JP3932452B2 - 通信装置および方法、並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、ATM通信技術などを用いてデジタル化されたオーディオデータやビデオデータを送受信することができるようにした通信装置および方法、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、ATM(Asynchronous Transfer Mode)ネットワーク4を介してデータを伝送する従来のデータ伝送システムの構成例を示している。
【0003】
このシステムによれば、ネットワーク4を介して伝送されるデータ(トランスポートストリーム)に付加された、例えば、1ms乃至2msの範囲でゆれる遅延(以下、遅延ゆらぎと称する)の影響を受けずにデータを授受することができる。なお、この従来のデータ伝送システムについては、特開2000-358006号公報に示されている。
【0004】
複数のエンコーダ1(この例の場合、4個のエンコーダ1−1乃至1−4)は、伝送すべき所定のプログラムのデータ(ビデオデータおよびオーディオデータ等)をMPEG-2方式に従ってエンコードし、マルチプレクサ2に出力する。
【0005】
マルチプレクサ2は、エンコーダ1−1乃至1−4から入力されたデータをパケット化してトランスポートパケットを生成する。
【0006】
図2は、トランスポートパケットの構成例を示している。トランスポートパケットは、ヘッダ部、アダプテーションフィールド部、およびペイロード部からなる、188バイトの固定パケットである。
【0007】
ヘッダ部には、同期バイト(8ビット)、誤り表示(1ビット)、ユニット開始表示(1ビット)、トランスポートパケットプライオリティ(1ビット)、PID(Packet Identification)(13ビット)、スクランブル制御(2ビット)、アダプテーションフィール制御(2ビット)、および巡回カウンタ(4ビット)が記述されている。
【0008】
例えば、同期バイトとして、47hが記述されている。
【0009】
またPIDは、ストリーム識別情報であり、図3に示すように、パケットの個別ストリームの属性を示す。例えば、0x0000のPIDが記述されているトランスポートパケットには、PATが格納されている。このPAT(Program Association Table)は、プログラムのデータ(ビデオデータやオーディオデータ等)が格納されているトランスポートパケットのPIDを示すPMT(Program Map Table)のPIDを示す。0x0010乃至0x1FFEのPIDが記述されているトランスポートパケットには、プログラムのデータが格納されている。
【0010】
図2に戻り、アダプテーションフィールド部には、アダプテーションフィールド長(8ビット)、不連続表示(1ビット)、ランダムアクセス表示(1ビット)、ストリーム優先表示(1ビット)、フラグ(5ビット)、プログラムクロックリファレンスベース(33ビット)、リザーブ(6ビット)、およびプログラムクロックリファレンス拡張(9ビット)が含まれる。なお、フラグには、PCRフラグ(1ビット)をはじめ5種類のフラグが存在する。
【0011】
ペイロード部には、データが格納される。
【0012】
図1に戻り、マルチプレクサ2は、生成したトランスポートパケットを多重化して、トランスポートストリーム(この例の場合、4チャンネル分のトランスポートパケットが多重化されたトランスポートストリーム)を生成し、それを送信装置3に出力する。
【0013】
マルチプレクサ2は、この際、所定のトランスポートパケットに、それを送信装置3に出力するタイミングでカウントした、図4Aに示すような、マルチプレクサ2におけるシステムクロックSe(MPEG-2方式の場合、周波数が27MHzのクロック)のカウント値(PCR(Program Clock Reference)値)を、タイムスタンプとしてトランスポートパケットに組み込む(以下、PCRが組み込まれているトランスポートパケットをPCRパケットと称する)。なお、トランスポートストリームには、PCRパケットが、少なくとも0.1秒以内の間隔で受信装置5に送信されるように配置される。
【0014】
PCR値は、アダプテーションフィールド部(図2)のプログラムクロックリファレンスベース(33ビット)の値およびプログラムクロックリファレンス拡張(9ビット)の値の組み合わせにより表される。すなわち、27MHzのシステムクロックのカウント値であるPCR値は、プログラムクロックリファレンスベースおよびプログラムクロックリファレンス拡張の合計42ビットで、1日(24時間)の時刻を表している。
【0015】
なお、プログラムクロックリファレンスベースには、0乃至299の値が順に設定され(カウントされ)、プログラムクロックリファレンスベースの値が299から0の値に戻るとき(リセットされたとき)、プログラムクロックリファレンス拡張の値が1だけインクリメントされる。
【0016】
またPCRパケットのヘッダ部には、図2に示すように、"10"または"11"のアダプテーションフィールド制御が記述され、そのアダプテーションフィールド部には、00hより大きな値のアダプテーションフィールド長が記述され、PCRフラグ("1")が設定される。
【0017】
送信装置3は、マルチプレクサ2から供給されたトランスポートストリームを、ATMセルに変換し、ネットワーク4を介して、受信装置5に送信する。送信装置3は、この際、PCRパケットがマルチプレクサ2から送信装置3に到着したタイミングを、送信装置3の、ネットワーク4のネットワーククロック(8KHz)に同期したクロックNs(27MHz)のカウント値で表す。そして送信装置3は、そのクロックNsのカウント値およびPCRパケットのPCR値に基づいて、マルチプレクサ2のシステムクロックSe(27MHz)とクロックNsの位相差(位相差情報)を算出し、それを同期情報としてPCRパケットに書き込む。
【0018】
送信装置3は、PID(図3)毎に、この同期情報算出処理を行い、同期情報を管理する。この例の場合、最大8192個のプログラムを伝送することができるので、それらのプログラムのそれぞれについて同期情報処理が行われる。
【0019】
受信装置5は、ネットワーク4を介して送信されてきたトランスポートストリームを受信し、セットトップボックス(IRD(Integrated Receiver))6に供給する。
【0020】
受信装置5は、この際、PCRパケットが送信装置3から出力されたタイミング(PCRパケットが受信装置5により受信されたタイミング)を、ネットワーク4のネットワーククロックに同期したクロックNr(27MHz)のカウント値で表す。そして受信装置5は、そのクロックNrのカウント値と、PCRパケットに同期情報として書き込まれた位相差情報(システムクロックSeとクロックNsの位相差)に基づいて、セットトップボックス6(デコード側)のシステムクロックSd(27MHz)をシステムクロックSeと同期させるために必要な新たなPCR値を生成する。受信装置5は、PCRパケットに予め書き込まれているPCR値を、生成した新たなPCR値に書き換える。
【0021】
受信装置5も、送信装置3における同期情報算出処理と同様に、PID毎に、上述したPCRの書換処理を行う。すなわち、この例の場合、最大8192個のプログラムのそれぞれについてPCR書換処理が行われる。
【0022】
セットトップボックス6は、PCRパケットからPCR値(新たに書き込まれたPCR値)を取り出し、そのPCR値に基づいて、システムクロックSdの位相を調整し、エンコード側のシステムクロックSeとの同期を確立する。
【0023】
セットトップボックス6は、システムクロックSeとの同期が確立されたシステムクロックSdを利用して、受信装置5から供給されたデータのうち、視聴者により選局されたチャンネルのデータをデコードする。
【0024】
セットトップボックス6によりデコードされたデータは、例えば、モニタ7に出力されて表示される。
【0025】
このように、送信装置3がPCR値(システムクロックSeのカウント値)とネットワーク4のネットワーククロックと同期するクロックNsのカウント値から、それらのクロックの位相差情報が生成されるとともに、受信装置5がその位相差情報、並びにPCRパケットのPCR値(システムクロックSeのカウント値)とクロックNs(ネットワーク4のネットワーククロックと同期するクロック)と同期するクロックNrのカウント値に基づいて新たなPCR値が生成される。その結果、伝送中に付加された遅延ゆらぎの影響を受けずに、エンコード側のシステムクロックSeと同期するデコード側のシステムクロックSdを生成することができ、ネットワーク4を介して伝送されたトランスポートストリームは適切に再生される。
【0026】
ところで、図1の例では、送信装置3と受信装置5が、1つのネットワーク4に接続され、そしてそのネットワーククロックを利用していたので、送信装置3のクロックNsと受信装置5のクロックNrの同期をとることができた。
【0027】
しかしながら、例えば、図5に示すように、送信装置3と受信装置5とが、それぞれ異なるネットワーク4−1,4−2に接続され、そしてそれぞれのネットワーククロックを利用する場合、通常、それらのネットワーククロックの同期はとられていないので、クロックNsとクロックNrも同期せず、結局、上述した方法では、ネットワーク4−1,4−2の伝送中に付加された遅延ゆらぎを吸収することができない。
【0028】
したがって、この場合、受信装置5において上述したようにして生成される新たなPCR値と、本来のPCR値(システムクロックSeのカウント値であるPCR値)の差が、時間の経過とともに累積するので、セットトップボックス6における多重バッファ(VBV)(図示せず)のデータのシフト量が増加し、データのシフト量が所定の大きさを越えたとき、多重バッファが破綻する。
【0029】
ネットワーククロックの精度が、ITUT G.811による、セシウム原子発振器の精度と同様の1E−11であり、本来のPCR値とのずれが1msになったとき、多重バッファが破綻するものとすると、この場合、下記の式で求められるように、5E7秒、すなわち、約、1.5年には、少なくとも1回は、多重バッファが破綻することになる。
(1+1E-11)/(1−1E-1)=2E-11
2E-3/2E-11=5E7
【0030】
このように従来においては、送信装置3と受信装置5のそれぞれが、同期がとられていないネットワーククロックを有するネットワーク4−1とネットワーク4−2に接続されている場合、伝送したトランスポートストリームを適切に再生することができない。
【0031】
また、図6に示すように、それぞれ非同期のシステムクロックSeを有する複数のマルチプレクサ2(この例の場合、3個のマルチプレクサ2−1乃至2−3)により、多重化が繰り返される場合、PCRのジッタが発生する。
【0032】
マルチプレクサ2−1は、エンコーダ1から入力されたトランスポートストリームにPCRを付加するが、これは、換言すれば、エンコーダ1のクロックAをマルチプレクサ2−1のシステムクロックSe−1に変換することを意味し、その結果、例えば、クロックaでは、図7Aに示すタイミングでカウントされていたクロックaが、システムクロックSe−1では、図7Bに示すように、0.5クロック分だけ、左方向にシフトした(時間的に遅れた)タイミングでカウントされる。PCR値は、整数であるので、この場合、0.5クロック分のPCRジッタが発生する。
【0033】
さらに、マルチプレクサ2−1のシステムクロックSe−1が、マルチプレクサ2−2のシステムクロックSe−2に変換されることで、クロックaは、システムクロックSe−2で、図7Cに示すように、さらに0.2クロック分だけ、左方向にシフトしたタイミングでカウントされる。また、マルチプレクサ2−2のシステムロックSe−2が、マルチプレクサ2−3のシステムクロックSe−3に変換されることで、クロックaは、システムクロックSe−3で、図7Dに示すように、さらに0.3クロック分だけ、左方向にシフトしたタイミングでカウントされる。
【0034】
結局、図7の例では、クロックaをカウントするタイミングが、1クロック分左方向にシフトするので、その分のジッタが発生する。
【0035】
このように、それぞれ非同期の複数のマルチプレクサ2により、多重化が繰り返されるとPCRのジッタが発生し、そのことにより、多重バッファが破綻し、伝送したトランスポートストリームが適切に再生されない。
