JP3930749B2 - 見切材および見切材の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の開口部を形成する内周面のうちの外側部分に固定されたサッシ枠と、内側部分に固定された下地材との間に取り付けられて、前記下地材に設けられるクロスのサッシ枠側の端部を見切る見切材および見切材の取付構造に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
例えば、特開平11−324502号公報の「サッシュ見切り部材」に記載されているように、建物躯体の開口部の室外側には、窓枠がはめ込まれるサッシュ枠が固定されており、開口部の室内側には下地材が取り付けられている。そして、この下地材上に、サッシュ枠と当接するようにしてサッシュ見切り部材が固定されている。このサッシュ見切り部材は、下地材に固定されるベース部材と、このベース部材を覆う見切り部材とを備えており、見切り部材の、室内側を向く面には窪みが形成されている。
また、開口部を形成する壁の内壁面にはプラスターボードが貼られ、このプラスターボードおよび下地材の表面にはクロスが貼り付けられている。そして、このクロスのサッシュ枠側の端縁が、前記見切り部材の窪み内に納められており、これによって、外側からその端縁が隠されて見えないようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開平11−324502号公報では、前記クロスの端縁は、前記見切り部材によって隠されているが、クロスの端縁が見切り部材の窪み内に納められているだけであるので、例えば、窓が結露し、その水分がクロスに伝わった場合に剥離しやすく、クロスを下地材の表面に確実かつ強固に固定することが望まれている。
また、前記サッシュ見切り部材は、ベース部材と見切り部材とを備えており、ベース部材を前記下地材に固定したうえで、このベース部材に見切り部材を嵌合することによって取り付けており、ベース部材と下地材とは両面テープおよびネジによって取り付けているので、その作業が煩雑であり、また、部品点数も多く施工に時間がかかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、クロスを下地材に確実かつ強固に取り付けることができ、また、その施工も容易となる見切材および見切材の取付構造を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、例えば、図1(a),(b)に示すように、建物2の開口部3を形成する内周面4のうちの外側部分に固定されたサッシ枠5と、前記内周面4のうちの内側部分で、前記サッシ枠5に隣接するようにして固定され、表面にクロス7が設けられる下地材6との間に取り付けられて、前記下地材6に設けられるクロス7のサッシ枠5側の端部を見切る見切材21であって、
前記サッシ枠5と前記下地材6との間に固定される固定部22と、
該固定部22から前記下地材6の表面のサッシ枠5側の端部を覆うようにして突出する突出部23と、
該突出部23に設けられて、前記下地材6の表面に設けられるクロス7のサッシ枠5側の端部を、前記突出部23とともに覆い、かつ、下地材6側に押さえ込む押さえ部24とを備え、
前記固定部22は、断面略L字状をなしており、サッシ枠5と下地材6との間に挟みこまれるとともに下地材6に固定される第1固定部25と、下地材6の内周面に固定される第2固定部26とを備え、
前記突出部23は、前記第1固定部25からサッシ枠5側に向けて直線状に傾斜するとともにサッシ枠5に当接する当接部27と、前記当接部27と前記押さえ部24との間に設けられた押圧部28とを備え、前記固定部22が下地材6に固定された際に、前記当接部27が前記サッシ枠5に当接することによって、前記押圧部28が前記押さえ部24を下地材6側に押圧し、前記第2固定部26と前記押さえ部24との間に挿入されたクロス7が押さえ込まれることを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、前記固定部22と突出部23と押さえ部24とを備えているので、前記固定部22が、サッシ枠5と下地材6との間に固定され、前記突出部23および前記押さえ部24が、前記下地材6のサッシ枠5側の端部を覆うとともに、このクロス7のサッシ枠5側の端部が前記押さえ部24によって下地材6側に押さえ込まれる。したがって、従来のように、見切り部材に形成された窪み内にクロスの端部が納められている場合に比して、下地材6の表面にクロス7を確実かつ強固に取り付けることができるとともに、クロス7の端部が外側から見えることなく外観に優れる。
