JP3924664B2 - 検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射光測定回路に利用し、特に受光素子への入射光の変化を検出して、所定の検知領域内での侵入者等の存在を検知するための検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、防犯用の検知装置は、検知領域に赤外光を照射する赤外線発光素子と、検知領域で反射された反射光を受光する赤外線受光素子とを含んでおり、赤外線発光素子から出射して、検知領域内に侵入した人間の体等により乱反射された赤外線が赤外線受光素子に入射することにより、赤外線受光素子に入射する赤外線光量を検出し、その変化に基づいて検知領域内への侵入者等を検知するようにしている。
【0003】
このような構成の検知装置によれば、検知領域内に侵入者等がいない場合には検知領域内からの赤外線の乱反射がないことから、赤外線受光素子への赤外線の入射光量は変化がない。
【0004】
この状態から、検知領域内に侵入者等が入ると、この侵入者等によって赤外線発光素子から出射した赤外線が乱反射されることになり、この乱反射された赤外線が赤外線受光素子に入射する。これにより、赤外線受光素子への赤外線の入射光量が変化するので、この赤外線受光素子の検出信号の変化が、信号処理回路によって適宜に処理されることによって、侵入者等の存在が検知され得ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構成の検知装置においては、測定環境の明るさや外乱光の影響を受けてしまい、誤動作してしまうことがあった。
この外乱光による影響を防止するために検知感度を低く設定すると、検知距離が短くなったり、検知視野が狭くなってしまうと共に、小さな物体や反射率の低い物体が検知できなくなってしまうという課題が生じていた。
従って、外乱光対策としては、発光素子を一定周波数でパルス変調することによりパルス発光させ、受光素子による受光信号の中から信号光による信号のみを取り出すように、受光信号の一部を積分した信号により、受光素子として使用されるフォトトランジスタのバイアスを変化させて、信号周波数より低い周波数の外乱光に対して応答しないようにした検知装置や、受光信号をバンドパスフィルタ回路により周波数選択して、外乱光の影響を排除するようにした検知装置などが知られている。
【0006】
しかしながら、このような検知装置においては、信号光に重畳された外乱光の影響を完全に排除することは困難であるので、外乱光によって信号光が変化してしまい、正確な信号光の検出を行なうことができなかった。
【0007】
これに対して、従来は、発光素子に流す駆動電流を大きくして発光出力を増大させる方法や、受発光素子を複数個並べて配置することにより、感度を高める方法が採用されているが、これらの方法においては、S/N比が多少改善されるものの、消費電流が増大したり、コストが高くなってしまう。このため、このような検知装置の使用は、外乱光の影響の少ない場所に限定されてしまい、検知距離が短く且つ検知視野が狭く、また小さい物体や反射率の低い物体を検出できず、さらには動きの遅い物体や静止した物体の検知もできないという、性能面での限界があることから、用途が限定されてしまっていた。
【0008】
また、信号光による信号の積分値及び外乱光による信号の積分値をそれぞれサンプルホールドして、これら積分値の差をとることにより、外乱光による信号を除去する方法もあるが、回路が複雑になると共に、コストが高くなってしまう。他方、信号光による信号の積分及び外乱光による信号の積分を、それぞれ別の積分器によって行ない、積分値の差をとることにより、外乱光による信号を除去する方法もあるが、この方法では回路は単純になるものの、二つの積分器の積分定数を合わせることが困難であり、正確な外乱光による信号の除去ができない。
【0009】