【0036】
【特許文献1】
特開2000-358006号公報
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来のネットワークシステムでは、伝送したトランスポートストリームを適切に再生することができない課題があった。
【0038】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信装置は、第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づいて、第2のタイムスタンプを算出する第1の算出手段と、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプのずれを、第2のタイムスタンプから取り除いて、第3のタイムスタンプを算出する第2の算出手段と、処理データに書き込まれた第1のタイムスタンプを、第3のタイムスタンプに書き換える書き換え手段とを備えることを特徴とする。
【0039】
送信装置から、送信装置が接続する第1のネットワークと、第1のネットワークが接続する第2のネットワークを介して送信されてきた処理データを受信する受信手段をさらに設け、第1のクロックは、第1のネットワークのネットワーククロックと同期するクロックとし、第2のクロックは、第2のネットワークのネットワーククロックと同期するクロックとすることができる。
【0040】
第2の算出手段は、第3のタイムスタンプと第1のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた第2のタイムスタンプに加算して、次の第3のタイムスタンプを算出することができる。
【0041】
第2の算出手段は、第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた第2のタイムスタンプに加算して、次の第3のタイムスタンプを算出することができる。
【0042】
第2の算出手段は、第3のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた第2のタイムスタンプに加算して、次に第3のタイムスタンプを算出することができる。
【0043】
第1の算出手段は、第3のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、処理データが入力されるまでの時間に発生する、第1のタイムスタンプのクロックと第1のクロックとのずれが取り除かれた第1のタイムスタンプに加算して、次の第2のタイムスタンプを算出し、第2の算出手段は、第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた第2のタイムスタンプに加算して、次の第3のタイムスタンプを算出することができる。
【0044】
処理データの多重化処理を制御する多重化制御手段をさらに設け、第1のクロックは、多重化制御手段による多重化処理のタイミングを表すクロックとし、第2のクロックは、VCXOが出力するクロックとし、第1の算出手段には、多重化処理の時間に対応する第1のクロックのクロック数と、予め算出された多重化処理の平均時間に対応する第1のタイムスタンプのクロック数の差に基づいて位相差を算出し、算出した位相差と、処理データが入力されるタイミングでカウントされた第2のクロックのカウント値に基づいて、第2のタイムスタンプを算出させることができる。
【0045】
本発明の通信方法は、第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づいて、第2のタイムスタンプを算出する第1の算出ステップと、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプのずれを、第2のタイムスタンプから取り除いて、第3のタイムスタンプを算出する第2の算出ステップと、処理データに書き込まれた第1のタイムスタンプを、第3のタイムスタンプに書き換える書き換えステップとを含むことを特徴とする。
【0046】
本発明のプログラムは、第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づく、第2のタイムスタンプの算出を制御する第1の算出制御ステップと、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプのずれを、第2のタイムスタンプから取り除くことによる、第3のタイムスタンプの算出を制御する第2の算出制御ステップと、処理データに書き込まれた第1のタイムスタンプの、第3のタイムスタンプへの書き換えを制御する書き換え制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0047】
本発明の通信装置および方法、並びにプログラムにおいては、第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づいて、第2のタイムスタンプが算出され、処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと第2のタイムスタンプのずれを、第2のタイムスタンプから取り除いて、第3のタイムスタンプが算出され、処理データに書き込まれた第1のタイムスタンプが、第3のタイムスタンプに書き換えられる。
【0048】
【発明の実施の形態】
図8は、本発明を適用したデータ伝送システムの構成例を表している。このデータ伝送システムには、図5のデータ伝送システムの送信装置3と受信装置5に代えて、送信装置21と受信装置22が設けられている。他の部分は、図5における場合と同様であるので、その説明は適宜省略する。
【0049】
送信装置21および受信装置22は、それぞれ非同期のネットワーククロックを有する、ATMネットワーク4−1およびATMネットワーク4−2に接続されている。例えば、米国において西側の地域から東側の地域へATM伝送する場合、またはヨーロッパにおいて複数の国をまたいでATM伝送する場合、図8に示すように、複数のネットワーク4を介するデータ伝送がなされている。
【0050】
送信装置21は、マルチプレクサ2から供給されたトランスポートストリームをATMセルに変換し、ネットワーク4−1およびネットワーク4−2を介して、受信装置22に送信する。
【0051】
送信装置21は、この際、マルチプレクサ2からのPCRパケットが送信装置21に到着したタイミングを、ネットワーク4−1のネットワーククロックに同期したクロック(クロックNs)のカウント値で表す。そして送信装置21は、そのクロックNsのカウント値とPCRパケットのPCR値Eに基づいて位相差情報を算出し、それを同期情報としてPCRパケットに書き込む。この位相差情報は、ネットワーク4−1の伝送中に付加された遅延ゆらぎを取り除くために必要となる。
【0052】
送信装置21は、PID(図3)毎に、この位相差情報算出処理を行う。すなわち、この例の場合、最大8192個のプログラムのそれぞれについて位相差情報算出処理が行われる。
【0053】
受信装置22は、ネットワーク4−1およびネットワーク4−2を介して伝送されてきたATMセルを受信し、それを、トランスポートストリームに変換する。
【0054】
受信装置22は、この際、PCRパケットが受信装置22に到達したタイミングを、ネットワーク4−2のネットワーククロックに同期するクロック(クロックNr)のカウント値で表すとともに、そのカウント値とPCRパケットに書き込まれている同期情報としての位相差情報に基づいて、新たなPCR値Wを算出する。
【0055】
このPCR値Wを利用することで、ネットワーク4−1の伝送中に付加された遅延ゆらぎを取り除くことができるが、ネットワーク4−2の伝送中に付加された遅延ゆらぎは取り除かれない。
【0056】
そこで、受信装置22は、PCRパケットが入力されるまでの時間に発生する、内蔵する基準クロック(VCXO)のクロックとPCR値Wのずれを、PCR値Wから取り除き、新たなPCR値Xを算出する。そして受信装置22は、PCR値Wに代えて、そのPCR値XをPCRパケットに書き込む。なお、PCR値Xの算出方法については後述する。
【0057】
図9は、送信装置21の構成例を表している。同期部31には、送信装置21に供給された、マルチプレクサ2からのトランスポートストリームが入力される。同期部31は、入力されたトランスポートストリームのパケット同期を確立して、PCRパケット検出部32に出力する。
【0058】
PCRパケット検出部32は、同期部31から入力されたトランスポートパケットから、図2に示したような、ヘッダ部およびアダプテーションフィールド部に、PCRパケットに特有のデータが設定されているか否かを判定してPCRパケットを検出し、その検出タイミングに応じて、その旨を示す信号(以下、PCRパケット検出信号と称する)を同期情報処理部33に出力する。
【0059】
なお、PCRパケット検出部32は、入力されたトランスポートストリーム自身には、何ら処理を施さず、同期情報処理部33にそのまま出力する。
【0060】
同期情報処理部33には、PCRパケット検出部32から、トランスポートストリームおよびPCRパケット検出信号が入力され、そしてPLL回路36から、ネットワーク4−1のネットワーククロックと同期するクロックNs(27MHz)が入力される。
【0061】
同期情報処理部33は、クロックNsを24時間単位でカウントするカウンタ33Aと、クロックNsを所定時間(例えば、0.12秒)単位でカウントするカウンタ33Bを有している。すなわち、カウンタ33Aは、24時間分のクロックNsのクロックをカウントしたとき、カウント値をリセットし、カウンタ33Bは、所定の時間(0.12秒間)分のクロックNsのクロック(3240000(=27000000×0.12))をカウントしたとき、カウント値をリセットする。
【0062】
同期情報処理部33は、後述するように、PCRパケットのPCR値E、カウンタ33Aのカウント値、およびカウンタ33Bのカウント値に基づいて、所定時間に発生するシステムクロックSe(マルチプレクサ2)とクロックNs(送信装置21)との位相差を算出し、それを同期情報としてPCRパケットに書き込む。
【0063】
同期情報処理部33は、同期情報が書き込まれたPCRパケットを含むトランスポートストリームを、MPEG/ATM変換部35に出力する。
【0064】
メモリ34は、同期情報処理部33から供給される、同期情報を算出する上において必要なデータを適宜記憶する。同期情報処理部33による同期情報算出処理は、PID毎(例えば、プログラム毎)に行われるので、メモリ34は、同期情報処理部33から供給されるデータをPID毎に記憶する。
【0065】
MPEG/ATM変換部35は、トランスポートストリームをATMセルに変換してネットワーク4−1へ送信する。MPEG/ATM変換部35はまた、ネットワーク4−1から順次送信されてくるATMセルを受信し、受信したATMセルに基づいてネットワーク4−1のネットワーククロックに同期した8KHzのクロックを生成し、PLL回路36に出力する。
【0066】
PLL回路36は、例えば、図10に示すような位相比較器41を有している。位相比較器41のVCO51は、位相比較部52から供給される信号に基づいて所定の位相の27MHzのクロック(クロックNs)を発生し、同期情報処理部33および分周器53に出力する。分周器53は、VCO51から入力された27MHzのクロックを、1/3375に分周して、8KHzのクロックを生成し、位相比較部52に出力する。位相比較部52は、MPEG/ATM変換部35からの8KHzのクロックの位相と、分周器53からの8KHzからのクロックの位相を比較し、その比較結果をVCO51に出力する。すなわち、同期情報処理部33に出力されるクロックNsは、ネットワーク4−1のネットワーククロックと同期するように、その位相が調整される。
【0067】
次に、送信装置21の同期部31の動作を、図11のフローチャートを参照して説明する。ステップS1において、同期部31は、入力されたトランスポートストリームパケットのデータを1バイトごと読み取り、読み取った値が同期バイト(図2)と等しい47hであると判定することができるまで待機する。読み取った1バイトの値が47hであると判定したとき、同期部31は、ステップS2に進み、47hを読み取った回数をカウントするカウンタiの値を1に初期設定する。
【0068】