また、従来に比して、複数の部品を取り付けることなく、前記固定部22を、サッシ枠5と下地材6との間に固定することによって、容易に取り付けることができ、よって、施工の短縮化およびコストの削減にもつながる。
さらに、前記固定部22が下地材6に固定された際に、前記突出部23がサッシ枠5に当接することによって、前記押さえ部24を下地材6側に押圧するので、この押圧された押さえ部24によって、クロス7のサッシ枠5側の端部を下地材6側に強く押さえ込むことができる。したがって、この点においても、より一層確実かつ強固に下地材6にクロス7を固定することができる。
また、サッシ枠5と下地材6との間の隙間が、現場によって異なる場合でも、前記突出部23が、サッシ枠5に当接し、押さえ部24を下地材6側に押圧することによって取り付けられるので、サッシ枠5と下地材6との間に隙間が生じることがなく、水密性や気密性の点においても優れる。
【0007】
前記建物2には、例えば、パネル工法で使用する壁パネル2a等が挙げられる。
前記見切材1は、例えば、可撓性を有する樹脂等で形成されていることが望ましい。
【0008】
請求項2の発明は、例えば、図3に示すように、請求項1記載の見切材31において、
前記押さえ部34の下地材6側の端部には、前記下地材6に設けられるクロス7の後方からサッシ枠5側に向かって、前記下地材6の表面に漸次接近する傾斜部39が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、前記押さえ部34の下地材6側の端部には、前記クロス7の後方からサッシ枠8側に向かって、前記下地材6の表面に漸次接近する傾斜部39が形成されているので、この傾斜部39に沿って、クロス7の端部を下地材6と押さえ部34との間に差し込むことによって、前記押さえ部34の下地材6側の端部に引っかかることなく、スムーズにクロス7を下地材6と押さえ部34との間に差し込むことができる。
【0010】
請求項3の発明は、例えば、図1(a),(b)に示すように、建物2の開口部3を形成する内周面4のうちの外側部分に固定されたサッシ枠5と、前記内周面4のうちの内側部分で、前記サッシ枠5に隣接するようにして固定された下地材6との間に、請求項1又は2に記載の見切材21が取り付けられてなる見切材21の取付構造であって、
前記下地材6の表面にクロス7が設けられており、
前記サッシ枠5と前記下地材6との間に、前記見切材21の固定部22のうち第1固定部25が挟み込まれるとともに前記下地材6に固定され、第2固定部26が前記下地材6の内周面に固定され、
前記固定部22から前記下地材6のサッシ枠5側の端部を覆うようにして、突出部23が突出しており、
前記下地材6の表面に設けられたクロス7のサッシ枠5側の端部が、前記突出部23及び押さえ部24によって覆われるとともに、前記突出部23の当接部27が前記サッシ枠5に当接することによって、押圧部28が前記押さえ部24を下地材6側に押圧し、前記第2固定部26と前記押さえ部24との間に挿入されたクロス7が押さえ込まれていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、前記下地材6の表面にクロス7が設けられており、前記サッシ枠5と前記下地材6との間に、前記見切材21の固定部22が固定され、この固定部22から下地材6のサッシ枠5側の端部を覆うようにして、突出部23が突出しており、前記クロス7のサッシ枠5側の端部が、前記突出部23および押さえ部24によって覆われるとともに、前記押さえ部24によって下地材6側に押さえ込まれているので、従来のように、見切り部材に形成された窪み内にクロスの端部が納められている場合に比して、下地材6の表面にクロス7が確実かつ強固に取り付けられた構造とすることができるとともに、クロス7の端部が外側から見えることなく外観に優れる。
また、従来に比して、複数の部品を取り付けることなく、前記固定部22を、サッシ枠5と下地材6との間に固定することによって、容易に取り付けることができ、よって、施工の短縮化およびコストの削減にもつながる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1〜第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態の見切材の断面図、図1(b)は、見切材の取付構造を示す断面図である。
図1(a),(b)に示すように、本発明の第1の実施の形態の見切材21は、建物2の開口部3を形成する内周面4のうちの外側部分に固定されたサッシ枠5と、前記内周面4のうちの内側部分で、サッシ枠5に隣接するようにして固定された下地材6との間に取り付けられて、下地材6の表面に設けられるクロス7を見切るものである。
【0013】