本発明は以上の点に鑑み、簡単な構成により、低コストで測定環境の明るさや外乱光の影響を受けずに、検知領域内への侵入者等が高感度で検出されるようにした検知装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の検知装置は、検知領域にパルス光を照射する発光手段と、検知領域からの反射光を受光する受光手段と、受光手段からの受光信号を、外乱光測定及び信号光測定に切り換えるためのマルチプレクサからなる切換え手段と、切換え手段に接続される二重積分処理手段と、二重積分処理手段からの信号光による信号の変化をトリガレベルと比較して検知信号を出力する比較手段と、比較手段からの検知信号に基づいて警報を発生させる警報手段と、を含み、二重積分処理手段は、信号光及び信号光に重畳される外乱光を積分し、切換え手段により切り換えられた外乱光を逆積分することにより、信号光から外乱光を除去した信号のみを取り出すことを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の検知装置は、検知領域にパルス光を照射する赤外線発光素子と、検知領域内の侵入者等からの反射光を受光する赤外線受光素子と、赤外線受光素子からの受光信号を、外乱光測定及び信号光測定に切り換えるためのマルチプレクサからなる切換え回路と、切換え回路に接続される二重積分回路と、二重積分回路の出力信号から信号光成分のみを取り出し、信号光成分のみを増幅する同期検波増幅回路と、同期検波増幅回路からの信号光による信号を直流信号に変換する平滑回路と、平滑回路からの直流信号の変化をトリガレベルと比較して検知信号を出力する比較回路と、比較回路からの検知信号に基づいて警報を発生させる警報回路と、を含み、二重積分処理回路は、信号光及び信号光に重畳される外乱光を積分し、切換え回路により切り換えられた外乱光を逆積分することにより、信号光から外乱光を除去した信号のみを取り出し、同期検波増幅回路へ出力することを特徴とするものである。
【0012】
本発明による検知装置は、好ましくは、上記構成に加え、二重積分回路のリセット期間中に切換え回路の受光素子の出力端子間を短絡するスイッチを含んでいる。
【0013】
本発明による検知装置は、好ましくは、上記二重積分回路の外乱光測定時間と信号光測定時間のデューティ比を調整するための調整回路を備えている。
【0014】
本発明による検知装置は、好ましくは、上記比較回路が、トリガレベルが自動シフトすることにより、一定した検知感度にて検知信号を出力するようになっている。
【0015】
上記構成によれば、マルチプレクサからなる切換え手段によって、発光手段が発光している信号光測定時間と、発光手段が発光していない外乱光測定時間とを切り換えて、二重積分処理手段によって信号光測定時間にて信号光及び外乱光による信号を積分し、外乱光測定時間にて外乱光による信号を逆積分することにより、信号光による信号のみを取り出す。
これにより、外乱光の影響を排除した信号光による信号のみの検出が可能となり、検知領域内への侵入者等が高感度で正確に検出されることになる。
【0016】
また、マルチプレクサからなる切換え回路によって、赤外線発光素子が発光している信号光測定時間と、赤外線発光素子が発光していない外乱光測定時間とを切り換えて、二重積分回路によって信号光測定時間にて信号光及び外乱光による信号を積分し、外乱光測定時間にて外乱光による信号を逆積分することにより、信号光による信号のみを取り出す。
これにより、外乱光の影響を排除した信号光による信号のみの検出が可能となり、検知領域内への侵入者等が高感度で正確に検出されることになる。
【0017】
本検知装置に、二重積分回路のリセット期間中に切換え回路の受光素子の出力端子間を短絡するスイッチを含んでいる場合には、二重積分回路の出力を確実にゼロにでき、誤動作することがない。
【0018】
本検知装置に、上記二重積分回路の外乱光測定時間と信号光測定時間のデューティ比を調整するための調整回路を備えている場合には、外乱光測定時間と信号光測定時間とが互いに僅かに異なることにより、赤外線受光素子や二重積分回路のオペアンプが完全にリニア動作しないことによる測定誤差が補正され、より一層外乱光の影響を受けない、正確な検出が行なわれ得る。
【0019】
上記比較回路が、トリガレベルが自動シフトすることにより、一定した検知感度にて検知信号を出力するようになっている場合には、測定環境の変化によって感度が変わってしまうようなことがなく、常に一定の検知感度が得られることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による検知装置の一実施形態を示しており、検知装置10は、赤外線発光素子11と、発振回路12,アップカウンタ13,調整回路としてのオフディレー回路14及び投光回路15と、赤外線受光素子16と、この赤外線受光素子16の受光信号を処理するための切換え回路としてのマルチプレクサ17,二重積分回路18,同期検波増幅回路19,平滑回路20,比較回路としてのウィンドーコンパレータ回路21及び警報回路22と、赤外線発光素子11及び赤外線受光素子16の前に配置された可視光カットフィルタ23とを含んでいる。