次に、ステップS3において、同期部31は、ステップS1で読み取った47hから188バイト分離れたデータ(188バイト後のデータ)を読み取り、ステップS4において、それが47hであるか否かを判定する。
【0069】
ステップS4で、ステップS3で読み取ったデータが47hではないと判定した場合、同期部31は、ステップS1に戻り、それ以降の処理を実行する。一方、ステップS4で、読み取ったデータが47hであると判定した場合、同期部31は、ステップS5に進む。
【0070】
ステップS5において、同期部31は、カウンタiの値が5であるか否かを判定し(ステップS1で47hが読み取られた位置から、188バイト毎に、5回連続して47hが読み取られたか否かを判定し)、その値が5ではないと判定した場合、ステップS6に進み、カウンタiの値を1だけインクリメントして、ステップS3に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0071】
ステップS5で、カウンタiの値が5とであると判定された場合、ステップS7に進み、同期部31は、5回目に47hを読み取った位置を、トランスポートパケットの先頭データとし、すなわち、5回目に読み取られた47hを同期バイトとして、パケット同期を確立する。
【0072】
トランスポートパケットは、188バイトの固定パケットであり、その先頭には同期バイト(47h)が記述されているので、このようにして、トランスポートパケットの先頭を検出することができる。
【0073】
なお、ステップS7で、フレーム同期が確立される前に送信装置21に入力されたデータは、PCRパケット検出部32には供給されず捨てられる。
【0074】
以上のようにして、フレーム同期が確立された後、ステップS8において、同期部31は、カウンタiの値を1に初期設定し、ステップS9に進み、同期バイトとしての47hが読みとされた位置から188バイト分離れたデータ(188バイト後のデータ)を読み取り、ステップS10において、それが47hであるか否かを判定する。
【0075】
ステップS10で、同期部31は、ステップS9で読み取られたデータが47hであると判定した場合、すなわち、188バイト間隔で、同期バイトが配置されており、フレーム同期が維持されているものと推定できる場合、ステップS9に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0076】
ステップS10で、同期部31は、ステップS9で読み取られたデータが47hではないと判定した場合、すなわち、フレーム同期が乱れている可能性がある場合、ステップS11に進む。
【0077】
ステップS11において、同期部31は、カウンタiの値が3であるか否かを判定し、その値が3はないと判定した場合、ステップS12に進み、カウンタiの値を1だけインクリメントし、ステップS9に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0078】
ステップS11で、カウンタiの値が3であると判定された場合、ステップS1に戻り、それ以降の処理が実行される。すなわち、ステップS9において読み取られたデータが3回連続して47hではないと判定された場合、トランスポートストリームのフレーム同期がとられていないものとされ、ステップS1に戻り、同期確立のための処理が再度行われる。なお、同期を確立するための処理が再度行われる(ステップS1に戻る)前に入力された、同期が取られていないと予想される、3×188バイト分のデータは、PCRパケット検出部32にそのまま供給される。
【0079】
図12は、上述した同期部31の動作を、状態遷移図で表したものである。すなわち、同期部31は、はじめにハンティング状態(初期状態)にあり、トランスポートストリームから1バイトのデータを読み取るとともに、読み取ったデータが、同期バイトと等しい47hであるか否かを判定し(ステップS1)、47hであると判定した場合、前同期状態に遷移する。
【0080】
同期部31は、前同期状態において、ハンティング状態で47hを読み取った位置から、188バイト間隔に位置するデータが47hであった回数をカウントし、所定の回数x(この例の場合、5回)だけカウントできたとき(ステップS2,3,4,5)、同期確立状態に遷移する。一方、所定の回数だけカウントできなかったとき、すなわち、その位置に47h以外の値があったとき、同期部31は、ハンティング状態に戻る。
【0081】
同期部31は、同期確立状態において、前同期状態において5回目に47hを読み取った位置を、トランスポートパケットの先頭として、トランスポートストリームのフレーム同期を確立する(ステップS7)。その後、同期部31は、その47hが読み取られた位置から、188バイト間隔に位置するデータが47hではない回数をカウントし、所定の回数y(この例の場合、3回)だけカウントできるまで待機し(ステップS8,S9,10,11,12)、所定の回数だけカウントしたとき、ハンティング状態に遷移する。
【0082】
このように、同期部31は、ハンティング状態、前同期状態、または同期確立状態に適宜遷移することで、トランスポートストリームのフレーム同期を確立する。
【0083】
次に、送信装置21の同期情報処理部33(図9)における同期情報算出処理の処理手順を、図13のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは1つのPIDについて行われる同期情報算出処理を説明するが、実際は、PID毎に、同様の処理が行われる。
【0084】
ステップS21において、例えば、パケット同期が確立された後において、最初のPCRパケットが検出されると、同期情報処理部33は、ステップS22において、クロックNs基準値とオフセット値Oを算出する。
【0085】
図14Aに示すように、PCRパケットK1が検出された場合を例として具体的に説明すると、同期情報処理部33は、はじめにPCRパケットK1のPCR値E1を取得し、それを、図14Bに示すように、クロックSe基準値とする。
【0086】
同期情報処理部33はまた、PCRパケットK1が検出されたときのカウンタ33Aのカウント値N1をクロックNs基準値とし、クロックSe基準値とともに、式(1)を演算して、オフセット値O(図14A)を算出する。
クロックSe基準値=クロックNs基準値+オフセット値O・・・(1)
【0087】
なお、同期情報処理部33は、図14Aに示すように、カウンタ33Aのカウント値が、クロックSe基準値と同じ値になるタイミングで、図14Cに示すように、カウンタ33Bのカウント値をリセットする。
【0088】
ステップS23において、同期情報処理部33は、ステップS22で算出したクロックNs基準値およびオフセット値Oのそれぞれを、ここで処理されるプログラムのPIDに対応させてメモリ34に記憶させる。
【0089】
次に、ステップS24において、同期情報処理部33は、次のPCRパケットが検出されるまで待機し、PCRパケットが検出されたとき、ステップS25に進む。
【0090】
ステップS25において、同期情報処理部33は、ステップS24で検出されたPCRパケットが、カウンタ33Aのカウント値がクロックSe基準値となるタイミングでリセットされたカウンタ33Bのカウント値が3240000となる前に検出されたものであるか否かを判定し、そうであると判定した場合、ステップS26に進む。
【0091】
図14の例の場合、PCRパケットK2は、カウンタ33Aのカウント値がクロックSe基準値(PCR値E1と同じ値)となるタイミングでリセットされたカウンタ33Bのカウント値が3240000となる前に検出されるので、PCRパケットK2が検出されたとき、ステップS26に進む。
【0092】
ステップS26において、同期情報処理部33は、ステップS24で検出されたPCRパケット(例えば、PCRパケットK2)のヘッダ部の同期バイト部分に、同期情報としての値(−128)を設定する。なお、ここでの処理の意味は後述する。
【0093】
その後、処理は、後述するステップS29およびステップS30を介して、ステップS24に戻る。
【0094】
ステップS25で、ステップS24で検出されたPCRパケットが、カウンタ33Aのカウント値がクロックSe基準値となるタイミングでリセットされたカウンタ33Bのカウント値が3240000となる前に検出されたものではないと判定された場合、ステップS27に進む。
【0095】
図14の例の場合、PCRパケットK3は、カウンタ33Aのカウント値がクロックSe基準値(PCR値E1と同じ値)となるタイミングでリセットされたカウンタ33Bのカウント値が3240000となる前に検出されるものではないので(カウンタ33Bのカウント値が3240000となってリセットされた後に検出されたものであるので)、PCRパケットK3が検出されたとき、ステップS27に進む。
【0096】
MPEG−2方式によれば、PCRパケットは、少なくとも0.1秒に1つの割合で伝送されるようになされているので、図14の例の場合、PCRパケットK2が検出された後リセットされたカウンタ33Bのカウント値が再び3240000となるまでには(0.12秒(=3240000/27000000))、それに続くPCRパケットK3が検出される。
【0097】
ステップS27において、同期情報処理部33は、ステップS24で検出されたPCRパケット(図14の例では、PCRパケットK3)に書き込む同期情報を算出する。なお、以下において、ここで算出された同期情報が書き込まれるPCRパケットを、適宜、対象PCRパケットと称する。
【0098】
対象PCRパケットがPCRパケットK3である場合を例として具体的に説明すると、同期情報処理部33は、PCRパケットK3が検出されたときのカウンタ33Aのカウント値N3およびPCRパケットK3のPCR値E3を取得する。
【0099】
そして同期情報処理部33は、カウント値N3を「クロックNsによるPCR値」とし、PCR値E3を「システムクロックSeによるPCR値」として下記の式を演算し、位相差情報を算出する。
【0100】
位相差情報=[[{(システムクロックSeによるPCR値−クロックSe基準値)−(クロックNsによるPCR値−クロックNs基準値)}×3240000]÷(クロックNsによるPCR値−クロックNs基準値)]
【0101】
すなわち、位相差情報は、クロックNsがカウントされたカウント値が、クロックNs基準値(カウント値N1)から、クロックNsによるPCR値(カウント値N3)になるまでの間に生じるシステムクロックSeに対するクロックNsの位相差に基づいて算出された、クロックNsの3240000クロックがカウントされるまでの間に生じる、システムクロックSeに対するクロックNsの位相差である。なお、MPEG-2規格では±30ppm(parts per million )の偏差がシステムクロックSeやクロックNsに許容されているので、ここで算出されるシステムクロックSeに対するクロックNsの位相差は、この偏差により生ずるものである。
【0102】
次に、同期情報処理部33は、このようにして算出した位相差情報を2で除算し、その除算結果を、同期情報とする。
【0103】
このようにして同期情報が算出されると、ステップS28において、同期情報処理部33は、ステップS27で算出した同期情報(位相差情報の1/2の値)を、対象PCRパケット(図14の例では、PCRパケットK3)の同期バイトの部分に書き込む。
【0104】
ところで、位相差情報は、上述したように、クロックNsがカウントされて得られたカウント値が、クロックNs基準値(カウント値N1)から、クロックNsによるPCR値(カウント値N3)になるまでの間に生じるシステムクロックSeに対するクロックNsの位相差に基づいて算出された、クロックNsの3240000クロックがカウントされるまでの間に生じる、システムクロックSeに対するクロックNsの位相差である。
【0105】
すなわち、位相差情報は、0.12(=3240000/27000000)秒間に生じる、システムクロックSeの時間軸(PCR値の時間軸)上に表された、システムクロックSeとクロックNsの位相差である。
【0106】
このことより、位相差情報は、システムクロックSeの周波数が27MHz+810Hzで、かつ、クロックNsの周波数が27MHz−810Hzであるとき最大となり、下記に示すように、195となる。
((1+30ppm)/(1-30ppm)-1)×27MHz×0.12s≒195.