前記建物2は、壁パネル2aにより構成されたものである。この壁パネル2aは、パネル工法により構築される住宅の壁面をなすもので、縦横の框材を矩形状に組み立てるとともに、矩形枠の内部に補助桟材を縦横に組み付け、框材と補助桟材との両面に面材が貼り付けられたものである。
また、周知のように、パネル工法とは、壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、住宅の施工現場でこれらのパネルを組み立てる工法のことで、住宅の施工工法の一つである。そして、このような壁パネル2aが複数設置されることによって、開口部3が形成されている。
【0014】
前記見切材21は、サッシ枠5と下地材6との間に挟み込まれることによって固定される固定部22と、該固定部8から下地材6の表面のサッシ枠5側の端部を覆うようにして突出する突出部23と、該突出部23に設けられて、下地材6の表面に設けられるクロス7のサッシ枠5側の端部を、突出部23とともに覆い、かつ、下地材6側に押さえ込む押さえ部24とを備えている。
前記固定部22と突出部23と押さえ部24とは、可撓性を有する材料、例えば、合成樹脂等で一体成形されている。
【0015】
前記固定部22は、断面略L字状をなしており、サッシ枠5と下地材6との間に挟み込まれるとともに下地材6に固定される第1固定部25と、下地材6の内周面に固定される第2固定部26とを備えている。前記第2固定部26の先端部は、下地材6の表面に向けて直線状に傾斜している。
【0016】
前記突出部23は、固定部22からサッシ枠5側に向けて直線状に傾斜するとともにサッシ枠5に当接する当接部27と、この当接部27と前記押さえ部24との間に設けられた押圧部28とを備えている。つまり、固定部22が下地材6に固定された際に、サッシ枠5に前記当接部27が当接することによって、押圧部28が押さえ部24を下地材6側に押圧するようになっている。
【0017】
また、前記押さえ部24は、前記押圧部28の先端部に該押圧部28と直交する方向に設けられている。この押さえ部24の下地材6側の端部は、下地材6の表面に設けられるクロス7の端縁から後方に向かって、下地材6の表面に漸次接近するように直線状に傾斜している。このように押さえ部24の下地材6側の端部を傾斜させることによって、外側から見た際の納まりが良く、見栄えに優れる。
さらに、この押さえ部24は、前記第2固定部26の先端部よりもサッシ枠5側に位置しており、第2固定部26の方が外側に延出している。
【0018】
次に、本発明の第1の実施の形態の見切材21を前記サッシ枠5と下地材6との間に取り付けられてなる見切材21の取付構造について説明する。
図1(a),(b)に示すように、建物2(壁パネル2a)の開口部3を形成する内周面4のうちの外側部分に、サッシ枠5がネジ13,13を介して2カ所で固定されている。つまり、サッシ枠5は、前記内周面4および建物2の外壁面に取り付けられる取付部14a,14bをそれぞれ備えており、これら取付部14a,14bからネジ13,13がそれぞれねじ込まれることによって固定されている。
また、2つの取付部14a,14bの間には、内周面4から開口部3側に延出する延出部15が設けられており、この延出部15は、後述するが、見切材21の固定部22が当接するようになっている。
【0019】
また、前記内周面4のうちの内側部分で、サッシ枠5に隣接するようにして下地材6が取り付けられている。
前記下地材6は、長尺な板状部材であって、サッシ枠5側の端部に形成されて、前記見切材21の固定部22に当接する凸部16と、この凸部16によって形成される凹部17とを備えている。そして、下地材6は、この凹部17がサッシ枠5の取付部14aおよびネジ13を覆うようにして、内周面4の内側部分に取り付けられている。
【0020】
前記壁パネル2aの内壁面には、内装材18が取り付けられており、この内装材18と下地材6との表面には、これら内装材18および下地材6に連続してクロス7が貼り付けられている。また、壁パネル2aの外壁面には、図示しないが、サイディングが取り付けられている。
【0021】
一方、サッシ枠5と下地材6との間には、見切材21が取り付けられている。つまり、サッシ枠5の延出部15と下地材6の凸部16との間に、前記第1固定部25が挟み込まれて、下地材6に固定されるとともに、第2固定部26が下地材6の凸部16の内周面に固定されている。
そして、この固定部22から下地材6のサッシ枠5側の端部を覆うようにして、突出部23が突出している。すなわち、突出部23の当接部27がサッシ枠5に当接することによって、押圧部28が押さえ部24を下地材6側に押圧しており、この押さえ部234が、下地材6の表面に設けられたクロス7のサッシ枠5側の端部を下地材6側に押さえ込んでいる。また、このクロス7のサッシ枠5側の端部は、突出部23および押さえ部24によって覆われている。
