また、冷却処理の前段階で換気処理を行ってもよく、このように換気タイミングを制御することで、高温の基板を速やかに目標温度近傍まで冷却することができ、冷却処理を迅速に行うことができる。さらに、上記保持部に保持される基板の温度を検出する温度検出手段をさらに設け、この温度検出手段による検出結果に応じて換気のタイミングを制御するように構成すれば、冷却処理をより正確に行うことができ、基板を正確に目標温度に冷却することができる。
【0115】
また、基板を吸着保持するように上記保持部を構成すれば、冷却処理中において、基板を確実に、しかも安定して保持することができる。
【0116】
さらに、上記間隙空間から気体を吸引する吸引口を上記基板冷却面の中央部付近に設ければ、基板の略中央部が吸引口に対向し、その冷却速度が向上し、基板面内における冷却速度を均一化することができる。しかも、基板の下面中央部が最も高い負圧を受けるため、基板の山反りを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる基板冷却装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 基板冷却装置を示す平面概略図である。
【図3】 基板冷却装置における冷却動作の一例を示す図である。
【図4】 本発明にかかる基板冷却装置の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図5】 本発明にかかる基板冷却装置の第3の実施形態を示す概略構成図である。
【図6】 本発明にかかる基板冷却装置の第4の実施形態を示す概略構成図である。
【図7】 基板を吸着保持するための手段を設けた冷却プレートの概略構成図である。
【図8】 複数の凹部を冷却プレートに設けた基板冷却装置を示す平面概略図である。
【図9】 図8におけるA−A断面図である。
【図10】 本発明にかかる基板冷却装置の第5の実施形態を示す概略構成図である。
【図11】 基板冷却装置を示す平面概略図である。
【図12】 基板冷却面の中央近傍を示す部分拡大斜視図である。
【図13】 基板冷却装置における冷却動作の一例を示す図である。
【図14】 本発明にかかる基板冷却装置の第6の実施形態を示す概略構成図である。
【図15】 基板冷却装置を示す平面概略図である。
【図16】 本発明にかかる基板冷却装置の第7の実施形態を示す平面概略図である。
【図17】 本発明にかかる基板冷却装置の第8の実施形態を示す平面概略図である。
【図18】 本発明にかかる基板冷却装置の第9の実施形態を示す概略構成図である。
【図19】 図18の基板冷却装置を示す平面概略図である。
【図20】 図18の基板冷却面の中央近傍を示す部分拡大斜視図である。
【図21】 本発明にかかる基板冷却装置の第10の実施形態を示す概略構成図である。
【図22】 図21の基板冷却装置を示す平面概略図である。
【図23】 本発明にかかる基板冷却装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図24】 図23の基板冷却装置を示す分解斜視図である。
【図25】 本発明にかかる基板冷却装置の別の実施形態を示す概略構成図である。
【図26】 図25の基板冷却装置を示す分解斜視図である。
【図27】 本発明にかかる基板冷却装置のさらに別の実施形態を示す概略構成図である。
【図28】 プロキピンの改良例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10A〜10L…基板冷却装置
12…冷却プレート(基板冷却手段)
12a…ベース
12b…可動部
12c…基板冷却面
16…凹部
18…プロキシミティーピン(保持部)
18a…貫通孔
20…排気通路
22…吸気管
24…切換弁
26…真空ポンプ
28…排気管
30…供給通路
32…貯留部
34…供給管
36…開閉弁
37…気体冷却装置
38…温度センサ
40…制御装置
41…エアシリンダ
42…切換弁
43…供給管
44…エア供給源
46…連通路
58…支持ビーム(保持部)
71…リフトピン
72…駆動機構
CS1〜CS4…サブ閉空間
CS…閉空間(間隙空間)
OS…開空間(間隙空間)
T3…目標温度
W…基板

Claims (17)

  1. 基板を冷却するための基板冷却面を有する基板冷却手段と、上記基板冷却面から所定間隙だけ離隔して基板を保持する保持部と、上記保持部に保持された基板と上記基板冷却面との間の間隙空間を換気する換気手段と、
    上記間隙空間の容積を可変させる可変手段とを備えたことを特徴とする基板冷却装置。
  2. 基板を冷却するための基板冷却面を有する基板冷却手段と、上記基板冷却面から所定間隙だけ離隔して基板を保持する保持部と、上記保持部に保持された基板と上記基板冷却面との間の間隙空間を換気する換気手段とを備え、
    上記保持部は、基板の外周部を全周にわたって保持する外周保持部を含み、
    上記間隙空間は、上記外周保持部と、上記外周保持部に保持された基板と、上記基板冷却面とで囲まれた閉空間であり、
    上記閉空間は、複数のサブ閉空間に区画されたことを特徴とする基板冷却装置。
  3. 上記間隙空間はこの間隙空間の周囲と連通する開空間であることを特徴とする請求項1記載の基板冷却装置。
  4. 上記保持部は、基板の外周部を全周にわたって保持する外周保持部を含み、上記間隙空間は、上記外周保持部と、上記外周保持部に保持された基板と、上記基板冷却面とで囲まれた閉空間であることを特徴とする請求項1記載の基板冷却装置。
  5. 上記閉空間は、複数のサブ閉空間に区画されたことを特徴とする請求項記載の基板冷却装置。
  6. 上記換気手段は、上記間隙空間から気体を吸引する排出手段を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の基板冷却装置。
  7. 上記排出手段は、上記間隙空間を負圧状態に保つように、上記間隙空間から気体を吸引することを特徴とする請求項記載の基板冷却装置。
  8. 上記換気手段は、上記間隙空間に気体を供給する供給手段を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の基板冷却装置。
  9. 上記保持部に保持される基板を所定の目標温度に冷却する基板冷却装置であって、上記供給手段は上記目標温度以下の気体を上記間隙空間に供給するように構成されたことを特徴とする請求項記載の基板冷却装置。
  10. 上記供給手段は、上記保持部に保持される基板の中央部付近に気体を供給するように構成されたことを特徴とする請求項または記載の基板冷却装置。
  11. 上記換気手段による換気のタイミングを制御する換気タイミング制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の基板冷却装置。
  12. 上記保持部に保持される基板の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、上記換気タイミング制御手段は、この温度検出手段による検出結果に応じて換気のタイミングを制御することを特徴とする請求項11記載の基板冷却装置。
  13. 上記保持部は基板を吸着保持するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の基板冷却装置。
  14. 上記排出手段は、上記間隙空間から気体を吸引する吸引口を上記基板冷却面の中央部付近に設けたことを特徴とする請求項または記載の基板冷却装置。
  15. 基板を冷却するための基板冷却面から所定間隙だけ離隔した位置に基板を保持して当該基板に対して冷却処理を施す基板冷却方法であって、上記冷却処理中に上記間隙空間の容積を変更すると共に、上記冷却処理中の少なくとも一定期間の間、上記基板と上記基板冷却面との間の間隙空間を換気することを特徴とする基板冷却方法。
  16. 冷却処理の開始前または開始と同時に、上記換気処理を開始する一方、冷却処理の開始後所定時間が経過した時点で上記換気処理を停止することを特徴とする請求項15記載の基板冷却方法。
  17. 上記間隙空間から気体を吸引することで、上記間隙空間を負圧状態に保ちながら上記換気処理を行うことを特徴とする請求項15または16記載の基板冷却方法。
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