【0021】
赤外線発光素子11は、検知領域Xに対して近赤外光を出射するように配設されていて、その検知距離を長くしあるいは検知視野を限定する必要がある場合には、前方に例えばレンズや凹面鏡,フレネルレンズ等の収束系または発散系の光学系11aを備えている。
なお、赤外線発光素子11は、例えば赤外LED(発光ダイオード)が使用され、その発光出力に応じて、所望の検知距離や検知視野を確保するために、複数個並べて駆動されるようにしてもよい。
【0022】
発振回路12は、クロック信号を発生させるものであり、例えばC−MOSインバータ,IC,トランジスタ等によるマルチバイブレータやCR素子を使用した自励又は他励発振回路から構成されており、その発振周波数は、赤外線発光素子11の発光パルス幅に対応して設定される。例えば、その発振周波数が10kHzの場合、赤外線発光素子11の発光パルス幅は100μsとなる。
【0023】
アップカウンタ13は、発振回路12からのクロック信号をアップカウントして、その第一のカウンタ出力Q0(図4参照)と第二のカウンタ出力Q1のロジック信号により受光信号を切り換えるマルチプレクサ17のスイッチを順次切り換える信号及び投光回路に発光素子をパルス駆動させる信号を出力するものである。
この場合、投光出力信号E(図4参照)は、その周波数が外乱光周波数に対して10倍以上の周波数を有するように設定されることにより、外乱光に対する影響が低減される。
【0024】
オフディレー回路14は、受光信号における外乱光測定時間及び信号光測定時間のデューティ比を調整するための回路であって、例えば図2に示すように、アップカウンタ13からのロジック信号に基づいて、コンデンサと可変抵抗の抵抗値で決まる時定数τ1(図4参照)だけ立下りのタイミングを遅延させることにより、デューティ比を調整するようになっている。
【0025】
投光回路15は、アップカウンタ13からのロジック信号に対応して、信号光測定時間に同期して赤外線発光素子11を発光させるものであり、赤外線発光素子11の発光出力を安定化させるために、定電圧または定電流で赤外線発光素子11を駆動するようになっている。
【0026】
赤外線受光素子16は、赤外線発光素子11からの反射赤外光を検出し得る感度を有するものであり、その検知距離を長くしあるいは検知視野を限定する必要がある場合には、前方に例えばレンズや凹面鏡,フレネルレンズ等の収束系または発散系の光学系16aを備えている。
なお、赤外線受光素子16は、例えばフォトダイオードが使用され、その受光感度に応じて、所望の検知距離や検知視野を確保するために複数個並べて配設されてもよい。
【0027】
マルチプレクサ17は、図2に示すように、赤外線受光素子16からの受光信号を、オフディレー回路14を介して入力されるアップカウンタ13からのロジック信号により、外乱光測定時間と信号光測定時間とに切り換えるためのものであり、その受光素子出力端子間に、二重積分回路18のリセット期間中短絡するためのアナログスイッチ17aを備えている。
【0028】
二重積分回路18は、マルチプレクサ17で切り換えられた受光信号のうち、外乱光による信号及び信号光による信号を積分すると共に、外乱光による信号を逆積分するように、例えば図3に示すように、オペアンプ18aから構成されている。
【0029】
同期検波増幅回路19は、二重積分回路18により出力された信号から、同期検波によって信号光による信号成分のみを取り出して、処理しやすい適宜のレベルに増幅する。
【0030】
平滑回路20は、同期検波増幅回路19からのパルス状の信号光による信号の波形を、直流波形に変換する。
【0031】
ウィンドーコンパレータ回路21は、信号光による信号の変化を、二つのトリガレベルと比較して、二つのトリガレベル間から外れた場合に検知信号を出力するようになっている。ここで、上記二つのトリガレベルは、それぞれ独立してレベル設定されると共に、平滑回路20の出力信号の大きさに基づいて自動的に調整されることにより、測定環境が変化しても常に一定の検知感度を有するように構成されている。なお、上記トリガレベル設定は、入力信号の急激な変化に応答せず、例えば数秒以上の遅延時間を有するように、応答速度を調整し得るようにしてもよい。
【0032】
