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JP3932223B2 - 水性ボールペン - Google Patents

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JP3932223B2
JP3932223B2 JP08036598A JP8036598A JP3932223B2 JP 3932223 B2 JP3932223 B2 JP 3932223B2 JP 08036598 A JP08036598 A JP 08036598A JP 8036598 A JP8036598 A JP 8036598A JP 3932223 B2 JP3932223 B2 JP 3932223B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は顔料分として酸化チタンを含有する水性ボールペン用インキ組成物を充填した水性ボールペンに関するもので、特に写真や暗色紙等に直接鮮明な筆記が出来る高隠蔽性タイプの水性ボールペンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、水性ボールペン用インキ組成物においては多色化の要望が高く、特に、写真の上に直接筆記が可能であることや、暗色紙に直接筆記しても筆跡が視認できるという点から白色・パステル色といったいわゆる不透明インキが求められていた。
従来、この要求を満たすために、顔料分として隠蔽白色顔料である酸化チタンを使用したインキが、特開平6−287499号公報、特開平7−216283号公報、特開平7−150083号公報、特開平8−231916号公報、特開平8−12916号公報、特開平8−113752号公報、特開平8−143807号公報、特開平8−325503号公報、特開平9−156281号公報、特開平1−174576号公報等に提案されている。
【0003】
一方、酸化チタンは比重が重く、インキを放置すると酸化チタンが沈降しやすい性質があるから、その酸化チタンの沈降安定性を改良する目的で、特開平9−221617号公報や特開平8−48930号公報といった白色プラスチックピグメントを使用したインキが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来から、隠蔽性を有する着色剤として酸化チタンを使用するインキ組成物が提案されている。直接、暗色紙や写真の上に筆記した際においても、はっきりとした筆跡を得るためには酸化チタンを高濃度で配合する必要がある。しかしながら、そのようなインキ組成物を筆記具、特にボールペンにした場合、筆記先端を開放したまま放置したときの先端乾燥による先端部でのインキ詰まりが発生しやすく筆記不良になる、いわゆるキャップオフ性に問題を抱えていた。
【0005】
またプラスチックピグメントを使用し、沈降安定性を改良した種のインキ組成物は、インキ中のプラスチックピグメントは酸化チタンに比較して沈降安定性は改良されるものの、隠蔽性が劣り、暗色紙等の上で十分な筆跡視認性を得る事が出来なかった。このために筆跡の隠蔽性とキャップオフでの先端乾燥防止性能を両立させる事に課題が生じていた。本発明の目的は、まさにこの課題を解決することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分の関係を重量比で一定の比率にしたときに極めて良好な結果が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.顔料と沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と水を含む水性ボールペン用インキであって、顔料分として少なくとも酸化チタンを含有し、上記沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分の重量比が1:1 . 6から1:4 . 0の範囲にあることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物をインキ収容管に充填し、ボールペンチップのボールとボール受け座とのクリアランスを40μmから60μmの範囲にしたことを特徴とする水性ボールペン。
2.沸点200℃以上の水溶性有機溶剤がグリセリンである、第1項に記載の水性ボールペン。
3.顔料分としてさらに白色中空微粒子および/または着色蛍光微粒子を配合した、第1項または第2項のいずれかに記載の水性ボールペン。
4.顔料を前記インキ組成物中に25重量%以上配合した、第1項ないし第3項のいずれかにに記載の水性ボールペン。
5.前記インキ組成物中に擬塑性付与剤を配合した、第1項ないし第4項のいずれかに記載の水性ボールペン。」である。