【0107】
なお、上記式は、クロックNsの周期(1/(27MHz−810Hz))(時間)を、システムクロックSeの周期(1/(27MHz+810Hz))で正規化し(PCRの時間軸に対応させ)、正規化されたクロックNsの時間(PCRの時間軸に対応するクロックNsの時間)と、PCRの時間(1単位)との差を求め、求めたその差に基づいて、0.12秒間に発生する両者の位相差をクロック数で示したものである。
【0108】
また、位相差情報は、システムクロックSeの周波数が27MHz−810Hzで、かつ、クロックNsの周波数が27MHz+810Hzであるときに最小となり、下記に示すように、-195となる。
((1-30ppm)/(1+30ppm)-1)×27MHz×0.12s≒-195.
【0109】
結局、位相差情報は、−195乃至195の範囲の値であるので、それを1/2し、その結果得られる値(-97.2乃至97.2)を同期情報に割り当てることで、同期情報を1バイトのデータとすることができる。すなわち、図15に示すように、同期情報として、−128乃至128の値を設定することができるので、位相差情報以外の情報を表すことができるようにしても、位相差情報のために−97.2乃至97.2より広い範囲の−125乃至125を割り当てることができ、位相差情報に、一定のマージンを設けることができる。
【0110】
図13に戻り、ステップS29において、同期情報処理部33は、ステップS26またはステップS28で同期バイトの部分に書き込まれた同期情報から、39hを減算する。すなわち、PCRパケットの同期バイト部分の値は、ステップS26またはステップS28で設定された同期情報の値に応じて、図15の"減算済み同期情報"の欄に示すような値となる。"減算済み同期情報"は、同期情報から39hを減算した値を表しており、同期情報が-128である場合(ステップS26)、減算済み同期情報は、同期バイトと同じ47hとなる。
【0111】
次に、ステップS30において、同期情報処理部33は、クロックNs基準値(カウント値N1)に3240000を加算して得られた値を新たなクロックNs基準値とし、またオフセット値OにステップS27で算出された位相差情報を加算して得られた値を、新たなオフセット値Oとして、メモリ34に、先に記憶されているクロックNs基準値とオフセット値Oに代えて記憶させる。すなわち、クロックNs基準値とオフセット値Oが更新される。
【0112】
同期情報処理部33はまた、それぞれ更新されたクロックNs基準値とオフセット値Oを式(1)に代入してクロックSe基準値を算出するとともに、カウンタ33Aのカウント値が、算出されたクロックSe基準値と同じ値になるタイミングで、カウンタ33Bのカウント値をリセットする。
【0113】
その後、処理は、ステップS24に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0114】
ここまでが、送信装置21(図8)についての説明である。次に、受信装置22について説明する。
【0115】
図16は、受信装置22の構成例を表している。ATM/MPEG変換部71は、ネットワーク4−1およびネットワーク4−2を介して伝送されてきた、送信装置21から出力されたATMセルをトランスポートストリームに変換し、アダプティブクロック部73に出力する。
【0116】
ATM/MPEG変換部71はまた、受信したATMセルに基づいてネットワーク4−2のネットワーククロックに同期した8KHzのクロックを生成し、PLL回路72に出力する。PLL回路72は、図9のPLL回路36と同様の構成(位相比較回路を有している)を有するので、その詳細な説明は省略するが、ネットワーク4−2のネットワーククロックと同期した、27MHzのクロック(クロックNr)を生成し、PCR書換部76に出力する。
【0117】
アダプティブクロック部73は、図17に示すように構成されている。
【0118】
ATM/MPEG変換部71からのデータ(伝送時に付加された遅延ゆらぎを含むデータ)は、アダプディブクロック部73のFIFO91に入力される。FIFO91は、入力されたデータを一時的に保持するとともに、制御部92からの読み出しクロックに従ってデータを読み出し、同期部74に出力する。FIFO91はまた、自分自身のデータ占有率をLPF93に出力する。LPF93は、FIFO91のデータ占有率に、応答特性に応じた値を乗算して(FIFO91のデータ占有率を平滑して)、制御部92に出力する。
【0119】
制御部92は、LPF93から供給されるデータが、所定の値になるように、FIFO91に出力する読み出しクロックの速度を制御する。
【0120】
図16に戻り、同期部74は、送信装置21の同期部31と同様にして、アダプティブクロック部73から入力されるトランスポートストリームのパケット同期を確立し、PCRパケット検出部75に出力する。
【0121】
PCRパケット検出部75は、同期部74から入力される同期がとられたトランスポートパケットから、図2に示したような、ヘッダ部およびアダプテーションフィールド部に、PCRパケットに特有のデータが設定されているか否かを判定してPCRパケットを検出し、その旨を示すPCRパケット検出信号を、トランスポートストリームとともに、PCR書換部76に出力する。PCRパケット検出部75はまた、検出したPCRパケットをPCR比較部81に出力する。
【0122】
PCR書換部76には、PCRパケット検出部75から、トランスポートストリームおよびPCRパケット検出信号が入力され、そしてPLL回路72から、ネットワーク4−2のネットワーククロックと同期するクロックNr(27MHz)が入力される。
【0123】
PCR書換部76は、PLL回路72からのクロックNrを24時間単位でカウントするカウンタ76Aと、クロックNrを所定時間(例えば、0.12秒)単位でカウントするカウンタ76Bを有している。すなわち、カウンタ76Aは、24時間分のクロックNrのクロックをカウントしたとき、カウント値をリセットし、カウンタ76Bは、所定の時間(0.12秒間)分のクロックNrのクロック(3240000(=27000000×0.12)クロック)をカウントしたとき、カウント値をリセットする。
【0124】
PCR書換部76は、後述するようにして、PCRパケットに書き込まれた同期情報としての位相差情報、カウンタ76Aのカウント値、およびカウンタ76Bのカウント値に基づいて、ネットワーク4−1の伝送中に付加された遅延ゆらぎを取り除くためのPCR値Wを算出し、このときPCRパケットに書き込まされているPCR値Eと書き換える。
【0125】
メモリ77は、PCR書換部76から供給される、PCR値Wを算出する上において必要なデータを適宜記憶する。PCR書換部76によるPCR書換処理は、PID毎(例えば、プログラム毎)に行われるので、メモリ77は、PCR書換部76から供給されるデータをPID毎に記憶する。
【0126】
PCR書換部76によりPCR値EがPCR値Wに書き換えられたPCRパケットを含むトランスポートストリームは、PCRパケット検出部78およびスイッチ84に出力される。
【0127】
PCRパケット検出部78は、PCR書換部76から入力されたトランスポートストリームのPCRパケットを検出し、その旨を示すPCRパケット検出信号を、トランスポートストリームとともにPCR書換部79に出力する。
【0128】
PCR書換部79は、VCXO83からの27MHzのクロックを24時間単位でカウントするカウンタ79Aを有している。
【0129】
PCR書換部79は、PCRパケット検出部78からのPCRパケットのPCR値W、LPF82を介して入力されるPCR比較部81の比較値(PCR値EとPCR値Xの比較値)、およびカウンタ79Aのカウント値Rに基づいて、新たなPCR値Xを算出し、このときPCRパケットに書き込まされているPCR値Wと書き換える。
【0130】
PCR書換部79は、PCR値WがPCR値Xに書き換えられたPCRパケットをPCR比較部81に出力するとともに、PCR値Xが書き込まれているPCRパケットを含むトランスポートストリームをスイッチ84に出力する。
【0131】
メモリ80は、PCR書換部79から供給される、PCR値Xを算出する上において必要なデータ(後述する傾きL、オフセット値O、カウント値R等)を適宜記憶する。PCR書換部79によるPCR書換処理は、PID毎(例えば、プログラム毎)に行われるので、メモリ80は、PCR書換部79から供給されるデータをPID毎に記憶する。
【0132】
PCR比較部81は、それぞれ対応する、PCRパケット検出部75からのPCRパケットのPCR値Eと、PCR書換部79からのPCRパケットのPCR値Xを比較し、図18に示すように、その比較結果に応じた比較値をLPF82に出力する。
【0133】
LPF82は、PCR比較部81からの比較値に、所定の値α(後述)の応答特性を乗算して、PCR書換部79に出力する。
【0134】
VCXO83(基準クロック)は、27MHzのクロックをPCR書換部79に出力する。この例の場合、VCXO83は、放送局内におけるハウスシンク(基準信号)等にPLLでロックされており、その原子発振器と同等の精度のクロックを発生する。
【0135】
スイッチ84は、PCR書換部76からのトランスポートストリーム(PCR値WのPCRパケットを含むもの)、またはPCR書換部79からのトランスポートストリーム(PCR値XのPCRパケットを含むもの)を適宜選択し、セットトップボックス6(図8)に供給する。
【0136】
次に、受信装置22のPCR書換部76の動作を、図19のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは1つのPIDについて行われるPCR書換処理を説明するが、実際は、PID毎に、同様の処理が行われる。
【0137】
トランスポートストリームのパケット同期が取られている状態において、ステップS41において、PCR書換部76は、オフセット値Oを決定する処理を行う。この処理の詳細は、図20のフローチャートに示されている。
【0138】
すなわち、ステップS61において、例えば、パケット同期確立後、最初のPCRパケット(以下、基準PCRパケットと称する)が検出されると、PCR書換部76は、ステップS62において、カウンタjの値を1に初期設定する。
【0139】
次に、ステップS63において、PCR書換部76は、基準PCRパケットが検出されたときのカウンタ76Aのカウント値を、仮クロックNr基準値とする。PCR書換部76はまた、基準PCRパケットのPCR値Eを取得し、それを仮クロックSe基準値とする。
【0140】
PCR書換部76はさらに、仮クロックNr基準値と仮クロックSe基準値を、下記の式に代入して仮オフセット値Oを算出する。
仮クロックSe基準値=仮クロックNr基準値+仮オフセット値O
【0141】
次に、ステップS64において、PCR書換部76は、次のPCRパケットが検出されるまで待機し、それが検出されたとき、ステップS65に進み、そのPCRパケットが検出されたときのカウンタ76Aのカウント値と、そのPCRパケットのPCR値Eに基づいて、下記の式を演算し、ΔEを算出する。
ΔE=PCR値E−(仮クロックSe基準値+(カウンタ76Aのカウント値−仮クロックNr基準値))
【0142】
すなわち、PCRパケットを、例えば、図21に示すように、それが検出された時刻とそのPCR値Eに基づいて2次元空間に示した場合(図中、黒丸)、ΔEは、PCR値Eと、そのPCRパケットが検出された時刻に対応する、遅延を含まないPCR値を表す直線(図中、基準PCRパケットを通る直線)上の値との差である。
【0143】
次に、ステップS66において、PCR書換部76は、ΔEが所定のリミット値Lより大きいか否かを判定し、大きくないと判定した場合、ステップS67に進み、それをメモリ77に記憶させる。
【0144】
ステップS68において、PCR書換部76は、カウンタjの値が、所定の値(この例の場合、7)になったか否かを判定し、7になっていないと判定した場合、ステップS69に進み、カウンタjの値を1だけインクリメントする。
【0145】
ステップS66で、ΔEがリミット値Lより大きいと判定された場合、またはステップS69で、カウンタjの値が1だけインクリメントされたとき、ステップS64に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0146】
ステップS68において、カウンタjの値が7になったと判定された場合、すなわち、7つのΔE1乃至ΔE7が算出され、メモリ77に記憶されたとき、ステップS70に進み、PCR書換部76は、下記の式に示すように、ΔEの平均値を算出し、メモリ77に記憶させる。
ΔEの平均値=(ΔE1+ΔE2+ΔE3+ΔE4+ΔE5+ΔE6+ΔE7)/7
【0147】