警報回路22は、ウィンドーコンパレータ回路21から検知信号が出力されたとき、侵入者等の検知信号、即ち警報信号を外部に出力するものであり、電源投入時から動作が安定するまでの所定時間の間、警報を出力しないように所謂マスク期間を設定した警戒開始のリセット信号を入力するリセットスイッチや、警報信号をワンショットあるいは検知している間継続して、さらには一旦検知した後はリセットされるまで継続して出力するように、切り換えられるようにしてもよい。また、警報回路22は、警報信号によりリレーを動作させて、リレー接点出力にて外部に報知するための出力端子を設けるようにしてもよく、警報回路内に視覚的に表示する表示灯や聴覚的に表示する警報ブザー等を使用してもよい。
【0033】
可視光カットフィルタ23は、強い外乱光が入射しても二重積分回路の出力が飽和しないように外乱光の可視光線を遮断し、信号光の近赤外線を透過させる材質の光学フィルタである。
【0034】
本発明実施形態による検知装置10は以上のように構成されており、発振回路12からの周期T0のクロック信号A(図4(A)参照)は、アップカウンタ13によってアップカウントされて、その第二のカウンタ出力Q1からのロジック信号C(図4(C)参照)が、直接に投光回路15及びマルチプレクサ17に送出されると共に、その第一のカウンタ出力Q0からのロジック信号B(図4(B)参照)がオフディレー回路14を介して、投光回路15及びマルチプレクサ17に送出される。
【0035】
ここで、オフディレー回路14は、アップカウンタ13の第一のカウンタ出力Q0からのロジック信号Bに基づいて、T1とT2 のデューティ比を調整して、ロジック信号D(図4(D)参照)を出力するようになっている。
【0036】
これにより、投光回路15は、ロジック信号C及びオフディレー回路14からのロジック信号Dによりパルス駆動され、赤外線発光素子11から一定間隔のパルス発光(図4(E)参照)を行なう。そして、赤外線発光素子11から出射した近赤外光は、光学系11a及び可視光カットフィルタ23を介して検知領域Xに照射され、この領域における反射光が、可視光カットフィルタ23及び光学系16aを介して、赤外線受光素子16に入射して検出される。
【0037】
そして、赤外線受光素子16の検出信号はマルチプレクサ17に入力される。マルチプレクサ17は、図4(F)に示すように、アップカウンタ13からのロジック信号Cとオフディレー回路14からのロジック信号Dに基づいて、期間(信号光測定時間)T1(=T0+τ1)では赤外線発光素子11が発光しているので、信号光による信号と外乱光による信号が重畳された積分信号を出力し、続く期間(外乱光測定時間)T2(=T0−τ1)では、赤外線発光素子11が発光していないので、外乱光による信号の逆積分信号を出力し、さらに、期間T3(=T0)では、信号光による信号のホールド信号を出力し、その後のリセット期間T4(=5×T0)では、マルチプレクサ17により二重積分回路の積分コンデンサC3が短絡され、積分出力が0となる。
【0038】
二重積分回路18の出力は、外乱光が小さい場合、図4(F)にて実線で示すように期間T1で増大し且つ期間T2で減少するが、外乱光が大きくなった場合、鎖線で示すように、それぞれ期間T1でより大きい傾斜で増大し且つ期間T2でより大きい傾斜で減少するように変化する。従って、その差である信号光による信号レベルV1は、外乱光の有無によって変化せず、一定となる。このため、外乱光の影響を完全に除去した信号光による信号のみが取り出され得ることになる。
ここで、期間T1は、期間T2より僅かに長くなることから、赤外線受光素子16及び二重積分回路18のオペアンプが完全にリニア作動しないことにより生ずる測定誤差を補正する。これにより、外乱光に対して強く、高感度の検出が行なわれ得ることになる。
なお、実験では、信号光測定時間T1と外乱光測定時間T2とのデューティ比が51:49のとき、最も外乱光に強い検出結果が得られた。
反射信号光が増大した場合には、二重積分回路18の出力信号Fは図4(F)の右側に示すように、信号レベルV1’となる。
【0039】
続いて、二重積分回路18からの出力信号は、同期検波増幅回路19によって期間T3における信号光による信号のみが取り出され、図4(G)に示すように適宜の信号レベルV2に増幅され、さらに平滑回路20により平滑化されて、図4(H)に示すように直流波形の信号Hとなり、その時定数τ2は、回路内の抵抗及びコンデンサの回路定数によって決まる。尚、この時定数τ2は、赤外線発光素子11の発光周波数及び応答速度によって適宜に選定される。
【0040】
次に、平滑回路20からの直流信号Hは、そのレベルV4が、ウィンドーコンパレータ回路21において、二つのトリガレベルVH,VLと比較される。そして、直流信号Hが侵入者等の検知によって、図4(I)に示すように、時定数τ3で信号レベルV4’に変化すると、二つのトリガレベルVH,VLも時定数τ3より十分大きい時定数τ4で変化することになるが、一時的にトリガレベルVHから外れることになり、ウィンドーコンパレータ回路21は、図4(J)に示すように検出信号を出力する。