【0022】
また、前記見切材21は、例えば、次のようにしてサッシ枠5と下地材6との間に取り付けられる。
まず、壁パネル2aの開口部3を形成する内周面4のうちの外側部分に、サッシ枠5を予め工場等で取り付けておき、このサッシ枠5が取り付けられた壁パネル2aを現場に運搬し設置する。
次いで、サッシ枠5の前記延出部15に、見切材21の固定部22のサッシ枠5側の面に設けられた両面テープを貼り付けることによって、サッシ枠5に見切材21を固定する。
【0023】
そして、下地材6を、内周面4のうちの内側部分に、下地材6の凹部17がサッシ枠5の取付部14aおよびネジ13を覆うようにして取り付けるとともに、凸部16を見切材21の固定部22に当接させることによって、固定部22をサッシ枠5と下地材6との間に挟み込む。
また、壁パネル2aの内壁面4に内装材18を取り付けた後に、内装材18および下地材6の表面に、クロス7を貼り付けていき、クロス7のサッシ枠5側の端部を、下地材6の表面と見切材21の突出部23および押さえ部24との間に差し込む。
【0024】
本発明の第1の実施の形態の見切材1によれば、前記固定部22と突出部23と押さえ部24とを備えているので、固定部22が、サッシ枠5と下地材6との間に固定され、突出部23および押さえ部24が、下地材6のサッシ枠5側の端部を覆うとともに、このクロス7のサッシ枠5側の端部が押さえ部24によって下地材6側に押さえ込まれる。したがって、従来に比して、下地材6の表面にクロス7を確実かつ強固に取り付けることができるとともに、クロス7の端部が外側から見えることなく外観に優れる。
また、前記固定部22と突出部23と押さえ部24とが可撓性を有する材料で一体成形されているので、従来に比して、複数の部品を取り付けることなく、固定部22を、サッシ枠5と下地材6との間に固定することによって、容易に取り付けることができ、よって、施工の短縮化およびコストの削減にもつながる。
【0025】
また、前記固定部22と突出部23と押さえ部24とを備え、固定部22が下地材6に固定された際に、突出部23の当接部27がサッシ枠5に当接することによって、押さえ部24を下地材6側に押圧するので、この押圧された押さえ部24によって、クロス7のサッシ枠5側の端部を下地材6側に強く押さえ込むことができる。したがって、この点においても、より一層確実かつ強固に下地材6にクロス7を固定することができる。
また、サッシ枠5と下地材6との間の隙間が、現場によって異なる場合でも、突出部33が、サッシ枠5に当接し、押さえ部34を下地材6側に押圧することによって取り付けられるので、サッシ枠5と下地材6との間に隙間が生じることがなく、水密性や気密性の点においても優れる。
さらに、例えば、壁パネル2aの内周面4にサッシ枠5と下地材6とをそれぞれ取り付けた後でも、前記見切材21をこれらサッシ枠5と下地材6との間の隙間に容易に挿入して取り付けることができる。
【0026】
なお、本発明の第1の実施の形態の見切材21において、前記押さえ部24は、第2固定部26の先端部よりもサッシ枠5側に位置しているとしたが、例えば、図2(a),(b)に示すように、押さえ部24aが、第2固定部26aの先端部よりも外側に位置するように形成された見切材21aとしても良い。
このように形成した場合は、当接部27aから第1固定部25aまでの長さBが、前記見切材21の当接部27から第1固定部25までの長さAに比して、短くなるので、例えば、サッシ枠5と下地材6との間の隙間が短い場合に使用される。また、前記見切材21に比して、第2固定部26aが押さえ部24aおよび突出部23aによって覆われることとなり、外側から見た際の見栄えが良い。
【0027】
また、前記見切材21において、押さえ部24の下地材6側の端部は、下地材6の表面に設けられるクロス7の端縁から後方に向かって、下地材6の表面に漸次接近するように滑らかに傾斜しているとしたが、前記押さえ部24の端部に、クロス7の後方からサッシ枠5側に向かって、下地材6の表面に漸次接近する傾斜部を形成するようにしても良い。これによって、押さえ部24の下地材6側の端部に引っかかることなく、スムーズにクロス7を下地材6と押さえ部24との間に差し込むことができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態の見切材について説明する。
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態の見切材の断面図、図3(b)は、見切材の取付構造を示す断面図である。
本発明の第2の実施の形態の見切材31は、図3(a),(b)に示すように、第1の実施の形態と同様に、固定部32と突出部33と押さえ部34とを備えている。