次に、ステップS71において、PCR書換部76は、下記の式に従い、ステップS63で求められた仮オフセット値Oに、ΔEの平均値を加算して、オフセット値Oを算出する。図21を参照して説明すれば、オフセット値Oは、仮オフセット値Oを示す線を、ΔEの平均値だけ上方向に平行移動したときに示される値である。
オフセット値O=仮オフセット値O+ΔEの平均値
【0148】
このように、オフセット値Oが算出されたとき、処理は終了し、図19のステップS42に進む。
【0149】
ステップS42において、PCRが書き換えられる最初のPCRパケットが検出されたとき、ステップS43において、PCR書換部76は、そのときのカウンタ76Aのカウント値を、クロックNr基準値とする。
【0150】
具体的には、例えば、図23Aに示すように、PCRパケットK11が最初のPCRパケットとして検出された場合、PCRパケットK11が検出されたときのカウンタ76Aのカウント値N11がクロックNr基準値となる。
【0151】
PCR書換部76はこのとき、最初のPCRパケットK11のPCR値E11を、クロックSe基準値(図23B)とし、図23Aに示すように、カウンタ76Aのカウント値が、クロックSe基準値と同じ値になるタイミングで、図23Cに示すように、カウンタ76Bのカウント値をリセットする。
【0152】
ステップS44において、PCR書換部76は、クロックNr基準値およびオフセット値Oのそれぞれを、ここで処理されるプログラムのPIDに対応させてメモリ77に記憶させる。
【0153】
次に、ステップS45において、PCR書換部76は、カウンタ76Aのカウント値がクロックSe基準値と同じ値になるタイミングでリセットされたカウンタ76Bのカウント値が3240000になる前にPCRパケットが検出されたか否かを判定し、検出されたと判定した場合、ステップS46に進む。
【0154】
図23の例の場合、カウンタ76Aのカウント値がクロックSe基準値(PCR値E11)になるタイミングでリセットされたカウンタ76Bのカウント値が3240000になる間に、PCRパケットK12が検出されるので、それが検出されたとき、ステップS46に進む。
【0155】
ステップS46において、PCR書換部76は、ステップS45で検出されたPCRパケットのPCR値Eと書き換えられる新たなPCR値Wを算出する。なお、以下において、ここで算出されたPCR値Wが書き込まれるPCRパケットを、適宜、対象PCRパケットと称する。
【0156】
対象PCRパケットがPCRパケットK12である場合を例として具体的に説明すると、PCR書換部76は、PCRパケットK12が検出されたときのカウンタ76Aのカウント値N12を取得する。
【0157】
PCR書換部76は、下記の式を、カウント値N12を「クロックNrのPCR値」として演算し、補正値を算出する。
補正値=(位相差情報×(クロックNrのPCR値−クロックNr基準値))÷3240000)
【0158】
すなわち、この補正値は、位相差情報(ネットワーク4−1のネットワーククロックに同期するクロックNsの3240000クロックがカウントされる間に生じる、エンコード側のシステムクロックSeに対するクロックNsの位相差)に基づいて算出された、クロックNrのカウント値が、クロックNr基準値から、クロックNrのPCR値(カウント値N12)になる間に生じるシステムクロックSeに対するクロックNrの位相差である。
【0159】
PCR書換部76は、下記の式に示すように、「クロックNrのPCR値」としてのカウント値N12にオフセット値Oを加算して得られた値に、補正値をさらに加算して、PCRパケットK12の新たなPCR値W(図23B)を算出する。
PCR値W=クロックNrのPCR値+オフセット値O+補正値
【0160】
次に、ステップS47において、PCR書換部76は、対象PCRパケットのPCR値Eを、ステップS46で算出したPCR値Wに書き換える。
【0161】
ステップS47で、PCR値EがPCR値Wに書き換えられたとき、またはステップS45で、カウンタ76Bのカウント値が3240000になる前にPCRパケットが検出されなかったと判定されたとき、ステップS48に進み、PCR書換部76は、クロックNr基準値に3240000を加算して得られた値を、新たなクロックNr基準値とし、またオフセット値OにステップS46で利用した位相差情報を加算して得られた値を、新たなオフセット値Oとして、メモリ77に、先に記憶されているクロックNr基準値とオフセット値Oに代えて記憶させる。すなわち、クロックNr基準値とオフセット値Oが更新される。
【0162】
PCR書換部76はまた、それぞれ更新されたクロックNr基準値とオフセット値Oを下記の式に代入してクロックSe基準値を算出するとともに、カウンタ76Aのカウント値が、算出されたクロックSe基準値と同じ値になるタイミングで、カウンタ76Bのカウント値をリセットする。
クロックSe基準値=クロックNr基準値+オフセット値O
【0163】
その後、処理は、ステップS45に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0164】
以上のようにしてPCR値EがPCR値Wに書き換えられる。
【0165】
次に、PCR書換部79の動作を、図24のフローチャートを参照して説明する。
【0166】
ステップS81において、PCR書換部79は、PCRパケット検出部78により検出された連続するn(この例の場合、n=8)個のPCRパケットK1乃至PCRパケットK8のPCR値W1乃至W8と、PCRパケットK1乃至K8が検出されたときのカウンタ79Aのカウント値R1乃至R8に基づいて、式(2)を演算し、傾きLを算出する。
【数1】
【0167】
例えば、縦軸にPCR値を、横軸にカウント値Rを取ってPCRパケットK1乃至K8を示した図25の例では、傾きLは、横軸に対するPCRパケットKiとPCRパケットKi+1を結ぶ直線の傾きそれぞれの平均値である。換言すれば、VCXO83のクロックがカウントされたカウント値Rが、カウント値Riからカウント値Ri+1になる間に生じる、VCXO83のクロックに対するPCR値のずれの平均を表している。
【0168】
なお、PCR値Wは、ネットワーク4−1より付加されたジッタに対してデジッタされたPCR値であるので、PCRパケットK1乃至PCRパケットK8の軌跡は、図25に示すように、図中、原点を通る直線で示される、PCR値のずれがない場合のPCRパケットの軌跡から大きくは離れていない。しかしながら、ネットワーク4−2により付加されたジッタ分だけのずれがPCR値Wには含まれているので、その分のばらつきが存在する。
【0169】
次に、ステップS82において、PCR書換部79は、PCRパケット検出部78により続いて検出された連続するn(=8)個のPCRパケットKi(i=9,10,・・・16)のPCR値Wi、および傾きLを有する直線を利用してオフセット値Oを算出する。具体的には、式(3)が演算される。
【数2】
【0170】
式中、値Diは、図26に示すように、PCRパケットK9を通る傾きLの直線上の、PCRパケットKiが検出されたときのカウンタ79Aのカウント値Riに対応する縦軸の値である。
【0171】
すなわち、オフセット値Oは、図中、垂直方向の矢印で表される、値D9−PCR値W9、値D10−PCR値W10、値D11−PCR値W11、値D12−PCR値W12、値D13−PCR値W13、値D14−PCR値W14、値D15−PCR値W15、および値D16−PCR値W16の平均値である。
【0172】
次に、ステップS83において、PCR書換部79は、下記の式を演算し、補正値iを算出する。
補正値i=PCRパケットKi-1が検出されたときのLPF82の出力(=PCR値Ei-1とPCR値Xi-1の比較値(図18)×α)×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0173】
ステップS84において、PCR書換部79は、下記の式を演算して、PCRパケットKi(i=17,18,・・・)のPCR値Wiに代えて書き込まれるPCR値Xiを算出する。
PCR値Xi=傾きL×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)+PCR値Wi+オフセット値O+補正値i
【0174】
補正値iを加算しない場合のPCR値X(以下、PCR値X'と記載する)も、PCRパケットKiが入力されるまでの時間に発生する、VCXO83のクロックとPCR値Wのずれが取り除かれているので、短い時間の間では、VCXO83のクロックに対するずれは生じない。すなわち、例えば、PCR値X'17乃至PCR値X'24が書き込まれたPCRパケットは、図27中の直線で示される、PCR値のずれがない場合のPCRパケットの軌跡上の、黒色の三角印の位置に示すことができる。
【0175】
一方、送信装置21と受信装置22が接続するネットワーク4−1とネットワーク2のネットワーククロックには、1E−11だけの周波数誤差が許容されているので(すなわち、位相差があるので)、時間が経過すると、例えば、図28に示すように、本来の軌跡から離れ、結局、図示せぬバッファが破綻してしまう可能性がある。図28の黒色の三角印は、PCR値X'n以降のPCR値X'が書き込まれたPCRパケットを表している。
【0176】
そこで、本発明では、PCR値EとPCR値Xとの比較値に基づく係数を補正値として、PCR値X' (PCRパケットKiが入力されるまでの時間に発生する、VCXO83のクロックとPCR値Wのずれが取り除かれているPCR値)加算することで、両者のネットワークの周波数誤差を取り除くことができる。図28中の白抜きの三角印は、PCR値Xn乃至PCR値Xn+7が書き込まれたPCRパケットKn乃至PCRパケットKn+7を表している。
【0177】
ここで値αは、ネットワーク4−1とネットワーク4−2との間において取り得る1クロック当たりの最大のずれである2.00E−11(=(1+1E−11)/(1−1E−11))から、MPEG規格(H.222.0)である0.0075Hz/sに対応した1クロック当たりのずれである2.78E−9(=0.0075/27)までの間の値である。
【0178】
次に、ステップS85において、PCR書換部79は、PCRパケットのPCR値Wiを、ステップS84で算出したPCR値Xiに書き換える。
【0179】
PCR書換部79は、PCR値Xに書き換えられたPCRパケットを含むトランスポートストリームをスイッチ84に出力する。スイッチ84は、ステップS81で傾きLが算出されている間(上述した例では、PCRパケットK1乃至PCRパケットK8を含むトランスポートストリームが受信されている間)、そしてステップS82で、オフセット値Oが算出されている間(PCRパケットK9乃至PCRパケット17を含むトランスポートパケットが受信されている間)は、PCR書換部76からのトランスポートストリームを選択するが、PCR書換部79においてPCRの書き換えが実際に行われた後からは(PCRパケットK17以降のPCRパケットを含むトランスポートストリームが受信されてからは)、PCR書換部79からのトランスポートストリームを選択するようになされている。
【0180】
ステップS86において、PCR書換部79は、下記の式を演算して得られた値を、新たな傾きLとする。
新たな傾きL=(PCR値Xi−PCR値Wi-1)/(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0181】
PCR書換部79は、算出した新たな傾きLを、メモリ80に先に記憶されている傾きLに代えて記憶させ、傾きLを更新する。
【0182】
次に、ステップS87おいて、PCR書換部79は、新たなオフセット値Oを算出する。具体的には、はじめに、下記の式に基づいて補正値i+1が算出される。
補正値i+1=PCRパケットKiが検出されたときのLPF82の出力(=PCR値EiとPCR値Xiの比較値×α)×(カウント値Ri+1−カウント値Ri)
【0183】
次に、下記の式に基づいて、新たなオフセット値Oが算出される。
補正値i+1=オフセット値O+補正値i
【0184】
PCR書換部79は、算出した新たなオフセット値Oを、メモリ80に先に記憶されているオフセット値Oに代えて記憶させ、オフセット値Oを更新する。
【0185】
その後、処理は、ステップS83に戻り、それ以降の処理が実行される(iが1だけインクリメントされて、それ以降の処理が実行される)。
【0186】
なお、この例の場合、上述したように、傾きLを算出し、それを利用してオフセット値Oを算出したが、傾きLを利用せずにオフセット値Oを直接求めることも可能である。しかしながら、この場合、パケット毎にPCR値Wおよびカウント値Rを記憶する記憶部が必要となり、ハードウエアの規模が増大する。すなわち、この例の場合のように、傾きLを利用してオフセット値Oを算出することで、ハードウエアの規模を小さくすることができる。
【0187】