【0007】
本発明の水性ボールペン用インキ組成物は、少なくとも酸化チタンを含む顔料分と沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と水とを含有し、沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分とを特定の重量比とすることによって、暗色紙等の上にも十分な筆跡視認性を保ちながら、先端乾燥によるインキ詰まりが発生しないボールペンを得ることができるものである。
【0008】
以下本発明の水性ボールペン用インキ組成物および水性ボールペンについて詳細に説明する。
本発明で使用する顔料としては、隠蔽性がある着色剤が好ましく、ルチル型・アナターゼ型等の各種酸化チタンを配合することが必須である。酸化チタンの市販のものとしては、タイトーンSR−1、同R−650、同R−3L、同A−110、同A−150、同R−5N、同R−7E(以上、堺化学工業(株)社製)、タイペークR−580、同R−550、同R−780、同R−780−2,同R−930、同A−100、同A−220、同CR−58(以上、石原産業(株)社製)、クロノスKR−310、同KR−380、同KR−480、同KA−10、同KA−20、同KA−30(以上、チタン工業(株)社製)、タイピュアーR−900、同R−931、同R−960、同R−960VHG(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)、チタニックスJR−300、同JR−600A、同JR−603、同JR−701、同JR−800、同JR−801、同JR−805(以上、テイカ(株)社製)などが挙げられる。
【0009】
また、LIOFAST WHITE H201、EM WHITE H、EMWHITE FX9048(以上、東洋インキ(株)社製)、ポルックスホワイトPC−CR(住友カラー(株)社製)、FUJISP WHITE 11、同1011、同1036、同1051(以上、富士色素(株)社製)といった市販の酸化チタン水性分散体を使用すれば、生産面での分散工程の省略ができ、簡便にインキ化できるので、好ましい。
【0010】
また、本発明の顔料として、カーボンブラック、べんがらなどの無機系顔料やフタロシアニン系顔料、各種不溶性アゾ顔料、レーキ顔料などの有機顔料を酸化チタンと併用して使用することもできる。これらの顔料を適宜配合し、酸化チタンと併用することで、所望のパステル色を得ることができるものである。
【0011】
さらに、白色中空微粒子や着色蛍光微粒子などのいわゆるプラスチックピグメントについても好適に使用でき、市販品としては、MH5055、MH5055A(以上、日本ゼオン(株)社製)、SX863(A)、SX864(B)、AE865(以上、日本合成ゴム(株)社製)、ロイペークOP−62、同OP−84J、同OP−91、HP1055(以上、ローム アンドハース ジャパン(株)社製)などの中空微粒子分散体やルミコールNKW2101(レッドオレンジ色調、以下同じ)、同2102(グリーン)、同2103(レッド)、同2104(オレンジ)、同2105(イエロー)、同2106(イエローオレンジ)、同2107(セリーズピンク)、同2117(ピンク)、同2127(ローズ)、同2137(ルビン)、同2167(バイオレット)、同2108(ブルー)以上、日本蛍光(株)社製)、SW−11(レッドオレンジ)、SW−12(グリーン)、SW−13(レッド)、SW−14(オレンジ)、SW−15(レモンイエロー)、SW−16(オレンジイエロー)、SW−17(ピンク)、SW−27(ローズ)、SW−37(ルビン)、SW−47(バイオレット)、SW−18(ブルー)(以上、シンロイヒ(株)社製)などの蛍光微粒子分散体が挙げられる。
【0012】
本発明において十分な筆跡隠蔽性をもたらすために、酸化チタンを加えた顔料分がインキ中に重量比で25%以上、さらに好ましくは27〜40%添加されている事が好ましい。
【0013】
本発明に使用する水溶性有機溶剤は、ボールペンチップの先端での水分蒸発を押さえる目的で添加され、本発明ではグリセリン、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の沸点200℃以上のものが好適に使用される。一般的に水性ボールペン用として使用されるグリコールやグリコールエーテル等の有機溶剤が使えるが、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ジエチルカービトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の沸点が200℃未満のものは常温での蒸気圧が高く、水分と共に蒸発してしまうため、好ましくない。また、尿素やその誘導体なども単独では保湿性が十分ではないが、上記水溶性有機溶剤と組み合わせて使用する事により、不揮発性で水分蒸発を押さえる保湿剤として使用できる。