なお、第2の実施の形態に係るサッシ枠5および下地材6は、第1の実施の形態と同様のものであるので、同様の符号を付してその説明は省略する。
前記固定部32と突出部33と押さえ部34とは、可撓性を有する材料、例えば、合成樹脂等で一体成形されている。
【0029】
前記固定部32は、断面略L字状をなしており、サッシ枠5と下地材6との間に挟み込まれるとともに下地材6に固定される第3固定部35と、下地材6の内周面に固定される第4固定部36とを備えている。また、この第4固定部36の先端部は、下地材6の表面に向けて直線状に傾斜している。
【0030】
前記突出部33は、固定部32からサッシ枠5側に向けて円弧状に滑らかに傾斜して設けられ、サッシ枠5に当接する当接部37と、この当接部37と押さえ部34との間に設けられた押圧部38とを備えている。つまり、固定部32が下地材6に固定された際に、サッシ枠5に前記当接部37が当接することによって、押圧部38が押さえ部34を下地材6側に押圧するようになっている。
【0031】
また、前記押さえ部34は、前記押圧部38の先端部に該押圧部38と直交する方向に設けられている。この押さえ部34の下地材6側の端部には、下地材6の表面に設けられるクロス7の後方からサッシ枠5側に向かって、下地材6の表面に漸次接近する傾斜部39が形成されている。この傾斜部39は、直線状に傾斜している。
さらに、この押さえ部34は、前記第4固定部36の先端部よりもサッシ枠5側に位置しており、第4固定部36の方が外側に延出している。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態の見切材31を前記サッシ枠5と下地材6との間に取り付けられてなる見切材31の取付構造について説明する。
図3(a),(b)に示すように、第1の実施の形態と同様にして、建物2(壁パネル2a)の開口部3を形成する内周面4のうちの外側部分に、サッシ枠5が、取付部14a,14bからネジ13,13がそれぞれねじ込まれることによって固定されている。
また、下地材6は、該下地材6の凹部17がサッシ枠5の取付部14aおよびネジ13を覆うようにして、内周面4のうちの内側部分に取り付けられている。
【0033】
前記壁パネル2aの内壁面には、内装材18が取り付けられており、この内装材18と下地材6との表面には、これら内装材18および下地材6に連続してクロス7が貼り付けられている。また、壁パネル2aの外壁面には、図示しないが、サイディングが取り付けられている。
【0034】
一方、サッシ枠5と下地材6との間には、見切材31が取り付けられている。つまり、サッシ枠5の延出部15と下地材6の凸部16との間に、前記第1固定部35が挟み込まれて、下地材6に固定されるとともに、第2固定部36が下地材6の凸部16の内周面に固定されている。
また、この固定部32から下地材6のサッシ枠5側の端部を覆うようにして、突出部33が突出している。すなわち、突出部33の当接部37がサッシ枠5に当接することによって、押圧部38が押さえ部34を下地材6側に押圧しており、この押さえ部35が、下地材6の表面に設けられたクロス7のサッシ枠5側の端部を下地材6側に押さえ込んでいる。また、クロス7のサッシ枠5側の端部は、突出部33および押さえ部34によって覆われている。
【0035】
本発明の第2の実施の形態の見切材31によれば、第1の実施の形態の見切材21と同様の構成部分については、同様の効果を得ることができるので、その説明は省略する。
【0036】
なお、本発明の第1および第2の実施の形態において、見切材21,31は、例えば、固定部22,32の下地材6,6側の面に、両面テープを貼り付けたり、接着剤を塗布することによって、固定しても良い。
【0037】
また、本発明の第1および第2の実施の形態における見切材21,31を、サッシ枠5と下地材6との間に取り付ける取付方法は、例えば、壁パネル2aにサッシ枠5を取り付けておき、下地材6の凸部16に固定部22,32を固定して見切材21,31を取り付けておく。そして、この見切材21,31が取り付けられた下地材6を、見切材21,31の当接部27,37が、サッシ枠5の延出部15に当接するようにして、内周面4の内側部分に取り付けるようにすると良い。
さらに、この他にも、壁パネル2aの内周面4にサッシ枠5と下地材6とを取り付けておき、サッシ枠5の延出部15と下地材6の凸部16との間に、見切材21,31の固定部22,32を挿入させることによって取り付けても良い。
【0038】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、前記クロスのサッシ枠側の端部が、前記押さえ部により下地材側に押さえ込まれることによって、従来に比して、下地材の表面にクロスを確実かつ強固に取り付けることができるとともに、クロスの端部が外側から見えることなく外観に優れる。