図29は、本発明を適用した受信装置22の他の構成例を示している。この受信装置22のPCR比較部81には、PCRパケット検出部75からのPCR値Eが書き込まれたPCRパケットと、PCRパケット検出部78からのPCR値Wが書き込まれたPCRパケットが入力される。PCR比較部81は、PCR値EとPCR値Wを比較し、図30に示すような比較結果に応じた比較値を、LPF82に出力する。
【0188】
他の部分は、図16における場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0189】
この例におけるPCR書換部79の動作を、図31のフローチャートを参照して説明する。
【0190】
ステップS91,S92においては、図24のステップS81,S82における場合と同様の処理が実行されるので、その説明は省略する。
【0191】
ステップS93において、PCR書換部79は、下記の式を演算し、補正値iを算出する。
補正値i=PCRパケットKiが検出されたときのLPF82の出力(=PCR値Ei-1とPCR値Wi-1の比較値×α)×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0192】
この例の場合、PCR比較部81は、PCR値EiとPCR値Wiを比較するので(図16においてはPCR値EとPCR値Xを比較していた)、その比較結果に応じた比較値(図30)にαが乗算された値がLPF82の出力となる。なお、値αは、図16の例の場合と同じ値である。
【0193】
ステップS94において、PCR書換部79は、下記の式を演算して、PCRパケットKi(i=17,18,・・・)のPCR値Wiと書き換えられるPCR値Xiを算出する。
PCR値Xi=傾きL×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)+PCR値Wi+オフセット値O+補正値i(ステップS93で算出されたもの)
【0194】
次に、ステップS95において、PCR書換部79は、PCRパケットのPCR値Wiを、ステップS94で算出したPCR値Xiに書き換える。
【0195】
ステップS96において、PCR書換部79は、下記の式を演算して得られた値を、新たな傾きLとする。
新たな傾きL=(PCR値Xi−PCR値Wi-1)/(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0196】
PCR書換部79は、算出した新たな傾きLを、メモリ80に先に記憶されている傾きLに代えて記憶させ、傾きLを更新する。
【0197】
次に、ステップS97おいて、PCR書換部79は、新たなオフセット値Oを算出する。具体的には、はじめに、下記の式に基づいて補正値i+1が算出される。
補正値i+1=PCRパケットKi+1が検出されたときのLPF82の出力(=PCR値Wi+1とPCR値Ei+1の比較値×α)×(カウント値Ri+1−カウント値Ri)
【0198】
次に、下記の式に基づいて、新たなオフセット値Oが算出される。
補正値i+1=オフセット値O+補正値i
【0199】
PCR書換部79は、算出した新たなオフセット値Oを、メモリ80に先に記憶されているオフセット値Oに代えて記憶させ、オフセット値Oを更新する。
【0200】
その後、処理は、ステップS93に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0201】
図32は、受信装置22の他の構成例を示している。この受信装置には、図16のPCR書換部79乃至LPF82に代えて、PCR書換部101乃至PCR比較部103が設けられている。
【0202】
PCRパケット検出部78は、PCR書換部76からのトランスポートストリームのPCRパケット(PCR値W)を検出し、その旨を示すPCRパケット検出信号を、入力されたトランスポートストリームとともにPCR書換部101に出力する。PCRパケット検出部78はまた、検出したPCRパケット(PCR値W)を、PCR比較部103に出力する。
【0203】
PCR書換部101は、VCXO83からの27MHzのクロックを24時間単位でカウントするカウンタ101Aを有している。
【0204】
PCR書換部101は、PCRパケット検出部78からのPCRパケットのPCR値Wと、先に算出したPCR値Yとの比較結果に応じた値、およびPCRパケットが検出されたときのカウンタ101Aのカウント値Rに基づいて、新たなPCR値Yを算出し、PCRの書換を行う。
【0205】
PCR書換部101は、PCR比較部103からの入力(PCR値WとPCR値Yの比較値)に基づいて、PCR値Yを算出する上で必要なオフセット値Oを補正する。
【0206】
PCR書換部101は、算出したPCR値Yに書き換えられたPCRパケットをPCR比較部103に出力するとともに、PCR値Yに書き換えられたPCRパケットを含むトランスポートストリームを、スイッチ84に出力する。
【0207】
メモリ102は、PCR書換部101から供給される、PCR値Yを算出する上において必要なデータ(傾きL、オフセット値O、カウント値R)を適宜記憶する。PCR書換部101によるPCR書換処理は、PID毎(例えば、プログラム毎)に行われるので、メモリ102は、PCR書換部101から供給されるデータをPID毎に記憶する。
【0208】
PCR比較部103は、PCRパケット検出部78からのPCRパケットのPCR値Wと、PCR書換部101からのPCRパケットのPCR値Yを比較し、図33に示すような、その比較結果に応じた比較値をPCR書換部101に出力する。
【0209】
次に、PCR書換部101の動作を、図34のフローチャートを参照して説明する。
【0210】
ステップS101において、PCR書換部101は、PCRパケット検出部78により検出された連続するn(この例の場合、n=8)個のPCRパケットK1乃至PCRパケットK8のPCR値W1乃至W8と、PCRパケットK1乃至PCRパケットK8が検出されたときのカウンタ101Aのカウント値R1乃至R8に基づいて、式(2)を演算し、傾きLを算出する。この処理は、PCR書換部79におけるステップS81(図23)の処理に相当する。
【0211】
次に、ステップS102において、PCR書換部101は、PCRパケット検出部78により続いて検出された連続するn(=8)個のPCRパケットKi(i=9,10,・・・16)のPCR値Wi、および傾きLを有する直線を利用して、式(3)を演算し、オフセット値Oを算出する。ここでの処理は、PCR書換部79におけるステップS82の処理に相当する。
【0212】
次に、ステップS103において、PCR書換部101は、補正値iを算出する。具体的には、PCR書換部101は、はじめに、先に求めたPCR値Yi-1とPCR値Wi-1を比較し、図33に示したような、その比較結果に応じた比較値を取得する。
【0213】
次に、PCR書換部101は、下記の式を演算し、補正値iを算出する。
補正値i=PCR値Yi-1とPCR値Wi-1の比較値×α×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0214】
ステップS104において、PCR書換部101は、下記の式を演算して、PCRパケットKi(i=17,18,・・・)のPCR値Wiと書き換えられるPCR値Yiを算出する。
PCR値Yi=傾きL×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)+PCR値Wi+オフセット値O+補正値i(ステップS103で算出されたもの)
【0215】
次に、ステップS105において、PCR書換部101は、PCRパケットのPCR値Wiを、ステップS104で算出したPCR値Yiに置き換える。
【0216】
ステップS106において、PCR書換部101は、下記の式を演算して得られた値を、新たな傾きLとする。
新たな傾きL=(PCR値Yi−PCR値Wi-1)/(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0217】
PCR書換部101は、算出した新たな傾きLを、メモリ102に先に記憶されている傾きLに代えて記憶させ、傾きLを更新する。
【0218】
次に、ステップS107において、PCR書換部101は、新たなオフセット値Oを算出する。具体的には、はじめに、下記の式に基づいて補正値i+1が算出される。
補正値i+1=PCR値YiとPCR値Wiの比較値×α×(カウント値Ri+1−カウント値Ri)
【0219】
次に、PCR書換部101は、下記の式に基づいて、仮のオフセット値Oを算出する。
補正値i+1=仮のオフセット値O+補正値i
【0220】
そしてPCR書換部101は、算出した仮のオフセット値Oに、PCR比較部103からの比較値(図33)を加算し、その結果得られた値を新しいオフセット値Oとする。
【0221】
PCR書換部101は、算出した新たなオフセット値Oを、メモリ102に先に記憶されているオフセット値Oに代えて記憶させ、オフセット値Oを更新する。
【0222】
このように、PCR値YとPCR値Wの比較結果に基づいて、オフセット値Oを補正するようにしたので、PCR値YとPCR値Wとの差が、1以上になったとき、次に算出されるPCR値Yは、PCR値Wとの差が1未満になるように算出される。
【0223】
例えば、図35には、PCR値W17乃至PCR値W24が書き込まれているPCRパケットK17乃至PCRパケット24と、PCR値Y17乃至PCR値Y24が書き込まれているPCRパケットK17乃至PCRパケット24が示されている。この例の場合、カウント値R19のときのPCR値W19とPCR値Y19との差が1以上あるので、図中×で示されるような、オフセット値Oの補正がなされたかった場合にPCR値Yとして算出される値より1だけ小さいPCR値Y20が算出される。
【0224】
その後、処理は、ステップS103に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0225】
なお、この例の場合、PCR比較部103の比較結果をPCR書換部101に供給し、そこで算出されるオフセット値Oを補正するようにしたが、PCR書換部76に供給し、そこで算出されるオフセット値Oを補正することもできる。
【0226】
図36は、本発明を適用した受信装置22の他の構成例を示している。
【0227】
この受信装置には、図29の受信装置22に、図32の受信装置22のPCR書換部101乃至PCR比較部103がさらに設けられている。すなわち、この受信装置は、図29および図32の受信装置22を組み合わせたものである。
【0228】
スイッチ84は、PCR書換部76からのトランスポートストリーム、またはPCR書換部79からのトランスポートストリームのいずれか一方を選択するようになされている。
【0229】
PCR書換部79は、図29における場合と同様に、PCRパケット検出部78からのPCRパケットのPCR値W、LPF82を介して入力されるPCR比較部81の比較値(PCR値EとPCR値Wの比較値)、およびカウンタ79Aのカウント値に基づいて、新たなPCR値Xを算出し、PCRの書き換えを行う。
【0230】
PCR書換部79は、この例の場合、PCR値Xに書き換えられたPCRパケットをPCR比較部103に出力するとともに、PCR値Xに書き換えられたPCRパケットを含むトランスポートストリームを、スイッチ84に出力する。
【0231】
PCR比較部103は、PCR書換部101からのPCRパケットのPCR値YとPCR書換部79からのPCRパケットのPCR値Xを比較し、図37に示すような、その比較結果に応じた比較値を、PCR書換部101の他、PCR書換部76にも出力する。
【0232】
PCR書換部76は、オフセット値Oを更新する際(図13のステップS30)、オフセット値OにステップS27で算出された位相差情報を加算するとともに、PCR比較部103からの比較値をさらに加算し、その結果得られた値を新たなオフセット値Oとする。算出されたオフセット値Oは、同様にメモリ77に上書きされる。
【0233】
ここまでが、図8の受信装置22の説明である。
【0234】
図38は、本発明を適用したデータ伝送システムの他の構成例を表している。このデータ伝送システムには、図1のデータ伝送システムのマルチプレクサ2に代えて、マルチプレクサ201が設けられている。他の部分は、図1における場合と同様である。
【0235】
図39は、マルチプレクサ201の、本発明に関連する部分の構成例を示している。
【0236】
4個のタイムスタンプ付加部211−1乃至211−4(以下、個々に区別する必要がない場合、単に、タイムスタンプ付加部211と称する)は、パケット化された、それぞれ対応するエンコーダ1−1乃至1−4からのデータのうちのPCRパケットに対し、PCRパケットの入力タイミングに応じたVCXO217のクロック(以下、基準クロックと称する)のカウント値をタイムスタンプとして付加する。タイムスタンプ付加部211は、タイムスタンプを、図40に示すように、トランスポートパケット(PCRパケット)の前方に付加することもできし、またその後方に付加することもできる。