【0014】
水溶性有機溶剤と顔料分とが特定の比率にあるときに良好な結果が出るかについて、必ずしも理論的には明らかではないが、以下のように推定される。酸化チタンの隠蔽性を最大限に発揮するためには、ルチル型の酸化チタンで、顔料の粒径が0.2〜0.3μm程度が良い。顔料粒径がこれ以上大きいと全体としての顔料表面積が低下して十分な着色力が出せず、顔料粒径がこれより小さいと光の散乱が十分でなくなり、結果として隠蔽性が低下してしまうと考えられる。
【0015】
ところで、水溶性有機溶剤を配合したインキでは、筆記後のインキは紙上において顔料と顔料の間に、ある程度の溶剤分が残っていると考えられる。特に沸点が200℃以上の有機溶剤の場合一般に蒸気圧も低いため、これらを使用したインキで常温筆記すると、筆記後の紙上でほとんど乾燥しない。このために水溶性有機溶剤と酸化チタンを含む顔料分との重量比が1:1.6未満の場合、紙上において筆記後のインキ中の顔料と顔料の間に水溶性有機溶剤が存在する形になり、いわゆる光学的隙間が発生し、隠蔽性が低下するので、好ましくない。
【0016】
逆に、水溶性有機溶剤の量を低下させていくと、筆記後の紙上でのインキの顔料間の隙間が減るために隠蔽性は向上するので好ましい。ところが、沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と酸化チタンを含む顔料分との重量比が1:4.0を越えると、隠蔽性は良好であるが、保湿性が不十分になる傾向があり、筆記先端を開放したまま放置したとき、ボールペンチップ先端部での水分蒸発にともない、顔料分が乾燥固化して筆記不良を発生してしまうと考えられ、好ましくない。
【0017】
水溶性有機溶剤と顔料分との重量比は、さらに好ましくは1:2.5から1:4.0の間であると、好ましい結果を得ることができる。
【0018】
また、水溶性有機溶剤が沸点200℃未満の有機溶剤の場合、一般に常温での蒸気圧が高いため、水分蒸発と共に蒸発してしまい、筆跡の隠蔽性としては良好であるが、チップ先端部での乾燥固化による筆記不良が悪化してしまうので、好ましくない。
【0019】
本発明の水性ボールペン用インキ組成物には擬塑性付与剤を添加して、中綿やペン芯等を使用しない、いわゆる水性直詰めボールペン用インキとして使用する事が出来る。擬塑性付与剤としては、無機系、天然高分子系、合成高分子系、高分子多糖類系などの擬塑性付与剤が使用できるが、筆跡面及び経時安定性面よりキサンタンガム、ウエランガム、ラムザンガム、ジェランガム、サクシノグリカンといった微生物発酵法によって製造されるバイオガムが特に好ましい。
【0020】
本発明の水性ボールペン用インキ組成物には、上記成分以外に、水性ボールペン用インキに用いられる種々の添加剤を必要に応じて適宜使用する事も出来る。例えばボール座の摩耗を防止するためにポリオキシエチレン燐酸エステルや脂肪酸の塩、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の潤滑剤や、各種防菌剤、防腐剤、インキの塗膜を紙面に定着させるために各種水溶性樹脂や水性エマルジョンなどのバインダー成分、各種アミンなどのpH調整剤、防錆剤等の成分が挙げられる。
【0021】
本発明の水性ボールペン用インキ組成物をインキ収容管に充填した水性ボールペンに使用するボールペンチップは、ボールとボールの受け座とのクリアランスが40μmから60μmの範囲にあることが望ましい。このクリアランスが40μm未満では、インキの吐出量が十分でなく良好な筆跡が得られない。特に暗色紙に筆記する場合には、筆跡の隠蔽性が不十分となるために鮮明な筆跡が得られないので、好ましくない。逆に、このクリアランスが60μmを越えるとボールとボール受け座とのクリアランスが大きくなりすぎて、ボールの移動距離が大きくなり、チップ先端開口部の面積が大きくなる傾向があるために、結果的に筆記時において、ボールとチップホルダーとの開口部が広くなり、チップ先端部での水分蒸発がより促進され、先端乾燥を起こしやすく、筆記不良につながるので、好ましくない。
【0022】
本発明の水性ボールペンのボールペンチップにおけるボールとボール受け座とのクリアランスについては、図1に示すように、ボールペンチップ1の先端をデジタルインジケーター2に接触させた状態にて、ボールペンチップ1後方から針3を挿入し、針3がボール4を押してデジタルインジケーター2のシャフト5を移動させることにより測定される。
図中、6は治具、7は針ガイド、8はデジタルインジケーターシャフトのガイドを示す。