この場合、直流信号Hの変化に伴って、あるいは測定環境が変化して、信号レベルV4が変化すると、トリガレベルVH,VLも図示のように時定数τ4でシフトすることになって、再び同じトリガレベルに設定されることになるので、測定環境が変化する毎にトリガレベルの調整を行なう必要がなく、常に一定の検知感度が得られるようになっている。
【0041】
こうして、警報回路22は、ウィンドーコンパレータ回路21からの検出信号に基づいて、外部に警報信号を出力することになる。
【0042】
ここで、上記説明は、侵入者等によって検知装置10の赤外線受光素子16に対する入射光量が増大する場合について説明したが、侵入者等によって赤外線受光素子16に対する入射光量が減少する場合には、赤外線受光素子16への入射光量に対応して、赤外線受光素子16から検出信号が出力されることにより、平滑回路20からの直流信号Hのレベルが低くなって、ウィンドーコンパレータ21にて、VLトリガレベルを下回ることになり、同様にして、警報信号が出力されることにより、侵入者等が検出されることができる。
【0043】
上記実施形態においては、二重積分回路18は、期間T1にて信号光と外乱光の重畳した信号の積分を行ない、期間T2にて外乱光による信号のみの逆積分を行なうようになっているが、これに限らず、期間T1にて外乱光による信号のみの積分を行ない、期間T2にて信号光と外乱光の重畳した信号の逆積分を行なうようにしてもよい。
【0044】
上記実施形態においては、各回路は、それぞれ独立して示されているが、例えば発振回路12,アップカウンタ13,オフディレー回路14,平滑回路20,ウィンドーコンパレータ回路21と、警報回路22の全部または一部の機能が、A/D回路内蔵のワンチップマイコンを使用して構成されるようにしてもよい。この構成によれば、機能が増大しても、全体の回路が複雑化せず、コストアップが抑制され得ることになる。
また、静止物体の検知の際、信号光による信号レベルがトリガレベルを超えた場合、その時点のトリガレベルを記憶させて、信号レベルが元のレベルに戻るまでの間、即ち検知している間、継続して警報信号を出力させることが容易に可能となる。
【0045】
さらに、ノイズ対策として、パルス状の信号光による信号の各波形を一つづつまたは数パルス毎にレベル変化の様式を解析・処理することによって、ノイズによる誤動作をソフトウェアにより回避することが可能である。例えば、パルス状の信号光を数パルス以上について平均化処理を行い、平均値を用いるようにすれば赤外線式リモコン送信機からのリモコン信号による影響を低減できる。また、パルス状の信号光による信号が連続して3回以上同じ方向に変化したときに、検知信号であると判定し、その他の変化はノイズによるものと判定するようにしておけば、ノイズに対する誤動作が大幅に回避され得ることになる。
なお、検知装置がセキュリティ用に使用される場合、応答速度があまり速くなくてもよいときには、上記パルス状信号光による信号の回数をさらに多くしそれと同じ方向に変化したときに、検知信号であると判定するようにすれば、検知領域内に侵入する虫等による誤動作が有効に回避され得ることになる。
【0046】
また、上記実施形態においては、検知装置10は、赤外線反射式センサを使用しているが、これに限らず、他の検知センサ、例えば位置検出素子(PSD)や超音波センサ等も使用され得ることは明らかである。
さらに、上記実施形態においては、可視光カットフィルタ23が設けられているが、これに限らず、例えば赤外線受光素子16の光学系16aに可視光カット材料が使用されてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、切換え回路によって、赤外線発光素子が発光している信号光測定時間と、赤外線発光素子が発光していない外乱光測定時間とを切り換えて、二重積分回路によって信号光測定時間にて信号光と外乱光の重畳した信号を積分し、外乱光測定時間にて外乱光による信号を逆積分することにより信号光による信号のみを取り出すようにしており、これにより、外乱光の影響を排除した、信号光による信号のみの検出が可能となり、検知領域内への侵入者等が高感度で正確に検知され得ることになる。
【0048】