【0237】
タイムスタンプ付加部211は、タイムスタンプが付加されたPCRパケットを含むトランスポートストリームを、対応するFIFO212に出力する。
【0238】
4個のFIFO212−1乃至212−4は、それぞれ対応するタイムスタンプ付加部211−1乃至211−4からの、タイムスタンプが付加されたPCRパケットを含むトランスポートパケットを一時的に記憶し、スイッチ213の基準クロックに基づく先入れ先出しの順の読み出しに応じて、記憶しているトランスポートパケットを、スイッチ213を介してPCRコレクション214に出力する。
【0239】
PCRコレクション214は、下記の式を演算して得られた値をPCR値VとしてPCRパケットに書き込む。
PCR値V=タイムスタンプ+カウント値Rb−カウント値Ra−値M
【0240】
式中、カウント値Raは、PCRパケットがタイムスタンプ付加部211に到着したときの基準クロックのカウント値Rであり、カウント値Rbは、多重化が終了したときの(PCRコレクション214に到達したときの)基準クロックのカウント値Rである。値Mは、予め算出されたスイッチ213の動作による多重化処理に要する時間を表す基準クロックのクロック数である。
【0241】
すなわち、(カウント値Rb−カウント値Ra−値M)は、システムクロックSeと、多重化処理におけるクロック(基準クロック)との位相差である。
【0242】
PCR補正部215は、PCRコレクション214からのPCRパケットのPCR値V、およびVCXO217の基準クロックのカウント値Rに基づいて、PCR値Vと書き換えられる新たなPCR値Zを算出する。
【0243】
VCXO217は、放送局内におけるハウスシンク(基準信号)等にPLLでロックされており、その原子発振器と同等の精度の27MHzのクロック(基準クロック)を発生する。
【0244】
次に、PCR書換部215の動作を、図41のフローチャートを参照して説明する。
【0245】
ステップS111において、PCR書換部215は、PCRコレクション214からの連続するn(この例の場合、n=8)個のPCRパケットK101乃至PCRパケットK108のPCR値V101乃至V108と、PCRパケットK101乃至K108が検出されたときの基準クロックのカウント値R101乃至R108に基づいて、下記の式を演算し、傾きLを算出する。
【数3】
【0246】
例えば、縦軸にPCR値を、横軸にカウント値Rを取ってPCRパケットK101乃至K108を示した図42の例では、傾きLは、横軸に対するPCRパケットKiとPCRパケットKi+1を結ぶ直線の傾きそれぞれの平均値である。換言すれば、基準クロックが、カウント値Riからカウント値Ri+1にカウントされる間に生じる、基準クロックに対するPCR値のずれの平均を表している。
【0247】
なお、PCR値Vは、タイムスタンプを利用して算出されているので、図42に示すように、図中、原点を通る直線で示される、PCR値のずれがない場合のPCRパケットの軌跡から大きくは離れていない。
【0248】
次に、ステップS112において、PCR書換部215は、続いて入力された連続するn(=8)個のPCR値Ki(i=109,110,・・・116)のPCR値Vi、および傾きLを有する直線を利用してオフセット値Oを算出する。具体的には、下記の式が演算される。
【数4】
【0249】
式中、値Diは、図43に示すように、PCRパケットK109を通り傾きLの直線上の、PCRパケットKiが検出されたときの基準クロックのカウント値Riに対応する値である。
【0250】
すなわち、オフセット値Oは、図中、垂直方向の矢印で表される、値D109−PCR値V109、値D110−PCR値V110、値D111−PCR値V111、値D112−PCR値V112、値D113−PCR値V113、値D114−PCR値V114、値D115−PCR値V115、および値D116−PCR値V116の平均値である。
【0251】
次に、ステップS113において、PCR書換部215は、はじめに、PCR値Vi-1から、先に求めたPCR値Zi-1を減算したときの絶対値が、所定の値Ltより大きいか否かを判定し、大きくないと判定した場合、ステップS114に進む。
【0252】
ステップS114において、PCR書換部215は、下記の式を演算し、補正値iを算出する。
補正値i=PCR値Zi-1とPCR値Vi-1の比較値×α×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0253】
式中、「比較値」は、図44に示したような、PCR値ZとPCR値Vの比較結果に応じた値である。またαは、MPEG規格(H.222.0)である0.0075Hz/Sに対応した1クロック当たりのずれである2.78E−9(=0.0075/27)以下の値である。
【0254】
ステップS115において、PCR書換部215は、下記の式を演算して、PCRパケットKi(i=117,118,・・・)のPCR値Viと書き換えられるPCR値Ziを算出する。 PCR値Zi=傾きL×(カウント値Ri−カウント値Ri-1)+PCR値Vi+オフセット値O+補正値i(ステップS114で算出された補正値)
【0255】
次に、ステップS116において、PCR書換部215は、PCRパケットのPCR値Viを、ステップS115で算出したPCR値Ziに書き換える。
【0256】
PCR書換部215は、PCR値Zに書き換えたPCRパケットを含むトランスポートストリームをスイッチ217に出力する。
【0257】
ステップS117において、PCR書換部215は、下記の式を演算して得られた値を、新たな傾きLとする。
新たな傾きL=(PCR値Zi−PCR値Vi-1)/(カウント値Ri−カウント値Ri-1)
【0258】
PCR書換部215は、算出した新たな傾きLを、メモリ216に先に記憶されている傾きLに代えて記憶させ、傾きLを更新する。
【0259】
次に、ステップS118おいて、PCR書換部215は、新たなオフセット値Oを算出する。具体的には、はじめに、下記の式に基づいて補正値i+1が算出される。
補正値i+1=PCR値ZiとPCR値Viの比較値×α×(カウント値Ri+1−カウント値Ri)
【0260】
次に、下記の式に基づいて、新たなオフセット値Oが算出される。
補正値i+1=オフセット値O+補正値i
【0261】
PCR書換部215は、算出した新たなオフセット値Oを、メモリ216に先に記憶されているオフセット値Oに代えて記憶させ、オフセット値Oを更新する。
【0262】
その後、処理は、ステップS113に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0263】
図45は、マルチプレクサ201の他の構成例を示している。このマルチプレクサ201には、図39のマルチプレクサ201に、検出部221およびメモリ222がさらに設けられている。
【0264】
例えば、エンコーダ1がリスタートされた場合や繋ぎ換えられた場合、PCR値Vが不連続になる場合がある。この場合、上述した図41のステップS117で傾きLを、そしてステップS118でオフセット値Oを、PCR値Vが不連続になったPCRパケットに基づいて更新すると、適切なPCR値Zを得ることができなくなる。そこで、検出部221は、PCR値Vの不連続性を検出し、不連続であることを検出した場合、PCR書換部215にその旨を通知する。
【0265】
そしてPCR書換部215は、基本的に、図41で示した処理を実行している際に、検出部221から、PCR値Vが不連続でる旨の通知を受けると、ステップS111の処理に戻り、傾きLの算出の処理から実行するようになされている。
【0266】
検出部221は、基準クロックを24時間単位でカウントするカウンタ221Aと、基準クロックを所定時間(例えば、0.12秒)単位でカウントするカウンタ221Bを有している。
【0267】
検出部221の動作を、図46のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは1つのPIDについて行われる不連続検出処理を説明するが、実際は、PID毎に、同様の処理が行われる。
【0268】
ステップS131において、検出部221は、PCRコレクション214からパケットが入力されると、ステップS132において、基準値Aとオフセット値Oを算出する。
【0269】
図47Aに示すように、PCRパケットKnが入力された場合を例として具体的に説明すると、検出部221は、はじめにPCRパケットKnのPCR値Vnを取得し、それを、図47Bに示すように、基準値Bとする。
【0270】
検出部221はまた、PCRパケットKnが検出されたときのカウンタ221Aのカウント値Rnを基準値Aとし、基準値Bとともに、下記の式を演算して、オフセット値O(図47A)を算出する。
基準値B=基準値A+オフセット値O
【0271】
なお、検出部221は、図47Bに示すように、カウンタ221Aのカウント値Rが、基準値Bと同じ値になるタイミングで、図47Cに示すように、カウンタ221Bのカウント値Rをリセットする。
【0272】
ステップS133において、検出部221は、ステップS132で算出した基準値Aおよびオフセット値Oのそれぞれを、ここで処理されるプログラムのPIDに対応させてメモリ222に記憶させる。
【0273】
次に、ステップS134において、検出部221は、次のPCRパケットが検出されるまで待機し、PCRパケットが検出されたとき、ステップS135に進む。
【0274】
ステップS135において、検出部221は、ステップS134で検出されたPCRパケットが、カウンタ221Aのカウント値が基準値Bとなるタイミングでリセットされたカウンタ221Bのカウント値が3240000となる前に検出されたものであるか否かを判定し、そうであると判定した場合、ステップS134に戻る。
【0275】
図47の例の場合、PCRパケットKn+1は、カウンタ221Aのカウント値が基準値B(PCR値Vnと同じ値)となるタイミングでリセットされたカウンタ221Bのカウント値が再び3240000になる前に検出されるので、PCRパケットKn+1が検出されたとき、ステップS134に戻る。
【0276】
ステップS135で、ステップS134で検出されたPCRパケットが、カウンタ221Aのカウント値が基準値Bとなるタイミングでリセットされたカウンタ221Bのカウント値が再び3240000になる前に検出されたものではないと判定された場合、ステップS136に進む。
【0277】
図47の例の場合、PCRパケットKn+2は、カウンタ221Aのカウント値が基準値B(PCR値Vnと同じ値)となるタイミングでリセットされたカウンタ221Bのカウント値が3240000となる前に検出されるものではないので(カウンタ221Bのカウント値が3240000となって、そしてリセットされた後、検出されたものであるので)、PCRパケットKn+2が検出されたとき、ステップS136に進む。
【0278】
ステップS136において、検出部221は、不連続値を算出する。
【0279】
具体的には、検出部221は、PCRパケットKn+2が検出されたときのカウンタ221Aのカウント値Rn+2およびPCRパケットKn+2のPCR値Vn+2を取得する。
【0280】
そして検出部221は、カウント値Rn+2を「基準クロックのPCR値」とし、PCR値Vn+2を「多重化後のPCR値」として下記の式を演算し、不連続値を算出する。
【0281】
不連続値=[[{(多重化後によるPCR値−基準値B)−(基準クロックのPCR値−基準値A)}×3240000]÷(基準クロックのPCR値−基準値A)]
【0282】
不連続値は、その値が大きければ大きいほど、PCR値Vが不連続であることを表している。そこで、ステップS137において、検出部221は、ステップS136で算出された不連続値の絶対値が、所定の値Lpより大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合(PCR値Vが不連続である場合)、ステップS138に進み、その旨を、PCR書換部215に通知する。その後、ステップS134に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0283】
PCR値Vが不連続である旨の通知を検出部221から受けると、PCR書換部215は、図41の処理においてステップS111に戻り、それ以降の処理を実行する。
【0284】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実現させることもできるが、ソフトウエアにより実現させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実現する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムがコンピュータにインストールされ、そのプログラムがコンピュータで実行されることより、上述した受信装置22が機能的に実現される。