【0023】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0024】
実施例1
イオン交換水28.0重量部、トリエタノールアミン(pH調整剤)0.5重量部、水溶性防菌剤(プロキセルXL−2:ゼネカ(株)社製、ベンズイソチアゾリン3オン10%プロピレングリコール水溶液)0.2重量部、防錆潤滑剤(プライサーフA208S:第一工業製薬(株)社製、ポリオキシエチレン燐酸エステル)1.0重量部をディスパーサーで回転数1000rpmにして60℃で加温しながら撹拌し溶解させた。引き続き撹拌しながら、擬塑性付与剤(メイポリ:三晶(株)社製、サクシノグリカン)0.3重量部を投入し、60℃のまま、回転数を3000rpmにして16時間撹拌、膨潤させてプリゲルを作製した。作製したプリゲルに、酸化チタン水分散体(EM WHITE FX 9048:東洋インキ(株)社製、顔料分67重量%)30.0重量部、グリセリン(水溶性有機溶剤:沸点290℃)10.0重量部、白色中空粒子プラスチックピグメント分散体(NIPPOL MH5055A:日本ゼオン(株)社製、白色中空粒子分散体、顔料分30重量%)30.0重量部を添加し、60℃で、更に30分間、ディスパーサーにて分散させた後、No.5A濾紙を用い、濾過を行って、水性ボールペン用白色インキ組成物を得た。
このインキ組成物を、紀州の色上質紙(黒、中厚)上に、線径0.6mmワイヤーバーで塗布し、マクベス反射濃度計RD915を用いて反射濃度を測定したところ、OD値は0.08であり、十分な白色度と隠蔽性が得られた。このインキの沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分の重量比は1:2.91であった。
【0025】
また、上記白色インキ組成物を、ボール径0.7mm、ボールとボール受け座とのクリアランスが50μmのステンレスボールペンチップを挿入した(株)パイロット社製、水性ボールペン「G−1」のインキ収容管に充填し、インキ収容管のボールペンチップとは逆側に、グリス状のインキフォロアーを充填した後、遠心脱泡を行い、白色直詰め水性ボールペンを得た。
このボールペンで紀州の色上質紙(黒、中厚)に筆記を行うと、くっきりとした白色の筆跡が得られた。また、このボールペンをキャップを外した状態で、シリカゲルを入れた乾燥デシケーター中にて2週間横置き放置後に、書き出し性能を確認したところ1文字以内に書き出すことができた。
【0026】
実施例2〜3、比較例7〜9
実施例1と同様の手順で、表1に沿って配合を行い、実施例2〜3、比較例7〜9の水性ボールペン用白色インキ組成物を得た。
【0027】
【表1】
Figure 0003932223
【0028】
注1 トリエタノールアミン
注2 プロキセルXL−2:ゼネカ(株)社製、ベンズイソチアゾリン3オン10%プロピレングリコール水溶液
注3 プライサーフA208S:第一工業製薬(株)社製、ポリオキシエチレン燐酸エステル
注4 メイポリ:三晶(株)社製、サクシノグリカン
注5 グリセリン:沸点290℃
注6 EM WHITE FX 9048:東洋インキ(株)社製、顔料分67重量%
注7 AE865:日本合成ゴム(株)社製、白色中空粒子プラスチックピグメント分散体、顔料分48重量%
注8 NIPPOL MH5055A:日本ゼオン(株)社製、白色中空粒子分散体、顔料分30重量%
注9 HP1055:ロームアンドハース(株)社製、白色中空粒子分散体、顔料分27.8重量%
注10 ASP−072:土屋カオリン(株)社製、微粒子状カオリン
注11 ASP−170:土屋カオリン(株)社製、微粒子状カオリン
【0029】
それぞれのインキ組成物を実施例1と同様にして、マクベス反射濃度計で、OD値測定を行った結果および実施例1と同じボールペンに詰めて試験を行った結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
Figure 0003932223
【0031】
筆跡視認性 ◎ 下地の色を完全に隠蔽し、くっきりとした白色の筆跡が得られた
○ 下地の色が若干透けて見えるが、実用上問題のない白色の筆跡が得られた
△ 筆跡は視認できるが下地の色が透けて見えるグレー色の筆跡が得られた
× 筆跡が視認できなかった。
キャップオフ書き出し性能
◎ 1文字以内に書き出せた
○ 1行以内に書き出せた
△ 3行以内に書き出せた
× 書き出せなかった
【0032】
実施例