上記二重積分回路の外乱光測定時間と信号光測定時間のデューティ比を調整するための調整回路を備えている場合には、外乱光測定時間と信号光測定時間とが互いに僅かに異なることにより、赤外線受光素子や二重積分回路のオペアンプが完全にリニア動作しないことによる測定誤差が補正され、より一層外乱光の影響を受けない正確な検出が行なわれる。
【0049】
上記比較回路が、トリガレベルが自動シフトすることにより一定した検知感度にて検知信号を出力するようになっている場合には、測定環境の変化によって感度が変わってしまうようなことがなく、常に一定の検知感度が得られることになる。
【0050】
従って、本発明によれば、従来では性能面及び信頼性の点で使用することが困難であったセキュリティ用の侵入者検知器や残留者検知器、あるいは自動ドア起動スイッチの静止検知等、あるいはシャッター開閉検知、そして物体の動きや反射率等の変化を検知するためのセンサへの使用が可能となる。
かくして、本発明によれば、簡単な構成により、低コストで測定環境の明るさや外乱光の影響を受けずに、検知領域内への侵入者等が高感度で検出され得るようにした極めて優れた検知装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による検知装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の検知装置におけるオフディレー回路の構成例を示す回路図である。
【図3】図1の検知装置におけるマルチプレクサ及び二重積分回路の構成例を示す回路図である。
【図4】図1の検知装置における各部の信号の変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 検知装置
11 赤外線発光素子
12 発振回路
13 アップカウンタ
14 オフディレー回路
15 投光回路
16 赤外線受光素子
17 マルチプレクサ
17a アナログスイッチ
18 二重積分回路
19 同期検波増幅回路
20 平滑回路
21 ウィンドーコンパレータ回路
22 警報回路
23 可視光カットフィルタ
Claims (5)
- 検知領域にパルス光を照射する発光手段と、
検知領域からの反射光を受光する受光手段と、
この受光手段からの受光信号を、外乱光測定及び信号光測定に切り換えるためのマルチプレクサからなる切換え手段と、
この切換え手段に接続される二重積分処理手段と、
この二重積分処理手段からの信号光による信号の変化をトリガレベルと比較して検知信号を出力する比較手段と、
この比較手段からの検知信号に基づいて警報を発生させる警報手段と、を含み、
上記二重積分処理手段は、上記信号光及び該信号光に重畳される外乱光を積分し、上記切換え手段により切り換えられた上記外乱光を逆積分することにより、上記信号光から外乱光を除去した信号のみを取り出すことを特徴とする、検知装置。 - 検知領域にパルス光を照射する赤外線発光素子と、
検知領域内の侵入者等からの反射光を受光する赤外線受光素子と、
赤外線受光素子からの受光信号を、外乱光測定及び信号光測定に切り換えるためのマルチプレクサからなる切換え回路と、
この切換え回路に接続される二重積分回路と、
この二重積分回路の出力信号から信号光成分のみを取り出し、この信号光成分のみを増幅する同期検波増幅回路と、
この同期検波増幅回路からの信号光による信号を直流信号に変換する平滑回路と、
この平滑回路からの直流信号の変化をトリガレベルと比較して検知信号を出力する比較回路と、
この比較回路からの検知信号に基づいて警報を発生させる警報回路と、
を含み、
上記二重積分回路は、上記信号光及び該信号光に重畳される外乱光を積分し、上記切換え回路により切り換えられた上記外乱光を逆積分することにより、上記信号光から外乱光を除去した信号のみを取り出し、上記同期検波増幅回路へ出力することを特徴とする、検知装置。 - 前記二重積分回路のリセット期間中に前記切換え回路の受光素子の出力端子間を短絡するスイッチを含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の検知装置。
- 前記二重積分回路の外乱光測定時間と信号光測定時間のデューティ比を調整するための調整回路を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の検知装置。
- 前記比較回路が、トリガレベルを自動シフトすることにより一定した検知感度にて検知信号を出力することを特徴とする、請求項2に記載の検知装置。
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