【0285】
図48は、上述のような受信装置22として機能するコンピュータ501の一実施の形態の構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)511にはバス515を介して入出力インタフェース516が接続されており、CPU511は、入出力インタフェース516を介して、ユーザから、キーボード、マウスなどよりなる入力部518から指令が入力されると、例えば、ROM(Read Only Memory)512、ハードディスク514、またはドライブ520に装着される磁気ディスク531、光ディスク532、光磁気ディスク533、若しくは半導体メモリ534などの記録媒体に格納されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)513にロードして実行する。これにより、上述した各種の処理が行われる。さらに、CPU511は、その処理結果を、例えば、入出力インタフェース516を介して、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる出力部517に必要に応じて出力する。なお、プログラムは、ハードディスク514やROM512に予め記憶しておき、コンピュータ501と一体的にユーザに提供したり、磁気ディスク531、光ディスク532、光磁気ディスク533,半導体メモリ534等のパッケージメディアとして提供したり、衛星、ネットワーク等から通信部519を介してハードディスク514に提供することができる。
【0286】
なお、本明細書において、記録媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0287】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0288】
【発明の効果】
本発明によれば、第1のタイムスタンプに対応した第3のタイムスタンプを算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデータ伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】 PCRを説明する図である。
【図3】 PIDを説明する図である。
【図4】エンコード側とデコード側のシステムクロックを説明する図である。
【図5】従来のデータ伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図6】複数のマルチプレクサの接続例を示す図である。
【図7】複数のマルチプレクサの動作を説明する図である。
【図8】本発明を適用したデータ伝送システムの構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9のPLL回路の位相比較器の構成例を示すブロック図である。
【図11】図9の同期部の同期確立処理を説明するフローチャートである。
【図12】図9の同期部の状態遷移図である。
【図13】図9の同期情報処理部の同期情報作成処理を説明するフローチャートである。
【図14】同期情報作成処理を説明するタイミングチャートである。
【図15】同期情報を説明する図である。
【図16】図8の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図17】図16のアダプティブクロック部の構成例を示すブロック図である。
【図18】比較値を説明する図である。
【図19】図16のPCR書換部のPCR書換処理を説明するフローチャートである。
【図20】図19のステップS41の処理を説明するフローチャートである。
【図21】ΔEを説明する図である。
【図22】オフセット値を説明する図である。
【図23】 PCR書換処理を説明するタイミングチャートである。
【図24】図16のPCR書換部のPCR書換処理を説明するフローチャートである。
【図25】図24のステップS81の処理を説明する図である。
【図26】図24のステップS82の処理を説明する図である。
【図27】図24のステップS84の処理を説明する図である。
【図28】図24のステップS84の処理を説明する他の図である。
【図29】図8の受信装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図30】他の比較値を説明する図である。
【図31】図29のPCR書換部のPCR書換処理を説明するフローチャートである。
【図32】図8の受信装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図33】他の比較値を説明する図である。
【図34】図32のPCR書換部のPCR書換処理を説明するフローチャートである。
【図35】図34のステップS107の処理を説明する図である。
【図36】図8の受信装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図37】他の比較値を説明する図である。
【図38】本発明を適用したデータ伝送システムの他の構成例を示すブロック図である。
【図39】図38のマルチプレクサの構成例を示すブロック図である。
【図40】タイムスタンプを説明する図である。
【図41】図39のPCR書換部のPCR書換処理を説明するフローチャートである。
【図42】図41のステップS111の処理を説明する図である。
【図43】図41のステップS112の処理を説明する図である。
【図44】他の比較値を説明する図である。
【図45】図38のマルチプレクサの他の構成例を示すブロック図である。
【図46】図45の検出部の不連続検出処理を説明するフローチャートである。
【図47】不連続検出処理を説明するタイミングチャートである。
【図48】コンピュータ501の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
22 受信装置, 71 ATM/MPEG変換部, 72 PLL回路, 73 アダプティブクロック部, 74 同期部, 75 PCRパケット検出部, 76 PCR書換部, 77 メモリ, 78 PCRパケット検出部, 79 PCR書換部,80 メモリ, 81 PCR比較部, 82 LPF, 83 VCXO, 84 スイッチ, 101 PCR書換部, 102 メモリ, 103 PCR比較部, 201 マルチプレクサ, 211 タイムスタンプ, 212 FIFO, 213スイッチ, 214 PCRコレクション, 215 PCR書換部, 216 メモリ, 217 スイッチ, 221 検出部, 222 メモリ
Claims (9)
- 第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および前記第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づいて、第2のタイムスタンプを算出する第1の算出手段と、
前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと前記第2のタイムスタンプのずれを、前記第2のタイムスタンプから取り除いて、第3のタイムスタンプを算出する第2の算出手段と、
前記処理データに書き込まれた前記第1のタイムスタンプを、前記第3のタイムスタンプに書き換える書き換え手段と
を備えることを特徴とする通信装置。 - 送信装置から、前記送信装置が接続する第1のネットワークと、前記第1のネットワークが接続する第2のネットワークを介して送信されてきた前記処理データを受信する受信手段をさらに備え、
前記第1のクロックは、前記第1のネットワークのネットワーククロックと同期するクロックであり、
前記第2のクロックは、前記第2のネットワークのネットワーククロックと同期するクロックである
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記第2の算出手段は、前記第3のタイムスタンプと前記第1のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、前記基準クロックと前記第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた前記第2のタイムスタンプに加算して、次の前記第3のタイムスタンプを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記第2の算出手段は、前記第1のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、前記基準クロックと前記第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた前記第2のタイムスタンプに加算して、次の前記第3のタイムスタンプを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記第2の算出手段は、前記第3のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、前記基準クロックと前記第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた前記第2のタイムスタンプに加算して、次に前記第3のタイムスタンプを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記第1の算出手段は、前記第3のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、前記第1のタイムスタンプのクロックと前記第1のクロックとのずれが取り除かれた前記第1のタイムスタンプに加算して、次の前記第2のタイムスタンプを算出し、
前記第2の算出手段は、前記第1のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの比較結果に基づく補正値を、前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、前記基準クロックと前記第2のタイムスタンプとのずれが取り除かれた前記第2のタイムスタンプに加算して、次の前記第3のタイムスタンプを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記処理データの多重化処理を制御する多重化制御手段をさらに備え、
前記第1のクロックは、前記多重化制御手段による前記多重化処理のタイミングを表すクロックであり、
前記第2のクロックは、VCXOが出力するクロックであり、
前記第1の算出手段は、前記多重化処理の時間に対応する前記第1のクロックのクロック数と、予め算出された前記多重化処理の平均時間に対応する前記第1のタイムスタンプのクロック数の差に基づいて前記位相差を算出し、算出した前記位相差と、前記処理データが入力されるタイミングでカウントされた前記第2のクロックのカウント値に基づいて、前記第2のタイムスタンプを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および前記第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づいて、第2のタイムスタンプを算出する第1の算出ステップと、
前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと前記第2のタイムスタンプのずれを、前記第2のタイムスタンプから取り除いて、第3のタイムスタンプを算出する第2の算出ステップと、
前記処理データに書き込まれた前記第1のタイムスタンプを、前記第3のタイムスタンプに書き換える書き換えステップと
を含むことを特徴とする通信方法。 - 第1のタイムスタンプのクロックと所定の第1のクロックとの、所定時間に発生する位相差、および前記第1のタイムスタンプが書き込まれた処理データが入力されるタイミングでカウントされた所定の第2のクロックのカウント値に基づく、第2のタイムスタンプの算出を制御する第1の算出制御ステップと、
前記処理データが入力されるまでの時間に発生する、基準クロックと前記第2のタイムスタンプのずれを、前記第2のタイムスタンプから取り除くことによる、第3のタイムスタンプの算出を制御する第2の算出制御ステップと、
前記処理データに書き込まれた前記第1のタイムスタンプの、前記第3のタイムスタンプへの書き換えを制御する書き換え制御ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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