イオン交換水28.0重量部、トリエタノールアミン(pH調整剤)0.5重量部、水溶性防菌剤(プロキセルXL−2:ゼネカ(株)社製、ベンズイソチアゾリン3オン10%プロピレングリコール水溶液)0.2重量部、防錆潤滑剤(プライサーフ A208S:第一工業製薬(株)社製、ポリオキシエチレン燐酸エステル)1.0重量部をディスパーサーで回転数1000rpmにして60℃で加温しながら撹拌し溶解させた。引き続き撹拌しながら、擬塑性付与剤(メイポリ:三晶(株)社製、サクシノグリカン)0.3重量部を投入した。60℃のまま、回転数を3000rpmにして16時間撹拌、膨潤させてプリゲルを作製した。作製したプリゲルに、酸化チタン水分散体(EM WHITE FX 9048:東洋インキ(株)社製、顔料分67重量%)40.0重量部、グリセリン(水溶性有機溶剤:沸点290℃)10.0重量部、桃色蛍光顔料分散体(NKW2117:日本蛍光(株)社製、顔料分52重量%)20.0重量部を添加し、60℃で、更に30分間、ディスパーザーにて分散させた後、No.5A濾紙を用い、濾過を行って、パステルピンク色の水性ボールペン用インキ組成物を得た。このインキ組成物の沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分の重量比は1:3.78であった。
【0033】
また、上記パステルピンク色インキ組成物をボール径0.7mm、ボールとボール受け座のクリアランスが50μmのステンレスボールペンチップを挿入した(株)パイロット社製、水性ボールペン「G−1」のインキ収容管に充填し、インキ収容管のボールペンチップとは逆側に、グリス状のインキフォロアーを充填した後、遠心脱泡を行い、パステルピンク色の直詰め水性ボールペンを得た。
このボールペンで紀州の色上質紙(黒、中厚)に筆記を行うと、鮮やかなパステルピンク色の筆跡が得られた。また、このボールペンをキャップを外した状態で、シリカゲルを入れた乾燥デシケーター中にて2週間横置き放置後に、書き出し性能を確認したところ1文字以内に書き出すことができた。
【0034】
実施例5〜10
実施例と同様の手順で表3に沿って配合を行い、実施例5〜10の各種パステル色インキ組成物を得た。
【0035】
【表3】
Figure 0003932223
【0036】
注12 NKW2117:日本蛍光(株)社製、桃色蛍光顔料分散体、
顔料分52重量%
注13 NKW2105:日本蛍光(株)社製、黄色蛍光顔料分散体
顔料分52重量%
注14 NKW2167:日本蛍光(株)社製、紫色蛍光顔料分散体
顔料分52重量%
注15 NKW2104:日本蛍光(株)社製、橙色蛍光顔料分散体
顔料分52重量%
【0037】
それぞれのインキ組成物を実施例と同様にして、実施例1と同じボールペンに詰めて試験を行った結果を表4に示した。
【0038】
【表4】
Figure 0003932223
【0039】
筆跡視認性 ◎ 下地の色を完全に隠蔽した鮮やかなパステル色の筆跡が得られた
○ 下地の色が若干透けて見えるが、実用上問題のないパステル色の筆跡が得られた
△ 筆跡は視認できるが下地の色が透けて見える程度の筆跡が 得られた
× 筆跡が視認できなかった
キャップオフ書き出し性能
◎ 1文字以内に書き出せた
○ 1行以内に書き出せた
△ 3行以内に書き出せた
× 書き出せなかった
【0040】
実施例11
イオン交換水30.0重量部、トリエタノールアミン(pH調整剤)0.5重量部、水溶性防菌剤(プロキセルXL−2:ゼネカ(株)社製、ベンズイソチアゾリン3オン10%プロピレングリコール水溶液)0.2重量部、防錆潤滑剤(プライサーフ A208S:第一工業製薬(株)社製、ポリオキシエチレン燐酸エステル)1.0重量部をディスパーサーで回転数1000rpmにして60℃で加温しながら撹拌し溶解させた。酸化チタン水分散体(EM WHITE FX 9048:東洋インキ(株)社製、顔料分67重量%)40.0重量部、グリセリン(水溶性有機溶剤:沸点290℃)8.0重量部、白色中空粒子プラスチックピグメント分散体(AE865:日本合成ゴム(株)社製、白色中空粒子分散体、顔料分48重量%)20.0重量部、尿素 2.0重量部を添加し、更に30分間、ディスパーサーにて分散させた後、No.5A濾紙を用い、濾過を行って、水性ボールペン用白色インキ組成物を得た。
このインキ組成物を、紀州の色上質紙(黒、中厚)上に、線径0.6mmワイヤーバーで塗布しマクベス反射濃度計RD915を用いて反射濃度を測定したところ、OD値は0.08であり、十分な白色度と隠蔽性が得られた。このインキの沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分の重量比は1:3.64であった。
【0041】
また、上記白色インキ組成物を、(株)パイロット社製、水性ボールペン「メタリックボール」のインキ収容管に充填し、攪拌ボールを入れ、その後、ボール径0.7mm、ボールとボール受け座とのクリアランスが40μmのステンレスパイプボールペンチップを挿入し、水性白色ボールペンを得た。