また、前記固定部を、サッシ枠と下地材との間に固定することによって、容易に取り付けることができ、よって、施工の短縮化およびコストの削減にもつながる。
押圧された前記押さえ部によって、クロスのサッシ枠側の端部を下地材側に強く押さえ込むことができる。したがって、この点においても、より一層確実かつ強固に下地材にクロスを固定することができる。
また、サッシ枠と下地材との間に隙間が生じることなく取り付けることが可能
となる。
【0039】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記クロスを、前記押さえ部の下地材側の端部に引っかかることなく、スムーズに下地材と押さえ部との間に差し込むことができる。
【0040】
請求項3の発明によれば、前記クロスのサッシ枠側の端部が、前記押さえ部により下地材側に押さえ込まれることによって、従来に比して、下地材の表面にクロスが確実かつ強固に取り付けられた構造とすることができるとともに、クロスの端部が外側から見えることなく外観に優れる。
また、前記固定部を、サッシ枠と下地材との間に固定することによって、容易に取り付けることができ、よって、施工の短縮化およびコストの削減にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すためのもので、(a)は、見切材の断面図、(b)は、見切材の取付構造を示す断面図である。
【図2】 同、(a)は、見切材の断面図、(b)は、見切材の取付構造を示す断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を示すためのもので、(a)は、見切材の断面図、(b)は、見切材の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
21,31 見切材
2 建物
3 開口部
4 内周面
5 サッシ枠
6 下地材
7 クロス
22,32 固定部
23,33 突出部
24,34 押さえ部
39 傾斜部
Claims (3)
- 建物の開口部を形成する内周面のうちの外側部分に固定されたサッシ枠と、前記内周面のうちの内側部分で、前記サッシ枠に隣接するようにして固定され、表面にクロスが設けられる下地材との間に取り付けられて、前記下地材に設けられるクロスのサッシ枠側の端部を見切る見切材であって、
前記サッシ枠と前記下地材との間に固定される固定部と、
該固定部から前記下地材の表面のサッシ枠側の端部を覆うようにして突出する突出部と、
該突出部に設けられて、前記下地材の表面に設けられるクロスのサッシ枠側の端部を、前記突出部とともに覆い、かつ、下地材側に押さえ込む押さえ部とを備え、
前記固定部は、断面略L字状をなしており、サッシ枠と下地材との間に挟みこまれるとともに下地材に固定される第1固定部と、下地材の内周面に固定される第2固定部とを備え、
前記突出部は、前記第1固定部からサッシ枠側に向けて直線状に傾斜するとともにサッシ枠に当接する当接部と、前記当接部と前記押さえ部との間に設けられた押圧部とを備え、前記固定部が下地材に固定された際に、前記当接部が前記サッシ枠に当接することによって、前記押圧部が前記押さえ部を下地材側に押圧し、前記第2固定部と前記押さえ部との間に挿入されたクロスが押さえ込まれることを特徴とする見切材。 - 請求項1記載の見切材において、
前記押さえ部の下地材側の端部には、前記下地材に設けられるクロスの後方からサッシ枠側に向かって、前記下地材の表面に漸次接近する傾斜部が形成されていることを特徴とする見切材。 - 建物の開口部を形成する内周面のうちの外側部分に固定されたサッシ枠と、前記内周面のうちの内側部分で、前記サッシ枠に隣接するようにして固定された下地材との間に、請求項1又は2に記載の見切材が取り付けられてなる見切材の取付構造であって、
前記下地材の表面にクロスが設けられており、
前記サッシ枠と前記下地材との間に、前記見切材の固定部のうち第1固定部が挟み込まれるとともに前記下地材に固定され、第2固定部が前記下地材の内周面に固定され、
前記固定部から前記下地材のサッシ枠側の端部を覆うようにして、突出部が突出しており、
前記下地材の表面に設けられたクロスのサッシ枠側の端部が、前記突出部及び押さえ部によって覆われるとともに、前記突出部の当接部が前記サッシ枠に当接することによって、押圧部が前記押さえ部を下地材側に押圧し、前記第2固定部と前記押さえ部との間に挿入されたクロスが押さえ込まれていることを特徴とする見切材の取付構造。
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