このボールペンで紀州の色上質黒紙(黒、中厚)に筆記を行うと、くっきりとした白色の筆跡が得られた。また、このボールペンをキャップを外した状態で、シリカゲルを入れた乾燥デシケーター中にて2週間横置き放置後に、ボールペンを振って内部のインキを攪拌し、書き出し性能を確認したところ1行以内に書き出すことができた。
【0042】
比較例1〜6
実施例1と同様の手順で表5に沿って配合を行い、比較例1〜6の水性ボールペン用白色インキ組成物を得た。
【0043】
【表5】
Figure 0003932223
【0044】
注5 グリセリン:沸点290℃
注16 エチレングリコール:沸点198℃
注17 プロピレングリコール:沸点188℃
【0045】
それぞれのインキ組成物を実施例1と同様にして、マクベス反射濃度計で、OD値測定を行った結果および実施例1と同じボールペンに詰めて試験を行った結果を表6および表7に示した。
【0046】
【表6】
Figure 0003932223
【0047】
筆跡視認性 ◎ 下地の色を完全に隠蔽し、くっきりとした白色の筆跡が得られた
○ 下地の色が若干透けて見えるが、実用上問題のない白色の筆跡が得られた
△ 筆跡は視認できるが下地の色が透けて見えるグレー色の筆跡が得られた
× 筆跡が視認できなかった。
キャップオフ書き出し性能
◎ 1文字以内に書き出せた
○ 1行以内に書き出せた
△ 3行以内に書き出せた
× 書き出せなかった
【0048】
比較例7で作成した水性ボールペン用白色インキ組成物をボール径0.7mm、ボールとボール受け座とのクリアランスが20μmのステンレスボールペンチップを挿入した(株)パイロット社製、水性ボールペン「G−1」のインキ収容管に充填し、インキ収容管のボールペンチップとは逆側に、グリス状のインキフォロアーを充填した後、遠心脱泡を行い、白色直詰め水性ボールペンを得た。
このボールペンは、キャップオフ性能は良好であったが、紀州の色上質紙(黒、中厚)に筆記を行うと、インキ出が少なく、下地の色が透けて見えるグレーの筆跡となってしまった。
【0049】
比較例7で作成した水性ボールペン用白色インキ組成物をボール径0.7mm、ボールとボール受け座とのクリアランスが80μmのステンレスボールペンチップを挿入した(株)パイロット社製、水性ボールペン「G−1」のインキ収容管に充填し、インキ収容管のボールペンチップとは逆側に、グリス状のインキフォロアーを充填した後、遠心脱泡を行い、白色直詰め水性ボールペンを得た。
このボールペンで紀州の色上質紙(黒、中厚)に筆記を行うと、くっきりとした白色の筆跡が得られた。しかし、このボールペンをキャップを外した状態でシリカゲルを入れた乾燥デシケーター中にて2週間横置き放置後に、書き出し性能を確認したところまったく書き出すことができなかった。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の水性ボールペン用インキ組成物および水性ボールペンを使用する事により、十分な隠蔽性が得られるため、直接、写真や暗色紙上への鮮明な筆跡が書け、かつキャップオフでの書き出し性能に優れた水性ボールペンが得られる実用上極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボールペンチップのクリアランスの測定方法を説明する説明図
【符号の説明】
1・・・ボールペンチップ
2・・・デジタルインジケータ
3・・・針
4・・・ボール
5・・・デジタルインジケータシャフト
6・・・治具
7・・・針ガイド
8・・・デジタルインジケータシャフトのガイド

Claims (5)

  1. 顔料と沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と水を含む水性ボールペン用インキであって、顔料分として少なくとも酸化チタンを含有し、上記沸点200℃以上の水溶性有機溶剤と顔料分の重量比が1:1.6から1: . の範囲にあることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物をインキ収容管に充填し、ボールペンチップのボールとボール受け座とのクリアランスを40μmから60μmの範囲にしたことを特徴とする水性ボールペン。
  2. 沸点200℃以上の水溶性有機溶剤がグリセリンである、請求項1に記載の水性ボールペン。
  3. 顔料分としてさらに白色中空微粒子および/または着色蛍光微粒子を配合した、請求項1または2のいずれかに記載の水性ボールペン。
  4. 顔料を前記インキ組成物中に25重量%以上配合した、請求項1ないし3のいずれかに記載の水性ボールペン。
  5. 前記インキ組成物中に擬塑性付与剤を配合した、請求項1ないし4のいずれかに記載の水性ボールペン。
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